(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】歯科技工指示書管理システム、歯科技工指示書管理サーバ及び歯科技工指示書管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240202BHJP
【FI】
G06Q30/0601 312
(21)【出願番号】P 2023074250
(22)【出願日】2023-04-28
【審査請求日】2023-04-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519452518
【氏名又は名称】株式会社ディーコネクト
(74)【代理人】
【識別番号】100148714
【氏名又は名称】川浪 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100092668
【氏名又は名称】川浪 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100154232
【氏名又は名称】幸田 京子
(72)【発明者】
【氏名】小松 由紀
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-039528(JP,A)
【文献】特開2002-092160(JP,A)
【文献】特開2022-183117(JP,A)
【文献】国際公開第2007/060856(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科医院で用いられる複数の歯科医院端末と、
第1歯科技工所で用いられる複数の第1技工所端末と、
歯科技工指示書のデータを管理する少なくとも1台の管理サーバと
を有する歯科技工指示書管理システムであって、
前記管理サーバが管理する前記歯科技工指示書のデータは、
前記歯科医院端末においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書である電子指示書のデータを含む第1指示書データと、
前記歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書である紙指示書の画像データ、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータを含む第2指示書データと
を含み、
前記第1指示書データに関し、
前記歯科医院端末は、前記第1指示書データの入力を受け付けて前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記歯科医院端末から前記第1指示書データを受信してデータベースに登録し、
前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に前記第1指示書データを表示させ、
前記第2指示書データに関し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記紙指示書の画像データ及び前記テキストデータを含む前記第2指示書データを取得して前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末から前記第2指示書データを受信して前記データベースに記録し、
前記第2指示書データで特定された前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末に前記第2指示書データを表示させ
、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、
前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの両方を含めた一覧リストを表示し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末に対する操作により前記一覧リストの中から選択された前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの詳細を表示する
ことを特徴とする歯科技工指示書管理システム。
【請求項2】
歯科医院で用いられる複数の歯科医院端末と、
第1歯科技工所で用いられる複数の第1技工所端末と、
歯科技工指示書のデータを管理する少なくとも1台の管理サーバと
を有する歯科技工指示書管理システムであって、
前記管理サーバが管理する前記歯科技工指示書のデータは、
前記歯科医院端末においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書である電子指示書のデータを含む第1指示書データと、
前記歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書である紙指示書の画像データ、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータを含む第2指示書データと
を含み、
前記第1指示書データに関し、
前記歯科医院端末は、前記第1指示書データの入力を受け付けて前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記歯科医院端末から前記第1指示書データを受信してデータベースに登録し、
前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に前記第1指示書データを表示させ、
前記第2指示書データに関し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記紙指示書の画像データ及び前記テキストデータを含む前記第2指示書データを取得して前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末から前記第2指示書データを受信して前記データベースに記録し、
前記第2指示書データで特定された前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末に前記第2指示書データを表示させ
、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、
前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの両方を同時に検索するための検索画面を表示し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末の前記検索画面で入力された検索条件に対応する前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの一覧又は詳細を表示する
ことを特徴とする歯科技工指示書管理システム。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の歯科技工指示書管理システムにおいて、
前記第1指示書データは、当初の入力データであるオリジナル第1指示書データと、その後に追加される追加第1指示書データとを含み、
前記オリジナル第1指示書データは、前記歯科技工指示書の必須記載事項を含み、
前記追加第1指示書データは、前記歯科医院端末と前記第1技工所端末との間の追加メッセージを含み、
前記管理サーバは、
少なくとも前記第1技工所端末による前記オリジナル第1指示書データの編集を禁止し、
前記歯科医院端末及び前記第1技工所端末による前記追加第1指示書データの追加又は編集を許可する
ことを特徴とする歯科技工指示書管理システム。
【請求項4】
請求項
3に記載の歯科技工指示書管理システムにおいて、
前記オリジナル第1指示書データは、歯列図又は前歯図を含み、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記第1指示書データの印刷を行う複数の印刷モードを選択可能であり、
前記複数の印刷モードは、
前記オリジナル第1指示書データを全て印刷する全体印刷モードと、
前記オリジナル第1指示書データのうち前記歯列図又は前記前歯図を省略して印刷する第1部分印刷モードと、
前記オリジナル第1指示書データの一部としての、依頼元の歯科医院の情報、依頼先の第1歯科技工所の情報、患者の情報、歯科技工物の名称及び納品日時を含むテキストデータを印刷する第2部分印刷モードと
を含む
ことを特徴とする歯科技工指示書管理システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の歯科技工指示書管理システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記歯科医院端末から前記第1指示書データを受信した場合、前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に対して前記第1指示書データに基づく指示を承認するか否かの問合せ表示を行わせ、
前記第1技工所端末から前記指示への承認の入力があった場合、前記データベースに記録すると共に、前記電子指示書の内容編集を禁止し、
前記指示に対する承認後において前記電子指示書の編集を要する場合、前記歯科医院端末から前記電子指示書の編集許可要求を受け付け、前記編集許可要求を承認するか否かの問合せ表示を前記第1技工所端末に行わせ、
前記第1技工所端末から前記編集許可要求への承認の入力があった場合、前記歯科医院端末による前記電子指示書の編集を許可し、
前記歯科医院端末から前記第1指示書データの編集内容を受信した場合、前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に対して前記編集内容を承認するか否かの問合せ表示を行わせ、
前記第1技工所端末から前記編集内容への承認の入力があった場合、その旨を前記データベースに記録すると共に、前記電子指示書の内容編集を禁止する
ことを特徴とする歯科技工指示書管理システム。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の歯科技工指示書管理システムにおいて、
前記歯科技工指示書管理システムは、前記第1歯科技工所から歯科技工物に関する依頼を受ける第2歯科技工所で用いられる複数の第2技工所端末をさらに備え、
前記第1技工所端末は、前記第1歯科技工所から前記第2歯科技工所への依頼内容を含む依頼書データの入力を受け付けて前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記第1技工所端末から前記依頼書データを受信して前記データベースに登録し、
前記依頼書データで特定された前記第2技工所端末に前記依頼書データを表示させる
ことを特徴とする歯科技工指示書管理システム。
【請求項7】
請求項
6に記載の歯科技工指示書管理システムにおいて、
前記依頼書データの入力に際し、前記第1技工所端末は、前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの一部又は全部のコピーを指示する第1複製ボタンを表示し、
前記第1複製ボタンが選択された際、前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの一部又は全部をコピーして前記依頼書データの入力画面に表示させる
ことを特徴とする歯科技工指示書管理システム。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の歯科技工指示書管理システムにおいて、
前記第1技工所端末は、
技工録を作成するための技工録作成画面を表示し、
前記技工録作成画面の入力に際し、前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの一部をコピーして前記技工録作成画面に表示させる
ことを特徴とする歯科技工指示書管理システム。
【請求項9】
請求項
3に従属する請求項
7に記載の歯科技工指示書管理システムにおいて、
前記管理サーバは、
前記歯科医院用及び前記第1歯科技工所用の親アカウント及び子アカウントを発行し、
前記親アカウントの登録の際、前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末から前記歯科医院又は前記第1歯科技工所のアカウント情報を受信して前記データベースに記録し、
前記親アカウントに基づいて前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末が前記管理サーバにログインしている際、子アカウントの登録を許可し、
前記子アカウントに基づいて前記歯科医院端末が前記管理サーバにログインしている際、前記オリジナル第1指示書データの入力と、前記追加第1指示書データの追加又は編集と、前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの閲覧とを許可する一方、前記歯科医院の前記アカウント情報の編集を制限し、
前記子アカウントに基づいて前記第1技工所端末が前記管理サーバにログインしている際、前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの閲覧と、前記追加第1指示書データの追加又は編集と、前記依頼書データの入力とを許可する一方、前記第1歯科技工所の前記アカウント情報の編集を制限する
ことを特徴とする歯科技工指示書管理システム。
【請求項10】
歯科医院で用いられる複数の歯科医院端末、及び第1歯科技工所で用いられる複数の第1技工所端末と通信して歯科技工指示書のデータを管理する歯科技工指示書管理サーバであって、
前記歯科技工指示書管理サーバが管理する前記歯科技工指示書のデータは、
前記歯科医院端末においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書である電子指示書のデータを含む第1指示書データと、
前記歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書である紙指示書の画像データ、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータを含む第2指示書データと
を含み、
前記第1指示書データに関し、前記
歯科技工指示書管理サーバは、
前記歯科医院端末から前記第1指示書データを受信してデータベースに登録し、
前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に前記第1指示書データを表示させ、
前記第2指示書データに関し、前記
歯科技工指示書管理サーバは、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末から前記第2指示書データを受信して前記データベースに記録し、
前記第2指示書データで特定された前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末に前記第2指示書データを表示させ
、
さらに、前記歯科技工指示書管理サーバは、
前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの両方を含めた一覧リストのデータを前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末からの要求に応じて送信し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末に対する操作により前記一覧リストの中から選択された前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの詳細を前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末からの要求に応じて送信する
ことを特徴とする歯科技工指示書管理サーバ。
【請求項11】
歯科医院で用いられる複数の歯科医院端末、及び第1歯科技工所で用いられる複数の第1技工所端末と通信して歯科技工指示書のデータを管理する歯科技工指示書管理サーバであって、
前記歯科技工指示書管理サーバが管理する前記歯科技工指示書のデータは、
前記歯科医院端末においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書である電子指示書のデータを含む第1指示書データと、
前記歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書である紙指示書の画像データ、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータを含む第2指示書データと
を含み、
前記第1指示書データに関し、前記
歯科技工指示書管理サーバは、
前記歯科医院端末から前記第1指示書データを受信してデータベースに登録し、
前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に前記第1指示書データを表示させ、
前記第2指示書データに関し、前記
歯科技工指示書管理サーバは、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末から前記第2指示書データを受信して前記データベースに記録し、
前記第2指示書データで特定された前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末に前記第2指示書データを表示させ
、
さらに、前記歯科技工指示書管理サーバは、
前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの両方を同時に検索するための検索画面のデータを前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末からの要求に応じて送信し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末の前記検索画面で入力された検索条件を前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末から受信して、当該検索条件に対応する前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの一覧又は詳細のデータを前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末に送信する
ことを特徴とする歯科技工指示書管理サーバ。
【請求項12】
歯科医院で用いられる複数の歯科医院端末と、第1歯科技工所で用いられる複数の第1技工所端末と、歯科技工指示書のデータを管理する少なくとも1台の管理サーバとを有する歯科技工指示書管理システムで実行される歯科技工指示書管理方法であって、
前記管理サーバが管理する前記歯科技工指示書のデータは、
前記歯科医院端末においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書である電子指示書のデータを含む第1指示書データと、
前記歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書である紙指示書の画像データ、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータを含む第2指示書データと
を含み、
前記第1指示書データに関し、
前記歯科医院端末は、前記第1指示書データの入力を受け付けて前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記歯科医院端末から前記第1指示書データを受信してデータベースに登録し、
前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に前記第1指示書データを表示させ、
