(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】シャッタ機器を備えるソーラーウオッチ
(51)【国際特許分類】
G04C 10/02 20060101AFI20240202BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20240202BHJP
G04G 19/00 20060101ALI20240202BHJP
H02S 40/20 20140101ALI20240202BHJP
H02S 40/38 20140101ALI20240202BHJP
【FI】
G04C10/02 A
H02J7/35 A
G04G19/00 B
H02S40/20
H02S40/38
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022028997
(22)【出願日】2022-02-28
【審査請求日】2022-02-28
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・インボーデン
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-150055(JP,A)
【文献】特開2016-188810(JP,A)
【文献】特開平1-187880(JP,A)
【文献】特開昭61-41429(JP,A)
【文献】実開平3-99391(JP,U)
【文献】特開2020-174440(JP,A)
【文献】特開平10-39056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 1/00 - 99/00
G04G 3/00 - 99/00
H02J 7/35
H02S 40/20 - 40/22
H02S 40/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面およびガラスぶた(12)が固定される中央部(11)と、時計ムーブメント(13)を形成する1組の構成要素と、前記時計ムーブメントと前記ガラスぶた(12)の間に配置された文字板(14)とを具備するケースを備えるウオッチ(10)であって、前記文字板(14)は、電気エネルギー供給源を提供することが意図される蓄電池(17)に接続された光起電力セルモジュール(16)を含み、前記文字板(14)は、前記光起電力セルモジュール(16)と前記ウオッチ(10)の前記ガラスぶた(12)の間に配列されたシャッタ機器(18)であって、前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)全体を隠すシャッタ状態、および前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)のすべてまたは一部を曝す曝露状態を占有できるように構成されたシャッタ機器(18)をさらに備えるウオッチ(10)において、作動部材(19)は、制御ユニット(21)が与える命令により制御されるモータから構成されること、ならびに前記制御ユニット(21)は輝度センサ(22)を含み、前記制御ユニット(21)は前記輝度センサの出力する輝度データが一定のしきい値以下であるときに前記シャッタ状態で、かつ前記輝度データが前記一定のしきい値よりも高いときに前記曝露状態で前記シャッタ機器(18)を駆動するように前記モータを制御するよう構成されることを特徴とするウオッチ(10)。
【請求項2】
背面およびガラスぶた(12)が固定される中央部(11)と、時計ムーブメント(13)を形成する1組の構成要素と、前記時計ムーブメントと前記ガラスぶた(12)の間に配置された文字板(14)とを具備するケースを備えるウオッチ(10)であって、前記文字板(14)は、電気エネルギー供給源を提供することが意図される蓄電池(17)に接続された光起電力セルモジュール(16)を含み、前記文字板(14)は、前記光起電力セルモジュール(16)と前記ウオッチ(10)の前記ガラスぶた(12)の間に配列されたシャッタ機器(18)であって、前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)全体を隠すシャッタ状態、および前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)のすべてまたは一部を曝す曝露状態を占有できるように構成されたシャッタ機器(18)をさらに備えるウオッチ(10)において、作動部材(19)は、制御ユニット(21)が与える命令により制御されるモータから構成されること、ならびに前記制御ユニット(21)は、動きセンサおよび/または地理的位置センサの作用に応答して、前記作用がユーザの物理的活動またはスポーツ的活動を示す信号の放出を引き起こすときに前記曝露状態で前記シャッタ機器(18)を駆動するように前記モータを制御するように構成されることを特徴とするウオッチ(10)。
【請求項3】
背面およびガラスぶた(12)が固定される中央部(11)と、時計ムーブメント(13)を形成する1組の構成要素と、前記時計ムーブメントと前記ガラスぶた(12)の間に配置された文字板(14)とを具備するケースを備えるウオッチ(10)であって、前記文字板(14)は、電気エネルギー供給源を提供することが意図される蓄電池(17)に接続された光起電力セルモジュール(16)を含み、前記文字板(14)は、前記光起電力セルモジュール(16)と前記ウオッチ(10)の前記ガラスぶた(12)の間に配列されたシャッタ機器(18)であって、前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)全体を隠すシャッタ状態、および前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)のすべてまたは一部を曝す曝露状態を占有できるように構成されたシャッタ機器(18)をさらに備えるウオッチ(10)において、作動部材(19)は、制御ユニット(21)が与える命令により制御されるモータから構成されること、ならびに前記制御ユニット(21)は、動きセンサ、地理的位置センサ、および/または輝度センサにより経時的に収集および蓄積されたデータを自動学習処理した結果得られる命令に基づき、前記シャッタ機器(18)を前記シャッタ状態で、または前記
