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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】特許文献集合の分析方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/18 20120101AFI20240205BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021131817
(22)【出願日】2021-07-05
(65)【公開番号】P2023008723
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2023-01-11
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513193336
【氏名又は名称】尾和 剛一
(72)【発明者】
【氏名】尾和 剛一
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-133068(JP,A)
【文献】特開2015-018529(JP,A)
【文献】特開2019-079479(JP,A)
【文献】特開2007-265009(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特許文献分析ソフトおよび表計算ソフトがインストールされている特許文献分析装置、該特許文献分析装置はパソコン(制御装置、演算装置、記憶装置、入力装置、表示装置)と外部記憶装置、プリンターで構成されており、さらに通信回線を通して各種のASPの特許データベースに接続することもできる、で実行する特定の特許文献集合(以下特定の文献集合と記載)の分析方法において、人間が前記特許文献分析装置の入力装置を操作して前記特許文献分析ソフトに描画対象とする特許文献集計期間と文献項目の種類をインプットし、該インプットに基づき前記特許文献分析ソフトが自動的に横軸は前記特定の文献集合に含まれる特許文献の出願年、又は公開・公表年を指標とした文献集計対象期間を等分割して作成した単位文献集計区間(以下該単位文献集計区間を単に文献集計区間と記載、該文献集計区間が連続して複数個連なっている文献集計区間は文献集計期間と記載する)名が記載してある文献集計区間軸、縦軸は前記特定の文献集合に含まれている特定の文献項目(特許分類、又は出願人、又はキーワード)の文献件数時系列変化を読み取るための文献件数軸で構成されている前記特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列マップを作成、該マップと該マップの文献項目別数値テーブルを人間が観察して分析対象とする文献集計期間と文献項目の範囲を決定し、以上決定した分析対象の分析集計期間と分析対象の文献項目で構成される前記マップの文献項目別数値テーブルを人間が前記入力装置を操作してコピーし、該コピーした前記マップの文献項目別数値テーブルを人間が前記入力装置を操作して前記表計算ソフトの特定のシート上に転写して作成した前記特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列表に人間が前記入力装置を操作して、縦軸は該表の文献項目軸と同一、又は共用の文献項目軸、横軸は前記特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列表の文献集計区間軸の隣接している二個の文献集計区間で年代が新しい文献集計区間の文献件数から年代が古い文献集計区間の文献件数を差引いた文献件数(以下差分件数と記載)を記載する差分区間名を時系列に記載した差分区間軸とするマトリクス表を付け加えて前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表のテンプレートを作成該テンプレートの横軸の差分区間と縦軸の文献項目が交わる任意のセルに下記に記載する「差分件数算出式」を記載し、さらに該「差分件数算出式」を人間が前記入力装置を操作して、前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表のテンプレートの文献項目軸の文献項目と差分区間軸の差分区間が交わるセルの全てに転写して前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表を作成
「差分件数算出式」
「前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表のテンプレートの任意の文献項目の任意の差分区間のセルに記載する差分件数算出式は、該セルの差分区間に対応する文献集計区間軸の隣接している二個の文献集計区間の年代が新しい文献集計区間の文献件数(セル1の文献件数)から年代が古い文献集計区間の文献件数(セル2の文献件数)を差引いた数式である。」
該前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の文献項目の中から文献項目別文献件数時系列マップに描けば課題で指定する文献集計期間において隣接している二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ直線を連結してできる折線を構成している各直線の勾配の符号が課題で指定している各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出する方法として、
前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の前記課題で指定する文献集計期間において文献項目別文献件数時系列マップに描けば隣接している二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ各直線の勾配の符号に対応する各差分区間の文献項目別差分件数の符号が前記課題で指定している各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出する方法で課題に適合している文献項目を検出することを特徴とする特許文献集合の分析方法。
【請求項4】
請求項1に記載の特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表に記載の文献項目の課題で指定する文献集計期間において文献項目別文献件数時系列マップに描けば隣接している三個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ各直線を連結してできる折れ線の凸部の方向を前記文献項目別文献件数時系列マップに描かずに判定する方法は、前記 表計算ソフトのシート上にある特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表に差分の差分件数を記載する列を人間が前記入力装置を操作して追加、該追加した列の各セルに前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の前記課題で指定する文献集計期間において隣接している三個の文献集計区間に対応する隣接する二個の差分区間の年代の新しい差分区間の差分件数から年代の古い差分区間の差分件数を差引いた差分件数(差分の差分件数)を算出する数式を人間が入力装置を操作して記載することにより前記表計算ソフトが自動演算で算した値が正の場合は前記折れ線の凸は下向き、負の場合は前記折れ線の凸は上向き、ゼロの場合は前記折れ線は一直線となるという判定を下すことを特徴とする特許文献集合の分析方法。」
