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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】風呂装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/196 20220101AFI20240202BHJP
   F24H 15/176 20220101ALI20240202BHJP
   F24H 15/265 20220101ALI20240202BHJP
【FI】
F24H15/196 301Z
F24H15/176
F24H15/196 301G
F24H15/265
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020073624
(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公開番号】P2021169897
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】小林 夕翔也
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-071810(JP,A)
【文献】特開2009-250490(JP,A)
【文献】特開2001-272103(JP,A)
【文献】特開2018-134165(JP,A)
【文献】特開2001-241724(JP,A)
【文献】特開平11-264608(JP,A)
【文献】特開2002-015384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H1/00,15/176,15/196,15/265
A47K3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室に設置された浴槽に湯を供給する給湯動作を実行可能な給湯器と協働可能に設けられ、前記浴室内で入浴中の人によって利用される入浴時運転動作を実行可能な設備機器と、
前記設備機器を制御する制御装置と、
前記浴室に入室する人の入室目的が入浴か否かを判断する入室目的判断手段と、を備え、
前記制御装置は、
前記入室目的が入浴であると前記入室目的判断手段が判断した場合、前記入浴時運転動作を実行する一方、
前記入室目的が入浴でないと前記入室目的判断手段が判断した場合、前記入浴時運転動作を実行しないように構成され
脱衣室又は前記浴室に入室した入室者を検知する入室者検知手段と、
前記給湯器を操作するリモコンと、をさらに備え、
前記入室目的判断手段は、前記リモコンに対して前記給湯動作を実行するための所定の操作が行われたときから所定の期間内に前記入室者検知手段が前記入室者を検知した場合、前記入室目的が入浴であると判断することを特徴とする風呂装置。
【請求項2】
脱衣室又は前記浴室に入室した入室者を検知する入室者検知手段と、
前記入室者の画像を撮像する撮像手段と、をさらに備え、
前記入室目的判断手段は、前記撮像手段の画像情報に基づいて前記入室目的が入浴か否かを判断する請求項1記載の風呂装置。
【請求項3】
浴室に設置された浴槽に湯を供給する給湯動作を実行可能な給湯器と協働可能に設けられ、前記浴室内で入浴中の人によって利用される入浴時運転動作を実行可能な設備機器と、
前記設備機器を制御する制御装置と、
前記浴室に入室する人の入室目的が入浴か否かを判断する入室目的判断手段と、を備え、
前記制御装置は、
前記入室目的が入浴であると前記入室目的判断手段が判断した場合、前記入浴時運転動作を実行する一方、
前記入室目的が入浴でないと前記入室目的判断手段が判断した場合、前記入浴時運転動作を実行しないように構成され、
脱衣室又は前記浴室に入室した入室者を検知する入室者検知手段と、
前記入室者の画像を撮像する撮像手段と、をさらに備え、
前記入室目的判断手段は、前記撮像手段の画像情報に基づいて前記入室目的が入浴か否かを判断することを特徴とする風呂装置。
【請求項4】
前記設備機器は、追焚き装置及び即湯装置の少なくとも一方を有し、
前記追焚き装置は、前記入浴時運転動作として、前記浴室に設置された前記浴槽に貯留された湯又は水を加熱する追焚き運転を実行可能であり、
前記即湯装置は、前記入浴時運転動作として、前記浴室に設置された水栓金具に接続された配管内における前記水栓金具の直前での湯温を所定の温度以上に維持する即湯運転を実行可能である請求項1乃至3のいずれか1項記載の風呂装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は風呂装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の風呂装置の例が開示されている。この風呂装置は、熱源機、制御部及び人検知センサを備えている。熱源機は、浴室に設置された浴槽に湯を供給する給湯動作を実行可能であるとともに、浴室内で入浴中の人によって利用される入浴時運転動作として追焚き運転を実行可能である。制御部は、熱源機を制御する。人検知センサは、浴室への人の入退室を検知する。
【0003】
制御部は、例えば特許文献1の図3に示されているように、追焚き運転を実行しているときに浴室から人が退室したことを人検知センサが検知した場合、追焚き運転を停止し、その後、浴室に人が入室したことを人検知センサが検知した場合、追焚き運転を実行するようになっている。
【0004】
また、特許文献2に従来の風呂装置の別の例が開示されている。この風呂装置は、特許文献2の図9に示されているように、給湯器、コントローラ及び人検知装置を備えている。給湯器は、浴室に設置された浴槽に湯を供給する給湯動作を実行可能であるとともに、入浴時運転動作として即湯運転モードを実行可能である。コントローラは、給湯器を制御する。人検知装置は、浴室への人の入退室を検知する。
