(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】損失媒体を通した超短パルスレーザー通信のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04B 10/112 20130101AFI20240202BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20240202BHJP
G01S 17/95 20060101ALI20240202BHJP
G02F 1/01 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
H04B10/112
G01S7/481 A
G01S17/95
G02F1/01 B
(21)【出願番号】P 2021546001
(86)(22)【出願日】2019-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019033132
(87)【国際公開番号】W WO2020162960
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-05-16
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521348085
【氏名又は名称】アトークロン,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チャフィー,トーマス,マルコム
(72)【発明者】
【氏名】シャヨフスキ,ポール,エフ.
(72)【発明者】
【氏名】フライシャウアー,ロバート,ピー.
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0182620(US,A1)
【文献】特表2018-535438(JP,A)
【文献】特開2011-022589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/112
G01S 7/481
G01S 17/95
G02F 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
損失媒体を通じる強化された伝搬のために自由空間光ビームを生成するための光通信又はセンサ装置用のシステムであって、前記システムは、
ビームを生成する超短パルスレーザー(USPL)ソースと、
前記USPLソースの内部又は外部のどちらかに動作可能に配列され、且つ、データ変調光出力を生成するために、前記USPLソースによって生成されたビームにデータ変調を行うように構成された変調器であって、前記データ変調光出力は、1ナノ秒以下のパルス持続時間、1キロワット以上のピーク光パルス電力、及び秒あたり少なくとも1ギガビットのデータ容量を各々有するデータ変調光パルスを備え、前記データ変調は、光伝送プラットフォームへの送信のためにデータを運ぶ、変調器と、
前記データ変調光出力を受信して
前記自由空間光ビームに変換するように構成され
た第1の光学送受信機であって、前記自由空間光ビームは、前記損失媒体を通じて前記光伝送プラットフォームへ送信され、前記光伝送プラットフォームは、前記第1の光学送受信機から遠隔距離に位置する、第1の光学送受信機と、
前記自由空間光ビームを受信し、受信された自由空間光ビームを光検出器へ送達するように構成された第2の光学送受信機と、
を備え、
前記光伝送プラットフォームは、前記自由空間光ビームを受信し、前記自由空間光ビームを、局地的に使用されるか又は光学的に若しくはなんらかの他の手段のどちらかによって別の場所に再送されることになる変調電子信号に変換し、
前記損失媒体は、前記自由空間光ビームに光学的に損傷した大気条件を与える、水エアロゾル、乱気流、及び清浄空気シンチレーションのうちの少なくとも1つを備える、システム。
【請求項2】
前記データ変調光出力は、赤外線中心波長を伴うパルススペクトルバンドを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記パルス持続時間は1ピコ秒未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記パルス持続時間は100フェムト秒未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記パルス持続時間は1フェムト秒未満である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ピーク光パルス電力は5キロワット以上である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記ピーク光パルス電力は10キロワット以上である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記パルス持続時間は100フェムト秒以下であり、前記ピーク光パルス電力は10キロワットよりも大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
1つより多くのデータチャネルを前記自由空間光ビームに多重化する光マルチプレクサをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記データ変調は、インパルスコーディング変調を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記データ変調光出力は、赤外線中心波長を伴うパルススペクトルバンドを有する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記損失媒体は水エアロゾルを備え、前記システムは、前記USPLソースと同じ平均電力を有する連続波レーザーを使用して生成される自由空間光ビームと比較して25dB以上の改善された信号ピークツーフェードを提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記USPLソースは、少なくとも1GHzの繰り返し率をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記
自由空間光ビームの前記第2の光学送受信機への送信の前に、異なる偏光の光信号を多重化する偏光依存マルチプレクサコンポーネントをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2の光学送受信機内で第2の変調光信号として受信された異なる偏光の光信号を逆多重化する偏光依存デマルチプレクサコンポーネントをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記偏光依存デマルチプレクサコンポーネントによって逆多重化された光信号は、ネットワーク使用のために異なる光ネットワークに各々インタフェースされる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
方法であって、
超短パルスレーザー(USPL)ソースにおいて、ビームを生成することと、
前記USPLソースの内部又は外部のどちらかに動作可能に配列された変調器において、データ変調光出力を生成するためにデータ変調を前記ビームに行うことであって、前記データ変調光出力は、1ナノ秒以下のパルス持続時間、1キロワット以上のピーク光パルス電力、及び秒あたり少なくとも1ギガビットのデータ容量を各々有するデータ変調光パルスを備え、前記データ変調は、光伝送プラットフォームへの送信のためにデータを運ぶことと、
第1の光学送受信機において、前記データ変調光出力を受信して自由空間光ビームに変換することであって、前記自由空間光ビームは、損失媒体を通じて前記光伝送プラットフォームへ送信され、前記光伝送プラットフォームは、前記第1の光学送受信機から遠隔距離に位置することと、
第2の光学送受信機において、前記自由空間光ビームを受信し、受信された自由空間光ビームを光検出器へ送達することと、
前記第1の光学送受信機において、前記データ変調光出力を受信することと、
前記
第1の光学送受信機を使用して、前記損失媒体を通じて前記自由空間光ビームを前記光伝送プラットフォームへ送信することであって、前記損失媒体は、前記自由空間光ビームに光学的に損傷した大気条件を与える、水エアロゾル、乱気流、及び清浄空気シンチレーションのうちの少なくとも1つを備えることと、
を備える、方法。
【請求項18】
前記USPLソースは、前記USPLソースと同じ平均電力を有する連続波レーザーを使用して生成される自由空間光ビームと比較して少なくとも10dBの改善された信号ピークツーフェード測定値を提供する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記データ変調光出力は、赤外線中心波長を伴うパルススペクトルバンドを有し、前記損失媒体は、前記自由空間光ビームの中心波長をさらに赤方へ偏移させて、前記USPLソースによって出力された中心波長よりも長い第2の中心波長を形成し、前記方法は、前記光検出器を使用して前記第2の中心波長で前記自由空間光ビームの一部を検出することをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、内容が本明細書で参照により援用されるMETHOD AND APPARATUS FOR ULTRA-SHORT PULSED LASER COMMUNICATION THROUGH A LOSSY MEDIUMと題し、2019年2月6日に出願された米国特許出願第16/269106号の利益を主張する。
【0002】
本明細書に説明される主題は、光通信、リモートセンシング、パワービーミング(power beaming)などを含む自由空間光(FSO)無線伝送に関し、より詳細には、霧、雲(つまり、水エアロゾル)、大気ビームワンダ、蛍光効果などを含む場合があるが、これらに限定されるものではない要因のために、光学的に損傷した大気条件を通したビーム伝搬のための超短パルスレーザー(USPL)ソースを使用した波長伝搬のために実現できる強化された光伝送効率に関する。
【背景技術】
【0003】
民間部門及び商業部門と政府部門の両方からの電気通信サービスに対する需要の爆発的な伸びは、現在利用可能な電気通信ネットワークに対して前例のない負担を課している。代替のネットワーク配信技術及びトポロジーがないと、全体的な効果的なネットワーク速度は制限される可能性があり、一方ネットワーク内のボトルネックの発生はますます頻繁になる。
【0004】
双方向自由空間光(FSO)通信ネットワークは、実現可能な場合、マイクロ波リンク、ワイヤ、又はケーブルシステムの用途に有用な代替策を提供することができる。そのようなネットワークは、共通の技術プラットフォームの光ファイバ伝送システムとの共有、多くの現代の通信システムの基幹回線のために、現在のネットワークアーキテクチャ及び将来のネットワークアーキテクチャに対してトランスペアレントである可能性がある。FSO通信システムは、一般に共通の光ファイバコンポーネントを共用する場合があり、商用の光コンポーネントは、多くの場合、自由空間光用途と光ファイバ用途の両方に活用できる。自由空間光データの主要な相違点は、伝搬の媒体が光ファイバではなく大気である点である。
【0005】
現在の最先端技術の光ファイバコンポーネントを活用すると、自由空間光データリンクは、現在の短距離及び長距離の高速光ネットワークに完全に統合することができる。自由空間データリンクは、SONET OC-48アーキテクチャなどの、例えば現在の1550nm波長光技術プラットフォームを活用する同期光ネットワーキング(SONET)システムアーキテクチャを完全に達成することができる。さらに、そのようなシステムは、より高いデータレート及び構成に拡大することもできる。光データリンクシステムは、電磁気スペクトルの規制されていない区分で動作することによって恩恵を受ける場合がある。マイクロ波スペクトル及びRFスペクトルとは異なり、光データリンクは、一般に、特別な賃貸料金又は関税の発行を必要としない場合がある。さらに、システムの動作波長のため、目の安全性に関連する問題は通常、最小限に抑えることができる。さらに、領土通行権に関連する自由空間光データリンクを操作する際に特別な予防措置又は許可は通常、必要とされない。また、固定ケーブルシステムの耕起(plowing)及び溝堀りに関連する費用も回避することができる。
【0006】
より最近では、FSO通信技術は、1550nm光波長伝送バンド内で成し遂げられた商業的な進歩を利用している。エルビウムファイバドープ増幅器(EFDA)技術は、許容光減衰のための全体的な効果的な光バジェットを強化し、それによって大気を通した伝送システムの到達を拡大するためにシステム設計構成に組み込まれている。
【0007】
高出力光増幅器は、地上自由空間伝送システム及び光ファイバシステムに有用である。中継器距離は、地上ファイバシステム及び海底ファイバシステムで拡張され、高密度波長分割多重(DWDM)伝送アーキテクチャが導入されている。高出力Er/Yb光増幅器の到来により、光ファイバ伝送で見られる同様の進展も、光無線システム及び自由空間レーザー通信システムで実現されている。4.4kmの伝送距離にわたって10Gbpsで動作する4チャネル1550nm波長分割多重(WDM)自由空間光データリンクの結果が報告されるのと同様に、2.4kmの伝送スパンにわたり2.5Gbpsで動作する単一チャネル1550nm自由空間光データリンクのための実験的な伝送結果が報告されている。
【0008】
いくつかの商用及び軍用のFSO通信システムが開発され、現在運用中であるが、地上用途に対するそれらの性能は、霧、雨、雪、煙、及び乱気流を含む悪天候の影響により引き起こされる大気と関連する光減衰効果によって制限されている。これらの影響は、高信頼度及び中断のない可用性が必要とされる典型的な状況では、FSO通信の適用を相対的に短い光伝送距離(約数百メートル)に制限している。
【0009】
1997年8月4日に、大気により引き起こされる望ましくない減衰の影響からの救済を約束した、Motorola Corporationに譲渡された特許出願(出願番号第08/905,760号)が出願され、2003年にこの出願に対して特許(米国第6,043,920号)が付与された。第2段、22から35行目に、以下が記載されている。
「本発明の方法及び装置は、これらの狭いパルス幅信号の新規に発見された特徴をレーザー通信フィールドに適用する。好ましい実施形態によれば、きわめて狭い幅の変調されたレーザーパルスは、重大な減衰を被ることなく損失媒体を通して伝送することができる。したがって、本発明の方法及び装置は、以前は損失が多すぎて高速レーザー通信を促進しないと見なされていた媒体を通じてきわめて高速の通信を可能にする。例えば、本発明の方法及び装置は、空気、水、水蒸気、固体障害物、粒子懸濁液、ガラス繊維、及び他の媒体を通したレーザー通信に使用できるであろう。」
しかしながら、この主張は、以下の記述(第2段、16から21行)によって裏付けられていたにすぎなかった。
「現代のレーザー技術は、狭幅パルスの生成を可能にし、実験は、これらの狭幅パルスが、それらが先行技術が被っていたよりも実質的に少ない減衰で媒体を貫通することを可能にする特性を有することを示している。」
【0010】
発行されたこの特許の請求項1は非常に広範であり、200フェムト秒未満のパルス幅を有する未指定の波長のレーザー光の変調されたパルスを有する(大気などの)任意の損失媒体を通じた任意の無線リンクを介した通信に適用可能である。
【0011】
