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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】ドラムロッドスクリーン
(51)【国際特許分類】
   B07B 1/22 20060101AFI20240202BHJP
【FI】
B07B1/22 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020027735
(22)【出願日】2020-02-21
(65)【公開番号】P2021130099
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2023-02-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1 集会名 長崎県建設発生土リサイクル事業協同組合4月定例会 主催者 長崎県建設発生土リサイクル事業協同組合 主催者の住所 長崎県諫早市飯盛町里2047番地1 開催日 平成31年4月19日 開催場所 諫早市役所商工振興部 つくば倶楽部 開催場所の住所 長崎県諫早市津久葉町5-115 公開者 株式会社幸袋テクノ 公開者の住所 福岡県飯塚市有安958番地23 2 集会名 3団体合同説明会 参加団体 (1)長崎県建設発生土リサイクル事業協同組合 住所 長崎県諫早市飯盛町里2047番地1 (2)宮城県建設発生土リサイクル協同組合 住所 宮城県仙台市宮城野区中野字資田18-2 (3)埼玉県建設発生土リサイクル協会 住所 埼玉県さいたま市南区鹿手袋4-1-7 埼玉建産連会館3F 開催日 令和1年6月14日 開催場所 L&Lホテルセンリュウ 開催場所の住所 長崎県諫早市永昌東町13-29 公開者 株式会社幸袋テクノ 公開者の住所 福岡県飯塚市有安958番地23
(73)【特許権者】
【識別番号】503110266
【氏名又は名称】株式会社幸袋テクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100114731
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 重男
(72)【発明者】
【氏名】祖田 強
(72)【発明者】
【氏名】吉冨 康平
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-005346(JP,A)
【文献】特開2010-005614(JP,A)
【文献】特表平04-503630(JP,A)
【文献】実開昭59-193580(JP,U)
【文献】特開昭55-22378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 1/00-15/00
B01F 35/75
B09C 1/00
B02C 1/00-25/00
B01D 24/00-35/05、35/10-37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側に一対の軸受円環状フレームが円筒共通中心軸上に配設され、上記各軸受円環状フレームの周方向に複数の軸受孔が設けられ、両側の上記各軸受孔間に複数の固定ロッドが接続されると共に、両側の上記各軸受孔間に複数の回転ロッドが、各両端の先端支持軸を、上記各軸受孔内に抜け止め状態に遊挿支持されることにより、ロッド中心軸の周りに回転可能に設けられ、両側の上記軸受円環状フレームと、上記複数の固定ロッド及び上記回転ロッドにより円筒形スクリーンが構成され、上記円筒形スクリーンが台枠上に上記円筒共通中心軸を中心に回転可能に支持されてなるドラムロッドスクリーンにおいて、
両側の上記軸受円環状フレーム間に、中間軸受円環状フレームが上記円筒共通中心軸を共通に設けられ、上記中間軸受円環状フレームには周方向に複数の軸受孔が設けられ、
上記固定ロッドは上記中間軸受円環状フレームの上記各軸受孔を貫通するように設けられ、
上記回転ロッドは、一方側の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間に設けられる分割回転ロッドと、他方側の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間に設けられる分割回転ロッドとに、上記ロッド中心軸の方向に分割され、
上記各分割回転ロッドの各分割端に先端支持軸が各々形成され、上記各分割端の上記各先端支持軸は、上記中間軸受円環状フレームの上記各軸受孔内に両側から遊挿されることにより、上記ロッド中心軸に沿う上記各分割回転ロッドは、上記各ロッド中心軸の周りに各々独立して回転し得るように構成されたものであるドラムロッドスクリーン。
【請求項2】
両側の上記軸受円環状フレーム間に、上記円筒共通中心軸を共通に、上記中間軸受円環状フレームが複数設けられ、上記回転ロッドは上記ロッド中心軸の方向に、一方側の上記軸受円環状フレームとそれに隣接する上記中間軸受円環状フレーム間に設けられた分割回転ロッドと、他方側の上記軸受円環状フレームとそれに隣接する上記中間軸受円環状フレーム間に設けられた分割回転ロッドと、上記中間軸受円環状フレーム間に設けられた分割回転ロッドとに各々分割され、上記各分割回転ロッドの各分割端に先端支持軸が各々形成され、
上記各分割回転ロッドは、上記ロッド中心軸に沿って設けられた上記各分割端の上記各先端支持軸が、上記複数の上記中間軸受円環状フレームの各軸受孔内に遊挿されることにより、上記各分割回転ロッドは、上記各ロッド中心軸の周りに、各々独立して回転し得るように構成された請求項1記載のドラムロッドスクリーン。
【請求項3】
上記分割回転ロッドの上記一方側の上記軸受円環状フレームの上記軸受孔に挿入される上記先端支持軸が設けられた一端部は、その先端支持軸に向けて先細のテーパ部が形成され、
上記分割回転ロッドの上記他方側の上記軸受円環状フレームの上記軸受孔に挿入される上記先端支持軸が設けられた他端部は、その先端支持軸に向けて先細のテーパ部が形成されたものである請求項1又は2記載のドラムロッドスクリーン。
【請求項4】
上記各分割回転ロッドは、横断面が方形の角ロッドである請求項1~3の何れかに記載のドラムロッドスクリーン。
【請求項5】
上記各分割回転ロッドは、両側の上記軸受円環状フレーム及び上記中間軸受円環状フレームの上記各軸受孔の直径より長い対角線を有する中空被覆管により被覆されているものである請求項1~4の何れかに記載のドラムロッドスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば土、泥等の付着物のある高水分、高粘性の原料の篩分けに適したドラムロッドスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるドラムロッドスクリーンといわれる回転篩分け装置は、前後に一対の円環状フレームが円筒共通中心軸上に配置され、各円環状フレーム間を複数本のロッドで接続して円筒形スクリーンを構成し、一方、台枠上には、上記環状フレームの外周面に対応し得る前後一対ずつの回転ローラを軸支し、上記円筒形スクリーンの前後の各円環状フレームの各外周面を、前後の上記各回転ローラ上に載置し、上記台枠上に設置された駆動モータの駆動軸と上記回転ローラの駆動軸とを接続し、上記駆動モータを駆動して上記回転ローラを回転することにより、上記円筒形状のスクリーンを上記円筒共通中心軸を中心に一方向に回転させる構造であった。
【0003】
