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特許7430299ロータブレードのジョイントの支持ブロック内にブッシュを設置および保持するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】ロータブレードのジョイントの支持ブロック内にブッシュを設置および保持するための方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 13/10 20160101AFI20240205BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
F03D13/10
F03D1/06 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021522953
(86)(22)【出願日】2018-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-24
(86)【国際出願番号】 US2018058699
(87)【国際公開番号】W WO2020091790
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】513131419
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック レノバブレス エスパーニャ, エセ.エレ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】アガーワル,ロヒット
(72)【発明者】
【氏名】ロッドウェル,アンドリュー・ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】リアヒ,アミール
(72)【発明者】
【氏名】アッティア,モハマッド・サラ
(72)【発明者】
【氏名】カスペルスキー,ドナルド・ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チンジャン
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0089323(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0268482(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0051672(US,A1)
【文献】特表2013-539522(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0195060(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/00-80/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービン(10)のためのロータブレード(28)であって、
翼形表面を定める少なくとも1つのシェル部材をそれぞれ備えており、翼弦方向ジョイント(34)から反対方向に延びている第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)と、
前記翼弦方向ジョイント(34)において前記第1および第2のブレードセグメント(30、32)を接続するための1つ以上のピンジョイントであって、1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)に収容される1つ以上のピンジョイントチューブ(52、56、58)を備えており、前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)は翼弦方向部材内に固定され、前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)と前記翼弦方向部材との間にギャップ(90)が定められている1つ以上のピンジョイントと、
前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)と前記翼弦方向部材との間の前記ギャップ(90)に位置し、前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)を前記翼弦方向部材内に保持するシム(92)と
を備え、前記シム(92)は、前記ギャップ(90)への注入後に硬化する液体材料で構成され、
前記翼弦方向部材は、前記少なくとも1つのシェル部材の正圧側内面と負圧側内面に接続され、
前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)の全ては、前記少なくとも1つのシェル部材の前記正圧側内面からも前記負圧側内面からも離れて配置される、ロータブレード(28)。
【請求項2】
前記第1及び第2のブレードセグメント(30、32)の一方から長手方向に延在するビーム構造体(40)と、
前記第1及び第2のブレードセグメント(30、32)の他方に設けられ、前記ビーム構造体(40)を受け入れる受け入れセクション(60)と、
を備え、
前記ビーム構造体(40)は、負圧側桁キャップ(46)および正圧側桁キャップ(48)に接続されたせん断ウェブ(44)を含み、
前記負圧側桁キャップ(46)は、前記少なくとも1つのシェル部材の負圧側内面に沿って配置され、
前記正圧側桁キャップ(48)は、前記少なくとも1つのシェル部材の正圧側内面に沿って配置され、
前記翼弦方向部材は、前記翼弦方向ジョイント(34)又は前記翼弦方向ジョイント(34)の近傍の位置で前記ビーム構造体(40)に配置される、請求項1に記載のロータブレード(28)。
【請求項3】
前記ビーム構造体(40)の前記長手方向に延びる長さは、前記1つ以上のピンジョイントチューブ(52、56、58)の前記長手方向に延びる長さよりも長く、
前記ビーム構造体(40)は、矩形の断面を有している、請求項2に記載のロータブレード(28)。
【請求項4】
前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)は、1つ以上のブッシュ(62、64)を備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロータブレード(28)。