Attochron.LLC及び他の場所で行われた研究に基づいて、本特許、及び具体的には、本請求項は、本特許の期間が2017年に期限切れとなった後でさえ、他者により一度も確証又は再生されなかった建設的な具体化に基づいていたと推定される。しかしながら、長年にわたり、超短光パルスを使用する様々な媒体における光減衰の削減の可能性の主題に対しては多大な議論が行われてきた。例えば、2000年10月6日に出願され、2003年6月24日に発行された米国特許第6,583,911 B1号では、発明者、D.R.Alexanderが、以下を記載した、持続時間中100フェムト秒未満、及び0.75から0.85ミクロン)の範囲の波長を有する超短レーザーパルスを使用した広範囲な実験室試験に関して報告した。
「...データは、パルス波伝送が連続波よりもより有益であった旨の表示を示さなかった。」
この事実データは、Motorola特許でなされた主張に直接的に矛盾していた。
【0012】
その後、2005年及び2006年に、Ulf Osterbergらが、2つの論文[U.J.Gibson、U.L.Osterberg、「Optical Precursors and Beer’s Law Violations; Non-Exponential Propagation Losses in Water」、Optics Express 13 6(2005)、及びA.E.Fox、U.Osterberg、「Observation of Non-Exponential Absorption of Ultra-fast Pules in Water」、Optics Express 14 8(2006)]を公開し、USPLビームの吸収が、ベールの法則(損失媒体中での光ビームの指数減衰)に従わない場合があることを示唆した。これらの結果は、著者により、フェムト秒レーザーパルスの光吸収損失が、実質的には、同じ波長で動作しているCWレーザーよりも低いことを示唆するために使用された。650から800nmの範囲の波長は、研究作業の実験部分で使用されていると報告されていた。したがって、最初は、あたかも1997年に出願されたMotorola特許米国6,043,920に報告された異常に低い光減衰に関する基本的な推定が、それがいくぶん憶測的であり、米国6,583,911 B1にAlexanderによって提示されたデータと矛盾してるとしても、Ulf Ostenbergの研究により、おそらく事後確証されたように見えた。
【0013】
しかしながら、「Propagation of ultrashort laser pulses through water」と題する、University of Nebraska[University of Nebraska-Lincolnn; DigitalCommon@University of Nebraska-Linclon;Department of Electrical EngineeringからのFaculty Publications]からJian Chao Liらによって2007年に公開された重要な論文は、具体的にOsterbergらによって示された上記の結論及び説明に異議を唱えている。この論文は、Osterbergらによって観察されたサブベールの法則(非指数関数的)は、単にUSPLの広いスペクトルバンドのためにすぎず、レーザーパルスの短さとは関連していないと結論付けている。Liらは、同じサブベールの効果が、USPLと同じ広いスペクトルバンドを有するコヒーレントではないCW光源について報告されるであろうと指摘した。したがって、サブベールの法則の吸収を、水中のフェムト秒パルスのより低い減衰に直接的に帰すことはできない。これは、同様にして、再度米国6,043,920のMotorolaで発明者によって教示された損失媒体を通して拡張された伝送のために超短パルスを使用することのいかなる優位点にも疑問を投げかけている。
【0014】
質問「大気を通じて強化された伝送にUSPLを使用することのいかなる優位点があるのか」に対する明確な答えは、「Enhanced Performance of Low-Power(60mW) Femtosecond Free Space Optical Communication Sytem Over Conventional CW Operation」[Proc.SPIE6457、Free-Space Laser Communication Tecnologies XIX and Atmospheric Propagation of Electromagnetic Waves、64570X(2007年2月12日)]と題する2007年の論文でのPaul Corriganらの研究に由来すると思われる。そして、上記質問に対する答えは、光散乱については僅差で「はい」であり、光吸収については「いいえ、まだである」となると思われる。本論文の著者は、その結論で以下を述べている。
「安定した物質の伝送及び散乱の特性が既知になる(通常、2つの異なる測定で決定される)と、相違点は吸収である。この[散乱効果から吸収効果を分離すること]は、実際の霧がそうであるようにシミュレーション自体が不安定であるので、シミュレーションされた霧の中では特に行うことが困難である。しかしながら、この強化された伝搬が大気による超高速パルスの吸収の異なる物理特性に関連していることを示す現在の測定又は主張はない。
ここでは、Corriganらによるこの研究が、以前に報告された研究者によって使用された波長よりも長い波長(1560nm)で実施されたことを指摘するべきである。したがって、上述の他の結果の一部又はすべてと比較して、これらの結果に対する異なる説明がある場合がある。
【0015】
上記の立証されていない結果及び以後の矛盾及び論議のすべてと直面すると、FSO通信の伸びが制限されていること、及び期限切れとなったMotorola特許(米国6,043,920)の特許請求の範囲に基づく単一の商用システムがまだ生産されていないことは驚くべきことではない。明確に、超短レーザーパルスを使用することが、悪条件下で地域の自由空間光通信を実質的に改善するであろうかどうかを、決定的に証明することは有益であろう。そして、結果が肯定的である場合、これは、主要な突破口を表し、FSO通信の将来の採用に実質的に好ましい影響を与えるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
2013年に、「ADVANCES IN COMMUNICATIONS:New FSO provides reliable 10Gbps/sec and beyond backhaul connections」と題するIsaac KimらによるLaser Focusの2013年号での記事の公開により、上記のこの論議に関するターニングポイントが起こった。この記事は以下を報告した。
「ニュージャージー州ドーバーの米国陸軍のPicatinny Arsenalの500mの無線試験施設でAttochron,LLCによって実行された実験は、USPレーザーベースのFSOシステムが、霧の中のレガシーCW FSOシステムと比べて、受信出力での最大25dBの増加を有することを立証した。」また、これらの著者は、レガシーFSOシステムは、最高1.5kmまでの距離では、晴天又は曇天でうまく機能するが、霧の存在は、効果的なリンク距離を200mに減ずる可能性がある[I.I.Kim、Lightwave、26、19-21(2009)。]」と言及している。
【0017】
この研究では、USPLシステム及びCWレーザーシステムは並べて同時に操作され、そのレーザービームは同じ試験範囲上の隣接する光路を介して移動する。著者はさらに、
「これらの新しいUSP FSOシステムの出力は、1550nmで、平均出力電力が50mWで、1Gbit/秒[データ]繰り返し率で、受動的にモードロックされた100fsパルスによって生じる。超短パルスのストリームは、外部で変調されてギガビットイーサネット信号を生成する。Picatinny Arsenaljの実験では、送信側で単一の直径3インチの望遠鏡が使用され、類似した3インチの望遠鏡が受信側でも使用された。」と続けている。
【0018】
Isaac Kimらが到達した結論は以下の通りである。
「私たちのプロタイプのUSPレーザーベースのFSOシステムの予備試験では、25dBの追加マージンが、1Gbit/秒でのリンク可用性を3km[の範囲]で99.5%に改善する。
【0019】
2010年及び2011年にPicatinny Arsenal試験中にこれらの重要な結果を得たことに続き、特許出願(出願番号第13/737,898号)が、2013年1月16日に、以下を説明する広範な特許請求の範囲とともに、Attochron LLCによって出願された。
「光通信装置であって、
各々が約1ナノ秒以下(請求項1)又は1ピコ秒以下(請求項3)又は1フェムト秒以下(請求項4)...の持続時間を有する光パルスを含む、ビームを生成する超短パルスレーザー(USPL)ソースと
を含む」
しかしながら、付与された特許請求項の範囲は、実質的には、出願の審査の過程の間に請求項のすべてに加えられた以下の条項により制限されていた。
「前記光学送受信機が、大気要素を検出し、前記検出された大気要素の浮遊微小粒子シグネチャの後方散乱信号の分析を可能にするように構成されて、大気浸透を強化する前記USPLソースによって生成された前記ビームの調整を可能にする。」
【0020】
実際に、発明がこの制限的な条項なしに行われたことが、出願されたAttochron特許出願から明らかではなかったために、元の出願のより広範な特許請求の範囲は許可されなかった。特に、Picatinny ArsenalでAttochron LLCによって得られたフィールド試験結果は、明細書に言及もされていなかった。しかし、たとえそれらがそのように取り入れられていたとしても、Picatinny Arsenalでのフィールド試験中にAttochron LLCの研究者によって観察され、報告された優れたシステム性能が、(1)Picatinny Arsenal試験中に基準として使用されたCWレーザービームよりも、その既知のより低いコヒーレンスのためにUSPLビームに対する大気乱流の影響の減少、及び/又は(2)CWレーザービーム若しくは受信ビットあたりの匹敵するエネルギーに比較して、より高いピークパルスのレーザービームを検出するときの既知の改善された信号対雑音比(L.Biovinら、「Receiver Sensitivity Improvement by Impulsive Coding」、IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS、第9巻、第5号、1997年5月)、又は(3)他の既知の要因などの1つ以上のすでに周知の効果に単に起因していたことは明らかではなかったであろう。
【0021】
本願の目的の1つは、2010年及び2011年のPicatinny Arsenalでの試験中に観察された重要な結果、及び2017年10月に最終的に完了した、記録データの広範な分析によって明らかにされた追加の結果のすべてを要約することである。これらの結果は印象的である。濃霧状態の間、及び蛍光効果を引き起こす晴れた温かい天気の間、USPLシステムの性能は、両方の場合に、同じ試験範囲にわたって、及び事実上、USPLのビーム経路と全く同じ光路上で動作する並列CWレーザーFSOシステムと比較して、受信信号マージンの25dBよりも大きい優位性を示した。さらに、CWシステムに優るUSPL位システムの観察された少なくとも25dBの優位性係数は、より強力なレーザー源が評価されるときにありそうに見えるはるかに大きい係数に対する、おそらく下限にすぎない。
【0022】
上述された、CWシステムに優るUSPLシステムの少なくとも25dBの優位性係数は、多くのタイプの通信システムの性能を説明するための慣習であるように、対数項で表されることに留意されたい。線形項では、これは316以上の係数に同等である(log10316=10×2.5=25dB)。このようにして表されるとき、これが、任意の報告された先行技術又は既知の物理特性に基づいて、予測されなかった非常に大きい係数であることは明らかである。
【0023】
観察された結果の一部又はすべてを説明する可能性があるいくつかの理論があるが、まだ理解されていない又は広く受け入れられていないなんらかの非線形光現象が、USPL対CWレーザー試験結果と関連する、観察された大きい優位性係数に寄与する可能性がある。また、Attochron LLCでの予備試験は、これが当てはまることも示唆する。具体的には、観察された優位性係数は、約1キロワット未満のより低いピーク電力レベルを有する超短レーザーパルスを使用するときには現れない。しかし、1キロワットで又は1キロワットを超えて光ピーク電力で操作される、パルス幅が1ナノ秒より短い超短レーザーパルスを使用するとき、優位性係数は明らかになる。そして、これらの効果は、ピークパルス光パワーレベルが5~10キロワット以上の範囲にあるときに相当になる。
【0024】
この新しい洞察の利点をFSO通信に入れると、なぜ期限切れとなったMotorola特許(6,043,920)の立証されていない請求項が長年にわたりそのように論議の的となっているのかが明らかになる。フェムト秒パルスを使用することの有益な効果は、1キロワット以上の範囲の、及び好ましくは10キロワット以上の範囲の高いピーク光パワーを有するレーザーソースを使用するときにだけ実現できる。そして、Motorolaの特許の請求項のすべてが、「レーザーパルスを生成するために前記変調された[電気]パルスストリームを[CW」レーザー[ビーム]に印加することであって、前記パルスストリームの各パルスのパルス幅が200フェムト秒以下である、印加することと、前記損失媒体を通じて前記レーザー光パルスを検出器に向けること]に限定されていることを明確に留意されたい。現実は、これらの条件を満たすことができるであろう唯一の方法は、200フェムト秒未満のパルスが、外部光ビーム変調器を使用して切り分けられるであろう少なくとも1キロワットの平均出力電力を有するCWレーザーから開始することであろう。そのような高出力レーザーは、構築し、操作するのが現実的ではなく、商用FSO通信システムでの使用にははるかに高価すぎるであろう。しかしながら、はるかにより控えめな平均出力電力であるが、1キロワットを超える非常に高いピークパルス電力を有するFSO通信システムでのUSPLソースの使用は、本発明の本質である。これが、連続波(CW)レーザー及びすべてのタイプのより低出力のパルスレーザーの使用に優る大気伝送における予想外の改善につながる。
【0025】
USPLのパルスのスペクトル幅が多大な幅を有する場合があることが指摘されるべきである。例えば、1560nmの中心波長を有するUSPLは、数百ナノメートル以上、広がるスペクトル帯域幅を有する可能性がある。これは、任意のレーザーのパルスの最小周波数スペクトル幅Δfとその一時的なパルス幅Δtとの間の基本的な相互関係に起因する。すなわち、Δf=1/Δtである。そして、波長λはこの関係によって定義されるので、λ=c/fであり、ここでcは真空中の光の速度であり、fはレーザーの中心周波数であり、この関係を微分すると、Δλ=(-c/f2)Δf=-(λ2/c)(1/Δt)となる。例えば、λ=1560nmであり、パルス幅Δtが20フェムト秒である場合、次いでこの方程式を使用すると、最小スペクトル幅Δλは406nmに等しくなるであろう。同様に、10フェムト秒パルス幅のUSPLの場合、最小スペクトル幅は、2倍の大きさ、812nmとなるであろう。そして、100フェムト秒のUSPLの場合、パルス幅は81nmの最小スペクトル幅を有するであろう。
【0026】
以下は、観察された重要な結果を要約する。
1.晴天大気効果によるUSPLパルスの伝搬の不測の利点:
晴天大気効果(シンチレーション、ビームワンダ、乱気流による『意図された』中心波長(1550nm)の(CWレーザーに対する)USPLリンクマージンの~30dB+の改善
