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特許7430166情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/16 20060101AFI20240202BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20240202BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20240202BHJP
   A63F 13/2145 20140101ALI20240202BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20240202BHJP
   A63F 13/54 20140101ALI20240202BHJP
【FI】
G06F3/16 540
G06F3/16 610
G06F3/16 620
G06F3/04842
G06F3/0488
A63F13/2145
A63F13/426
A63F13/54
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021179135
(22)【出願日】2021-11-02
(65)【公開番号】P2023068240
(43)【公開日】2023-05-17
【審査請求日】2022-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(72)【発明者】
【氏名】米 政美
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0121903(US,A1)
【文献】特開2011-254368(JP,A)
【文献】特開2008-136697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/16
G06F 3/048-3/04895
A63F 13/54
A63F 13/2145
A63F 13/426
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータを、
複数個のGUI部品の各々に対する第1入力および第2入力を検出する入力検出手段、
前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第1入力に合わせて、操作音を出力する操作音出力手段、
前記第1入力が行われた前記GUI部品に対する前記第2入力が検出された場合、当該GUI部品に対応付けられ、前記操作音の出力とは異なるGUI部品対応処理を実行する処理実行手段、
として機能させ、
前記操作音出力手段は、前記複数個のGUI部品のうち異なる当該GUI部品に対する前記第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高が高い前記操作音を出力する、情報処理プログラム。
【請求項2】
前記第1入力および前記第2入力はともにタッチ入力であり、
前記入力検出手段は、前記タッチ入力の座標が前記複数個のGUI部品の各々の領域のいずれかに含まれるようになったタイミングで前記第1入力を検出し、前記タッチ入力が終了したときの座標が前記複数個のGUI部品の各々の領域のいずれかに含まれる場合に前記第2入力を検出する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記第1入力および前記第2入力はともにハードウェア部品を動かす操作による入力であり、
前記第1入力が検出された場合に前記複数個のGUI部品のうちフォーカスされる当該GUI部品を変更するとともに、フォーカスされている当該GUI部品がフォーカスされていない当該GUI部品とは視覚的に異なるように表示するフォーカス変更手段として前記コンピュータをさらに機能させる、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記入力検出手段は、第1入力装置を用いて行われた第1種入力および第2入力装置を用いて行われた第2種入力を検出し、
前記操作音出力手段は、前記第1種入力に基づいて第1種の前記第1入力が検出された場合と、前記第2種入力に基づいて第2種の前記第1入力が検出された場合とで、前記操作音の音高および音色の少なくとも一方が異なる前記操作音を出力する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記第1種入力はタッチ入力であり、前記第2種入力はハードウェア部品を動かす操作による入力である、請求項4に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記操作音出力手段は、前記第2種の前記第1入力が検出された場合、前記第1種の前記第1入力が検出された場合と比べて、前記検出間隔が同じときの音高が低い前記操作音を出力する、請求項5に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記入力検出手段は、前記ハードウェア部品を動かす操作による入力において同じ操作が継続された場合、前記複数個のGUI部品の各々に対する前記第1入力を連続して検出する、請求項6に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記処理実行手段は、前記GUI部品対応処理として、当該GUI部品への入力が不可となる画面状態へと変化させる、請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記処理実行手段は、前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第2入力が検出された場合、前記GUI部品が配置された画面とは別の画面に遷移させることで、当該GUI部品への入力が不可となる画面状態へと変化させる、請求項8に記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記処理実行手段は、前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第2入力が検出された場合、前記GUI部品が配置されたレイヤーよりも上側のレイヤーに別の画像を重ねて表示し、当該GUI部品への入力が不可となる画面状態へと変化させる、請求項8に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
複数個のGUI部品の各々に対する第1入力および第2入力を検出する入力検出手段と、
前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第1入力に合わせて、操作音を出力する操作音出力手段と、
前記第1入力が行われた前記GUI部品に対する前記第2入力が検出された場合、当該GUI部品に対応付けられ、前記操作音の出力とは異なるGUI部品対応処理を実行する処理実行手段と、
を備え、