前記第2指示書データに関し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記紙指示書の画像データ及び前記テキストデータを含む前記第2指示書データを取得して前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末から前記第2指示書データを受信して前記データベースに記録し、
前記第2指示書データで特定された前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末に前記第2指示書データを表示させ
、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、
前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの両方を含めた一覧リストを表示し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末に対する操作により前記一覧リストの中から選択された前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの詳細を表示する
ことを特徴とする歯科技工指示書管理方法。
【請求項13】
歯科医院で用いられる複数の歯科医院端末と、第1歯科技工所で用いられる複数の第1技工所端末と、歯科技工指示書のデータを管理する少なくとも1台の管理サーバとを有する歯科技工指示書管理システムで実行される歯科技工指示書管理方法であって、
前記管理サーバが管理する前記歯科技工指示書のデータは、
前記歯科医院端末においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書である電子指示書のデータを含む第1指示書データと、
前記歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書である紙指示書の画像データ、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータを含む第2指示書データと
を含み、
前記第1指示書データに関し、
前記歯科医院端末は、前記第1指示書データの入力を受け付けて前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記歯科医院端末から前記第1指示書データを受信してデータベースに登録し、
前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に前記第1指示書データを表示させ、
前記第2指示書データに関し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記紙指示書の画像データ及び前記テキストデータを含む前記第2指示書データを取得して前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末から前記第2指示書データを受信して前記データベースに記録し、
前記第2指示書データで特定された前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末に前記第2指示書データを表示させ
、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、
前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの両方を同時に検索するための検索画面を表示し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末の前記検索画面で入力された検索条件に対応する前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの一覧又は詳細を表示する
ことを特徴とする歯科技工指示書管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科技工指示書管理システム、歯科技工指示書管理サーバ及び歯科技工指示書管理方法に関する。より具体的には、例えば歯科技工指示書が電子形式で作成された場合及び紙形式で作成された場合それぞれについてまとめて管理可能な歯科技工指示書管理システム、歯科技工指示書管理サーバ及び歯科技工指示書管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科技工指示書を電子的に管理するシステムが開発されている(特許文献1及び特許文献2)。特許文献1では、歯科医院、歯科技工所等のユーザと、歯科技工物を加工する加工拠点との間で、人的ミスを無くし、簡便且つ効率的に受発注が可能となるWEB受発注システムを提供することを課題としている([0013]、要約)。当該課題を解決するため、特許文献1(要約)の歯科技工物のWEB受発注システムは、歯科技工物を発注するユーザ端末装置(1)と、歯科技工物の加工を受注する加工拠点端末装置(3)と、サーバ装置(2)とを備える。ユーザ端末装置(1)は、歯科技工物の発注情報を入力する発注情報入力部(11)等を備える。サーバ装置(2)は、発注情報から、歯科技工指示書を作成する歯科技工指示書作成部(22)等を備える。加工拠点端末装置(3)は、歯科技工指示書に基づいて歯科技工物の各加工工程の情報を入力する加工工程情報入力部(S3-5)等を備える。
【0003】
特許文献2では、歯科技工指示書を用いた歯科医院と歯科技工所とのやりとりを好適に仲介する新たなシステムを提供することを課題としている([0008]、要約)。当該課題を解決するため、特許文献2の指示書管理システムは、歯科医院及び歯科技工所における歯科技工物に関する指示書を電子的に管理するものであって、指示書作成手段、編集手段及び表示手段を有する。指示書作成手段は、歯科医院において使用される歯科医院端末を介して歯科技工物を製作するための情報の入力を受け付け、前記指示書を作成して指示書情報をデータベースに格納する。編集手段は、歯科技工所において使用される技工所端末及び歯科医院端末のそれぞれを介して、前記指示書を編集するための入力を受け付けて前記指示書情報を更新する。表示手段は、指示書画面を表示するために、前記指示書情報を表示処理して処理結果を歯科医院端末及び/又は技工所端末に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-021075号公報
【文献】特開2021-039528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、特許文献1では、ユーザ端末装置(1)の発注情報入力部(11)において、歯科技工物の発注情報を入力する(要約)。すなわち、特許文献1で管理される歯科技工指示書は、電子形式で作成された指示書(電子指示書)のみである。また、特許文献2の指示書作成手段は、歯科医院において使用される歯科医院端末を介して歯科技工物を製作するための情報の入力を受け付け、前記指示書を作成して指示書情報をデータベースに格納する(要約)。すなわち、特許文献1と同様、特許文献2で管理される歯科技工指示書は電子指示書のみである。
【0006】
しかしながら、元々、歯科技工指示書は紙形式の指示書(紙指示書)で用いられていた。特許文献1及び特許文献2のように最初から電子指示書として作成されたもののみを管理する形では、紙指示書を完全に排除することとなり、汎用性が限定されてしまう。
【0007】
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、歯科技工指示書の管理の汎用性を向上可能な歯科技工指示書管理システム、歯科技工指示書管理サーバ及び歯科技工指示書管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る歯科技工指示書管理システムは、
歯科医院で用いられる複数の歯科医院端末と、
第1歯科技工所で用いられる複数の第1技工所端末と、
歯科技工指示書のデータを管理する少なくとも1台の管理サーバと
を有するものであって、
前記管理サーバが管理する前記歯科技工指示書のデータは、
前記歯科医院端末においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書である電子指示書のデータを含む第1指示書データと、
前記歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書である紙指示書の画像データ、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータを含む第2指示書データと
を含み、
前記第1指示書データに関し、
前記歯科医院端末は、前記第1指示書データの入力を受け付けて前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記歯科医院端末から前記第1指示書データを受信してデータベースに登録し、
前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に前記第1指示書データを表示させ、
前記第2指示書データに関し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記紙指示書の画像データ及び前記テキストデータを含む前記第2指示書データを取得して前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末から前記第2指示書データを受信して前記データベースに記録し、
前記第2指示書データで特定された前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末に前記第2指示書データを表示させる
ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第1指示書データ(歯科医院端末においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書(電子指示書)のデータを含む。)と第2指示書データ(歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書(紙指示書)の画像データ、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータを含む。)の両方をまとめて管理する。従って、歯科技工指示書の管理の汎用性を高めることが可能となる。また、紙指示書を画像データの形で保存することが可能になるため、保存の利便性も高めることができる。特に、日本では、歯科技工指示書を所定期間保存する義務が課されているため、紙指示書を画像データの形で保存可能となることは有用性が高い。
【0010】
前記第1指示書データは、当初の入力データであるオリジナル第1指示書データと、その後に追加される追加第1指示書データとを含んでもよい。前記オリジナル第1指示書データは、前記歯科技工指示書の必須記載事項を含んでもよい。これに加えて、前記オリジナル第1指示書データは、前記歯科技工指示書の任意記載事項を含んでもよい。前記追加第1指示書データは、前記歯科医院端末と前記第1技工所端末との間の追加メッセージを含んでもよい。前記管理サーバは、少なくとも前記第1技工所端末による前記オリジナル第1指示書データの編集を禁止してもよい。また、前記管理サーバは、前記歯科医院端末及び前記第1技工所端末による前記追加第1指示書データの追加又は編集を許可してもよい。これにより、第1技工所端末からの電子指示書のオリジナル第1指示書データ(歯科技工指示書の内容)の編集を禁止しつつ、追加第1指示書データにより歯科医院と第1歯科技工所のやり取りを可能とすることができる。
【0011】
前記オリジナル第1指示書データは、歯列図又は前歯図を含んでもよい。前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記第1指示書データの印刷を行う複数の印刷モードを選択可能であってもよい。前記複数の印刷モードは、前記オリジナル第1指示書データを全て印刷する全体印刷モードと、前記オリジナル第1指示書データのうち前記歯列図又は前記前歯図を省略して印刷する第1部分印刷モードと、前記オリジナル第1指示書データの一部としての、依頼元の歯科医院の情報、依頼先の第1歯科技工所の情報、患者の情報、歯科技工物の名称及び納品日時を含むテキストデータを印刷する第2部分印刷モードとを含んでもよい。これにより、歯科技工指示書の内容を印刷したいが、比較的大きな領域を必要とする歯列図又は前歯図は不要な場合、第1部分印刷モードを選択できる。また、例えば、出来上がった歯科技工物を第1歯科技工所から歯科医院に送付する場合、第2部分印刷モードの印刷物を用いることで、歯科技工物を納品する際の内容特定を簡略化することが可能となる。
【0012】
前記必須記載事項としては、下記のものを含むことができる。
(1)患者の氏名
(2)設計(歯科技工物の名称、部位、構造等)
(3)作成の方法
(4)使用材料
(5)発行の年月日(発注日)
(6)発行した歯科医師の氏名及び当該歯科医師の勤務する病院又は診療所の所在地
(7)当該指示書による歯科技工が行われる場所が歯科技工所であるときは、その名称及び所在地
また、前記歯科技工指示書の任意記載事項として、例えば、希望納品日、歯列図又は前歯図を含んでもよい。
【0013】
前記管理サーバは、前記歯科医院端末から前記第1指示書データを受信した場合、前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に対して前記第1指示書データに基づく指示を承認するか否かの問合せ表示を行わせてもよい。また、前記管理サーバは、前記第1技工所端末から前記指示への承認の入力があった場合、前記データベースに記録すると共に、前記電子指示書の内容編集を禁止してもよい。さらに、前記管理サーバは、前記指示に対する承認後において前記電子指示書の編集を要する場合、前記歯科医院端末から前記電子指示書の編集許可要求を受け付け、前記編集許可要求を承認するか否かの問合せ表示を前記第1技工所端末に行わせてもよい。加えて、前記管理サーバは、前記第1技工所端末から前記編集許可要求への承認の入力があった場合、前記歯科医院端末による前記電子指示書の編集を許可してもよい。また、前記管理サーバは、前記歯科医院端末から前記第1指示書データの編集内容を受信した場合、前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に対して前記編集内容を承認するか否かの問合せ表示を行わせてもよい。さらにまた、前記管理サーバは、前記第1技工所端末から前記編集内容への承認の入力があった場合、その旨を前記データベースに記録すると共に、前記電子指示書の内容編集を禁止してもよい。
【0014】
これにより、歯科技工指示書の内容について第1歯科技工所の承認を得ることが可能となる。また、電子指示書の編集を要する場合、第1歯科技工所の承認を得た上で電子指示書を編集可能にすると共に、編集内容について第1歯科技工所の承認を得ることが可能となる。
【0015】
前記管理サーバが前記データベースへの記録を許可する前記第1指示書データは、患者の口腔内の形状又は歯科技工物の形状を特定するための3次元モデルデータを含んでもよい。これにより、患者の口腔内の形状又は歯科技工物の形状を伝える方法の選択肢を増やすことが可能となる。すなわち、歯科医院は、歯科技工物を製作するための歯型(例えば石膏型)を歯科医院から第1歯科技工所に送付する方法と、患者の口腔内の形状又は歯科技工物の形状を特定するための3次元モデルデータを送信する方法を選択することが可能となる。
【0016】
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの両方を含めた一覧リストを表示してもよい。また、前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末に対する操作により選択された前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの詳細を表示してもよい。これにより、歯科技工指示書がデジタル方式(電子指示書)又は紙形式(紙指示書)のいずれで発行されたからにかかわらず、一覧性を高めることが可能となる。
【0017】
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの両方を同時に検索するための検索画面を表示してもよい。また、前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末に入力された検索条件に対応する前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの一覧又は詳細を表示してもよい。これにより、歯科技工指示書がデジタル方式(電子指示書)又は紙形式(紙指示書)のいずれで発行されたかにかかわらず、検索性を高めることが可能となる。
【0018】
前記歯科技工指示書管理システムは、前記第1歯科技工所から歯科技工物に関する依頼を受ける第2歯科技工所で用いられる複数の第2技工所端末をさらに備えてもよい。また、前記第1技工所端末は、前記第1歯科技工所から前記第2歯科技工所への依頼内容を含む依頼書データの入力を受け付けて前記管理サーバに送信してもよい。前記管理サーバは、前記第1技工所端末から前記依頼書データを受信して前記データベースに登録してもよい。また、前記管理サーバは、前記依頼書データで特定された前記第2技工所端末に前記依頼書データを表示させてもよい。これにより、歯科医院から第1歯科技工所への歯科技工指示書の管理に加えて、第1歯科技工所から第2歯科技工所への依頼書の管理も行うことが可能となる。従って、歯科技工物の作成に関わる管理の利便性を向上することが可能となる。
【0019】
前記依頼書データの入力に際し、前記第1技工所端末は、前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの一部又は全部のコピーを指示する第1複製ボタンを表示してもよい。前記第1複製ボタンが選択された際、前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの一部又は全部をコピーして前記依頼書データの入力画面に表示させてもよい。これにより、第1歯科技工所から第2歯科技工所への依頼時の手間を軽減すると共に、転記ミスを防止することが可能となる。
【0020】
前記第1技工所端末は、技工録を作成するための技工録作成画面を表示してもよい。また、前記技工録作成画面の入力に際し、前記第1技工所端末は、前記第1指示書データ又は前記第2指示書データの一部をコピーして前記技工録作成画面に表示させてもよい。これにより、技工録作成時の手間を軽減すると共に、転記ミスを防止することが可能となる。
【0021】
前記管理サーバは、前記歯科医院用及び前記第1歯科技工所用の親アカウント及び子アカウントを発行してもよい。また、前記管理サーバは、前記親アカウントの登録の際、前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末から前記歯科医院又は前記第1歯科技工所のアカウント情報を受信して前記データベースに記録してもよい。さらに、前記管理サーバは、前記親アカウントに基づいて前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末が前記管理サーバにログインしている際、子アカウントの登録を許可してもよい。加えて、前記管理サーバは、前記子アカウントに基づいて前記歯科医院端末が前記管理サーバにログインしている際、前記オリジナル第1指示書データの入力と、前記追加第1指示書データの追加又は編集と、前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの閲覧とを許可する一方、前記歯科医院の前記アカウント情報の編集を制限してもよい。また、前記管理サーバは、前記子アカウントに基づいて前記第1技工所端末が前記管理サーバにログインしている際、前記第1指示書データ及び前記第2指示書データの閲覧と、前記追加第1指示書データの追加又は編集と、前記依頼書データの入力とを許可する一方、前記第1歯科技工所の前記アカウント情報の編集を制限してもよい。