【0005】
コントローラは、例えば特許文献2の図11に示されているように、浴室に人が入室したことを人検知装置が検知した場合、即湯運転モードをオンにし、その後、浴室から人が退室したことを人検知装置が検知した場合、即湯運転モードをオフにするようになっている。
【0006】
こうして、これらの風呂装置では、入浴中の人が行う操作を減らして、入浴中の快適性の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-100593号公報
【文献】特開2001-272103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記従来の風呂装置では、例えば風呂掃除やシャンプー等の消耗品の交換といった入浴以外の目的で浴室に人が入室した場合でも、追焚き運転や即湯運転が実行されてエネルギーが無駄に消費されてしまうことから、省エネルギー性の向上を実現することが難しい。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、入浴中の快適性の向上と、省エネルギー性の向上とを実現できる風呂装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の風呂装置は、浴室に設置された浴槽に湯を供給する給湯動作を実行可能な給湯器と協働可能に設けられ、前記浴室内で入浴中の人によって利用される入浴時運転動作を実行可能な設備機器と、
前記設備機器を制御する制御装置と、
前記浴室に入室する人の入室目的が入浴か否かを判断する入室目的判断手段と、を備え、
前記制御装置は、
前記入室目的が入浴であると前記入室目的判断手段が判断した場合、前記入浴時運転動作を実行する一方、
前記入室目的が入浴でないと前記入室目的判断手段が判断した場合、前記入浴時運転動作を実行しないように構成され
脱衣室又は前記浴室に入室した入室者を検知する入室者検知手段と、
前記給湯器を操作するリモコンと、をさらに備え、
前記入室目的判断手段は、前記リモコンに対して前記給湯動作を実行するための所定の操作が行われたときから所定の期間内に前記入室者検知手段が前記入室者を検知した場合、前記入室目的が入浴であると判断することを特徴とする。
【0011】
本発明の風呂装置では、入室目的が入浴であると入室目的判断手段が判断した場合、制御装置が入浴時運転動作を実行する。これにより、この風呂装置では、入浴中の人が行う操作を減らすことができる。
【0012】
また、この風呂装置では、入室目的が入浴でないと入室目的判断手段が判断した場合、制御装置が入浴時運転動作を実行しない。これにより、この風呂装置では、例えば風呂掃除や消耗品の交換といった入浴以外の目的で浴室に人が入室した場合には、入浴時運転動作が実行されず、エネルギーが無駄に消費されることを抑制できる。
【0013】
したがって、本発明の風呂装置では、入浴中の快適性の向上と、省エネルギー性の向上とを実現できる。
【0014】
本発明の風呂装置は、脱衣室又は浴室に入室した入室者を検知する入室者検知手段と、給湯器を操作するリモコンと、をさらに備えている。そして、入室目的判断手段は、リモコンに対して給湯動作を実行するための所定の操作が行われたときから所定の期間内に入室者検知手段が入室者を検知した場合、入室目的が入浴であると判断する。
【0015】
これから入浴しようとする人は、リモコンに対して給湯動作を実行するための所定の操作を行ったときから所定の期間内に脱衣室又は浴室に入室する可能性が高い。リモコンが浴室に設けられていれば、そのリモコンに対して給湯動作を実行するための所定の操作を行い、かつ、その後に浴室から退室したときから所定の期間内に脱衣室又は浴室に入室する可能性が高い。そして、そのような条件に合致した場合、入室目的が入浴であると確実性高く推定できる。その結果、入室目的判断手段は、入室目的が入浴か否かを精度良く判断できる。
【0016】
本発明の風呂装置は、脱衣室又は浴室に入室した入室者を検知する入室者検知手段と、入室者の画像を撮像する撮像手段と、をさらに備えていることが望ましい。そして、入室目的判断手段は、撮像手段の画像情報に基づいて入室目的が入浴か否かを判断することが望ましい。
【0017】
これから入浴しようとする人は、衣服を脱いだ状態で浴室に入室する。浴室の隣に脱衣室が設けられていれば、脱衣室で衣服を脱いでから浴室に入室する。このため、脱衣室又は浴室に入室した入室者の画像情報として、例えば「肌色の比率が所定値よりも大きい」、「肌色の比率が増加している」、「衣服を脱ぐ動作をしている」という情報を入室目的判断手段が取得した場合、入室目的判断手段は、入室者がこの後に入浴すると確実性高く推定できる。その結果、入室目的判断手段は、入室目的が入浴か否かを精度良く判断できる。
本発明の別の風呂装置は、浴室に設置された浴槽に湯を供給する給湯動作を実行可能な給湯器と協働可能に設けられ、前記浴室内で入浴中の人によって利用される入浴時運転動作を実行可能な設備機器と、
前記設備機器を制御する制御装置と、
前記浴室に入室する人の入室目的が入浴か否かを判断する入室目的判断手段と、を備え、
前記制御装置は、
前記入室目的が入浴であると前記入室目的判断手段が判断した場合、前記入浴時運転動作を実行する一方、
前記入室目的が入浴でないと前記入室目的判断手段が判断した場合、前記入浴時運転動作を実行しないように構成され、
脱衣室又は前記浴室に入室した入室者を検知する入室者検知手段と、
前記入室者の画像を撮像する撮像手段と、をさらに備え、
前記入室目的判断手段は、前記撮像手段の画像情報に基づいて前記入室目的が入浴か否かを判断することを特徴とする。
