(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】モジュラ電子デバイスシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20240202BHJP
G06F 1/18 20060101ALI20240202BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
G06F1/16 312Z
G06F1/16 313C
G06F1/18 E
G06F1/16 312G
G06F1/16 312S
H05K5/02 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022083756
(22)【出願日】2022-05-23
【審査請求日】2022-05-26
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パルシアン, モハメドアリ
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドバーグ, ジェルソン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】フイン, ニコラス
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-228234(JP,A)
【文献】特開2017-144186(JP,A)
【文献】特開2009-157570(JP,A)
【文献】国際公開第2013/103082(WO,A1)
【文献】特開2014-209704(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0055166(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
G06F 1/16-1/18
H05K 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブル電子デバイスのための拡張ハブであって、前記拡張ハブは、
後側を有する筐体と、
電子デバイスに接続するための第1の電気コネクタと、
前記筐体の前記後側上にあり、前記筐体に対して後方向に第3の電気コネクタに嵌合するように構成された第2の電気コネクタであって、前記第2の電気コネクタが、前記第1の電気コネクタと電気通信する、第2の電気コネクタと、
前記後方向での前記筐体の移動に応答して、前記筐体を、前記筐体の前記後側の外部に位置決めされた第2のマウントコネクタに嵌合するためのマウントコネクタと、
を備え、
前記マウントコネクタが前記第2のマウントコネクタに嵌合された状態で、前記第2の電気コネクタが、前記第3の電気コネクタと電気通信する、拡張ハブ。
【請求項2】
前記筐体が、前記電子デバイスの背面を囲むように構成されており、
前記第1の電気コネクタが、前記後方向に垂直な方向
であって、前記第1の電気コネクタのある方向に
沿って前記電子デバイスに係合するように構成されており、
前記マウントコネクタが、付勢されたラッチを使用して前記第2のマウントコネクタに嵌合するように構成されており、
前記第2の電気コネクタが、少なくとも1つの付勢されたピンを使用して前記第3の電気コネクタに嵌合するように構成されている、
請求項1に記載の拡張ハブ。
【請求項3】
前記筐体が、前記電子デバイスの後側を囲むように構成されたカバー内に位置決めされている、請求項1に記載の拡張ハブ。
【請求項4】
前記カバーが、後部ケーシング及び前部ケーシングを含み、前記筐体が、前記後部ケーシングと前記前部ケーシングとの間に位置決めされている、請求項3に記載の拡張ハブ。
【請求項5】
前記筐体が、前記カバーから可逆的に着脱可能である、請求項3に記載の拡張ハブ。
【請求項6】
前記マウントコネクタが、前記マウントコネクタを前記第2のマウントコネクタに磁気吸引するための磁気構成要素を含む、請求項1に記載の拡張ハブ。
【請求項7】
前記拡張ハブが、デバイスハブと、アクセサリ電気コネクタと、を更に備え、
前記第1の電気コネクタ、前記第2の電気コネクタ、及び前記アクセサリ電気コネクタが、前記デバイスハブによって互いに電気通信するように構成されている、請求項1に記載の拡張ハブ。
【請求項8】
前記アクセサリ電気コネクタが、前記筐体の外部の周辺に位置決めされている、請求項
7に記載の拡張ハブ。
【請求項9】
前記アクセサリ電気コネクタに電気的に接続された第1の位置と、前記アクセサリ電気コネクタから電気的に接続解除された第2の位置との間で、前記アクセサリ電気コネクタに対して移動可能なアクセサリデバイスを更に備える、請求項
7に記載の拡張ハブ。
【請求項10】
前記第1の電気コネクタが、前記後方向に垂直な方向
であって、前記第1の電気コネクタのある方向に沿って前記電子デバイスに接続するように構成されている、請求項1に記載の拡張ハブ。
【請求項11】
電子デバイスのためのケースであって、前記ケースが、
前記電子デバイスの電気接点に係合するための第1のケース電気コネクタと、
前記ケースから後方向に面し、前記第1のケース電気コネクタと電気通信する第2のケース電気コネクタと、
前記第2のケース電気コネクタと電気通信する第3のケース電気コネクタと、
第1のケースラッチ部分と、
第2のケースラッチ部分と、
を含む、ケースと、
支持基体であって、
前記第1のケースラッチ部分に取り外し可能に接続可能なアームラッチ部分を有するアーム部分と、
電源に接続するための第1の基体電気コネクタと、
前記アーム部分上に位置決めされており、前記第1の基体電気コネクタと電気通信する第2の基体電気コネクタと、
を含む、支持基体と、
アクセサリデバイスであって、
前記第2のケースラッチ部分に取り外し可能に接続可能なアクセサリラッチ部分と、
前記第3のケース電気コネクタに電気的に接続するように構成された電子コンポーネントと、
を含む、アクセサリデバイスと、
を備える、モジュラ電子デバイスシステム。
【請求項12】
前記モジュラ電子デバイスシステムが、デバイスアダプタを更に備え、前記デバイスアダプタが、
前側及び後側を有する筐体と、
前記前側上にあり、前記第2のケース電気コネクタに電気的に係合するように構成された第1のアダプタ電気コネクタと、
前記後側上にあり、前記第2の基体電気コネクタに電気的に係合するように構成された第2のアダプタ電気コネクタと、
前記第1のアダプタ電気コネクタ及び前記第2のアダプタ電気コネクタのうちの少なくとも1つとの電気通信を提供するためのアクセサリポートと、を含む、請求項11に記載のモジュラ電子デバイスシステム。
【請求項13】
前記デバイスアダプタが、前記ケースと前記支持基体との間に位置決め可能であり、前記第1のアダプタ電気コネクタが、前記第2のケース電気コネクタに電気的に係合し、前記第2のアダプタ電気コネクタが、前記第2の基体電気コネクタに電気的に係合する、請求項12に記載のモジュラ電子デバイスシステム。
【請求項14】
前記第1のケースラッチ部分が、前記後方向に並列な前記第1のケースラッチ部分の移動によって、前記アームラッチ部分とブラインド嵌合するように構成されている、請求項11に記載のモジュラ電子デバイスシステム。
【請求項15】
前記支持基体への前記ケースの取り付けを検出するためのセンサを更に備える、請求項11に記載のモジュラ電子デバイスシステム。
【請求項16】
前記第1のケースラッチ部分及び前記アームラッチ部分が、ロック状態とアンロック状態との間で調節可能であり、
前記ロック状態では、前記ケースが、前記アーム部分にロックされており、
前記アンロック状態では、前記ケースが、前記後方向が実質的に水平である状態で、前記アーム部分によって吊り下げられている、
請求項11に記載のモジュラ電子デバイスシステム。
【請求項17】
筐体内に位置決めされており入力ポートを有するタッチスクリーンインタフェースを有するコンピューティングデバイスと、
前記筐体の少なくとも背面を囲むように構成されたカバーと、
前記カバー内に位置決めされたハブであって、前記ハブが、前記コンピューティングデバイスの前記入力ポートに接続された第1の電気コネクタと、前記カバーの縁部において露出した第2の電気コネクタと、を含み、アクセサリデバイスが、前記第2の電気コネクタとの接触を介して前記入力ポートに電気的に接続可能である、ハブと、
を備える、タブレットコンピューティングシステム。
【請求項18】
前記タブレットコンピューティングシステムが、機械的接続インタフェースを前記第2の電気コネクタにおいて更に備え、前記機械的接続インタフェースが、前記アクセサリデバイスに取り付け可能である、請求項17に記載のタブレットコンピューティングシステム。
【請求項19】
前記第2の電気コネクタが、電力を前記アクセサリデバイスに提供するように構成されている、請求項17に記載のタブレットコンピューティングシステム。
【請求項20】
前記カバーが、前記コンピューティングデバイスと前記ハブとの間に位置決めされたパネルを更に含む、請求項17に記載のタブレットコンピューティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載の実施形態は、概して、コンピューティングデバイスのための電子アクセサリ及びカバーに関する。特に、本実施形態は、アクセサリをコンピューティングデバイスに取り付けるための又はコンピューティングデバイスをスタンドに搭載するためのモジュラ拡張ハブ及び関連するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ポータブルコンピューティングデバイスは、近年、世界中で人気及び普及が高まっている。これらのデバイスのユーザは、生活のほぼ全ての部分において、多くの異なるタイプの作業のための及び設定における用途を見出している。いくつかの方法では、これらのデバイスは、フラッシュライト、キャッシュレジスタ、実験室設備、科学機器、カメラ、及び他の電子デバイスなどの他のデバイスに置き換わる又はこれらの他のデバイスを改善するために使用されてきた。したがって、タブレットコンピュータ及びスマートフォンなどのポータブルコンピューティングデバイスの利便性及び適応性は、多くの目的でのユーザの多くの必要性を満たすことを助長してきた。
【0003】
このようなポータブルコンピューティングデバイスは、使用間に定期的に充電される必要があるバッテリを有することがある。したがって、デバイスは、大きな利点を遠隔エリアにおいて提供することができ、モバイル用途において使用されるときに、デバイスはまた、充電を回復するために電力に接続される必要が頻繁にある。これらの時間において、ユーザは、特にポータブルコンピューティングデバイスが非常に大きな負荷及び動作サイクル下にある設定において、デバイスを依然として動作させつつ、デバイスの充電を素早く容易に制御することが困難であることがある。
【0004】
コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイス自体で非常に効果的であり得るが、コンピューティングデバイスを衝突、落下、擦れ、引掻き、及び他の損傷から保護するために、ケース又はカバーをコンピューティングデバイス上に使用することも一般的である。カバーの存在は、コンピューティングデバイス又は充電器の搭載及び固定を、複雑にし、信頼性なしにし、遅くし、又はそうでなければ困難にし得る。これらのカバーはまた、類似して、カバーからの干渉又はコンピューティングデバイスへの望ましくない接続に起因して、コンピューティングデバイスに接続された電子アクセサリの使用を阻止する。ポータブルコンピューティングデバイス、カバー、及びこれらのシステムの関連する部品における改善の必要性が常にある。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様は、後側を有する筐体と、電子デバイスに接続するための第1の電気コネクタと、筐体の後側上にあり、筐体に対して後方向に第3の電気コネクタに嵌合するように構成された第2の電気コネクタであって、第2の電気コネクタが、第1の電気コネクタと電気通信する、第2の電気コネクタと、後方向での筐体の移動に応答して、筐体を、筐体の後側の外部に位置決めされた第2のマウントコネクタに嵌合するためのマウントコネクタと、を含む、ポータブル電子デバイスのための拡張ハブに関する。マウントコネクタが第2のマウントコネクタに嵌合された状態で、第2の電気コネクタは、第3の電気コネクタと電気通信することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、拡張ハブ筐体は、電子デバイスの背面を囲むように構成され得、第1の電気コネクタは、後方向に垂直な方向に電子デバイスに係合するように構成されており、マウントコネクタは、付勢されたラッチを使用して第2のマウントコネクタに嵌合するように構成されており、第2の電気コネクタは、少なくとも1つの付勢されたピンを使用して第3の電気コネクタに嵌合するように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、筐体は、電子デバイスの後側を囲むように構成されたカバー内に位置決めされ得る。カバーは、後部ケーシング及び前部ケーシングを含み得、筐体は、後部ケーシングと前部ケーシングとの間に位置決めされている。筐体は、カバーから可逆的に着脱可能であり得る。マウントコネクタは、マウントコネクタを第2のマウントコネクタに磁気吸引するための磁気構成要素を含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、拡張ハブは、デバイスハブと、アクセサリ電気コネクタと、を更に含み得、第1の電気コネクタ、第2の電気コネクタ、及びアクセサリ電気コネクタは、デバイスハブによって互いに電気通信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アクセサリ電気コネクタは、筐体の外部の周辺に位置決めされ得る。拡張ハブはまた、アクセサリ電気コネクタに電気的に接続された第1の位置と、アクセサリ電気コネクタから電気的に接続解除された第2の位置との間で、アクセサリ電気コネクタに対して移動可能なアクセサリデバイスを更に含むことができる。更に、第1の電気コネクタは、後方向に垂直な方向に沿って電子デバイスに接続するように構成され得る。
【0009】
本開示の別の態様は、電子デバイスのためのケースであって、ケースが、電子デバイスの電気接点に係合するための第1のケース電気コネクタと、ケースから後方向に面し、第1のケース電気コネクタと電気通信する第2のケース電気コネクタと、第2のケース電気コネクタと電気通信する第3のケース電気コネクタと、第1のケースラッチ部分と、第2のケースラッチ部分と、を含む、ケースを含むモジュラ電子デバイスシステムに関する。システムはまた、第1のケースラッチ部分に取り外し可能に接続可能なアームラッチ部分を有するアーム部分と、電源に接続するための第1の基体電気コネクタと、アーム部分上に位置決めされており、第1の基体電気コネクタと電気通信する第2の基体電気コネクタと、を含む、支持基体を含むことができる。システムはまた、第2のケースラッチ部分に取り外し可能に接続可能なアクセサリラッチ部分と、第3のケース電気コネクタに電気的に接続するように構成された電子コンポーネントと、を含む、アクセサリデバイスを含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、システムは、デバイスアダプタを更に含むことができ、デバイスアダプタは、前側及び後側を有する筐体と、前側上にあり、第2のケース電気コネクタに電気的に係合するように構成された第1のアダプタ電気コネクタと、後側上にあり、第2の基体電気コネクタに電気的に係合するように構成された第2のアダプタ電気コネクタと、第1のアダプタ電気コネクタ及び第2のアダプタ電気コネクタのうちの少なくとも1つとの電気通信を提供するためのアクセサリポートと、を含む。デバイスアダプタは、ケースと支持基体との間に位置決め可能であり得、第1のアダプタ電気コネクタは、第2のケース電気コネクタに電気的に係合し、第2のアダプタ電気コネクタは、第2の基体電気コネクタに電気的に係合する。
【0011】
第1のケースラッチ部分は、後方向に並列な第1のケースラッチ部分の移動によって、アームラッチ部分とブラインド嵌合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、システムは、支持基体へのケースの取り付けを検出するためのセンサを更に含むことができる。第1のケースラッチ部分及びアームラッチ部分は、ロック状態とアンロック状態との間で調節可能であり得、ロック状態では、ケースは、アーム部分にロックされており、アンロック状態では、ケースは、後方向が実質的に水平である状態で、アーム部分によって吊り下げられている。
【0012】
本開示の更に別の態様は、筐体内に位置決めされており入力ポートを有するタッチスクリーンインタフェースを有するコンピューティングデバイスと、筐体の少なくとも背面を囲むように構成されたカバーと、カバー内に位置決めされたハブと、を含む、タブレットコンピューティングシステムに関する。ハブは、コンピューティングデバイスの入力ポートに接続された第1の電気コネクタと、カバーの縁部において露出した第2の電気コネクタと、を含むことができ、アクセサリデバイスは、第2の電気コネクタとの接触を介して入力ポートに電気的に接続可能である。
【0013】
いくつかの実施形態では、システムは、機械的接続インタフェースを第2の電気コネクタにおいて更に含むことができ、機械的接続インタフェースは、アクセサリデバイスに取り付け可能である。第2の電気コネクタは、電力をアクセサリデバイスに提供するように構成され得る。カバーは、コンピューティングデバイスとハブとの間に位置決めされたパネルを更に含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示は、同様の参照番号が同様の構造的要素を指定する添付の図面と共に、以下の詳細な説明によって、容易に理解されよう。
【0015】
【
図1】モジュラ電子デバイスシステムの分解斜視図である。
【0016】
【
図2】電子デバイスのためのカバーの分解斜視図である。
【0017】
【
図3】モジュラ電子デバイスシステムにおける使用のための1組のコネクタデバイスの概略側面断面図である。
【0018】
【
図4】モジュラ電子デバイスシステムにおける使用のためのアクセサリデバイス及びカバーの概略斜視断面図である。
【0019】
【
図5A】モジュラ電子デバイスシステム構成要素の様々な構成及び組み合わせを概略的に示す。
【
図5B】モジュラ電子デバイスシステム構成要素の様々な構成及び組み合わせを概略的に示す。
【
図5C】モジュラ電子デバイスシステム構成要素の様々な構成及び組み合わせを概略的に示す。
【
図5D】モジュラ電子デバイスシステム構成要素の様々な構成及び組み合わせを概略的に示す。
【
図5E】モジュラ電子デバイスシステム構成要素の様々な構成及び組み合わせを概略的に示す。
【0020】
【
図6】
図1のモジュラ電子デバイスシステムの電子コンポーネントのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ここで、添付の図面に示す代表的な実施形態について、詳細に説明する。以下の説明が、実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することは意図されていないことを理解されたい。反対に、以下の説明は、添付の特許請求の範囲により定義されている記載の実施形態の精神及び範囲に含まれ得る、代替形態、修正形態及び均等物を包含することが意図されている。
【0022】
以下の本開示は、ポータブルコンピューティングデバイスと、カバー、スタンド、拡張デバイスハブ、及びコンピューティングデバイス又はカバーに搭載可能なアクセサリとの間のより円滑及びより直感的な、シームレスな、耐久性のある、適応可能なインターフェイシングを可能にすることができるモジュラ電子デバイスシステムに関する。例示的な実施形態では、モジュラ電子デバイスシステムは、電子デバイスのためのケース又はカバーを含むことができ、ケースは、電子デバイスと電気的に接触して係合する電気コネクタと、ケースから後方向に面する(すなわち、ケースの背面に垂直な方向又は電子デバイスの背面に垂直な方向に面する)電気コネクタと、ケースを支持基体アーム又はアクセサリデバイスに取り付けるための、ケース上のラッチ部分と、を含む。
【0023】
支持基体は、ケースのラッチ部分に取り外し可能に接続可能であり得、ケースによって埋め込まれた又はケースによって保持された電気コネクタを介して電子デバイスを充電するために使用される電源などの電源への電気的接続を提供することができる。アクセサリデバイスは、ラッチ部分を含むことができ、ラッチ部分は、ケースのラッチ部分に取り外し可能に接続可能であり、ケース上の電気コネクタに電子的に接続され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、電子デバイスは、電子デバイスをケースから除去する必要なく、かつ感度のあるプラグを電子デバイスの側部又は端部において接続及び接続解除する必要なく、支持基体及びアクセサリデバイスから容易に取り付け可能及び取りはずし可能でありつつ、ケースによって保護され得る。したがって、電気コネクタがケース上にあり後方向に面する状態で、ケースは、アームラッチ部分がケース上の後向き電気コネクタに面する状態で、支持基体に搭載され得る。この向きは、容易な搭載のために、ユーザがケースを支持基体アームに取り付けるように押す動きを行うことを可能にする。換言すれば、ユーザは、ユーザインタフェースの前部がユーザの顔に面する状態で、電子デバイスを保持することができ、この向きにある間に、電子デバイス又はケースの後ろを見る必要なく、アームの搭載部にラッチするために電子デバイスを後方向に移動させることができる。加えて、ケースのスタンドラッチ部分は、ケースをケースの後部の中央において支持することができ、このため、ケースは、アーム/スタンドによって支持されているため、ケース及びケース内のいずれの電子デバイスは、均衡が保たれる。
【0025】
アクセサリデバイスは、モジュール式でケースから取り付けられ得及び取りはずされ得、同時に、ケースを貫通して延びる電気コネクタとの電気通信から取り付けられ得及び取りはずされ得、このため、電力及び情報は、アクセサリデバイスとケース内に位置決めされた電子デバイスとの間で交換され得る。アクセサリデバイスは、クレジットカードリーダ、光センサ、アンテナ、レーザスキャナ、酸素センサ、空気センサ、プリンタ、関連するデバイス、及びこれらの組み合わせなどのデバイスを含むことができる。
【0026】
本開示の別の態様は、後側を有する筐体と、電子デバイスに接続するための第1の電気コネクタと、筐体の後側上にあり、筐体に対して後方向に第3の電気コネクタに嵌合する又は搭載するように構成された第2の電気コネクタと、を含む、ポータブル電子デバイスのための拡張ハブに関する。第2の電気コネクタは、第1の電気コネクタと電気通信することができる。ハブはまた、後方向での筐体の移動に応答して、筐体を、筐体の後側の外部に位置決めされた第2のマウントコネクタにブラインド嵌合するためのマウントコネクタを含むことができる。
【0027】
