(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】検査ソケットの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01R 1/06 20060101AFI20240202BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20240202BHJP
H01R 33/76 20060101ALI20240202BHJP
G01R 1/073 20060101ALI20240202BHJP
H01R 43/18 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
G01R1/06 D
G01R31/26 J
H01R33/76 Z
G01R1/073 D
H01R43/18
(21)【出願番号】P 2022519444
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(86)【国際出願番号】 KR2021006236
(87)【国際公開番号】W WO2021235842
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0061448
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517040445
【氏名又は名称】リーノ インダストリアル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ベク,スン-ハ
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-070146(JP,A)
【文献】特開2004-325306(JP,A)
【文献】特開2006-066205(JP,A)
【文献】特許第4431780(JP,B2)
【文献】特表2018-529932(JP,A)
【文献】特開2007-178165(JP,A)
【文献】特開2009-156710(JP,A)
【文献】特開2010-175371(JP,A)
【文献】特開2007-178163(JP,A)
【文献】特開2004-325305(JP,A)
【文献】国際公開第2009/102029(WO,A1)
【文献】特開2006-125988(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0233973(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
G01R 31/26
H01R 33/76
H01R 43/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットの製造方法であって、
導電性材質のベース部材の一面に絶縁性材質の絶縁部材を相互接合して接合ブロックを形成する段階;
前記接合ブロックに、前記プローブを収容するプローブ収容孔と前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
絶縁性材質のカバー部材に、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端部が前記第1支持孔に支持されるように前記プローブを前記プローブ収容孔に挿入する段階;及び
前記プローブの他端部が前記第2支持孔に支持されるように前記カバー部材を前記ベース部材の他面に結合させる段階を含む検査ソケットの製造方法。
【請求項2】
前記接合ブロックの形成段階は、
前記ベース部材と絶縁部材との間に接着シートを配列する段階;及び
前記接着シートを加熱及び加圧する段階を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項3】
前記接着シートは、硬化型接着剤を含む、請求項2に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項4】
前記接合ブロックの形成段階は、
前記ベース部材の一面に、前記絶縁部材を形成する領域に陥没部を形成する段階;
前記陥没部に樹脂を埋める段階;
前記樹脂の埋められた陥没部をカバーで覆う段階;
前記樹脂を硬化させる段階;及び
前記カバーを分離する段階を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項5】
前記接合ブロックの形成段階は、
前記ベース部材の一面に前記絶縁部材をインサート射出する段階を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項6】
前記絶縁部材が形成される前記ベース部材の一面に少なくとも一つの接合溝を形成する段階をさらに含む、請求項5に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項7】
前記接合溝は、底に残り断面積が広くなる、請求項6に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項8】
