(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】液滴流量計及び定量供給装置
(51)【国際特許分類】
G01F 3/16 20060101AFI20240202BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20240202BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
G01F3/16
B05C11/10
B05C5/00 101
(21)【出願番号】P 2020069217
(22)【出願日】2020-04-07
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000145611
【氏名又は名称】株式会社コガネイ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【氏名又は名称】小松 秀輝
(72)【発明者】
【氏名】吉田 佳弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 広和
【審査官】羽飼 知佳
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-027517(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 3/14-3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液材が流れ込む入口と前記液材が吐き出される出口とを含む流路が設けられたセンサ本体と、
前記流路に配置されると共に前記流路において往復移動が可能なピストンと、
前記ピストンを上流側へ付勢するバネと、
前記ピストンの位置に関する信号を出力する位置センサと、を備え、
前記ピストンは、
前記出口側に配置された端部に設けられ、前記流路を囲む流路壁面に接することにより前記液材の移動を禁止するシール部と、
前記入口側に配置された端部に設けられ、入口側の端面から前記シール部に至る複数の隙間を形成する導液部と、を有する、液滴流量計。
【請求項2】
前記導液部は、前記流路の延びる方向において、前記隙間と前記シール部との間に形成される溝部を含む、請求項1に記載の液滴流量計。
【請求項3】
前記ピストンは、磁石を含み、
前記位置センサは、前記センサ本体に取り付けられて、前記磁石の磁界に基づいて前記ピストンの位置に関する信号を出力する請求項2に記載の液滴流量計。
【請求項4】
前記位置センサは、前記導液部が前記出口に重複している状態を示す第1信号を出力する、請求項3に記載の液滴流量計。
【請求項5】
前記位置センサは、前記シール部が前記出口に重複している状態を示す第2信号を出力する、請求項3又は4に記載の液滴流量計。
【請求項6】
前記導液部は、前記流路の延びる方向において、前記隙間と前記シール部との間に形成される溝部を含み、
前記位置センサは、前記溝部が前記出口に重複している状態を示す第3信号を出力する、請求項3~5の何れか一項に記載の液滴流量計。
【請求項7】
保存された液材を間欠的に押し出す供給部と、
前記液材を間欠的に吐出する吐出部と、
前記供給部と前記吐出部との間に配置された液滴流量計と、を備え、
前記液滴流量計は、
前記液材が流れ込む入口と前記液材が吐き出される出口とを含む流路が設けられたセンサ本体と、
前記流路に配置されると共に前記流路において往復移動が可能なピストンと、
前記ピストンを上流側へ付勢するバネと、
前記ピストンの位置に関する信号を出力する位置センサと、を有し、
前記ピストンは、
前記出口側に配置された端部に設けられ、前記流路を囲む流路壁面に接することにより前記液材の移動を禁止するシール部と、
前記入口側に配置された端部に設けられ、入口側の端面から前記シール部に至る複数の隙間を形成する導液部と、
を含む、定量供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴流量計及び定量供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、機械要素などにグリスといった高粘度材料を塗布する定量分配弁を開示する。定量分配弁は、所定量の高粘度材料を高い圧力によって吐出する。この圧力は、空気ピストンによって発生する。定量分配弁は、前述の空気ピストンのように複数の可動部品によって構成されている。そのため、各可動部品同士の動きを電気的に制御したり、監視したりすることがある。例えば、特許文献1の定量分配弁は、空気ピストンに取り付けた磁石と、磁石の位置を検出するセンサスイッチと、を備えている。センサスイッチによって、磁石の位置を検出することにより、空気ピストンの位置を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高粘度材料のような液材を吐出する装置にあっては、あらかじめ定められた量の液材を吐出することが重要である。液材の吐出量は、例えば、特許文献1に記載されるように空気ピストンの動きに基づいて間接的に監視される。つまり、空気ピストンが動いた量に応じて、所定量の液材が吐出される。しかし、高粘度材料の液材では、空気ピストンが動いても所定量の液材が吐出されない場合がある。
