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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】酸化染毛剤第一剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/41 20060101AFI20240205BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20240205BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20240205BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20240205BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240205BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240205BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240205BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240205BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
A61K8/41
A61K8/02
A61K8/39
A61K8/42
A61K8/44
A61K8/46
A61K8/81
A61K8/86
A61Q5/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020060910
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021161028
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】595082283
【氏名又は名称】株式会社アリミノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 駿
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-035754(JP,A)
【文献】特開2002-363047(JP,A)
【文献】特開2016-056110(JP,A)
【文献】Men's Best Shampoo-In Hair Colour, J.M.T Laboratories, 2012年3月, Mintel GNPD [online],[検索日 2023.12.20], インターネット<URL:https://www.gnpd.com>, ID:1755761
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノエタノールアミン(MEA)と2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)とからなる成分(A)4~12質量%と、
アニオン性界面活性剤(B)2.5~7.5質量%と、
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、HLB3~15のノニオン性界面活性剤(但し、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを除く)とからなるノニオン性界面活性剤(C)14~22質量%とを含み、
前記モノエタノールアミン(MEA)と前記2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)との質量比(AMP/MEA)が0.5~14であり、
前記ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、前記HLB3~15のノニオン性界面活性剤との質量比(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド/HLB3~15のノニオン性界面活性剤)が0.5~1.5である、酸化染毛剤第一剤。
【請求項2】
両性界面活性剤(D)をさらに含む、請求項1に記載の酸化染毛剤第一剤。
【請求項3】
カチオン化ポリマー(E)をさらに含む、請求項1または2に記載の酸化染毛剤第一剤。
【請求項4】
透明な液状である、請求項1~3のいずれか一項に記載の酸化染毛剤第一剤。
【請求項5】
pHが9~13である、請求項1~4のいずれか一項に記載の酸化染毛剤第一剤。
【請求項6】
下記試験(I)を行った際にジェル状となる、請求項1~5のいずれか一項に記載の酸化染毛剤第一剤。
試験(I):酸化染毛剤第一剤1gと過酸化水素を2質量%含む酸化染毛剤第二剤1gとを混合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化染毛剤第一剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアカラー剤の1つとして、酸化染毛剤が広く利用されている。酸化染毛剤は、一剤式、二剤式、三剤式等が市販されているが、その中でも、酸化染料を含む第一剤と、過酸化水素を含む第二剤で構成されている二剤式が主流である。
【0003】
酸化染毛剤の物性としては、第一剤と第二剤とを混合しやすく、かつ、毛髪に塗布する際には、毛髪やハケから垂れ落ちないことが求められている。酸化染毛剤の剤形としては、乳液状およびクリーム状が主流であり、泡状のものも市販されている。
【0004】
酸化染毛剤に配合される染料としては、酸化染料と直接染料がある。酸化染料は、染着後の色落ちが少ないことから、酸化染毛剤に配合される染料として好まれている。酸化染料は、毛髪内に酸化染料を浸透させ、酸化重合により発色することで、毛髪に所望の色を染着させることができる。直接染料は、染着後に色落ちしやすいが、毛髪内に直接染料を浸透させ、直接染料の色調に毛髪を染着させることができるため、鮮やかな色を発色させたい場合に適している。
【0005】
特に、鮮やかな色のなかでも、暖色系の色を染着させる場合は、酸化染料では鮮やかさを実現することが難しいため、直接染料が用いられてきた。しかしながら、直接染料は色落ちしやすい問題があることから、酸化染料を用いて、毛髪に鮮やかな暖色系の色を染着させることが望まれている。
【0006】
例えば、特許文献1では、特定の酸化染料を組み合わせることにより、毛髪を黄色の色相へ染色することができ、染色された毛髪の退色がしにくく、堅牢性にも優れる酸化染毛剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-126497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術は、黄色系の色に染着させることができるものの、鮮やかさが満足できる品質ではなかった。また、毛髪がひっかかり、手触りが固くなってしまう問題があった。