前記接合溝は、前記プローブ収容孔が設けられる領域以外の領域に形成される、請求項6に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項9】
前記接合溝は、前記プローブ収容孔を取り囲む、請求項6に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項10】
前記ベース部材は、厚さ方向に貫通する接合孔を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項11】
前記接合孔は、前記プローブ収容孔が設けられる領域以外の領域に形成される、請求項10に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項12】
前記接合ブロックと前記カバー部材との間にギャッププレートを介在させる段階をさらに含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の方法で製造された検査ソケット。
【請求項14】
長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質のベース部材に、前記プローブを収容するプローブ収容孔を形成する段階;
前記ベース部材の一面に絶縁性材質の絶縁部材を接合して接合ブロックを形成する段階;
前記プローブ収容孔を通じて前記接合ブロックの絶縁部材に前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階;
絶縁性材質のカバー部材に、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブの一端部が前記第1支持孔に支持されるように前記プローブを前記プローブ収容孔に挿入する段階;及び
前記プローブの他端部が前記第2支持孔に支持されるように前記カバー部材を前記ベース部材の他面に結合させる段階を含む検査ソケットの製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法で製造された検査ソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体の電気的特性を検査する検査ソケットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波又は高速半導体テスト用検査ソケットは、導電性ブロックに信号用プローブを非接触状態で装着することにより、隣接する信号用プローブ同士の干渉やノイズを遮蔽する。信号用プローブを導電性ブロックに非接触状態で支持する方式は、導電性ブロックの両面に絶縁性支持プレートを配置して信号用プローブの両端部を支持している。このとき、導電性ブロックにはプローブのバレルを収容するプローブ収容孔を形成し、絶縁性支持プレートに、バレルの端部を支持するためのプローブ支持孔を形成した後、プローブ収容孔とプローブ支持孔とが整列されるように、導電性ブロックと絶縁性支持プレートとをボルトで結合させている。従来の検査ソケットを製造する方式は、プローブ収容孔の製造工程とプローブ支持孔の製造工程がそれぞれ個別に行われるため、プローブの数が増加するほど工程誤差及び整列誤差も大きくなる。このため、多数のプローブ収容孔及びプローブ支持孔に収容されて支持される信号用プローブは、プローブ収容孔の中心軸から外れてしまい、その結果、挿入損失(Insertion Loss)特性、反射損失(Return Loss)特性、クロストーク(Crosstalk)特性、隔離(Isolation)特性、Z-インピーダンス(Z-Impedance)特性、及びインダクタンス特性が悪くなることがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、優れた特性の高周波又は高速半導体テスト用検査ソケットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を達成するための、長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットの製造方法が提供される。検査ソケットの製造方法は、導電性材質のベース部材の一面に絶縁性材質の絶縁部材を接合して接合ブロックを形成する段階、前記接合ブロックに、前記プローブを収容するプローブ収容孔と前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階、絶縁性材質のカバー部材に、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階、前記プローブの一端部が前記第1支持孔に支持されるように前記プローブを前記プローブ収容孔に挿入する段階、及び前記プローブの他端部が前記第2支持孔に支持されるように前記カバー部材を前記ベース部材の他面に結合させる段階を含む。
【0005】
前記接合ブロックの形成段階は、
前記ベース部材と絶縁部材との間に接着シートを配列する段階、及び前記接着シートを加熱及び加圧する段階を含むことができる。
