(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】金融商品推薦方法、装置、電子機器及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20240202BHJP
【FI】
G06Q40/06
(21)【出願番号】P 2021541595
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(86)【国際出願番号】 CN2020093503
(87)【国際公開番号】W WO2020244468
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-09-08
【審判番号】
【審判請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】201910490545.8
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514187420
【氏名又は名称】テンセント・テクノロジー・(シェンジェン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ファン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,フェイ
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】緑川 隆
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開109300045第(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0363862(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融商品推薦方法であって、前記
金融商品推薦方法はサーバによって実行され、前記
金融商品推薦方法は、
クライアントの金融商品推薦要求を受信するステップと、
N個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築するステップであって、N、Mはいずれも正の整数であるステップと、
前記M類商品推薦特徴における各類商品推薦特徴に対して、類別に対応する総合商品推薦特徴を取得するステップと、
前記類別に対応する総合商品推薦特徴に対する各金融商品の各類商品推薦特徴の乖離度に基づいて、各金融商品のユーザ推薦割合を決定するステップであって、前記ユーザ推薦割合は各金融商品に対応する被推薦ユーザが全ユーザに占める割合であるステップと、
前記金融商品推薦要求に応答するように、各金融商品のユーザ推薦割合に基づいて推薦金融商品を決定するステップと、を含み、
前記M類商品推薦特徴は、
第1設定期間内における前記設定パラメータの平均値、
第2設定期間内における前記設定パラメータの変動率の平均値、又は
第2設定期間内における組み合わせ特徴の平均値のうちの少なくとも1つの特徴を含み、前記組み合わせ特徴は、前記設定パラメータと正の相関関係にあり、且つ前記設定パラメータの変動率と負の相関関係にある、
金融商品推薦方法。
【請求項2】
N個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築する前記ステップは、
前記第1設定期間内の各サブ期間における各金融商品の設定パラメータのデータ値、及び前記各サブ期間に対応する重み値に基づいて、前記第1設定期間内における前記各金融商品の設定パラメータの平均値を取得するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
N個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築する前記ステップは、
前記第2設定期間内の各サブ期間における各金融商品の設定パラメータのデータ値に基づいて、前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータの変動率を取得するステップと、
前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータの変動率、及び前記各サブ期間に対応する重み値に基づいて、前記第2設定期間内における前記各金融商品の設定パラメータの変動率の平均値を取得するステップと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
N個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築する前記ステップは、
前記第2設定期間内の各サブ期間における各金融商品の設定パラメータのデータ値に基づいて、前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータの変動率を取得するステップと、
前記各金融商品の設定パラメータ、及び前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータの変動率に基づいて、前記組み合わせ特徴を構築し、且つ
前記第2設定期間内における前記各金融商品の組み合わせ特徴の平均値を取得するステップと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2設定期間内の各サブ期間における各金融商品の設定パラメータのデータ値に基づいて、前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータの変動率を取得するステップは、
前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータのデータ値の、前記サブ期間の前のサブ期間のデータ値と比較した変化率を取得するステップと、
前記各金融商品の各サブ期間に対応する変化率の、前記第2設定期間内における平均変化率と比較した乖離程度を取得するステップと、
前記各金融商品の各サブ期間に対応する乖離程度に基づいて、前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータの変動率を取得するステップと、を含む、
請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記類別に対応する総合商品推薦特徴に対する各金融商品の各類商品推薦特徴の乖離度に基づいて、各金融商品のユーザ推薦割合を決定する前記ステップは、
前記類別に対応する総合商品推薦特徴に対する前記各金融商品の各類商品推薦特徴の乖離度を取得するステップと、
前記各金融商品の各類商品推薦特徴に対応する乖離度に基づいて、前記各金融商品のユーザ推薦割合を決定するステップであって、各金融商品のユーザ推薦割合は前記乖離度と正の相関関係にあるステップと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記各金融商品の各類商品推薦特徴に対する乖離度に基づいて、前記各金融商品のユーザ推薦割合を決定するステップは、
前記各金融商品の各類商品推薦特徴に対応する乖離度に基づいて、各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合を取得するステップと、
前記各金融商品の各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みを取得するステップであって、各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みの総和は100%であるステップと、
前記各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合及び前記各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みに基づいて、前記各金融商品のユーザ推薦割合を取得するステップと、を含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記
金融商品推薦方法は、
前記各金融商品のユーザ転化率を取得するステップであって、前記ユーザ転化率は金融商品に対応する被推薦ユーザのうち前記金融商品を実際に利用したユーザの数が被推薦ユーザの総数に占める割合であるステップをさらに含み、
N個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築する前記ステップは、
前記各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、前記第1設定期間内における前記各金融商品の設定パラメータの平均値を取得し、且つ前記第1設定期間内における各金融商品の設定パラメータの平均値及び前記ユーザ転化率に基づいて、前記各金融商品の商品推薦特徴を構築するステップを含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
各金融商品のユーザ推薦割合に基づいて推薦金融商品を決定する前記ステップの後、前記
金融商品推薦方法は、
ユーザに推薦した金融商品の状態データを前記ユーザに送信して、ユーザ機器を介して前記ユーザに対応するアカウントにログインした後、前記ユーザ機器の表示ページに前記ユーザに推薦した金融商品の状態データを表示するステップであって、前記状態データは前記金融商品の名称、収益率を含むステップをさらに含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
金融商品推薦装置であって、
クライアントの金融商品推薦要求を受信し、N個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築するように構成される特徴構築ユニットであって、N、Mはいずれも正の整数である特徴構築ユニットと、
前記M類商品推薦特徴における各類商品推薦特徴に対して、類別に対応する総合商品推薦特徴を取得するように構成される特徴総合ユニットと、
前記類別に対応する総合商品推薦特徴に対する各金融商品の各類商品推薦特徴の乖離度に基づいて、各金融商品のユーザ推薦割合を決定するように構成される推薦割合決定ユニットであって、前記ユーザ推薦割合は各金融商品に対応する被推薦ユーザが全ユーザに占める割合である推薦割合決定ユニットと、
前記金融商品推薦要求に応答するように、各金融商品のユーザ推薦割合に基づいて推薦金融商品を決定するように構成される商品推薦ユニットと、を含み、
前記M類商品推薦特徴は、
第1設定期間内における前記設定パラメータの平均値、
第2設定期間内における前記設定パラメータの変動率の平均値、又は
第2設定期間内における組み合わせ特徴の平均値のうちの少なくとも1つの特徴を含み、前記組み合わせ特徴は、前記設定パラメータと正の相関関係にあり、且つ前記設定パラメータの変動率と負の相関関係にある、
金融商品推薦装置。
【請求項11】
前記推薦割合決定ユニットは、