【0005】
本発明は、吐出された液材の量を精度よく得ることが可能な液滴流量計と、当該液滴流量計を備えた定量供給装置と、を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態である液滴流量計は、液材が流れ込む入口と液材が吐き出される出口とを含む流路が設けられたセンサ本体と、流路に配置されると共に流路において往復移動が可能なピストンと、ピストンを上流側へ付勢するバネと、ピストンの位置に関する信号を出力する位置センサと、備える。ピストンは、出口側に配置された端部に設けられ、流路を囲む流路壁面に接することにより液材の移動を禁止するシール部と、入口側に配置された端部に設けられ、入口側の端面からシール部に至る複数の隙間を形成する導液部と、を有する。
【0007】
この液滴流量計では、シール部が流路壁面と接している状態で気泡を含む液材が流路の入口から流れ込むと、当該気泡は導液部に導かれる。そして、液材の流れ込みに応じてピストンが下流側に移動すると、気泡を含んだ導液部が流路の出口に重複する。その結果、気泡は、出口より下流側に移動する。つまり、気泡を含む液材が流路に供給されたときは、当該気泡を主体的に下流側へ流すことが可能になる。この動作によれば、液材に含まれた気泡に起因して、位置センサによって得られるピストンの動作回数と吐出量との関係のずれが発生することが抑制される。従って、ピストンの動作回数から吐出された液材の量を精度よく得ることができる。
【0008】
上記の液滴流量計において、導液部は、流路の延びる方向において、隙間とシール部との間に形成される溝部を含んでもよい。この溝部によれば、気泡を溜め置く空間を拡大することができる。
【0009】
上記の液滴流量計は、ピストンの位置に関する信号を出力する位置センサをさらに備えてもよい。この位置センサによれば、ピストンの位置に応じた信号を外部に提供することができる。
【0010】
上記の液滴流量計において、ピストンは、磁石を含み、位置センサは、センサ本体に取り付けられて、磁石の磁界に基づいてピストンの位置に関する信号を出力してもよい。この位置センサによれば、ピストンの位置に応じた信号を確実に外部に提供することができる。
【0011】
上記の液滴流量計において、位置センサは、導液部が出口に重複している状態を示す第1信号を出力してもよい。この位置センサによれば、下流側への液材又は気泡の移動を許可する位置にピストンがあることを示す信号を外部に提供することができる。
【0012】
上記の液滴流量計において、位置センサは、シール部が出口に重複している状態を示す第2信号を出力してもよい。この位置センサによれば、下流側への液材の供給を禁止する位置にピストンがあることを示す信号を外部に提供することができる。
【0013】
上記の液滴流量計において、導液部は、流路の延びる方向において、隙間とシール部との間に形成される溝部を含み、位置センサは、溝部が出口に重複している状態を示す第3信号を出力してもよい。この位置センサによれば、外部に提供する信号のバリエーションを増やすことができる。
【0014】
本発明の別の形態である定量供給装置は、保存された液材を間欠的に押し出す供給部と、液材を間欠的に吐出する吐出部と、供給部と吐出部との間に配置された液滴流量計と、を備える。液滴流量計は、液材が流れ込む入口と液材が吐き出される出口とを含む流路が設けられたセンサ本体と、流路に配置されると共に流路において往復移動が可能なピストンと、ピストンを上流側へ付勢するバネと、ピストンの位置に関する信号を出力する位置センサと、を有する。ピストンは、出口側に配置された端部に設けられ、流路を囲む流路壁面に接することにより液材の移動を禁止するシール部と、入口側に配置された端部に設けられ、入口側の端面からシール部に至る複数の隙間を形成する導液部と、を含む。
【0015】
この定量供給装置は、上記の液滴流量計を備えている。従って、吐出された液材の量を精度よく得ることが可能であるから、所望量の液材を確実に吐出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、吐出された液材の量を精度よく得ることが可能な液滴流量計と、当該液滴流量計を備えた定量供給装置と、が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、実施形態のショットセンサを有する定量供給装置の機能ブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すショットセンサの構造を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、センサ本体の構造を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、ショットセンサのピストン周りの構造を示す斜視図である。