前記操作音出力手段は、前記複数個のGUI部品のうち異なる当該GUI部品に対する前記第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高が高い前記操作音を出力する、情報処理装置。
【請求項12】
GUI部品に対する入力に合わせて操作音を出力する情報処理方法であって、
複数個のGUI部品の各々に対する第1入力および第2入力を検出するステップと、
前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第1入力に合わせて、操作音を出力するステップと、
前記第1入力が行われた前記GUI部品に対する前記第2入力が検出された場合、当該GUI部品に対応付けられ、前記操作音の出力とは異なるGUI部品対応処理を実行するステップと、
を備え、
前記操作音を出力ステップでは、前記複数個のGUI部品のうち異なる当該GUI部品に対する前記第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高が高い前記操作音を出力する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータやゲーム等においては、アイコン、ボタン、サブウィンドウ等を画面上に表示したユーザーインターフェースが用いられる。こうしたユーザーインターフェースにおいて、操作に応じて操作音を出力する技術も知られている。
【0003】
特許文献1は、オブジェクト操作における現実味や自然さを増加させる操作音を生成する装置を開示している。特許文献1には、マウスやタッチパネルを用いたアイコンのドラッグに応じて、「ズズズズ」といったドラッグ音を出力することが記載されている。また、この文献には、ドラッグの速度に応じてドラッグ音の音色や高さを変化させることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-51759
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
操作音を発生させる従来の技術は、このボタンがタッチされたらこの音色、このアイコンがドラッグされたらこの音といったように、個々の操作対象に操作音が紐づくものであった。
【0006】
本発明は、上記背景に鑑み、操作音を発生させる新しい情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理プログラムは、情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータを、複数個のGUI部品の各々に対する第1入力および第2入力を検出する入力検出手段、前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第1入力に合わせて、操作音を出力する操作音出力手段、前記第1入力が行われた前記GUI部品に対する前記第2入力が検出された場合、当該GUI部品に対応付けられ、前記操作音の出力とは異なるGUI部品対応処理を実行する処理実行手段として機能させ、前記操作音出力手段は、前記複数個のGUI部品のうち異なる当該GUI部品に対する前記第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高が高い前記操作音を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施の形態のゲーム装置に左コントローラおよび右コントローラを装着した状態の一例を示す図である。
図2図2は、本発明の実施の形態のゲーム装置から左コントローラおよび右コントローラをそれぞれ外した状態の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施の形態のゲーム装置の一例を示す六面図である。
図4図4は、本発明の実施の形態の左コントローラの一例を示す六面図である。
図5図5は、本発明の実施の形態の右コントローラの一例を示す六面図である。
図6図6は、本発明の実施の形態の情報処理プログラムを実行することで実現されるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図7図7(a)は、ゲーム装置に表示される選択画面の例を示す図である。図7(b)は、「項目A」のボタンにフォーカスが当たっている画面の例を示す図である。
図8図8(a)は、画面Aに遷移した例を示す図である。図8(b)は、画面Aがポップアップして重畳される例を示す図である。
図9図9(a)は、キャラクタの髪型を選択する選択画面である。図9(b)は「髪型B」が選択された画面の例を示す図である。
図10図10は、本実施の形態のゲームシステムの動作を示すフローチャートである。
図11図11は、カウンタ処理の動作を示すフローチャートである。
図12図12は、操作音出力部にて音高を決定する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施の形態の情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法について図面を参照して説明する。なお、以下の説明はあくまでも好ましい態様の一例を示したものであり、特許請求の範囲に記載された発明を限定する意図ではない。
【0010】
本実施の形態の情報処理プログラムは、情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータを、複数個のGUI部品の各々に対する第1入力および第2入力を検出する入力検出手段、前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第1入力に合わせて、操作音を出力する操作音出力手段、前記第1入力が行われた前記GUI部品に対する前記第2入力が検出された場合、当該GUI部品に対応付けられ、前記操作音の出力とは異なるGUI部品対応処理を実行する処理実行手段として機能させ、前記操作音出力手段は、前記複数個のGUI部品のうち異なる当該GUI部品に対する前記第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高が高い前記操作音を出力する。
【0011】
「GUI部品」とは、コンピュータへ出す命令や指示等を視覚的に捉えて行動を指定できるようにしたインターフェースに用いられる部品であり、「GUIComponents」とも呼ばれる。GUI部品の例は、画面に表示されたボタン、アプリケーションアイコン等である。「GUI部品対応処理」は、GUI部品の選択を確定することによって実行されることが予定された処理である。例えば、GUI部品がアプリケーションアイコンの場合には、アイコンに示されるアプリケーションの実行がGUI部品対応処理である。また、GUI部品がボタンの場合には、ボタンに示される次の画面への遷移がGUI部品対応処理である。
【0012】
