(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】蒸気圧縮冷却システムにおける使用のためのモジュール構造
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20240202BHJP
F25B 39/00 20060101ALI20240202BHJP
F25B 43/02 20060101ALI20240202BHJP
F25B 39/04 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
F25B1/00 D
F25B39/00 H
F25B1/00 396R
F25B43/02 A
F25B39/04 X
(21)【出願番号】P 2021517479
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(86)【国際出願番号】 EP2019077473
(87)【国際公開番号】W WO2020074640
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-07-14
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521116129
【氏名又は名称】ヴァハテルス オーイー
(73)【特許権者】
【識別番号】521122902
【氏名又は名称】マエカワ ヨーロッパ エヌブイ/エスエー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コントゥ、マウリ
(72)【発明者】
【氏名】ブーン、ジャン-ピエール
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-174102(JP,A)
【文献】実開昭50-082760(JP,U)
【文献】実公平04-024376(JP,Y2)
【文献】中国特許出願公開第102252463(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102345944(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 39/00 - 39/04
F28D 7/00 - 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気圧縮冷却システムで使用するための構造(1)であって、前記構造は、エバポレータと、オイルセパレータと、コンデンサと、オイルクーラと、を含み、
前記エバポレータと前記オイルセパレータと前記コンデンサと前記オイルクーラとが、長手方向で円筒状のシェル(2)及び前記シェルの両端に配置されたエンドプレート(3、4)を備える外側ケーシングの内側に配置され、前記シェルは、3つの個別の部分(A、B、C)を備え、前記部分(A、B、C)は、第1隔壁(5)及び第2隔壁(6)を前記部分の間に配置することにより互いに分離され、第1部分(A)は前記エバポレータを備え、第2部分(B)が前記オイルセパレータを備え、第3部分(C)が前記オイルクーラ及び前記コンデンサを備え、
前記第3部分(C)は、一つのプレートパック(13)として、前記第3部分の中に前記オイルクーラ及び前記コンデンサを配置することにより構成され、前記プレートパック(13)は、前記プレートパック(13)の熱交換プレートの間に中間プレート(8)を配置することにより二つの機能的なプレートパック(C1、C2)に分けられ、第1プレートパック部分(C1)は前記オイルクーラとして機能し、第2プレートパック部分(C2)は前記コンデンサとして機能する、ことを特徴とする構造。
【請求項2】
前記シェルは、前記部分の間に前記第1隔壁(5)及び前記第2隔壁(6)を配置することにより3つの個別の前記部分(A、B、C)に長手方向に分割され、前記第1隔壁(5)及び前記第2隔壁(6)は前記シェルに取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の構造
。
【請求項3】
前記エバポレータは、満水式エバポレータであることを特徴とする、請求項
1または2に記載の構造
。
【請求項4】
前記オイルセパレータを備える前記第2部分(B)は、長手方向で円筒状の前記シェル(2)の中央部であることを特徴とする、請求項1~
3のいずれか一項に記載の構造
。
【請求項5】
前記第1隔壁(5)及び前記第2隔壁(6)は耐圧壁であることを特徴とする、請求項1~
4のいずれか一項に記載の構造
。
【請求項6】
前記エバポレータと前記オイルセパレータとの間の前記第1隔壁(5)は、絶縁層(7)をさらに備えることを特徴とする、請求項1~
5のいずれか一項に記載の構造
。
【請求項7】
