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  • 特許-ペット収容袋付衣類 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】ペット収容袋付衣類
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/02 20060101AFI20240202BHJP
   A41D 27/00 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
A01K1/02 Z
A41D27/00 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023120524
(22)【出願日】2023-07-25
【審査請求日】2023-08-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和5年2月13日 Twitterにて公開https://twitter.com/kei_454/status/1625070765988282368 ほか
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和5年3月15日 instagramにて公開https://www.instagram.com/p/CpzmJGypWiw/ ほか
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 〔電気通信回線を通じて公開〕 公開日:令和5年3月17日 Facebookにて公開https://www.facebook.com/photo.php?fbid=102021656177126&set=pb.100091078741577.-2207520000.&type=3 ほか
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523054931
【氏名又は名称】株式会社BARKS
(74)【代理人】
【識別番号】100149799
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】米田 壱成
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第7296303(US,B1)
【文献】登録実用新案第3130940(JP,U)
【文献】特開2022-167441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/02
A41D 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胸部に開閉可能な開口部を有し、前記開口部に接続されている収納袋を備える前身頃と、
前記前身頃とのラグラン縫合部を有する前袖を含む袖部とを備え、
前記ラグラン縫合部の一部に前記収納袋が縫合されている、ペット収納袋付衣類。
【請求項2】
前記ペット収容袋付衣類の襟部は、補強部を備える、請求項1に記載のペット収容袋付衣類。
【請求項3】
前記収容袋は、前身頃側生地及び着用者側生地で構成され、前記前身頃側生地は前記着用者側生地より伸縮の少ない生地である、請求項1に記載のペット収容袋付衣類。
【請求項4】
前記ペット収容袋付き衣類は、フード部を備える、請求項1に記載のペット収容袋付き衣類。
【請求項5】
前記前身頃の腰部にポケット部を備え、前記収容袋と前記前身頃は、前記ポケット部の上部まで縫合されている、請求項1に記載のペット収容袋付き衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペット収容袋付衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
犬や猫などのペットを膝に載せたり、抱っこしたりすることは飼主にとってもペットにとっても大切な行為であるが、身動きしづらかったり、両手がふさがったりする。ペットを膝に載せたり、抱っこしたりしつつ、移動出来たり、両手が自由になれば、飼い主にとって重宝する。このような目的のために、ペットを入れるためのポケットが前身頃の中央に備えられた衣類が従来から販売されている。また、下記の特許文献1には、ペットを飼主の胸の前に保持した状態で外出することができるペット保持上着服が記載されている。
【0003】
特許文献1に見られるようなペット保持上着服は、ペットを飼主の胸の前に保持した状態で外出することを主な目的としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3130940号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ペットを入れていない時の外観は一般的な衣類であるが、ペットを入れることのできる収容袋を備え、かつペットを収容袋に入れても服に対する負担が小さいペット収容袋付衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、衣類の袖をラグランスリーブとし、袖と前見頃とを縫合している縫合部にペット収容袋を縫合することにより上記問題点を解決しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]胸部に開閉可能な開口部を有し、前記開口部に接続されている収納袋を備える前身頃と、
前記前身頃とのラグラン縫合部を有する前袖を含む袖部とを備え、
前記ラグラン縫合部の一部に前記収納袋が縫合されている、ペット収納袋付衣類。
