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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 3/10 20060101AFI20240205BHJP
   F25D 1/00 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
F25D3/10 C
F25D1/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018143026
(22)【出願日】2018-07-31
(65)【公開番号】P2020020502
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-07-30
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】392035352
【氏名又は名称】株式会社豊電子工業
(73)【特許権者】
【識別番号】000214939
【氏名又は名称】直本工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】長 伸朗
(72)【発明者】
【氏名】今村 幸伯
(72)【発明者】
【氏名】青木 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】上林 丈仁
(72)【発明者】
【氏名】金岡 明男
(72)【発明者】
【氏名】大塚 啓志
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】鈴木 充
【審判官】岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-2398(JP,A)
【文献】特開2010-249332(JP,A)
【文献】実開昭60-145980(JP,U)
【文献】特開平1-234773(JP,A)
【文献】特開昭52-24356(JP,A)
【文献】特開2009-41881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 3/10
F25D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に収容されたワークを冷却する冷却装置であって、
前記容器内にミストを噴霧するミストノズルと、
噴霧されたミストをワークに押し当てるように前記容器内に外気を押し込み供給する送風機とを備え、
前記ミストノズルは、ワークに向けてミストを噴霧するように配置されており、
前記容器内の気流によってワークの表面にミストを押し当てて、ワークからミストへの伝熱を促すことによりワークを冷却し、
前記送風機は、流路断面が絞られた絞り部を介して前記容器に接続されている冷却装置。
【請求項2】
前記容器は、ワークの一方面側に吹き付けられる気流の一部をワークの周囲に拡散させる第1のガイド部を備える請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記容器は、内部に拡散された気流をワークの他方面側に吹き付けるように案内する第2のガイド部を備える請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記ミストノズルは、ワークの周囲に複数配置されており、
前記容器内に噴霧したミストが、前記容器内の気流によってワークの表面全体に押し当てられる請求項1から3のいずれかに記載の冷却装置。
【請求項5】
前記容器内を通過するようにワークを搬送する搬送装置を更に備え、
前記送風機およびミストノズルは、前記容器内を搬送されるワークを互いに離間する複数の冷却位置で冷却するように、各冷却位置に対応して配置されている請求項1または2に記載の冷却装置。
【請求項6】
搬送方向上流側の冷却位置に搬送されたワークに対して前記ミストノズルが噴霧するミストの粒径が、搬送方向下流側の冷却位置に搬送されたワークに対して前記ミストノズルが噴霧するミストの粒径よりも大きい請求項5に記載の冷却装置。
【請求項7】
搬送方向上流側の冷却位置に搬送されたワークに対して前記ミストノズルが噴霧するミストの単位時間あたりの噴霧量が、搬送方向下流側の冷却位置に搬送されたワークに対して前記ミストノズルが噴霧するミストの単位時間あたりの噴霧量よりも多い請求項5または6に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鋳造等により高温に加熱された金属製品等のワークを冷却する方法として、自然放熱やファンの利用等が従来から行われているが、冷却に長時間を要するという問題がある。また、ワークを水に浸して冷却時間を短くする方法もあるが、ワークの急激な温度変化により割れが発生するおそれがある。
【0003】
そこで、これらの問題を解決するため、非特許文献1には、微小な水滴(ミスト)と高圧エアを製品にあてることで、従来の自然放熱方式やファン風冷方式の100分の1以下の時間で、製品不良が発生することなく冷却することができる急速冷却装置が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】中部電力株式会社等、「急速冷却装置“HDブラストクーラー”の開発~冷却時間を従来と比べ100分の1以下>に短縮できる画期的な技術~」、[online]、平成29年10月24日、中部電力株式会社ウェブページ、[平成30年6月22日検索]、インターネット<URL:http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/3266100_21432.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記非特許文献1に開示された急速冷却装置は、冷却時間短縮および製品不良防止の両立を図ることができる一方、高圧エアを使用するために、設置場所の制約を受けるおそれや、エアの消費量の増大によってランニングコストが増大するおそれがあり、この点で更に改良の余地があった。
