(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】検査ソケット及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G01R 1/067 20060101AFI20240202BHJP
G01R 1/073 20060101ALI20240202BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20240202BHJP
H01R 43/18 20060101ALI20240202BHJP
H01R 33/76 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R1/073 D
G01R31/26 J
H01R43/18
H01R33/76 Z
(21)【出願番号】P 2022519731
(86)(22)【出願日】2021-05-18
(86)【国際出願番号】 KR2021006239
(87)【国際公開番号】W WO2021235844
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0061463
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0013607
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517040445
【氏名又は名称】リーノ インダストリアル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】キム,グン-ス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ジェ-ファン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ジョン-チョル
(72)【発明者】
【氏名】ベク,スン-ハ
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-125988(JP,A)
【文献】特開2016-102696(JP,A)
【文献】特開2009-129877(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0233973(US,A1)
【文献】特表2018-529932(JP,A)
【文献】特開2009-156710(JP,A)
【文献】特開2007-178165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
G01R 31/26
H01R 43/18
H01R 33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法であって、
導電性材質のベース部材に、前記プローブを収容するプローブ孔を形成する段階;
前記ベース部材の上面から前記プローブ孔に所定深さで絶縁材を詰めてプローブ支持部材を形成する段階:及び
前記プローブ孔内のプローブ支持部材に、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階を含み
、
前記ベース部材は、前記プローブが前記上面に突出する周囲に所定深さに設けられた陥没部を含み、
前記ベース部材は、前記第1支持孔が形成される位置に、前記プローブの長手方向に直交する方向に向かって突出する突起を含み、該突起は、前記プローブ孔と前記陥没部との間に設けられ、前記陥没部は、前記突起の内径よりも広い面積に形成されており、
前記プローブの
バレルの一端が、前記突起
の位置で前記プローブ支持部材に嵌合される、
検査ソケットの製造方法。
【請求項2】
前記絶縁材を詰める段階は、
前記ベース部材の一面から所定間隔を開けて離隔するように金型カバーを配置する段階;及び
前記離隔した間隔及び前記プローブ孔に絶縁材を詰める段階を含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項3】
前記陥没部は、前記
ベース部材の一面から深さ方向に断面積が広くなる、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項4】
絶縁材質のカバー部材に、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階;
前記プローブ孔に前記プローブを非接触状態で挿入し、前記プローブの両端部を前記第1支持孔及び前記第2支持孔にそれぞれ支持する段階;及び
前記カバー部材を前記ベース部材の下面に結合させる段階をさらに含む、請求項1に記載の検査ソケットの製造方法。
【請求項5】
前記ベース部材と前記カバー部材との間にギャッププレートを介在させる段階をさらに含む、請求項4に記載の検査ソケットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体の電気的特性を検査する検査ソケット及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波又は高速半導体テスト用検査ソケットは、導電性ブロックに信号用プローブを非接触状態で装着することにより、隣接する信号用プローブ同士の干渉やノイズを遮蔽する。信号用プローブを導電性ブロックに非接触状態で支持する方式は、導電性ブロックの両面に絶縁性支持プレートを配置して信号用プローブの両端部を支持している。このとき、導電性ブロックにはプローブのバレルを収容するプローブ収容孔を形成し、絶縁性支持プレートに、バレルの端部を支持するためのプローブ支持孔を形成した後、プローブ収容孔とプローブ支持孔とが整列されるように、導電性ブロックと絶縁性支持プレートとをボルトで結合させている。従来の検査ソケットを製造する方式は、プローブ収容孔の製造工程とプローブ支持孔の製造工程がそれぞれ個別に行われるため、プローブの数が増加するほど工程誤差及び整列誤差も大きくなる。このため、多数のプローブ収容孔及びプローブ支持孔に収容されて支持される信号用プローブは、プローブ収容孔の中心軸から外れてしまい、その結果、挿入損失(Insertion Loss)特性、反射損失(Return Loss)特性、クロストーク(Crosstalk)特性、隔離(Isolation)特性、Z-インピーダンス(Z-Impedance)特性、及びインダクタンス特性が悪くなることがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、優れた特性の高周波又は高速半導体テスト用検査ソケット及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を達成するための本発明の第1実施例に係る検査ソケットの製造方法が提供される。長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法は、導電性材質のベース部材に、前記プローブを収容するプローブ孔を形成する段階、前記ベース部材の上面から前記プローブ孔に所定深さで絶縁材を詰めてプローブ支持部材を形成する段階、及び前記プローブ孔内のプローブ支持部材に、前記プローブの一端部を支持する第1支持孔を形成する段階を含む。
【0005】
前記絶縁材を詰める段階は、前記ベース部材の一面から所定間隔を開けて離隔するように金型カバーを配置する段階、及び前記離隔された間隔及び前記プローブ孔に絶縁材を詰める段階をさらに含むことができる。
【0006】
