(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】表面材および車両用外装材
(51)【国際特許分類】
B32B 27/32 20060101AFI20240202BHJP
B62D 25/20 20060101ALI20240202BHJP
B32B 27/12 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
B32B27/32 Z
B62D25/20 N
B32B27/12
(21)【出願番号】P 2019137985
(22)【出願日】2019-07-26
【審査請求日】2022-06-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000229542
【氏名又は名称】日本バイリーン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 正樹
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-069813(JP,A)
【文献】特開2014-019780(JP,A)
【文献】特開平11-241298(JP,A)
【文献】特開2020-078966(JP,A)
【文献】国際公開第2010/110312(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0341335(US,A1)
【文献】特開2015-017339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B62D 25/20
D04H 1/00-18/04
B29B 11/16;15/08-15/14
C08J 5/04- 5/10;5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維集合体における一方の主面側を構成する繊維間に、ポリオレフィン系樹脂が存在してなる複合体を備えた表面材であって、
前記複合体の密度は0.37g/cm
3より高く、
前記繊維集合体の前記主面側と反対側に存在する、表面材の主面の中心線平均粗さは21.8μm未満である、
表面材
を備える車両用外装材(但し無機繊維を含むものを除く)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面材および当該表面材を備える車両用外装材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両下面の凹凸を減らして走行時の空気抵抗を抑制する、タイヤの飛び石から車両を保護する、ロードノイズを低減するなどの目的のため、車両下部に車両用外装材の一種であるアンダーボディーシールド材(以下、UBSと略すことがある)が設けられている。
このようなUBSなど車両用外装材の構成部材として、本願出願人はこれまでに特願2018-219320(特許文献1)に開示されている成型用基材不織布のような、「繊維集合体における一方の主面側を構成する繊維間に、ポリオレフィン系樹脂が存在してなる複合体を備えた表面材」について検討してきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の構成を満足する表面材を用いて調製したUBSなど車両用外装材において、路面から跳ね返った雪や氷が車両用外装材の表面に付着し易いこと、および/または、車両用外装材に付着した雪あるいは氷に路面上の水や雨水が付着して凍り付き易いことがあった。更に、このような車両用外装材から雪や氷が剥がれる際に、その表面に亀裂が発生するなど破壊されることがあった。
そして、車両用外装材の表面が破壊された場合には、車両用外装材に期待される効果(走行時の空気抵抗を抑制する効果、車体を保護する効果、ロードノイズを低減する効果)が満足に発揮されなくなるといった問題が発生した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は「(請求項1)繊維集合体における一方の主面側を構成する繊維間に、ポリオレフィン系樹脂が存在してなる複合体を備えた表面材であって、前記複合体の密度は0.37g/cm3より高く、前記繊維集合体の前記主面側と反対側に存在する、表面材の主面の中心線平均粗さは21.8μm未満である、表面材。
(請求項2)請求項1に記載の表面材を備える、車両用外装材。」である。
【発明の効果】
【0006】
本願出願人が検討を続けた結果「繊維集合体における一方の主面側を構成する繊維間に、ポリオレフィン系樹脂が存在してなる複合体を備えた表面材」に発生する上述の問題は、複合体の密度と、雪や氷あるいは水や雨水の付着面となり得る表面材の主面(繊維集合体の前記主面と反対側に存在する、表面材の主面)の中心線平均粗さに着目することで、解決可能であることを見出した。