前記第3部分(C)で前記コンデンサとして機能する前記第2プレートパック部分(C2)に冷媒を導入する入口接続部(9)を、前記第2部分(B)と前記第3部分(C)との間の前記第2隔壁(6)を通して配置し、前記コンデンサとして機能する前記第2プレートパック部分(C2)から凝縮された前記冷媒を導出する出口接続部を、前記第3部分(C)の前記プレートパック(13)の前記中間プレート(8)を通して配置し、出口接続管(10)が、前記第3部分(C)でオイルクーラとして機能する前記第1プレートパック部分(C1)の流路の内側に配置され、前記出口接続管(10)は前記外側ケーシングの前記エンドプレート(4)を通して伸長していることを特徴とする、請求項1~
6のいずれか一項に記載の構造
。
【請求項8】
凝縮する前記冷媒は、前記第2プレートパック部分(C2)の前記プレートパックの内部の流路に流れるように配置されることを特徴とする、請求項
7に記載の構造
。
【請求項9】
前記第3部分(C)で前記オイルクーラとして機能する前記第1プレートパック部分(C1)の入口接続部(11)は、前記オイルクーラとして機能する前記第1プレートパック部分(C1)の出口接続部(12)の内側に配置され、前記入口接続部及び前記出口接続部(11,12)は、前記外側ケーシングの前記エンドプレート(4)に配置された同じ開口部を通して配置されていることを特徴とする、請求項1~
8のいずれか一項に記載の構造
。
【請求項10】
前記第1部分(A)は、
満水式エバポレータとして機能し、前記第1部分(A)の下方に配置される、プレートパック(20)と、
前記エバポレータとして機能する前記プレートパック(20)に熱交換媒体を導入する入口接続部(14)と導出する出口接続部(15)と、
前記第1部分(A)に蒸発させる冷媒を導入する入口接続部(16)と、第1部分(A)から蒸発させた前記冷媒を導出する出口接続部(17)と、
を有することを特徴とする、請求項1~
9のいずれか一項に記載の構造
。
【請求項11】
前記オイルセパレータとして機能する前記第2部分(B)は、前記第2部分に冷媒を導入する入口接続部(18)と、前記第2部分から分離されたオイルを導出する出口接続部(19)とを備えることを特徴とする、請求項1~
10のいずれか一項に記載の構造
。
【請求項12】
長手方向で円筒状の前記シェルの直径は、上記構造の全ての部分(A、B、C)において略同一であることを特徴とする、請求項1~
11のいずれか一項に記載の構造
。
【請求項13】
蒸気圧縮冷却システムであって、少なくとも、
エバポレータと、オイルセパレータと、コンデンサと、オイルクーラと、を備える請求項1~
12のいずれか一項に記載の構造(1)と、
コンプレッサ(25)と、
前記エバポレータから前記コンプレッサへ、前記コンプレッサから前記オイルセパレータへ、前記コンデンサから前記エバポレータへ、前記システムを循環する冷媒を導く手段と、
前記オイルセパレータから前記オイルクーラへ、前記オイルクーラから前記コンプレッサへオイルを搬送する手段と、
前記システムを循環する前記冷媒が前記コンデンサから前記エバポレータへ導く膨張器(26)を備える、蒸気圧縮冷却システム
。
【請求項14】
前記蒸気圧縮冷却システムを循環する前記冷媒はアンモニアを含むことを特徴とする、請求項
13に記載の蒸気圧縮冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下に提示する独立請求項に係る蒸気圧縮冷却システムに用いるモジュール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気圧縮ユニットは最も広く使用されている冷却システムである。蒸気圧縮は循環冷媒を媒体として使用し、冷却される空間から熱を吸収して除去し、続いて他の場所でその熱を除去する。蒸気圧縮冷却システムは、コンプレッサ、コンデンサ、膨張器(絞りまたは膨張弁とも呼ばれる)、エバポレータの4つの主要な構成要素を含む。更に、システムは、典型的には、コンプレッサが適正に作動するためにオイルを必要とするので、オイルセパレータを備える。
【0003】
蒸気圧縮冷却システムは閉システムであり、冷媒は循環して相変化を起こす。蒸気圧縮冷却システムでは、循環冷媒はより高い圧力に圧縮され、その結果、より高い温度も生じる。次いで、高温の、圧縮された冷媒ガスは、所定の温度及び圧力において、冷却水又は冷却空気のような冷却媒体で凝縮され得る。これは蒸気圧縮冷却システムの一つの相であり、循環冷媒はシステムから熱を除去し、除去された熱は奪い去られる。コンプレッサは、コンプレッサ要素を潤滑し、密封するためにオイルを必要とするため、オイルは、圧縮プロセス中に冷媒と混合される。主に満水式エバポレータでの冷却システムへのオイル蓄積は防止されるべきであり、したがって、オイルセパレータは、オイルとコンプレッサからの高温の冷媒ガスとを分離するために使用される。システムの余分なオイルは、冷却プロセスの効率を低下させる可能性がある。分離されたオイルはオイルクーラに流れ、その後コンプレッサに戻される。コンプレッサおよびオイルセパレータからの冷媒ガスは、冷却媒体が加熱されている間、コンデンサで凝縮される。コンデンサからは、冷媒は、膨張器へと液体の状態であり続ける。膨張器が圧力を下げ、その後、冷媒がエバポレータに戻される。エバポレータは、コンプレッサに至る冷媒を蒸発させる。蒸発プロセスには、冷却プロセス中に冷却される物質から取り出される熱を要する。