本実施の形態の情報処理プログラムは、複数個のGUI部品の各々に対して連続的に第1入力があったときにより音高の高い操作音を出力するので、単独のGUI部品に対する操作音とは異なる操作音を実現でき、操作感を向上できる。なお、第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高が高い操作音を出力する構成としては、検出間隔が所定の閾値より小さいときに音高を高くする構成でもよい。この構成によれば、検出間隔が所定の閾値より小さい状態が続くと操作音の音高は累積的に高くなる。また、検出間隔が小さいときに、その検出間隔に応じて音高を決定する構成でもよい。この構成によれば、検出間隔が小さくなるにつれて操作音の音高が高くなる。また、音高を高くする割合は、段階的でもよいし連続的でもよい。
【0013】
本実施の形態の情報処理プログラムは、前記第1入力および前記第2入力はともにタッチ入力であり、前記入力検出手段は、前記タッチ入力の座標が前記複数個のGUI部品の各々の領域のいずれかに含まれるようになったタイミングで前記第1入力を検出し、前記タッチ入力が終了したときの座標が前記複数個のGUI部品の各々の領域のいずれかに含まれる場合に前記第2入力を検出してもよい。この構成により、複数個のGUI部品の各々の領域の間でタッチ入力を動かすことで、第1入力を連続的に検出し、より音高の高い操作音を出力する構成を実現できる。そして、いずれかのGUI部品の領域でタッチ入力を終了することで、当該GUI部品のGUI部品対応処理を実行させることができる。
【0014】
本実施の形態の情報処理プログラムにおいて、前記第1入力および前記第2入力はともにハードウェア部品を動かす操作による入力であり、前記第1入力が検出された場合に前記複数個のGUI部品のうちフォーカスされる当該GUI部品を変更するとともに、フォーカスされている当該GUI部品がフォーカスされていない当該GUI部品とは視覚的に異なるように表示するフォーカス変更手段として前記コンピュータをさらに機能させてもよい。この構成により、ハードウェア部品を動かす操作により第1入力を連続的に検出し、より音高の高い操作音を出力する構成を実現できる。
【0015】
本実施の形態の情報処理プログラムにおいて、前記入力検出手段は、第1入力装置を用いて行われた第1種入力および第2入力装置を用いて行われた第2種入力を検出し、前記操作音出力手段は、前記第1種入力に基づいて第1種の前記第1入力が検出された場合と、前記第2種入力に基づいて第2種の前記第1入力が検出された場合とで、前記操作音の音高および音色の少なくとも一方が異なる前記操作音を出力してもよい。この構成により、入力装置の違いにより異なる操作音を楽しめる。
【0016】
本実施の形態の情報処理プログラムにおいて、前記第1種入力はタッチ入力であり、前記第2種入力はハードウェア部品を動かす操作による入力であってもよい。この際に、前記操作音出力手段は、前記第2種の前記第1入力が検出された場合、前記第1種の前記第1入力が検出された場合と比べて、前記検出間隔が同じときの音高が低い前記操作音を出力してもよい。
【0017】
ハードウェア部品を動かす操作による入力の場合、タッチ入力に比べてGUI部品に対する第1入力が無意識に行われると考えられる。例えば、カーソルを上下左右に移動させるハードウェアボタンのインターフェースでは、GUI部品の選択を行う場合に目的外のGUI部品を経由することがある。ハードウェア部品を動かす操作による入力の場合に、タッチ入力の場合より音高を低くすることで、音高の変化に対する違和感を減らすことができる。
【0018】
本実施の形態の情報処理プログラムにおいて、前記入力検出手段は、前記ハードウェア部品を動かす操作による入力において同じ操作が継続された場合、前記複数個のGUI部品の各々に対する前記第1入力を連続して検出してもよい。同じ操作が継続された場合とは、例えば、ハードウェアボタンが押し続けられたり、アナログスティックを倒し続けたりする場合である。この構成により、ハードウェア部品を動かす操作による入力においても、容易に、第1入力の検出間隔を小さくすることができる。
【0019】
本実施の形態の情報処理プログラムにおいて、前記処理実行手段は、前記GUI部品対応処理として、当該GUI部品への入力が不可となる画面状態へと変化させてもよい。
【0020】
本実施の形態の情報処理プログラムにおいて、前記処理実行手段は、前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第2入力が検出された場合、前記GUI部品が配置された画面とは別の画面に遷移させることで、当該GUI部品への入力が不可となる画面状態へと変化させてもよい。
【0021】
本実施の形態の情報処理プログラムにおいて、前記処理実行手段は、前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第2入力が検出された場合、前記GUI部品が配置されたレイヤーよりも上側のレイヤーに別の画像を重ねて表示し、当該GUI部品への入力が不可となる画面状態へと変化させてもよい。
【0022】
本実施の形態の情報処理装置は、複数個のGUI部品の各々に対する第1入力および第2入力を検出する入力検出手段と、前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第1入力に合わせて、操作音を出力する操作音出力手段と、前記第1入力が行われた前記GUI部品に対する前記第2入力が検出された場合、当該GUI部品に対応付けられ、前記操作音の出力とは異なるGUI部品対応処理を実行する処理実行手段とを備え、前記操作音出力手段は、前記複数個のGUI部品のうち異なる当該GUI部品に対する前記第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高が高い前記操作音を出力する。本実施の形態の情報処理装置は、上述した情報処理プログラムの各種の構成を備えることができる。
【0023】
本実施の形態の情報処理方法は、GUI部品に対する入力に合わせて操作音を出力する情報処理方法であって、複数個のGUI部品の各々に対する第1入力および第2入力を検出するステップと、前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第1入力に合わせて、操作音を出力するステップと、前記第1入力が行われた前記GUI部品に対する前記第2入力が検出された場合、当該GUI部品に対応付けられ、前記操作音の出力とは異なるGUI部品対応処理を実行するステップとを備え、前記操作音を出力ステップでは、前記複数個のGUI部品のうち異なる当該GUI部品に対する前記第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高が高い前記操作音を出力する。本実施の形態の情報処理方法は、上述した情報処理プログラムの各種の構成を備えることができる。
【0024】
以下、本実施の形態の情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法について、図面を参照しながら説明する。以下では、情報処理装置の例としてゲームシステムを取り上げて説明するが、本発明の情報処理装置は、ゲームシステムに限定されることなく、スマートホン、タブレット端末、ナビゲーション装置等にも適用することができる。
