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特許7430250芳香族ジカルボン酸の合成のためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】芳香族ジカルボン酸の合成のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C07D 307/68 20060101AFI20240202BHJP
【FI】
C07D307/68
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022519271
(86)(22)【出願日】2020-09-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 US2020051737
(87)【国際公開番号】W WO2021061545
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】16/586,942
(32)【優先日】2019-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】ブロデリック、エリン マリー
(72)【発明者】
【氏名】アブレバヤ、ハイム
(72)【発明者】
【氏名】バーガー、ポール ティー.
(72)【発明者】
【氏名】バタチャリヤ、アラカナンダ
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108558800(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2,5-フランジカルボン酸を合成するための方法であって、
a.フロ酸を提供することと、
b.金属水酸化物及び少なくとも1つのカルボキシラートをフロ酸に提供して、固体混合物を生成することと、
c.2,5-フランジカルボン酸を生成するのに十分な反応時間、大気から1000psigまでの圧力及び十分な熱の下で、前記混合物に二酸化炭素を添加することと、
を含み、
前記金属水酸化物及び前記カルボキシラートが、1:0.1~1:1のモル比率である、方法。
【請求項2】
前記金属水酸化物及び前記少なくとも1つのカルボキシラートが、溶媒中にあり、前記溶媒は、前記二酸化炭素が前記混合物に添加される前に除去される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の記載)
本出願は、その全体が本明細書に組み込まれる、2019年9月28日に出願された
、米国特許出願第16/586,942号からの優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、安価な試薬を用いるバイオマスからのペントースからの2,5-
フランジカルボン酸を含む芳香族カルボン酸化合物の生成のためのプロセスに関する。
【0003】
本開示によれば、フラン-2,5-ジカルボキシラート(furan-2,5-dicarboxylate
、FDCA)を合成するための方法が提供され、これは、テレフタル酸及びp-キシレン
としてのそのような出発材料の代替物としてのバイオベースのプラスチックのファミリー
のための出発材料として使用され得る。FDCAへの現行の経路は、
中間体、ヒドロキシメチルフルフラール(hydroxymethylfurfural、HMF)を通じ
てフルクトースをFDCAに変換する。この経路は、高価な生成物につながる欠点を有す
る(フルクトースが高価な出発材料であり、HMFが安定性の問題を有するという問題を
含む)。バイオマスからのペントースを通じた新しい経路は、現行の経路の課題を排除し
、試薬として温室ガスである二酸化炭素を使用することができる。より安価な出発材料を
使用する方法を提供することが、望ましい。
【発明の概要】
【0004】
芳香族カルボン酸化合物を合成するための方法であって、
芳香族化合物又は少なくとも1つのカルボキシル基を有する芳香族化合物を提供する
ことと、
金属水酸化物及び少なくとも1つのカルボキシラートを提供して、混合物を生成する
ことと、
芳香族カルボン酸化合物を生成するのに十分な時間、約大気から1000psigま
での圧力及び十分な熱の下で、混合物に二酸化炭素を添加することと、を含む、方法が、
提供される。
【0005】
作製される芳香族カルボン酸化合物は、テレフタル酸、ナフタル酸、チオフェンジカ
