(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】シリアル通信システム
(51)【国際特許分類】
H04L 69/00 20220101AFI20240205BHJP
G06F 13/38 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
H04L69/00
G06F13/38 320A
G06F13/38 340D
G06F13/38 350
(21)【出願番号】P 2020096065
(22)【出願日】2020-06-02
【審査請求日】2023-01-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000203634
【氏名又は名称】多摩川精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】牛草 遼平
【審査官】和平 悠希
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-232508(JP,A)
【文献】特開2011-043904(JP,A)
【文献】特開2000-115146(JP,A)
【文献】特開2019-180010(JP,A)
【文献】特開2001-325216(JP,A)
【文献】特開2008-040582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
H04L 41/00-101/695
G06F 13/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスタデバイス(10)とスレーブデバイス(20)との間で、複数の信号線を有する通信ライン(30)を通して、通信フォーマットに従ってシリアル通信を行うシリアル通信システムであって、
前記複数の信号線のいずれかが前記通信フォーマットの切り替えを行うための切り替え信号を前記スレーブデバイス(20)に供給し、前記通信フォーマットを切り替え
るものであり、
前記マスタデバイス(10)、前記スレーブデバイス(20)、及び前記通信ライン(30)のいずれかは、特定の端子部に対応するいずれかの前記信号線に対し、前記切り替え信号を供給する切り替え信号生成部を有し、
前記スレーブデバイス(20)は、
複数の通信フォーマットに対応する通信部(22)と、
前記複数の通信フォーマットのいずれか一つを選択する選択部(23)と、
前記複数の信号線に対応する複数の端子部を通して、前記通信ライン(30)と前記通信部(22)との間で信号を通過させる入出力部(24)とを備え、
前記入出力部(24)中の前記複数の通信フォーマットにおいて送信のみに使用される前記端子部を前記特定の端子部として定め、
前記特定の端子部は、前記信号を送信する送信回路と、前記切り替え信号を受信する受信回路とを有し、前記送信回路は前記切り替え信号を読み込むときにオープン状態となり、
前記受信回路は、前記切り替え信号生成部から供給される前記切り替え信号を受信して前記選択部(23)に供給し、
前記選択部(23)は、前記特定の端子部を通して供給される前記切り替え信号に応じて選択を切り替える
シリアル通信システム。
【請求項2】
前記選択部(23)は、前記切り替え信号を読み込み、前記複数の通信フォーマットの中から前記マスタデバイス(10)の通信フォーマットに一致する通信フォーマットを選択する
請求項
1に記載のシリアル通信システム。
【請求項3】
前記マスタデバイス(10)はコントローラ、前記スレーブデバイス(20)はセンシングデバイスであり、
前記コントローラと前記センシングデバイスとの間で前記シリアル通信を行う
請求項1
または2に記載のシリアル通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シリアル通信システムに関し、特に、マスタデバイスと、複数の通信フォーマットに対応するスレーブデバイスとの間のシリアル通信に関する。
【背景技術】
【0002】
マスタデバイスとスレーブデバイスとの間、具体的には、コントローラとセンシングデバイスとの間で、シリアル通信によりコマンドとデータとを送受信することが一般的に行われている。このような構成のシリアル通信システムは、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の特許文献1には、マスタデバイスとスレーブデバイスの通信システムにおける通信の技術が開示されている。この通信システムにおいて通信データのモードを切り替える場合、通信ラインを介して、マスタデバイスからモード切り替え信号をスレーブデバイスに通知する必要がある。この場合、モード切り替え前から、スレーブデバイスがマスタデバイスを認識できている必要がある。すなわち、通信システム起動時の通信フォーマットが限定される問題がある。
【0005】
通信システム起動時の通信フォーマットを限定しないのであれば、通信ラインの信号線とは別に、モード設定専用の端子をスレーブデバイスに設けておいて、そのモード設定専用の端子によりスレーブデバイスのモード設定を行う必要がある。
【0006】
