(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】カーペットタイル洗浄装置とカーペットタイル洗浄設備
(51)【国際特許分類】
B08B 11/00 20060101AFI20240205BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
B08B11/00 B
B08B3/02 D
(21)【出願番号】P 2020026958
(22)【出願日】2020-02-20
【審査請求日】2023-01-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1) 試験日 令和2年(2020年)1月7日 (2) 試験場所 株式会社ABC掛川細田店(静岡県掛川市細田294番5) (3) 試験を行った者 株式会社ミナワ(静岡県静岡市葵区産女1060番地の1) (4) 試験内容 株式会社ミナワが、株式会社ABC掛川細田店にて、池田博光が発明したカーペットタイル洗浄装置について、性能試験を行った。
(73)【特許権者】
【識別番号】592031145
【氏名又は名称】株式会社ミナワ
(74)【代理人】
【識別番号】100092842
【氏名又は名称】島野 美伊智
(74)【代理人】
【識別番号】100166578
【氏名又は名称】鳥居 芳光
(72)【発明者】
【氏名】池田 博光
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-049004(JP,U)
【文献】特開2005-344902(JP,A)
【文献】特開2017-221920(JP,A)
【文献】特開2016-064345(JP,A)
【文献】特開2003-031538(JP,A)
【文献】特開2003-088824(JP,A)
【文献】特開平05-185870(JP,A)
【文献】特開2006-68612(JP,A)
【文献】特開平8-309131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄対象のカーペットタイルがセットされるカーペットタイルセット部と、
上記カーペットタイルセット部を挟んで両側に設置された一対のX軸アクチュエータと、
上記一対のX軸アクチュエータに架け渡され上記一対のX軸アクチュエータに沿ってX軸に移動可能なY軸アクチュエータと、
上記Y軸アクチュエータに設置され上記Y軸アクチュエータに沿ってY軸方向に移動可能な高圧洗浄水噴出ノズルユニットと、
を具備して
なるカーペットタイル洗浄ユニット
を左右にそれぞれ設置し、
上記左右をそれぞれ洗浄位置とするとともにその間を着脱位置とし、
上記着脱位置の前を作業員が立つ作業スペースとし、
左右に設置された各カーペットタイル洗浄ユニットのカーペットタイルセット部を洗浄位置と着脱位置との間で移動可能に構成し、
上記カーペットタイルセット部にはストッパ機構が設けられていて上記カーペットタイルセット部は上記洗浄位置と着脱位置において上記ストッパ機構によってロックされるように構成されていることを特徴とするカーペットタイル洗浄
装置。
【請求項2】
請求項1記載のカーペットタイル洗浄
装置において、
上記高圧洗浄水噴出ノズルユニットは上記カーペットタイルに直交する方向に対して所定角度傾斜させた方向から高圧洗浄水を噴出させるものであることを特徴とするカーペットタイル洗浄
装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のカーペットタイル洗浄
装置において、
上記X軸アクチュエータとY軸アクチュエータは防塵・防水型アクチュエータであることを特徴とするカーペットタイル洗浄
装置。
【請求項4】
請求項3記載のカーペットタイル洗浄
装置において、
上記X軸アクチュエータとY軸アクチュエータはハウジングを備えていて、このハウジング内には高圧空気が供給されていて、外部からの水、塵埃の侵入が防止されるように構成されていることを特徴とするカーペットタイル洗浄
装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れかに記載のカーペットタイル洗浄
装置において、
上記カーペットタイルセット部には多孔板が設置されていて、この多孔板の上に上記カーペットタイルをセットするものであることを特徴とするカーペットタイル洗浄
装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れかに記載のカーペットタイル洗浄
装置において、
上記Y軸アクチュエータは上記高圧洗浄水噴出ノズルユニットによる高圧洗浄水噴射領域がX軸方向に一部重複するようにX軸方向に移動制御されるものであることを特徴とするカーペットタイル洗浄
装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れかに記載のカーペットタイル洗浄
装置において、
上記カーペットタイル洗浄装置が左右にそれぞれ上限二段ずつ合計4台設置されていることを特徴とするカーペットタイル洗浄装置。
【請求項8】
請求項1~請求項7
の何れかに記載のカーペットタイル洗浄
装置と、
上記作業スペースの側方に設置されたカーペットタイル搬送機と、
を具備し、
洗浄対象のカーペットタイルが上記カーペットタイル搬送機によって上記作業スペース付近に順次搬送されてくることを特徴とするカーペットタイル洗浄設備。
【請求項9】
請求項8記載のかーペットタイル洗浄
設備において、
上記作業スペースを挟んで上記カーペットタイル搬送機の反対側には乾燥機が設置されていることを特徴とするカーペットタイル洗浄
設備。
【請求項10】