【請求項5】
請求項1に記載の特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表請求項1に記載されているセルを、人間が前記入力装置を操作して、該セルに記載されている差分件数の大きさ(以下Nと記載)、N≧1、N=0、N≦-1により三種類に層別、該層別したセルに層別毎に決めてある異なる層別色を人間が前記入力装置を操作して施し、特定の文献集合の視覚分析用文献項目別文献件数・差分件数時系列表を作成、該特定の文献集合の視覚分析用文献項目別文献件数・差分件数時系列表の文献項目の中から文献項目別文献件数時系列マップに描けば課題で指定する文献集計期間で、隣接する二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ直線を連結してできる折線を構成している各直線の勾配の符号が課題で指定している前記各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出、該検出した課題に適合している文献項目の中から前記課題に適合する文献項目を検出するために実施した文献項目行の並び替えに使用した差分区間に隣接している一連の差分区間において文献項目別差分件数の符号が課題で指定する符号と一致している文献項目を検出する方法として前記隣接している一連の差分区間の文献項目別差分件数が記載されているセルに施されている層別色を人間が観察することで課題に適合する文献項目を検出することを特徴とする特許文献集合の分析方法。」
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特定の特許文献集合の中から萌芽技術の探索、新規参入出願人の探索、コア技術の文献件数がV字転換した時のV字転換に寄与した要素技術の探索等の検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特定の特許文献集合の中から所望する文献件数時系列動向を示す特許分類、出願人等を検出する一般的な方法は特許マップ作成ソフト、例えばインパテック(株)のパテントマップEXZのような特許マップ作成ソフトを使用して特許マップを作成、該特許マップを観察して所望する件数時系列動向を示す特許文献を検出しているのが実状である。
【0003】
前記特許マップを観察して所望する件数時系列動向を探索する方法は、分析対象の特許文献集合の文献件数が多い場合や検討したい文献項目の文献件数が桁違いに差がある場合では多数の特許マップを作成する必要があり多大な工数を要するという不都合がある。
【0004】
特許マップの観察に頼らない方法で特定の特許文献集合の中から特許文献項目の件数が単調増加傾向や単調減少傾向を示す特許文献項目を検出する方法が記載されている特許文献として特許文献1、2がある。
【0005】
特許文献1、2は共に、特定の特許文献集合の中から、文献項目別件数時系列マップに描けば特定の文献集計区間で文献件数の時系列推移が単調増加、又は単調減少、又は水平である文献項目を検出する方法として、文献件数の時系列動向がゼロ以外の勾配を有する直線となるダミーとの相関係数を算出し、該相関係数の値を評価基準として、単調増加、単調減少、水平の判定をしているが、この方法では相関係数を用いているので、分析対象とする文献集計区間は三個以上であること、文献件数が多くなると相関係数の算出が煩わしいという不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6380871号公報
【文献】特願2018-213309
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特定の特許文献集合の中から特定の出願人、特許分類、キーワード(以下これらを総称して文献項目と記載)が記載されている文献件数の時系列変化が増加傾向になったり、減少傾向になったり、V字型になったりする文献項目を特許マップに描くことなく、分析可能の最少文献集計区間の個数は二個、前記直線となるダミー文献項目と相関係数は使用せずに検出する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本願の発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0010】
本願請求項1に係る特許文献集合の分析方法は、
特許文献分析ソフトおよび表計算ソフトがインストールされている特許文献分析装置、該特許文献分析装置はパソコン(制御装置、演算装置、記憶装置、入力装置、表示装置)と外部記憶装置、プリンターで構成されており、さらに通信回線を通して各種のASPの特許データベースに接続することもできる、で実行する特定の特許文献集合(以下特定の文献集合と記載)の分析方法において、人間が前記特許文献分析装置の入力装置を操作して前記特許文献分析ソフトに描画対象とする特許文献集計期間と文献項目の種類をインプットし、該インプットに基づき前記特許文献分析ソフトが自動的に横軸は前記特定の文献集合に含まれる特許文献の出願年、又は公開・公表年を指標とした文献集計対象期間を等分割して作成した単位文献集計区間(以下該単位文献集計区間を単に文献集計区間と記載、該文献集計区間が連続して複数個連なっている文献集計区間は文献集計期間と記載する)名が記載してある文献集計区間軸、縦軸は前記特定の文献集合に含まれている特定の文献項目(特許分類、又は出願人、又はキーワード)の文献件数時系列変化を読み取るための文献件数軸で構成されている前記特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列マップを作成、該マップと該マップの文献項目別数値テーブルを人間が観察して分析対象とする文献集計期間と文献項目の範囲を決定し、以上決定した分析対象の分析集計期間と分析対象の文献項目で構成される前記マップの文献項目別数値テーブルを人間が前記入力装置を操作してコピーし、該コピーした前記マップの文献項目別数値テーブルを人間が前記入力装置を操作して前記表計算ソフトの特定のシート上に転写して作成した前記特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列表に人間が前記入力装置を操作して、縦軸は該表の文献項目軸と同一、又は共用の文献項目軸、横軸は前記特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列表の文献集計区間軸の隣接している二個の文献集計区間で年代が新しい文献集計区間の文献件数から年代が古い文献集計区間の文献件数を差引いた文献件数(以下差分件数と記載)を記載する差分区間名を時系列に記載した差分区間軸とするマトリクス表を付け加えて前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表のテンプレートを作成該テンプレートの横軸の差分区間と縦軸の文献項目が交わる任意のセルに下記に記載する「差分件数算出式」を記載し、さらに該「差分件数算出式」を人間が前記入力装置を操作して、前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表のテンプレートの文献項目軸の文献項目と差分区間軸の差分区間が交わるセルの全てに転写して前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表を作成
「差分件数算出式」
