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▶ 後藤 晋章の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】矯正具
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20240205BHJP
   A47C 27/15 20060101ALI20240205BHJP
   A47C 31/12 20060101ALI20240205BHJP
   A47C 7/18 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
A61F5/01 D
A61F5/01 K
A61F5/01 G
A47C27/15 D
A47C31/12
A47C7/18
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020007901
(22)【出願日】2020-01-21
(65)【公開番号】P2020179151
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2019082391
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514211976
【氏名又は名称】後藤 晋章
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(72)【発明者】
【氏名】後藤 晋章
【審査官】黒田 正法
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3094169(JP,U)
【文献】登録実用新案第3184239(JP,U)
【文献】特開2018-117787(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0080103(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0005448(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/01
A47C 27/15
A47C 31/12
A47C 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を備えたベースと、
前記ベースの上面に離間して設けられた左右の隆起部と、
前記ベースの下面に形成された下側凹部と、
を備え、
前記ベースには、前記左右の隆起部間に位置して前後方向に延びる複数の中間隆起部が左右方向に連続状に設けられ、前記左右の隆起部は前記中間隆起部よりも高さ方向の膨らみが大きく、
前記左右の隆起部と、前記左右の隆起部間に位置する前記複数の中間隆起部の上面と、から身体の部分が載る凹状の載置部が形成されており、
前記下側凹部は前記載置部の下方に位置しており、前記載置部に作用した荷重による前記ベースの下方への変形及び当該ベースの下方への変形に伴う前記載置部の変形を許容するようになっている、
矯正具。
【請求項2】
前記ベース、前記左右の隆起部、前記複数の中間隆起部は一体形成されている、
請求項1に記載の矯正具。
【請求項3】
前記左右の隆起部、前記複数の中間隆起部のそれぞれの境界には、前記ベースの厚さを狭めるようにステッチが設けてあり、ステッチの両側に前記隆起部となる膨らみが形成されている、
請求項2に記載の矯正具。
【請求項4】
前記左右の隆起部、前記複数の中間隆起部の少なくとも1つの隆起部は、前記ベースの上面に着脱可能であり、前記ベースに対する前記少なくとも1つの隆起部の位置ないし向きが可変となっている、
請求項1に記載の矯正具。
【請求項5】
前記矯正具は、後方部位の幅を狭めるように、後方部位を絞る手段を備えている、
請求項1~4いずれか1項に記載の矯正具。
【請求項6】
弾性を備えたベースと、
前記ベースの上面に離間して設けられた左右の隆起部と、
前記ベースの下面に形成された下側凹部と、
を備え、
前記ベースには、前記左右の隆起部間に位置して左右方向に延びる複数の中間隆起部が前後方向に連続状に設けられ、前記左右の隆起部は前記中間隆起部よりも高さ方向の膨らみが大きく、
前記左右の隆起部と、前記左右の隆起部間に位置する前記複数の中間隆起部の上面と、から身体の部分が載る凹状の載置部が形成されており、
前記下側凹部は前記載置部の下方に位置しており、前記載置部に作用した荷重による前記ベースの下方への変形及び当該ベースの下方への変形に伴う前記載置部の変形を許容するようになっている、
矯正具。
【請求項7】
前記ベース、前記左右の隆起部、前記複数の中間隆起部は一体形成されている、
請求項6に記載の矯正具。
【請求項8】
前記左右の隆起部、前記複数の中間隆起部のそれぞれの境界には、前記ベースの厚さを狭めるようにステッチが設けてあり、ステッチの両側に前記隆起部となる膨らみが形成されている、
請求項7に記載の矯正具。
【請求項9】
前記左右の隆起部、前記複数の中間隆起部の少なくとも1つの隆起部は、前記ベースの上面に着脱可能であり、前記ベースに対する前記少なくとも1つの隆起部の位置ないし向きが可変となっている、
請求項6に記載の矯正具。
【請求項10】
左右の隆起部と、前記左右の隆起部間に位置して前後方向に延びる複数の中間隆起部と、から一体形成されており、
前記左右の隆起部は前記中間隆起部よりも高さ方向の膨らみが大きく、
前記左右の隆起部と、前記左右の隆起部間に位置する前記複数の中間隆起部の上面と、から身体の部分が載る凹状の載置部が形成されており、
前記凹状の載置部の下面側下側部が形成されており、前記載置部に作用した荷重による当該載置部の変形を許容するようになっている、
矯正具。
【請求項11】
前記矯正具は、表面材と表面材の内部に充填された芯材からなる可撓性部材であって、
前記左右の隆起部、前記複数の中間隆起部のそれぞれの境界には、前記可撓性部材の厚さを狭めるようにステッチが設けてあり、ステッチの両側に前記隆起部となる膨らみが形成されている、
請求項10に記載の矯正具。
【請求項12】
左右の隆起部と、前記左右の隆起部間に位置して左右方向に延びる複数の中間隆起部と、から一体形成されており、
前記左右の隆起部は前記中間隆起部よりも高さ方向の膨らみが大きく、
