IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グッドパック アイビーシー (シンガポール) ピーティーイー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図1
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図2
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図3
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図4
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図5
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図6
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図7
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図8
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図9
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図10
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図11
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図12
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図13
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図14
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図15
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図16
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図17
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図18
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図19
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図20
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図21
  • 特許-コンテナの壁を扱うためのシステム 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】コンテナの壁を扱うためのシステム
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/06 20060101AFI20240202BHJP
【FI】
B62B3/06 A
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2022525229
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 IB2020000242
(87)【国際公開番号】W WO2021084318
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-02-08
(31)【優先権主張番号】62/929,142
(32)【優先日】2019-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521395780
【氏名又は名称】グッドパック アイビーシー (シンガポール) ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】スリチャイ ウタイ
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0049823(US,A1)
【文献】特開2005-320062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 1/00- 5/08
B08B 1/00- 1/54
B08B 5/00-13/00
B65F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナの取り外し可能な壁であって、前記取り外し可能な壁は、それぞれ鉛直パネルおよび前記鉛直パネルから外方に延在する係合部を有する壁を扱うためのツールであって、
自身に接続された車輪を有するベースフレームと、
前記ベースフレームから斜角で離れる方向に延在する前側支持レールと、
前記前側支持レールの上部に枢動可能に接続されたリフトフレームと、備え、
前記リフトフレームは、前記前側支持レールに対して前記リフトフレームと共に移動する係合突起を含み、
前記リフトフレームが下向きに枢動されると、前記係合突起が前記係合部に係合し、前記ツールは、前記コンテナの前記取り外し可能な壁の重量を支持する、ツール。
【請求項2】
前記係合突起は、前記リフトフレームにおける前記前側支持レールに近接する最前端に配置されている、請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記係合突起の少なくとも一部は、前記リフトフレームから直角に延在する、請求項1に記載のツール。
【請求項4】
前記係合突起は、第1の係合突起であり、
前記リフトフレームは、前記前側支持レールに対して前記リフトフレームと共に移動する第2の係合突起を含む、請求項1に記載のツール。
【請求項5】
前記第1の係合突起及び前記第2の係合突起は、前記リフトフレームの枢動軸に平行な軸に沿って整列している、請求項4に記載のツール。
【請求項6】
前記リフトフレームは、前記リフトフレームの回転軸に平行な方向に沿って延在するハンドルバーを含む、請求項1に記載のツール。
【請求項7】
前記ベースフレームと前記前側支持レールとの間に延在する後側支持レールをさらに備える、請求項1に記載のツール。
【請求項8】
前記ベースフレーム、前記前側支持レール及び前記後側支持レールは、固定Aフレーム構造を概ね画定し、
前記リフトフレームは、前記固定Aフレーム構造に対して枢動可能である、請求項7に記載のツール。
【請求項9】
前記後側支持レールは、ストップ部材を含み、
前記ストップ部材は、前記リフトフレームが前記ストップ部材と係合すると前記リフトフレームの上げ方向への回転を制限するように構成される、請求項7に記載のツール。
【請求項10】
前記ストップ部材は、前記後側支持レールに対して調整可能である、請求項9に記載のツール。
【請求項11】
前記前側支持レールの下部領域の近くに配置された下側支持リップをさらに備える、請求項1に記載のツール。
【請求項12】
前記下側支持リップは、取り外し可能な壁を支持するための傾斜面を含む、請求項11に記載のツール。
【請求項13】
前記ベースフレームの前側領域の近くに配置された少なくとも1つの略平面状バンパーをさらに備える、請求項1に記載のツール。
【請求項14】
前記斜角は、約75度から約85度の範囲内である、請求項1に記載のツール。
【請求項15】
前記リフトフレームは、対向するサイドリフトレールを含み、
前記サイドリフトレールの少なくとも1つは、第2のレールセグメントから斜めに延在する第1のレールセグメントを含む、請求項1に記載のツール。
【請求項16】
前記第1のレールセグメント及び前記第2のレールセグメントは、約120度から約150度の角度を互いの間に形成する、請求項15に記載のツール。
【請求項17】
ベースと前記ベースに取り外し可能に接続された壁とを備える輸送コンテナを再構成する方法であって、
前記壁が前記ベースに対して枢動可能となるようにロック機構を解除する工程と、
前記壁が前記ベースに対して斜角で配置されるように前記壁を外方に枢動させる工程と、
前記ベースと、前記ベースから延在する前側支持フレームと、前記前側支持フレームに枢動可能に接続されかつ係合突起を有するリフトフレームと、を含む可動ツールに、前記壁を係合させる工程と、