前記各金融商品の各類商品推薦特徴に対応する乖離度に基づいて、各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合を取得し、
前記各金融商品の各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みを取得し、各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みの総和は100%であり、
前記各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合及び前記各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みに基づいて、前記各金融商品のユーザ推薦割合を取得するように構成される、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
電子機器であって、メモリと、プロセッサとを含み、
前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するために用いられ、
前記プロセッサは、前記プログラムを実行するときに請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実現するために用いられる、
電子機器。
【請求項13】
プロセッサにより実行されたとき、前記プロセッサに請求項1~9のいずれか一項に記載の方法の各ステップを実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、出願番号が201910490545.8、出願日が2019年06月06日の中国専利出願に基づいて提出され、当該中国専利出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容は、本明細書に参照援用される。
【技術分野】
【0002】
本願は、コンピュータ技術分野に関し、特に、金融商品推薦方法、装置、機器及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
オンライン資産管理とは、ユーザが自身の経済状況に応じて、ネットワークの資産管理プラットフォームにより自分に合った資産管理方式を自主的に選択して資産管理を行うことであり、身近にネットワークがある限り、いつでもどこでも、ユーザはネットワーク上で興味のある資産管理プロジェクトを探し、一歩も外に出ずに全く新しい資産管理モデルを楽しむことができる。
【0004】
例えば、資産管理プラットフォームは金融商品の重要な獲得ルートとして、通常は資産管理プラットフォーム上に複数の金融商品を保有しており、複数の購入オプションをユーザに提供し、これらの金融商品は、同じ金融機関からのものである可能性があり、異なる金融機関からのものである可能性もある。単一の商品の金額が高すぎることによる潜在的な金融リスクを回避するために、単一の金融商品に購入申込上限制限を設ける必要があり、これにより金融商品に異なるユーザを割り当てる必要があり、即ち異なる金融商品が異なるユーザグループに対応するように、金融商品を分流する必要がある。
【0005】
関連技術では、不適切な分流は資産管理プラットフォームの安定性とユーザデータの安全性に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例は、金融商品推薦方法、装置、機器及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、各金融商品の設定パラメータに基づいてユーザ推薦割合を決定することができ、金融商品の分流の精度、安定性を高めることで、ユーザデータの安全性を保障する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の実施例は、金融商品推薦方法を提供し、前記方法は、
クライアントの金融商品推薦要求を受信するステップと、
N個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築するステップであって、N、Mはいずれも正の整数であるステップと、
前記M類商品推薦特徴における各類商品推薦特徴に対して、類別に対応する総合商品推薦特徴を取得するステップと、
前記類別に対応する総合商品推薦特徴に対する各金融商品の各類商品推薦特徴の乖離度に基づいて、各金融商品のユーザ推薦割合を決定するステップであって、前記ユーザ推薦割合は各金融商品に対応する被推薦ユーザが全ユーザに占める割合であるステップと、
前記金融商品推薦要求に応答するように、各金融商品のユーザ推薦割合に基づいて推薦金融商品を決定するステップと、を含む。
【0008】
本願の実施例は、金融商品推薦方法を提供し、前記方法はサーバによって実行され、前記サーバは1つ又は複数のプロセッサと、メモリと、1つ又は1つ以上のプログラムとを含み、ここで、前記1つ又は1つ以上のプログラムはメモリに記憶され、前記プログラムはそれぞれが1組の命令に対応する1つ又は1つ以上のユニットを含んでもよく、前記1つ又は複数のプロセッサは命令を実行するように構成され、前記方法は、
クライアントの金融商品推薦要求を受信するステップと、
N個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築するステップであって、N、Mはいずれも正の整数であるステップと、
前記M類商品推薦特徴における各類商品推薦特徴に対して、類別に対応する総合商品推薦特徴を取得するステップと、
前記類別に対応する総合商品推薦特徴に対する各金融商品の各類商品推薦特徴の乖離度に基づいて、各金融商品のユーザ推薦割合を決定するステップであって、前記ユーザ推薦割合は各金融商品に対応する被推薦ユーザが全ユーザに占める割合であるステップと、
前記金融商品推薦要求に応答するように、各金融商品のユーザ推薦割合に基づいて推薦金融商品を決定するステップと、を含む。
【0009】
本願の実施例は、金融商品推薦装置を提供し、前記装置は、
N個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築するように構成される特徴構築ユニットであって、N、Mはいずれも正の整数である特徴構築ユニットと、
前記M類商品推薦特徴における各類商品推薦特徴に対して、類別に対応する総合商品推薦特徴を取得するように構成される特徴総合ユニットと、
前記類別に対応する総合商品推薦特徴に対する各金融商品の各類商品推薦特徴の乖離度に基づいて、各金融商品のユーザ推薦割合を決定するように構成される推薦割合決定ユニットであって、前記ユーザ推薦割合は各金融商品に対応する被推薦ユーザが全ユーザに占める割合である推薦割合決定ユニットと、
前記金融商品推薦要求に応答するように、各金融商品のユーザ推薦割合に基づいて推薦金融商品を決定するように構成される商品推薦ユニットと、を含む。
【0010】
本願の実施例は、電子機器を提供し、メモリと、プロセッサとを含み、
ここで、前記メモリは、コンピュータプログラムを記憶するために用いられ、
前記プロセッサは、前記プログラムを実行するときに上記態様に記載の方法を実現するために用いられる。
【0011】
本願の実施例は、プロセッサが実行可能な命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、プロセッサは、前記実行可能な命令を実行するときに上記態様に記載の方法を実現する。
【発明の効果】
【0012】
本願の実施例では、資産管理プラットフォームは、各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、商品推薦特徴を構築し、全ての金融商品の総合商品推薦特徴を取得し、さらに対応する類別の総合商品推薦特徴に対する各金融商品の商品推薦特徴の乖離度に基づいて、当該金融商品のユーザ推薦割合を決定し、最終的に各金融商品のユーザ推薦割合に基づいてユーザに金融商品を推薦する。これにより各金融商品自身のパラメータに基づいて、金融商品の自身パラメータに関連するユーザ推薦割合を決定することができ、金融商品の分流の精度を向上させ、且つ金融商品の分流が非自身パラメータの影響を受けず、これにより資産管理プラットフォームの安定性を向上させ、さらにユーザデータの安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本願の実施例に係る適用シナリオの概略図である。
【
図1B】本願の実施例に係る適用シナリオの概略図である。
【
図2】本願の実施例に係る資産管理プラットフォームの表示ページの概略図である。
【
図3】本願の実施例に係る金融商品推薦方法の概略フローチャートである。
【
図4】本願の実施例に係るユーザ推薦割合の決定プロセスの概略フローチャートである。
【
図5】本願の実施例に係るユーザ推薦割合の決定プロセスの概略フローチャートである。
【
図6】本願の実施例に係るユーザ推薦割合の決定プロセスの概略フローチャートである。
【
図7】本願の実施例に係るユーザ推薦割合の決定プロセスの概略フローチャートである。
【
図8】本願の実施例に係る金融商品推薦装置の構造概略図である。
【
図9】本願の実施例に係る電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下で本願の実施例における添付図面と併せて、本願の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明された実施例は本願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、創造的な労働を行わずに当業者によって得られた他の全ての実施例は、本願の保護範囲に属する。矛盾がない場合、本願の実施例及び実施例の特徴は、互いに任意に組み合わせることができる。且つ、フローチャートには論理的な順序が示されているが、場合によっては、図示又は説明されたステップは、本明細書とは異なる順序で実行されることがある。
【0015】
本願の実施例に係る技術的解決手段の理解を容易にするために、まず本願の実施例で使用されるいくつかの重要な用語を本明細書で説明する。
【0016】
1)金融商品:金融商品とは、資金融通過程の各種キャリアを指し、それは通貨、金、外国為替、有価証券などを含み、これらの金融商品は金融市場の売買対象であり、需給双方は市場競争の原則を通じて金利や収益率などの金融商品の価格を形成し、最終的に取引を完了し、資金を融通するという目的を達成する。本願の実施例では、金融商品とは、一般に、インターネットを介して金融取引が可能な商品を指し、インターネット金融とは、伝統的な金融機関とインターネット企業がインターネット技術と情報通信技術を利用して資金融通、支払い、投資及び情報仲介サービスを実現する新型金融業務モデルを指し、インターネット金融は、セキュリティ及びモバイルなどのネットワーク技術水準を実現する上で、新たなニーズに対応するために生まれた新たなモデル及び新たな業務である。ここで、インターネット金融商品の流通は電子通貨を基本とするのが一般的である。
【0017】