前記左右の隆起部と、前記左右の隆起部間に位置する前記複数の中間隆起部の上面と、から身体の部分が載る凹状の載置部が形成されており、
前記凹状の載置部の下面側下側部が形成されており、前記載置部に作用した荷重による当該載置部の変形を許容するようになっている、
矯正具。
【請求項13】
前記矯正具は、表面材と表面材の内部に充填された芯材からなる可撓性部材であって、
前記左右の隆起部、前記複数の中間隆起部のそれぞれの境界には、前記可撓性部材の厚さを狭めるようにステッチが設けてあり、ステッチの両側に前記隆起部となる膨らみが形成されている、
請求項12に記載の矯正具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矯正具に係り、詳しくは、身体の部分を載せて用いることで身体部位の矯正を行う矯正具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願発明者は、簡単な構成で、安価に製作でき、且つ、危険を伴わずに鞭打ちの治療や、猫背の矯正、顎や骨盤の矯正など、自宅で自由な時間に簡単に用いることができる姿勢矯正具を提案している(特許文献1)。
【0003】
矯正具を用いた矯正をより効果的に行うには、使用者の体格に適した矯正具を用いることが望ましく、同様に、身体部位に適した矯正具を用いることが望ましい。
【0004】
特許文献2には、着座者の症状や体格に合わせて利用され、着座者の姿勢を安定させることが可能な椅子用クッションが開示されているが、椅子用クッションの構成要素であるブロック体の上に着座者の身体(臀部)が直接載るものではない。
【文献】特許第4143995号
【文献】特開2018-51148
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、1つの矯正具でありながら、使用者の体格に対して最適化でき、また、身体部位に応じて最適化できる矯正具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
弾性を備えたベースと、
前記ベースの上面に離間して設けられた少なくとも2つの隆起部と、
前記ベースの下面に形成された下側凹部と、
を備え、
前記少なくとも2つの隆起部と、前記少なくとも2つの隆起部間に位置するベース上面の部分と、から身体の部分が載る凹状の載置部が形成されており、
前記下側凹部は前記載置部の下方に位置しており、前記載置部に作用した荷重による前記ベースの下方への変形及び当該ベースの下方への変形に伴う前記載置部の変形を許容するようになっている矯正具であって、
前記身体の部分が載る前の状態において、前記載置部の形状ないし寸法が可変となっている、
矯正具、である。
【0007】
1つの態様では、前記ベースに対する少なくとも1つの隆起部の位置および/あるいは向きを可変とすることで、前記載置部の形状ないし寸法が可変となっている。
【0008】
1つの態様では、前記少なくとも1つの隆起部は、前記ベースの上面に着脱可能であり、前記ベースに対する前記少なくとも1つの隆起部の位置ないし向きが可変となっている。
1つの態様では、隆起部は面ファスナによってベースに着脱可能となっている。
【0009】
1つの態様では、前記少なくとも1つの隆起部は、前記ベースに対して可動(スライドあるいは/および回動)であり、前記ベースに対する前記少なくとも1つの隆起部の位置ないし向きが可変となっている。
【0010】
1つの態様では、前記下側凹部は、前記ベースの下面に設けられた2つの下向き凸部間に形成されており、
前記ベースに対する少なくとも1つの下向き凸部の位置および/あるいは向きを可変とすることで、前記載置部に荷重が作用した時の当該載置部の変形の度合いが可変となっている。
【0011】
1つの態様では、少なくとも1つの下向き凸部は、前記ベースの下面に着脱可能であり、前記ベースに対する当該下向き凸部の位置及び向きが可変となっている。
【0012】
1つの態様では、少なくとも1つの下向き凸部は、前記ベースに対して可動(スライドあるいは/および回動)であり、前記ベースに対する当該下向き凸部の位置及び向きが可変となっている。
【0013】
1つの態様では、ベース上面に形成された少なくとも1つの隆起部と、ベース下面に設けた少なくとも1つの下向き凸部と、から上下対が形成されており、
前記上下対は前記ベースに対して一体で可動となっている。
【0014】
1つの態様では、
前記ベースと、
前記ベースの上面に着脱可能に取り付けられる第1弾性要素及び第2弾性要素と、
前記ベースの下面に着脱可能に取り付けられる第3弾性要素及び第4弾性要素と、
からなり、
前記第1弾性要素及び前記第2弾性要素が、前記少なくとも2つの隆起部を形成し、
前記第3弾性要素及び前記第4弾性要素が、前記下向き凸部を形成する。
【0015】
本発明が採用した技術手段は、
弾性を備えたベースと、
前記ベースの上面に離間して着脱可能に取り付けられる第1弾性要素及び第2弾性要素と、
前記ベースの下面に離間して着脱可能に取り付けられる第3弾性要素及び第4弾性要素と、
からなり、
前記第1弾性要素と、前記第2弾性要素と、前記第1弾性要素と前記第2弾性要素の間に位置するベース上面の部分と、から身体の部分が載る凹状の載置部が形成され、
前記第3弾性要素と前記第4弾性要素の間に前記載置部の下方に位置して下側凹部が形成される、
矯正具、である。
本発明が採用した他の技術手段は、
第1面と第2面を有し、弾性を備えたベースと、
前記ベースの第1面に離間して着脱可能に設けられる第1弾性要素及び第2弾性要素と、
前記ベースの第2面に離間して設けられる第3弾性要素及び第4弾性要素と、
からなり、
第1面側には、前記第1弾性要素と、前記第2弾性要素と、前記第1弾性要素と前記第2弾性要素の間に位置するベース第1面の部分と、から身体の部分が載る凹状の載置部が形成され、
第2面側には、前記載置部の反対側に位置して、前記第3弾性要素と前記第4弾性要素の間に凹部が形成される、
矯正具、である。
1つの態様では、前記第3弾性要素、前記第4弾性要素の一方あるいは両方は前記第2面に対して着脱可能に設けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る矯正具を骨盤の矯正具として用いる場合には、矯正具の凹状の載置部に着座して用いるが、この時、ベース上の隆起部の位置あるいは/および向きを選択することで、使用者の身体に適合する載置部を用いて矯正を行うことができ、使用者の体格に適した矯正具を提供することができる。