【0006】
そこで、本発明は、ワークの不良発生を防止しつつ、迅速・容易且つ低コストにワークの冷却を行うことができる冷却装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の前記目的は、容器内に収容されたワークを冷却する冷却装置であって、前記容器内にミストを噴霧するミストノズルと、噴霧されたミストをワークに押し当てるように前記容器内に外気を押し込み供給する送風機とを備え、前記ミストノズルは、ワークに向けてミストを噴霧するように配置されており、前記容器内の気流によってワークの表面にミストを押し当てて、ワークからミストへの伝熱を促すことによりワークを冷却し、前記送風機は、流路断面が絞られた絞り部を介して前記容器に接続されている冷却装置により達成される。
【0009】
前記容器は、ワークの一方面側に吹き付けられる気流の一部をワークの周囲に拡散させる第1のガイド部を備えることが好ましい。
【0010】
前記容器は、内部に拡散された気流をワークの他方面側に吹き付けるように案内する第2のガイド部を備えることが好ましい。
【0011】
前記ミストノズルは、ワークの周囲に複数配置されていることが好ましく、前記容器内に噴霧したミストが、前記容器内の気流によってワークの表面全体に押し当てられることが好ましい。
【0012】
また、前記容器内を通過するようにワークを搬送する搬送装置を更に備えることが可能である。この場合、前記送風機およびミストノズルは、前記容器内を搬送されるワークを互いに離間する複数の冷却位置で冷却するように、各冷却位置に対応して配置されていることが好ましい。この構成においては、搬送方向上流側の冷却位置に搬送されたワークに対して前記ミストノズルが噴霧するミストの粒径が、搬送方向下流側の冷却位置に搬送されたワークに対して前記ミストノズルが噴霧するミストの粒径よりも大きいことが好ましい。また、搬送方向上流側の冷却位置に搬送されたワークに対して前記ミストノズルが噴霧するミストの単位時間あたりの噴霧量が、搬送方向下流側の冷却位置に搬送されたワークに対して前記ミストノズルが噴霧するミストの単位時間あたりの噴霧量よりも多いことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ワークの不良発生を防止しつつ、迅速・容易且つ低コストにワークの冷却を行うことができる冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る冷却装置の正面図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図2に示す冷却装置の要部拡大図である。
図4図2に示す冷却装置の変形例を示す要部拡大図である。
図5】本発明の他の実施形態に係る冷却装置の正面図である。
図6図5のB-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る冷却装置の正面図であり、図2は、図1のA-A断面図である。図1および図2に示すように、冷却装置1は、容器10および送風機20を備えている。
【0016】
容器10は、上部に絞り部11が設けられており、絞り部11の上端に供給口12が形成されている。送風機20は、供給口12に接続されており、ケーシング21の内部に配置された羽根車22が電動モータ23により回転駆動されることで、吸込口24から外気を取り込み、絞り部11を介して容器10内に外気を供給する。送風機20の種類は、容器10内に外気を押し込み供給可能であれば特に限定されないが、吹出静圧が高いターボファンやシロッコファン等の遠心ファンを、好ましく例示することができる。
【0017】
容器10の内部は、絞り部11において円形状の流路断面が絞られた後、下方に向けてテーパ状に拡がるように形成されている。容器10の下部には、くびれ部19が形成されており、くびれ部19の下方で内部が再度テーパ状に拡がるように形成されている。容器10の内壁面は、くびれ部19の上方に湾曲部10aが形成されており、この湾曲部10aによって気流が容器10の中央に向かうように案内される。容器10の下端には、気流を排出する排出口13が形成されている。排出口13は、鉛直方向に延びる絞り部11の中心線が中心を通過するように配置されている。
【0018】
くびれ部19の上部には格子状の載置台15が設けられており、容器10の側壁に開閉自在に設けられた扉14を介して、ワークWを載置台15に搭載することができる。
【0019】
