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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の電力供給方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/26 20060101AFI20240202BHJP
【FI】
G06F1/26 306
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022136738
(22)【出願日】2022-08-30
(62)【分割の表示】P 2021532556の分割
【原出願日】2019-07-12
(65)【公開番号】P2022169751
(43)【公開日】2022-11-09
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】シャープNECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(74)【代理人】
【識別番号】100131473
【弁理士】
【氏名又は名称】覚田 功二
(72)【発明者】
【氏名】本井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】請川 智久
(72)【発明者】
【氏名】釼持 勇
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-012479(JP,A)
【文献】特開2019-087089(JP,A)
【文献】特表2018-535493(JP,A)
【文献】特開2018-116342(JP,A)
【文献】特開2019-016319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26- 1/3296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器を接続可能な複数の接続ポートと、
前記接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信する受信部と、
前記接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを前記識別情報に基づいて判定する判定部と、
前記判定された結果に基づいて、前記接続ポートに接続された外部機器のうち表示装置ではない外部機器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記表示装置である外部機器とネゴシエーションを行った後、前記表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行う
電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記判定された結果に基づいて、接続された外部機器が表示装置である場合には、当該表示装置と既に接続された外部機器とのうち、表示装置である外部機器のそれぞれとネゴシエーションを行った後、既に接続された外部機器のうち表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行う
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行う場合、既に外部機器に電力を供給している電力を除外した残りの供給可能な電力に基づいて、前記表示装置ではない外部機器に対して電力を供給するか否かを判定する
請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記接続ポートは、前記外部機器に対してケーブルによって電気的に接続される請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記接続ポートは、前記外部機器に対してUSB Type-Cの規格に従って接続される請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
外部機器を接続可能な複数の接続ポートと、
前記接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信する受信部と、
前記接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを前記識別情報に基づいて判定する判定部と、
前記外部機器とネゴシエーションを行う制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記表示装置である外部機器とネゴシエーションを行った後、前記表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行い、前記ネゴシエーションを行った外部機器のうち、表示装置ではない外部機器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する
電子機器。
【請求項7】
前記電子機器はドックステーションである、請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
部機器を接続可能な複数の接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信し、
記接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを前記識別情報に基づいて判定し、
記表示装置である外部機器とネゴシエーションを行った後、前記表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行い、さらに、前記判定された結果に基づいて、前記接続ポートに接続された外部機器のうち表示装置ではない外部機器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する
電子機器の電力供給方法。
【請求項9】