2.水エアロゾル(霧、雲など)によるUSPLの伝搬の不測の利点:
水エアロゾル(霧、雲など)による『意図された』中心周波数(1550nm)の(CWレーザーに対する)USPLリンクマージンの30dB+の改善
3.高密度水エアロゾルでの『より深い赤外線』波長への波長シフトの不測の利点(伝搬の改善)
重水エアロゾル(キロメートルあたり~100から~150dBの減衰『に、又は近づく』ことのある)で、及びCWレーザービームがその検出レベル以下(つまり、光パワーメータのノイズフロア以下)に減衰された後、及び(1550nmに中心が置かれた)USPL出力スペクトルの最も強力な部分もその検出レベル以下に減衰された後、(スペクトルの1550nm部分よりも~5dB低い平均電力出射した)USPLビームの残りの1571nm部分は、検出レベルの完全に15dB上で、且つ安定していた(時間内の低レベルの変動)。
4.USPLパルス受信『ピークツーフェード(peak-to-fade)』電力レベルでの不測の利点
USPLビームの受信電力変動-より低い減衰の期間中であるが、最も重要なことには、天気の影響により増加又は減少する減衰の期間中のどちらか-は、CWレーザービーム)の電力変動と比較して非常に短期間(通常、1秒の期間)にわたって数十dB、実質的に少なかった。及び、
5.真の離散ゼロ復帰高ピーク電力パルスを使用するインパルスコーディングの利点
任意の種類の『インパルスコーディング』変調での信号キャリヤとして超短パルスを使用することによる、光検出器でのリンクマージン改善の最大10dBの、及び10dBを超える改善。
【0027】
また、上記の利点が、単独で又は組み合わせてのどちらかでUSPL通信システム及びセンサシステムの全体的な可用性を実質的に高めるために著しく寄与したことにも留意されたい。
【0028】
本明細書に説明する主題は、所望される構成に応じて、システム、装置、方法、及び/又は製品内で具現化することができる。上記説明に説明された実施態様は、本明細書に説明される主題と一致するすべての実施態様を表していない。代わりに、実施態様は、説明される主題に関連する態様と一致するいくつかの例にすぎない。いくつかの変形形態が上記に詳細に説明されているが、他の変更形態又は追加も考えられる。特に、追加の特徴及び/又は変形は、本明細書に説明されたものに加えて提供することができる。例えば、上述された実施態様は、開示された特徴の様々な組合せ及びサブコンビネーション、及び/又は上記に開示された、いくつかの追加の特徴の組み合わせ及びサブコンビネーションを対象とする場合がある。さらに、添付の図に示される、及び/又は本明細書に説明される論理的な流れは、所望の結果を達成するために、図示されている特定の順序又は順序を必ずしも必要としない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本明細書に開示される主題の特定の態様を示し、説明とともに、開示される実施態様と関連付けられた原則のいくつかを説明するのに役立つ。USPLが図示又は説明されるすべての場合において、これらのレーザーからのピーク出力電力は1キロワット以上であること、及びそのパルス幅が1ナノ秒以下であることが仮定されるべきである。
【0030】
【
図1】遠隔光受信端末への伝送のための光源としてUSPLソースの自由空間結合を含む光通信プラットフォームの例を示す図である。
【
図2】遠隔光受信端末への伝送のための光源としてUSPLソースのファイバ結合を含む光通信プラットフォームの例を示す図である。
【
図3】遠隔光受信端末への伝送のための外部変調器へのUSPLソースのファイバ結合を含む光通信プラットフォームの例を示す図である。
【
図4】遠隔光受信端末への伝送のためのファイバ媒体を通る外部変調器へのUSPLソースのファイバ結合を含む光通信プラットフォームの例を示す図である。
【
図5】双曲面ミラー製作技術又は従来のニュートン設計のどちらかのタイプである場合がある、送信側要素及び又は受信側要素の例を示す図である。
【
図6】遠隔光受信端末への伝送のための強化光送信出射パワーを増加させるために識別され、使用される光ファイバ増幅器要素の例を示す図である。
【
図7】遠隔光受信端末への伝送のためのポイントツーポイント構成での、伝送のための外部変調器にファイバ結合されたUSPLレーザーデバイスの例を示す図である。
【
図8】ポイントツーマルチポイント構成で、伝送のための外部変調器に結合されたファイバであるUSPLレーザーデバイスの例を示す図である。
【
図9】追跡及び位置合わせ(ポインティング)ビーコンソースとしての機能を果たすUSPLソースの使用例を示す図である。
【
図10】偏光多重化USP-FSO(PM-USP-FSO)機能を提供するために、送信された光信号に多重化されるUSPLレーザーソースの偏光の例を示す図である。
【
図11】
図11A-
図11B。見通し内及び見通し外のレーザー通信用途での使用のために活用されたUSPL-FSO送受信機の例をそれぞれ示す図である。
【
図12】調査の主題である浮遊微小粒子との相互作用によって後方散乱される、前方に伝搬されたデータ信号からの光を含む光の例を示す図である。
【
図13】本主題、つまりUSPLレーザーソース及び検出感度を高めるための光受信技術の実施態様と一致する検出感度を改善するための光学受信技術としてのUSPLレーザーソースの例を示す図である。
【
図14】任意選択で、目標識別のためのレンジファインダ及びスポッティング装置としてデータ信号からの光を含む、赤外線波長範囲全体で活用され、操作されるUSPL-FSO送受信機の例を示す図である。
【
図15】本主題の実施態様と一致するUSPLパルスマルチプライヤデバイスの例を示す図である。
【
図16】本主題の実施態様と一致する高パルスレートUSPLストリームの生成のためのデバイスの別の例を示す図である。
【
図17】従来の伝送ネットワーキング要素からUSPL-RZを生成するための光学デバイスの別の例を示す図である。
【
図18】100Gbps出力を与えるために10×TDMタイプの信号システムの生成のためのUSPLパルスマルチプライヤデバイスを実装する例を示す図である。
【
図19】大容量ネットワークでの使用のためにパルス繰り返し率を拡張するためのUSPLパルスマルチプライヤデバイスの別のタイプの一例を示す図である。
【
図20】大容量ネットワークでの使用のためにパルス繰り返し率を拡張するためのUSPLパルスマルチプライヤデバイスの別のタイプを実装する例を示す図である。
【
図21】フィードバック再生システムを有する能動モードロックされた線形ファイバレーザーの例、つまりファイバリフレクタ(FR)、波長分割マルチプレクサ(WDM)、エルビウムドープファイバ(EDF)、光結合器(OC)、光検出器(PD)、位相ロックループ(PLL)及びマッハツェンダー(MZM)を示す図である。
【
図22】カーボンナノチューブ飽和可能吸収体を使用する受動モードロック済み線形ファイバレーザーの例、つまりファイバリフレクタ(FR)、光結合器(OC)、可飽和吸収体(SA)を示す図である。
【
図23】カーボンナノチューブ飽和可能吸収体を使用する受動モードロック済み線形ファイバレーザーの例、つまりファイバリフレクタ(FR)、光結合器(OC)、可飽和吸収体(SA)を示す図である。
【
図24】光パルスをUSPLソースから生じたパルス関係に安定化する際に使用するための時間遅延安定化機構の例、つまり光結合器(OCin、OCout)、光検出器(PDin、PDout)、高域フィルタ(HPF)、低域通過フィルタ(LPF)、位相ロックループ(PLL)、位相コンパレータ(PC)、分周器(I/N)、クロックデータ復旧システム(CDR)、圧電アクチュエータ(PZ1..PZN)、加算演算増幅器を示す図である。
【
図25】
図25A-
図25B。それぞれ、理想化されたPZアクチュエータを利用して、TDMソースの出力周波数を安定化させるための制御機構の例に関連する概略図及びグラフを含む図である。
【
図26】TDMマルチプレクサが、並列時間遅延チャネルを使用し、パルス列を多重化し、遅延チャネルを互いに対して「一致」させる、時間領域多重化(TDM)の例を示す図である。(出力多重化パルス列の周波数は、理想的には、環境変化に可能な限り鈍感であるため、フィードバックループ制御システムは、出力繰り返し率を含む任意の変動について遅延を補正することができ、フィードバックは相互接続を通して提供できる。
【
図27】個々のMFC回路を制御するための圧電変換器とともにファイバベースのコリメータの使用の例を示す図である。
【
図28】テラビット/秒(又はそれ以上)にマルチプライヤフォトニックチップを提供するためにUSPL変調ソースからTDMチップのタイミングの例を示す図である。
【
図29】テラビット/秒(又はそれ以上)にWDM構成で動作するマルチプライヤフォトニックチップを提供するために、USPL変調ソースからのTDMチップのタイミングの例を示す図である。
【
図30】再帰線形偏光調整を使用して全ファイバロックシステムのパルス幅を制御し、同期自己再生機構を使用して空洞の繰り返し率を同時に安定化することができ、繰り返し率及びパルス幅の同調性を提供することもできるコンピュータ支援システムの構造の例を示す図である。
【
図31】十分に特徴付けられ、十分にモードロックされたレーザーのより低い繰り返し率のパルス列が、パルスの十分に決定された部分が取り出され、出力パルス列の所望されるパルス間間隔に等しい光学遅延を有する光ループ内で「再循環」され、方向性結合器の出力に再結合される統合光方向性結合器に結合できるパルス逓倍技術による、修正されたパルスインタリーブ方式の例を示す図である。
【
図32】本主題の実施態様と一致する方法の特徴を示すプロセスフローチャートである。
【
図33】本主題の実施態様と一致する方法の特徴を示す別のプロセスフローチャートである。
【
図34】本主題の実施多様と一致する方法の特徴を示す別のプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、移送用の光源として自由空間結合されたUSPLデバイスを使用するための現在の主題の実施態様と一致する光通信プラットフォーム100の例を示す。
図1に示されるように、USPLソース102は、外部ソース要素104によって直接的に変調される。USPLソースからの光パワーは、任意選択で光学望遠鏡によって自由空間110を横切って送信側要素106に結合することができる。送信側要素106は、任意選択で双曲面ミラー製作技術、従来のニュートン設計などによって形成された光学部品を含む場合がある。受信機システムでの相互受信望遠鏡は、光受信を提供できる。本主題の実施態様と一致して、各光伝送プラットフォームは、双方向ユニットとして動作するように設計することができる。言い換えると、光通信プラットフォーム100の送信側要素106も、受信側要素として機能することができる。一般的に、明示的に別段の定めをした場合を除き、説明した送信側要素106は、受信要素としても動作する、及びその逆も同じと見なすことができる。送信機能と受信機能の両方を実行する光学素子は、本明細書では、光学送受信機と呼ばれる場合がある。
【0032】
図2は、
図1の光通信プラットフォーム100を含む、本主題の実施態様と一致する光通信システム200の例を示す。また、
図2には、送信側要素106から遠隔の距離に位置する受信側望遠鏡である場合がある第2の補完的な受信要素204も示されている。上記のように、送信側要素106と受信側要素204の両方とも双方向である場合があり、各々が、光通信システム200におけるデータ伝送の瞬時の方向に応じて送信側要素106と受信側要素204の両方として機能することができる。この特徴は、明示的に別段の定めをした場合を除き、送信側要素及び受信側要素について本開示全体に適用する。送信側要素106及び受信側要素204のどちらか又は両方とも、光学望遠鏡又は光情報を送信及び受信するための他のデバイスである場合がある。
【0033】
図3は、ファイバ媒体304を通して外部変調器302にファイバ結合され、任意選択で、ファイバ媒体、自由空間接続などである可能性がある追加の伝送媒体306を通して送信側要素106に接続されたUSPLソース102を使用するための本主題の実施態様と一致する光通信プラットフォーム300の例を示す。USPLソース102は、USPLソース102からの光パワーが送信側要素106にファイバ結合される、又は同等な光学望遠鏡を介して処理されるように、外部変調器302によって外部で変調することができる。
【0034】
図4は、
図3の光通信プラットフォーム300を含む、本主題の実施態様と一致する光通信システム400の例を示す。また、
図4には、
図2に関連して上述したように、送信側要素106から遠隔距離に位置する受信望遠鏡である場合がある第2の補完的受信望遠鏡204も示される。
【0035】
図5は、本主題の実施態様と一致する光通信アーキテクチャ500の例を示す。
図5のアーキテクチャ500は、
図4の要素を含み、第1の光通信プラットフォーム300に接続された第1の通信ネットワーク502をさらに含む。受信側要素204は、任意選択で第1の光通信プラットフォーム300のコンポーネントに類似したコンポーネントを含む場合がある第2の光通信プラットフォーム504の一部である。第2の通信ネットワーク506は、データが送信側要素106と受信側要素204との間で光学的に伝送される、又は各々が、光学ネットワーキング特徴及び電気ネットワーキング特徴の1つ以上を含む場合がある第1の通信ネットワークと第2の通信ネットワーク502、506の間で渡されるように、第2の光通信プラットフォーム504に接続することができる。
【0036】
図6は、本主題の実施態様と一致する光通信システム600の例を示す。光通信プラットフォーム602の一部として、USPLソース102は、例えば光ファイバ202又は他の伝送媒体を通して外部変調器302にファイバ結合される。USPLソース102からの光は、上述したのと同様に送信側要素106を介して伝搬される。任意選択で光ファイバ増幅器要素である場合がある、光増幅器要素604は、光送信出射出力を高めるために使用することができ、任意選択で外部変調器302と送信側要素106との間に配置され、任意選択でファイバ媒体、自由空間接続などである場合がある追加の伝送媒体306を介して一方又は両方に接続される場合がある。また、
図6には、光通信プラットフォーム602から遠隔距離に位置する第2の補完的な受信要素206も示される。受信側要素204を含む第2の光通信プラットフォーム504も、光増幅器要素604を含む場合があることは容易に理解される。第1の及び第2の通信ネットワーク502、506は、それぞれ2つの光通信プラットフォーム602、504に接続することができる。
【0037】
図7は、本主題の実施態様と一致する光通信システム700の例を示す。
図6に示される光通信プラットフォーム602は、本実施態様では受信側要素204及び光前置増幅器704を含む場合がある第2の光通信プラットフォーム702と通信することができる。また、光通信プラットフォーム602に示されるものに類似する他のコンポーネントも、それらは
図7では示されていないが、第2の光通信プラットフォーム702に含まれる場合がある。双方向光通信プラットフォームが、受信した光信号を増幅するための光前置増幅器704と、送信した光信号をブーストするための光増幅器要素604の両方を含む場合があることも理解されたい。
図7に示される実施態様及び本主題の他の実施態様と一致して、例えばエルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)、高出力エルビウム-イッテルビウムドープファイバ増幅器(Er/Yb-DFA)又は半導体光増幅器(SOA)を含む場合があるが、これに限定されるものではない同等物の1つ以上を使用して、送信側要素106と受信側要素204(逆の場合も同じ)との間のデータリンク用の光バジェットを強化するために、光増幅(例えば、光増幅器要素604又は光前置増幅器704のどちらか又は両方)を含む。
