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特許7430009水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム不使用のスキンケア化粧料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム不使用のスキンケア化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/19 20060101AFI20240202BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240202BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
A61K8/19
A61K8/81
A61Q19/00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022531243
(86)(22)【出願日】2020-06-21
(86)【国際出願番号】 JP2020024272
(87)【国際公開番号】W WO2021260750
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】509226417
【氏名又は名称】中島産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100133547
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 基文
(72)【発明者】
【氏名】中島 一重
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-165266(JP,A)
【文献】特開2004-238302(JP,A)
【文献】特開2016-159121(JP,A)
【文献】特開2012-092022(JP,A)
【文献】特開2010-037220(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109077940(CN,A)
【文献】特開2016-108309(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弱酸性のスキンケア化粧料であって、
pH調整剤として水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの配合が処方設計された既知の化粧料組成物について、
配合することになっている水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの代わりに、pH13.0以上pH14以下の強アルカリ電解水で化粧料組成物のpHを調整することを特徴とする水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム不使用の弱酸性のスキンケア化粧料。
【請求項2】
前記既知の化粧料組成物が、カルボキシビニルポリマーを含有していることを特徴とする請求項1に記載の水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム不使用の弱酸性のスキンケア化粧料。
【請求項3】
前記既知の化粧料組成物が、抗菌成分または殺菌成分を含有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム不使用の弱酸性のスキンケア化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、石鹸(せっけん)や化粧水、乳液などのように肌を清潔にし整えることを目的とするスキンケア化粧料であって、スキンケア化粧料に配合することになっている水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの代わりに、強アルカリ電解水で化粧料のpHを調整したスキンケア化粧料に関する。特に、この発明は、中和反応による増粘作用を目的に添加されているカルボキシビニルポリマーを、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使わずに、強アルカリ電解水で中和したゲル状のスキンケア化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲル状のスキンケア化粧料としては、ゲル化剤としてカルボキシビニルポリマーを用いた化粧料に、塩基性アミノ酸とアルカリ金属の水酸化物を含有させたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このゲル状のスキンケア化粧料では、塩基性アミノ酸とアルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化カリウムを併用してカルボキシビニルポリマーを中和することで、弱酸性の条件でも適度な粘性を得られるようになっている。
【0003】