【0025】
本実施の形態におけるゲームシステム1の一例は、ゲーム装置2と左コントローラ3及び右コントローラ4とを含む。ゲーム装置2は、左コントローラ3及び右コントローラ4がそれぞれ着脱可能である。つまり、ゲームシステム1は、左コントローラ3及び右コントローラ4をそれぞれゲーム装置2に装着して一体化された装置として利用できる。また、ゲームシステム1は、ゲーム装置2と左コントローラ3及び右コントローラ4とを別体として利用することもできる(図2参照)。以下では、本実施の形態のゲームシステム1のハードウェア構成について説明し、その後に本実施の形態のゲームシステム1の制御について説明する。
【0026】
図1は、ゲーム装置2に左コントローラ3及び右コントローラ4を装着した状態の一例を示す図である。図1に示すように、左コントローラ3及び右コントローラ4は、それぞれゲーム装置2に装着されて一体化されている。ゲーム装置2は、ゲームシステム1における各種の処理(例えば、ゲーム処理)を実行する情報処理装置である。ゲーム装置2は、ディスプレイ12を備える。左コントローラ3及び右コントローラ4は、ユーザが入力を行うための操作部を備える装置である。
【0027】
図2は、ゲーム装置2から左コントローラ3及び右コントローラ4をそれぞれ外した状態の一例を示す図である。図1及び図2に示すように、左コントローラ3及び右コントローラ4は、ゲーム装置2に着脱可能である。なお、以下において、左コントローラ3及び右コントローラ4の総称として「コントローラ」と記載することがある。
【0028】
図3は、ゲーム装置2の一例を示す六面図である。図3に示すように、ゲーム装置2は、略板状のハウジング11を備える。本実施の形態において、ハウジング11の主面(換言すれば、表側の面、即ち、ディスプレイ12が設けられる面)は、大略的には矩形形状である。
【0029】
なお、ハウジング11の形状及び大きさは、任意である。一例として、ハウジング11は、携帯可能な大きさであってよい。また、ゲーム装置2単体又はゲーム装置2に左コントローラ3及び右コントローラ4が装着された一体型装置は、携帯型装置となってもよい。また、ゲーム装置2又は一体型装置が手持ち型の装置となってもよい。また、ゲーム装置2又は一体型装置が可搬型装置となってもよい。
【0030】
図3に示すように、ゲーム装置2は、ハウジング11の主面に設けられるディスプレイ12を備える。ディスプレイ12は、ゲーム装置2が生成した画像を表示する。本実施の形態においては、ディスプレイ12は、液晶表示装置(LCD)とする。ただし、ディスプレイ12は任意の種類の表示装置であってよい。
【0031】
また、ゲーム装置2は、ディスプレイ12の画面上のタッチパネル13を備える。本実施の形態においては、タッチパネル13は、マルチタッチ入力が可能な方式(例えば、静電容量方式)のものである。ただし、タッチパネル13は、任意の種類のものであってよく、例えば、シングルタッチ入力が可能な方式(例えば、抵抗膜方式)のものであってもよい。
【0032】
ゲーム装置2は、ハウジング11の内部においてスピーカ(即ち、図6に示すスピーカ80)を備えている。図3に示すように、ハウジング11の主面には、スピーカ孔11a及び11bが形成される。そして、スピーカ88の出力音は、これらのスピーカ孔11a及び11bからそれぞれ出力される。
【0033】
また、ゲーム装置2は、ゲーム装置2が左コントローラ3と有線通信を行うための端子である左側端子17と、ゲーム装置2が右コントローラ4と有線通信を行うための右側端子21を備える。
【0034】
図3に示すように、ゲーム装置2は、スロット23を備える。スロット23は、ハウジング11の上側面に設けられる。スロット23は、所定の種類の記憶媒体を装着可能な形状を有する。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲームシステム1及びそれと同種の情報処理装置に専用の記憶媒体(例えば、専用メモリカード)である。所定の種類の記憶媒体は、例えば、ゲーム装置2で利用されるデータ(例えば、アプリケーションのセーブデータ等)、及び/又は、ゲーム装置2のコンピュータで実行される本実施の形態のゲームプログラムを記憶するために用いられる。また、ゲーム装置2は、電源ボタン28を備える。
【0035】
ゲーム装置2は、下側端子27を備える。下側端子27は、ゲーム装置2がクレードルと通信を行うための端子である。本実施の形態において、下側端子27は、USBコネクタ(より具体的には、メス側コネクタ)である。上記の一体型装置又はゲーム装置2単体をクレードルに載置した場合、ゲームシステム1は、ゲーム装置2が生成して出力する画像を据え置き型モニタに表示することができる。また、本実施の形態においては、クレードルは、載置された上記一体型装置又はゲーム装置2単体を充電する機能を有する。また、クレードルは、ハブ装置(具体的には、USBハブ)の機能を有する。
【0036】
図4は、左コントローラ3の一例を示す六面図である。図4に示すように、左コントローラ3は、ハウジング31を備える。本実施の形態においては、ハウジング31は、縦長の形状、即ち、上下方向(即ち、図1及び図4に示すy軸方向)に長い形状である。左コントローラ3は、ゲーム装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることも可能である。ハウジング31は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に左手で把持可能な形状及び大きさをしている。また、左コントローラ3は、横長となる向きで把持されることも可能である。左コントローラ3が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0037】
左コントローラ3は、アナログスティック32を備える。図4に示すように、アナログスティック32は、ハウジング31の主面に設けられる。アナログスティック32は、方向を入力することが可能な方向入力部として用いることができる。ユーザは、アナログスティック32を傾倒することによって傾倒方向に応じた方向の入力(及び、傾倒した角度に応じた大きさの入力)が可能である。なお、左コントローラ3は、方向入力部として、アナログディスクに代えて、十字キー又はスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、本実施の形態においては、アナログスティック32を押下する入力が可能である。
【0038】
左コントローラ3は、各種操作ボタンを備える。左コントローラ3は、ハウジング31の主面上に4つの操作ボタン33~36(具体的には、右方向ボタン33、下方向ボタン34、上方向ボタン35、及び左方向ボタン36)を備える。さらに、左コントローラ3は、録画ボタン37及び-(マイナス)ボタン47を備える。左コントローラ3は、ハウジング31の側面の左上に第1Lボタン38及びZLボタン39を備える。また、左コントローラ3は、ハウジング31の側面の、ゲーム装置2に装着される際に装着される側の面に第2Lボタン43及び第2Rボタン44を備える。これらの操作ボタンは、ゲーム装置2で実行される各種プログラム(例えば、OAプログラムやゲームプログラム)に応じた指示を行うために用いられる。また、左コントローラ3は、左コントローラ3とゲーム装置2と有線通信を行うための端子42を備える。