請求項8又は請求項9記載のカーペットタイル洗浄設備において、
全てが車両の荷台に搭載されていることを特徴とするカーペットタイル洗浄設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ホテル、ゴルフコースのクラブハウス、パチンコ店等の各種遊技場、等のフロアに敷き詰められているカーペットタイルを洗浄するカーペットタイル洗浄装置とカーペットタイル洗浄設備に係り、特に、洗浄作業の作業効率を向上させるとともに、洗浄品質のバラツキをなくして洗浄品質の向上を図ることができるように工夫したものに関する。
【背景技術】
【0002】
カーペットタイル洗浄装置の構成を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。
尚、特許文献1は本件特許出願人によるものである。
特許文献1に開示されているカーペットタイル洗浄装置は概略次のような構成をなしている。まず、ジェット流体洗浄装置があり、このジェット流体洗浄装置には架台が設けられている。この架台にはワークスタンドが設置されていて、このワークスタンドには洗浄対象のカーペットタイルがセットされている。又、上記ワークスタンドの前面側にはカバーシェードが設置されていて、このカバーシェードには開口部が設けられている。
【0003】
一方、ジェット水噴出装置が設けられている。作業員はこのジェット水噴出装置を把持して、上記開口部を介してワークスタンドにセットされている洗浄対象のカーペットタイルにジェット水を吹き付ける。それによって、カーペットタイルに付着・堆積している汚れを洗い流す。
以下、同様の作業を洗浄対象になっている複数枚のカーペットタイルに施す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の構成によると次のような問題があった。
まず、洗浄作業の作業効率が悪いという問題があった。これはカーペットタイルの洗浄作業が全て作業員の手作業に委ねられていることに起因する。
又、洗浄品質にバラツキがあるという問題があった。これも作業員が手作業でカーペットタイルにジェット水を吹き付けているためであり、カーペットタイルの全ての面にジェット水を均一に吹き付けることができないことに起因する。
【0006】
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、洗浄作業の作業効率を向上させるとともに、洗浄品質のバラツキをなくして洗浄品質の向上を図ることができるカーペットタイル洗浄装置とカーペットタイル洗浄設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるカーペットタイル洗浄装置は、洗浄対象のカーペットタイルがセットされるカーペットタイルセット部と、上記カーペットタイルセット部を挟んで両側に設置された一対のX軸アクチュエータと、上記一対のX軸アクチュエータに架け渡され上記一対のX軸アクチュエータに沿ってX軸に移動可能なY軸アクチュエータと、上記Y軸アクチュエータに設置され上記Y軸アクチュエータに沿ってY軸方向に移動可能な高圧洗浄水噴出ノズルユニットと、を具備してなるカーペットタイル洗浄ユニットを左右にそれぞれ設置し、上記左右をそれぞれ洗浄位置とするとともにその間を着脱位置とし、上記着脱位置の前を作業員が立つ作業スペースとし、左右に設置された各カーペットタイル洗浄ユニットのカーペットタイルセット部を洗浄位置と着脱位置との間で移動可能に構成し、上記カーペットタイルセット部にはストッパ機構が設けられていて上記カーペットタイルセット部は上記洗浄位置と着脱位置において上記ストッパ機構によってロックされるように構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項2によるカーペットタイル洗浄装置は、請求項1記載のカーペットタイル洗浄装置において、上記高圧洗浄水噴出ノズルユニットは上記カーペットタイルに直交する方向に対して所定角度傾斜させた方向から高圧洗浄水を噴出させるものであることを特徴とするものである。
又、請求項3によるカーペットタイル洗浄装置は、請求項1又は請求項2記載のカーペットタイル洗浄装置において、上記X軸アクチュエータとY軸アクチュエータは防塵・防水型アクチュエータであることを特徴とするものである。
又、請求項4によるカーペットタイル洗浄装置は、請求項3記載のカーペットタイル洗浄装置において、上記X軸アクチュエータとY軸アクチュエータはハウジングを備えていて、このハウジング内には高圧空気が供給されていて、外部からの水、塵埃の侵入が防止されるように構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項5によるカーペットタイル洗浄装置は、請求項1~請求項4の何れかに記載のカーペットタイル洗浄装置において、上記カーペットタイルセット部には多孔板が設置されていて、この多孔板の上に上記カーペットタイルをセットするものであることを特徴とするものである。
又、請求項6によるカーペットタイル洗浄装置は、請求項1~請求項5の何れかに記載のカーペットタイル洗浄装置において、上記Y軸アクチュエータは上記高圧洗浄水噴出ノズルユニットによる高圧洗浄水噴射領域がX軸方向に一部重複するようにX軸方向に移動制御されるものであることを特徴とするものである。
又、請求項7によるカーペットタイル洗浄装置は、請求項1~請求項6の何れかに記載のカーペットタイル洗浄装置において、上記カーペットタイル洗浄装置が左右にそれぞれ上限二段ずつ合計4台設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項8によるカーペットタイル洗浄設備は、請求項1~請求項7の何れかに記載のカーペットタイル洗浄装置と、上記作業スペースの側方に設置されたカーペットタイル搬送機と、を具備し、洗浄対象のカーペットタイルが上記カーペットタイル搬送機によって上記作業スペース付近に順次搬送されてくることを特徴とするものである。