ルボン酸、ピリジンジカルボン酸、カルバゾールジカルボン酸、及びジベンゾチオフェン
ジカルボン酸を含み得る。金属水酸化物及び少なくとも1つのカルボキシラートは、多く
の場合、水などの溶媒又は二酸化炭素が添加される前に混合物から除去されるメタノール
、エタノール、プロパノール、及びブタノールなどのアルコール中に提供される。反応に
使用される熱は、合成されている化合物に依存し、周囲温度から400℃まで、又は場合
によっては200℃~300℃若しくは100℃~300℃の範囲であり得る。使用され
る金属水酸化物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジ
ウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムを含む。カルボキシラ
ートは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、及び
カルシウムから選択されるカチオン、並びにホルマート、アセタート、ジカルボキシラー
ト及びトリカルボキシラートから選択されるアニオンを含む。金属水酸化物は、金属水酸
化物対芳香族化合物のモル比率にあり得るか、又は少なくとも1つのカルボキシル基を有
する芳香族化合物は、1:1~2:1、1:0.1~1:1、1:0.1~1:0.5又
は0.1:1~1:1である。反応時間は、芳香族カルボン酸化合物を生成するのに十分
であり、1秒~24時間、1分~12時間、1分~6時間、又は1分~1時間である。プ
ロセスは、連続的、半バッチ式又はバッチ反応プロセスであり得る。場合によっては、芳
香族カルボン酸化合物は、フラン-2,5-ジカルボキシラートである。アセタートは、
プロピオナート、ブチラート、イソブチラート及びラクタートから選択され得、ジカルボ
キシラートは、オキサラート、マロナート、スクシナート及びアジパートから選択され、
トリカルボキシラートは、シトラート及びイソシトラートから選択される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
二酸化炭素から化合物を合成するための主要な障害は、炭素-炭素(C-C)結合を
効率的に形成することの困難さである。COは、炭素中心求核剤と容易に反応するが、
これらの中間体を生成することは、高エネルギー試薬(例えば、高度な還元性金属又は強
い有機塩基)、炭素-ヘテロ原子結合、及び/又は比較的酸性のC-H結合を以前に必要
とした。これらの要件は、基質としてCOを使用する環境面の利益を打ち消し、化学物
質を低体積の標的に限定する。国際公開第2016/153937(A1)号は、FDC
Aを生成する従来技術の方法、同様にカルボナートを使用することによってFDCAを生
成する方法を考察する。
【0007】
本開示は、ベンゼンなどの芳香族化合物又はフロ酸(furoic acid)などのカルボキ
シル基を有する芳香族化合物の芳香族ジカルボン酸への反応に使用される、水酸化カリウ
ム及び酢酸カリウムなどの安価な出発材料の使用を提供する。これらの水酸化物及びアセ
タートは、炭酸セシウム、炭酸カリウム及びイソ酪酸カリウムなどの試薬を使用する従来
技術の反応よりもはるかに安価である。例えば、水酸化カリウムは、同様の性能を有する
モル基準での炭酸セシウムよりも10倍少ないコストである。次いで、この方法で生成さ
れるFDCAは、ポリマーを作製する際に使用され得る。
【0008】
本明細書に開示されるプロセスによって調製され得る芳香族ジカルボン酸は、テレフ
タル酸、ナフタル酸、チオフェンジカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、カルバゾールジ
カルボン酸、及びジベンゾチオフェンジカルボン酸を含む。使用され得る金属水酸化物は
、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシ
ウム、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウム並びにそれらの混合物を含む。使用され
得るカルボキシラートは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マ
グネシウム、及びカルシウムから選択されるカチオンと、ホルマート、プロピオナート、
ブチラート、イソブチラート及びラクタートから選択されるアセタート、オキサラート、