【0006】
前記接着シートは、硬化型接着剤を含むことができる。
【0007】
前記接合ブロックの形成段階は、前記ベース部材の一面に、前記絶縁部材を形成する領域に陥没部を形成する段階、前記陥没部に樹脂を埋める段階、前記樹脂の埋められた陥没部をカバーで覆う段階、前記樹脂を硬化させる段階、及び前記カバーを分離する段階を含むことができる。
【0008】
前記接合ブロックの形成段階は、前記ベース部材の一面に前記絶縁部材をインサート射出する段階を含むことができる。
【0009】
前記ベース部材は、前記絶縁部材が形成される面に接合溝を含むことができる。
【0010】
前記接合溝は、底に残り断面積が広くなってよい。
【0011】
前記接合溝は、前記プローブ収容孔が設けられる領域以外の領域に形成されてよい。
【0012】
前記接合溝は、前記プローブ収容孔を取り囲んで設けらてよい。
【0013】
前記ベース部材は、厚さ方向に貫通する接合孔を含むことができる。
【0014】
前記接合孔は、前記プローブ収容孔が設けられる領域以外の領域に形成されてよい。
【0015】
前記接合ブロックと前記カバー部材との間にギャッププレートを介在させる段階をさらに含むことができる。
【0016】
本発明の他の実施例に係る、長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法が提供される。検査ソケットの製造方法は、導電性材質のベース部材に、前記プローブを収容するプローブ収容孔を形成する段階、前記ベース部材の一面に絶縁性材質の絶縁部材を接合して接合ブロックを形成する段階、前記プローブ収容孔を通じて前記接合ブロックの絶縁部材に前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階、絶縁性材質のカバー部材に、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階、前記プローブの一端部が前記第1支持孔に支持されるように前記プローブを前記プローブ収容孔に挿入する段階、及び前記プローブの他端部が前記第2支持孔に支持されるように前記カバー部材を前記ベース部材の他面に結合させる段階を含む。
【0017】
本発明の実施例によって製造された検査ソケットが提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の実施例に係る検査ソケットの製造方法は、ベース部材と絶縁部材とを一体に接合して接合ブロックを形成した後に、信号用プローブが収容されるプローブ収容孔とプローブ支持孔を単一工程で形成するので、工程誤差又は整列誤差を減らすことができ、信号用プローブをプローブ収容孔の中心軸に位置させることができ、その結果、挿入損失(Insertion Loss)、反射損失(Return Loss)、クロストーク(Crosstalk)、隔離(Isolation)、Z-インピーダンス(Z-Impedance)、インダクタンス(Inductance)の特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施例に係る検査ソケットを示す断面図である。
【
図2】
図1におけるソケットブロックを示す断面図である。
【
図3】
図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図4】
図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図5】
図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図6】
図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図7】
図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図8】
図2におけるギャッププレートを示す断面図である。
【
図9】本発明の第2実施例に係る接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図10】本発明の第2実施例に係る接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図11】本発明の第2実施例に係る接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図12】本発明の第2実施例に係る接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図13】本発明の第2実施例に係る接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図14】本発明の第3実施例に係る接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図15】本発明の第3実施例に係る接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図16】本発明の第3実施例に係る接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図17】