【0004】
一般に、蒸気圧縮冷却システムのすべての主要な構成要素は、それら自身が装置として、個別に配置される。オイルセパレータは一般にコンプレッサの下方に配置され、エバポレータとコンデンサはコンプレッサの隣に配置される。したがって、蒸気圧縮冷却システムに要求される空間は、面積、高さ方向の空間ともに注目すべきである。互いに分離して配置された冷却機構造の構成要素は、また、1つの構成要素から別の構成要素へ冷媒を循環させるための配管を必要とし、これもまた、配置に必要なスペースを増大させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術に現れる上述の問題を軽減または除去することである。
【0006】
本発明の目的は、蒸気圧縮冷却サイクルで使用するための構造を提供することであり、この構造は冷却システムのサイズを小さくすることを可能にする。
【0007】
特に、蒸気圧縮冷却システムにおいて使用されるコンパクトなモジュール構造を提供することであり、このモジュール構造は、蒸気圧縮冷却システムの個別の構成要素の数を減らすことができる。
【0008】
さらに、本発明の目的は、蒸気圧縮冷却システムに使用するためのモジュール構造を提供することであり、このモジュール構造は、熱交換器の標準サイズの部品および標準的なオイル分離要素を用いて容易に製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
とりわけ、上述した目的を達成するために、本発明は、添付の独立請求項に記載されていることにより特徴付けられる。本発明のいくつかの好ましい実施態様については、他の請求項で表現される。
【0010】
蒸気圧縮冷却システムに用いるための本発明による典型的な構造は、エバポレータと、オイルセパレータと、コンデンサと、オイルクーラとを備え、これらは、外側ケーシングの両端に配置された長手方向で円筒状のシェルとエンドプレートとからなる外側ケーシングの内側に配置され、外側ケーシングは、3つの個別の部分を備え、これらの部分の間に第1隔壁及び第2隔壁を配置することによって互いに分離され、第1部分はエバポレータを備え、第2部分はオイルセパレータを備え、第3部分はオイルクーラ及びコンデンサを備える。発明に係る構造の第3部分は、一つのプレートパックとして、前記第3部分の中にオイルクーラ及びコンデンサを配置することにより構成される。前記プレートパックは、前記プレートパックの前記熱交換プレートの間に、中間プレートを配置することにより二つの機能的なプレートパック部分に分けられ、前記第1プレートパック部分はオイルクーラとして機能し、第2プレートパック部分はコンデンサとして機能する。
【0011】
典型的な蒸気圧縮冷却システムは、少なくとも、エバポレータ、オイルセパレータ、コンデンサ、オイルクーラを備える本発明の構造と、コンプレッサと、
システムを循環する冷媒をエバポレータからコンプレッサへ、コンプレッサからオイルセパレータへ、およびコンデンサからエバポレータへ導くための手段と、オイルセパレータからオイルクーラへ、およびオイルクーラからコンプレッサへオイルを搬送する手段、およびシステムを循環する冷媒をコンデンサからエバポレータに導く膨張器と、を備える。
【0012】
本発明は、蒸気圧縮冷却システムの主要な構成要素の大半を一つの外側ケーシングの内部に組み合わせたモジュール構造に基づく。本発明は、少なくとも次の構成要素、すなわち、エバポレータ、オイルセパレータ、コンデンサ、及びオイルクーラを同一の外側ケーシングの内部に組み合わせる。冷却機のコンプレッサ及び膨張器は、本発明の構造とは別に配置される。本発明によるモジュール構造は、前記主要な構成要素を同じ外側ケーシングの内部に配置することにより、構成要素のためのより少ないスペースを必要とする冷却機のためにコンパクトな構造が提供されるので、有利である。本発明による構造は、冷却システムに要する、高さ方向での空間及び面積の両方を減少させることができる。蒸気圧縮冷却システムに使用するための本発明による構造は、必要とされる個別の構成要素をより少なくし、これもまた製造コストを低減し得る。本発明に係る構造は、一体構造であり、冷媒を部品間で循環させるための配管も減少させ、容易に組み立てることができる。
【0013】
モジュール構造のエバポレータ及びコンデンサ/オイルクーラ部において、例えば溶接プレート及びシェル型熱交換器を用いることにより、モジュール部分間に第1隔壁及び第2隔壁を配置して、モジュール構造を構成することができることが見出された。耐圧隔壁は、隔壁の両側に個別の作動機能を配置することを可能にし、同じ外側ケーシングの内側に配置することができる。標準サイズの熱交換プレートと一つの共通の外側ケーシングを使用することにより、蒸気圧縮冷却システムを製造するためのコスト効率の良い方法も提供される。さらに、モジュール構造の1つの部分は、コンデンサ及びオイルクーラの2つの個別の動作機能を含むように構成され、これは、コンデンサ及びオイルクーラが同一のプレートパックに配置され、それらが共有されたシェル側を有することを意味する。また、この構造は配置のサイズを減少させ、構造の配管を簡素化する。