本発明に係る矯正具を、例えば、頸椎の矯正具として用いる場合には、矯正具の凹状の載置部に後頭部を載せて用いるが、この時、ベース上の隆起部の位置あるいは/および向きを選択することで、載置部に載せる身体の部位に適合する載置部を用いて矯正を行うことができ、1つの矯正具を用意することで、異なる身体部位の矯正に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態に係る矯正具の第1態様の正面図及び平面図である。
図1A】第1の実施形態に係る矯正具の第1態様の載置部の形状及び寸法を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る矯正具の第2態様の正面図及び平面図である。
図2A】第1の実施形態に係る矯正具の第2態様の載置部の形状及び寸法を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る矯正具の第3態様の正面図及び平面図である。
図3A】第1の実施形態に係る矯正具の第3態様の載置部の形状及び寸法を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る矯正具の第4態様の正面図及び平面図である。
図4A】第1の実施形態に係る矯正具の第4態様の載置部の形状及び寸法を示す図である。
図5】矯正具のベースの下面に対する第3弾性要素、第4弾性要素の位置が可変であることを示す図である。
図6】矯正具の構成要素を示す図であり、(A)は第1弾性要素の平面図、(B)は第1弾性要素の底面図、(C)は第1弾性要素の側面図、(D)はベースの平面図である。
図7】縫目を備えたベースの平面図である。
図8】(A)は第1実施形態の変形例(下側凹部がベースと一体形成されている)を示し、(B)は第1弾性要素~第4弾性要素の他の形状を例示する図である。
図9】第2の実施形態に係る矯正具の第1態様の正面図及び平面図である。
図10】第2の実施形態に係る矯正具の第2態様の正面図及び平面図である。
図11】中間隆起部を備えた矯正具の第1実施形態を示す正面図及び平面図である。
図12】中間隆起部を備えた矯正具の第1実施形態の作用を説明する図である。
図13】中間隆起部を備えた矯正具の第1実施形態の他の態様を示す図である。
図14】中間隆起部を備えた矯正具の第1実施形態の他の態様を示す図である。
図15】中間隆起部を備えた矯正具の第1実施形態の他の態様を示す図である。
図16】中間隆起部を備えた矯正具の第2実施形態を示す。
図17】中間隆起部を備えた矯正具の第2実施形態における中間隆起部の態様を示す図である。
図18】中間隆起部を備えた矯正具の第2実施形態の他の態様を示す図である。
図19】中間隆起部を備えた矯正具の第2実施形態の他の態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本実施形態に係る矯正具の正面図及び平面図である。矯正具は、弾性を備えたベース1と、ベース1の上面10に着脱可能に取り付けられる第1弾性要素2、第2弾性要素3と、ベース1の下面11に着脱可能に取り付けられる第3弾性要素4、第4弾性要素5と、を備えている。図示の態様では、第1弾性要素2、第2弾性要素3、第3弾性要素4、第4弾性要素5は同一形状、同一寸法の同一部材であるが、このものに限定されるものではない。例えば、第1弾性要素2と第2弾性要素3が同一形状、同一寸法の第1の同一部材で、第3弾性要素4と第4弾性要素5が同一形状、同一寸法の第2の同一部材(第1の同一部材と異なる)であってもよい。
【0019】
ベース1は、上面10、下面11、側縁面12を備えた所定厚の板状の弾性部材であり、クッション性、可撓性を備えている。ベース1は、表面材(上面10、下面11、側縁面12を形成する)と、表面材の中に充填された芯材とからなり、表面材は例えば繊維ないし布地からなり、芯材は、例えば、ウレタンフォーム、ポリエステル綿、ポリプロピレンの混合材からなるが、ベース1の芯材の材質は限定されず、一般にクッションとして用いられている任意の材料を芯材として採用することができる。
【0020】
後述するように、第1弾性要素2、第2弾性要素3、第3弾性要素4、第4弾性要素5は面ファスナを介してベース1の上面10ないし下面11に着脱可能に取り付けられており、1つの態様では、表面材の少なくとも上面10、下面11の少なくとも部分は、第1弾性要素2、第2弾性要素3、第3弾性要素4、第4弾性要素5の底面ないし下面に設けた面ファスナが係着可能な布地から形成されている。あるいは、面ファスナが第1部材と第2部材の対から構成されている場合に、第1部材がベース1の上面10、下面11に設けてあり、第2部材が第1弾性要素2、第2弾性要素3、第3弾性要素4、第4弾性要素5の底面ないし下面に設けてあってもよい。
【0021】
ベース1の平面視の形状、すなわち、上面10、下面11の形状は、図示の態様では、横長の円形状ないし楕円状であるが、このものに限定されるものではなく、例えば、横長方形状であってもよい。荷重が作用しない状態において、ベース1の上面10と下面11は概ねフラット状の水平面であるが、このものに限定されるものではない。例えば、図1において、ベース1の上面10の横幅方向(x方向)の中央領域の縦幅方向(Y方向)の一部あるいは全部がY方向に傾斜する傾斜面となっていてもよく、あるいは、横幅方向(x方向)の中央領域が凹状面となっていてもよい。あるいは、ベース1の上面10において、第1弾性要素2、第2弾性要素3が取り付けられる部位が僅かに凹んでいてもよい。あるいは、ベース1の上面10が緩やかに膨出する湾曲面であってもよい。
【0022】
本実施形態に係る第1弾性要素2~第4弾性要素4は実質的に同一なので、第1弾性要素2~第4弾性要素5を代表して、第1弾性要素2について説明する。第1弾性要素2は、盛り上がり状ないし膨出状の曲面からなる表面20と、フラット状の下面21と、からなり、クッション性を備えている。第2弾性要素2は、表面材(表面20と下面21を形成する)と、表面材の中に充填された芯材とからなり、表面材は例えば繊維ないし布地からなり、芯材は、例えば、ウレタンフォーム、ポリエステル綿、ポリプロピレンの混合材からなるが、ベース1の芯材の材質は限定されず、一般にクッションとして用いられている任意の材料を芯材として採用することができる。