スキンケア化粧料ではないものの、アミノ酸銀、アミノ酸亜鉛、カルボキシビニルポリマー、およびエチレンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸銅(II)二ナトリウム塩四水和物、グルタミン酸銅、アミノ酸銅のうちの1種または2種以上を含むことを特徴とする繊維用組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この繊維用組成物では、アミノ酸銀とアミノ酸亜鉛を配合して、抗菌と抗ウイルス効果を確実に高められるようになっている。また、この繊維用組成物では、エチレンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸銅(II)二ナトリウム塩四水和物などの銅化合物を配合して、繊維用組成物に花粉崩壊性を付与するようになっている。
【0004】
別のスキンケア化粧料としては、タデ科植物ギシギシ抽出物を、有効なふけ抑制作用を持つ成分として配合した頭髪化粧料が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この頭髪化粧料では、抗菌剤や殺菌剤の代わりに、タデ科植物ギシギシ抽出物を配合することで、頭髪化粧料を毎日使用しても皮膚常在菌の微妙なバランスを崩さないようになっている。
【0005】
ヒト用のスキンケア化粧料ではないものの、植物オイルと精製水、ハーブパウダー、アロエハーブ酵素、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムとからなるペットの洗浄用化粧料が提案されている(例えば、特許文献4参照)。このペットの洗浄用化粧料では、ハーブパウダーを配合することで化粧料が酸性になるところを、アロエハーブ酵素によって化粧料のpH値を8~9程度に上げて、ハーブの洗浄性や保湿性、殺菌性を損なうことなく、ペットの毛や肌に刺激を与えないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭62-161711号公報(第1頁右下欄第4行-第2頁左上欄第7行)
【文献】特開2020-12214号公報(段落0009,0019,0022)
【文献】特開昭61-282309号公報(第1頁右下欄第6行-第1頁右下欄第17行)
【文献】特開2017-14127号公報(段落0005,0006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に係るゲル状のスキンケア化粧料では、アルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化カリウムを、塩基性アミノ酸と併用してカルボキシビニルポリマーを中和しているところ、水酸化カリウムは、毒物及び劇物取締法で原体と5%を超える製剤が劇物に指定されている。
【0008】
また、前記特許文献2に係る繊維用組成物では、水酸化ナトリウムを使ってカルボキシビニルポリマーを中和しているところ、水酸化ナトリウムも、毒物及び劇物取締法で原体と5%を超える製剤が劇物に指定されている。
【0009】
さらに、前記特許文献3に係る頭髪化粧料では、皮膚刺激性などの点で、人体に対する安全性に問題のある抗菌剤や殺菌剤を使わないようにしているにもかかわらず、劇物に指定されている水酸化ナトリウム液を使ってギシギシ抽出液のpHを調整している。
【0010】
加えて、前記特許文献4に係るペットの洗浄用化粧料では、アロエハーブ酵素で化粧料のpHを調整するようにしているにもかかわらず、鹸化(けんか)には劇物に指定されている水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが使われている。
【0011】
そこで、この発明では、前記した課題を解決し、劇物に指定されている水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使わずに、化粧料のpHを調整したスキンケア化粧料を提供することを目的とする。特に、この発明では、中和反応による増粘作用を目的に添加されているカルボキシビニルポリマーを、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使わずに中和したゲル状のスキンケア化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明では、pH調整剤として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの配合が処方設計された既知の化粧料組成物について、配合することになっている水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの代わりに、強アルカリ電解水で化粧料組成物、より正しくは、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを除いた既知の化粧料組成物のpHを調整するようにした。
【0013】
請求項2に係る発明では、pH13.0以上pH14以下の強アルカリ電解水で、化粧料組成物のpHを調整するようにした。
【0014】
請求項3に係る発明では、強アルカリ電解水で、既知の化粧料組成物に添加されているカルボキシビニルポリマーを中和するようにした。
【0015】