「前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表のテンプレートの任意の文献項目の任意の差分区間のセルに記載する差分件数算出式は、該セルの差分区間に対応する文献集計区間軸の隣接している二個の文献集計区間の年代が新しい文献集計区間の文献件数(セル1の文献件数)から年代が古い文献集計区間の文献件数(セル2の文献件数)を差引いた数式である。」
該前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の文献項目の中から文献項目別文献件数時系列マップに描けば課題で指定する文献集計期間において隣接している二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ直線を連結してできる折線を構成している各直線の勾配の符号が課題で指定している各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出する方法として、
前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の前記課題で指定する文献集計期間において文献項目別文献件数時系列マップに描けば隣接している二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ各直線の勾配の符号に対応する各差分区間の文献項目別差分件数の符号が前記課題で指定している各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出する方法で課題に適合している文献項目を検出することを特徴とする特許文献集合の分析方法。
【0011】
本願請求項2に係る特許文献集合の分析方法は、
請求項1に記載の特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表に記載の文献項目の中から、文献項目別文献件数時系列マップに描けば課題で指定する文献集計期間で、隣接している二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ直線を連結してできる折線を構成している各直線の勾配の符号が課題で指定している各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出する具体的方法として、一回目の前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の文献項目行の並べ替えを、人間が前記入力装置を操作して該並べ替えの文献項目行の対象範囲は前記課題で指定する文献項目行、並べ替えのキーワードは前記課題で指定している文献集計期間にある任意の隣接する二個の文献集計区間に対応する差分区間の差分件数として昇順、又は降順に並べ替え、該並び替えた差分件数の大きさ(該大きさをNと記載する)の範囲、N≧1 N=0 N≦-1により該並び替えに使用した差分件数が記載されているセルを三つのグループに層別、該層別したセルのうち、少なくとも課題に適合するセルに層別毎に決めてある層別色を人間が前記入力装置を操作して施す、二回目以降の前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の文献項目行の並び替え人間が前記入力装置を操作して該並び替えの対象文献項目行は当並び替えの直前に実施した文献項目行の並び替えで前記課題に適合している差分件数の符号を有した文献項目行、並び替えのキーワードは前記課題で指定している文献集計期間にある隣接する二個の文献集計区間のうち今までの並び替えで使用していない隣接する二個の文献集計区間に対応する差分区間の差分件数として昇順、又は降順に並べ替え、該並び替えた差分件数の大きさ(該大きさをNと記載する)の範囲、N≧1、N=0、N≦-1により該並び替えに使用した差分件数が記載されているセルを三つのグループに層別、該層別したセルのうち、少なくとも課題に適合しているセルに層別毎に決めてある層別色を人間が前記入力装置を操作して施す、以上の一連の作業を前記課題で指定している文献集計期間にある全ての隣接する二個の文献集計区間に対応する差分区間の差分件数に対し実施、該一連の作業が完了した前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の中から前記課題に適合する文献項目を検出する方法は、前期課題で指定する文献集計期間に対応する差分区間のセルの層別色の時系列配列が前記課題で基準としている文献項目の課題で指定している文献集計期間に対応する差分区間のセルの層別色の時系列配列と同一の文献項目を検出するという方法で適合文献項目を検出することを特徴とする特許文献集合の分析方法。
【0012】
本願請求項3に係る特許文献集合の分析方法は、
請求項1に記載の特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表に記載の文献項目の課題で指定する文献集計期間において、文献項目別文献件数時系列マップに描けば隣接する二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ直線を連結してできる文献項目別折線(以下文献件数時系列マップの隣接する二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ直線を連結してできる折線を文献項目別折線と記載する)の始点と終点の文献集計区間の文献件数を結ぶ文献項目別直線の勾配(以下文献項目別平均勾配と記載)を前記文献項目別文献件数時系列マップに描かずに求める方法は、前記特許文献分析装置の表示装置の画面にある前記表計算ソフトのシート上にある前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表に前記文献項目別平均勾配を記載する列を人間が前記入力装置を操作して追加、該追加した列の各セルに前記文献項目別折線の終点に対応する文献集計区間の文献項目別文献件数から始点に対応する文献集計区間の文献項目別文献件数を差引いた文献件数を、該文献項目別折線を構成している直線の本数で除した値を文献項目別平均勾配として算出する数式を記載することにより前記表計算ソフトが自動的に算出した値を文献項目別平均勾配とする方法、又は該追加した列の各セルに前記文献項目別折線を構成している各直線の終点と始点に対応する差分区間の文献項目別差分件数を合計した差分件数を前記課題で指定している文献集計期間に存在している差分区間の個数で除した値を文献項目別平均勾配として算出する数式を記載することにより前記表計算ソフトが自動的に算出した値を平均勾配とする方法のいずれかで算出した値を文献項目別平均勾配とすることを特徴とする特許文献集合の分析方法。
【0013】
本願請求項4に係る特許文献集合の分析方法は、
請求項1に記載の特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表に記載の文献項目の課題で指定する文献集計期間において文献項目別文献件数時系列マップに描けば隣接している三個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ各直線を連結してできる折れ線の凸部の方向を前記文献項目別文献件数時系列マップに描かずに判定する方法は、前記表計算ソフトのシート上にある特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表に差分の差分件数を記載する列を人間が前記入力装置を操作して追加、該追加した列の各セルに前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の前記課題で指定する文献集計期間において隣接している三個の文献集計区間に対応する隣接する二個の差分区間の年代の新しい差分区間の差分件数から年代の古い差分区間の差分件数を差引いた差分件数(差分の差分件数)を算出する数式を人間が入力装置を操作して記載することにより前記表計算ソフトが自動演算で算した値が正の場合は前記折れ線の凸は下向き、負の場合は前記折れ線の凸は上向き、ゼロの場合は前記折れ線は一直線となるという判定を下すことを特徴とする特許文献集合の分析方法。」