【
図6】
図6(a)は、第1の態様であるショットセンサを示す断面図である。
図6(b)は、第2の態様であるショットセンサを示す断面図である。
【
図7】
図7(a)は、第3の態様であるショットセンサを示す断面図である。
図7(b)は、第4の態様であるショットセンサを示す断面図である。
【
図8】
図8(a)は気泡を含まないグリスが供給されたときに出力される信号の例示である。
図8(b)は気泡を含むグリスが供給されたときに出力される信号の例示である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
図1に示すように、ディスペンサ1(定量供給装置)は、グリス供給部2と、グリス吐出部3と、を有する。ディスペンサ1は、液材の例示である高粘度のグリスを吐出する。グリス供給部2は、グリスを保持すると共にグリス吐出部3にグリスを間欠的に供給する。グリス供給部2は、1回の供給動作において所定量のグリスをグリス吐出部3に供給する。グリス供給部2は、当該供給動作を例えば1秒間に複数回繰り返す。グリス吐出部3は、グリスを外部に吐出する。
【0020】
ディスペンサ1は、さらに、ショットセンサ4(液滴流量計)を有する。ショットセンサ4は、グリス供給部2からグリス吐出部3に供給されるグリスに関するグリス信号θを出力する。グリス信号θは、例えば、グリス供給部2からグリス吐出部3に1回分のグリスが供給されたことを示す信号であってよい。また、グリス信号θは、グリスが供給されたことを示す信号と、グリスが供給されなかったたことを示す信号と、を選択的に示すものでもよい。さらに、グリス信号θは、例えば、グリス供給部2からグリス吐出部3へ供給されたグリスの量に関する信号であってもよい。
【0021】
ショットセンサ4は、センサユニット10と、信号処理ユニット5と、を有する。センサユニット10は、グリス供給部2からグリス吐出部3へ供給されるグリスを監視する。センサユニット10は、ピストンの位置に関するセンサ信号φを信号処理ユニット5へ出力する。信号処理ユニット5は、センサユニット10から受けたセンサ信号φを利用して、グリス信号θを生成する。そして、信号処理ユニット5は、グリス信号θを外部に出力する。
【0022】
図2に示すように、センサユニット10は、センサ本体20と、ピストン30と、ストッパ40と、バネ受け50と、バネ60と、止め板70と、スイッチユニット80と、を有する。
【0023】
センサ本体20は、センサユニット10の基体を構成する。センサ本体20は、アルミニウム合金といった金属材料により形成される直方体状のブロックである。センサ本体20は、上流本体端面20aと、下流本体端面20bと、を有する。上流本体端面20aは、パイプなどを介してグリス供給部2に接続される。下流本体端面20bは、パイプなどを介してグリス吐出部3に接続される。
【0024】
センサ本体20は、流路21を有する。流路21は、上流本体端面20aから下流本体端面20bに至る貫通穴である。流路21の上流流路開口21aは、上流本体端面20aに形成されている。流路21の下流流路開口21bは、下流本体端面20bに形成されている。流路21は、上流流路開口21aから下流流路開口21bに向かう方向(以下、流れ方向Fと称する)に沿って、いくつかの部分を含む。具体的には、流路21は、上流ねじ部22と、シリンダ部23と、バネ配置部24と、下流ねじ部25と、を有する。これらの部分は、流れ方向Fに沿って、この順に並んでいる。これらの部分は、それぞれ断面が円形の穴である。これらの部分は、同軸であるが、それぞれの内径は互いに異なっている。
【0025】
上流ねじ部22には、ストッパ40が配置される。上流ねじ部22の上流端は、上流本体端面20aに開口する。つまり、上流ねじ部22の上流端は、流路21の上流流路開口21aである。上流ねじ部22の下流端は、シリンダ部23に接続されている。上流ねじ部22の内周面には、雌ねじが形成され、ストッパ40の外周面には雄ねじが形成されている。上流ねじ部22の雌ねじにストッパ40の雄ねじがねじ込まれる。上流ねじ部22の雌ねじは、上流端から下流端に亘って形成されている。
【0026】
シリンダ部23には、ピストン30が配置される。シリンダ部23の上流端は、上流ねじ部22の下流端に接続されている。シリンダ部23は、流路壁面23Hに囲まれた部分である。シリンダ部23のシリンダ内径D23(
図3参照)は、上流ねじ部22の上流ねじ内径D22と異なっている。具体的には、シリンダ部23のシリンダ内径D23は、上流ねじ部22の上流ねじ内径D22より小さい。従って、シリンダ部23と上流ねじ部22との接続部分には、上流ねじ端面22a(流路21の入口)が形成される。上流ねじ端面22aは、流れ方向Fとは逆方向を向いている。シリンダ部23の流路壁面23Hは、平滑である。つまり、上流ねじ部22のように雌ねじは形成されていない。シリンダ部23の下流端は、バネ配置部24に接続されている。
【0027】