【0022】
これにより、歯科医院の従業者がリモートワークをするような場合、第1歯科技工所とのやり取りが可能となる。また、第1歯科技工所の従業者がリモートワークをするような場合、歯科医院及び第2歯科技工所とのやり取りが可能となる。
【0023】
本発明の別の態様に係る歯科技工指示書管理サーバは、歯科医院で用いられる複数の歯科医院端末、及び第1歯科技工所で用いられる複数の第1技工所端末と通信して歯科技工指示書のデータを管理するものであって、
前記歯科技工指示書管理サーバが管理する前記歯科技工指示書のデータは、
前記歯科医院端末においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書である電子指示書のデータを含む第1指示書データと、
前記歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書である紙指示書の画像データ、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータを含む第2指示書データと
を含み、
前記第1指示書データに関し、前記歯科技工指示書管理サーバは、
前記歯科医院端末から前記第1指示書データを受信してデータベースに登録し、
前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に前記第1指示書データを表示させ、
前記第2指示書データに関し、前記歯科技工指示書管理サーバは、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末から前記第2指示書データを受信して前記データベースに記録し、
前記第2指示書データで特定された前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末に前記第2指示書データを表示させる
ことを特徴とする。
【0024】
本発明のさらに別の態様に係る歯科技工指示書管理方法は、歯科医院で用いられる複数の歯科医院端末と、第1歯科技工所で用いられる複数の第1技工所端末と、歯科技工指示書のデータを管理する少なくとも1台の管理サーバとを有する歯科技工指示書管理システムで実行される方法であって、
前記管理サーバが管理する前記歯科技工指示書のデータは、
前記歯科医院端末においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書である電子指示書のデータを含む第1指示書データと、
前記歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書である紙指示書の画像データ、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータを含む第2指示書データと
を含み、
前記第1指示書データに関し、
前記歯科医院端末は、前記第1指示書データの入力を受け付けて前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記歯科医院端末から前記第1指示書データを受信してデータベースに登録し、
前記第1指示書データで特定された前記第1技工所端末に前記第1指示書データを表示させ、
前記第2指示書データに関し、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末は、前記紙指示書の画像データ及び前記テキストデータを含む前記第2指示書データを取得して前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、
前記第1技工所端末又は前記歯科医院端末から前記第2指示書データを受信して前記データベースに記録し、
前記第2指示書データで特定された前記歯科医院端末又は前記第1技工所端末に前記第2指示書データを表示させる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、歯科技工指示書の管理の汎用性を向上可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態に係る歯科技工指示書管理システムの概略構成図である。
【
図2】前記実施形態に係る前記歯科技工指示書管理システムの各部の内部構成を簡略的に示す図である。
【
図3】前記実施形態の前記歯科技工指示書管理システムを用いて歯科技工物の製作を管理する全体的な流れを示す図である。
【
図4】前記実施形態における親アカウントを登録する処理フローの一例を示す図である。
【
図5】前記実施形態における子アカウントを登録する処理フローの一例を示す図である。
【
図6】前記実施形態において電子指示書を発行する処理フローの一例を示す図である。
【
図7】前記実施形態における電子指示書作成画面の一例の第1部分を示す図である。
【
図8】前記実施形態における電子指示書作成画面の一例の第2部分を示す図である。
【
図9】前記実施形態における電子指示書作成画面の一例の第3部分を示す図である。
【
図10】前記実施形態において紙指示書が発行される際の処理フローの一例を示す図である。
【
図11】前記実施形態において内容が確定した歯科技工指示書の内容を編集する際の処理フローの一例を示す図である。
【
図12】前記実施形態において第1歯科技工所から第2歯科技工所への電子依頼書を発行する処理フローの一例を示す図である。
【
図13】前記実施形態において歯科技工指示書又は依頼書を検索する処理フローの一例を示す図である。
【
図14】前記実施形態における検索画面の一例を示す図である。
【
図15】前記実施形態において歯科医院端末と第1技工所端末の間(又は第1技工所端末と第2技工所端末の間)においてメッセージをやり取りする処理フローの一例を示す図である。
【
図16】前記実施形態において技工録作成の処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<A.一実施形態>
[A-1.本実施形態の構成]
(A-1-1.全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る歯科技工指示書管理システム10の概略構成図である。
図2は、本実施形態に係る歯科技工指示書管理システム10の各部の内部構成を簡略的に示す図である。本実施形態の歯科技工指示書管理システム10(以下「システム10」ともいう。)は、複数の歯科医院端末20と、複数の歯科医院複合機22と、複数の第1技工所端末30と、複数の第1技工所複合機32と、複数の第2技工所端末40と、複数のプリンタ42と、歯科技工指示書管理サーバ50(以下「サーバ50」又は「管理サーバ50」ともいう。)とを有する。
【0028】
歯科医院端末20は、歯科医院で用いられ、歯科医院複合機22に接続されている。第1技工所端末30は、第1歯科技工所で用いられ、第1技工所複合機32に接続されている。第2技工所端末40は、第1歯科技工所から歯科技工物に関する依頼を受ける第2歯科技工所で用いられ、プリンタ42に接続されている。サーバ50は、歯科医院で作成される歯科技工指示書のデータを管理する。サーバ50は、通信ネットワーク60(インターネット等)を介して、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40と通信可能である。
【0029】
本実施形態において管理サーバ50が管理する歯科技工指示書のデータは、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2を含む。第1指示書データDo1は、歯科医院端末20においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書である電子指示書のデータを含む。第2指示書データDo2は、歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書である紙指示書の画像データDi、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータDtを含む。すなわち、本実施形態では、電子指示書と紙指示書(画像データ)をまとめて管理する。
【0030】
また、本実施形態の管理サーバ50は、第1歯科技工所から第2歯科技工所への作業依頼書である電子依頼書の管理等も行う。これらの詳細は後述する。
【0031】
(A-1-2.歯科医院端末20)
歯科医院端末20は、第1歯科技工所への電子指示書の発行、電子指示書又は紙指示書に関する第1歯科技工所とのやり取り、進捗管理等に用いられる。歯科医院端末20としては、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ(デスクトップ型、ノート型等)、スマートホン、タブレット端末等の情報端末を用いることができる。なお、後述するように、本実施形態では、1つの歯科医院に対して複数のアカウント(1つの親アカウント及び1つ又は複数の子アカウント)を発行可能である。そのため、1つの歯科医院に関して複数の歯科医院端末20が用いられる場合があることに留意されたい。
【0032】
図2に示すように、歯科医院端末20は、第1端末通信装置200と、第1端末入出力装置202と、第1端末制御装置204と、第1端末記憶装置206とを有する。
図2において、第1端末通信装置200、第1端末入出力装置202、第1端末制御装置204及び第1端末記憶装置206は、それぞれ通信装置200、入出力装置202、制御装置204及び記憶装置206と表記している。
【0033】
第1端末通信装置200は、通信ネットワーク60(
図1)を介してサーバ50(並びに第1技工所端末30及び第2技工所端末40)と通信可能である。第1入出力装置202は、歯科医院端末20のユーザ(歯科医院の担当者(歯科医師、歯科衛生士、助手、事務員等)からの入力を受け付けると共に、ユーザに対して出力を行う。第1端末入出力装置202は、入力装置としてのキーボード210及びマウス212と、出力装置としての表示装置214とを含む。
【0034】
第1端末制御装置204は、歯科医院端末20全体を制御する。本実施形態において、第1端末制御装置204は、第1歯科技工所(第1技工所端末30)への電子指示書の発行、電子指示書又は紙指示書に関する第1歯科技工所とのやり取り、進捗管理、第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2の印刷又はダウンロード等に関する処理を行う。第1端末記憶装置206は、第1端末制御装置204が実行するソフトウェア及び各種データを記憶する。第1端末記憶装置206は、サーバ50からダウンロードした第1指示書データDo1、第2指示書データDo2等を記憶してもよい。
【0035】
(A-1-3.歯科医院複合機22)
歯科医院複合機22は、印刷機能、スキャニング機能及びFAX機能を有するものであり、市販の複合機を用いることができる。歯科医院複合機22は、歯科医院端末20からの指令、ユーザの操作等に基づき、例えば、第1指示書データDo1(電子指示書)若しくは第2指示書データDo2(紙指示書の画像)の印刷、紙指示書のスキャニング、又は第1歯科技工所に対する紙指示書のFAX送信を行う。これら機能のいずれか又は全てを歯科医院側で用いない場合、用いない機能を省略してもよい。例えば、歯科医院側で印刷機能のみを用い、スキャニング機能及びFAX機能を用いない場合、歯科医院複合機22の代わりにプリンタを用いることも可能である。
【0036】
(A-1-4.第1技工所端末30)
第1技工所端末30は、歯科医院からの電子指示書の確認、電子指示書又は紙指示書に関する歯科医院とのやり取り、第2技工所端末40への電子依頼書の発行、歯科技工指示書又は依頼書に関する進捗管理等に用いられる。第1技工所端末30としては、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ(デスクトップ型、ノート型等)、スマートホン、タブレット端末等の情報端末を用いることができる。なお、後述するように、本実施形態では、1つの第1歯科技工所に対して複数のアカウント(1つの親アカウント及び1つ又は複数の子アカウント)を発行可能である。そのため、1つの第1歯科技工所に関して複数の第1技工所端末30が用いられる場合があることに留意されたい。
【0037】
図2に示すように、第1技工所端末30は、第2端末通信装置300と、第2端末入出力装置302と、第2端末制御装置304と、第2端末記憶装置306とを有する。
図2において、第2端末通信装置300、第2端末入出力装置302、第2端末制御装置304及び第2端末記憶装置306は、それぞれ通信装置300、入出力装置302、制御装置304及び記憶装置306と表記している。
【0038】
第2端末通信装置300は、通信ネットワーク60(
図1)を介してサーバ50(並びに歯科医院端末20及び第2技工所端末40)と通信可能である。第2入出力装置302は、第1技工所端末30のユーザ(第1歯科技工所の担当者(歯科技工士、補助者、事務員等)からの入力を受け付けると共に、ユーザに対して出力を行う。第2端末入出力装置302は、入力装置としてのキーボード310及びマウス312と、出力装置としての表示装置314とを含む。
【0039】
第2端末制御装置304は、第1技工所端末30全体を制御する。本実施形態において、第2端末制御装置304は、歯科医院からの電子指示書の確認、電子指示書又は紙指示書に関する歯科医院とのやり取り、第2技工所端末40への電子依頼書の発行、電子依頼書に関する第2歯科技工所とのやり取り、歯科技工指示書又は依頼書に関する進捗管理、第1指示書データDo1、第2指示書データDo2又は電子指示書の印刷又はダウンロード等に関する処理を行う。第2端末記憶装置306は、第2端末制御装置304が実行するソフトウェア及び各種データを記憶する。第2端末記憶装置306は、サーバ50からダウンロードした第1指示書データDo1、第2指示書データDo2、電子依頼書のデータ等を記憶してもよい。
【0040】
(A-1-5.第1技工所複合機32)
第1技工所複合機32は、印刷機能、スキャニング機能及びFAX機能を有するものであり、市販の複合機を用いることができる。第1技工所複合機32は、第1技工所端末30からの指令、ユーザの操作等に基づき、例えば、第1指示書データDo1(電子指示書)、第2指示書データDo2(紙指示書の画像)若しくは電子依頼書の印刷、紙指示書のスキャニング、又は第1歯科技工所から紙指示書のFAX受信を行う。これら機能のいずれか又は全てを第1歯科技工所側で用いない場合、用いない機能を省略してもよい。例えば、第1歯科技工所側でスキャニング機能のみを用い、印刷機能及びFAX機能を用いない場合、第1技工所複合機32の代わりにスキャナを用いることも可能である。
【0041】
(A-1-6.第2技工所端末40)
第2技工所端末40は、第1歯科技工所からの電子依頼書の確認、電子依頼書に関する第1歯科技工所とのやり取り、依頼書に関する進捗管理等に用いられる。第2技工所端末40としては、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ(デスクトップ型、ノート型等)、スマートホン、タブレット端末等の情報端末を用いることができる。なお、後述するように、本実施形態では、1つの第2歯科技工所に対して複数のアカウント(1つの親アカウント及び1つ又は複数の子アカウント)を発行可能である。そのため、1つの第2歯科技工所に関して複数の第2技工所端末40が用いられる場合があることに留意されたい。
【0042】
図2に示すように、第2技工所端末40は、第3端末通信装置400と、第3端末入出力装置402と、第3端末制御装置404と、第3端末記憶装置406とを有する。
図2において、第3端末通信装置400、第3端末入出力装置402、第3端末制御装置404及び第3端末記憶装置406は、それぞれ通信装置400、入出力装置402、制御装置404及び記憶装置406と表記している。
【0043】
第3端末通信装置400は、通信ネットワーク60(
図1)を介してサーバ50(並びに歯科医院端末20及び第1技工所端末30)と通信可能である。第3入出力装置402は、第2技工所端末40のユーザ(第2歯科技工所の担当者(歯科技工士、補助者、事務員等)からの入力を受け付けると共に、ユーザに対して出力を行う。第3端末入出力装置402は、入力装置としてのキーボード410及びマウス412と、出力装置としての表示装置414とを含む。
【0044】
第3端末制御装置404は、第2技工所端末40全体を制御する。本実施形態において、第3端末制御装置404は、第1歯科技工所からの電子依頼書の確認、電子依頼書に関する第1歯科技工所とのやり取り、依頼書に関する進捗管理、依頼書の印刷又はダウンロード等に関する処理を行う。第3端末記憶装置406は、第3端末制御装置404が実行するソフトウェア及び各種データを記憶する。第3端末記憶装置406は、サーバ50からダウンロードした依頼書のデータを記憶してもよい。
【0045】
(A-1-7.プリンタ42)
プリンタ42は、一般的な印刷機能を有するものであり、市販のプリンタを用いることができる。プリンタ42は、第2技工所端末40からの指令に基づき、例えば、電子依頼書の印刷を行う。例えば、電子依頼書の印刷が不要である場合、プリンタ42を省略してもよい。或いは、第1歯科技工所からの依頼書が電子形式ではなく、紙形式で発行され、紙形式の依頼書(紙依頼書)の画像データをサーバ50が管理する場合には、スキャナ又は複合機を用いてもよい。或いは、第1歯科技工所からの依頼書が紙形式であり且つ紙依頼書がFAX送信されるような場合には、FAX装置又は複合機を用いてもよい。
【0046】
(A-1-8.管理サーバ50)
サーバ50は、歯科技工指示書管理システム10全体の管理を行う。例えば、サーバ50は、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40とのデータ通信、これら端末における表示画面の管理、これら端末から受信したデータの処理及び記録を行う。より具体的には、サーバ50は、例えば、アカウント管理、ログイン(認証)管理、電子指示書及び電子依頼書の発行、紙指示書の画像データの記録、指示書及び依頼書の編集及び検索、各端末間でのメッセージのやり取り、並びに技工録の作成・記録を行う。これらの処理の詳細は、
図3~
図16を参照して後述する。
【0047】
図2に示すように、サーバ50は、サーバ通信装置500と、サーバ入出力装置502と、サーバ制御装置504と、サーバ記憶装置506とを有する。サーバ通信装置500は、通信ネットワーク60を介して歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40と通信する。サーバ入出力装置502は、サーバ50のユーザ(システム10又はサーバ50の管理者)からの入力及びユーザに対する出力を行う装置であり、例えば、キーボード、マウス及び表示装置(いずれも図示せず)を含む。サーバ制御装置504は、サーバ記憶装置506に記憶されているソフトウェア及びデータを用いてサーバ50全体を制御する。
【0048】