従って、通信システム起動時の通信フォーマットに影響されず、モード設定専用の端子を用いることなく、複数の通信フォーマットに対応するスレーブデバイスの通信フォーマットを、マスタデバイスの通信フォーマットに一致させて、マスタデバイスとスレーブデバイスとの間でシリアル通信を行えることが望まれている。
【0007】
本発明は、起動時の通信フォーマットに影響されず、モード設定専用の端子を用いることなく、マスタデバイスの通信フォーマットとスレーブデバイスの通信フォーマットとを一致させて、マスタデバイスとスレーブデバイスとの間でシリアル通信を行うことが可能なシリアル通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)この発明に係るシリアル通信システムは、マスタデバイスとスレーブデバイスとの間で、複数の信号線を有する通信ラインを通して、通信フォーマットに従ってシリアル通信を行うシリアル通信システムであって、複数の信号線のいずれかが通信フォーマットの切り替えを行うための切り替え信号をスレーブデバイスに供給し、通信フォーマットを切り替える。
【0009】
(2)この発明に係るシリアル通信システムは、マスタデバイスとスレーブデバイスとの間で、複数の信号線を有する通信ラインを通して、通信フォーマットに従ってシリアル通信を行うシリアル通信システムであって、スレーブデバイスは、複数の通信フォーマットに対応する通信部と、複数の通信フォーマットのいずれか一つを選択する選択部と、複数の信号線に対応する複数の端子部を通して、通信ラインと通信部との間で信号を通過させる入出力部とを有し、マスタデバイス、スレーブデバイス、及び通信ラインのいずれかは、特定の端子部に対応するいずれかの信号線に対し、切り替え信号を供給する切り替え信号生成部を有し、選択部は、特定の端子部を通して供給される切り替え信号に応じて選択を切り替える。
【0010】
(3)この発明に係るシリアル通信システムにおいて、スレーブデバイスは、複数の通信フォーマットにおいて送信のみに使用される端子部を特定の端子部として定め、特定の端子部は、信号を送信する送信回路と、切り替え信号を受信する受信回路とを有し、送信回路は切り替え信号を読み込むときにオープン状態となり、受信回路は、切り替え信号生成部から供給される切り替え信号を受信して選択部に供給する。
【0011】
(4)この発明に係るシリアル通信システムにおいて、選択部は、切り替え信号を読み込み、複数の通信フォーマットの中から、マスタデバイスの通信フォーマットに一致する通信フォーマットを選択する。
(5)この発明に係るシリアル通信システムにおいて、マスタデバイスはコントローラ、スレーブデバイスはセンシングデバイスであり、コントローラとセンシングデバイスとの間でシリアル通信を行う。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、起動時の通信フォーマットに影響されず、モード設定専用の端子を用いることなく、スレーブデバイスの通信フォーマットとマスタデバイスの通信フォーマットとが一致し、マスタデバイスとスレーブデバイスとの間でシリアル通信を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システムの構成を示す構成図である。
【
図2】本発明の実施の形態1におけるスレーブデバイスの構成を示す構成図である。
【
図3】本発明の実施の形態1におけるスレーブデバイスの他の構成を示す構成図である。
【
図4】本発明の実施の形態1におけるスレーブデバイスの更に他の構成を示す構成図である。
【
図5】本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システムの構成を示す構成図である。
【
図6】本発明の実施の形態1におけるマスタデバイスの構成を示す構成図である。
【
図7】本発明の実施の形態1におけるマスタデバイスの他の構成を示す構成図である。
【
図8】本発明の実施の形態1におけるマスタデバイスの更に他の構成を示す構成図である。
【
図9】本発明の実施の形態1におけるマスタデバイスの更に他の構成を示す構成図である。
【
図10】本発明の実施の形態1におけるスレーブデバイスの構成を示す構成図である。
【
図11】本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システムの通信設定処理シーケンスを示すタイミングチャートである。
【
図12】本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システムの通信設定処理シーケンスを示すタイミングチャートである。
【
図13】本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システムの構成を示す構成図である。
【
図14】本発明の実施の形態1におけるスレーブデバイスの他の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のシリアル通信システムの実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、各図において、同一部分には同一符号を付している。
【0015】
実施の形態1.