【0009】
このようなことから、本発明は、酸化染料を用いて毛髪に鮮やかな暖色系の色を染着させることができ、すすぎ時の指通りおよび手触りの柔らかさに優れる、酸化染毛剤第一剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、以下の構成を有する酸化染毛剤第一剤は上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、例えば以下の[1]~[6]である。
【0011】
[1]モノエタノールアミン(MEA)と2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)とからなる成分(A)4~12質量%と、アニオン性界面活性剤(B)2.5~7.5質量%と、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、HLB3~15のノニオン性界面活性剤(但し、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを除く)とからなるノニオン性界面活性剤(C)14~22質量%とを含み、前記モノエタノールアミン(MEA)と前記2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)との質量比(AMP/MEA)が0.5~14であり、前記ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、前記HLB3~15のノニオン性界面活性剤との質量比(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド/HLB3~15のノニオン性界面活性剤)が0.5~1.5である、酸化染毛剤第一剤。
【0012】
[2]両性界面活性剤(D)をさらに含む、[1]に記載の酸化染毛剤第一剤。
[3]カチオン化ポリマー(E)をさらに含む、[1]または[2]に記載の酸化染毛剤第一剤。
【0013】
[4]透明な液状である、[1]~[3]のいずれかに記載の酸化染毛剤第一剤。
[5]pHが9~13である、[1]~[4]のいずれかに記載の酸化染毛剤第一剤。
【0014】
[6]下記試験(I)を行った際にジェル状となる、[1]~[5]のいずれかに記載の酸化染毛剤第一剤。
試験(I):酸化染毛剤第一剤1gと過酸化水素を2質量%含む酸化染毛剤第二剤1gとを混合する。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、酸化染料を用いて毛髪に鮮やかな暖色系の色を染着させることができ、すすぎ時の指通りおよび手触りの柔らかさに優れる、酸化染毛剤第一剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に本発明の酸化染毛剤第一剤について具体的に説明する。
<酸化染毛剤第一剤>
本発明において、酸化染毛剤第一剤とは、二剤式の酸化染毛剤における、第一剤のことを指す。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、通常、過酸化水素を含む酸化染毛剤第二剤と共に用いられる。
なお、本発明において、酸化染毛剤第一剤は第一剤とも記し、酸化染毛剤第二剤は、第二剤とも記す。
【0017】
本発明の酸化染毛剤第一剤は、モノエタノールアミン(MEA)と2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)とからなる成分(A)4~12質量%と、アニオン性界面活性剤(B)2.5~7.5質量%と、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、HLB3~15のノニオン性界面活性剤(但し、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを除く)とからなるノニオン性界面活性剤(C)14~22質量%とを含み、前記モノエタノールアミン(MEA)と前記2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)との質量比(AMP/MEA)が0.5~14であり、前記ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、前記HLB3~15のノニオン性界面活性剤との質量比(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド/HLB3~15のノニオン性界面活性剤)が0.5~1.5である。
【0018】
本発明において、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)は、Griffinの式から算出される値を意味する。
本発明における各成分の数値は、酸化染毛剤第一剤を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表しており、純分換算した値を示している。
【0019】
<成分(A)>
本発明において、モノエタノールアミン(MEA)と2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)とからなる成分(A)を、成分(A)とも記す。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、成分(A)を4~12質量%、好ましくは6~8質量%含む。
【0020】
成分(A)が、前記範囲内にあると、暖色系の色を鮮やかに染着させることができる。
成分(A)が、前記下限量より少ないと、暖色系の色を染着させても鮮やかに発色せず、暗くなる。成分(A)が、前記上限量より多いと、すすぎ時の指通りが悪くなり、毛髪に固さを感じてしまう。
【0021】
なお、本発明において、暖色系の色とは、赤色、オレンジ色、黄色等を指し、具体的には、酸化染毛剤で染着させた毛髪が、マンセル表色系の色相10RPから5Y、明度4以上、彩度10以上の色相を示す。
【0022】
本発明の酸化染毛剤第一剤は、前記モノエタノールアミン(MEA)と前記2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)との質量比(AMP/MEA)が0.5~14、好ましくは2~6である。
【0023】
質量比(AMP/MEA)が、前記範囲内にあると、剤形が透明な液状となり、成分の析出等による濁りが発生せず、安定性に優れる。
本発明者は、成分(A)が上記の量であり、かつ、上記の質量比(AMP/MEA)であると、酸化染料で暖色系の色を鮮やかに染着することが可能であることを見出した。
【0024】
<アニオン性界面活性剤(B)>
本発明の酸化染毛剤第一剤は、アニオン性界面活性剤(B)を2.5~7.5質量%、好ましくは4~6.5質量%、より好ましくは4.5~5.5質量%含む。
アニオン性界面活性剤(B)が、前記範囲内にあると、第一剤と第二剤とをほぼ等量ずつ混合した混合液の粘度が非常に高くなり、毛髪に塗布する際に垂れ落ちず、操作性に優れる。また、すすぎ時の指通りおよび手触りの柔らかさに優れる。