【請求項5】
前記1つ以上のブッシュ(62、64)または前記1つ以上のピンジョイントチューブ(52、56、58)の外面または内面の少なくとも一方にライナまたはコーティング(94)の少なくとも一方をさらに備える、請求項4に記載のロータブレード(28)。
【請求項6】
前記1つ以上のブッシュ(62、64)は、1つ以上の金属材料または1つ以上の複合材料のうちの少なくとも1つで構成される、請求項4または5に記載のロータブレード(28)。
【請求項7】
前記複合材料は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の少なくとも一方を含み、前記複合材料は、1つ以上の繊維材料で強化され、前記1つ以上の繊維材料は、ガラス繊維、炭素繊維、ポリマー繊維、木質繊維、竹繊維、セラミック繊維、ナノ繊維、金属繊維、またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のロータブレード(28)。
【請求項8】
前記液体材料は、少なくとも1つの接着剤、コーキング、ポリマー材料、またはセメント質材料を含み、
前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)は、前記翼弦方向部材に対する前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)の回転を防止するために1つ以上のタブ(96)をさらに備え、
前記液体材料は、ひとたび硬化すると前記1つ以上のタブ(96)を覆い、前記1つ以上のタブ(96)をその場に固定する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のロータブレード(28)。
【請求項9】
風力タービン(10)のロータブレード(28)を組み立てるための方法(100)であって、
翼形表面を定める少なくとも1つのシェル部材をそれぞれ備える第1のブレードセグメント(30)および第2のブレードセグメント(32)を形成するステップと、
前記第1のブレードセグメント(30)または前記第2のブレードセグメント(32)の少なくとも一方の翼弦方向部材に1つ以上の開口部(78、80)を形成するステップ(102)であって、前記翼弦方向部材は、前記少なくとも1つのシェル部材の正圧側内面と負圧側内面に接続される前記ステップ(102)と、
前記第1のブレードセグメント(30)および/または前記第2のブレードセグメント(32)の前記翼弦方向部材の前記1つ以上の開口部(78、80)内に1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)を、前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)の全ては、前記少なくとも1つのシェル部材の前記正圧側内面からも前記負圧側内面からも離れて配置され、前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)と前記翼弦方向部材の前記1つ以上の開口部(78、80)との間に半径方向ギャップ(90)が定められるように配置するステップ(104)と、
前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)と前記翼弦方向部材の前記1つ以上の開口部(78、80)との間の前記半径方向ギャップ(90)に液体材料を充てんし、前記半径方向ギャップの充てん後に硬化する前記液体材料で前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)を前記翼弦方向部材内に保持するステップ(106)と、
前記第1および第2のブレードセグメント(30、32)を翼弦方向ジョイント(34)の両方向に配置するステップ(108)と、
前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)に収容される1つ以上のピンジョイントチューブ(52、56、58)を介して前記翼弦方向ジョイント(34)を接続するステップ(110)と
を含む方法(100)。
【請求項10】
前記第1及び第2のブレードセグメント(30、32)の一方から長手方向に延在するビーム構造体(40)を設けるステップと、
前記第1及び第2のブレードセグメント(30、32)の他方に設けられ、前記ビーム構造体(40)を受け入れる受け入れセクション(60)を設けるステップと、
前記ビーム構造体(40)と前記受け入れセクション(60)の少なくとも一部を貫いて翼弦方向に延びるピン(53)を設けるステップと、
を含み、
前記ビーム構造体(40)は、負圧側桁キャップ(46)および正圧側桁キャップ(48)に接続されたせん断ウェブ(44)を含み、
前記負圧側桁キャップ(46)は、前記少なくとも1つのシェル部材の負圧側内面に沿って配置され、
前記正圧側桁キャップ(48)は、前記少なくとも1つのシェル部材の正圧側内面に沿って配置され、
前記翼弦方向部材は、前記翼弦方向ジョイント(34)又は前記翼弦方向ジョイント(34)の近傍の位置で前記ビーム構造体(40)に配置される、請求項9に記載の方法(100)。
【請求項11】
前記ビーム構造体(40)の前記長手方向に延びる長さは、前記1つ以上のピンジョイントチューブ(52、56、58)の前記長手方向に延びる長さよりも長く、
前記ビーム構造体(40)は、矩形の断面を有している、請求項10に記載の方法(100)。
【請求項12】
前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)は、1つ以上のブッシュ(62、64)を備える、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項13】
前記1つ以上のブッシュ(62、64)の表面にライナまたはコーティング(94)の少なくとも一方を配置するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法(100)。
【請求項14】
前記1つ以上のブッシュ(62、64)は、1つ以上の金属材料または1つ以上の複合材料のうちの少なくとも1つで構成される、請求項12乃至13のいずれか一項に記載の方法(100)。
【請求項15】
前記液体材料は、少なくとも1つの接着剤、コーキング、ポリマー材料、またはセメント質材料を含み、