【0038】
図8は、本主題の実施態様と一致する光通信システム800の例を示す。
図6に示される光通信プラットフォーム602は、本実施態様では、
図7に示されるものに類似した受信側要素204及び光前置増幅器704を含む場合もある第2の光通信プラットフォーム802と通信する場合がある。
図8に示されるように、第2の光通信プラットフォーム802は、受信側要素204で受信され、光前置増幅器によって増幅された、増幅され、電気的に回復されたデータを受信できる光受信機回路網804をさらに含む場合がある。複数のクロックソース806は、必要に応じて、複数の通信ネットワーク810との複数の遠隔マルチポイントネットワーク接続にインタフェースすることができる。同様に、クロックソース及び複数の通信ネットワークの補完的なセットは、光通信プラットフォーム602と連動して(例えば、
図8に図示された単一の通信ネットワーク502の代わりに)操作することができる。
【0039】
図9は、本主題の実施態様と一致する光通信システム900の例を示す。また、最初に
図6に関して本明細書で説明された光通信プラットフォーム602の要素と同様の要素を特徴とする場合がある光通信プラットフォーム902も、追跡及び位置合わせ(ポインティング)ビーコンソースとしての機能を果たす追加のUSPLソース904を含む場合がある。また、第2の光通信プラットフォーム906も、追跡及び位置合わせ(ポインティング)ビーコンソースとしての機能を果たす追加のUSPLソース910を含む場合がある。追跡及び位置合わせ(ポインティング)ビーコンソース904、910は、任意選択でデータ伝送送信で使用される利用可能な通信ソースから発信する場合もあれば、別個の専用のUSPLソースによって提供される場合もある。さらに、各USPLビーコンソース904、910は、帯域内ソース又は帯域外ソースを含み、それによって利用可能な光増幅ソースの、又は専用の光増幅リソースからの優位点を可能にすることができる。
【0040】
図10は、USPLソースが送信した光信号に偏光多重化され、それによって偏光多重化USP-FSO(PM-USP-FSO)機能を提供する二重偏光USPL-FSO光データリンクプラットフォーム1001の例を示す。2つのUSPLソース102及び1002は、それぞれ直接的に変調されたか、又は外部で変調されたかのどちらかの変調コンポーネント1004、1006にファイバ結合される。各それぞれの変調信号は、光増幅器コンポーネント1010、1012によって光学的に増幅され、続いて光偏光状態が偏光コンポーネント1014、1016を使用して調整される。偏光状態信号は、上述の送信要素106に類似する場合がある光出射プラットフォームコンポーネント1022にインタフェースするために偏光依存マルチプレクサ(PDM)コンポーネント1020にファイバ結合される。PDM1020は、光出射プラットフォームコンポーネント1022を介した伝送のために、異なる偏光状態の光を単一のパルス列に多重化する。USPL光ビーコン904は、例えば上述したものと類似した受信側要素204を含む場合がある受信プラットフォーム1024で第2のUSPL光ビーコン906に沿って、又は第2のUSPL光ベーコン906と連動して動作するために、
図9に関して上述された機能に類似した機能を提供するために含まれる場合がある。上述されたように、受信側要素204並びに受信プラットフォーム1024の他の特徴及びコンポーネントは、一般に、双方向リンクが確立されるように、伝送機能をサポート可能である場合がある。受信側要素204によって回復された受信信号は、増幅要素1030、1032を使用して追加の光増幅のために2つの要素を提供することができる適切な偏光依存デマルチプレクサ1026にインタフェースされる光信号を提供できる。増幅要素1030、1032によって提供される各光増幅信号は、ネットワーク使用のために適切な光ネットワーク1034、1036にインタフェースされる場合がある。
【0041】
図11Aは、USPL-FSO送受信機を見通し内光通信(例えば、レーザー通信)用途での使用のために利用できるシステム1100の例を示し、
図11Bは、USPL-FSO送受信機を見通し外レーザー通信用途での使用のために利用できるシステム1150の例を示す。透過光が大気を通過するとき、送信要素から送信された光信号の散乱のために、本主題のいくつかの実施態様の優位点を実現することができる。この散乱は、見通し外通信の使用を可能にできる。さらに、そのような通信システムで使用される無線は、光が200から280nmの波長で発射するUV-Cバンドのソーラーブラインド部分で動作することができる。このバンドでは、太陽放射線が環境を通って伝搬するとき、太陽放射線は地球の大気によって強力に減衰される。これは、それが地上に近づくにつれ、背景雑音放射線の量が劇的に低下し、低出力通信リンク動作が可能になることを意味する。他方、酸素、オゾン、及び水などの環境要素は、通信放送を弱める又は中断し、使用を単距離用途に制限する場合がある。
【0042】
UV波が大気を通って拡散すると、UV波は、通常、多種多様な信号経路の中に強く散乱される。信号散乱は、見通し外状態で動作しているUVシステムには必須であり、通信性能は、伝送ビームポインティング及び受信機の視界に高度に依存する場合がある。
図11Aに示される見通し内配置1100は、
図11Bに示される見通し外配置1150とは帯域幅のサイズで異なる場合がある。紫外線通信は、より強く送信機ビーム位置及び受信機の視界に依存する場合がある。結果として、例えば補足設備を用いて実験して、UV-C信号を強化することによって、ポインティング頂点角度を精緻化することは、有利である場合がある。
【0043】
図12は、USPLソース102が光ファイバコンポーネント202によって、光信号を送信及び受信できる光出射要素1202にファイバ結合されるリモートセンシングシステム1200の例を示す。光出射要素1202を通るデータ信号からの光を含む、前方に伝搬された光の一部は、調査の対象である浮遊微小粒子との相互作用によって後方散乱される。光後方散乱信号は、光出射要素1202又は類似する受信アパーチャを通して検出され、
図12の検出回路網1204などを通して検出及び分光学的な分析のために伝えられる。中で調査が行われるターゲット大気領域1206内の微粒子のシグネチャは、例えば紫外分光法、赤外分光法、ラマン分光法など所定の分光学的較正測定値を使用するなど、従来の手法によって較正することができる。この実施態様と一致して、光学システムは、関心のあるスペクトル範囲で動作するUSPLレーザーソースを使用して、解像度及び検出感度の性能の強化を提供するLiDAR計器として操作することができる。スペクトル範囲の調整可能性は、大気中の化学成分を評価及び分析するのに役立つ場合がある。
【0044】
USPL-FSO送受信機は、1つの理想的な点での受信信号に焦点を当てた双曲線ミラー製作技術又は従来のニュートン設計のどちらかによって製造された光伝送端末を利用して、イオン化検出技術及び非イオン化検出技術を使用する浮遊微小粒子のシグネチャのリモートセンシング及び検出のために活用できる。また、特定の適合は、これらの周波数及びイオン化プロセスで発生することが示されている制御可能イオン化を含む、遠隔領域のイオン化プロービングに関連付けることができ、イオン化プロセスは、特に天気及び雲での大気貫通の深さを調整するために離れて集束することができる。
【0045】
図13は、検出感度を改善するためにのUSPLソース及び光受信技術の使用の例を示す。National Institute of Standards and Technology(NIST)米国の研究者は、最大100kmの距離にわたって、ナノメートル精度を有する複数のオブジェクトを指摘できるレーザー測距システムを構築した。LIDAR(光検出及び測距)システムは、地球上での精度製造から完全な構成で衛星のネットワークを維持することまでの用途を有することができるであろう(Nature Photonics DOI:10.1038/NPHOTON第2009.94)。NISTデバイスは、2つのコヒーレント広帯域ファイバレーザ周波数コムを使用する。周波数コムは、パルス列を横切って延びるきわめてコヒーレントなキャリヤも含む安定した一連の短パルスを出力する。つまり、周波数コムは、干渉測定及び飛行時間測定を同時に行うために用いることができ、それによって用途に特殊な状況のための分析能力を強化する。
【0046】
図13に示される配置では、2つの位相ロック周波数コム1301及び1302が、マルチヘテロダインとしても知られるコヒーレントな線形光サンプリング構成で使用され、一方の周波数コムが両方の距離経路を測定し、一方、他方の周波数コムが第1のコムを鑑みて符号化された距離情報を提供することを意味する。一方の周波数コム1301からのパルスは、ファイバの中から発射し、2つのガラスプレート、つまり基準1303及びターゲット1304に向けることができる。プレート1303及び1304は、パルスの特定の部分(例えば、約4%)をファイバに反射して戻し、2つの新しいパルスを効果的に作成できる。2つのパルス間の時間分離1301は、可動ターゲットプレートと基準プレートとの間の距離を示すことができる。第2の周波数コム1302は、第1の周波数コムとしっかりと位相ロックされるが、わずかに異なる反復率を有する。ソースが干渉するときの連続するパルス間の異なる遅延のため、第2の周波数コムは、第1のコムの電場から光のわずかに異なる部分をサンプリングできる。
【0047】
図13を参照して説明された技術を使用することにより、2つのコヒーレントな広帯域ファイバレーザーソースを、専用の自由空間光学顕微鏡設計にファイバ結合された各USPLソースを有する、概説された構成の範囲内で使用される2つの適切なUSPLソースで置き換えることを可能にすることができる。そのようにすることによって、全体的な効率、光学的測距及び精度を著しく改善することができる。
【0048】
現在利用可能なUSPL光パルス列は、USPLレーザーソースの本来のパルス繰り返し率で動作し、通常、50MHz以下に制限され、それによって光伝送の最大データレートの上限を定める。結果として、USPLレーザーソースを活用する光学システムは、50Mbps以下の低データレート用途に制限される。USPLの運用速度を上げるための手段を有することは、50Mbpsを超えるデータ移送のための解決策を提供するために必要である。
【0049】
図14は、USPLソース102が、光信号を送信及び受信できる光出射要素1202に光ファイバコンポーネント202によってファイバ結合される、リモートセンシングシステム1400の例を示す。データ信号からの光を含む光出射要素1202によって前方に伝搬された光は、大気領域1206内で調査の対象である既知及び未知のターゲットとの相互作用によって後方散乱される。データ信号からの光を含む光学後方散乱信号は、光出射要素1202又は同様の受信アパーチャを通して検出され、
図14の検出回路網及び分光分析コンポーネント1402を通して検出分析のために伝えられる。調査中の領域1206内の微粒子のシグネチャは、例えば、距離測定分析を実行できる場合に較正できる。
図14のシステム1400は、ターゲット識別及び調査の用途の目的でレンジファインダ及びスポッティング装置として赤外波長範囲にわたって活用及び操作されるUSPL-FSO送受信機を含む場合がある。
【0050】
図15は、USPLソース102からの出力の繰り返し率を上げることができる光パルスマルチプライヤモジュール1500を示す。パルス幅が10~100フェムト秒の典型的なUSPLは、例えば50MHzの繰り返し率を有する。USPL102からの出力は、USPLフォトニックチップパルスマルチプライヤモジュール1504に入力1502として送り込むことができる。この例では、フォトニックチップは、入力を個別の光学部材に分割する20,000:1スプリッタ要素1506を含む場合がある。スプリッタ要素1506の反対側の各光学部材は、50MHzのパルス列を含む。各光学部材は、次いで遅延コントローラ(ファイバループ又はレンズアレイのどちらか)1510を通過し、遅延コントローラ1510は、時間で、例えば数ピコ秒、その部材のパルス列を遅延させる。連続する光学部材は、それによって増分ピコ秒、遅延する。固有の時間遅延を有するこれらのパルス列のすべては、20,000:1光コンバイナ要素1512を利用する時分割多重化に類似したやり方で単一のパルス列に結合される。スプリッタ及びコンバイナの必要とされる比率は、必要とされるアプリケーションに必要な光学設計を与えるために制御することができる。最終的な出力1514は、繰り返し率が1THzの10~100フェムト秒パルスのパルス列である。このTHzパルス列は、次いで
図28に示されるような10又は100GigE信号によって変調され、10GigEシステムの場合1ビットあたり100フェムト秒パルス、及び100GigEシステムの場合、1ビットあたり10フェムト秒パルスを生じさせる場合がある。引用されたアプリケーションは、10及び100Gbpsの特定のデータレートに限定されるのではなく、検討中のアプリケーションによって必要とされるように動作することができる。これらの数は、例示の目的のためにすぎない。本主題の実施態様は任意の乗数を使用して、フォトニックチップパルスマルチプライヤモジュール1504を介してUSPLの繰り返し率を任意の繰り返し率に上げることができる。強化されたUSPL繰り返し率の生成で使用される他の例は、本提出物の中に示される。
【0051】
図16は、高パルスレートUSPL光ストリームの生成、送信及び受信のためのシステム1600を示す。例えば、
図15に関して説明されたものと同様である場合がある光チップ多重化モジュール1610は、本願で使用することができる。USPLパルス逓倍を達成するためのこの手法では、信号1601、1602、1603、1604(4つの信号は
図16に示されているが、任意の数が本主題の範囲内であることが理解される)によって説明される一連の10GigEルータ接続(10GigEは、限定的な特徴となることを意図していない)が、光チップ多重化モジュール1610にインタフェースされる。動作中、光チップ多重化モジュール1610は、10GigEルータ1601、1602、1603、1604と接続するために全二重(Tx及びRx)をサポートできる。光チップ多重化モジュール1610は、進入光信号1601、1602、1603、1604のために、USPLソース1690から出力されたUSPL信号1685による効率的な変調を提供できる。光チップ多重化モジュール1610は、これらの進入光信号を変調し、多重化する能力を提供できる。
【0052】
受信側デバイスが配置された遠隔受信サイトで、送信側装置での送信側要素1660を介して送信されたすべての信号は、適切な受信機要素1665を使用して回復することができる。光チップ多重化モジュール1675の補完的なセットは、一連のルータ1601’、1602’、1603’、1604’(再び、そのような4つのルータの説明は、限定的となることを意図していない)への送達用の要素によって、図示されるように、受信されたデータストリームを逆多重化するために必要な機能を提供できる。エンドツーエンドネットワーク接続性は、ネットワークエンドポイント要素を通じて明示することができる。
【0053】