具体的には、密度が0.37g/cm3より高い複合体を備えた表面材であると共に、表面材の前記主面の中心線平均粗さが21.8μm未満であることによって、解決可能であることを見出した。
【0007】
この理由は完全に明らかになっていないが、以下の効果が発揮されるためだと考えられた。
まず、主面が凹凸を有する表面材からなる車両用外装材では、その主面に雪や氷が付着し易くなり、また剥がれ難く(剥がれる際に車両用外装材の表面が破壊され易く)なること、そして、雪や氷が付着し易いか否か、また剥がれ難いか否かは、表面材の当該主面の中心線平均粗さによって評価できることを見出した。更に本知見のもと、その値が21.8μm未満であるときに、雪や氷が付着し難く剥がれ易い車両用外装材を提供できることを見出した。
また、車両用外装材に付着した雪あるいは氷に路面上の水や雨水が付着した場合、水や雨水が車両用外装材の内部(複合体を構成する繊維集合体)深くまで浸透することがあり、その状態で当該水や雨水が凍ると、車両用外装材の内部(複合体を構成する繊維集合体)深くまで氷が存在した状態となる。そのため、車両用外装材に付着している雪や氷がより剥がれ難くなると共に、剥がれる時に車両用外装材の表面がより破壊され易くなること、そして、車両用外装材の内部(複合体を構成する繊維集合体)深くまで氷が存在した状態となり易いか否かは、複合体の密度によって評価できることを見出した。更に本知見のもと、その値が0.37g/cm3より高いときに、雪や氷が剥がれる際に表面が破壊され難い車両用外装材を提供できることを見出した。
【0008】
以上から、本発明にかかる表面材によって、雪や氷が付着し難く剥がれ易いと共に、剥がれる時に表面が破壊され難い、車両用外装材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明にかかる表面材の、模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。
なお、本発明で説明する各種測定は特に記載のない限り、常圧のもと25℃温度条件下で測定を行った。また、本発明で説明する各種測定結果は特に記載のない限り、求める値よりも一桁小さな値まで測定で求め、当該値を四捨五入することで求める値を算出した。具体例として、少数第一位までが求める値である場合、測定によって少数第二位まで値を求め、得られた少数第二位の値を四捨五入することで少数第一位までの値を算出し、この値を求める値とした。
【0011】
本発明にかかる表面材について、その模式断面図である
図1を用いて説明する。なお、
図1では、繊維集合体とポリオレフィン系樹脂を備えることで構成された複合体のみからなる表面材を例示している。
表面材(10)は、繊維集合体(1)における一方の主面(A)側を構成する繊維間に、ポリオレフィン系樹脂(2)が存在してなる複合体(3)を備えている。ここでいう繊維間とは、繊維集合体(1)の構成繊維同士の間を指し構成繊維に囲まれ形成された空隙も含む概念である。 そして、繊維集合体(1)における一方の主面(A)側を構成する繊維間に、ポリオレフィン系樹脂(2)が存在しているとは、繊維集合体(1)の主面(A)に存在する構成繊維同士の間にポリオレフィン系樹脂(2)が存在していることに加え、繊維集合体(1)の主面(A)からもう一方の主面(
図1においては主面(B)と同一の主面となる)側に向かう繊維集合体(1)内部に存在する、構成繊維同士の間にもポリオレフィン系樹脂(2)が存在していることを含む概念である。なお、
図1では主面(B)にはポリオレフィン系樹脂(2)が存在していない態様を図示している。
そして、繊維集合体(1)の主面(A)側に対し、表面材(10)におけるその反対側に、本発明にかかる表面材の主面(B)が存在している。そして、表面材の主面(B)は車両用外装材とした際に、雪や氷あるいは水や雨水の付着面になり得る。
【0012】
本発明でいう繊維集合体とは、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの、シート状の布帛である。本発明の表面材は、繊維集合体(特に、不織布)を含んでいるため柔軟であり、金型への追従性に富み成型性に優れる表面材となる。なお、全ての構成繊維がランダムに絡合してなる繊維集合体(特に、不織布)を備えた表面材は、より柔軟であるため金型への追従性に富み成型性に優れる表面材となり好ましい。
【0013】
繊維集合体の構成繊維は、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知の有機樹脂を用いて構成できる。