前記方法は、前記ベース部材の一面に前記プローブ孔を取り囲む結合溝を形成する段階をさらに含むことができる。
【0007】
前記結合溝は、前記一面から深さ方向に断面積が広くなってよい。
【0008】
第1実施例に係る検査ソケットの製造方法は、絶縁材質のカバー部材に、前記プローブを支持する第2支持孔を形成する段階、前記プローブ孔に前記プローブを非接触状態で挿入し、前記プローブの両端部を前記第1支持孔及び前記第2支持孔にそれぞれ支持する段階、及び前記カバー部材を前記ベース部材の下面に結合させる段階をさらに含むことができる。
【0009】
前記ベース部材と前記カバー部材との間にギャッププレートを介在させる段階をさらに含むことができる。
【0010】
前記プローブ孔は、前記プローブ支持部が形成される位置に、内部に向かって突出する突起を含むことができる。
【0011】
本発明の第2実施例に係る検査ソケットの製造方法が提供される。長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法は、導電性材質の第1ベース部材の一面に、前記プローブが配置される位置に所定深さで第1陥没部を形成する段階、前記第1陥没部に絶縁材を詰めて第1プローブ支持部を形成する段階、及び前記第1陥没部に対応する位置の前記第1ベース部材に、前記プローブを収容するプローブ収容孔を形成し、前記プローブ支持部に、前記プローブの一端部が支持される第1支持孔を形成する段階を含む。
【0012】
本発明の第2実施例に係る検査ソケットの製造方法は、絶縁材質のカバー部材に、前記プローブの他端部を支持する第2支持孔を形成する段階、前記第1プローブ収容孔に前記プローブを挿入し、前記プローブの一端部及び他端部を前記第1支持孔及び前記第2支持孔にそれぞれ支持する段階、及び前記第1ベース部材の他面に前記カバー部材を結合させる段階をさらに含むことができる。
【0013】
本発明の第2実施例に係る検査ソケットの製造方法は、導電性材質の第2ベース部材の一面に、前記プローブが配置される位置に所定深さで第2陥没部を形成する段階、前記第2陥没部に絶縁材を詰めて第2プローブ支持部を形成する段階、及び前記第2陥没部に対応する位置の前記第2ベース部材に、前記プローブを収容する第2プローブ収容孔を形成し、前記第2プローブ支持部に、前記プローブの他端部が支持される第2支持孔を形成する段階、前記第1プローブ収容孔と前記第2プローブ収容孔に前記プローブを挿入し、前記プローブの一端部と他端部を前記第1支持孔及び前記第2支持孔にそれぞれ支持する段階、及び前記第1ベース部材の他面に前記第2ベース部材の他面を結合させる段階をさらに含むことができる。
【0014】
本発明の第3実施例に係る検査ソケットの製造方法が提供される。長さ方向に伸縮可能なプローブを支持する検査ソケットを製造する方法は、導電性材質のベースブロックに、前記プローブを収容するプローブ収容孔を形成する段階、導電性材質の第1ベース部材及び第2ベース部材にそれぞれ、前記プローブの両端を支持する第1及び第2貫通孔を形成する段階、前記第1及び第2貫通孔に絶縁材を詰め込み、第1及び第2プローブ支持部を形成する段階、前記第1及び第2プローブ支持部に、前記プローブの両端を支持する第1及び第2支持孔を形成する段階、及び前記プローブを前記プローブ収容孔に挿入し、前記プローブの両端を前記第1及び第2支持孔に支持し、前記ベースブロックの上下面に前記第1ベース部材と第2ベース部材をそれぞれ結合させる段階を含む。
【0015】
本発明の第4実施例に係る検査ソケットの製造方法が提供される。長さ方向に伸縮可能な複数のプローブを支持する検査ソケットを製造する方法は、導電性材質の第1ベースブロックに、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を形成する段階、前記複数の貫通孔にそれぞれ絶縁材を詰め込む段階、前記複数の貫通孔の絶縁材に、前記複数のプローブを収容する第1プローブ収容孔を形成する段階、前記第1プローブ収容孔に前記複数のプローブを挿入する段階を含む。前記複数のプローブのうち一部のプローブの外面と前記貫通孔の内壁との間に空気層が形成されるように絶縁材が除去され、前記複数のプローブのうち残りのプローブの外面と前記貫通孔の内壁との間に絶縁材が介在する。
【0016】
前記一部のプローブは、検査信号を印加する信号プローブを含むことができる。
【0017】
前記残りのプローブは、パワーを印加するパワープローブを含むことができる。
【0018】
前記第4実施例に係る検査ソケットの製造方法は、前記第1ベースブロックの一面において前記貫通孔の周囲に、前記絶縁材が詰められる所定深さの第1及び第2陥没部を形成する段階をさらに含むことができる。
【0019】
本発明の第5実施例に係る、長さ方向に伸縮可能な複数のプローブを支持する検査ソケットを製造する方法が提供される。検査ソケットの製造方法は、導電性材質の第1ベースブロックと第2ベースブロックに、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を形成する段階、前記複数の貫通孔に絶縁材を詰め込む段階、前記複数の貫通孔の絶縁材に、前記複数のプローブを収容する第1プローブ収容孔と第2プローブ収容孔を形成する段階、及び前記第1プローブ収容孔と第2プローブ収容孔に前記複数のプローブを挿入する段階を含む。前記複数のプローブのうち一部のプローブの外面と前記貫通孔の内壁との間に空気層が形成されるように絶縁材が除去され、前記複数のプローブのうち残りのプローブの外面と前記貫通孔の内壁との間に絶縁材が介在する。
【0020】
本発明の実施例に係る検査ソケットが提供される。検査ソケットは、検査信号を印加する信号プローブ、パワーを印加するパワープローブ、及び前記信号プローブ及び前記パワープローブをそれぞれ収容する信号プローブ孔及びパワープローブ孔を有する導電性材質のソケットブロックを含み、前記信号プローブの外周面と前記信号プローブ孔の内壁との間の少なくとも一部の区間に空気層を含み、前記パワープローブの外周面と前記パワープローブ孔の内壁との間に絶縁材を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施例に係る検査ソケットの製造方法は、導電性材質のベース部材に貫通孔を形成した後に絶縁材を詰め込み、穿孔(drilling)により、絶縁材に、プローブを収容及び支持するプローブ収容孔及びプローブ支持孔を形成する。このとき、プローブ収容孔とプローブ支持孔を単一の工程で形成するので、信号用プローブをプローブ収容孔の中心軸に位置させることができ、その結果、挿入損失(Insertion Loss)、反射損失(Return Loss)、クロストーク(Crosstalk)、隔離(Isolation)、Z-インピーダンス(Z-Impedance)、インダクタンス(Inductance)の特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施例に係る検査ソケットを示す断面図である。
【
図2】
図1におけるソケットブロックを示す断面図である。
【
図3】
図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図4】
図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図5】
図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図6】
図1の検査ソケットを製造する方法を示す図である
【
図7】
図2におけるギャッププレートを示す断面図である。