図17は、光チップが、現在入手可能なそのバージョンが非常に高価である場合がある波長分割多重(WDM)システムに相互接続される例のシステム1700を示す。各10GigE信号は独自の波長で他のそのような信号とは無関係に実行するので、WDMシステムは、10GigE(又は他の速度)のルータ1701との必要に応じたタイミング又は同期を必要としない利点を有する。10GigEルータとのTDM光チップのタイミング又は同期は、TDM光チップでは重要な場合がある。GbEスイッチ1701は、USPLソース1702を直接的に又はUSPL本書内で上記に詳説されたパルスマルチプライヤモジュールを使用することによってのどちらかで変調するために、スイッチ1701から必要な電気RF信号1705を提供することができる。典型的なRZ出力1710は、外部変調器1720に結合することができ、外部変調器1720は、スイッチ1701のためのNRZクロックソースを使用して変調することができ、それによってRZ変調スペクトル1730を生じさせる。容易に入手可能な設備を使用した変換プロセスは、USPLソース及びその利点を地上長距離ネットワークスペクトルに導入するための機能を提供できる。
【0054】
光チップシステムが2つの遠隔10GigEスイッチ間を無事に橋渡しするためには、光チップシステムは、通常、簡略な1本のファイバのように作動しなければならない。したがって、TDMチップのタイミングは、10GigEスイッチ1701によって駆動される場合がある。能動モードロックされたUSPL(つまり、40GHz、1ピコ秒パルス幅)と受動モードロックされたUSPL(つまり、50MHz、100フェムト秒パルス幅)の両方とも、RFタイミング信号によって駆動される場合がある。
【0055】
L
図18は、光ファイバ又は自由空間光学部品のどちらかを使用して光チップ設計を実行することができるきわめて高いデータレート操作など、高いパルス繰り返しデータレート操作への前進の別の手法を支持できるデバイス1800を示す。50MHzのUSPLソース1801は、ファイバループ又はオフセットレンズのどちらかを使用して設計できる一連の光学遅延コントローラ要素1802にインタフェースされて、(64B/66B符号化のために10Gbpsよりも大きい)10GigEライン速度である、正確に10.313GbpsのRZ出力ストリームを生成する。スプリッタ要素1803は、可変光学遅延線1804とともに、入信光信号越1801を(この例では)206の経路に分割する機能を提供する。設計を通じて十分な遅延が導入された後、すべての信号は、コンバイナ要素1805を通してともに多重化される。このように行う上で、各々が同一且つ隣接するパルス間で等しく離間された一連の光信号は、変調のためにパルスの連続体を形成する。すべての光進入(ingress)信号は、E-O変調器要素1806に入る前に、例えば典型的な光増幅技術を使用してプリエンファシス技術によって調整されて、コンバイナ要素1805から各退出(egress)信号に一様なパワースペクトルを生じさせることができる。調整された退出信号は、次いでE-O変調器要素1806に結合され、10GigE信号ソース要素1807からの利用可能なNRZ信号で変調される。10GigE変調出力1809は、EDFAに、次いでFSOシステム(又は光ファイバシステム)のTXにインタフェースできる。(検出器の後の)Rx側は、変調され、増幅された出力1810として10GigEスイッチに直接的に送り込むことができる。
【0056】
図19は、本主題の実施態様と一致するUSPLパルス逓倍のために使用できるデバイス1900の別の例を示す。この手法と一致して、10×TDMシステムは、100Gbps出力を与えるように構成される。TDMデマックスチップは、個々の10GigE信号を分割するために通信リンクの受信側にある場合があり、
図19に示される設計に対する相互手法を含む場合がある。
【0057】
図18でのように、50MHzのUSPLソース1801は、ファイバループ又はオフセットレンズのどちらかを使用して設計できる一連の光学遅延コントローラ要素1802にインタフェースされて、(64B/66B符号化のために10Gbpsよりも大きい)10GigEライン速度である、正確に10.313GbpsのRZ出力ストリームを生成する。スプリッタ要素1803は、可変光学遅延線1804とともに、入信光信号越1801を(この例では)206の経路に分割する機能を提供する。設計を通じて十分な遅延が導入された後、すべての信号は、コンバイナ要素1805を通してともに多重化される。しかしながら、
図18に示される単一の変調器要素1806の代わりに、コンバイナ要素1805からの10.313GHzのRZ出力1901は、この場合、光信号を10の並列経路に分割する10xスプリッタである場合がある第2のスプリッタ要素1910に送り込まれる。この設計の他の実施態様は、設計によって必要とされるように、様々な分割比をサポートできる。第2のスプリッタ要素1910から出る光路は、指定された光学遅延線1920に個々に接続される。各個別遅延経路は、10×10GigE信号ソース要素1931からの利用可能なNRZ信号で変調された光変調器1930のセットのうちの専用の光変調器に接続されて、一連の変調光信号1935を生じさせる。識別された光コンバイナ1940は、単一の光パルス列1950を提供する。単一の光パルス列1950の中の一連の光パルスは、ネットワーク使用のための所望される光調整のために適切な光増幅器にインタフェースできる。
【0058】
図20は、本主題の実施態様と一致するUSPLパルス逓倍のために使用できるデバイス2000の別の例を示す。図示されるデバイス2000は、低繰り返し率チャネル内パルスの変調によってネットワークアプリケーションに高USPLパルス繰り返しデータレートを達成する能力を与えることができる。遅延コントローラで各チャネルの直接的な変調を適用することによって、電子技術の現在の速度制限によって制約されない変調方式の作成を有益に達成することができる。本主題の実施態様は、現在の標準的な電子変調速度で(
図20の例では、100×10GigE信号入力2001の速度で)個々のチャネルを別々に変調し、チャネルを単一周波数の高繰り返し率パルスストリームに時分割多重化することによって、システムのデータ伝送能力を強化するための機構を提供することができる。この手法では、光電子変調器(40Gbps)の速度で制限される現在の標準は、約N桁、強化することができ、Nは時分割多重装置のチャネル数である。例えば、各チャネル振幅が現在の標準的なデータレートで変調された100のチャネルTDMは、最大4Tbsの速度でのデータレートを提供できる場合がある。Nは、光パルス自体の幅によって制限される場合がある。情報が1ビット/パルスで運ばれる制限では、1ビットによって占有されるタイムスロットは、パルス自体の幅である(その意味では、RZシステムはRZに収束するであろう)。例えば、この方式では、40GHz繰り返し率の40fsパルス幅レーザーは、25Tbpsの最大速度で情報を運ぶことができる。この手法は、40Gbpsチャネル変調方式(つまり、25psあたり1ビット)で使用することができ、単一の伝送ではN-625チャネルの容量に相当する場合があり、これは、25psの時間間隔内に収まる40fs時間間隔の数である場合がある。この手法の重大な優位点は、既存のデータレートが制限された変調器とインタフェースしつつも、そうでなければ制限されているデータ容量変調方式を「光学的に強化する」能力である。例えば、マッハツェンダ―干渉計に基づいた振幅変調器は、TDM ICパッケージに容易に統合することができ、その中で必要とされるのは、チャネルを2つの別々の経路に分岐させ、小さな位相変調期(非線形結晶)を経路のうちの1つに加え、干渉のために経路を結合する能力である。
【0059】
図20は、マルチポート光スプリッタ要素2020に結合されたUSPLソース2010を含む。識別された光ポートの数は、本明細書に説明又は図示されるものに限定される必要はない。一連の光学遅延線2030は、マルチポート光スプリッタ要素2030からの各並列経路間で必要とされる光学遅延を提供し、特定のアプリケーションに合わせることができる。光学遅延線2030からの光学遅延経路は、光コンバイナ要素2035を使用して互いに合計される。要素2040を通して表示される結果として生じる結合された光データストリームは、要素2010によって識別された元のUSPLソースのパルス繰り返し率の倍数的に増加する強化を表す。パルス繰り返し率のさらなる強化は、入信信号2040が、要素2041によって識別された経路に限定されない一連の経路に分割される、光スプリッタによって説明される要素2041の使用を通じて達成される。第2の遅延コントローラ2045を介して、光学遅延は、光学遅延経路2042の第2のセットによって識別されるようにデバイス内の各経路に導入され得る。各並列経路2042は、同様にして変調要素2044によって、信号入力2001によって識別された利用可能なRF信号ソース要素で変調される。光コンバイナ要素2050は、すべての入信信号を信号データストリーム2060に統合する。
【0060】
光プリエンファシス技術及びディエンファシス技術は、一様な又は非対称な光パワー分布のために光スペクトルをカスタム調整するために、説明された要素の各セグメント内に導入することができる。プリエンファシス又はディエンファシスは、エルビウムドープ光増幅器(EDFA)など、一般に使用されている光増幅器を使用して達成できる。
【0061】
図21は、アプリケーションに適切に必要とされるクロック及びデータストリームを生成するために使用できるモードロックされたUSPLソース2101を含むシステム2100の例を示す。モードロックされたレーザーは、デジタル通信システムにおけるクロックのための高性能、高フィネスソースの選択を表す場合がある。この点で、モードロックされたファイバレーザー-線形構成又はリング構成のどちらかの-は、それらがUSPLソース領域でのパルス幅及びGHzほど高い繰り返し率を達成できるので、選択の魅力的な候補となる場合がある。それに加えて、ファイバは、2~3例を挙げると、コンパクトさ、低コスト、熱雑音に対する低い感度、低ジッタ、回折又は空気中の埃の汚染と関連する問題がないことを提供する。通信の状況では、パルス幅は、システムの利用可能な帯域幅を決定する場合があり、繰り返し率はデータレートを制限する。パルス幅は、レーザー空洞の固有の特徴-つまり、全体的なグループ-速度分散(GVD)、及び(受動システムの場合)可飽和吸収体の選択-又は(能動モードロックシステムの場合)能動素子の帯域幅によって決定することができる。パルス列の繰り返し率は、ファイバの長さによって制約される。例えば、リニアレーザーの場合、レーザーの基本モードV
OSCは、以下として表すことができる
【数1】
【0062】
ここで、cは真空中の光の速度であり、n
gは、平均群屈折率であり、Lは空洞の長さである。したがって、平均群屈折率が1.47の長さ10cmのファイバレーザー空洞要素2110は、1GHzの繰り返し率を有するであろう。厳密に受動的なシステムでは、モードロックは、可飽和吸収体を使用することによって達成できる。能動的なレーザーでは、レーザーの繰り返し率を上げるために振幅変調器要素2150を挿入することができる(高調波モードロック)。モードロックUSPLソースを使用して高繰り返し率のクロックを達成するためには、(i)
図21に示されるような空洞内振幅マッハツェンダ―変調器(MZM)2150、及び(ii)低閾値可飽和吸収体の1つ以上を使用することが可能である。「高調波モードロック」として知られるこれらの技術は、空中の用途、宇宙の用途、又は海底の用途のいずれかでの地上システム、海底システム、又はFSOシステムのために、ファイバベースのプラント分散システム内又はFSOシステム内で利用することができる。
【0063】
図21の中で詳説されるのは、光WDMデバイス2105に結合された980nmのポンプ要素2102である。エルビウムドープ光増幅器2110又は同等物は、非線形環境を作り出して、光USPL空洞のどちらかの端部の2つのファラデー反射器2101と2160との間に確立された閉鎖空洞内でモードロックされたパルス列放出を取得するために使用できる。デバイスの動作は、100Gbpsを超える自己完結型の一連の光パルスを確立することが可能であり、モジュールの出力ポート2170で本質的に高度に同期される。高利得非線形媒体を達成するために、EDFA2110を特別に設計することができる。位相ロックループ2130は、自己完結型の高繰り返し率パルス発生器のコンポーネント2120、2130、2150による信号の変調を通じて同期されたクロックソースを維持することによって動作において有利な安定性を提供することができる。
【0064】
その寸法(線形レーザーの場合は長さ、及びリングレーザーの場合は外周)によって制限されるレーザーで高繰り返し率を達成するために、基本モードの倍数の空洞内生成を刺激することが必要となる場合がある。能動の場合、空洞に挿入された振幅変調器は、「閾値ゲーティング」デバイスとして動作するシステムの損失を変調する。この手法が成功するためには、駆動信号がレーザーに対して発振の外部周波数を「強制する」のを回避するために、変調器に対する制御信号を、レーザー自体の発振の基準とすることが必要となる場合がある。これは、レーザーの繰り返し率を追跡してロックし(track-and-lock)、信号を再生するために、位相ロックループ要素2130又は同期発振器回路の導入によって実現することができる。PLLの場合、RF出力は、入力信号の倍数に設定することができ(このデバイスが携帯電話技術で使用されていると同じだけ)、レーザーの繰り返し率を上げることができる。信号は、次いでパルス発生器のトリガのために、又は低域通過フィルタと連動して使用できる。レーザー空洞の外部のMZ振幅変調器2150は、モードロックされたレーザーから生じるパルス列でオン/オフキーイング(OOK)変調を生じさせるために使用できる。
【0065】
図22は、制御信号NRZ信号2210が、示されるようにビットシーケンスから作られる振幅変調器2205が存在するために、入力パルス列2201に導入された損失変調の影響を示す図の描写2200を示す。デバイス2220の出力で結果として生じる信号は、用途がRZデータストリームから利益を得る場合がある電気通信及び科学の用途で使用するためのNRZからRZへの変換器デバイスを表す。所与のパルス繰り返し率でのクロック信号2201(光入力)は、変調器2205を通過する。同時に、1及び0のシーケンスから成る制御信号は、変調器要素2215のRFポートに印加することができる。変調器要素2215が最小伝送時にバイアスをかけられるとき、制御信号がない場合、光信号が経験する損失は、その最大値になる場合がある。RF信号(1)が存在する場合、損失は最小に低下し(オープンゲート)、このようにしてオン/オフキーイング変調デバイスとして機能する。出力光信号のパルス幅は、通常、情報の単一Nビットが占めるタイムスロットよりもはるかに小さく(NRZ方式の半クロック期間よりも少ない)、このシステムを要素2220によって識別Sされるように、真にRZにする。
【0066】
図23は、可飽和吸収体(SA)デバイス2330を使用して高パルス繰り返し率を有する高光高調波USPLパルスストリームの生成のための例のシステム2300を示す。SAデバイス2330は、いくつかの例では、カーボンナノチューブを含む場合がある。カーボンナノチューブSA(CNT-SA)を使用する受動モードロックされたファイバレーザーは、基本繰り返し率の高い高調波を生成するその能力のために高繰り返し率ソースの別の魅力的なオプションになる。説明された手法では、閉じられた自己完結型の光空洞が確立され、その中で2つのファラデー反射器2301及び2350が光空洞を形成する。高
図23には出力エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)2310が示されているが、非線形光空洞を生成する任意の反転媒体も使用できる。例えば