又、請求項9によるカーペットタイル洗浄設備は、請求項8記載のかーペットタイル洗浄設備において、上記作業スペースを挟んで上記カーペットタイル搬送機の反対側には乾燥機が設置されていることを特徴とするものである。
又、請求項10によるカーペットタイル洗浄設備は、請求項8又は請求項9記載のカーペットタイル洗浄設備において、全てが車両の荷台に搭載されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
以上述べたように本発明の請求項1によるカーペットタイル洗浄ユニットによると、洗浄対象のカーペットタイルがセットされるカーペットタイルセット部と、上記カーペットタイルセット部を挟んで両側に設置された一対のX軸アクチュエータと、上記一対のX軸アクチュエータに架け渡され上記一対のX軸アクチュエータに沿ってX軸に移動可能なY軸アクチュエータと、上記Y軸アクチュエータに設置され上記Y軸アクチュエータに沿ってY軸方向に移動可能な高圧洗浄水噴出ノズルユニットと、を具備した構成になっているので、洗浄作業の作業効率を向上させるとともに、洗浄品質のバラツキをなくして洗浄品質の向上を図ることができる。
又、請求項2によるカーペットタイル洗浄ユニットによると、請求項1記載のカーペットタイル洗浄ユニットにおいて、上記高圧洗浄水噴出ノズルユニットは上記カーペットタイルに直交する方向に対して所定角度傾斜させた方向から高圧洗浄水を噴出させるものであるので、カーペットタイルに付着した汚れや体積した汚れを効果的に洗いに流して除去することができる。
又、請求項3によるカーペットタイル洗浄ユニットによると、請求項1又は請求項2記載のカーペットタイル洗浄ユニットにおいて、上記X軸アクチュエータとY軸アクチュエータは防塵・防水型アクチュエータであるので、高圧洗浄水のアクチュエータ内への浸入や塵埃のアクチュエータ内への浸入を防止することができる。
又、請求項4によるカーペットタイル洗浄ユニットによると、請求項3記載のカーペットタイル洗浄ユニットにおいて、上記X軸アクチュエータとY軸アクチュエータはハウジングを備えていて、このハウジング内には高圧空気が供給されていて、外部からの水、塵埃の侵入が防止されるように構成されているので、上記効果を高めることができる。
又、請求項5によるカーペットタイル洗浄ユニットによると、請求項1~請求項4の何れかに記載のカーペットタイル洗浄ユニットにおいて、上記カーペットタイルセット部には多孔板が設置されていて、この多孔板の上に上記カーペットタイルをセットするものであるので、使用後の高圧洗浄水や洗い流された汚れを多孔板の下に効率良く排出することができる。
又、請求項6によるカーペットタイル洗浄ユニットによると、請求項1~請求項5の何れかに記載のカーペットタイル洗浄ユニットにおいて、上記Y軸アクチュエータは上記高圧洗浄水噴出ノズルユニットによる高圧洗浄水噴射領域がX軸方向に一部重複するようにX軸方向に移動制御されるものであるので、カーペットタイルにおける洗浄残しをなくすこかどできる。
又、請求項7によるカーペットタイル洗浄装置によると、請求項1~請求項6の何れかに記載のカーペットタイル洗浄ユニットを複数台設置した構成になっているので、それら複数台のカーペットタイル洗浄装置を使用した複数枚のカーペットタイルを同時に洗浄することができ、作業効率をさらに高めることができる。
又、請求項8によるカーペットタイル洗浄装置によると、請求項7記載のカーペットタイル洗浄装置において、上記カーペットタイル洗浄装置が左右にそれぞれ上限二段ずつ合計4台設置されているので、それら4台のカーペットタイル洗浄装置を使用した複数枚のカーペットタイルを同時に洗浄することができ、作業効率をさらに高めることができる。
又、請求項9によるカーペットタイル洗浄装置によると、請求項8記載のカーペットタイル洗浄装置において、各カーペットタイル洗浄装置のカーペットタイルセット部は左右方向に移動可能に設置されているので、カーペットタイルの搬入・搬出作業がやり易くなる。
又、請求項10によるカーペットタイル洗浄設備によると、請求項7~請求項9の何れかに記載のカーペットタイル洗浄装置の手前には作業スペースが確保されていて、その作業スペースの側方にはカーペットタイル搬送機が設置されていて、洗浄対象のカーペットタイルが上記カーペットタイル搬送機によって上記作業スペース付近に順次搬送されてくる構成になっているので、それによっても、カーペットタイルの搬入・搬出作業がやり易くなる。
又、請求項11によるカーペットタイル洗浄設備によると、請求項10記載のかーペットタイル洗浄設備において、上記作業スペースを挟んで上記カーペットタイル搬送機の反対側には乾燥機が設置されているので、洗浄後のカーペットタイルを効率よく乾燥させることができる。
又、請求項12によるカーペットタイル洗浄設備によると、請求項10又は請求項11記載のカーペットタイル洗浄設備において、全てが車両の荷台に搭載されているので、任意の場所で洗浄作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態を示す図で、カーペットタイル洗浄設備の構成を示す平面図である。
【
図2】本発明の一実施の形態を示す図で、カーペットタイル洗浄装置の構成を示す系統図である。
【
図3】本発明の一実施の形態を示す図で、カーペットタイル洗浄装置の構成を示す斜視図である。
【