前記翼弦方向部材に対する前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)の回転を防止するために前記1つ以上のピンジョイントスロット(62、64)上に1つ以上のタブ(96)を形成するステップをさらに含む、請求項9乃至14のいずれか一項に記載の方法(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くには、風力タービンに関し、より詳細には、ロータブレードのジョイントの支持ブロック内にブッシュを設置および保持するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
風力は、現時点において利用可能な最もクリーンかつ最も環境に優しいエネルギ源の1つと考えられ、風力タービンは、この点で、ますます注目を集めている。現代の風力タービンは、典型的には、タワーと、発電機と、ギアボックスと、ナセルと、1つ以上のロータブレードを備える回転可能なハブを有するロータとを含む。ロータブレードは、既知の翼形の原理を使用して、風の運動エネルギを捕捉する。ロータブレードは、この運動エネルギを回転エネルギの形態で伝達し、ロータブレードをギアボックスに結合させ、ギアボックスが用いられない場合には発電機に直接結合させるシャフトを回転させる。次いで、発電機は、この機械的なエネルギを、電力系統へと展開できる電気エネルギに変換する。
【0003】
ロータブレードは、一般に、典型的には成形プロセスを使用して形成され、ブレードの前縁および後縁に沿った接合線において互いに接合される負圧側シェルおよび正圧側シェルを含む。さらに、正圧側および負圧側シェルは、比較的軽量であり、稼働時にロータブレードに加わる曲げモーメントおよび他の荷重に耐えるようには構成されていない構造的性質(例えば、剛性、座屈への抵抗、および強度)を有する。したがって、ロータブレードの剛性、座屈への抵抗、および強度を高めるために、本体シェルは、典型的には、シェル半体の正圧側および負圧側の内面に係合する1つ以上の構造部品(例えば、間にせん断ウェブが設定された対向する桁キャップ)を使用して補強される。桁キャップおよび/またはせん断ウェブを、これらに限られるわけではないが、ガラス繊維積層複合材料および/または炭素繊維積層複合材料など、さまざまな材料で構成することができる。
【0004】
さらに、風力タービンが大型化し続けるにつれて、ロータブレードのサイズも大きくなり続けている。したがって、最新のロータブレードは、1つ以上のジョイントにおいて互いに接合されるいくつかのセグメントで構成され得る。さらに、特定のジョイントによるロータブレードは、ブレード先端部からブレード根元部へと荷重を伝達するためにピンを利用することができる。さらに、ピンからの反作用が、1つ以上のブッシュを介してジョイント位置のさまざまな支持ブロックに伝達される。
【0005】
したがって、本開示は、そのようなブッシュをさまざまなジョイント位置において支持ブロックに設置および保持するための方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許出願公開第3425195号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の態様および利点は、一部は以下の説明において述べられ、あるいは明細書から自明であってよく、もしくは本発明の実施を通じて習得可能であってよい。
【0008】
一態様において、本開示は、風力タービンのためのロータブレードに関する。ロータブレードは、翼弦方向ジョイントから反対の方向に延びる第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントを含む。第1および第2のブレードセグメントの各々は、翼形表面を定める少なくとも1つのシェル部材を含む。ロータブレードは、翼弦方向ジョイントにおいて第1および第2のブレードセグメントを接続するための1つ以上のピンジョイントをさらに含む。ピンジョイントは、ピンジョイントスロットに受け入れられる1つ以上のピンジョイントチューブを含む。ピンジョイントスロットは、支持ブロック内に固定される。さらに、ピンジョイントスロットと支持ブロックとの間にギャップが定められる。さらに、ロータブレードは、ピンジョイントスロットを支持ブロック内に保持するために、ピンジョイントスロットと支持ブロックとの間のギャップ内のシムを含む。さらに、シムは、ギャップへの注入後に硬化する液体材料で構成される。
【0009】
一実施形態において、ピンジョイントスロットは、1つ以上のブッシュを含むことができる。そのような実施形態において、ブッシュは、1つ以上のブッシュまたは1つ以上のピンジョイントチューブの外面および/または内面のライナまたはコーティングをさらに含むことができる。別の実施形態において、ブッシュは、コーティングまたはライナを持たなくてもよい。さらに、ブッシュは、中実または中空構造を含むことができる。さらなる実施形態においては、ブッシュを、1つ以上の金属材料または1つ以上の複合材料で構成することが可能である。例えば、一実施形態において、複合材料は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含むことができる。さらに、複合材料は、随意により、これらに限られるわけではないがガラス繊維、炭素繊維、ポリマー繊維、木質繊維、竹繊維、セラミック繊維、ナノ繊維、金属繊維、またはこれらの組み合わせなどの1つ以上の繊維材料で強化されてもよい。
【0010】
さらなる実施形態において、ギャップは、半径方向ギャップであってよい。さらなる実施形態において、液体材料は、例えば、接着剤、コーキング、ポリマー材料、セメント質材料、あるいは設置の時点において液体または半液体の状態であり、養生の後に硬化することにより、ブッシュから支持ブロックへと荷重を伝達する任意の他の材料を含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、ピンジョイントスロットは、支持ブロックに対するピンジョイントスロットの回転を防止するための1つ以上のタブをさらに含むことができる。そのような実施形態において、液体材料は、ひとたび硬化するとタブを覆い、タブをその場に固定する。
【0012】
