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特許7430264半導体処理装置及び半導体処理装置の誘電体窓洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】半導体処理装置及び半導体処理装置の誘電体窓洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240202BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
H01L21/302 101H
H01L21/302 101C
H05H1/46 R
H05H1/46 L
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022536746
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2020136654
(87)【国際公開番号】W WO2021129471
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-07-27
(31)【優先権主張番号】201911371199.8
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520266443
【氏名又は名称】ベイジン・ナウラ・マイクロエレクトロニクス・イクイップメント・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Beijing NAURA Microelectronics Equipment Co.,LTD
【住所又は居所原語表記】No.8 Wenchang Avenue Beijing,Economic-Technological Development Area,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(72)【発明者】
【氏名】リュー、チュンミン
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110459456(CN,A)
【文献】特開2014-216318(JP,A)
【文献】国際公開第2008/149741(WO,A1)
【文献】特開2013-033860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理装置であって、
反応チャンバ及び前記反応チャンバ内に配置された誘電体窓と、
前記誘電体窓の上方に位置する誘導コイル及び洗浄電極と、前記洗浄電極は前記誘導コイルの下方に位置し、
無線周波数(RF)源アセンブリであって、前記RF源アセンブリは、RF電力を前記誘導コイル及び前記洗浄電極に印加するように構成されている、前記RF源アセンブリと、
インピーダンス調節アセンブリであって、前記インピーダンス調節アセンブリは、前記洗浄電極に電気的に接続され、前記RF源アセンブリの出力端子とオンオフ接続しており、前記インピーダンス調節アセンブリは、無線周波数源アセンブリの出力端子と前記洗浄電極との間のインピーダンスを調節して、前記インピーダンスを第1の予め定められた値よりも大きく又は小さくさせて、前記インピーダンス調節アセンブリと前記RF源アセンブリの出力端子とを切断又は接続するように構成されている、インピーダンス調節アセンブリとを備える、半導体処理装置。
【請求項2】
前記インピーダンス調節アセンブリは、可変コンデンサを含み、前記可変コンデンサの一端が前記洗浄電極に結合され、前記可変コンデンサの他端が前記RF源の前記出力端子にオンオフ接続される、請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項3】
前記インピーダンス調節アセンブリは、
センサであって、前記センサの一端が前記洗浄電極に接続され、前記センサは前記洗浄電極の電圧値を感知し、前記電圧値にしたがって制御信号を出力するように構成されている、センサと、
制御アセンブリであって、前記制御アセンブリの一端が前記センサに結合され、前記制御アセンブリの他端が前記可変コンデンサに結合され、前記制御アセンブリは、前記制御信号にしたがって前記可変コンデンサの容量値を調節するように構成されている、制御アセンブリとをさらに含む、請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項4】
前記センサは、デュアルチャネル視覚認識センサを含み、前記視覚認識センサは、第1の端部及び第2の端部を含み、前記第1の端部は、前記洗浄電極に結合され、前記洗浄電極の電圧値を感知し、前記電圧値にしたがって前記制御信号を出力するように構成され、前記第2の端部は、前記RF源アセンブリの出力端子に結合され、前記RF源アセンブリの出力電圧を感知し、前記出力電圧にしたがって制御信号を出力するように構成されている、請求項3に記載の半導体処理装置。
【請求項5】
前記制御アセンブリはステップモータを含み、前記ステップモータは、前記可変コンデンサの容量位置を調節することによって前記容量値を調節するように構成されている、請求項3に記載の半導体処理装置。
【請求項6】
前記インピーダンス調節アセンブリは、
スイッチであって、前記スイッチの一端が前記可変コンデンサに接続され、前記スイッチの他端が前記RF源アセンブリの前記出力端子に結合され、前記スイッチは、前記インピーダンス調節アセンブリ及び前記RF源アセンブリの前記出力端子のオン及びオフを制御するように構成されている、スイッチをさらに含む、請求項2に記載の半導体処理装置。
【請求項7】
前記RF源アセンブリは、RF源及び整合回路を含み、前記RF源は、前記整合回路を通して前記誘導コイル及び前記洗浄電極にRF電力を印加する、請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項8】
前記洗浄電極は気孔構造を有し、前記気孔構造の気孔率は90%より大きい、請求項1に記載の半導体処理装置。
【請求項9】
半導体処理装置の誘電体窓洗浄方法であって、
前記半導体処理装置は、
反応チャンバ及び前記反応チャンバ内に配置された誘電体窓と、
前記誘電体窓の上方に位置する誘導コイル及び洗浄電極と、前記洗浄電極は前記誘導コイルの下方に位置し、
無線周波数(RF)源アセンブリであって、前記RF源アセンブリは、RF電力を前記誘導コイル及び前記洗浄電極に印加するように構成されている、RF源アセンブリと、
インピーダンス調節アセンブリであって、前記インピーダンス調節アセンブリは、前記洗浄電極に電気的に接続され、前記RF源アセンブリの出力端子とオンオフ接続され、前記インピーダンス調節アセンブリは、前記インピーダンス調節アセンブリと前記RF源アセンブリの記出力端子とを切断又は接続するために、前記無線周波数源アセンブリの出力端子と前記洗浄電極との間のインピーダンスを調節して、前記インピーダンスを第1の予め定められた値より大きく又は小さくさせるように構成されている、インピーダンス調節アセンブリとを含み、
前記洗浄方法は、