マロナート、スクシナート及びアジパートから選択されるジカルボキシラート、並びにシ
トラート及びイソシトラートから選択されるトリカルボキシラートから選択されるアニオ
ンと、を含む。
【0009】
本発明をより完全に説明するために、以下の実施例が記載される。実施例は例示目的
に過ぎず、添付の特許請求の範囲に記載されるような本発明の広範な範囲に対する過度の
限定として意図するものではないことを理解されたい。
【実施例1】
【0010】
水酸化カリウム(1.05当量)の水溶液を、フロ酸に添加した。水を、120℃で
2時間ロータリーエバポレータによって除去し、白色の固体を生成した。次いで、窒素雰
囲気中で、固体を、水酸化カリウム(1当量)及び酢酸カリウム(0.37当量)と組み
合わせた。固体を、粉砕し、乳鉢及び乳棒で混合して、粉末を形成した。粉末を、ガラス
製の75mLオートクレーブに充填した。オートクレーブを、二酸化炭素で3回バックフ
ィルし、次いで、CO(220psig)で充填した。オートクレーブを1~4時間2
80℃まで加熱した。割り当てられた時間の後、オートクレーブを30分間冷却し、反応
物をフードに通気した。暗色の固体が生じ、これをH及び13C NMR分光法によっ
て分析した(表1)。
【0011】
【表1】
【0012】
実施例1は、経時的な水酸化カリウム及び酢酸カリウムとの反応の進行を示す。
【比較例2】
【0013】
炭酸カリウム(1.05当量)の水溶液を、フロ酸に添加した。水を、120℃で2
時間ロータリーエバポレータによって除去し、白色の固体を生成した。次いで、窒素雰囲
気中で、固体を、炭酸カリウム(1当量)及び酢酸カリウム(0.15~1.66当量)
と組み合わせた。固体を、粉砕し、乳鉢及び乳棒で混合して、粉末を形成した。粉末を、
ガラス製の75mLオートクレーブに充填した。オートクレーブを、二酸化炭素で3回バ
ックフィルし、次いで、CO(120psig)で充填した。オートクレーブを1時間
280℃まで加熱した。1時間後、オートクレーブを30分間冷却し、反応物をフードに
通気した。暗色の固体が生じ、これをH及び13C NMR分光法によって分析した(
図2)。
【0014】
【表2】
【0015】
比較例2では、酢酸カリウムの使用の有効性が、炭酸カリウムと組み合わせて使用される際に示されている。
【比較例3】
【0016】
炭酸カリウム(1.05当量)の水溶液を、フロ酸に添加した。水を、120℃で2
時間ロータリーエバポレータによって除去し、白色の固体を生成した。次いで、窒素雰囲
気中で、固体を、水酸化カリウム(1当量)及び酢酸カリウム(0.37当量)と組み合
わせた。固体を、粉砕し、乳鉢及び乳棒で混合して、粉末を形成した。粉末を、ガラス製
の75mLオートクレーブに充填した。オートクレーブを、二酸化炭素で3回バックフィ
ルし、次いで、CO(20~220psig)で充填した。オートクレーブを1時間2
80℃まで加熱した。割り当てられた時間の後、オートクレーブを30分間冷却し、反応
物をフードに通気した。暗色の固体が生じ、これをH及び13C NMR分光法によっ
て分析した(表3)。
【0017】
【表3】
【0018】
比較例3では、所望の生成物に対する選択性の増加が、二酸化炭素の圧力が増加する場合に示されている。
【実施例2】
【0019】
水酸化カリウム(2.05当量)及び酢酸カリウム(0.37当量)の水溶液を、フ
ロ酸に添加した。水を、120℃で4時間ロータリーエバポレータによって除去し、白色
の固体を生成した。次いで、窒素雰囲気中で、固体を、粉砕し、乳鉢及び乳棒で混合して
、粉末を形成した。粉末を、ガラス製の75mLオートクレーブに充填した。オートクレ
ーブを、二酸化炭素で3回バックフィルし、次いで、CO(220psig)で充填し
た。オートクレーブを2時間280℃まで加熱した。割り当てられた時間の後、オートク
レーブを30分間冷却し、反応物をフードに通気した。暗色の固体が生じ、これをH及
13C NMR分光法によって分析した(表4)。
【0020】
【表4】
【0021】
実施例2は、水酸化物及びカルボキシラートがプロセスの開始時に添加され、その後
に水の除去、次いで反応条件下で二酸化炭素の添加が続くプロセスにおける変形例を示す
【実施例3】
【0022】
水酸化カリウム(1.05当量)のメタノール溶液を、フロ酸に添加した。メタノー
ルを、120℃で2時間ロータリーエバポレータによって除去し、白色の固体を生成した
。次いで、窒素雰囲気中で、固体を、水酸化カリウム(1当量)及び酢酸カリウム(0.