2)資産管理プラットフォーム:又は金融商品プラットフォームと呼ばれ、一般的にインターネット企業が提供するユーザが金融商品を購入するためのプラットフォームであり、例えば各銀行の取引プラットフォームやその他の資産管理機関が提供する取引プラットフォームである。
【0018】
3)トラフィック割り当て:本願の実施例では、トラフィックとは、資産管理プラットフォームにおけるユーザを指す。同じ資産管理プラットフォームには、一般的に多くの金融商品があり、単一の金融商品の金額が高すぎることによる潜在的な金融リスクを回避するために、単一の資産管理商品(金融商品)に購入申込上限制限を設け、そのため、資産管理プラットフォームは、通常、複数の資産管理商品に異なるユーザを割り当てる必要があり、即ちトラフィックの割り当てが必要であり、例えばA、B及びCの3つの金融商品がある場合、異なるユーザ群U1、U2及びU3を異なる金融商品A、B及びCに対応して割り当てる必要があり、相応的に、ユーザ群U1におけるユーザが見ているのが金融商品Aであり、ユーザ群U2におけるユーザが見ているのが金融商品Bであり、ユーザ群U3におけるユーザが見ているのが金融商品Cである。本願の実施例の目的は、主にユーザ群U1、U2及びU3におけるユーザの数が全ユーザに占める割合をどのように決定するかにあり、ユーザ群U1、U2及びU3におけるユーザは全く異なる場合もあれば、いくつかの交点がある場合もある。
【0019】
4)ブロックチェーン(Blockchain):ブロック(Block)によって形成される暗号化された、連鎖的な取引の記憶構造である。
【0020】
5)ブロックチェーンネットワーク(Blockchain Network):新しいブロックを共通認識によりブロックチェーンに組み込む一連のノードの集合である。
【0021】
また、本明細書における「及び/又は」という用語は、あくまでも関連対象の関連関係を記述するものであり、3つの関係が存在し得ることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aのみの存在、AとBの両方の存在、Bのみの存在という3つの場合を示し得る。また、本明細書における文字「/」は、特に断らない限り、前後の関連対象が「又は」の関係であることを示すのが一般的である。
【0022】
関連技術では、資産管理プラットフォームは通常、トラフィックを複数の金融商品に均等に割り当てる方式でトラフィック割り当てを行い、即ち各金融商品に対応するユーザが全ユーザに占める割合が同じであり、そして、ユーザに金融商品を推薦する際に、このように設定した割合で推薦するが、商品によって属性値に一定の差があるため、金融商品はユーザにとって優劣があり、このようにトラフィックを複数の金融商品に均等に割り当てる方式は、優れた金融商品がより多くのユーザに見られないようにし、ユーザ全体の体験にとって明らかに好ましくない。したがって、どのようにトラフィックをより効果的に割り当て、ユーザに推薦した金融商品の精度を高くするかは現在解決すべき技術的問題である。
【0023】
上記の問題に鑑み、本願の実施例では、現在のトラフィック割り当て方式が直接均等割り当てであるからこそ、全ての金融商品のユーザ推薦割合が同じであり、そして、各金融商品自身の特性を考慮していないため、一部の優れた金融商品は多くのトラフィックを割り当てられることができないため、上記問題を解決するために、各金融商品のユーザ推薦割合を決定する際には、各金融商品の自身特性を考慮要素とする必要がある。
【0024】
したがって、本願の実施例は、金融商品のトラフィック割り当て方法を提供し、当該方法では、資産管理プラットフォームは、各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、商品推薦特徴を構築し、これにより全ての金融商品の総合商品推薦特徴を取得し、さらに対応する類別の総合商品推薦特徴に対する各金融商品の商品推薦特徴の乖離度に基づいて、当該金融商品のユーザ推薦割合を決定し、最終的に各金融商品のユーザ推薦割合に基づいてユーザに金融商品を推薦し、このように、設定パラメータが各金融商品自身のパラメータであるので、金融商品の特性をある程度反映することができ、これにより設定パラメータに基づいて構築した商品推薦特徴と全ての商品の総合商品推薦特徴の乖離度に基づいて、決定したユーザ推薦割合は金融商品のパラメータに直接関連するものであり、これにより各金融商品のユーザ推薦割合は各商品自身の特性によって決定され、例えば商品の優劣に基づいて対応するユーザ推薦割合を決定することができれば、より優れた金融商品により高いユーザ推薦割合を割り当てることができ、より優れた金融商品がより多くのユーザに見られるようにすることができ、これにより推薦金融商品の精度を向上させ、さらにユーザ全体の利用体験を向上させる。且つ各金融商品自身のパラメータに基づいて、金融商品の自身パラメータに関連するユーザ推薦割合を決定することができ、そうすれば金融商品の分流が非自身パラメータの影響を受けず、これにより資産管理プラットフォームの安定性を向上させ、さらにユーザデータの安全性を向上させる。
【0025】
本願の実施例の設計思想を紹介した後、以下で本願の実施例の技術的解決手段が適用可能な適用シナリオについていくつか紹介し、なお、以下に紹介する適用シナリオは、単に本願の実施例を説明するためのものであり、限定するものではない。本願の実施例に係る技術的解決手段は、必要に応じて柔軟に適用することができる。
【0026】
図1Aを参照すると、発明の実施例が適用可能なシナリオの概略図であり、当該シナリオはサーバ101と、複数の端末102(例示的に端末102~1~端末102~Lを示す)と、複数の金融機関103(金融機関103~1~金融機関103~Pを例示として示す)とを含んでもよく、ここで、L、Pはいずれも正の整数であり、L、Pの値はそれぞれユーザと金融機関の総数を表し、本願の実施例は限定するものではない。
【0027】
金融機関103は、各金融機関の機器を表してもよく、各金融機関は、1つ又は複数の金融商品を提供してもよく、金融機関103は、各金融商品の収益データを算出し、且つ記憶してもよい。ここで、金融機関103は、1つ又は複数のプロセッサ1031、メモリ1032、及びサーバとインタラクションするI/Oインタフェース1033などを含んでもよく、プロセッサ1031は、各金融商品の収益データを算出し、且つメモリ1032に記憶してもよく、またサーバとインタラクションするI/Oインタフェース1033を介して各金融商品の収益データをサーバ101に送信してもよい。
【0028】
サーバ101(資産管理プラットフォームのバックグラウンドサーバ)は、独立した物理サーバであってもよいし、複数の物理サーバからなるサーバクラスタ又は分散システムであってもよいし、クラウドコンピューティングサービスを提供するクラウドサーバであってもよい。クラウド側のサーバ(金融商品推薦のプログラムがパッケージされている)を例に挙げると、ユーザが端末を介してクラウドサービスにおける金融商品推薦サービスを呼び出すことで、クラウド側に配置されたサーバが金融機関103の収益データを呼び出し、サーバがパッケージされた金融商品推薦のプログラムを呼び出し、各金融商品に割り当てたトラフィックの占める割合を決定し、且つ割合に基づいてユーザに提供する金融商品を決定し、且つ当該金融商品を端末にプッシュすることで、端末の表示画面に推薦した金融商品を表示する。
【0029】
サーバ101は、1つ又は複数のプロセッサ1011、メモリ1012、端末とインタラクションするI/Oインタフェース1013及び金融機関とインタラクションするI/Oインタフェース1014などを含んでもよい。さらに、サーバ101は、データベース1015を配置してもよく、データベース1015は、各ユーザのユーザ情報、履歴操作情報などのユーザに関連する情報を記憶するために用いられてもよく、及び金融機関が提供する金融商品の情報、例えば収益データ、金融機関関連情報などを記憶してもよい。ここで、サーバ101のメモリ1012に本願の実施例に係る金融商品のトラフィック割り当て方法のプログラム命令が記憶されてもよく、これらのプログラム命令がプロセッサ1011によって実行されるときに本願の実施例に係る金融商品のトラフィック割り当て方法のステップを実現するために用いられることができ、即ち各金融商品の収益データに基づいて、各金融機関が提供する金融商品に割り当てたトラフィックを決定し、例えば最終的に各金融商品に割り当てたトラフィックの占める割合を決定でき、そうすれば新たなユーザが金融プラットフォームに加入した際に、決定した割合に基づいて新たなユーザに提示する必要がある金融商品を決定し、これにより各金融商品のトラフィック割合を上記決定した割合に維持するように制御することができる。
【0030】
端末102は、携帯電話、パーソナルコンピュータ(personal computer、PC)又はタブレットコンピュータなどの端末機器であってもよく、端末102は、資産管理プラットフォームの表示ページを提示してもよく、例えば端末102は、資産管理プラットフォームが提供するアプリケーション(application、APP)をインストールして、資産管理プラットフォームが提供するAPPで資産管理プラットフォームの表示ページを開いてもよく、あるいは、端末102上のブラウザを介して資産管理プラットフォームの表示ページを提示し、あるいは、他のアプリケーションで資産管理プラットフォームの表示ページを開いてもよく、他のアプリケーションとは非資産管理プラットフォーム自身が提供するAPPであり、例えば資産管理プラットフォームはAPPでライトアプリケーションの形で存在してもよいし、資産管理プラットフォームはAPPの機能の1つとしてユーザに提供されてもよく、例えばウィーチャット内のアプレット、公式アカウント又はプラグインなどの形である。
【0031】
端末102は、1つ又は複数のプロセッサ1021、メモリ1022、サーバ101とインタラクションするI/Oインタフェース1023、表示パネル1024などを含んでもよい。ここで、端末102のメモリ1022に資産管理プラットフォーム機能を実現するプログラム命令が記憶されてもよく、これらのプログラム命令がプロセッサ1021によって実行されるときに資産管理プラットフォームの機能を実現し、及び表示パネル1024に資産管理プラットフォームの対応する表示ページを表示するために用いられることができる。
【0032】
例示的に、新たなユーザが資産管理プラットフォームのアカウントを登録し、且つ資産管理プラットフォームのページに入ると、サーバ101は、予め決定した各金融商品のトラフィック割り当て状況に基づいて、当該新たなユーザに提供する金融商品を決定し、且つ当該金融商品をユーザにプッシュし、このように、ユーザが資産管理プラットフォームの表示画面により当該金融商品を見ることができる。
図2に示すように、資産管理プラットフォームの表示ページの概略図であり、ここで、資産管理プラットフォームの表示ページでは、