そして、円筒形スクリーンが回転している状態で、該スクリーンの入口側から円筒形スクリーン内に原料を投入し、隣接するロッドの間隙(目開き)より小の原料はスクリーンの回転中に下方に落下し、ロッドスクリーンの下方に配置されたベルトコンベアにより所定場所に搬送され、隣接するロッドの間隙(目開き)より大の原料はスクリーンの入口とは反対側の出口側からスクリーン外に排出され、出口側に配置されたベルトコンベアにより所定場所に搬送される構成であった(特許文献1)。
【0004】
そして、特許文献1の円筒形スクリーンは、前方側の円環状フレームと、後方側の円環状フレームとは、円周方向に所定角度毎に複数の固定ロッドによって接続されることによってフレームの骨格が形つくられ、各固定ロッド間に、両端の先端支持軸を、上記円環状フレームに穿設された軸受孔内に遊挿することにより、ロッド中心軸の周りに回転可能な回転ロッドが複数本設けられており、ドラムロッドスクリーンが回転すると共に、上記各回転ロッドが各々回転することにより、ドラムロッドスクリーン中に投入される砕石等から、高粘性、高含水性の泥等を除去することが可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-5614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記前方側の円環状フレームと、後方側の円環状フレームとの間に設けられる周方向に隣接する複数の上記回転ロッドは、ロッド中心軸の方向(前後方向)には各々1本であるため、円筒形フレームが前後に長くなると、各回転ロッドもそれに応じて長くする必要があるため、各回転ロッド1本の重量が重くなり、その結果、各回転ロッドの回転運動が阻害され、粘性材料の複数の回転ロッドへの居付き、或いは、回転ロッド間の目詰まりが発生する、という課題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、回転ロッドを軸方向に分割し、各分割回転ロッドを回転し易くすることにより、円筒形スクリーンに対する原料の居付き、目詰まり等を防止したドラムロッドスクリーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため本発明は、
【0009】
第1に、両側に一対の軸受円環状フレームが円筒共通中心軸上に配設され、上記各軸受円環状フレームの周方向に複数の軸受孔が設けられ、両側の上記各軸受孔間に複数の固定ロッドが接続されると共に、両側の上記各軸受孔間に複数の回転ロッドが、各両端の先端支持軸を、上記各軸受孔内に抜け止め状態に遊挿支持されることにより、ロッド中心軸の周りに回転可能に設けられ、両側の上記軸受円環状フレームと、上記複数の固定ロッド及び上記回転ロッドにより円筒形スクリーンが構成され、上記円筒形スクリーンが台枠上に上記円筒共通中心軸を中心に回転可能に支持されてなるドラムロッドスクリーンにおいて、両側の上記軸受円環状フレーム間に、中間軸受円環状フレームが上記円筒共通中心軸を共通に設けられ、上記中間軸受円環状フレームには周方向に複数の軸受孔が設けられ、上記固定ロッドは上記中間軸受円環状フレームの上記各軸受孔を貫通するように設けられ、上記回転ロッドは、一方側の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間に設けられる分割回転ロッドと、他方側の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間に設けられる分割回転ロッドとに、上記ロッド中心軸の方向に分割され、上記各分割回転ロッドの各分割端に先端支持軸が各々形成され、上記各分割端の上記各先端支持軸は、上記中間軸受円環状フレームの上記各軸受孔内に両側から遊挿されることにより、上記ロッド中心軸に沿う上記各分割回転ロッドは、上記各ロッド中心軸の周りに各々独立して回転し得るように構成されたものであるドラムロッドスクリーンにより構成される。
【0010】
上記回転ロッドの両端の先端支持軸が上記軸受孔内に抜け止め状態に遊挿支持されるとは、例えば軸受円環状フレーム(5,6)の外面に閉鎖円環状フレーム(16)を設け、上記閉鎖円環状フレーム(16)に上記各先端支持軸(14a,14a)を遊挿支持する軸受孔(29)を複数設け、上記軸受孔(29)の直径を上記回転ロッド(14,14’)の対角線の長さ(b)よりも小とすることをいう。上記一方側の上記軸受円環状フレームとは例えば前側の軸受円環状フレーム(5)をいう。上記他方側の上記軸受円環状フレームとは例えば後側の軸受円環状フレーム(6)をいう。上記円筒形スクリーンを台枠上に回転可能に支持するとは、上記台枠(3)上に回転ローラ(15a,15a’、15b,15b’)を設け、上記円筒形スクリーン(2)を上記回転ローラ上に載置し、駆動モータにより上記回転ローラを駆動することにより、円筒形スクリーンを回転可能に支持することをいう。このように構成すると、分割回転ロッドは、ロッド中心軸の方向に例えば2分割されるため、分割回転ロッドのGD2が減少して回転し易くなり、各分割回転ロッドが独立して回転可能であるため、原料の篩動作過程において、各分割回転ロッドが独立して回転することにより、原料の居付き或いは目詰まりを改善することができる。
【0011】
第2に、両側の上記軸受円環状フレーム間に、上記円筒共通中心軸を共通に、上記中間軸受円環状フレームが複数設けられ、上記回転ロッドは上記ロッド中心軸の方向に、一方側の上記軸受円環状フレームとそれに隣接する上記中間軸受円環状フレーム間に設けられた分割回転ロッドと、他方側の上記軸受円環状フレームとそれに隣接する上記中間軸受円環状フレーム間に設けられた分割回転ロッドと、上記中間軸受円環状フレーム間に設けられた分割回転ロッドとに各々分割され、上記各分割回転ロッドの各分割端に先端支持軸が各々形成され、上記各分割回転ロッドは、上記ロッド中心軸に沿って設けられた上記各分割端の上記各先端支持軸が、複数の上記中間軸受円環状フレームの各軸受孔内に遊挿されることにより、上記各分割回転ロッドは、上記各ロッド中心軸の周りに、各々独立して回転し得るように構成された上記第1記載のドラムロッドスクリーンにより構成される。
【0012】
上記一方側の上記軸受円環状フレームとは例えば前側の軸受円環状フレーム(5)をいう。上記他方側の上記軸受円環状フレームとは例えば後側の軸受円環状フレーム(6)をいう。中間軸受円環状フレームを例えば2個設けた場合は、回転ロッドは3分割されることになり、2分割の場合に比較して、各分割回転ロッドのGD2をさらに減少することができる。そして、各分割回転ロッドは各々独立して回転可能であるため、原料の居付き、目詰まりをより抑制することが可能となる。
【0013】
第3に、上記分割回転ロッドの上記一方側の上記軸受円環状フレームの上記軸受孔に遊挿される上記先端支持軸がけられた一端部は、その先端支持軸に向けて先細のテーパ部が形成され、上記分割回転ロッドの上記他方側の上記軸受円環状フレームの上記軸受孔に挿入される上記先端支持軸が設けられた他端部は、その先端支持軸に向けて先細のテーパ部が形成されたものである上記第1又は2記載のドラムロッドスクリーンにより構成される。
【0014】
上記分割回転ロッドの上記一方側の上記軸受円環状フレームの上記軸受孔に挿入される上記先端支持軸が設けられた一端部とは、例えば、前側の軸受円環状フレーム(5)の軸受孔(9)に挿入される分割回転ロッド(14)の端部(範囲N)をいう。上記分割回転ロッドの上記他方側の上記軸受円環状フレームの上記軸受孔に挿入される先端支持軸が設けられた他端部とは、例えば、後側の軸受円環状フレーム(6)の軸受孔(9)に挿入される分割回転ロッド(14’)の端部(範囲N)をいう。このように構成すると、各分割回転ロッドの一端部又は他端部のテーパ部と軸受孔の内面との間隙が拡大するため、例えば原料が上記間隙内に入り込んだとしても容易に排出されるし、入り込んだ原料の間隙内での自由度が高いため、分割回転ロッドのロッド中心軸の周りの回転が阻害されることを抑止し得る。