マウントコネクタが第2のマウントコネクタに嵌合された状態で、第2の電気コネクタは、第3の電気コネクタと電気通信することができる。したがって、拡張ハブは、電子デバイスへの電気的接続、及びハブのハウジングの後部へある外部(すなわち、第3の)電気コネクタへの電気的接続を提供することができる。例えば、第1の電気コネクタは、ポータブル電子デバイスの電気インタフェースにプラグで接続することができ、又はそうでなければ接続することができ、第2の電気コネクタは、スタンド、アクセサリ、又は追加の拡張ハブなどの別個のデバイスの電気インタフェースにプラグで接続することができる、又はそうでなければ接続することができる。
【0028】
第2の電気コネクタの後部位置決めは、別個のデバイスへの接続を確立するため、第2の電気コネクタの後部位置決めは、拡張ハブが後方向に移動することを可能にすることができる。このようにして、拡張ハブを使用する人は、コネクタが別個のデバイスに搭載されるときにコネクタを見る必要なく、別個のデバイスへの電気的接続を行うことができる。更に、拡張ハブがポータブル電子デバイスのためのケース又はカバー内に一体化された状態で、ユーザは、電子デバイス又はカバーの側を保持することができ、電子デバイス及びカバーを別個のデバイスに搭載するために、電子デバイスを後方向に(すなわち、デバイス又はハブの後側に垂直に延びる方向に沿って)移動させることができる。電子デバイス及びカバーがこのようにして移動する間に、拡張ハブのマウントコネクタは、第2のマウントコネクタと「ブラインド嵌合」することができ、ブラインド嵌合において、部品を別個のデバイス上に機械的にラッチ、磁気的に係合、又はそうでなければ固定又はロックし、ユーザがデバイスの前側に位置決めされており、後側上のコネクタがユーザに可視でない(すなわち、ユーザが、これらの嵌合に視覚的に「ブラインド」である)間に、互いの係合を拡張し、互いにインターロックし、又は引力を互いに提供する。いくつかの構成では、拡張ハブは、付勢されたラッチシステムを使用して第2のマウントコネクタと嵌合するマウントコネクタを有することができ、第2の電気コネクタは、少なくとも1つの付勢されたピン(例えば、ポゴピン)又は他の付勢された部材又は導電体を含むインタフェースを使用して第3の電気コネクタと接続する(meet with)ことができる。付勢されたラッチシステムは、ラッチが最初にアンロックされたときに、電子デバイス及びカバーがスタンドから意図せずに落下するのを防止する特徴を有することができる。
【0029】
本明細書に開示のモジュラシステムのようなモジュラシステムは、広範囲の異なる構成をとることができ、これらの構成に基づいて、モジュールは、所与の時間にシステムに接続されている。例えば、システムは、電子デバイス、ケース、アクセサリハブ又はデバイスアダプタ、スタンド、及び1つ以上のアクセサリデバイスを含むことができる。別の例では、システムは、電子デバイス、ケース、及びスタンドを含むことができる。別の例では、システムは、電子デバイス、ケース、及びアクセサリハブを含むことができる。1つ以上のアクセサリは、異なるタイプの拡張を新しいセンサ、バッテリ、記憶デバイス、及び他の有用な構成要素を介して提供するために、他の構成要素に補足として追加され得る。電子デバイス及びケースは、スタンドに直接搭載されている間に、又はデバイスアダプタがケースとスタンドとの間に位置決めされている間に、使用され得、いずれの状況においても、電力又はデータは、電子デバイス、スタンド、及び/又はケース、電子デバイス、若しくはデバイスアダプタに接続されたアクセサリとの間で交換され得る。したがって、モジュラシステムは、スタンドに搭載されている間に、又はスタンドから接続解除されている及びスタンドから分離されている間に、使用され得る。
【0030】
これらの実施形態、及び他の実施形態について、図面を参照して以下に説明する。しかしながら、これらの図に関する本明細書に記載の詳細な説明は、説明のためのみであり、限定するとして解釈されるべきでないことが、当該技術分野に精通している者には容易に理解されよう。更に、本明細書で使用される場合、第1の選択肢、第2の選択肢、又は第3の選択肢のうちの少なくとも1つを含むシステム、方法、物品、構成要素、特徴、又はサブ特徴は、システム、方法、物品、構成要素、特徴、又はサブ特徴が、列挙された選択肢のそれぞれを1つ(例えば、第1の選択肢を1つのみ、第2の選択肢を1つのみ、又は第3の選択肢を1つのみ)含むことができ、単一の列挙された選択肢を複数(例えば、第1の選択肢を2つ以上)含むことができ、同時に2つの選択肢(例えば、第1の選択肢を1つ、第2の選択肢を1つ)含むことができ、又はこれらの組み合わせを(例えば、第1の選択肢を2つ、第2の選択肢を1つ)含むことができることを指すとして理解されるべきである。
【0031】
図1は、モジュラ電子デバイスシステム100の実施形態の分解図を示す。システム100は、電子デバイス104のためのカバー102を含むことができる。カバー102は、スタンド106に又はデバイスアダプタ108(すなわち、拡張ハブ又はモジュラアクセサリハブ)に搭載可能であることができ、デバイスアダプタ108はまた、スタンド106に搭載可能であることができる。カバー102は、アクセサリデバイス110(例えば、カードリーダ)に取り付け可能及び電気的に接続可能であることができ、デバイスアダプタ108は、第2のアクセサリデバイス112に取り付け可能及び電気的に接続可能であることができる。スタンド106は、追加の電子コンポーネント114に取り付け可能及び電気的に接続可能であることができる。システム100において図に示すデバイスは、様々な異なる集合及び組み合わせで接続及び使用され得る。例えば、
図5A~
図5E、及び本明細書の
図5A~
図5Eの関連する説明を参照されたい。したがって、いくつかの実施形態では、システム100は、カバー102、電子デバイス104、及びアクセサリデバイス110を含むことができる。別の実施形態では、システム100は、カバー102、電子デバイス104、及びスタンド106を含むことができる。類似して、システム100は、カバー102、電子デバイス104、スタンド106、及びデバイスアダプタ108を含むことができる。代替として、システム100は、カバー102、電子デバイス104、及びデバイスアダプタ108(及び任意選択で、アクセサリデバイス110及び/又は112)を含むことができる。
【0032】
電子デバイス104は、例えば、タブレットコンピュータ、スマートフォン、オールインワンコンピュータ、リモート端末、リモートコントロール、類似のデバイス、及びこれらの組み合わせなどのコンピューティングデバイスであることができる。電子デバイス104は、独立して動作可能なデバイスであることができ、このデバイスにおいて、ユーザは、電子デバイス104がモジュラ電子デバイスシステム100の残りの部分から分離されている間に、電子デバイス104のディスプレイ及び入力装置と対話することができる。例えば、電子デバイス104は、タブレットコンピュータであることができ、タブレットコンピュータは、タブレットコンピュータ自体のオンボードプロセッサ(例えば、中央処理装置114(Central Processing Unit、CPU))、メモリデバイス116(例えば、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM))、電子記憶デバイス118(例えば、HDD又はSSD)、電源120(例えば、バッテリ)、筐体122、ディスプレイスクリーン124(例えば、LCD)、入力装置126(例えば、LCDのためのタッチスクリーン層)、ボタン128、オーディオ出力機器130(例えば、スピーカ)、カメラ、電子通信及び/又は電力の入力及び/又は出力のための少なくとも1つの電子ポート132(例えば、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ポート)、電子コンポーネントを互いに接続する電子バス134、電子バス134に及び入力装置に接続された入力装置アダプタ136、電子バス134に及び出力装置に接続された出力装置アダプタ138、並びに当該技術分野で知られている類似のコンピュータ構成要素及び要素を有する。これらのデバイスのいくつかは、
図1に概略的に示されている。
【0033】
電子デバイス104は、ディスプレイ124及びメインユーザインタフェースがそれを介して示されている前面138と、前面138の反対側に位置決めされており、ディスプレイ124に直接面しているユーザとは反対側を向くように構成された背面140と、を有することができる。したがって、背面140は、電子デバイス104の背面140に垂直である後向き方向142にユーザとは反対側を向くことができる。
【0034】
カバー102は、筐体122に追加されている、電子デバイス104のための可逆的に着脱可能な(すなわち、非破壊的に着脱可能であり、接着剤を有さない)ケース、スキン、又はプロテクタと称され得る。カバー102は、後部分144を有することができ、後部分144は、電子デバイス104の背面140に重なり、少なくとも部分的に覆う又は囲むように構成されている。いくつかの実施形態では、後部分144は、背面140の全て、又は背面140の実質的に全て(例えば、カメラ133又は別の後向きセンサのための切り欠きを除く背面140の全て)を覆うことができる。したがって、カバー102は、他のオブジェクトが背面140に接触し背面140を損傷する可能性を防止する障壁として作用することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、カバー102は、1つ以上の側壁146、148、150、152を含むことができ、1つ以上の側壁146、148、150、152は、電子デバイス104の側面(例えば、ボタン128がそれを貫通して位置決めされている側、スピーカ130がそれを貫通して露出する側、又は電子ポート132がそれを貫通して位置決めされている側)を少なくとも部分的に包むように構成されている。このようにして、カバー102は、電子デバイス104の複数の側を囲む又は収容することができ、電子デバイス104を、電子デバイス104の側面上の損傷する可能性がある他の露出との衝撃又は接触から保護することができる。また、
図5A~
図5Eのカバー502を参照されたい。いくつかの実施形態では、カバー102は、電子デバイス104及び電子デバイス104のユーザのための追加の耐久性及び保護を提供するために、耐水性、苛性化学物質耐性、又は抗菌性の材料を含むことができる。一部の場合には、カバー102は、容易に清浄化可能な材料を含むことができる。これらの特徴は、病院及び他の健康に関連する汚れた状況において特に有益であり得る。
【0036】
カバー102は、拡張ハブ154を含むことができ、拡張ハブ154は、後部分144の中心に位置決めされており、後部分144の中心から突出する。いくつかの実施形態では、拡張ハブ154は、後部分144の中心点から全幅及び/又は全長の約10%の範囲内で中心に位置決めされ得る。拡張ハブ154は、
図2及び
図3に関連して以下で更に詳細に説明するように、後部電気コネクタ156と、ラッチ又はマウントコネクタ158(例えば、付勢されたラッチ)と、を有することができる。拡張ハブ154はまた、電子デバイス104の電子ポート132と電子的に接触するように構成された電子デバイスコネクタ160を有することができる。例えば、デバイスコネクタ160は、コネクタ160と拡張ハブ154との間の電気通信を確立するためにポート132内に挿入されているプラグを含むことができる。本明細書で使用する場合、2つの部品が、部品間の電力又はデータ信号の転送を提供するように、互いに電気的に接続されているときに、2つの部品は、互いに「電気通信」することができる。いくつかの例では、電気通信は、部品間の電気接点を介する、例えば、互いに係合する導電性構造体などによる電気通信であり得る。いくつかの例では、電気通信は、無線電気ペアリング又は交換を介して、例えば、電力を提供する一対の誘導コイルによって、又は無線データ通信アンテナ/送受信機によってなどで提供され得る。いくつかの構成では、デバイスコネクタ160は、後方向に垂直な方向に電子デバイスに係合することができる。例えば、コネクタ160は、方向142に垂直な軸に並列な電子デバイス104との接続(例えば、プラグでの接続)を行うように構成され得る。