【0014】
なお、これらの有機樹脂は、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、また有機樹脂がブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、また有機樹脂の立体構造や結晶性の有無がいかなるものでも、特に限定されるものではない。更には、多成分の有機樹脂を混ぜ合わせたものでも良い。また、顔料を練り込み調製された繊維や、染色された繊維などの原着繊維であってもよい。
【0015】
なお、表面材に難燃性が求められる場合には、繊維集合体の構成繊維が難燃性の有機樹脂を含んでいるのが好ましい。このような難燃性の有機樹脂として、例えば、モダアクリル樹脂、ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ノボロイド樹脂、ポリクラール樹脂、リン化合物を共重合したポリエステル樹脂、ハロゲン含有モノマーを共重合したアクリル樹脂、アラミド樹脂、ハロゲン系やリン系又は金属化合物系の難燃剤を練り込んだ樹脂などを挙げることができる。また、バインダ等を用いることで難燃剤を担持した表面材であってもよい。
【0016】
構成繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
【0017】
構成繊維は、一種類の有機樹脂から構成されてなるものでも、複数種類の有機樹脂から構成されてなるものでも構わない。複数種類の有機樹脂から構成されてなる繊維として、一般的に複合繊維と称される、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの態様であることができる。
【0018】
また、構成繊維は、略円形の繊維や楕円形の繊維以外にも異形断面繊維を含んでいてもよい。なお、異形断面繊維として、中空形状、三角形形状などの多角形形状、Y字形状などのアルファベット文字型形状、不定形形状、多葉形状、アスタリスク形状などの記号型形状、あるいはこれらの形状が複数結合した形状などの繊維断面を有する繊維であってもよい。
【0019】
繊維集合体が構成繊維として熱融着性繊維を含んでいる場合には、繊維同士を熱融着することによって、繊維集合体に強度と形態安定性を付与し、毛羽立ちや繊維の飛散を抑制でき好ましい。このような熱融着性繊維は、全融着型の熱融着性繊維であっても良いし、上述した複合繊維のような態様の一部融着型の熱融着性繊維であっても良い。このような一部融着型の熱融着性繊維として、芯鞘型の熱融着性繊維を採用することができる。当該熱融着性繊維における芯部/鞘部の組み合わせとして、例えば、ポリエチレンテルフタレート樹脂/ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテルフタレート樹脂/低融点ポリエチレンテルフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂/ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂/低融点ポリプロピレン樹脂などを採用できる。
【0020】
繊維集合体が捲縮性繊維を含んでいる場合には、伸縮性が増して金型への追従性に優れ好ましい。このような捲縮性繊維として、例えば、潜在捲縮性繊維の捲縮を発現した捲縮性繊維やクリンプを有する繊維などを使用できる。また、繊維集合体が加熱することで捲縮を発現する潜在捲縮性繊維を含んでいてもよい。
【0021】
繊維集合体が繊維ウェブや不織布である場合、例えば、上述の繊維をカード装置やエアレイ装置などに供することで繊維を絡み合わせる乾式法、繊維を溶媒に分散させシート状に抄き繊維を絡み合わせる湿式法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流を平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009-287138号公報に開示の方法)など)を用いて繊維の紡糸を行うと共にこれを捕集する方法、などによって調製できる。
【0022】
調製した繊維ウェブの構成繊維を絡合および/または一体化させて不織布を調製できる。構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法として、例えば、ニードルや水流によって絡合する方法、繊維ウェブを加熱処理へ供するなどしてバインダあるいは熱融着性繊維によって構成繊維同士を接着一体化あるいは溶融一体化させる方法などを挙げることができる。
【0023】