別の態様において、本開示は、風力タービンのロータブレードを組み立てるための方法に関する。本方法は、第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントを形成することを含む。第1および第2のブレードセグメントの各々は、翼形表面を定める少なくとも1つのシェル部材を含む。さらに、本方法は、第1のブレードセグメントまたは第2のブレードセグメントの少なくとも一方の支持ブロックに1つ以上の開口部を形成することを含む。さらに、本方法は、第1のブレードセグメントおよび/または第2のブレードセグメントの支持ブロックの開口部内に1つ以上のピンジョイントスロットを配置することを含む。したがって、半径方向ギャップが、ピンジョイントスロットと支持ブロックの開口部との間に定められる。さらに、本方法は、ピンジョイントスロットと支持ブロックの開口部との間の半径方向ギャップに液体材料を充てんすることを含み、液体材料は、ギャップを充てんした後に硬化し、ピンジョイントスロットを支持ブロック内に保持する。さらに、本方法は、第1および第2のブレードセグメントを翼弦方向ジョイントの両方向に配置することを含む。したがって、本方法は、ピンジョイントスロット内に受け入れられる1つ以上のピンジョイントチューブを介して翼弦方向ジョイントを接続することをさらに含む。本方法が、本明細書に記載されるとおりの追加のステップおよび/または特徴のいずれかをさらに含んでもよいことを理解されたい。
【0013】
さらに別の態様において、本開示は、風力タービンのロータブレードを組み立てるための方法に関する。本方法は、第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントを形成することを含む。第1および第2のブレードセグメントの各々は、翼形表面を定める少なくとも1つのシェル部材を含む。さらに、本方法は、第1のブレードセグメントまたは第2のブレードセグメントの支持ブロックに1つ以上の開口部を形成することを含む。さらに、本方法は、第1のブレードセグメントおよび/または第2のブレードセグメントの支持ブロックの開口部にピンジョイントスロットを挿入することを含む。さらに、本方法は、ピンジョイントスロットと開口部との間に締まり嵌めをもたらすために、ピンジョイントスロットを開口部内に焼き嵌めすることを含む。さらに、本方法は、第1および第2のブレードセグメントを翼弦方向ジョイントの両方向に配置することを含む。したがって、本方法は、ピンジョイントスロット内に受け入れられる1つ以上のピンジョイントチューブを介して翼弦方向ジョイントを接続することをさらに含む。
【0014】
一実施形態において、締まり嵌めをもたらすためにピンジョイントスロットを開口部内に焼き嵌めすることは、例えば、ピンジョイントスロットの温度を低下させてピンジョイントスロットを収縮させ、その後に第1のブレードセグメントおよび/または第2のブレードセグメントの支持ブロックの開口部にピンジョイントスロットを挿入することを含むことができる。したがって、ピンジョイントスロットの温度が元に戻るにつれて、ピンジョイントスロットが膨張し、開口部との締まり嵌めをもたらす。別の実施形態においては、焼き嵌めを、所望の締まり嵌めを達成するようにスロット直径が穴径よりも大きいピンジョイントスロットを開口部へと圧入することによって達成することができる。
【0015】
代案の実施形態においては、締まり嵌めをもたらすためにピンジョイントスロットを開口部内に焼き嵌めすることが、例えば、ピンジョイントスロットを支持ブロックの開口部に挿入した後に支持ブロックの開口部の温度を上昇させて開口部を膨張させることを含むことができ、開口部の膨張が、ピンジョイントスロットと開口部との間の締まり嵌めをもたらす。さらに別の実施形態において、本方法は、1つ以上のピンジョイントスロットおよび/または支持ブロックを他方に対して位置決めできるように、1つ以上のピンジョイントスロットまたは支持ブロックを先細りにすることを含むことができる。本方法が、本明細書に記載されるとおりの追加のステップおよび/または特徴のいずれかをさらに含んでもよいことを理解されたい。
【0016】
本発明のこれらの特徴、態様、および利点、ならびに他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照することによって、よりよく理解されるであろう。添付の図面は、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、説明と併せて本発明の特定の原理を説明するのに役立つ。
【0017】
当業者へと向けられた本発明の最良の態様を含む本発明の完全かつ本発明の実施を可能する開示が、本明細書に記載されており、本明細書は、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示による風力タービンの一実施形態の斜視図を示している。
図2】本開示による第1のブレードセグメントおよび第2のブレードセグメントを有するロータブレードの一実施形態の平面図を示している。
図3】本開示による第1のブレードセグメントの一実施形態の一部分の斜視図を示している。
図4】本開示による翼弦方向ジョイントにおける第2のブレードセグメントの一部分の一実施形態の斜視図を示している。
図5】本開示による第1のブレードセグメントを第2のブレードセグメントと接合して有している風力タービンのロータブレードの一実施形態の組み立てを示している。
図6】本開示による風力タービンのロータブレードの組み立ての複数の支持構造の一実施形態の分解斜視図を示している。
図7】本開示による翼弦方向ジョイントにおける風力タービンのロータブレードの一実施形態の断面図を示しており、とくにはシムを介して支持ブロック内に保持された肉太のジョイントスロットを示している。
図8図7のロータブレードの一部分の詳細図を示している。
図9】本開示による風力タービンのロータブレードを組み立てる方法の一実施形態のフローチャートを示している。
図10】本開示による風力タービンのロータブレードを組み立てる方法の別の実施形態のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、本発明の実施形態を詳しく参照するが、それらの実施形態の1つ以上の例が、図面に示されている。各々の例は、本発明の限定としてではなく、本発明の例示として提示されている。実際には、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、本発明においてさまざまな修正および変更が行われてよいことが、当業者には明らかであろう。例えば、或る実施形態の一部として図示または説明された特徴を、別の実施形態において使用して、またさらなる実施形態をもたらすことができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲に含まれるような修正および変更を包含するように意図される。