【0025】
アニオン性界面活性剤(B)は、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、およびN-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミンから選択される少なくとも1種であることが好ましく、アニオン性界面活性剤(B)が、テトラデセンスルホン酸ナトリウムであることがより好ましい。
アニオン性界面活性剤(B)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0026】
<ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、HLB3~15のノニオン性界面活性剤(但し、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを除く)とからなるノニオン性界面活性剤(C)>
本発明において、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、HLB3~15のノニオン性界面活性剤(但し、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを除く)とからなるノニオン性界面活性剤(C)を、成分(C)とも記す。
【0027】
本発明の酸化染毛剤第一剤は、成分(C)を14~22質量%、好ましくは16~20質量%含み、前記ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、前記HLB3~15のノニオン性界面活性剤との質量比(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド/HLB3~15のノニオン性界面活性剤)が0.5~1.5、好ましくは0.8~1.2である。
【0028】
成分(C)の質量が前記範囲内にあると、第一剤と第二剤とをほぼ等量ずつ混合した混合液の粘度が非常に高くなり、毛髪に塗布する際に、毛髪から垂れ落ちず操作性に優れる。また、すすぎ時の指通りおよび手触りの柔らかさに優れる。
【0029】
前記ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、前記HLB3~15のノニオン性界面活性剤との質量比(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド/HLB3~15のノニオン性界面活性剤)が、前記範囲内にあると、第一剤と第二剤とをほぼ等量ずつ混合した混合液の粘度が非常に高くなり、毛髪に塗布する際に垂れ落ちず、操作性に優れる。
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドは、特に限定されないが、市販品としては例えば、アミゾールCME(川研ファインケミカル株式会社)を用いることができる。
【0030】
HLB3~15のノニオン性界面活性剤は、POEトリデシルエーテル(HLB7.9)、POEオレイルエーテル(HLB14.5)、セスキオレイン酸ソルビタン(HLB3.7)、POEオレイルエーテル(HLB17.4)、およびPOEセチルエーテル(HLB20)から選択される少なくとも1種であることが好ましい。具体的には、POE(3)トリデシルエーテル(HLB7.9)、POE(16)オレイルエーテル(HLB14.5)、セスキオレイン酸ソルビタン(HLB3.7)、POE(20)オレイルエーテル(HLB17.4)、およびPOE(150)セチルエーテル(HLB20)から選択される少なくとも1種であることが好ましく、POE(16)オレイルエーテル(HLB14.5)、POE(3)トリデシルエーテル(HLB7.9)、およびセスキオレイン酸ソルビタン(HLB3.7)から選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
HLB3~15のノニオン性界面活性剤は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0031】
本発明の酸化染毛剤第一剤は、成分(C)を16~20質量%含み、前記成分(C)がヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドとPOE(3)トリデシルエーテル(HLB7.9)、POE(16)オレイルエーテル(HLB14.5)、およびセスキオレイン酸ソルビタン(HLB3.7)からなるHLB3~15のノニオン性界面活性剤とからなり、前記ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、前記HLB3~15のノニオン性界面活性剤との質量比(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド/HLB3~15のノニオン性界面活性剤)が0.8~1.2であることが最も好ましい。
【0032】
<両性界面活性剤(D)>
本発明の酸化染毛剤第一剤は、両性界面活性剤(D)を好ましくは0.05~3質量%、より好ましくは0.1~1質量%含む。
両性界面活性剤(D)が、前記範囲内にあると、すすぎ時の指通りおよび手触りの柔らかさに優れるため好ましい。
【0033】
両性界面活性剤(D)としては、例えば、コカミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン型;2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム等のイミダゾリン型;アミノ酸型が挙げられる。これらの中でも、両性界面活性剤(D)としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、およびコカミドプロピルベタインから選択される少なくとも1種であることが好ましく、酸化染毛剤第一剤をより透明にでき、かつ、酸化染毛剤第一剤と酸化染毛剤第二剤とをほぼ等量ずつ混合した混合液が泡立ち、非常に粘度の高いジェル状になることから、ラウリン酸アミドプロピルベタインであることがより好ましい。
両性界面活性剤(D)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0034】
<カチオン化ポリマー(E)>
本発明の酸化染毛剤第一剤は、カチオン化ポリマー(E)を好ましくは0.001~0.05質量%、より好ましくは0.005~0.01質量%含む。
【0035】
カチオン化ポリマー(E)が、前記範囲内にあると、すすぎ時の指通りおよび手触りの柔らかさに優れるため好ましい。
カチオン化ポリマー(E)として、例えば、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、ジアリル四級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、カチオン化デンプン、カチオン化キサンタンガム、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン/四級化ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウム共重合体、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化タラガム、カチオン化ローカストビーンガムが挙げられる。