請求項4に係る発明では、強アルカリ電解水で、抗菌成分や殺菌成分が配合されている既知の化粧料組成物のpHを調整するようにした。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、配合することになっている水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの代わりに、強アルカリ電解水で化粧料組成物のpHを調整するようにしたので、スキンケア化粧料に、より正しくは、既知の化粧料組成物からなるスキンケア化粧料に、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを使わないようにするできる。ここで、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムは、毒物及び劇物取締法で原体と5%を超える製剤が劇物に指定されているところ、化粧料に使用される水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの配合量は一般に1%以下であり、また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムは中和反応によって強アルカリ性の性質が打ち消されているため、安全性に問題はないものと考えられている。
【0017】
しかしながら、請求項1に係る発明によれば、スキンケア化粧料に、劇物に指定されている水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを使わないようにできるので、スキンケア化粧料の安全性をより高めることができる。そこで、請求項1に係る発明によれば、スキンケア化粧料を、成人と比べて体重が軽い、例えば乳幼児、犬や猫などのペットにも、安心して使えるようにすることができる。
【0018】
また、請求項1に係る発明によれば、スキンケア化粧料に、劇物に指定されている水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを使わないようにできるので、化粧料の製造過程での水酸化ナトリウムと水酸化カリウムによる漏出事故や暴露事故をなくすこともできる。加えて、請求項1に係る発明によれば、スキンケア化粧料に、劇物に指定されている水酸化ナトリウムと水酸化カリウムを使わないようにできるので、化粧料の製造工場などに毒物劇物取扱責任者を置かなくてすみ、化粧料原料の保管管理や廃棄の労力を軽減することもできる。
【0019】
ここで、強アルカリ電解水は、水に炭酸カリウムを混ぜた水溶液を電気分解して得られるものであり、より正しくは、水に炭酸カリウムを混ぜた水溶液を電気分解して、その水溶液からイオン交換膜を通してイオンが純水に移動することで生成されるものである。このように、強アルカリ電解水は、水と食品添加物にも指定される炭酸カリウムを原料にしており、原料は水と食品添加物だけ、より正しくは、水とイオンだけなので安全性が高く、環境負荷も少ない。このように、請求項1に係る発明によれば、安全性の高い強アルカリ電解水で、化粧料組成物のpHを調整するようにしたので、スキンケア化粧料の安全性をより高めることができるのである。
【0020】
さらに、請求項1に係る発明によれば、既知の化粧料組成物について、配合することになっている水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの代わりに、強アルカリ電解水で化粧料組成物のpHを調整するようにしたので、既知のスキンケア化粧品を、水酸化ナトリウムと水酸化カリウム不使用のスキンケア化粧品にすることができる。そのため、請求項1に係る発明によれば、既知のスキンケア化粧品を水酸化ナトリウムと水酸化カリウム不使用のスキンケア化粧品にできるので、既知のスキンケア化粧品を、安全性を高めて刷新することもできる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、pH13.0以上pH14以下の強アルカリ電解水で、化粧料組成物のpHを調整するようにしたので、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの代わりに、強アルカリ電解水で化粧料組成物のpHを調整することができる。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、強アルカリ電解水で、既知の化粧料組成物に添加されているカルボキシビニルポリマーを中和するようにしたので、既知のゲル状スキンケア化粧品を、水酸化ナトリウムと水酸化カリウム不使用のゲル状スキンケア化粧品にすることができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、強アルカリ電解水で、抗菌成分や殺菌成分が配合されている既知の化粧料組成物のpHを調整するようにしたので、既知の薬用スキンケア化粧品、例えば薬用ハンドソープや、デオドラント製品、ふけ防止用のヘアケア製品などを、水酸化ナトリウムと水酸化カリウム不使用の薬用スキンケア化粧品にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
まず、この発明の創作の基礎となる事項について簡単に説明する。発明者は、アルカリ電解水で水溶性切削油剤を希釈して得る水溶性冷却液の製造装置(製品名をアクアナックス環境加工水生成装置といい、以下、nax201という。アクアナックスは出願人の登録商標(登録第5286308号))の製造、販売を行っている。ここで、nax201は、pH12.5(常温20℃にて測定、以下同様)という、いわゆる強アルカリ電解水を生成することができる電解イオン水生成機を備えていることを特徴としている。そして、nax201は、強アルカリ電解水で水溶性切削油剤を希釈することで、水溶性冷却液の腐敗を防止することができるものである。