サーバ記憶装置506は、揮発性メモリ及び不揮発メモリを有する。サーバ記憶装置506は、ユーザデータベース510(以下「ユーザDB510」という。)と、指示書データベース512(以下「指示書DB512」という。)を有する。ユーザDB510は、システム10のユーザとしての歯科医院、第1歯科技工所及び第2歯科技工所の各種情報(名称、住所、電話番号、電子メールアドレス、ユーザID、ユーザパスワード等)を記憶する。上記のように、本実施形態では、1つの特定ユーザに対して1つの親アカウントを発行することに加え、当該1つの特定ユーザに対して1つ以上の子アカウントを発行可能である。そのため、ユーザID及びユーザパスワードは、親アカウント及び子アカウント毎に記憶する。
【0049】
指示書DB512は、電子指示書を含む第1指示書データDo1、紙指示書の画像データを含む第2指示書データDo2、及び電子依頼書を含む依頼書データDrを記録すると共に、これらデータDo1、Do2、Drそれぞれの関連データを記録する(詳細は後述する。)。
【0050】
なお、サーバ50は、各機能を単一のサーバで行う代わりに、複数台のサーバで行うものであってもよい。
【0051】
[A-2.本実施形態の実施方法及び制御]
(A-2-1.歯科技工物の製作に関する全体的な流れ)
図3は、本実施形態の歯科技工指示書管理システム10を用いて歯科技工物(補綴物)の製作を管理する全体的な流れを示す図である。
図4以降と異なり、
図3の各ステップS101~S108の各主体は、歯科医院、第1歯科技工所及び第2歯科技工所(それぞれの担当者)であることに留意されたい。また、ここで説明する各ステップS101~S108の順番は一例であり、適宜順番を入れ替えることができる。
【0052】
ステップS101において、歯科医院は、歯科技工指示書(電子指示書又は紙指示書)を作成し、第1歯科技工所に送る。より具体的には、電子指示書の場合、歯科医院端末20からサーバ50にアクセスして電子指示書(第1指示書データDo1)を作成して第1技工所端末30に送信する(第1技工所端末30で電子指示書を確認できるようにする。)。また、紙指示書の場合、紙指示書を作成して第1歯科技工所に送付、FAX送信又は手渡しする。
【0053】
ステップS102において、第1歯科技工所は、指示書の内容を承認するかどうかを検討の上、結果を歯科医院に通知する。より具体的には、電子指示書の場合、第1技工所端末30からサーバ50にアクセスして電子指示書(第1指示書データDo1)の内容を確認し、承認する場合、画面中の承認ボタン(図示せず)を、承認しない場合、例えば、画面中の非承認ボタン(図示せず)を押す。これらに合わせて、第1歯科技工所から歯科医院に電話や電子メールの送信等を行って、内容の確認等を行ってもよい。紙指示書の場合、第1歯科技工所の担当者が紙指示書の内容を確認し、承認する場合、紙指示書を複合機32でスキャニングして紙指示書の画像データDiを取得する。そして、第1技工所端末30からサーバ50にアクセスして紙指示書の画像データDi及びテキストデータDt(第2指示書データDo2)を入力してサーバ50に記録させる。また、承認されたことがサーバ50から歯科医院端末20に通知される。なお、承認しない場合、歯科医院と第1歯科技工所で協議の上、承認可能な指示内容とした上で再度指示書の送信/送付(ステップS101)を行う。
【0054】
ステップS103において、歯科医院は、指示書で指示した歯科技工物の製作のために必要な品(預かり品。例えば歯型石膏模型)を第1歯科技工所に送付する。なお、製作すべき歯科技工物を特定するために必要な歯型石膏模型の代わりに、例えば患者の口腔内の3次元(3D)モデルデータを用いる場合、電子指示書(第1指示書データDo1)の中に当該3Dモデルデータを包含させる。その場合、ステップS103は不要となる。また、第1歯科技工所が指示書の内容を承認することが明らかである場合等には、指示書の送信/送付に合わせて預かり品を送付してもよい。
【0055】
ステップS104において、第1歯科技工所は、第2歯科技工所への依頼が必要である場合、依頼書を作成し、第2歯科技工所に送る。より具体的には、第1技工所端末30からサーバ50にアクセスして電子依頼書(依頼書データDr)を作成して第2技工所端末40に送信する(第2技工所端末40で電子依頼書を確認できるようにする。)。なお、本実施形態では、依頼書は電子形式のみを想定しているが、紙指示書の場合と同様、紙の依頼書を作成して第2歯科技工所に郵送、FAX送信又は手渡しする形を取り、第2技工所端末40からサーバ50に紙依頼書の画像データを送信する構成としてもよい。
【0056】
ステップS105において、第2歯科技工所は、依頼書の内容を承認するかどうかを検討の上、結果を第1歯科技工所に通知する。より具体的には、第2技工所端末40からサーバ50にアクセスして電子依頼書(依頼書データDr)の内容を確認し、承認する場合、画面中の承認ボタン(図示せず)を、承認しない場合、例えば、画面中の非承認ボタン(図示せず)を押す。これらに合わせて、第2歯科技工所から第1歯科技工所に電話や電子メールの送信等を行って、内容の確認等を行ってもよい。なお、承認しない場合、第1歯科技工所と第2歯科技工所で協議の上、承認可能な指示内容とした上で再度依頼書の送信(ステップS104)を行う。
【0057】
ステップS106において、第1歯科技工所は、依頼書で依頼した依頼物(例えば歯科技工物の一部又は全部)の製作のために必要な品(預かり品。例えば歯型石膏模型)を、必要に応じて第2歯科技工所に送付する。なお、預かり品の代わりに、例えば患者の口腔内の3Dモデルデータを用いる場合、電子依頼書(依頼書データDr)の中に当該3Dモデルデータを包含させる。その場合、ステップS106は不要となる。また、第2歯科技工所が依頼書の内容を承認することが明らかである場合等には、依頼書の送信に合わせて預かり品を送付してもよい。
【0058】
ステップS107において、第2歯科技工所は、依頼書で依頼された依頼物を製作し、第1歯科技工所に送付する。ステップS108において、第1歯科技工所は、指示書が指示された歯科技工物を完成させて歯科医院に送付する。なお、第2歯科技工所への依頼が不要であり、第1歯科技工所のみで歯科技工物を製作する場合、ステップS104~S107は不要となる。また、歯科技工物の製作全てを第2歯科技工所が行う場合、第2歯科技工所から歯科医院に歯科技工物を直接送付する場合もあり得るものと想定される。
【0059】
また、本実施形態では、電子指示書(第1指示書データDo1)又は紙指示書の画像データDi等(第2指示書データDo2)がサーバ50に登録されると、その後の作業の進捗状況を第1技工所端末30及び第2技工所端末40で入力し、各端末20、30、40で当該進捗状況の一部又は全部を確認可能となる(詳細は後述する。)。
【0060】
(A-2-2.システム10における処理の前提)
本実施形態において、歯科医院端末20、第1技工所端末30、第2技工所端末40及び管理サーバ50間の処理は、いわゆるウェブアプリの形で実現される。すなわち、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40は、ウェブブラウザソフトを用いてサーバ50が管理するウェブサイトにアクセスし、サーバ50とのデータ通信を行う。従って、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40では、システム10専用のアプリケーションソフトをインストールする必要はない。但し、歯科医院端末20、第1技工所端末30又は第2技工所端末40にいわゆるネイティブアプリをインストールしてシステム10を実現することも可能である。
【0061】
(A-2-3.親アカウント登録)
図4は、本実施形態における親アカウントを登録する処理フローの一例を示す図である。
図4における各ステップS111~S117の順番は一例であり、適宜順番を入れ替えることができる。
図4から明らかなように、親アカウント登録の基本的な流れは、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40で共通である。以下では、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40に共通のステップは、主として、歯科医院端末20を主体として説明し、歯科医院端末20と、第1技工所端末30及び第2技工所端末40とで異なる処理について別途言及する。
【0062】
図4のステップS111において、歯科医院端末20は、サーバ50に対して親アカウント登録画面を要求する。例えば、サーバ50が管理するウェブサイトのトップページで表示されている「アカウント作成ボタン」が、ユーザの操作に基づきクリックされると、対応するURL(Uniform Resource Locator)にアクセスする。なお、ここにいう「ボタン」は、画面上において四角い枠で囲まれて表示されているもののみならず、ユーザ操作により特定の処理又は機能が選択されるユーザインタフェース(UI)を意味するものとして使用する。従って、例えば、四角い枠無しに周囲と異なる色で表示されている文字(いわゆるハイパーリンクを示す文字)として表示されているものもボタンに含まれる。
【0063】
ステップS112において、サーバ50は、歯科医院端末20に対して親アカウント登録画面のデータを送信する。ステップS113において、歯科医院端末20は、表示装置214に親アカウント登録画面を表示して当該登録画面を用いて親アカウントの登録に必要な情報(親アカウント登録情報)の入力を受け付ける。
【0064】
歯科医院の親アカウント登録情報としては、例えば、親アカウント名、ログインパスワード、歯科医院の名称(組織名)、住所、電話番号、電子メールアドレス、契約者名及び契約プランが含まれる。また、無資格の者を排除するため、歯科医院の親アカウント登録情報には、医療機関番号、歯科医師免許登録番号、開業届、又は歯科医師免許の写し等を含んでもよい。
【0065】
第1歯科技工所の親アカウント登録情報としては、例えば、親アカウント名、ログインパスワード、第1歯科技工所の名称(組織名)、住所、電話番号、電子メールアドレス、契約者名及び契約プランが含まれる。さらに、第1歯科技工所の親アカウント登録情報には、創業年、事務所規模(人数)、得意分野・専門分野、技工料価格帯(複数段階のうちの1つを選択)、可能受注形態(1次請け及び2次請けの可否)、新規取引の可否(受付中、受付不可、要問合せ)、取扱い商品(全般、金属製品、保険、レジン系製品、自費、チタン製品、デジタル加工、義歯、インプラント上部、ノンクラスプ、CAD/CAM冠)、履歴・経験値・症例、技工料、納期、受注方法(訪問、宅配、データ)、及び保証(保証の有無、保証期間の有無、保証の条件等)のうちの1つ以上を含んでもよい。さらにまた、無資格の者を排除するため、第1歯科技工所の親アカウント登録情報には、歯科技工士免許登録番号、開業届、又は歯科技工士免許の写し等を含んでもよい。
【0066】
第2歯科技工所の親アカウント登録情報は、第1歯科技工所と同様である。
【0067】
ステップS114において、歯科医院端末20は、入力内容をサーバ50に送信する。ステップS115において、サーバ50は、受信した親アカウント登録情報をユーザDB510に登録する。ステップS116において、サーバ50は、登録完了通知を歯科医院端末20に送信する。ステップS117において、歯科医院端末20は、登録完了を表示する。
【0068】
(A-2-4.子アカウント登録)
図5は、本実施形態における子アカウントを登録する処理フローの一例を示す図である。
図5における各ステップS121~S130の順番は一例であり、適宜順番を入れ替えることができる。
図5から明らかなように、子アカウント登録の基本的な流れは、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40で共通である。以下では、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40に共通のステップは、主として、歯科医院端末20を主体として説明し、歯科医院端末20と、第1技工所端末30及び第2技工所端末40とで異なる処理について別途言及する。
【0069】
図5のステップS121において、歯科医院端末20は、サーバ50に対して親アカウントでログインする。ステップS122において、サーバ50は、ログイン後のトップ画面を送信する。ステップS123において、歯科医院端末20は、ログイン後のトップ画面を表示する。
【0070】
ステップS124において、歯科医院端末20は、サーバ50に対して子アカウント登録画面を要求する。例えば、ログイン後のトップ画面で表示されている「子アカウント作成ボタン」が、ユーザの操作に基づきクリックされると、対応するURLにアクセスする。
【0071】
ステップS125において、サーバ50は、歯科医院端末20に対して子アカウント登録画面のデータを送信する。ステップS126において、歯科医院端末20は、表示装置214に子アカウント登録画面を表示して当該登録画面を用いて子アカウントの登録に必要な情報(子アカウント登録情報)の入力を受け付ける。子アカウント登録情報としては、例えば、子アカウントのユーザID、パスワード及び担当者名が含まれる。
【0072】
ステップS127において、歯科医院端末20は、入力内容をサーバ50に送信する。ステップS128において、サーバ50は、受信した子アカウント登録情報を親アカウント登録情報(例えば、親アカウントのユーザID)と関連付けてユーザDB510に登録する。ステップS129において、サーバ50は、登録完了通知を歯科医院端末20に送信する。ステップS130において、歯科医院端末20は、登録完了を表示する。
【0073】
なお、本実施形態では、歯科医院の子アカウントの場合、第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2に関連する入力、編集及び閲覧(
図6、
図10、
図11、
図13)と、メッセージのやり取り(
図15。追加第1指示書データの追加又は編集)とが許可される一方、親アカウントの基本登録情報(歯科医院の名称、住所、電話番号等)の編集は制限される。また、第1歯科技工所の子アカウントの場合、第1指示書データDo1、第2指示書データDo2又は依頼書データDrに関連する入力、編集及び閲覧(
図6、
図10~
図13)と、メッセージのやり取り(
図15。追加第1指示書データの追加又は編集)と、技工録の作成(
図16)が許可される一方、親アカウントの基本登録情報(第1歯科技工所の名称、住所、電話番号等)の編集は制限される。第2歯科技工所の子アカウントの場合、依頼書データDrに関連する入力、編集及び閲覧(
図12、
図13)と、メッセージのやり取り(
図15。追加第1指示書データの追加又は編集)と、技工録の作成(
図16)が許可される一方、親アカウントの基本登録情報(第2歯科技工所の名称、住所、電話番号等)の編集は制限される。
【0074】
(A-2-5.電子指示書発行)
(A-2-5-1.電子指示書発行の流れ)
図6は、本実施形態において電子指示書を発行する処理フローの一例を示す図である。
図6における各ステップS141~S160の順番は一例であり、適宜順番を入れ替えることができる。なお、ステップS160は、歯科医院端末20の処理ではなく、歯科医院の担当者による動作であるため、枠及び矢印を破線で示している。
【0075】
図6のステップS141において、歯科医院端末20は、サーバ50に対して電子指示書作成画面1000(
図7~
図9)を要求する。例えば、ログイン後のトップ画面で表示されている「電子指示書作成ボタン」が、ユーザの操作に基づきクリックされると、対応するURLにアクセスする。ステップS142において、サーバ50は、歯科医院端末20に対して電子指示書作成画面1000のデータを送信する。ステップS143において、歯科医院端末20は、表示装置214に電子指示書作成画面1000を表示して当該作成画面を用いて電子指示書の作成に必要な情報(第1指示書データDo1)の入力を受け付ける。電子指示書作成画面1000の例は、
図7~
図9を参照して後述する。
【0076】
ステップS144において、歯科医院端末20は、入力内容をサーバ50に送信する。ステップS145において、サーバ50は、受信した第1指示書データDo1を指示書DB512に登録する。この際、サーバ50は、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2(歯科技工指示書)をまとめて管理するための管理番号(指示書管理番号)を生成及び記録する。この管理番号は、例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2を合わせた通し番号でもよく、また、第1指示書データDo1のみでの通し番号及び第2指示書データDo2のみでの通し番号をまとめて用いるものでもよい。
【0077】
なお、電子指示書に含むべき全ての第1指示書データDo1(オリジナル第1指示書データ)が入力されていない場合、サーバ50は、未入力内容があるとのエラーメッセージを歯科医院端末20に表示させる。ステップS146において、サーバ50は、登録完了通知を歯科医院端末20に送信する。ステップS147において、歯科医院端末20は、登録完了を表示する。
【0078】
ステップS148において、サーバ50は、第1指示書データDo1で特定された第1歯科技工所の電子メールアドレスに対して指示書発行通知を送信する。ステップS149において、第1技工所端末30は、サーバ50から受信した指示書発行通知をメールソフトで表示する。これにより、第1歯科技工所の担当者は、新たな指示書が発行されたことを知ることができる。
【0079】
ステップS150において、第1技工所端末30は、ユーザの操作に応じて、サーバ50が管理するウェブサイトにアクセスして、自己の親アカウント又は子アカウントでログインする。ステップS151において、サーバ50は、ログインした第1技工所端末30に対して、ログイン後の親アカウント又は子アカウントに対応するトップ画面を送信する。当該トップ画面では、ログインした第1技工所端末30に対応する第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2のリスト(指示書リスト)の情報(指示書リスト情報)を含ませる。指示書リスト情報には、依頼書データDrの情報を含ませてもよい。また、トップ画面における指示書リストでは、新着の第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2(並びに依頼書データDr)のみを含ませる形でもよい。
【0080】
ステップS152において、第1技工所端末30は、受信したトップ画面を表示する。なお、トップ画面において指示書リストの全てを表示しきれない場合、スクロールバー等により指示書リストをスクロールさせてもよい。また、指示書リストに含まれる指示書のうち新たに発行された指示書については、そのことがわかる表示(例えば、「NEW!」の文字)を付してもよい。さらに、指示書リストの表示は、必ずしもトップ画面で行う必要はなく、別の画面で行ってもよい。
【0081】
なお、例えば、新たな指示書の発行時に電子メールの送信は行わず、新たな指示書の発行をウェブサイトでのみ表示するような構成も可能である。
【0082】
ステップS153において、第1技工所端末30は、ユーザから指示書の選択(ここでは、新たに発行された指示書の選択)を受け付け、選択された指示書をサーバ50に通知する。換言すると、選択された指示書の詳細情報(指示書詳細情報)をサーバ50に対して要求する。ステップS154において、サーバ50は、要求された指示書の詳細情報を第1技工所端末30に対して送信する。ステップS155において、第1技工所端末30は、受信した指示書詳細情報を含む画面(電子指示書詳細画面)に表示する。
【0083】