[2]前記ペット収納袋付衣類の襟部は、補強部を備える、[1]に記載のペット収容袋付衣類。
[3]前記収容袋は、前身頃側生地および着用者側生地で構成され、前記前身頃側生地は前記着用者側生地より伸縮の少ない生地である、[1]に記載のペット収容袋付衣類。
[4]前記ペット収容袋付衣類は、フード部を備える、[1]に記載のペット収容袋付衣類。
[5]前記前身頃の腰部にポケット部を備え、前記収容袋と前記前身頃は、前記ポケット部の上部まで縫合されている、[1]に記載のペット収容袋付衣類。
【発明の効果】
【0007】
本発明のペット収容袋付衣類は、衣類の袖をラグランスリーブとし、袖と前見頃とを縫合している縫合部にペット収容袋を縫合することにより、ペットを収容袋に入れても服に対する負担が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施態様の一つであるペット収容袋付衣類1の正面図である。
図2図2(a)は、ペット収容袋付衣類1の収容袋6の正面図、図2(b)は、本発明のペット収容袋付衣類の収容袋6の断面図である。
図3図3は、開口部21を開けた状態のペット収容袋付衣類1の上面図である。
図4図4は、ペット収容袋付衣類1の側面図であり、内部に配置される収容袋6の位置を示した図である。
図5図5は、ペット収容袋付衣類1にペット13を入れて着用した状態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、発明を実施するための形態に限定されるものではない。
【0010】
本発明の実態態様の一つである、ペット収容袋付衣類1は前身頃2と後身頃3と袖部4と襟部5と収容袋6と裾部12を備える。
前身頃2について図1を用いて説明する。前身頃2は、後身頃3と袖部4の前袖および襟部5と縫合される。以下、前身頃2と後身頃3の縫合部を脇部7と称し、前身頃2と袖部4の前袖の縫合部をラグラン縫合部8と称し、前身頃2、後身頃3および袖部4と襟部5との縫合部を襟ぐり部9と称することにする。なお、前袖とは、袖部4において、ペット収納付衣類1の正面から見る部分(なお、図1はペット収納付衣類1の正面である)を意味する。
【0011】
前身頃2の生地は、一般的に衣類に用いられる生地であれば特に制限されるものではないが、スウェットやパーカ―に使用される生地などを使用する。
前身頃2の胸部の幅は特に制限されるものではなく、一般的な衣類で用いられる幅でよく、前身頃2の裾の幅は胸部の幅より小さく、胸部から裾に向かって幅が小さくなっていく。すなわち、脇部7は、胸部では着用者の側面側に位置し、裾では着用者の前側、すなわち、着用者側の正面側に位置する。したがって、脇部7は、脇から中心寄りに斜めに配置され、正面から見える。前身頃2の裾の幅を後身頃3腰部の幅より小さくし、後身頃3の裾の幅を胸部の幅より大きくすることにより、後身頃3も含めてペット13を保持でき、収容袋6が安定する。
【0012】
前身頃2は胸部に開口部21を有する。好ましい外観及び収納するペット13を安定して保持するため、開口部21が左右のラグラン縫合部8に接するまで開口すること好ましい。
開口部21は、開口部21を開閉するために、ファスナー、面ファスナー、ボタン等が備えることができるが、図1のように、両開きファスナーがペット13が顔を着用者の中心から出すことができ、左右の偏りが少なくなるため、好ましい。また、ペット13を入れた時ペット13の重みでファスナーが開かないロック機能付きファスナーを使用することもできる。
【0013】
図1のように、前身頃2は脇の下部、すなわち、着用者の腰部にポケット部10を有してもよい。ポケット部10は、前身頃2の生地にポケット部10用の生地を縫合して前身頃2の生地とポケット部用の生地でポケット部を形成してもよく、前身頃2の生地とは独立した袋を前身頃2に縫合し、前身頃2にポケット開口部を設けてもよい。前身頃2の生地にポケット部10用の生地を縫合してポケット部10を形成する場合は、ポケット部10用の生地は前身頃2の外側、着用者側のどちらに備えられていてもよいが、着用者側の方がペット13の入った収容袋6を手で支えやすいため好ましい。ポケット部10を備えることにより、ポケットに手を入れ、ポケット内部でポケットの生地越しにペット13を支えることができるため、衣類に負担がかかりにくい。ポケット部10は左右が繋がっていなくても、繋がっていてもよいが、繋がっている方がペット13を支えやすいため、繋がっている方が好ましい。
【0014】
後身頃3は、図3図4に示すように、前身頃2と袖部4の後袖および襟部5と縫合される。
後身頃3の生地は、一般的に衣類に用いられる生地であれば特に制限されるものではないが、スウェットやパーカ―に使用される生地などを使用することができ、前身頃2と同じ生地を使用することができる。
後身頃3の胸部の幅は特に制限されるものではなく、一般的な衣類で用いられる幅でよく、後身頃3の裾の幅は胸部の幅より大きく、胸部から裾に向かって幅が大きくなっていく。これにより、前述したように、後身頃3も含めてペット13を保持でき、収容袋6が安定する。
【0015】
図1のように、袖部4は前袖がラグランスリーブである。ラグランスリーブとは袖の生地と身頃の生地が襟ぐりから脇下にかけて斜めに縫合され、襟ぐりから袖が繋がっている袖のことを指す。
本発明者は、ラグランスリーブを採用し、かつ、そのラグランスリーブの縫合部の一部に収容袋6を縫合することにより、ペット13を収容袋6に入れた状態でも非常に安定して、ペット13を保持できることを発見した。
後袖は、袖の生地と身頃の生地が肩から脇下にかけてほぼ垂直に縫合されているセットインスリーブであってもよい。