【
図8】本発明の第1実施例に係る第1接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図9】本発明の第1実施例に係る第1接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図10】本発明の第1実施例に係る第1接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図11】本発明の第1実施例に係る第2接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図12】本発明の第1実施例に係る第2接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図13】本発明の第1実施例に係る第2接合ブロックを製造する方法を示す図である。
【
図14】本発明の第2実施例に係る検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図15】本発明の第2実施例に係る検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図16】本発明の第2実施例に係る検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図17】本発明の第2実施例に係る検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図18】本発明の第3実施例に係るソケットブロックを示す断面図である。
【
図19】本発明の第4実施例に係るソケットブロックを示す断面図である。
【
図20】本発明の第5実施例に係るソケットブロックを示す断面図である。
【
図21】本発明の第6実施例に係るソケットブロックを示す断面図である。
【
図22】
図21のソケットブロックを製造する方法を示す図である。
【
図23】
図21のソケットブロックを製造する方法を示す図である。
【
図24】
図21のソケットブロックを製造する方法を示す図である。
【
図25】
図21のソケットブロックを製造する方法を示す図である。
【
図26】
図21のソケットブロックを製造する方法を示す図である。
【
図27】
図21のソケットブロックを製造する方法を示す図である。
【
図28】それぞれ、従来技術と本発明の実施例に係る検査ソケットの挿入損失、反射損失、隔離及びZ-インピーダンスの特性を比較して示すグラフである。
【
図29】それぞれ、従来技術と本発明の実施例に係る検査ソケットの挿入損失、反射損失、隔離及びZ-インピーダンスの特性を比較して示すグラフである。
【
図30】それぞれ、従来技術と本発明の実施例に係る検査ソケットの挿入損失、反射損失、隔離及びZ-インピーダンスの特性を比較して示すグラフである。
【
図31】それぞれ、従来技術と本発明の実施例に係る検査ソケットの挿入損失、反射損失、隔離及びZ-インピーダンスの特性を比較して示すグラフである。
【
図32】本発明の第7実施例に係る検査ソケットを示す図である。
【
図37】信号プローブの挿入損失(Insertion Loss)を示すグラフである。
【
図38】信号プローブのリターン損失(Return Loss)を示すグラフである。
【
図39】信号プローブのインピーダンスを示すグラフである。
【
図40】パワープローブのZ-インピーダンスを示すグラフである。
【
図41】
図32の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図42】
図32の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図43】
図32の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【
図44】
図32の検査ソケットを製造する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明に係る好ましい実施例を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1実施例に係る検査ソケット1を示す断面図である。
【0025】
図1を参照すると、検査ソケット1は、ソケットブロック2、及び複数のプローブ、例えばパワープローブ5、接地プローブ6、信号プローブ又はRFプローブ(以下、‘信号プローブ’と称する)7を含むことができる。検査ソケット1は、パワープローブ5、接地プローブ6、及び信号プローブ7のいずれか1つ又は2つだけを含むことができる。
【0026】
ソケットブロック2は、第1接合ブロック3と第2接合ブロック4を含むことができる。
【0027】
第1接合ブロック3は、一体に形成された第1ベース部材31と第1プローブ支持部材32を含むことができる。
【0028】
第1ベース部材31は、導電性材質、例えば黄銅などからなってよい。第1ベース部材31は、絶縁材質の部材に導電性材料で塗布して形成することもできる。
【0029】
第1プローブ支持部材32は、第1ベース部材においてパワープローブ5及び信号プローブ7をそれぞれ収容する第1パワープローブ孔21-1及び第1信号プローブ孔23-1内に一体に形成されてよい。第1プローブ支持部材32は、パワープローブ5及び信号プローブ7の一端部を支持することができる。第1プローブ支持部材32は、絶縁材質、例えばエンジニアリングプラスチックなどからなってよい。
【0030】
第2接合ブロック4は、一体に形成された第2ベース部材41と第2プローブ支持部材42を一体に接合して形成することができる。このとき、接合は、射出材料を第2ベース部材42にインサート射出して具現されてよい。
【0031】
第2ベース部材41は導電性材質、例えば黄銅などからなってよい。第2ベース部材41は、絶縁材質の部材に導電性材料を塗布して形成することもできる。第2ベース部材41は、第1ベース部材31に比べて小さい厚さを有することができる。
【0032】
第2プローブ支持部材42は、パワープローブ5及び信号プローブ7の他端部を支持することができる。第2プローブ支持部材42は、絶縁材質、例えばエンジニアリングプラスチックなどからなってよい。
【0033】
第2プローブ支持部材42は、第2パワープローブ孔21-2内に挿入される第1支持部421、陥没部に挿入される第2支持部422、及び第2ベース部材41の表面をカバーするカバー板423を含むことができる。
【0034】
パワープローブ5は、第1及び第2ベース部材31,41に非接触状態で収容され、一端部が第1プローブ支持部材32に支持され、他端部が第2プローブ支持部材42に支持されてよい。パワープローブ5は、バレル51、第1プランジャー52、第2プランジャー53及びスプリング(図示せず)を含むことができる。第1プランジャー52と第2プランジャー53はスプリングを挟持して長さ方向に沿って伸縮可能であり、ソケットブロック2の上下面から部分突出して、被検査体のパワー接点と検査回路のパワー接点とを電気的に連結することができる。
【0035】
接地プローブ6は、第1及び第2ベース部材31,41に接触状態で支持され、両端部が第1及び第2プローブ支持部材32,42を通過するように支持されてよい。接地プローブ6は、バレル61、第1プランジャー62、第2プランジャー63及びスプリング(図示せず)を含むことができる。第1プランジャー62と第2プランジャー63はスプリングを挟持して長さ方向に沿って伸縮可能であり、ソケットブロック2の上下面から部分突出して、被検査体の接地接点と検査回路の接地接点とを電気的に連結することができる。