前記インピーダンス調節アセンブリによって前記RF源アセンブリの出力端子と前記洗浄電極との間の前記インピーダンスを調節して、前記インピーダンスを前記第1の予め定められた値よりも大きくさせて、前記インピーダンス調節アセンブリを前記RF源アセンブリの前記出力端子から切断して、前記反応チャンバ内でプラズマを点火することと、
前記インピーダンス調節アセンブリによって前記インピーダンスを調節して、前記インピーダンスを前記第1の予め定められた値よりも小さくさせて、前記インピーダンス調節アセンブリを前記RF源アセンブリの出力端子に接続して、前記プラズマを維持して前記誘電体窓に対して洗浄を実行することとを含み、
前記プラズマは、第1の洗浄ガスをイオン化することによって生成された第1のプラズマと、第2の洗浄ガスをイオン化することによって生成された第2のプラズマとを含み、前記第1の洗浄ガスはアルゴンを含み、前記第2の洗浄ガスは酸素と六フッ化硫黄とを含む、洗浄方法。
【請求項10】
前記インピーダンス調節アセンブリは可変コンデンサを含み、前記可変コンデンサの一端は前記洗浄電極に結合され、前記可変コンデンサの他端はRF源の前記出力端子にオンオフ接続され、
前記インピーダンス調節アセンブリによって前記インピーダンスを調節することは、 前記可変コンデンサの容量値を調節することにより、前記インピーダンスを調節することを具体的に含む、請求項9に記載の洗浄方法。
【請求項11】
前記可変コンデンサの容量値は、10 pFから500 pFの範囲である、請求項10に記載の洗浄方法。
【請求項12】
前記インピーダンス調節アセンブリは、
センサであって、前記センサの一端が前記洗浄電極に接続され、前記センサは、前記洗浄電極の電圧値を感知し、前記電圧値にしたがって制御信号を出力するように構成されている、センサと、
制御アセンブリであって、前記制御アセンブリの一端が前記センサに接続され、前記制御アセンブリの他端が前記可変コンデンサに接続され、前記制御アセンブリは、前記制御信号にしたがって前記可変コンデンサの容量値を調節するように構成される、制御アセンブリとをさらに含み、
前記可変コンデンサの容量値を調節することによって前記インピーダンスを調節することは、
前記センサによって前記洗浄電極の電圧値を感知し、前記電圧値に応じた制御信号を出力することと、
前記制御信号にしたがって前記制御アセンブリによって前記可変コンデンサの容量値を調節することと、を具体的に含む、請求項10に記載の洗浄方法。
【請求項13】
前記インピーダンス調節アセンブリは、
スイッチであって、前記スイッチの一端が前記可変コンデンサに結合され、前記スイッチの他端が前記RF源アセンブリの出力端子に結合され、前記スイッチは、前記インピーダンス調節アセンブリ及び前記RF源アセンブリの出力端子のオン及びオフを制御するように構成されている、スイッチをさらに含み、
前記洗浄方法は、
前記スイッチによって前記インピーダンス調節アセンブリ及びRFアセンブリの前記出力端子のオン及びオフを制御することをさらに含む、請求項10に記載の洗浄方法。
【請求項14】
前記可変コンデンサの両端は電圧差を有し、前記電圧差と前記洗浄電極の電圧値との比は0.1から10の範囲である、請求項10に記載の洗浄方法。
【請求項15】
前記第1の予め定められた値は、1800オームから2200オームの範囲である、請求項9に記載の洗浄方法。
【請求項16】
前記第1の予め定められた値は、2000オームである、請求項15に記載の洗浄方法。
【請求項17】
前記インピーダンス調節アセンブリにより前記インピーダンスを調節して、前記インピーダンスを前記第1の予め定められた値よりも小さくさせることは、
前記インピーダンス調節アセンブリを通して前記インピーダンスを調節して、前記インピーダンスを第2の予め定められた値に等しくさせること、を具体的に含み、前記第2の予め定められた値は、前記第1の予め定められた値よりも小さく、前記誘電体窓に向かって移動するように前記プラズマを引き付けて前記誘電体窓に対して洗浄を実行するのに十分である、請求項9に記載の洗浄方法。
【請求項18】
前記第2の予め定められた値は、100オームから150オームの範囲である、請求項17に記載の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、一般に半導体処理分野に関し、より詳細には、半導体処理装置及び半導体処理装置の誘電体窓洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体処理装置は、ワークピース(ウエハなど)を処理するように構成される。例えば、半導体処理装置がワークピースに対してエッチングを行うとき、チャンバの内壁や誘電体窓には、エッチングにより生成された反応副生成物や、プラズマがワークピースに衝突することにより生成された薄膜や、ワークピースからスパッタされた固体が付着する。誘電体窓は、チャンバ内にRF電力を供給するためのチャネルとして使用される。誘電体窓への付着材料の堆積は、ワークピースの処理結果に大きな影響を与える。しかしながら、現在の半導体処理装置の誘電体窓の洗浄効率は十分ではなく、チャンバのメンテナンスサイクルが短くなる。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本開示の実施形態は、誘電体窓上への付着材料の堆積がワークピースの処理結果に影響を及ぼすことを回避するなど、背景技術における問題を解決するために、半導体処理装置及び半導体処理装置の誘電体窓洗浄方法を提供する。
【0004】
[0004]本開示の一実施形態によれば、半導体処理装置が開示され、この半導体処理装置は、反応チャンバ及び反応チャンバ内に配置された誘電体窓と、誘電体窓の上方に位置する誘導コイル及び洗浄電極と、無線周波数(RF)源アセンブリであって、RF源アセンブリは、RF電力を誘導コイル及び洗浄電極に印加するように構成されている、RF源アセンブリと、インピーダンス調節アセンブリであって、インピーダンス調節アセンブリは、洗浄電極に電気的に接続され、RF源アセンブリの出力端子とオンオフ接続しており、インピーダンス調節アセンブリは、無線周波数源アセンブリの出力端子と洗浄電極との間のインピーダンスを調節して、インピーダンスを第1の予め定められた値よりも大きく又は小さくさせて、インピーダンス調節アセンブリとRF源アセンブリの出力端子とを切断又は接続するように構成されている、インピーダンス調節アセンブリと、を含む。
【0005】
[0005]いくつかの実施形態では、インピーダンス調節アセンブリは可変コンデンサを含み、可変コンデンサの一端は洗浄電極に結合され、可変コンデンサの他端はRF源の出力端子にオンオフ接続されている。
【0006】
[0006]いくつかの実施形態では、インピーダンス調節アセンブリは、センサであって、センサの一端が洗浄電極に結合され、センサが洗浄電極の電圧値を感知し、電圧値に基づいて制御信号を出力するように構成されている、センサと、制御アセンブリであって、制御アセンブリの一端がセンサに結合され、制御アセンブリの他端が可変コンデンサに結合され、制御信号に基づいて可変コンデンサの容量値を調節するように構成されている、制御アセンブリとをさらに含む。