バネ配置部24には、ピストン30の一部とバネ60と、が配置される。バネ配置部24の上流端は、シリンダ部23の下流端に接続されている。バネ配置部24のバネ配置内径D24は、シリンダ内径D23と異なっている。具体的には、バネ配置部24のバネ配置内径D24は、シリンダ内径D23より大きい。従って、バネ配置部24とシリンダ部23との接続部分には、バネ配置端面24a(流路21の出口)が形成される。バネ配置端面24aは、流れ方向Fに向いている。つまり、バネ配置端面24aは、上流ねじ端面22aとは逆向きである。バネ配置部24の内周面は、平滑である。つまり、上流ねじ部22のように雌ねじは形成されていない。バネ配置部24の下流端は、下流ねじ部25に接続されている。
【0028】
下流ねじ部25には、バネ受け50が配置される。下流ねじ部25の上流端は、バネ配置部24に接続されている。下流ねじ部25の下流ねじ内径D25は、バネ配置内径D24と異なっている。具体的には、下流ねじ内径D25は、バネ配置内径D24より大きい。従って、下流ねじ部25とバネ配置部24との接続部分には、下流ねじ端面25aが形成される。下流ねじ端面25aは、流れ方向Fに向いている。つまり、下流ねじ端面25aは、上流ねじ端面22aとは逆向きであり、バネ配置端面24aとは同じ向きである。下流ねじ部25の下流端は、下流本体端面20bに開口する。つまり、下流ねじ部25の下流端は、流路21の下流流路開口21bである。下流ねじ部25の内周面には、雌ねじが形成され、バネ受け50の外周面には雄ねじが形成されている。下流ねじ部25の雌ねじにバネ受け50の雄ねじがねじ込まれる。下流ねじ部25の雌ねじは、上流端から下流端に亘って形成されている。
【0029】
センサ本体20は、第1スイッチ配置面20cと、第2スイッチ配置面20dと、を有する。第1スイッチ配置面20c及び第2スイッチ配置面20dは、上流本体端面20aから下流本体端面20bに向けて延びる。
【0030】
第1スイッチ配置面20cは、一対のスイッチ溝26A、26Bを有する。スイッチ溝26A、26Bには、スイッチユニット80が配置される。スイッチ溝26A、26Bは、上流本体端面20aから下流本体端面20bに貫通する。つまり、スイッチ溝26A、26Bは、上流本体端面20aにおける上流溝開口26aと、下流本体端面20bにおける下流溝開口26bと、を有する。スイッチ溝26A、26Bは、断面が矩形である。スイッチ溝26A、26Bは、平面視して、流路21を挟むように互いに離間している。従って、スイッチ溝26A、26Bの間に、流路21が存在する。なお、スイッチ溝26A、26Bの断面形状は、矩形に限定されず、スイッチユニット80が配置可能な形状であればよい。
【0031】
第2スイッチ配置面20dは、第1スイッチ配置面20cの裏面である。第2スイッチ配置面20dは、スイッチ溝26C、26Dを有する。スイッチ溝26C、26Dは、スイッチ溝26A、26Bと同様の構成である。例えば、平面視したとき、第1スイッチ配置面20cのスイッチ溝26Aは、第2スイッチ配置面20dのスイッチ溝26Cに重複する。第1スイッチ配置面20cのスイッチ溝26Bは、第2スイッチ配置面20dのスイッチ溝26Dに重複する。
【0032】
ピストン30は、グリス供給部2からグリス吐出部3への供給を許可する許可態様(第3形態、第4形態)と、供給を禁止する禁止態様(第1形態、第2形態)と、を相互に切り替える。これらの許可態様と禁止態様との切り替えは、グリス供給部2の動作に従う。つまり、グリス供給部2が供給動作を行うとき、ピストン30は、禁止形態から許可態様へ切り替わる。また、グリス供給部2が停止動作を行うとき、ピストン30は許可形態から禁止態様へ切り替わる。
【0033】
図4に示すように、ピストン30は、ピストン本体31と、磁石32と、を有する。ピストン本体31は、上流ピストン端面31aと、下流ピストン端面31bと、を有する。上流ピストン端面31aには、磁石32が固定されている。上流ピストン端面31aは、ストッパ40に接している。下流ピストン端面31bには、突出部33が設けられている。下流ピストン端面31bは、バネ60に接している。
【0034】
ピストン本体31は、導液部34と、溝部35と、シール部36と、突出部33と、を有する。
【0035】
図5に示すように、導液部34は、複数の稜部34aと、微小導液路37と、を有する。導液部34は、微小量のグリス又は気泡を溝部35まで導く。稜部34aは、シリンダ部23の流路壁面23Hに対して摺動可能に接触する。稜部34aの断面形状は、例えば三角形を呈する。従って、稜部34aは、稜線においてシリンダ部23の流路壁面23Hに対して接触する。稜部34aは、ピストン本体31の外周面の全面にわたって複数設けられている。その結果、導液部34には、複数の微小導液路37が形成される。微小導液路37は、上流流路開口と、下流流路開口と、を有する。微小導液路37の断面形状も、稜部34aと同様に三角形を呈する。微小導液路37の断面面積は、例えば、気泡の大きさよりも小さくてもよい。そうすると、微小導液路37に気泡が存在する場合には、気泡は、稜部34aの表面からシリンダ部23の内周面に至る。
【0036】
再び