37当量)と組み合わせた。固体を、粉砕し、乳鉢及び乳棒で混合して、粉末を形成した
。粉末を、ガラス製の75mLオートクレーブに充填した。オートクレーブを、二酸化炭
素で3回バックフィルし、次いで、CO(220psig)で充填した。オートクレー
ブを1時間280℃まで加熱した。割り当てられた時間の後、オートクレーブを30分間
冷却し、反応物をフードに通気した。暗色の固体が生じ、これをH及び13C NMR
分光法によって分析した(表5)。
【0023】
【表5】
【0024】
実施例3では、溶媒として水の代わりにメタノールの使用を伴うプロセスが、示され
ている。
【実施例4】
【0025】
水酸化カリウム(1.05当量)のメタノール溶液を、フロ酸に添加した。メタノー
ルを、120℃で2時間ロータリーエバポレータによって除去し、白色の固体を生成した
。次いで、窒素雰囲気中で、固体を、水酸化カリウム(0.56当量)及び酢酸カリウム
(0.37当量)と組み合わせた。固体を、粉砕し、乳鉢及び乳棒で混合して、粉末を形
成した。粉末を、ガラス製の75mLオートクレーブに充填した。オートクレーブを、二
酸化炭素で3回バックフィルし、次いで、CO(220psig)で充填した。オート
クレーブを0.5時間280℃にまで加熱した。割り当てられた時間の後、オートクレー
ブを30分間冷却し、反応物をフードに通気した。暗色の固体が生じ、これをH及び
C NMR分光法によって分析した(表6)。
【0026】
【表6】
【0027】
実施例4では、低減された量の酢酸カリウムが短縮された反応時間で使用され、反応
が高い生成物収率を生み出す際に依然として効果的であることを示した。
【実施例5】
【0028】
水酸化カリウム(1.05当量)の水溶液を、フロ酸に添加した。水を、120℃で
2時間ロータリーエバポレータによって除去し、白色の固体を生成した。次いで、窒素雰
囲気中で、固体を、水酸化カリウム(1当量)及び酢酸カリウム(0.37当量)と組み
合わせた。固体を、粉砕し、乳鉢及び乳棒で混合して、粉末を形成した。粉末を、ガラス
製の75mLオートクレーブに充填した。オートクレーブを、二酸化炭素で3回バックフ
ィルし、次いで、13CO(80psig)で充填した。オートクレーブを1時間28
0℃まで加熱した。割り当てられた時間の後、オートクレーブを30分間冷却し、反応物
をフードに通気した。暗色の固体が生じ、これをH及び13C NMR分光法によって
分析し(表7)、固体の質量分析は、FDCA生成物中への13Cの93%の組み込みを
示した。
【0029】
【表7】
【0030】
実施例5では、二酸化炭素試薬からの炭素が化合物中に組み込まれる証拠が、示され
ている。
【0031】
特定の実施形態
以下を特定の実施形態と併せて説明するが、本明細書は、前述の説明及び添付の特許
請求の範囲を例示するものであり、限定することを意図するものではないことが理解され
よう。
【0032】
本発明の第1の実施形態は、芳香族カルボン酸化合物を合成するための方法であって
、芳香族化合物又は少なくとも1つのカルボキシル基を有する芳香族化合物を提供するこ
とと、金属水酸化物及び少なくとも1つのカルボキシラートを提供して、混合物を生成す
ることと、芳香族カルボン酸化合物を生成するのに十分な時間、約大気から1000ps
igまでの圧力及び十分な熱の下で、混合物に二酸化炭素を添加することと、を含む、方
法である。本発明の実施形態は、本段落における第1の実施形態にまで至る本段落におけ
る先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、芳香族カルボン酸化合物は、
安息香酸、トルイル酸、フロ酸、2,5-フランジカルボン酸、テレフタル酸、ナフタル
酸、チオフェンジカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、カルバゾールジカルボン酸、及び
ジベンゾチオフェンジカルボン酸から選択される。本発明の実施形態は、本段落における
第1の実施形態にまで至る本段落における先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全
てであり、金属水酸化物及び少なくとも1つのカルボキシラートは、溶媒中にあり、溶媒
は、二酸化炭素が混合物に添加される前に除去される。本発明の実施形態は、本段落にお
ける第1の実施形態にまで至る本段落における先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又
は全てであり、溶媒は、水又はアルコールである。本発明の実施形態は、本段落における
第1の実施形態にまで至る本段落における先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全
てであり、アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール及びブタノールから選