部機器を接続可能な複数の接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信し、
記接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを前記識別情報に基づいて判定し、
記表示装置である外部機器とネゴシエーションを行った後、前記表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行い、
前記ネゴシエーションを行った外部機器のうち、表示装置ではない外部機器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する
電子機器の電力供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、電子機器の電力供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商用電源に接続されている電子機器と、スマートフォンやノートPC等の外部機器とをUSB(Universal Serial Bus)-type-Cケーブルを介して接続することで、電子機器から外部機器を充電することができる。また、電子機器と外部機器とをUSB-type-Cケーブルを介して接続する場合、外部機器が電子機器に接続された順に従って、電力を供給する対象の電子機器を特定することが行われる場合がある。
また、特許文献1には、電子機器が、予め定められた優先順位にしたがって当該電子機器内部の一部の回路の動作を待機状態にすることで、電子機器が当該電子機器の内部の機能部への電力供給よりも外部機器への電力供給を優先して行う技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-022234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電子機器から外部機器へ供給可能な電力には制限がある。そのため、当該外部機器を電子機器に接続する順番によっては、目的とする外部装置への電力供給ができない場合があるという問題がある。特に、外部装置が表示装置であり、当該表示装置を電子機器に接続する順番によっては、当該表示装置に電力が供給されない場合がある。この場合、表示装置には何も表示されないため、表示装置の表示画面に表示された内容を参照しながら入力装置を用いた入力操作を行うことができない等の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様は、外部機器を接続可能な複数の接続ポートと、前記接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信する受信部と、前記接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを前記識別情報に基づいて判定する判定部と、前記判定された結果に基づいて、前記接続ポートに接続された外部機器のうち表示装置ではない外部機器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する制御部と、を有し、前記制御部は、前記表示装置である外部機器とネゴシエーションを行った後、前記表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行う。
【0006】
本発明の一態様は、外部機器を接続可能な複数の接続ポートと、前記接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信する受信部と、前記接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを前記識別情報に基づいて判定する判定部と、前記外部機器とネゴシエーションを行う制御部と、を有し、前記制御部は、前記表示装置である外部機器とネゴシエーションを行った後、前記表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行い、前記ネゴシエーションを行った外部機器のうち、表示装置ではない外部機器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する電子機器である。
また、本発明の一態様は、外部機器を接続可能な複数の接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信し、前記接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを前記識別情報に基づいて判定し、前記表示装置である外部機器とネゴシエーションを行った後、前記表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行い、さらに、前記判定された結果に基づいて、前記接続ポートに接続された外部機器のうち表示装置ではない外部機器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する電子機器の電力供給方法である。
また、本発明の一態様は、外部機器を接続可能な複数の接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信し、前記接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを前記識別情報に基づいて判定し、前記表示装置である外部機器とネゴシエーションを行った後、前記表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行い、前記ネゴシエーションを行った外部機器のうち、表示装置ではない外部機器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する電子機器の電力供給方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電子機器は、接続された順序によらず、表示装置に対して電力を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態におけるドックステーション10を用いた表示システム1を示す図である。