【0020】
ここで図面を参照すると、図1が、本発明による風力タービン10の一実施形態の斜視図を示している。図示の実施形態において、風力タービン10は、水平軸風力タービンである。代案として、風力タービン10は、垂直軸風力タービンであってもよい。さらに、図示のように、風力タービン10は、支持面14から延びるタワー12、タワー12に取り付けられたナセル16、ナセル16内に配置された発電機18、発電機18に結合したギアボックス20、およびロータシャフト24によってギアボックス20に回転可能に結合したロータ22を含むことができる。さらに、図示のように、ロータ22は、回転可能なハブ26と、回転可能なハブ26に結合し、回転可能なハブ26から外側へと延びている少なくとも1つのロータブレード28とを含む。図示のように、ロータブレード28は、ブレード先端部17およびブレード根元部19を含む。
【0021】
ここで図2を参照すると、図1のロータブレード28のうちの1つのロータブレードの平面図が示されている。図示のように、ロータブレード28は、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32を含むことができる。さらに、図示のように、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32は、それぞれ翼弦方向ジョイント34から反対方向に延びてよい。さらに、図示のように、ブレードセグメント30、32の各々は、翼形表面を定める少なくとも1つのシェル部材を含むことができる。第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32は、ブレードセグメント30、32の接合を容易にするために、少なくとも、両方のブレードセグメント30、32の中へと延びる内部支持構造36によって接続される。矢印38は、図示の例におけるセグメントに分けられたロータブレード28が、2つのブレードセグメント30、32を含み、これらのブレードセグメント30、32が、内部支持構造36を第2のブレードセグメント32へと挿入することによって接合されることを示している。さらに、図示のように、第2のブレードセグメントは、ロータブレード28のブレード根元部分35(図7にさらに詳しく示されている)および第1のブレードセグメント30の梁構造40(図5にさらに詳しく示されている)につながるように長さ方向に延びる複数の桁構造66(本明細書において、桁キャップとも呼ばれる)を含む。
【0022】
ここで図3を参照すると、本開示による第1のブレードセグメント30の一部分の斜視図が示されている。第1のブレードセグメント30は、内部支持構造36の一部を形成し、第2のブレードセグメント32との構造的接続のために長さ方向に延びる梁構造40を含む。さらに、図示のように、梁構造40は、桁部分42から突出することによって延長桁部分を形成する延長部を有している第1のブレードセグメント30の一部分を形成する。梁構造40は、負圧側桁キャップ46および正圧側桁キャップ48に接続されたせん断ウェブ44を含む。
【0023】
さらに、図示のように、第1のブレードセグメント30は、梁構造40の第1の端部54の方に1つ以上の第1のピンジョイントを含むことができる。一実施形態において、ピンジョイントは、ブッシュにきつく締まり嵌めされたピンを含むことができる。より具体的には、図示のように、ピンジョイントは、梁構造40上に配置された1つのピンチューブ52を含むことができる。したがって、図示のように、ピンチューブ52は、翼長方向に向けられてよい。さらに、第1のブレードセグメント30は、翼弦方向ジョイント34に近接して梁構造40上に配置されたピンジョイントスロット50をさらに含むことができる。さらに、図示のように、ピンジョイントスロット50は、翼弦方向に向けられてよい。一例において、ピンチューブまたはピン(図6にピン53として示されている)とのきつい締まり嵌めにて配置されたブッシュが、ピンジョイントスロット50内に存在してもよい。さらに、第1のブレードセグメント30は、翼弦方向ジョイント34に位置する複数の第2のピンジョイントチューブ56、58を含むことができる。したがって、図示のように、第2のピンジョイントチューブ56、58は、前縁ピンジョイントチューブ56および後縁ピンジョイントチューブ58を含むことができる。さらに、第2のピンジョイントチューブ56、58の各々は、翼長方向に向けられてよい。さらに、図示のように、第2のピンジョイントチューブ56、58の各々は、翼弦方向ジョイント34における圧縮荷重を分散させるように構成された複数のフランジ55、57をそれぞれ含むことができる。
【0024】
梁構造40の第1の端部に配置されたピンチューブ52が、翼弦方向ジョイント34に配置された複数の第2のピンジョイントチューブ56、58と、翼長方向に最適距離Dだけ離されてよいことに、留意されたい。この最適距離Dは、翼弦方向ジョイント34が翼弦方向ジョイント34に作用するせん断荷重に起因して生じる実質的な曲げモーメントに耐えることができるような距離であってよい。別の実施形態において、第1および第2のブレードセグメント30、32を接続するピンジョイントの各々は、締まり嵌め鋼ブッシュジョイントを含むことができる。
【0025】
ここで図4を参照すると、本開示による翼弦方向ジョイント34における第2のブレードセグメント32の一部分の斜視図が示されている。図示のように、第2のブレードセグメント32は、第1のブレードセグメント30の梁構造40を受け入れるために第2のブレードセグメント32内を長さ方向に延びる収容部60を含む。収容部60は、第1のブレードセグメント30の梁構造40とつながるように長さ方向に延びる桁構造66を含む。図示のように、第2のブレードセグメント32は、第1のブレードセグメント30のピンジョイントチューブ56、58(図3に示されている)を受け入れ、きつい締まり嵌めを形成するためのピンジョイントスロット62、64をさらに含むことができる。一例において、複数のピンジョイントスロット62、64の各々は、翼弦方向ジョイント34における圧縮荷重を分散させるように構成された複数のフランジ61、63をそれぞれ含むことができる。