【0014】
本発明を、以下の添付図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】蒸気圧縮冷却システムに使用するための本発明の一実施形態によるモジュール構造を示す。
【
図2】蒸気圧縮冷却システムに使用するための本発明の他の実施形態によるモジュール構造を示す。
【
図3】システムにおける流れの説明を伴う、蒸気圧縮冷却システムに使用するための本発明の例示的実施形態によるモジュール構造を示す。
【
図4】本発明によるモジュール構造を含む蒸気圧縮冷却システムの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明による構造は、長手方向で円筒状のシェルと該シェルの両端に配置されたエンドプレートとを含む一つの長手方向での外側ケーシングの内側に配置された、エバポレータと、オイルセパレータと、コンデンサと、オイルクーラとを備え、該外側ケーシングは、封入された構造である。長手方向で円筒状のシェルは、第1隔壁と第2隔壁とを各部分間に配置して互いに分離された3つの個別の部分を備え、第1部分はエバポレータを備え、第2部分はオイルセパレータを備え、第3部はオイルクーラとコンデンサとの組み合わせを備える。本発明の好ましい実施による構造は、3つの個別のモジュール部分から構成され、前記シェルは、前記モジュール部分の間に第1隔壁及び第2隔壁を配置することによって3つの個別の部分に分割されている。本発明による構造は、3つを超えるモジュールを備えることができるが、少なくとも、エバポレータとして機能する第1部分と、オイルセパレータとして機能する第2部分と、オイルクーラとコンデンサの組み合わせとして機能する第3部分とを、同じ外側ケーシングの内側に備える。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、外側ケーシングのシェルは、実質的に水平な円筒状のシェルであり、エンドプレートは端部の垂直な板である。外側ケーシングは、シェルの両端のエンドプレート、即ち、第1エンドプレート及び第2エンドプレートを備える。この説明において使用される外側ケーシング又は円筒状のシェルの長手方向は、典型的には、水平方向を指す。例えば、外側ケーシングの円筒状のシェルが真直ぐな円筒である場合、その長手方向は、当該円筒の中心軸の方向と同じである。
【0018】
本発明に係る実施の形態では、エバポレータ、オイルセパレータ、コンデンサ及びオイルクーラが1つの一様な長手方向で円筒状のシェルの内側に配置されており、これは、シェルが外側ケーシングの第1エンドプレートから第2エンドプレートにかけて連続したシェルであることを意味する。すなわち、シェルは、前記シェルの長手方向に一様であり、シェルは、第1隔壁及び第2隔壁を前記シェルの内側の部分間に配置することにより、シェルの長手方向に3つの個別の部分に分割する。隔壁は、シェルの内面に取り付けられ、好ましくは、溶接される。別の実施態様では、外側ケーシングの長手方向で円筒状のシェルは、2つ以上の部分から構成することができ、ここで、該シェルは、該構造の少なくとも1つのモジュール部分を連続的に覆っている。特に、構造のサイズが大きくなると、取り付けられ、好ましくは互いに溶接された二つ以上の個別の部分から構成されてもよく、これらは外側ケーシングの長手方向で円筒状のシェルを形成する。外装のシェルが二つ以上の部分から形成される場合には、第1及び第2隔壁は、それらがシェルの部分の間にあるように構造体に配置されていてもよい。本発明によれば、外側ケーシングのシェルは、長手方向で円筒状のシェルの直径が、構造の全てのモジュール部分において実質的に同じであるように構成される。すなわち、外側ケーシングのシェルの直径は、第1エンドプレートから外側ケーシングの第2エンドプレートまで実質的に同じである。
【0019】
典型的には、本発明による構造では、外側ケーシングは圧力容器として機能する。本発明の好ましい実施において、前記構造の第1隔壁及び第2隔壁は耐圧壁である。
【0020】
隔壁の厚さは、シェルの直径及び/又は構造の必要な圧力レイティングに依存する。また、シェルの厚さは変更できし、構造の必要な圧力レイティングに依存する。本発明による実施形態では、隔壁の厚さは、20~100mmまたは40~100mmの範囲であってもよい。第1隔壁と第2隔壁の厚さは互いに異なる場合がある。第1隔壁及び第2隔壁は、典型的には、外側ケーシングと同じ材料で作られている。外側ケーシングおよび隔壁は、典型的には、例えば、鋼、ステンレス鋼、炭素鋼または目的に適した他の金属で作られる。第1および第2隔壁は、典型的には、隔壁全体において実質的に同じ厚さを有する壁である。