図2に示す「資産管理商品A」のように、当該ユーザに割り当てた金融商品の名称201を見ることができ、及び当該金融商品の収益データ202も表示することができ、ユーザは自身の状況に応じて当該金融商品の購入を申し込むか否かを選択することができ、購入を申し込むことを選択した場合、操作ボタン203の「振り込み」ボタンを介して金額の振り込みを行い、金融商品の購入を申し込むことができ、購入を申し込まないことを選択した場合、ページジャンプボタン204を介して当該表示画面を終了することができる。ユーザが資産管理プラットフォームに新規加入した際に、当該ユーザが金融商品の購入を一切申し込んでいなかったため、初めて資産管理プラットフォームの表示ページに入った際に、表示した口座残高がゼロであったが、ユーザが金融商品の購入を申し込んだ後、
図2の右図のように口座残高がゼロではなく、且つ時間の経過とともに、収益が徐々に増加し、口座残高及び累積収益額も増加する。金融商品の購入を申し込んだ後、ユーザが流通可能な通貨を換金する必要がある場合には、操作ボタンの「送金」ボタンを介して金額の送金を行い、金融商品から通貨への転換を実現することができる。
【0033】
サーバ101と端末102との間、及びサーバ101と金融機関103との間は、1つ又は複数のネットワーク104を介して通信可能に接続され得る。当該ネットワーク104は、有線ネットワークであってもよいし、無線ネットワークであってもよく、例えば無線ネットワークは、モバイルセルラーネットワークであってもよいし、ワイヤレスフィデリティ(WIreless-Fidelity、WIFI)ネットワークであってもよく、もちろん他の可能なネットワークであってもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0034】
図1Bに示すように、発明の実施例が適用可能なシナリオの概略図であり、
図1Bは、
図1Aのネットワーク104がブロックチェーンネットワークであることを示す(例示的にコンセンサスノード1041-1~コンセンサスノード1041-5を示している)。ブロックチェーンネットワークの種類は柔軟で多様であり、例えば共有チェーン、プライベートチェーン又はアライアンスチェーンのいずれであってもよい。共有チェーンを例に挙げると、サーバ101(資産管理プラットフォーム)、端末102及び金融機関103など、いかなる事業主体の電子機器も、許可を必要とせずにブロックチェーンネットワークにアクセスすることができ、ブロックチェーンのコンセンサスノードとして機能し、例えばサーバ101はブロックチェーンネットワークにおけるコンセンサスノード1041~1にマッピングされ、金融機関103~1はブロックチェーンネットワークにおけるコンセンサスノード1041~2にマッピングされ、端末102~1はブロックチェーンネットワークにおけるコンセンサスノード1041~3にマッピングされ、アライアンスチェーンを例に挙げると、事業主体が許可を得た後にその管轄する電子機器、例えばサーバ101、端末102及び金融機関103はブロックチェーンネットワークにアクセスすることができる。
【0035】
例えば、ユーザが端末102(資産管理クライアントを含む)で資産管理情報を閲覧すると、端末102はサーバ101(資産管理プラットフォーム)に金融商品推薦要求を開始し、サーバ101はブロックチェーンネットワークにおけるコンセンサスノード1041~1にマッピングされる。ここで、端末102は、金融商品要求に基づいて更新操作に対応する取引を生成し、更新操作を実現するために呼び出す必要があるスマートコントラクト、及びスマートコントラクトに渡すパラメータを取引中に指定し、取引はまた端末102のデジタル証明書、署名されたデジタル署名(例えば、端末102のデジタル証明書における秘密鍵を用いて、取引のダイジェストを暗号化して得られる)を携帯し、且つ取引をブロックチェーンネットワークにおけるコンセンサスノードにブロードキャストする。
【0036】
例えば、サーバ101(コンセンサスノード1041~1)は、取引を受信すると、取引に携帯されるデジタル証明書とデジタル署名を検証し、検証に成功すると、取引に携帯されるアイデンティティに基づいて、端末102が取引権限を有するか否かを確認し、デジタル署名と権限検証のいずれの検証判断も取引に失敗することになる。検証に成功するとノード自身のデジタル署名(例えば、コンセンサスノード1041~1の秘密鍵は取引のダイジェストを暗号化して得られる)を署名し、且つ金融商品推薦を集積したスマートコントラクトを呼び出し、各金融商品の設定パラメータを取得し、且つ各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のユーザ推薦割合を決定し、各金融商品のユーザ推薦割合に基づいてユーザに推薦する金融商品を決定し、且つ各金融商品のユーザ推薦割合及びユーザに推薦した金融商品に基づいて取引を生成し、当該取引をブロックチェーンネットワークにおけるコンセンサスノードにブロードキャストする。
【0037】
例えば、金融機関103~1(コンセンサスノード1041~2)は、取引を受信すると、取引に携帯されるデジタル証明書とデジタル署名を検証し、検証に成功すると、ノード自身のデジタル署名(例えば、コンセンサスノード1041~2の秘密鍵は取引のダイジェストを暗号化して得られる)を署名し、タグが署名された取引をブロックチェーンネットワークにおけるコンセンサスノードにブロードキャストし、コンセンサスを継続する。
【0038】
サーバ101(資産管理プラットフォーム)は、再び取引を受信すると、取引に携帯されるデジタル証明書とデジタル署名の検証を続け、検証に成功すると、ノード自身のデジタル署名を署名し、且つクライアントに戻り、クライアントは取引を受信すると、取引に携帯されるデジタル証明書とデジタル署名を検証し、検証に合格し且つ取引のコンセンサスに成功した回数がコンセンサス閾値を超えたと決定した場合、取引結果の信頼性を確認でき、即ち各金融商品のユーザ推薦割合及びユーザに推薦した金融商品の安全性を保証する。
【0039】
したがって、ブロックチェーンネットワークの脱中心化、分散記憶及び改ざん不可能という特性に基づいて、ブロックチェーンネットワークを介して各金融商品のユーザ推薦割合及びユーザに推薦した金融商品を決定し、計算の公平性と透明性を保証でき、資産管理プラットフォームの安全性を保障し、ユーザは推薦した金融商品に基づいて安全に買い物をすることができる。
【0040】
もちろん、本願の実施例に係る方法は
図1A~1Bに示される適用シナリオに限定されるものではなく、他の可能な適用シナリオにも適用可能であり、本願の実施例は限定しない。
図1A~1Bに示される適用シナリオの各機器によって実現され得る機能は、後記の方法の実施例でまとめて説明されるが、ここでは事前に説明しない。
【0041】
図3を参照すると、本願の実施例に係る金融商品推薦方法の概略フローチャートであり、当該方法は、電子機器によって実行されてもよく、例えば
図1Aのサーバによって実行されてもよい。
【0042】
ステップ301:クライアントの金融商品推薦要求を受信し、それぞれN個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築する。
【0043】
例えば、ユーザがクライアントで資産管理の関連情報を閲覧すると、クライアントは金融商品推薦要求を自動的に生成し、且つサーバに金融商品推薦要求を送信し、サーバは当該金融商品推薦要求を受信すると、各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築し、これにより商品推薦特徴に基づいて後続処理を行う。
【0044】
本願の実施例では、資産管理プラットフォームに複数の金融商品が存在してもよく、N個の金融商品は資産管理商品のうちの全ての金融商品であってもよく、又は全ての金融商品のうちの一部であってもよい。例えば資産管理プラットフォームに5つの金融商品が含まれている場合、N個の金融商品はその5つの金融商品を指してもよく、あるいは、5つの金融商品のうちの1つの金融商品Aが固定的なユーザ推薦割合を採用している場合、例えばそのユーザ推薦割合が1/5である場合、N個の金融商品は金融商品Aを除く残りの4つの金融商品を指してもよく、且つその4つの金融商品に割り当て可能なユーザ推薦割合の総和は4/5である。
【0045】
例えば、通常、ユーザは異なる種類の金融商品の購入を同時に申し込むことができ、即ち異なる種類の金融商品は一般的にユーザ間の競争上の問題がないため、トラフィック割り当ては一般的に同じ種類の金融商品に対して行われる。
【0046】
本願の実施例では、設定パラメータは、金融商品の任意の可能なパラメータであってもよく、例えば収益に注目する金融商品の場合、設定パラメータは収益率であってもよく、例えばリスクに注目する金融商品の場合、設定パラメータはリスク率などであってもよく、ここで、ユーザが金融商品の購入を申し込む際、一般的に金融商品の収益率に注目するため、後続で設定パラメータが収益率であることを例に挙げると、本願の実施例の金融商品推薦方法を紹介する。
【0047】
例えば、マネタリーファンド系の金融商品の場合、収益率は10000株当たりの収益、7日間の年間収益、30日間の年間収益又は年間収益率などの指標であってもよいが、非マネタリーファンド系の金融商品の場合、収益率は直近1か月収益又は直近3か月収益などの指標であってもよい。
【0048】
例えば、各金融商品の収益率は、資産管理プラットフォームが各金融商品の収益データに基づいて計算したものであってもよく、あるいは、各金融機関が自社の金融商品について収益率などの指標の統計を行うため、したがって、資産管理プラットフォームの計算方式と金融機関の計算方式との間にずれが生じ、収益率が金融機関の計算した収益率と異なるようになることを防ぐために、資産管理プラットフォームは、直接、金融機関から収益率などのデータを取得してもよく、このように、ユーザ数が多い上に資産管理商品の金額が大きいため、不適切な分流計算により計算リソースの消耗が膨大で、且つエラーが発生しやすいことを回避でき、また、資産管理プラットフォームのために一定の計算量を節約し、サーバの計算圧力を軽減する。収益率が一般的に周期的に更新されるため、資産管理プラットフォームのサーバは周期的に金融機関から収益率のデータを取得してもよく、例えば、収益率のデータが1日1回更新される場合、サーバは毎日定期的に金融機関から収益率のデータを取得してもよく、あるいは、収益率のデータが1か月1回更新される場合、サーバは毎月定期的に金融機関から収益率のデータを取得してもよい。
【0049】
例えば、サーバは、金融機関の電子機器から返信された収益率のデータを受信するように、金融機関の電子機器に収益率のデータ取得を能動的に申し込むという方式を採用してもよいほか、金融機関の電子機器が収益率のデータの計算を完了した後、金融機関の電子機器が収益率のデータをサーバに提供することを金融機関と予め約束するという方式を採用してもよい。サーバが収益率のデータを取得した後、収益率のデータを一括して記憶し、例えばデータベースに記憶し、収益率のデータを使用する必要がある場合は、データベースから直接読み取ればよい。
【0050】
本願の実施例では、サーバは、それぞれN個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築することができる。ここで、N、Mはいずれも正の整数である。
【0051】
例えば、M類商品推薦特徴は、
第1設定期間内における設定パラメータの平均値、即ち平均収益率、