図4に示すように、溝部35は、導液部34を通ったグリス又は気泡を一時的に溜め置く。溝部35は、導液部34とシール部36との間に設けられている。溝部35は、ピストン本体31の円周方向に沿って延びる。溝部35の深さは、例えば、微小導液路37の深さよりも深くてもよい。ピストン30がシリンダ部23に配置された状態では、溝部35は、ピストン30とシリンダ部23との間に隙間を形成する。この隙間には、グリス又は気泡を留め置くことが可能である。溝部35は、ピストン30の移動に応じて、シリンダ部23の流路壁面23Hと協働して、バネ配置部24から絶縁された空間を形成する態様と、バネ配置部24と連通する空間を形成する態様と、を相互に切り替える。
【0037】
シール部36は、溝部35から下流側へのグリス又は気泡の移動を禁止する。つまり、グリス又は気泡は、シール部36とシリンダ部23との隙間を通って下流側に実質的に移動することはない。シール部36は、シリンダ部23の内周面に対して摺動可能である。シール部36は、ピストン30の移動に応じて、シリンダ部23の流路壁面23Hと対面することにより導液部34及び溝部35をバネ配置部24から絶縁する態様と、導液部34及び溝部35をバネ配置部24と連通させる態様と、を相互に切り替える。
【0038】
突出部33は、ピストン30に対するバネ60の位置を維持する。突出部33は、下流ピストン端面31bから突出する。突出部33の外径は、シール部36の外径より小さい。また、突出部33の外径は、バネ配置部24の内径より小さい。さらに、突出部33の外径は、バネ60の内径とおおむね同じである。つまり、突出部33は、バネ60に差し込まれている。
【0039】
バネ60は、グリス供給部2が発生する圧力に対抗するばね力をピストン30に付与する。ピストン30のばね力は、シール部36より上流側の上流側圧力と釣り合うので、ばね力が大きくなるほど上流側圧力が高まる。バネ60は、上流バネ端60aと、下流バネ端60bと、を有する。上流バネ端60aは、下流ピストン端面31bに当接する。下流バネ端60bは、止め板70の上流止め板端面70aに当接する。
【0040】
ストッパ40は、ピストン30の位置を規制する。ストッパ40は、ピストン30の上流側における最上流位置を規定する。ストッパ40は、上流ストッパ端面40aと、下流ストッパ端面40bと、ねじ部40cと、を有する。上流ストッパ端面40aには、ストッパ40を工具によって回転させる溝(不図示)などが設けられている。下流ストッパ端面40bは、上流ねじ端面22aに接している。また、下流ストッパ端面40bは、上流ピストン端面31aにも接している。ねじ部40cには、雄ねじが形成されている。ストッパ40は、ストッパ穴40Hをさらに有する。ストッパ穴40Hは、上流ストッパ端面40aから下流ストッパ端面40bまで貫通する。ストッパ穴40Hには、磁石32が配置される。ストッパ穴40Hの内径は、磁石32の外径よりも大きい。
【0041】
バネ受け50は、バネ60の下流端の位置を保持する。バネ受け50は、上流バネ受け端面50aと、下流バネ受け端面50bと、ねじ部50cと、を有する。上流バネ受け端面50aは、下流ねじ端面25aに接している。また、上流バネ受け端面50aは、止め板70にも接している。下流バネ受け端面50bには、バネ受け50を工具によって回転させる溝(不図示)などが設けられている。ねじ部50cには、雄ネジが形成されている。バネ受け50は、バネ受け穴50Hをさらに有する。バネ受け穴50Hは、上流バネ受け端面50aから下流バネ受け端面50bまで貫通する。
【0042】
止め板70は、上流止め板端面70aと、下流止め板端面70bと、を有する。さらに、止め板70は、止め板穴70Hを有する。
【0043】
スイッチユニット80は、ピストン30の位置に応じた信号を出力する。スイッチユニット80は、検出範囲に所定の磁界が存在するときにセンサ信号φ(1)を出力し、所定の磁界が存在しないときにセンサ信号φ(0)を出力する。スイッチユニット80は、センサ信号φ(1)を出力すると発光する発光部を備え、発光部がスイッチユニット80の配置されたスイッチ溝から目視できるようになっていてもよい。また、スイッチユニット80はスイッチ溝内の任意の位置に配置可能であり、スイッチユニット80の位置を固定する位置決め部材を有していても良い。なお、センサ信号φ(1)及びセンサ信号φ(0)とは、説明の便宜上のものである。
図6(a)等に示すように、実施形態のセンサユニット10は、下流センサスイッチ81(位置センサ)と上流センサスイッチ82(位置センサ)とを有する。下流センサスイッチ81は、後述する第4の態様であるときにセンサ信号φ(1)を出力する。下流センサスイッチ81は、後述する第1の態様、第2の態様及び第3の態様であるときにセンサ信号φ(0)を出力する。上流センサスイッチ82は、後述する第1の態様であるときにセンサ信号φ(1)を出力する。上流センサスイッチ82は、後述する第2の態様、第3の態様及び第4の態様であるときにセンサ信号φ(0)を出力する。
【0044】
再び