【0021】
本発明による好ましい実施形態において、エバポレータとして機能する第1部分とオイルセパレータとして機能する第2部分との間の第1隔壁は、絶縁層をさらに備える。エバポレータとオイルセパレータの部分は、特に両者の間の隔壁が絶縁隔壁の場合には、同一の外側ケーシングの内部で隣接するモジュール部分を配置できることが分かっている。エバポレータとオイルセパレータの間の絶縁隔壁は、蒸気圧縮冷却サイクルの運転中のエバポレータとオイルセパレータの間の温度差により使用される。絶縁隔壁は、構造のモジュール部分の間の熱伝導を減少または除去する。例示的な実施形態として、アンモニアを冷媒として使用する場合、エバポレータとして機能する第1部分の内部の温度は、約-3~10℃であり、オイルセパレータとして機能する第2部分の内部の温度は、約100℃であり得る。モジュール部分の間の熱伝導の除去は重要である。さもなければ、エバポレータでは、温度の上昇により制御不能な蒸発が起こる可能性があるからである。そこで、オイルセパレータでは、絶縁隔壁は、前記モジュール部分の間の冷たい表面の形成を排除し、オイルセパレータ内部の冷媒の凝縮を排除する。エバポレータとオイルセパレータの間の絶縁隔壁により、高温の冷媒ガスからのオイルの分離が効率的に行えるようになっている。
【0022】
典型的な実施形態では、絶縁層は、オイルセパレータの側面に配置される。本発明による好ましい実施形態において、隔壁の表面に絶縁層が配置され、シェル内部で隔壁のほぼ全域を覆っている。典型的な実施形態では、絶縁層は、オイルセパレータの内部で高温の冷媒ガスと接触している。本発明によれば、絶縁層は、オイルセパレータに存在する温度および化学的状態に対して適切な耐性を有する任意の適切な絶縁材料で製造することができる。例示的な実施形態において、絶縁層は、十分な断熱特性を有するポリマー系絶縁材料で製造されてもよい。
【0023】
本発明によるモジュール構造の第1部分および第3部分は、プレート熱交換器を備える。本発明によるモジュール構造の第1部分は、エバポレータとして機能するプレートパックを含む。本発明によるモジュール構造の第3部分は、コンデンサとオイルクーラとの組み合わせとして機能するプレートパックを含む。本発明の典型的な実施形態では、エバポレータとして機能する第1部分と、コンデンサとオイルクーラの組み合わせとして機能する第3部分のプレートパックは、円形の熱交換プレートで構成される通常の溶接された構造を用いて製造することができる。例えば、プレートパックとしては、プレート及びシェル式熱交換器で使用される円形の熱交換プレートからなる溶接されたプレートパックを用いることができる。これらのプレートパックは、複数のプレート対で構成されている。各プレート対は、典型的には、取り付けられ、好ましくは、少なくともそれらの外周部を一緒に溶接される二つの円形の熱交換プレートで形成される。各熱交換プレートは、第1熱交換媒体の流れに対して少なくとも2つの開口部を有する。隣接する2つのプレート対の開口部を互いに取り付けることによって、隣接するプレート対が互いに取り付けられる。これにより、第1熱交換媒体は、熱交換器のプレートパック内部の開口部を通してプレート対から別のプレート対に流通可能であり、互いに上方に配置された熱交換プレートの開口部に形成された流通路が存在する。第2熱交換媒体は、プレート対の間の空間においてシェル内部を流れるように配置される。第1熱交換媒体の入口接続部及び出口接続部は、プレートパックの内側部分、すなわちプレート対の内側部分と接続して配置される。したがって、プレート熱交換器の一次回路は、第1熱交換媒体の入口接続部と出口接続部の間に形成される。第2熱交換媒体の入口接続部及び出口接続部は、シェルの内側、すなわちプレートパックのプレート対の外側側と接続して配置される。言い換えれば、プレート熱交換器の二次回路は、第2熱交換媒体の入口接続部と出口接続部の間、シェル内部、プレート対の間の空間に形成される。典型的には、一次回路と二次回路は互いに分離されている。すなわち、プレートパックの内側部分を流れる第1熱交換媒体は、シェル内、すなわちプレートパックの外側を流れる第2熱交換媒体と混合することができない。これにより、一次側熱交換媒体は一つおきにプレート空間を流れ、二次側熱交換媒体はプレート熱交換器の一つおきにプレート空間を流れる。
【0024】