【0037】
カバー102はまた、複数の外周縁部(例えば、162、164)を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらの外周縁部は、単に、電子デバイス104を囲むために使用される材料の一部分であるが、いくつかの実施形態では、1つ以上の外周縁部は、アクセサリコネクタ(例えば、166、168、170)を含むことができ、アクセサリコネクタは、アクセサリデバイス110を搭載し取り付け、アクセサリデバイス110と拡張ハブ154との間の電気通信を提供する、ように構成されている。したがって、アクセサリコネクタは、電力が供給され拡張ハブ154及びコネクタ160を介して電子デバイス104から信号を提供又は受信するアクセサリデバイスのための電気接点も提供しつつ、カバー102の周辺部品において位置決めされ得、アクセサリデバイスを機械的に搭載することができる。例示的なアクセサリコネクタシステムについて、
図4に関連して以下で更に詳細に説明する。
【0038】
スタンド106は、支持を電子デバイス104及びカバー102に提供し、電子デバイス104及びカバー102を、スタンド106がそれに取り付けられている又はスタンド106がその上に静止している支持面(例えば、テーブル表面、机、又は壁)の上に吊り下げるように構成され得る。例えば、スタンド106及びスタンド106のアーム部分は、カバー102の後方向が実質的に水平である(すなわち、前向き面及び後向き面が垂直である)状態で、ケース又はカバーを吊り下げることができる。したがって、スタンド106は、システム100の1つ以上のモジュラ構成要素を支持する支持デバイス、支持面へのシステム100のモジュラ構成要素の取り付けのための「ホーム」又はベース場所を提供するように構成されたベースステーションと称され得る。
【0039】
スタンド106は、垂直ビーム174及びベース部分176から延びるアーム部分172を含むことができる。アーム部分172の遠位端178は、拡張ハブ154の後部電気コネクタ156への又はデバイスアダプタ108の後部電気コネクタへの電気的接続を確立するためのアーム電気コネクタを含むことができる。例えば、
図3の接続システム及び接続システムの関連する以下の説明を参照されたい。アーム部分172は、ヒンジ180を含むことができ、ヒンジ180は、水平旋回軸182を中心にして遠位端178を旋回させることなどによって、垂直ビーム174に対して遠位端178を旋回させるように構成されている。いくつかの実施形態では、アーム部分172は、垂直旋回軸183を中心にしてベース部分176に対して旋回することができる。加えて、一部の場合には、遠位端178は、遠位端178が、矢印181で示すように、第1の向き(例えば、横向き)と第2の向き(例えば、横向きに対して90度回転した縦向き)との間で旋回することを可能にすることなどによって、ヒンジ180に対して回転することができる。したがって、接続されたカバー102及びデバイスアダプタ108はまた、遠位端178に接続されつつ、これらの回転した位置の間で回転することができる。
【0040】
追加の電子コンポーネント114は、システム100のための外部デバイス又は電源への接続を提供することができる。したがって、いくつかの実施形態では、追加の電子コンポーネント114は、ベース部分176を電力グリッド又は他の電源に接続するプラグ又はコードであり得る。いくつかの実施形態では、電力バンク(例えば、バッテリ)又は他の電子コンポーネント(例えば、電子記憶デバイス又は補助デバイスコネクタハブ)を含むことができ、電力バンク又は他の電子コンポーネントは、ベース部分176は、電子デバイス104の能力を補足又は追加するように構成されており、したがって、アーム部分172の遠位端178を介して電子デバイス104に接続されている。
【0041】
デバイスアダプタ108は、デバイスハブと称され得る。デバイスアダプタ108は、カバー102に搭載可能であり、デバイスアダプタ108上の前向き電気コネクタを使用して後部電気コネクタ156に電気的に接続することができる。(例えば、
図5Bを参照されたい)。デバイスアダプタ108はまた、後部電気コネクタ184と、カバー102に追加されたときにカバー102の能力を拡張するように構成されたデバイスハブと、を含むことができる。したがって、デバイスアダプタ108は、カバー102及びデバイスアダプタ108を介する(例えば、スタンド106から)電子デバイス104への電力及び電子通信の転送のための後部電気コネクタ156から後部電気コネクタ184へのパススルー接続を提供することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、モジュールハブ(例えば、USBデバイスハブ)は、アクセサリ(例えば、112)及びスタンド106からカバー102への電力及びデータの提供を管理するために、デバイスアダプタ108内に位置決めされ得る。デバイスアダプタ108のデバイスハブは、デバイスアダプタ108の前向き電気コネクタ及び後向き電気コネクタに接続され得、デバイスアダプタ108を介する電力及びデータ接続の転送を制御することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、デバイスアダプタ108は、アクセサリ(例えば、110、112)と結合しアクセサリをデバイスアダプタ108に電気的に接続するように構成された1つ以上の周辺又はアクセサリ接続ポート、プラグ、ピン、又は搭載位置(例えば、ラッチ部分186)を含む。したがって、ラッチ部分186は、デバイスハブへの電気的接続、及びデバイスハブを介する前向き電気コネクタ及び後向き電気コネクタへの電気的接続を含むことができる。このようにして、電子デバイス104は、デバイスアダプタ108に取り付けられたアクセサリからの信号を交換、送信、又は受信することができる。
【0044】
カバー102へのデバイスアダプタ108の追加は、カバー102のみと比較して、アクセサリのための取付点の全数又は接続タイプを増加させることができる。例えば、デバイスアダプタ108上のアクセサリへの接続のためのプラグ又はソケットは、異なるタイプであることができ(例えば、一方向データ転送対双方向データ転送、オーディオ対ビデオ、VGAディスプレイポート対HDMIディスプレイポートなど)、又はカバー102よりも異なる電力レベル若しくは互いに対して異なる電力レベルを提供することができる。いくつかの実施形態では、カバー102は、アクセサリコネクタを欠き、したがって、デバイスアダプタ108の追加は、電子デバイス104の能力のアクセサリ拡張の可能性を導入する。更に、いくつかの実施形態では、デバイスアダプタ108は、一体化された構成要素(例えば、バッテリ、カメラなど)を含むことができ、一体化された構成要素は、システム100に取り付けるためにラッチ部分186を使用するのではなく、デバイスアダプタ108自体の一体化された部品であり、デバイス104がカバー102内に搭載されておりデバイスアダプタ108がカバー102に搭載されているときに、デバイスアダプタ108及びカバー102を介して電子デバイスによって使用可能である。
【0045】
アクセサリデバイス110、112は、入力装置(例えば、センサ、温度計、キーパッド、バーコードスキャナ、磁気ストライプ又はチップリーダなど)、出力装置(例えば、ライト、測距放射装置、プリンタ、外部デバイスコントロール、ディスプレイ又はディスプレイ接続など)、電子記憶構成要素(例えば、フラッシュメモリ)、エネルギー蓄積デバイス(例えば、バッテリ)、類似のデバイス、及びこれらの組み合わせを含むことができる。アクセサリデバイス110、112は、カバー102、デバイスアダプタ108、又はいずれか1つに、交換可能に取り付け可能である。したがって、いくつかの実施形態では、カバー102及びデバイスアダプタ108上の搭載位置又はラッチ位置は、搭載位置又はラッチ位置の取り付け機構及び電気的接続において一貫することができ、このため、デバイス(例えば、カードリーダアクセサリ110)は、カバー102又はデバイスアダプタ108に交換可能に搭載され得る。いくつかの実施形態では、カバー102及びデバイスアダプタ108は、異なる種類の接続点を提供することができ、このため、異なる種類のアクセサリは、ユーザの必要性に基づいてシステム100に接続され得る。
【0046】
アクセサリデバイス110、112は、概して、電子デバイス104、カバー102、及びデバイスアダプタ108と共にポータブルであるように構成され得、このため、システム100へのアクセサリデバイス110、112の追加は、ユーザに(例えば、アクセサリ110が別の外部デバイスへのチェーン又はコードを含む場合にあるように)強いて静止させて留まらせない又は限定された範囲の近隣の場所に強いて留まらせない。加えて、アクセサリ110、112は、電力を電子デバイス104から又はシステム100に接続された他の電力供給アクセサリから引き出すように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態では、アクセサリ110、112は、動作するためにアクセサリ110、112自体の内部電源(例えば、アクセサリ110、112自体のバッテリ)を必要としないことがある。更に、アクセサリ110、112は、有線接続(例えば、カバー102を貫通する)を介する又は無線接続による(例えば、当該技術分野で知られている無線通信システム及びプロトコル(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、RFID、WI-FI(登録商標)、赤外線送受信機、高周波送受信機など)を介する)電子デバイス104との電子通信を確立するように構成され得る。
【0047】
アクセサリデバイス110、112は、電子デバイス104が個々のユーザ又は企業ユーザの必要性に依存して新しい機能及び能力を担うことを可能にすることによって、モジュール式のカスタマイズ可能性及び調節可能性をシステム100に提供する。更に、アクセサリは、ユーザがシステム100を新しい目的及び設定に経時的に適応させることを可能にするために、変更又は交換され得る。例えば、第1の1組のアクセサリデバイスは、最初に、電子デバイス104によって使用され得、状態の変更が検出され得、次いでユーザは、電子デバイス104のための第2の1組のアクセサリデバイスを定義及び使用するために、アクセサリデバイスを第1の1組のアクセサリデバイスから交換、追加、又は除去することができる。
【0048】
図2は、カバー200の例示的な実施形態を示す。カバー200は、上記のカバー102の特性及び特徴を有し、カバー200の特性及び特徴は、カバー102において使用される。カバー200は、分解図に示されており、カバー200は、後部筐体202(すなわち、後部ケーシング)、拡張ハブ204、及び前部筐体206(すなわち、前部ケーシング)を含む。いくつかの実施形態では、後部筐体202(すなわち、後部ケーシング)及び前部筐体206(すなわち、前部ケーシング)は、単一の部品として一体的に形成され得、拡張ハブ204は、この単一の部品に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、拡張ハブ204は、後部筐体202及び前部筐体206内に形成され(例えば、同時成形され)得、これにより、拡張ハブ204を筐体の他の部品の中に一体化し、拡張ハブ204の部品を筐体部分の表面及び保護内に埋め込む。