【0007】
[0007]いくつかの実施形態では、センサは、デュアルチャネル視覚認識センサを含み、視覚認識センサは、第1の端部及び第2の端部を含み、第1の端部は、洗浄電極に結合され、洗浄電極の電圧値を感知し、電圧値にしたがって制御信号を出力するように構成され、第2の端部は、RF源アセンブリの出力端子に結合され、RF源アセンブリの出力電圧を感知し、出力電圧にしたがって制御信号を出力するように構成されている。
【0008】
[0008]いくつかの実施形態では、制御アセンブリはステップモータを含み、ステップモータは、可変コンデンサの容量位置を調節することによって容量値を調節するように構成されている。
【0009】
[0009]いくつかの実施形態では、インピーダンス調節アセンブリは、スイッチであって、スイッチの一端が可変コンデンサに結合され、スイッチの他端がRF源アセンブリの出力端子に結合され、スイッチは、インピーダンス調節アセンブリ及びRF源アセンブリの出力端子のオン及びオフを制御するように構成されている、スイッチをさらに含む。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態では、RF源アセンブリは、RF源及び整合回路を含み、RF源は、整合回路を通して誘導コイル及び洗浄電極にRF電力を印加する。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態では、洗浄電極は気孔構造を有し、気孔構造の気孔率は90%より大きい。
【0012】
[0012]本開示の別の実施形態によれば、半導体処理装置の誘電体窓洗浄方法が開示され、半導体処理装置は、反応チャンバ及び反応チャンバ内に配置された誘電体窓と、誘電体窓の上方に位置する誘導コイル及び洗浄電極と、無線周波数(RF)源アセンブリであって、RF源アセンブリは、RF電力を誘導コイル及び洗浄電極に印加するように構成されている、RF源アセンブリと、インピーダンス調節アセンブリであって、インピーダンス調節アセンブリは洗浄電極に電気的に接続され、RF源アセンブリの出力端子とオンオフ接続され、インピーダンス調節アセンブリはインピーダンス調節アセンブリとRF源アセンブリの出力端子とを切断又は接続するために、無線周波数源アセンブリの出力端子と洗浄電極との間のインピーダンスを調節して、インピーダンスを第1の予め定められた値より大きく又は小さくさせるように構成されている、インピーダンス調節アセンブリとを含み、洗浄方法は、インピーダンス調節アセンブリによってRF源アセンブリの出力端子と洗浄電極との間のインピーダンスを調節して、インピーダンスを第1の予め定められた値よりも大きくなるようにさせて、インピーダンス調節アセンブリをRF源アセンブリの出力端子から切断して、反応チャンバ内でプラズマを点火することと、インピーダンス調節アセンブリによってインピーダンスを調節して、インピーダンスがを第1の予め定められた値よりも小さくなるようにさせて、インピーダンス調節アセンブリをRF源アセンブリの出力端子に接続して、プラズマを維持して誘電体窓に対して洗浄を実行することとを含む。
【0013】
[0013]いくつかの実施形態では、インピーダンス調節アセンブリは可変コンデンサを含み、可変コンデンサの一端は洗浄電極に結合され、可変コンデンサの他端はRF源の出力端子にオンオフ接続され、インピーダンス調節アセンブリによってインピーダンスを調節することは、具体的には、可変コンデンサの容量値を調節することにより、インピーダンスを調節することを含む。
【0014】
[0014]いくつかの実施形態では、可変コンデンサの容量値は、10pFから500pFの範囲である。
【0015】
[0015]いくつかの実施形態では、インピーダンス調節アセンブリは、センサであって、センサの一端が洗浄電極に接続され、センサは洗浄電極の電圧値を感知し、電圧値に基づいて制御信号を出力するように構成されているセンサと、制御アセンブリであって、制御アセンブリの一端がセンサに結合され、制御アセンブリの他端が可変コンデンサに結合され、制御アセンブリは、制御信号にしたがって可変コンデンサの容量値を調節するように構成されている、制御アセンブリとをさらに含み、可変コンデンサの容量値を調節することによってインピーダンスを調節することは、具体的には、センサによって洗浄電極の電圧値を感知し、電圧値に応じた制御信号を出力することと、制御信号にしたがって制御アセンブリによって可変コンデンサの静電容量値を調節することとを含む。
【0016】
[0016]いくつかの実施形態では、インピーダンス調節アセンブリは、スイッチであって、スイッチの一端が可変コンデンサに結合され、スイッチの他端がRF源アセンブリの出力端子に結合され、スイッチはインピーダンス調節アセンブリ及びRF源アセンブリの出力端子のオン及びオフを制御するように構成されている、スイッチをさらに含み、洗浄方法は、スイッチによってインピーダンス調節アセンブリ及びRFアセンブリの出力端子のオン及びオフを制御することをさらに含む。
【0017】
[0017]いくつかの実施形態では、可変コンデンサの2つの端部は電圧差を有し、電圧差と洗浄電極の電圧値との比は0.1から10の範囲である。
【0018】
[0018]いくつかの実施形態では、第1の予め定められた値は、1800オームから2200オームの範囲である。
【0019】
[0019]いくつかの実施形態では、第1の予め定められた値は、2200オームである。
【0020】
[0020]いくつかの実施形態では、インピーダンス調節アセンブリによってインピーダンスを調節して、インピーダンスを第1の予め定められた値よりも小さくさせることは、具体的には、インピーダンス調節アセンブリによってインピーダンスを調節して、インピーダンスを第2の予め定められた値に等しくさせることを含み、第2の予め定められた値は、第1の予め定められた値よりも小さく、誘電体窓に向かって移動するようにプラズマを引き付けて誘電体窓に対して洗浄を行うのに十分である。
【0021】
[0021]いくつかの実施形態では、第2の予め定められた値は、100オームから150オームの範囲である。
【0022】
[0022]いくつかの実施形態では、プラズマは、第1の洗浄ガスをイオン化することによって生成される第1のプラズマと、第2の洗浄ガスをイオン化することによって生成される第2のプラズマとを含み、第1の洗浄ガスはアルゴンを含み、第2の洗浄ガスは酸素及び六フッ化硫黄を含む。
【0023】
[0023]本開示の実施形態の半導体処理装置及び半導体処理装置の誘電体窓洗浄方法の技術的解決策では、インピーダンス調節アセンブリを通してRF源アセンブリの出力端子と洗浄電極との間のインピーダンスを調節してインピーダンスを第1の予め定められた値よりも大きく又は小さくさせることによって、インピーダンス調節アセンブリをRF源アセンブリの出力端子から切断又はRF源アセンブリの出力端子に接続することができる。インピーダンス調節アセンブリがRF源アセンブリの出力端子から切断されるとき、RF電力の大部分が誘導コイルに印加されて、反応チャンバ内でプラズマを点火することができる。インピーダンス調節アセンブリがRF源アセンブリの出力端子に接続されるとき、RF電力は、誘導コイル14及び洗浄電極15の両方に同時に印加されてもよい。したがって、誘電体窓を洗浄することに基づいて、物理的洗浄効果及び化学的洗浄効果を同時に達成して、誘電体窓の洗浄効率を効果的に向上させ、誘電体窓上の付着材料がワークピースの処理結果に影響を及ぼすことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】[0024]図1は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体処理装置の概略構造図である。