択される。本発明の実施形態は、本段落における第1の実施形態にまで至る本段落におけ
る先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、十分な熱は、周囲温度から4
00℃までである。本発明の実施形態は、本段落における第1の実施形態にまで至る本段
落における先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、金属水酸化物は、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム
、水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムから選択される。本発明の実施形態は、本段
落における第1の実施形態にまで至る本段落における先行実施形態のうちの1つ、いずれ
か、又は全てであり、金属水酸化物は、水酸化カリウムである。本発明の実施形態は、本
段落における第1の実施形態にまで至る本段落における先行実施形態のうちの1つ、いず
れか、又は全てであり、カルボキシラートは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジ
ウム、セシウム、マグネシウム、及びカルシウムから選択されるカチオン、並びにホルマ
ート、アセタート、ジカルボキシラート及びトリカルボキシラートから選択されるアニオ
ンからなる。本発明の実施形態は、本段落における第1の実施形態にまで至る本段落にお
ける先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、温度は、200℃~300
℃である。本発明の実施形態は、本段落における第1の実施形態にまで至る本段落におけ
る先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、提供される金属水酸化物は、
金属水酸化物対芳香族化合物のモル比率にあるか、又は少なくとも1つのカルボキシル基
を有する芳香族化合物は、1:1~2:1である。本発明の実施形態は、本段落における
第1の実施形態にまで至る本段落における先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全
てであり、金属水酸化物及びカルボキシラートは、1:0.1~1:1又は0.1~1:
1のモル比率にある。本発明の実施形態は、本段落における第1の実施形態にまで至る本
段落における先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、芳香族カルボン酸
化合物を生成するのに十分な時間は、1秒~24時間である。本発明の実施形態は、本段
落における第1の実施形態にまで至る本段落における先行実施形態のうちの1つ、いずれ
か、又は全てであり、芳香族カルボン酸化合物の合成は、連続的、半バッチ式又はバッチ
反応プロセスである。本発明の実施形態は、本段落における第1の実施形態にまで至る本
段落における先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、芳香族カルボン酸
化合物は、フラン-2,5-ジカルボキシラートである。本発明の実施形態は、本段落に
おける第1の実施形態にまで至る本段落における先行実施形態のうちの1つ、いずれか、
又は全てであり、アニオンは、プロピオナート、ブチラート、イソブチラート又はラクタ
ートから選択される。本発明の実施形態は、本段落における第1の実施形態にまで至る本
段落における先行実施形態のうちの1つ、いずれか、又は全てであり、ジカルボキシラー
トは、オキサラート、マロナート、スクシナート及びアジパートから選択される。本発明
の実施形態は、本段落における第1の実施形態にまで至る本段落における先行実施形態の
うちの1つ、いずれか、又は全てであり、トリカルボキシラートは、シトラート及びイソ
シトラートから選択される。
【0033】
更に説明することなく、前述の説明を使用して、当業者が、本発明の趣旨及び範囲か
ら逸脱することなく本発明を最大限まで利用し、かつ本発明の本質的な特性を容易に確認
することができ、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合させる
ことができると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の実施形態は、単なる例
示として解釈されるべきであり、いかなるようにも本開示の残りを限定するものではなく
、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを
意図するものである。
【0034】
上記では、全ての温度は摂氏度で記載され、全ての部及び百分率は、別途記載のない
かぎり、重量基準である。