図16に示した接合ブロックに信号プローブ孔を形成した状態を示す図である。
【
図18】
図16に示した接合ブロックに信号プローブ孔を形成した状態を示す図である。
【
図19】本発明の第4実施例によって接合された接合ブロックを形成する過程を示す図である。
【
図20】本発明の第4実施例によって接合された接合ブロックを形成する過程を示す図である。
【
図21】本発明の第4実施例によって接合された接合ブロックを形成する過程を示す図である。
【
図22】本発明の第5実施例によって接合された接合ブロックを形成する過程を示す図である。
【
図23】本発明の第5実施例によって接合された接合ブロックを形成する過程を示す図である。
【
図24】本発明の第6実施例に係る検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図25】本発明の第6実施例に係る検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図26】本発明の第6実施例に係る検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図27】それぞれ、従来技術と本発明における挿入損失、反射損失、隔離及びZ-インピーダンスの特性を比較して示すグラフである。
【
図28】それぞれ、従来技術と本発明における挿入損失、反射損失、隔離及びZ-インピーダンスの特性を比較して示すグラフである。
【
図29】それぞれ、従来技術と本発明における挿入損失、反射損失、隔離及びZ-インピーダンスの特性を比較して示すグラフである。
【
図30】それぞれ、従来技術と本発明における挿入損失、反射損失、隔離及びZ-インピーダンスの特性を比較して示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明に係る好ましい実施例を詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の第1実施例に係る検査ソケット1を示す断面図である。
【0022】
図1を参照すると、検査ソケット1は、ソケットブロック2、及び複数のプローブ、例えばパワープローブ5、接地プローブ6、信号プローブ又はRFプローブ(以下、‘信号プローブ’と称する)7を含むことができる。検査ソケット1は、パワープローブ5、接地プローブ6、及び信号プローブ7のいずれか1つ又は2つだけを含んでもよい。
【0023】
ソケットブロック2は、接合ブロック3とカバー部材4を含むことができる。
【0024】
接合ブロック3は、ベース部材31の一面に絶縁部材32を一体に接合して形成することができる。
【0025】
ベース部材31は、導電性材質、例えば黄銅などからなってよい。ベース部材31は、絶縁性材質を導電性材料で塗布して形成することもできる。
【0026】
絶縁部材32は、絶縁性材質、例えば、エンジニアリングプラスチック、セラミックなどからなってよい。
【0027】
カバー部材4は、ベース部材31の裏面に結合してよい。カバー部材4は、絶縁性材質、例えば、エンジニアリングプラスチック、又はセラミックなどからなってよい。
【0028】
パワープローブ5は、ベース部材31に非接触状態で収容され、一端部が絶縁部材32に支持され、他端部がカバー部材4に支持されてよい。パワープローブ5は、バレル51、第1プランジャー52、第2プランジャー53及びスプリング(図示せず)を含むことができる。第1プランジャー52と第2プランジャー53は、スプリングを挟持して長さ方向に沿って伸縮可能であり、ソケットブロック2の上下面から部分突出して、被検査体のパワー接点と検査回路のパワー接点とを電気的に連結することができる。
【0029】
接地プローブ6は、ベース部材31に接触状態で支持され、一端部が絶縁部材32を通過し、他端部がカバー部材4を通過するように支持されてよい。接地プローブ6は、バレル61、第1プランジャー62、第2プランジャー63及びスプリング(図示せず)を含むことができる。第1プランジャー62と第2プランジャー63は、スプリングを挟持して長さ方向に沿って伸縮可能であり、ソケットブロック2の上下面から部分突出して、被検査体の接地接点と検査回路の接地接点とを電気的に連結することができる。
【0030】
信号プローブ7は、ベース部材31に非接触状態で収容され、一端部が絶縁部材32に支持され、他端部がカバー部材4に支持されてよい。信号プローブ7は、バレル71、第1プランジャー72、第2プランジャー73及びスプリング(図示せず)を含むことができる。第1プランジャー72と第2プランジャー73は、スプリングを挟持して長さ方向に沿って伸縮可能であり、ソケットブロック2の上下面から部分突出して、被検査体の信号接点と検査回路の信号接点とを電気的に連結することができる。
【0031】
接合ブロック3とカバー部材4との間には、複数のプローブ5,6,7の位置を整列するためのギャッププレート8を含んでもよい。