はじめに、本発明の実施の形態1において、シリアル通信システムの基本的な構成について、
図1を参照して説明する。
【0016】
[シリアル通信システム1Aの構成]
図1は、本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システム1Aの構成を示す構成図である。
図1において、シリアル通信システム1Aは、主に、マスタデバイス10と、スレーブデバイス20と、通信ライン30とを備えている。
【0017】
マスタデバイス10はコントローラ、スレーブデバイス20はセンシングデバイスとして、マスタスレーブ型のシリアル通信システムを構成している。マスタデバイス10は、スレーブデバイス20に対してシリアル通信によりコマンドを送信する。コマンドを受信したスレーブデバイス20は、制御対象の各種状態を検知して得たデータをシリアル通信によりマスタデバイス10に送信する。
【0018】
マスタデバイス10は、シリアル通信機能を備えたコントローラであり、主に、マスタ制御部11と、通信部12と、入出力部13とを備えている。
【0019】
マスタ制御部11は、スレーブデバイス20からシリアル通信によりデータを読み出す際の各種制御を行う。通信部12は、マスタ制御部11の制御に基づいて、通信ライン30を通して、スレーブデバイス20内の通信部22とシリアル通信を行う。
【0020】
入出力部13は、通信ライン30の複数の信号線に対応した複数の端子部として第1端子部131~第4端子部134を備え、第1端子部131~第4端子部134に通信ライン30の複数の信号線が接続され、通信部12と通信ライン30との間で信号を通過させる。
【0021】
以上の構成により、マスタデバイス10は、通信部12により定められたいずれか一の通信フォーマットにより、スレーブデバイス20とシリアル通信を行う。
【0022】
スレーブデバイス20は、シリアル通信機能を備えたセンシングデバイスであり、主に、センサSと、信号処理部21と、通信部22と、選択部23と、入出力部24と、スレーブ制御部25と、切り替え信号生成部26とを備えている。
【0023】
センサSは、制御対象の各種状態を検知して得たデータを信号処理部21に供給する。信号処理部21は、センサSからのデータに各種の信号処理を施す。通信部22は、複数の通信フォーマットに対応してシリアル通信することが可能であり、第1通信フォーマットに対応する第1フォーマット通信部221と、第2通信フォーマットに対応する第2フォーマット通信部222とを備えている。
【0024】
選択部23は、切り替え信号に応じて、通信部22における複数の通信部のいずれか一つ、すなわち、第1フォーマット通信部221と第2フォーマット通信部222とのいずれか一方を選択する。入出力部24は、通信ライン30の複数の信号線に対応した複数の端子部として第1端子部241~第4端子部244を備え、第1端子部241~第4端子部244に通信ライン30の複数の信号線が接続され、選択部23と通信ライン30との間で信号を通過させる。スレーブ制御部25は、スレーブデバイス20内の各部を制御する。
【0025】
切り替え信号生成部26は、入出力部24中の特定の端子部に対応するいずれかの信号線に対し、マスタデバイス10の通信フォーマットに対応して予め定められた電圧を切り替え信号として供給する。
図1では、第4端子部244が特定の端子部に該当する具体例を示している。
【0026】
このシリアル通信システム1Aにおいて、マスタデバイス10の通信フォーマットが確定している状態で、ユーザは、マスタデバイス10の通信フォーマットに従って、切り替え信号生成部26の切り替え信号を後述するように設定しておく。そして、スレーブデバイス20において、切り替え信号生成部26から供給される切り替え信号を選択部23が読み込み、選択部23が通信部22の選択を切り替える。
【0027】
以上のシリアル通信システム1Aにおけるマスタデバイス10とスレーブデバイス20とのシリアル通信において、複数の通信フォーマットとして同期式SPI通信と調歩同期式通信の2方式を具体例として、同期式SPI通信信号を第1フォーマット通信信号として実線矢印で示し、調歩同期式通信信号を第2フォーマット通信信号として破線矢印で示している。また、切り替え信号を白抜き三角矢印で示している。この複数の通信フォーマットの信号の流れと切り替え信号との関係については、
図2以降において説明する。
【0028】
ここで、スレーブデバイス20における入出力部24と切り替え信号生成部26の構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、本発明の実施の形態1におけるスレーブデバイス20の構成を示す構成図である。
【0029】
入出力部24は、第1端子部241と、第2端子部242と、第3端子部243と、第4端子部244とを備えている。
第1端子部241は、第1フォーマット通信信号を受信するため、受信回路としてのシュミットトリガ回路STを備えている。このシュミットトリガ回路STの入力には、プルアップ抵抗Rpuが接続されている。
【0030】