図4】本発明の一実施の形態を示す図で、カーペットタイル洗浄装置の構成を示す正面図である。
【
図5】本発明の一実施の形態を示す図で、カーペットタイル洗浄装置の平面図である。
【
図6】本発明の一実施の形態を示す図で、カーペットタイル洗浄装置の側面図である。
【
図7】本発明の一実施の形態を示す図で、
図7(a)はX軸アクチュエータ及びY軸アクチュエータの構成を示す平面図、
図7(b)はX軸アクチュエータ及びY軸アクチュエータの構成を示す正面図である。
【
図8】本発明の一実施の形態を示す図で、
図8(a)はカーペットタイルセット部の多孔板の平面図、
図8(b)はカーペットタイルセット部の台車の平面図である。
【
図9】本発明の一実施の形態を示す図で、
図9(a)は浸置洗浄装置の構成を示す分解斜視図、
図9(b)は浸置洗浄装置の組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、
図1乃至
図9を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1は本実施の形態によるカーペットタイル洗浄設備を搭載したトラック1の荷台3内を示す平面図である。上記荷台3にはカーペットタイル洗浄装置5、乾燥機7、カーペットタイル搬送機9が搭載されている。又、上記荷台3の外には浸置洗浄装置11が設置されている。この浸置洗浄装置11は非使用時には上記荷台3内に収容される。上記荷台3内には非使用時にその他各種機器が収容される。その他各種機器については追って詳細に説明する。
尚、本実施の形態では上記カーペットタイル搬送機9として駆動部なしのローラコンベアを採用している。
【0011】
図1中符号21はトラック1の運転席であり、符号23、23は上記荷台3の後方に設けられた観音扉である。トラック1の荷台3内にカーペットタイル31の洗浄に必要な機器を搭載して、例えば、ホテル、ゴルフコースのクラブハウス、パチンコ店等の各種遊技場に出向く。ホテル、ゴルフコースのクラブハウス、パチンコ店等の各種遊技場においては、複数枚のカーペットタイル31が敷き詰められている。これらカーペットタイル31を剥がして洗浄する。
尚、上記カーペットタイル31はゴム製基板の上に複数本の毛足を取り付けた構成になっている。
【0012】
まず、剥がしたカーペットタイル31を上記浸置洗浄装置11内に浸漬させる。それによってカーペットタイル31に付着・堆積している汚れを薬品効果により剥離させる或いは剥離しないとしても容易に剥離する状態にする。これがカーペットタイル31の一次洗浄である。次に、一次洗浄が施されたカーペットタイル31を上記浸置洗浄装置11内から取り出して所定枚数パレット33上に載せ、上記カーペットタイル搬送機9によってトラック1の荷台3内に搬入する。上記荷台3内には作業員が立つ作業スペース41が設けられていて、作業員は搬入されたカーペットタイル31を上記カーペットタイル洗浄装置5内にセットする。上記カーペットタイル洗浄装置5においては上記カーペットタイル31に高圧洗浄水が吹き付けられる。高圧洗浄水の吹き付けによりカーペットタイル31に剥離せずに残っている汚れが洗浄・除去される。これがカーペットタイル31の二次洗浄である。
【0013】
作業員は二次洗浄が施されたカーペットタイル31を上記カーペットタイル洗浄装置5内から取り出して上記乾燥機7内に搬入する。乾燥機7内に搬入されたカーペットタイル31はそこで乾燥される。乾燥されたカーペットタイル31は別の作業員によって乾燥機7内から取り出され元の場所に戻される。
【0014】
以下、各部の構成を順次詳細に説明する。まず、上記カーペットタイル洗浄装置5の構成を詳細に説明する。
図2、
図3、
図4に示すように、上記カーペットタイル洗浄装置5は4基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51から構成されている。上記4基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51が左右に2基ずつ振り分けられていて各2基が上下二段に設置されている。又、上段の左右に設置されている2基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51はアクリル製の水槽52内に収容されている。同様に、下段の左右に設置されている2基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51はアクリル製の水槽54内に収容されている。
【0015】
図2、
図4に示すように、上記水槽52、54は、
図2、
図4中左側から右側に向けて下り勾配で傾斜されている。上記水槽52、54内に設置されている上記4基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51も、同様に、
図2、
図4中左側から右側に向けて下り勾配で傾斜されている。このように傾斜させているのは洗浄水の排水のためである。排水の詳細については後述する。
【0016】
図2中左上に設置されているカーペットタイル洗浄ユニット51を例に挙げて説明すると、
図2乃至
図5に示すように、まず、一対のX軸アクチュエータ53、53が設置されている。上記X軸アクチュエータ53は、
図7に示すように、ハウジング55を備えていて、このハウジング55にはブラケット56、57が取り付けられている。上記X軸アクチュエータ53はこれらブラケット56、57を介して上記水槽52内の支持構造物の所定位置に設置されている。上記ハウジング55内には図示しないボールネジが回転可能に内装されている。このボールネジは同じくハウジング55内に内装されている駆動モータによって回転駆動される。上記ボールネジには図示しないボールナットがその回転を規制された状態で螺合・配置されている。上記ハウジングの外側にはスライダ58がX軸方向に移動可能に設置されていて、このスライダ58は上記ボールナットに一体に取り付けられている。上記駆動モータにより上記ボールネジを回転駆動することにより上記ボールナットひいてはスライダ58がX軸方向に移動する。