【0015】
第4に、上記分割回転ロッドは、横断面が方形の角ロッドである上記第1~3の何れかに記載のドラムロッドスクリーンにより構成される。
【0016】
このように構成すると、角ロッドの角等に原料が当接することにより、分割回転ロッドが回転し易くなるため、高粘性、高含水の泥等の原料のロッドへの居付きを防止することが可能となる。
【0017】
第5に、上記各分割回転ロッドは、両側の上記軸受円環状フレーム及び上記中間軸受円環状フレームの上記各軸受孔の直径より長い対角線を有する中空被覆管により被覆されているものである上記第1~4の何れかに記載のドラムロッドスクリーンにより構成される。
【0018】
このように構成すると、隣接する上記分割回転ロッド間の間隙が篩目となるが、上記中空被覆管によって上記篩目の大きさを減少させることができ、原料の性状に合わせて篩目の大きさを調整することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、分割回転ロッドは、ロッド中心軸の方向に例えば2分割又は3分割されるため、分割回転ロッドのGD2が減少すると共に、各分割回転ロッドが独立して回転可能であり、原料の篩動作過程において、各分割回転ロッドが回転し易くなると共に、独立して回転することが可能となるため、原料の居付き或いは目詰まりを改善することができる。
【0020】
また、分割回転ロッドにテーパ部を設けることにより、各分割回転ロッドの一端部又は他端部のテーパ部と軸受孔の内面との間隙が拡大するため、例えば原料が上記間隙内に入り込んだとしても容易に排出されるし、入り込んだ原料の間隙内での自由度が高いため、分割回転ロッドのロッド中心軸の周りの回転が阻害されることを抑止し得る。
【0021】
また、分割回転ロッドの角ロッドの角等に原料が当接することにより、各分割回転ロッドが回転し易いため、高粘性、高含水の泥等の原料のロッドへの居付きを効果的に防止することが可能となる。
【0022】
また、隣接する上記分割回転ロッド間の間隙が篩目となるが、分割回転ロッドに中空被覆管を装着することによって上記篩目の大きさを減少させることができ、原料の性状に合わせて篩目の大きさを調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係るドラムロッドスクリーンの側面図を示す(分割回転ロッドは第2実施形態のテーパ部を有するものを示す)。
図2】同上ドラムロッドスクリーンの円筒形スクリーンのみの側面図を示す(分割回転ロッドは第1実施形態のテーパ部がないものを示す)。
図3図1の矢印B方向からみた正面図である。
図4図1の矢印C方向からみた背面図である。
図5図2のD-D線断面図である(前方側の軸受円環状フレーム)。
図6図2のE-E線断面図である(中間軸受円環状フレーム)。
図7図2のG-G線断面図である(挿通円環状フレーム)。
図8図2のF-F線断面図である(後方側の軸受円環状フレーム)。
図9】同上ドラムロッドスクリーンの分割回転ロッドの拡大側面図である。
図10】同上ドラムロッドスクリーンの前方側の分割回転ロッドの拡大側面図である。
図11】同上ドラムロッドスクリーンの前方側近傍の分割回転ロッドのフレームに沿った一部断面図である。
図12】(a)は分割回転ロッドと軸受円環状フレームの軸受孔との関係を示す図、(b)は中空被覆管を装着した状態の分割回転ロッドと軸受円環状フレームの軸受孔との関係を示す図、(c)は分割回転ロッドの先端支持軸と閉鎖円環状フレームの軸受孔との関係を示す図である。
図13】(a)は分割回転ロッドの先端支持軸と中間軸受円環状フレームの軸受孔との関係を示す図、(b)は中空被覆管を装着した状態の分割回転ロッドの先端支持軸と中間軸受円環状フレームの軸受孔との関係を示す図である。
図14】(a)は分割回転ロッドと挿通円環状フレームの挿通孔との関係を示す図、(b)は中空被覆管を装着した状態の分割回転ロッドと挿通円環状フレームの挿通孔との関係を示す図である。
図15】同上ドラムロッドスクリーン前方側の分割回転ロッドの拡大側面図である(分割回転ロッドは第2実施形態のテーパ部があるものを示す)。
図16】同上ドラムロッドスクリーンの第2実施形態のテーパ部を設けた分割回転ロッドを示すものであり、(a)は正面図、(b)は(a)のO-O線断面図、(c)は(a)のR-R線断面図である。
図17】(a)は第2実施形態のテーパ部を有する分割回転ロッドと軸受円環状フレームの軸受孔との関係を示す図、(b)は第3実施形態の中空被覆管を装着した状態の分割回転ロッドと軸受円環状フレームの軸受孔との関係を示す図である。
図18】(a)は分割回転ロッドの斜視図、(b)は第3実施形態の中空被覆管を装着した分割回転ロッドの斜視図である。
図19】分割回転ロッド間、分割回転ロッドと固定ロッド間との間隙を示す円筒形スクリーンの一部横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るドラムロッドスクリーンについて詳細に説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図1は、本発明のドラムロッドスクリーン1の概略側面図(分割回転ロッド14,14’はテーパ部27(重複)を有する第2実施形態のもの)、図2は円筒形スクリーン2のみの概略側面図であり、台枠3(図1参照)の上に円筒共通中心軸Pを中心に、前方側の回転ローラ15a,15a’(台枠3上に回転自在に支持されている、図3参照)、後方側の回転ローラ15b,15b’(台枠3上に回転自在に支持されている、図4参照)によって、矢印A方向に回転可能に支持されている。
【0026】
図1において、紙面に向かって左側を「前方」、紙面に向かって右側を「後方」といい、「前方」から「後方」を向いた場合の左右方向を「左右」と定義付ける。また、図1において中間軸受円環状フレーム10を内側、中間軸受円環状フレーム10より前方側、又は、後方側を、外側ともいう。
【0027】
上記円筒形スクリーン2は、前方側の軸受円環状フレーム5(図3図5参照)と、後方側の軸受円環状フレーム6(図4図8参照)と、これらの軸受円環状フレーム5,6の軸受孔7,7(各8個ずつ、図3図4中黒塗部分)間を連結するように、各円環状フレームの周方向に設けられた8本の固定ロッド8(ロッド中心軸Qの方向には1本)、及び、軸受円環状フレーム5,6の軸受孔9,9(図5図8参照、各32個ずつ)の間を連結するように、各円環状フレームの周方向に設けられた回転ロッドとしての分割回転ロッド14,14’(ロッド中心軸Qの方向に2分割されており、前半の分割回転ロッド14は32本、後半の分割回転ロッド14’も32本)により、全体が円筒形の籠型に構成されており、周方向に隣接する分割回転ロッド14,14’の間隙S1(図11参照)、及び、分割回転ロッド14,14’と固定ロッド8との間隙S1が、各々篩目として機能するものである。尚、円筒形スクリーン2の円筒共通中心軸をP、各ロッドのロッド中心軸(固定ロッド8の8本の中心軸と、分割回転ロッド14,14’の32本の中心軸)をQで示す(図1図9図10参照)。
【0028】
尚、図1は円筒形スクリーン2の上方にロッド中心軸Qに沿う前後に2分割された分割回転ロッド14,14’、円筒形スクリーン2の下方にロッド中心軸Q上の1本の固定ロッド8を表示し、その他のロッドは便宜上一点鎖線にて表示しているが、実際には上述のように、固定ロッド8は8本、分割回転ロッド14,14’は各々32本ずつ存在している(図3等参照)。
【0029】
従って、矢印A方向に回転中の円筒形スクリーン2内に前方側から原料が投入され、ロッド間の間隙S1より小の原料は円筒形スクリーン2外の下方に落下し、ロッド間の間隙S1より大の原料は、円筒形スクリーン2の後方側に追いやられ、小円筒4から外部に排出される。回転ローラ15a,15b等の駆動機構については後述する。