曝露状態で駆動するよう、前記モータを制御するように構成される、ことを特徴とするウオッチ(10)。
【請求項4】
前記シャッタ状態または前記曝露状態で前記シャッタ機器(18)を駆動するように、前記作動部材(19)の作用を受けて前記シャッタ機器(18)のシャッタ要素(180)を動かすように構成された動き伝達システム(20)を含む
、前記作動部材(19)と協働して前記シャッタ機器(18)を開閉する機構を備える、請求項
1または2または3に記載のウオッチ(10)。
【請求項5】
背面およびガラスぶた(12)が固定される中央部(11)と、時計ムーブメント(13)を形成する1組の構成要素と、前記時計ムーブメントと前記ガラスぶた(12)の間に配置された文字板(14)とを具備するケースを備えるウオッチ(10)であって、前記文字板(14)は、電気エネルギー供給源を提供することが意図される蓄電池(17)に接続された光起電力セルモジュール(16)を含み、前記文字板(14)は、前記光起電力セルモジュール(16)と前記ウオッチ(10)の前記ガラスぶた(12)の間に配列されたシャッタ機器(18)であって、前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)全体を隠すシャッタ状態、および前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)のすべてまたは一部を曝す曝露状態を占有できるように構成されたシャッタ機器(18)をさらに備えるウオッチ(10)において、
ウオッチの可動構成要素であるベゼル、りゅうず、または押しボタンから構成される
作動部材(19)と、
前記シャッタ状態または前記曝露状態で前記シャッタ機器(18)を駆動するように、前記作動部材(19)の作用を受けて前記シャッタ機器(18)のシャッタ要素(180)を動かすように構成された動き伝達システム(20)をさらに備え、この作動部材(19)を手動で動かし、前記動き伝達システム(20)によって前記シャッタ機器(18)の状態を、前記シャッタ状態または前記曝露状態に変更する、ウオッチ(10)。
【請求項6】
背面およびガラスぶた(12)が固定される中央部(11)と、時計ムーブメント(13)を形成する1組の構成要素と、前記時計ムーブメントと前記ガラスぶた(12)の間に配置された文字板(14)とを具備するケースを備えるウオッチ(10)であって、前記文字板(14)は、電気エネルギー供給源を提供することが意図される蓄電池(17)に接続された光起電力セルモジュール(16)を含み、前記文字板(14)は、前記光起電力セルモジュール(16)と前記ウオッチ(10)の前記ガラスぶた(12)の間に配列されたシャッタ機器(18)であって、前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)全体を隠すシャッタ状態、および前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)のすべてまたは一部を曝す曝露状態を占有できるように構成されたシャッタ機器(18)をさらに備えるウオッチ(10)において、
前記時計ムーブメント(13)から構成され
る作動部材をさらに備え、その結果、前記シャッタ機器(18)は、所定の時間にシャッタ状態を占有するように構成され、所定の時間に前記曝露状態を占有するように
制御される、ウオッチ(10)。
【請求項7】
前記シャッタ機器(18)は、薄板を伴う絞りにより形成され、前記薄板は、前記シャッタ機器が前記曝露状態を占有するときに前記中央部の中に収まるように構成され、前記シャッタ機器(18)が前記シャッタ状態を占有するときに前記光起電力セルモジュール(16)を覆うように展開されるように構成される、請求項1~
6のいずれか一項に記載のウオッチ(10)。
【請求項8】
前記シャッタ機器(18)は、不透明な円形セクタおよび透明な円形セクタを含む2つの円盤を含み、前記円盤は、同軸に互いに反対側に、互いに対して回転可能に配列され、前記円盤は、前記シャッタ機器(18)が前記曝露状態を占有するために、ある前記円盤の前記不透明な円形セクタおよび前記透明な円形セクタが、それぞれ他の前記円盤の前記不透明な円形セクタおよび前記透明な円形セクタに対向して配列されるように構成され、前記シャッタ機器(18)が前記シャッタ状態を占有するために、ある前記円盤の前記不透明な円形セクタおよび前記透明な円形セクタが、それぞれ他の前記円盤の前記透明な円形セクタおよび前記不透明な円形セクタに対向して配列されるように構成される、請求項1~
6のいずれか一項に記載のウオッチ(10)。
【請求項9】
前記シャッタ機器(18)は、前記シャッタ状態を占有するために互いに隣接するように、かつ前記曝露状態を占有するために互いに重なり合うように、互いに対して針の軸を中心にして回転可能に配列された、円形セクタの形をした1組の薄板により形成される、請求項1~
6のいずれか一項に記載のウオッチ(10)。
【請求項10】
前記シャッタ機器(18)は、縦方向に互いに平行に伸展する1組のシャッタにより形成され、前記シャッタは、自身の長手方向の軸を中心にして、前記シャッタ機器(18)が前記シャッタ状態を占有するために、ある前記シャッタの横方向の側面が、隣接する前記シャッタの横方向の側面に隣接しているように回転するように構成される、請求項1~
6のいずれか一項に記載のウオッチ(10)。
【請求項11】
前記光起電力セルモジュール(16)は、潤滑剤の層で覆われ、前記
潤滑剤の層は、前記光起電力セルモジュールと前記シャッタ機器の間に置かれる、請求項1~