【0017】
又、上記X軸アクチュエータは防塵・防滴タイプのアクチュエータであり、上記ハウジング55は上記スライダ58の移動を許容すると共に外部からの塵埃・液滴の浸入を防止できるような閉鎖的な構成になっている。又、
図7(b)に示すように、上記ハウジング55にはエアーパージ用継手59が取り付けられていて、後述するエアーコンプレッサからの圧縮空気が上記エアーパージ用継手59を介して常時ハウジング55内に供給される。それによって、ハウジング55内の圧力を外部圧力より高くして外部からの塵埃・液滴の浸入を防止する。
尚、
図7中符号60は電源・信号用ケーブルである。
【0018】
上記一対のX軸アクチュエータ53、53は同じ構成をなしており、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
【0019】
上記一対のX軸アクチュエータ53、53のスライダ58、58上にはY軸アクチュエータ63が架け渡されている。上記Y軸アクチュエータ63は上記一対のX軸アクチュエータ53、53のスライダ58、58上に搭載されており、スライダ58、58が同期してX軸方向に移動することによりX軸方向に移動する。上記Y軸アクチュエータ63も上記X軸アクチュエータ53と同様の構成をなしていて、
図7に示すように、ハウジング65を備えていて、このハウジング65にはブラケット66、67が取り付けられている。上記ハウジング65内には図示しないボールネジが回転可能に内装されている。このボールネジは上記ハウジング65内に同じく内装されている駆動モータによって回転駆動される。上記ボールネジには図示しないボールナットがその回転を規制された状態で螺合・配置されている。上記ハウジングの外側にはスライダ68がY軸方向に移動可能に設置されていて、このスライダ68は上記ボールナットに一体に取り付けられている。上記駆動モータにより上記ボールネジを回転駆動することにより上記ボールナットひいてはスライダ68がY軸方向に移動する。上記ハウジング65にはエアーパージ用継手69と電源・信号用ケーブル70が取り付けられている。
【0020】
因みに、本実施の形態では上記X軸アクチュエータ53、Y軸アクチュエータ63として、株式会社アイエイアイ社製の防塵・防滴タイプの一軸アクチュエータを採用している。
尚、
図2乃至
図6においてはX軸アクチュエータ53、Y軸アクチュエータ63を模式的に示しており細部の構成は図示を省略している。又、
図5では後述する高圧洗浄水噴出ノズルユニットの図示を省略している。
【0021】
上記スライダ68には高圧洗浄水噴出ノズルユニット71が取り付けられている。上記高圧洗浄水噴出ノズルユニット71は上記スライダ68と共にY軸方向に移動する。上記高圧洗浄水噴出ノズルユニット71には高圧洗浄水噴出ノズル73が設けられている。上記高圧洗浄水噴出ノズルユニット71は上記一対のX軸アクチュエータ53、53、Y軸アクチュエータ63によってX軸・Y軸の二次元平面内を縦横に移動する。
【0022】
上記高圧洗浄水噴出ノズル73は、
図4に示すように、図中左側から右側に向けて傾斜した状態で取り付けられている。既に説明したように、カーペットタイル31はゴム製基板の上に複数本の毛足を取り付けた構成になっており、吹き付けられた高圧洗浄水は下方に抜けることなく上記ゴム製基板上を流れる。上記高圧洗浄水噴出ノズル73を傾斜させた状態で設置することにより、カーペットタイル31に対して斜め方向から高圧洗浄水を噴射し、一次洗浄になって浮き上がっている汚れを高圧洗浄水と共に上記ゴム製基板上に沿って洗い流す。
【0023】
上記水槽52内であって上記一対のX軸アクチュエータ53、53、Y軸アクチュエータ61の下方にはカーペットタイルセット部81が設けられている。上記カーペットタイルセット部81は、
図8(a)に示す多孔板82を
図8(b)に示す台車84上に取り付けた構成になっている。上記多孔板82には複数個の貫通孔83が穿孔されている。又、上記多孔板82の裏であって四隅には車輪86、86、86、86が取り付けられている。一方、上記台車84の四隅には上記車輪86、86、86、86が貫通する貫通孔88、88、88、88が設けられている。上記多孔板82は上記車輪86、86、86、86を上記貫通孔88、88、88、88を通した状態で上記台車84に取り付けられている。カーペットタイル31はこのような構成をなすカーペットタイルセット部81上にセットされる。
【0024】
上記カーペットタイルセット部81は、
図6に示すように、一対のレール91、91上に移動可能に設置されている。上記レール91、91には溝91a、91aが形成されていて、既に説明した車輪88、88、88、88は上記レール91、91の溝91a、91aに沿って走行する。
図5に示すように、図中左側の上段に設置されているカーペットタイル洗浄ユニット51のカーペットタイルセット部81は、上記一対のレール91、91に沿って左端の洗浄位置と中央の着脱位置の間を適宜移動する。すなわち、カーペットタイル31をセットする場合には、上記カーペットタイルセット部81を中央の着脱位置に位置させる。その状態からカーペットタイルセット部81を左端の洗浄位置に移動させて洗浄に供せしめる。洗浄が終わったら再度上記カーペットタイルセット部81を中央の着脱位置に位置させて洗浄後のカーペットタイル31を取り出す。