【0036】
信号プローブ7は、第1及び第2ベース部材31,41に非接触状態で収容され、一端部が第1プローブ支持部材32に支持され、他端部が第2プローブ支持部材42に支持されてよい。信号プローブ7は、バレル71、第1プランジャー72、第2プランジャー73及びスプリング(図示せず)を含むことができる。第1プランジャー72と第2プランジャー73はスプリングを挟持して長さ方向に沿って伸縮可能であり、ソケットブロック2の上下面から部分突出して、被検査体の信号接点と検査回路の信号接点とを電気的に連結することができる。
【0037】
第1接合ブロック3と第2接合ブロック4との間には、複数のプローブ5,6,7の位置を整列するためのギャッププレート8を含むことができる。
【0038】
ギャッププレート8には、
図7に示すように、パワープローブ5、接地プローブ6、信号プローブ7のバレル51,61,71の外径に対応するパワーホール81、接地ホール82及び信号ホール83が形成されている。
【0039】
ギャッププレート8は、絶縁性の材質、例えばエンジニアリングプラスチックからなってよい。ギャッププレート8は、第1接合ブロック3と第2接合ブロック4とを結合させる際に整列誤差を補正することができる。
【0040】
パワープローブ5、接地プローブ6及び信号プローブ7は、前述したポゴタイプに限定されず、伸縮可能なプローブであればいずれも適用可能である。
【0041】
図2は、
図1におけるソケットブロック2を示す断面図である。
【0042】
図2を参照すると、ソケットブロック2は、第1及び第2接合ブロック3,4を含むことができる。ソケットブロック2は、パワープローブ5を非接触状態で収容するパワープローブ孔21、接地プローブ6を接触状態で収容する接地プローブ孔22、及び信号プローブ7を非接触状態で収容する信号プローブ孔23を含むことができる。
【0043】
第1接合ブロック3は、互いに接合された第1ベース部材31と第1プローブ支持部材32を含むことができる。第2接合ブロック4は、互いに接合された第2ベース部材41と第2プローブ支持部材42を含むことができる。
【0044】
パワープローブ孔21は、第1及び第2接合ブロック3,4にそれぞれ形成される第1及び第2パワープローブ孔21-1,21-2を含むことができる。
【0045】
第1パワープローブ孔21-1は、パワープローブ5の一部を非接触状態で収容するように第1ベース部材31に形成される第1パワープローブ収容孔211、パワープローブ5の一端部を支持するように第1プローブ支持部材32に形成される第1パワープローブ支持孔212を含むことができる。
【0046】
第2パワープローブ孔21-2は、パワープローブ5の他部を非接触状態で収容するように第2ベース部材41に形成される第2パワープローブ収容孔213、及びパワープローブ5の他端部を支持するように第2プローブ支持部材42に形成される第2パワープローブ支持孔214を含むことができる。
【0047】
第1及び第2パワープローブ収容孔211,213は、パワープローブ5のバレル51の外径よりも大きい直径で一定に第1及び第2ベース部材31,41を上下貫通して形成されてよい。
【0048】
第1パワープローブ支持孔212は、パワープローブ5のバレル51の一端部に対応する形状に第1プローブ支持部材32に形成される第1バレル支持溝2121と、第1バレル支持溝2121に連通し、第1プランジャー52が通過するように第1プローブ支持部材32に形成される第1プランジャー通過孔2122を含むことができる。
【0049】
第2パワープローブ支持孔214は、パワープローブ5のバレル51の他端部に対応する形状に第2プローブ支持部材42に形成される第2バレル支持溝2141と、第2バレル支持溝2141に連通し、第2プランジャー53が通過するように第2プローブ支持部材42に形成される第2プランジャー通過孔2142を含むことができる。
【0050】
接地プローブ孔22は、第1及び第2接合ブロック3,4にそれぞれ形成される第1及び第2接地プローブ孔22-1,22-2を含むことができる。
【0051】
第1接地プローブ孔22-1は、接地プローブ6の一部を接触状態で収容するように第1ベース部材31に形成される第1接地プローブ収容孔221、及び接地プローブ6の第1プランジャー62が通過するように第1プローブ支持部材32に形成される接地プローブ通過孔222を含むことができる。
【0052】
第2接地プローブ孔22-2は、接地プローブ6の他部を接触状態で収容するように第2ベース部材41に形成される第2接地プローブ収容孔223、及び接地プローブ6の第2プランジャー63が通過するように第2プローブ支持部材42に形成される接地プローブ通過孔224を含むことができる。
【0053】
第1及び第2接地プローブ収容孔221,223は、接地プローブ6のバレル61の外径と同じ直径で一定に延在して第1及び第2ベース部材31,41にそれぞれ形成される第1及び第2バレル収容孔2211,2231、接地プローブ6のバレル61の両端部を収容するように第1及び第2ベース部材31,41にそれぞれ形成される第1及び第2バレル端部収容溝2212,2232を含むことができる。
【0054】
信号プローブ孔23は、第1及び第2接合ブロック3,4にそれぞれ形成される第1及び第2信号プローブ孔23-1,23-2を含むことができる。
【0055】
第1信号プローブ孔23-1は、信号プローブ7の一部を非接触状態で収容するように第1ベース部材31に形成される第1信号プローブ収容孔231、及び信号プローブ7の一端部を支持するように第1プローブ支持部材32に形成される第1信号プローブ支持孔232を含むことができる。
【0056】
第2信号プローブ孔23-2は、信号プローブ7の他部を非接触状態で収容するように第2ベース部材41に形成される第2信号プローブ収容孔233、信号プローブ7の他端部を支持するように第2プローブ支持部材42に形成される第2信号プローブ支持孔234を含むことができる。
【0057】
第1及び第2信号プローブ収容孔231,233は、信号プローブ7のバレル71の外径よりも大きい直径で一定に第1及び第2ベース部材31,41を上下貫通して形成されてよい。
【0058】
第1信号プローブ支持孔232は、信号プローブ7のバレル71の一端部に対応する形状に第1プローブ支持部材32に形成される第1バレル支持溝2321と、第1バレル支持溝2321に連通し、第1プランジャー72が通過するように第1プローブ支持部材32に形成される第1プランジャー通過孔2322を含むことができる。
【0059】
第2信号プローブ支持孔234は、信号プローブ7のバレル71の他端部に対応する形状に第2プローブ支持部材42に形成される第2バレル支持溝2341と、第2バレル支持溝2341に連通し、第2プランジャー73が通過するように第2プローブ支持部材42に形成される第2プランジャー通過孔2342を含むことができる。
【0060】
図3~
図6は、
図1の検査ソケット1を製造する方法を示す図である。
【0061】
図3に示すように、第1ベース部材31は、上面と下面との間に並んで延在する第1パワープローブ孔21-1、第1接地プローブ孔22-1及び第1信号プローブ孔23-1を、例えばドリル100を用いて形成することができる。同様に、第2ベース部材41は、上面と下面との間に並んで延在する第2パワープローブ孔21-2、第2接地プローブ孔22-2及び第2信号プローブ孔23-2を、例えばドリル100を用いて形成することができる。第1及び第2ベース部材31,41は、導電性材質、例えば黄銅からなってよい。