【0014】
本願請求項5に係る特許文献集合の分析方法は、
請求項1に記載の特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表請求項1に記載されているセルを、人間が前記入力装置を操作して、該セルに記載されている差分件数の大きさ(以下Nと記載)、N≧1、N=0、N≦-1により三種類に層別、該層別したセルに層別毎に決めてある異なる層別色を人間が前記入力装置を操作して施し、特定の文献集合の視覚分析用文献項目別文献件数・差分件数時系列表を作成、該特定の文献集合の視覚分析用文献項目別文献件数・差分件数時系列表の文献項目の中から文献項目別文献件数時系列マップに描けば課題で指定する文献集計期間で、隣接する二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ直線を連結してできる折線を構成している各直線の勾配の符号が課題で指定している前記各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出、該検出した課題に適合している文献項目の中から前記課題に適合する文献項目を検出するために実施した文献項目行の並び替えに使用した差分区間に隣接している一連の差分区間において文献項目別差分件数の符号が課題で指定する符号と一致している文献項目を検出する方法として前記隣接している一連の差分区間の文献項目別差分件数が記載されているセルに施されている層別色を人間が観察することで課題に適合する文献項目を検出することを特徴とする特許文献集合の分析方法。」
【発明の効果】
【0015】
特定の特許文献集合の特定の文献項目の中から、文献項目別文献件数時系列マップを描かずに、文献件数が数百件、数千件の文献集合の中から特定の文献集計区間で特定の文献件数時系列動向が増加動向、又は減少動向、又はV字動向等にある文献項目を検出ができるようになり、あるいは文献件数が桁違いに差がある文献項目が混在している文献集合の中からでも同一の表から(特許マップでは文献件数が桁違いに差がある文献項目は同一のマップでは文献件数を表示するスケールの違いにより各文献項目の件数時系列動向を観察することは困難である)課題条件を満たしている文献項目を検出できるようになるので、前記特定の特許文献集合の特定の文献項目の件数時系列動向分析に要する工数が大幅に削減することが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】特許文献分析装置の構成例を示すブロック図
図2】分析対象文献集合の文献項目別文献件数時系列表
図3】分析対象文献集合の文献項目別文献件数時系列マップ
図4】分析対象文献集合の文献項目別文献件数時系列マップの数値テーブル
図5】分析対象文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表
図6】分析対象文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表のテンプレート
図7図6のテンプレートのセル「L14」に「差分件数算出式」を記載した図
図8】文献件数時系列マップにおいて隣接している二個の文献集計区間の文献件数を結ぶ直線の勾配の大きさの符号と、該直線の終点と始点に対応する差分区間の差分件数の符号は一致していることの説明図
図9】文献件数時系列マップにおいて隣接している二個の文献集計区間の文献件数を結ぶ直線を連結した折線の始点と終点を結ぶ直線の平均勾配を算出する方法の説明図
図10】文献件数時系列マップにおいて連続した3個の文献集計区間の文献件数を結ぶ折線の凸部の方向と差分の差分件数の大きさの関係説明図
図11】課題1-(1)に適合している文献項目を検出するために実施した分析対象文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の文献項目行の並び替え手順説明図
図12】課題1-(1)に適合している文献項目として検出した文献項目と基準とする3C707BS30の文献件数時系列マップ
図13】分析対象文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表を用いて求めた、課題1-(1)に適合している文献項目の文献集計期間▲4▼2016年から▲7▼2019年の各文献集計区間の文献件数を結ぶ折線の平均勾配の大きさと該大きさの順位
図14図13で求めた文献項目のうち、文献集計区間、▲4▼2016年と▲7▼2019年の文献件数を結ぶ直線の勾配が上位4位までの文献項目別件数時系列マップ
図15】分析対象文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の△6と△5の差分の差分件数の符号による課題1-(1)に適合している文献項目の▲5▼2017年~▲7▼2019年の文献項目別文献件数を結ぶ折線の凸部の方向の判定結果
図16図15で判定した課題1-(1)に適合している文献項目の▲5▼2017年~▲7▼2019年の文献件数を結ぶ折線の凸部の方向の確認図
図17】分析対象文献集合の視覚分析用文献項目別文献件数・差分件数時系列表
図18】分析対象文献集合の視覚分析用文献項目別文献件数・差分件数時系列表の作成手順説明図(本図は層別色の重ね合わせを説明するために途中までしか実施していない)
図19】分析対象文献集合の視覚分析用文献項目別文献件数・差分件数時系列表を用いた特定の文献項目の検出と該文献項目の課題指定外文献集計期間の文献件数動向の深堀り実施例
図20】分析対象文献集合の特定の文献項目の課題指定外文献集計期間の文献件数動向の深堀り実施例(その1)
図21】分析対象文献集合の特定の文献項目の課題指定外文献集計期間の文献件数動向の深堀り実施例(その2)
図22】分析対象文献集合の特定の文献項目の課題指定外文献集計期間の文献件数動向の深堀り実施例(その3)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1図23を参照して本発明の形態について説明する。
【0018】
図1に特定の文献集合の分析に用いる特許文献分析装置の一実施例を示すが、該特許文献分析装置1はデータ処理装置2とその付帯設備で構成されており、該データ処理装置2は制御装置3、演算装置4、記憶装置5及びI/O6を有し、該I/O6の入力側には、入力装置としてキーボード7、マウス8、入力装置9、MOドライブ等を含むCD-ROMドライブ10が接続されており、I/O6の出力側には、CRT(液晶デイスプレイを含む)からなる表示装置11、プリンタ12等が接続されており、さらに通信回線14を通して日立情報システムズやNRIサイバーパテント等のASPの特許データベース13に接続することもできる。
【0019】