図2】記憶部17に記憶される情報の一例を示す図である。
図3】第1実施形態におけるドックステーション10の動作を説明するフローチャートである。
図4】第2実施形態におけるドックステーション10Aを用いた表示システム1Aを示す図である。
図5】第2実施形態におけるドックステーション10Aの動作を説明するフローチャートである。
図6】第3実施形態における電子機器の概略の構成を示す機能ブロック図である。
図7】第4実施形態における電子機器の概略の構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、第1実施形態におけるドックステーション10を用いた表示システム1を示す図である。表示システム1は、ドックステーション(ドッキングステーション)10に対し、ケーブルを介して、複数の外部機器が接続可能である。この図においては、ドックステーション10には、表示装置21と、表示装置22と、コンピュータ30と、入力デバイス41、入力デバイス42とが接続されている場合が図示されている。ドックステーション10に接続可能な外部機器は、表示装置、コンピュータ、入力デバイス以外の外部機器であってもよいし、また、表示装置、コンピュータ、入力デバイスのうち一部の種類の外部機器が接続されてもよいし、同じ種類の外部機器の台数が任意であってもよい。
【0010】
ドックステーション10には、第1のUSBポート11、第2のUSBポート12、第3のUSBポート13、USBハブ14、電源部15、制御部16、記憶部17が設けられている。
第1のUSBポート11、第2のUSBポート12、第3のUSBポート13のいずれかに対して外部機器と接続する場合、ケーブルを介して電気的に接続される。このケーブルは、ドックステーション10と外部機器との間において、電力供給に関するネゴシエーションをするための通信が可能であり、当該ネゴシエーションの結果に応じて電力をドックステーション10から外部機器に供給可能な規格に対応したケーブルが用いられる。このケーブルの一例としては、USB Type-Cケーブルである。
【0011】
このドックステーション10は、USB PD(USB Power Delivery)の規格に対応しており、USB Type-Cケーブルを介して接続される外部機器に対し、USB PDの規格に従ったネゴシエーションを行うことができる。第1のUSBポート11、第2のUSBポート12、第3のUSBポート13のうちいずれかに接続された外部機器もUSB PDに対応している場合には、ドックステーション10と外部機器との間において、ネゴシエーションを行うことでき、このネゴシエーションを行った結果に応じた電力を供給することができる。
USBハブ14に対して外部機器と接続する場合、ケーブルを介して電気的に接続される。このケーブルは、ドックステーション10と外部機器との間において、通信を行うことが可能であり、かつ、ドックステーション10から外部機器に電力を供給することが可能なケーブルが用いられる。ケーブルの一例としては、USB Type-Aケーブルである。
【0012】
ここで、表示装置21と表示装置22は、いずれも電源装置を内蔵していない。
表示装置21は、第1のUSB Type-Cケーブル21aを介して第1のUSBポート11と接続される。表示装置21とドックステーション10は、第1のUSB Type-Cケーブル21aによって電気的に接続される。表示装置21は、ドックステーション10から第1のUSB Type-Cケーブル21aを介して電力の供給を受けることができる。
例えば、表示装置21は、USB Type-Cケーブル21aによってドックステーション10と接続されることで、ドックステーション10に対して、Display Port over USB Type-C(DP Alt Mode)の仕様に従って通信を行い、各種信号の伝送、電力供給の供給、コンピュータ30から出力された映像信号の供給をドックステーション10を介して受けることができる。これにより、DisplayPort信号(映像信号)の伝送とUSB通信をUSBケーブル1本で行うことが可能である。
【0013】
同様に、表示装置22は、第2のUSB Type-Cケーブル22aを介して第2のUSBポート12と接続される。表示装置22とドックステーション10は、第2のUSB Type-Cケーブル22aによって電気的に接続される。表示装置22は、第2のUSB Type-Cケーブル22aを介して電力の供給を受けることができる。
例えば、表示装置22は、USB Type-Cケーブル22aによってドックステーション10と接続されることで、ドックステーション10に対して、Display Port over USB Type-C(DP Alt Mode)の仕様に従って通信を行い、各種信号の伝送、電力供給の供給、コンピュータ30から出力された映像信号の供給をドックステーション10を介して受けることができる。これによりDisplayPort信号(映像信号)の伝送とUSB通信をUSBケーブル1本で行うことが可能である。
【0014】
コンピュータ30は、第3のUSB Type-Cケーブル30aで第3のUSBポート13と接続される。コンピュータ30とドックステーション10は、第3のUSB Type-Cケーブル30aによって電気的に接続される。コンピュータ30は、ドックステーション10から第3のUSB Type-Cケーブル30aを介して電力の供給を受けることができる。コンピュータ30の内部には、バッテリーが搭載されている。コンピュータ30は、ドックステーション10から第3のUSB Type-Cケーブル30aを介して供給される電力によって、バッテリーを充電することができる。また、コンピュータ30は、ドックステーション10からUSB Type-Cケーブル30aを介して供給される電力によって、駆動することができる。これによりDisplayPort信号(映像信号)の伝送とUSB通信をUSBケーブル1本で行うことが可能である。
【0015】