【0039】
図5は、右コントローラ4の一例を示す六面図である。図5に示すように、右コントローラ4は、ハウジング51を備える。本実施の形態においては、ハウジング51は、縦長の形状、即ち、上下方向に長い形状である。右コントローラ4は、ゲーム装置2から外された状態において、縦長となる向きで把持されることが可能である。ハウジング51は、縦長となる向きで把持される場合に片手、特に右手で把持可能な形状及び大きさをしている。また、右コントローラ4は、横長となる向きで把持されることも可能である。右コントローラ4が横長となる向きで把持される場合には、両手で把持されるようにしてもよい。
【0040】
右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、方向入力部としてアナログスティック52を備える。本実施の形態においては、アナログスティック52は、左コントローラ3のアナログスティック32と同じ構成である。また、右コントローラ4は、アナログスティック52に代えて、十字キー又はスライド入力が可能なスライドスティック等を備えるようにしてもよい。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、ハウジング51の主面上に4つの操作ボタン53~56(具体的には、Aボタン53、Bボタン54、Xボタン55、及びYボタン56)を備える。さらに、右コントローラ4は、+(プラス)ボタン57及びホームボタン58を備える。また、右コントローラ4は、ハウジング51の側面の右上に第1Rボタン60及びZRボタン61を備える。また、右コントローラ4は、左コントローラ3と同様、第2Lボタン65及び第2Rボタン66を備える。また、右コントローラ4は、右コントローラ4がゲーム装置2と有線通信を行うための端子64を備える。
【0041】
(操作音出力のための構成)
図6は、本発明の実施の形態の情報処理プログラムを実行することで実現されるゲームシステム1の構成を示すブロック図である。図6では、本実施の形態の情報処理プログラムの説明に必要な構成を示しており、ゲームシステム1は図6に示す構成以外の構成を備えてもよい。
【0042】
左コントローラ3は、ゲーム装置2との間で通信を行う通信制御部111と、メモリ112と、各ボタン113(具体的には、上述したボタン33~39、43、44、及び47)と、アナログスティック(図6では「スティック」と記載する)32を備える。各ボタン113及びアナログスティック32は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部111へ出力する。通信制御部111は、操作に関する情報をゲーム装置2に送信する。
【0043】
右コントローラ4は、ゲーム装置2との間で通信を行う通信制御部114と、メモリ115と、各ボタン116(具体的には、上述したボタン53~58、60、61、65及び65)、アナログスティック52とを備える。各ボタン116及びアナログスティック52は、自身に対して行われた操作に関する情報を、適宜のタイミングで繰り返し通信制御部114へ出力する。通信制御部114は、操作に関する情報をゲーム装置2に送信する。
【0044】
情報処理プログラムは、ゲーム装置2のフラッシュメモリ81、DRAM82等の内部記憶媒体、あるいは、スロット23に装着される外部記憶媒体等に記憶される。情報処理プログラムを実行することにより、制御部100は、入力検出部101、操作音出力部102、処理実行部103、フォーカス変更部104として機能する。
【0045】
図7(a)は、複数のGUI部品であるボタンが表示された画面の例を示す図である。図7(b)は、「項目A」にフォーカスが当たっている画面の例を示す図である。図7(a)に示すように、画面には、「項目A」から「項目H」の8つのボタンが2列に並んでいる。
【0046】
入力検出部101は、画面に表示された複数のボタンの各々に対する第1入力および第2入力を検出する機能を有する。本実施の形態において、第1入力は複数のボタンのうちのいずれかのボタンを選択することであり、第2入力は選択中のボタンを確定することである。ここで説明する例では、入力検出部101は、タッチパネル13による入力を検出すると共に、右方向ボタン33、下方向ボタン34、上方向ボタン35、及び左方向ボタン36(以下、これらを総称して「方向ボタン」という)とAボタン53による入力を検出する。すなわち、タッチパネル13と、ハードウェアボタン(方向ボタンとAボタン53)の2種類の入力装置によって入力が行われる。
【0047】
ここでは、ハードウェアの入力装置の例として、方向ボタンとAボタン53を挙げているが、ハードウェアの入力装置はこれらに限られない。ハードウェアの入力装置として、例えば、方向ボタンに代えて、アナログスティック32またはアナログスティック52を用いてもよい。アナログスティック32,52を用いた場合、アナログスティック32,52の傾倒により第1入力を検出し、Aボタン53によって第2入力を検出してもよい。また、アナログスティック32,52を用いる場合には、Aボタン53に代えて、アナログスティック32,52の押し込みによって第2入力を検出してもよい。
【0048】
タッチパネル13での入力の場合、入力検出部101は、タッチ入力の座標が複数のボタンの領域のいずれかに含まれるようになったタイミングで第1入力を検出する。また、入力検出部101は、タッチ入力の座標がボタンの表示領域にある状態でタッチ入力が終了したときに第2入力を検出する。なお、タッチ入力の終了とは、タッチパネル13へのタッチが終了したこと(例えば、指やスタイラスがタッチパネル13から離れたこと)であり、タッチ入力が継続したまま、その座標がボタンの表示領域から当該領域の外へ出ることは、タッチ入力の終了とはみなさない。
【0049】
図7(b)は、「項目A」のボタンに対する第1入力が検出されたときの画面の例を示す図である。フォーカス変更部104は、「項目A」のボタンに対するフォーカス変更処理を行い、フォーカスされていないボタンとは視覚的に異なる表示をしている。具体的には、「項目A」のボタン表示領域を他のボタン表示領域より若干大きくすると共に、「項目A」のボタン表示領域の色を他のボタン表示領域とは異なる色にしている。なお、ここでは、大きさ及び色を変更する態様を挙げているが、フォーカス変更部104は、別の態様でフォーカスされているボタンとフォーカスされていないボタンとを視覚的に異なるようにしてもよい。例えば、フォーカス変更部104は、大きさのみ又は色のみを変更してもよいし、フォーカスされたボタンにカーソルを合わせるようにしてもよい。
【0050】