【0018】
設備機器は、追焚き装置及び即湯装置の少なくとも一方を有していることが望ましい。追焚き装置は、入浴時運転動作として、浴室に設置された浴槽に貯留された湯又は水を加熱する追焚き運転を実行可能であることが望ましい。即湯装置は、入浴時運転動作として、浴室に設置された水栓金具に接続された配管内における水栓金具の直前での湯温を所定の温度以上に維持する即湯運転を実行可能であることが望ましい。
【0019】
この場合、入浴時運転動作が利用頻度の高い追焚き運転や即湯運転であることにより、入浴中の快適性の向上を一層実現できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の風呂装置によれば、入浴中の快適性の向上と、省エネルギー性の向上とを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、実施例1の風呂装置のブロック図である。
図2図2は、実施例1の風呂装置に係り、入室目的判断プログラムのフローチャートである。
図3図3は、実施例1の風呂装置に係り、入浴時運転動作(追焚き運転)サブルーチンのフローチャートである。
図4図4は、実施例1の風呂装置に係り、入浴時運転動作(即湯運転)サブルーチンのフローチャートである。
図5図5は、実施例2の風呂装置に係り、入室目的判断プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
【0023】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の風呂装置1は、本発明の風呂装置の具体的態様の一例であり、住宅A1に適用されている。住宅A1には、台所R3、浴室R1及び脱衣室R2が設けられている。
【0024】
浴室R1には、浴槽3及び水栓金具5が設置されている。水栓金具5は、給湯水栓5A及びシャワー5Bと、それらに接続された接続管5Cとを含んでいる。
【0025】
脱衣室R2は、浴室R1に隣接して設けられている。浴室R1に入室する人は、必ず脱衣室R2を通過するようになっている。
【0026】
風呂装置1は、住宅A1に設置された追焚き機能付き給湯システム10及び即湯装置40を備えている。追焚き機能付き給湯システム10は、給湯器20及び追焚き装置30を有している。即湯装置40は、追焚き機能付き給湯システム10に外付けされている。追焚き装置30及び即湯装置40は、本発明の「設備機器」の一例である。
【0027】
また、風呂装置1は、台所R3に設置された台所リモコン73と、浴室R1に設置された浴室リモコン71と、制御装置7とを備えている。台所リモコン73及び浴室リモコン71はそれぞれ、本発明の「給湯器を操作するリモコン」の一例である。
【0028】
<追焚き機能付き給湯システム>
追焚き機能付き給湯システム10において、給湯器20と追焚き装置30とは、ユニット化されてハウジングに収容されている。
【0029】
給湯器20には、入水配管P1の一端と出湯配管P2の一端とが接続されている。追焚き装置30には、第1往き配管P3Aの一端と第1戻り配管P3Bの一端とが接続されている。出湯配管P2の一端側と第1往き配管P3Aの一端側とは、電磁弁V1を介して接続されている。第1往き配管P3Aの他端と第1戻り配管P3Bの他端とは、浴槽3に接続されている。
【0030】
出湯配管P2における電磁弁V1よりも給湯器20から離れた部位には、第2往き配管P5Aの一端が接続されている。入水配管P1には、第2戻り配管P5Bの一端が逆止弁V2を介して接続されている。逆止弁V2は、入水配管P1から第2戻り配管P5Bに向かう流れを遮断するようになっている。第2往き配管P5Aの他端と第2戻り配管P5Bの他端とは、水栓金具5の接続管5Cの下端に接続されている。
【0031】
給湯器20は、入水配管P1によって供給される水を図示しない給湯用熱交換器によって加熱して湯にした後、出湯配管P2と、接続状態の電磁弁V1と、第1往き配管P3Aとを経由して、浴室R1に設置された浴槽3に湯を供給する給湯動作を実行可能である。
【0032】
給湯器20の給湯動作には、入浴する人の所望する水位となるまで浴槽3内に湯を供給する湯はり運転や、浴槽3に所定量の湯を補充する足し湯運転が含まれる。
【0033】
また、給湯器20は、水を加熱して湯にした後、出湯配管P2を経由して台所R2の図示しない水栓金具に湯を供給したり、出湯配管P2と第2往き配管P5Aとを経由して、浴室R1に設置された水栓金具5に湯を供給したりする給湯運転を実行可能である。
【0034】
追焚き装置30は、電磁弁V1を遮断状態に切り替えて図示しない循環ポンプを作動させ、浴槽3内に貯留された湯又は水を第1戻り配管P3Bを経由して図示しない追焚き用熱交換器に戻して加熱した後、第1往き配管P3Aを経由して浴槽3に供給する追焚き運転を実行可能である。
【0035】
追焚き装置30は、追焚き運転によって、浴槽3内で温度が低下した湯又は水を入浴する人の所望する温度まで加熱したり、給湯器20の湯はり運転によって浴槽3内に貯留された適温の湯を入浴中に冷めないように保温したりすることができる。
【0036】
つまり、追焚き装置30は、給湯器20と協働可能に設けられており、浴室R1内で入浴中の人によって利用される入浴時運転動作として追焚き運転を実行可能である。
【0037】
<即湯装置>
即湯装置40は、図示しない温度センサ及び循環ポンプを有している。即湯装置40は作動を開始すると、図示しない温度センサによって第2戻り配管P5B内の湯温を継続的に検知する。即湯装置40は、第2戻り配管P5B内の湯温が所定の温度以上であることを検知している間は、図示しない循環ポンプを停止させて待機している。
【0038】