電子指示書詳細画面(図示せず)では、電子指示書(第1指示書データDo1)の内容に加えて、今回の指示書の内容に承認するか否かを入力する承認ボタン及び不承認ボタン(いずれも図示せず)が表示されている。そこで、ステップS156において、第1技工所端末30は、承認ボタン又は不承認ボタンのいずれが選択されたか(諾否結果)をサーバ50に送信する。ステップS157において、サーバ50は、諾否結果を指示書DB512に登録する。なお、諾否結果が「承認」である場合、サーバ50は、電子指示書の入力内容(第1指示書データDo1のうち社内メモ、社内担当者を除く。)の編集を禁止する。
【0084】
ステップS158において、サーバ50は、諾否結果を歯科医院端末20に通知する。ステップS159において、歯科医院端末20は、諾否結果を表示する。ここでの通知は、歯科医院の電子メールアドレスに対する電子メール送信の形、ログイン時のトップ画面等での表示の形等とすることができる(ログイン時のトップ画面等での表示の場合、ステップS158、S159が一緒に行われることとなる。)。
【0085】
諾否結果が「承諾」である場合、ステップS160において、歯科医院の担当者は、必要に応じて預かり品を第1歯科技工所に発送する。
【0086】
(A-2-5-2.電子指示書作成画面の例)
図7、
図8及び
図9は、本実施形態における電子指示書作成画面1000の一例の第1部分~第3部分を示す図である。
図7~
図9に示す各部分は、1つの電子指示書作成画面1000を構成するものであり、上下スクロールにより表示装置214に表示される部分が変化する。
【0087】
図7において、電子指示書作成画面1000(以下「作成画面1000」ともいう。)は、発注元表示1002、発注先表示1004、保存ボタン1006、キャンセルボタン1008及びステータス表示1010を有する。発注元表示1002は、発注元(歯科医院)の情報(ここでは、名称、住所及び電話番号)の表示と発注担当者入力欄1003を含む。発注担当者入力欄は、発注担当者の名前を入力する欄であり、
図7の例では、事前登録されている担当者の中からプルダウンで選択するユーザインターフェースとなっている。なお、発注元の情報は、親アカウント登録情報に含まれるものであり、親アカウント又は子アカウントでログインすることで特定することが可能である。
【0088】
発注先表示1004は、発注先(第1歯科技工所)の情報(ここでは、名称、住所及び電話番号)の表示を含む。発注先の選択は、
図7~
図9の作成画面1000を表示する前の画面で行われ、作成画面1000に表示される(作成画面1000中で選択する形も可能である。)。保存ボタン1006は、発注元表示1002及び発注先表示1004の内容の保存を指令するボタンである。キャンセルボタン1008は、発注元表示1002及び発注先表示1004の内容のキャンセルを指令するボタンである。キャンセルボタン1008が押されると、発注先を選択する画面に戻る。
【0089】
ステータス表示1010は、指示書に関するステータス(現状)を示す表示である。
図7では、新たな電子指示書を作成する場面であるため「新規作成」となっている。その後のステータスとして「作成中」、「発送済」、「完了」等を用いることができる(
図14も参照)。
【0090】
また、作成画面1000は、発注日説明1012、発注日入力欄1014、希望納品日時説明1016、希望納品日時入力欄1018、保存ボタン1020及びキャンセルボタン1022を有する。発注日説明1012は、発注日入力欄1014に入力すべき内容が発注日であることを示す。発注日入力欄1014は、歯科技工物の発注日の入力欄である。希望納品日時説明1016は、希望納品日時入力欄1018に入力すべき内容が希望納品日時であることを示す。希望納品日時入力欄1018は、歯科技工物の希望納品日時の入力欄である。
【0091】
保存ボタン1020は、発注日入力欄1014及び希望納品日時入力欄1018の入力内容の保存を指令するボタンである。キャンセルボタン1022は、発注日入力欄1014及び希望納品日時入力欄1018の入力内容のキャンセルを指令するボタンである。キャンセルボタン1022が押されると、発注日入力欄1014及び希望納品日時入力欄1018の入力内容がキャンセル(クリア)される。
【0092】
さらに、作成画面1000は、患者名説明1024、患者名入力欄1026、患者名ふりがな説明1028、ふりがな入力欄1030、年齢説明1032、年齢入力欄1034、性別説明1036、性別入力欄1038、保存ボタン1040及びキャンセルボタン1042を有する。
【0093】
患者名説明1024は、患者名入力欄1026に入力すべき内容が患者名であることを示す。患者名入力欄1026は、患者名の入力欄である。患者名ふりがな説明1028は、ふりがな入力欄1030に入力すべき内容が患者名のふりがなであることを示す。ふりがな入力欄1030は、患者名のふりがなの入力欄である。年齢説明1032は、年齢入力欄1034に入力すべき内容が患者の年齢であることを示す。年齢入力欄1034は、患者の年齢の入力欄である。性別説明1036は、性別入力欄1038に入力すべき内容が患者の性別であることを示す。性別入力欄1038は、患者の性別の入力欄である。
【0094】
保存ボタン1040は、患者名入力欄1026、ふりがな入力欄1030、年齢入力欄1034及び性別入力欄1038の入力内容の保存を指令するボタンである。キャンセルボタン1042は、患者名入力欄1026、ふりがな入力欄1030、年齢入力欄1034及び性別入力欄1038の入力内容のキャンセルを指令するボタンである。キャンセルボタン1042が押されると、ふりがな入力欄1030、年齢入力欄1034及び性別入力欄1038の入力内容がキャンセル(クリア)される。
【0095】
さらにまた、
図7に示すように、作成画面1000は、部位説明1050、永久歯選択ボタン1052、乳歯選択ボタン1054、部位説明
図1056、隙間変更ボタン1058、完了ボタン1060、制作物説明1061、製作物追加ボタン1062、製作物名入力欄1064、削除ボタン1066、構造説明1068、単冠チェックボックス1070、連結チェックボックス1072、シェード説明1074、シェード入力欄1076、材料説明1078及び材料入力欄1080を有する。また、
図7及び
図8に示すように、作成画面1000は、ファイル表示説明1082、ファイル送付追加ボタン1084、詳細メモ説明1086、詳細メモ入力欄1088、保存ボタン1090及びキャンセルボタン1092を有する。
【0096】
部位説明1050は、部位説明
図1056に入力すべき内容が、歯科技工物を製作する患者の歯の部位であることを示す。永久歯選択ボタン1052は、部位説明
図1056に表示する内容を、永久歯に対応する内容(すなわち数字)に切り替えるボタンである。乳歯選択ボタン1054は、部位説明
図1056に表示する内容を、乳歯に対応する内容(すなわちアルファベット)に切り替えるボタンである。部位説明
図1056は、歯科技工物を製作する患者の歯の部位を入力する図である。隙間変更ボタン1058は、部位説明
図1056に示す歯(数字又はアルファベット)の隙間を切り替えるボタンである。完了ボタン1060は、隙間変更の完了を指令するボタンである。
【0097】
制作物説明1061は、製作物名入力欄1064に入力すべき内容が、製作物(歯科技工物)の名称であることを示す。製作物追加ボタン1062は、製作物を追加するボタンである。製作物名入力欄1064は、製作物の名称の入力欄である。削除ボタン1066は、追加している製作物を削除するボタンである。
【0098】
構造説明1068は、単冠チェックボックス1070又は連結チェックボックス1072は、製作物の構造に関するものであることを示す。単冠チェックボックス1070は、製作物の構造が単冠であるときにチェックされる。連結チェックボックス1072は、製作物の構造が連結であるときにチェックされる。シェード説明1074は、シェード入力欄1076に入力すべき内容が歯のシェードであることを示す。シェード入力欄1076は、歯のシェードの入力欄である。
【0099】
材料説明1078は、材料入力欄1080に入力すべき内容が製作物の材料であることを示す。材料入力欄1080は、製作物の材料の入力欄である。ファイル表示説明1082は、電子指示書にファイルを添付する際、ファイル送付追加ボタン1084を押すべきことを示す。ファイル送付追加ボタン1084は、ファイル追加を指令するボタンである。ファイル送付追加ボタン1084が押されると、添付又は送付されるファイルの選択画面が開き、ファイルが選択されると、当該ファイルのファイル名が作成画面1000に表示される。添付又は送付されるファイルとしては、例えば、患者の口腔内3Dスキャンデータ(例えば拡張子stl)やレントゲン写真(例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)ファイル)、シェードの参考にする口内写真、歯科医師による指示の手書き写真が可能である。
【0100】
図8の詳細メモ説明1086は、詳細メモ入力欄1088に入力すべき内容が詳細メモであることを示す。詳細メモ入力欄1088は、詳細メモの入力欄である。ここにいう詳細メモは、製作物(歯科技工物)に関する詳細説明(又は補足説明)のメモを意味する。保存ボタン1090は、永久歯選択ボタン1052又は乳歯選択ボタン1054の選択、部位説明
図1056の入力内容、隙間変更ボタン1058の選択の有無、製作物名入力欄1064の入力内容、単冠チェックボックス1070及び連結チェックボックス1072のチェック状態、シェード入力欄1076の入力内容、材料入力欄1080の入力内容、ファイル送付追加ボタン1084による添付ファイルの内容、及び詳細メモ入力欄1088の入力内容の保存を指令するボタンである。キャンセルボタン1092は、これらの入力内容のキャンセルを指令するボタンである。キャンセルボタン1092が押されると、上記各入力内容がキャンセル(クリア)される。
【0101】
図8に示すように、作成画面1000は、歯列図説明1100、歯列
図1102、操作ボタン群1104、クリアボタン1106、保存ボタン1108及びキャンセルボタン1110を有する。歯列図説明1100は、歯列
図1102に示された内容が歯列図であること等を示す。歯列
図1102は、歯列のイメージを表示し、この歯列に合わせて製作すべき歯科技工物の位置や内容を手書き線1112等により手書き入力する入力欄である。操作ボタン群1104は、歯列
図1102への手書き入力のための複数の操作ボタンを含む。クリアボタン1106は、手書き入力(手書き線1112等)をクリアするボタンである。
【0102】
保存ボタン1108は、歯列
図1102への手書き入力内容の保存を指令するボタンである。キャンセルボタン1110は、歯列
図1102への手書き入力内容のキャンセルを指令するボタンである。キャンセルボタン1110が押されると、上記手書き入力内容がキャンセル(クリア)される。
【0103】
図9に示すように、作成画面1000は、前歯図説明1120、前歯
図1122、操作ボタン群1124、クリアボタン1126、保存ボタン1128及びキャンセルボタン1130を有する。前歯図説明1120は、前歯
図1122に示された内容が前歯図であること等を示す。前歯
図1122は、前歯のイメージを表示し、この前歯に合わせて製作すべき歯科技工物の位置や内容を手書き線1132等により手書き入力する入力欄である。操作ボタン群1124は、前歯
図1122への手書き入力のための複数の操作ボタンを含む。クリアボタン1126は、手書き入力(手書き線1132等)をクリアするボタンである。
【0104】
保存ボタン1128は、前歯
図1122への手書き入力内容の保存を指令するボタンである。キャンセルボタン1130は、前歯
図1122への手書き入力内容のキャンセルを指令するボタンである。キャンセルボタン1130が押されると、上記手書き入力内容がキャンセル(クリア)される。
【0105】
さらに、
図9に示すように、作成画面1000は、預かり品説明1140、預かり品入力欄1142、追加項目説明1144、項目追加ボタン1146、保存ボタン1148及びキャンセルボタン1150を有する。預かり品説明1140は、預かり品入力欄1142に入力すべき内容が第1歯科技工所の預かり品(歯科医院から第1歯科技工所に預ける品。例えば、石膏模型、バイトワックス、対合模型又はシリコン印象)であることを示す。預かり品入力欄1142は、第1歯科技工所の預かり品の入力欄である。追加項目説明1144は、項目追加ボタン1146を押すことで項目追加ができること等を示す。項目追加ボタン1146は、指示書に含める項目の追加を指令するボタンである。
【0106】
保存ボタン1148は、預かり品入力欄1140、及び項目追加がなされた場合の新たな入力欄への入力内容の保存を指令するボタンである。キャンセルボタン1150は、預かり品入力欄1140、及び項目追加がなされた場合の新たな入力欄への入力内容のキャンセルを指令するボタンである。キャンセルボタン1150が押されると、上記入力内容がキャンセル(クリア)される。
【0107】
さらにまた、作成画面1000は、社内メモ説明1160、社内メモ入力欄入力1162、社内担当者説明1164、社内担当者入力欄1166、保存ボタン1168及びキャンセルボタン1170を有する。社内メモ説明1160は、社内メモ入力欄1162に入力すべき内容が社内メモであることを示す。社内メモ入力欄1180は、社内メモの入力欄である。ここでは、歯科医院で電子指示書を入力しているので、社内メモは、当該歯科医院のみで内容を確認可能なメモである(サーバ50がそのように表示させる。)。なお、第1歯科技工所が電子指示書を確認する場合、第1歯科技工所が第2歯科技工所に電子依頼書を発行する場合、第2歯科技工所が電子依頼書を確認する場合にも同様の社内メモ説明及び社内メモ入力欄を設けるが、その場合、第1歯科技工所又は第2歯科技工所で入力された社内メモは当該第1歯科技工所又は第2歯科技工所のみが内容を確認可能である。また、同一の歯科医院の親アカウント及び子アカウントであれば、社内メモ入力欄1162の表示内容は共通となる(第1歯科技工所又は第2歯科技工所の場合も同様である。)。
【0108】
社内担当者説明1164は、社内担当者入力欄1166に入力すべき内容が社内担当者であることを示す。社内担当者入力欄1166は、今回の指示書の社内担当者の入力欄である。本実施形態の社内担当者入力欄1166では、事前登録されている担当者名をプルダウンで選択することができる。
【0109】
保存ボタン1168は、社内メモ入力欄1162及び社内担当者入力欄1166への入力内容の保存を指令するボタンである。キャンセルボタン1170は、社内メモ入力欄1162及び社内担当者入力欄1166への入力内容のキャンセルを指令するボタンである。キャンセルボタン1170が押されると、上記入力内容がキャンセル(クリア)される。
【0110】
加えて、作成画面1000は、編集履歴説明1172及び編集履歴表示欄1174を有する。編集履歴説明1172は、編集履歴表示欄1174に表示される内容が編集履歴であることを示す。編集履歴表示欄1174は、電子指示書の編集履歴を表示する欄である。
【0111】
また、作成画面1000は、発注ボタン1180、一時保存ボタン1182及び閉じるボタン1184を有する。発注ボタン1180は、電子指示書にいついて入力内容での発注を指令するボタンである。一時保存ボタン1182は、各入力内容についての保存を指令するボタンである。閉じるボタン1184は、電子指示書の生成を中断し、作成画面1000を閉じることを指令するボタンである。
【0112】
(A-2-6.紙指示書発行)
図10は、本実施形態において紙指示書が発行される際の処理フローの一例を示す図である。
図10における各ステップS171~S191の順番は一例であり、適宜順番を入れ替えることができる。なお、ステップS171~S173は、歯科医院端末20又は第1技工所端末30の処理ではなく、歯科医院又は第1歯科技工所の担当者による動作であるため、枠及び矢印を破線で示している。
【0113】
図10のステップS171において、歯科医院の担当者は、紙指示書を作成し、第1歯科技工所に送る(例えば、郵送等での送付、FAX送信又は手渡しする。)。ステップS172において、第1歯科技工所の担当者は、受領した紙指示書の内容について承認するか否かの諾否を確認し、電話、電子メール、対面での伝達等により歯科医院の担当者に結果を通知する。ステップS173において、歯科医院の担当者は、預かり品を第1歯科技工所に送る。
【0114】
ステップS174において、第1技工所端末30は、紙指示書の画像データを取得する。具体的には、第1歯科技工所の担当者が、複合機32を用いて紙指示書をスキャニングし、紙指示書の画像データDiが生成されて第1技工所端末30の記憶装置306に記憶される。
【0115】
ステップS175において、第1技工所端末30は、サーバ50に対して紙指示書入力画面(図示せず)を要求する。例えば、ログイン後のトップ画面で表示されている「紙指示書登録ボタン」が、ユーザの操作に基づきクリックされると、対応するURLにアクセスする。ステップS176において、サーバ50は、第1技工所端末30に対して紙指示書登録画面のデータを送信する。ステップS177において、第1技工所端末30は、表示装置314に紙指示書登録画面を表示して当該登録画面を用いて紙指示書の登録に必要な情報(第2指示書データDo2)の入力を受け付ける。
【0116】
第2指示書データDo2は、基本的に、第1指示書データDo1と同様の情報を含む必要がある。但し、指示書に関する内容(例えば、部位説明図、歯列図、前歯図)は、既に紙指示書の画像データDiに含まれている。一方、紙指示書の画像データDiのままでは、サーバ50におけるデータ処理(例えば、データ管理、検索)を行うことができない。そこで、第2指示書データDo2は、紙指示書の画像データDiと、紙指示書に関連するテキストデータDtを含む。
【0117】
画像データDiの取込みは、例えば、図示しない「指示書ファイル選択ボタン」を押すと、画像データDiのファイルを選択する画面が表示され、その画面で今回対象となるファイルを選択することで行う。但し、実際の取込みは、後述する登録ボタンが押された際に行ってもよい。
【0118】
テキストデータDtは、例えば、発注元(歯科医院)の情報(例えば、名称、住所、電話番号及び担当者)、発注先の情報(例えば、名称、住所、電話番号及び担当者)、発注日、希望納品日時、患者の情報(例えば、名前、ふりがな)、並びに製作物の情報(例えば、製作物の名称)を含む。これらの情報を入力するためのUIは、電子指示書作成画面1000と同様のものを用いることができる。その場合、発注先(第1歯科技工所)の担当者の入力は、プルダウン形式を用いてもよい。また、複合機32が光学的文字認識機能(OCR機能)を有する場合、テキストデータDtの入力の一部又は全部を紙指示書の画像データDiから自動入力してもよい。
【0119】
また、紙指示書登録画面は、電子指示書作成画面1000と同様に、ステータス表示、詳細メモ説明、詳細メモ入力欄、社内メモ説明、社内メモ入力欄、社内担当者説明、社内担当者入力欄、編集履歴説明、編集履歴表示欄、保存ボタン、キャンセルボタン、一時保存ボタン又は閉じるボタンを有してもよい。さらにまた、発注ボタン1180の代わりに、登録ボタンを有してもよい。
【0120】
ステップS178において、第1技工所端末30は、入力内容をサーバ50に送信する。ステップS179において、サーバ50は、受信した第2指示書データDo2を指示書DB512に登録する。
図6のステップS145に関連して説明したように、この際、サーバ50は、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2(歯科技工指示書)をまとめて管理するための管理番号(指示書管理番号)を生成及び記録する。