加熱処理の方法は適宜選択できるが、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する方法、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して含まれている有機樹脂を加熱する方法などを用いることができる。
【0024】
使用可能なバインダの種類は適宜選択するが、例えば、ポリオレフィン(変性ポリオレフィンなど)、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体などのエチレン-アクリレート共重合体、各種ゴムおよびその誘導体(スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、ウレタンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)など)、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVdF-HFP)、アクリル系樹脂などを使用できる。
バインダがアクリル系樹脂を含有していると、金型を用いたヒートプレス等の熱成型時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れる表面材を提供でき好ましい。
【0025】
また、バインダは上述した樹脂以外にも、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤、加熱を受け発泡する粒子、無機粒子、酸化防止剤などの添加剤を含有していてもよい。
構成繊維同士を絡合および/または熱融着性繊維によって一体化してなる繊維集合体であっても良いが、バインダによって一体化してなる繊維集合体である場合、繊維集合体に含まれるバインダの目付は適宜選択できる。具体的にバインダの目付は2g/m2以上であることができる。また、バインダの目付は50g/m2以下であることができ、30g/m2以下であることができ、20g/m2以下であることができる。
【0026】
繊維集合体が織物や編物である場合、上述のようにして調製した繊維を織るあるいは編むことで、織物や編物を調製できる。
【0027】
なお、繊維ウェブ以外にも不織布あるいは織物や編物など繊維集合体を、上述した構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法へ供しても良い。
【0028】
繊維集合体の構成繊維の繊度は特に限定するものではないが、剛性に優れる表面材を提供できるように、1dtex以上であることができ、1.5dtex以上であることができ、2dtex以上であることができる。他方、地合いに優れる内装材を調製可能な表面材となるように、100dtex以下であることができ、50dtex以下であることができ、30dtex以下であることができ、10dtex以下であることができる。
【0029】
また、繊維集合体の構成繊維の繊維長も特に限定するものではないが、剛性の観点から、20mm以上であることができ、25mm以上であることができ、30mm以上であることができ、40mm以上であることができ、50mm以上であることができ、60mm以上であることができる。なお、繊維集合体の構成繊維は連続長を有する繊維(メルトブロー不織布の構成繊維やスパンボンド不織布の構成繊維などを含む概念である)であってもよい。なお、「繊維長」は、JIS L1015(2010)、8.4.1c)直接法(C法)に則って測定した値をいう。
【0030】
繊維集合体の、例えば、厚さ、目付などの諸構成は、特に限定されるべきものではなく適宜調整する。
繊維集合体の厚さは、0.2~3.0mmであることができ、0.6~2.5mmであることができ、1.0~2.0mmであることができる。なお、本発明において厚さとは主面と垂直方向へ20g/cm2圧縮荷重をかけた時の該垂直方向の長さをいう。
また、繊維集合体の目付は、例えば、30~200g/m2であることができ、40~160g/m2であることができ、60~120g/m2であることができる。なお、本発明において目付とは測定対象物の最も広い面積を有する面(主面)における1m2あたりの質量をいう。
【0031】
本発明の表面材において、繊維集合体における一方の主面側を構成する繊維間に存在するポリオレフィン系樹脂として、周知のポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)を一種類、あるいは、周知のポリオレフィン系樹脂を複数混合してなる樹脂を採用できる。
【0032】