図2】[0025]図2は、本開示のいくつかの実施形態による、インピーダンス調節アセンブリの概略構造図である。
図3】[0026]図3は、本開示のいくつかの実施形態による、別のインピーダンス調節アセンブリの概略構造図である。
図4】[0027]図4は、本開示のいくつかの実施形態による、洗浄電極の概略構造図である。
図5】[0028]図5は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体処理装置の誘電体窓洗浄方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[0029]以下の開示は、本開示のさまざまな特徴を実現するために使用されることができる様々な実施形態又は例を提供する。以下で説明するアセンブリ及び構成の例は、本開示を簡略化するために使用される。これらの説明は例示的なものに過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図されないことが理解されるべきである。例えば、以下の説明において、第1の特徴部を第2の特徴部の上又は上方に形成することは、いくつかの実施形態では、第1の特徴部及び第2の特徴部が互いに直接接触することを含んでもよく、いくつかの他の実施形態では、第1の特徴部と第2の特徴部とが直接接触しないように、上述の第1の特徴部と第2の特徴部との間に追加のアセンブリが形成されることを含んでもよい。さらに、本開示の実施形態では、アセンブリの参照番号及び/又は識別番号が再使用されてもよい。そのような再利用は、簡潔さ及び明確さのためであり、議論される異なる実施形態及び/又は構成間の関係を表すものではない。
【0026】
[0030]さらに、「下方(below)」、「下(under)」、「真下(beneath)」、「上方(above)」、「上(over)」などの空間的に相対的な用語は、図面に示される別のアセンブリ又は特徴に対する1つのアセンブリ又は特徴の間の関係の説明を容易にするために使用されてもよい。これらの空間的に相対的な用語は、図に示す向きに加えて、使用中又は動作中のデバイスのさまざまな向きを含むことを意図している。デバイスは、別の配向(例えば、90度回転させられる、又は別の配向)で位置付けられてもよい。したがって、これらの空間的に相対的な用語は、それに応じて解釈されるべきである。
【0027】
[0031]本開示の比較的広い範囲を定義するために使用される数値範囲及びパラメータは近似値であるが、特定の実施形態における関連する値は、可能な限り正確に提供される。しかしながら、どの数値も、本質的に、個々の試験方法から結果的に生じる標準偏差を含む。本明細書で使用されるように、「約」は、一般に、実際の値が特定の値又は範囲の±10%、5%、1%、又は0.5%以内であることを意味する。あるいは、単語「約」は、実際の値が平均値の許容可能な標準誤差内にあることを意味し、これは、本開示の当業者による考慮にしたがって決定される。実験例を除いて、又は別段の指定がない限り、(例えば、材料の量、時間の長さ、温度、動作条件、量比などを説明するために)本明細書で使用されるすべての範囲、量、数値、及びパーセンテージは、「約」によって修正されることを理解されたい。したがって、別段の定めがない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に開示する数値パラメータは近似値であり、必要に応じて変更されることができる。これらの数値パラメータは、少なくとも、指示された有効数字及び通常の丸めを適用することによって得られる値として理解されるべきである。ここで、数値範囲は、1つの端点から別の端点まで、又は2つの端点間として表される。別段の指定がない限り、本明細書に記載される全ての数値範囲は端点を含む。
【0028】
[0032]半導体処理装置は、ワークピース(ウエハなど)を処理するように構成されてもよい。例えば、半導体処理装置がワークピースに対してエッチングを行うとき、エッチングにより生成された反応副生成物や、プラズマがワークピースに衝突することにより生成された薄膜や、ワークピースからスパッタされた固体がチャンバの内壁や誘電体窓に付着する。誘電体窓は、無線周波数(RF)電力をチャンバ内に供給するためのチャネルとして使用されてもよい。付着材料の堆積は、ワークピースの処理結果に大きな影響を与える。詳細には、ワークピースが金属を含むか又は金属膜層を有する場合である。ワークピースが処理されるとき、金属粒子が誘電体窓上にスパッタされ、他の副生成物が金属粒子の周りに付着する。外部条件が変化すると、金属粒子は副生成物と共に落下し、汚染源を形成する。また、誘電体窓に付着した金属粒子は、ファラデーシールドと同様の金属膜層を形成する。金属膜層は、RF電力の結合を変化させ、プラズマ点火の困難さ及びプラズマ組成の変化などの問題を引き起こす。これにより、ワークピースを処理する処理結果に影響を与えるかもしれない。
【0029】
[0033]本開示の実施形態は、半導体処理装置及び半導体処理装置の誘電体窓を洗浄するための方法を提供し、それは、誘電体窓の洗浄効率を向上させ、誘電体窓上の付着材料の堆積がワークピースの処理結果に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0030】
[0034]図1は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体処理装置1の概略構造図である。半導体処理装置1は、ワークピースを処理するように構成されている。例えば、半導体処理装置1は、ワークピースに対してエッチング処理を行い、誘電体窓に対して洗浄処理を行うように構成されたエッチングデバイスであってもよい。具体的には、半導体処理装置1は、ハウジング10と、誘電体窓11と、無線周波数(RF)源アセンブリ12と、誘導コイル14と、洗浄電極15と、インピーダンス調節アセンブリ16とを含む。ハウジング10によって囲まれた空間が反応チャンバCHとして定義される。誘電体窓11は、反応チャンバCH内に配置されている。
【0031】
[0035]RF源アセンブリ12、誘導コイル14、洗浄電極15、及びインピーダンス調節アセンブリ16は、誘電体窓11を洗浄するための洗浄機構を形成することができる。RF源アセンブリ12は、RF源121、整合回路122、及び出力端子OUTを含む。RF源121は、出力端子OUTを介して整合回路122を通して誘導コイル14に結合され、インピーダンス調節アセンブリ16を通して洗浄電極15に結合される。これにより、整合回路122を通して誘導コイル14及び洗浄電極15にRF電力を印加することができる。整合回路122は、RF源121によって出力されるRF電力が最大結合効率を有することができるように、RF源121の背後のインピーダンスを整合させるように構成されてもよい。誘導コイル14及び洗浄電極15は、いずれも誘電体窓11の上方に配置されている。