容器10の内部には、載置台15に搭載されるワークWを取り囲むように、複数のミストノズル31,32,33が設けられている。すなわち、容器10の上部および下部に、第1のミストノズル31および第2のミストノズル32がそれぞれ配置されており、ワークWと略同じ高さの周囲に、第3のミストノズル33が周方向に90度ずつ間隔をあけて4個配置されている。第1のミストノズル31、第2のミストノズル32および第3のミストノズル33は、加圧ポンプや開閉弁を適宜介して水道管や貯水タンク等の給水源(いずれも図示せず)に接続されており、ワークWに向けてミストを噴霧するように、不図示のブラケットにより支持されている。噴霧される液体は、水道水に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類やフロン等のように、粘性が低く40~150℃程度で蒸発する液体を使用してもよい。ミストノズル31,32,33は、一流体ノズルであってもよく、あるいは、圧縮空気と混合する二流体ノズルであってもよい。
【0020】
また、容器10の内部には、絞り部11を介して容器10内に導入される気流を案内する第1のガイド部41および第2のガイド部42が設けられている。第1のガイド部41は、絞り部11の近傍に設けられており、容器10の内壁面に放射状に設けられた複数のリブ41aを備えている。第2のガイド部42は、容器10の内壁面から延びる支持ロッド(図示せず)により載置台15の下方近傍に支持されており、ガイド溝42aを備えている。ガイド溝42aは、底面がワークWに対向しており、第2のミストノズル32を取り囲むようにリング状に形成されている。
【0021】
上記の構成を備える冷却装置1は、送風機20を作動させると共に、第1のミストノズル31、第2のミストノズル32および第3のミストノズル33を作動させることにより、容器10内に外気およびミストが供給される。
【0022】
図3は、容器10の内部を拡大して示す断面図であり、容器10内における気流およびミスト流れを、破線の矢印で示している。載置台15に搭載したワークWが直方体状である場合、第1のミストノズル31、第2のミストノズル32および第3のミストノズル33から、それぞれワークWの上面、下面および側面に向けて、ミストM1,M2,M3が噴射される。容器10に導入される気流は、絞り部11を通過することにより整流され、流速分布が均一となって容器10内に導入される。絞り部11の断面中央部を通過した気流F1は、ワークWの上面に吹き付けられ、第1のミストノズル31から噴霧されたミストM1をワークWの上面に押し当てる。
【0023】
一方、絞り部11の断面周縁部を通過した気流は、容器10の内壁面に沿って拡散される。本実施形態においては、絞り部11の近傍に第1のガイド部41が設けられているため、絞り部11の断面周縁部を通過する気流を、より確実に拡散させることができる。第1のガイド部41は、本実施形態のリブ状のものに限定されず、例えば、格子状やスリット状の構造を有する部材であってもよい。
【0024】
容器10内で拡散された気流のうち、主として湾曲面10aによって案内される気流F3は、ワークWの側面に吹き付けられ、第3のミストノズル33から噴霧されたミストM3をワークWの側面に押し当てる。また、くびれ部19を通過した気流のうち、主として第2のガイド部42により案内される気流F2は、格子状の載置台15を介してワークWの下面に吹き付けられ、第2のミストノズル42から噴霧されたミストM2をワークWの下面に押し当てる。こうして、ワークWの各面に吹き付けられた気流は、第2のガイド部42の周囲を通過して外部に排出される。
【0025】
このように、本実施形態の冷却装置1は、容器10内に噴霧したミストを、ワークWの表面全体に押し当てることができるので、高い冷却効果を得ることができる。すなわち、ワークWに付着したミストは、ワークWがまだ高温(例えば、140~300℃程度)の場合にワークWの表面近傍で蒸発し、ワークWとミストとの間に蒸気膜を形成して冷却効率を低下させる、いわゆるライデンフロスト現象が生じるおそれがあるが、本実施形態の冷却装置1は、ワークWの全体にミストを確実に押し当てることができるので、ワークWからミストへの伝熱を促して、ワークWの全体を効率良く冷却することができる。したがって、ワークの不良発生を防止しつつ、ワークを迅速に冷却することができる。
【0026】
更に、本実施形態の冷却装置1は、送風機20の作動によりワークWの広範囲を確実に冷却することができるので、高圧エアを大量に使用する必要がなく、ワークの冷却を容易且つ低コストに行うことができる。
【0027】
送風機20を作動させる間にミストノズル31,32,33から噴霧されるミストの単位時間あたりの噴霧量は、一定であってもよいが、時間の経過と共に噴霧量を低減させるか、あるいは噴霧を停止させるようにミストノズル31,32,33の作動制御を行ってもよく、これによって冷却後のワークWに水分が残留するのを確実に防止することができる。
【0028】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明の具体的な態様は上記実施形態に限定されない。例えば、ワークWの形状は、直方体状に限定されず、任意の立体形状であってよく、焼き入れ等により高温になった種々の形状を有する金属製品やセラミック製品等を、迅速に冷却することができる。ミストノズル31,32,33の数や配置についても特に制限はなく、ミストが気流によってワークWの表面全体に押し当てられるように構成すればよい。例えば、ワークWが薄板状である場合には、第3のミストノズル33を設けずに、第1のミストノズル31および第2のミストノズル32のみを備える構成であってもよい。ミストノズル31,32,33は、ワークWの形状や大きさに応じて、噴霧位置や噴霧方向等を調整できるように構成してもよい。また、本実施形態の容器10は円錐状に形成されているが、容器10の形状についても特に制限はなく、例えば、容器10を四角錐状に形成し、絞り部11において四角形状の流路断面を絞るように構成することもできる。