第2設定期間内における設定パラメータの変動率の平均値、即ち平均収益変動率、及び
第2設定期間内における組み合わせ特徴の平均値のうちの少なくとも1つの特徴を含み、ここで、組み合わせ特徴は、設定パラメータと正の相関関係にあり、且つ設定パラメータの変動率と負の相関関係にある。
【0052】
いくつかの実施例では、M類商品推薦特徴は、上記商品推薦特徴のいずれかであってもよいし、複数種類の商品推薦特徴の組み合わせであってもよい。ただし、商品推薦特徴を構築するプロセスは、商品推薦特徴の種類の数に関わらず独立している。
【0053】
例えば、商品推薦特徴が第1設定期間内における設定パラメータの平均値である場合、ここで、第1設定期間が設定パラメータの統計時間周期T1であり、T1の長さは状況に応じて設定してもよく、例えば直近1か月、又は直近2か月などであってもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。各金融商品について、その設定パラメータの履歴データに基づいて、当該金融商品の商品推薦特徴を構築することは、第1設定期間内の各サブ期間における当該金融商品の設定パラメータのデータ値、及び各サブ期間に対応する重み値に基づいて、第1設定期間内における各金融商品の設定パラメータの平均値を取得することであってもよい。ここで、各金融商品について、上記のようにして第1設定期間内における設定パラメータの平均値を取得してもよい。
【0054】
サブ期間に対応する重み値は、より長期又は短期に注目しているデータを区別するために用いることができ、例えば、より長期に注目しているデータであれば、現在時刻から遠いサブ期間の重み値を高く設定してもよく、逆に、より短期に注目しているデータであれば、現在時刻に近いサブ期間の重み値を高く設定してもよい。
【0055】
例えば、商品推薦特徴が第2設定期間内における設定パラメータの変動率の平均値である場合、ここで、第2設定期間が設定パラメータの統計時間周期T2であり、T2の長さがT1と同じであってもよいし、T1と異なっていてもよい。短時間の変動率がそれほど大きくない可能性があるため、T2の長さは、長い期間に設定してもよく、例えば直近1か月、直近半年又は直近1年などに設定してもよい。
【0056】
第2設定期間内における設定パラメータの変動率の平均値を取得するには、必然的に各金融商品の変動率を取得する必要がある。各金融商品について、各サブ期間における当該金融商品の設定パラメータのデータ値に基づいて、各サブ期間における当該金融商品の設定パラメータの変動率を取得してもよい。
【0057】
例えば、各金融商品の変動率は、当該金融商品の収益率の変化程度を特徴付ける。変動率は、次のようにして取得してもよい。
【0058】
まず、各サブ期間における当該金融商品の設定パラメータのデータ値の、当該サブ期間の前のサブ期間のデータ値と比較した変化率を取得する。例えば、サブ期間t1における設定パラメータのデータ値がAであり、サブ期間t1の前のサブ期間t2における設定パラメータのデータ値がBである場合、変化率はln(A/B)であってもよい。
【0059】
次に、当該金融商品の各サブ期間に対応する変化率の、第2設定期間内における平均変化率と比較した乖離程度を取得する。ここで、平均変化率は、第2設定期間内の変化率の平均値であり、乖離程度は、分散又は標準偏差で表されてもよい。
【0060】
最後に、当該金融商品の各サブ期間に対応する乖離程度に基づいて、各サブ期間における当該金融商品の設定パラメータの変動率を取得する。例えば、乖離程度を分散で表すと、変動率は、分散とT2の平方根の比で表されてもよい。
【0061】
本願の実施例では、各金融商品の変動率を取得した後、各サブ期間における当該金融商品の設定パラメータの変動率、及び各サブ期間に対応する重み値に基づいて、第2設定期間内における各金融商品の設定パラメータの変動率の平均値を取得してもよい。ここで、各金融商品について、上記のようにして第2設定期間内における設定パラメータの変動率の平均値を取得してもよい。
【0062】
例えば、商品推薦特徴が第2設定期間内における組み合わせ特徴の平均値である場合、組み合わせ特徴は、変動率と設定パラメータとの組み合わせであってもよい。例えば、設定パラメータが収益率である場合、収益率が低いままである場合に収益率の変動率も低くてもよいが、収益率の低い金融商品は明らかに優れた金融商品ではなく、したがって、金融商品のユーザ推薦割合を決定する際には、収益率の変動率だけでなく、収益率も考慮する必要があり、即ち変動率及び収益率に基づいて組み合わせ特徴を構築してもよい。ここで、当該組み合わせ特徴の値は収益率と正の相関関係にあり、且つ変動率と負の相関関係にあり、即ち収益率が高く、且つ変動率が小さいほど金融商品はより優れた商品であることを示す。
【0063】
例えば、各サブ期間の設定パラメータ及び変動率に基づいて各サブ期間の組み合わせ特徴値を取得した後、第2設定期間内における各金融商品の組み合わせ特徴の平均値を取得してもよい。もちろん、平均値を計算する際に、各サブ期間に一定の重み値を付与してもよく、重み値の付与方式について上記第1設定期間内における設定パラメータの平均値を計算する部分の説明を参照されたい。
【0064】
ステップ302:それぞれM類商品推薦特徴における各類商品推薦特徴について、類別に対応する総合商品推薦特徴を取得する。
【0065】
本願の実施例では、商品推薦特徴は、N個の金融商品のうちの1つの金融商品の特徴を特徴付けるために用いられ、総合商品推薦特徴は、N個の金融商品の全体的な特徴を特徴付けるために用いられる。
【0066】
例えば、総合商品推薦特徴は、商品推薦特徴の平均値及び分散で表されてもよい。そしてステップ301のプロセスにより各金融商品の商品推薦特徴を取得した後、各金融商品の商品推薦特徴の平均値及び分散を計算することでN個の金融商品の総合商品推薦特徴を取得してもよい。
【0067】
ステップ303:類別に対応する総合商品推薦特徴に対する各金融商品の各類商品推薦特徴の乖離度に基づいて、各金融商品のユーザ推薦割合を決定する。
【0068】
本願の実施例では、ユーザ推薦割合は、各金融商品に対応する被推薦ユーザが全ユーザに占める割合である。
【0069】
例えば、M類商品推薦特徴が上記商品推薦特徴のうちの1つのみを含む場合には、決定した総合商品推薦特徴に対する当該商品推薦特徴の乖離度に基づいて、各金融商品のユーザ推薦割合を決定してもよい。
【0070】
ここで、乖離度とは、絶対乖離度、即ち1つの金融商品の商品推薦特徴とN個の金融商品の商品推薦特徴の平均値の差であってもよく、あるいは、乖離度とは、相対乖離度、即ち絶対乖離度の値と分散との比であってもよい。
【0071】
各金融商品に対応する乖離度を取得すると、乖離度に基づいて各金融商品のユーザ推薦割合を取得してもよく、ここで、各金融商品のユーザ推薦割合は乖離度と正の相関関係にある。
【0072】
例えば、M類商品推薦特徴が上記商品推薦特徴のうちの複数のみを含む場合には、各金融商品の各類商品推薦特徴に対応する乖離度に基づいて、それぞれ各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合を取得し、さらに各類商品推薦特徴のユーザ推薦重みに基づいて、最終的なユーザ推薦割合を算出してもよい。ここで、それぞれ各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合を取得するプロセスは、M類商品推薦特徴が上記商品推薦特徴のうちの1つのみを含む場合の上記計算プロセスと同様であり、したがって上記の説明を参照することができ、ここでの詳細な説明は省略する。
【0073】
例えば、各類商品推薦特徴のユーザ推薦重みの総和は100%であるので、最適解算出プロセスにより各類商品推薦特徴のユーザ推薦重みを取得してもよい。もちろん、いくつかの実施例では、各類商品推薦特徴に対して固定的なユーザ推薦重みを設定することも可能であるが、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0074】
例示的に、最終的なユーザ推薦割合計算式が式(1)のようになるとする。
【0075】
【数1】
ここで、f
iはi番目の金融商品のユーザ推薦割合であり、ω
jは第j類の商品推薦特徴のユーザ推薦重みであり、
はi番目の金融商品の第j類の商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合である。
【0076】
例えば、ユーザ推薦重みを計算する際には、上記計算式を目的関数として、及び各類商品推薦特徴のユーザ推薦重みの総和が100%であることを制約条件として最適なユーザ推薦重みを計算してもよい。もちろん、制約条件は、他の条件、例えば全ての金融商品のユーザ推薦割合が固定値であるなどを追加することもできる。
【0077】
例えば、設定パラメータは時間の経過とともに多少変化する可能性があるので、本願の実施例のステップ301~303は複数回繰り返して行ってもよく、例えば周期的に繰り返して行ってもよく、あるいは設定パラメータの変化値が一定の閾値以上となった後、再度ユーザ推薦割合の決定を行ってもよい。例えば設定パラメータが金融商品の収益率である場合、収益率は定期的に更新されるのが一般的であり、例えば1日1回更新されたり、1か月1回更新されたりするので、それに対応して、ユーザ推薦割合の決定は、1日1回行ってもよいし、1か月1回行ってもよい。
【0078】
ステップ304:金融商品推薦要求に応答するように、各金融商品のユーザ推薦割合に基づいてユーザに金融商品を推薦する。
【0079】
本願の実施例では、各金融商品のユーザ推薦割合の後に、各金融商品のユーザ推薦割合に基づいてユーザに金融商品を推薦してもよい。
【0080】
新たなユーザが資産管理プラットフォームに加入する時間が決まったものではなく、且つ新たなユーザが資産管理プラットフォームに加入した後、一般的にそのために推薦した金融商品を資産管理プラットフォームのページに表示する必要があるので、資産管理プラットフォームは既存のユーザに基づいて金融商品のトラフィック割り当てを統一的に行うことができず、新たなユーザが資産管理プラットフォームに加入した際に、金融商品を推薦する必要がある。
【0081】
例えば、ユーザに金融商品を推薦する際に、決定した各金融商品のユーザ推薦割合に基づいて推薦し、各金融商品に対応する被推薦ユーザの数が全ユーザに占める割合と各金融商品のユーザ推薦割合とが近接又は同一となるようにする。ここで、利用しているユーザ推薦割合は、一般的に、直近に取得したユーザ推薦割合であり、
ユーザに推薦した金融商品を決定した後、サーバは、ユーザに推薦した金融商品の状態データをユーザに送信してもよく、このように、ユーザ機器を介してユーザに対応するアカウントにログインした後、
図2に示す表示画面のような表示ページにユーザに推薦した金融商品の状態データを表示することができる。ここで、状態データは、金融商品の名称、収益率、ユーザの購入申し込み状況及びユーザ収益状況などのデータを含んでもよい。
【0082】
以下ではユーザ推薦割合を取得する例をいくつか示し、ここで、設定パラメータは収益率を例とする。
【0083】