【0062】
第2ベース部材41には、下部面から第2パワープローブ孔21-2及び第2信号プローブ孔23-2を取り囲みながら窪んでいる陥没部21-3,23-3を含むことができる。
【0063】
図4に示すように、例えば、射出素材を用いたインサート射出金型により、第1ベース部材31の第1パワープローブ孔21-1及び第1信号プローブ孔23-1の一面から所定深さで第1プローブ支持部材32を形成することができる。同様に、例えば、射出素材を用いたインサート射出金型により、第2ベース部材41の第2パワープローブ孔21-2及び第2信号プローブ孔23-2の一面から所定深さで第2プローブ支持部材42を形成することができる。第1及び第2プローブ支持部材32,42は、絶縁性の材質、例えばエンジニアリングプラスチックからなってよい。
【0064】
図5に示すように、第1プローブ支持部材32にそれぞれ、パワープローブ5及び信号プローブ7の一端部が外部に露出されるように支持される第1パワープローブ支持孔212及び第1信号プローブ支持孔232を形成することができる。同様に、第2プローブ支持部材42に、パワープローブ5及び信号プローブ7の他端部が外部に露出されるように支持される第2パワープローブ支持孔214及び第2信号プローブ支持孔234を形成することができる。
【0065】
図6に示すように、第1及び第2パワープローブ孔21-1,21-2、第1及び第2接地プローブ孔22-1,22-2、及び第1及び第2信号プローブ孔23-1,23-2にそれぞれ、パワープローブ5、接地プローブ6及び信号プローブ7を挿入した後に、第1接合ブロック3と第2接合ブロック4とを、例えばボルト又はねじ(図示せず)で結合させることができる。
【0066】
上述したように、第1及び第2接合ブロック3,4において第1及び第2パワープローブ孔21-1,21-2と第1及び第2信号プローブ孔23-1,23-2をそれぞれ通じて、第1及び第2パワープローブ支持孔212,214と第1及び第2信号プローブ支持孔232,234を一度の工程で穿孔するので、検査ソケット1に多数のパワープローブ孔21と信号プローブ孔23を形成する場合にも、整列による誤差を減らすことができる。したがって、パワープローブ5及び信号プローブ7をパワープローブ孔21及び信号プローブ孔23の中心軸に合わせて支持することができ、その結果、挿入損失(Insertion Loss)、反射損失(Return Loss)、クロストーク(Crosstalk)、隔離(Isolation)、Z-インピーダンス(Z-Impedance)、インダクタンス(Inductance)の特性が向上し得る。
【0067】
図7は、
図2のギャッププレート8を示す断面図である。
【0068】
図7に示すように、絶縁材質からなるギャッププレート8には、パワープローブ5のバレル51、接地プローブ6のバレル61及び信号プローブ7のバレル71の各外径に対応するパワーホール81、接地ホール82及び信号ホール83が、例えばドリル100によって形成されてよい。このように形成されたギャッププレート8は、
図2に示すように、第1接合ブロック3と第2接合ブロック4との間に介在してよい。
【0069】
以下、第1及び第2接合ブロック3,4を製造する方法を詳細に説明する。
【0070】
図8~
図10は、本発明の第1実施例に係る第1接合ブロック3を製造する方法を示す図である。
【0071】
図8に示すように、例えば、黄銅からなる第1ベース部材31に、第1パワープローブ孔21-1、第1接地プローブ孔22-1及び第1信号プローブ孔23-1を穿孔(drilling)して形成することができる。
【0072】
図9に示すように、例えば、第1ベース部材31の下面から、第1パワープローブ孔21-1、第1接地プローブ孔22-1及び第1信号プローブ孔23-1に金型部材34を挿入することができる。このとき、第1ベース部材31の第1パワープローブ孔21-1及び第1信号プローブ孔23-1は、第1プローブ支持部材32が詰められる所定深さを空にしておき、第1接地プローブ孔22-1は、全体を金型部材34で防ぐことができる。その後、例えば絶縁材質の樹脂を空の部分に詰め込み、例えば、430℃、3.5秒間、160kf/cm
2の圧力を加えることで、第1ベース部材31に第1プローブ支持部材32を形成することができる。
【0073】
図10に示すように、第1プローブ支持部材32に第1パワープローブ支持孔212及び第1信号プローブ支持孔232を穿孔することができる。
【0074】
図11~
図13は、本発明の第1実施例に係る第2接合ブロック4を製造する方法を示す図である。
【0075】
図11に示すように、例えば、黄銅からなる第2ベース部材41に第2パワープローブ孔21-2、第2接地プローブ孔22-2及び第2信号プローブ孔23-2を穿孔して形成することができる。また、第2ベース部材41の下面には、第2パワープローブ孔21-2及び第2信号プローブ孔23-2を取り囲みながら窪んでいる陥没部23-3を形成することができる。陥没部23-3は、第2ベース部材41の下面から断面積が漸次広くなる形状を有することができる。
【0076】
図12に示すように、例えば、第2ベース部材41の上面から第2パワープローブ孔21-2、第2接地プローブ孔22-2及び第2信号プローブ孔23-2を金型部材34で詰めることができる。このとき、第2ベース部材41の第2パワープローブ孔21-2及び第2信号プローブ孔23-2は、第2プローブ支持部材42が詰められる部分を所定深さで空にしておき、第2接地プローブ孔22-2は全体を金型部材34で防ぐことができる。また、第2ベース部材41の下面から一定の間隔で離隔した金型カバー35を覆うことができる。その後、例えば、絶縁材質の樹脂を空の部分及び金型カバー35内の空間に詰め込み、例えば、430℃、3.5秒間、160kf/cm2の圧力を加えることで、第1ベース部材31に第2プローブ支持部材42を形成することができる。
【0077】
図13に示すように、第2プローブ支持部材42に、第2パワープローブ支持孔214、接地プローブ通過孔224及び第2信号プローブ支持孔234を穿孔する。
【0078】
図14~
図17は、本発明の第2実施例に係る検査ソケット1を製造する方法を示す図である。
【0079】
図14に示すように、第1ベース部材31の上面においてパワープローブ5及び信号プローブ7が位置する部分に所定深さで第1陥没部317を形成することができる。同様に、第2ベース部材41の下面においてパワープローブ5及び信号プローブ7が位置する部分に所定深さで第2陥没部318を、例えばドリル100を用いて形成することができる。ここで、第1及び第2陥没部317,318は、底に向かって漸次広くなる形状を有することができる。
【0080】
図15に示すように、第1及び第2陥没部317,318に絶縁材、例えばエンジニアリングプラスチックをインサート射出金型により詰め込み、第1及び第2プローブ支持部材32,42を形成する。
【0081】
図16に示すように、第1及び第2ベース部材31,41と第1及び第2プローブ支持部材32,42にそれぞれ第1及び第2パワープローブ孔21-1,21-2、第1及び第2接地プローブ孔22-1,22-2、及び第1及び第2信号プローブ孔23-1,23-2を形成する。
【0082】
図17に示すように、パワープローブ5、接地プローブ6及び信号プローブ7をそれぞれパワープローブ孔21、接地プローブ孔22及び信号プローブ孔23に挿入した後に、第1接合ブロック3と第2接合ブロック4を結合させて検査ソケット1を完成できる。第1接合ブロック3と第2接合ブロック4との間にはギャッププレート8が介在してよい。