【0049】
拡張ハブ204は、第1の電気コネクタ210に電気的に接合された中央筐体208を含むことができる。中央筐体208の後側は、筐体208上に位置決めされた複数の電気接点又はピンを含む第2の電気コネクタ212を含むことができる。中央筐体208はまた、後方方向での(すなわち、軸Zに沿う)中央筐体の移動に応答して、中央筐体208を、中央筐体の後側の外部に位置決めされた第2のマウントコネクタに嵌合するためのマウントコネクタ214を含むことができる。例えば、第2のマウントコネクタは、スタンド106の遠位端178上、又はデバイスアダプタ108の前向き面上に位置決めされ得る。
図2に示す実施形態では、マウントコネクタ214は、図式的に示す2つの細長い長方形を含み、2つの細長い長方形は、中央筐体208の外部の第2のマウントコネクタのそれぞれのラッチ又は開口部に接続するように構成された開口部又はラッチを表す。中央筐体208はまた、デバイスコントローラ又はハブモジュールを収容するように構成され得、デバイスコントローラ又はハブモジュールは、中央筐体208から離間するが中央筐体208に電気的に接続し戻されているアクセサリ搭載部216、218、220における任意選択の周辺アクセサリへの接続を管理するように構成されている。また、
図6及び本明細書の
図6の関連する説明を参照されたい。アクセサリ搭載部216、218、220は、筐体208の外部の周辺に位置決めされ得る。
【0050】
中央筐体208は、後部筐体202の後側222の中央における開口部220内に位置決めされ得、このため、第2の電気コネクタ212及びマウントコネクタ214は、後部筐体202を貫通して露出しアクセス可能である。アクセサリ搭載部216、218、220は、アクセサリ(例えば、110、112)が便利に保持及び使用され得るカバー200の部分内に位置決めされた構造体である。いくつかの実施形態では、アクセサリ搭載部216、218、220は、後側222の周縁部に沿って開口部224、226、228内に位置決めされていることなどによって、後部筐体202の背面222の縁部内で中心に位置決めされている。開口部224、226、228は、周縁部の周りに少なくとも部分的に延び得、開口部の一部分は、後部筐体202の後側上にあり、開口部の第2の部分は、後部筐体202の側面230、232、234を貫通して形成されている。このようにして、少なくとも1つのアクセサリ搭載部(例えば、218)は、横方向(例えば、側面232を貫通して)及び後方に(例えば、後側222を貫通して)開く凹み(例えば、236)を画定することができる。換言すれば、凹み236は、側面222、232のそれぞれ内に切り込む開口部225の形状に起因して、及び類似の形状を有する凹み236に起因して、側面232を貫通して及び後側222を貫通してアクセス可能であり得る。したがって、アクセサリデバイスは、側面(例えば、232)に垂直に延びる方向に並列するアクセサリ搭載部(例えば、218)内に及び開口部(例えば、226)内に挿入され得る。これは、アクセサリデバイスが、凹み(例えば、236)内のトラック又は溝を使用して、設置されるのを可能にすることができ、トラック又は溝は、デバイスをアクセサリ搭載部(例えば、218)上の所定の位置内に案内又は自動的に位置合わせし、デバイスが取り付けられている間にアクセサリ搭載部から落下するのを防止する。例えば、
図4及び
図4の関連する接続システム400を参照されたい。
【0051】
凹み236内のアクセサリデバイスはまた、開いた後部分を有する開口部(例えば、226)に起因して、後方向に露出することができる。この後部露出は、凹み236に搭載されたときに後側222から少なくとも部分的に突出することなどによって、アクセサリデバイスがカバー202又は凹み236よりも後方向に厚いことを可能にするのに有利であり得る。増加した厚さは、バッテリ、バーコードスキャナ、可動部品を有するデバイスなどの大きなアクセサリデバイスと共に使用され得る。加えて、センサ又は出力装置(例えば、二次カメラレンズ又はフラッシュ)は、アクセサリデバイスの後側上に露出することができ、開口部(例えば、226)の後部を貫通してアクセス可能又は可視であることができ、このため、センサ又は出力装置は、必ずしも側面(例えば、232)又は後側222から突出する必要なく、センサ又は出力装置の入力を受信することができ、又はセンサ又は出力装置の出力を提供することができる。
【0052】
第1の電気コネクタ210は、後部筐体202の一部分内に位置決めされ得、デバイス104がカバー200に搭載されたときに電子デバイス104上のコネクタと位置合わせ及び接続されるように構成され得る。例えば、第1の電気コネクタ210は、支持部分238と、支持部分238によって支持及び保護されたコネクタプラグ240と、を含み得る。支持部分238は、コネクタプラグ240がコネクタプラグの捻れ又は曲がりに起因して損傷されることを、コネクタプラグ240が電子デバイス104内に挿入されている間にプラグを電子デバイス104に対して部分的に取り囲み支える(brace)ことによって防ぐことができる。これは、後部筐体202が、少なくとも部分的に弾性の材料から作製されており、そうでなければ、コネクタプラグ240が電子デバイス104内にある間に、コネクタプラグを保護するために、剛性筐体を提供しないときに、有益であり得る。
【0053】
第1の電気コネクタ210及びアクセサリ搭載部216、218、220はそれぞれ、可撓性ケーブル242、244によって拡張ハブ204の中央筐体208に接続され得る。可撓性ケーブル242は、中央筐体208の対向する側上に位置決めされ得(可撓性ケーブル242がカバー200の縁部までの最小の長さを有することを可能にする)、後部筐体202内のワイヤ案内チャネル又は凹みを貫通して送られてもよく、又は後部筐体202に共成形されてもよく、接着されてもよく、若しくはそうでなければ取り付けられてもよい。ケーブル242、244の可撓性は、カバー200の製造業者が、第1の電気コネクタ210及びアクセサリ搭載部216、218、220を、第1の電気コネクタ210及びアクセサリ搭載部216、218、220がカバー200内で必要とされる場所に位置決めすることを可能にすることができる。例えば、電子デバイス104のサイズ及びレイアウトが、製品サイクルにわたる特徴の変更(例えば、カメラ133、ボタン128、スピーカ130の位置又はサイズ、筐体122のサイズなどの変更)に起因して、経時的に変更される場合に、カバー製造業者は、既存の拡張ハブ204を使用することと、新しい電子デバイス104を収容するために(例えば、新しい電子デバイス104がリリースされたときに再位置決めされているスピーカ130を覆うことなく、アクセサリ搭載部216、218、220を新しいカバー内に位置決めするために)必要に応じて、第1の電気コネクタ210及び開口部220、224、226、228の位置を単に変更すること、とによって、これらの変更に適応することが可能である。
【0054】
加えて、アクセサリ搭載部216、218、220の数は、製造業者によってカスタマイズされ得、(ゼロを含む)任意の数のアクセサリ搭載部が、カバー200内で使用され得る。いくつかの実施形態では、3つのアクセサリ搭載部が、第1の電気コネクタ210によって占有されていない電子デバイス104の側のそれぞれ上のアクセサリ搭載部へのアクセスをユーザに提供するために使用される。いくつかの実施形態では、1つ以上のアクセサリ搭載部は、第1の電気コネクタ210と同じ側上で使用され得る。いくつかの実施形態では、複数のアクセサリ搭載部は、後部筐体202の単一の側又は縁部上で使用され得る。カバー200のこのカスタマイズは、アクセサリ搭載部のそれぞれについて、可撓性ケーブル242、244、及び中央筐体208への可撓性ケーブル242、244の接続性(又は中央筐体からの接続解除性)によって少なくとも部分的に可能にされる。
【0055】
前部筐体206は、後部筐体202の前向き面及び拡張ハブ204の前向き面を覆うように、後部筐体202及び拡張ハブ204の前側上に位置決めされ得る。したがって、カバー200及び電子デバイスのエンドユーザは、カバー200全体を単一のユニットとして使用することができ、拡張ハブ204の配線及び電子コンポーネントは、審美的に隠され得、また、露出に起因する損傷から保護され得る。したがって、前部筐体206は、カバー200を前部から見たときに、中央筐体208及びケーブル242、244を隠すことができる。前部筐体206は、電子デバイス104を引っ掻くことなく又は電子デバイス104に傷をつけることなくデバイスの背面に接触するように構成された柔軟な従順性の傷をつけない材料、例えば、フェルト、ファブリック、発泡体、ベルベット、軟質プラスチック、皮革、類似の材料、及びこれらの組み合わせなどを含むことができる。前部筐体206の例示的な位置決めは、
図5Aの前部筐体534内に示されている。前部筐体206は、(
図5Aに示すように)後部筐体202が前部筐体202の側を覆う状態で後部筐体202内に嵌合するようになされた幅、長さ、及び深さ寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、前部筐体206は、後部筐体202の幅及び長さ寸法の全て又は実質的に全てを覆うようになされた前部筐体206の寸法を有することができる。この場合、後部筐体202は、介在する前部筐体206に起因して電子デバイスに接触することが防止され得る。
【0056】
更に、
図2は、カバー200内に位置決めされるように構成された拡張ハブ204を示すが、拡張ハブ204の態様は、システム100の他のモジュラデバイスにおいて使用され得る。例えば、デバイスアダプタ108は、中央筐体の関連する構成要素を有する中央筐体(例えば、208)と、可撓性ケーブル(例えば、244)と、アクセサリ搭載部自体の前部筐体及び後部筐体内のアクセサリ搭載部(例えば、216、218、220)と、を含むことができる。
図1に示すように、例えば、デバイスアダプタ108は、
図2のアクセサリ搭載部に対応することができる又は異なるタイプのアクセサリと共に使用され得る3つのデバイス接続部186を有することができる(例えば、図に示す雄コネクタは、
図1のデバイスアダプタ108から左方向及び下方向に延び、雌コネクタは、
図1のデバイスアダプタ108から右方向に開く)。
【0057】
デバイスアダプタ108又は類似のモジュラ構成要素において使用される中央筐体208は、後部電気コネクタ184及び前部電気コネクタを含むことができる。例えば、
図5A、
図5B、及び
図5Dのコネクタ538及びコネクタ540を参照されたい。前部電気コネクタは、デバイスアダプタ108が、カバー102/200の後部電気コネクタ212に接続し、これによって、以下で更に説明するように、デバイスアダプタ108と、カバー102/200と、電子デバイス104との間の電気通信のための経路を提供することを可能にすることができる。
【0058】
図3は、カバー102/200、デバイスアダプタ108、及びスタンド106と共に使用可能な電気コネクタ及び機械的ラッチを有する接続システム300の特徴を示す概略側断面図を示す。システム300は、雌コネクタ304に取り付け接続するように構成された雄コネクタ302を有することができる。例示的な実施形態では、雄コネクタ302は、スタンド106上に位置決めされ得、雌コネクタ304は、拡張ハブ204の中央筐体208の後側上に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、雄コネクタ302及び雌コネクタ304の位置決めは逆にされてもよい。更に、デバイス(例えば、デバイスアダプタ108)は、