【0025】
発明者は、先の発明(特許第6097992号)では、nax201が強アルカリ電解水を生成できることを生かし、強アルカリ電解水で水溶性切削油剤を希釈するようにして、従来の装置よりも簡素で小型の水溶性冷却液の製造装置を開発するなど、アルカリ性の水溶液が有する油汚れを落としたり、菌を減少させたりできる効果を生かして、「地球環境にやさしく、汚れもきれいにできる製品」や「地球から生まれた「水」だけで除菌できる製品」を開発してきた。
【0026】
発明者が開発した製品に、油脂分解洗剤(製品名をオイルナックスという。オイルナックスは出願人の登録商標(登録第5284719号))がある。ここで、オイルナックスは、油脂分解性能を持ち、特に、水を電気分解してアルカリ性を維持させたアルカリ電解タイプは、業務用食器や厨房(ちゅうぼう)設備の洗浄、油の付着したタオルや作業着の洗浄などに効果を発揮する油脂分解洗剤である。そのため、オイルナックスは、飲食業や製造業のほか、リネンサプライ業、中でもエッセンシャルオイルを使うアロマセラピー専門店やエステティックサロンなどで高い評価を得ている。
【0027】
発明者は、現状に満足せず、より良い製品を目指していくことをモットーにしているところ、タオルの洗浄にオイルナックスをお使いいただいているお客様から、ウイルス感染症の予防対策として、タオルに抗ウイルスの効果を望む声を耳にした。
【0028】
そこで、発明者は、お客様の要望に応えるべく、加工繊維(一般社団法人繊維評価技術協議会が認証する繊維上の特定ウイルスの数を減少させる加工のうち、認証基準を満たす繊維製品のこと。抗ウイルス加工の認証ともいう。)に使用された成分の中に、オイルナックスに抗菌と抗ウイルスの効果をプラスできる成分、具体的には、前記特許文献2に係る抗菌性、抗ウイルスおよび花粉崩壊性を有する繊維用組成物を見つけた。
【0029】
発明者は、前記特許文献2に係る繊維用組成物に使用されている成分と同じ成分をオイルナックスに使用することに取り組む中で、前記特許文献2に係る繊維用組成物にはpHを調整するために、劇物に指定されている水酸化ナトリウムが使われていることが気になった。
【0030】
そして、発明者は、水酸化ナトリウムを使わずにカルボキシビニルポリマーを中和できると、安全性をより高められると考えるようになった。
【0031】
そこで、発明者は、アルカリ性の度合いを高めた高機能型のnax301が、業界最高水準のpH13.1の強アルカリ電解水を生成できることに着目した。また、発明者は、強アルカリ電解水の製造販売を始めてから10年ほど経過するところ、10年前に製造した強アルカリ電解水が高いpHを維持し続けており、自社で製造した強アルカリ電解水はほとんど経時変化しないことに注目した。そして、発明者は、業界最高水準のpH13を超える強アルカリ性を有し、ほとんど経時変化しないpH値が安定した、自社の強アルカリ電解水であれば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの代わりにできることを見いだし、この発明を創作するに至ったものである。
【0032】
次に、この発明の実施形態について詳細に説明する。実施形態に係るスキンケア化粧料は、pH調整剤として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの配合が処方設計された既知の化粧料組成物について、配合することになっている水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの代わりに、強アルカリ電解水で既知の化粧料組成物、より正しくは、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを除いた既知の化粧料組成物のpHを調整して得たものである。
【0033】
スキンケア化粧料は、石鹸や化粧水、乳液などのように肌を清潔にし整えることを目的とする化粧用の品で、基礎化粧品ともいう。スキンケア化粧料の剤形は、固形石鹸のような固形状でも、化粧水のような液状でも、保湿ジェルのようなゲル状でも、どのような剤形でも構わないところ、ここでは、溶液が多少の弾性と固さをもってゼリー状に固化したゲル状である。
【0034】
既知の化粧料組成物は、スキンケア化粧料に配合する成分の組み合わせが見いだされている(処方設計されているともいう。)もので、ここでは、pH調整剤として水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの配合が処方設計されたものである。また、ここでは、中和反応による増粘作用を目的にカルボキシビニルポリマーの添加が処方設計されたものでもある。
【0035】
強アルカリ電解水は、水を電気分解することで得られるpH11以上の水溶液であり、ここでは、pH13.0以上pH14以下の水溶液である。強アルカリ電解水は、水に炭酸カリウムを混ぜた水溶液を電気分解して、その水溶液からイオン交換膜を通してイオンが純水に移動することで生成されるものである。
【0036】