【0023】
第1弾性要素2の下面21には面ファスナ210が設けてあり、第1弾性要素2は、ベース1の上面10、下面11の任意の位置に任意の向きで着脱可能に取り付けられるようになっている。第1弾性要素2の表面20は湾曲面ないし周面を備えているが、第1弾性要素2の表面20の立体形状については、図示のものに限定されるものではなく、ベース1の上面10に取り付けられることで、ベース1の上面10に弾性隆起部ないし弾性凸部を形成するものであればよい。本実施形態では、第1弾性要素2の表面20は平面視において長軸を境に第1半部200と第2半部201とに分けて考えることができる(図6)。図示の態様では、第1弾性要素2は平面視において横長の円形ないし楕円形状であるが、第1弾性要素2の平面形状は限定されず、例えば、横長の方形状であってもよい。図示の態様では、第1弾性要素2の下面21はフラット状の平面であるが、下面21は平面には限定されず、例えば、下方に膨出する湾曲面であってもよい。
【0024】
第2弾性要素3は、盛り上がり状ないし膨出状の曲面からなる表面30と、フラット状の下面31と、からなり、クッション性を備えている。第3弾性要素4は、盛り上がり状ないし膨出状の曲面からなる表面30と、フラット状の下面31と、からなり、クッション性を備えている。第4弾性要素5は、盛り上がり状ないし膨出状の曲面からなる表面50と、フラット状の下面51と、からなり、クッション性を備えている。本明細書における第1弾性要素2についての記載は、表面20を表面30、40、50に置き換え、下面21を下面31、41、51に置き換えることによって、第2弾性要素3~第4弾性要素5の説明として援用することができる。
【0025】
図1に示すように、第1弾性要素2と第2弾性要素3は、ベース1の上面10の所定位置に、所定の向きで互いに離間して取り付けられている。より具体的には、第1弾性要素2と第2弾性要素3は、ベース1の横幅方向(X方向)に間隔を存して離間しており、平面視楕円形状の第1弾性要素2及び第2弾性要素3は、それらの長軸がY軸に対して傾いた向きとなっており、第1弾性要素2と第2弾性要素3は、長軸方向の一端(図1では上側)が互いに離間し、他端(図1では下側)が互いに近づくような向きで取り付けられている。図示の例では、第3弾性要素4は、第1弾性要素1の直下に位置するように、ベース1の下面11の所定位置に所定の向きで取り付けられており、第4弾性要素5は、第2弾性要素2の直下に位置するように、ベース1の下面11の所定位置に所定の向きで取り付けられている。
【0026】
第1弾性要素2、第2弾性要素3は、ベース1の上面10に離間して設けられた2つの弾性隆起部を形成しており、2つの弾性隆起部(第1弾性要素2、第2弾性要素3)と、2つの弾性隆起部(第1弾性要素2、第2弾性要素3)間に位置するベース1の上面10の部分100と、から身体の部分が載る凹状の載置部6が形成されている。図1図1Aに示すように、ベース1の上面10の部分100は、平面視の横幅(X方向)において、縦幅方向(Y方向)の一端側(図では上側)が幅広で、他端側(図では下側)が幅狭となっている。
【0027】
本実施形態では、凹状の載置部6の凹部は、第1弾性要素2の表面20の第1半部200と、第2弾性要素3の表面30の第1半部300と、ベース1の上面10の部分100と、からなり、第1弾性要素2の表面20の第2半部201の少なくとも部分、第2弾性要素3の表面30の第2半部301の少なくとも部分も、載置部6を形成している。載置部6の凹部の断面視及び平面視を図1Aに示す。
【0028】
第3弾性要素4と第4弾性要素5は、ベース1の下面11に離間して取り付けられることで、離間する下向き凸部を形成しており、第3弾性要素4と第4弾性要素5の間に、下側凹部7が形成されている。下側凹部7は載置部6の下方に位置しており、載置部6に作用した荷重によるベース1の下方への変形ないし撓み及びベース1の下方への変形ないし撓みに伴う載置部6の変形(例えば、第1弾性要素2の表面20の第1半部200と第2弾性要素3の表面30の第1半部300が近づくように変形する)を許容するようになっている。
【0029】
本実施形態では、ベース1に対する第1弾性要素2、第2弾性要素3の位置および/あるいは向きを変えることによって(具体的には、第1弾性要素2、第2弾性要素3をベース1の上面10から取り外して、上面10の所定位置に所定向きで取り付けることによって)、使用前の状態すなわち載置部6に荷重が作用する前の状態、具体的には、身体の部分が載置部6に載る前の状態において、載置部6の三次元(立体)形状及び三次元(立体)寸法が可変となっている。
【0030】
図1に示す第1態様に対して、第1弾性要素2と第2弾性要素3を、向きを変えずに互いに離間する方向(X軸方向)に移動させ、同様に、第3弾性要素4と第4弾性要素5を、向きを変えずに互いに離間する方向(X軸方向)に移動させたものが第2態様となる。載置部6の凹部の断面視及び平面視を図2Aに示す。図1Aと比較すると明らかなように、第1弾性要素2及び第2弾性要素3の位置を変えることによって、載置部6の立体形状及び立体寸法が可変であることがわかる。
【0031】
図1に示す第1態様に対して、第1弾性要素2と第2弾性要素3を、平面視において長軸方向の一端側が離間し、他端側が近づくように回転させ、同様に、第3弾性要素4と第4弾性要素5を、平面視において長軸方向の一端側が離間し、他端側が近づくように回転させたものが図3に示す第3態様となる。載置部6の凹部の断面視及び平面視を図3Aに示す。図1Aと比較すると明らかなように、第1弾性要素2及び第2弾性要素3の位置を変えることによって、載置部6の立体形状及び立体寸法が可変であることがわかる。
【0032】
図1に示す第1態様に対して、第1弾性要素2と第2弾性要素3をY軸方向に延びるような向きで、略平行状にX方向に離間対向させ、同様に、第3弾性要素4と第4弾性要素5をY軸方向に延びるような向きで、略平行状にX方向に離間対向させたものが図4に示す第4態様となる。載置部6の凹部の断面視及び平面視を図4Aに示す。図1Aと比較すると明らかなように、第1弾性要素2及び第2弾性要素3の位置を変えることによって、載置部6の立体形状及び立体寸法が可変であることがわかる。