【0032】
[0036]さらに、インピーダンス調節アセンブリ16は、洗浄電極15に電気的に接続されてもよく、RF源アセンブリ12の出力端子OUTにオンオフ接続されてもよい。インピーダンス調節アセンブリ16は、RF源アセンブリ12の出力端子OUTと洗浄電極15との間のインピーダンスを調節するように構成されてもよい。したがって、インピーダンス調節アセンブリ16は、インピーダンスを第1の予め定められた値よりも大きく又は小さくさせることによって、RF源アセンブリ12の出力端子OUTに接続されてもよく、又は出力端子OUTから切断されてもよい。洗浄電極15は、導電性材料を含んでいてもよい。例えば、洗浄電極15は金属電極であってもよい。本開示では、「結合」という用語は、直接的かつ物理的な接続に限定されないことに留意されたい。「結合」という用語は、別のサードパーティを介した間接的かつ非物理的な接続を表してもよい。
【0033】
[0037]半導体処理装置1が誘電体窓11に対して洗浄プロセスを実行するとき、まず、インピーダンス調節アセンブリ16によって洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスを調節することができる。これにより、インピーダンスが第1の予め定められた値よりも大きくなり、洗浄電極15と出力端子OUTとの間の電気経路が切断される。したがって、RF源アセンブリ12によって生成されるRF電力の大部分は、誘導コイル14に印加することができる。誘導コイル14は、反応チャンバCH内でプラズマを点火するように、誘導結合プラズマ(以下、ICPと称する)の方法でRF電力を誘電体窓11の底部に結合することができる。
【0034】
[0038]次に、インピーダンス調節アセンブリ16によって、洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスを調節して、インピーダンスを第1の予め定められた値よりも小さくさせることができる。これにより、洗浄電極15と出力端子OUTとの間の電気経路が接続される。したがって、RF源アセンブリ12によって生成されたRF電力は、誘導コイル14及び洗浄電極15に同時に印加されてもよい。洗浄電極15に印加されたRF電力は、洗浄電極15にバイアス電圧を発生させて、誘電体窓11を洗浄するように、プラズマを誘電体窓11に向かって移動させることができる。いくつかの実施形態では、バイアス電圧が1200ボルトから1800ボルトの範囲内にあるとき、プラズマはより円滑に引き付けられることができる。好ましくは、バイアス電圧は1500ボルトであってもよい。
【0035】
[0039]いくつかの実施形態では、洗浄プロセス中に、第1の洗浄ガス及び第2の洗浄ガスを反応チャンバCHに導入することができる。2つの洗浄ガスは、イオン化されて第1のプラズマ及び第2のプラズマをそれぞれ生成することができ、これらのプラズマは、それぞれ物理的洗浄効果及び化学的洗浄効果を達成するために使用することができる。いくつかの実施形態では、第1の洗浄ガスはアルゴンガスを含むことができる。第1の洗浄ガスが第1のプラズマにイオン化された後、第1のプラズマに含まれるアルゴンイオンは、誘電体窓11上の金属粒子に衝突して、物理的洗浄効果を達成するように、洗浄電極15のバイアス電圧によって引き寄せられて誘電体窓11に向かって移動することができる。いくつかの実施形態では、第2の洗浄ガスは、酸素及び六フッ化硫黄を含むことができる。第2の洗浄ガスが第2のプラズマにイオン化された後、第2のプラズマに含まれる酸素イオン及びフッ素イオンは、誘電体窓11上の金属粒子以外の副生成物と反応して化学的洗浄効果を達成するように、洗浄電極15上のバイアス電圧によって引き寄せられて誘電体窓11に向かって移動することができる。以上から分かるように、洗浄電極15を通してプラズマを誘電体窓11に向かって移動させることにより、誘電体窓11上の金属粒子に衝撃を与え、金属粒子以外の処理副生成物を反応させて、それぞれ物理的洗浄効果及び化学的洗浄効果を達成することができる。
【0036】
[0040]詳細には、半導体処理装置1が誘電体窓11に対して洗浄を実行するとき、まず、プラズマを点火するために、インピーダンス調節アセンブリ16は、洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスを第1の予め定められた値よりも大きくなるように調節するように使用される。インピーダンスが第1の予め定められた値よりも大きいときには、洗浄電極15と出力端子OUTとの間の電気経路が切断され、洗浄電極15が浮遊状態となることができる。いくつかの実施形態では、第1の予め定められた値は、1800オームから2200オームの範囲内であってもよい。この範囲は、洗浄電極15と出力端子OUTとの間の電気経路が切断されることを保証することができる。好ましくは、第1の予め定められた値は約2000オームであってもよい。洗浄電極15と整合回路122との間の電気経路が切断されるので、RF源121によって生成されたRF電力の大部分は、整合回路122を通して誘導コイル14に印加されることができる。誘導コイル14は、RF電力を誘電体窓11の底部にICP方法で結合して、第1の洗浄ガスを第1のプラズマにイオン化し、第2の洗浄ガスを第2のプラズマにイオン化してもよい。反応チャンバCHの内部空気圧が50 mtorrであり、RF源121の出力電力が1500ワットであり、洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスが2000オームであるとき、洗浄電極15上のバイアス電圧は、RF電力の結合効果を通して200ボルトに達することができることに留意されたい。バイアス電圧は、比較的小さくてもよい。したがって、RF電力の大部分を誘導コイル14に印加して、ICP点火を実現することができる。洗浄電極15上のバイアス電圧が十分に小さいとき、RF電力の大部分が誘導コイル14に印加されることができることは容易に理解される。この状態は、洗浄電極15と出力端子OUTとの間の電気的経路が切断されているかもしれないとみなすことができる。
【0037】
[0041]次に、インピーダンス調節アセンブリ16は、洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスを第1の予め定められた値未満に調節するように構成されてもよい。これにより、洗浄電極15と出力端子OUTとの間の電気経路が接続される。洗浄電極15と出力端子OUTとの間の電気経路が接続されているので、RF源アセンブリ12によって生成されたRF電力は、洗浄電極15上のバイアス電圧を増加させるために洗浄電極15上に部分的に印加されることができる。インピーダンス調節アセンブリ16が、洗浄電極15と出力端子OUTとの間の電気経路のインピーダンスを第2の予め定められた値になるように調節するために使用されるとき、洗浄電極15上のバイアス電圧は、第1のプラズマ及び第2のプラズマを誘電体窓11に向かって移動するように引き付けて、誘電体窓11を洗浄することができる。