また、コンピュータ30は、映像信号を第3のUSB Type-Cケーブル30aを介してドックステーション10に出力する。例えば、コンピュータ30は、USB Type-Cケーブル30aによってドックステーション10と接続されることで、ドックステーション10に対して、Display Port over USB Type-C(DP Alt Mode)の仕様に従って通信を行い、各種信号の伝送や電力供給を受けることができる。
コンピュータ30から出力された映像信号は、ドックステーション10を介して、表示装置21および表示装置22に供給され、表示装置21および表示装置22の表示画面にそれぞれ表示することができる。
【0016】
ドックステーション10において、USBハブ14は、複数の接続端子を有しており、外部機器との間において、何れかの接続端子にUSB Type-Aケーブルを介して接続する。USBハブ14に接続される外部機器としては、例えば、入力デバイス41、入力デバイス42等がある。
【0017】
入力デバイス41は、例えばマウスである。入力デバイス42は、例えばキーボードである。
【0018】
ドックステーション10において、電源部15は、商用電源に接続されるとともに、当該商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、第1のUSBポート11、第2のUSBポート12、第3のUSBポート13、USBハブ14に接続される外部機器に対してそれぞれ供給可能である。第1のUSBポート11、第2のUSBポート12、第3のUSBポート13に接続される電子機器に対して供給される電力の大きさは、制御部16が行うネゴシエーションによって決まる。電源部15は、USBハブ14に接続される外部機器に対しては、予め決められた電圧で電力を供給する。
【0019】
制御部16は、USBポート(第1のUSBポート11、第2のUSBポート12、第3のUSBポート13)に対してUSB Type-Cケーブル(第1のUSB Type-Cケーブル21a、第2のUSB Type-Cケーブル22a、第3のUSB Type-Cケーブル30a)を介して接続される電子機器(表示装置21、表示装置22、コンピュータ30等の外部デバイス)に電力を供給する制御をする。制御部16は、第1のUSBポート11、第2のUSBポート12、第3のUSBポート13に接続される電子機器とネゴシエーションを行うことで、これら電子機器に対して供給する電力の大きさを決定し、決定された電力を電源部15から供給するように制御する。
【0020】
USB Type-C 端子に対応したUSB給電は、USB Power Deliveryという規格の下で行われる。つまり、電力を受ける外部機器は、自外部機器が必要とする電力を供給側(ドックステーション10)に通知し、供給側(ドックステーション10)は、外部機器に必要な電力を供給する。このとき、供給側(例えば、ドックステーション10の制御部16)は、受け取った電力通知が、供給側(ドックステーション10)の電源の最大容量を超えるか否かを判定し、最大容量を超えることになる場合には、その外部機器に対して電力を供給しない。供給側(例えば、ドックステーション10の制御部16)は、自身が供給可能な電源の最大容量の値は、予め記憶領域(例えばメモリ装置)に記憶している。
【0021】
制御部16は、複数の接続ポートにそれぞれ割り当てられた優先度に基づいて、接続ポートに接続された外部機器に対して、他の接続ポートに接続された外部機器よりも優先して電力を供給するか否かを制御する。
このように、接続ポートに対して優先度を割り当て、外部機器が接続された接続ポートの優先度に従って、外部機器に電力を割り当てることで、表示装置ではない外部機器を接続ポートに接続した後に、表示装置である外部機器を他の接続ポートに接続した場合であっても、接続された順序ではなく、接続ポートに割り当てられた優先度が高い接続ポートに接続された外部機器に対して優先して電力を供給することができる。そのため、表示装置に映像信号を表示することができない状況を解消することができる。接続ポートは、例えば、第1のUSBポート11、第2のUSBポート12、第3のUSBポート13である。
【0022】
また、制御部16は、優先度が示す優先順に従って、前記外部機器とネゴシエーションを行う。このように、ネゴシエーションを、接続ポートに割り当てられた優先度が示す優先順に従って実行することで、優先度が高い接続ポートに接続された外部機器からネゴシエーションを行って電力供給をするか否かを決めることができる。これにより、ネゴシエーションを行うことができる順序を、接続ポートに割り当てられた優先度に従った順序によって決めることができる。例えば、優先度が高い接続ポートに対して表示装置を接続することで、表示装置に対して優先的に電力が供給されるため、表示装置が起動しないリスクを低減することができる。
【0023】
また、制御部16は、外部機器が接続ポートに接続されると、各接続ポートに接続されたそれぞれの外部機器に対して、ネゴシエーションを行う。これにより、既に外部機器が接続ポートに接続されている状態において、当該既に外部機器が接続された接続ポートの優先度よりも高い接続ポートに対して、後から新たな外部機器が接続ポートに接続された場合であっても、接続ポートに接続された外部機器のそれぞれについて改めてネゴシエーションを行い、優先順に従って電力を供給することができる。例えば、外部機器が既にいずれかの接続ポートに接続されている状態において、優先度が高い接続ポートに対して後から表示装置を接続した場合であっても、表示装置に電力を供給することが可能であるため、表示装置が起動しないリスクを低減することができる。
【0024】
記憶部17は、ポート識別情報と優先度とを対応付けて記憶する。
【0025】
記憶部17は、ポート識別情報と優先度とを対応付けて記憶する。
図2は、記憶部17に記憶される情報の一例を示す図である。ポート識別情報は、ドックステーション10に設けられた各USBポートをそれぞれ識別する識別情報である。ポート識別情報は、例えば、ポート番号を利用することができる。優先度は、優先する度合いを表す値である。例えば、優先度は、数値が小さいほど優先される度合いが高いことを表す。
【0026】