本発明に係る実施の形態において、前記第1及び第3部分に用いるプレートパックは、主に円筒状であり、前記プレートパックの長手方向が前記円筒状のシェルの長手方向と略同一である。すなわち、互いに上方に配置された熱交換プレートにより形成されたプレートパックを、プレートパックの長手方向が円筒状のシェルの長手方向と同じになるように、円筒状のシェルの機能的な部分の内部に配置する。本発明による構造において使用されるプレートパックの構成要素は、標準的な部品であってもよく、さもなければ一般的に使用されてもよいので、本発明による構造の製造コストを低く抑えることができる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、構造のエバポレータは、満水式エバポレータである。構造の第1部分には、満水式エバポレータとして機能するプレートパックが配置される。一実施形態によると、一つのプレートパックが、機能的な第1部分の下方に配置される。本発明による実施形態において、液滴セパレータは、プレートパックの上の第1部分の内側に配置されてもよい。本発明による実施形態では、構造は、エバポレータとコンプレッサとの間に配置された個別の装置である液滴セパレータを含んでもよい。液滴セパレータは冷却サイクルで使用され、冷媒液滴がコンプレッサに運ばれないようにする。構造の第1部分は、エバポレータとして機能するプレートパックに熱交換媒体を導入する入口接続部と導出する出口接続部とをさらに備え、入口接続部と出口接続部は、典型的には、外側ケーシングのエンドプレートを通して配置される。エバポレータとして機能する、構造の第1部分は、第1部分に蒸発される冷媒を導く入口接続部と、第1部分から蒸発された冷媒を導出する出口接続部とを更に有し、この入口接続部と出口接続部とは、エバポレータの構造に応じて、外側ケーシングのシェル及び/又はエンドプレートを通して配置することができる。
【0026】
本発明の好ましい実施例では、オイルセパレータを備える構造の第2部分は、長手方向の外側ケーシングの中央部分である。なぜならば、あるモジュール部分から別のモジュール部分への配管は、蒸気圧縮冷却サイクルにおける冷媒の流れ方向において最も簡単な方法で行うことができるからである。オイルセパレータとして機能する第2部分は、オイル分離のための手段を含む。さらに、第2部分は、コンプレッサからの高温の冷媒ガスを機能的な第2部分に導くための入口接続部と、オイルセパレータから分離されたオイルを導出するための出口接続部とを備える。蒸気圧縮冷却サイクルでは、オイルは、圧縮プロセス中に冷媒と混合されてもよい。典型的には、入口接続部は、機能的な第2部分の上方に配置され、出口接続部は、機能的な第2部分の下方に配置される。本発明による構造では、分離されたオイルは、オイルセパレータから、モジュール構造の第3部分に配置されたオイルクーラに搬送され、オイルは、オイルクーラからコンプレッサに戻される。
【0027】
本発明による構造では、構造の第3部分は、コンデンサとオイルクーラとの組み合わせとして機能するプレートパックを含む。第3部分は、一つのプレートパックを第3部分に配置して構成され、係るプレートパックは、中間プレートを熱交換プレート間のパックに配置することにより、二つの機能するプレートパック部分に分割される。第3部分のプレートパックは、第1プレートパック部分と第2プレートパック部分とからなり、第1プレートパック部分はオイルクーラとして機能し、第2プレートパック部分はコンデンサとして機能する。熱交換プレート間には、熱交換プレートの開口部により形成された流路を通して第1プレートパック部分と第2プレートパック部分の流体接続を遮断する中間プレートが配置されている。中間プレートは、中間プレートの外縁がプレートパックの外面とほぼ同一平面にあるように、熱交換プレートの間に配置される。本発明による好ましい実施形態では、第3部分のシェル側は、両方のプレートパック部分のために共有され、これは、それらが共通のシェル側循環を有することを意味し、第3部分は、第3部分のシェル側に流れる媒体のための入口接続部と出口接続部とを備える。シェル側の接続部は、外側ケーシングのシェル及び/又はエンドプレートを通して配置することができる。
【0028】
本発明に係る好ましい態様において、前記第3モジュール部分においてコンデンサとして機能するプレートパックに冷媒を導き込むための入口接続部が、前記第2モジュール部分と前記第3モジュール部分との間の隔壁を通して配置され、前記第3モジュール部分においてコンデンサとして機能するプレートパックから凝縮された冷媒を導出する出口接続部が、前記第3モジュール部分において前記プレートパックの中間プレートを通して配置され、前記出口接続管が、前記第3モジュール部分においてオイルクーラとして機能する第1プレートパック部分と、前記出口接続管とが、前記外部ケーシングの前記エンドプレートを通して伸長するように配置されている。オイルセパレータとコンデンサはほぼ同じ圧力として機能するので、入口接続部を構造の第2部分と第3部分との間の隔壁を通して配置することができる。隔壁を通して入口接続部を配置すると、オイルセパレータからコンデンサへの個別の配管が不要となるため、冷却配置の構造が簡素化される。第2プレートパック部分の出口接続管は、プレートパックの流路の直径よりも小さい外径を有し、第2プレートパック部分の出口接続管の端部は、第2プレートパック部分の流路への接続を形成するためのプレートパックの中間プレートに取り付けられている。上述した発明による好ましい実施形態において、第3部分の第2プレートパック部分のプレートパック内部には凝縮される冷媒、すなわち、プレートパックの内側部分を流れる冷媒である第1熱交換媒体が配置されている。第2プレートパック部分の入口接続部からプレートパックを経由して第2プレートパック部分の出口接続部に凝縮される冷媒を配置し、熱交換器のパック側で凝縮を行う。