10のいずれか一項に記載のウオッチ(10)。
【請求項12】
背面およびガラスぶた(12)が固定される中央部(11)と、時計ムーブメント(13)を形成する1組の構成要素と、前記時計ムーブメントと前記ガラスぶた(12)の間に配置された文字板(14)とを具備するケースを備えるウオッチ(10)であって、前記文字板(14)は、電気エネルギー供給源を提供することが意図される蓄電池(17)に接続された光起電力セルモジュール(16)を含み、前記文字板(14)は、前記光起電力セルモジュール(16)と前記ウオッチ(10)の前記ガラスぶた(12)の間に配列されたシャッタ機器(18)であって、前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)全体を隠すシャッタ状態、および前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)のすべてまたは一部を曝す曝露状態を占有できるように構成されたシャッタ機器(18)をさらに備えるウオッチ(10)において、作動部材(19)は、制御ユニット(21)が与える命令により制御されること、ならびに前記シャッタ機器(18)は、逆フォトクロミック特性を有する円盤を含み、すなわち、前記円盤は、環境輝度が一定のしきい値以下であるときに不透明な外観を有するように、かつ前記環境輝度が前記一定のしきい値よりも大きいときに透明な外観を有するように適合される、ウオッチ(10)。
【請求項13】
背面およびガラスぶた(12)が固定される中央部(11)と、時計ムーブメント(13)を形成する1組の構成要素と、前記時計ムーブメントと前記ガラスぶた(12)の間に配置された文字板(14)とを具備するケースを備えるウオッチ(10)であって、前記文字板(14)は、電気エネルギー供給源を提供することが意図される蓄電池(17)に接続された光起電力セルモジュール(16)を含み、前記文字板(14)は、前記光起電力セルモジュール(16)と前記ウオッチ(10)の前記ガラスぶた(12)の間に配列されたシャッタ機器(18)であって、前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)全体を隠すシャッタ状態、および前記シャッタ機器(18)が前記光起電力セルモジュール(16)のすべてまたは一部を曝す曝露状態を占有できるように構成されたシャッタ機器(18)をさらに備えるウオッチ(10)において、作動部材(19)は、制御ユニット(21)が与える命令により制御されること、ならびに前記シャッタ機器(18)は、エレクトロクロミック特性を有する円盤を含み、前記ウオッチ(10)は、
環境輝度が所定のしきい値以下であるときに前記円盤が不透明な外観を取るために、所定の強度の電圧を円盤に加えるように構成された、輝度センサに接続された管理モジュールを含む、ウオッチ(10)。
【請求項14】
前記管理モジュールは、前記蓄電池(17)が完全に充電されたときに前記円盤が前記不透明な外観を取るために、前記円盤に前記所定の強度の電圧を加えるように構成される、請求項
13に記載のウオッチ(10)。
【請求項15】
ユーザの要求に応じて、前記円盤が前記不透明な外観または
透明な外観を取るために、前記円盤に電圧を交互に印加する、または印加しないように前記管理モジュールを制御するように構成された作動
部材(19)を備える、請求項
13または14に記載のウオッチ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計製作技術の分野に関し、詳細には光起電力セルにより給電される蓄電池を含むソーラーウオッチの分野に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、シャッタ機器を備えるソーラーウオッチに関する。
【背景技術】
【0003】
ソーラーウオッチは、水晶電子時計ムーブメントまたは補助電子機能に電力を供給するために、光起電力セルにより給電される蓄電池を公知の手法で含む。
【0004】
光起電力セルは、最大の光を吸収して蓄電池に給電し、その結果、ユーザに適した自主性を電子時計ムーブメントまたは補助電子機能に与えるのに十分なエネルギーを生成するように、ウオッチのガラスぶたの真下に、一般に文字盤上に配置される。
【0005】
それにもかかわらず、光起電力セルは、ユーザが抱く可能性のある期待と矛盾することがある特定の美的外観を有する。
【0006】
したがって、いくつかのウオッチ製造業者は、光起電力セルを隠そうとしてきた。
【0007】
詳細には、半透明な材料から作られた文字盤の真下に光起電力セルが配置されたウオッチは従来技術から公知である。たとえば、文字盤は薄いセラミック、もしくは真珠層の薄板から、または透明な基板上に配置された少なくとも1つの半透明なインクから構成されてよい。
【0008】
文字盤にはまた、肉眼で見ることができる複数の貫通孔、特定の表面状態、または特定の処置が存在し、ユーザの視野から光起電力セルを見えなくしながら光に光起電力セルを曝すことを可能にする。
【0009】
しかしながら、これらの解決手段は、これらの解決手段を実行中、光起電力セルの総合効率が一般に比較的低く、その結果、蓄電池の充電時間が特に長いという点で完全に満足させるものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、ユーザから光起電力セルが見えないソーラーウオッチを提供する必要があり、その結果、該ウオッチの文字盤は、必要に応じて、光起電力セルが高い効率を保持できるようにしながら所望の視覚的外観を有してよい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、蓄電池を効果的に充電可能にしつつ、ユーザの望みに対応する美的外観を、できるだけ保持できるようにする、たとえば従来のウオッチの視覚的外観、すなわち装飾を有する、または有しない文字盤を含むソーラーウオッチを提案することにより、前述の欠点を解決する。