【0033】
図1図4Aでは、第3弾性要素4、第4弾性要素5を、それぞれ、第1弾性要素2、第2弾性要素3の真下に位置させた態様を示しているが、必ずしも、そのようにする必要はなく、下側凹部7が概ね載置部6の下方に位置することで、載置部6に荷重が作用した時にベース1の下方への撓みを許容するものであればよい。また、図5(B)に示すように、図5(A)の状態から第3弾性要素4と第4弾性要素5をX軸に沿って近づけることで下側凹部7の横幅(X方向)寸法を小さくすることで、ベース1が下方に撓み難くすることができ、図5(C)に示すように、(A)の状態から第3弾性要素4と第4弾性要素5をX軸に沿って離間させることで下側凹部7の横幅(X方向)寸法を大きくすることで、ベース1が下方に撓み易くすることができる。すなわち、ベース1の下面11に対する第3弾性要素4、第4弾性要素5の位置および/向きを変えることによって、載置部6に荷重が作用した時の載置部6の変形の程度ないし度合いを変化させることができる。
【0034】
図7に示すように、ベース1において、凹状の載置部6の底面(ベース1の上面10の部分100)の境界に対応する部位(境界の位置は、第1弾性要素2、第2弾性要素3の位置及び向きによって変わり得るが、例えば、典型的な部位を決めておく)に縫目ないしステッチ13を形成し、載置部6に荷重が作用した時にステッチ13に沿って変形し易くしてもよい。また、ステッチ13を、第1弾性要素2の下面20の周縁、第2弾性要素3の下面の周縁に沿った形状とすることで、ステッチ13を手掛りないし位置決めガイドとして、第1弾性要素2、第2弾性要素3を取り付けるようにしてもよい。あるいは、体躯の大きさに応じて第1弾性要素2、第2弾性要素3の取り付け位置を選択できるように、ベース1の上面10に並行状の複数のステッチを設けてもよい。
【0035】
ベース1の上面10に、第1弾性要素2、第2弾性要素3を取り付ける時の位置決めガイドとしてのマークを設けてもよい。マークの具体的な態様は限定されず、線による表示(ステッチ13を含む)、領域による表示、色による表示等を例示することができる。第1弾性要素2の説明は、必要に応じて、第2弾性要素3~第4弾性要素5の説明に援用することができる。
【0036】
図1図5に示す実施形態では、ベース1の下面11に対して着脱可能に取り付けることができる第3弾性要素4、第4弾性要素5について示したが、ベース1の下面に凹状部が一体形成されたものでもよい。より具体的には、図8(A)に示すように、ベース1´の下面に、下向き凸部4´、5´が一体形成されており、ベース1´の上面10´に対して、第1弾性要素2、第2弾性要素3が着脱可能に取り付けられているものでもよい。なお、図8(A)の変形として、上面10の隆起部を一体形成し、下面11の下向き凸部を着脱可能としたものは、上下反転すれば、図8(A)の形態と実質的に同じなので、本発明の権利範囲に含まれる。また、第1弾性要素2~第2弾性要素5の形状は限定されず、例えば、図8(B)に示すような形状でもよい。
【0037】
図9図10を参照しつつ、本発明の他の実施形態について説明する。矯正具は、弾性を備えたベース1と、ベース1に対して、横幅方向(X方向)にスライド移動可能な第1弾性要素8及び第2弾性要素9と、を備えている。第1弾性要素8、第2弾性要素9は、弾性を備えたラグビーボール状の部材であり、ベース1を挿通させる挿通部が形成されており、挿通部の上側の部位80、90が、ベース1の上面10に設けられた弾性隆起部を形成し、挿通部の下側の部位81、91が、ベース1の下面11に設けられた下側凸部を形成している。
【0038】
図9図10に示す実施形態では、ベース1に対する第1弾性要素8、第2弾性要素9の向きは固定されており、ベース1に対する横幅方向(X軸方向)の位置が可変となっている。図9は、図8の態様から、第1弾性要素8、第2弾性要素9が互いに近づくようにX軸に沿って移動させたものである。図8図9を比較すると明らかなように、第1弾性要素2及び第2弾性要素3の位置を変えることによって、載置部6の立体形状及び立体寸法が可変であることがわかる。ベース1に対する第1弾性要素8、第2弾性要素9のX方向の位置は、第1弾性要素8、第2弾性要素9の挿通部とベース1との摩擦ないし接触によって維持される。
【0039】
図9図10では、第1弾性要素8、第2弾性要素9をベース1が貫通しているが、第1弾性要素8、第2弾性要素9に、ベース1の挿入部(貫通していない)を係止し、ベース1のx方向の第1端部が第1弾性要素8の挿入部内に納まっており、第2端部が第2弾性要素9の挿入部内に納まるようにしてもよい。
【0040】
ベース1に対して弾性隆起部や下向き凸部を移動可能とする手段は、限定されない。例えば、弾性隆起部を、回転軸を介してベース1の上面10に設けるようにして、ベース1に対して弾性隆起部の向きを可変としてもよい。さらに、ベース1の上面10に、回転軸をスライド可能に受け入れるガイド部(例えば、X方向に延びる長孔)を設け、軸がガイド部(例えばX軸方向に延びる長孔)内を移動することで、ベース1に対して弾性隆起部をスライド移動としてもよい。
【0041】
上述の実施形態では、ベース1の上面10に離間して設けられた2つの弾性隆起部2、3間に位置するベース1の上面10の部分100はフラット面であるが、以下に述べる実施形態では、矯正具は、左右の隆起部2´、3´間に位置して複数の中間隆起部14、15を備えており、左右の隆起部2´、3´は中間隆起部14、15よりも高さ方向の膨らみが大きくなっており、左右の隆起部2´、3´の上面(頂面)は、複数の中間隆起部14、15の上面(頂面)よりも上方に位置している。したがって、左右の隆起部2´、3´と、左右の隆起部2´、3´間に位置する複数の中間隆起部14、15の上面と、から身体の部分が載る凹状の載置部6が形成されている。ベース1の下面には、載置部6の下方に位置して下側凹部7が形成されており、載置部6に作用した荷重によるベース1の下方への変形及び当該ベース1の下方への変形に伴う載置部6の変形を許容するようになっている。左右の隆起部2´、3´の間に設けた低背の中間隆起部14、15が載置部6の部分を形成することで、フラット面で身体の部分の荷重を受ける場合に比べて、複数の中間隆起部14、15の各上面に身体の部分の荷重が作用することになる。左右の隆起部2´、3´の間に複数の中間隆起部14、15を設けることで、載置部6に載った身体からの荷重が分圧される(図12参照)。