図23に示される980NMポンプレーザーなどのシードレーザー2315は、高繰り返し率の光列を生成する際に使用できる。特に、任意の適切なポンプレーザーは、必要とされる光波長及びパルス繰り返し率の観点から検討され得る。SA要素2330は、設計要件を通じて、要求に応じて、必要とされる光パルス特性2350を確立するために空洞内に配置することができる。
【0067】
図23は、本主題の1つ以上の実施態様で使用できるレーザーの例の概略図を示す。
図22に示す能動レーザーとは異なり、ここでは、MZ変調器をSA要素2330で置き換えることができる。本明細書に説明される技術に類似した技術は、空中の用途、宇宙の用途、又は海底の用途のいずれかでの地上システム、海底システム、又はFSOシステムのために、ファイバベースのプラント分散システム内で又はFSOシステム内で利用できる。
【0068】
図24は、TDMが並列時間遅延チャネルを使用してパルス列を多重化する時間領域多重化(TDM)を提供する手法を示す。いくつかの例では、遅延チャネルが互いに対して「一致」するように遅延チャネルを操作することが重要になる場合がある。出力された多重化パルス列の周波数は、理想的には可能な限り環境の変化に反応しない場合がある。そのために、提案されているフィードバックループ制御システムは、出力繰り返し率の安定性を損なういかなる変動についても遅延ユニットを補正するための設計である。
【0069】
図24は、遅延制御システム2400の例の図を示す。制御ループは、本主題と一致するいくつかの方法の1つに実装できる。
図24は、例示のために1つの可能性を説明する。入力パルス列は、TDMに入り、各々が独自の遅延線を有するN個の経路に多重化する。経路が低「曲げ損失」のファイバ導波路から作られる場合、次いで各経路は半径Rの円筒形の圧電アクチュエータ(PZ)に巻き付けることができる。アクチュエータは、一般に、制御電圧(Vc)の結果として半径方向に拡大する。Vcに直線的に比例するこの拡大ΔRは、ファイバの長さΔL=2πNΔRの変化を生じさせ、NはPzの周りのファイバの巻き数である。テラヘルツ多重化の場合、パルス間の(したがってPZ1)の遅延は1ピコ秒でなければならない。これには、200ミクロンに等しい長さの変化が必要となる場合があり、1巻きの場合、PZアクチュエータはΔR=32.5ミクロンに相当する。大部分の市販の圧電アクチュエータは、非常に線形であり、この範囲内で十分に動作する。したがって、制御機構は、各々が第1の遅延の倍数に相当する巻き数、つまり(32、64、96ミクロンなど)を有し、単一の電圧Vcで制御されるいくつかのPZアクチュエータに基づく場合がある。制御電圧は、1/N分周器を使用して出力信号の周波数を、位相コンパレータ(PC)を使用して入力信号の周波数と比較するフィードバックシステムによって決定される。(
図24のτRTを有する波形で表される)「ゆっくりとした」入力光信号の周波数は、光検出器PDinを使用してRF信号に変換される。電子ジッタの影響を低減するために、「微分器」(又は高域フィルタ)をパルスの前縁を急峻にするようにRF信号に印加することができる。位相ロックループは、信号を追跡してロックするために、及び信号を50%デューティーサイクル波形に再生するために使用される。同様に、出力側で、光信号は、光検出器PD
outによってピックアップされ、高域フィルタにかけられ、クロック及びデータ回復システムのクロック出力ポートを使用して、再生される。入力信号の周波数のN倍の周波数を有する出力信号のクロックは、位相コンパレータに行く前にN倍の分周器に送られる。位相コンパレータから、入力信号と出力信号との間の不一致を表すDC電圧レベル(PLL回路のアーキテクチャで使用されるものと同じだけ)は、アクチュエータの補正の方向を示す。低域通過フィルタは、時間定数をシステムに追加してスプリアスノイズに対するその非感受性を強化する。
【0070】
CDRは、PLLと対照的に、出力信号が変調される場合もあれば、変調されない場合もあるように、出力で有利に使用することができる。このシステムは、非変調方式と「TDM内変調」(つまり、各遅延経路に1つの変調器)方式の両方で機能するように設計することができる。しかしながら、これは遅延線の長さでの変動を補償する完全に決定論的な手法である。理想的には、及び実際的な観点では、遅延経路はすべて同じ「熱レベル」の基準とされるべきである。つまり同時に同じ熱変化に反応すべきである。各線が異なる変動を検知する場合、このシステムはリアルタイムでそれを補正することはできないであろう。
【0071】
代替策では、完全に統計的な手法は、制御電圧をアクチュエータに送達するために演算増幅器回路(S1...SN)を合計すること含む場合がある。そのような手法を使用して、入力電圧(V1からVN)は、線間の長さの不一致を補償するために使用することができ、完全に静的な意味ではそうでなければ、入力電圧はシステムに対する初期の微調整に使用できる。また、手法は、通常、使用されるファイバの曲げ損失要件を補償する又は少なくとも考慮に入れる必要がある。市場に出たばかりのいくつかの新しいファイバは、数ミリメートルにすぎない臨界半径を有する場合がある。
【0072】
各経路遅延線が、スプリアス局在ノイズのために温度の異なる変動を検知する、又は相互に関連していない長さの変化を経験する場合、上述した手法は、そのまま、リアルタイム補正を実行する際に困難に苦しむ場合がある。完全に統計的な意味で動作するよりロバストな手法は、本主題のいくつかの実施態様と一致して使用することができる。そのような手法では、加算演算増幅器回路(S1...SN)は、制御電圧をアクチュエータに送達するために使用できる。この場合、入力電圧(V1からVN)は、完全に統計的な意味で遅延線間の長さの不一致を補償するために使用することができ、そうでなければ、入力電圧は、システムに対する初期に微調整(較正)に有用であるにすぎない場合がある。
【0073】
再び
図24を参照すると、要素2401として識別された入信USPLソースは、光結合器要素2403に結合され、その結果、結合器の1つのレッグが2401の操作データレートでの動作に選択された光フォトダイオードに接続する。要素2404、2405、及び2406によって、説明された標準的な電子フィルタリング技術を使用すると、入信USPL信号の電気方形波表現が、要素2407によって抽出され、識別される。結合器2403の第2の光レッグは、2410によって識別された適切な光スプリッタ要素にインタフェースされ、2410への入信信号は、206の並列光経路に分割される。また、示されているのは、スプリッタ要素2410の並列分岐の各々に並列接続で確立された可変レート光学遅延線である。並列圧電電気素子は、要素242Nによって識別され、図の中のフィードバック回路網を通して電子的に制御される。Vcによって識別された制御電圧は、電子回路網要素2480及び2475とともにフォトダイオード2485を通して生成される。クロック及びデータ回復(CDR)要素2475は、PZ要素の各々を制御する際に使用されるクロックソースを生成する。242Nとして識別された光路は、適切な遅延が要素2410の各レッグに導入された後に結合される。パルス乗算されたUSPL信号2490は、それによって生成される。
【0074】
図25Aは、ファイバPZアクチュエータ2500の概略図を示し、
図25Bは、そのようなアクチュエータの半径対電圧のグラフ2590を示す。全体で、これらの図面は、誘導された光学遅延を通して、入信USPLパルス列のパルス栗菓子率を上げるためのPZアクチュエータの動作を示す。USPL信号のためのパルス繰り返し率生成を強化するための要素としての使用のために示されているが、同じ技術は、光学遅延を必要とする、又は光学遅延の恩恵を受ける他の光学デバイスにも使用できる。デバイスの基本構造は、ファイバベースのPZアクチュエータ2501である。電圧2550が電極2520に印加されるとき、ファイバ内で電圧によって誘発された応力が生じ、ファイバを通って移動する光信号の時間遅延を引き起こす。印加電圧を変えることによって、
図25Bのグラフ2590に示されるように、光学遅延対印加電圧の性能曲線が得られる。
【0075】
図26は、例の統計補正器2600の特徴を示す図を示す。
図26に示される粗補正コントローラ2640は、すべての遅延線によって同時にピックアップされる長さの変動を補正できる、前項で説明されたシステムに相当する。上述のように、これらの変動は、「内部遅延線」スプリアス変動よりもはるかに遅い時間スケールで発生すると予想される。この後者の影響は、システムに導入された期間ごとのジッタとして出現する場合がある。この種のジッタは、RFスペクトルアナライザ(RFA)を使用して監視することができ、システムの繰り返し率の線に、アナライザが連続するパルス間の不均一な時間間隔から生じる雑音の多い周波数を混ぜ合わせた結果である「サイドライン」(又はサイドバンド)を表示させる。1つのそのようなパターンは、アナログ・デジタル変換器(ADC)を使用して処理し、次いでニューラルネットワーク(NN)マシンに送ることができる値の配列として保存することができる。ニューラルネットワークマシンは、ニューラルネットワークマシンが入力及び出力の新しいセットに適応することによって外部のイベントからパターンを本質的に学習できるようにする、優れた適応性特性をもつことが知られている。この場合の入力のセットは、「不完全な観察」、つまりRFAによって検出されるTDMシステムの「雑音が多い」出力のセットから生成し、ADC({f
1,f
2,...,f
N}、ここでf
1はRFAによってピックアップされた周波数成分である)によってデジタルアレイに変換することができる。出力のセットは、システムに対する外部摂動に起因する、望ましくない過剰な周波数雑音から出力周波数セットを取り除くために必要とされる補正({V
1,V
2,...,V
N}、ここではV
1は、加算演算増幅器に対する補償入力電圧である)から生成することができる。f、Vが周波数、電圧アレイである、十分に多数の{f,V}の対を用いて、チャネル内雑音の存在と関連付けられた基本的なパターンを学習するようにNNマシンを訓練するための統計セットを構築することができる。これらのマシンは、いくつかの製造メーカからICフォーマットで市販される、又はソフトウェアとして実装され、コンピュータフィードバック制御機構と併せて使用される場合がある。単層パーセプトロンタイプのニューラルネットワーク、又はADALINE(適応線形ニューロン又は後の適応線形要素)は、タスクを達成するために十分であるべきである。
【0076】
図24に関して上記に提供された説明と同様に、統計補正器要素2670は、
図24の電気回路網要素2480及び2475並びにフォトダイオード2485に類似している、又はそれらと類似した機能を提供する電子回路網を含む場合がある。
図26に示す手法の場合、RFスペクトルアナライザ2695は、ニューラルネットワーク2670及び粗補正コントローラ要素2640とともに、並列の一連のPZ要素262Nに導入された光学遅延の要件を実行するために使用される。
【0077】
図27は、要素2795及び272Nによって識別された圧電ディスク(PZ)モジュールを通して性能、精度、及び解像度を改善することができる、本主題の実施態様と一致する手法の概念及び機能を示し、セラミックディスクによって囲まれたコンパクトなマイクロファイバベースコリメータ(MFC)2795が光学遅延線を得るために使用される。USPLパルス列の本来のパルス繰り返し率を上げるための技術を示しているが、示されている設計はそのような用途に限定されるのではなく、光学遅延が必要とされるどこでも光セクタ内の他のニーズに適用又は拡張することができる。そうする際に、より制御された量の時間遅延が、回路の各MFC要素内に導入できる。利用するMFC要素を使用することによる改善は、応答、解像度、及び大量生産手段における必要とされる電圧応答を迅速に再現することの達成を改善することができる。
図27内で識別された概念は、USPLパルス対パルスジッタを低減する際に使用するため、及びデータ暗号化のニーズのために補完的な対にされたユニットとしての機能を果たすことができる正確に製造された要素に組み込むことができる。
【0078】
図27を更に参照すると、特定のパルス繰り返し率を有するUSPLソース2701は、スプリッタ要素2705によって識別されるように(206以外の数である場合がある)事前に選択された数の光路271Nに分割される。適切に制御された遅延273Nは、2795及び272Nによって説明された要素を使用して、分割された光路271Nの各並列レッグに導入される。結果として生じる遅延した経路274Nが、光コンバイナ要素2760を通してともに追加される。パルス乗算されたUSPL信号2780が生じる。
【0079】
ファイバが圧電アクチュエータの「周りに巻き付けられた」いくつかの以前に利用可能であったTDM設計の1つの潜在的な不利な点は、機構が使用されるファイバの曲げ損失要件に準拠しなければならないことである。いくつかの市場に出たばかりの新しいファイバは、わずか数ミリメートルの臨界半径を有する。この問題を補正するために、本主題の実施態様は、ファイバを巻き付けた円筒形の圧電素子の代わりに、微細加工されたエアギャップUブラケットを使用できる。
図27は、この原理を示している。この手法では、圧電アクチュエータ(PZ
1,...、PZ
N)は、マイクロファイバコリメータ(MFC)及び圧電材料から作られたマイクロリングを使用して構築されたエアギャップUブラケット構造によって置き換えることができる。しかしながら、この場合、圧電アクチュエータは長手方向に拡大し、制御電圧(V1、V2,...,VN)に応えて、コリメータ間のエアギャップ距離を増加させる(又は減少させる)。円筒形の圧電の場合のように、単一電圧Vcは、各チャネルの利得(G1,G2,...,GN)が相応して調整されて、各ラインに正しい拡大を与えるのであれば、すべての圧電デバイスを駆動するために使用することができる。理想的には、システムに対する固有のバイアス(つまり、演算増幅器間の本質的相違)を除き、利得調整は、τRT/Nの倍数である拡大を提供するためにG1、2G1、3G1などであるべきである。そのような手法を実装する別の方法は、チャネルで複数の圧電リングを使用することである場合がある。そのようにして、1、2、3、N個の圧電リングが、同じ利得ですべての増幅器を用いて同じ電圧によって駆動される。
【0080】
図28は、2つの遠隔10GigEスイッチの間に無事に橋を架けるために光チップシステム2800の概念的な提示を提供する。理想的には、そのような接続は、単純な1つのファイバと同様に実行できる。TDMチップのタイミングは、10GigEスイッチによって駆動できる。
【0081】
図28を参照すると、2806によって識別された所定の本来のパルス繰り返し率を有するUSPLソース2805は、光パルスマルチプライヤチップ2807に接続する。要素2807は、入信パルス繰り返し率信号2806を、2801で識別された高速ネットワークイーサネットスイッチを用いた操作に適切なレベルに変換するように設計されている。スイッチ2801は、関心のあるデータレートで、標準電気光学変調器2820を介して信号2809を変調するために使用される基準信号2802を提供する。結果として生じるRZ光信号は、要素2840に示されるように生成される。
【0082】