次いで、実施形態に係るスキンケア化粧料について、既知の化粧料組成物を前記特許文献1に係るゲル状のスキンケア化粧料、具体的には弱酸性ゲル状洗顔料として説明する。実施形態に係るスキンケア化粧料では、既知の化粧料組成物は以下のとおりであり、pH調整剤として水酸化カリウムの配合が処方設計されている。
成分 配合量(重量%)
水溶性カルボキシビニルポリマー 1.0
ソルビトール 3.0
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.5
メツキンスM 0.3
メツキンスP 0.2
1,3-ブチレングリコール 4.0
ポリオキシエチレングリセリルモノステアレート 5.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 4.0
香料 0.6
水酸化カリウム 0.4
精製水 残部
【0037】
実施形態に係るスキンケア化粧料は、配合することになっている水酸化カリウムの代わりに、上記成分を溶かした溶液に強アルカリ電解水を加えてpH6.0に調整して、弱酸性ゲル状洗顔料を調製するものである。
【0038】
このように、実施形態に係るスキンケア化粧料は、配合することになっている水酸化カリウムの代わりに、強アルカリ電解水でカルボキシビニルポリマーを中和して適度な粘性を得て、弱酸性ゲル状洗顔料に水酸化カリウムを使わないですむ。
【0039】
続いて、他の実施形態に係るスキンケア化粧料について、既知の化粧料組成物を前記特許文献3に係る頭髪化粧料、具体的にはふけ防止用ヘアトニックとして説明する。他の実施形態に係るスキンケア化粧料では、有効成分を含む抽出液を水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ処理するよう具体的に例示されているところを、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、強アルカリ電解水でアルカリ処理するものである。
【0040】
ここで、前記特許文献3に係る頭髪化粧料では、ギシギシ抽出物の抽出法を、ギシギシの根5.0kgを細片化し、ジクロロメタンで一夜冷浸する。この抽出液を濃縮し、5%水酸化ナトリウム水溶液で処理して酸性部をとり、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィに付しクロロホルム溶離部を濃縮、再結晶して、0.53gの黄色状結晶を得ることができると具体的に例示している。そこで、他の実施形態に係るスキンケア化粧料では、ギシギシの抽出液を濃縮したものを、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、強アルカリ電解水でアルカリ処理するものである。
【0041】
そして、他の実施形態に係るスキンケア化粧料では、精製水36.5gにグリセリン5gを加え加熱溶解させ、冷却後に色素適量を加えた水相部に、エチルアルコール55gにポリオキシエチレンオレイルアルコールエーテル2g、ギシギシの抽出黄色状結晶1.5g、香料を適量加え、室温下に溶解させて得たアルコール相を加えて可溶化して、ふけ防止効果のあるヘアトニックを得るものである。
【0042】
このように、他の実施形態に係るスキンケア化粧料は、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、強アルカリ電解水で有効成分を含む抽出液をアルカリ処理して、ふけ防止用ヘアトニックに水酸化ナトリウムを使わないですむ。
【0043】
続いて、別の他の実施形態に係るスキンケア化粧料について、既知の化粧料組成物を前記特許文献4に係るペットの洗浄用化粧料、具体的には普通肌、カット犬種専用の石鹸として説明する。別の他の実施形態に係るスキンケア化粧料では、既知の化粧料組成物は以下のとおりであり、pH調整剤として水酸化ナトリウムの配合が処方設計されている。
ココナッツオイル 200g
パームオイル 200g
ヘンプシードオイル 100g
シアバター 100g
グレープシードオイル 150g
アボカドオイル 10g
(オイル合計 760g)
水酸化ナトリウム 107g
精製水 147g
アロエハーブ酵素 100g
ハーブパウダー 50~70g
【0044】
別の他の実施形態に係るスキンケア化粧料は、配合することになっている水酸化ナトリウムの代わりに、より正しくは、水酸化ナトリウムを精製水に混合して溶かした水の代わりに、強アルカリ電解水を、上記オイルを調合した混合オイルに中にゆっくり注入し、注入後に撹拌(かくはん)してpHを調整する、より正しくは、鹸化させるものである。
【0045】
このように、別の他の実施形態に係るスキンケア化粧料は、配合することになっている水酸化ナトリウムの代わりに、強アルカリ電解水で混合オイルのpHを調整して、犬用の石鹸に水酸化ナトリウムを使わないですむ。
【0046】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は前記実施形態には限定されない。例えば、実施形態に係るスキンケア化粧料では、弱酸性のスキンケア化粧料と説明したところ、肌に優しい範囲であれば、中性でも、弱アルカリ性でも構わない。
【0047】
また、他の実施形態に係るスキンケア化粧料では、抗菌成分や殺菌成分を、抗菌剤や殺菌剤の代わりにタデ科植物ギシギシ抽出物と説明したところ、抗菌や殺菌の効果があれば、抗菌剤や殺菌剤でも、どのような成分でも構わない。