【0012】
この目的を達成するために、本発明は、背面およびガラスぶたが固定される中央部と、時計ムーブメントを形成する1組の構成要素と、ムーブメントとガラスぶたの間に配置された文字盤とを具備するケースを備えるウオッチに関し、文字盤は、電気エネルギー供給源を提供することが意図される蓄電池に接続された光起電力セルモジュールを含む。
【0013】
文字盤は、光起電力セルモジュールとウオッチのガラスぶたの間に配列されたシャッタ機器をさらに備え、シャッタ機器は、光起電力セルモジュール全体を隠すシャッタ状態、および光起電力セルモジュールのすべてまたは一部を曝す曝露状態を占有できるように構成される。
【0014】
特定の実施形態では、本発明は、単体で取り上げられる、または技術的に可能な任意の組合せによる、以下の特徴の1つまたは複数をさらに含んでよい。
【0015】
特定の実施形態では、ウオッチは、シャッタ状態または曝露状態でシャッタ機器を駆動するように、作動部材の作用を受けてシャッタ機器のシャッタ要素を動かすように構成された動き伝達システムを含む制御機構を備える。
【0016】
シャッタ機器のシャッタ状態および曝露状態は、該機器が取る別個の位置によりそれぞれ画定される。
【0017】
特定の実施形態では、作動部材は、制御ユニットが与える命令により制御されるモータから構成される。
【0018】
特定の実施形態では、制御ユニットは、輝度が一定のしきい値以下にあるときにシャッタ状態で、輝度が該しきい値よりも大きいときに曝露状態でシャッタ機器を駆動するようにモータを制御するように構成された輝度センサを含む。
【0019】
特定の実施形態では、制御ユニットは、蓄電池の充電状態に関係がある情報を制御ユニットに送達できるセンサを含み、制御ユニットは、該センサが提供する情報が、蓄電池の充電状態が所定のしきい値以下にあることを表すときに曝露状態でシャッタ機器を駆動するようにモータを制御するように構成される。
【0020】
特定の実施形態では、制御ユニットは、動きセンサおよび/または地理的位置センサの作用に応答して、該作用がユーザの物理的活動またはスポーツ的活動を表す信号の放出を引き起こすときに曝露状態でシャッタ機器を駆動するようにモータを制御するように構成される。
【0021】
特定の実施形態では、制御ユニットは、動きセンサ、地理的位置センサ、および/または輝度センサにより経時的に収集および蓄積されたデータを自動学習処理した結果得られる命令に基づきモータを制御するように構成される。
【0022】
特定の実施形態では、作動部材はベゼル、りゅうず、または押しボタンから構成される。
【0023】
特定の実施形態では、作動部材は時計ムーブメントから構成され、その結果、シャッタ機器は、所定の時間にシャッタ状態を占有するように制御され、所定の時間に曝露状態を占有するように制御される。
【0024】
特定の実施形態では、シャッタ機器は、薄板を伴う絞りにより形成され、該薄板は、シャッタ機器が曝露状態を占有するときに中央部の中に収まるように構成され、シャッタ機器がシャッタ状態を占有するときに光起電力セルモジュールを覆うように展開されるように構成される。
【0025】
特定の実施形態では、シャッタ機器は、不透明な円形セクタおよび透明な円形セクタを含む2つの円盤を含み、該円盤は、同軸に互いに反対側に、互いに対して回転可能に配列される。
【0026】
円盤は、シャッタ機器が曝露状態を占有するために、ある円盤の不透明な円形セクタおよび透明な円形セクタがそれぞれ他方の円盤の不透明な円形セクタおよび透明な円形セクタに対向するように配列されるように構成され、かつシャッタ機器がシャッタ状態を占有するために、ある円盤の不透明な円形セクタおよび透明な円形セクタがそれぞれ他方の円盤の透明な円形セクタおよび不透明な円形セクタに対向するように配列されるように構成される。
【0027】
特定の実施形態では、シャッタ機器は、シャッタ状態を占有するために互いに隣接するように、かつ曝露状態を占有するために互いに重なり合うように、互いに対して針の軸を中心にして回転可能に配列された、円形セクタの形をした1組の薄板により形成される。
【0028】
特定の実施形態では、シャッタ機器は、縦方向に互いに平行に伸展する1組のシャッタにより形成され、該シャッタは、シャッタ機器がシャッタ状態を占有するために、シャッタの横方向の側面が、隣接するシャッタの横方向の側面に隣接しているように、該シャッタの長手方向の軸を中心にして回転するように構成される。
【0029】
特定の実施形態では、光起電力セルモジュールは、潤滑剤の層で覆われ、該層は、該モジュールとシャッタ機器の間に置かれる。
【0030】
特定の実施形態では、シャッタ機器は、逆フォトクロミック特性を有する円盤を含み、すなわち、円盤は、環境輝度が一定のしきい値以下であるときに不透明な外観を有するように、かつ環境輝度が該しきい値よりも大きいときに透明な外観を有するように適合される。
【0031】
特定の実施形態では、シャッタ機器は、エレクトロクロミック特性を有する円盤を含み、ウオッチは、環境輝度が所定のしきい値以下であるときに該円盤が不透明な外観を取るために所定の強度の電圧を円盤に加えるように構成された、輝度センサに接続された管理モジュールを含む。
【0032】
特定の実施形態では、管理モジュールは、蓄電池が完全に充電されたときに該円盤が不透明な外観を取るために所定の強度の電圧を円盤に加えるように構成される。
【0033】
特定の実施形態では、ウオッチは、ユーザの要求に応じて、不透明な外観または透明な外観を取るために円盤に電圧を交互に加える、または加えないように管理モジュールを制御するように構成された作動部材を備える。
【0034】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照して、限定しない例としてだけ示される以下の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】シャッタ機器が光起電力セルモジュール全体を隠すシャッタ状態を占有する、本発明の一実施形態によるシャッタ機器を備えるウオッチのケースの断面図を概略的に示す。