ポリオレフィン系樹脂のMFRも適宜調整できるが、JIS K6921-2に準じて測定した値が20[g/10分]以上(230[℃],2.16[Kg]:以下、測定条件の併記を省略する)であるのが好ましい。ポリオレフィン系樹脂のMFRが高すぎる場合には、通気性が過剰に高い複合体を備えた表面材となり、調製した車両用外装材の吸音性能が低下する恐れがある。そのため、ポリオレフィン系樹脂のMFRは40[g/10分]以下とするのが好ましい。
【0033】
なお、ポリオレフィン系樹脂は、例えば、難燃剤、酸化防止剤(フェノール系の酸化防止剤、リン系の酸化防止剤、リンとフェノールの複合系の酸化防止剤など)、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0034】
なお、ポリオレフィン系樹脂に酸化防止材を配合することで、耐熱性に優れた表面材を提供でき好ましい。ポリオレフィン系樹脂の質量に占める添加剤の固形分質量の百分率は、適宜調整できる。一例として、ポリオレフィン系樹脂の質量に占める酸化防止剤の固形分質量の百分率は、0.1%~5%であることができ、0.5%~4%であることができ、1%~3%であることができる。
【0035】
繊維集合体における一方の主面側を構成する繊維間に存在する、ポリオレフィン系樹脂の態様や量は、本発明による効果が効果的に発揮されるように適宜調整する。
例えば、
図1に図示した態様以外にも、繊維集合体が有する空隙全体にわたりポリオレフィン系樹脂が存在していても良い。繊維集合体の全体にポリオレフィン系樹脂が存在している態様であると、剛性に優れると共に各主面側における熱成型時の物性が近いものとなることで、金型への追従性に富み成型性に優れる表面材を提供でき好ましい。このとき、繊維集合体における一方の主面側に存在するポリオレフィン系樹脂の量と、繊維集合体における一方の主面側に存在するポリオレフィン系樹脂の量は同じでもよいが、繊維集合体における一方の主面側からもう一方の主面側に向かい、量が減少するようにポリオレフィン系樹脂が存在していてもよい。
ポリオレフィン系樹脂は繊維間を完全に埋めるように存在しても良いが、繊維間、繊維とポリオレフィン系樹脂の間、ポリオレフィン系樹脂間に間隙を有するように存在しているのが好ましい。ポリオレフィン系樹脂が間隙を有するように繊維間に存在することで、通気性を有する複合体を実現できる。通気性を有する複合体を備えた表面材によって、吸音性能に優れる車両用外装材を提供でき好ましい。
【0036】
また、繊維集合体が備えるポリオレフィン系樹脂の量は、9~180g/m2であることができ、18~135g/m2であることができ、27~90g/m2であることができる。
【0037】
複合体の、例えば、目付、厚さなどの諸物性は、本発明の効果が発揮される車両用外装材を提供できるように、適宜調整する。目付は、40~380g/m2であることができ、80~300g/m2であることができ、90~210g/m2であることができる。厚さは、0.08~1.00mmであることができ、0.14~0.80mmであることができ、0.18~0.55mmであることができる。
【0038】
本発明にかかる表面材を構成する複合体は、密度が0.37g/cm3より高いことを特徴としている。
本願出願人は、水や雨水が車両用外装材の内部(複合体を構成する繊維集合体)深くまで浸透して、雪や氷が剥がれる際に表面が破壊される原因になり得ることを見出した。そのため、水や雨水が接触することになる表面材の表面における密度にのみ注目するのではなく、表面材を構成する複合体については、その全体における密度と破壊の発生との関係性に着目する必要があることを見出したものである。
複合体の密度が高いほど、水や雨水が車両用外装材の内部(複合体を構成する繊維集合体)深くまで浸透するのを防止でき、雪や氷が剥がれる際に表面が破壊され難い車両用外装材を提供できると考えられることから、複合体の密度は0.38g/cm3以上であるのが好ましく、0.39g/cm3以上であるのがより好ましく、0.40g/cm3以上であるのがより好ましく、0.41g/cm3以上であるのが更に好ましい。なお、密度の上限値は適宜調整できるものであるが、表面材の成型性が劣る恐れがあることから、0.75g/cm3以下であるのが現実的である。
この「密度」は、複合体の「目付」を「厚さ」で除して得られる計算値を意味する。
【0039】
以上の構成を有する複合体は、そのまま表面材とできるが、更に別の多孔体、フィルム、発泡体などの構成部材を設けて表面材を調製してもよい。これらの複合体における主面(A)側に積層して備えることができる。
【0040】
本発明にかかる表面材における、繊維集合体の主面(A)側と反対側に存在する、主面の中心線平均粗さは21.8μm未満であることを特徴としている。