【0042】
1つの態様では、複数の中間隆起部14は、矯正具の前後方向に延びている(図11図15参照)。中間隆起部14が概ね矯正具の前後方向に延びていれば、縦幅方向(Y方向)に対して傾斜ないし湾曲していても、前後方向に延びているものとする。1つの態様では、複数の中間隆起部15は、矯正具の左右方向に延びている(図16図19参照)。中間隆起部が概ね矯正具の左右方向に延びていれば、横幅方向(X方向)に対して若干傾斜していても、幅方向に延びているものとする。なお、中間隆起部の延びる方向は、矯正具の前後方向、幅方向に限定されず、例えば、X方向ないしY方向に対して45度の傾きで傾斜方向に延びるものでもよい。
【0043】
上述のように、左右の隆起部2´、3´の上面(頂面)は、複数の中間隆起部14、15の上面(頂面)よりも上方に位置しているが、複数の中間隆起部14、15のそれぞれの頂面の高さは全て同じでも、一部あるいは全部が異なっていてもよい。複数の中間隆起部14、15の横幅(矯正具の幅方向)は全て同じでも、一部あるいは全部が異なっていてもよい。複数の中間隆起部14、15の縦幅(矯正具の前後方向)は全て同じでも、一部あるいは全部が異なっていてもよい。複数の中間隆起部14、15の弾性力ないし硬さや潰れ易さ(潰れ難さ)は全て同じでも、一部あるいは全部が異なっていてもよい。なお、1つの態様では、複数の中間隆起部14、15は、左右の隆起部2´、3´よりも潰れ易い。より具体的には、左右の隆起部2´、3´の充填材は中間隆起部14、15の充填材よりも強度ないし硬度が大きい、あるいは/および、左右の隆起部2´、3´の充填材の密度は、中間隆起部14、15の充填材の密度よりも大きい。
【0044】
左右の隆起部2´、3´は中間隆起部14、15よりも高さ方向の膨らみが大きくなっており、1つの態様では、左右の隆起部2´、3´の下面(底面)は、複数の中間隆起部14、15の下面(底面)よりも下方に位置している。したがって、ベース1の下面には、載置部6の下方に位置して下側凹部7が形成されることになり、載置部6に作用した荷重によるベース1の下方への変形及び当該ベース1の下方への変形に伴う載置部6の変形を許容するようになっている。
【0045】
図11に示す矯正具は、弾性を備えたベース1と、ベース1の上面に離間して設けられた左右の隆起部2´、3´と、ベース1の下面に形成された下側凹部7と、を備え、ベース1には、左右の隆起部2´、3´間に位置して前後方向に延びる複数の中間隆起部14(14a,14b,14c)が設けられ、前後方向に延びる複数の中間隆起部14a,14b,14cは、幅方向に隣接して形成されている。左右の隆起部2´、3´は中間隆起部14a,14b,14cよりも高さ方向の膨らみが大きく、左右の隆起部2´、3´と、左右の隆起部2´、3´間に位置する複数の中間隆起部14a,14b,14cの上面と、から身体の部分が載る凹状の載置部6が形成されており、下側凹部7は載置部6の下方に位置しており、載置部6に作用した荷重によるベース1の下方への変形及び当該ベース1の下方への変形に伴う載置部6の変形を許容するようになっている。また、図示の態様では、左右の隆起部2´、3´は、高さ寸法のみならず、平面視の大きさ及び容積において、各中間隆起部14a,14b,14cの平面視の大きさ及び容積よりも大きい。すなわち、左右の隆起部2´、3´の膨らみが、左右の隆起部2´、3´間に設けた中間隆起部14a,14b,14cの膨らみよりも大きい。これらの複数の膨らみ部(隆起部)は一体形成されていてもよく、あるいは、複数の膨らみ部(隆起部)の一部あるいは全部が着脱可能となっていてもよい。
【0046】
図11に示す矯正具において、左右の隆起部2´、3´、複数の中間隆起部14a,14b,14cの少なくとも1つの隆起部は、ベース1の上面に着脱可能であり、ベース1に対する少なくとも1つの隆起部の位置ないし向きが可変となっている。より具体的には、例えば、左右の隆起部2´、3´は、ベース1の上面に着脱可能に設けられた第1弾性要素、第2弾性要素を備えている。また、複数の中間隆起部14a,14b,14cは、それぞれ、ベース1の上面に着脱可能に設けられた上側弾性要素を備えていてもよい。ベース1に対する弾性要素を着脱可能に設ける手段については、本明細書における他の実施形態の説明を援用することができる。
【0047】
1つの態様では、矯正具は可撓性を備えており、後方部位の幅を狭めるように、後方部位を絞る手段を備えている。複数の中間隆起部14の後方部位に絞りを加えることで、中間隆起部14の後方部位を圧縮して強度(後方部位が前方部位に比べて硬くなり潰れ難くなる)や高さを変更させ、平面視扇状(後側の幅が狭く、前側の幅が広い)で、後方から前方に向かって緩やかに下向きに傾斜する載置部が形成される(図13参照)。後方側が絞られた複数の中間隆起部14が荷重されて圧縮されると後方部位が前方部位より更に硬く潰れ難くなる。座面背面部の隆起硬化で骨盤の前傾など身体部位に合わせた姿勢矯正が出来る。また、矯正具の後方部位を絞ることで、絞りの程度によって、凹状の載置部6の寸法や前後方向の傾斜を変化させることができる。絞りを加える手段としては、例えば、左右の隆起部2´、3´をベース1に対して着脱可能として、左右の隆起部2´、3´の後方部位間の間隔を狭めることで、その間にある複数の中間隆起部14の後方部位に絞りを加える。あるいは、左右の隆起部2´、3´、複数の中間隆起部14の後方部位をベース1や左右方向に延びる軸(支持部)に対して幅方向にスライド可能とすることで、絞りを加えてもよい。あるいは、矯正具の後方部位を、紐やベルトで任意に絞ってもよい。
【0048】
図11に示す矯正具において、1つの態様では、ベース1、左右の隆起部2´、3´、複数の中間隆起部14a,14b,14cは一体形成されている。例えば、矯正具は、上側の表面材と下側の表面材を備え、内部にクッション性の芯材が充填されている。1つの態様では、左右の隆起部2´、3´、複数の中間隆起部14a,14b,14cのそれぞれの境界には、ベースの厚さ(上側の表面材と下側の表面材との間隔)を狭めるようにステッチ(縫目)が設けてあり、ステッチの両側に隆起部2´、3´、14a,14b,14cとなる膨らみが形成される。
【0049】