【0083】
図18は、本発明の第3実施例に係るソケットブロック2を示す断面図である。
【0084】
図18を参照すると、ソケットブロック2は、互いに結合さしている第1接合ブロック3と第2接合ブロック4を含むことができる。
【0085】
第1接合ブロック3は、導電性材質の第1ベース部材31と絶縁材質の第1プローブ支持部材32とを一体に接合して形成することができる。第1プローブ支持部材32は、例えばインサート射出金型により、第1ベース部材31の一面から第1パワープローブ孔21-1と第1信号プローブ孔23-1の内部に所定深さで形成されてよい。
【0086】
第1プローブ支持部材32は、パワープローブ5及び信号プローブ7の一端部を外部に部分突出するように支持することができる。
【0087】
第2接合ブロック4は、導電性材質の第2ベース部材41と絶縁材質の第2プローブ支持部材42とを一体に接合して形成することができる。第2プローブ支持部材42は、例えばインサート射出金型により、第2ベース部材41の一面から第2パワープローブ孔21-2と第2信号プローブ孔23-2の内部に所定深さで接合されてよい。
【0088】
第2プローブ支持部材42は、パワープローブ5及び信号プローブ7の他端部を外部に部分突出するように支持することができる。
【0089】
第1接合ブロック3と第2接合ブロック4との間には、パワープローブ5、接地プローブ6、及び信号プローブ7の位置を整列するためのギャッププレート8を含むことができる。
【0090】
図19は、本発明の第4実施例に係るソケットブロック2を示す断面図である。
【0091】
図19を参照すると、ソケットブロック2は、互いに結合している第1接合ブロック3と第2接合ブロック4を含むことができる。
【0092】
第1接合ブロック3は、第1ベース部材31と第1プローブ支持部材32とを一体に接合して形成することができる。ここで、接合は、例えばインサート射出金型などによって具現することができる。
【0093】
同様に、第2接合ブロック4は、第2ベース部材41と第2プローブ支持部材42とを一体に接合して形成することができる。ここで、接合は、接着シート、インサート射出金型などによって具現することができる。
【0094】
第1及び第2ベース部材31,41は、パワープローブ5及び信号プローブ7を非接触状態で収容し、接地プローブ6を接触状態で収容することができる。
【0095】
第1及び第2ベース部材31,41は、導電性材質、例えば黄銅などからなってよい。第2ベース部材41は、第1ベース部材31に比べて小さい厚さを有することができる。
【0096】
第1及び第2プローブ支持部材32,42は、パワープローブ5、接地プローブ6及び信号プローブ7の両端部がソケットブロック2の上下面から部分突出するように支持することができる。
【0097】
第1及び第2プローブ支持部材32,42は、絶縁材質、例えばエンジニアリングプラスチックなどからなってよい。
【0098】
第1及び第2プローブ支持部材32,42は、パワープローブ孔21の両側端部内に挿入される第1支持部321,421、第1支持部321,421から半径方向に拡張される第2支持部322,422、及び第1及び第2ベース部材31,41の表面をカバーするカバー板323,423を含むことができる。第2支持部322,422は、カバー板323,423に向かって断面積が漸次小さくなることにより、カバー板323,423が第1及び第2ベース部材31,41に堅固に接合し得る。
【0099】
第1接合ブロック3と第2接合ブロック4との間には、パワープローブ5、接地プローブ6、及び信号プローブ7の位置を整列するためのギャッププレート8を含むことができる。
【0100】
図20は、本発明の第5実施例に係るソケットブロック2を示す断面図である。
【0101】
図20を参照すると、ソケットブロック2は、接合ブロック3とカバー部材9を含むことができる。
【0102】
接合ブロック3は、例えば黄銅のような導電性材質のベース部材31と、例えばエンジニアリングプラスチックのような絶縁材質のプローブ支持部材32とを一体に接合して形成することができる。プローブ支持部材32は、例えばインサート射出金型により、ベース部材31の一面においてパワープローブ孔21と信号プローブ孔23の内部に所定深さで形成されてよい。
【0103】
プローブ支持部材32は、パワープローブ5及び信号プローブ7の一端部が外部に部分突出するように支持することができる。
【0104】
カバー部材9は、ねじ、ボルトなどを用いてベース部材31の裏面に結合してよい。カバー部材9は、例えばエンジニアリングプラスチックなどからなってよい。
【0105】
カバー部材9は、パワープローブ5及び信号プローブ7の他端部が外部に部分突出するように支持することができる。
【0106】
接合ブロック3とカバー部材4との間には、パワープローブ5、接地プローブ6、及び信号プローブ7の位置を整列するためのギャッププレート8を含むことができる。
【0107】
図21は、本発明の第6実施例に係るソケットブロック2を示す断面図である。
【0108】
図21を参照すると、ソケットブロック2は、ベースブロック2-1、第1接合ブロック2-2、及び第2接合ブロック2-3を含むことができる。
【0109】
ベースブロック2-1は、導電性材質、例えば黄銅からなってよい。ベースブロック2-1は、パワープローブ5、接地プローブ6、及び信号プローブ7をそれぞれ収容するパワープローブ収容孔211、接地プローブ収容孔221及び信号プローブ収容孔231を含むことができる。
【0110】
第1接合ブロック2-2は、一体に形成された第1ベース部材31と第1プローブ支持部材32を含むことができる。第1接合ブロック2-2は、パワープローブ5と信号プローブ7の一端部が外部に部分突出するように支持することができる。
【0111】
第1ベース部材31は、導電性材質、例えば黄銅からなってよい。第1ベース部材31は、第1プローブ支持部材32が一体に挿入されて接合される第1プローブ支持孔311と、接地プローブ6の第1プランジャー62が通過する第1プランジャー通過孔312が形成されてよい。
【0112】
第1プローブ支持部材32は、絶縁材質、例えばエンジニアリングプラスチックからなってよい。第1プローブ支持部材32は、第1パワープローブ支持孔212と第1信号プローブ支持孔232が形成されてよい。
【0113】
第2接合ブロック2-3は、一体に形成された第2ベース部材41と第2プローブ支持部材42を含むことができる。第2接合ブロック2-3は、パワープローブ5と信号プローブ7の他端部が外部に部分突出するように支持することができる。
【0114】
第2ベース部材41は、導電性材質、例えば黄銅からなってよい。第2ベース部材41は、第2プローブ支持部材42が一体に挿入されて接合される第2プローブ支持孔313と、接地プローブ6の第2プランジャー63が通過する第2プランジャー通過孔314が形成されてよい。
【0115】
第2プローブ支持部材42は、絶縁材質、例えばエンジニアリングプラスチックからなってよい。第2プローブ支持部材42は、第2パワープローブ支持孔213と第2信号プローブ支持孔233が形成されてよい。
【0116】
【0117】
図22に示すように、導電性材質のベースブロック2-1の上下面を貫通するパワープローブ収容孔211、接地プローブ収容孔221及び信号プローブ収容孔231を穿孔(drilling)することができる。
【0118】