制御部16は、接続ポートに対して外部機器が接続された接続ポートに割り当てられた優先度を、接続ポートの識別情報に基づいて記憶部17から読み出し、得られた優先度が高い接続ポートに接続された外部機器を優先して電力を供給する。
【0027】
このように記憶部17に記憶された優先度を読み出し、この優先度に従って、外部機器に電力を供給するようにした。これにより、優先度を記憶部17に記憶しておけばよいため、優先度を定めるための複雑な回路等が不要となる。
また、この場合、記憶部17に記憶された優先度を書き込む入力部をドックステーション10に設けるようにしてもよい。これにより、ドックステーション10の接続ポートと割り当てられる優先度との関係を変更したい場合には、簡単に変更することができる。
【0028】
図3は、第1実施形態におけるドックステーション10の動作を説明するフローチャートである。
ドックステーション10の制御部16は、第1のUSBポート11、第2のUSBポート12、第3のUSBポート13のうちいずれかの接続ポートに外部機器が接続されたか否かを判定する(ステップS101)。
制御部16Aは、外部機器が新たに接続ポートに接続されていないと判定した場合には、一定のウエイト時間が経過したあと、ステップS101の処理を再度実行する。
【0029】
制御部16は、外部機器が新たに接続ポートに接続されたと判定した場合には、この外部機器が接続された接続ポートに割り当てられた優先度を記憶部17から読み出す(ステップS102)。
ここでは、制御部16は、電子機器が接続された接続ポートの数が複数である場合、接続ポートのそれぞれの優先度を記憶部17から読み出してもよい。また、既に外部機器が接続された接続ポートについて、以前に優先度を読み出して制御部16の所定の記憶領域に記憶することが可能である場合には、追加で外部機器が接続された接続ポートの優先度を読み出すようにしてもよい。
【0030】
優先度を読み出すと、制御部16は、優先度に基づいて、優先順に従って外部機器とネゴシエーションを行い、ネゴシエーションを行った結果に応じて外部機器に電力を供給する(ステップS103)。例えば、外部機器が接続された接続ポートのうち、最も優先度が高い接続ポートに接続された外部機器に対してネゴシエーションを実行し、当該外部機器から要求された電力を供給することが可能であれば電力を供給する。そして、制御部16は、次に優先度が高い接続ポートに接続された外部機器とネゴシエーションを行い、その外部機器が要求する電力が、供給可能な残りの電力から供給することができるか否かを判定し、供給することが可能であれば、その外部機器に対して電力を供給し、供給することができない場合には、供給しないと判定する。
【0031】
ここで、制御部16は、優先順にネゴシエーションを行い、供給しないと判定された接続ポートがあった場合には、この接続ポートの優先度よりも低い優先度の接続ポートに接続された外部機器に対するネゴシエーションを行わないようにしてもよい。これより、ある優先度の接続ポートに対して外部機器を接続し、ネゴシエーションによって電力が供給されなかった場合に、その優先度よりも低い優先度の接続ポートに対して小さな電力の外部機器が接続された場合に、当該小さな電力外部機器に対しても電力を供給しないようにすることができる。従って、ある優先度の接続ポートに接続された外部機器に電力が供給されないにもかかわらず、それよりも優先度が低い外部機器に対して電力が供給されることを防ぐことができ、優先度を遵守して電力を供給することができる。
【0032】
また、制御部16は、優先順にネゴシエーションを行い、供給しないと判定された接続ポートがあった場合であっても、この接続ポートの優先度よりも低い優先度の接続ポートに接続された外部機器に対するネゴシエーションを行うようにしてもよい。これより、ある優先度の接続ポートに対して外部機器を接続し、ネゴシエーションによって電力が供給されなかった場合であっても、その優先度よりも低い優先度の接続ポートに対して小さな電力の外部機器が接続された場合に、ドックステーション10が供給可能な範囲であれば、電力を供給することができる。そのため、優先度が高い接続ポートに接続された外部機器に対して電力を供給しつつ、許容できる範囲で、電力が供給されない接続ポートよりも低い優先度の接続ポートに接続された外部機器に対しても、柔軟に電力を供給することができる。
【0033】
次に、制御部16Aは、処理を終了するか否かを判定し(ステップS104)、終了しないと判定した場合にはステップS101に処理を移行し、終了すると判定した場合には、処理を終了する。
【0034】
上述した第1実施形態によれば、ドックステーション10において、第1のUSBポート、第2のUSBポート、第3のUSBポートの順に電力供給の優先順位が予め決められている。制御部16は、この優先順に従って、各USBポートとネゴシエーションを行う。例えば、第1のUSBポートに接続された機器への電力供給が最優先で、二番目が第2のUSBポートに接続された機器への電力供給、最後に第3のUSBポートに接続された機器への電力供給をする順位となる。これにより、表示装置への電力供給が第3のUSBポートに接続されたコンピュータ30よりも優先されるため、表示装置が起動しないリスクは低下する。
【0035】
この第1実施形態における表示システム1によれば、外部機器を接続ポートに接続した順序によらず、外部機器が接続されたUSB接続ポートに割り当てられた優先度に従って、外部機器に電源を供給するようにした。これによりユーザは、電源を供給する優先度が高い外部機器をドックステーション10Aに接続する場合、高い優先度が割り当てられているUSB接続ポートに接続すれば、既に他に外部機器がドックステーション10Aに接続されていたとしても、電源の供給を受けることができる。また、電源を供給する優先度の低い外部機器を、優先度の高い電子機器よりも先にドックステーション10Aに接続する場合には、優先度の低いUSBポートに接続すればよい。そのため、電源を供給する優先度が低い外部機器をドックステーション10に対して接続された状態において、既に接続された外部機器よりも優先度が高い外部機器をドックステーション10に対して接続する場合であっても、優先度が低い外部機器が接続された接続ポートに割り当てられた優先度よりも高い優先度が割り当てられた接続ポートに接続することで、後から接続される外部機器であっても、電源を供給してもらうことが可能となる。