【
図2】薄板を備える絞りから構成された、シャッタ状態にある、本発明の別の実施形態によるシャッタ機器の例を備える、
図1のウオッチの正面図を示す。
【
図3a】シャッタ機器の別の例を備える、
図2によるウオッチのケースの断面図を示す。
【
図3b】曝露状態を占有する、
図3aのシャッタ機器の、分離された正面図を示す。
【
図3c】シャッタ状態を占有する、
図3aのシャッタ機器の、分離された正面図を示す。
【
図4a】中間状態を占有するシャッタ機器の別の例の、分離された正面図を示す。
【
図4b】曝露状態を占有するシャッタ機器の別の例の、分離された正面図を示す。
【
図5a】シャッタ状態を占有するシャッタ機器の別の例の、分離された正面図を示す。
【
図5b】中間状態を占有するシャッタ機器の別の例の、分離された正面図を示す。
【
図5c】曝露状態を占有するシャッタ機器の別の例の、分離された正面図を示す。
【
図6】
図2のウオッチが提供する制御機構の例を透視図で概略的に示し、該例は、
図5a~
図5cに示すシャッタ機器の実施形態の例に適用される。
【
図7】
図2のウオッチが提供する伝達システムの例を透視図で概略的に示し、該例は、
図5a~
図5cに示すシャッタ機器の実施形態の例に適用される。
【
図8】本発明の別の実施形態による、
図1のウオッチのケースの構成図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、背面およびガラスぶた12が固定される中央部11と、時計ムーブメント13を形成する1組の構成要素と、時計ムーブメント13とガラスぶた12の間に配置された文字盤14とを具備するケースを備える、
図1の断面図で概略的に示すウオッチ10に関する。
【0037】
時計ムーブメント13は、時針、分針、および任意選択で秒針を備える針取付け部品15を当業者に公知の手法で駆動する。この目的を達成するために文字盤14は、針の軸を受け入れる貫通孔を含む。
【0038】
本明細書に記述する本発明の実施形態の例では、時計ムーブメント13は水晶ムーブメントである。
【0039】
時計ムーブメント13に給電する電気エネルギー源を提供するために、文字盤14は、蓄電池17に接続された光起電力セルモジュール16を含む。光起電力セル16は、
図1の断面図に示すように、好ましくは文字盤14の目に見える表面全体に伸展する。
【0040】
光起電力セルモジュール16は、並列または直列に接続されたヘテロ接合タイプまたは多接合タイプの1つまたは複数の基本セルを備えてよい。光起電力セル16は銅、インジウム、ゲルマニウム、およびセレンに基づく半導体材料、テルル化カドミウムに基づく半導体材料、単結晶ヒ化ガリウムに基づく半導体材料、または単結晶シリコンもしくは多結晶シリコン、またはペロブスカイトに基づく半導体材料から当業者に公知の手法で作られてよい。これらの例は限定していないこと、および当業者は本発明に適した光起電力セルのタイプを見いだす方法を知っていることに留意されたい。
【0041】
あるいは、時計ムーブメント13が機械式ムーブメントである場合、電気エネルギー供給源は、補助電子機能の機構に、たとえば羅針盤、高度計、温度センサ、照明機器などに給電することを意図されてよく、該補助電子機能は図に示していない。
【0042】
文字盤14は、光起電力セルモジュール16とウオッチ10のガラスぶた12の間に配列されたシャッタ機器18をさらに備える。
【0043】
好ましくは、ウオッチ10を小型にするために、シャッタ機器18は、光起電力セルモジュール16に接して配列されてよい。この場合、該モジュールはさらに、有利には重滑剤の層で覆われ、該層はさらに、該モジュールとシャッタ機器18の間に配置される。潤滑剤は有利には、選ばれた光起電力セルの電気-光性能に潤滑剤が及ぼす影響が限定的であるように選択される。
【0044】
シャッタ機器18は、
図1に概略的に示すように光起電力セルモジュール16全体を隠すシャッタ状態、および光起電力セルモジュール16のすべてまたは一部を曝す曝露状態を占有できるように構成される。
【0045】
この場合、場合によっては、たとえば光起電力セルモジュールが複数のセルから構成されるとき、該モジュールの正しい動作を保証するために実質的に同じような光強度に該セルのすべてを曝さなければならないことに留意されたい。
【0046】
図1に概略的に示す本発明の一実施形態では、シャッタ機器18は、逆フォトクロミック特性を備える円盤を含み、すなわち、円盤は、環境輝度が一定のしきい値以下であるときに不透明な外観を有するように、かつ環境輝度が該しきい値よりも大きいときに透明な外観を有するように適合される。
【0047】
本明細書では、「環境輝度」はウオッチ10の文字盤14に影響を与える光学的放射を意味する。
【0048】
たとえば、そのような文字盤は、鉄の複合体およびマグネシウムの複合体を用いて作られてよい。
【0049】
本発明のこの実施形態は、有利には単純であり、開発および製造の費用がかからない。
【0050】
さらに、文字盤のおかげで、光起電力セルモジュール16は、文字盤14の表面に等しい表面に伸展してよく、この表面の全体は、該文字盤により隠す、または曝すことができる。
【0051】
光起電力セルモジュール16の表面は、適切な条件のときに全体を曝すことができるので、それにより有利には、蓄電池17の充電効率はかなり改善される。
【0052】
代わりに、円盤はエレクトロクロミック特性を有してよく、すなわち、円盤を構成する材料の不透明な外観または透明な外観は、円盤に電圧を印加する、または印加しないことにより変動してよい。
【0053】
この目的を達成するために、ウオッチ10は、環境輝度が所定のしきい値以下であるときに該円盤が不透明な外観を取るために、円盤に所定の強度の電圧を加えるように構成された、輝度センサに接続された管理モジュールを含んでよい。