【0029】
また、本実施形態においては、第1のガイド部41および第2のガイド部42が、それぞれ気流の拡散および収束を行うことにより、ワークWの一方面側(例えば上面)および他方面側(例えば下面)への気流の吹き付けを確実に行うように構成しているが、容器10の内壁面の形状等によって容器10内の気流を制御することも可能であり、第1のガイド部41および第2のガイド部42の一方または双方を備えない構成にすることもできる。
【0030】
また、本実施形態においては、各ミストノズル31,32,33からワークWに向けてミストM1,M2,M3を噴霧し、ミストM1,M2,M3の周囲から気流F1,F2,F3をワークWに吹き付けることにより、ワークWの表面にミストを確実に押し当てるように構成しているが、例えば、図4(a)に示すように、容器10の内壁面に沿って流れる気流Fの流れ方向に沿ってミストMを噴霧するようにミストノズル30を配置してもよく、ミストMを気流Fに乗せてワークに押し当てることもできる。ミストノズル30は、例えばブラケット30aを介して容器10の内壁面に取り付けることができる。
【0031】
あるいは、図4(b)に示すように、容器10内に生じる気流Fと交差するようにミストノズル30からミストMを噴霧し、ミストMを気流Fに混合させてワークWの表面に押し当てることもできる。この場合、気流Fの外部からミストMを噴霧すると、ミストMが気流Fによって弾かれてしまい、ミストMと気流Fとの混合が良好に行われないおそれがあることから、ミストノズル30のノズル先端30bを気流F内に配置することが好ましい。これによって、噴霧したミストMを気流Fと共にワークの表面に確実に搬送することができ、ワークを迅速に冷却することができる。
【0032】
また、本実施形態の冷却装置1は、ワークを静止状態で冷却するバッチ式の構成としているが、複数のワークを順次搬送しながら冷却する連続式の構成にすることも可能である。図5は、連続式の冷却装置101の一例を示す正面図であり、図6は、図5のB-B断面図である。図5および図6に示す冷却装置101において、図1等に示す冷却装置1と同様の構成部分には、同一の符号を付している。
【0033】
図5および図6に示すように、冷却装置101は、容器10が基台50の上面に設けられており、ベルトコンベアからなる搬送装置51を備えている。搬送装置51は、無端状に形成されたネット状のコンベアベルト51aを備えており、コンベアベルト51aに搭載されたワークWを矢示T方向に水平搬送することにより、ワークWを入口10bから容器10内に導入して、出口10cから排出する。
【0034】
容器10は、互いに離間した搬送位置である第1の冷却位置P1および第2の冷却位置P2においてワークWを冷却できるように、複数の送風機20、20が接続されている。第1の冷却位置P1および第2の冷却位置P2のそれぞれには、第1のミストノズル31および第3のミストノズル33が設けられており、噴霧されたミストを、送風機20から第1のガイド部41によって案内された気流によって、ワークWに押し付けることができる。ミストノズルの配置や気流のガイド構造は、図1等に示す冷却装置1と同様に種々の変形が可能である。容器10内の気流は、複数の送風機20の間に設置された排気ダクト16を上昇し、排出口13から排出される。
【0035】
容器10の入口10bおよび出口10c付近には、容器10内に噴霧されたミストを捕集するスチームトラップを設けてもよい。また、容器10内の冷却位置は3つ以上にすることも可能であり、各冷却位置において所望の気流が生じるように、容器10内に仕切板を適宜設けてもよい。
【0036】
上記の構成を備える冷却装置101は、複数の冷却位置P1,P2においてワークWを迅速に冷却することができるので、搬送装置51の搬送速度を高めても、ワークWを確実に冷却することができる。したがって、多数のワークWを効率良く冷却することができる。
【0037】
搬送方向上流側である第1の冷却位置P1においてワークWに噴霧するミストの粒径は、搬送方向下流側である第2の冷却位置P2においてワークWに噴霧するミストの粒径よりも大きいことが好ましい。これにより、ワークWが高温(例えば、500℃~100℃)の間は、第1の冷却位置P1において、粒径の大きいミストによりワークWの冷却を促進することができる一方、ワークWの温度が低下(例えば、100℃未満)した後は、第2の冷却位置P2において、粒径の小さいミストの蒸発を促して、冷却後のワークWに水分が残留するのを確実に防止することができる。
【0038】
あるいは、第1の冷却位置P1においてワークWに噴霧するミストの単位時間あたりの噴霧量を、第2の冷却位置P2においてワークWに噴霧するミストの単位時間あたりの噴霧量よりも多くしてもよく、これによっても上記と同様の効果を得ることができる。更には、上述した第1の冷却位置P1および第2の冷却位置P2におけるミスト粒径の制御とミスト噴霧量の制御とを併用してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1,101 冷却装置
10 容器
11 絞り部
20 送風機
31 第1のミストノズル
32 第2のミストノズル
33 第3のミストノズル
41 第1のガイド部
42 第2のガイド部
51 搬送装置
W ワーク
P1 第1の冷却位置
P2 第2の冷却位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6