【0032】
ギャッププレート8は、絶縁性の材質、例えば、エンジニアリングプラスチック又はセラミックからなってよい。ギャッププレート8は、接合ブロック3とカバー部材4とを結合させる際に整列誤差を補正することができる。
【0033】
パワープローブ5、接地プローブ6及び信号プローブ7は、前述したポゴタイプに限定されず、伸縮可能なプローブであればいずれも適用可能である。
【0034】
図2は、
図1におけるソケットブロック2を示す断面図である。
【0035】
図2を参照すると、ソケットブロック2は、パワープローブ5を非接触状態で収容するパワープローブ孔21、接地プローブ6を接触状態で収容する接地プローブ孔22、信号プローブ7を非接触状態で収容する信号プローブ孔23を含むことができる。
【0036】
パワープローブ孔21は、パワープローブ5を非接触状態で収容するようにベース部材31に形成されるパワープローブ収容孔211、パワープローブ5の一端部を支持するように絶縁部材32に形成される第1パワープローブ支持孔212、及びパワープローブ5の他端部を支持するようにカバー部材4に形成される第2パワープローブ支持孔213を含むことができる。
【0037】
パワープローブ収容孔211は、パワープローブ5のバレル51の外径よりも大きい直径で一定にベース部材31を上下貫通して形成されてよい。
【0038】
第1パワープローブ支持孔212は、パワープローブ5のバレル51の一端部に対応する形状で絶縁部材32に形成される第1バレル支持溝2121と、第1バレル支持溝2121に連通し、第1プランジャー52が通過するように絶縁部材32に形成される第1プランジャー通過孔2122を含むことができる。
【0039】
第2パワープローブ支持孔213は、パワープローブ5のバレル51の他端部に対応する形状でカバー部材4に形成される第2バレル支持溝2131と、第2バレル支持溝2131に連通し、第2プランジャー53が通過するようにカバー部材4に形成される第2プランジャー通過孔2132を含むことができる。
【0040】
接地プローブ孔22は、接地プローブ6を接触状態で収容するようにベース部材31に形成される接地プローブ収容孔221、接地プローブ6の一端部が通過するように絶縁部材32に形成される接地プローブ通過孔222、及び接地プローブ6の他端部を支持するようにカバー部材4に形成される接地プローブ支持孔223を含むことができる。
【0041】
接地プローブ収容孔221は、接地プローブ6のバレル61の外径と同じ直径で一定に延在してベース部材31に形成されるバレル収容孔2211、接地プローブ6のバレル61の一端部を収容するようにベース部材31に形成されるバレル端部収容溝2212、及び接地プローブ6の第1プランジャー62を収容するようにベース部材31に形成されるプランジャー収容孔2213を含むことができる。バレル端部収容溝2212及びプランジャー収容孔2213は、絶縁部材32に形成されてもよい。
【0042】
接地プローブ通過孔222は、プランジャー収容孔2213を含み、接地プローブ6の第1プランジャー62が通過するように絶縁部材32に形成されてよい。
【0043】
接地プローブ支持孔223は、接地プローブ6のバレル61の他端部に対応する形状でカバー部材4に形成されるバレル支持溝2231と、バレル支持溝2231に連通し、第2プランジャー63が通過するようにカバー部材4に形成されるプランジャー通過孔2232を含むことができる。
【0044】
信号プローブ孔23は、信号プローブ7を非接触状態で収容するようにベース部材31に形成される信号プローブ収容孔231、信号プローブ7の一端部を支持するように絶縁部材32に形成される第1信号プローブ支持孔232、及び信号プローブ7の他端部を支持するようにカバー部材4に形成される第2信号プローブ支持孔233を含むことができる。
【0045】
信号プローブ収容孔231は、ベース部材31に、信号プローブ7のバレル71の外径よりも大きい直径で一定に上下貫通して形成されてよい。
【0046】
第1信号プローブ支持孔232は、絶縁部材32に信号プローブ7のバレル71の一端部に対応する形状で形成される第1バレル支持溝2321と、第1バレル支持溝2321に連通し、第1プランジャー72が通過するように絶縁部材32に形成される第1プランジャー通過孔2322を含むことができる。
【0047】
第2信号プローブ支持孔233は、信号プローブ7のバレル71の他端部に対応する形状でカバー部材4に形成される第2バレル支持溝2331と、第2バレル支持溝2331に連通し、第2プランジャー73が通過するようにカバー部材4に形成される第2プランジャー通過孔2332を含むことができる。
【0048】
ギャッププレート8には、パワープローブ5、接地プローブ6、信号プローブ7のバレル51,61,71の外径に対応するパワーホール81、接地ホール82及び信号ホール83が形成されている。
【0049】
図3~
図7は、
図1の検査ソケット1を製造する方法を示す図である。
【0050】