特許文献分析装置1の記憶装置には特許文献分析ソフト、表計算ソフト等、本願記載の分析に必要な全てのソフトは予め記憶装置5にインストールされており、特許マップの作成は、入力装置9を操作して、記憶装置5に予めストアされている特許文献集合のフロントページを開き、項目選択ボタンでマップ選択すると、特定の特許文献集合の特許文献項目別件数を降順又は昇順に表示した、所謂、ランキング特許マップや前記項目別件数の時系列推移を表示した、所謂、時系列特許マップや行と列に特定の特許文献項目を配し、該行と列の交差するマス目には行、列それぞれの特許文献項目が付与されている項目の件数が記載されている、所謂、マトリクスマップ等の各種特許マップのメニューが表示されるので、使用目的に応じたマップの種類を選択、各種マップ作成に必要な項目を指定して所望の特許マップを作成することができ、又、該特許マップから数値テーブルへの切り替は入力装置9の操作により容易に行うことが出来る。
【0020】
前記、特許マップを切り替えて作成した数値データはコピーして、前記コンピュータにインストールされている表計算ソフトの任意のシートに貼りつけることが出来るので表計算ソフトが有している機能、例えばシートの行、列の挿入、削除、セル同士の四則演算、特定の項目同士の相関マトリクスの作成、グラフ作成機能、該作成したグラフの近似曲線描画機能等、全て使用できるようになっている。
【0021】
分析に必要な特許文献集合は、入力装置9を操作して、特許データベース13にアクセス、検索目的の応じた特許文献検索式を用いて特許データベース検索を実施、該検索で集計した文献集合を前記特許文献分析装置にインストールされている特許文献分析ソフトで処理できるデータ形式に変換、該データ形式に変換した文献集合をスクリーニング、該スクリーニング済の文献集合を記憶装置5にストア、必要な時に記憶装置5にストアされている文献集合を開いて使用するというシステムになっている。
【0022】
前記特許データベース13の替わりにCD-ROM等ドライブ10に公開特許公報CDをセットして使用することも可能である。
【0023】
以下、図1図22を参照しながら、特許文献集合の分析方法を説明するが、本発明の説明に係わるに特定の文献集合や特許文献分析ソフトは予め前記記憶装置5にストアされているものとする。
【0024】
S1、
分析対象文献集合の文献項目別文献件数時系列表(図2参照)を作成する。
【0025】
前記特許文献分析ソフトを用いて、横軸は前記特定の文献集合に含まれる特許文献の出願年、又は公開・公表年を指標とした文献集計対象期間を等分割して作成した単位文献集計区間(以下該単位文献集計区間を単に文献集計区間と記載、該文献集計区間が連続して複数個連なっている文献集計区間は文献集計期間と記載する)名が記載してある文献集計区間軸、縦軸は前記特定の文献集合に含まれている特定の文献項目(特許分類、又は出願人、又はキーワード)の文献件数の時系列変化を読み取るための文献件数軸で構成されている文献項目別文献件数時系列マップ(図3参照)を作成、該マップを観察して分析対象とする文献集計期間を決定、該決定した文献集計期間の前記文献項目別文献件数時系列マップの数値テーブル(図4参照)を観察して分析対象とする文献項目の範囲を決定、
以上決定した分析対象の分析集計期間と分析対象の文献項目で構成される前記特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列マップの数値テーブルを前記表計算ソフトの任意のシート上に転写して前記特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列表(図2参照)を作成する。
【0026】
S2、
前記特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列表(図2参照)から前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表(図5参照)を作成する。
【0027】
前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表(図5参照)の作成方法は、前記表計算ソフトの任意のシートに作成された前記特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列表(図2参照)に、縦軸は該表の文献項目軸と同一、又は共用の文献項目軸、横軸は前記特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列表の文献集計区間軸の隣接している文献集計区間で年代が新しい文献集計区間の文献件数から年代が古い文献集計区間の文献件数を差引いた文献件数(以下差分件数と記載)を記載する差分区間名を時系列に記載した差分区間軸とするマトリクス表を付け加えて文献項目別文献件数・差分件数時系列表のテンプレートを作成、該テンプレートの横軸の差分区間と縦軸の文献項目が交わる任意のセルに下記に記載する「差分件数算出式」を記載し、さらに該「差分件数算出式」を人間が前記入力装置を操作して、前記文献項目別文献件数・差分件数時系列表のテンプレートの文献項目軸の文献項目と差分区間軸の差分区間が交わるセルの全てに転写して前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表を作成する。
「差分件数算出式」
「前記文献項目別文献件数・差分件数時系列表のテンプレートの任意の文献項目の任意の差分区間のセルに記載する差分件数算出式は、該セルの差分区間に対応する文献集計区間軸の隣接している二個の文献集計区間の年代が新しい文献集計区間の文献件数(セル1の文献件数)から年代が古い文献集計区間の文献件数(セル2の文献件数)を差引いた数式である。」
【0028】
S3、
前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表(図5参照)の文献項目の中から、文献項目別文献件数時系列マップに描けば課題で指定する文献集計期間において一連の隣接している二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ各直線の勾配の符号が課題で指定している各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出する。
【0029】
文献項目別文献件数時系列マップにおいて隣接している二個の文献集計区間の文献件数を結ぶ直線の勾配の符号は、図8で説明してあるように前記隣接している二個の文献集計区間に対応する差分区間の差分件数の符号に一致していることより、前記特定の文献集合のの中から文献項目別文献件数時系列マップに描けば課題で指定する文献集計期間において一連の隣接している二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ直線を連結してできる折線を構成している各直線の勾配の符号が課題で指定している各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出する方法として、
前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の前記課題で指定する文献集計期間において一連の隣接している二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ直線を連結してできる折線を構成している各直線の勾配の符号に対応する各差分区間の差分件数の符号が前記課題で指定している各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出する方法で課題に適合している文献項目を検出すればよいことがわかる。