【0054】
その上、残りの時間、管理モジュールは、円盤がその透明な外観を保持し、かつ蓄電池17を再充電できるように、円盤に電圧を印加しない。
【0055】
さらに、管理モジュールは、蓄電池17が完全に充電されたときに該円盤が不透明な外観を取るために、所定の強度の電圧を円盤に加えるように構成されてよい。
【0056】
その結果、円盤は、不透明な外観を有するときに過負荷になる可能性から蓄電池17を保護できるようにする。
【0057】
その上、ウオッチ10は、ユーザの要求に応じて、円盤が不透明な外観または透明な外観を取るために円盤に電圧を交互に印加する、または印加しないように管理モジュールを制御するように構成された作動部材19を備えてよい。言い替えれば、作動部材19は、ユーザの選択に従って交互にシャッタ状態および曝露状態でシャッタ機器18を駆動するように構成される。本明細書の残りの部分で、作動部材の例を列挙する。
【0058】
図2~
図8に示す別の実施形態では、ウオッチ10は、交互にシャッタ状態または曝露状態でシャッタ機器18を駆動するように、作動部材19の作用を受けてシャッタ機器18のシャッタ要素180を動かすように構成された動き伝達システム20を含む制御機構を含む。
【0059】
有利には、シャッタ機器18がシャッタ状態を占有するとき、シャッタ要素180は、光起電力セルモジュール16の表面全体に対向して伸展し、「外側部分の面」として知られる目に見える外面、および光起電力セルモジュール16に対向することが意図される内面を有する。
【0060】
シャッタ機器18がシャッタ状態を占有するとき、外側部分の面は、ユーザが見ることができ、外側部分の面の視覚的外観に従って所望の美的外観をウオッチ10が保持できるようにする。
【0061】
本明細書で以後記述するこの実施形態の例では、シャッタ要素180は、金属材料から、プラスチックなどのポリマー材料から、または任意の他の適切な材料から作られてよい。
【0062】
この目的を達成するために、該外側部分の面は、たとえば同業者によりそれ自体公知の任意のタイプの薄層堆積法により作られたコーティングを含んでよい。
【0063】
その上、好ましくは、シャッタ機器18が曝露状態を占有するとき、シャッタ要素180は、ユーザに見えなく、またはあまり見えなく、それにより、環境輝度に曝された光起電力セルモジュール16の表面を最大にできるようになる。
【0064】
本明細書で以後シャッタ要素180の例を詳細に記述し、
図2~
図5cに示す。
【0065】
図2は、シャッタ状態にある、薄板を伴う絞りにより形成されたシャッタ機器18の例を備えるウオッチ10を正面図で示す。この場合、シャッタ要素180は、シャッタ機器18が曝露状態を占有するときにユーザの視野から見えなくするために、かつシャッタ機器18がシャッタ状態を占有するときに光起電力セルモジュール16を覆うように展開されるために、中央部11の中に、たとえばベゼルの真下に収まるように構成された薄板により形成される。
【0066】
より詳細には、薄板は互いに重なり合い、それぞれ「近位端部」として知られる端部と「遠位端部」として知られる端部の間に伸展し、該近位端部は、中央部11に対して固定された輪の中に、または直接に該中央部11の中に自由に回転可能に固定される。
【0067】
近位端部は、針の軸と実質的に同軸な軸を中心にして回転可能に輪の中に形成された孔と協働するように伸展するピンまたは乳頭状のものを含む。孔は、輪の中でらせん状に伸展し、その結果、該輪の回転は、薄板を枢動させ、その結果針の軸の周囲にいくぶん大きな中央開口部を形成させる。
【0068】
最も適切な薄板の形状の決定は、それ自体当業者の手の届く範囲内にある。
【0069】
薄板を伴う絞りの他の代替実施形態では、薄板は、薄板自体の設計が当業者の到達する範囲内にある任意の適切な機構により、移動可能な輪が回転する間に回転する。
【0070】
薄板を伴う絞りの形態をとるシャッタ機器18の実施形態の有利な点の1つは、該シャッタ機器18が曝露状態を占有するとき、シャッタ要素180には、この場合、薄板には、光起電力セルモジュール16がまったくないという事実にある。
【0071】
図3a~
図3cに示すシャッタ機器18の実施形態の別の例では、シャッタ機器18は、同軸に反対側に配置された2つの円盤により形成され、該円盤は、針の軸を伸展させる貫通孔を具備する。
【0072】
円盤は、たとえばポリカーボネートから作られる。
【0073】
図3bおよび
図3cに示すように、円盤の各々は、他方の円盤と反対側にある面上に、各円盤の中心の周囲に互いに距離を置いて等間隔に分布した複数の不透明な円形セクタを含む。このようにして、各円盤は、透明な円形セクタおよび不透明な円形セクタを交互に含み、すなわち、
図3bの正面図に詳細に示すように、透明なセクタは、それぞれ2つの不透明なセクタの間に置かれ、不透明なセクタは、それぞれ2つの透明なセクタの間に置かれる。
【0074】
不透明な円形セクタは、シャッタ要素180を形成し、薄層堆積方式または薄層印刷方式により作られてよい。有利には、円盤の不透明な円形セクタは、反対側にある該円盤の面上に配列される。
【0075】
円盤の不透明な円形セクタは、
図3cの正面図に示すように、シャッタ機器18がシャッタ状態にあるとき、ある円盤の不透明なセクタが他方の円盤の透明なセクタの表面全体に対向しているという点で、他方の円盤の円形セクタに相補的な寸法を有する。
【0076】
シャッタ機器18がシャッタ状態に到達するために、円盤の一方は、制御機構により他方の円盤に対して針の軸を中心にして回転するように構成され、他方の円盤は、中央部11に対して固定される。
【0077】
シャッタ機器18が曝露状態を占有するとき、各円盤の不透明な円形セクタは、
図3bおよび
図4bに示すように、環境輝度に光起電力セルモジュール16を曝すように互いに重なり合う。
【0078】