図3に示すように、ベース部材31の上面に接着シート33を用いて絶縁部材32を接着させることができる。ここで、接着シート33は、例えば、熱硬化型エポキシ樹脂接着剤を含むことができる。
【0051】
図4に示すように、例えば、170℃の雰囲気で約80分間、1kf/cm
2の圧力を加えてベース部材31と絶縁部材32とを接合し、接合ブロック3を形成することができる。
【0052】
図5に示すように、接合ブロック3に、パワープローブ孔21、接地プローブ孔22、及び信号プローブ孔23を、例えばドリル100を用いて形成することができる。
【0053】
図6に示すように、カバー部材4に、パワープローブ5の他端を支持するための第2パワープローブ支持孔213、接地プローブ6の他端を支持するための接地プローブ支持孔223、及び信号プローブ7の他端を支持するための第2信号プローブ支持孔233を、例えばドリル100を用いて形成することができる。
【0054】
図7に示すように、パワープローブ孔21、接地プローブ孔22、及び信号プローブ孔23にそれぞれ、パワープローブ5、接地プローブ6、及び信号プローブ7を挿入した後に、接合ブロック3とカバー部材4を、例えばボルト又はねじ(図示せず)で結合させることができる。
【0055】
上述したように、接合ブロック3に信号プローブ孔23を構成する信号プローブ収容孔231と第1信号プローブ支持孔232を一度の工程で穿孔(drilling)するので、検査ソケット1に多数の信号プローブ孔23を形成しても、整列による誤差が存在しない。したがって、信号プローブ7を信号プローブ孔23の中心軸に合わせて支持することができ、その結果、挿入損失(Insertion Loss)、反射損失(Return Loss)、クロストーク(Crosstalk)、隔離(Isolation)、Z-インピーダンス(Z-Impedance)、インダクタンス(Inductance)の特性が向上し得る。
【0056】
図8は、
図2のギャッププレート8を示す断面図である。
【0057】
図8に示すように、絶縁性材質からなるギャッププレート8には、パワープローブ5のバレル51、接地プローブ6のバレル61及び信号プローブ7のバレル71の各外径に対応するパワーホール81、接地ホール82及び信号ホール83が、例えばドリル100によって形成されてよい。このように、形成されたギャッププレート8は、
図2に示したように、接合ブロック3とカバー部材4との間に介在してよい。
【0058】
図9~
図13は、本発明の第2実施例に係る接合ブロック3を製造する方法を示す図である。
【0059】
図9に示すように、例えば、黄銅からなるベース部材31の上面に、絶縁部材32が形成される領域として陥没部311を形成することができる。
【0060】
図10に示すように、例えば、ベース部材31の陥没部311に、例えばエポキシ樹脂を埋めることができる。
【0061】
図11に示すように、例えば、エポキシ樹脂が埋められたベース部材31の陥没部311の上部にカバー312を覆うことができる。
【0062】
図12に示すように、例えば、170℃の雰囲気で約80分間、1kf/cm
2の圧力を加え、ベース部材31の陥没部311に埋められたエポキシ樹脂を硬化させることができる。
【0063】
図13に示すように、カバー312を除去することで接合ブロック3を完成することができる。
【0064】
変形実施例として、絶縁部材32は、陥没部311に絶縁性材質の樹脂を用いてインサート射出金型により形成することもできる。
【0065】
図14~
図16は、本発明の第3実施例に係る接合ブロック3を製造する方法を示す図である。
【0066】
図14に示すように、ベース部材31の上面、すなわち、絶縁部材32が接合される表面に、厚さ方向に拡張される複数の接合溝313を形成することができる。このとき、接合溝313は、例えば、底に残り断面積が広くなる形状であり、ベース部材31に間隔を開けて並んで延在してよい。
【0067】
図15に示すように、ベース部材31の上面に形成された接合溝313を覆うように金型カバー34を位置させた後に、ベース部材31と金型カバー34との間及び接合溝313に射出素材を入れ、射出成形することができる。射出成形は、例えば、430℃、3.5秒間、160kf/cm
2の圧力で行うことができる。
【0068】
図16に示すように、ベース部材31の上面に絶縁部材32が堅固に接合された接合ブロック3が形成されてよい。
【0069】
図17及び
図18は、
図16に示した接合ブロック3に信号プローブ孔23を形成した状態を示す図である。
【0070】
図17に示すように、信号プローブ孔23は、接合ブロック3において接合溝313が形成されている領域以外の領域に形成できる。
【0071】
図18に示すように、信号プローブ孔23は、接合ブロック3において接合溝313が形成されている領域に形成できる。
【0072】
検査ソケット1において信号プローブ孔23が形成される位置は、検査しようとする被検査体の信号接点位置によって異なるので、これを考慮して、信号プローブ孔23を、接合溝313が形成されている領域以外の領域に形成するか、接合溝313が形成されている領域に形成するかを決定することができる。