【0026】
ここで図5を参照すると、本開示による第1のブレードセグメント30を第2のブレードセグメント32と接合して有しているロータブレード28のアセンブリ70が示されている。図示のように、アセンブリ70は、第1のブレードセグメント30を第2のブレードセグメント32と接合して有しているロータブレード28の外シェル部材の直下の複数の支持構造を示している。さらに、図示のように、収容部60は、長さ方向に延びる複数の桁構造66を含み、梁構造40を支持する。さらに、収容部60は、翼長方向の梁構造40のピンチューブ52に接続する矩形の固定要素72をさらに含む。さらに、第1および第2のブレードセグメント30、32は、翼弦方向ジョイント34にそれぞれ位置する翼弦方向部材74、76をさらに含むことができる。さらに、図示のように、翼弦方向部材74、76は、第1および第2のブレードセグメント30、32の間のピンジョイント接続を可能にする前縁ピン開口部78および後縁ピン開口部80を含むことができる。例えば、図示のように、翼弦方向部材74、76は、前縁ピン開口部78および後縁ピン開口部80に配置されたブッシュにきつく締まり嵌めされるピンジョイントチューブ56および58によって接続される。別の実施形態においては、桁構造66、矩形の固定要素72、および翼弦方向部材74、76の各々を、ガラス強化繊維で構成することができる。この例において、アセンブリ70は、複数のピンジョイントチューブまたはピン56、58と翼弦方向部材74、76に取り付けられたブッシュ接続部との間に埋め込まれた複数の避雷ケーブル73をさらに含むことができる。
【0027】
ここで図6を参照すると、ロータブレード28の収容部60の方のアセンブリ70の複数の支持構造の分解斜視図が示されている。図示のように、1対の桁構造66が、梁構造40を受け入れるように構成され、ピンチューブまたはピン53を挿入することができる梁構造40のピンジョイントスロット50に整列したピンジョイントスロット82、84を含む。さらに、ピン53は、組み立て時に桁構造66および梁構造40が互いに接合されるように、整列するピンジョイントスロット82、50、84にきつく締まり嵌めされたままであるように構成される。さらに、図6は、梁構造40のピンチューブ52を受け入れるように構成されたピンジョイントスロット86を含む矩形の固定要素72も示している。したがって、ピンチューブ52を、きつい締まり嵌めのピンジョイントを形成するように構成することができる。さらに、1対の桁構造66を、任意の適切な接着材料またはエラストマーシールを使用して一方の端部88において互いに接合することができる。
【0028】
図7を参照すると、ピンジョイントスロット62、64を、支持ブロック68(翼弦方向部材74、76と類似または同義)内に組み込み、保持することができる。より具体的には、図7に示されるように、支持ブロック68は、翼弦方向ジョイント34に位置する翼弦方向部材または隔壁に相当する。さらなる実施形態において、支持ブロック68は、梁構造40の第1の端部54、ならびに/あるいは梁構造40および/または収容部60の翼長方向または翼弦方向の位置に沿った任意の他の適切な位置に相当することができる。換言すると、支持ブロック68は、ピンジョイントスロットまたはブッシュを配置でき、あるいは組み込むことができるロータブレード28上またはロータブレード28内の任意の位置を指すことができる。
【0029】
一実施形態において、本明細書に記載のピンジョイントスロット62、64は、1つ以上のブッシュを含むことができる。例えば、図示のように、ピンジョイントスロット62、64は、それぞれのピンジョイントスロット62、64と支持ブロック68との間にギャップ90が定められるようなサイズであってよい。より具体的には、図示のように、ギャップ90は、半径方向ギャップであってよい。したがって、図示のように、ロータブレード28は、ピンジョイントスロット62、64を支持ブロック68内に保持するために、それぞれのピンジョイントスロット62、64と支持ブロック68との間のギャップ90内にシム92を含むことができる。より具体的には、特定の実施形態において、シム92は、ギャップ90へと注入された後に硬化する液体材料で構成されてよい。例えば、特定の実施形態において、液体材料は、例えば、接着剤、コーキング、ポリマー材料、セメント質材料、あるいは設置の時点において液体または半液体の状態であり、養生の後に硬化することにより、ブッシュから支持ブロック68へと荷重を伝達する任意の他の材料を含むことができる。
【0030】
ここで図8を参照すると、特定の実施形態において、ブッシュ62、64は、例えばその外周面など、その内面または外面に、ライナ94またはコーティングをさらに含むことができる。したがって、ライナ/コーティング94は、支持ブロック68におけるブッシュ62、64の保持をさらに支援することができる。さらに、ライナを有するブッシュ62、64は、ブッシュ内に収容された対応するピンジョイントチューブに対して耐摩耗性の改善をもたらすように構成される。ライナ/コーティング材料94は、所望の耐摩耗性をもたらすための単一の材料または異なる材料の組み合わせを含むことができる。さらに、ライナ/コーティング材料94を、圧入または接着によってブッシュ62、64に取り付けることが可能である。
【0031】
同様に、本明細書に記載の種々のピンジョイントチューブ52、56、58も、その耐摩耗性を改善し、さらには/あるいはピンジョイントチューブとブッシュとの間に所望の摩耗の組み合わせをもたらすために、ライナを有することができ、あるいはコーティングされてよい。上述のように、ライナ/コーティング材料は、所望の耐摩耗性をもたらすための単一の材料または異なる材料の組み合わせを含むことができる。代案の実施形態において、ピンジョイントチューブ52、56、58は、コーティングまたはライナを持たないままであってよく、高い表面仕上げを備えることができる。
【0032】