【0030】
前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表に記載の文献項目の中から、文献項目別文献件数時系列マップに描けば課題で指定する文献集計期間で、一連の隣接している二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ直線を連結してできる折線を構成している各直線の勾配の符号が課題で指定している前記各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出する具体的方法(図11参照)として、
一回目の前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の文献項目行の並べ替えを、該並べ替えの文献項目行の対象範囲は前記課題で指定する文献項目行、並べ替えのキーワードは前記課題で指定している文献集計期間にある任意の隣接する二個の文献集計区間に対応する差分区間の差分件数として昇順、又は降順に並べ替え、該並び替えた差分件数の大きさ(該大きさをNと記載する)の範囲、N≧1 N=0 N≦-1により該並び替えに使用した差分件数が記載されているセルを三つのグループに層別、該層別したセルのうち、少なくとも課題に適合するセルに層別毎に決めてある層別色を施す、
二回目以降の前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の文献項目行の並び替えは、該並び替えの対象文献項目行は当並び替えの直前に実施した文献項目行の並び替えで前記課題に適合している差分件数の符号を有した文献項目行、並び替えのキーワードは前記課題で指定している文献集計期間にある隣接する二個の文献集計区間のうち今までの並び替えで使用していない隣接する二個の文献集計区間に対応する差分区間の差分件数として昇順、又は降順に並べ替え、該並び替えた差分件数の大きさ(該大きさをNと記載する)の範囲、N≧1、N=0、N≦-1により該並び替えに使用した差分件数が記載されているセルを三つのグループに層別、該層別したセルのうち、少なくとも課題に適合しているセルに層別毎に決めてある層別色を施す、以上の一連の作業を前記課題で指定している文献集計期間にある全ての隣接する二個の文献集計区間に対応する差分区間の差分件数に対し実施、該一連の作業が完了した前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表(図11参照)の中から前記課題に適合する文献項目を検出する方法は、前期課題で指定する文献集計期間に対応する差分区間のセルの層別色の時系列配列が前記課題で基準としている文献項目の課題で指定している文献集計期間に対応する差分区間のセルの層別色の時系列配列と同一の文献項目(図11図12参照)を検出するという方法で適合文献項目を検出する。
【0031】
S4、
前記特定の文献集合の課題で指定する文献項目で文献件数時系列マップに描けば課題で指定する文献集計期間において隣接する二個の文献集計区間の文献件数を結ぶ直線を連結した折れ線の始点の文献集計区間の文献件数と終点の文献集計区間の文献件数を結ぶ直線の勾配(平均勾配)の算出と前記課題で指定する文献項目で文献件数時系列マップに描けば課題で指定する連続している三個の文献集計区間の文献件数を結ぶ折線の凸部が上に凸か下に凸か直線になるかの判定を前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表のデータを用いて実行する。
【0032】
前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表に記載の文献項目について、文献項目別文献件数時系列マップに描けば課題で指定する文献集計区間において隣接している二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ各直線を連結した折れ線の始点の文献集計区間の文献件数と終点の文献集計区間の文献件数を結ぶ文献項目の直線の勾配(平均勾配)の算出は、文献集計区間の文献件数を用いる場合は図13の注1)に記載してあるように「前記折線の終点に対応している文献集計区間の文献件数から前記折線の始点に対応している文献集計区間の文献件数を差引いた文献件数を、該折れ線を構成している直線の本数で除した値が平均勾配の大きさである(図13のθ1の算出方法)」という方法で算出でき、差分区間の差分件数を用いる場合は「前記折れ線を構成している各直線の終点と始点に対応する差分区間の差分件数を合計した差分件数を該差分件数の合計に用いた差分区間の個数で除した値である(図13のθ2の算出方法)」という方法で算出できる(実施例は図13の平均勾配の欄、及び図14参照)。
【0033】
前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表に記載の課題指定の文献項目の課題指定の連続している三個の文献集計区間に対応している二個の差分区間の年代が新しい差分区間の差分件数から年代が古い差分区間の差分件数を差引いた差分件数(以下該差分件数を差分の差分件数と記載)の符号と前記連続している三個の文献集計区間の文献件数を結ぶ二本の直線で構成される折線の凸の部分の方向は、図10に記載の理由により、前記課題指定の連続している三個の文献集計区間に対応している二個の差分区間の差分の差分件数の符号が正の場合は前記折れ線は下に凸、負の場合は前記折れ線は上に凸、ゼロの場合は前記折れ線は一直線になると判定することができる(実施例は図15の差分の差分件数の欄、及び図16参照)。
【0034】
S5.
S2の特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表(図5参照)を用いて特定の文献集合の視覚分析用文献項目別文献件数・差分件数時系列表(図17参照)を作成する。
【0035】
前記特定の文献集合の視覚分析用文献項目別文献件数・差分件数時系列表(図17参照)の作成は、前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表(図5参照)の差分件数が記載されている各セルを、該セルに記載されている差分件数の大きさ(以下Nと記載)、N≧1、N=0、N≦-1により三種類に層別、該層別されたセルに層別毎に決めてある層別色を施すと同時に、該層別されたセルに対応している文献集計区間軸の隣接している二個の文献集計区間のセルに対しても前記層別されたセルに施された層別色と同一の層別色を施して作成(図17参照)する。
【0036】
前記文献集計区間軸の隣接している二個の文献集計区間のセルに層別色を施す場合、該セルが文献集計区間軸の両端に位置しているセル以外は全て層別色が二回施されることになり、一回目の層別色と二回目の層別色が異なる場合(マップ上では直線の傾きの符号が変わるセル)は二回目の層別色が残る(図18参照)ことになるので、層別色で文献項目文献件数時系列動向を読み取る場合はこのことに配慮する必要がある。
【0037】
該不都合は、前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の文献項目別文献件数時系列表の利用目的に応じて、勾配符号転換セルの層別色を第4の層別色として新たに設けるか、勾配符号転換セルの層別色は利用目的にとって大した障害にならないのであれば層別色の施す順番を決めて、該順番を考慮しながら層別色により判断すれば良い。
【0038】
S6.