曝露状態でシャッタ機器18は、文字盤14の表面の実質的に50%を曝す。
【0079】
限定しない例として、円盤は、それぞれ6つの不透明なセクタおよび6つの透明なセクタを含む。
【0080】
図に示さない、シャッタ機器18の実施形態の別の例では、シャッタ機器18は、中央部11と針の軸の間に放射状に伸展する薄板のいくつかの組により円盤が形成されることを除き、上記で記述するシャッタ機器18に類似してよく、該薄板は、貫通孔により互いに分離される。薄板は、自身の端部の各々で、該薄板の周囲に伸展する周辺の輪により、および針の軸の周囲に配列された中央の輪により互いに接続されてよい。
【0081】
薄板および貫通孔は、それぞれ円盤セクタの形状を有し、該薄板は、シャッタ機器18がシャッタ状態にあるときに文字盤14の表面全体を覆うように特定の寸法に作られる。
【0082】
円盤は、互いに対して回転可能である。より詳細には、円盤の一方は、「可動薄板」として知られる薄板を含み、他方の円盤に対して針の軸を中心にして回転するように構成され、該他方の円盤は、中央部11に対して固定されて配列された、「固定薄板」として知られる薄板を含む。
【0083】
シャッタ機器18の実施形態の先行する例で記述するように、円盤は、好ましくは同数の薄板を、たとえば6つの薄板を有する。
【0084】
薄板は、固定薄板が可動薄板に隣接するように、すなわち、各固定薄板が2つの可動薄板の間に置かれ、かつシャッタ機器18がシャッタ状態にあるときに各可動薄板が2つの固定薄板の間に置かれるように配置される。
【0085】
その結果、シャッタ機器18が曝露状態を占有するとき、各可動薄板は固定薄板上に重なり合う、またはその逆も同様である。
【0086】
さらに
図4aおよび
図4bに概略的に示す、シャッタ機器18のさらに別の実施形態では、シャッタ要素180は、互いに隣接して、互いに重なり合うように適合されるように配列された、円形セクタ形状の1組の薄板により形成されてよい。
【0087】
より詳細には、薄板は、1つの固定薄板を除き針の軸を中心にしてすべて回転可能であり、可動薄板は、シャッタ機器18がシャッタ状態から曝露状態に変化するときに光起電力セルモジュール16を漸次曝すために連続して回転するように構成される。そのような配置を
図4aに概略的に例示する。
【0088】
その結果、可動薄板は、
図4bに示すように、シャッタ機器18が曝露状態を占有するときに固定薄板上に重なり合う、またはその逆も同様である。
【0089】
実施形態のこの例によるシャッタ機器18は、シャッタ状態を占有するとき、
図3cの略図に従うことに留意されたい。
【0090】
この特徴は、詳細にはシャッタ機器18が曝露状態とシャッタ状態の間の中間状態を有することができるようにする。さらに、この特徴は、シャッタ機器18および光起電力セルモジュール16が文字盤14上で占有する表面を選ぶことを可能にできる。例として、シャッタ機器18は、曝露状態を占有するとき、文字盤14の所定の円形セクタだけを、たとえば文字盤14の半分または4分の1だけを取り除くことが意図される薄板を含んでよい。
【0091】
さらに、所定の時間間隔に従って可動薄板を漸次回転させることが想定されてよい。たとえば、制御機構は、毎時に薄板を回転させるように構成されてよく、その結果、シャッタ機器18は、太陽が天頂にあるときまたは昼間の間に曝露状態を、夜間にシャッタ状態を占有する。
【0092】
図5a~
図5cに示すシャッタ機器18の実施形態のさらに別の例では、シャッタ要素180は、縦方向に互いに平行に伸展する1組のシャッタにより形成される。シャッタ機器18の長手方向端部間で、各シャッタは2つの横方向の側面の間で伸展する。
【0093】
シャッタは、実施形態の本例では、ウオッチ10の中央部11内の円形セグメントの範囲を定める。
【0094】
シャッタは、シャッタの長手方向端部により中央部11に固定され、シャッタの長手方向の軸を中心にして回転するように構成される。
【0095】
シャッタはさらに、
図5aに例示するように、シャッタ機器18がシャッタ状態を占有するために、一方のシャッタの横方向の側面が、隣接するシャッタの横方向の側面に隣接しているように特定の寸法に作られる。
【0096】
その上、シャッタ要素180がユーザの視野から光起電力セルモジュール16を隠すように該モジュールの表面全体を覆う位置と、シャッタ要素180がユーザの視野に、その結果環境輝度に該モジュールを曝す位置との間で移動可能なシャッタ要素180をシャッタ機器18が含むという条件で、たとえ本明細書に記述されていないとしても、シャッタ機器18のこの実施形態の他の例が可能であってよいことに留意されたい。
【0097】
本発明の一実施形態では、作動部材19は、ウオッチ10の可動構成要素、たとえばベゼル、りゅうず、または押しボタンから構成される。
【0098】
より詳細には、ベゼルもしくはりゅうずの回転、または押しボタンの押下は、動き伝達システム20によってシャッタ機器18の状態を変更可能にしてよい。
【0099】
その結果、ユーザは有利には、そのように望むとき、シャッタ機器18の状態を手動で修正して、外側の部分が対向することを望むか、光起電力セルモジュール16が目に見えることを望むかを選んでよい。
【0100】
詳細には、
図5a~
図5cに示すシャッタ機器18の実施形態の例に適用される制御機構および伝達システム20の例で
図6および
図7に概略的に示すように、ウオッチ10は、「モータシャッタ」として知られる、シャッタと一体化した歯車と協働する溝付きベゼルを含んでよく、歯付き歯車の長手方向の軸は、好ましくは針の軸と交差している。
【0101】
図7は、シャッタを回転させるように配列された伝達システム20を詳細に例示する。伝達システム20は接続部材を、この場合、各シャッタの間に配列され、かつモータシャッタの回転に接続部材の回転を従わせるように構成された可撓性のある連結手段から、たとえばベルトから構成された接続部材を備える。
【0102】