図1に示すように、信号処理ユニット5は、スイッチユニット80から電気信号として送信されたセンサ信号φを処理する。信号処理ユニット5は、物理的にはコンピュータであり、コンピュータが信号処理のプロセスを記述したプログラムを実行することにより後述するいくつかの機能的構成要素が実現される。信号処理ユニット5は、スイッチユニット80に電気的に接続されている。信号処理ユニット5は、スイッチユニット80からセンサ信号φを受ける。
【0045】
信号処理ユニット5は、プログラムによって記述されるいくつかの機能的構成要素を有する。信号処理ユニット5は、機能的構成要素として、信号入力部5aと、信号生成部5bと、信号出力部5cと、を有する。信号入力部5aは、スイッチユニット80からセンサ信号φを受ける。信号生成部5bは、センサ信号φを利用して、グリス信号θを生成する。信号処理ユニット5が行う具体的なグリス信号θの生成の例示は、後述する。
【0046】
信号出力部5cは、グリス信号θを外部に出力する。グリス信号θの出力先には、特に制限はない。例えば、グリス信号θは、半導体メモリといった記憶媒体に出力されてもよいし、ネットワークを介して別のコンピュータに送信されてもよい。さらに、ディスペンサ1とは別の装置の制御にグリス信号θが用いられてもよい。
【0047】
以下、ショットセンサ4の動作について説明する。
【0048】
ショットセンサ4のセンサユニット10は、ピストン30の位置に応じて第1~第4の態様をとり得る。ピストン30が上流側から下流側へ移動するに従って、第1~第4の態様に順次変化する。ピストン30の移動は、グリス供給部2の動作に応じる。第2、第3及び第4の態様では、バネ60が初期長さよりも縮んでいる。従って、上流側における内部圧力は、バネ60が縮んだ長さに応じた力と釣り合っている。
【0049】
図6(a)に示す第1の態様は、ピストン30が最上流位置にある状態である。つまり第1の態様は、ピストン30がストッパ40に接している状態である。また、第1の態様においてバネ60の長さは最も長い。また、第1の態様は、シール部36がシリンダ部23の流路壁面23Hと接している。従って、第1の態様では、上流側から下流側へのグリス又は気泡の移動は生じない。
【0050】
図6(b)に示す第2の態様は、ピストン30が最上流位置から最下流位置の間にある状態である。つまり第2の態様は、ピストン30がストッパ40から離間する。より詳細には、第2の態様は、シール部36がシリンダ部23の流路壁面23Hと未だ接している。従って、第2の態様でも、上流側から下流側へのグリス又は気泡の移動は生じない。
【0051】
図7(a)に示す第3の態様は、第2の態様と同様にピストン30が最上流位置から最下流位置の間にある状態である。つまり第3の態様は、ピストン30がストッパ40から離間する。一方、第3の態様は、シール部36がシリンダ部23の流路壁面23Hと接しない。より詳細には、第3の態様は、溝部35がバネ配置端面24aと重複する。従って、第3の態様では、上流側から下流側へのグリス又は気泡の移動が生じ得る。
【0052】
図7(b)に示す第4の態様は、ピストン30が最下流位置にある状態である。第4の態様においてピストン30は、ストッパ40から離間する。さらに第4の態様においてバネ60の長さは最も短い。また、第4の態様は、導液部34がバネ配置端面24aと重複する。従って、第4の態様でも、第3の態様と同様に上流側から下流側へのグリス又は気泡の移動が生じ得る。第4の態様におけるピストン30の位置は、グリスの粘度等によって変動する。
【0053】
図8(a)は、気泡を含まないグリスが供給されたときに出力されるセンサ信号φ1、φ2及びグリス信号θの例示である。
図8(a)においてセンサ信号φ1は、下流センサスイッチ81の出力信号である。センサ信号φ2は、上流センサスイッチ82の出力信号である。信号処理ユニット5は、タイミングT1において、上流センサスイッチ82の出力がセンサ信号φ2(1)からセンサ信号φ2(0)に変化した後に、タイミングT2において下流センサスイッチ81の出力がセンサ信号φ1(0)からセンサ信号φ1(1)に変化したことを条件として、グリス信号θ(1)を出力する。なお、グリス信号θ(1)とは、所望量のグリスをグリス吐出部3に提供する動作が行われたことを示す。従って、所望量のグリスをグリス吐出部3に提供する動作が行われていない場合には、グリス信号θ(0)が出力され続ける。
【0054】
図8(b)は気泡を含むグリスが供給されたときに出力されるセンサ信号φ1、φ2及びグリス信号θの例示である。
図8(b)に示すように、信号処理ユニット5は、タイミングT1において上流センサスイッチ82の出力がセンサ信号φ2(1)からセンサ信号φ2(0)に変化した後に、タイミングT4において再びセンサ信号φ2(1)に変化した場合であって、下流センサスイッチ81の出力がセンサ信号φ1(0)のままであることを条件として、グリス信号θ(0)を出力し続ける。この例示は、ピストン30の位置が、第1の態様から第2の態様又は第3の態様まで変化したものの、第4の態様には達しなかったことを示す。
【0055】
以下、グリスが気泡を含む場合の動作と気泡を含まない場合の動作とについて順に説明する。