10GigEスイッチから実行されるタイミングを有することの代替策は、マルチプライヤフォトニックチップを用いて、USPLをテラビット/秒(又はより速く)構築し、次いでこのテラビット/秒信号を10GigEスイッチから直接的に変調することである。各ビットは、100程度のパルスを有する。この手法の優位点は、別個のタイミング信号がスイッチからUSPLに実行される必要を排除することである可能性がある。マルチプライヤチップを介したUSPLは、単にテラビット/秒パルスを送り出さなければならない。もう1つの優位点は、マルチプライヤチップの出力が、正確に10.313又は103.12Gbpsである必要がないことである。出力は単に約1テラビット/秒でのレートでなければならない。各10GigEビットが100又は101又は99のパルスを有する場合、この制限は問題ではない。別の優位点は、各ビットが多くの10USPLを有するため、10GigE信号が大気伝搬(霧及びシンチレーション)優位点を有することである。別の利点は、受信機端部で実現できる。そのビットがその単一のビットの中に100程度のUSPL信号を有する場合、検出器がビットを検出する方がより容易であるはずである。これは、受信機感度の改善につながり、このようにしてFSOシステムに改善された範囲を可能にするであろう。追加の優位点は、100GigEにアップグレードすることが、10GigEスイッチを100GigEスイッチで置き換えるほど単純である可能性があるという点で実現できる。この場合、各ビットは約10パルスを有する。
【0083】
純粋に信号処理の観点から、この手法は、単一の伝送ストリームで結合されたデータ及びクロックを送信する効率的な方法を明示する。光パルスストリームを使用するビットの「サンプリング」とほぼ同様に、この手法は、ビット「サイズ」が、それが運ぶパルスの最大数によって決定され、したがってビットが受信側端部に到達するとビットをカウントするための基礎を確立する優位点を有する。言い換えると、ビット単位が、N個のパルスに適合できるタイムスロットを有する場合、システムのクロックは、5番目の後ごとに「情報の1個の新しいビット」として確立することができる。
【0084】
本明細書に説明される技術に類似した技術は、空中の用途、宇宙の用途、又は海底の用途のいずれかでの地上システム、海底システム、又はFSOシステムのために、ファイバベースのプラント分散システム内で又はFSOシステム内で活用することができ、初めて、USPLソースから光ネットワーク要素への相互接続が、ネットワーキングアプリケーションのためにどのようにして達成されるのかを示している。
【0085】
図29は、
図28内に反映された設計概念のための概念的なネットワーク拡張を示すシステム2900を示す。各々が専用光スイッチ及びUSPLレーザーマルチプライヤチップを通して変調された複数のUSPLソース2901、2902、2903(3つが示されているが、任意の数が本主題の範囲内にあることに留意されたい)として、回路はWDM配置で構成される。
図28に関して説明されるように、各イーサネットスイッチからの電気信号は、光路ごとに専用光変調器2911、2922、2928を変調するために使用できる。システムの各セグメントの光パワーは、増幅の目的で光増幅要素2931、2932、2933によって提供できる。増幅された各USPL経路は、次いでネットワーク2950への移送のために適切な光コンバイナ2940にインタフェースし、必要に応じて、自由空間ベース又はファイバベースのどちらかにすることができる。WDMモジュールからの出力は、次いでFSO移送のために送信側要素102に、又はファイバプラント設備の中に構成できる。
【0086】
本明細書に説明される技術は、空中の用途、宇宙の用途、又は海底の用途のいずれかでの地上システム、海底システム、又はFSOシステムのために、ファイバベースのプラント分散システムの中で又はFSOシステムの中で活用することができ、初めて、USPLソースからの光ネットワーク要素への相互接続がネットワーキングアプリケーションのためにどのようにして達成されるのかを示している。
【0087】
図30は、再帰直線偏光調整を使用して全ファイバモードロックレーザーのパルス幅を制御し、同期自己再生機構を使用して空洞の繰り返し率の同時に安定化するコンピュータ援用システムの構成を含むための本主題の実施態様のための実験の設定の概略図を示す。また、設計は、繰り返し率、及びパルス幅の調整能力も提供できる。
【0088】
ファイバリングレーザーは、内側の青いループで表され、すべての空洞内ファイバ分岐は、(暗褐色でコーディングされた)ファイバグレーティングコンプレッサの一部であるループの外側の正の高分散ファイバを除き、青でコーディングされる。外側のループは、フィードバックアクティブシステムを表す。
【0089】
図30は、すべてがパルス繰り返し率の制御及びパルス幅の制御を提供するために役立つ、ミラー(M1、M)、回折格子(G1、G2)、長さ(L1、L2)、第二高調波発生器(SHG)、光電子増倍管(PMT)、ロックイン増幅器(LIA)、データ取得システム(DAC)、検出器(DET)、クロック抽出機構(CLK)、周波数対電圧コントローラ(FVC)、高圧ドライバ(HVD)、基準信号(REF)、パルス発生器(PGEN)、振幅変調器(AM)、アイソレータ(ISO)、圧電アクチュエータ(PZT)、光結合器(OC)、偏光子(POL)、及び偏光制御器(PC)を通してパルス幅の制御及びパルス繰り返し率制御を提供するUSPLモジュールの特徴を示すシステム3000の図である。
【0090】
受動モードロック機構は、モードロックファイバレーザー出使用できる非線形偏光回転(NPR)に基づく場合がある。この機構では、伝搬パルスで楕円形に偏光した光を生じさせるために、弱複屈折シングルモードファイバ(SMF)を使用できる。パルスはファイバに沿って移動するにつれ、パルスは、強度に依存する偏光回転が発生する非線形効果を経験する。パルスが偏光制御器(PC)3001に到達するまでに、パルスの高強度部分の偏光状態は低強度部分よりも多くの回転を経験する。制御器は、パルスの高強度偏光コンポーネントを回転させ、その向きを可能な限り偏光子(POL)の軸に位置合わせする機能を実行することができる。結果的に、パルスが偏光子を通過すると、そのより低い強度のコンポーネントは高強度のコンポーネントよりも多くの減衰を経験する。したがって、偏光子から出るパルスは狭められ、プロセス全体が高速可飽和吸収体(FSA)として機能する。この非線形効果は、ループの群速度分散(GVD)連動して機能し、数回の往復の後、安定性の状況が発生し、受動モードロックが達成される。光ループの全体的なGVDは、異なるタイプのファイバ(シングルモード、分散シフト、偏光維持など)を使用し、レーザーの平均GVDへのその寄与を強化することによって、許容誤差内で、特定の所望されたパルス幅を生成するように調整することができる。
【0091】
PCからの線形偏光回転の能動制御は、レーザーの性能を大きく改善することができる。これは、パルス幅の進化を見つけ出すフィードバックシステムを使用して達成できる。
図1の外側ループによって表されるこのシステムは、圧縮、結果的にパルスの平均出力を最大限にするために使用できる。OCを通ってファイバリングレーザーから出てくるパルスは、数ピコ秒のオーダーの幅を有することが予想される。ファイバグレーティングコンプレッサを使用する外部パルス圧縮方式が、パルスを100fsec未満に狭めるために使用される。この技術は、多くの報告された実験で広範囲に使用され、高エネルギー、高出力のUSPLパルスにつながる。ここで、狭められたパルスは第二高調波発生器(SHG)結晶に集束され、光電子増倍管(PMT)を使用して検出される。ロックイン増幅器(LIA)は、データ取得カード(DAC)に出力信号を提供する。この信号は、パルスのピーク電力の増加又は減少を追跡することによってパルス幅の変動をたどる。同様の技術は、過去にも、その場合空間光変調器が代わりに使用された点を除き、無事に使用されていた。ここでは、プログラム可能サーボ機構が、PCでアクチュエータを使用して線形偏光回転を直接的に制御する。DC信号データがDACによって提供された状態で、(LABVIEW又はMATLAB SIMULINKなどであるが、これらに限定されない)意思決定ソフトウェアを、同様にして偏光子の軸を基準にして入力パルスの回転の角度を調整するサーボ機構を制御するために開発することができる。アクチュエータによって実行されるこれらの調整は、応力誘起複屈折を使用して達成される。例えば、パルス幅が減少する場合、機構はそれを補償するために一定の方向の線形角度回転をたどるようにアクチュエータに促し、パルスが増加する場合、機構は反対方向に作動し、両方とも平均出力電力を最大限にすることを目的としている。
【0092】
光学振動の繰り返し率に同期し、振幅変調器(AM)への駆動信号として使用される自己再生フィードバックシステムは、レーザーの往復時間を調節できる。能動システムでは、振幅変調器は、往復時間と同期して、損失を変調することによって閾値ゲートデバイスとして働く。最近の報告では、この技術はモードロックレーザーを無事に安定化させることができる。光検出器(DET)によって光結合器(OC)から採取された信号は、位相ロックループ又は同期発振器など、クロック抽出機構(CLK)によって電子的にロックされ、再生することができる。再生された信号は、パルス発生器(PGen)をトリガし、パルス発生器は、次いで変調器を駆動するために使用される。完全に同期した状況では、AMは、往復時間(TRT)ごとに、パルスがそれを通過するたびに「開く」。CLKはTRTの変動をたどるため、AMの駆動信号は相応して変わる。
【0093】
外部基準信号(REF)は、空洞の繰り返し率を調整するために使用できる。外部基準信号は、ミキサーを使用してCLKからの回復信号、及び空洞の長さを調節できる圧電(PZT)システムを駆動するために使用される出力と比較することができる。空洞の長さを調節するためのPZTシステムのそのような使用は、周知の概念であり、類似した設計は、すでに実験的に成功裏に立証されている。ここで、線形周波数-電圧変換器(FVC)は、PZTの高圧ドライバ(HVD)へ入力信号を提供するために較正され得る。PZTは、REF信号の繰り返し率に一致するために空洞の長さを調整する。例えばREF信号がその周波数を増加させる場合、FVCの出力は減少するため、圧電-シリンダに対するHV駆動レベルも減少し、強制的に圧電シリンダを収縮させ、結果としてレーザーの繰り返し率を高めることになる。基準の繰り返し率が減少すると、正反対のことが発生する。
【0094】
負の分散回折格子の対を使用して、パルスの幅を「変換-制限された」値に調整することが可能である。このチャープパルス圧縮技術は十分に確立されており、6fsほど狭いパルス圧縮の報告がなされている。この考えは、グレーティングペアパルスコンプレッサを、回折格子間の分離を設定する線に沿って並進する移動段に取り付けることである。距離が変かするにつれ、圧縮係数も変化する。
【0095】
本主題の実施態様と一致するデータ変調方式の例では、受動でモードロックされたレーザーは、データ変調速度を変更するための柔軟性を制限する超高速パルス源として使用することができる。システムのデータレートをスケールアップするためには、パルス源の基本繰り返し率を上げる必要がある。従来、受動でモードロックされたレーザーの繰り返し率は、レーザー空洞長を短くすることによって、又はレーザーの高調波モードロックによってのどちらかで上げられてきた。両方の技術とも空洞内パルスピーク電力を減少させ、より長いパルス幅及びより不安定なモードロックにつながる。
【0096】
この問題を解決する1つの手法は、パルス逓倍と呼ぶ技術によって改良されたパルスインタリーブ方式の使用を伴う。
図31はこの概念を示す。十分に特徴付けられ、十分にモードロックされたレーザー3101のより低い繰り返し率パルス列が、パルスの十分に決定された部分が取り出され、出力パルス列内の所望されるパルス間間隔に等しい光学遅延3150を有する光ループ内で「再循環」され、方向性結合器の出力に再結合される統合光方向性結合器3180に結合される。例えば、10MHzのパルス列から1GHzのパルス列を生成するためには、1nsの光学遅延が必要とされ、列内の100番目のパルスが10MHzのソースからの入力パルスと一致することを可能にするためには、光学遅延は、正確に制御されなければならない可能性がある。光学遅延ループは、信号減衰を補償するための光学利得3120、パルス幅を復元するための分散補償3160、及び能動光学遅延制御3150を含む。パルス逓倍が発生すると、出力パルス列は、生成されたRZ信号3190にデータストリーム3182でOOK変調され3175、パルスエネルギーを入力パルス列と同じレベルまで(又は所望される出力パルスエネルギーレベルまで)上げるためにエルビウムドープファイバ増幅器3185内で増幅される。
【0097】
本明細書に説明される特徴の1つ以上は、単独で解釈されるのか、それとも組み合わせて解釈されるのかに関わりなく、本主題の様々な態様又は実施態様に含めることができる。例えば、いくつかの態様では、光無線通信システムは、ピコ秒タイプ、ナノ秒タイプ、フェムト秒タイプ、及びアト秒タイプのレーザー源の1つ以上を任意選択で含む場合がある、少なくとも1つのUSPLレーザー源を含む場合がある。光無線通信システムは、光伝送システムにファイバ結合又は自由空間結合することができ、ポイントツーマルチポイント通信システムアーキテクチャのための1つ以上の変調技術を使用して変調することができ、及び/又は双曲面ミラー製作技術、従来のニュートンミラー製作技術、又は機能上同等若しくは類似した)他の技術の1つ以上によって製造された光伝送端末又は望遠鏡を活用できるUSPL源を含む場合がある。また又は代わりに、受信光信号の不明瞭課を最小限に抑える、低減するなどのために、非球面非球面光学設計が使用できる。
【0098】
本主題の実施態様と一致する自由空間光伝送システムは、1つの理想的な点で受信信号を集束するUSPLレーザーを利用できる。いくつかの実施態様では、一方の望遠鏡又は光を集束し、送達するための他の光学素子は、送信側要素と見なされる場合があり、第1の望遠鏡、又は第1の望遠鏡又は他の光学素子から遠隔に配置された、光を集束し、受光するための他の光学素子は光データリンクを作成するために受信側要素として機能することができる。両方の光通信プラットフォームとも、送信機能と受信機能の両方を提供するために必要なコンポーネントを任意選択で含む場合があり、USPL光学送受信機と呼ばれる場合がある。望遠鏡又は光を集束し、送達するための他の光学素子のどちらか又は両方とも、光ファイバを介して又は送信側要素への自由空間結合によってのどちらかを通して送信側USPLソースに結合できる。望遠鏡又は光を集束し、受光するための他の光学素子のどちらか又は両方とも、光ファイバ又は光受信機への自由空間結合のどちらかによって受信エンドポイントに結合できる。1つ以上のUSPLソースを含む自由空間光(FSO)無線通信システムは、光通信ネットワーク内で、光ファイバ長距離ネットワークと連動して(及び光通信ネットワーク内で光通信ネットワーク内でトランスペアレントに使用され、(オン/オフキーイング(OOK)、非ゼロ復帰(NRZ)及びゼロ復帰(RZ)変調技術を使用して、1550nm光通信バンド内で使用できる)、光通信ネットワーク内で(及び差動位相偏移変調(DPSK)変調技術を使用して変調できる)、光通信ネットワーク内で(及び一般的に使用される自由空間光学送受信機端末を使用するポイントツーポイント通信システムアーキテクチャのために一般的に使用される変調技術を使用して変調できる)、D-TEK検出技術を活用して光通信ネットワーク内で、エルビウムドープファイバ増幅器(EDFA)及び高出力エルビウム-イッテルビウムドープファイバ増幅器(Er/Yb-DFA)と連動して使用するための通信ネットワーク内で、光通信ネットワーク内で(及びポイントツーマルチポイント通信システムアーキテクチャのために一般的に使用される変調技術を使用して変調できる)などで使用できる。
【0099】