ハードウェアボタンでの入力の場合、入力検出部101は、方向ボタンにより第1入力を検出し、Aボタン53で第2入力を検出する。まず、第1入力について説明する。複数のボタンのうち、方向ボタンを最初に押したときのデフォルトのボタンが定められている。選択画面ボタンにおいて、いずれかの方向ボタンが押されると、入力検出部101は、最初は、デフォルトのボタンに対する第1入力を検出し、その後は方向ボタンで指示される方向にあるボタンに対する第1入力を検出する。
【0051】
図7を参照して説明する。図7(a)に示す選択画面において、方向ボタンを押すと、「項目A」のボタンに対する第1入力を検出する。これにより、図7(b)に示すように、「項目A」のボタンにフォーカスが当たった状態となる。
【0052】
図7(b)に示す状態で方向ボタンを押すと、入力検出部101は、その方向にあるボタンに対する第1入力を検出する。例えば、下方向ボタン34を押すと、「項目A」のボタンの下にある「項目B」のボタンに対する第1入力を検出する。図7(b)に示す状態から右ボタンを押すと、「項目A」のボタンの右にある「項目E」のボタンに対する第1入力を検出する。
【0053】
なお、ボタンには順番が設定されており(図7に示す例では、アルファベット順)、下方向ボタン34を押すと、その順番にしたがって第1入力を検出する。例えば、「項目D」のボタンに対する第1入力を検出した状態から下方向ボタン34を押すと「項目E」のボタンに対する第1入力を検出し、「項目H」のボタンに対する第1入力を検出した状態から下方向ボタン34を押すと「項目A」のボタンに対する第1入力を検出する。したがって、下方向ボタン34を押し続けることにより、選択画面に表示された複数のボタンの各々に対する第1入力を連続して検出する。なお、上方向ボタン35を押すと、上記とは逆の順番で第1入力を検出する。この構成により、下方向ボタン34または上方向ボタン35を押し続けることで、短い検出間隔で第1入力を連続して行うことができる。
【0054】
次に、ハードウェアボタンでの第2入力について説明する。入力検出部101は、Aボタン53により第2入力を検出する。方向ボタンによる第1入力が検出され、いずれかのボタンが選択された状態でAボタン53が押されると、入力検出部101は、当該ボタンに対する第2入力を検出する。
【0055】
操作音出力部102は、複数のボタンの各々に対する第1入力に合わせて、操作音を出力する機能を有する。操作音は、ボタンに対する第1入力が行われたことを知らせる役割を有する。よって、操作音の出力タイミングは、第1入力が行われたタイミングと合っていればよい。操作音は、一瞬だけ聞こえる短時間の音である。操作音は、全てのボタンで同じ音色でもよいし、ボタンによって音色を変えてもよい。例えば、ボタンによって違う楽器の音を用いてもよい。
【0056】
操作音出力部102は、複数の異なるボタンに対する第1入力が連続して検出された場合に第1入力の検出間隔が小さくなると、出力する操作音の音高を高くする。操作音出力部102による処理の詳細は後述する。
【0057】
処理実行部103は、入力検出部101にて第2入力が検出されると、当該ボタンに対応付けられた画面に遷移する処理を行う。ボタンに対応付けられた画面に遷移する処理は、ボタンというGUI部品の選択の確定により実行されるGUI部品対応処理である。
【0058】
図8(a)は、「項目A」のボタンの選択を決定し、「項目A」に対応付けられた画面Aに遷移した例を示す図であり、図8(b)は、画面Aがポップアップして重畳される例を示す図である。処理実行部103は、図8(a)に示すように、選択画面の表示を消去して、画面Aを表示させることとしてもよいし、また、図8(b)に示すように選択画面の表示の上に、画面Aをポップアップして、選択画面の上側のレイヤに画面Aを重畳して表示させることとしてもよい。この場合、ゲームシステム1は、画面Aへの入力を許可するが、選択画面のボタンへの入力を不可とする。処理実行部103が、図8(a)に示すように次の画面に完全に移行するか、選択画面の上側のレイヤに別のウィンドウを重ねて表示するかは、選択画面および次の画面の内容に応じて決定することができる。
【0059】
なお、ここでは、「項目A」に対応する処理の実行により画面Aに遷移した後は、選択画面への入力を受け付けないようにする例を挙げたが、ボタンに対応する処理を実行した後であっても、選択画面に表示されるボタンに対する入力を許容することも可能である。例えば、ボタンに対応する処理が、選択したコンポーネントのプレビューのような場合である。次に一例を示す。
【0060】
図9(a)は、キャラクタの髪型を選択する選択画面である。図9では、「髪型A」~「髪型H」を示すボタンが2行に並んでいる。この例では、ボタンが横方向にアルファベット順に並んでいる。ボタンにはこのアルファベット順に順番が付けられている。したがって、方向ボタンで入力を行う場合に、第1入力を連続して行うために押し続けるボタンは、右方向ボタン33あるいは左方向ボタン36である。
【0061】
図9(a)に示す画面では、「髪型B」のボタンに対する第1入力が検出されて、「髪型B」のボタンにフォーカスが当たっている。プレビューウィンドウPには、現在の髪型である髪型Aをしたキャラクタが表示される。このように、第1入力が検出されると当該ボタンの表示態様は変わるが、プレビューウィンドウPの表示は現在の髪型から変更されない。
【0062】
図9(b)は、「髪型B」のボタンに対して第2入力が検出されたときの画面を示している。図示するように、「髪型B」のボタンに対してチェックマークが表示されると共に、プレビューウィンドウPには、髪型Bをしたキャラクタが表示される。プレビューウィンドウPに選択された髪型Bのキャラクタを表示する処理は、「髪型B」のボタンに対応する処理である。このように「髪型B」のボタンに対応する処理が行われた画面においても、「髪型A」~「髪型H」に対する操作を行うことが可能である。なお、このプレビューウィンドウPに表示された髪型Bを確定する場合には、「決定」ボタンを押せばよい。
【0063】
図10は、本実施の形態のゲームシステム1の動作を示すフローチャートである。ゲームシステム1は、複数のボタンを有する選択画面(図7(a)参照)を表示した状態で、第1入力および第2入力の検出を待つ。具体的には、ゲームシステム1は、第1入力が検出されたか否かを判定し(S10)、第1入力が検出されない場合には(S10でNO)、第2入力の検出がされたか否かの判定を行う(S14)。その結果、第2入力が検出されない場合には(S14でNO)、第1入力の検出の処理に戻る(S10)。これを繰り返すことで、ゲームシステム1は、第1入力および第2入力の検出を待つ。
【0064】
入力検出部101が第1入力を検出すると(S10でYES)、ゲームシステム1は、カウンタ処理を行う(S20)と共に、フォーカスを変更し(S11)、カウンタに応じて音高を決定する(S12)。ここで、カウンタは、第1入力の検出間隔に応じて値が定まる変数である。カウンタは、0から120の値をとる。操作音出力部102は、カウンタの値が大きいほど操作音の音高を高く設定する。ゲームシステム1は、カウンタの値を定めるカウンタ処理と操作音の出力等の処理を別のトラックで並行して実行する。
【0065】