そして、即湯装置40は、第2戻り配管P5B内の湯温が所定温度未満に低下したことを検知した場合、図示しない循環ポンプを作動させ、第2戻り配管P5B、入水配管P1、給湯器20、出湯配管P2、第2往き配管P5Aの順で温度が低下した湯を循環させ、給湯器20によって加熱する。
【0039】
その後、即湯装置40は、第2戻り配管P5B内の湯温が所定温度以上に戻ったことを検知した場合、図示しない循環ポンプを停止させる。そして、即湯装置40は作動中、この循環加熱動作と待機とを繰り返す。
【0040】
こうして、即湯装置40は、第2往き配管P5A内における水栓金具5の直前での湯温を所定の温度以上に維持する即湯運転を実行可能である。
【0041】
つまり、即湯装置40は、給湯器20と協働可能に設けられており、浴室R1内で入浴中の人によって利用される入浴時運転動作として即湯運転を実行可能である。
【0042】
<台所リモコン及び浴室リモコン>
台所リモコン73は、追焚き機能付き給湯システム10の給湯器20及び追焚き装置30と、即湯装置40とを台所R3から操作して、上述した給湯運転、湯はり運転、追焚き運転、即湯運転等を実行させるための端末装置である。
【0043】
台所リモコン73は、液晶パネル等である表示部73Aによって、追焚き機能付き給湯システム10及び即湯装置40の設定情報や運転状況等の各種情報を表示する。
【0044】
また、台所リモコン73は、「運転」スイッチ73B、「湯はり」スイッチ73C及び「追焚き」スイッチ73Dを含む複数の操作スイッチによって、追焚き機能付き給湯システム10及び即湯装置40の操作に関する入力を受ける。
【0045】
例えば、台所リモコン73は、台所にいる人が「運転」スイッチ73Bを押す操作により、電源OFFから電源ONになる。また、台所リモコン73は、台所にいる人が「湯はり」スイッチ73Cを押す操作により、湯はり運転を開始するための指示を受ける。さらに、台所リモコン73は、台所にいる人が「追焚き」スイッチ73Dを押す操作により、追焚き運転を開始するための指示を受ける。
【0046】
浴室リモコン71は、追焚き機能付き給湯システム10の給湯器20及び追焚き装置30と、即湯装置40とを浴室R1から操作する端末装置である。浴室リモコン71は、台所リモコン73と同様の構成であるので説明は省略する。
【0047】
<制御装置>
制御装置7は、マイコン、メモリ、インターフェース回路等を含む電子回路ユニットにより構成されている。制御装置7は、追焚き機能付き給湯システム10の給湯器20及び追焚き装置30と、即湯装置40とを制御する。また、制御装置7は、台所リモコン73及び浴室リモコン71と有線によって接続されており、それらとの間で通信を行う。
【0048】
制御装置7は、追焚き機能付き給湯システム10及び即湯装置40の運転状況等の各種情報を台所リモコン73の表示部73Aや浴室リモコン7の表示部に表示させる。
【0049】
また、制御装置7は、台所リモコン73の「運転」スイッチ73B等を含む複数の操作スイッチや、浴室リモコン71の複数の操作スイッチに対する入力に基づいて、追焚き機能付き給湯システム10及び即湯装置40への指示や、それらの作動条件の設定や変更等を実行する。
【0050】
例えば、制御装置7は、台所リモコン73の「運転」スイッチ73Bが押されることにより、給湯器20を起動し、給湯運転、湯はり運転及び足し湯運転を実行可能な待機状態とする。台所リモコン73の「運転」スイッチ73Bを押す操作は、本発明の「給湯動作を実行するための所定の操作」の一例である。
【0051】
また、制御装置7は、台所リモコン73の「湯はり」スイッチ73Cが押されることにより、湯はり運転を実行する。さらに、制御装置7は、台所リモコン73の「追焚き」スイッチ73Dが押されることにより、追焚き装置30を起動して追焚き運転を実行する。
【0052】
<浴室内人感センサ及び浴室内カメラ>
風呂装置1は、浴室R1の天井に設置された浴室内人感センサ51及び浴室内カメラ61をさらに備えている。浴室内人感センサ51は、本発明の「入室者検知手段」の一例である。浴室内カメラ61は、本発明の「撮像手段」の一例である。
【0053】
なお、図1に二点鎖線で示す脱衣室内人感センサ52及び脱衣室内カメラ62は、実施例2の風呂装置において浴室内人感センサ51及び浴室内カメラ61の代わりに採用されるものであるので、本実施例では説明しない。
【0054】
浴室内人感センサ51は、図示しない赤外線センサによって浴室R1内の赤外線を継続的に検知している。そして、浴室内人感センサ51は、浴室R1に入室した入室者H1が浴室内人感センサ51の検知範囲を通過した時の赤外線の量の違いを感知することによって入室者H1を検知し、検知結果を制御装置7に伝達する。
【0055】
浴室内カメラ61は、浴室R1内の画像を撮影可能である。浴室内カメラ61は、浴室内人感センサ51が入室者H1を検知した場合に制御装置7によって起動されて入室者H1の画像を撮像し、取得した入室者H1の画像情報を制御装置7に伝達する。
【0056】
<入室目的判断手段>
制御装置7は、入室目的判断手段7Aを有している。入室目的判断手段7Aは、制御装置7を構成するマイコン、メモリ、インターフェース回路等の一部によって構成されている。制御装置7のメモリには、図2に示す入室目的判断プログラムS101~S108と、図3に示す入浴時運転動作(追焚き運転)サブルーチンS301~S305と、図4に示す入浴時運転動作(即湯運転)サブルーチンS311~S317とが記憶されている。
【0057】
入室目的判断手段7Aは、入室目的判断プログラムS101~S108を実行して浴室R1に入室した入室者H1の入室目的が入浴か否かを判断する。制御装置7は、入室目的が入浴であると入室目的判断手段7Aが判断してステップS108に移行したときに、入浴時運転動作(追焚き運転)サブルーチンS301~S305と、入浴時運転動作(即湯運転)サブルーチンS311~S317とを同時並行的に実行する。