【0038】
[0042]いくつかの実施形態では、第2の予め定められた値は、第1の予め定められた値よりも小さくてもよく、誘電体窓に向かって移動するようにプラズマを引き付けて誘電体窓に対して洗浄を実行するのに十分であってもよい。いくつかの実施形態において、第2の予め定められた値は、100オームから150オームの範囲であってもよい。好ましくは、第2の予め定められた値は約133オームであってもよい。反応チャンバCHの内部圧力が50 mtorrであり、RF源121の出力電力が1500ワットに設定され、洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスが133オームであるとき、洗浄電極15上のバイアス電圧は約1500ボルトであってもよいことに留意されたい。これにより、洗浄電極15は、第1のプラズマ及び第2のプラズマを誘電体窓11に向けて円滑に引き寄せて誘電体窓11を洗浄することができる。
【0039】
[0043]本開示の実施形態では、物理的洗浄及び化学的洗浄が同時に実行されるので、誘電体窓11の洗浄効率を効果的に向上させることができ、誘電体窓11上の付着材料がワークピースの処理結果に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0040】
[0044]半導体処理装置1がワークピースの処理を実現するために別のデバイス及びアセンブリも含んでもよいことを当業者は容易に理解できることに留意されたい。例えば、半導体処理装置1は、第1の洗浄ガス及び第2の洗浄ガスを反応チャンバCH内に導入するように構成された空気入口チャネルをさらに含むことができる。別の例として、半導体処理装置1は、反応チャンバCH内に配置され、半導体処理装置1がワークピースに対して処理を行うときにワークピースを搬送するように構成された下部電極プラットフォームをさらに含んでいてもよい。説明を簡潔にするために、図1に示される実施形態は、主に、本開示の趣旨に関連するデバイス及びアセンブリを図示する。
【0041】
[0045]図2は、本開示のいくつかの実施形態による、インピーダンス調整アセンブリの概略構造図である。図2に示されるように、インピーダンス調節アセンブリ16は、可変インピーダンス21、センサ22、及び制御アセンブリ23を含む。可変インピーダンス21は、可変容量を含む。しかしながら、これは、本開示の実施形態の限定ではない。当業者は、洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスを調節する目的を達成することができる限り、可変インピーダンス21が可変コンデンサに限定されないことを当業者は容易に理解すべきである。いくつかの実施形態において、可変インピーダンス21は、可変抵抗又は可変インダクタンスを含んでもよい。以下の段落では、可変コンデンサ21を例として本開示の実施形態を説明する。いくつかの実施形態では、可変コンデンサ21の容量値は、10 pFから500 pFの範囲内であってもよい。可変コンデンサ21の端は、洗浄電極15に結合される。可変コンデンサ21の他端は、出力端子OUTにオンオフ接続されている。可変コンデンサ21の容量値を調節することによって、インピーダンス調節アセンブリ16は、洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスを調節する目的を達成することができる。
【0042】
[0046]センサ22の一端は、洗浄電極15に結合される。センサ22の他端は、出力端子OUTに結合される。センサ22は、可変コンデンサ21と並列に接続されてもよい。センサ22は、洗浄電極15上のバイアス電圧を感知し、バイアス電圧にしたがって制御信号CTRLを出力するように構成されてもよい。制御アセンブリ23の端は、センサ22に結合される。制御アセンブリ23の他端は、可変コンデンサ21に結合される。制御アセンブリ23は、制御信号CTRLにしたがって可変コンデンサ21の容量値を調節するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、センサ22は、洗浄電極15上のバイアス電圧を感知し、制御信号CTRLを出力するように構成されてもよい、デュアルチャネル視覚認識センサ(VIセンサ)を含む。また、視覚認識センサは、整合回路122の出力電圧を感知して制御信号CTRLを出力するようにも構成されてもよい。整合回路122の出力電圧を感知することによって、整合回路122の過度に大きい出力電圧によって引き起こされる発火などの問題を回避することができる。
【0043】
[0047]いくつかの実施形態では、制御アセンブリ23は、可変コンデンサ21の容量位置を制御することができるステップモータを含むことができ、ステップモータは、制御信号CTRLにしたがって可変コンデンサ21の容量位置を調節する(すなわち、アクセス回路の有効容量を変更する)ことによって可変コンデンサ21の容量値を調節するように構成することができる。
【0044】
[0048]半導体処理装置1が誘電体窓11に対して洗浄を実行するとき、最初に、インピーダンス調節アセンブリ16は、洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスを第1の予め定められた値に調節するように、可変コンデンサ21の容量値を第1の容量値に調節するために使用されてもよい。好ましくは、上記第1の容量値は10 pFであってもよい。このとき、洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスは、約2000オーム(すなわち、第1の予め定められた値)であってもよい。これにより、洗浄電極15と整合回路122との間の電気経路が切断されることができる。RF源アセンブリ12によって生成されたRF電力の大部分は、誘導コイル14に印加されてもよい。誘導コイル14は、RF電力を誘電体窓11の底部にICP方法で結合してプラズマを点火することができる。
【0045】
[0049]次に、インピーダンス調節アセンブリ16は、センサ22を通して洗浄電極15上のバイアス電圧を感知し、制御信号CTRLを出力するように構成されてもよい。次に、インピーダンス調節アセンブリ16は、制御信号CTRLにしたがって制御アセンブリ23を通して可変コンデンサ21の容量値を調節するように構成されてもよい。これにより、洗浄電極15と整合回路122との間の電気経路が接続されてもよい。RF源アセンブリ12によって生成されるRF電力は、洗浄電極15上のバイアス電圧を増加させるために、洗浄電極15に部分的に分配されてもよい。
【0046】