前記壁を前記ベースから離れる方向に持ち上げるために、前記前側支持フレームに対して前記リフトフレームを枢動させる工程と、を含み、
前記壁を係合させる工程が、前記壁の溝を前記係合突起に係合させることを含む、方法。
【請求項18】
前記リフトフレームを枢動させることで前記壁を15ミリメートルから25ミリメートルの距離持ち上げる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記壁が第1の壁であり、
前記方法は、
第2の壁が前記ベースに対して枢動可能となるように第2のロック機構を解除する工程と、
前記第2の壁が前記ベースに対して斜角で配置されるように前記第2の壁を外方に枢動させる工程と、
前記第2の壁の溝を前記係合突起に係合させる工程と、
前記リフトフレームを前記前側支持フレームに対して枢動させて、前記第2の壁を前記ベースから離れる方向に持ち上げる工程と、をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
コンテナベースから上方及び外方に斜角で傾斜した取り外し可能な壁を扱うためのツールであって、
前部及び後部を備えるキャリッジと、
前記キャリッジの前記前部から上方及び後方に斜角で延在する前側支持部と、
前記前側支持部の上部に枢動可能に取り付けられたリフターであって、コンテナ壁に係合し、前記コンテナ壁を持ち上げて前記コンテナ壁をコンテナベースから取り外すのを容易にすることを可能とする制限運動範囲を有するリフターと、を備え、
前記ツールはさらに、前記リフターと前記前側支持部の両方が前記壁に斜角で係合して前記壁を支持することで、前記壁を輸送のための安定平衡状態で支持することが可能に構成されている、ツール。
【請求項21】
前記リフターは、手動で加えられた力に応答して前記コンテナ壁に持ち上げ力を加えることが可能であり、
前記持ち上げ力の大きさは、前記手動で加えられた力よりも大きい、請求項20に記載のツール。
【請求項22】
床に載置されたベースと、前記ベースに取り外し可能に接続された壁であって前記ベースから上方かつ外方に斜角で延在する壁と、を有する輸送コンテナから、壁を取り外すための方法であって、
可動ツールであって、前記床の上での前記可動ツールの移動を容易にするキャリッジと前記キャリッジに支持されたレバーとを含む可動ツールを、前記壁に接触させつつ前記床に置く工程と、
前記可動ツールが前記壁の重量を支えている状態で前記可動ツールの前記レバーに下向きの力を手動で加えることで前記壁を持ち上げる工程と、
前記可動ツールが前記壁の前記重量を支えている状態で、前記壁を前記ベースから離れる方向に輸送するために前記可動ツールを前記輸送コンテナから離れる方向に横方向に移動させる工程と、を含む、方法。
【請求項23】
前記レバーは、壁係合端部及びハンドル端部を含み、
前記壁を持ち上げる工程は、前記ハンドル端部よりも前記壁係合端部に近い支点の周りでレバーを枢動させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記キャリッジは、前側レールを含み、
前記前側レールは、前記壁の一部と係合して前記壁が前記可動ツールで支えられている状態で前記壁を傾斜位置に維持するために前記レバーの前方に配置されている、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
床に載置されたベースと、前記ベースに取り外し可能に接続された壁であって前記ベースから上方かつ外方に斜角で延在する壁と、を有する輸送コンテナから、壁を取り外すための方法であって、
可動ツールであって、前記床の上での前記可動ツールの移動を容易にするキャリッジと、前記キャリッジに支持された、前記壁と係合する前側部分を有するリフターと、を含む可動ツールを、前記壁に接触させつつ前記床に置く工程と、
前記リフターを使用して前記壁を持ち上げる工程と、
前記キャリッジを使用して、前記可動ツールが前記壁の重量を支えている状態で、かつ、前記壁を前記可動ツールに対して後方に傾いた傾斜位置に維持するために前記リフターの下方かつ前方にある前記キャリッジの前側レールが前記壁と係合している状態で、前記壁を前記ベースから離れる方向に輸送するために前記可動ツールを前記輸送コンテナから離れる方向に横方向に移動させる工程と、を含む、方法。
【請求項26】
床に載置されたベースと、前記ベースに取り外し可能に接続された壁であって前記ベースから上方かつ外方に斜角で延在する壁と、を有する輸送コンテナの壁を扱うための方法であって、
可動ツールであって、前記床の上での前記可動ツールの移動を容易にするキャリッジと、前記キャリッジに支持された、前記壁と係合する前側部分を有するリフターと、を含む可動ツールを、前記壁に接触させつつ前記床に置く工程と、
前記リフターを使用して前記壁を持ち上げる工程と、
前記キャリッジを使用して、前記可動ツールが前記壁の重量を支えている状態で、かつ、前記壁を前記可動ツールに対して後方に傾いた傾斜位置に維持するために前記リフターの下方かつ前方にある前記キャリッジの前側レールが前記壁と係合している状態で、前記壁を前記ベースから離れる方向に輸送するために前記可動ツールを前記輸送コンテナから離れる方向に横方向に移動させる工程と、
前記キャリッジを使用して、前記可動ツールと前記壁を保管ラックの近くに配置する工程と、
前記壁を前記保管ラックの支持面に降ろして前記壁がもはや前記可動ツールで支えられていないようにして、前記可動ツールに対する荷降ろしを行う工程と、
前記可動ツールを前記保管ラックから離れる方向に移動させる工程と、を含む、方法。
【請求項27】
可動ツールと保管ラックとを備える輸送コンテナの壁を扱うためのシステムであって、
前記可動ツールは、コンテナベースからコンテナ壁を持ち上げ、これを前記保管ラックに輸送し、前記コンテナ壁を前記保管ラックに配置することが可能であり、
前記保管ラックは、前記可動ツールと前記保管ラックとが協働するのを容易にするために前記可動ツールの少なくとも一部を受け入れることができる内側領域を画定する分岐ベースを有する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概してコンテナに関し、より具体的には輸送コンテナの取り外し可能な壁を扱う及び保管するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
再利用可能で積み重ね可能なコンテナ又は貨物ユニットは、様々なタイプの貨物を例えば鉄道で、海外貿易にて、及びその他の状況において輸送するのに有用である。コンテナの例は、米国特許第8,573,427号、及び、2019年5月17日に出願された「貨物ユニット」と題された米国仮特許出願第62/849,559号に記載されており、これらの開示内容は参照により本明細書に盛り込まれているものとする。
【0003】
いくつかの先行技術のコンテナは取り外し可能な壁を有し、これらの壁はコンテナの輸送中にロック機構によって水平なコンテナベース上に鉛直位置で保持される。このようなコンテナ壁のいくつかは、壁の頂部に沿って延在する水平構造部材を含むフレームによって縁取られたパネルを含み、水平構造部材は壁の頂部近くにおいてほぼ水平な下面を有する。荷降ろしが行われる目的地にコンテナが到着すると、ロック機構が解除され、壁が外側に傾き、その結果、構造部材の下面はもはや水平ではなくなり、パネルから離れる方向に下方に傾くこととなる。次いで、壁を手動で取り外すことができ、これによってコンテナの内容物へのアクセスを容易にすることができ、また、内容物の取り出し後にコンテナが占める体積を小さくするために壁をベース上に水平に積み重ねることができる。
【0004】
いくつかの従来技術のコンテナでは、壁の取り外しにおいて、上方及び外方へ力が加えられ、壁がわずかに持ち上げられ、壁の底部が外方に引かれることで壁の底部がベースから外される。場合によっては、壁がわずかに持ち上げられた後、壁の底部はベースと係合したままであり、壁の底部の第1の側が、他方の側が係合したままで外方に引かれてベースから係合解除されてもよく、これによって壁がわずかにねじられ、壁の底部の第1の側が第2の側に先立って係合解除される。場合によっては、壁は、一方の側が外方に引かれた後に、側方に移動される。具体例として、従来技術では、壁の取り外しにおいて、作業員は壁に面して壁を両手でつかんでから、壁を少し持ち上げ、次に、左側を少し外方に引き、壁をねじって壁の底部左側をベースとの係合から解放し、次に、壁を左側にシフトさせ、右側を外方に引いて壁の底部右側を解放する。取り外し後、1つ以上の壁がコンテナの周囲の領域から外に移動されて、フォークリフト又は他の手段によるコンテナの荷降ろしの邪魔になることを回避することが望ましい場合がある。