第2端子部242は、第1フォーマット通信信号を受信する受信回路としてのシュミットトリガ回路STと、第2フォーマット通信信号を送信する送信回路としてのバッファ回路BUFとを、入出力の方向が互いに逆向きになるように並列に備えている。すなわち、第2端子部242において、第1フォーマット通信信号を受信する受信回路のシュミットトリガ回路STの入力と、第2フォーマット通信信号を送信する送信回路のバッファ回路BUFの出力とが共に、通信ライン30中の同じ通信線に接続されている。シュミットトリガ回路STの出力とバッファ回路BUFの入力とは、選択部23に接続されている。ここで、シュミットトリガ回路STの入力には、プルアップ抵抗Rpuが接続されている。バッファ回路BUFは、シュミットトリガ回路STの受信時において、出力端子をオープンにできるようトライステートバッファにより構成されている。
【0031】
第3端子部243は、第1フォーマット通信信号と第2フォーマット通信信号とを受信するため、受信回路としてのシュミットトリガ回路STを備えている。このシュミットトリガ回路STの入力には、プルアップ抵抗Rpuが接続されている。
【0032】
第4端子部244は、シリアル通信において、第1フォーマット通信信号と第2フォーマット通信信号との送信のみに使用されるため、特定の端子部として切り替え信号を受信する受信回路が設けられる。このため、第4端子部244は、第1フォーマット通信信号と第2フォーマット通信信号とを送信する送信回路としてのバッファ回路BUFと、切り替え信号を受信する受信回路としてのシュミットトリガ回路STとを、入出力の方向が互いに逆向きになるように並列に備えている。すなわち、第4端子部244において、切り替え信号を受信する受信回路のシュミットトリガ回路STの入力と、第1フォーマット通信信号と第2フォーマット通信信号とを送信する送信回路のバッファ回路BUFの出力とが共に、通信ライン30中の同じ通信線に接続されている。シュミットトリガ回路STの出力とバッファ回路BUFの入力とは、選択部23に接続されている。
【0033】
第4端子部244のシュミットトリガ回路STの入力には、プルアップ抵抗Rpuが接続されている。シュミットトリガ回路STは、受信した切り替え信号を、選択部23に供給する。第4端子部244のシュミットトリガ回路STは、入力にプルアップ抵抗Rpuが接続され、出力は切り替え信号を選択部23に供給する。
この第4端子部244は、異なる複数の通信フォーマットのシリアル通信において送信のみに使用されるため、送信回路としてのバッファ回路BUFFはトライステートバッファで構成されており、トライステートバッファの出力端子を、切り替え信号の読み込み時のみ出力端子をオープン状態とする。これにより、受信回路のシュミットトリガ回路STは、切り替え信号以外の信号を受信することがなく、従って他の信号を切り替え信号と誤認する可能性がなく、切り替え信号の取り扱いに適している。
【0034】
切り替え信号生成部26は、マスタデバイス10の通信フォーマットに対応して予め定められた電圧を切り替え信号として生成し、第4端子部244に供給する。
図2に示される切り替え信号生成部26は、プルアップ抵抗Rsetupにより生成されるHレベル電圧を、切り替え信号として第4端子部244に供給する。ここで、シュミットトリガ回路STの入力に接続されたプルアップ抵抗Rpuと、第4端子部244に接続されたプルアップ抵抗Rsetupとの抵抗値の関係を、Rpu≫Rsetup と設定することで、トライステートバッファの出力端子がオープン状態のときに、Hレベルの切り替え信号がシュミットトリガ回路STに正しく読み込まれる。
【0035】
選択部23は、入出力部24を通して切り替え信号生成部26から供給されるHレベルの切り替え信号を読み込み、第1フォーマット通信部221と第2フォーマット通信部222とのいずれか一方を選択する。この結果、マスタデバイス10の通信フォーマットと、スレーブデバイス20の通信フォーマットが一致する。
【0036】
次に、スレーブデバイス20における切り替え信号生成部26の他の構成について、
図3を参照して説明する。
図3は、本発明の実施の形態1におけるスレーブデバイス20の他の構成を示す構成図である。
【0037】
図3に示される切り替え信号生成部26は、プルダウン抵抗Rsetdownにより生成されるLレベル電圧を、切り替え信号として第4端子部244に供給する。ここで、シュミットトリガ回路STの入力に接続されたプルアップ抵抗Rpuと、第4端子部244に接続されたプルダウン抵抗Rsetdownとの抵抗値の関係を、Rpu≫Rsetdown と設定することで、トライステートバッファの出力端子がオープン状態のときに、Lレベルの切り替え信号がシュミットトリガ回路STに正しく読み込まれる。
【0038】
そして、選択部23は、入出力部24を通して切り替え信号生成部26から供給されるLレベルの切り替え信号を読み込み、第1フォーマット通信部221と第2フォーマット通信部222とのいずれか他方を選択する。この結果、マスタデバイス10の通信フォーマットと、スレーブデバイス20の通信フォーマットが一致する。
【0039】
次に、スレーブデバイス20における切り替え信号生成部26の更に他の構成について、
図4を参照して説明する。
図4は、本発明の実施の形態1におけるスレーブデバイス20の更に他の構成を示す構成図である。
【0040】
図4に示される切り替え信号生成部26は、プルアップ抵抗Rsetupと、プルダウン抵抗Rsetdownと、スイッチ26aを備えている。スイッチ26aにおいて、共通端子COMは第4端子部244に接続され、A1端子はプルアップ抵抗Rsetupに接続され、A2端子はプルダウン抵抗Rsetdownに接続され、NC端子は未接続のオープン状態である。プルアップ抵抗Rpuと、プルダウン抵抗Rsetdownと、プルアップ抵抗Rsetupとの抵抗値の関係は、