図4に示すように、商品推薦特徴が第1設定期間内における収益率の平均値であることを例としてユーザ推薦割合の決定プロセスを紹介する。
【0084】
ステップ401:単一の金融商品の商品推薦特徴を取得する。
【0085】
本願の実施例では、商品推薦特徴は第1設定期間内における収益率の平均値であり、ここで、第1設定期間は設定パラメータの統計時間周期T1であり、T1の長さは状況に応じて設定してもよく、例えば直近1か月、又は直近2か月などであってもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0086】
例えば、金融商品の収益率の更新周期が通常1日であるので、1つのサブ期間は1日に設定してもよく、そうすれば第1設定期間内における設定パラメータの平均値の計算式は式(2)のように表すことができる。
【0087】
【数2】
ここで、
は第1設定期間内におけるi番目の金融商品の収益率の平均値であり、i=1,2,3…Nであり、
はt番目のサブ期間におけるi番目の金融商品の収益率であり、t=1,2,3…T
1であり、
はt番目のサブ期間に対応する重み値であり、より長期又は短期に注目しているデータを区別するために用いられ、例えば、より長期に注目しているデータであれば、現在時刻から遠いサブ期間の重み値を高く設定してもよく、逆に、より短期に注目しているデータであれば、現在時刻に近いサブ期間の重み値を高く設定してもよい。
【0088】
例えば、
の場合、
は幾何平均値であり、即ち各サブ期間の重みは等しく、
、t=1,2,3…T
1の場合、
は線形重みであり、現在時刻に近いほど、重み値が大きいことを意味する。もちろん、
は他の可能な重み関数であってもよく、例えば指数関数又は対数関数などであり、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0089】
上記の商品推薦特徴の取得プロセスにより、全ての金融商品の商品推薦特徴を取得することができる。
【0090】
ステップ402:N個の金融商品の総合商品推薦特徴を取得する。
【0091】
本願の実施例では、ここで総合商品推薦特徴が商品推薦特徴の平均値及び分散であることを例とし、そうすれば総合商品推薦特徴の計算式は式(3)、(4)のように表すことができる。
【0092】
【数3】
ここで、
はN個の金融商品の商品推薦特徴の平均値であり、δ
aはN個の金融商品の商品推薦特徴の分散である。
【0093】
もちろん、平均値と分散を総合商品推薦特徴とするほか、平均値と標準偏差を総合商品推薦特徴とすることができ、もちろん、他の可能な採択数を総合商品推薦特徴とすることもでき、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0094】
ステップ403:各金融商品の商品推薦特徴と総合商品推薦特徴との間の相対乖離度を取得する。
【0095】
本願の実施例では、ここでの乖離度は相対乖離度を例とする。各金融商品の商品推薦特徴と総合商品推薦特徴との間の相対乖離度の計算式は式(5)のように表すことができる。
【0096】
【数4】
ここで、k
aiはi番目の金融商品の商品推薦特徴と総合商品推薦特徴との間の相対乖離度であり、ここでの添え字aは対応する商品推薦特徴がT
1における収益率の平均値であることを示す。
【0097】
ステップ404:各金融商品に対応する相対乖離度に基づいてユーザ推薦割合を決定する。
【0098】
本願の実施例では、金融商品の収益率が高いほど、当該金融商品に対応する相対乖離度の値が大きくなるべきであり、且つ金融商品の収益率が高いほど、当該金融商品により多くのトラフィックを割り当てるべきであり、即ちユーザ推薦割合がより高くなるべきであり、したがって、金融商品に対応する相対乖離度の値が大きいほど、当該金融商品のユーザ推薦割合がより高くなるべきであることが容易に理解される。このように、当該金融商品を見ることができるユーザの数がより多くなり、ユーザの利用体験を全体的に向上させ、金融プラットフォームに対するユーザの粘着性を向上させることができる。したがって、ユーザ推薦割合の計算式は式(6)のように表すことができる。
【0099】
【数5】
ここで、
はi番目の金融商品のユーザ推薦割合であり、αは割り当て係数であり、αは割り当て可能な総トラフィック割合を特徴付けるために用いられ、αは固定値に設定されてもよいし、変化する値に設定されてもよい。
【0100】
例えば、各金融商品の収益率は高くも低くもあるので、金融商品の相対乖離度がマイナスになることもあり得、したがって、相対乖離度が最小になることを保証し、即ちマイナス方向に最も離れた金融商品にトラフィックを割り当てることができるために、且つトラフィックが集中しすぎることを回避するために、αの値は、式(7)に示すように、以下の条件を満たす値に設定することができる。
【0101】
【数6】
上記計算プロセスに基づいて各金融商品のユーザ推薦割合を取得すれば、各金融商品のユーザ推薦割合に基づいてユーザに金融商品を推薦することができる。
【0102】
商品推薦特徴が第2設定期間内における設定パラメータの変動率の平均値である場合、ユーザ推薦割合を計算するプロセスは上記プロセスと同様であり、即ち商品推薦特徴を第2設定期間内における設定パラメータの変動率の平均値に置き換えればよいので、商品推薦特徴が第2設定期間内における設定パラメータの変動率の平均値である場合、ユーザ推薦割合を計算するプロセスは上記の説明を参照することができ、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0103】
図5に示すように、商品推薦特徴が第2設定期間内における組み合わせ特徴の平均値であることを例としてユーザ推薦割合の決定プロセスを紹介する。
【0104】
ステップ501:単一の金融商品の収益率の変動率を取得する。
【0105】
本願の実施例では、商品推薦特徴は第2設定期間内における組み合わせ特徴の平均値であり、ここで、第2設定期間は設定パラメータの統計時間周期T2であり、T2の長さは状況に応じて設定してもよく、例えば直近1か月、直近半年又は直近1年などであってもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0106】
例えば、組み合わせ特徴は収益率と収益率の変動率からなる組み合わせ特徴であってもよいので、組み合わせ特徴の平均値を取得する前に、まず各金融商品の収益率の変動率を取得する必要がある。
【0107】
例えば、1つの金融商品について、収益率の変動率を計算する際に、第2設定期間内における当該金融商品の収益率に基づいて当該金融の相対変化特徴を構築してもよく、相対変化特徴の計算式は式(8)のように表すことができる。
【0108】
【数7】
ここで、
はt番目のサブ期間におけるi番目の金融商品のデータ値の、t-1番目のサブ期間のデータ値と比較した変化率であり、t=1,2,3…T
2である。
【0109】
第2設定期間内における収益率の変動率は第2設定期間内における変化率のばらつき程度と理解でき、したがって、式(9)、(10)に示すように、以下のようにして
の平均値及び分散を計算することができる。
【0110】
【数8】
ここで、
は第2設定期間内における
の平均値であり、δ
cは第2設定期間内における
の分散である。
【0111】
そうすれば、1つの金融商品の収益率の変動率は式(11)で計算することができる。
【0112】
【数9】
ここで、
はt番目のサブ期間におけるi番目の金融商品の収益率の変動率である。t番目のサブ期間について、t番目のサブ期間の収益率の変動率はt番目のサブ期間~t番目のサブ期間の前のT
2個のサブ期間内におけるデータをもとに算出される。例えば、統計時間周期が半年であれば、当日の変動率は当日及び当日までの半年間のデータをもとに算出され、昨日の変動率は昨日及び昨日までの半年間のデータをもとに算出される。
【0113】
ステップ502:収益率の変動率に基づいて各金融商品の組み合わせ特徴を構築する。
【0114】
本願の実施例では、収益率が低いままである場合に収益率の変動率も低くてもよいが、収益率の低い金融商品は明らかに優れた金融商品ではなく、したがって金融商品のユーザ推薦割合を決定する際には、収益率の変動率だけでなく、収益率も考慮する必要があり、即ち変動率及び収益率に基づいて組み合わせ特徴を構築してもよい。ここで、当該組み合わせ特徴の値は収益率と正の相関関係にあり、且つ変動率と負の相関関係にあり、即ち収益率が高く、且つ変動率が小さいほど金融商品はより優れた商品であることを示し、したがって、組み合わせ特徴は式(12)で表すことができる。
【0115】
【数10】
ここで、
はt番目のサブ期間におけるi番目の金融商品の組み合わせ特徴である。もちろん、上記形態は、組み合わせ特徴の表現形態の1つであり、上記組み合わせ特徴の規則を満たす他の可能な形態を採用してもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0116】
ステップ503:単一の金融商品の商品推薦特徴を取得する。
【0117】
本願の実施例では、商品推薦特徴は第2設定期間内における組み合わせ特徴の平均値であり、ここで、第2設定期間内における組み合わせ特徴の平均値の計算式は式(13)のように表すことができる。
【0118】
【数11】
ここで、
は第2設定期間内におけるi番目の金融商品の組み合わせ特徴の平均値であり、i=1,2,3…Nである。
【0119】
例えば、金融商品の収益率の更新周期が通常1日であるので、1つのサブ期間は1日に設定してもよい。
【0120】
はt番目のサブ期間に対応する重み値であり、より長期又は短期に注目しているデータを区別するために用いられ、例えば、より長期に注目しているデータであれば、現在時刻から遠いサブ期間の重み値を高く設定してもよく、逆に、より短期に注目しているデータであれば、現在時刻に近いサブ期間の重み値を高く設定してもよい。
【0121】
例えば、
の場合、
は幾何平均値であり、即ち各サブ期間の重みは等しく、
、t=1,2,3…T
2の場合、
は線形重みであり、現在時刻に近いほど、重み値が大きいことを意味する。もちろん、
は他の可能な重み関数であってもよく、例えば指数関数又は対数関数などであり、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0122】
上記の商品推薦特徴の取得プロセスにより、全ての金融商品の商品推薦特徴を取得することができる。
【0123】
ステップ504:N個の金融商品の総合商品推薦特徴を取得する。
【0124】
本願の実施例では、ここで総合商品推薦特徴が商品推薦特徴の平均値及び分散であることを例とし、そうすれば総合商品推薦特徴の計算式は式(14)、(15)のように表すことができる。
【0125】
【数12】
ここで、
はN個の金融商品の商品推薦特徴の平均値であり、δ
bはN個の金融商品の商品推薦特徴の分散である。
【0126】
もちろん、平均値と分散を総合商品推薦特徴とするほか、平均値と標準偏差を総合商品推薦特徴とすることができ、もちろん、他の可能な採択数を総合商品推薦特徴とすることもでき、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0127】