換言すれば、シャッタは、接続部材により互いに確実に接続され、その結果、ベゼルの回転の作用により生じたモータシャッタの動きは、その他のシャッタのすべてを回転させる。
【0103】
接続部材は、当業者によりそれ自体が公知の任意の要素から、たとえばギアにより構成されてよい。
【0104】
制御機構および伝達システム20のこれらの例はまた、当業者の手の届く範囲内で調節して、
図2~
図4cに示すシャッタ機器18の実施形態の例に適用されてよい。
【0105】
(図に示さない)本発明の別の実施形態では、作動部材19は時計ムーブメント13から制御され、その結果、シャッタ機器18は、所定の時間にシャッタ状態を占有するように構成され、所定の時間に曝露状態を占有するように制御される。
【0106】
例として、シャッタ機器18は、環境輝度が著しく低下することを表す時間に、たとえば日の出の時間にシャッタ状態を占有するように制御されてよく、環境輝度が著しく増大する時間に、たとえば日の出の時間に曝露状態を占有するように制御されてよい。
【0107】
図8で構成図により示す本発明のさらに別の実施形態では、動き伝達システム20が接続される作動部材19は、制御ユニット21が与える命令により制御されるモータから構成されてよい。モータは、有利には蓄電池17により給電される。
【0108】
そのようなモータは、Lavet型のステッピングモータであってよく、文字盤14と背面の間でウオッチ10内部に当業者に公知の手法で配列されてよい。
【0109】
ここで記述する制御ユニット21は、マイクロプロセッサなどのコンピューティング手段を備えてよい。
【0110】
たとえば、制御ユニット21は、
図8に示すように輝度センサ22に接続され、環境輝度が一定のしきい値以下であるときにシャッタ状態で、かつ環境輝度が該しきい値よりも大きいときに曝露状態でシャッタ機器18を駆動するようにモータを制御するように構成されてよい。
【0111】
有利には、ウオッチ10は、制御ユニット21、モータ、蓄電池17、光起電力セルモジュール16、および任意選択で輝度センサ22に接続された、当業者にそれ自体公知の電力管理モジュール23を含む。
【0112】
図に示さない実施形態の一例では、輝度センサ22は、有利には光起電力セルモジュール16により形成されてよい。
【0113】
モータはまた、所定の時間に、たとえば日没を表す時間にシャッタ状態で、かつ所定の時間に、たとえば日の出を表す時間に曝露状態でシャッタ機器18を駆動するために、所定の時間に従って制御ユニット21により制御されてよい。
【0114】
この目的を達成するために制御ユニット21は、時計ムーブメント13または時針および/もしくは分針に連結した位置センサを実装してよい。
【0115】
実施形態のさらに別の例では、制御ユニット21は、動きセンサおよび/または地理的位置センサの作用に応答してモータを制御してよい。
【0116】
詳細には、制御ユニット21は、動きセンサおよび/または地理的位置センサが放出する信号がユーザの物理的活動またはスポーツ的活動を表すとき、曝露状態でシャッタ機器18を駆動するようにモータを制御するように構成されてよい。それに加えて、制御ユニット21は、動きセンサおよび/または地理的位置センサが放出する信号がユーザの物理的活動またはスポーツ的活動を表す場合、シャッタ状態でシャッタ機器18を駆動するようにモータを制御するように構成されてよい。
【0117】
最後に、制御ユニット21は、蓄電池17の充電状態に関係がある情報を該制御ユニット21に送達できるセンサに接続されてよく、該センサが提供する情報が、蓄電池17の充電状態が所定のしきい値以下であることを表すときに曝露状態でシャッタ機器18を駆動するようにモータを制御するように構成される。
【0118】
これらの特徴の代わりに、またはこれらの特徴に加えて、制御ユニット21は、モータを制御して制御機構21を介してシャッタ機器18の状態を変えるための命令を受信するようにコンピュータ、電子タブレット、またはスマートホンなどの電子装置と通信するように構成されてよい。
【0119】
有利には、モータの制御は、前述の特徴の1つまたは組合せを実装することにより遂行されてよく、すなわち、前述の例で記述するセンサの1つまたは複数が提供する情報および/または電子装置が提供する情報に基づき制御ユニット21が伝送する命令に従って遂行されてよい。
【0120】
換言すれば、制御ユニット21は、単一の基準、または一緒に組み合わせた複数の基準に従ってモータを制御してよい。
【0121】
有利には、制御ユニット21は、動きセンサ、地理的位置センサ、および/または輝度センサ22により経時的に収集および蓄積されたデータを処理した結果得られる命令に基づきモータを制御してよく、該データは、ウオッチ10のユーザの生活様式を表す。この処理は、有利には任意の自動学習データ分析方法により、たとえば深層学習タイプの方法により遂行され、分析は、この場合ニューラルネットワークを利用できる。
【0122】
本発明はまた、上記で記述する例および実施形態の技術的に可能な任意の組合せに関係することは明記されるべきである。
【0123】
実際は、たとえば、制御機構21に接続された、上記で記述するシャッタ要素180の1つと逆フォトクロミック特性を組み合わせた円盤を備える、本発明によるウオッチ10を作り出すことが可能である。
【0124】
その上、本明細書では、ケースが丸い形状のウオッチ10について考えてきた。しかしながら、ウオッチ10のケースは、異なる形状、たとえば楕円形または正方形からなってよく、その場合、シャッタ要素180の形状は、該ケースの形状に適合される。
【符号の説明】
【0125】
10 ウオッチ
11 中央部
12 ガラスぶた
13 時計ムーブメント
14 文字盤
15 針取付け部品
16 光起電力セルモジュール
17 蓄電池
18 シャッタ機器
19 作動部材
20 動き伝達システム
21 制御ユニット
22 輝度センサ
23 電力管理モジュール
180 シャッタ要素