【0005】
ベース上での壁の交換は、上で説明したプロセスの逆のプロセスで行うことができる。
【0006】
場合によっては、取り外し可能な壁は、高さ及び/又は幅が1メートルを超えてもよく、重量が10~25キログラムであってもよく、あるいは約18キログラムであってもよい。場合によっては、ユーザは、壁のサイズや重量により、及び取り外し若しくは交換に伴う一連のステップにより、壁が扱いにくいと感じることがある。
【発明の概要】
【0007】
本明細書において、取り外し可能な壁を扱う及び保管するためのシステムが開示される。いくつかの実施形態は、コンテナベースから上方及び外方に斜角で傾斜した壁を取り外すため及び取り外し後に壁を交換するためのツール及び関連する方法を含む。いくつかの実施形態では、ツールは、キャリッジと、キャリッジの前部から上方かつ後方に斜角で延在する当接面と、当接面の上端又はその近くに取り付けられたリフターとを含む。いくつかの実施形態では、リフターは、コンテナ壁に係合して、例えば約15~25ミリメートルといった短い所定距離正確にわずかにコンテナ壁を持ち上げてコンテナベースからコンテナ壁を取り外すのを容易にすることができるように、制限された運動範囲を有する。いくつかの実施形態では、ツールは、リフターと当接面の両方が壁に斜角で係合して当該壁を支持することで、壁を輸送のための安定平衡状態で支持することが可能である。
【0008】
いくつかの実施形態では、リフターは、手動で加えられた力に応答してコンテナ壁に持ち上げ力を加えることができ、持ち上げ力の大きさは手動で加えられた力よりも大きい。これは、レバー、油圧システム又はケーブル若しくはチェーンドライブなどの機械的利点を提供する機械的装置を使用することによって、あるいは1つ以上のモータ、電磁装置又は他の装置を使用することによって達成することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、上記方法は、可動ツールを、レバーなどのリフターのみが壁に接触するように床に置く工程と、レバーの前端が壁フレーム部材の下面に係合した状態で、可動ツールの上端又はその近くに取り付けられたレバーに下向きの力を手動で加えることで壁を持ち上げる工程と、壁をベースから離れる方向に引くためにツール及び壁を輸送コンテナから離れる方向に横方向に移動させて、レバーのみによって壁が支持される第1の傾斜位置からレバーと当接面の両方によって壁の重量が支持される第2の傾斜位置に壁を回転させる工程と、を含む。いくつかの実施形態では、ツール及び壁をベースから離れる方向に横方向に移動させる工程が、まず壁の一方の側、例えばその左側又は右側をベースから離れる方向に移動させ、次に他方の側をベースから離れる方向に移動させることを含む。上記方法は、壁をベースから取り外す前、最中又は取り外した後に、可動ツールが壁の重量の一部又は全部を支持している状態で、壁をツールの前側の当接面に接触させることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、当接面は壁をツール上で傾斜位置に維持するのに役立ち、これによってリフターと壁フレーム部材の下面との間の係合を維持するのに役立つ。いくつかの実施形態では、レバーは壁係合端部及びハンドル端部を含み、壁を持ち上げる工程は、ハンドル端部よりも壁係合端部に近い支点の周りでレバーを枢動させることを含む。いくつかの実施形態では、当接面はリフターの下方かつ前方に配置された前側レールを含む。いくつかの実施形態では、直立フレームは、ツールが壁と係合する前に壁よりも鉛直に近い角度で上方かつ後方に延在する傾斜前面を有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、リフターは壁の1つ以上の表面に上向きの圧力を加えることで壁に係合する。いくつかの実施形態では、リフターは1つ以上のグリッパ、磁石、吸引装置及び/又は他の手段を使用して壁に係合することができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、ツールは、移動を容易にするための車輪、ローラ又は他の手段で支持されるキャリッジ又はベースフレームと、ベースから上方かつ後方に斜角で延在する前側支持フレームとを含む。いくつかの実施形態では、ツールは前側支持フレームの上部に枢動可能に接続されたリフター又はリフトフレームをさらに含む。リフトフレームは、前側支持フレームに対してリフトフレームと共に移動する係合突起を含んでもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、上記方法は、ベースと、ベースから延在する前側支持フレームと、前側支持フレームに枢動可能に接続されたリフトフレームとを含む可動ツールを、壁に係合させることを含む。リフトフレームは壁の溝に係合するための係合突起を含む。上記方法は、壁をベースから離れる方向に持ち上げるために前側支持フレームに対してリフトフレームを枢動させることをさらに含んでもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、システムは、カートを受け入れるための中央スペースを画定する分岐ベースが設けられた保管ラックを含み、これにより、カートが、壁の一部、例えば壁の上側中央部分を支持しながら中央スペースに移動し、次に分岐ベースによって壁が支持されるように壁を降ろすことで、カートの荷降ろしが行われるように構成されてもよい。次いで壁はラック上での一時保管のために保持されてもよく、カートは引き下げられて、追加の壁をラックに運ぶために使用されてもよく、これにより、ラックを複数の壁の一時保管に使用することができる。保管ラックからコンテナベースに壁を取り出したい場合、カートを中央スペースに配置し、壁を分岐ベースから持ち上げることによって、壁をカートに載せることができる。次いで、カートは中央のスペースから引き下げされて、壁をコンテナベースとの再結合が行われ得る別の場所に輸送するために使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】輸送コンテナの取り外し可能な壁を移動させるためのツールの斜視図である。
図2】ツールの側面図である。
図3】ツールの正面立面図である。
図4】ツールの平面図である。
図5】載置位置にあるリフトフレームを備えるツールのストップアセンブリの拡大図である。
図6】上げ位置にあるリフトフレームを備えるツールのストップアセンブリの拡大図である。
図7】組立配置で鉛直位置にロックされた取り外し可能な壁を有する輸送コンテナの斜視図である。
図8】壁が外側に傾くのを可能にするためにロック機構を解除した後の図7のコンテナを示し、図1のツールは前方に押されて壁と接触している。
図9】取り外し可能な壁を持ち上げる前にツールが取り外し可能な壁に係合する様子を示す。
図10】持ち上げ後のツール及び壁を示す。
図11】壁の取り外し後のツール及び壁を示す。
図12】輸送コンテナの取り外し可能な壁を移動させるための別のツールの正面斜視図である。
図13図12のツールの背面斜視図である。
図14】ツールの正面上方斜視図である。
図15】ツールの背面上方斜視図である。
図16】載置位置にあるリフトフレームを備えるツールのストップアセンブリの拡大図である。
図17】輸送コンテナから壁が取り外された後のツール及び取り外し可能な壁を示す図である。
図18】取り外し可能な壁を保管するためのラックの側面斜視図である。
図19】ラックの正面斜視図である。
図20】ラックの側面立面図である。
図21】取り外し可能な壁をラック上に配置するツールを示す。
図22】取り外し可能な壁を輸送するために取り外し可能な壁をラックから輸送コンテナに移動させる様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態は本明細書において例示のために記載される。他の実施形態は異なる形態をとることができる。図面は必ずしも縮尺通りではない。図示及び/又は記載される種々の特徴はいずれも任意の他のそのような特徴と組み合わせることができる。
【0016】