【0029】
本発明に係る実施の形態において、前記第3モジュール部分においてオイルクーラとして機能する前記プレートパック部分の入口接続部は、オイルクーラとして機能する前記プレートパックの出口接続部の内側に配置され、前記入口接続部及び出口接続部は、前記外側ケーシングの前記エンドプレートの同一開口部を通して配置されている。冷却するオイルは、第3モジュール部分の第1プレートパック部分のプレートパック側を循環する。前記入口接続管は、前記プレートパックの前記流路の内側に長く、かつ、前記プレートパックの前記流路に密に配置されており、前記プレートパック部分を通して前記入口接続管が前記出口接続部の内側に配置されるように冷却されるべきオイルを循環させることができる。入口接続管は、流路及び出口接続部の直径よりも小さい外径を有する。
【0030】
本発明による構造の第3部分のプレートパック構造は、同じモジュール部分の内部で2つの個別の機能を可能にし、入口接続部及び/又は出口接続部を、構造により必要とされる空間が減少した外側ケーシングのエンドプレートに容易に配置することができる。
【0031】
本発明による構造の第1部分及び第3部分では、一般に使用される任意の熱交換媒体を熱交換器の加熱/冷却媒体として使用することができる。
【0032】
本発明による構造の寸法は、用途によって異なる場合がある。
【0033】
本発明による蒸気圧縮冷却システムは、少なくとも、エバポレータ、オイルセパレータ、コンデンサ、およびオイルクーラを備える本発明による構造と、コンプレッサと、システムを循環する冷媒をエバポレータからコンプレッサへ、コンプレッサからオイルセパレータへ、およびコンデンサからエバポレータへ導くための手段と、オイルセパレータからオイルクーラへ、およびオイルクーラからコンプレッサへオイルを搬送する手段と、およびシステムを循環する冷媒がコンデンサからエバポレータに導かれる膨張器と、を含む。
【0034】
システムに使用されるコンプレッサは、任意の適切なコンプレッサであってよく、例えば、オイルインジェクションスクリューコンプレッサであってよい。本発明による蒸気圧縮冷却システムは、蒸気圧縮冷却サイクルにおいて、エバポレータとコンプレッサとの間に配置される、個別の装置としての液滴セパレータを更に備えてもよい。
【0035】
本発明による蒸気圧縮冷却システムは、閉ループシステムであり、このシステムでは、冷媒が閉サイクルで循環し、相変化を経る。
【0036】
本発明による蒸気圧縮冷却システムでは、冷媒は任意の適切な冷媒であってよい。本発明の一実施形態による蒸気圧縮冷却システムでは、システムを循環する冷媒はアンモニアであってもよく、ここではアンモニアチラーシステムとも呼ばれることがある。アンモニアチラーシステムは、例えば、大規模冷蔵庫、プロセスシステムで使用されることがある。
【0037】
図1および
図2は、蒸気圧縮冷却システムに使用するための本発明によるモジュール構造を示す。図には同じ参照番号が使用されている。
図1及び
図2に示される実施形態は、類似のモジュール構造を含み、外側ケーシングのシェルのみが異なる方法で構成される。
【0038】
本発明による構造1は、長手方向に円筒状のシェル2及び該シェルの両端の垂直なエンドプレート3,4を備えた外側ケーシングの内側に配置されたエバポレータ、オイルセパレータ、コンデンサ及びオイルクーラを備える。また、シェルは、第1隔壁5と第2隔壁6とを部分間に配置して互いに分離されたモジュール部分A、B、Cの3つに分離されている。構造の第1部分Aは、エバポレータを含み、第2部分Bは、オイルセパレータを含み、第3部分Cは、オイルクーラおよびコンデンサを含む。
【0039】
外側ケーシングのシェル2は、
図1に示すように、第1エンドプレート3から第2エンドプレート4までの一様な長手方向でのシェル2とすることができ、外側ケーシングのシェル2は、2つ以上の部分2a、2b、2cから構成することもでき、ここで、シェルは、構造の少なくとも1つの機能的な部分A、B、Cを連続的に覆っている。
図2において、シェルは、3つの個別の部分2a,2b,2cと第1隔壁5と第2隔壁6とが配置されて構成されている。
【0040】
構造1の第3部分Cは、オイルクーラとコンデンサとの組合せからなり、第3部分に一つのプレートパック13を配置して構成され、このプレートパック13は、プレートパックの熱交換プレート間に配置された中間プレート8によって二つのプレートパック部分C1,C2に分割される。オイルクーラとして機能する第1プレートパック部分C1と、コンデンサとして機能する第2プレートパック部分C2と、を備える。
【0041】