ステップ505:各金融商品の商品推薦特徴と総合商品推薦特徴との間の相対乖離度を取得する。
【0128】
本願の実施例では、ここでの乖離度は相対乖離度を例とする。各金融商品の商品推薦特徴と総合商品推薦特徴との間の相対乖離度の計算式は式(16)のように表すことができる。
【0129】
【数13】
ここで、k
biはi番目の金融商品の商品推薦特徴と総合商品推薦特徴との間の相対乖離度であり、ここでの添え字bは対応する商品推薦特徴がT
2内における組み合わせ特徴の平均値であることを示す。
【0130】
ステップ506:各金融商品に対応する相対乖離度に基づいてユーザ推薦割合を決定する。
【0131】
本願の実施例では、金融商品の収益率が高いほど、且つ変動率が小さいほど、組み合わせ特徴の値が大きくなり、そうすれば金融商品に対応する相対乖離度の値が大きくなるべきであり、且つ金融商品の収益率が高いほど、且つ変動率が小さいほど、当該金融商品により多くのトラフィックを割り当てるべきであり、即ちユーザ推薦割合が高くなるべきであり、したがって、金融商品に対応する相対乖離度の値が大きくなり、当該金融商品のユーザ推薦割合が高くなるべきであることが容易に理解される。このように、当該金融商品を見ることができるユーザの数がより多くなり、ユーザの利用体験を全体的に向上させ、金融プラットフォームに対するユーザの粘着性ロイヤリティを向上させることができる。したがって、ユーザ推薦割合の計算式は式(17)のように表すことができる。
【0132】
【数14】
ここで、
はi番目の金融商品のユーザ推薦割合であり、αは割り当て係数であり、αは割り当て可能な総トラフィック割合を特徴付けるために用いられ、αは固定値に設定されてもよいし、変化する値に設定されてもよい。
【0133】
例えば、各金融商品の収益率は高くも低くもあるので、金融商品の相対乖離度がマイナスになることもあり得、したがって、相対乖離度が最小になることを保証し、即ちマイナス方向に最も離れた金融商品にトラフィックを割り当てることができるために、且つトラフィックが集中しすぎることを回避するために、αの値は、式(18)に示すように、以下の条件を満たす値に設定することができる。
【0134】
【数15】
上記計算プロセスに基づいて各金融商品のユーザ推薦割合を取得すれば、各金融商品のユーザ推薦割合に基づいてユーザに金融商品を推薦することができる。
【0135】
図6に示すように、商品推薦特徴が第1設定期間内における収益率の平均値及び第2設定期間内における組み合わせ特徴の平均値を含むことを例としてユーザ推薦割合の決定プロセスを紹介する。ここで、第1期間内における収益率の平均値が第1商品推薦特徴であり、第2設定期間内における組み合わせ特徴の平均値が第2商品推薦特徴である。
【0136】
ステップ601:第1商品推薦特徴に基づいて第1商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合を決定する。
【0137】
当該ステップのプロセスはステップ401~404の紹介を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0138】
ステップ602:第2商品推薦特徴に基づいて第2商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合を決定する。
【0139】
当該ステップのプロセスはステップ501~506の紹介を参照することができ、ここでは説明を省略する。ここで、なお、ステップ601及びステップ602は実質的に順序関係がなく、いくつかの実施例では、ステップ601及びステップ602は同時に実行されてもよいし、順番に実行されてもよく、例えばステップ601を実行してから、ステップ602を実行し、
図6がこれを例として、あるいは、ステップ602を実行してから、ステップ601を実行する。
【0140】
ステップ603:各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合及び各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みに基づいて、金融商品のユーザ推薦割合を取得する。
【0141】
本願の実施例では、各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みは固定的な重みであってもよいし、最適解算出方法により算出されるものであってもよい。
【0142】
例えば、ユーザ推薦割合の計算式は式(19)、(20)のように表すことができる。
【0143】
【数16】
ω
a+ω
b=1(20)
ここで、f
iはi番目の金融商品のユーザ推薦割合であり、ω
aは第1商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みであり、
はi番目の金融商品の第1商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合であり、ω
bは第2商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みであり、
はi番目の金融商品の第2商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合である。
【0144】
本願の実施例では、ユーザに金融商品を推薦した後、ユーザに対する各金融商品の魅力が異なる可能性があることを考慮して、これらの魅力は単に収益率又は収益率の安定の有無によるものではなく、金融商品のブランド知名度、商品管理人の知名度など、金融商品の他の要因が関係している可能性もあり、ユーザが金融商品の購入を申し込むか否かに影響を与え、一方、金融商品の商品魅力は、当該金融商品のユーザ転化率によって測ることができるため、その他の要素を総合的に考慮するために、金融商品のユーザに対する転化率を考慮に入れ、即ちユーザ転化率と上記M類商品推薦特徴のいずれかを組み合わせて新たな組み合わせ商品推薦特徴を構築することができる。
図7に示すように、以下ではユーザ転化率と第1設定期間内における収益率の平均値とを組み合わせることを例として、ユーザ推薦割合の決定プロセスを紹介する。
【0145】
ステップ701:各金融商品のユーザ転化率を取得する。
【0146】
ここで、ユーザ転化率は即ち金融商品に対応する被推薦ユーザのうち当該金融商品を実際に利用したユーザの数が占める割合であり、そうすればユーザ転化率の計算式は式(21)のように表すことができる。
【0147】
【数17】
ここで、π
iはi番目の金融商品のユーザ転化率であり、u
iはi番目の金融商品を実際に利用したユーザの数が全ユーザに占める割合である。もちろん、上記i番目の金融商品を利用したユーザの数が全ユーザに占める割合、ユーザ推薦割合との比をユーザ転化率とするほか、直接i番目の金融商品を実際に利用したユーザの数とi番目の金融商品に対応する被推薦ユーザの数との比をユーザ転化率とすることもできる。
【0148】
ステップ702:ユーザ転化率に基づいて各商品推薦特徴を構築する。
【0149】
本願の実施例では、ユーザ転化率が高いほど、及び収益率が高いほど、当該金融商品がより優れた金融商品であることを示し、したがって、組み合わせ特徴は以下の式(22)で表すことができる。
【0150】
【数18】
ここで、
はi番目の金融商品のユーザ転化率及び平均収益率に基づいて構築した組み合わせ商品推薦特徴である。もちろん、上記形態は、組み合わせ商品推薦特徴の表現形態の1つであり、上記組み合わせ特徴の規則を満たす他の可能な形態を採用してもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。
【0151】
ステップ703:N個の金融商品の総合商品推薦特徴を取得する。
【0152】
ステップ704:各金融商品の商品推薦特徴と総合商品推薦特徴との間の相対乖離度を取得する。
【0153】
ステップ705:各金融商品に対応する相対乖離度に基づいてユーザ推薦割合を決定する。
【0154】
ステップ703~705は、ステップ402~404、又は、ステップ504~507のプロセスと同様であるので、ステップ703~705の部分についてはステップ402~404又はステップ504~507部分の説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0155】
以上のように、本願の実施例では、各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、商品推薦特徴を構築し、これにより全ての金融商品の総合商品推薦特徴を取得し、さらに対応する類別の総合商品推薦特徴に対する各金融商品の商品推薦特徴の乖離度に基づいて、当該金融商品のユーザ推薦割合を決定し、最終的に各金融商品のユーザ推薦割合に基づいてユーザに金融商品を推薦し、このように、設定パラメータが各金融商品自身のパラメータであるので、金融商品の特性をある程度反映でき、これにより設定パラメータに基づいて構築した商品推薦特徴と全ての商品の総合商品推薦特徴の乖離度に基づいて、決定したユーザ推薦割合は金融商品のパラメータと直接関連するものとなり、これにより各金融商品のユーザ推薦割合は各商品自身の特性によって決定され、例えば、商品の優劣に基づいて対応するユーザ推薦割合を決定することができ、より優れた金融商品により高いユーザ推薦割合を割り当てることができ、より優れた金融商品がより多くのユーザに見られるようになり、さらに全体的なユーザの利用体験を向上させる。
【0156】
本願の実施例の金融商品推薦方法により、同一商品に対する制限量を満たして潜在的な金融リスクを保証することができるだけでなく、できるだけより優れた金融商品により多くのトラフィックを割り当てることを実現することができ、推薦の精度を向上させ、ユーザの体験を向上させるとともに、金融商品提供側が高額な短時間収益を上げることでトラフィック割り当て戦略を陥れることを回避し、プラットフォームの安定性を向上させ、金融資産会社がユーザにより優れた資産を提供するように誘導する。同時に、ユーザ転化率と合わせて、プラットフォームトラフィックの利用効率を向上させることもできる。
【0157】
図8を参照すると、同じ発明思想に基づいて、本願の実施例は、金融商品推薦装置80をさらに提供し、当該装置は、例えば
図1Aに示すサーバであってもよく、当該装置は、
クライアントの金融商品推薦要求を受信し、それぞれN個の金融商品における各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、各金融商品のM類商品推薦特徴を構築するように構成される特徴構築ユニット801であって、N、Mはいずれも正の整数である特徴構築ユニット801と、
それぞれ前記M類商品推薦特徴における各類商品推薦特徴に対して、類別に対応する総合商品推薦特徴を取得するように構成される特徴総合ユニット802と、
前記類別に対応する総合商品推薦特徴に対する各金融商品の各類商品推薦特徴の乖離度に基づいて、各金融商品のユーザ推薦割合を決定するように構成される推薦割合決定ユニット803であって、前記ユーザ推薦割合は各金融商品に対応する被推薦ユーザが全ユーザに占める割合である推薦割合決定ユニット803と、