【0036】
一方で、一般的なドックステーションは、USB Type-C 端子に外部機器が接続された順序に従って優先的に電力を供給する。そのため、一般的なドックステーションに対して、コンピュータ、表示装置A、表示装置Bの順に、USB Type-C 端子に接続された場合、接続された順に従ってUSBポートを有効とする制御を行う。そのため、コンピュータ、表示装置A、表示装置Bのそれぞれの要求電力の合計値がドックステーションの電源の最大容量を超える場合には、最後に接続が有効になった表示装置Bへの電力供給は行わない。つまり、供給の限界を超えた外部機器には電力を供給しない仕組みになっている。よって、一般的なドックステーションを用いた場合、表示装置Aは作動するものの、表示装置Bは作動しないため、コンピュータからの映像信号を表示装置Bの表示画面に表示することができないという問題がある。
【0037】
これに対し、本実施形態においては、ドックステーション10に対して外部機器を接続した順序ではなく、接続した接続ポートに割り当てられた優先度に従って、外部機器(コンピュータ30、表示装置21、表示装置22)に電源を供給することができるので、コンピュータ30からの映像信号を表示装置21と表示装置22とに対して表示することができる。
【0038】
次に、第2実施形態における表示システム1Aについて説明する。
図4は、第2実施形態におけるドックステーション10Aを用いた表示システム1Aを示す図である。第2実施形態における表示システム1Aと第1実形態における表示システム1とでは、第2実施形態において、ドックステーション10の代わりにドックステーション10Aが用いられる点が相違する。主に、この相違点について説明し、共通する部分については同一の符号を用い、その説明を省略する。
【0039】
ドックステーション10Aには、第1のUSBポート11、第2のUSBポート12、第3のUSBポート13、USBハブ14、電源部15、制御部16A、受信部17A、判定部18Aが設けられている。
【0040】
受信部17Aは、接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信する。この識別情報は、電子機器が表示装置であることを識別可能な情報が含まれていればよい。例えば、識別情報は、表示装置である旨を表す情報(例えばフラグ)であってもよい。また、識別情報は、表示装置であることを特定可能なID(identification)であってもよい。また、識別情報は、EDID(Extended Display Identification Data)であってもよい。EDIDは、表示装置とPC(コンピュータ)等が接続された時に、表示装置からPCなどに表示装置のベンダー情報、型番やシリアル、性能情報(対応する周波数、解像度、カラー特性、周波数限界)などを送信することで、どのような表示装置が接続されているのかをPCなどに通知することが可能な情報である。識別情報としてEDIDを用いる場合、EDIDを送信する機能を有する表示装置をドックステーション10Aに接続すればよいため、表示装置が特別な機能を有していなくてもよい。
【0041】
判定部18Aは、接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを識別情報に基づいて判定する。
制御部16Aは、判定部18Aの判定結果に基づいて、接続ポートに接続された外部機器のうち表示装置ではない外部器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する。
【0042】
図5は、第2実施形態におけるドックステーション10Aの動作を説明するフローチャートである。
ドックステーション10Aの制御部16Aは、第1のUSBポート11、第2のUSBポート12、第3のUSBポート13のうちいずれかの接続ポートに電子機器が接続されたか否かを判定する(ステップS201)。
制御部16Aは、電子機器が新たに接続ポートに接続されていないと判定した場合には、一定のウエイト時間が経過したあと、ステップS201の処理を再度実行する。
【0043】
一方、制御部16Aは、電子機器が新たに接続ポートに接続されたと判定した場合には、新たに接続された電子機器から識別情報を受信したか否かを判定する(ステップS202)。電子機器から識別情報を受信していないと判定した場合、制御部16Aは、後述するステップS207に処理を移行する。
電子機器から識別情報を受信したと判定した場合、判定部18Aは、受信した識別情報が、表示装置を示す識別情報であるか否かに基づいて、接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを判定する(ステップS203)。識別情報が表示装置を示す識別情報ではないと判定された場合、すなわち、外部機器が表示装置ではないと判定された場合、制御部16Aは、後述するステップS207に処理を移行する。
【0044】
一方、受信した識別情報が表示装置を示す識別情報である場合、すなわち、外部機器が表示装置であると判定された場合、制御部16Aは、接続されたUSBポートに対して表示装置が接続されたことを認識する(ステップS204)。
【0045】
次に、制御部16Aは、表示装置である外部機器とネゴシエーションを行う(ステップS205)。ここでは、今回接続された外部機器である表示装置の他に、既に接続された外部機器のうち表示装置があれば、この既に接続された表示装置と今回接続された表示装置についてそれぞれネゴシエーションを行うようにしてもよい。これにより、それぞれの表示装置について電力を供給可能であるか否かを判定した上で、電力の供給先を決めることができる。
【0046】
また、既に接続された表示装置と今回接続された表示装置についてそれぞれネゴシエーションを行う場合、接続された順序に従ってネゴシエーションを行うようにしてもよい。これにより、ドックステーション10Aに対して表示装置が多数接続される場合であっても、複数の表示装置のなかからルールに沿って電力供給先を決定することができる。
【0047】