図23に示すように、導電性材質の第1ベース部材31の上下面を貫通する第1プローブ支持孔311と第1プランジャー通過孔312を穿孔することができる。同様に、導電性材質の第2ベース部材41の上下面を貫通する第2プローブ支持孔313と第2プランジャー通過孔314を穿孔することができる。
【0119】
図24に示すように、第1プローブ支持孔311内に絶縁材質の射出素材をインサート射出によって挿入して第1プローブ支持部材32を形成することかできる。同様に、第2プローブ支持孔313内に絶縁材質の射出素材をインサート射出によって挿入して第2プローブ支持部材42を形成することができる。
【0120】
図25に示すように、第1プローブ支持部材32に第1パワープローブ支持孔212と第1信号プローブ支持孔232を穿孔することができる。このとき、第1パワープローブ支持孔212と第1信号プローブ支持孔232の穿孔は、例えばボルト111でベースブロック2-1と第1ベース部材31とを堅固に結合させた状態で、パワープローブ収容孔211及び信号プローブ収容孔231を通じて行うことができる。
【0121】
図26に示すように、第2プローブ支持部材42に第2パワープローブ支持孔213と第2信号プローブ支持孔233を穿孔することができる。このとき、第2パワープローブ支持孔213と第2信号プローブ支持孔233の穿孔は、例えばボルト111でベースブロック2-1と第2ベース部材41とを堅固に結合させた状態で、パワープローブ収容孔211及び信号プローブ収容孔231を通じて行うことができる。
【0122】
図27に示すように、パワープローブ収容孔211、接地プローブ収容孔221及び信号プローブ収容孔231にパワープローブ5、接地プローブ6及び信号プローブ7をそれぞれ挿入した後に、ベースブロック2-1の上下面に第1接合ブロック2-2と第2接合ブロック2-3をボルト111を用いて結合させることができる。
【0123】
図28~
図31はそれぞれ、従来技術と本発明の実施例に係る検査ソケット1の挿入損失(Insertion Loss)特性、反射損失(Return Loss)特性、隔離(Isolation)特性、Z-インピーダンス(Z-Impedance)特性を比較して示すグラフである。
【0124】
挿入損失は、理想的にゼロであることが好ましい。
図28を参照すると、許容挿入損失(-1.0dB)を基準にしたとき、従来技術は、約22.0GHzで基準を超えているのに対し、本発明は、約45.2GHzと、非常に優れた挿入損失特性を示すことが分かる。
【0125】
反射損失は、可能なかぎり小さいことが好ましい。
図29を参照すると、許容反射損失(-10dB)を基準に、従来技術は、約17.1GHzで基準を超えているのに対し、本発明は、約46.5GHzと、非常に優れた反射損失特性を示すことが分かる。
【0126】
隔離特性は、可能なかぎり小さいことが好ましい。
図31を参照すると、許容隔離特性(-40dB)を基準に、従来技術は、約24.4GHzで許容隔離特性(-40dB)を超えているのに対しに、本発明は、約27.0GHzとやや優れており、変化が少ないことが分かる。
【0127】
Z-インピーダンス(Z-Impedance)は、可能なかぎり小さいことが好ましい。
図30を参照すると、許容Z-インピーダンス(1GHz)を基準に、従来技術は約0.9Ωを示すのに対し、本発明は約0.65Ωであって、より優れていることが分かる。
【0128】
図32は、本発明の第7実施例に係る検査ソケット1を示す図であり、
図33は、
図32のA-A線に沿う断面を示す図であり、
図34は、
図33のソケットブロック2を示す図であり、
図35は、
図32のB-B線に沿う断面を示す図であり、
図36は、
図32のC-C線に沿う断面を示す図である。
【0129】
図32を参照すると、検査ソケット1は、導電性材質のソケットブロック2と、ソケットブロック2に支持されたパワープローブ5、接地プローブ6、及び信号プローブ7を含むことができる。
【0130】
図33及び
図34を参照すると、ソケットブロック2は、第1ベースブロック31と第2ベースブロック41を含むことができる。
【0131】
ソケットブロック2は、パワープローブ孔21、接地プローブ孔22及び信号プローブ孔23が形成されてよい。
【0132】
パワープローブ孔21は、第1ベースブロック31及び第2ベースブロック41にそれぞれ形成された第1及び第2パワープローブ孔21-1,21-2を含むことができる。
【0133】
接地プローブ孔22は、第1ベースブロック31及び第2ベースブロック41にそれぞれ形成された第1及び第2接地プローブ孔22-1,22-2を含むことができる。
【0134】
信号プローブ孔23は、第1ベースブロック31及び第2ベースブロック41にそれぞれ形成された第1及び第2信号プローブ孔23-1,23-2を含むことができる。
【0135】
ソケットブロック2は、上下面にパワープローブ(
図33の5)が突出する周囲に第1及び第2陥没部211-1,211-2、そして信号プローブ7が突出する第3及び第4陥没部231-1,231-2を含むことができる。
【0136】
第1及び第2陥没部211-1,211-2は、水平方向断面積が第1及び第2パワープローブ孔21-1,21-2の水平方向断面積よりも大きく形成されてよい。結果的に、第1陥没部211-1と第1パワープローブ孔21-1との間には第1突段212-1が形成され、第1パワープローブ支持部31-2が第1ベースブロック31から引き出されることなく支持され得る。また、第2陥没部211-2と第2パワープローブ孔21-2との間には第2突段212-2が形成され、第2パワープローブ支持部41-2が第2ベースブロック41から引き出されることなく支持され得る。
【0137】
同様に、第3及び第4陥没部231-1,231-2は、水平方向断面積が第1及び第2信号プローブ孔23-1,23-2の水平方向断面積よりも大きく形成されてよい。結果的に、第3陥没部231-1と第1信号プローブ孔23-1との間には第3突段232-1が形成され、第1信号プローブ支持部31-1が第1ベースブロック31から引き出されることなく支持され得る。また、第4陥没部231-2と第2信号プローブ孔23-2との間には第4突段232-2が形成され、第2信号プローブ支持部41-1が第2ベースブロック41から引き出されることなく支持され得る。
【0138】
ソケットブロック2は、第1ベースブロック31と第2ベースブロック41に形成された第1及び第2信号プローブ支持部31-1,41-1と第1及び第2パワープローブ支持部31-2,41-2を含むことができる。
【0139】
第1パワープローブ支持部31-2は、
図32に示すように、隣接して配列された2つ以上のパワープローブ5の周囲を一つに統合するように形成されてよい。結果的に、このように、絶縁性のパワープローブ支持部31-2は、検査時に、被検査体に設けられた端子が導電性ソケットブロック2に接触することを防ぎ、ショートを防止することができる。同様に、第2パワープローブ支持部41-2、第1及び第2信号プローブ支持部31-1,41-1は、隣接する2つ以上のパワープローブ5又は信号プローブ7の周囲を一つに統合するように形成されてよい。
【0140】
第1及び第2信号プローブ支持部31-1,41-1は、
図33及び
図35に示すように、第1ベースブロック31と第2ベースブロック41にそれぞれ形成された第1及び第2信号プローブ孔23-1,23-2内の上端及び下端に形成されてよい。このように、信号プローブ7の外面とソケットブロック2の信号プローブ孔23の内壁面との間にはエアー(Air)層が設けられてよい。
【0141】
第1及び第2パワープローブ支持部31-2,41-2は、
図33及び