【0073】
図19~
図21は、本発明の第4実施例によって接合された接合ブロック3を形成する過程を示す図である。
【0074】
図19に示すように、ベース部材31の上面、すなわち、絶縁部材32が接合される表面に厚さ方向に拡張される複数の第1接合溝314を形成することができる。このとき、第1接合溝314は、ベース部材31に間隔を開けて並んで延在してよい。
【0075】
図20に示すように、絶縁部材32の下面に、厚さ方向に拡張する第2接合溝315を形成することができる。
【0076】
図21に示すように、第1接合溝314と第2接合溝315とが向かい合うように、ベース部材31の上面に絶縁部材32の下面を配置させることができる。その後、ベース部材31と絶縁部材32との間、第1接合溝314及び第2接合溝315に射出素材を入れて射出成形することにより、堅固に接合された接合ブロック3を形成することができる。
【0077】
図22及び
図23は、本発明の第5実施例によって接合された接合ブロック3を形成する過程を示す図である。
【0078】
図22に示すように、ベース部材31の上面から下面まで貫通して延在する複数の接合孔316を形成する。
【0079】
図23に示すように、ベース部材31の上面に形成された接合孔316を覆うように絶縁部材32を位置させた後に、ベース部材31と絶縁部材32との間及び接合孔316に射出素材を入れて射出成形することにより、堅固に接合された接合ブロック3を形成することができる。射出成形は、例えば、430℃、3.5秒間、160kf/cm
2の圧力で行うことができる。接合孔316は、下端に半径方向に拡張された拡張部3161を含むことができる。
【0080】
図24~
図26は、本発明の第6実施例に係る検査ソケット1を製造する方法を示す図である。
【0081】
図24に示すように、ベース部材31に信号プローブ収容孔231を、例えばドリル100を用いて形成することができる。
【0082】
図25に示すように、ベース部材31の上面に接着シート33を用いて絶縁部材32を接着させることができる。ここで、接着シート33は、例えば熱硬化型エポキシ樹脂接着剤を含むことができる。その後、例えば、170℃の雰囲気で約80分間、1kf/cm
2の圧力を加えてベース部材31と絶縁部材32とを接合し、接合ブロック3を形成することができる。
【0083】
図26に示すように、接合ブロック3の絶縁部材32に、信号プローブ7の一端を支持するための第1信号プローブ支持孔232を、例えばドリル100を用いて形成する。
【0084】
その後、信号プローブ7を信号プローブ孔23に挿入した後に、第1接合ブロック3にカバー部材4を結合して検査ソケット1を完成できる。
【0085】
図27~
図30は、従来技術と本発明に係る検査ソケット1の挿入損失(Insertion Loss)特性、反射損失(Return Loss)特性、隔離(Isolation)特性、Z-インピーダンス(Z-Impedance)特性を比較して示すグラフである。
【0086】
挿入損失は、理想的にゼロであることが好ましい。
図27を参照すると、許容挿入損失(-1.0dB)を基準にしたとき、従来技術は、約22.0GHzで基準を超えているのに対し、本発明は、約45.2GHzと、非常に優れた挿入損失特性を示すことが分かる。
【0087】
反射損失は、可能なかぎり小さいことが好ましい。
図28を参照すると、許容反射損失(-10dB)を基準に、従来技術は、約17.1GHzで基準を超えているのに対し、本発明は、約46.5GHzと、非常に優れた反射損失特性を示すことが分かる。
【0088】
隔離特性は、可能なかぎり小さいことが好ましい。
図29を参照すると、許容隔離特性(-40dB)を基準に、従来技術は、約24.4GHzで許容隔離特性(-40dB)を超えているのに対しに、本発明は、約27.0GHzとやや優れており、変化が少ないことが分かる。
【0089】
Z-インピーダンス(Z-Impedance)は、可能なかぎり小さいことが好ましい。
図30を参照すると、許容Z-インピーダンス(1GHz)を基準に、従来技術は約0.9Ωを示すのに対し、本発明は約0.65Ωであって、より優れていることが分かる。
【0090】
前述した明細書において、本発明及びその長所が、特定の実施例を参照して説明されている。ただし、添付の請求項で説明するような本発明の範囲から逸脱しない限り、様々な修正及び変更が可能であることは、この技術分野における通常の技術を有する者に明らかであろう。したがって、明細書及び図面は、限定よりは本発明の例示として見なされるべきである。このような可能な修正はいずれも本発明の範囲内でなされるべきである。
【符号の説明】
【0091】
1:検査ソケット
2:ソケットブロック
21:パワープローブ孔
22:接地プローブ孔
23:信号プローブ孔
3:接合ブロック
31:ベース部材
311:陥没部
312:カバー
313,314,315:接合溝
316:接合孔
32:絶縁部材
33:接着シート
4:カバー部材
5:パワープローブ
6:接地プローブ
7:信号プローブ
8:ギャッププレート
100:ドリル