図14に示す矯正具は、左右の隆起部2´、3´と、左右の隆起部2´、3´間に位置して前後方向に延びる複数の中間隆起部14a,14b,14cと、から一体形成されており、前後方向に延びる複数の中間隆起部14a,14b,14cは、幅方向に隣接して形成されている。左右の隆起部2´、3´は中間隆起部14a,14b,14cよりも高さ方向の膨らみが大きく、左右の隆起部2´、3´と、左右の隆起部2´、3´間に位置する複数の中間隆起部14a,14b,14cの上面と、から身体の部分が載る凹状の載置部6が形成されており、凹状の載置部6の下面側は凹状(下側凹部7)となっており、載置部6に作用した荷重による当該載置部6の変形を許容するようになっている。また、図示の態様では、左右の隆起部2´、3´は、高さ寸法のみならず、平面視の大きさ及び容積において、各中間隆起部14a,14b,14cの平面視の大きさ及び容積よりも大きい。図示の態様では、左右の隆起部2´、3´の前後方向の寸法は、各中間隆起部14a,14b,14cの前後方向の寸法よりも大きいが、中間隆起部14a,14b,14cの1つあるいは複数の中間隆起部の前後方向の寸法が、左右の隆起部2´、3´の前後方向の寸法よりも大きくてもよい。左右の隆起部2´、3´間の距離において、矯正具の後側(図14の下図では下側)の距離を、前側(図14の下図では上側)の距離よりも短くしてもよい。図14に示す矯正具は、表面材と表面材の内部に充填された芯材からなる可撓性部材であって、左右の隆起部2´、3´、複数の中間隆起部14a,14b,14cのそれぞれの境界には、前記可撓性部材の厚さを狭めるようにステッチ(縫目)16が設けてあり、ステッチ16の両側に隆起部2´、3´、14a,14b,14cとなる膨らみが形成されている。ステッチ(縫目)16は概ね前後方向に延びるが、ステッチ16は、曲線であっても直線であってもよい。ステッチ(縫目)16は、Y方向に対して傾斜していても、あるいは、傾斜状に湾曲していてもよい。
【0050】
図11図14に示す矯正具において、1つの態様では、複数の中間隆起部14a,14b,14cは、左右の隆起部2´、3´よりも潰れ易い。より具体的には、左右の隆起部2´、3´の充填材は中間隆起部14a,14b,14cの充填材よりも強度ないし硬度が大きい、あるいは/および、左右の隆起部2´、3´の充填材の密度は、中間隆起部14a,14b,14cの充填材の密度よりも大きい。複数の中間隆起部14a,14b,14cの潰れ易さは同じでも、あるいは、充填材の種類や密度を変えることで、一部の中間隆起部を潰れ難くしてもよい。複数の中間隆起部14a,14b,14cのそれぞれの横幅寸法は同じでも異なっていてもよい。複数の中間隆起部14a,14b,14cのそれぞれの縦幅寸法は同じでも異なっていてもよい。複数の中間隆起部の数は限定されない。左右の隆起部2´、3´、複数の中間隆起部の形状(平面形状、立体形状)は限定されない。複数の中間隆起部の頂面(上面)の高さは、前後方向に水平であっても、あるいは、後方から前方に向かって緩やかに傾斜していてもよい。左右の隆起部2´、3´、複数の中間隆起部14a,14b,14cは、矯正具の前後方向(Y方向)に対して平面視において傾斜して延びていてもよい。
【0051】
図15に示す矯正具は、矯正具の前後方向に延びる多数の隆起部14´が幅方向に連設されており、幅方向の両端の複数の隆起部14´を折り返すことで、左右の隆起部2´、3´が形成されており、高さ方向に重なった隆起部14´からなる左右の隆起部2´、3´間に凹状の載置部6、下側凹部7が形成されている。複数の隆起部14´の折り返しの態様によって、凹状の載置部6の寸法を変化させることができる。幅方向の両端の1つあるいは複数の隆起部14´の表面に面ファスナを設けることで、複数の隆起部14´の折り返し形態を固定するようにしてもよい。図15に示す矯正具は、1つの態様では、表面材と表面材の内部に充填された芯材からなる可撓性部材であって、各隆起部14´の境界には、前記可撓性部材の厚さを狭めるようにステッチ(縫目)が設けてあり、ステッチの両側に隆起部14´となる膨らみが形成されている。ステッチ(縫目)は概ね前後方向に延びるが、ステッチは、曲線であっても直線であってもよい。各隆起部14´の横幅寸法、縦幅寸法は、同じでも、あるいは、部分的に異なっていてもよい。各隆起部14´の高さ寸法は同じでも、あるいは、部分的に異なっていてもよい。
【0052】
図16に示す矯正具は、左右に離間する左右の隆起部2´、3´と、左右の隆起部2´、3´間に位置して左右方向に延びる複数の中間隆起部15(15a,15b,15c,15d,15e)とから一体形成されており、左右方向に延びる複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eは、前後方向に隣接して形成されている。左右の隆起部2´、3´は中間隆起部15よりも高さ方向の膨らみが大きく、左右の隆起部2´、3´と、左右の隆起部2´、3´間に位置する複数の中間隆起部15の上面と、から身体の部分が載る凹状の載置部6が形成されており、下側凹部7は載置部6の下方に位置しており、載置部6に作用した荷重によって、載置部6の変形を許容するようになっている。左右の隆起部2´、3´と、複数の中間隆起部15(15a,15b,15c,15d,15e)は、ベースに対して一体形成されていてもよく、この場合、矯正具は、弾性を備えたベースと、ベースの上面に離間して設けられた左右の隆起部2´、3´と、ベースの下面に形成された下側凹部7と、を備え、ベースには、左右の隆起部2´、3´間に位置して左右方向に延びる複数の中間隆起部15(15a,15b,15c,15d,15e)が設けられ、左右方向に延びる複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eは、前後方向に隣接して形成されている。
【0053】