図2及び
図3における説明と同様とする。ユーザは、マスタデバイス10の通信フォーマットが確定している状態で、マスタデバイス10の通信フォーマットに従って、切り替え信号生成部26の切り替え信号を設定する。
【0041】
ここで、切り替え信号生成部26は、スイッチ26aのCOM端子とA1端子とが接続されると、プルアップ抵抗Rsetupにより生成されるHレベル電圧を、切り替え信号として第4端子部244に供給する。切り替え信号生成部26は、スイッチ26aのCOM端子とA2端子とが接続されると、プルダウン抵抗Rsetdownにより生成されるLレベル電圧を、切り替え信号として第4端子部244に供給する。一方、切り替え信号生成部26は、スイッチ26aのCOM端子とNC端子とが接続されると、切り替え信号を第4端子部244に供給しない。
【0042】
そして、選択部23は、入出力部24を通して切り替え信号生成部26から供給されるHレベルまたはLレベルの切り替え信号を読み込み、第1フォーマット通信部221と第2フォーマット通信部222とのいずれかを選択する。この結果、マスタデバイス10の通信フォーマットと、スレーブデバイス20の通信フォーマットが一致する。
【0043】
[シリアル通信システム1Bの構成]
次に、本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システム1Bの構成について、
図5を参照して説明する。
図5は、本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システム1Bの構成を示す構成図である。
図5に示すシリアル通信システム1Bについて、
図1に示したシリアル通信システム1Aと同一物には同一符号を付すことで、重複した説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0044】
図5に示すシリアル通信システム1Bでは、マスタデバイス10内に、切り替え信号生成部14を備えている。切り替え信号生成部14は、通信ライン30を通してスレーブデバイス20の第4端子部244に切り替え信号を供給するため、スレーブデバイス20の第4端子部244に対応するマスタデバイス10の第4端子部134に、予め定められた電圧を切り替え信号として生成して供給する。なお、
図5において、
図1と同様に第4端子部244が特定の端子部に該当する具体例を示している。ここで、マスタ制御部11またはユーザは、マスタデバイス10の通信フォーマットに従って、切り替え信号生成部14の切り替え信号を設定する。
【0045】
次に、マスタデバイス10における切り替え信号生成部14の構成について、
図6を参照して説明する。
図6は、本発明の実施の形態1におけるマスタデバイス10の構成を示す構成図である。
【0046】
マスタデバイス10は、シリアル通信機能を備えたコントローラであり、主に、マスタ制御部11と、通信部12と、入出力部13と、切り替え信号生成部14とを備えている。入出力部13は、第1端子部131と、第2端子部132と、第3端子部133と、第4端子部134とを備えており、
図2以降に示す入出力部24と同様に、シュミットトリガ回路STとバッファ回路BUFとにより構成されている。
【0047】
切り替え信号生成部14は、マスタデバイス10の通信フォーマットに対応して予め定められた電圧を切り替え信号として生成する。
図6に示される切り替え信号生成部14は、プルアップ抵抗Rsetupにより生成されるHレベル電圧を、切り替え信号として第4端子部134に供給する。第4端子部134に供給された切り替え信号は、通信ライン30を通り、スレーブデバイス20の第4端子部244に供給される。
【0048】
例えば、マスタデバイス10において通信部12が第2フォーマットである場合、切り替え信号生成部14は、Hレベルの電圧を切り替え信号として、第4端子部134から通信ライン30を通してスレーブデバイス20に送出する。
【0049】
次に、マスタデバイス10における切り替え信号生成部14の他の構成について、
図7を参照して説明する。
図7は、本発明の実施の形態1におけるマスタデバイス10の他の構成を示す構成図である。
【0050】
図7に示される切り替え信号生成部14は、プルダウン抵抗Rsetdownにより生成されるLレベル電圧を、切り替え信号として第4端子部134に供給する。第4端子部134に供給された切り替え信号は、通信ライン30を通り、スレーブデバイス20の第4端子部244に供給される。
【0051】
例えば、マスタデバイス10において通信部12が第1フォーマットである場合、切り替え信号生成部14は、Lレベルの電圧を切り替え信号として、第4端子部134から通信ライン30を通してスレーブデバイス20に送出する。
【0052】
次に、マスタデバイス10における切り替え信号生成部14の更に他の構成について、
図8を参照して説明する。
図8は、本発明の実施の形態1におけるマスタデバイス10の更に他の構成を示す構成図である。
【0053】
図8に示される切り替え信号生成部14は、プルアップ抵抗Rsetupと、プルダウン抵抗Rsetdownと、スイッチ調整部14aと、スイッチ14bとを備えている。スイッチ14bにおいて、共通端子COMは第4端子部134に接続され、A1端子はプルアップ抵抗Rsetupに接続され、A2端子はプルダウン抵抗Rsetdownに接続され、NC端子は未接続のオープン状態である。