図1図4を参照すると、輸送コンテナの壁を扱うためのカート又は可動ツール10が示されている。ツール10は、キャリッジ又はベースフレーム12と、ベースフレーム12から上方に延在する支持フレーム14と、支持フレーム14に枢動可能に接続されたリフター又はリフトフレーム16とを含む1つ以上のフレームを含む。
【0017】
ベースフレーム12は、前側レール20と、後側レール22と、前側レール20及び後側レール22に接続するサイドレール24とを含んでもよい。サイドレール24は前側レール20を越えて前方に延在してもよい。さらに又は代わりに、サイドレール24は後側レール22を越えて後方に延在してもよい。
【0018】
キャスタ30がベースフレーム12の四隅又はその近傍のそれぞれに固定されて、床面に沿ったツール10の移動を容易にする。前側キャスタ30は、前側レール20に、サイドレール24に、又は前側レール20とサイドレール24の両方に固定(例えば、溶接又は機械的に固定)されてもよい。同様に、後側キャスタ30は、後側レール22に、サイドレール24に、又は後側レール22とサイドレール24の両方に固定されてもよい。各キャスタ30は1つ以上の車輪又はローラを含んでもよく、ツール10が車輪等によって動かすことができるツール10となるように構成される。1つ以上のキャスタ30は、回転に対する抵抗を提供するため又はキャスタ30の(複数の)車輪をロックするためのブレーキ又はロック機構(不図示)を含んでもよく、これによってツール10の移動を遅くする、妨げる又は抑制することができる。
【0019】
図示の実施形態では、ツール10は手動操作を容易にするように構成されており、作業員は、作業中にツールを移動、位置決め及び停止させるために必要に応じてツールを押したり引いたりする。いくつかの実施形態では、手動の力を加える必要性を低減又は排除するために1つ以上の駆動機構を設けることができる。いくつかの実施形態では、駆動機構は、ツール上の手動操作式又は自律式電子コントローラによって、あるいはツールに配線接続された又は無線接続されたリモートコントロールによって、あるいは他の手段によって、制御されてもよい。いくつかの実施形態では、ツールはロボットユニットとして動作してもよい。
【0020】
図示のツール10は、ベースフレーム12から延在する下側支持リップ40を含む。下側支持リップ40は、クロスバー42と、クロスバー42の対向端部にある傾斜面又は傾斜支持部44とを含んでもよい。クロスバー42の対向端部は、サイドレール24の端面に固定(例えば、溶接又は機械的に固定)されてもよい。図2に示すように、クロスバー42は、サイドレール24の少なくとも一部の下に(例えば、Z方向に)延在してもよい。このようにして、クロスバー42の端部の上部領域がサイドレール24の端面の下部領域に溶接されてもよい。傾斜支持部44は、クロスバー42に溶接される下端と、サイドレール24の端面に溶接される上端とを有していてもよい。
【0021】
支持フレーム14はベースフレーム12から略上方に(例えばZ方向に)延在する。より詳細には、支持フレーム14は対向するサイドフレーム50を含んでもよく、各サイドフレーム50はそれぞれのサイドレール24から略上方に延在する。図示のアプローチでは、サイドフレーム50は、サイドレール24の前側部分から略上方に延在する前側支持レール52と、サイドレール24の後側部分から略上方に延在する後側支持レール54とを含む。後側支持レール54同士が協働して後側支持フレーム54’(本明細書では後側支持部とも呼ばれる)を形成することができる。前側支持レール52及び後側支持レール54の下端はサイドレール24に固定(例えば、溶接又は機械的に固定)されてもよい。1つのアプローチにおいて、前側支持レール52の上端は後側支持レール54の上端に固定される。別のアプローチでは、サイドフレーム50は、一体的に形成された前側支持レール部分及び後側支持レール部分を含む。いずれのアプローチにおいても、サイドフレーム50はAフレーム構造を概ね画定してもよい。中間レール、コネクタ等を含み得る他の形状も考えられる。
【0022】
図2に示すように、前側支持レール52は、前側支持レール52がサイドレール24との間に角度60を形成するように、サイドレール24から略上方かつ後方に(例えば、後側支持レール54に向かって)延在してもよい。1つのアプローチでは、上記角度は、約70度~約89度の範囲内の、より具体的には約75度~約85度の範囲内の、さらにより具体的には約77度又は約83度の鋭角などの斜角である。前側支持レール52同士が協働して前側支持フレーム52’(本明細書では前側支持部とも呼ばれる)を形成することができる。同様に、後側支持レール54は、後側支持レール54がサイドレール24との間に角度62を形成するように、サイドレール24から略上方かつ前方に(例えば、前側支持レール52に向かって)延在してもよい。1つのアプローチでは、上記角度は、約70度~約89度の範囲内の、より具体的には約75度~約85度の範囲内の、さらにより具体的には約77度又は約83度の鋭角などの斜角である。
【0023】
図1に示すように、支持フレーム14は、対向する前側支持レール52の間に延在する前側支持ロッド70を含んでもよい。さらに又は代わりに、支持フレーム14は、対向する後側支持レール54の間に延在する後側支持ロッド72を含んでもよい。前側支持ロッド70及び後側支持ロッド72は対向端部において前側支持レール52及び後側支持レール54にそれぞれ固定(例えば、溶接又は機械的に固定)されてもよい。
【0024】
リフトフレーム16は、ピボットバー80と、ピボットバー80から延在する対向するリフトレール82とを含む。リフトフレーム16を支持フレーム14に枢動可能に接続するために、1つ以上の機械留め具96を設けてもよい。例えば、ねじ又はボルトによって、リフトレール82(又はリフトレール82とピボットバー80の両方)の前端をそれぞれの前側支持レール52の上端に枢動可能に接続してもよい。このようにして、機械留め具96は、リフトレール82(又はリフトレール82とピボットバー80の両方)が周りを枢動できる支点として機能することができる。本実施形態及び他での機械留め具の使用によって、ツール構成要素を、コンパクトな構成で例えばキットとして組み立てる前にツールが使用される倉庫又は他の場所に輸送して、その後倉庫又は他の場所で組み立てることができるという利点が得られ得る。
【0025】
リフトフレーム16は、リフトレール82間に延在するハンドルバー84をさらに含む。ハンドルバー84は、リフトフレーム16の枢動軸98に平行な方向に沿って延在する。上側支持ロッド86もリフトレール82間に延在し、ピボットバー80とハンドルバー84との間に配置される。使用時には、オペレータは、ハンドルバー84を上げたり下げたりしてリフトレール82を枢動軸98の周りに枢動させることによって、リフトフレーム16を支持フレーム14及びベースフレーム12に対して枢動させることができる。
【0026】
リフトフレーム16は、少なくとも1つ、好ましくは2つの係合突起90をさらに含む。係合突起90は、リフトフレーム16における前側支持レール52に近接する最前端部又はその近傍に配置される。第1及び第2の係合突起90は、リフトフレームの枢動軸98に平行な軸に沿って整列されてもよい。
【0027】
図2及び図5図7に関して、係合突起90は、1~3インチの長さ又は水平方向寸法を有する形鋼片を含んでもよく、形鋼片は、リフトレール82の前端に固定(例えば、溶接)される突起ベース92を含む。突起ベース92はリフトレール82の上面と平行な面を有してもよい。係合突起90は、突起ベース92から上方かつ前方に延在する突起延長部又はフランジ94をさらに含んでもよい。図示のアプローチでは、突起延長部94は突起ベース92から直角に延在し、したがってリフトフレーム16から直角に延在する。いくつかの実施形態では、フランジ94は長さ又は水平方向寸法が約1.5インチであり、そして、ベースから0.125インチ~1.5インチ、又は約0.75インチ延在する。他の実施形態においてフランジは他の寸法を有してもよい。他の突起延長部の形状も考えられる。
【0028】
図5及び図6を参照すると、ツール10は、リフターに及び/又はリフターから伝達され得る特定の衝撃荷重等を緩衝する手段を含んでもよく、当該緩衝する手段はストップアセンブリ100を備える。リフターが壁を持ち上げるように動かされると、リフターがその持ち上げ動作の終わりに近づくにつれて、ストップアセンブリは持ち上げ動作を遅くしてリフターを徐々に停止させるように作用することができる。また、ストップは、ツール上の壁を輸送する際にツールが受ける荷重、例えばリフターの移動及び/又はツールが車輪等によって移動する床面の凹凸に関連する荷重を消散させるのに役立つことができ、これによってこのような荷重は壁に完全には伝達されない。このように、ストップアセンブリは壁がツールから不用意に外れる可能性を低減することができる。