【0056】
グリスが気泡を含まない場合とは、上流ねじ部22及びシリンダ部23の上流側の領域がすべてグリスによって満たされている状態をいう。なおシリンダ部23の上流側とは、導液部34及び溝部35を含む領域である。換言すると、シール部36よりも上流側をいう。この状態において、グリス供給部2の供給ピストンがグリスを押し出す方向に移動する。そうすると、グリスは、下流側に移動しようとするが、グリスの移動は、シール部36によって妨げられる。その結果、グリスは、磁石32の上流マグネット端面、上流ピストン端面31a及び溝部35の上流側に向いた面を押圧する。この力に対して、バネ60が反力を生じる。押圧力と反力とは釣り合うので、供給ピストンが下流側に移動する、つまり、グリスが下流側により移動させられるに伴い、押圧力が増加する。そして、それに伴ってバネ60の反力も増加する。
【0057】
バネ60の反力が増加するということは、バネ60の縮みが大きくなる(バネ60の長さが短くなる)ことである。従って、バネ60の縮みに応じて、ピストン30は下流側に移動していく。その結果、シリンダ部23の上流側における内部圧力が増加する。グリスは、圧力に対する圧縮性が小さいので、供給ピストンが下流側に移動するに従って、グリスの圧力は比例的に増加する。例えば、供給ピストンの位置と、グリスの圧力とは、正比例するものと仮定してもよい。ピストン30が第3の態様に至ると、溝部35がバネ配置部24に開放される。従って、シリンダ部23とバネ配置部24とが連通する。
【0058】
つまり、シリンダ部23からバネ配置部24へのグリスの移動が開始される。この状態において、供給ピストンの位置は、下死点に達しない。つまり、グリスの圧力はさらに増加を続ける。この間、グリスは、下流側に移動し続ける。そして、供給ピストンの位置が下死点に達すると、グリスの圧力も最大値に達する。つまり、第3の態様から第4の態様に移行する。そして、供給ピストンは下死点から再び上死点に向かって移動し始める。そうすると、グリスの圧力は、減少し始める。つまり、押圧力が減少するので、ピストン30は上流側に移動する。グリスが気泡を含まない場合には、上記の動作が繰り返される。
【0059】
グリスが気泡を含む場合とは、上流ねじ部22及びシリンダ部23の上流側の領域がすべてグリスによって満たされておらず、その一部に気泡を含む状態をいう。供給ピストンの動作と、ピストン30の動作とは、基本的には、上述したグリスが気泡を含まない場合と同じである。しかし、グリスが気泡を含む場合には、グリスが気泡を含まない場合に対して2つの相違する状態が生じる。
【0060】
まず、第1の状態として、グリスが気泡を含む場合のグリスの最大圧力は、グリスが気泡を含まない場合のグリスの最大圧力より小さい。なぜならば、気泡は、圧力によって容易に変形(圧縮)されるからである。供給ピストンの移動に応じて、グリスの移動が促されるに伴い、グリスの圧力が増加しようとする。しかし、この圧力によって気泡が圧縮されるので、圧力の上昇が抑制される。つまり、供給ピストンの位置が下流側に移動するとグリスの圧力が増加する傾向にあるものの、その増加の割合が抑制されてしまう。その結果、供給ピストンが下死点に達したときのグリスの最大圧力は、グリスが気泡を含まない場合のグリスの最大圧力より小さくなる。圧力が小さくなるということは、バネ60の縮みも抑制されることである。そうすると、気泡を含む場合においてグリスの最大圧力に達したとしても、第3の態様に達するに留まり、第4の態様に至ることがない場合が生じ得る。
【0061】
この場合にあっては、例えば、
図7(a)に例示するように、下流センサスイッチ81が第4の態様にあるピストン30を検出する位置にあるとき、ピストン30が移動したことを検知しない。つまり、気泡を含む場合における供給動作において、下流センサスイッチ81は、供給動作がなされたことをカウントしない。このとき、気泡が下流側に排出されると気泡の体積分グリスの吐出量が減少する。すなわち、供給動作がなされたとカウントしないことで、所定量のグリスが吐出されなかったことを検出できる。
【0062】
さらに、第2の状態として、供給動作がなされたとカウントされない動作において、気泡が下流側に排出される状態が生じる。気泡が下流側に排出された場合に、上流側の領域に残されたグリスが気泡を含まない状態となれば、次の供給動作は、カウントされ得る供給動作となる。例えば、微小導液路37に気泡が存在するとき、グリスの圧力が高まるにつれて、気泡は、下流側に移動し最終的に溝部35に集まる。そして、この状態において、第3の態様に達すると、溝部35に溜まった気泡がバネ配置部24に移動する。つまり、上流側から気泡が排出される。そして、ピストン30は、第3の態様から第4の態様に達することなく、第1の態様に移行する。
【0063】