【0030】
上記ドラムロッドスクリーン1を前方側(矢印B方向)からみた正面図を図3に、上記ドラムロッドスクリーン1を後方側(矢印C方向)からみた背面図を図4に示す。また、図5図2のD-D線断面図(前側の軸受円環状フレーム5)、図6図2のE-E線断面図(中間軸受円環状フレーム10)、図8図2のF-F線断面図(後側の軸受円環状フレーム6)、図7図2のG-G線断面図(挿通円環状フレーム11)を示す。
【0031】
これらの図面に示すように、前方側には、リング状の軸受円環状フレーム5、後方側には、同一直径のリング状の軸受円環状フレーム6が、上記円筒共通中心軸Pを中心として設けられており(内円の半径kは共通(図5図8参照))、上記両側の軸受円環状フレーム5,6の各板面(各対向面)には、周方向に45度の角度毎に固定ロッド8用の8個の軸受孔7が、上記共通中心軸Pから等距離(半径r、図5図8参照)の円周上に、各軸受孔7,7の中心が一致するように貫通形成されている。これらの軸受孔7は図3図4図5図8も同じ)において黒塗にて示している。
【0032】
これらの両側の軸受円環状フレーム5,6の各8個の軸受孔7,7の中心は、上記円筒共通中心軸Pに平行のロッド中心軸Q(図11参照)を共有する軸方向に一致した位置に設けられており、両側の軸受円環状フレーム5,6の各軸受孔7,7間には、各1本の固定ロッド8の両端が挿入固定されている(従って、固定ロッド8の本数は全部で8本)(図1図2図11参照)。尚、上記固定ロッド8の両端部の直径と上記各軸受孔7の直径は略一致しており、固定ロッド8の両端部は上記軸受孔7に、ロッド中心軸Qの周りに回転不能に嵌合固定されている。
【0033】
上記軸受円環状フレーム5,6には、上述のように、上記固定ロッド用の軸受孔7が8個設けられると共に、上記軸受孔7,7の間には、軸受円環状フレーム5,6の周方向に、上記共通中心軸Pから等距離(半径r、図5図8参照)に、各中心が一致するように、4個ずつの分割回転ロッド14,14’用の軸受孔9が等間隔で貫通形成されている(従って、軸受孔9の数は上記各円環状フレーム5,6の各々に32個ずつ)(図5図8参照)。そして、前側の軸受円環状フレーム5に設けられた軸受孔9と、後側の軸受円環状フレーム6に設けられた軸受孔9とは、その軸方向のロッド中心軸Qが一致するように対向位置に設けられている(図1図2図9参照)。
【0034】
さらに、これらの軸受孔9の直径aは、後述の分割回転ロッド14,14’(断面が正方形の角ロッド)が、図2図9の矢印H,H’方向に抜き取ることができるように、上記分割回転ロッド14,14’の断面の正方形の対角線(=b)の長さよりも若干(2mm~3mm)長い直径a(>b)に形成されている(図12(a)参照)。尚、分割回転ロッド14,14’の構成については後述する。
【0035】
また、上記左右の軸受円環状フレーム5,6の各々の外面5’,6’には、閉止用円環状フレーム16,16がボルトVにて固定されている(図1図4図9図10参照)。この閉止用円環状フレーム16,16は、図2図5に示すように、内円の半径kを有するリング状のフレームであり、その板面の周方向には、後述の分割回転ロッド14,14’の先端支持軸14a,14aを挿通(遊挿)し得る軸受孔29が、上記軸受円環状フレーム5,6の上記軸受孔9,9に対応する位置(ロッド中心軸Qを共通)に32個設けられている(図3図4図12(c)参照)。
【0036】
この軸受孔29の直径gは上記分割回転ロッド14,14’の先端支持軸14a,14aの直径より大であるが、上記分割回転ロッド14,14’の横断面の対角線の長さbより小(g<b)となるように構成されている。よって、上記閉鎖円環状ロッド16の軸受孔29は、上記分割回転ロッド14,14’の先端支持軸14a,14aを回転可能に支持すると共に、上記分割回転ロッド14,14’の端面14b,14b(図9参照)が当接することで、上記分割回転ロッド14,14’の矢印H,H’方向(図2図9参照)の抜け止めを行うものである。従って、分割回転ロッド(回転ロッド)14,14’の前端及び後端の先端支持軸14a,14aは、各々軸受円環状フレーム5,6の軸受孔9及び閉鎖用環状フレーム16,16の軸受孔29内に抜け止め状態に遊挿支持されている。尚、上記閉鎖円環状ロッド16の軸受孔7の対応位置には孔は開口されていない(図2参照)。図3図4においては、符号7は、軸受円環状フレーム5,6の軸受孔7の位置を示している。
【0037】
さらに、上記軸受円環状フレーム5,6の前後方向の中間位置に、リング状の中間軸受円環状フレーム10が、上記円筒共通中心軸Pを共通に配置されている(図1図2図6E-E断面図参照)。この中間軸受円環状フレーム10の内円の半径kは上記前後の軸受円環状フレーム5,6と同一である。この中間軸受円環状フレーム10の板面には、上記両側の軸受円環状フレーム5,6の上記固定ロッド8用の軸受孔7の対応位置(各ロッド中心軸Qを共通)に、同様の固定ロッド8用の8個の軸受孔7が貫通形成されており(図1図2図6参照)、上記8本の固定ロッド8は、中間軸受円環状フレーム10の上記各軸受孔7を貫通して設けられている(図1図2参照)。また、上記中間円環状フレーム10の上記軸受孔7の直径と上記固定ロッド8の直径は略一致しており、上記軸受孔7に上記固定ロッド8が回転不能に嵌合固定されている。尚、上記固定ロッド8は横断面は円形の丸棒である(図19参照)。尚、上記固定ロッド8を、横断面が正方形の角ロッドとしても良い。
【0038】
また、上記中間軸受円環状フレーム10には、上述のように、上記固定ロッド8用の軸受孔7が8個設けられると共に、上記軸受孔7,7の間には、中間軸受円環状フレーム10の周方向に、上記共通中心軸Pから等距離(半径r、図6参照)に、それらの中心が一致するように、4個ずつの分割回転ロッド14,14’用の軸受孔9’(全32個)が等間隔で貫通形成されている。尚、これらの軸受孔9’の中心は、上記前後の軸受円環状フレーム5,6の軸受孔9のロッド中心軸Qと軸方向に一致している(図1図2図10図11参照)。そして、上記中間軸受円環状フレーム10の上記軸受孔9’の直径は、分割回転ロッド14,14’の各分割端K(図9参照)に設けられた先端支持軸14a,14a(断面は円形)が、上記軸受孔9’内で回転し得る直径c(<直径a)を有しており(図13(a)参照)、しかもその直径cは、上記分割回転ロッド14,14’の抜けを防止するために、分割回転ロッド14,14’の対角線長さbより小(c<b)となるように構成されている(図13(a)参照)。
【0039】
さらに、図1図2に示すように、上記軸受円環状フレーム5と上記中間軸受円環状フレーム10との中間位置、及び、上記軸受円環状フレーム6と上記中間軸受円環状フレーム10との中間位置には、各々、リング状の挿通円環状フレーム11,11が、上記円筒共通中心軸Pを共通に設けられている(内円の半径k、図7参照)。この挿通円環状フレーム11,11は、図7図11に示すように、上記軸受円環状フレーム5,6と同様に、固定ロッド8用の8個の軸受孔7がロッド中心軸Qを共通に、周方向の90度と45度の位置に設けられており、これらの軸受孔7には上記8本の固定ロッド8が挿通固定されている(図11参照)。
【0040】
さらに、上記軸受孔7,7間には、分割回転ロッド14,14’を回転可能に挿通するための挿通孔12が、円筒共通中心軸Pから等距離(半径r、図7参照)に、各中心が一致するように、4個ずつ設けられており(挿通孔12の総数は全32個)、各挿通孔12の直径dは、分割回転ロッド14,14’の回転を妨げないように、上記軸受孔9の直径aと同じか、又は、直径aよりも大となるように構成されている(直径d≧直径a)(図14(a)参照)。上記各挿通孔12の中心は同様にロッド中心軸Qに一致する(図9参照)。