【0029】
ストップアセンブリ100は、後側支持レール54から延在するベースフランジ102を含んでもよい。ベースフランジ102は、少なくとも一部がねじ部であってもよい留め具104を受け入れるための貫通孔(不図示)を含む。留め具104の上端にはキャップ106が配置される。一実施形態では、キャップ106は留め具104に固定される別個の構成要素である。別の実施形態では、キャップ106は(例えば、留め具シャンクと一体的に形成される留め具ヘッドとして)留め具104と一体的に形成される。
【0030】
ばね110は、ベースフランジ102の上面とキャップ106の下面との間において留め具104の周囲に配置される。このようにして、ばね110はキャップ106を介して第1の軸方向(例えば、略上方かつ前方)に留め具104を付勢するように作用する。ナット112が留め具104のねじ部に固定され、これにより、(例えば、ばね110の付勢力により)ナット112がベースフランジ102の底面に係合したときに留め具104の第1の軸方向への軸方向移動が抑制されるように構成されている。ナット112は、以下により詳細に説明するように、リフトフレーム16の載置位置を調節するために留め具104のねじ部に沿って調節可能であってもよい。
【0031】
使用時、キャップ106はキャップ106の上面でリフトフレーム16の部材を受ける。ばね110は、図5に示すようにリフトフレーム16が載置位置にあるときにリフトフレーム16の重量によってばね110が圧縮されないように選択又はチューニングされてもよい。オペレータがリフトフレーム16を(例えばハンドルバー84を介して)上げると、リフトフレーム16は枢動軸98の周りに前方に枢動する。前方方向へのリフトフレーム16の枢動は、図6に示すように係合突起90の底部(例えば、突起ベース92の底部)が前側支持レール52の前面に係合したときに抑制される。オペレータが(例えばハンドルバー84を介して)リフトフレーム16を下げると、リフトフレーム16は枢動軸98の周りに後方に枢動する。リフトフレーム16を後方方向へ枢動させることによってリフトフレーム16が図5の載置位置に戻る。オペレータがリフトフレーム16を下向き方向にさらに付勢すると、ばね110が圧縮されて、留め具104、キャップ106及びナット112が、概ね下方かつ後方である軸方向(例えば、第1の軸方向とは反対方向)に軸方向移動する。ばね110が完全に圧縮されると、リフトフレーム16の後方方向への枢動が抑制又は防止され、ベースフランジ102に向かうキャップ106の連続的な移動がばね110によって抑制又は防止される。
【0032】
いくつかの実施形態では、リフトフレーム16は、30°~90°、50°~70°、又は約60°の運動範囲にわたって枢動することができる。いくつかの実施形態では、ばねは、ハンドル84の運動範囲の下限(これは延長部94の運動範囲の上限に対応する)において、2°~10°の範囲で、4°~8°の範囲で、又は約6°で係合する。
【0033】
いくつかの実施形態では、ツールは軟鋼から作製され、単独で又は他の材料と組み合わせて作製され、重量が10~30kg、15~25kg又は約20kgである。いくつかの実施形態では、ツールは最大30kgの重量の壁を安定して支持することができる。いくつかの実施形態では、ツールはより小さい又はより大きい容量でもよく、より小さい又はより大きい重量でもよい。
【0034】
図7を参照すると、貨物を運搬可能な輸送コンテナ200が示されている。輸送コンテナ200は、ベース202と、ベース202から上方に延在しベース202から取り外すことができる1つ以上の取り外し可能な壁204とを含む。取り外し可能な壁204は、前壁206、後壁208、及び側壁210,212を含んでもよい。取り外し可能な壁204のうちの1つ又は複数は、平面壁部214と、平面壁部214の構造剛性を高める1つ以上の支持レール216とを含んでもよい。取り外し可能な壁204は輸送コンテナ200が完全に積み込まれると取り外されて、ベース202上に積み込まれた貨物へのアクセスを容易にすることができる。輸送コンテナ200で輸送することができる貨物の例は、固体材料(例えば、天然又は合成ゴム材料)及び/又は液体若しくは他の流動性材料(例えば、トマトペースト)を含み得る。
【0035】
壁が鉛直向きで配置されたとき、取り外し可能な壁204は、各々、鉛直パネル部222に隣接する横方向上フレーム部材220の形態であり得る水平構造部材を含む。横方向上フレーム部材220のリップインターフェース230の下向き底面は、鉛直パネル部222からフレーム部材220の底外縁224まで外方に(例えば、X方向に水平に)延在し、これにより、壁が外方に傾斜した後に突起延長部94を受け入れるための凹面又は内部コーナーを、パネル222とリップインターフェース230の底面との間に形成する。
【0036】
輸送コンテナ200は、取り外し可能な壁204を直立の組立配置に維持するためのロック機構240を含む。ロック機構240は、前壁206及び後壁208に隣接する側壁210,212の上縁に設けられてもよい。ロック機構240は、各々、ロック位置(例えば、「下げ位置」)とロック解除又は開放位置(例えば、「上げ位置」)との間で枢動可能であるハンドル242を含んでもよい。ハンドル242が全てロック位置にあるとき、ロック機構240は図7に示すように取り外し可能な壁204を直立のロック配置に維持することができる。
【0037】
前壁206を隣接する側壁210,212とのロック係合から解放するために、オペレータは側壁210のハンドル242Aをロック解除位置まで枢動させる。また、オペレータは、側壁212のハンドル242B(不図示)をロック解除位置まで枢動させる。両方のハンドル242A,242Bをロック解除位置にした状態で、前壁206は隣接する側壁210,212から機械的に解放され、図8に示す位置まで外方に枢動することができる。後壁208も同様に解放され、外方に枢動することができる。前壁206及び後壁208が解放されると、側壁210,212も外方に枢動することができる。外方に枢動された位置において、壁204の下部は所定の角度付き向き(例えば、鉛直から約15度ずれた向きでもよい)で支持される。
【0038】
次に、図8図11を参照して、輸送コンテナ200から壁を取り外す方法を説明する。
【0039】
図8に示すように、ツール10はコンテナのごく近くまで押されるかあるいは他の方法で輸送され、次いで、図9に示すようにコンテナ壁に接触させることができ、このときリフター16はハンドル84を上げることによって手動であるいは他の方法で図6及び図9に示す位置まで枢動されている。リフトフレーム16がこの位置にある状態でツールが前方に移動されて、延長部94がフレーム部材底面230とパネル222とにこれらの交差部で接触する。壁が外方に傾斜していることにより、パネル222はベースから上方かつ外方に傾斜し、その外縁224から底面230がパネル222に向かって上方に傾斜し、したがって、底面230とパネル222とで形成される交差部又は内部コーナーが延長部94を安定平衡状態で受け入れることができる。より詳細には、リップインターフェース230は係合突起90を中に受け入れる。
【0040】
図10を参照すると、オペレータは次いで、リフトフレーム16のハンドル84に下向きの持ち上げ力を加えることによって、リフトフレーム16を手動で枢動させることができる。リフトフレーム16が下向きに枢動することで、延長部94が前壁206を持ち上げる。このようにしてツール10は前壁206の重量を支持する。より詳細には、ツール10は、リフトフレーム16の係合突起部及び前側支持フレーム52の前向き当接面で、前壁206を支持する。
【0041】
図11を参照すると、オペレータは、リフトフレーム16で前壁206を持ち上げた後、前壁206の一方の側(例えば、左側)がベース202から引き離され反対の側がベース202に部分的に係合したままとなるように前壁206を横方向に(例えば、鉛直軸に沿って)枢動させることができる。このような枢動によって、前壁206の左側の下部領域に位置する枢動ピンがベース202のスロットを通って横方向外側にずらされる。次いで、前壁206の右側の下部領域にある枢動ピンがベース202から係合解除され、それによって前壁206がベース202から解放される。前壁206が解放されると、ツール10は安定平衡状態で前壁206を支持し、オペレータは前壁206をベース202から離れる方向に運ぶことができる。