【0054】
ここで、切り替え信号生成部14は、スイッチ調整部14aの調整により、スイッチ14bのCOM端子とA1端子とが接続されると、プルアップ抵抗Rsetupにより生成されるHレベル電圧を、切り替え信号として第4端子部134に供給する。切り替え信号生成部14は、スイッチ14bのCOM端子とA2端子とが接続されると、プルダウン抵抗Rsetdownにより生成されるLレベル電圧を、切り替え信号として第4端子部134に供給する。一方、切り替え信号生成部14は、スイッチ14bのCOM端子とNC端子とが接続されると、切り替え信号を第4端子部134に供給しない。
【0055】
マスタ制御部11は、通信部12の通信フォーマットに応じて、スイッチ調整部14aを介してスイッチ14bの接続状態を切り替える。そして、切り替え信号生成部14は、マスタデバイス10の通信フォーマットに従って、HレベルまたはLレベルの切り替え信号を生成する。この切り替え信号は、第4端子部134から通信ライン30を経由し、スレーブデバイス20の第4端子部244に供給される。
【0056】
次に、マスタデバイス10における切り替え信号生成部14の更に他の構成について、
図9を参照して説明する。
図9は、本発明の実施の形態1におけるマスタデバイス10の更に他の構成を示す構成図である。
【0057】
図9に示される切り替え信号生成部14は、プルアップ可変抵抗VRsetupと、プルダウン可変抵抗VRsetdownと、抵抗調整部14cとを備えている。プルアップ可変抵抗VRsetupとプルダウン可変抵抗VRsetdownとの接続点は第4端子部134に接続されている。
【0058】
ここで、切り替え信号生成部14は、マスタ制御部11からの指示に基づいた抵抗調整部14cの調整により、抵抗値がVRsetup≪VRsetdownと設定されると、接続点に生じるHレベル電圧を切り替え信号として第4端子部134に供給する。切り替え信号生成部14は、マスタ制御部11からの指示に基いた抵抗調整部14cの調整により、抵抗値がVRsetup≫VRsetdownと設定されると、接続点に生じるLレベル電圧を切り替え信号として第4端子部134に供給する。
【0059】
マスタ制御部11は、通信部12の通信フォーマットに応じて、抵抗調整部14cを介してプルアップ可変抵抗VRsetupとプルダウン可変抵抗VRsetdownとの抵抗値を調整する。そして、切り替え信号生成部14は、マスタデバイス10の通信フォーマットに従って、HレベルまたはLレベルの切り替え信号を生成する。この切り替え信号は、第4端子部134から通信ライン30を経由し、スレーブデバイス20の第4端子部244に供給される。
【0060】
シリアル通信システム1Bにおいて、切り替え信号を生成する切り替え信号生成部14がマスタデバイス10に存在する場合のスレーブデバイス20の構成について、
図10を参照して説明する。
図10は、本発明の実施の形態1におけるスレーブデバイス20の構成を示す構成図である。
【0061】
図5~
図9に示したように、シリアル通信システム1Bではマスタデバイス10内に切り替え信号生成部14を備えている。このため、スレーブデバイス20側には、切り替え信号生成部を設ける必要がない。
【0062】
シリアル通信システム1Bにおけるスレーブデバイス20は、
図10に示すように、選択部23は、通信ライン30および入出力部24を通して切り替え信号生成部14から供給されるHレベルまたはLレベルの切り替え信号を読み込み、第1フォーマット通信部221と第2フォーマット通信部222とのいずれかを選択する。この結果、マスタデバイス10の通信フォーマットと、スレーブデバイス20の通信フォーマットが一致する。
【0063】
[通信設定処理シーケンス(1)]
次に、本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システム1A及び1Bにおけるスレーブデバイス20の通信設定処理シーケンスについて、第1フォーマットとしての同期式SPI通信の場合を、
図11を参照して説明する。
図11は、本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システムの通信設定処理シーケンスを示すタイミングチャートである。
【0064】
図11の(a)は、スレーブデバイス20の電源電圧を示している。この電源は、スレーブデバイス20内に電源回路を有していてもよいし、マスタデバイス10から通信ライン30を通して受電してもよい。
【0065】
図11の(a)に示すように電源電圧が上昇し閾値を超えると、
図11の(b)に示すようにロジック回路部に供給されるロジック動作電圧が少し遅れて上昇し始める。この時点で、スレーブ制御部25と
図11の(e1)~(e4)に示す第1端子部241~第4端子部244とは、
図11の(d)に示すように通信機能がリセット状態になっている。リセット状態では、第2端子部242と第4端子部244において、トライステートバッファの出力端子をオープン状態とする。
【0066】
図11の(b)に示すロジック動作電圧が上昇し、リセット解除電圧以上になると、スレーブ制御部25は、各部に対して
図11の(c)に示すパワーオンリセットPORを実行する。
【0067】
このパワーオンリセットを受けて、各部は
図11の(d)に示すように特定端子部読み込み状態になる。この特定端子部読み込み状態において、スレーブ制御部25は、第4端子部244のトライステートバッファの出力端子をオープン状態に制御する。そして、選択部23は、