【0041】
これらの挿通円環状フレーム11,11の内円の直径kは上記前後の軸受円環状フレーム5,6と同一であるが、これら挿通円環状フレーム11には、図2図7に示すように、内円側に、円筒形スクリーン2内に投入された原料の原料通過時間を稼ぐための環状堰板13がボルトVにて固定されている。
【0042】
上述のように、上記円筒共通中心軸Pを中心とする上記左右の軸受円環状フレーム5,6、上記中間軸受円環状フレーム10、上記挿通円環状フレーム11,11、及び、各円環状フレーム5,6,10,11に貫通するように、前後方向に固定された8本の固定ロッド8により、円筒形スクリーン2の骨格が形成されている。
【0043】
そして、上記円筒形スクリーン2において、軸受円環状フレーム5,6、中間軸受円環状フレーム10、及び、2つの挿通円環状フレーム11,11に形成された上記固定ロッド8用の上記軸受孔7、分割回転ロッド14,14’用の軸受孔9(軸受円環状ロッド5,6)、閉鎖用円環状フレーム16の軸受孔29、上記軸受孔9’(中間軸受円環状ロッド10)、上記挿通孔12(挿通円環状フレーム11,11)の各孔のロッド中心軸Qは軸方向に一致している。
【0044】
次に、固定ロッド8及び分割回転ロッド14について説明する。
上記固定ロッド8は、図1図2に示すように、上記円筒形スクリーン2のリング状の板面において、90度の角度位置と、45度の角度位置に計8本、前後方向に固定されている。これらの固定ロッド8は、その1本に着目すると、前方側の端部は前方側の軸受円環状フレーム5の軸受孔7に固定され、上記挿通円環状フレーム11の上記軸受孔7、上記中間軸受円環状フレーム10の上記軸受孔7、及び、上記挿通円環状フレーム11の上記軸受孔7を貫通し、固定ロッド8の後方側の端部は後方側の軸受円環状フレーム6の上記軸受孔7に嵌合固定されている。
【0045】
上記分割回転ロッド14,14’は、図9に示すように、同一ロッド中心軸Q上に存在する、前方側の上記軸受円環状フレーム5の上記軸受孔9、上記挿通円環状フレーム11の上記挿通孔12、上記中間軸受円環状フレーム10の軸受孔9’、上記挿通円環状フレーム11の上記挿通孔12、上記後方側の上記軸受円環状フレーム6の上記軸受孔9において、上記前方側の軸受円環状フレーム5と上記中間軸受円環状フレーム10との間に1本の分割回転ロッド14が設けられ、上記後方側の軸受円環状フレーム6と上記中間軸受円環状フレーム10との間に1本の分割回転ロッド14’が、各々設けられている。
【0046】
これらの上記分割回転ロッド14,14’は、図1図5図8等に示すように、上記固定ロッド7,7間において周方向には4本ずつ、同一ロッド中心軸Qに沿って前後に2本ずつ設けられている。従って、同一ロッド中心軸Qでみると分割回転ロッド14,14’は全部で4×8の32本であるが、これらの分割回転ロッドはロッド中心軸Q上(分割端K、図9参照)にて前後に2分割されており、同一ロッド中心軸Qに沿って存在する、上記中間軸受円環状フレーム10を中心として、前方側の分割回転ロッド14の総数は32本、上記中間軸受円環状フレーム10を中心として、後方側の分割回転ロッド14’の総数は32本となる。
【0047】
上記分割回転ロッド14,14’の形状は同一であるため、一方の分割回転ロッドにてその具体的構成を説明すると、分割回転ロッド14は、図10図18(a)に示すように、その横断面は正方形の角型ロッドであり、両端部のロッド中心軸Q上に、横断面円形の先端支持軸14a,14aが各々突出形成されている。尚、上記分割回転ロッド14,14’は、ロッド中心軸Qに1本の回転ロッドを2分割したものであるため、各分割回転ロッド14,14’の内の各内側の分割された端部を「分割端K」という(図9図10参照)。
【0048】
この分割回転ロッド14,14’の円筒形スクリーン2への取り付け構造は、上記中間軸受円環状フレーム10を中心として前後に対称の構造となっているので、図10を中心として前方側の分割ロッド14の構造を説明し、後方側の分割回転ロッド14の構造は対応する符号又は部材名称をかっこ書で記載することにより説明する。
【0049】
図10図9も参照)に示すように(この時点では閉止用円環状フレーム16,16は取り付けられていない)、円筒形スクリーン2の前方側(後方側)の軸受円環状フレーム5(6)の軸受孔9から、分割回転ロッド14(14’)の一方の端部(先端支持軸14a)を矢印I方向(矢印I’方向)に挿入し、上記挿通円環状フレーム11の挿通孔12を挿通し、上記中間軸受円環状フレーム10の上記軸受孔9’にその分割端Kの上記先端支持軸14aを挿入(遊挿)する。
【0050】
この時点で、図10図9も参照)に示すように、分割回転ロッド14(14’)の上記一方の端面14c(分割端K)は中間軸受円環状フレーム10の板面10の前方側の板面10’(後方側の板面10”)に当接して位置規制され、一方、上記分割回転ロッド14(14’)の他方の端面14bは上記軸受円環状フレーム5(6)の軸受孔9内に位置し、上記他方の先端支持軸14aが上記軸受円環状フレーム5(6)の前方側(後方側)の外面5’(6’)から前方側(後方側)に突出した状態となる。
【0051】
同様に、他の31本の前方側(後方側)の分割回転ロッド14(14’)も、前方側(後方側)の軸受円環状フレーム5(6)の各軸受孔9から矢印I方向(矢印I’方向)に挿入し、挿通円環状フレーム11の挿通孔12を挿通し、一方の分割端Kの先端支持軸14aを中間軸受円環状フレーム10の各軸受孔9’に挿入して一方の端面14cを中間軸受円環状フレーム10の前方側(後方側)の板面10’(10”)に当接する。
【0052】
そして、リング状の上記閉止円環状フレーム16を上記軸受円環状フレーム5(6)の上記板面5’(6’)にボルトV等(図3図4参照)にて固定して上記分割回転ロッド14(14’)の矢印H方向(矢印H’方向)の抜け止めを行う。上記閉止円環状フレーム16は、内径kは上記軸受円環状フレーム5(6)と同一であって、その板面の周方向に、上記軸受孔9の直径aより直径g(<a)が小であって(図12(c)参照)、上記先端支持軸14aの直径より大の直径gを有する32個の軸受孔29(その直径は、分割回転ロッド14(14’)の対角線bの長さより小)が、上記軸受孔9とロッド中心軸Qを一致して設けられており、上記各分割回転ロッド14(14’)の上記先端支持軸14aが上記軸受孔29に挿通(遊通)され、かつ上記分割回転ロッド14(14’)の上記端面14bが閉止円環状フレーム16の内面16’に当接可能とすることで、上記分割回転ロッド14(14’)の矢印H方向(矢印H’方向)の抜け止めを行う。
【0053】
このように構成されることで、上記分割回転ロッド14’(14)(各々全32本)は、上記中間軸受円環状フレーム10と上記軸受円環状フレーム5(6)との間で、上記ロッド中心軸Qに沿って回転可能に支持される。
【0054】
そして、前方側の分割回転ロッド14と後方側の分割回転ロッド14’とは、ロッド中心軸Qに沿った状態で、互いに独立に、各別に回転することが可能となっている。
【0055】
尚、上記分割回転ロッド14,14’は円筒形スクリーン2が静止した状態では、各先端支持軸14a,14aは、各々軸受孔29,29内、軸受孔9’,9’内において、孔内の下面に接触した状態となる。また、このような上記先端支持軸14a,14aが各軸受孔の下面に接触した状態であっても、上記各分割回転ロッド14,14’の外面は、上記軸受円環状フレーム5(6)の軸受孔9,9の内面、及び、上記挿通円環状フレーム11,11の軸受孔12,12の内面には接触しないように構成されている。
【0056】