【0042】
この取り外しプロセスを、後壁208、側壁210及び側壁212のうちの1つ以上について繰り返すことができる。1つ以上の壁を取り外すことで輸送コンテナ200の内容物へのアクセスを容易にすることができ、及び/又は輸送コンテナ200の1つ以上の構成要素の保管を容易にすることができる。
【0043】
また、ツール10は輸送コンテナ200の組み立て(又は再組み立て)を容易にすることができる。したがって、上述の方法は概ね逆の順序で実行することができる。例えば、オペレータは、係合突起90を前壁206のリップインターフェース230と係合させることによって、前壁206をツール10上に積み込むことができる。オペレータは次いで、リフトフレーム16を下げ位置(例えば、図11に示す下げ位置)まで枢動させることによって、前壁206を設置位置まで持ち上げることができる。次いでオペレータは、ツール10のリフトフレーム16が下げ位置にある状態で、前壁206の下部をベース202に対して(例えば、図10での位置決めのように)位置決めることができる。位置決めの際に、オペレータはリフトフレーム16を上げ位置(例えば、図9に示す上げ位置)まで持ち上げて、これにより前壁206をベース202との係合位置まで下げることができる。係合位置において、前壁206はベース202によって図9に示す外方枢動位置に維持される。前壁206を係合位置に位置決めした後、オペレータはツール10を輸送コンテナ200から離れる方向にバックさせ、係合突起90を前壁206のリップインターフェース230から外すことができる。この組み立て(又は再組み立て)プロセスは、後壁208、側壁210及び側壁212のうちの1つ以上について繰り返すことができる。
【0044】
壁が外方枢動位置にある状態で、側壁210,212を鉛直位置に動かすことができる。次いで前壁206を上げて鉛直位置にして、ハンドル242A,242Bをロック解除位置からロック位置に移動させて、前壁206を側壁210,212に固定することができる。このプロセスはその後、後壁208についても実行されて、輸送コンテナ200が組立配置に完全に組み立てられる。
【0045】
図12図15を参照すると、輸送コンテナの壁を扱うための第2のカート又は可動ツール300が示されている。ツール300は、キャリッジ又はベースフレーム302と、ベースフレーム302から上方に延在する支持フレーム304と、支持フレーム304に枢動可能に接続されたリフター又はリフトフレーム306とを含む1つ以上のフレームを含む。
【0046】
ベースフレーム302は、前側レール310と、後側レール312と、前側レール310及び後側レール312に接続するサイドレール314とを含んでもよい。サイドレール314は前側レール310を越えて前方に延在してもよい。さらに又は代わりに、サイドレール314は後側レール312を越えて後方に延在してもよい。
【0047】
キャスタ320がベースフレーム302の四隅又はその近傍のそれぞれに固定されて、床面に沿ったツール300の移動を容易にする。前側キャスタ320は、前側レール310に、サイドレール314に、又は前側レール310とサイドレール314の両方に固定(例えば、溶接又は機械的に固定)されてもよい。同様に、後側キャスタ320は、後側レール312に、サイドレール314に、又は後側レール312とサイドレール314の両方に固定されてもよい。各キャスタ320は1つ以上の車輪又はローラを含んでもよく、ツール300が車輪等によって動かすことができるツール300となるように構成される。1つ以上のキャスタ320は、回転に対する抵抗を提供するため又はキャスタ320の(複数の)車輪をロックするためのブレーキ又はロック機構(不図示)を含んでもよく、これによってツール300の移動を遅くする、妨げる又は抑制することができる。
【0048】
ツール300は手動操作を容易にするように構成されており、作業員は、作業中にツールを移動、位置決め及び停止させるために必要に応じてツールを押したり引いたりする。いくつかの実施形態では、手動力を加える必要性を低減又は排除するために1つ又は複数の駆動機構を設けることができる。いくつかの実施形態では、駆動機構は、ツール上の手動操作式又は自律式電子コントローラによって、あるいはツールに配線接続された又は無線接続されたリモートコントロールによって、あるいは他の手段によって、制御されてもよい。いくつかの実施形態では、ツールはロボットユニットとして動作してもよい。
【0049】
ツール300は、ツール300の下側前面に配置された1つ以上の下側支持バンパー部材330を含む。例えば、ツール300は、ツール300の下側前面を横切って横方向に延在するクロスバー332を含んでもよい。クロスバー332は取付フレーム334を介してツール300の下部に固定されてもよく、取付フレーム334は支持フレーム304の下部に溶接又は機械的に固定されてもよい。サイドレール314の端面。クロスバー332は、サイドレール314の少なくとも一部の上側に(例えば、Z方向に)延在してもよい。さらに又は代わりに、ツール300は略平面状の前面を有し得る1つ以上のバンパー336を含んでもよい。バンパー336は、例えばサイドレール314の前縁に配置されてもよい。後述するように、輸送コンテナ200の取り外し可能な壁204がツール300によって支持されるとき、取り外し可能な壁204の(複数の)平面壁部214がバンパー336上に載置されてバンパー336によって支持され、取り外し可能な壁204の(複数の)支持レール216がクロスバー332上に載置されてクロスバー332によって支持される。
【0050】
支持フレーム304はベースフレーム302から略上方に(例えば、Z方向に)延在する。より詳細には、支持フレーム304は対向するサイドフレーム340を含んでもよく、各サイドフレーム340はそれぞれのサイドレール314から略上方に延在する。図示のアプローチでは、サイドフレーム340は、サイドレール314の前側部分から略上方に延在する前側支持レール342と、サイドレール314の後側部分から略上方に延在する後側支持レール344とを含む。後側支持レール344同士が協働して後側支持フレーム344’(本明細書では後側支持部とも呼ばれる)を形成することができる。前側支持レール342及び後側支持レール344の下端はサイドレール314に固定(例えば、溶接又は機械的に固定)されてもよい。1つのアプローチにおいて、前側支持レール342の上端は後側支持レール344の上端に固定される。別のアプローチでは、サイドフレーム340は、一体的に形成された前側支持レール部分及び後側支持レール部分を含む。いずれのアプローチにおいても、サイドフレーム340はAフレーム構造を概ね画定してもよい。中間レール、コネクタ等を含み得る他の形状も考えられる。
【0051】
図2に示すツール10の前側支持レール52と同様に、前側支持レール342は、前側支持レール342がサイドレール314との間に角度350(図12)を形成するように、サイドレール314から略上方かつ後方に(例えば、後側支持レール344に向かって)延在してもよい。1つのアプローチでは、上記角度は、約70度~約89度の範囲内の、より具体的には約75度~約85度の範囲内の、さらにより具体的には約77度又は約83度の鋭角などの斜角である。前側支持レール342同士が協働して前側支持フレーム342’(本明細書では前側支持部とも呼ばれる)を形成することができる。同様に、後側支持レール344は、後側支持レール344がサイドレール314との間に角度352(図13)を形成するように、サイドレール314から略上方かつ前方に(例えば、前側支持レール342に向かって)延在してもよい。1つのアプローチでは、上記角度は、約70度~約89度の範囲内の、より具体的には約75度~約85度の範囲内の、さらにより具体的には約77度又は約83度の鋭角などの斜角である。
【0052】
支持フレーム304(より具体的には、前側支持フレーム342’)は、対向する前側支持レール342の間に延在する前側支持ロッド360を含んでもよい。さらに又は代わりに、支持フレーム304は対向する後側支持レール344の間に延在する後側支持ロッド362を含んでもよい。前側支持ロッド360及び後側支持ロッド362は対向端部において前側支持レール342及び後側支持レール344にそれぞれ固定(例えば、溶接又は機械的に固定)されてもよい。