図11の(e4)に示す第4端子部244からのLレベルの切り替え信号を読み込む。
【0068】
一定の特定端子部読み込み状態の期間が経過すると、
図11の(d)に示すように通信機能は端子設定反映状態になる。ここで、選択部23は、読み込んだLレベルの切り替え信号に応じて、第1フォーマット通信部221を選択する。そして、スレーブ制御部25は、端子設定反映として、
図11の(e1)に示す第1端子部241にはSCK(IN)を設定し、
図11の(e2)に示す第2端子部242にはSCSB(IN)を設定し、
図11の(e3)に示す第3端子部243にはSI(IN)を設定し、
図11の(e4)に示す第4端子部244にはSO(OUT)を設定する。ここで、スレーブ制御部25は、入力に設定された第2端子部242のトライステートバッファの出力端子をオープン状態とする。一方、スレーブ制御部25は、出力に設定された第4端子部244のトライステートバッファBUF出力端子を出力状態とする。
【0069】
[通信設定処理シーケンス(2)]
次に、本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システム1A及び1Bにおけるスレーブデバイス20の通信設定処理シーケンスについて、第2フォーマットとしての調歩同期式通信の場合を、
図12を参照して説明する。
図12は、本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システムの通信設定処理シーケンスを示すタイミングチャートである。
【0070】
図12の(a)に示すように電源電圧が上昇し閾値を超えると、
図12の(b)に示すようにロジック回路部に供給されるロジック動作電圧が少し遅れて上昇し始める。この時点で、スレーブ制御部25と
図12の(e1)~(e4)に示す第1端子部241~第4端子部244とは、
図12の(d)に示すように通信機能がリセット状態になっている。リセット状態では、第2端子部242と第4端子部244において、トライステートバッファの出力端子をオープン状態とする。
【0071】
図12の(b)に示すロジック動作電圧が上昇し、リセット解除電圧以上になると、
スレーブ制御部25は、各部に対して
図12の(c)に示すパワーオンリセットPORを実行する。
【0072】
このパワーオンリセットを受けて、各部は
図12の(d)に示すように特定端子部読み込み状態になる。この特定端子部読み込み状態において、スレーブ制御部25は、第4端子部244のトライステートバッファの出力端子をオープン状態とする。そして、選択部23は、
図12の(e4)に示す第4端子部244からのHレベルの切り替え信号を読み込む。
【0073】
一定の特定端子部読み込み状態の期間が経過すると、
図12の(d)に示すように通信機能は端子設定反映状態になる。ここで、選択部23は、読み込んだHレベルの切り替え信号に応じて第2フォーマット通信部222を選択する。
【0074】
すなわち、スレーブ制御部25は、端子設定反映として、
図12の(e1)に示す第1端子部241は未設定とし、
図12の(e2)に示す第2端子部242にはTXEN(OUT)を設定し、
図12の(e3)に示す第3端子部243にはRX(IN)を設定し、
図12の(e4)に示す第4端子部244にはTX(OUT)を設定する。ここで、スレーブ制御部25は、出力に設定された第2端子部242と第4端子部244とのトライステートバッファBUFの出力端子を出力状態とする。
【0075】
[シリアル通信システム1Cの構成]
次に、本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システム1Cの構成について、
図13を参照して説明する。
図13は、本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システム1Bの構成を示す構成図である。
図13に示すシリアル通信システム1Cについて、
図1に示したシリアル通信システム1Aと同一物には同一符号を付すことで、重複した説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0076】
図13に示すシリアル通信システム1Cでは、通信ライン30に接続可能ないずれかの位置に中継装置40を設け、この中継装置40内に切り替え信号生成部41を備えている。切り替え信号生成部41は、通信ライン30を通してスレーブデバイス20の第4端子部244に切り替え信号を供給するため、スレーブデバイス20の第4端子部244に対応する通信ライン30の信号線に、予め定められた電圧を切り替え信号として生成して供給する。
【0077】
切り替え信号生成部41の構成は、既に説明した切り替え信号生成部14及び切り替え信号生成部26の構成と同等の構成を用いることが可能である。このシリアル通信システム1Cにおいて、マスタデバイス10の通信フォーマットが確定している状態で、ユーザは、マスタデバイス10の通信フォーマットに従って、切り替え信号生成部41の切り替え信号を設定する。そして、スレーブデバイス20において、切り替え信号生成部41から供給される切り替え信号を選択部23が読み込む。選択部23は、入出力部24を通して切り替え信号生成部41から供給される切り替え信号を読み込み、第1フォーマット通信部221と第2フォーマット通信部222とのいずれか一方を選択する。この結果、マスタデバイス10の通信フォーマットと、スレーブデバイス20の通信フォーマットが一致する。