袖部4の長さは、長袖、八分袖、七分袖、五分袖、半袖、ノースリーブ等挙げられる。
【0016】
襟部5は、補強部を備えることが好ましい。補強部を備えることにより、収容袋6にペット13を入れた時ペット13の重みにより襟部5が下に引っ張られて伸びてしまうことを防止でき、ペット13を収容袋6に入れても服に対する負担が小さくなる。
補強部は襟部5全部にわたっていてもよいし、一部でも良い。ペット収容袋付衣類1は、着用者から見て下側にペット13を収納するため、着用者がペットをよく見ることができるように、図2(a),図3のように襟部5の前の中心部分は補強部が備えられておらず、その他の部分は伸縮よりも強度を重視した補強部が備えられている。また、襟部5全部にわたって補強部を備える場合は前開き式とすることが好ましい。
襟部5の補強部を備える方法は、補強となる縫合法を用いる、補強材を付け加える、補強された生地を用いる等が挙げられ、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。
襟部5の補強部は、図2(a),図3で網掛けされた部分である。
【0017】
本発明のペット収容袋付衣類1は、フード部51があることにより、ペット13を入れた時の前身頃2の前下がりが防止されるため、フード部51を備えることが好ましい。フード部51は襟部5に接続されていてもよいし、襟部5がフード部51であってもよい。襟部5がフード部51である場合、襟部5の補強は襟ぐり部9に隣接する部分に施されることが好ましい。
【0018】
収容袋6は、図2(a)、図2(b)に示されるように、少なくとも、前身頃2の胸部に位置する開口部21と、ラグラン縫合部8に縫合されている。そのため、ペット13の重量が、収容袋6と開口部21の縫合部と収容袋6とラグラン縫合部8との縫合部に分散され、服に対する負担が小さくなる。
収容袋6は、前身頃2に備えられたポケット部10の上部まで脇部7に縫合されてもよい。脇部7に縫合されていることにより、収容袋6が非常に安定する。
脇部7は、前述したように脇から中心寄りに斜めに配置されており、脇部7に縫合されている部分の収容袋6の幅は、上から下に向かって小さくなっていく。
収容袋6の底部は前身頃2に縫合されていなくてもよい。収容袋6の底部が前身頃2に縫合されていないことにより、ペット13の収容袋6内における自由度が高まる。
収容袋6の内側の前身頃2の脇下部に相当する位置にリード11の一端がつけられていてもよい。
【0019】
ペット収容袋付衣類1の収容袋6は、前身頃2の生地とは独立した袋を前身頃2に縫合して形成されていてもよい。そして、図2(b)に示すように、収容袋6は、異なる生地を用いて形成することができ、収容袋6を前身頃側生地61と着用者側生地62とで構成するようにすることができる。
前身頃側生地61は着用者側生地62より伸縮の少ない生地である。前身頃側生地61を伸縮の少ない生地にすることにより、重みによる垂れ下がりを一定に保つことができる。前身頃側生地61は図2(a),図2(b)及び図3の網掛け部分である。
図2(b)のように、収容袋6の着用者側生地62の長さは、収容袋6の長さより長く、収容袋6の前身頃側生地61の長さは収容袋6の長さより短くして、着用者側生地62を前身頃側に回り込ませてもよい。着用者側生地62を前身頃側に回り込ませると収容袋6の底となる部分は着用者側生地62で構成されるため、底が安定する。
前身頃側生地61の生地は、特に限定されないが、伸縮性が少ない点で、布帛(ふはく)生地が好ましく、着用者側生地62は開口部を開いた時の外観の良さから、前身頃2及び後見頃3と同じ生地が好ましい。
収容袋6の前身頃側生地61の短辺と着用者側生地62の短辺との縫合は、補強されている。縫合の補強方法は、特に限定されないが、ロック縫いが好ましい。
以下前身頃側生地61と着用者側生地62とを縫合して収容袋6を形成した場合に水平となる縫合部を水平縫合部63と称するが、水平縫合部63が切れにくくなり、荷重3kgまで耐えることが出来る。
【0020】
裾部12はリブが使用されることが好ましく、裾部12がリブであると、裾が締まり、収容袋6が破損した場合ペット13を一時的に留めることが出来る。
【0021】
本発明のペット収容袋付衣類1のペット13を入れて着用した状態について図5を用いて説明する。図5のように、ペット13は開口部21より顔を出すことが出来る。また、ペット13はリード11でペット収容袋付衣類1と繋がっていてもよい。ペット3がリード11でペット収容袋付衣類1と繋がっていることにより、急にペット13が飛び出しても対処しやすく、また近くにいる人に安心感を与えることが出来る。
【0022】
本発明のペット収容袋付衣類は、図面では上着であるが、つなぎ服であってもよい。
【0023】
符号の説明
1 ペット収納袋付衣類
2 前身頃
21 開口部
22 切り替え部
3 後身頃
4 袖部
5 襟部
51 フード部
6 収容袋
61 前身頃側生地
62 着用者側生地
63 水平縫合部
7 脇部
8 ラグラン縫合部
9 襟ぐり部
10 ポケット部
101 ポケット開口部
11 リード
12 裾部
13 ペット
【要約】
【課題】
本発明は、ペットを入れていない時の外観は一般的な衣類であるが、ペットを入れることのできる収容袋を備え、かつペットを収容袋に入れても服に対する負担が小さいペット収容袋付き衣類を提供する。
【解決手段】
本発明のペット収容袋付き衣類は、衣類の袖をラグランスリーブとし、袖と前見頃とを縫合している縫合部にペット収容袋を縫合することにより、ペットを収容袋に入れても服に対する負担が小さい。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5