【0025】
上記カーペットタイルセット部81には、
図8(c)に示すように、ストッパ機構89が設けられている。上記ストッパ機構89はロックピン89aと、このロックピン89aを常時下方に付勢するコイルブリング89bとから構成されている。一方、上記レール91、91の左側の洗浄位置と中央の着脱位置には凹部90、90が設けられている。例えば、上記カーペットタイルセット部81を左側の洗浄位置に固定する場合には、上記ロックピン89aをコイルスプリング89bのスプリング力に抗して持ち上げてロックを解除する。その状態で上記カーペットタイルセット部81を左側の洗浄位置まで移動させ、その状態で上記ロックピン89aを開放する。それによって、ロックピン89aがコイルスプリング89bによって下方に付勢されその先端が左側の洗浄位置の凹部90に係合する。上記カーペットタイルセット部81を中央の着脱位置に固定する場合はその逆の作業を行う。
【0026】
4基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51は全て同じ構成をなしており、図中同一部分には同一符号を付して示しその説明を省略する。
【0027】
又、上段の左右に設置された2基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51の洗浄排水は上段の水槽52内に汚れと共に排出される。水槽52内に排出された洗浄排水は排水管93を介して図示しない排水ピットに排水される。同様に、下段の左右に設置された2基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51の洗浄排水は下段の水槽54内に汚れと共に排出される。水槽54内に排出された洗浄排水は排水管95及び上記排水管93を介して図示しない排水ピットに排水される。上記水槽52、54は、
図2、
図4に示すように、図中左側から右側に向けて下り勾配になっている。よって、洗浄排水は自然流下によって図中右側の排水管93、95側に流下する。
尚、上記乾燥機7からの排水は、
図1に示すように、排水管97を介して排出され、上記排水管97は上記排水管93に集合される。
【0028】
又、
図5に示すように、上記4基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51の前面側には透明なカーテン99、99が開閉自在に設けられていて、作業員が洗浄時の飛沫によって濡れることを防止している。
【0029】
次に、
図1、
図2を参照して上記カーペットタイル洗浄装置5の周辺機器の構成を説明する。まず、上記各カーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51に対応するように4基の高圧洗浄機101、101、101、101が設置されている。これら4基の高圧洗浄機101、101、101、101から各カーペットタイル洗浄装置51、51、51、51の高圧洗浄水噴出ノズルユニット71、71、71、71には配管103、103、103、103が接続されている。上記配管103、103、103、103には開閉弁105、105、105、105がそれぞれ介挿されている。
【0030】
又、コンプレッサ107が設置されていて、このコンプレッサ107と上記各開閉弁105、105、105、105との間には配管109、109、109、109が接続されている。上記配管109、109、109、109を介して各開閉弁105、105、105、105に開閉制御用の圧縮空気が供給・排出される。それによって、上記各開閉弁105、105、105、105の開閉が制御される。このように、開閉弁105、105、105、105をエアー作動型としたのはいわゆる「ウォーターハンマー現象」の発生を防止するためである。
【0031】
又、
図1に示すように、湯沸かし器ユニット111が設置されていて、この湯沸かしユニット111には給水ライン113が接続されている。給水ライン113を介して湯沸かし器ユニット111に供給された水は所定温度の湯となり湯タンク115内に供給される。既に説明した4基の高圧洗浄機101、101、101、101の吸込配管116はこの湯タンク115内に投入されている。上記4基の高圧洗浄機101、101、101、101は湯タンク115内の湯を吸い込んでそれを高圧洗浄水として高圧洗浄水噴出ノズルユニット71、71、71、71に供給する。
【0032】
上記コンプレッサ107からはエアーパージ用の4本の配管123、123、123、123が取り出されていて、それら4本の配管123、123、123、123は4基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51まで延長されている。それぞれの配管123は3系統の分岐配管123a、123a、123aに分岐されていて、各分岐配管123a、123a、123aは一対のX軸アクチュエータ53、53のハウジング55、55に取り付けられたエアーパージ用継手59、59、Y軸アクチュエータ63のハウジング65に取り付けられたエアーパージ用継手69にそれぞれ接続されている。それによって、一対のX軸アクチュエータ53、53のハウジング55、55、Y軸アクチュエータ61のハウジング63内に圧縮空気を供給して圧力を高め、外部からの水滴、塵埃の浸入を防止する。
【0033】
図2に示すように、制御盤141、141が設置されている。
図2中左側に配置されている制御盤141内には
図2中左側の上下二段のカーペットタイル洗浄ユニット51、51、51用の制御機器が内装されており、
図2中右側に配置されている制御盤141内には