【0058】
より詳しくは、住宅A1の元電源が投入されたときに制御装置7が起動し、入室目的判断手段7Aが入室目的判断プログラムS101~S108を開始する。
【0059】
ステップS101において、入室目的判断手段7Aは、台所リモコン73が電源OFFから電源ONになったか否かを判断する。
【0060】
台所リモコン73の「運転」スイッチ73Bを押されて台所リモコン73が電源OFFから電源ONになるまでは、ステップS101において「No」となり、ステップS101を繰り返す。また、台所リモコン73が電源ONになると、次に電源OFFとなり、さらに電源OFFから電源ONになるまでは、ステップS101において「No」となり、ステップS101を繰り返す。
【0061】
その一方、台所にいる人が台所リモコン73の「運転」スイッチ73Bを押す操作を行って台所リモコン73が電源OFFから電源ONになると、ステップS101において「Yes」となり、ステップS102に移行する。
【0062】
ステップS101からステップS102に移行すると、入室目的判断手段7Aは、台所リモコン73が電源ONになってからの経過時間が所定の期間T1以上になったか否かを判断する。ステップS102において「Yes」の場合、ステップS101に戻る。その一方、ステップS102において「No」の場合、ステップS103に移行する。
【0063】
ステップS102からステップS103に移行すると、入室目的判断手段7Aは、浴室内人感センサ51が浴室R1に入室した入室者H1を検知したか否かを判断する。
【0064】
ステップS103において「No」の場合、ステップS102に戻る。その一方、ステップS103において「Yes」の場合、ステップS104に移行する。
【0065】
ステップS101~S103を経てステップS104に移行する場合、すなわち台所リモコン73が電源OFFから電源ONになってからの経過時間が所定の期間T1に到達する前に浴室R1への入室者H1が検知された場合、入室目的判断手段7Aは、入室者H1の入室目的が入浴である可能性が高いと判断する。そして、入室目的判断手段7Aは、浴室内カメラ61を起動して浴室R1への入室者H1を撮影させ、浴室内カメラ61の画像情報を取得する。
【0066】
所定の期間T1は、入浴しようとする人が台所リモコン73を電源ONにして浴槽3に湯をはったり、浴槽3の残り湯を追焚きしたりする入浴準備動作の標準的なパターンに基づいて設定され、メモリに記憶されている。なお、入室目的判断手段7Aは、住宅A1に住む人の入浴パターンを学習して所定の期間T1を最適化してもよい。
【0067】
ステップS103からステップS104に移行すると、入室目的判断手段7Aは、浴室R1への入室者H1を検知してからの経過時間が所定時間T2以上になったか否かを判断する。所定時間T2は、次のステップS105の判断を精度良く実行可能な時間となるように設定され、メモリに記憶されている。
【0068】
ステップS104において「No」の場合、ステップS105に移行する。その一方、ステップS104において「Yes」の場合、ステップS107に移行し、入室者H1の入室目的が入浴ではないと判断する。その後、このプログラムは終了され、住宅A1の元電源が投入されている間、繰り返される。
【0069】
ステップS104からステップS105に移行すると、入室目的判断手段7Aは、入室者H1が脱衣したか否かを判断する。より詳しくは、入室目的判断手段7Aは、浴室内カメラ61の画像情報から入室者H1の画像情報を抽出し、入室者H1の全身の面積に占める肌色の面積の比率が所定値以上であるか否かを判断する。
【0070】
ステップS105において「No」の場合、ステップS104に戻る。その一方、ステップS105において「Yes」の場合、ステップS106に移行し、入室者H1の入室目的が入浴であると判断してステップS108に移行する。これにより、制御装置7は、図3に示す入浴時運転動作(追焚き運転)サブルーチンS301~S305と、図4に示す入浴時運転動作(即湯運転)サブルーチンS311~S317とを同時並行的に実行する。その後、このプログラムは終了され、住宅A1の元電源が投入されている間、繰り返される。
【0071】
制御装置7は、図3に示す入浴時運転動作(追焚き運転)サブルーチンS301~S305を開始すると、ステップS301において、追焚き装置30の図示しない循環ポンプを作動させる。これにより、浴槽3内に貯留された湯が第1戻り配管P3Bを経由して追焚き装置30に戻される。追焚き装置30内に設けられた図示しない温度センサは、第1戻り配管P3B内の湯温を検知し、その検知結果を制御装置7に伝達する。制御装置7はその検知結果に基づいて、浴槽3内に貯留された湯の湯温を検知する。
【0072】
次に、制御装置7は、ステップS302に移行し、浴槽3内に貯留された湯の湯温が所定温度Tf℃よりも低いか否かを判断する。所定温度Tf℃は、追焚き運転の必要性が低い標準的な温度に設定され、メモリに記憶されている。
【0073】
ステップS302において「Yes」の場合、ステップS303に移行する。その一方、ステップS302において「No」の場合、ステップS305に移行する。
【0074】
ステップS302からステップS303に移行すると、制御装置7は、追焚き装置30を作動させ、追焚き運転を開始する。
【0075】
次に、制御装置7は、ステップS304に移行し、浴槽3内に貯留された湯の湯温が所定温度Tf℃以上であるか否かを判断する。ステップS304において「No」の場合、ステップS304を繰り返す。その一方、ステップS304において「Yes」の場合、ステップS305に移行する。