表面材の当該主面の中心線平均粗さが小さいほど、雪や氷が付着し難く剥がれ易い車両用外装材を提供できると考えられることから、表面材の当該主面の中心線平均粗さは21.5μm以下であるのが好ましく、21.0μm以下であるのが好ましく、20.5μm以下であるのが好ましく、20.0μm以下であるのが好ましく、19.5μm以下であるのが好ましく、19.0μm以下であるのがより好ましく、18.5μm以下であるのが更に好ましい。なお、表面材の当該主面の中心線平均粗さの下限値は適宜調整できるものであるが、7.0μm以上であるのが現実的である。
この「中心線平均粗さ」は一般的にRaとして表される値であり、表面粗さとはJIS B0601:2013「製品の幾何特性仕様(GPS)-表面性状:輪郭曲線方式-用語,定義及び表面性状パラメータ」に記載されている方法に基づき求められる、算術平均高さの値(単位:μm)である。なお、中心線平均粗さの測定には(株)東京精密社製SURFCOM 130A‐カラー(カットオフ値:0.8mm、稼働速度:0.6mm/s、針圧:70mg(0.7mN)、触針先端形状:2μmR60°円錐)を用いて、当該装置へ表面材を供することで求めた。
【0041】
次に、本発明の表面材の製造方法について説明する。なお、上述した項目と構成を同じくする点については説明を省略する。
本発明にかかる表面材の製造方法は適宜選択できるが、一例として、
(1)繊維集合体を用意する工程、
(2)繊維集合体の一方の主面(
図1におけるA)上に、ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層を設け積層体を調製する工程、
(3)積層体を加熱工程へ供し、前記樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂を融解することで、繊維集合体における一方の主面側を構成する繊維間にポリオレフィン系樹脂を染み込ませる工程、
(4)工程(3)の後に冷却して、繊維集合体における一方の主面側を構成する繊維間に、ポリオレフィン系樹脂が存在してなる複合体を調製する工程、
を備える、表面材の製造方法を挙げることができる。
【0042】
工程(1)について説明する。
繊維集合体として、例えば、繊維ウェブや不織布、あるいは、織物や編み物などの、シート状の布帛を用意する。なお、繊維集合体における構成繊維の繊度や繊維長、繊維集合体の厚さや目付は上述した数値のものを採用できる。
【0043】
工程(2)について説明する。
ポリオレフィン系樹脂の種類は前述したものを採用できる。
ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層を設ける方法は適宜選択でき、繊維集合体の一方の主面上にポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを積層する方法、Tダイなどを用いて繊維集合体の一方の主面上に溶融したポリオレフィン系樹脂を押し出し、直接ラミネートする方法などを採用できる。また、フィルムの厚さや目付ならびに開孔を有するフィルムであるか否、直接ラミネートするポリオレフィン系樹脂の質量は適宜調整できる。
なお、溶融したポリオレフィン系樹脂が繊維集合体における一方の主面側を構成する繊維間に染み込み易いよう、また、調製された複合体が通気性を有するものであるよう、ポリオレフィン系樹脂として、未延伸のポリオレフィン系樹脂(より好ましくは、未延伸のポリプロピレン樹脂)を採用するのが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂のMFRは20[g/10分]以上であるのが好ましい。
更に、添加剤を含有したポリオレフィン系樹脂を採用することで、添加剤を含有する複合体を調製できる。
【0044】
工程(3)について説明する。
加熱工程において使用する方法は適宜選択できるが、例えば、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機、コンベア型加熱機などの加熱機へ供し加熱するなどして、溶媒あるいは分散媒を蒸発させ除去できる。
加熱温度はポリオレフィン系樹脂を融解できる温度であればよく、繊維集合体など構成部材の形状や機能などが意図せず低下することがないよう、加熱温度の上限を選択する。また、加熱時間も本発明の効果が発揮されるよう適宜調整できる。
なお、繊維集合体が繊維ウェブの場合には、本工程によって構成繊維同士を接着する(溶融したバインダで接着する、あるいは、構成繊維に含まれる熱可塑性成分を溶融させ接着する)ことで、不織布を形成してもよい。
更に、加熱を受け発泡する粒子を備えている場合には、本工程によって当該粒子を発泡させてもよい。
【0045】
工程(4)について説明する。