図11は、操作音出力部102が実行するカウンタ処理の動作を示すフローチャートである。このカウンタ処理は、第1入力が検出されたことをトリガとして実行が開始される。なお、図11に示すカウンタ処理の実行中に、第1入力を検出した場合には、カウンタ処理は最初から実行される。
【0066】
第1入力が検出されると、操作音出力部102は、カウンタが100以下であるか判定する(S21)。カウンタが100以下の場合には(S21でYES)、カウンタに20を加算する処理を行う(S22)。カウンタが100以下でない場合には(S21でNO)、カウンタに20を加算するとカウンタの上限を超えてしまうことになるので、カウンタの加算の処理をスキップする。次に、操作音出力部102は、15tick待って(S23)、カウンタ減算処理(S24~S26)を行う。なお、1tickは、効果音を再生するテンポによって異なるが、テンポが120の場合には1/96秒である。
【0067】
カウンタ減算処理では、操作音出力部102は、1tick待ち(S24)、カウンタが0より大きいか否か判定する(S25)。この判定の結果、カウンタが0より大きい場合には(S25でYES)、カウンタから5を減算する処理を行う(S26)。なお、カウンタが5未満である場合には、カウンタから5減算するとカウンタの下限値を下回ってしまうので、カウンタを0にする。
【0068】
カウンタが0より大きくない場合には(S25でNO)、もはやカウントから減算をすることはできないので、操作音出力部102は、カウンタを減算する処理(S26)をスキップする。すなわち、カウンタが0より大きくなければ、カウンタ減算処理は行われない。カウンタ減算処理では、以上のように1tickごとにカウンタを5ずつ減算する処理を24回繰り返す。これにより、減算処理の開始前にカウンタが最大値であったとしても、減算処理が開始されてから24tick後には、カウンタ値は0になる。
【0069】
ただし、最初に述べたように、入力検出部101にて第1入力が検出された場合には、図11に示すフローの途中であっても、先頭の処理(S21)に戻って、カウンタ処理を行う。つまり、第1入力の検出間隔が小さければ、カウンタが0になる前にカウンタ処理を先頭から再開することになるので、短い検出間隔で第1入力を検出した場合にはカウンタの値は高くなっていく。例えば、検出間隔が15tick以内の場合には、カウンタに20を加算して(S22)、15tickの待ちがかかっているときに次の第1入力が検出され、処理が最初に戻るので、減算処理が行われることなく、カウンタに次の20が加算される(S21~S22)。
【0070】
また、カウンタが高くなる程度は、検出間隔が小さいほど大きい。例えば、検出間隔が15tickの場合にはカウンタは20上がり、17tickの場合にはカウンタは10上がる。このように、第1入力の検出間隔が小さくなるほど、カウンタの減算度合が減るためカウンタはより高くなる。つまり、操作音出力部102は、第1入力の検出間隔が小さくなるほど、より音高の高い操作音を出力する。
【0071】
逆に、音高が高くなっている状態で、第1入力の検出間隔が長くなると、カウンタの減算処理(S24~S26)によりカウンタが減算される。例えば、カウンタ減算処理が5回以上繰り返されて25以上減算された後に第1入力が検出されると、カウンタに20を加算しても(S22)、前の操作音出力時よりカウンタの値は小さくなるため、前の操作音よりも音高が低くなる。このように第1入力の検出間隔が大きくなると、出力される操作音の音高は次第に低くなる。
【0072】
図10に戻って、操作音の出力処理について説明する。ゲームシステム1は、別トラックでカウンタ処理を並行して行う一方で、フォーカスを変更し、新しく第1入力が検出されたボタンにフォーカスをあてる処理を行う(S11)。続いて、ゲームシステム1は、カウンタに基づいて操作音の音高を決定する(S12)。操作音出力部102は、決定された音高の操作音を出力する(S13)。なお、フォーカスの変更(S11)と操作音の出力(S12,S13)の順序は逆であってもよい。
【0073】
操作音出力部102は、第1入力がハードウェアボタン(方向ボタン、アナログスティック32,52)から入力された場合には、タッチパネル13から入力された場合に比べて、操作音の音高を高くするスピードを緩やかにする。音高を変えるスピードの調整は、一例として、カウンタ処理の中のカウントアップする処理(S22)において、20ずつ加算するのに代えて10ずつ加算するなどすればよい。なお、音高を変えるスピードの調整方法は、これに限定されることはない。例えば、待ち時間(S23、S24)を長くするなどしてもよい。また、操作音出力部102は、タッチ入力により第1入力がなされた場合とハードウェアボタンによるボタン入力で第1入力がなされた場合とで操作音の音色を変えることとしてもよい。
【0074】
ゲームシステム1は、第2入力が検出されたか否かを判定する(S14)。第2入力が検出された場合は(S14でYES)、ゲームシステム1は、第2入力がなされたボタンで示される画面に遷移し、遷移先の画面を表示する(S15)。第2入力が検出されず(S14でNO)、第1入力が検出された場合には(S10でYES)、カウンタ処理(S20)を行ってカウンタ値を更新すると共に、カウンタに応じて音高を決定し(S12)、操作音を出力する(S13)。このように、第2入力が検出されるまで(S14でYES)、第1入力検出に基づくフォーカス変更処理と操作音の出力処理(S11~S13,S20)を繰り返し行う。
【0075】
本実施の形態の情報処理プログラムは、複数個のボタンの各々に対して連続的に第1入力があったときに、操作音の音高が高くなっていくので操作感を向上させることができる。複数のボタンを有する画面においてはボタンを押すことが目的なので、ボタンを押したことを確認する操作音を出力するのが従来の操作音の思想である。これに対し、本実施の形態の情報処理プログラムによれば、タッチした指をスライドさせて、押しているボタンを素早く切り替えたり、カーソルを移動したりすることで音高が異なる操作音が出力される。ボタンを選択するインターフェースに「遊び」を持たせ、操作するのが楽しくなる。本実施の形態において、第1入力は、ボタンの実行を確定する前の選択に当たる。つまり、ユーザがどの画面に遷移させるかを迷っているときに、単調な操作音が聞こえるのではなく、音高が変化する操作音が聞こえるので、心地良く操作を行える。
【0076】
以上、本発明の情報処理プログラム、情報処理装置および情報処理方法について、実施の形態を用いて詳細に説明したが、本発明の情報処理プログラムは上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0077】
上記した実施の形態では、タッチ入力とハードウェアボタンによるボタン入力の2種類の入力装置を備えたゲームシステム1を例として説明したが、入力装置はタッチ入力のみ、またはハードウェアボタンによるボタン入力のみでもよい。また、入力装置は、タッチ入力やハードウェアボタンに限られず、例えば、加速度センサやジャイロセンサによるモーション入力であってもよいし、カメラ入力であってもよい。カメラ入力の場合には、ユーザの体の動きを検出し、ジェスチャー等によって第1入力、第2入力を可能とすることができる。また、マイク入力によりユーザの音声指示により第1入力、第2入力を受け付けてもよい。