【0053】
リフトフレーム306は、ピボットバー370と、ピボットバー370から延在する対向するリフトレール372とを含む。リフトフレーム306を支持フレーム304に枢動可能に接続するために、1つ以上の機械留め具386を設けてもよい。例えば、ねじ又はボルトによって、リフトレール372(又はリフトレール372とピボットバー370の両方)の前端をそれぞれの前側支持レール342の上端に枢動可能に接続してもよい。このようにして、機械留め具386は、リフトレール372(又はリフトレール372とピボットバー370の両方)が周りを枢動できる支点として機能することができる。本実施形態及び他での機械留め具の使用によっても、ツール構成要素を、コンパクトな構成で例えばキットとして組み立てる前にツールが使用される倉庫又は他の場所に輸送して、その後倉庫又は他の場所で組み立てることができるという利点が得られ得る。
【0054】
リフトフレーム306のリフトレール372は非直線形状である。より具体的にはこれらは同一線上にない複数のセグメントを含む。例えば、リフトレール372は、負荷セグメント373のような第1のセグメントと、負荷セグメント373から延在する力点セグメント375のような第2のセグメントとを含んでもよい。力点セグメント375は、負荷セグメント373と力点セグメント375との間に角度377を形成するように、負荷セグメント373から延在する。1つのアプローチでは、角度377は、95度~約175度の範囲内の、より具体的には120度~150度の範囲内の、さらにより具体的には約135度の鈍角などの斜角である。このようにして、リフトレール372の複数のセグメントが協働して、角度付きリフトレール372を形成することができる。角度付きリフトレール372は、壁を持ち上げる、下げる及び/又は輸送する際に、ツール300の人間工学を改善し得る。
【0055】
リフトフレーム306はリフトレール372間に延在するハンドルバー374をさらに含む。ハンドルバー374はリフトフレーム306の枢動軸388に平行な方向に沿って延在する。上側支持ロッド376もリフトレール372間に延在し、概ねピボットバー370とハンドルバー374との間に配置される。使用時、オペレータはハンドルバー374を上げたり下げたりしてリフトレール372を枢動軸388の周りに枢動させることによって、リフトフレーム306を支持フレーム304及びベースフレーム302に対して枢動させることができる。
【0056】
リフトフレーム306は、少なくとも1つ、好ましくは2つの係合突起380をさらに含む。係合突起380は、リフトフレーム306における前側支持レール342に近接する最前端部又はその近傍に配置される。第1及び第2の係合突起380は、リフトフレーム306の枢動軸388に平行な軸に沿って整列されてもよい。
【0057】
図7及び図16に関して、係合突起380は、1~3インチの長さ又は水平方向寸法を有する形鋼片を含んでもよく、形鋼片は、リフトレール372の前端(例えば、負荷セグメント373の前端)に固定(例えば、溶接)される突起ベース382を含む。突起ベース382は負荷セグメント373の上面と平行な面を有してもよい。係合突起380は、突起ベース382から上方かつ前方に延在する突起延長部又はフランジ384をさらに含んでもよい。図示のアプローチでは、フランジ384は突起ベース382から直角に延在し、したがって負荷セグメント373から直角に延在する。いくつかの実施形態では、フランジ384は長さ又は水平方向寸法が約1.5インチであり、そして、ベースから0.125インチ~1.5インチ、又は約0.75インチ延在する。他の実施形態においてフランジは他の寸法を有してもよい。他の突起延長部の形状も考えられる。
【0058】
ツール300は、リフターに及び/又はリフターから伝達され得る特定の衝撃荷重等を緩衝する手段を含んでもよく、当該緩衝する手段はストップアセンブリ390を備える。リフターが壁を持ち上げるように動かされると、リフターがその持ち上げ動作の終わりに近づくにつれて、ストップアセンブリは、持ち上げ動作を遅くしてリフターを徐々に停止させるように作用することができる。また、ストップは、ツール上の壁を輸送する際にツールが受ける荷重、例えばリフターの移動及び/又はツールが車輪等によって上を移動する床面の凹凸に関連する荷重を消散させるのに役立つことができ、これによってこのような荷重は壁に完全には伝達されない。このように、ストップアセンブリは壁がツールから不用意に外れる可能性を低減することができる。
【0059】
ストップアセンブリ390は、後側支持レール344から延在するベースフランジ392を含んでもよい。ベースフランジ392は、少なくとも一部がねじ部であってもよい留め具394を受け入れるための貫通孔(不図示)を含む。留め具394の上端にはキャップ396が配置される。一実施形態では、キャップ396は留め具394に固定される別個の構成要素である。別の実施形態では、キャップ396は(例えば、留め具シャンクと一体的に形成される留め具ヘッドとして)留め具394と一体的に形成される。
【0060】
ばね400は、ベースフランジ392の上面とキャップ396の下面との間において留め具394の周囲に配置される。このようにして、ばね400はキャップ396を介して第1の軸方向(例えば、略上方かつ前方)に留め具394を付勢するように作用する。1つ以上のナット402が留め具394のねじ部に固定され、これにより、(例えば、ばね400の付勢力により)ナット402がベースフランジ392の底面に係合したときに留め具394の第1の軸方向への軸方向移動が抑制されるよう構成されている。ナット402は、以下により詳細に説明するように、リフトフレーム306の載置位置を調整するために留め具394のねじ部に沿って調整可能であってもよい。
【0061】
図12及び図16を参照すると、ツール300はガード410をさらに含んでもよく、ガード410はばね400へのアクセスを妨げて、ばね400との意図しないユーザ接触を減少させる。ガード410は、前壁412と、後壁414と、前壁412及び後壁414の間に延在する側壁416とを有する三面ガードであってもよい。前壁412、後壁414及び側壁416はばね400へのアクセスをブロックし、一方で側壁416の反対側の開口領域はユーザがばね400へアクセスすることを可能にする。ガード410はガードの下部領域においてベースフランジ392に固定することができる。ガード410の上部領域は隣接するリフトレール372から離隔してもよく、これによって、リフトフレーム306がガード410に対して自由に回転できるように構成されている。
【0062】
使用時、キャップ396はキャップ396の上面でリフトフレーム306の部材を受ける。ばね400は、図16に示すようにリフトフレーム306が載置位置にあるときにリフトフレーム306の重量によってばね400が圧縮されないように選択又はチューニングされてもよい。オペレータがリフトフレーム306を(例えばハンドルバー374を介して)上げると、リフトフレーム306は枢動軸388の周りに前方に枢動する。前方方向へのリフトフレーム306の枢動は、係合突起380の底部(例えば、突起ベース382の底部)が前側支持レール342の前面に係合したとき(図6に示す位置と類似)に抑制される。オペレータが(例えばハンドルバー374を介して)リフトフレーム306を下げると、リフトフレーム306は枢動軸388の周りに後方に枢動する。リフトフレーム306を後方方向に枢動させることによってリフトフレーム306が図16の載置位置に戻る。オペレータがリフトフレーム306を下向き方向にさらに付勢すると、ばね400が圧縮されて、留め具394、キャップ396及びナット402が、概ね下方かつ後方である軸方向(例えば、第1の軸方向とは反対方向)に軸方向移動する。ばね400が完全に圧縮されると、リフトフレーム306の後方方向への枢動が抑制又は防止され、ベースフランジ392に向かうキャップ396の連続的な移動がばね400によって抑制又は防止される。
【0063】
いくつかの実施形態では、リフトフレーム306は、30°~90°、50°~70°、又は約60°の運動範囲にわたって枢動することができる。いくつかの実施形態では、ばねは、ハンドルバー374の運動範囲の下限(これは延長部384の運動範囲の上限に対応する)において、2°~10°の範囲で、4°~8°の範囲で、又は約6°で係合する。
【0064】