冷却して複合体を調製する方法は適宜選択でき、一例として、室温雰囲気下で放冷する方法を採用できる。
【0046】
上述の製造方法により調製した複合体は、そのまま表面材として使用できるが、更に別の多孔体、フィルム、発泡体などの構成部材を、複合体における主面(A)側に積層して表面材を調製してもよい。
また、用途や使用態様に合わせて形状を打ち抜くなどして加工する工程や、リライアントプレス処理などの厚さなどの諸物性を調整する工程などの、各種二次工程へ供して表面材を調製してもよい。
本発明にかかる表面材を周知の成型加工機へ供することで、UBSなど車両用外装材を調製できる。
【実施例】
【0047】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0048】
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:255℃)からなるスパンボンド不織布(目付:90g/m2、繊度:9dtex)を用意した。そして、スパンボンド不織布の一方の主面上に、Tダイを用いて、無延伸ポリプロピレン樹脂を押し出し直接ラミネートした。それにより、スパンボンド不織布の一方の主面上に、フィルム状の無延伸ポリプロピレン樹脂層(目付:54g/m2、厚さ:60μm、融点:160℃、MFR:30g/10分)を備えた積層体を調製した。
そして、積層体を1.5m/minの速度でリライアントプレス機(圧力:0.4MPa、加熱温度:195℃)へ供することで、積層体に圧力を作用させると共に加熱することで無延伸ポリプロピレン樹脂を融解させ、スパンボンド不織布における一方の主面側を構成する繊維間に染み込ませた。
その後、室温雰囲気下で放冷することにより、スパンボンド不織布における一方の主面側を構成する繊維間に、フィルム状の無延伸ポリプロピレン樹脂層由来のポリプロピレン樹脂が存在してなる複合体を調製した。
なお、複合体の繊維集合体における一方の主面側からもう一方の主面側に向かい、量が減少するようにポリプロピレン樹脂が存在していた。また、複合体の繊維集合体におけるもう一方の主面側を構成する繊維間には、ポリプロピレン樹脂は存在していなかった。
【0049】
(実施例2、比較例1~2)
リライアントプレス機による積層体へ作用させる圧力と加熱温度を、以下の通り変更したこと以外は、実施例1と同様にして、スパンボンド不織布における一方の主面側を構成する繊維間に、フィルム状の無延伸ポリプロピレン樹脂層由来のポリプロピレン樹脂が存在してなる複合体を調製した。
・実施例2:リライアントプレス機(圧力:0.4MPa、加熱温度:180℃)
・比較例1:リライアントプレス機(圧力:0.2MPa、加熱温度:180℃)
・比較例2:リライアントプレス機(圧力:0.2MPa、加熱温度:165℃)
なお、調製したいずれの複合体においても、複合体の繊維集合体における一方の主面側からもう一方の主面側に向かい、量が減少するようにポリプロピレン樹脂が存在していた。 また、調製したいずれの複合体においても、複合体の繊維集合体におけるもう一方の主面側を構成する繊維間には、ポリプロピレン樹脂は存在していなかった。
【0050】
(実施例3)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:255℃)からなるスパンボンド不織布(目付:60g/m2、繊度:9dtex)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、スパンボンド不織布における一方の主面側を構成する繊維間に、フィルム状の無延伸ポリプロピレン樹脂層由来のポリプロピレン樹脂が存在してなる複合体を調製した。
なお、複合体の繊維集合体における一方の主面側からもう一方の主面側に向かい、量が減少するようにポリプロピレン樹脂が存在していた。また、複合体の繊維集合体におけるもう一方の主面側を構成する繊維間には、ポリプロピレン樹脂は存在していなかった。
【0051】
(比較例3)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点:255℃)からなるスパンボンド不織布(目付:120g/m2、繊度:9dtex)を用意した。そして、スパンボンド不織布の一方の主面上に、Tダイを用いて、無延伸ポリプロピレン樹脂を押し出し直接ラミネートした。それにより、スパンボンド不織布の一方の主面上に、フィルム状の無延伸ポリプロピレン樹脂層(目付:36g/m2、厚さ:40μm、融点:160℃、MFR:30g/10分)を備えた積層体を調製した。