[0050]詳細には、可変コンデンサ21及び洗浄電極15は直列に接続される。洗浄電極15と整合回路122との間の電気経路が接続されるとき、RF電力は、洗浄電極15と出力端子OUTとの間の電力に分配されてもよい。可変コンデンサ21に電圧差を発生させ、洗浄電極15にバイアス電圧を発生させてもよい。可変コンデンサ21の容量値を大きくすることにより、可変コンデンサ21の等価インピーダンスを徐々に小さくすることができる。したがって、洗浄電極15上に生成されるバイアス電圧は、それに応じて増大されることができる。
【0047】
[0051]いくつかの実施形態では、可変コンデンサ21の2つの端部間の電圧差の、洗浄電極15上に生成されるバイアス電圧に対する比は、0.1から10の範囲であってよい。
【0048】
[0052]可変コンデンサ21の容量値が第2の容量値に調節されるとき、洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスは、第2の予め定められた値であってもよい。好ましくは、第2の容量値は約150 pFであってもよい。このとき、洗浄電極15と出力端子OUTとの間のインピーダンスは、約133オーム(すなわち、第2の予め定められた値)である。洗浄電極15上のバイアス電圧は、約1500ボルトであってもよい。これにより、プラズマを誘電体窓11に向けて移動させて誘電体窓11を洗浄することができる。
【0049】
[0053]図2に示すように、半導体処理装置1が誘電体窓11に対して洗浄を実行するとき、インピーダンス調節アセンブリ16は、可変コンデンサ21の容量値を第1の容量値に調節するために使用されてもよい。これにより、洗浄電極15と整合回路122との間の電気経路を切断することができる。さらに、洗浄電極15と整合回路122との間の電気経路をより効果的に切断するために、インピーダンス調節アセンブリ16は、図2に示される構造に限定されない。例えば、図3は、本開示のいくつかの実施形態による、別のインピーダンス調節アセンブリ16の概略構造図である。図3に示すように、インピーダンス調節アセンブリ16は、図2に示すインピーダンス調節アセンブリ16と実質的に同じ構造を有する。唯一の違いは、図3に示されるインピーダンス調節アセンブリ16がスイッチ24をさらに含むことである。スイッチ24の端は、出力端子OUTに結合され、他端は可変コンデンサ21に結合されている。
【0050】
[0054]半導体処理装置1が誘電体窓11に対して洗浄を実行するとき、インピーダンス調節アセンブリ16は、スイッチ24をオフにするために使用されてもよい。これにより、洗浄電極15と出力端子OUTとの間の電気経路が切断されることができる。制御アセンブリ23が可変コンデンサ21の容量値を調節するために使用されるとき、インピーダンス調節アセンブリ16は、スイッチ24を作動させて、洗浄電極15と整合回路122との間の電気経路を接続することができる。当業者は、上記の段落を読んだ後、図3に示される実施形態を容易に理解することができるはずであり、スペースを節約するために、詳細な説明はここでは省略される。
【0051】
[0055]図4は、本開示のいくつかの実施形態による、洗浄電極15の概略構造図である。図4に示すように、洗浄電極15は樹枝状構造を有している。いくつかの実施形態において、洗浄電極15の気孔率は90%以上であってもよい。洗浄電極15の気孔率が90%以上である限り、本発明の実施形態は洗浄電極15を図4に示す構造に限定しないことに留意すべきである。他のいくつかの実施形態では、洗浄電極15は、メッシュ構造又は星形構造を有してもよい。
【0052】
[0056]図5は、本開示のいくつかの実施形態による、半導体処理装置の誘電体窓洗浄方法5の概略フローチャートである。実質的に同じ結果を得ることができる場合、本開示の実施形態は、図5に示すプロセスステップにしたがって実行されることに限定されなくてもよい。洗浄方法5は、本発明の実施形態の半導体処理装置に適用することができる。洗浄方法5のプロセスを概略すると、次の通りである。
【0053】
[0057]ステップ501において、無線周波数源アセンブリの出力端子と洗浄電極との間のインピーダンスは、インピーダンス調節アセンブリによって調節され、インピーダンスを第1の予め定められた値よりも大きくさせて、インピーダンス調節アセンブリをRF源アセンブリの出力端子から切断して、反応チャンバ内でプラズマを点火する。
【0054】
[0058]ステップ502において、インピーダンス調節アセンブリによってインピーダンスを調節して、インピーダンスを第1の予め定められた値よりも小さくさせて、インピーダンス調節アセンブリをRF源アセンブリの出力端子に接続して、プラズマを維持して誘電体窓を洗浄する。
【0055】
[0059]当業者は、図1から図4の実施形態を読んだ後に、図5に示されるフローチャートを容易に理解することができるはずであり、スペースを節約するために、ここでは詳細な説明を省略する。
【0056】
[0060]要約すると、本開示の実施形態の半導体処理装置及び半導体処理装置の誘電体窓洗浄方法の技術的解決策では、インピーダンス調節アセンブリを通してRF源アセンブリの出力端子と洗浄電極との間のインピーダンスを調節して、インピーダンスを第1の予め定められた値よりも大きくしたり小さくしたりすることによって、インピーダンス調節アセンブリをRF源アセンブリの出力端子から切断したり、RF源アセンブリの出力端子に接続したりすることができる。インピーダンス調節アセンブリがRF源アセンブリの出力端子から切断されるとき、RF電力の大部分が誘導コイルに印加されて、反応チャンバ内でプラズマを点火することができる。インピーダンス調節アセンブリがRF源アセンブリの出力端子に接続されるとき、RF電力は、誘導コイル14及び洗浄電極15に同時に印加されてもよい。したがって、誘電体窓の洗浄に基づいて、物理的洗浄効果及び化学的洗浄効果を同時に達成することができる。したがって、誘電体窓の洗浄効率を効果的に向上させることができ、誘電体窓の付着材料がワークピースの処理結果に影響を与えることを防止することができる。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 半導体処理装置であって、
反応チャンバ及び前記反応チャンバ内に配置された誘電体窓と、
前記誘電体窓の上方に位置する誘導コイル及び洗浄電極と、
無線周波数(RF)源アセンブリであって、前記RF源アセンブリは、RF電力を前記誘導コイル及び前記洗浄電極に印加するように構成されている、前記RF源アセンブリと、
インピーダンス調節アセンブリであって、前記インピーダンス調節アセンブリは、前記洗浄電極に電気的に接続され、前記RF源アセンブリの出力端子とオンオフ接続しており、前記インピーダンス調節アセンブリは、無線周波数源アセンブリの出力端子と前記洗浄電極との間のインピーダンスを調節して、前記インピーダンスを第1の予め定められた値よりも大きく又は小さくさせて、前記インピーダンス調節アセンブリと前記RF源アセンブリの出力端子とを切断又は接続するように構成されている、インピーダンス調節アセンブリとを備える、半導体処理装置。
[2] 前記インピーダンス調節アセンブリは、可変コンデンサを含み、前記可変コンデンサの一端が前記洗浄電極に結合され、前記可変コンデンサの他端が前記RF源の前記出力端子にオンオフ接続される、[1]に記載の半導体処理装置。
[3] 前記インピーダンス調節アセンブリは、