さらに、図示のように、ピンジョイントスロット62、64は、支持ブロック68に対するピンジョイントスロット62、64の回転を防止するように構成された1つ以上のタブ96をさらに含むことができる。そのような実施形態において、液体材料/シム92は、タブ96を覆うことができ、すなわち、ひとたび硬化すると、タブ96をその場に固定することができる。さらに、支持ブロック68におけるピンジョイントスロット62、64の同心性が維持されるべきである。そのような実施形態において、支持ブロック68におけるピンジョイントスロット62、64の同心性を、半径方向ギャップ90内の液体材料92を介して維持することができる。
【0033】
本明細書に記載のブッシュ62、64は、1つ以上の金属材料または1つ以上の複合材料で構成することが可能である。例えば、一実施形態において、複合材料は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含むことができる。本明細書に記載の熱可塑性材料は、一般に、本質的に可逆性のプラスチック材料またはポリマーを包含し得る。例えば、熱可塑性材料は、典型的には、特定の温度に加熱されると柔軟または成形可能になり、冷めるとより剛直な状態に戻る。さらに、熱可塑性材料は、非晶質熱可塑性材料および/または半結晶性熱可塑性材料を含むことができる。例えば、いくつかの非晶質熱可塑性材料は、一般に、スチレン、ビニル、セルロース、ポリエステル、アクリル、ポリスルホン、および/またはイミドを含み得るが、これらに限定されない。より具体的には、典型的な非晶質熱可塑性材料は、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、グリコール化ポリエチレンテレフタレート(PET-G)、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、非晶質ポリアミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、または任意の他の適切な非晶質熱可塑性材料を含むことができる。さらに、典型的な半結晶性熱可塑性材料は、一般に、ポリオレフィン、ポリアミド、フルオロポリマー、エチルメチルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート、および/またはアセタールを含み得るが、これらに限定されない。より具体的には、典型的な半結晶性熱可塑性材料は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリフェニルスルフィド、ポリエチレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリエーテルケトン、または任意の他の適切な半結晶性熱可塑性材料を含むことができる。
【0034】
さらに、本明細書に記載の熱硬化性材料は、一般に、本質的に非可逆性のプラスチック材料またはポリマーを包含し得る。例えば、熱硬化性材料は、ひとたび硬化すると、容易には再成形することも、液体の状態に戻すこともできない。したがって、最初の成形後に、熱硬化性材料は、一般に、熱、腐食、および/またはクリープによく耐える。典型的な熱硬化性材料は、一般に、いくつかのポリエステル、いくつかのポリウレタン、エステル、エポキシ、または任意の他の適切な熱硬化性材料を含み得るが、これらに限定されない。
【0035】
さらに、複合材料は、随意により、これらに限られるわけではないがガラス繊維、炭素繊維、ポリマー繊維、木質繊維、竹繊維、セラミック繊維、ナノ繊維、金属繊維、またはこれらの組み合わせなどの1つ以上の繊維材料で強化されてもよい。さらに、繊維の方向または配向は、準等方性、多軸、一方向、二軸、三軸、または任意の他の適切な方向、ならびに/あるいはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0036】
ここで図9を参照すると、本開示による風力タービンのロータブレードを組み立てる方法のフローチャート100が示されている。一般に、方法100は、本明細書において、図1図8に示した風力タービン10およびロータブレード28を参照して説明される。しかしながら、開示される方法100を、任意の他の適切な構成を有するロータブレードにおいても実施できることを、理解すべきである。さらに、図9は、例示および説明の目的のために、特定の順序で実行されるステップを示しているが、本明細書で説明される方法は、いかなる特定の順序または配置にも限定されない。当業者であれば、本明細書で提供される開示を使用して、本明細書に開示される方法の種々のステップを、本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまなやり方で省略し、並べ替え、組み合わせ、さらには/あるいは調整できることを、理解できるであろう。
【0037】
(102)に示されるように、方法100は、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32を形成することを含むことができる。(104)に示されるように、方法100は、第1のブレードセグメント30および/または第2のブレードセグメント32の支持ブロック68に1つ以上の開口部を形成することを含むことができる。(106)に示されるように、方法100は、第1のブレードセグメント30および/または第2のブレードセグメント32の支持ブロック68の開口部内に1つ以上のピンジョイントスロット62、64を配置することを含むことができる。したがって、半径方向ギャップ90が、ピンジョイントスロット62、64と支持ブロック68の開口部との間に定められる。(108)に示されるように、方法100は、ピンジョイントスロット62、64と支持ブロック68の開口部との間の半径方向ギャップ90に液体材料を充てんすることを含むことができ、液体材料は、ギャップ90の充てん後に硬化し、ピンジョイントスロット62、64を支持ブロック68内に保持することができる。(110)に示されるように、方法100は、第1および第2のブレードセグメント30、32を翼弦方向ジョイント34の両方向に配置することを含むことができる。(112)に示されるように、方法100は、ピンジョイントスロット62、64内に受け入れられる1つ以上のピンジョイントチューブ56、58を介して翼弦方向ジョイント34を接続することを含むことができる。
【0038】