前記特定の文献集合の視覚分析用文献項目別文献件数・差分件数時系列表(図17参照)の文献項目の中から、文献項目別文献件数時系列マップに描けば課題で指定する文献集計期間において一連の隣接している二個の文献集計区間の文献項目別文献件数を結ぶ各直線の勾配の符号が課題で指定している各直線の勾配の符号と一致している文献項目を検出、該検出した課題に適合した文献項目の中から、前記課題で指定する文献集計期間に隣接して、かつ前記課題で指定する文献集計期間に含まれていない一連の隣接している二個の文献集計区間の文献件数を結ぶ各直線の勾配が課題で指定している各直線の勾配と一致している文献項目を検出する。
【0039】
上記の分析は、特定の文献集合の文献項目別文献件数時系列マップの分析において、特定の文献集計区間の文献件数時系列動向が同一でも、該特定の文献集計区に隣接している一連の分析集計区間の文献項目別件数時系列動向が異なっている場合は各文献項目の深掘りの観点が異なってくるためである。
【0040】
S6に記載の分析の具体的方法は、
S3に記載の前記特定の文献集合の文献項目別文献件数・差分件数時系列表の代わりに前記特定の文献集合の視覚分析用文献項目別文献件数・差分件数時系列表を用いて、S3に記載の方法(各差分区間のセルの層別色の塗布は既に実施済みのため不要)で前記課題に適合する文献項目を検出、該検出した課題適合文献の文献集計期間に隣接している文献集計期間に対応する差分区間の文献項目別セルの層別色の時系列配列を観察して、該層別色の時系列配列が課題で指定している文献項目の時系列配列と一致している文献項目を適合文献として検出(図19の下欄、検出NO1~NO3、図20図21図22参照)する。
【0041】
以下、図1図22を参照して上記分析手順を実施例により具体的に説明する。
【0042】
実施例として、特許データベースの中から
検索のキーワード:Fターム、3C707BS10(垂直多関節型マニプレータ)、
検索対象の公開・公表期間:2013年1月1日~2019年12月31で検索した文献集合の中から2019年の公開・公表件数が10件以上のFターム、72個を抽出、該抽出した3C707BS10集合を分析対象文献集合として課題1、課題2を実施した。
【0043】
課題の分析に取り組む前の準備1とし、分析対象の文献集合、3C707BS10のFターム別文献件数時系列マップ(図3)を概観、該文献集合は2014年~2016年までは単調減少、2016年~2019年までは単調増加している、所謂V字動向を示す文献集合であることがわかったので、分析対象文献集計区間の開始区間は余裕を見て2013年より開始、2013年~2019年とすることに決定、文献項目の範囲は、直近で多くの文献件数を有する文献項目を対象とすることにしているので、前記図3の3C707BS10のFターム別文献件数時系列マップの数値テーブル(図4)を見て、2019年文献件数が10件以上の合計72件の文献項目とした。
【0044】
課題に取り組む前の準備2として前記「発明を実施するための形態」のS1に記載の方法で図2の3C707BS10集合のFターム別文献件数時系列表を作成、さらに、前記「発明を実施するための形態」のS2の方法で図5の3C707BS10集合のFターム別文献件数・差分件数時系列表を作成、さらに、前記「発明を実施するための形態」のS5の方法で図17の3C707BS10集合の視覚分析用Fターム別文献件数・差分件数時系列表を作成した。
【0045】
課題1
(1)前記3C707BS10集合のFターム別文献件数時系列表(図2)の中からFターム別文献件数時系列マップに描くと▲1▼2013年~▲7▼2019年の各文献集計区間の文献件数を結ぶ直線の勾配の符号が3C707BS10と同一の符号を有する文献項目を前記Fターム別文献件数時系列マップを描かずに検出せよ。
(2)(1)で検出した適合文献項目の単調増加文献集計期間、▲4▼2016年~▲7▼2019年の平均勾配の大きさの算出と該適合文献項目の集合における平均勾配の大きさの順位を決定せよ。
(3)(1)で検出した適合文献の差分区間△5と△6の差分の差分件数を算出し、該算出した差分の差分件数の大きさ(以下Sと記載)、S≧1、S=0、S≦-1の範囲により判定した▲5▼2017年~▲7▼2019年の文献件数を結ぶ折線の凸部の方向と、文献項目別文献件数時系列マップで判定した結果が一致していることを確認せよ。
【0046】
課題1ー(1)の解決方法
▲1▼ 前記3C707B10集合のFターム別文献件数・差分件数時系列表(図5)を前記S2の方法で作成する。
▲2▼ ▲1▼で作成した図5の3C707B10集合のFターム別文献件数・差分件数時系列表を用いて図11の下部の(注1)に記載「上記表を用いて課題1ー(1)の適合文献項目を検出するために実施した文献項目行の並び替手順は下記の通り」で実施、各文献項目行の並び替えで、課題に適合している差分区間の差分件数が記載されているセルのみに層別色を施した。
▲3▼ 以上の作業の結果、差分区間△1~△6の全ての差分区間でセルの層別色が3C707BS10と同一の層別色が施されている文献項目は図11の文献項目NO2~NO9で、これらの文献項目が前記課題1-(1)に適合している文献項目である(図12参照)。
【0047】
課題1ー(2)の解決方法
▲1▼図5の課題1-(1)に適合している文献項目NO2~NO9の文献集計区間▲4▼2016年~▲7▼2019年の文献集計区間の文献件数を結ぶ折線の始点(▲4▼2016年)と終点(▲7▼2019年)を結ぶ直線の勾配(平均勾配)は図13の下部に記載のθ1又はθ2の算式で算出できるので、該算出した平均勾配を参照して▲4▼2016年~▲7▼2019年の平均勾配の大きさが上位4位までの文献項目は、1位は3C707KS03、2位は3C707DS01、3位は3C707KS04、4位は3C707AS01,3C707ES03となる(図13参照)。