センサであって、前記センサの一端が前記洗浄電極に接続され、前記センサは前記洗浄電極の電圧値を感知し、前記電圧値にしたがって制御信号を出力するように構成されている、センサと、
制御アセンブリであって、前記制御アセンブリの一端が前記センサに結合され、前記制御アセンブリの他端が前記可変コンデンサに結合され、前記制御アセンブリは、前記制御信号にしたがって前記可変コンデンサの容量値を調節するように構成されている、制御アセンブリとをさらに含む、[2]に記載の半導体処理装置。
[4] 前記センサは、デュアルチャネル視覚認識センサを含み、前記視覚認識センサは、第1の端部及び第2の端部を含み、前記第1の端部は、前記洗浄電極に結合され、前記洗浄電極の電圧値を感知し、前記電圧値にしたがって前記制御信号を出力するように構成され、前記第2の端部は、前記RF源アセンブリの出力端子に結合され、前記RF源アセンブリの出力電圧を感知し、前記出力電圧にしたがって制御信号を出力するように構成されている、[3]に記載の半導体処理装置。
[5] 前記制御アセンブリはステップモータを含み、前記ステップモータは、前記可変コンデンサの容量位置を調節することによって前記容量値を調節するように構成されている、[3]に記載の半導体処理装置。
[6] 前記インピーダンス調節アセンブリは、
スイッチであって、前記スイッチの一端が前記可変コンデンサに接続され、前記スイッチの他端が前記RF源アセンブリの前記出力端子に結合され、前記スイッチは、前記インピーダンス調節アセンブリ及び前記RF源アセンブリの前記出力端子のオン及びオフを制御するように構成されている、スイッチをさらに含む、[2]に記載の半導体処理装置。
[7] 前記RF源アセンブリは、RF源及び整合回路を含み、前記RF源は、前記整合回路を通して前記誘導コイル及び前記洗浄電極にRF電力を印加する、[1]に記載の半導体処理装置。
[8] 前記洗浄電極は気孔構造を有し、前記気孔構造の気孔率は90%より大きい、[1]に記載の半導体処理装置。
[9] 半導体処理装置の誘電体窓洗浄方法であって、
前記半導体処理装置は、
反応チャンバ及び前記反応チャンバ内に配置された誘電体窓と、
前記誘電体窓の上方に位置する誘導コイル及び洗浄電極と、
無線周波数(RF)源アセンブリであって、前記RF源アセンブリは、RF電力を前記誘導コイル及び前記洗浄電極に印加するように構成されている、RF源アセンブリと、
インピーダンス調節アセンブリであって、前記インピーダンス調節アセンブリは、前記洗浄電極に電気的に接続され、前記RF源アセンブリの出力端子とオンオフ接続され、前記インピーダンス調節アセンブリは、前記インピーダンス調節アセンブリと前記RF源アセンブリの記出力端子とを切断又は接続するために、前記無線周波数源アセンブリの出力端子と前記洗浄電極との間のインピーダンスを調節して、前記インピーダンスを第1の予め定められた値より大きく又は小さくさせるように構成されている、インピーダンス調節アセンブリとを含み、
前記洗浄方法は、
前記インピーダンス調節アセンブリによって前記RF源アセンブリの出力端子と前記洗浄電極との間の前記インピーダンスを調節して、前記インピーダンスを前記第1の予め定められた値よりも大きくさせて、前記インピーダンス調節アセンブリを前記RF源アセンブリの前記出力端子から切断して、前記反応チャンバ内でプラズマを点火することと、
前記インピーダンス調節アセンブリによって前記インピーダンスを調節して、前記インピーダンスを前記第1の予め定められた値よりも小さくさせて、前記インピーダンス調節アセンブリを前記RF源アセンブリの出力端子に接続して、前記プラズマを維持して前記誘電体窓に対して洗浄を実行することとを含む、洗浄方法。
[10] 前記インピーダンス調節アセンブリは可変コンデンサを含み、前記可変コンデンサの一端は前記洗浄電極に結合され、前記可変コンデンサの他端はRF源の前記出力端子にオンオフ接続され、
前記インピーダンス調節アセンブリによって前記インピーダンスを調節することは、 前記可変コンデンサの容量値を調節することにより、前記インピーダンスを調節することを具体的に含む、[9]に記載の洗浄方法。
[11] 前記可変コンデンサの容量値は、10 pFから500 pFの範囲である、[10]に記載の洗浄方法。
[12] 前記インピーダンス調節アセンブリは、
センサであって、前記センサの一端が前記洗浄電極に接続され、前記センサは、前記洗浄電極の電圧値を感知し、前記電圧値にしたがって制御信号を出力するように構成されている、センサと、
制御アセンブリであって、前記制御アセンブリの一端が前記センサに接続され、前記制御アセンブリの他端が前記可変コンデンサに接続され、前記制御アセンブリは、前記制御信号にしたがって前記可変コンデンサの容量値を調節するように構成される、制御アセンブリとをさらに含み、
前記可変コンデンサの容量値を調節することによって前記インピーダンスを調節することは、
前記センサによって前記洗浄電極の電圧値を感知し、前記電圧値に応じた制御信号を出力することと、
前記制御信号にしたがって前記制御アセンブリによって前記可変コンデンサの容量値を調節することと、を具体的に含む、[10]に記載の洗浄方法。
[13] 前記インピーダンス調節アセンブリは、
スイッチであって、前記スイッチの一端が前記可変コンデンサに結合され、前記スイッチの他端が前記RF源アセンブリの出力端子に結合され、前記スイッチは、前記インピーダンス調節アセンブリ及び前記RF源アセンブリの出力端子のオン及びオフを制御するように構成されている、スイッチをさらに含み、
前記洗浄方法は、
前記スイッチによって前記インピーダンス調節アセンブリ及びRFアセンブリの前記出力端子のオン及びオフを制御することをさらに含む、[10]に記載の洗浄方法。
[14] 前記可変コンデンサの両端は電圧差を有し、前記電圧差と前記洗浄電極の電圧値との比は0.1から10の範囲である、[10]に記載の洗浄方法。
[15] 前記第1の予め定められた値は、1800オームから2200オームの範囲である、[9]に記載の洗浄方法。
[16] 前記第1の予め定められた値は、2000オームである、[15]に記載の洗浄方法。
[17] 前記インピーダンス調節アセンブリにより前記インピーダンスを調節して、前記インピーダンスを前記第1の予め定められた値よりも小さくさせることは、
前記インピーダンス調節アセンブリを通して前記インピーダンスを調節して、前記インピーダンスを第2の予め定められた値に等しくさせること、を具体的に含み、前記第2の予め定められた値は、前記第1の予め定められた値よりも小さく、前記誘電体窓に向かって移動するように前記プラズマを引き付けて前記誘電体窓に対して洗浄を実行するのに十分である、[9]に記載の洗浄方法。
[18] 前記第2の予め定められた値は、100オームから150オームの範囲である、[17]に記載の洗浄方法。
[19] 前記プラズマは、第1の洗浄ガスをイオン化することによって生成された第1のプラズマと、第2の洗浄ガスをイオン化することによって生成された第2のプラズマとを含み、前記第1の洗浄ガスはアルゴンを含み、前記第2の洗浄ガスは酸素と六フッ化硫黄とを含む、[9]に記載の洗浄方法。
図1
図2
図3
図4
図5