図5Aのデバイスアダプタ508のように、一方の側(例えば、前側)上の雄コネクタ302と、一方の側の反対側(例えば、後側)の雌コネクタ304と、を含むことができる。
図3は、システム100及びカバー200において実装された特徴を概略的に示す。
【0059】
コネクタ302、304のそれぞれは、他方のコネクタへの一方のコネクタの取り付けの際に、互いに係合するように構成された1組の電気接点306、308を含むことができる。これにより、これらの電気接点306、308は、コネクタ302、304をわたる電気通信を確立することができる。第1の1組の電気接点(例えば、この実施形態では306であるが、別の実施形態では308であってもよい)は、コネクタ302の外面310から少なくとも部分的に離れるように延びるように構成された1組の付勢された部材を含むことができる。例えば、付勢された部材は、他の電気接点(例えば、308)との一貫した接続を確実にするように外面310内に押し下げ可能である1組のポゴピンであり得る。対応する対の接点は、コネクタ302、304内の電気トレース、ワイヤ、又は他の導体を電気的に結合することができる。いくつかの実施形態では、接点306、308は、例えば、プロングを有するプラグ、及びプロングを受容しプロングと電気的に接続するように構成された電気ソケットなどの他の電気コネクタ設計を含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、ピン又は接点の数は、システムの拡張能力に対応する。例えば、一対の接点は、接地のために使用され得、一対は、電力(例えば、1アクセサリデバイスあたり5ワット又は7.5ワットの電力)のために使用され得、一対は、(例えば、電子デバイスとスタンドとの間の)第1のデータストリームのために使用され得、別の対は、(例えば、電子デバイスとアクセサリデバイスとの間の)第2のデータストリームのために使用され得、別の対は、(例えば、電子デバイスとデバイスアダプタアクセサリデバイスとの間の)第3のデータストリームのために使用され得る。したがって、各種実施形態では、接点の数は、モジュラシステムの拡張性に基づいて設計及び最適化され得る。例示的な実施形態では、対の数は、例えば、USB-C又は類似の標準などの標準化されたコネクタシステム内の対の数と一致することができる。したがって、5つの対の接点が、
図3に示されており、8つの組の接点が、
図1及び
図2に示されているが、中央筐体208又はスタンド106上及びコネクタ302、304内に嵌合する任意の数の接点が、使用され得る。いくつかの実施形態では、1組の別個のデータストリーム接続は、アクセサリ搭載部(例えば、216、218、220)のそれぞれのために使用され得、接地接続及び電力接続はまた、搭載部のそれぞれに提供され得る。中央筐体208は、カバー上のアクセサリデバイスへの、スタンド(及びスタンドに取り付けられた又はスタンド内に位置決めされた任意のデバイス)への、及びデバイスアダプタ(及びデバイスアダプタに取り付けられた又はデバイスアダプタ内に位置決めされた任意のデバイス)への電力の分配及びデータストリームの送信を管理するための電子拡張ハブを含むことができる。例えば、
図6の拡張ハブ602を参照されたい。
【0061】
コネクタ302、304のそれぞれの一部分は、コネクタ302、304を互いに機械的にラッチするために使用され得る。この実施形態では、雄コネクタ302は、1組のラッチフック312、314を接点306の側のそれぞれ上に含み、雌コネクタ304は、ラッチフック312、314と位置合わせしラッチフック312、314を受容するように構成された1組の受容するスロット316、318を含む。フック312、314は、第1のラッチ部分及び第2のラッチ部分(例えば、フック312、314が支持アーム上に位置するときに、アームラッチ部分)と称され得、スロット316、318はまた、第1のラッチ部分及び第2のラッチ部分(例えば、スロット316、318がケース又はカバー上に位置するときに、ケースラッチ部分)と称され得る。いくつかの実施形態では、ラッチフック312のうちの1つは、コネクタ302上に静止し、フック314のうちの1つは、コネクタ302に対して移動可能である。したがって、雄コネクタ302が、雌コネクタ304に接近したときに、フック312、314は、静止するフック312がスロット316内に移動し移動可能なフック314がスロット318内に移動したときに、スロット318内に挿入され得る。移動可能なフック314は、フック312、314が、それぞれのスロット316、318の最も外側の部分内に移動したときに、(方向320に沿って)半径方向内向きにたわむことができ、次いで、フック314がスロット318の内側空洞内に挿入されると、付勢デバイス322は、フック314をスロット318内にラッチするために、フック314を半径方向外向き(反対方向320)に付勢することができる。同時に、フック312は、スロット316の内側空洞内に完全に挿入され得る。この位置では、雄コネクタ302は、雌コネクタ304の対応する接点308と電気通信する雄コネクタ302の接点306を有することができる。フック312、314は、フックがスロット316、318内のラッチ面324、326に対して係合することに起因するコネクタ302、304の互いからの意図しない引き抜き又は接続解除を防止することができる。
【0062】
コネクタ302、304が互いに分離される必要があるときに、取りはずしスライド328は、付勢デバイス322の付勢力を克服するように、及びフック314が、ラッチ面326に係合することなく、スロット318から引き抜かれ得る又スロット318外へ摺動し得る位置内にフック314を移動させるように、方向320に並列な方向に移動することができる。したがって、接続システム300の一方の側は、フック312を有する反対側がラッチ面324と係合したままである間に、係合解除され得る。この一方側ラッチ解除システムは、特に電子デバイス、カバー、又は類似の構造体の重量が、機械的にインターロックするフック312、314によって支えられているときに、コネクタ302、304が互いに早期に接続解除するのを防止することを助長することができる。したがって、追加のステップが、コネクタ302、304を互いに完全に接続解除するために必要とされ得、追加のステップにおいて、フック314をラッチ面326と係合していない接続解除位置に移動させた後、フック312を有するコネクタ302は、フック312を、表面324との係合から離れて表面324との係合から外れるように横方向に摺動させることができ、又はフック312を有するコネクタ302は、取り外されたフック314をスロット318外へ枢動させ、次いで、他方のフック312をフック312のスロット316外へ摺動させるように回転することができる。いくつかの実施形態では、両方のフック312は、両方のフック312をスロット316、318のそれぞれ内でたわませるためのそれぞれの付勢デバイス及びスライド328を有することができる。したがって、2つのラッチが、コネクタ302、304を互いに分離するために、ユーザによって同時にたわむ必要があり得る。
【0063】
コネクタ302、304はまた、コネクタ302、304の周辺部又は外側部分の周りに位置決めされるように構成された1組の磁気構造330、332を含むことができる。磁気構造330、332は、互いに磁気吸引され、したがって、コネクタ302、304が互いに近接したときにコネクタ302、304を互いに案内及び固定することを助長するために、吸引磁力をコネクタ間に適用するように構成され得る。いくつかの実施形態では、磁気構造330、332は、永久磁石、電磁石、強磁性材料、類似の構造体、及びこれらの組み合わせを含むことができる。1組の耐久性のある傷をつけない材料層334、336は、コネクタ302、304の係合を和らげることを助長するために、及びコネクタ302、304内の激しく引っ掻く構造体又は傷をつける構造体の係合を防止するために、及び磁気構造330、332の保護を保つために、磁気構造330、332の上を覆うことができる。例えば、材料層334、336は、ゴム、引掻きを最小にする及び/又は引掻きを非恒久的に吸収する自己修復プラスチックなどのゴム引又はプラスチック材料を含むことができ、コネクタ302、304の他の部分は、金属(例えば、アルミニウム)又は互いに対してより容易に引っ掻き若しくは擦れる他の材料を含むことができ、これにより、ガード又はバンパーとしてプラスチック材料層を使用するコネクタよりも快適でないユーザ体験を提供する。
【0064】
磁気構造330、332を含めることはまた、コネクタ302、304が互いにブラインド嵌合することが可能であることを助長することができる。換言すれば、磁気構造330、332は、ユーザがコネクタ302、304の適切な位置合わせを確実にするためにコネクタ302、304を見る必要なく、コネクタ302、304をある距離範囲内で位置合わせするために、磁気構造330、332の互いへの磁気引力を使用することができる。磁気構造330、332は、コネクタが見えない(すなわち、ユーザが「ブラインド」である)場合でも、ユーザの手を案内することができる。この磁気案内力は、フック312、314及びスロット316、318を使用する機械的ラッチと共に、ユーザが自分の触覚を使用し、磁気引力と、スロットに係合するフックと、によって提供された組み合わされた力フィードバックを感じることによって、コネクタ302、304を互いに完全に結合し取り付けることを可能にすることができる。
【0065】
更に、コネクタ302、304は、磁気構造330、332及び磁気構造330、332のカバー材料層334、336を有することができ、磁気構造330、332及び磁気構造330、332のカバー材料層334、336は、接点306、308が、コネクタ302、304が互いに結合されている間に、見える又はアクセスされるのを防止するように、コネクタ302、304の周辺部又は外周の周りに位置決めされている。換言すれば、磁気構造332の存在は、材料層336がスロット316、318を含む突出部338に横方向に隣接すると、ユーザがコネクタ302、304間を見るのを視覚的にブロックすることができ、突出部338は、接点306、308がコネクタ302、304の側面において見えるのを視覚的にブロックすることができる。突出部338及び突出する磁気構造332によって提供される視覚的障壁はまた、接続が形成されようとしているときにユーザが接続を見るのを防止するため、突出部338及び突出する磁気構造332によって提供される視覚的障壁は、これらのコネクタ302、304がブラインド嵌合コネクタであることを示すことを助長する。
【0066】
コネクタ302、304のうちの少なくとも1つは、コネクタ302、304の互いに対する結合の存在を検出するように構成されたコネクタセンサ340を含むことができる。例示的な実施形態では、コネクタセンサ340は、磁気構造330によって出力された磁場、又はコネクタセンサ340の近くへの突出部338の導入によって引き起こされた磁気構造332の磁場の変更を測定及び検出するために使用されるホール効果センサを含むことができる。センサデータ線342は、コネクタ302、304が互いに分離し始めるときに接点に提供される電力が確実に無効にされているように、電力を接点306、308に提供するための(例えば、拡張ハブ又はスタンドの)コントローラに接続することができる。このコネクタセンサ340は、接点306、308に電力が供給される前に物理的嵌合を確実にすることを助長することができ、これにより、デンドライト成長を回避することを助長することができる。いくつかの実施形態では、コネクタセンサは、コネクタ302、304が互いに取り付けられたときに押し下げられる付勢されたピン、又はコネクタ302、304が接合されたときに電気的接続を行うように構成された別の機械的スイッチであることができる。いくつかの実施形態では、コネクタセンサ340は、コネクタ302、304の接続を検出するために使用され得、コネクタセンサ340の信号は、電子デバイスのオンアタッチメント(on-attachment)ペアリング(例えば、アクセサリデバイス又はスタンドへの電子デバイスのオンアタッチ(on-attach)無線BLUETOOTH(登録商標)ペアリング)を開始又は認証するために使用され得る。