【0121】
また、上記の通り、電子指示書(第1指示書データDo1)の作成の場合、電子指示書に含むべき全てのデータ(オリジナル第1指示書データ)が入力されていなければ、サーバ50は、未入力内容があるとのエラーメッセージを第1技工所端末30に表示させる。一方、紙指示書の画像データDi及びテキストデータDt(第2指示書データDo2)の作成の場合、第2指示書データDo2として含むべき全てのデータ(画像データDi及びテキストデータDt)が入力されていなければ、サーバ50は、未入力内容があるとのエラーメッセージを第1技工所端末30に表示させる。換言すると、第1指示書データDo1の入力と、第2指示書データDo2の入力の場合とで、サーバ50のチェック項目が異なる。
【0122】
ステップS180において、サーバ50は、登録完了通知を第1技工所端末30に送信する。ステップS181において、第1技工所端末30は、登録完了を表示する。
【0123】
ステップS182において、サーバ50は、第2指示書データDo2で特定された歯科医院の電子メールアドレスに対して紙指示書登録通知を送信する。ステップS183において、歯科医院端末20は、サーバ50から受信した紙指示書登録通知をメールソフトで表示する。これにより、歯科医院の担当者は、紙指示書の内容(第2指示書データDo2)がサーバ50に登録されたことを知ることができる。
【0124】
ステップS184において、歯科医院端末20は、ユーザの操作に応じて、サーバ50が管理するウェブサイトにアクセスして、自己の親アカウント又は子アカウントでログインする。ステップS185において、サーバ50は、ログインした歯科医院端末20に対して、ログイン後の親アカウント又は子アカウントに対応するトップ画面を送信する。当該トップ画面では、ログインした歯科医院端末20に対応する第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2のリスト(指示書リスト)の情報(指示書リスト情報)を含ませる。また、トップ画面における指示書リストでは、新着の第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2のみを含ませる形でもよい。
【0125】
ステップS186において、歯科医院端末20は、受信したトップ画面を表示する。なお、トップ画面において指示書リストの全てを表示しきれない場合、スクロールバー等により指示書リストをスクロールさせてもよい。また、指示書リストに含まれる指示書のうち新たに登録された指示書については、そのことがわかる表示(例えば、「NEW!」の文字)を付してもよい。また、指示書リストの表示は、必ずしもトップ画面で行う必要はなく、別の画面で行ってもよい。
【0126】
なお、例えば、新たな指示書の登録時に電子メールの送信は行わず、新たな指示書の発行をウェブサイトでのみ表示するような構成も可能である。
【0127】
ステップS187において、歯科医院端末20は、ユーザから指示書の選択(ここでは、新たに登録された指示書の選択)を受け付け、選択された指示書をサーバ50に通知する。換言すると、選択された指示書の詳細情報(指示書詳細情報)をサーバ50に対して要求する。ステップS188において、サーバ50は、要求された指示書の詳細情報を歯科医院端末20に対して送信する。ステップS189において、歯科医院端末20は、受信した指示書詳細情報を含む画面(紙指示書詳細画面)に表示する。
【0128】
紙指示書詳細画面では、紙指示書の画像データDi(画像ファイル)が開かれた状態でテキストデータDt(第2指示書データDo2)と共に表示される。或いは、画像データDi(画像ファイル)はユーザから開くことを要求する操作(例えばファイル名のダブルクリック)が行われたときのみに開く形でもよい。また、これらの内容に加えて、今回の指示書の内容が適切であるか否かを入力するOKボタン及びNGボタン(いずれも図示せず)が表示される。そこで、ステップS190において、歯科医院端末20は、OKボタン又はNGボタンのいずれが選択されたか(確認結果)をサーバ50に送信する。ステップS191において、サーバ50は、確認結果を指示書DB512に登録する。なお、確認結果がOKである場合、サーバ50は、紙指示書の内容(紙指示書の画像データDi及び紙指示書の記載に対応するテキストデータDt)の編集を禁止する。
【0129】
図10では図示していないが、確認結果がNGである場合、サーバ50は、確認結果を第1技工所端末30に通知する。そして、例えば、第1技工所端末30において第2指示書データDo2の修正を行い、再度、ステップS179以降を繰り返す。なお、
図10の例では、第2指示書データDo2(紙指示書の画像データDi及びテキストデータDt)の入力を第1技工所端末30で行ったが、歯科医院端末20で行う構成も可能である。その場合、
図10のステップS174以降の各処理の主体は、歯科医院端末20と第1技工所端末30が入れ替わる形となる。
【0130】
(A-2-7.登録後の指示書の編集)
上記の通り、電子指示書の発行(第1指示書データDo1)又は紙指示書の画像データDiの登録(第2指示書データDo2)いずれの場合も、歯科医院及び第1歯科技工所の双方で内容が確認(承認)されると、指示書の内容(第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2のうち指示書の内容に関するもの)の編集が禁止される。しかしながら、編集が禁止された後に例えば誤記が発見されて指示書の内容を編集したい場合が生じることが想定される。そこで、本実施形態では、以下のような処理を経ることで指示書の内容編集を行うことができる。
【0131】
図11は、本実施形態において内容が確定した指示書の内容を編集する際の処理フローの一例を示す図である。
図11における各ステップS201~S218の順番は一例であり、適宜順番を入れ替えることができる。ステップS201において、歯科医院端末20は、サーバ50に対して編集許可要求を送信する。編集許可要求の送信は、例えば、以下のように行うことができる。すなわち、ログイン後のトップ画面で表示されている指示書リストで対象の指示書が選択されると、対象の指示書の詳細情報が表示される(
図6のS150~S155及び
図10のS184~S189参照)。編集禁止状態の指示書詳細情報画面には、編集許可要求ボタン(図示せず)が含まれており、ユーザの操作により編集許可要求ボタンが選択されると、編集許可要求がサーバ50に送信される。
【0132】
ステップS202において、サーバ50は、編集許可要求を指示書DB512に記録すると共に、編集許可要求があった旨を第1技工所端末30に通知する。当該通知は電子メールの形、ログイン後のトップ画面等への表示の形等をとることができる。また、当該通知では、歯科医院による指示書の編集を許可するか否かの問合せ(許可ボタンと不許可ボタン)も含む。ステップS203において、第1技工所端末30は、サーバ50からの通知を表示装置314に表示する。ステップS204において、前記問合せに対する回答がユーザから入力されると、第1技工所端末30は、当該回答をサーバ50に送信する。
【0133】
ステップS205において、サーバ50は、第1技工所端末30からの回答を指示書DB512に登録し、ステップS206において、回答結果を歯科医院端末20に通知する。ステップS207において、歯科医院端末20は、回答結果を表示する。
【0134】
回答結果が編集許可である場合、ステップS208において、歯科医院端末20は、ユーザの操作に基づいて編集画面(図示せず)をサーバ50に要求する。電子指示書(第1指示書データDo1)用の編集画面は、例えば、電子指示書作成画面(
図7~
図9)と同様のUIとすることができる。また、紙指示書の画像データDi等(第2指示書データDo2)用の編集画面は、例えば、紙指示書入力画面(
図10のS177)と同様のUIとすることができる。なお、回答結果が編集不許可である場合、例えば、歯科医院の担当者から第1歯科技工所の担当者に電話等で連絡を取り、許可してもらえるよう協議をし、許可してもらえることになったら、再度、ステップS201以降を繰り返す。
【0135】
ステップS209において、サーバ50は、編集画面を歯科医院端末20に送信する。ステップS210において、歯科医院端末20は、編集画面を表示して編集内容を受け付ける。ステップS211において、歯科医院端末20は、受け付けた編集内容をサーバ50に送信する。ステップS212において、サーバ50は、受信した編集内容を指示書DB512に記録し、ステップS213において、編集内容を第1技工所端末30に通知する。当該通知は、編集内容を明示すると共に、編集内容を承認するか否かの諾否問合せ(承認ボタン及び不承認ボタン)を含む。
【0136】
ステップS214において、第1技工所端末30は、サーバ50からの通知を表示装置314に表示する。ステップS215において、前記諾否問合せに対する回答がユーザから入力されると、第1技工所端末30は、当該回答をサーバ50に送信する。
【0137】
ステップS216において、サーバ50は、第1技工所端末30からの回答を指示書DB512に記録する。ステップS217において、回答結果を歯科医院端末20に通知する。ステップS218において、歯科医院端末20は、回答結果を表示する。ステップS215の諾否回答が「承認」である場合、サーバ50は、ステップS216又はS217に合わせて、指示書の編集を再度禁止する。ステップS215の諾否回答が「不承認」である場合、歯科医院の担当者と第1歯科技工所の担当者が協議して、再度、ステップS201以降を繰り返すこととなる。
【0138】
(A-2-8.第2歯科技工所への電子依頼書発行)
図12は、本実施形態において第1歯科技工所から第2歯科技工所への電子依頼書を発行する処理フローの一例を示す図である。
図12における各ステップS221~S240の順番は一例であり、適宜順番を入れ替えることができる。なお、ステップS240は、第1技工所端末30の処理ではなく、第1歯科技工所の担当者による動作であるため、枠及び矢印を破線で示している。
【0139】
図12のステップS221において、第1技工所端末30は、サーバ50に対して電子依頼書作成画面(図示せず)を要求する。例えば、ログイン後のトップ画面で表示されている「電子依頼書作成ボタン」が、ユーザの操作に基づきクリックされると、対応するURLにアクセスする。或いは、
図14を参照して後述する複製ボタン2058を押すことで、電子依頼書作成画面を要求してもよい。
【0140】
ステップS222において、サーバ50は、第1技工所端末30に対して電子依頼書作成画面のデータを送信する。電子依頼書作成画面は、例えば、電子指示書作成画面1000(
図7~
図9)と同様のUIとすることができる。この際、サーバ50は、電子指示書作成画面での入力内容のうち、第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2と共通のものについては電子指示書作成画面中で既に入力した状態とすることができる。ステップS223において、第1技工所端末30は、表示装置314に電子依頼書作成画面を表示して当該作成画面を用いて電子依頼書の作成に必要な情報(依頼書データDr)の入力を受け付ける。
【0141】
ステップS224において、第1技工所端末30は、入力内容をサーバ50に送信する。ステップS225において、サーバ50は、受信した依頼書データDrを、第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2と関連付けて(例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2(歯科技工指示書)をまとめて管理するための管理番号(指示書管理番号)と関連付けて)指示書DB512に登録する。ステップS226において、サーバ50は、登録完了通知を第1技工所端末30に送信する。ステップS227において、第1技工所端末30は、登録完了を表示する。
【0142】
ステップS228において、サーバ50は、依頼書データDrで特定された第2歯科技工所の電子メールアドレスに対して依頼書発行通知を送信する。ステップS229において、第2技工所端末40は、サーバ50から受信した依頼書発行通知をメールソフトで表示する。これにより、第2歯科技工所の担当者は、新たな依頼書が発行されたことを知ることができる。
【0143】
ステップS230において、第2技工所端末40は、ユーザの操作に応じて、サーバ50が管理するウェブサイトにアクセスして、自己の親アカウント又は子アカウントでログインする。ステップS231において、サーバ50は、ログインした第2技工所端末40に対して、ログイン後の親アカウント又は子アカウントに対応するトップ画面を送信する。当該トップ画面では、ログインした第2技工所端末40に対応する依頼書データDrのリスト(依頼書リスト)の情報(依頼書リスト情報)を含ませる。また、トップ画面における依頼書リストでは、新着の依頼書データDrのみを含ませる形でもよい。
【0144】
ステップS232において、第2技工所端末40は、受信したトップ画面を表示する。なお、トップ画面において依頼書リストの全てを表示しきれない場合、スクロールバー等により依頼書リストをスクロールさせてもよい。また、依頼書リストに含まれる依頼書のうち新たに発行された依頼書については、そのことがわかる表示(例えば、「NEW!」の文字)を付してもよい。また、依頼書リストの表示は、必ずしもトップ画面で行う必要はなく、別の画面で行ってもよい。
【0145】
なお、例えば、新たな依頼書の発行時に電子メールの送信は行わず、新たな依頼書の発行をウェブサイトでのみ表示するような構成も可能である。
【0146】
ステップS233において、第2技工所端末40は、ユーザから依頼書の選択(ここでは、新たに発行された依頼書の選択)を受け付け、選択された依頼書をサーバ50に通知する。換言すると、選択された依頼書の詳細情報(依頼書詳細情報)をサーバ50に対して要求する。ステップS234において、サーバ50は、要求された依頼書の詳細情報を第2技工所端末40に対して送信する。ステップS235において、第2技工所端末40は、受信した依頼書詳細情報を含む画面(電子依頼書詳細画面)に表示する。
【0147】
電子依頼書詳細画面では、電子依頼書(依頼書データDr)の内容に加えて、今回の依頼書の内容に承認するか否かを入力する承認ボタン及び不承認ボタン(いずれも図示せず)が表示されている。そこで、ステップS236において、第2技工所端末40は、承認ボタン又は不承認ボタンのいずれが選択されたか(諾否結果)をサーバ50に送信する。ステップS237において、サーバ50は、諾否結果を、第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2に関連付けて(例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2(歯科技工指示書)をまとめて管理するための管理番号(指示書管理番号)と関連付けて)指示書DB512に登録する。なお、諾否結果が「承認」である場合、サーバ50は、電子依頼書の入力内容(依頼書データDrのうち社内メモ、社内担当者を除く。)の編集を禁止する。
【0148】
ステップS238において、サーバ50は、諾否結果を第1技工所端末30に通知する。ステップS239において、第1技工所端末30は、諾否結果を表示する。ここでの通知は、第1歯科技工所の電子メールアドレスに対する電子メール送信の形、ログイン時のトップ画面等での表示の形等とすることができる(ログイン時のトップ画面等での表示の場合、ステップS238、S239が一緒に行われることとなる。)。
【0149】
諾否結果が「承諾」である場合、ステップS240において、第1歯科技工所の担当者は、必要に応じて預かり品を第2歯科技工所に発送する。
【0150】
(A-2-9.指示書/依頼書の検索)
(A-2-9-1.検索の流れ)
図13は、本実施形態において歯科技工指示書又は依頼書を検索する処理フローの一例を示す図である。
図13における各ステップS261~S275の順番は一例であり、適宜順番を入れ替えることができる。
図13から明らかなように、歯科技工指示書又は依頼書の検索の基本的な流れは、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40で共通である。但し、歯科医院端末20が検索可能であるのは、指示書(第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2)のみであり、第1技工所端末30及び第2技工所端末40の間の依頼書(依頼書データDr)は検索できない(サーバ50側で検索範囲に制限をかける。)。第1技工所端末30が検索可能であるのは、指示書及び依頼書の両方である。第2技工所端末40が検索可能であるのは、依頼書のみであり、指示書は検索できない(サーバ50側で検索範囲に制限をかける。)。
【0151】
以下では、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40に共通のステップは、主として、第1技工所端末30を主体として説明し、第1技工所端末30と、歯科医院端末20及び第2技工所端末40とで異なる処理について別途言及する。
【0152】
図13のステップS261において、第1技工所端末30は、サーバ50に対して検索画面2000(
図14)を要求する。例えば、ログイン後のトップ画面で表示されている「指示書/依頼書管理ボタン」が、ユーザの操作に基づきクリックされると、対応するURLにアクセスする。ステップS262において、サーバ50は、第1技工所端末30に対して検索画面2000のデータを送信する。ステップS263において、第1技工所端末30は、表示装置314に検索画面2000を表示して検索画面2000を用いて検索条件の入力を受け付けてサーバ50に送信する。検索画面2000の例は、
図14を参照して後述する。
【0153】
ステップS264において、サーバ50は、受信した検索条件に基づいて指示書又は依頼書を検索する。ステップS265において、サーバ50は、検索条件に合致した指示書又は依頼書のリスト(検索結果リスト)を第1技工所端末30に送信する。なお、検索結果リストに含まれる指示書又は依頼書は、検索を行っている第1技工所端末30(又はその親アカウント)と関連付けられているもののみである。ステップS266において、第1技工所端末30は、検索結果リストを表示して、リスト内の指示書又は依頼書を選択可能とする。
【0154】
ステップS267において、第1技工所端末30は、ユーザからの選択入力を受け付け、入力内容(選択された指示書又は依頼書の詳細情報の要求)をサーバ50に送信する。ステップS268において、サーバ50は、選択された指示書又は依頼書の詳細情報を第1技工所端末30に送信する。ステップS269において、第1技工所端末30は、指示書又は依頼書の詳細情報を表示する。
【0155】
ここで、表示される内容が電子指示書(第1指示書データDo1)の場合、その詳細情報は、例えば、電子指示書作成画面(
図7~
図9)と同様のUIとすることができる。但し、保存ボタンやキャンセルボタン等、不要なUIは除かれ、説明表示も適宜変更される。また、
図15を参照して後述するメッセージをやり取りするUIが表示される。表示される内容が紙指示書の画像データDi等(第2指示書データDo2)の場合、その詳細情報は、例えば、
図10のステップS189で言及した紙指示書詳細画面と同様の画面を用いて表示することができる。但し、ここでの画面では、
図15を参照して後述するメッセージをやり取りするUIも表示される。
【0156】