以上の構成により、円筒形スクリーン2は、図11に示すように、周方向に隣接する分割回転ロッド14,14間の間隙S1、同様に周方向に隣接する分割回転ロッド14’,14’間の間隙S1、分割回転ロッド14,14’と固定ロッド8との間隙S1が篩目として機能するスクリーンを構成することができる。ここで、図19に示すように、中空被覆管28を装着しない場合は、上記篩目の公称目開きTは例えばT=50mmである。尚、公称目開きとは、分割回転ロッド14,14’はロッド中心軸Qの周りに回転するため、図19に示すように、最大目開きTaと最小目開きTbの平均値(T=(Ta+Tb)/2)をいう。
【0057】
上記軸受円環状フレーム5,6の各々の外周には各々ローラ受リング17,17’が固定されており(図1参照)、これらローラ受リング17,17’の外周面の前後方向に広いローラ支持面17a,17a’が設けられており、これらローラ支持面17a,17a’に、上記前方側の回転ローラ15a,15a’、及び、後方側の回転ローラ15b,15b’が接するように構成されている(図3図4参照)。また、上記ローラ支持面17a,17a’には、各外側に脱輪防止突起17b,17b’が設けられると共に、各内側に脱輪防止用リング18,18’がボルトVにて固定されている(図1図5図8参照)。
【0058】
また、前方側の上記閉止円環状フレーム16の内円に、前方側に突出するガイド用円筒19の後縁が接続固定され、上記後方側の上記閉止円環状フレーム16の内縁に、後方側に突出する上記小円筒4の前縁が接続固定されている(図2図4参照)。
【0059】
上記後方側の上記回転ローラ15b,15b’は(図1図4参照)、各々その回転軸21,21が、上記台枠3上に設けられた軸受20,20を介して後方側に水平に突出し、台枠3上に左右に設けられた駆動モータM1,M2のプーリに傘歯車等を介して接続され、上記駆動モータM1,M2によって上記回転軸21,21を介して上記回転ローラ15b,15b’を矢印J方向に回転駆動し得るように構成されている。また、前方側の回転ローラ15a,15a’は回転軸21’,21’を介して軸受20’,20’にて回転自在に支持されている。
【0060】
図1に示すように、上記後方側の回転ローラ15b,15b’と上記前方側の回転ローラ15a,15a’とは、各々連結回転軸22,22によって前後に連結されており、後方側の回転ローラ15b,15b’が回転駆動されると、上記連結回転軸22,22を介して前方側の回転ローラ15a,15a’も同方向(矢印J方向)に回転駆動される。よって、上記駆動モータM1,M2により、後方側の回転ローラ15b,15b’が矢印J方向に回転されると、上記前方側の回転ローラ15a,15a’も同方向に回転駆動され、これによって、上記各回転ローラ15a,15a’及び上記回転ローラ15b,15b’上に載置された上記円筒形スクリーン2は矢印A方向に回転駆動されるように構成されている。
【0061】
上記円筒形スクリーン2は、通常は、前方側を高く、後方側を低く傾斜して設置され、上記円筒形スクリーン2の台枠3の下方には、上記円筒形スクリーン2の空隙S1から落下してくる原料を搬送する篩下用のベルトコンベア(図示せず)が設置されると共に、上記円筒形スクリーン2の小円筒4の出口に篩上用のベルトコンベア(図示せず)が設置される。
【0062】
尚、図3図4において23はドラムロッドスクリーン1の外筐体、24は円筒形ロッド2の各ロッド間を清掃するための回転清掃板、25,26は点検口、図1において、30は原料受部である。
【0063】
本発明のドラムロッドスクリーン1は上述のように構成されるため、以下、その動作を説明する。ドラムロッドスクリーン1は、後方側より前方側が高く設置されているものとする。
【0064】
まず駆動モータM1,M2を駆動し、後方側の回転ローラ15b,15b’を矢印J方向に回転する。すると、前方側の回転ローラ15a,15a’も同時に同方向に回転する。これにより、上記円筒形スクリーン2はその全体が矢印A方向に回転開始する。
【0065】
上記分割回転ロッド14の前側の先端支持軸14a、上記分割回転ロッド14’の後側の先端支持軸14aは、上記閉止円環状フレーム16,16の軸受孔29,29内に挿通(遊挿)され(図9参照)、上記分割回転ロッド14の前側の先端支持軸14a近傍の先端部(前端部)、上記分割回転ロッド14’の後側の先端支持軸14a近傍の後端部は、前側の軸受円環状フレーム5、後側の軸受円環状フレーム6の軸受孔9,9内に位置しており、分割回転ロッド14の後側の先端支持軸14a(分割端Kの先端支持軸14a)、分割回転ロッド14’の前側の先端支持軸14a(分割端Kにおける先端支持軸14a)は、中間軸受円環状フレーム10の軸受孔9’内に両側から挿通(遊挿)されている。よって、上記分割回転ロッド14,14’は、上記軸受孔29,29、軸受孔9、軸受孔9’内において、各孔の直径の範囲内において、ロッド中心軸Qと直交する方向に、各々独立して移動可能であるし、各分割回転ロッド14,14’は各々独立してロッド中心軸Qの周りに回転可能(自転可能)となっている。
【0066】
このような状態において、円筒形スクリーン2の前方側の軸受円環状フレーム5のガイド用円筒19から、上記円筒形スクリーン2の内部に、例えば高粘性、高水分の原料(例えば、高粘性、高水分の泥を含む石灰石等の砕石)を投入する。
【0067】
上記原料は回転中の円筒形スクリーン2内に投入されると、複数の分割回転ロッド14,14’によって周方向に回転させられ、円筒形スクリーン2内の底部から上部に持ち上げられ、上部から下方に落下するという動作を繰り返しながら、徐々に、前方側から後方側に移動していく。
【0068】
このとき、上記各分割回転ロッド14,14’は、各ロッド中心軸Qの方向に2分割されており、これらの分割回転ロッド14,14’は、ロッド中心軸Qの方向に1本の従来の回転ロッドに比べて、分割回転ロッド14又は分割回転ロッド14’の重量は略半分であるので、従来の1本の回転ロッドに比べて、分割回転ロッド14又は分割回転ロッド14’自体のGD2(ジーディスクエア)は大幅に低下している。本実施形態の場合、GD2は回転ロッドのロッド回転軸Qの周りの回転しにくさを表すものであるが、分割回転ロッド14,14’のように2分割とすることにより、GD2は大幅に減少し、その結果、各分割回転ロッド14,14’は、ロッド中心軸Qの周りに回転し易くなる。
【0069】
従って、従来の1本の回転ロッドに比べて、分割回転ロッド14,14’自体は各々ロッド中心軸Qの周りに回転し易くなっている。よって、上記円筒形スクリーン2の回転に伴う原料の上昇、落下によって、上記原料(泥或いは砕石等)が分割回転ロッド14又は分割回転ロッド14’の軸(ロッドの角等)に当接することで、上記分割回転ロッド14,14’がロッド中心軸Qを略中心として頻繁に回転する。
【0070】
このとき、上記ロッド中心軸Qの方向に2分割された分割回転ロッド14,14’は、前方側の分割回転ロッド14と、後方側の分割回転ロッド14’とは、各々独自のタイミングで自由にロッド中心軸Qの周りに回転(自転)することができる。
【0071】
その結果、高粘性のある泥、或いは高含水の泥等の原料が、隣接する分割回転ロッド14,14(14’,14’)間、分割回転ロッド14(14’)と固定ロッド8間に居付いて分割回転ロッド14,14’の自転(回転)を阻害してしまうこと、或いは、分割回転ロッド14,14間(14’,14’間)、分割回転ロッド14(14’)と固定ロッド8間に広範囲に付着して間隙S1の目詰まりを生じることを大幅に減少させることができる。
【0072】
即ち、分割回転ロッド14,14’とすることにより、従来品に比べてGD2が大幅に減少するため、各分割ロッド14,14’自体が回転し易くなっており、その結果、各分割回転ロッド14,14’の各々独立した頻繁な回転により、泥等の原料のロッドの軸への付着、居付きを振り払うことが可能となる。