図16図19に示す矯正具において、1つの態様では、複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eは、左右の隆起部2´、3´よりも潰れ易い。より具体的には、左右の隆起部2´、3´の充填材は中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eの充填材よりも強度ないし硬度が大きい、あるいは/および、左右の隆起部2´、3´の充填材の密度は、中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eの充填材の密度よりも大きい。複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eの潰れ易さは同じでも、あるいは、充填材の種類や密度を変えることで、一部の中間隆起部を潰れ難くしてもよい。複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eのそれぞれの横幅寸法は同じでも異なっていてもよい。複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eのそれぞれの縦幅寸法は同じでも異なっていてもよい。複数の中間隆起部の数は限定されない。左右の隆起部2´、3´、複数の中間隆起部の形状(平面形状、立体形状)は限定されない。複数の中間隆起部の頂面(上面)の高さは、左右方向に水平であっても、あるいは、例えば左右方向の中間部位が僅かに凹んだ凹状であってもよい。左右の隆起部2´、3´、は、矯正具の前後方向(Y方向)に対して平面視において傾斜して延びていてもよい。複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eは、矯正具の左右方向(X方向)に対して平面視において傾斜して延びていてもよい。図16図18図19に示す矯正具において、表面材と表面材の内部に充填された芯材からなる可撓性部材から形成し、左右の隆起部2´、3´、複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eのそれぞれの境界には、前記可撓性部材の厚さを狭めるようにステッチ(縫目)を設け、ステッチの両側に隆起部2´、3´、15a,15b,15c,15d,15eとなる膨らみを形成するようにしてもよい。
【0054】
1つの態様では、複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eの頂面(上面)の高さ位置は同じである(図16下図)。1つの態様では、複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eの前後方向の中間に位置する中間隆起部15cの頂面(上面)の高さ位置が、その前後に位置する中間隆起部15の頂面(上面)の高さ位置よりも高い(図17上図)。1つの態様では、複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eの前後方向の後端に位置する中間隆起部15aの頂面(上面)の高さ位置が、その前側に位置する中間隆起部15の頂面(上面)の高さ位置よりも高い(図17中図)。1つの態様では、複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eの前後方向の後端に位置する中間隆起部15aから前方に向かって、頂面(上面)の高さ位置が順次低くなるようになっている(図17下図)。
【0055】
図16に示す矯正具において、左右の隆起部2´、3´、複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eの少なくとも1つの隆起部は、ベースの上面に着脱可能とし、ベースに対する少なくとも1つの隆起部の位置ないし向きを可変としてもよい。より具体的には、例えば、複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eは、それぞれ、ベースの上面に着脱可能に設けられた上側弾性要素を備えている。また、異なる高さの複数の上側弾性要素を用意することで、各上側弾性要素の取付位置を変えることで、図17の各態様に対応することも可能である。ベースに対する弾性要素を着脱可能に設ける手段については、本明細書における他の実施形態の説明を援用することができる。
【0056】
図18に示す矯正具では、平面視において左右の隆起部2´、3´が、矯正具の前後方向(Y方向)に対して傾斜状に延びて、平面視逆「ハ」字状となっており、左右の隆起部2´、3´の後方側の間隔が、前方側の間隔に比べて狭くなっている。左右の隆起部2´、3´間に位置して左右方向に延びる複数の中間隆起部15(15a,15b,15c,15d,15e)が設けられ、左右方向に延びる複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eは、前後方向に隣接して形成されている。複数の中間隆起部15a,15b,15c,15d,15eの前後方向の後端に位置する中間隆起部15aから前方に向かって、左右方向の幅寸法が順次小さくなっている。後方側の長さ寸法(左右方向の寸法)が短い中間隆起部15aが荷重されて圧縮されると後方部位が前方部位より更に硬く潰れ難くなる。座面背面部の隆起硬化で骨盤の前傾など身体部位に合わせた姿勢矯正が出来る。
【0057】
図19に示す矯正具では、左右の隆起部2´、3´の間隔は、前後方向中央で狭く、後側、前側が広くなっている。左右の隆起部2´、3´が荷重されて圧縮されると、前後方向の中央の中間隆起部15cが左右から圧縮され、他の中間隆起部に比べて隆起するようになっている。また、膨らみ強度は圧縮された中央部が強くなる。例えば、頸椎矯正の場合、頸椎を置載荷重すると頸椎の生理的湾曲に合わせて中央の中間隆起部15cが隆起し、頭部,胴体両端に小さく分圧湾曲することにより、牽引作用が生まれる。
【符号の説明】
【0058】
1 ベース
10 上面
100 上面の部分
11 下面
12 側縁面
13 ステッチ(縫目)
2 第1弾性要素(弾性隆起部)
20 表面
200 第1部分
201 第2部分
21 下面
210 面ファスナ
2´ 左右の隆起部の一方
3 第2弾性要素(弾性隆起部)
30 表面
300 第1部分
301 第2部分
3´ 左右の隆起部の他方
4 第3弾性要素(下向き凸部)
40 表面
5 第4弾性要素(下向き凸部)
50 表面
6 凹状の載置部
7 下側凹部
8 第1弾性要素
80 上側部分
81 下側部分
9 第2弾性要素
90 上側部分
91 下側部分
14 中間隆起部(前後方向に延びる)
15 中間隆起部(左右方向に延びる)
図1
図1A
図2
図2A
図3
図3A
図4
図4A
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19