図2中右側の上下二段のカーペットタイル洗浄ユニット51、51、51用の制御機器が内装されている。又、高圧洗浄機101、101、101、101、コンプレッサ107、等の周辺機器を制御するための制御機器は別の制御盤に内装されている。
【0034】
又、
図4に示すように、上記各カーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51には操作部151、151、151、151が設置されている。
図4中左側上下のカーペットタイル洗浄ユニット51、51の操作部151、151は基板152上に設置されていて、
図4中右側上下のカーペットタイル洗浄ユニット51、51の操作部151、151は基板154上に設置されている。上記操作部151には電源用押釦153、緊急停止用押釦155、速度切換用ダイヤル157、1回洗浄押釦159、2回洗浄押釦161が設置されている。洗浄開始時には速度切換用ダイヤル157によって高圧洗浄水噴出ノズルユニット71の移動速度を高速/低速の何れかに切り換える。次に、1回洗浄押釦159、2回洗浄押釦161の何れかを押すことにより1回洗浄/2回洗浄の選択を行う。又、
図4中左側の基板152には全体非常停止釦163が設置されている。
【0035】
次に、
図9を参照して上記浸置洗浄装置11の構成を説明する。
図9(a)は上記浸置洗浄装置11の分解斜視図であり、
図9(b)は上記浸置洗浄装置11の組立図である。まず、洗浄コンテナ161があり、この洗浄コンテナ161内には整列ラック163が内装されている。又、上記洗浄コンテナ161内にはバブリングノズル165が設置されている。上記洗浄コンテナ161の縁にはエアポンプ167が設置されていて、このエアポンプ167には上記バブリングノズル163が接続されている。
【0036】
上記洗浄コンテナ161の縁には給水管169が設置されていて、この給水管169には給水弁171が接続されている。上記給水管169は上記洗浄コンテナ161内の底部まで延長されていて底部から給水する構成になっている。又、上記洗浄コンテナ161の上端部には複数個(この実施の形態の場合には6個)の排水短管173、173、173、173、173、173が貫通配置されていて、それら排水短管173、173、173、173、173、173は排水管175に集合されている。汚れた水は上記排水短管173、173、173、173、173、173、排水管175を介して排出される。
【0037】
上記整列ラック163内には洗浄対象の複数枚のカーペットタイル31がセットされるとともに上記洗浄コンテナ161内の水中には所定の薬液が入れられる。カーペットタイル31に付着・堆積している汚れはその薬液の作用により剥離される或いは容易に剥離する状態にされる。
【0038】
上記薬剤は重曹を結晶化したセスキ炭酸ソーダと過炭酸ソーダの二種類である。上記セスキ炭酸ソーダと過炭酸ソーダは色物漂白、除菌、消臭機能を備えている。これら二種類の薬剤を水中に入れることにより弱アルカリ水を作成して汚れを落す。又、上記セスキ炭酸ソーダと過炭酸ソーダの場合には洗浄時に泡が発生せず、よって、汚れの落ち具合を視認し易い。
【0039】
又、洗浄時に発生する排水に関しては、生物化学的酸素要求量(BOD)、科学的酸素要求量(COD)の二つの指標に関して所定の条件が課せられている。本実施の形態で使用する上記セスキ炭酸ソーダと過炭酸ソーダの場合には何れの値も「0」である。
因みに、一般的合成洗剤の場合にはBODが約190mg/L、CODが約330mg/Lであり、水はBODが約5mg/L、CODが約1mg/Lである。
尚、上記浸置洗浄装置11の構成については特許文献1に詳細に記載されている。
【0040】
尚、カーペットタイル搬入機9、浸置洗浄装置11、高圧洗浄機101、101、101、101、コンプレッサ107、湯沸かしユニット111、湯タンク115、等の周辺機器は非使用時にはトラック1の荷台3内に収容される。
【0041】
以上の構成を基にその作用を説明する。
まず、トラック1を運転して所定の洗浄場所、例えば、ホテル、ゴルフコースのクラブハウス、パチンコ店等の各種遊技場に出向く。
次に、トラック1の荷台3から、カーペットタイル搬入機9、浸置洗浄装置11、高圧洗浄機101、101、101、101、コンプレッサ107、湯沸かしユニット111、湯タンク115、等の周辺機器を荷台3の外に搬出してセットする。上記カーペットタイル搬入機9は
図1中右側から左側に向けて下り勾配になるようにセットする。
同時に、ホテル、ゴルフコースのクラブハウス、パチンコ店等の各種遊技場のフロアに敷き詰められている洗浄対象に複数枚のカーペットタイル31を剥がす。
【0042】
次に、剥がしたカーペットタイル31を上記浸置洗浄装置11の洗浄コンテナ161内に浸漬させて一次洗浄を施す。この一次洗浄によってカーペットタイル31に付着・堆積していた汚れが剥離される或いは剥離されないとしても容易に剥離される状態になる。
次に、一次洗浄が施されたカーペットタイル31をパレット33上に所定枚数だけ載せて、カーペットタイル搬入機9によってトラック1の荷台3内に搬入する。
【0043】
荷台3の所定の作業スペース41には作業員がおり、搬入されてくるカーペットタイル31を4台のカーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51の各カーペットタイルセット部81、81、81、81に所定の時間遅れをもって順次セットする。各カーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51においては、一対のX軸アクチュエータ15、51、Y軸アクチュエータ61が予め設定されたプログラムにより所定の動作を行う。それによって、セットされたカーペットタイル31の全域に高圧洗浄水噴出ノズル73を介して高圧洗浄水が吹き付けられて二次洗浄が施される。