【0067】
図4は、本開示の実施形態によるアクセサリ接続システム400の斜視図である。接続システム400は、アクセサリ搭載部404内に摺動するように構成されたアクセサリデバイス402を含むことができる。アクセサリデバイス402は、本明細書の他の箇所に開示の様々なアクセサリデバイスのうちの1つであり得、アクセサリ搭載部404は、本明細書の他の箇所に開示の他のアクセサリ搭載部のうちの1つであり得る。アクセサリデバイス402のアクセサリ搭載部44は、接続システム400の特徴の開示における明快さを改善するために、縮尺とおりに図に示されていない。
図4は、システム100及びカバー200において実装された特徴を概略的に示す。
【0068】
アクセサリデバイス402は、拡大幅部分406及び狭小幅部分408を含むことができる。狭小幅部分408は、アクセサリ搭載部404の凹み410内に挿入されるように構成されている。いくつかの実施形態では、拡大幅部分406は省略される又は狭小幅部分408と同じ幅を有する。アクセサリデバイス402はまた、アクセサリ搭載部404内の凹み410に隣接する溝414などの対応する溝と摺動係合するように構成された1つ以上の隆起部412又は舌部を含むことができる。
図4では、隆起部412は、横方向(すなわち、Y軸及びZ軸に垂直)に延び、第2の隆起部412は、アクセサリデバイス402の反対側(すなわち、また、Y軸及びZ軸に垂直)上で使用され得る。このようにして、隆起部412及び溝414は、アクセサリ搭載部404に対するアクセサリデバイス402の双方向(すなわち、軸Zに沿う)すべり運動を可能にすることができる。隆起部412が溝414内に位置決めされると、これにより、アクセサリデバイス402は、
図4に示す前後軸Yに沿ってアクセサリ搭載部404に対して移動することが防止され得る。したがって、例えば、アクセサリ搭載部404が上記の実施形態のうちの一実施形態においてアクセサリ搭載部として(例えば、搭載部216として)使用されているときに、アクセサリデバイス402は、搭載部404の側面416を貫通して挿入可能であり、(後部分144の後向き面又は背面222などの表面に対応する)後側418を貫通して凹み410内に挿入可能でない。
【0069】
接続システム400はまた、少なくとも第1の保持要素及び第2の保持要素を含むことができ、第1の保持要素及び第2の保持要素は、アクセサリデバイス402及びアクセサリ搭載部404が意図せずに接続解除するのを防止するように構成されている。例えば、狭小幅部分408は、アクセサリデバイス402の挿入の際に凹み410の壁420に向かって内向きに面しているように構成された戻り止め418を含むことができる。アクセサリデバイス402が軸Zに沿って凹み400内に十分に挿入されたときに、戻り止め418は、ピン、ボール、又は他の付勢された突出部422と位置合わせすることができ、これを受容することができる。換言すれば、付勢された突出部422は、狭小幅部分408が付勢された突出部422に接近及び接触したときに、表面420内に部分的に後退することができ、これによって、付勢ばね部材424によって適用された付勢力を克服する力を付勢された突出部422に適用する。したがって、アクセサリデバイス402が付勢された突出部422の先端を受容する戻り止め418と完全に係合した状態で、Z方向に沿う最小の引張力(pull force)が、アクセサリデバイス402をアクセサリ搭載部404から除去するために必要とされ、Z方向に沿う最小の引張力は、付勢部材424によって適用された力を克服し、付勢された突出部422を表面420内に再び後退させてアクセサリデバイス402を取り外す。
【0070】
1組の電気接点426は、アクセサリデバイス402の内向きに面する表面上に位置決めされ得、対応する1組の電気接点428を、アクセサリデバイス402の電気接点426と係合するように構成され得る。電気接点426、428の組は、アクセサリデバイス402が、突出部422がアクセサリデバイス402を凹み410内の適所にソフトロックする位置内に挿入されたときに、互いに電気的に接続され得る。アクセサリデバイスの電気接点426は、アクセサリデバイス402のセンサ、入力装置、出力装置などのための電力及びデータ接続を提供することができ、28のための電気接点は、アクセサリ搭載部404がそれに取り付けられるカバーの一部分である拡張ハブモジュールに対応する接続、又はデバイスアダプタ(例えば、108)に対応する接続を提供することができる。いくつかの実施形態では、接点426、428間の合計3つの電気的接続が確立されており、1つは、接地のためであり、1つは、電力のためであり、1つは、アクセサリデバイス402と搭載部404との間のデータ通信のためである。いくつかの実施形態では、コネクタを簡素化しより小さいコネクタを可能にし製造コストを低減するために、単一の電気コネクタは、(例えば、パワーオーバーイーサネット(Power over Ethernet、PoE)又は類似の技術を使用して)電力及びデータ通信の両方のために使用され得る。
【0071】
図5A~
図5Eは、本明細書に開示のモジュラコンピューティングシステムの実施形態の構成要素の様々な構成の概略側面断面図を示す。システム500は、カバー502、電子デバイス504、スタンド506、デバイスアダプタ508、第1のアクセサリデバイス510、第2のアクセサリデバイス512、及び第3のアクセサリデバイス514を含むことができる。
図5Aでは、カバー502及び電子デバイス504以外の全ての構成要素が、分解図で示されており、互いに分離されている。
図5B~
図5Eに示すように、システム500の構成要素は、システム500のユーザのための異なる程度及びタイプの機能を提供するために様々な組み合わせで配置され得る。
【0072】
カバー502は、拡張ハブ516を含むことができ、拡張ハブ516は、後部筐体518内に埋め込まれており、電子デバイス504の側面522において電気的接続520に接合されている。電気経路524は、これらの部品間の電気通信を提供するために、カバー502を貫通して延びることができる。第2の電気経路526は、拡張ハブ516をアクセサリ搭載部528に接続することができる。アクセサリデバイス510又はアクセサリデバイス514は、
図5B~
図5Eに示すように、アクセサリ搭載部528に搭載され得る。これらの図では、アクセサリ搭載部528は、背面532においても開いているのではなく、カバー502の側面530を貫通してのみ露出しアクセス可能である。カバー502はまた、図に示す前部筐体534を含むことができ、前部筐体534は、電子デバイス504と拡張ハブ516との間に位置決めされている。カバー502は、後向きに面する、すなわち、
図5Aの下向きに面する雌コネクタ部分536と共に示されている。
図5Aはまた、カバー502が、カバー502の構造(例えば、後部筐体518)を有することができ、電子デバイス504の前向き面の一部分を少なくとも部分的に包み、部分的に囲み、又は覆うことを示す。この構成は、機器保護を更に向上させることができ、カバー502及び電子デバイス504へのユーザの把持を改善することができ、電気コネクタ520を保護することができる。
【0073】
デバイスアダプタ508は、
図5A、
図5B、及び
図5Dに示すように、拡張ハブ516の雌コネクタ部分536に取り付け可能である雄コネクタ部分538をデバイスアダプタ508の前側に有する。デバイスアダプタ508の後側は、別の雄コネクタ部分(例えば、542)に接続可能な雌コネクタ部分540を含むことができる。雄コネクタ部分538及び雌コネクタ部分540は、デバイスアダプタ508のハブ542上に位置決めされ得る。アクセサリ搭載部528と類似の第1のアクセサリ搭載部544と、例えばデバイス512などの異なるタイプのアクセサリデバイスに接続するように構成された第2のアクセサリ搭載部546とに接続されるハブ542。第1のアクセサリ搭載部544は、アクセサリデバイス510、514に取り付け可能である。したがって、
図5A~
図5Eに示すように、アクセサリ搭載部528及びアクセサリ搭載部544は、アクセサリデバイス510、514の一部分を少なくとも部分的に受容するように構成された雌アクセサリ搭載部として構成され得る。アクセサリ搭載部528、544は、システム300又は400などの接続システムを有することができる。
【0074】
スタンド506は、デバイスアダプタ508又はカバー502に係合及び接続するための雄コネクタ部分548を含むことができる。接続線550は、スタンド506を貫通してスタンド506の内部電子コンポーネントまで延びることができ、又は外部デバイス又は電源への接続を提供するために延びることができる。
【0075】
図5Bは、電子デバイス504に取り付けられており、アクセサリデバイス510に取り付けられており、デバイスアダプタ508に取り付けられたカバー502を有するシステム500の構成を示す。デバイスアダプタ508自体は、カバー502に直接取り付けられたアクセサリデバイス510とは別個である2つのアクセサリデバイス512、514に接続されている。
図5Bに示す構成は、スタンド506に搭載されておらず、複数のアクセサリ搭載部及び異なる種類のアクセサリ搭載部(例えば、デバイス512のための2つの雌搭載部及び1つの追加の対面係合搭載部)を介して大量のアクセサリデバイス互換性を提供するため、
図5Bに示す構成は、ポータブル及び移動可能である。
【0076】
図5Cは、
図5Bと類似する別の構成を示し、デバイスアダプタ508及びデバイスアダプタ508の関連するアクセサリデバイス512、514がカバー502から接続解除されていることを認める。この構成は、モジュラシステムの重量を最小にし、これは、ある用途において有益であり得る。
【0077】
図5Dは、全てが、統合されたコンピューティングシステムとして機能するように一緒に組み立てられた、システム500内の1組のモジュラ構成要素全体を示す。この実施形態では、スタンド506から他の構成要素に送信された電力は、電子デバイス及びアクセサリデバイスの動作を電気的に供給することができる。更に、スタンド506は、システム500の残りの部分の重量を支持しているため、システム500の全重量は、そうでなければシステム500をユーザの腕に保持する必要があるユーザを疲労させない。
【0078】
図5Eは、カバー502が、側に位置する充電コネクタ560を含む、関連する実施形態を示す。充電コネクタ560は、カバー502を貫通する接続経路562を介して拡張ハブ516と電気通信することができる。カバー502及び電子デバイス504は、カバー502の側面566がスタンド564内の凹み568内に挿入された状態で、スタンド564に搭載され得る。側に位置する充電コネクタ560を有するカバー502は、カバー502への電力接続を提供するために、凹み568内の充電コネクタ570に容易に接続され得、複数のカバー502及び/又は電子デバイス504は、一式充電スタンド装置(gang-charging stand apparatus)(例えば、スタンド564)又は垂直スタンド内に前後に積層されている、又はそうでなければ接近する。
【0079】