上記のように、表示される指示書が第1指示書データDo1の場合と第2指示書データDo2の場合とでUIが相違する。表示される内容が電子依頼書(依頼書データDr)の場合、その詳細情報は、例えば、電子指示書(第1指示書データDo1)の場合と同様のUIとすることができる。但し、説明表示等は適宜変更される。
【0157】
また、第1技工所端末30のユーザが指示書又は依頼書の印刷を行う場合、ステップS270において、第1技工所端末30は、ユーザの操作に応じて、サーバ50に対して印刷処理開始要求を送信する。ステップS271において、サーバ50は、印刷モードを選択するための画面(印刷モード選択画面)を第1技工所端末30に送信する。ステップS272において、第1技工所端末30は、印刷モード選択画面を表示して印刷モードの選択を受け付ける。ステップS273において、第1技工所端末30は、選択された印刷モードをサーバ50に通知する。ステップS274において、サーバ50は、選択された印刷モードに対応する印刷情報を第1技工所端末30に送信する。ステップS275において、第1技工所端末30は、受信した印刷情報を複合機32で印刷する。
【0158】
上記の通り、本実施形態において、第1技工所端末30(並びに歯科医院端末20及び第2技工所端末40)は、複数の印刷モードを用いて、指示書(第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2)及び依頼書(依頼書データDr)の印刷を行う。複数の印刷モードには、全体印刷モード、第1部分印刷モード及び第2部分印刷モードが含まれる。
【0159】
第1指示書データDo1の全体印刷モードでは、電子指示書作成画面1000(
図7~
図9)での入力内容のうち電子指示書に含まれる内容(オリジナル第1指示書データ)の全てを印刷する。社内メモ及び社内担当者は全体モードでは印刷されないが、これらも印刷に含めるように変更してもよい。第1指示書データDo1の第1部分印刷モードでは、全体印刷モードの内容のうち、歯科技工指示書の必須記載事項(部位説明
図1056等)を残しつつ、任意記載事項のうち比較的場所を取る各図(歯列
図1102及び前歯
図1122)を省略して印刷する。第1指示書データDo1の第2部分印刷モードでは、依頼元の情報、依頼先の情報、患者の情報(患者名)、歯科技工物の名称、及び納品日時を印刷する。なお、第1指示書データDo1のいずれの印刷モードでも、指示書を特定する2次元又は3次元コードを合わせて印刷してもよい。
【0160】
第2指示書データDo2の全体印刷モードでは、紙指示書の画像データDiをそのまま印刷する。第2指示書データDo2の第1部分印刷モードでは、第2指示書データDo2のうちテキストデータDtのみを印刷する。第2指示書データDo2の第2部分印刷モードでは、テキストデータDtのうち依頼元の情報、依頼先の情報、患者の情報、歯科技工物の名称及び納品日時を印刷する。なお、第2指示書データDo2のいずれの印刷モードでも、指示書を特定する2次元又は3次元コードを合わせて印刷してもよい。
【0161】
依頼書データDrの全体印刷モード、第1部分印刷モード及び第2部分印刷モードは、電子依頼書の内容が、第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2のいずれと同様の形式を取っているかによって変化する。すなわち、例えば、第1指示書データDo1の一部がコピーされて電子依頼書が作成された場合(第1指示書データDo1と同様の形式である場合)、第1指示書データDo1の各印刷モードと同様の印刷処理が行われる。一方、第2指示書データDo2の一部がコピーされて紙指示書の画像データDiが付される形で電子依頼書が作成された場合(第2指示書データDo2と同様の形式である場合)、第2指示書データDo2の各印刷モードと同様の印刷処理が行われる。
【0162】
なお、指示書又は依頼書の内容の印刷は、検索(
図13)以外の場面で行ってもよい。また、ここでは、3つの印刷モードを用いたが、1つ、2つ又は4つ以上の印刷モードを用いる構成も可能である。
【0163】
(A-2-9-2.検索画面2000の例)
図14は、本実施形態における検索画面2000の一例を示す図である。
図14の検索画面2000は、第1歯科技工所が用いる画面であり、発注先として、歯科医院からの指示書(電子指示書及び紙指示書の画像データDi)を検索すると共に、発注元として、第2歯科技工所への依頼書を検索するために用いられる。
【0164】
検索画面2000は、受注一覧タブ2002及び発注一覧タブ2004を有する。ユーザの操作により受注一覧タブ2002が選択されると、歯科医院からの指示書検索用の表示となり、発注一覧タブ2004が選択されると、第2歯科技工所への依頼書検索用の表示となる。
図14では、受注一覧タブ2002が選択された状態を示すが、発注一覧タブ2004が選択された状態も同様の表示となる。
【0165】
検索画面2000は、ステータス説明2010、ステータスチェックボックス群2012、発注日説明2014、発注日検索範囲初日入力欄2016、発注日検索範囲最終日入力欄2018、納品日時説明2020、納品日時始期入力欄2022、納品日時終期入力欄2024、発注元説明2026、発注元入力欄2028、患者名説明2030、患者名入力欄2032及び検索ボタン2034を有する。
【0166】
ステータス説明2010は、ステータスチェックボックス群2012に入力すべき内容がステータスであることを示す。ステータスチェックボックス群2012は、検索条件とするステータスのチェックボックスをチェックする複数の入力欄である。発注日説明2014は、発注日検索範囲初日入力欄2016及び発注日検索範囲最終日入力欄2018に入力すべき内容が、発注日の検索範囲の初日と最終日であることを示す。発注日検索範囲初日入力欄2016は、発注日の検索範囲の初日の入力欄である。発注日検索範囲最終日入力欄2018は、発注日の検索範囲の最終日の入力欄である。
【0167】
納品日時説明2020は、納品日時始期入力欄2022及び納品日時終期入力欄2024に入力すべき内容が、納品日時(納品予定日時を含む。)の検索範囲の始期(日時)及び終期(日時)であることを示す。納品日時始期入力欄2022は、納品日時の検索範囲の始期(日時)の入力欄である。納品日時終期入力欄2024は、納品日時の検索範囲の終期(日時)の入力欄である。発注元説明2026は、発注元入力欄2028に入力すべき内容が、発注元の名称であることを示す。発注元入力欄2028は、検索条件とする発注元の名称の入力欄である。なお、発注一覧タブ2004が選択されている場合、発注元説明2026及び発注元入力欄2028の代わりに、発注先説明及び発注先入力欄が表示される。
【0168】
患者名説明2030は、患者名入力欄2032に入力すべき内容が検索条件とする患者名であることを示す。患者名入力欄2032は、検索条件とする患者名の入力欄である。検索ボタン2034は、各入力欄に入力された検索条件に基づく検索の実行を指令するボタンである。
【0169】
また、検索画面2000は、検索結果を表示する結果表示領域2050を有する。結果表示領域2050は、ヒット件数表示2052及び検索結果リスト2054を含む。ヒット件数表示2052は、検索条件に合致する指示書(発注一覧タブ2004が選択されている場合、依頼書)のヒット件数を示す。検索結果リスト2054は、検索条件に合致した指示書(発注一覧タブ2004が選択されている場合、依頼書)を一覧表示する。
【0170】
図14に示すように、本実施形態の検索結果リスト2054は、各指示書の発注元の名称、患者名、ステータス、発注日及び納品日時を含む。なお、発注一覧タブ2004が選択されている場合、検索結果リスト2054は、各依頼書の発注先の名称、患者名、ステータス、発注日及び納品日時を含むこととなる。また、検索結果リスト2054は、詳細表示ボタン2056、複製ボタン2058及び納品書表示ボタン2060を含む。
【0171】
詳細表示ボタン2056は、選択した指示書(又は依頼書)の詳細情報の表示を指令するためのボタン(UI)である。複製ボタン2058は、第1歯科技工所が第2歯科技工所への電子依頼書を作成する際、対応する指示書の内容(第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2)を依頼書作成画面にコピーすることを指令するボタンである。従って、
図12のステップS221は、複製ボタン2058を押すことで行う形としてもよい。納品書表示ボタン2060は、歯科技工物を発送済みの場合において納品書の表示を指令するボタンである。なお、検索結果リスト2054のような表示は、例えば、ログイン後のトップ画面等においても用いることができる。
【0172】
(A-2-10.メッセージのやり取り)
(A-2-10-1.メッセージのやり取りの概要)
図6を参照して上記したように、電子指示書の内容について第1歯科技工所が承認した場合、電子指示書の内容が確定し、電子指示書の内容の編集が禁止される。その後、サーバ50は、歯科医院端末20又は第1技工所端末30において電子指示書(第1指示書データDo1)の詳細を表示する画面において、歯科医院端末20と第1技工所端末30の間のメッセージを入力するメッセージ入力欄と、入力されたメッセージの送信を指令する送信ボタンと、送信されたメッセージを表示するメッセージ表示欄(いずれも図示せず)とを含ませる。これらのメッセージは、第1指示書データDo1のうち編集が禁止された電子指示書の部分(オリジナル第1指示書データ)とは異なり、第1指示書データDo1のうち編集可能な部分(追加第1指示書データ)として指示書DB512に記録される。メッセージのやり取りに加えて、ファイルのやり取りを合わせて行うようにしてもよい。
【0173】
同様に、紙指示書の発行に関する
図10のフローにおいて、紙指示書の画像データDiとテキストデータDtを含む第2指示書データDo2の内容について歯科医院が内容を確認(承認)した場合、第2指示書データDo2のうち紙指示書の記載内容が確定し、当該内容の編集が禁止される。その後、サーバ50は、歯科医院端末20又は第1技工所端末30において紙指示書(第2指示書データDo2)の詳細を表示する画面において、歯科医院端末20と第1技工所端末30の間のメッセージを入力するメッセージ入力欄と、入力されたメッセージの送信を指令する送信ボタンと、送信されたメッセージを表示するメッセージ表示欄とを含ませる。これらのメッセージは、第2指示書データDo2のうち編集が禁止された紙指示書の部分(オリジナル第2指示書データ)とは異なり、第2指示書データDo2のうち編集可能な部分(追加第2指示書データ)として指示書DB512に記録される。
【0174】
同様に、電子依頼書の発行に関する
図12のフローにおいて、電子依頼書(依頼書データDr)の内容について第2歯科技工所が内容を承認した場合、依頼書データDrのうち電子依頼書の内容が確定し、当該内容の編集が禁止される。その後、サーバ50は、第1技工所端末30又は第2技工所端末40において電子依頼書(依頼書データDr)の詳細を表示する画面において、第1技工所端末30と第2技工所端末40の間のメッセージを入力するメッセージ入力欄と、入力されたメッセージの送信を指令する送信ボタンと、送信されたメッセージを表示するメッセージ表示欄とを含ませる。これらのメッセージは、依頼書データDrのうち編集が禁止された電子依頼書の部分(オリジナル依頼書データ)とは異なり、依頼書データDrのうち編集可能な部分(追加依頼書データ)として指示書(第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2)に関連付けられて(例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2(歯科技工指示書)をまとめて管理するための管理番号(指示書管理番号)と関連付けられて)指示書DB512に記録される。
【0175】
(A-2-10-2.メッセージのやり取りの流れ)
図15は、本実施形態において歯科医院端末20と第1技工所端末30の間(又は第1技工所端末30と第2技工所端末40の間)におけるメッセージをやり取りする処理フローの一例を示す図である。
図15における各ステップS281~S288の順番は一例であり、適宜順番を入れ替えることができる。
図15から明らかなように、メッセージのやり取りの基本的な流れは、歯科医院端末20と第1技工所端末30の間と、第1技工所端末30と第2技工所端末40の間とで共通である。以下では、歯科医院端末20と第1技工所端末30の組合せと、第1技工所端末30と第2技工所端末40の組合せとで共通のステップは、主として、歯科医院端末20及び第1技工所端末30の組合せを主体として説明し、両組合せで異なる処理について別途言及する。
【0176】
ステップS281において、歯科医院端末20はメッセージを送信する。すなわち、指示書の詳細情報を表示する画面(詳細情報画面)において、メッセージ入力欄にメッセージ(第1メッセージ)が入力された後、送信ボタンが押されると、第1メッセージがサーバ50に送信される。ステップS282において、サーバ50は、受信した第1メッセージを指示書DB512に記録し、当該第1メッセージを第1技工所端末30に送信する。第1技工所端末30への送信タイミングは、歯科医院端末20から第1メッセージを受信した直後とする必要は必ずしもなく、第1技工所端末30がウェブサイトにログインしたタイミング等としてもよい。
【0177】
ステップS284において、第1技工所端末30は、歯科医院端末20からの第1メッセージを、詳細情報画面のメッセージ表示欄に表示する。なお、第1メッセージの受信を知らせる表示を、ログイン後のトップ画面等で行ってもよい。ステップS285において、歯科医院端末20からの第1メッセージへの返信としてのメッセージ(第2メッセージ)が第1技工所端末30から送信される。ステップS286において、サーバ50は、受信した第2メッセージを指示書DB512に記録し、ステップS287において、当該第2メッセージを歯科医院端末20に送信する。歯科医院端末20への送信タイミングは、第1技工所端末30から第2メッセージを受信した直後とする必要は必ずしもなく、歯科医院端末20がウェブサイトにログインしたタイミング等としてもよい。ステップS288において、歯科医院端末20は、第1技工所端末30からの第2メッセージを、詳細情報画面のメッセージ表示欄に表示する。ステップS288の後も同様の方法でメッセージのやり取りを繰り返すことができる。
【0178】
なお、
図15の例では、歯科医院端末20がメッセージのやり取りを開始したが、逆に第1技工所端末30からメッセージのやり取りを開始してもよい。また、歯科医院端末20と第1技工所端末30で順番にメッセージを送信する必要はなく、歯科医院端末20及び第1技工所端末30それぞれ任意のタイミングでメッセージを送信可能である。
【0179】
(A-2-11.技工録作成)
(A-2-11-1.技工録作成の概要)
歯科医院から歯科技工指示書での指示を受けた第1歯科技工所には、歯科技工録を作成する義務がある。本実施形態では、第1技工所端末30からサーバ50に歯科技工物の作業内容、進捗状況(ステータス)等を登録することで技工録を簡易に作成することが可能となる。
【0180】
(A-2-11-2.技工録の事前準備)
歯科技工録には、例えば.以下の情報が記録される。
(1)歯科医師から受託した年月日
(2)患者の氏名
(3)部位及び設計
(4)作成方法(作成等手順)
(5)使用材料(使用主材料の品名及びロット又は製造番号)
(6)歯科技工物(補綴物)の工程管理に係る業務を管理した記録
(7)歯科技工物等の最終点検及び検査を完了した年月日
(8)歯科技工物等を委託した歯科医師等に引き渡した年月日
(9)歯科技工物等の設計等をリモートワークで行った場合、その旨とリモートワークを行った場所
(10)歯科技工の工程の一部について、歯科技工物等の作成等に用いる機器を共同利用した場合、その旨と当該工程を行った歯科技工所名(共同利用する機器を所有する歯科技工所の名称等)
(11)その他必要な事項
【0181】
例えば、上記(1)~(5)については、指示書の内容等が指示書DB512に記録されているため、技工録の作成に際して利用することができる。また、上記(7)、(8)については、指示書の詳細情報画面において、ステータス入力欄(図示せず)に、作業が進む毎に新たなステータスを入力することでサーバ50がステータスの切り替わり日を指示書DB512に記録しておく。
【0182】
ここでのステータス入力欄は、例えば、
図7のステータス表示1010と同様の表示において、ステータスをプルダウンで切り替えるUIとすることができる。従って、例えば、歯科技工物の最終点検及び検査を完了した段階で、第1技工所端末30において、ステータス入力欄のステータスを「製作中」から「発送準備」にプルダウンで切り替える。当該ステータスの切替えは、第1技工所端末30からサーバ50に通知され、サーバ50は、「製作中」から「発送準備」に切り替わった年月日を指示書DB512に記録する。また、歯科技工物の発送が完了した段階で、第1技工所端末30において、ステータス入力欄のステータスを「発送準備」から「発送済み」にプルダウンで切り替える。当該ステータスの切替えは、第1技工所端末30からサーバ50に通知され、サーバ50は、「発送準備」から「発送済み」に切り替わった年月日を指示書DB512に記録する。
【0183】
なお、本実施形態では、第2歯科技工所で行った作業に関する技工録の作成は、第2技工所端末40において行うことができる。
【0184】
(A-2-11-3.技工録作成の流れ)
図16は、本実施形態において技工録作成の処理フローの一例を示す図である。
図16における各ステップS291~S300の順番は一例であり、適宜順番を入れ替えることができる。
図16から明らかなように、技工録作成の基本的な流れは、第1技工所端末30と第2技工所端末40で共通である。以下では、第1技工所端末30と第2技工所端末40で共通のステップは、主として、第1技工所端末30を主体として説明し、両端末で異なる処理について別途言及する。
【0185】
ステップS291において、第1技工所端末30は、指示書又は依頼書の詳細情報画面を表示する。詳細情報画面には、技工録作成ボタン(図示せず)が含まれている。ユーザが技工録作成ボタンを選択すると、ステップS292において、第1技工所端末30は、技工録作成画面をサーバ50に要求する。この要求を受けて、ステップS293において、サーバ50は、技工録作成画面を第1技工所端末30に送信する。そして、ステップS294において、第1技工所端末30は、技工録作成画面を表示する。
【0186】
技工録作成画面では、技工録の作成に必要な情報(技工録必要情報。例えば、上記(1)~(11)の情報)が入力される。また、上記の通り、本実施形態のサーバ50は、技工録必要情報の一部を既に指示書DB512に記録している。そこで、サーバ50は、技工録作成ボタンが押されると、指示書DB512から読み出した情報を入力した状態で技工録作成画面を表示する。
【0187】
技工録必要情報の入力が終わり、技工録作成画面中の技工録作成ボタン(図示せず)をユーザが選択すると、第1技工所端末30は、入力情報(技工録必要情報)をサーバ50に送信する。ステップS296において、サーバ50は、受信した技工録必要情報を、指示書(第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2)に関連付けて(例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2(歯科技工指示書)をまとめて管理するための管理番号(指示書管理番号)と関連付けて)指示書DB512に記録する。記録が完了すると、ステップS297において、サーバ50は、記録完了通知を第1技工所端末30に送信する。ステップS298において、第1技工所端末30は、記録完了を表示する。
【0188】