前記金融商品推薦要求に応答するように、各金融商品のユーザ推薦割合に基づいて推薦金融商品を決定するように構成される商品推薦ユニット804と、を含む。
【0158】
例えば、M類商品推薦特徴は、
第1設定期間内における設定パラメータの平均値、
第2設定期間内における設定パラメータの変動率の平均値、及び
第2設定期間内における組み合わせ特徴の平均値のうちの少なくとも1つの特徴を含み、組み合わせ特徴は、設定パラメータと正の相関関係にあり、且つ設定パラメータの変動率と負の相関関係にある。
【0159】
例えば、特徴構築ユニット801は、それぞれ前記第1設定期間内の各サブ期間における各金融商品の設定パラメータのデータ値、及び前記各サブ期間に対応する重み値に基づいて、前記第1設定期間内における前記各金融商品の設定パラメータの平均値を取得するように構成される。
【0160】
例えば、特徴構築ユニット801は、それぞれ前記第2設定期間内の各サブ期間における各金融商品の設定パラメータのデータ値に基づいて、前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータの変動率を取得し、それぞれ前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータの変動率、及び前記各サブ期間に対応する重み値に基づいて、前記第2設定期間内における前記各金融商品の設定パラメータの変動率の平均値を取得するように構成される。
【0161】
例えば、特徴構築ユニット801は、それぞれ前記第2設定期間内の各サブ期間における各金融商品の設定パラメータのデータ値に基づいて、前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータの変動率を取得し、それぞれ前記各金融商品の設定パラメータ、及び前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータの変動率に基づいて、前記組み合わせ特徴を構築し、且つそれぞれ前記第2設定期間内における前記各金融商品の組み合わせ特徴の平均値を取得するように構成される。
【0162】
例えば、特徴構築ユニット801は、前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータのデータ値の、前記サブ期間の前のサブ期間のデータ値と比較した変化率を取得し、前記各金融商品の各サブ期間に対応する変化率の、前記第2設定期間内における平均変化率と比較した乖離程度を取得し、前記各金融商品の各サブ期間に対応する乖離程度に基づいて、前記各サブ期間における前記各金融商品の設定パラメータの変動率を取得するように構成される。
【0163】
例えば、推薦割合決定ユニット803は、前記類別に対応する総合商品推薦特徴に対する前記各金融商品の各類商品推薦特徴の乖離度を取得し、前記各金融商品の各類商品推薦特徴に対応する乖離度に基づいて、前記各金融商品のユーザ推薦割合を決定するように構成され、ここで、各金融商品のユーザ推薦割合は前記乖離度と正の相関関係にある。
【0164】
例えば、推薦割合決定ユニット803は、前記各金融商品の各類商品推薦特徴に対応する乖離度に基づいて、それぞれ各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合を取得し、前記各金融商品の各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みを取得し、ここで、各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みの総和が100%であり、前記各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦サブ割合及び前記各類商品推薦特徴に対応するユーザ推薦重みに基づいて、前記各金融商品のユーザ推薦割合を取得するように構成される。
【0165】
例えば、装置は、転化率取得ユニット805をさらに含み、前記各金融商品のユーザ転化率を取得するように構成され、前記ユーザ転化率は金融商品に対応する被推薦ユーザのうち前記金融商品を実際に利用したユーザの数が被推薦ユーザの総数に占める割合である。
【0166】
特徴構築ユニット801はまた、前記各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、前記第1設定期間内における前記各金融商品の設定パラメータの平均値を取得し、且つ前記第1設定期間内における各金融商品の設定パラメータの平均値及び前記ユーザ転化率に基づいて、前記各金融商品の商品推薦特徴を構築するように構成される。
【0167】
例えば、装置は、データ送信ユニット806をさらに含み、ユーザに推薦した金融商品の状態データを前記ユーザに送信して、ユーザ機器を介して前記ユーザに対応するアカウントにログインした後、前記ユーザ機器の表示ページに前記ユーザに推薦した金融商品の状態データを表示するように構成され、前記状態データは前記金融商品の名称、収益率を含む。
【0168】
当該装置は、
図3~
図7に示す実施例に示す方法を実行するために用いることができ、したがって、当該装置の各機能モジュールが実現可能な機能などについて
図3~
図7に示す実施例の説明を参照することができ、説明を省略する。ここで、転化率取得ユニット805及びデータ送信ユニット806は必須の機能ユニットではないので、
図8では破線で示している。
【0169】
図9を参照すると、同じ発明思想に基づいて、本願の実施例は、電子機器90をさらに提供し、メモリ901とプロセッサ902とを含み得る。
【0170】
前記メモリ901は、プロセッサ902が実行するコンピュータプログラムを記憶するために用いられる。メモリ901は、主に、ストレージプログラムエリアとストレージデータエリアとを含むことができ、ここで、ストレージプログラムエリアは、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムなどを記憶することができ、ストレージデータエリアは、電子機器の使用によって作成されたデータなどを記憶することができる。プロセッサ902は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)であってもよいし、デジタル処理ユニットなどであってもよい。本願の実施例では、上記メモリ901とプロセッサ902との間の接続媒体を限定しない。本願の実施例は、
図9ではメモリ901とプロセッサ902との間がバス903で接続され、バス903が
図9では太線で示されているが、その他の部材間の接続態様は、あくまで模式的に説明したものであり、制限として引用されるものではない。前記バス903は、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分けることができる。図示の便宜上、
図9では1本の太線で示しているが、1本のバス又は1種類のバスのみを示しているわけではない。
【0171】
メモリ901は、揮発性メモリ(Volatile Memory)、例えばランダムアクセスメモリ(Random Access memory、RAM)であってもよく、メモリ901は、不揮発性メモリ(Non-volatile Memory)、例えば読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスク(Hard Disk Drive、HDD)又はソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)であってもよく、あるいはメモリ901は命令又はデータ構造の形態で所望のプログラムコードを携帯又は記憶し、コンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体であるが、これに限定されない。メモリ901は上記メモリの組み合わせであってもよい。
【0172】
プロセッサ902は、前記メモリ901に記憶されたコンピュータプログラムを呼び出すときに
図3~
図7に示す実施例における機器によって実行される方法を実行するために用いられる。
【0173】
いくつかの可能な実施形態では、本願に係る方法の各態様は、プログラムコードを含むプログラム製品の形態で実現されてもよく、前記プログラム製品が電子機器で動作するとき、前記プログラムコードは、本明細書で上述した本願の各例示的な実施形態に係る方法のステップを前記電子機器に実行させるために用いられ、例えば、前記電子機器は、
図3~
図7に示す実施例における機器によって実行される方法を実行することができる。
【0174】
前記プログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の任意の組み合わせを採用することができる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、読み取り可能な信号媒体であっても、読み取り可能な記憶媒体であってもよい。読み取り可能な記憶媒体は、例えば、電気、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体のシステム、装置又はデバイス、又はこれらの任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されるものではない。例えば、読み取り可能な記憶媒体の例(非網羅的なリスト)は、1つ又は複数のワイヤを有する電気的接続、ポータブルディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は上記の任意の適切な組み合わせを含む。
【0175】
本願の好ましい実施例を説明してきたが、当業者は、基本的な発明概念を理解すると、これらの実施例に追加の変更及び修正を加えることができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、好ましい実施例、ならびに本願の範囲内に入る全ての変更及び修正を含むものと解釈されることを意図する。
【0176】
当業者であれば、本願の精神及び範囲から逸脱することなく、本願に様々な変更及び修正を加えることができることは明らかである。したがって、本願のこれらの修正及び変形は、本願の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内であるならば、それらの修正及び変形を包含することも意図される。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本願の実施例ではサーバが各金融商品の設定パラメータの履歴データに基づいて、商品推薦特徴を構築し、且つ全ての金融商品の総合商品推薦特徴を取得し、対応する類別の総合商品推薦特徴に対する各金融商品の商品推薦特徴の乖離度に基づいて、金融商品のユーザ推薦割合を決定し、且つ各金融商品のユーザ推薦割合に基づいてユーザに金融商品を推薦する。このようにして、各金融商品自身のパラメータに基づいて、金融商品の自身パラメータに関連するユーザ推薦割合を決定することができ、金融商品分流の精度及びユーザデータの安全性を向上させる。