要するに、ショットセンサ4は、シール部36が流路壁面23Hと接している状態で気泡を含むグリスが流路21の入口から流れ込むと、当該気泡は導液部34に導かれる。そして、グリスの流れ込みに応じてピストン30が下流側に移動すると、気泡を含んだ溝部35が流路21の出口に重複する。その結果、気泡は、出口より下流側に移動する。つまり、気泡を含むグリスが流路21に供給されたときは、当該気泡を主体的に下流側へ流すことが可能になる。この動作によれば、グリスに含まれた気泡に起因して、ピストン30の動作回数と吐出量との関係のずれが発生することが抑制される。従って、ピストン30の動作回数から吐出されたグリスの量を精度よく得ることができる。
【0064】
ショットセンサ4において、導液部34は、流路21の延びる流れ方向Fにおいて、微小導液路37とシール部36との間に形成される溝部35を含む。この溝部35によれば、気泡を溜め置く空間を拡大することができる。
【0065】
ショットセンサ4は、ピストン30の位置に関する信号を出力するスイッチユニット80をさらに備える。このスイッチユニット80によれば、ピストン30の位置に応じた信号を外部に提供することができる。
【0066】
ショットセンサ4において、ピストン30は、磁石32を含み、スイッチユニット80は、センサ本体20に取り付けられて、磁石32の磁界に基づいてピストン30の位置に関する信号を出力する。このスイッチユニット80によれば、ピストン30の位置に応じた信号を確実に外部に提供することができる。
【0067】
ショットセンサ4において、スイッチユニット80は、導液部34が出口に重複している状態を示す第1信号を出力してもよい。このスイッチユニット80によれば、下流側へのグリス又は気泡の移動を許可する位置にピストン30があることを示す信号を外部に提供することができる。
【0068】
ショットセンサ4において、スイッチユニット80は、シール部36が出口に重複している状態を示す第2信号を出力してもよい。このスイッチユニット80によれば、下流側へのグリスの供給を禁止する位置にピストン30があることを示す信号を外部に提供することができる。
【0069】
ショットセンサ4において、スイッチユニット80は、溝部35が出口に重複している状態を示す第3信号を出力してもよい。このスイッチユニット80によれば、外部に提供する信号のバリエーションを増やすことができる。
【0070】
ディスペンサ1は、保存されたグリスを間欠的に押し出すグリス供給部2と、グリスを間欠的に吐出するグリス吐出部3と、グリス供給部2とグリス吐出部3との間に配置されたショットセンサ4と、を備える。ショットセンサ4は、グリスが流れ込む入口とグリスが吐き出される出口とを含む流路21が設けられたセンサ本体20と、流路21に配置されると共に流路21において往復移動が可能なピストン30と、ピストン30を上流側へ付勢するバネと、を有する。ピストン30は、出口側に配置された端部に設けられ、流路21を囲む流路21壁面に接することによりグリスの移動を禁止するシール部36と、入口側に配置された端部に設けられ、入口側の端面からシール部36に至る複数の隙間を形成する導液部34と、を含む。
【0071】
ディスペンサ1は、上記のショットセンサ4を備えている。従って、吐出されたグリスの量を精度よく得ることが可能であるから、所望量のグリスを確実に吐出することができる。
【0072】
本発明の液滴流量計及び定量供給装置は、上記の態様に限定されない。
【0073】
例えば、上記の実施形態では、スイッチユニット80は、2個の下流センサスイッチ81及び上流センサスイッチ82を含んでいた。そして、下流センサスイッチ81は、第4の態様であるピストン30を検知すると共に、上流センサスイッチ82は、第1形態であるピストン30を検知していた。スイッチユニット80を構成するセンサスイッチは、これらの態様に限定されない。例えば、スイッチユニット80は、1個のセンサスイッチによって構成されてもよいし、3個以上のセンサスイッチによって構成されてもよい。スイッチユニット80が1個のセンサスイッチを含む場合には、当該センサスイッチは、第4の態様であるピストン30の位置を検知するものとしてよい。
【0074】
また、スイッチユニット80が3個のセンサスイッチを含む場合には、第1のセンサスイッチが第4の態様であるピストン30の位置を検知し、第2のセンサスイッチが第1の態様であるピストン30の位置を検知する。そして、第3のセンサスイッチが第3の態様であるピストン30の位置を検知してもよい。この第3のセンサスイッチによれば、気泡を排出したピストンの動作回数や、所望量より少ない量(例えば、1/2)のグリスが提供された回数を得ることができる。
【符号の説明】
【0075】
1 ディスペンサ(定量供給装置)
2 グリス供給部
3 グリス吐出部
4 ショットセンサ(液滴流量計)
5 信号処理ユニット
5a 信号入力部
5b 信号生成部
5c 信号出力部
10 センサユニット
21 流路
22 上流ねじ部
23 シリンダ部
23H 流路壁面
24 バネ配置部
25 下流ねじ部
30 ピストン
32 磁石
33 突出部
34 導液部
35 溝部
36 シール部
37 微小導液路
40 ストッパ
50 バネ受け
60 バネ
70 止め板
80 スイッチユニット
81 下流センサスイッチ(位置センサ)
82 上流センサスイッチ(位置センサ)
F 流れ方向