ここで図10を参照すると、本開示による風力タービンのロータブレードを組み立てる方法のフローチャート200が示されている。一般に、方法200は、本明細書において、図1図8に示した風力タービン10およびロータブレード28を参照して説明される。しかしながら、開示される方法200を、任意の他の適切な構成を有するロータブレードにおいても実施できることを、理解すべきである。さらに、図10は、例示および説明の目的のために、特定の順序で実行されるステップを示しているが、本明細書で説明される方法は、いかなる特定の順序または配置にも限定されない。当業者であれば、本明細書で提供される開示を使用して、本明細書に開示される方法の種々のステップを、本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまなやり方で省略し、並べ替え、組み合わせ、さらには/あるいは調整できることを、理解できるであろう。
【0039】
(202)に示されるように、方法200は、第1のブレードセグメント30および第2のブレードセグメント32を形成することを含むことができる。(204)に示されるように、方法200は、第1のブレードセグメント30または第2のブレードセグメント32の支持ブロック68に1つ以上の開口部を形成することを含むことができる。(206)に示されるように、方法200は、第1のブレードセグメント30および/または第2のブレードセグメント32の支持ブロック68の開口部内にピンジョイントスロット62、64を挿入することを含むことができる。(208)に示されるように、方法200は、ピンジョイントスロット62、64と開口部との間に締まり嵌めを提供するために、ピンジョイントスロット62、64を開口部内に焼き嵌めすることを含むことができる。一実施形態においては、ピンジョイントスロット62、64を、例えば、ピンジョイントスロット62、64の温度を低下させてピンジョイントスロット62、64を収縮させ、その後にピンジョイントスロット62、64を第1のブレードセグメント30および/または第2のブレードセグメント32の支持ブロック68の開口部に挿入することによって、開口部内に焼き嵌めすることができる。したがって、ピンジョイントスロット62、64の温度が元に戻るにつれて、スロット62、64が膨張し、開口部との締まり嵌めをもたらす。代案の実施形態においては、ピンジョイントスロット62、64を、例えば、ピンジョイントスロット62、64を支持ブロック68の開口部に挿入した後に支持ブロック68の温度を上昇させて開口部を膨張させることによって、開口部内に焼き嵌めすることができ、開口部の膨張が、ピンジョイントスロット62、64と開口部との間の締まり嵌めをもたらす。
【0040】
したがって、ピンジョイントチューブ62、64が支持ブロック68内に適切に保持された後に、方法200は、(210)に示されるように、第1のおよび第2のブレードセグメント30、32を翼弦方向ジョイント34の両方向に配置することを含むことができる。(212)に示されるように、方法200は、ピンジョイントスロット62、64内に受け入れられるピンジョイントチューブ56、58を介して翼弦方向ジョイント34を接続することを含むことができる。
【0041】
当業者であれば、異なる実施形態のさまざまな特徴を相互に交換できることを、理解できるであろう。同様に、当業者であれば、説明したさまざまな方法ステップおよび特徴ならびにそのような方法および特徴の各々についての他の既知の均等物を混合して整合させて、本開示の原理に従うさらなるシステムおよび技術を構築することが可能である。当然ながら、上述したような目的または利点のすべてが、必ずしもあらゆる特定の実施形態によって達成される必要はないことを、理解すべきである。したがって、本明細書に記載のシステムおよび技術が、本明細書における教示のとおりの或る利点または一群の利点を達成または最適化するが、必ずしも本明細書において教示または示唆され得る他の目的または利点を達成しないやり方で具現化または実施されてよいことを、当業者であれば理解できるであろう。
【0042】
本発明の特定の特徴だけを本明細書において例示および説明してきたが、多くの修正および変更が当業者に想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、そのようなすべての修正および変更を本発明の真の趣旨の範囲に包含されるものとして含むように意図されていることを理解すべきである。
【0043】
本明細書は、本発明を最良の態様を含めて開示するとともに、あらゆる装置またはシステムの製作および使用ならびにあらゆる関連の方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、実施例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、または特許請求の範囲の文言と実質的な差異を有さない均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内に包含されるように意図される。
【符号の説明】
【0044】
10 風力タービン
12 タワー
14 支持面
16 ナセル
17 ブレード先端部
18 発電機
19 ブレード根元部
20 ギアボックス
22 ロータ
24 ロータシャフト
26 ハブ
28 ロータブレード
30 第1のブレードセグメント
32 第2のブレードセグメント
34 翼弦方向ジョイント
35 ブレード根元部分
36 内部支持構造
38 矢印
40 梁構造
42 桁部分
44 せん断ウェブ
46 負圧側桁キャップ
48 正圧側桁キャップ
50 ピンジョイントスロット
52 ピンチューブ、ピンジョイントチューブ
53 ピン
54 第1の端部
55 フランジ
56 ピンジョイントチューブ、ピン
57 フランジ
58 ピンジョイントチューブ、ピン
60 収容部
61 フランジ
62 ピンジョイントスロット、ブッシュ
63 フランジ
64 ピンジョイントスロット、ブッシュ
66 桁構造
68 支持ブロック
70 アセンブリ
72 固定要素
73 避雷ケーブル
74 翼弦方向部材
76 翼弦方向部材
78 前縁ピン開口部
80 後縁ピン開口部
82 ピンジョイントスロット
84 ピンジョイントスロット
86 ピンジョイントスロット
88 端部
90 ギャップ、半径方向ギャップ
92 液体材料/シム
94 ライナ/コーティング材料
96 タブ
100 方法
200 方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10