図6は、本明細書に開示の電子デバイスシステムについてのブロック電気図を示す。この図は、(カバー600の拡張ハブ602を有する)カバー600、アクセサリデバイス638、及びスタンド630を図式的に示す。追加のハブ(例えば、ハブ602と類似のデバイスアダプタ108自体の拡張ハブ及び/又はコントローラ626を有するデバイスアダプタ108)は、ブラインド嵌合コネクタ628、632間に追加され得る。回路レイアウトは、カバー600及びカバー600の拡張ハブ602を貫通して延びることができ、第1の電気コネクタ604は、電子デバイスに接続するように構成されたUSBコネクタ又は類似の構造である。拡張ハブ602はまた、第1の電気コネクタ604に接続されたアップストリームポート608と、USBハブ606の一部分であるコントローラ618(例えば、マイクロコントローラ、プロセッサ、又は制御ロジック)によって制御可能なダウンストリームポート610、612、614、616のグループと、を有するUSBハブ606(すなわち、デバイスハブ又はポートルーティングハブ)を組み込むことができる。コントローラ618は、第1の電気コネクタ604とアクセサリ搭載部コネクタ620、622及び624との間のデータ及び電力の伝送を管理することができる。拡張ハブ602は、電力を、カバー600を貫通して及び第1の電気コネクタ604、拡張ハブ602、アクセサリ搭載部コネクタ620、622、624、及び第2の電気的接続628の間に送信するように構成された電力管理マイクロコントローラユニット(Microcontroller Unit、MCU)及び/又はデュアルポート電力送達(Power Delivery、PD)コントローラ626を更に含むことができる。第2の電気的接続628はまた、スタンド630を介して第1の電気コネクタ604にデータルーティングするためのUSBハブ606に接続され得る。上記のように、スタンド630は、外部電源634への、又はUSB置き場636などによってスタンド内又はスタンド上の接続可能なデバイスへのコネクタ632を含むことができる。例示的な実施形態では、外部電源634は、使用される1アクセサリデバイスあたり約5~15ワットの電力を提供することができ、電子デバイスについて約30ワットの電力を提供することができ、典型的な実装では、合計約50ワットの電力を提供することができる。外部電源634が接続解除又はオフにされたときに、電子デバイスの内部バッテリからの電力は、USBプラグ604を介してアクセサリデバイス及び拡張ハブに送信され得る。更に、アクセサリがエネルギー蓄積デバイス(例えば、外部バッテリ)を含む場合に、このデバイスからの電力は、USBハブ606及びコントローラ626を使用して他のデバイスに送信され得る。高電圧又は高ワット数は、電子デバイスに提供され得、アクセサリデバイスには、より少ない電圧又はワット数が与えられ、例えは、電子デバイスへ15ボルト、及びアクセサリデバイスへ5ボルトなどである。
【0080】
アクセサリデバイス638は、アクセサリ搭載部620、622、624のうちの任意の1つ以上に取り付け可能なコネクタ642と電子通信する、アクセサリデバイス638自体のマイクロコントローラユニット640を含むことができる。アクセサリデバイス638は、例えば、他のデバイス(例えば、電子デバイス104又は他のアクセサリ)との無線通信のためのBluetooth低エネルギー(Bluetooth Low Energy、BLE)送受信機などの、アクセサリデバイス638自体の入力又は出力装置644を有することができる。いくつかの実施形態では、認証用コプロセッサ646は、鍵ベースの暗号化及びデバイス認証のために、アクセサリデバイスと共に含まれ得る。アクセサリデバイスのこれらの電子コンポーネントは、ポート(例えば、614)を介する電子コンポーネントの動作を可能にするために、搭載部(例えば、624)に電気的に接続することができる。
【0081】
現在の技術に適用可能な範囲で、様々なソースから入手可能なデータを収集及び使用することは、招待コンテンツ又はユーザにとって興味あり得る任意の他のコンテンツのユーザへの配送を改善するために使用され得る。いくつかの例において、この収集されたデータは、特定の人を固有に識別する個人情報データ、又は特定の人に連絡する若しくは特定の人の所在を示すために使用され得る個人情報データを含み得ることが、本開示によって意図されている。このような個人情報データは、人口統計データ、場所ベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、TWITTER(登録商標)ID、住所、ユーザの健康又は健康のレベル(例えば、バイタルサイン測定、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意の他の識別情報若しくは個人情報を含むことができる。
【0082】
本開示は、本技術におけるこのような個人情報データの使用がユーザの利益のために使用され得ることを認識する。例えば、個人情報データは、ユーザにとってより興味ある対象のコンテンツを配送するために使用されてもよい。したがって、このような個人情報データの使用は、ユーザが、配送されるコンテンツの計算された制御に可能にする。更に、ユーザに利益をもたらす個人情報データについての他の使用がまた、本開示によって意図されている。例えば、健康データ及び健康データは、ユーザの全般的なウェルネスについての洞察を提供するために使用されてもよく、又は、ウェルネス目標を追求するための技術を使用する個人への積極的なフィードバックとして使用されてもよい。
【0083】
このような個人情報データの収集、分析、開示、転送、記憶、又は他の使用に関与するエンティティは、確立したプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守することが、本開示によって意図されている。特に、このようなエンティティは、個人情報データを秘密及び安全に維持するための業界又は政府要件を満たす又は超えるとして一般に認識されているプライバシーポリシー及び慣行を実施し一貫して使用するべきである。このようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能にされるべきであり、データの収集及び/又は使用が変更されたときに更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、エンティティの合法的正当な使用のために収集されるべきであり、これらの合法的使用以外で共用又は販売されるべきでない。更に、このような収集/共用は、ユーザの告知に基づく同意を受容した後に起きるべきである。加えて、このようなエンティティは、このような個人情報データへのアクセスを保護及び安全にし、個人情報データへのアクセス権を有する他者が、エンティティのプライバシーポリシー及び手順に固執することを確実にする、ための任意の必要なステップをとることを考慮するべきである。更に、このようなエンティティは、広く認められているプライバシーポリシー及び慣行へのエンティティの固執を証明するために、第三者による評価を受けることができる。加えて、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされている特定のタイプの個人情報データに適応すべきであり、また、管轄権に特有の考慮事項を含む適用可能な法令及び標準に適応すべきである。例えば、アメリカ合衆国では、ある健康データの収集又はこれへのアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(Health Insurance Portability And Accountability Act、HIPAA)などの連邦法及び/又は州法によって管理され得、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象であり得、これらに従って処理されるべきである。したがって、異なるプライバシー慣行が、国のそれぞれにおいて、異なる個人データタイプについて維持されるべきである。
【0084】
上記にも関わらず、また、ユーザが個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを選択的にブロックする実施形態が、本開示によって意図されている。すなわち、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素がこのような個人情報データへのアクセスを防止又はブロックするために提供され得ることが、本開示によって意図されている。例えば、広告配送サービスの場合、本技術は、ユーザが、サービスのための登録中又はその後のいつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択することを可能にするように構成され得る。別の例では、ユーザは、対象のコンテンツ配送サービスのためのムードに関連付けられたデータを提供しないことを選択することができる。更に別の例では、ユーザは、ムードに関連付けられたデータが維持される期間を制限すること、又は基準ムードプロファイルの展開を全体的に禁止することを選択することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」の選択肢を提供することに加えて、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することが、本開示によって意図されている。例えば、ユーザは、ユーザの個人情報データがアクセスされるアプリのダウンロードの際に通知されてもよく、次いで、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に、再び注意されてもよい。
【0085】
また、個人情報データは、意図しない若しくは無許可アクセス又は使用のリスクを最小にするように、管理及び処理するべきであることが、本開示によって意図されている。リスクは、データの収集を制限することと、データがもはや必要とされなくなるとデータを削除すること、とによって、最小にされ得る。加えて及び適用可能なときに、ある健康関連アプリケーションにおいてを含めて、データの匿名化が、ユーザのプライバシーを保護するために使用され得る。匿名化は、適切なときに、具体的な識別子(例えば、誕生日など)を除去すること、記憶されたデータの量又は特定性を制御すること(例えば、場所データを住所レベルではなく都市レベル収集すること)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、データをユーザ全体にわたって集約すること)、及び/又は他の方法によって、容易にされてもよい。
【0086】
したがって、本開示は、開示の1つ以上の各種実施形態を実装するための、個人情報データの使用を広範に含むが、また、各種実施形態がまた、このような個人情報データにアクセスする必要なく実装され得ることが、本開示によって意図されている。すなわち、本技術の各種実施形態は、このような個人情報データの全て又は一部分の欠如に起因して、動作不可能にされない。例えば、コンテンツは、ユーザに関連付けられたデバイスによってリクエストされているコンテンツ、コンテンツ配送サービスのために使用可能な他の非個人情報、又は公的に使用可能な情報などの非個人情報データ又は個人情報の最小量のみに基づいて嗜好を推測することによって、選択され得、ユーザに配送され得る。
【0087】
上記の説明は、説明のために、記載の実施形態の完全な理解を提供するために具体的な専門用語を使用している。しかしながら、具体的な詳細は、記載の実施形態を実施するために必要とされないことが、当該技術分野に精通している者には明らかである。したがって、本明細書に記載の具体的な実施形態の上記の説明は、例示及び説明のために提示されている。上記の説明が、網羅的である、又は実施形態を開示の精密な形態に限定することは意図されていない。多くの修正及び変形が、上記の教示を考慮して可能であることが、当該技術分野に精通している者には明らかである。