【0073】
これに加えて、上記円筒形スクリーン2の円筒共通中心軸Pの周りの回転、及び、泥等の原料の上記分割回転ロッド14,14’のロッド(軸)への当接により、分割ロッド14,14’が各々独自のタイミングで回転することにより、上記原料の広範囲の居付きを抑止することができ、結果として、分割回転ロッド14,14’の目詰まりを、従来に比較して、大幅に改善することができる。
【0074】
上記原料は上述のように上記円筒形スクリーン2内で上昇と下降を繰り返しながら、徐々に後方に移行し、その過程で間隙S1より小の原料(泥、小さい砕石等)は、上記間隙S1から下方に落下し、上記台枠3下方に設置されたベルトコンベアにて所定場所に搬送される。また、上記間隙S1より大の原料(大きな砕石等)は、円筒形スクリーン2の後方に移動し、小円筒4から外部に排出され、小円筒4の出口に設置されたベルトコンベアにて所定場所に搬送され、これにより篩分けを行うことができる。
【0075】
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態では、図12(a)に示すように、分割回転ロッド14(32本)の前方側の端部における外側面14dと前方側の軸受円環状フレーム5の軸受孔9との隙間S2(4か所)内に小さい砕石等が入り込み、又は、分割回転ロッド14’の後方側の端部における外側面14dと後方側の軸受円環状フレーム6の軸受孔9との隙間S2(4か所)内に小さい砕石等が入り込み、これによって分割回転ロッド14又は分割回転ロッド14’のロッド中心軸Qを中心とする回転機能(自転機能)が損なわれるという課題があった。
【0076】
この課題は、軸受孔9の直径aが大きい軸受円環状ロッド5の軸受孔9と分割回転ロッド14の端部との間、又は、軸受円環状フレーム6の軸受孔9(直径a)と分割回転ロッド14’の端部との間において発生する問題であった。
【0077】
そこで、図16(a)~(c)に示すように、上記分割回転ロッド14の上記軸受円環状フレーム5に挿入される上記先端支持軸14aが設けられた一端部14e(一定範囲N)において、その先端支持軸14aに向けて先細のテーパ部27を形成し、上記分割回転ロッド14’の上記軸受円環状フレーム6に挿入される先端支持軸14aが設けられた他端部14e’(一点範囲N)において(図1図17(a)参照)、その先端支持軸14aに向けて先細のテーパ部27を形成したものである(図1図15図16参照)。尚、分割回転ロッド14,14’の中間軸受円環状フレーム10側にはテーパ部27は形成しない。
【0078】
より具体的には、図16(a)~(c)に示すように、分割回転ロッド14の前端(分割回転ロッド14’は後端)の先端支持軸14aの形成された一定範囲Nにおける4つの角部を、先端の端面14bに向けて、先細のテーパ状に削ることにより、4つの先細状のテーパ面27aを形成したものである。従って、正面からみると4つの角部が先細状に削られ4つのテーパ面27aが形成された形状となっている。
【0079】
そして、上記一定範囲Nは、図15に示すように、上記テーパ部27の軸方向の略1/2の範囲が、軸受円環状フレーム5,6の軸受孔9内に位置し、上記テーパ部27の軸方向の略1/2の範囲が、上記軸受孔9の外側に位置するような範囲とする(図15図1参照)。
【0080】
このように構成すると、分割回転ロッド14,14’の前方側の端部と前方側の軸受円環状フレーム5,6の軸受孔9との隙間S2(4か所)内に小さい砕石等が入り込んだとしても(図17(a)参照)、上記テーパ部27(テーパ面27a)が形成されているため、上記テーパ面27a(4か所)と軸受孔9の内面との隙間S2’が増加し、結果として、砕石等が上記隙間S2,S2’に入り込んだとしても、該砕石等の軸受孔9内の移動の自由度が増加し、かつ、入り込んだ砕石等は容易に軸受孔9内から軸受孔9外部に抜けることができ、結果として、分割回転ロッド14,14’のロッド中心軸Qの周りの回転機能(自転機能)が損なわれることを大幅に減少させることができる、という効果を奏するものである(図17(a)参照)。
【0081】
上記テーパ部27は、図16(a)~(c)では、上記分割回転ロッド14,14’の上記一定範囲Nの4つの角部にテーパ面27aを形成することにより構成したが、上記一定範囲Nにおいて、端部全体を先細の截頭円錐面として形成しても良い。
【0082】
このように分割回転ロッド14,14’の端部に先細の上記テーパ部27を形成することにより、分割回転ロッド14,14’の回転が損なわれることを大幅に改善することができ、結果として、原料の居付き、目詰まりを防止することができる。
【0083】
(第3の実施形態)
上記円筒形スクリーン2において、上記分割回転ロッド14,14間(14’,14’間)の間隙S1(図11参照)、或いは、分割回転ロッド14,14’と固定ロッド8間の間隙S1(図11参照)は調整することができない。このため、上記間隙S1を、より狭い間隙(目開きを小)とするには、上記各分割回転ロッド14,14’の外面に、断面が正方形の中空被覆管28(金属製)(図18(b)参照)を被覆することにより、上記間隙S1をより狭く(目開きを小と)することが可能となる。
【0084】
即ち、上記各分割ロッド14,14’の外面を、図18(b)、図12(b)に示すように、上記各軸受孔9の直径aより若干長い対角線f(>a)を有する中空被覆管28により被覆する。より具体的には、図9に示すように、前側の分割回転ロッド14において、軸受円環状フレーム5と挿通円環状フレーム11との間、中間軸受円環状フレーム10と挿通円環状フレーム11との間に各1本ずつの中空被覆管28,28を被覆し、後側の分割回転ロッド14’において、軸受円環状フレーム6と挿通円環状フレーム11との間、中間軸受円環状フレーム10と挿通円環状フレーム11との間に各1本ずつの中空被覆管28,28を被覆することにより構成される。よって、ロッド中心軸Qの方向に見ると、上記分割回転ロッド14で2本、上記分割回転ロッド14’で2本、計4本の被覆管が必要となる。
【0085】
勿論、他の31本の分割回転ロッド14,14’についても同様に、上記中空被覆管28,28が被覆される。従って、中空被覆管28の本数は、前側の32本の分割回転ロッド14で64本(32×2)、後側の32本の分割回転ロッド14’で64本(32×2)が必要となる(中空被複管28の数は、全部で128本)。分割回転ロッド14,14’の外面と、中空被覆管28の内面とは、若干の隙間を生ずるように構成する(図12(b)参照)。
【0086】
これらの中空被覆管28の内部空間の正方形の断面積は、上記分回転ロッド14,14’の各々に、円滑に被覆できるように、上記分割回転ロッド14,14’の横断面の正方形の断面積より若干広い断面積となるように形成されている(図12(b)参照)。
【0087】
また、この中空被覆管28の上記対角線fは、図14(b)に示すように、挿通円環状フレーム11の挿通孔12の直径dより若干長く、従って、挿通円環状フレーム11,11の各挿通孔12,12内には進入できない状態となる。また、中空被覆管28と中間軸受円環状フレーム10の軸受孔9’との関係は、図13(b)に示す通り、中間軸受円環状フレーム10の軸受孔9’の直径cより、中空被覆管28の対角線の長さfは長い(f>c)。
【0088】