図36に示すように、第1ベースブロック31と第2ベースブロック41にそれぞれ形成された第1及び第2パワープローブ孔21-1,21-2内に形成されてよい。このように、パワープローブ5の外面とソケットブロック2のパワープローブ孔21の内壁面との間には絶縁材、例えばポリマー層が設けられてよい。
【0142】
図37は、信号プローブ5の挿入損失(Insertion Loss)を示すグラフである。
【0143】
図37を参照すると、信号プローブ7とソケットブロック2の信号プローブ孔23の内壁面との間に、エアー層が配置される際の挿入損失は20GHzで-0.09(dB)であり、ポリマー層が配置される際の挿入損失は20GHzで-0.91(dB)である。挿入損失は0(dB)に近づくように設計することが好ましいので、信号プローブ7とソケットブロック2の信号プローブ孔23の内壁面との間にはエアー層が設けられる方が良い。
【0144】
図38は、信号プローブ7のリターン損失(Return Loss)を示すグラフである。
【0145】
図38を参照すると、信号プローブ7とソケットブロック2の信号プローブ孔23の内壁面との間に、エアー層が配置される際のリターン損失は20GHzで-20(dB)であり、ポリマー層が配置される際の挿入損失は20GHzで-7.5(dB)である。リターン損失は小さいほど好ましいので、信号プローブ7とソケットブロック2の信号プローブ孔23の内壁面との間にエアー層が設けられる方が良い。
【0146】
図39は、信号プローブ7のインピーダンスを示すグラフである。
【0147】
図39を参照すると、信号プローブ7とソケットブロック2の信号プローブ孔23の内壁面との間に、エアー層が配置される際の200ps間の最小インピーダンスは48.3Ωであり、ポリマー層が配置される際の200ps間の最小インピーダンスは40.1Ωである。インピーダンスは、50Ωを一定に維持することが好ましいので、信号プローブ7とソケットブロック2の信号プローブ孔23の内壁面との間にエアー層が設けられる方が良い。
【0148】
以上のように、信号プローブ7とソケットブロック2の信号プローブ孔23の内壁面との間にはエアー層が設けられる方が、ポリマー層を配置することに比べて、挿入損失、リターン損失及びインピーダンスの側面で優れている。
【0149】
したがって、検査ソケットの製造時に、ソケットブロック2の信号プローブ孔23内に詰められたポリマー樹脂を、信号プローブ7の両端を支持する部分以外には全て除去することができる。
【0150】
図40は、パワープローブ5のZ-インピーダンスを示すグラフである。
【0151】
図40を参照すると、パワープローブ5とソケットブロック2のパワープローブ孔21の内壁面との間に、エアー層が配置される際のZ-インピーダンスは1[GHz)で0.71Ωであり、ポリマー層が配置される際のZ-インピーダンスは1[GHz)で0.64Ωである。Z-インピーダンスは小さいほど好ましいので、パワープローブ5とソケットブロック2のパワープローブ孔21の内壁面との間にポリマー層が設けられる方が良い。
【0152】
したがって、検査ソケットの製造時に、ソケットブロック2のパワープローブ孔21内に詰められたポリマー樹脂は、パワープローブ5の外面に対応する部分のみを除去し、パーウーフローブ5がポリマー層に接触するようにすることができる。
【0153】
【0154】
図41で、例えば黄銅のような導電性材質の第1ベースブロック31と第2ベースブロック41を準備することができる。
【0155】
図42で、第1ベースブロック31と第2ベースブロック41にそれぞれ、接地プローブ6の外形に対応する第1及び第2接地プローブ孔22-1,22-2、パワープローブ5の外径よりも大きい内径の第1及び第2貫通孔210-1,210-2、及び信号プローブ7の外径よりも大きい内径の第3及び第4貫通孔230-1,230-2を加工、例えば穿孔(drilling)することができる。
【0156】
第1~第4貫通孔210-1,210-2,230-1,230-2は、第1ベースブロック31の上面と第2ベースブロック41の下面にそれぞれ、第1~第4陥没部211-1,211-2,231-1,231-2を含むことができる。また、第1貫通孔210-1と第1陥没部211-1との間、第2貫通孔210-2と第2陥没部211-2との間、第3貫通孔230-1と第3陥没部231-1との間、及び第4貫通孔230-2と第4陥没部231-2との間には、第1~第4貫通孔210-1,210-2,230-1,230-2に比べて小さい内径のネック部212-1,212-2,232-1,232-2を含むことができる。
【0157】
図43で、
図42の第1~第4貫通孔210-1,210-2,230-1,230-2内に、絶縁材、例えばポリマー層が詰められてよい。絶縁材(ポリマー層)は、例えば射出素材でインサート射出するか又は液状エポキシ樹脂を注入して硬化させることができる。
【0158】
図44で、第1及び第2貫通孔210-1,210-2内のポリマー樹脂は、パワープローブ5の外形に対応する形状に加工、例えば穿孔することができる。
【0159】
また、第3及び第4貫通孔230-1,230-2内のポリマー樹脂は、信号プローブ7の外周面(バレル71の外周面)と第3及び第4貫通孔230-1,230-2の内面との間から全て除去してよい。
【0160】
最後に、パワープローブ5、接地プローブ6、及び信号プローブ7を、第1及び第2ベースブロック31,41の第1及び第2信号プローブ孔23-1,23-2、第1及び第2接地プローブ孔22-1,22-2、及び第1及び第2パワープローブ孔21-1,21-2に挿入した後に、第1及び第2ベースブロック31,41を結合させることで、検査ソケット1を製造できる。
【0161】
本発明の様々な実施例によれば、
図42及び
図43の工程を省略し、
図44示した形状に直接インサート射出することもできる。
【0162】
本発明の様々な実施例によれば、プローブ収容孔とプローブ支持孔を単一の工程で形成するので、信号用プローブをプローブ収容孔の中心軸に位置させることができ、その結果、挿入損失(Insertion Loss)、反射損失(Return Loss)、クロストーク(Crosstalk)、隔離(Isolation)、Z-インピーダンス(Z-Impedance)、インダクタンス(Inductance)の特性を向上させることができる。
【0163】
前述した明細書において、本発明及びその長所が、特定の実施例を参照して説明されている。ただし、添付の請求項で説明するような本発明の範囲から逸脱しない限り、様々な修正及び変更が可能であることは、この技術分野における通常の技術を有する者に明らかであろう。したがって、明細書及び図面は、限定よりは本発明の例示として見なされるべきである。このような可能な修正はいずれも本発明の範囲内でなされるべぎである。
【符号の説明】
【0164】
1:検査ソケット
2:ソケットブロック
21,21-1,21-2:パワープローブ孔
212,213:パワープローブ支持孔
22,22-1,22-2:接地プローブ孔
222,224:接地プローブ通過孔
23,23-1,23-2:信号プローブ孔
232,234:信号プローブ支持孔
3:第1接合ブロック
31:ベース部材
312:カバー
313,314,315:接合溝
316:接合孔
32:第1絶縁部材
33:接着シート
34:金型部材
35:金型カバー
4:第2接合ブロック
41:第2ベースブロック
42:第2絶縁部材
5:パワープローブ
6:接地プローブ
7:信号プローブ
8:ギャッププレート
9:カバー部材
100:ドリル