次に、制御部16Aは、接続ポートに接続された外部機器のうち表示装置ではない外部機器を対象としてネゴシエーションを行う(ステップS206)。これにより、表示装置に対して優先して電力を供給するように割り当てたあと、残りの電力供給可能な範囲において、表示装置ではない外部機器に対して電力を割り当てることができる。また、表示装置ではない外部機器がドックステーション10Aに既に接続され電力が供給されている状態であっても、その後から接続された外部機器が表示装置であると判定された場合には、表示装置に対するネゴシエーションを行った後、表示装置ではない外部機器に対してネゴシエーションを行うようにしたので、接続順によらずに、表示装置に対して表示装置ではない電子機器よりも優先して電力を割り当てることができる。
【0048】
また、表示装置ではない外部機器に対してネゴシエーションを行う場合、既に接続された表示装置ではない外部機器と今回接続された表示装置ではない外部機器についてそれぞれネゴシエーションを行う場合、接続された順序に従ってネゴシエーションを行うようにしてもよい。これにより、ドックステーション10Aに対して表示装置ではない外部機器が多数接続される場合であっても、表示装置ではない外部機器に対して、ルールに沿って電力供給先を決定することができる。
【0049】
一方、ステップS202においてNOと判定された場合、またはステップS203においてNOと判定された場合、制御部16Aは、今回接続された表示装置ではない外部機器に対してネゴシエーションを行う(ステップS207)。これにより、制御部16Aは、既に外部機器に電力を供給している電力を除外した残りの供給可能な電力の範囲内において、当該外部機器に対して電力を供給するか否かを決定することができる。例えば、表示装置が既にドックステーション10Aに接続されている場合であっても、その表示装置への電力供給は維持することができる。
【0050】
制御部16Aは、ネゴシエーションを行った結果に応じて、外部機器に対して電力を供給する(ステップS208)。
【0051】
そして、制御部16Aは、処理を終了するか否かを判定し(ステップS209)、終了しないと判定した場合にはステップS201に処理を移行し、終了すると判定した場合には、処理を終了する。
【0052】
上述した第2実施形態によれば、制御部16Aは、第1のUSBポート、第2のUSBポート、第3のUSBポートに接続された機器と通信を行う。このとき接続された順に給電側と受電側がネゴシエーションを行い、供給電圧/電流を決定する。具体的には、ドックステーション10A(供給側)が供給可能な電圧/電流の組合せを外部機器(受電側)に通知し、外部機器がその中から指定して電源を供給してもらう。ここでは、USBポートに接続されている機器が表示装置である場合、表示装置から表示装置である旨を示した信号やIDなどをドックステーション10Aに送る。制御部16Aは、表示装置が接続されているUSBポートへの電力供給を、表示装置ではない外部機器が接続されたUSBポートよりも優先して行うようにする。
より具体的には、制御部16Aは、表示装置である旨を示した信号やIDなどを受信し、その後、表示装置ではない外部機器が接続されたUSBポートよりも、表示装置が接続されているUSBポートを優先して給電側と受電側のネゴシエーションを実行する。これにより、表示装置への電力供給が優先されるので、表示装置が起動しないリスクを低減させることができる。
【0053】
上述した第1実施形態におけるドックステーション10及び第2実施形態におけるドックステーション10Aは、フリーアドレス(Hot Deskとも呼ばれる)化されたオフィスにおいても用いることができる。例えば、ユーザは、ノート形のコンピュータを中心としたモバイル機器を使用することが多い。このような場合、USB Type-Cのケーブルを用いてDock例えば、ドックステーション10またはドックステーション10A等)に接続することで、このUSB Type-Cのケーブル1本でデスクトップディスプレイからの映像、コンピュータへの給電、USB ハブ機能のやり取りを実現することができる。この場合、コンピュータ等のモバイル機器は充電を気にせず使用できる。例えば、コンピュータなどのモバイル機器は、USB Type-Cのケーブルを介してDockに接続することで充電が可能であるため、電源アダプタ等の別のケーブルを接続しなくても充電が可能となる。
【0054】
また、モバイル機器に備えられた小さな画面では、編集等の作業が難しい場合であっても、オフィスにおいて、ドックステーションにコンピュータと表示装置を接続することで、コンピュータの画面を表示装置に表示することができ、オフィスで大きな画面で作業を行うことができる。
この場合、フリーアドレスの机にドックステーション10またはドックステーション10Aを設置することで、オフィスにおいては、20インチクラスから40インチクラスまで等の画面サイズのデスクトップディスプレイの中から、所望のサイズを自由に選択して接続することができる。
【0055】
また、オフィスにおいて、デスクトップディスプレイは、2台接続されることが多い。さらに、デスクトップディスプレイには電源基板を持たず、Dock(からのUSB Type-C経由での給電を受けるタイプのものがある。
このようなデスクトップディスプレイをドックステーション10またはドックステーション10Aに対して接続する場合には、それぞれのデスクトップディスプレイに優先して電力を供給した上で、余剰電力から他の外部機器に対して電力を供給する。例えば、ドックステーション10またはドックステーション10Aの供給可能な電力が100Wであり、2台のデスクトップディスプレイの必要電力がそれぞれ20Wであり、ノート型コンピュータの必要電力が60Wであるとする。このような場合に、これらの外部機器が接続された場合には、表示装置に電力を優先して供給する場合であっても、ドックステーション10またはドックステーション10Aの供給可能な電力の範囲内であるため、これら2台の表示装置とコンピュータなどに対して電力を供給することができる。
【0056】