この中空被覆管28を、上記分割回転ロッド14,14’に装着するには、一旦、閉止円環状フレーム16,16を前後の軸受円環状フレーム5,6から取り外し、一度、全部の分割回転ロッド14,14’(各32本)を矢印H,H’方向に抜き出した後、中間軸受円環状フレーム10と挿通円環状フレーム11との間、及び、挿通円環状フレーム11と前方側の軸受円環状フレーム5との間に、上記中空被覆管28,28を各々配置し、その後、1本の分割回転ロッド14をその先端支持軸14a側から前側の軸受円環状ロッド5の軸受孔9から挿入し、上記軸受円環状フレーム5と挿通円環状フレーム11の間の上記中空被覆管28、及び、挿通円環状フレーム11と中間軸受円環状フレーム10間の中空被覆管28内に挿通し、先端支持軸14aを上記中間軸受円環状フレーム10の軸受孔9’に挿通する、という動作を他の31本の分割回転ロッド14について同様に繰り返す。
【0089】
また、後方側の分割回転ロッド14’は、同様に、中間軸受円環状フレーム10と挿通円環状フレーム11との間、及び、挿通円環状フレーム11と後方側の軸受円環状フレーム6との間に、上記中空被覆管28,28を各々配置し、その後、1本の分割回転ロッド14’をその先端支持軸14a側から後側の軸受円環状ロッド6の軸受孔9から挿入し、上記軸受円環状ロッド6と挿通円環状フレーム11の間の上記中空被覆管28、及び、挿通円環状フレーム11と中間軸受円環状フレーム10間の中空被覆管28内に挿通し、先端支持軸14aを上記中間軸受円環状フレーム10の軸受孔9’に挿通する、という動作を他の31本の分割回転ロッド14について同様に繰り返す。
【0090】
以上の動作を行うことで、全128本の中空被覆管28を上記分割回転ロッド14,14’に装着することができる。その後、上記閉鎖用円環状フレーム16,16を上記軸受円環状フレーム5,6に装着して、各32本の分割回転ロッド14,14’の抜け止めを行う。
【0091】
これによって、例えば、図19に示すように、間隙S1の広さ(例えば、図19に示すように、公称目開きT=50mmを、公称目開きT’=40mm(<T)に変更することができるので、原料の性状に応じて間隙S1の大きさ(目開き)を変更することが可能となる。
【0092】
また、上記中空被覆管28を装着することで、分割回転ロッド14,14’そものの損傷を防止することもできる。尚、特定の中空被覆管28が損傷した場合は、損傷した中空被覆管28のみを交換することが可能であるため、分割回転ロッド14,14’全体の寿命を長くすることができる。
【0093】
また、図12(b)に示すように、中空被複管28を装着することで、上記中空被覆管28と上記軸受孔9との隙間S2が狭くなるので、分割回転ロッド14,14’と上記軸受孔9間に大きな砕石が入り込むことを抑制し、結果として、分割回転ロッド14,14’の回転が阻害される要因を大幅に除去することができる。このことは、図14(b)に示すように、挿通円環状ロッド11とその挿通孔12と上記中空被覆管28との間でも同様のことがいえる。
【0094】
また、上記第2の実施形態のように、分割回転ロッド14,14’の先端にテーパ部27を設けた場合であっても、図17(b)に示すように、上記中空被覆管28と上記軸受孔9との隙間S2が狭くなるので、分割回転ロッド14,14’と上記軸受孔9間に大きな砕石が入り込むことを抑制することができ、結果として、分割回転ロッド14,14’の回転が阻害される要因を大幅に除去することができる。また、仮に、上記テーパ部27と上記軸受孔9との間に砕石等が進入したとしても、上記テーパ面27aが存在するので、上記テーパ部27と上記軸受孔9の内側との隙間S2’が広いため、上記隙間S2’内での砕石等の自由度が増加し、結果として、分割回転ロッド14,14’の回転が阻害されることを低減することができる。
【0095】
尚、上記各実施形態では、挿通円環状フレーム11,11を設け、1本の分割回転ロッド14又は14’において、各々2本の中空被覆管28,28を設ける構成を示したが、上記挿通円環状フレーム11,11を設けることなく、1本の分割回転ロッド14又は14’に1本の中空被覆管28,28を設ける構成としても良い。
【0096】
(第4の実施形態)
上記第1~第3の実施形態では、上記中間軸受円環状フレーム10を前後の軸受円環状フレーム5,6の間に1個設ける構成を示したが、上記軸受円環状フレーム5,6の間に、上記中間軸受円環状フレーム10を複数個(例えば2個)設ける構成であっても良い。この場合、ロッド中心軸Qに沿って、回転ロッドは、3分割されることになる。この場合、挿通円環状ロッド11は設けなくても良い。
【0097】
具体的には、1本の回転ロッドを3つに分割し、前側の分割回転ロッドの分割端Kに先端支持軸14aを設け、中央の分割回転ロッドの両端の分割端K,Kに各々先端支持軸14a,14aを設け、後側の分割回転ロッドの分割端Kに先端支持軸14aを設け、各先端支持軸14aを2つの上記中間軸受円環状フレーム10,10の軸受孔9’に挿通(遊挿)するものである。
【0098】
このように構成すると、複数(3分割)に分割された分割回転ロッドは、1本の回転ロッドに比べてGD2がより低減されるため、2分割の場合よりロッド中心軸Qの周りに回転し易くなり、しかも各々独立して回転し得るため、原料の居付き、目詰まりを効果的に改善することが可能となる。
【0099】
以上のように本発明によれば、分割回転ロッド14,14’は、ロッド中心軸Qの方向に例えば2分割又は3分割されるため、各分割回転ロッド14,14’のGD2が減少すると共に、各分割回転ロッド14,14’が回転し易くなると共に、独立して回転可能であるため、原料の篩動作過程において、各分割回転ロッド14,14’が独立して回転することにより、原料の居付き或いは目詰まりを改善することができる。
【0100】
また、分割回転ロッド14,14’にテーパ部27を設けることにより、各分割回転ロッドの一端部又は他端部のテーパ部27と軸受孔9の内面との間隙が拡大するため、例えば原料が上記間隙内に入り込んだとしても容易に排出されるし、入り込んだ原料の間隙内での自由度が高いため、分割回転ロッド14,14’のロッド中心軸Qの周りの回転が阻害されることを抑止し得る。
【0101】
また、分割回転ロッド14,14’の角ロッドの角等に原料が当接することにより、各分割回転ロッド14,14’が回転し易いため、高粘性、高含水の泥等の原料のロッドへの居付きを効果的に防止することが可能となる。
【0102】
また、隣接する上記分割回転ロッド14,14(14’,14’)間の間隙S1が篩目となるが、分割回転ロッド14,14’に中空被覆管28を装着することによって上記篩目の大きさを減少させることができ、原料の性状に合わせて篩目の大きさを調整することが可能となる。
【0103】
上記各実施形態において、円筒形スクリーンの直径、固定ロッドの本数、分割回転ロッドの本数、分割数等は任意であり、上記実施形態のものに限定されない。これらの寸法、および、本数等によって篩としての目開きの長さ(空隙)が変化するので、上記寸法、本数は原料の性状に応じて各種の寸法、本数を設定することができる。また、円筒形スクリーンの長さ(ストローク)も原料の性状に応じて、各種の長さに設定することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明に係るドラムロッドスクリーンによれば、高粘性、高水分の泥等を含む砕石等の原料の篩分けを確実に行うことができ、各種採石場、産業廃棄物等の篩分け装置として、広く利用が可能である。
【符号の説明】
【0105】
1 ドラムロッドスクリーン
2 円筒形スクリーン
3 台枠
5,6 軸受円環状フレーム
7 軸受孔
8 固定ロッド
9,9’ 軸受孔
10 中間軸受円環状フレーム
14,14’ 分割回転ロッド
14a 先端支持軸
14e 一端部
14e’ 他端部
27 テーパ部
28 中空被覆管
P 円筒共通中心軸
Q ロッド中心軸
K 分割端
図1
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