【0078】
上記した実施の形態では、第1入力の検出間隔が小さくなると出力する操作音の音高を高くする処理についてカウンタを用いた例を挙げたが、検出間隔に基づく音高の決定の仕方は上記した実施の形態以外にも種々のアルゴリズムが考えられ、そうしたアルゴリズムも本発明の範囲に含まれる。
【0079】
図12は、操作音出力部にて音高を決定する処理を示すフローチャートである。操作音出力部は、第1入力を検出したか否かを判定し(S30)、第1入力を検出していない場合には(S30でNO)、第1入力の検出を待つ。第1入力を検出した場合には(S30でYES)、第1入力の検出間隔を記憶する(S31)。ここでは、過去N回の検出間隔のデータをサイクリックに記憶し、N回より前のデータは消去する。
【0080】
続いて、操作音出力部は過去N回の検出間隔の平均値を算出し(S32)、算出した検出間隔の平均値に基づいて、検出間隔の平均値が小さいほど操作音の音高を高く決定する(S33)。操作音出力部は、決定した音高で操作音を出力する(S34)。
【0081】
この構成により、検出間隔が小さくなるほど操作音の音高を高くすることができる。なお、図12に示す例では、過去N回の検出間隔の平均値をとる例を挙げたが、過去N回の検出間隔の代表値を求めることとしてもよい。例えば、過去N回の検出間隔のデータの最頻値を代表値としてもよい。また、新しいデータほど大きい重みをつける重み付けをした上で加重平均値を計算してもよい。すなわち、直前から過去にさかのぼって各第1入力の検出間隔をd,・・・,dとし、重みをα,・・・,α(α>α>・・・>α)として、検出間隔の代表値dを以下の式で求める。
d=(α×d+α×d+・・・+α×d)/N
【0082】
また、Nを1とすれば、今回の第1入力と直前の第1入力との検出間隔に基づいて、音高を決定することができる。この方法によると、操作音の音高は第1入力の検出間隔に対して鋭敏に反応する。
【0083】
また、第1入力の検出間隔をいくつかのクラスに分け、クラスごとに音高を決定してもよい。例えば、第1入力の検出間隔が15tick未満はクラス1、15tick以上20tick未満はクラス2、20tick以上25tick未満はクラス3、25tick以上30tick未満はクラス4、30tick以上はクラス5とし、クラスに応じて音高を決定してもよい。具体的には、クラスの番号が小さいほど高い音高とするように決定する。
【0084】
上記した実施の形態では、第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高の高い操作音を出力する例を挙げたが、音高以外のパラメータを変更してもよい。すなわち、第1入力の検出間隔が小さくなると、操作音の音量や音色を変更してもよい。
【0085】
また、第1入力の検出間隔が小さくなると音高を高くする(すなわち、周波数を高くする)ことに代えて、音高の異なる効果音を予め用意しておき、順次音高が高くなるように出力することとしてもよい。音高の異なる効果音は、音高に加えて音色が異なっていてもよい。ここで、用意する効果音をそれぞれの音高で構成された楽曲データとしてもよい。これにより、連続して検出される第1入力に応じて楽曲データを出力してメロディーを演奏する。
【0086】
上記した実施の形態では、ボタンを表示した選択画面として図7を挙げたが、ゲームシステムは複数の選択画面を有してもよい。この場合、選択画面によって第1入力を検出したときに出力する操作音の音色を異ならせてもよい。また、これに伴って、音高を高くする割合を音色に応じて異ならせてもよい。なお、このように音色を変える仕様は、一つの画面に配置されたボタンに対しても可能である。例えば、図7(a)に示す「項目A」~「項目D」のボタン群と、「項目E」~「項目H」のボタン群で、操作音の音色または音高を変化させる割合を異ならせてもよい。
【0087】
上記した実施の形態では、複数のボタンの各々に対する第1入力を検出し、その検出間隔が小さくなるとより高い音高の操作音を出力する例を挙げたが、同じボタンに対する第1入力を連続して検出したときに、その検出間隔が小さくなるとより高い音高の操作音を出力するようにしてもよい。タッチ入力の場合には、タッチした指を同じボタンの表示領域の内側と外側で、その境界を横切るように往復させることで、そのボタンに対する第1入力を連続して検出する。この際に、検出間隔が小さくなると、より高い音高の操作音を出力する。
【0088】
すなわち、変形例に係る情報処理プログラムは、情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータを、GUI部品に対する第1入力および第2入力を検出する入力検出手段、前記GUI部品に対する前記第1入力に合わせて、操作音を出力する操作音出力手段、前記第1入力が行われた前記GUI部品に対する前記第2入力が検出された場合、当該GUI部品に対応付けられ、前記操作音の出力とは異なるGUI部品対応処理を実行する処理実行手段として機能させ、前記操作音出力手段は、同じ前記GUI部品に対する前記第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高が高い前記操作音を出力してもよい。
【0089】
上記した実施の形態では、第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高の高い操作音を出力する例を挙げたが、逆に、第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高の低い操作音を出力するようにしてもよい。
【0090】
すなわち、変形例に係る情報処理プログラムは、情報処理装置のコンピュータにおいて実行される情報処理プログラムであって、前記コンピュータを、複数個のGUI部品の各々に対する第1入力および第2入力を検出する入力検出手段、前記複数個のGUI部品のいずれかに対する前記第1入力に合わせて、操作音を出力する操作音出力手段、前記第1入力が行われた前記GUI部品に対する前記第2入力が検出された場合、当該GUI部品に対応付けられ、前記操作音の出力とは異なるGUI部品対応処理を実行する処理実行手段、として機能させ、前記操作音出力手段は、前記複数個のGUI部品のうち異なる当該GUI部品に対する前記第1入力の検出間隔が小さくなると、より音高が低い前記操作音を出力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 ゲームシステム
2 ゲーム装置
3 左コントローラ
4 右コントローラ
12 ディスプレイ
13 タッチパネル
80 スピーカ
100 制御部
101 入力検出部
102 操作音出力部
103 処理実行部
104 フォーカス変更部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12