その後、第1技工所端末30のユーザが、技工録ファイルの出力要求ボタン(図示せず)を選択した場合、ステップS299において、第1技工所端末30は、サーバ50に対して技工録ファイルの出力要求を送信する。ステップS300において、サーバ50は、技工録ファイルを作成し、第1技工所端末30に送信する。
【0189】
なお、後日、第1技工所端末30のユーザが、技工録の内容を確認したい場合には、例えば、検索(
図13)等を行って表示した依頼書(依頼書データDr)の詳細情報画面において、図示しない「技工録表示ボタン」を押すことで、対応する技工録を表示するようにしてもよい。これに加えて又はこれに代えて、依頼書の詳細情報画面において、図示しない「技工録添付ボタン」を押すことで、添付先の選択画面(技工録添付先選択画面)を表示させ、当該選択画面において選択した添付先に技工録を添付してもよい。添付先としては、例えば、電子指示書(第1指示書データDo1)、紙指示書の画像データDi等(第2指示書データDo2)を選択可能である。
【0190】
[A-3.本実施形態の効果]
本実施形態によれば、第1指示書データDo1(歯科医院端末20においてデジタル形式で入力された電子指示書のデータを含む。)と第2指示書データDo2(歯科医院において作成された紙指示書の画像データDi、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータDtを含む。)の両方をまとめて管理する(
図6及び
図10)。従って、歯科技工指示書の管理の汎用性を高めることが可能となる。また、紙指示書を画像データDiの形で保存することが可能になるため、保存の利便性も高めることができる。特に、日本では、歯科技工指示書を所定期間保存する義務が課されているため、紙指示書を画像データDiの形で保存可能となることは有用性が高い。
【0191】
本実施形態において、第1指示書データDo1は、当初の入力データであるオリジナル第1指示書データと、その後に追加される追加第1指示書データとを含む。また、オリジナル第1指示書データは、歯科技工指示書の必須記載事項を含む(
図7~
図9)。追加第1指示書データは、歯科医院端末20と第1技工所端末30との間の追加メッセージを含む(
図15)。サーバ50は、第1技工所端末30によるオリジナル第1指示書データの編集を禁止する(
図6のS157)。また、サーバ50は、歯科医院端末20及び第1技工所端末30による追加第1指示書データの追加又は編集(メッセージのやり取り)を許可する(
図15)。これにより、第1技工所端末30からの電子指示書のオリジナル第1指示書データ(歯科技工指示書の内容)の編集を禁止しつつ、追加第1指示書データにより歯科医院と第1歯科技工所のやり取りを可能とすることができる。
【0192】
本実施形態において、オリジナル第1指示書データは、歯列
図1102及び前歯
図1122を含む(
図8及び
図9)。歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40は、第1指示書データDo1の印刷を行う複数の印刷モードを選択可能である(
図13のS271~S273)。複数の印刷モードは、オリジナル第1指示書データを全て印刷する全体印刷モードと、オリジナル第1指示書データのうち歯科技工指示書の任意記載事項の一部としての歯列
図1102及び前歯
図1122を省略して印刷する第1部分印刷モードと、オリジナル第1指示書データの一部としての、依頼元の歯科医院の情報、依頼先の第1歯科技工所の情報、患者の情報、歯科技工物の名称及び納品日時を含むテキストデータを印刷する第2部分印刷モードとを含む(
図13のS271~S273)。
【0193】
これにより、歯科技工指示書の内容を印刷したいが、比較的大きな領域を必要とする歯列
図1102及び前歯
図1122は不要な場合、第1部分印刷モードを選択できる。また、例えば、出来上がった歯科技工物を第1歯科技工所から歯科医院に送付する場合、第2部分印刷モードの印刷物を用いることで、歯科技工物を納品する際の内容特定を簡略化することが可能となる。
【0194】
本実施形態において、サーバ50は、歯科医院端末20から第1指示書データDo1を受信した場合(
図6のS145)、第1指示書データDo1で特定された第1技工所端末30に対して第1指示書データDo1に基づく指示を承認するか否かの問合せ表示を行わせる(S154、S155)。また、サーバ50は、第1技工所端末30から前記指示への承認の入力があった場合、その旨を指示書DB512に記録すると共に、電子指示書の内容編集を禁止する(S157)。さらに、サーバ50は、前記指示に対する承認後において電子指示書の編集を要する場合、歯科医院端末20から電子指示書の編集許可要求を受け付け(
図11のS201、S202)、編集許可要求を承認するか否かの問合せ表示を第1技工所端末30に行わせる(S202、S203)。さらにまた、サーバ50は、第1技工所端末30から編集許可要求への承認の入力があった場合、歯科医院端末20による電子指示書の編集を許可する(S204~S209)。加えて、サーバ50は、歯科医院端末20から第1指示書データDo1の編集内容を受信した場合(S211、S212)、第1指示書データDo1で特定された第1技工所端末30に対して編集内容を承認するか否かの問合せ表示を行わせる(S213、S214)。また、サーバ50は、第1技工所端末30から編集内容への承認の入力があった場合(S215)、その旨を指示書DB512に記録すると共に、電子指示書の内容編集を禁止する(S216)。
【0195】
これにより、歯科技工指示書の内容について第1歯科技工所の承認を得ることが可能となる。また、電子指示書の編集を要する場合、第1歯科技工所の承認を得た上で電子指示書を編集可能にすると共に、編集内容について第1歯科技工所の承認を得ることが可能となる。
【0196】
本実施形態において、サーバ50が指示書DB512への記録を許可する第1指示書データDo1は、患者の口腔内の形状又は歯科技工物の形状を特定するための3次元モデルデータを含む(
図7のファイル送付追加ボタン1084参照)。これにより、患者の口腔内の形状又は歯科技工物の形状を伝える方法の選択肢を増やすことが可能となる。すなわち、歯科医院は、歯科技工物を製作するための歯型(例えば石膏型)を歯科医院から第1歯科技工所に送付する方法と、患者の口腔内の形状又は歯科技工物の形状を特定するための3次元モデルデータを送信する方法を選択することが可能となる。
【0197】
本実施形態において、歯科医院端末20及び第1技工所端末30は、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2の両方を含めた指示書リスト(一覧リスト)を表示する(
図6のS152、
図10のS186、
図13のS266)。また、歯科医院端末20及び第1技工所端末30は、操作により選択された第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2の詳細を表示する(
図6のS155、
図10のS189、
図13のS269)。これにより、歯科技工指示書がデジタル方式(電子指示書)又は紙形式(紙指示書)のいずれで発行されたからにかかわらず、一覧性を高めることが可能となる。
【0198】
本実施形態において、歯科医院端末20及び第1技工所端末30は、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2の両方を同時に検索するための検索画面2000を表示する(
図13のS263、
図14)。また、歯科医院端末20及び第1技工所端末30は、入力された検索条件に対応する第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2の一覧又は詳細を表示する(
図13のS266、S269、
図14)。これにより、歯科技工指示書がデジタル方式(電子指示書)又は紙形式(紙指示書)のいずれで発行されたかにかかわらず、検索性を高めることが可能となる。
【0199】
本実施形態において、歯科技工指示書管理システム10は、第1歯科技工所から歯科技工物に関する依頼を受ける第2歯科技工所で用いられる複数の第2技工所端末40をさらに備える(
図1)。第1技工所端末30は、第1歯科技工所から第2歯科技工所への依頼内容を含む依頼書データDrの入力を受け付けてサーバ50に送信する(
図12のS224)。サーバ50は、第1技工所端末30から依頼書データDrを受信して指示書DB512に登録する(S225)。また、サーバ50は、依頼書データDrで特定された第2技工所端末40に依頼書データDrを表示させる(S232、S235)。これにより、歯科医院から第1歯科技工所への歯科技工指示書の管理に加えて、第1歯科技工所から第2歯科技工所への依頼書の管理も行うことが可能となる。従って、歯科技工物の作成に関わる管理の利便性を向上することが可能となる。
【0200】
本実施形態において、依頼書データDrの入力に際し、第1技工所端末30は、第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2の一部又は全部のコピーを指示する複製ボタン2058(第1複製ボタン)を表示する(
図14)。複製ボタン2058が選択された際、第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2の一部又は全部をコピーして依頼書データDrの入力画面に表示させる(
図12のS221~S223)。これにより、第1歯科技工所から第2歯科技工所への依頼時の手間を軽減すると共に、転記ミスを防止することが可能となる。
【0201】
本実施形態において、第1技工所端末30は、技工録を作成するための技工録作成画面を表示する(
図16のS294)。また、技工録作成画面の入力に際し、第1技工所端末30は、第1指示書データDo1又は第2指示書データDo2の一部をコピーして技工録作成画面に表示させる(S294)。これにより、技工録作成時の手間を軽減すると共に、転記ミスを防止することが可能となる。
【0202】
本実施形態において、サーバ50は、歯科医院用、第1歯科技工所用及び第2歯科技工所用の親アカウント及び子アカウントを発行する(
図4及び
図5)。また、サーバ50は、親アカウントの登録の際、歯科医院端末20、第1技工所端末30又は第2技工所端末40から歯科医院、第1歯科技工所又は第2歯科技工所のアカウント情報を受信してユーザDB510に記録する(
図4のS115)。さらに、サーバ50は、親アカウントに基づいて歯科医院端末20、第1技工所端末30又は第2技工所端末40がサーバ50にログインしている際、子アカウントの登録を許可する(
図5のS121~S128)。
【0203】
さらにまた、サーバ50は、子アカウントに基づいて歯科医院端末20がサーバ50にログインしている際、電子指示書(オリジナル第1指示書データ)の入力と、メッセージのやり取り(追加第1指示書データの追加又は編集)と、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2の閲覧とを許可する一方、歯科医院のアカウント情報の編集を制限する。加えて、サーバ50は、子アカウントに基づいて第1技工所端末30がサーバ50にログインしている際、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2の閲覧と、メッセージのやり取り(追加第1指示書データの追加又は編集)と、依頼書データDrの入力とを許可する一方、第1歯科技工所のアカウント情報の編集を制限する。また、サーバ50は、子アカウントに基づいて第2技工所端末40がサーバ50にログインしている際、依頼書データDrの閲覧と、メッセージのやり取りとを許可する一方、第2歯科技工所のアカウント情報の編集を制限する。
【0204】
これにより、歯科医院の従業者がリモートワークをするような場合、第1歯科技工所とのやり取りが可能となる。また、第1歯科技工所の従業者がリモートワークをするような場合、歯科医院及び第2歯科技工所とのやり取りが可能となる。さらに、第2歯科技工所の従業者がリモートワークをするような場合、第1歯科技工所とのやり取りが可能となる。
【0205】
<B.変形例>
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
【0206】
上記実施形態では、歯科医院端末20、第1技工所端末30及びサーバ50に加えて、第2技工所端末40を設けた(
図1)。しかしながら、例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2の両方をまとめて管理する観点に着目すれば、これに限らず、システム10は、第2技工所端末40を有さなくてもよい。
【0207】
上記実施形態では、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40それぞれに専用アプリケーションソフトをインストールしないいわゆるウェブアプリの形式とした(
図4~
図16)。しかしながら、例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2の両方をまとめて管理する観点に着目すれば、これに限らない。例えば、歯科医院端末20、第1技工所端末30及び第2技工所端末40それぞれに専用アプリケーションソフトをインストールするいわゆるネイティブアプリの形式としてもよい。
【0208】
上記実施形態では、電子指示書作成時において、
図7~
図9に示す内容を入力した。しかしながら、例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2の両方をまとめて管理する観点に着目すれば、これに限らない。例えば、電子指示書では、部位説明
図1056、歯列
図1102及び前歯
図1122のうち1つ又は複数を省略することも可能である。
【0209】
上記実施形態では、歯科医院端末20と第1技工所端末30の間及び第1技工所端末30と第2技工所端末40の間でメッセージのやり取りを可能とした(
図15)。しかしながら、例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2の両方をまとめて管理する観点に着目すれば、これに限らず、システム10ではメッセージのやり取りを行わないことも可能である。
【0210】
上記実施形態では、指示書の編集に関して
図11のフローを用いた。しかしながら、例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2の両方をまとめて管理する観点に着目すれば、これに限らない。例えば、歯科医院端末20又は第1技工所端末30の一方において編集内容を入力し、サーバ50を介して他方に編集内容を伝えると共に、当該編集内容を承諾するか否かを問い合わせるようにしてもよい。或いは、指示書の編集を認めず、(歯科医院と第1歯科技工所の間で電話等で協議を行った上で)削除のみを認めるような構成(編集のためには再度指示書の作成を要するような構成)も可能である。
【0211】
上記実施形態では、第1指示書データDo1に3Dモデルデータを包含可能とした(
図6のS143、
図7のファイル送付追加ボタン1084)。しかしながら、例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2の両方をまとめて管理する観点に着目すれば、これに限らず、第1指示書データDo1には3Dモデルデータを包含させない構成(換言すると、3Dモデルデータの添付を認めない構成)も可能である。
【0212】
上記実施形態では、第1歯科技工所から第2歯科技工所への依頼書は、電子形式(電子依頼書)のみについて説明した(
図12)。しかしながら、歯科技工指示書の場合と同様、最初から電子依頼書を発行する場合(
図12)に加えて、紙の依頼書の画像データをシステム10に取り込んで管理する構成(
図10と同様)も可能である。
【0213】
上記実施形態では、技工録の作成をシステム10において行った(
図16)。しかしながら、例えば、第1歯科技工所又は第2歯科技工所で作成した技工録をシステム10又はサーバ50で保管又は管理する観点に着目すれば、これに限らない。例えば、紙指示書の場合と同様に、紙形式の技工録(紙技工録)の画像をシステム10に取り込んで保管又は管理することも可能である。或いは、外部の技工録作成システム(図示せず)で作成した電子形式の技工録のファイル(外部作成技工録ファイル)をシステム10に取り込んで保管又は管理することも可能である。
【0214】
技工録の画像データ又は外部作成技工録ファイルは、例えば、依頼書データDrの詳細情報画面において、図示しない「技工録取込ボタン」を押すことで取込み対象のデータ又はファイルを選択して取り込むことができる。上記の通り、ここで取込み対象となる技工録は、第1歯科技工所又は第2歯科技工所のいずれで作成したものであってもよい。換言すると、第1歯科技工所で作成した技工録については、第1技工所端末30の操作で紙技工録の画像データ又は外部作成技工録ファイルを取り込む。また、第2歯科技工所で作成した技工録については、第2技工所端末40の操作で紙技工録の画像データ又は外部作成技工録ファイルを取り込む。
【0215】
紙技工録の画像データ又は外部作成技工録ファイルの取込み後、第1技工所端末30又は第2技工所端末40のユーザが、技工録の内容を確認したい場合には、例えば、検索(
図13)等を行って表示した依頼書(依頼書データDr)の詳細情報画面において、例えば、図示しない「技工録表示ボタン」を押すことで、対応する技工録を表示するようにしてもよい。
【0216】
これに加えて又はこれに代えて、依頼書の詳細情報画面において、図示しない「技工録添付ボタン」を押すことで、添付先の選択画面(技工録添付先選択画面)を表示させ、当該選択画面において選択した添付先に紙技工録の画像データ又は外部作成技工録ファイルを添付してもよい。添付先としては、例えば、電子指示書(第1指示書データDo1)、紙指示書の画像データDi等(第2指示書データDo2)を選択可能である。また、第2歯科技工所の技工録の場合、第2技工所端末40のみならず、第1技工所端末30でも技工録の内容を確認できるようにするために電子依頼書(依頼書データDr)に添付してもよい(換言すると、例えば、サーバ50において第2技工所端末40のみならず、第1技工所端末30でも閲覧可能としてもよい。)。
【0217】
上記実施形態では、技工録の作成を可能とした(
図16)。しかしながら、例えば、第1指示書データDo1及び第2指示書データDo2の両方をまとめて管理する観点に着目すれば、これに限らず、システム10では技工録の作成を行わない構成も可能である。
【符号の説明】
【0218】
10…歯科技工指示書管理システム 20…歯科医院端末
30…第1技工所端末 40…第2技工所端末
50…歯科技工指示書管理サーバ 512…指示書DB(データベース)
1102…歯列図 1122…前歯図
2000…検索画面
2054…検索結果リスト(一覧リスト)
2058…複製ボタン(第1複製ボタン)
Di…画像データ Do1…第1指示書データ
Do2…第2指示書データ Dr…依頼書データ
Dt…テキストデータ
【要約】
【課題】歯科技工指示書の管理の汎用性を向上可能な歯科技工指示書管理システム、歯科技工指示書管理サーバ及び歯科技工指示書管理方法を提供する。
【解決手段】歯科技工指示書管理システム10では、第1指示書データ(歯科医院端末20においてデジタル形式で入力された歯科技工指示書(電子指示書)のデータを含む。)と第2指示書データ(歯科医院において作成された紙の歯科技工指示書(紙指示書)の画像データ、及び当該紙指示書に記載された文字がデジタル形式で新たに入力又は取得されたテキストデータを含む。)の両方をまとめて管理する。
【選択図】
図3