【0076】
ステップS302又はステップS304からステップS305に移行すると、制御装置7は、追焚き装置30を制御して追焚き運転を停止させた後、このサブルーチンを終了する。
【0077】
制御装置7は、図4に示す入浴時運転動作(即湯運転)サブルーチンS311~S317を開始すると、即湯装置40を作動させ、即湯運転を開始する。即湯運転は、循環加熱動作と待機との繰り返しである。
【0078】
制御装置7は、ステップS311において、即湯装置40の図示しない温度センサが検知した第2戻り配管P5B内の湯温を取得し、第2戻り配管P5B内の湯温が第1所定温度Tg℃よりも低いか否かを判断する。第1所定温度Tg℃は、水栓金具5から出る湯の湯温が低すぎるとユーザが感じない程度に設定されている。
【0079】
ステップS311において「Yes」の場合、ステップS312に移行する。その一方、ステップS311において「No」の場合、ステップS316に移行する。
【0080】
ステップS311からステップS312に移行すると、制御装置7は、即湯装置40の図示しない循環ポンプを作動させる。これにより、第2戻り配管P5B、入水配管P1、給湯器20、出湯配管P2、第2往き配管P5Aの順で温度が低下した湯が循環する。
【0081】
次に、制御装置7は、ステップS313に移行して、給湯器20によって循環する湯を加熱する。
【0082】
次に、制御装置7は、ステップS314に移行して、第2戻り配管P5B内の湯温が第2所定温度Th℃以上であるか否かを判断する。第2所定温度Th℃は、水栓金具5から出る湯の湯温が高すぎるとユーザが感じない程度に設定されている。
【0083】
ステップS314において「No」の場合、ステップS314を繰り返す。その一方、ステップS314において「Yes」の場合、ステップS315に移行する。
【0084】
ステップS314からステップS315に移行すると、制御装置7は、即湯装置40の図示しない循環ポンプを停止させて待機する。
【0085】
次に、制御装置7は、ステップS316に移行して、即湯運転を開始してからの経過時間が所定時間T3以上になったか否かを判断する。所定時間T3は、入浴する人の標準的な入浴時間に応じて設定され、メモリに記憶されている。
【0086】
ステップS316において「No」の場合、ステップS311に戻る。その一方、ステップS316において「Yes」の場合、ステップS317に移行する。そして、制御装置7は、即湯装置40を制御して即湯運転を停止させた後、このサブルーチンを終了する。
【0087】
図3に示す入浴時運転動作(追焚き運転)サブルーチンS301~S305と、図4に示す入浴時運転動作(即湯運転)サブルーチンS311~S317とが終了すると、図2に示す入室目的判断プログラムS101~S108に戻る。
【0088】
こうして、浴室R1への入室者H1は、入室目的が入浴である場合に、自分で操作することなく追焚き運転及び即湯運転を利用できる。
【0089】
<作用効果>
実施例1の風呂装置1では、図2に示す入室目的判断プログラムS101~S108のステップS106において、浴室R1への入室者H1の入室目的が入浴であると入室目的判断手段7Aが判断してステップS108に移行した場合、制御装置7が図3に示す入浴時運転動作(追焚き運転)サブルーチンS301~S305と、図4に示す入浴時運転動作(即湯運転)サブルーチンS311~S317とを同時並行的に実行する。そして、制御装置7は、即湯装置40を制御して即湯運転を開始するとともに、必要であれば追焚き装置30を制御して追焚き運転を開始する。これにより、この風呂装置1では、浴室R1への入室者H1が入浴中に行う操作を減らすことができる。
【0090】
また、この風呂装置1では、図2に示すステップS107において、浴室R1への入室者H1の入室目的が入浴でないと入室目的判断手段7Aが判断した場合、制御装置7が図3に示す入浴時運転動作(追焚き運転)サブルーチンS301~S305と、図4に示す入浴時運転動作(即湯運転)サブルーチンS311~S317とを実行しない。これにより、この風呂装置1では、例えば風呂掃除や消耗品の交換といった入浴以外の目的で入室者H1が浴室R1に入室した場合には、入浴時運転動作が実行されず、エネルギーが無駄に消費されることを抑制できる。
【0091】
したがって、実施例1の風呂装置1では、入浴中の快適性の向上と、省エネルギー性の向上とを実現できる。
【0092】
また、この風呂装置1では、入室目的判断手段7Aは、図2に示すステップS101において、台所リモコン73に対して給湯動作を実行するための所定の操作、すなわち台所リモコン73の「運転」スイッチ73Bを押す操作が行われたときに、ステップS102、S103を実行する。そして、所定の期間T1内に浴室内人感センサ51が入室者H1を検知した場合、浴室R1への入室者H1の入室目的が入浴である可能性が高いと判断して、ステップS104に移行する。
【0093】
これから入浴しようとする人は、台所リモコン73の「運転」スイッチ73Bを押す操作を行ったときから所定の期間T1内に浴室R1に入室する可能性が高く、そのような条件に合致した場合、入室目的が入浴であると確実性高く推定できる。その結果、入室目的判断手段7Aは、浴室R1への入室者H1の入室目的が入浴か否かを精度良く判断できる。
【0094】
さらに、この風呂装置1では、入室目的判断手段7Aは、図2に示すステップS105において、浴室内カメラ61の画像情報に基づいて入室目的が入浴か否かを判断する。
【0095】