このようにして調製した積層体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、スパンボンド不織布における一方の主面側を構成する繊維間に、フィルム状の無延伸ポリプロピレン樹脂層由来のポリプロピレン樹脂が存在してなる複合体を調製した。
なお、複合体の繊維集合体における一方の主面側からもう一方の主面側に向かい、量が減少するようにポリプロピレン樹脂が存在していた。また、複合体の繊維集合体におけるもう一方の主面側を構成する繊維間には、ポリプロピレン樹脂は存在していなかった。
【0052】
以上のようにして調製した複合体をそのまま表面材とみなし、以下の評価結果と各種物性を合わせ表1にまとめた。
【0053】
(氷剥離性の評価方法)
(1)ゴムマット(一辺:300mm、非通液性)およびポリプロピレン樹脂フィルム(一辺:300mm、非通液性)を積層してなる下敷きを、ゴムマット側が重力方向側に存在させると共に、重力方向側と反対側(垂直方向側)に露出するポリプロピレン樹脂フィルムの主面が水平をなすようにして、卓上に静置した。
(2)露出するポリプロピレン樹脂製シートの主面上に、表面材から採取した試料(一辺:200mm)を静置した。なお、実施例および比較例で調製した表面材から採取した試料については、フィルム状の無延伸ポリプロピレン樹脂層を設けた側の主面と、ポリプロピレン樹脂製シートの露出する主面が面するようにした。
(3)試料の露出している主面上に、JIS G3444:2015に開示されているSTK500の材質を用いて調製された円筒冶具(外直径:48.6mm、内直径:44mm、高さ:30mm、厚さ:2.3mm)を、円筒の端部部分が当該主面に面するようにして静置した。
(4)下敷きと試料ならびに円筒冶具をその状態のまま、無風環境かつ温度を-15±2℃に調整した低温室中へ運び入れ、1時間冷却した。
(5)冷却された円筒冶具における、試料と円筒冶具に囲まれ形成された空間中へ、5℃以下の水5mlを5秒間かけ注ぎ入れた後、15分間低温室中におくことで水を冷却し凍結させた。(6)次いで、当該空間中へ、5℃以下の水5mlを5秒間かけ注ぎ入れた後、30分間低温室中におくことで水を冷却し凍結させた。
(7)再度、当該空間中へ、5℃以下の水5mlを5秒間かけ注ぎ入れた後、30分間低温室中におくことで水を冷却し凍結させた。
(8)最後に、当該空間中へ、5℃以下の水15mlを5秒間かけ注ぎ入れた後、150分間低温室中におくことで水を冷却し凍結させた。
(9)円筒冶具の外周面にフォースゲージ(50Nまで測定可能)を固定した。
(10)試料の露出している部分を抑えた状態で、フォースゲージを垂直方向へ引っ張ることで円筒冶具を垂直方向へ引っ張り、試料の主面から円筒冶具中で凍結している氷ごと円筒冶具を完全に剥離させた。
(11)完全に剥離するまでにフォースゲージによって測定された荷重の最大値を、剥離荷重(単位:N)とした。なお、剥離荷重の値が小さいほど、測定へ供した表面材は雪や氷が剥がれ易いことを意味する。
(10)試料における円筒冶具を剥離した主面部分を目視で観察することで、付着した雪や氷が剥がれる時に表面が破壊され難い、車両用外装材を提供できる表面材であるか否かを評価した。
「×」・・・試料の当該主面部分に亀裂が発生していた。そのため、本表面材によって、付着した雪や氷が剥がれる時に表面が破壊され難い車両用外装材を提供できないと判断した。
「〇」・・・試料の当該主面部分に亀裂は発生していなかった。そのため、本表面材によって、付着した雪や氷が剥がれる時に表面が破壊され難い車両用外装材を提供できると判断した。
【0054】
【0055】
表1にまとめた結果から、
(1)中心線平均粗さが同等である比較例1と実施例1を比較した結果から、複合体の密度が0.37g/cm3より高いときに、
そして、
(2)密度が同等である比較例3と実施例2を比較した結果から、繊維集合体のポリオレフィン系樹脂が存在する主面側と反対側に存在する、表面材の主面の中心線平均粗さは21.8μm未満であるときに、
剥離荷重が低く氷剥離性に優れる表面材を提供できることが判明した。
このことは、(1)(2)の両構成を共に満足する実施例1~3の表面材が、いずれも剥離荷重が低く氷剥離性に優れる表面材であったことからも明らかであった。
【0056】
以上から、本発明にかかる表面材によって、雪や氷が付着し難く剥がれ易いと共に、剥がれる時に表面が破壊され難い、車両用外装材を提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の表面材は、車両用外装材の構成部材として、好適に使用できる。
【符号の説明】
【0058】
10:表面材
1:繊維集合体
2:ポリオレフィン系樹脂
3:複合体
A:繊維集合体における一方の主面
B:繊維集合体の主面(A)側と反対側に存在する、表面材の主面