USPL技術は、いくつかの態様では、自動追跡機能で使用するための、及び操作中の端末の同時位置合わせ(co-alignment)を維持するための光学追跡及びビームステアリングを提供するためのビーコン源として活用できる。受信端末で抽出された、回復されたクロック及びデータは、ネットワークの範囲を拡張する際に使用するためのマルチホップスパンに使用できる。光ネットワークは、WDM構成でも同様の利点を備え、それによってキャリヤデータリンクの有効光帯域幅の大きさを拡大できる。また又は代わりに、USPレーザー源は、偏光多重化USP-FSO(PM-USP-FSO)機能を提供するために送信された光信号に偏光多重化することもできる。受信端末で抽出された、回復されたクロック及びデータは、ネットワーク範囲を拡張する際に使用するためのマルチホップスパンに使用することができ、データレート不変操作を提供するために一般的で大きい帯域幅範囲の操作を含む場合がある。光前置増幅器又は半導体光増幅器(SQA)は、光受信機の前に使用することができ、代わりに又は受信端末で抽出された、回復されたクロック及びデータと組み合わせて、ネットワーク範囲を拡大する際に使用するための、データレート不変操作を提供するための一般的に大きい帯域幅版の操作を有するマルチホップスパンに使用することができる。端末同時位置合わせは操作中に維持することができ、その結果、USPL技術によって、USPLデータソースの使用によって性能及び端末同時位置合わせでの著しい改善を実現するだけではなく、USPLレーザービーコンの使用によって送受信機位置合わせを維持する改善された手法を提供することができる。
【0100】
USPL-FSO送受信機は、いくつかの態様では、1つの理想的な点で受信信号を集束する、双曲面ミラー製作技術又は従来のニュートン設計のどちらかによって製造された光伝送端末を利用して、イオン化検出技術又は非イオン化検出技術を使用し得る空中伝搬要素のシグネチャのリモートセンシング及び検出を実行するために利用できる。本主題の実施態様と一致するUSPL-FSO送受信機は、見通し外のレーザー通信用途で利用できる。本主題の実施態様と一致するUSPL-FSO送受信機は、(NLOS技術を可能にする)散乱効果が発生する距離の調整、DTech検出方式を使用して検出感度を改善するための受信技術、及び周波数コムを含むブロードバンド検出器を介した帯域幅改善を可能にできる。本主題の実施態様と一致するUSPL-FSO送受信機は、入信光学波面補正(AO-USPL-FSO)を実行するための補償光学技術(AO)と併せて利用できる。本主題の実施態様と一致するUSPL-FSO送受信機は、赤外波長範囲全体で活用し、動作することができる。本主題の実施態様と一致するUSPL-FSO送受信機は、シングルモードファイバ構成とマルチモードファイバ構成の両方で、光アドドロップ技術及び光多重化技術と併せて活用できる。本主題の実施態様と一致するUSPL-FSO送受信機は、hy識別及び調査用途のためにレンジファインダ及びスポッティング装置として赤外波長範囲全体で活用し、操作することができる。
【0101】
本主題の他の態様では、例えば10GigE、100GigEなどの接続のような一連のスイッチドネットワーク接続が、例えば時分割多重化(TDM)を介してなど、光ファイバ又は自由空間光学部品のどちらかを介してある点から別の点に接続できる。
【0102】
本主題の実施態様と一致するモードロックされたUSPLソースは、クロックストリームとデータストリームの両方を生成するために使用できる。モードロックされたレーザーは、デジタル通信システムにおけるクロックのための高性能、高性能、高フィネスソースの選択を表す場合がある。この点で、モードロックされたファイバレーザー-線形構成又はリング構成のどちらかの-は、それらがUSPLソース領域でのパルス幅及びGHzほど高い繰り返し率を達成できるので、選択の魅力的な候補となる場合がある。
【0103】
高調波発生は、カーボンナノチューブ可飽和吸収体を使用して達成できる。カーボンナノチューブ可飽和吸収体(CNT-SA)を使用する受動モードロックファイバレーザーは、基本繰り返し率の高調波を容易に生成できるその能力のため、高繰り返し率ソースのオプションになる。
【0104】
FSOは、地上用途、宇宙用途、及び海底用途で使用できる。
【0105】
スプリッタからアパーチャへの条件付き経路長制御は、重要なパラメータである場合がある。TDMマルチプレックスは、アパーチャからソースの経路間での相対的な一時的な時間遅延を制御するために、本主題の実施態様と一致して用いることができる。各パルス列は、並列時間遅延チャネルを使用して制御できる。この技術は、WDMシステムだけではなくTDMシステムも用いる従来の多重送信FSOアパーチャシステムを制御するために使用できる。USPLレーザーパルス間間隔は、TDMシステムとWDMシステムの両方の正確な時間要件に合わせて維持及び制御できる。説明された技術は、TDMファイバベースシステム及びWDMファイバベースシステムで使用できる。本明細書に説明されるTDMマルチプレクサの使用は、送信された光信号に一意の暗号化手段を実装するために使用できる。補完的なTDMマルチプレクサは、入信受信信号を反転させ、それによってパルス信号の一意のシグネチャを回復するために利用できる。本明細書で説明されるTDMマルチプレクサは、WDM暗号化のためにWDMパルス特性を制御するために活用することができる。TDMマルチプレクサは、共通のソース信号に接続された複数のアパーチャが一定の経路長を維持するために制御されたパルス間の時間遅延を有することができる従来のFSOシステムで使用できる。TDMマルチプレクサは、TDMファイバベースのシステム及びFSOベースのシステムに使用できる。TDMマルチプレクサは、USPLソースのための光パルス列関係性を制御するための有効化技術である場合がある。TDMマルチプレクサは、同じパルス関係性を得るために神経補正率の測定によって光リンク全体で大気リンク特性化ユーティリティとして使用することができる。
【0106】
PZディスクの任意の組み合わせは送信機で使用することができ、ファイバベースとFSOベースの両方のUSPLベースシステムのための無限数の暗号化組合せを有することができる。タイミングは、10GigEスイッチ又は同等物から、及びUSPLを、マルチプライヤフォトニックチップを用いてテラビット/秒(又はそれより速い)速度に構築するために実行することができ、このテラビット/秒信号は、10GigEスイッチから直接的に変調することができる。WDM構成で動作しているとき、ファイバベースシステムへ又はFSOネットワーク要素へのどちらかへのインタフェースを含めることができる。
【0107】
システムは、超高速光パルス列を受け入れることができ、入力光パルスのものと同一のパルス幅、スペクトルコンテンツ、チャープ特性を有し、入力パルスのパルス繰り返し率の整数倍であるパルス繰り返し率を有する光パルスの列を生成することができる。これは、能動的に制御可能な光結合係数を有する2×2光結合器内の入力パルス電力の部分をタップし、このタップしたパルスを、光増幅、光分離、光学遅延(経路長)制御、光位相及び振幅の変調、並びにデバイスの出力で時間パルス幅を最小限に抑えるために光学遅延線内で光パルスが経験する時間及びスペクトルの進化の補償を備えた光学遅延線で1往復にわたって再循環し、この電力を2×x光結合器と再結合することによって達成することができる。
【0108】
受動光学遅延制御又は能動光学遅延制御は、希土類ドープ光ファイバ及び/又は希土類ドープ集積光学素子及び/又は電気的にもしくは光学的に励起した半導体光増幅を利用する光学利得を使用できるのと同様に、使用できる。分散補償は、ファイバブラッググレーティング及び/又はボリュームブラッググレーティングを使用して提供できる。遅延線を横切る波長分割多重化データ変調は、遅延線を横切るパルスのパルスコードデータ変調と同様に訴えることができる。
【0109】
USPL方形波パルスの合成による従来のUSPLソースの調整は、FSO用途のために、マイクロリソグラフィ振幅技術及び位相マスク技術を活用して達成できる。この技術を用いてパルスを制御及び能動的に制御するための技術及び類似した手法を使用してパルス幅を調整できる能力は、FSO伝送リンクを通した伝搬効率を改善し、それによってシステムの可用性及び受信光パワーレベルを向上させることができる。
【0110】
能動的なプログラム可能パルス整形器は、USPL能動的に制御するために使用することができ、パルス幅は、変化する環境を通る伝搬を最大限にするために現実の大気条件に一致することを含む場合がある。FSO用途では、以下の技術つまり、フーリエ変換パルス整形、液晶モジュラー(LCM)アレイ、液晶オンシリコン(LCOS)技術、音響光学変調器(AOM)を使用するプログラマブルパルス整形、音響光学プログラム可能分散フィルタ(AOPDF)、及び偏光パルス整形の1つ以上を使用することができ、以下の技術を使用して光時間スペクトルを適応させる。
【0111】
図32は、1つ以上が本主題の実施態様に表示される場合がある方法の特徴を示すプロセスフローチャート3200を示す。3202で、各々が約1ナノ秒以下の持続時間を有する光パルスのビームが生成される。3204で、変調信号がビームに印加されて、変調光信号を生成する。遠隔受信装置への送信のためにデータを運ぶ変調信号。変調光信号は、3206で、光通信プラットフォーム内の光学送受信機で受信され、3210で、変調信号は第2の光通信装置による受信のために光学送受信機を使用して送信される。
【0112】
図33は、その1つ以上が本主題の実施態様に現れる場合がある方法の特徴を示す別のプロセスフローチャート3300を示す。3302で、各々が約1ナノ秒以下の持続時間を有する光パルスのビームが、例えばUSPLソースを使用して生成される。光パルスのビームは、3304で、光学送受信機を介してターゲット大気領域に向かって伝送される。3306で、ターゲット大気領域内の1つ以上のオブジェクトから光パルスのビームの光学後方散乱の結果として光学送受信機で受信された光情報が分析される。
【0113】
図34は、その1つ以上が本主題の実施態様に現れる場合がある方法の特徴を示す別のプロセスフローチャート3400を示す。3402で、光パルスを含む第1のビーム及び第2のビームが、例えば、USPLソースによって生成される。3404で、第1の変調信号は、第1の変調光信号を生成するために第1のビームに印加され、第2の変調信号は、第2の変調光信号を生成するために第2のビームに印加される。第1の変調光信号の第1の偏光状態は、3406で調整される。任意選択で、第2の変調光信号の第2の偏光状態も調整することができる。3410で、調整された第1の偏光状態を有する第1の変調光信号は、第2の変調振動で多重化される。3412で、第2の変調信号とともに、調整された第1の偏光状態を有する多重化された第1の変調光信号は、第2の光通信装置による受信のために光学送受信機によって送信される。
【0114】
本明細書に説明される主題の1つ以上の態様又は特徴は、デジタル電子回路網、集積回路網、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組合せで実現することができる。これらの様々な態様又は特徴は、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及び命令を受け取り、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置にデータ及び命令を送信するために結合された、特殊目的又は汎用である場合がある、少なくとも1つのプログラム可能プロセッサを含むプログラム可能システム上で実行可能及び/又は解釈可能である1つ以上のコンピュータプログラムでの実施態様を含む場合がある。
【0115】
また、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、又はコードとも呼ばれる場合があるこれらのコンピュータプログラムは、プログラム可能プロセッサのために機械命令を含み、高水準手続きプログラミング言語及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語で、及び/又はアセンブリ言語/機械言語で実装できる。本明細書で使用される場合、用語「機械可読媒体」は、機械可読信号として機械命令を受け取る機械可読媒体を含むプログラム可能プロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために使用される、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、及びプログラマブルロジックデバイス(PLD)など、任意のコンピュータプログラム製品、装置、及び/又はデバイスを指す。用語「機械可読信号」は、プログラム可能プロセッサに機械命令及び/データを提供するために使用される任意の信号を指す。例えば、非一時的なソリッドステートメモリ又は磁気ハードドライブ又は任意の同等な記憶媒体が格納するであろうように、機械可読媒体は、そのような機械命令を非一時的に格納することができる。例えば、1つ以上の物理プロセッサコアと関連付けられたプロセッサキャッシュ又は他のランダムアクセスメモリが格納するであろうように、機械可読媒体は、そのような機械命令を一時的に格納することができる。
【0116】
ユーザーとの対話を提供するために、本明細書に説明される主題の1つ以上の態様又は特徴は、ユーザーに情報を表示するための、例えば陰極線管(CRT)又は液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)モニタなどの表示装置、並びにユーザーがそれによって入力をコンピュータに提供し得る、例えばマウス又はトラックボールなどのキーボード及びポインティングデバイスを有するコンピュータで実装できる。ユーザとの対話のために他の種類のデバイスを使用することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば視覚的なフィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックなどの任意の形の感覚フィードバックであってよく、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、又は触覚入力を含むが、これらに限定されるものではない任意の形で受け取られ得る。他の考えられる入力装置は、タッチスクリーン又はシングルポイントもしくはマルチポイントの抵抗性トラックパッドもしくは容量性トラックパッドなどの他のタッチセンサデバイス、音声認識ハードウェア及びソフトウェア、光学式スキャナ、光ポインタ、デジタル画像取込装置、及び関連する通訳ソフトウェアなどを含むが、これらに限定されるものではない。アナライザから遠隔のコンピュータは、アナライザとリモートコンピュータとの間のデータ交換(例えば、リモートコンピュータでアナライザからデータを受け取ること、及び較正データ、動作パラメータ、ソフトウェアのアップグレード若しくは更新などの情報の送信)を可能にするために、有線ネットワーク又は無線ネットワークを介してアナライザにリンクすることができる。
【0117】
本明細書に説明される主題は、所望される構成に応じて、システム、装置、方法、及び/又は製品で具現化することができる。上記説明で説明された実施態様は、本明細書に説明される主題と一致するすべての実施態様を表していない。代わりに、実施態様は、説明された主題に関連する態様と一致するいくつかの例にすぎない。いくつかの変形形態が上記に詳細に説明されているが、他の変更形態又は追加も考えられる。特に、本明細書に説明されるものに加えて、追加の特徴及び/又は変形形態を提供することができる。例えば、上述された実施態様は、開示された特徴の様々な組合せ及びサブコンビネーション、及び/又は上記に開示された、いくつかの追加の特徴の組み合わせ及びサブコンビネーションを対象とする場合がある。さらに、添付の図に示される、及び/又は本明細書に説明される論理的な流れは、望ましい結果を達成するために、示されている特定の順序、又は順序を必ずしも必要としない。他の実施態様も、以下の特許請求の範囲の範囲内にある場合がある。