これから入浴しようとする人は、脱衣室R2で衣服を脱いでから浴室R1に入室する。このため、入室目的判断手段7Aが浴室内カメラ61の画像情報から入室者H1の画像情報を抽出し、入室者H1の全身の面積に占める肌色の面積の比率が所定値以上であると判断した場合、入室者H1がこの後に入浴すると確実性高く推定できる。その結果、入室目的判断手段7Aは、浴室R1への入室者H1の入室目的が入浴か否かを精度良く判断できる。
【0096】
また、この風呂装置1では、設備機器が追焚き装置30及び即湯装置40を有し、入浴時運転動作が利用頻度の高い追焚き運転や即湯運転であることにより、入浴中の快適性の向上を一層実現できる。
【0097】
(実施例2)
実施例2の風呂装置では、実施例1の風呂装置1に係る浴室内人感センサ51及び浴室内カメラ61の代わりに、図1に二点鎖線で示すように、脱衣室R2の天井に設置された脱衣室内人感センサ52及び脱衣室内カメラ62を備えている。脱衣室内人感センサ52は、本発明の「入室者検知手段」の一例である。脱衣室内カメラ62は、本発明の「撮像手段」の一例である。
【0098】
また、この風呂装置では、実施例1に係る入室目的判断プログラムS101~S108の代わりに、図5に示す入室目的判断プログラムS201~S206を採用している。
【0099】
実施例2のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0100】
脱衣室内人感センサ52は、図示しない赤外線センサによって脱衣室R2内の赤外線を継続的に検知している。そして、脱衣室内人感センサ52は、脱衣室R2に入室した入室者H2が脱衣室内人感センサ52の検知範囲を通過した時の赤外線の量の違いを感知することによって入室者H2を検知し、検知結果を制御装置7に伝達する。
【0101】
脱衣室内カメラ62は、脱衣室R2内の画像を撮影可能である。脱衣室内カメラ62は、脱衣室内人感センサ52が入室者H2を検知した場合に制御装置7によって起動されて入室者H2の画像を撮像し、取得した入室者H2の画像情報を制御装置7に伝達する。
【0102】
入室目的判断手段7Aは、図5に示す入室目的判断プログラムS201~S206を実行して脱衣室R2に入室した入室者H2の入室目的が入浴か否かを判断する。制御装置7は、入室目的が入浴であると入室目的判断手段7Aが判断してステップS206に移行したときに、図3に示す入浴時運転動作(追焚き運転)サブルーチンS301~S305と、図4に示す入浴時運転動作(即湯運転)サブルーチンS311~S317とを同時並行的に実行する。
【0103】
より詳しくは、住宅A1の元電源が投入されたときに制御装置7が起動し、入室目的判断手段7Aが入室目的判断プログラムS201~S206を開始する。
【0104】
ステップS201において、入室目的判断手段7Aは、脱衣室内人感センサ52が脱衣室R2に入室した入室者H2を検知したか否かを判断する。
【0105】
ステップS201において「No」の場合、ステップS201を繰り返す。その一方、ステップS201において「Yes」の場合、ステップS202に移行する。この際、入室目的判断手段7Aは、脱衣室内カメラ62を起動して脱衣室R2への入室者H2を撮影させ、脱衣室内カメラ62の画像情報を取得する。
【0106】
ステップS201からステップS202に移行すると、入室目的判断手段7Aは、入室者H2が脱衣したか否かを判断する。より詳しくは、入室目的判断手段7Aは、脱衣室内カメラ62の画像情報から入室者H2の画像情報を抽出し、入室者H2の全身の面積に占める肌色の面積の比率が所定値以上に増加したか否かを判断し、又は、入室者H2の動作を画像認識技術によって解析して入室者H2が衣服を脱ぐ動作をしたか否かを判断する。
【0107】
ステップS202において「Yes」の場合、ステップS204に移行する。その一方、ステップS202において「No」の場合、ステップS203に移行する。
【0108】
ステップS202からステップS203に移行すると、入室目的判断手段7Aは、脱衣室内人感センサ52が入室者H2を検知しなくなったか否か、すなわち入室者H2が脱衣室R2から退室したか否かを判断する。
【0109】
ステップS203において「No」の場合、ステップS202に戻る。その一方、ステップS203において「Yes」の場合、ステップS205に移行し、入室者H2の入室目的が入浴ではないと判断する。その後、このプログラムは終了され、住宅A1の元電源が投入されている間、繰り返される。
【0110】
ステップS202からステップS204に移行すると、入室目的判断手段7Aは、入室者H2の入室目的が入浴であると判断してステップS206に移行する。これにより、制御装置7は、図3に示す入浴時運転動作(追焚き運転)サブルーチンS301~S305と、図4に示す入浴時運転動作(即湯運転)サブルーチンS311~S317とを同時並行的に実行する。その後、このプログラムは終了され、住宅A1の元電源が投入されている間、繰り返される。
【0111】
こうして、脱衣室R2への入室者H2は、入室目的が入浴である場合に、自分で操作することなく追焚き運転及び即湯運転を利用できる。
【0112】
上記構成である実施例2の風呂装置も、実施例1の風呂装置1と同様に、入浴中の快適性の向上と、省エネルギー性の向上とを実現できる。
【0113】
また、この風呂装置では、入室目的判断手段7Aは、図5に示すステップS202において、脱衣室内カメラ62の画像情報に基づいて入室目的が入浴か否かを判断する。
【0114】
これから入浴しようとする人は、脱衣室R2で衣服を脱いでから浴室R1に入室する。このため、入室目的判断手段7Aが脱衣室内カメラ62の画像情報から入室者H2の画像情報を抽出し、入室者H2の全身の面積に占める肌色の面積の比率が所定値以上に増加したと判断し、又は、入室者H2の動作を画像認識技術によって解析して入室者H2が衣服を脱ぐ動作をしたと判断した場合、入室者H2がこの後に入浴すると確実性高く推定できる。その結果、入室目的判断手段7Aは、脱衣室R2への入室者H2の入室目的が入浴か否かを精度良く判断できる。