該1位~4位の文献項目の文献件数時系列マップを図14に掲載した。
【0048】
課題1ー(3)の確認結果
▲1▼ 前記図11を使用して、課題1-(1)に適合している文献項目の差分区間、△5と△6の差分の差分件数を算出し、該算出した差分の差分件数の大きさ(以下Sと記載)、S≧1、S=0、S≦-1により三種類に層別、S≧1の場合は、▲5▼2017年~▲7▼2019年の文献件数を結ぶ折線の凸部は下に凸、S=0の場合は直線、S≦-1場合は上に凸という判定基準に基づいて判定した結果を図15に記載した。
▲2▼ 図15に記載の、折線凸部の方向判定結果を参照して選んだ任意の文献項目(図15中に下記該色の文献項目のマップは図16に掲載と特記)の文献件数時系列マップを図16に掲載した。
▲3▼ 図16より、▲5▼2017年~▲7▼2019年の文献件数を結ぶ折線の凸部の方向と、前記差分の差分の件数の範囲から判定した結果が一致しているこが確認できる。
【0049】
課題2
図17の3C707B10集合の視覚分析用Fターム別文献件数・差分件数時系列表の文献項目の中から文献項目別文献件数時系列マップに描けば、文献集計区間▲4▼2016年~▲7▼2019年で単調増加している文献項目を検出、該検出した文献項目の中から前記文献集計区間、▲4▼2016年~▲7▼2019年に隣接している文献集計区間、▲1▼2013年~▲4▼2016年で下記(1)~(3)を示す文献項目を前記図17の3C707B10集合の視覚分析用Fターム別文献件数・差分件数時系列表の文献項目別差分件数時系列表の文献項目別セルに施されている層別色を観察することで検出せよ。
(1)▲1▼2013年~▲4▼2016年の中の最も古い年の文献集計区間の文献件数と▲4▼2016年の文献件数を結ぶ直線の勾配が単調増加している文献項目(文献項目3C707BS10より先行して単調増加に転じている文献項目)。
(2)▲1▼2013年~▲3▼2015年の中の最も古い文献集計区間の文献件数と▲4▼2016年の文献件数を結ぶ直線の勾配が水平である文献項目(文献項目3C707BS10集合に新規文献項目として加わった文献項目)。
(3)▲1▼2013年~▲3▼2015年の中の最も古い年の文献集計区間の文献件数と▲4▼2016年の文献件数を結ぶ直線の勾配が単調減少している文献項目(文献項目3C707BS10と同調して単調減少している文献項目)。
【0050】
課題2の解決方法
▲1▼図17を用いて、図19の下欄に記載の(注1)「上記表を用いて課題2-(1)~(3)に適合する文献項目を探索する手順は下記の通り」に示す方法で文献集計区間▲4▼2016年~▲7▼2019年で単調増加してしている文献項目を検出、該検出結果、適合文献項目は文献項目NO1~NO23であった。
▲2▼従って、図19の文献項目NO1~NO23の差分区間△1,△2,△3の文献項目別セルの層別色を観察して下記条件を満足する文献項目が課題に適合している文献項目である。
【0051】
課題2-(1)に適合する文献項目の検出
▲1▼差分区間、△1と△2と△3の全てで、差分件数が記載されているセルの層別色が図19の層別色凡例のN≧1の層別色と同一である文献項目はありますか?
観察結果:ありません
▲2▼差分区間、△2と△3で、差分件数が記載されているセルの層別色が図19の層別色凡例のN≧1の層別色と同一である文献項目はありますか?
観察結果:ありません
▲3▼差分区間、△3で、差分件数が記載されているセルの層別色が図19の層別色凡例のN≧1の層別色と同一である文献項目はありますか?
観察結果:あります。以下の4個の文献項目です。
文献項目NO3の3C707KS36,文献項目NO7の3C707ET08、文献項目NO14の3C707KS31、文献項目NO23の3C707AS35の4個の文献項目(図20)である。
▲4▼以上の4個の文献項目が課題2-(1)に適合する文献項目である。
【0052】
課題2-(2)に適合する文献項目の検出
▲1▼差分区間、△1と△2と△3の全てで、差分件数が記載されているセルの層別色が図19の層別色凡例のN=0の層別色と同一である文献項目はありますか?
観察結果:ありません
▲2▼差分区間、△2と△3で、差分件数が記載されているセルの層別色が図19の層別色凡例のN=0の層別色と同一である文献項目はありますか?
観察結果:あります。以下の1個の文献項目です。
文献項目NO12の3C707LW15(図21)である。
▲3▼以上の1個の文献項目が課題2-(2)に適合する文献項目である。
【0053】
課題2-(3)に適合する文献項目の検出
▲1▼差分区間、△1と△2と△3の全てで、差分件数が記載されているセルの層別色が図19の層別色凡例のN≦-1の層別色と同一である文献項目はありますか?
観察結果:あります。以下の2個の文献項目です。
文献項目NO13の3C707AS04、文献項目NO22の3C707KS07(図22)である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明により分析対象の特定の文献集合の文献件数時系列マップを描くことなく、特定の文献集計期間で単調増加、単調減少、V字型変動等をする文献項目を検出、あるいは分析対象の文献項目の特定の文献集計期間の各文献集計区間の文献件数を結ぶ直線を連結してできる折線の平均勾配等を容易に算出できるようになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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図22