【0078】
[スレーブデバイス20の他の構成]
次に、本発明の実施の形態1におけるシリアル通信システム1A~1Cに含まれるスレーブデバイス20の他の構成について、
図14を参照して説明する。
図14は、本発明の実施の形態1におけるスレーブデバイス20の他の構成を示す構成図である。
図1~5、10及び13に示した通信部22と同一物には同一符号を付すことで、重複した説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0079】
図14に示すスレーブデバイス20において、通信部22と入出力部24は、選択部23を介さず接続されている。
図14に示す通信部22は、通信処理部223と、選択部224と、第1フォーマットルール部225と、第2フォーマットルール部226とを備えている。
【0080】
通信処理部223は、第1フォーマットルール部225に保持されている第1通信フォーマット用のルール、または、第2フォーマットルール部226に保持されている第2通信フォーマット用のルールのいずれかについて、選択部224で選択されたフォーマットを適用することで、シリアル通信を行うことが可能に構成されている。
【0081】
選択部224には、第4端子部244に供給されるHレベルまたはLレベルの切り替え信号が供給される。
【0082】
選択部224は、切り替え信号が供給されると、第1フォーマットルール部225と第2フォーマットルール部226とのいずれか一方を選択し、第1通信フォーマット用のルールまたは第2通信フォーマット用のルールのいずれか一方を通信処理部223に供給する。
【0083】
この結果、通信処理部223は、供給された通信フォーマットのルールが適用されることで、マスタデバイス10の通信部12と一致した通信フォーマットでシリアル通信をすることができる。
【0084】
[実施の形態により得られる効果]
この実施の形態1に係るシリアル通信システム1A~1Cによれば、切り替え信号生成部14、26、及び41が、スレーブデバイス20の特定の端子部に対応するいずれかの信号線に対して切り替え信号を供給し、スレーブデバイス20が切り替え信号に応じて通信部22の複数の通信フォーマットのいずれか一つを選択することで、マスタデバイス10とスレーブデバイス20とは共通の通信フォーマットによりシリアル通信を行うことが可能になる。そして、起動時の通信フォーマットに影響されず、モード設定専用の端子を用いることなく、スレーブデバイス20の通信フォーマットをマスタデバイス10の通信フォーマットに一致させることが可能になる。
【0085】
この実施の形態1に係るシリアル通信システム1A~1Cによれば、切り替え信号生成部14、26、及び41は、通信ライン30に接続されるスレーブデバイス20の第1端子部241~第4端子部244のうち、異なる複数の通信フォーマットにおいて送信のみに使用される特定の端子部に切り替え信号を供給し、また切り替え信号の読み込み時にのみトライステートバッファの出力端子をオープンとするため、特定の端子部は切り替え信号以外の信号を受信することがなく、他の信号を切り替え信号と誤認する可能性がない。このため、モード設定専用の端子が不要であるだけでなく、モード切り替え時の安全性も向上する。
【0086】
この実施の形態1に係るシリアル通信システム1A~1Cによれば、スレーブデバイス20は、複数の通信フォーマットに対応することができるため、各種の通信フォーマットを使用するマスタデバイス10との組み合わせにおいて使用することが可能になる。
【0087】
この実施の形態1に係るシリアル通信システム1A~1Cによれば、マスタデバイス10をコントローラに適用し、スレーブデバイス20をセンシングデバイスに適用することで、コントローラとセンシングデバイスとの間で共通の通信フォーマットによりシリアル通信を行うことが可能なセンシングシステムを実現することができる。
【0088】
[その他の実施の形態]
以上の実施の形態1の説明において、第4端子部244を特定の端子部として説明したが、これに限定されず、使用予定の複数の通信フォーマットのシリアル通信において送信のみに使用される端子部を特定の端子部と設定することができる。
【0089】
以上の実施の形態1のシリアル通信システム1A~1Cの説明では、複数の通信フォーマットとして同期式SPI通信と調歩同期式通信の2方式を具体例としたが、これに限定されず、同期式I2C通信、その他各種の同期式通信と非同期式通信において以上の実施の形態1のシリアル通信システム1A~1Cを適用することが可能である。
【0090】
以上の実施の形態1の説明において、
図11と
図12では、シリアル通信システム1A~1Cの起動時においてパワーオンリセット後に通信フォーマットを選択する具体例を示したが、これに限定されず、起動時以外の任意のタイミングに切り替え信号を読み込むことにより通信フォーマットを切り替えることも可能である。また、HレベルとLレベルの切り替え信号を示したが、これ以外の中間レベルの切り替え信号を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0091】
1A,1B,1C シリアル通信システム、10 マスタデバイス、11 マスタ制御部、12 通信部、13 入出力部、20 スレーブデバイス、21 信号処理部、22 通信部、23 選択部、24 入出力部、30 通信ライン、40 中継装置、S センサ。