【0115】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0116】
(変形例1)
変形例1の風呂装置では、実施例1の風呂装置1に係る図2の入室目的判断プログラムから、ステップS104、S105を無くし、ステップS103で「Yes」の場合、ステップS106に移行して入室目的が入浴であると判断し、ステップS102で「Yes」の場合、ステップS107に移行して入室目的が入浴ではないと判断するように変更されている。変形例1のその他の構成は、実施例1と同様である。このような変形例1の風呂装置でも、実施例1、2の風呂装置1と同様に、入浴中の快適性の向上と、省エネルギー性の向上とを実現できる。
【0117】
(変形例2)
変形例2の風呂装置では、実施例1の風呂装置1に係る図2の入室目的判断プログラムにおけるステップS101の内容について「浴室リモコン71の『湯はり』スイッチが押され、かつ、その後に浴室R1から人が退室したか否か」を判断するように変更し、ステップS102の内容について「ステップS101で『Yes』になってからの経過時間が所定の期間T1以上になったか否か」を判断するように変更している。変形例2のその他の構成は、実施例1と同様である。このような変形例2の風呂装置でも、実施例1、2の風呂装置1と同様に、入浴中の快適性の向上と、省エネルギー性の向上とを実現できる。また、これから入浴しようとする人は、浴室リモコン71の「湯はり」スイッチを押し、かつ、その後に浴室R1から退室してから所定の期間T1内に浴室R1に入室する可能性が高く、そのような条件に合致した場合、入室目的が入浴であると確実性高く推定できる。その結果、入室目的判断手段7Aは、浴室R1への入室者H1の入室目的が入浴か否かを精度良く判断できる。なお、変形例2のステップS101における「湯はり」スイッチを押す操作を「運転」スイッチを押す操作に変更することもできる。
【0118】
(変形例3)
変形例3の風呂装置では、実施例1の風呂装置1に係る図3の入浴時運転動作(追焚き運転)サブルーチンにおけるステップS305の内容について、以下のように変更されている。すなわち、ステップS301を実行したときからの経過時間が所定時間未満であるうちはステップS302に戻ってステップS302~S304を繰り返し、その経過時間が所定時間以上になったときに追焚き運転を終了する。この場合の所定時間は、入浴する人の標準的な入浴時間に応じて設定され、メモリに記憶されている。変形例3のその他の構成は、実施例1と同様である。このような変形例3の風呂装置でも、実施例1、2の風呂装置1と同様に、入浴中の快適性の向上と、省エネルギー性の向上とを実現できる。
【0119】
実施例1、2に係る即湯装置40の代わりに、以下のような構成の即湯装置を採用してもよい。この即湯装置は、水栓金具の直前に設けられた加熱機能付きタンクを含み、水栓金具が使用されるときに、給湯器から所定温度以上の湯が供給されるまで、加熱機能付きタンクから所定温度以上の湯を水栓金具に供給するように構成されている。
【0120】
実施例2に係る即湯装置40、制御装置7、入室目的判断手段7A、脱衣室内人感センサ52及び脱衣室内カメラ62を追焚き機能付き給湯システム10とは独立する風呂装置として構成する場合、その風呂装置も本発明に含まれる。
【0121】
実施例1では、給湯動作を実行するための所定の操作が台所リモコン73の「運転」スイッチ73Bを押す操作であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、給湯動作を実行するための所定の操作は、台所リモコン73の「湯はり」スイッチ73Cを押す操作等であってもよい。これから入浴しようとする人は、台所リモコン73の「湯はり」スイッチ73Cを押す可能性が高いので、入室目的が入浴であると確実性高く推定できる。
【0122】
実施例1に係る浴室内人感センサ51及び実施例2に係る脱衣室内人感センサ52は赤外線を利用するものであるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、入室検知手段は、超音波や可視光を利用したものであってもよい。また、撮像手段が入室検知手段を兼ねていてもよい。すなわち、撮像手段の画像情報から画像認識技術によって人の画像を抽出することにより入室者を検知してもよい。
【0123】
実施例1から脱衣室R2を無くした構成も、本発明に含まれる。実施例1、2に係る制御装置7が追焚き機能付き給湯システム10に内蔵された構成も本発明に含まれる。実施例1、2から追焚き装置30及び即湯装置40の一方を無くした構成も発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は例えば風呂が設置された住宅や施設等に利用可能である。
【符号の説明】
【0125】
1…風呂装置
R1…浴室
3…浴槽
20…給湯器
30、40…設備機器(30…追焚き装置、40…即湯装置)
7…制御装置
7A…入室目的判断手段
R2…脱衣室
H1、H2…入室者(H1…浴室に入室した入室者、H2…脱衣室に入室した入室者)
51、52…入室者検知手段(51…浴室内人感センサ、52…脱衣室内人感センサ)
71、73…給湯器を操作するリモコン(71…浴室リモコン、73…台所リモコン)
T1…所定の期間
61、62…撮像手段(61…浴室内カメラ、62…脱衣室内カメラ)
5…水栓金具
P5A、P5B…水栓金具に接続された配管(P5A…第2往き配管、P5B…第2戻り配管)
図1
図2
図3
図4
図5