いくつかの実施形態では、ツールは軟鋼から作製され、単独で又は他の材料と組み合わせて作製され、重量が10~30kg、15~25kg又は約20kgである。いくつかの実施形態では、ツールは最大30kgの重量の壁を安定して支持することができる。いくつかの実施形態では、ツールはより小さい又はより大きい容量でもよく、より小さい又はより大きい重量でもよい。
【0065】
図17を参照すると、ツール300は、輸送コンテナ200のごく近くまで押されるかあるいは他の方法で輸送され、次いで、取り外し可能な壁204に接触させられて、係合突起380(例えば、フランジ384)が取り外し可能な壁204のリップインターフェース230と接触する。そして、オペレータはリフトフレーム306のハンドルバー374に下向きの持ち上げ力を加えることによって、リフトフレーム306を手動で枢動させることができる。リフトフレーム306が下向きに枢動することで、フランジ384が取り外し可能な壁204を持ち上げる。
【0066】
上述したように、リフトレール372は、取り外し可能な壁204に係合する負荷セグメント373から角度的にオフセットされたユーザ側力点セグメント375を含む。リフトフレーム306が図12図15に示す載置位置にあるとき、リフトレール372の角度付き構成により、ハンドルバー374をオペレータのほぼ胸部の高さに位置決めすることができる。オペレータは、取り外し可能な壁204の持ち上げ及び輸送の際に、図17に示すようにリフトフレーム306を胸部の高さの位置から腰の高さの位置まで下方に押すことができる。したがって多くのオペレータにとって、リフトレール372の構成により、ユーザが載置位置から上げ位置までハンドルバー374を下方に「押す」ことが可能となり、リフトフレーム306の下向きの「引き」動作を低減又は排除することができる。したがって、リフトレール372の構成により、「引き」動作と比較して、ユーザはハンドルバー374を下向きに駆動させるときにハンドルバー374より上の追加の重量を利用することが可能となり、これによって、ツール300の人間工学を改善することができる。他の実施形態では、リフトレールは、湾曲させる、屈曲させる、あるいは他の構成によって、同様の人間工学的利点を提供するように構成することができる。
【0067】
取り外し可能な壁204を持ち上げると、ツール300は、取り外し可能な壁204を輸送するための前側支持フレーム342’で取り外し可能な壁204を支持するように構成される。例えば、係合突起380は取り外し可能な壁204をツール300に保持し、取り外し可能な壁204の重量を支持する。さらに、ツール300の下側前面に配置されたクロスバー332及びバンパー336は、取り外し可能な壁204を角度付き向きに維持するよう協働する。
【0068】
図18図21を参照すると、ツール300は、取り外し可能な壁204を受けて保管することができる壁スタンド又はラック500に取り外し可能な壁204を輸送するのに使用することができる。ラック500は、ベースプラットフォーム502と、以下に説明するように傾けることができる略直立支持部504とを含む。ラック500の移動を容易にするために、ベースプラットフォーム502又は直立支持部504に1つ以上の車輪510を固定することができる。図示のアプローチでは、車輪510は、直立支持部504に固定された(例えば、溶接された)車輪取り付け部512に固定される。
【0069】
ベースプラットフォーム502は、第1のサイド支持部520と、第1のサイド支持部520から横方向に離隔した第2のサイド支持部522とを含む。第1及び第2のサイド支持部520,522は、これらの間にチャネル540を画定するために協働する離隔内側支持レール530を含む。図21に示すように、内側支持レール530はツール300がその間を通過することができるように離隔している。また、図21に示すように、内側支持レール530は取り外し可能な壁204がツール300によってその上に置かれると取り外し可能な壁204を支持する。いくつかの実施形態では、取り外し可能な壁204の内側支持レール上での移動を容易にする手段が設けられてもよい。例えば、内側支持レール530は低摩擦材料又はローラを有してもよい。低摩擦材料は、例えば、内側支持レール530の上面の全長又は一部に付着又は取り付けられた円形断面のビード若しくはロッドの形状又は他の形状のPTFE又は他の材料の部分として設けられてもよく、あるいは内側支持レール530の上面の全長又は一部を覆うコーティングとして設けられてもよく、あるいは他の形態で設けられてもよい。第1及び第2のサイド支持部520,522は外側ローラ532を含み、外側ローラ532は、後述するように、取り外し可能な壁204の後続の輸送を容易にするために外側レール(不図示)の周りを回転するように構成される。図21に示す1つのアプローチでは、外側ローラ532は間に取り外し可能な壁204の下部を受けるように離隔している。別のアプローチでは、外側ローラ532は取り外し可能な壁204の下部を受けるように離隔している。
【0070】
直立支持部504は、取り外し可能な壁204を受けて支持するための1つ以上のバンパー542を含んでもよい。直立支持部504は、直立支持部504がベースプラットフォーム502と斜角(図20に544で示す)を形成するようにベースプラットフォーム502に固定されそこから延在する傾斜した支持部であってもよい。斜角544は例えば鉛直から約15度ずれていてもよい。このようにして、取り外し可能な壁204がラック500上に置かれ、角度を付けた向きでバンパー542に載置される。
【0071】
図22を参照すると、外側ローラ532は、ラック500から離れる方向への、例えば輸送コンテナ200への、取り外し可能な壁204の輸送を容易にする。輸送コンテナ200は、ベース202上に組み立てられた少なくとも1つの壁(例えば、前壁206、後壁208及び側壁212)と、ベース202上に組み立てられていない少なくとも1つの壁(例えば、側壁210)とを有する、部分的に組み立てられた輸送コンテナであってもよい。例えば、取り外し可能な壁204’は、持ち上げられて、取り外し可能な壁204’の下縁が外側ローラ532’上に載置されるようにベースプラットフォーム502に沿って横方向にシフトされてもよい。取り外し可能な壁204’の下縁が外側ローラ532’上にある状態で、オペレータは取り外し可能な壁204’を横方向にシフトし続けることができ、これによって取り外し可能な壁204’が外側ローラ532’を回転させる。取り外し可能な壁204’は、ラック500から完全に取り出され、輸送コンテナ200内に受け入れられるまで、横方向にシフトされてもよい。このプロセスは、ラック500上に支持された各取り外し可能な壁204について繰り返されてもよい。所望の数の取り外し可能な壁204が輸送コンテナ200に積み込まれると、輸送コンテナ200がラック500から離れる方向に移動されるか、あるいはラック500が輸送コンテナ200から離れる方向に移動されてもよい。
【0072】
以上、例示的な実施形態について記載したが、これらの実施形態が特許請求の範囲に含まれるすべての考え得る形態を記述することは意図していない。本明細書において使用される用語は、限定ではなく説明のための用語である。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことが可能である。前述のように、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、明示的に記載又は図示されていない考え得る本発明のさらなる実施形態を形成することができる。様々な実施形態は、1つ又は複数の所望の特性に関して他の実施形態又は従来技術での実装よりも利点を提供するか又は好適であるとして説明することができたが、1つ又は複数の特徴又は特性について妥協して特定の用途及び実装に応じた所望の全体的システム属性を達成するようにしてもよい。これらの属性には、コスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、パッケージング、サイズ、保守性、重量、製造可能性、組み立ての容易さなどが含まれるが、これらに限定されない。1つ又は複数の特性に関して他の実施形態又は従来技術における実装よりも望ましくない実施形態は、本開示の範囲から外れるものではなく、特定の用途について望ましい場合がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22