【0044】
上記高圧洗浄水噴出ノズル73は、
図2、
図4に示すように、図中左側から右側に向けて傾斜した状態で設けられており、高圧洗浄水はカーペットタイル31に対して斜め方向から噴出される。噴出された洗浄水はカーペットタイル31のゴム製基板上を流れていき その際、剥離された汚れを洗い流していく。上段の左右2基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51で洗い流された洗浄水は水槽52内に流下し排水管93を介して排出される。同様に、下段の左右2基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51で洗い流された洗浄水は水槽52内に流下し排水管95、93を介して排出される。
【0045】
作業員は所定の二次洗浄が施されたカーペットタイル31を順次取り出して乾燥機7内に投入する。乾燥機7によって乾燥されたカーペットタイル31は別の作業員によって荷台3から搬出される。搬出されたカーペットタイル31は元の場所に戻される。又、乾燥機7からの排水は排水管97、93を介して排出される。
【0046】
以上本実施の形態によると次のような効果を奏することができる。
まず、カーペットタイル31の洗浄作業の作業効率を向上させることができる。これは高圧洗浄水の吹き付けによる二次洗浄作業を自動化したことによる。すなわち、作業員が一次洗浄を施されたカーペットタイル31を各カーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51の各カーペットタイルセット部81、81、81、81にセットして、操作部151、151、151、151を操作すれば、後は自動的に二次洗浄が施されるからである。
又、上記カーペットタイル洗浄装置5は4基のカーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51から構成されているので、4枚のカーペットタイル31を略同時に洗浄することができるからである。
又、洗浄品質のバラツキをなくして洗浄品質の向上を図ることができる。これも高圧洗浄水の吹き付けによる洗浄作業を、カーペットタイル洗浄装置5の各カーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51により自動化したことによる。
又、二次洗浄における洗浄残しをなくすことができる。これは各カーペットタイル洗浄ユニット51、51、51、51において、Y軸アクチュエータ61をX軸方向に移動させる際、高圧洗浄水噴出ノズルユニロット71の洗浄領域が一部重複するようにしたからである。
又、高圧洗浄水噴出のノズル73はカーペットタイル31に向かって傾斜した状態で設置されているので、カーペットタイル31に残っている汚れをカーペットタイル31のゴム製基板に沿って効率良く洗い流すことができる。
又、カーペットタイルセット部81はX軸方向に沿って移動可能に構成されているので、カーペットタイル31の浸入・搬出が容易になり、それによっても、作業効率の向上を図ることができる。
又、水槽52、54は排水管93側に向かって下り勾配になっているので、排水も効率良く行われる。
又、カーペットタイル乾燥機9によって荷台3の外から荷台3内の所定位置に洗浄対象のカーペットタイル31を自動的に搬送できるので、それによっても、作業効率の向上を図ることができる。その際、駆動力無しのローラコンベアを採用しているので洗浄作業に要するコストを低減させることができる。
又、カーペットタイル洗浄ユニット51において、カーペットタイルセット部81を洗浄位置と着脱位置の間で移動させる際ロック機構89によってその位置を容易にロックする或いはロックを解除することができるので、作業性が向上する。
【0047】
尚、本発明は前記一実施の形態に限定されるものではない。
まず、前記一実施の形態の場合には左右それぞれに二段ずつ合計4台のカーペットタイル洗浄ユニットを設置した場合を例に挙げて説明したが、それに限定されるものではなく、3台以下、5台以上のカーペットタイル洗浄ユニットを設置した構成も考えられる。
又、カーペットタイル洗浄装置を構成する一軸のアクチュエータの構成についても様々な構成のものが考えられる。
又、前記一実施の形態の場合にはカーペットタイル洗浄装置、乾燥機をトラックの荷台に設置して使用するようにしたが任意であり、全てトラックの外に搬出して使用することも考えられる。
又、トラックの荷台の扉を観音開きとしたが、上下に開閉するタイプの扉でもよい。その際、下の扉は開いた状態で水平となり荷台の一部として機能する。
その他、図示した構成は一例であり様々な構成が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明はカーペットタイルを洗浄するカーペットタイル洗浄装置とカーペットタイル洗浄設備に係り、特に、洗浄作業の作業効率を向上させるとともに、洗浄品質のバラツキをなくして洗浄品質の向上を図ることができるように工夫したものに関し、例えば、ホテル、ゴルフコースのクラブハウス、パチンコ店等の各種遊技場、等のフロアに敷き詰められているカーペットタイルの洗浄に好適である。
【符号の説明】
【0049】
1 トラック
3 荷台
5 カーペットタイル洗浄装置
31 カーペットタイル
51 カーペットタイル洗浄ユニット
53 X軸アクチュエータ
61 Y軸アクチュエータ
71 高圧洗浄水噴出のノズルユニット
73 高圧洗浄水噴出ノズル
81 カーペットタイルセット部