また、例えば、ドックステーション10またはドックステーション10Aの供給可能な電力が100Wであり、2台のデスクトップディスプレイの必要電力がそれぞれ20Wであり、ノート型コンピュータの必要電力が85Wであるとする。このような場合に、ドックステーション10またはドックステーション10Aに対して、コンピュータが接続された後、2台の表示装置が接続された場合には、2台の表示装置に電力を供給した上でコンピュータに電力を供給しようとすると、供給可能な電力の範囲を超えてしまうため、コンピュータに対する電力の供給を停止した上で、2台の表示装置に対する電力を供給する。このとき、コンピュータは、内部に設けられたバッテリーで駆動することが可能である。
【0057】
次に、第3実施形態について説明する。
図6は、第3実施形態における電子機器の概略の構成を示す機能ブロック図である。
電子機器100には、外部機器を接続可能な複数の接続ポート110、接続ポート120、接続ポート130が設けられる。また、電子機器100には、複数の接続ポートにそれぞれ割り当てられた優先度に基づいて、接続ポートに接続された外部機器に対して、他の接続ポートに接続された外部機器よりも優先して電力を供給するか否かを制御する制御部160が設けられる。
【0058】
次に、第4実施形態について説明する。
図7は、第4実施形態における電子機器の概略の構成を示す機能ブロック図である。
電子機器200において、接続ポート210、接続ポート220、接続ポート230は、それぞれ、外部機器を接続することが可能である。
受信部270は、接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信する。
判定部280は、接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを前記識別情報に基づいて判定する。
制御部260は、判定結果に基づいて、接続ポートに接続された外部機器のうち表示装置ではない外部機器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する。
【0059】
また、図1図4図6図7における各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより施工管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0060】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記のプログラムを所定のサーバに記憶させておき、他の装置からの要求に応じて、当該プログラムを通信回線を介して配信(ダウンロード等)させるようにしてもよい。
【0061】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
〈付記〉
なお、上記実施形態に係る発明の態様は次のようにもとらえることができる。
(態様1)
外部機器を接続可能な複数の接続ポートと、
前記接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信する受信部と、
前記接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを前記識別情報に基づいて判定する判定部と、
前記判定された結果に基づいて、前記接続ポートに接続された外部機器のうち表示装置ではない外部機器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する制御部と、
を有する電子機器。
(態様2)
態様1において、
前記制御部は、前記表示装置である外部機器とネゴシエーションを行った後、前記表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行う。
(態様3)
態様1または態様2において、
前記制御部は、前記判定された結果に基づいて、接続された外部機器が表示装置である場合には、当該表示装置と既に接続された外部機器とのうち、表示装置である外部機器のそれぞれとネゴシエーションを行った後、既に接続された外部機器のうち表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行う。
(態様4)
態様1から態様3のいずれか1つにおいて、
前記制御部は、前記表示装置ではない外部機器とネゴシエーションを行う場合、既に外部機器に電力を供給している電力を除外した残りの供給可能な電力に基づいて、前記表示装置ではない外部機器に対して電力を供給するか否かを判定する。
(態様5)
態様1から態様4のいずれか1つにおいて、
前記接続ポートは、前記外部機器に対してケーブルによって電気的に接続される。
(態様6)
態様1から態様5のいずれか1つにおいて、
前記接続ポートは、前記外部機器に対してUSB Type-Cの規格に従って接続される。
(態様7)
受信部が、外部機器を接続可能な複数の接続ポートに接続される外部機器から当該外部機器が表示装置であることを表す識別情報を受信し、
判定部が、前記接続ポートに接続された外部機器が表示装置であるか否かを前記識別情報に基づいて判定し、
制御部が、前記判定された結果に基づいて、前記接続ポートに接続された外部機器のうち表示装置ではない外部機器よりも表示装置である外部機器を優先して電力を供給する
電子機器の電力供給方法。
【符号の説明】
【0062】
1…表示システム、1A…表示システム、10…ドックステーション、10A…ドックステーション、11…第1のUSBポート、12…第2のUSBポート、13…第3のUSBポート、14…USBハブ、15…電源部、16…制御部、16A…制御部、17…記憶部、17A…受信部、18A…判定部、21…表示装置、21a…Type-Cケーブル、22…表示装置、22a…Type-Cケーブル、30…コンピュータ、30a…Type-Cケーブル、41…入力デバイス、42…入力デバイス、100…電子機器、110…接続ポート、120…接続ポート、130…接続ポート、160…制御部、200…電子機器、210…接続ポート、220…接続ポート、230…接続ポート、260…制御部、270…受信部、280…判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7