満水式エバポレータとして機能するプレートパック20が、構造1の第1部分Aの下方に配置される。本発明による実施形態において、液滴セパレータは、プレートパック(図には示されていない)の上の第1部分Aの内側に配置されてもよい。第1部分Aは、エバポレータとして機能するプレートパック20に熱交換媒体を導入するための入口接続部14と導出するための出口接続部15とをさらに備え、入口接続部14および出口接続部15は、典型的には、外側ケーシングのエンドプレート3を通して配置される。構造の第1部分Aは、第1部分に蒸発させる冷媒を導く入口接続部16と、第1部分から蒸発させた冷媒を導出する出口接続部17とを更に備え、この入口接続部及び出口接続部は、外側ケーシングのシェル2及び/又はエンドプレート3を通して配置することができる。
【0042】
オイルセパレータを備える構造1の機能的な第2部分Bは、構造1の外側ケーシングの長手方向で中央部分である。オイルセパレータとして機能する第2部分は、オイル分離のための手段を含む。さらに、コンプレッサからの高温の冷媒ガスを機能的な第2部分に導くための入口接続部18と、オイルセパレータから分離されたオイルを導出するための出口接続部19とを備える。典型的には、入口接続部18は、機能的な第2部分Bの上方に配置され、出口接続部19は、機能的な第2部分Bの下方に配置される。
【0043】
構造1の機能的な第3部分Cは、コンデンサとオイルクーラとの組み合わせとして機能するプレートパック13を備える。本発明による好ましい実施形態において、第3部分Cのシェル側は、両方のプレートパック部分C1、C2のために共有され、これは、それらが共通のシェル側の循環を有することを意味し、第3部分は、第3部分のシェル側に流れる媒体のための入口接続部21および出口接続部22a、22bを含む。シェル側の接続部21、22a、22bは、外側ケーシングのシェル2及び/又はエンドプレート4に配置することができる。
図1及び
図2に例示されているように、シェル側は、複数のパスのためにガスケット又はプレート構造24によって分割されてもよい。コンデンサとして機能するプレートパック部分C2に冷媒を導入する入口接続部9が、構造の第2部分Bと第3部分Cとの間の隔壁6を通して配置されている。プレートパック部分C2から凝縮された冷媒を導出する出口接続部10が、プレートパックの中間プレート8を通して配置され、出口接続管がオイルクーラとして機能する第1プレートパック部分C1を流路内部に配置され、外側ケーシングのエンドプレート4を通して伸長するように配置されている。第2プレートパック部分C2の出口接続管10は、プレートパックの流路の直径よりも外径が小さい。中間プレート8には、第2プレートパック部分C2の流路との接続部を形成するための第2プレートパック部分の出口接続管10の端部が取り付けられている。
【0044】
オイルクーラとして機能するプレートパック部分C1の入口接続部11は、オイルクーラとして機能するプレートパックの出口接続部12の内側に配置されており、入口及び出口接続部11、12は、外側ケーシングのエンドプレート4の同じ開口部を通して配置されている。入口接続管11は、プレートパックの流路の内側で伸長し、入口接続管11の端部は、構造23を用いて、プレートパックの流路に固く配置され入口接続管11が出口接続管12の内側に配置されることでプレートパックを通してオイルを循環させることができる。
【0045】
図3は、本発明の一実施形態によるシステムにおけるフローを示す。システムで使用する冷媒は、アンモニアであってもよい。
図3の構造は、
図2に示すものと同様であり、
図4は、本発明による蒸気圧縮冷却システムの基本原理を示す。
図4では、破線は、熱交換器の加熱/冷却に使用する熱交換媒体を示し、細い線は、サイクル内の冷媒の流れを示し、太い線は、サイクルのオイルの流れを示す。
【0046】
図3に示す例示的な実施形態による蒸気圧縮冷却構造では、塩水が、構造の機能的な第1部分Aおよび機能的な第3部分Cの熱交換器の加熱/冷却媒体として使用される。
図3の構造では、液体冷媒は、エバポレータとして機能する本発明による構造1の第1部分Aの内側に導かれる。エバポレータは冷媒と冷媒ガスを蒸発させて、本発明に係る構造1の第1部分Aからコンプレッサ25に導出される。コンプレッサ25は、エバポレータからの冷媒ガスをより高い圧力に圧縮し、その結果、より高い温度も生じる。コンプレッサはコンプレッサ部を潤滑し密閉するためにオイルが必要で、圧縮プロセス中にオイルが冷媒ガスと混合される。このため、高温の圧縮された冷媒ガスは、オイルセパレータとして機能する本発明に係る構造1の第2部分Bに至り、コンプレッサから来る高温の冷媒ガスとオイルを分離するために使用される。分離されたオイルは、オイルクーラC1に流れ、次いで、コンプレッサ25に戻される。コンプレッサおよびオイルセパレータからの高温の冷媒ガスは、冷却媒体が加熱されている間、コンデンサC2で凝縮されることになる。コンデンサC2からは、凝縮された冷媒液体は、膨張器26へと液状の状態であり続ける。膨張器26は、圧力を下げ、次いで、液体冷媒は、エバポレータとして機能する本発明による構造1の第1部分Aに戻される。