【0036】
カチオン化ポリマー(E)として、具体的には、カチオン化セルロースエーテル(ポリクオタニウム-10)、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム-7)が挙げられる。これらの中でも、増粘に優れることから、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体が好ましい。
カチオン化ポリマー(E)は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0037】
<その他成分>
本発明の酸化染毛剤第一剤は、通常は酸化染料を含む。本発明において、酸化染料は特に限定されないが、例えば、酸化重合により発色する染料中間体、染料中間体との反応により種々の色となるカップラー、メラニン前駆物質等が挙げられる。
【0038】
より具体的には、例えば、酸化染料として、フェニレンジアミン及びその誘導体、フェノール誘導体、アミノフェノール及びその誘導体、ジフェニルアミン及びその誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体、ピロリジン誘導体、トルエン誘導体、インドール誘導体、ピロール誘導体、並びにイミダゾール誘導体等が挙げられる。
【0039】
さらに具体的には、例えば、染料中間体としては、フェニレンジアミン類(但し、メタフェニレンジアミンを除く。)、アミノフェノール類(但し、メタアミノフェノール、2,4-ジアミノフェノール及びパラメチルアミノフェノールを除く。)、トルイレンジアミン類(但し、トルエン-3,4-ジアミン及びトルエン-2,4-ジアミンを除く。)、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、N-フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類(但し、2,6-ジアミノピリジンを除く)等が挙げられる。
【0040】
染料中間体の中でも、染毛力が強く、色持ちに優れることからパラアミノフェノール、パラフェニレンジアミン、パラトルイレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、N-フェニル-パラフェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、2-クロロパラフェニレンジアミン、N,N-ジメチルパラフェニレンジアミン、オルトアミノフェノール、2,6-ジクロロパラフェニレンジアミン、パラアミノフェニルスルファミン酸等が好ましく、暖色系の色をより鮮やかに染着させることができることから、パラアミノフェノール、およびパラフェニレンジアミンがより好ましい。
【0041】
カップラーとしては、パラアミノオルトクレゾール、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、メタアミノフェノール、メタフェニレンジアミン、2,4-ジアミノフェノール、1,2,4-ベンゼントリオール、トルエン-3,4-ジアミン、トルエン-2,4-ジアミン、ハイドロキノン、α-ナフトール、2,6-ジアミノピリジン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、パラメチルアミノフェノール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-2-メチルフェノール等が挙げられる。
【0042】
カップラーの中でも、染料中間体との酸化重合により暖色系を発色することから、パラアミノオルトクレゾール、およびメタアミノフェノールがより好ましく、彩度の高い発色であることから、パラアミノオルトクレゾールが最も好ましい。
【0043】
本発明の酸化染料は、彩度の高い発色に特に優れることから、染料中間体としてパラアミノフェノール、カップラーとしてパラアミノオルトクレゾールを用いることが好ましい。
【0044】
なお、酸化染料は、酸化重合によって発色可能な化合物の塩を含む概念である。上記化合物の塩としては、例えば、酸の付加塩等が挙げられ、好ましくは、有機酸の付加塩、および無機酸の付加塩が挙げられる。
酸化染料は1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0045】
本発明の酸化染毛剤第一剤における酸化染料の含有量は、特に限定されないが、染料中間体とカップラーとの合計量が好ましくは0.005~5質量%である。
【0046】
本発明の酸化染毛剤第一剤は、通常は水を含む。水の含有量は特に限定されず、使用する目的に応じて、適宜調整して用いることができる。水として、具体的には、水道水、イオン交換水、蒸留水、精製水および天然水が挙げられ、殺菌済みのものが好ましい。
【0047】
本発明の酸化染毛剤第一剤において、水を好ましくは20~50質量%、より好ましくは25~43質量%含み、イオン交換水であることが好ましい。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記成分以外に任意の成分を含有することができる。任意の成分としては、例えば、乳化剤、可溶化剤、浸潤剤、水溶性ポリマー、pH調整剤、多価アルコール、糖、植物抽出物、安定化剤、保湿剤、生薬類、金属封鎖剤(キレート剤)、防腐剤、酸化防止剤、清涼剤、帯電防止剤、ビタミン類、タンパク質、香料、色素、溶剤が挙げられる。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、直接染料を含んでいてもよいが、色落ちしやすいことから、直接染料は実質的に含まないことが好ましい。
【0048】
直接染料を実質的に含まないとは、酸化染毛剤第一剤100質量%中の直接染料の量が、通常は0~0.01質量%、好ましくは0~0.005質量%であることを意味する。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、成分(A)以外のアルカリ剤として、例えば、炭酸水素アンモニウム、アンモニウム塩等のアンモニア;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化ナトリウム;ケイ酸ナトリウム;アルギニン;炭酸カリウム;炭酸水素ナトリウム;を含んでいてもよいが、これらの成分は実質的に含まないことが好ましい。
【0049】
成分(A)以外のアルカリ剤を実質的に含まないとは、酸化染毛剤第一剤100質量%中のアルカリ剤の量が、通常は0~1質量%、好ましくは0~0.5質量%であることを意味する。
【0050】
本発明の酸化染毛剤第一剤は、pHが好ましくは9~13、より好ましくは9~12である。酸化染毛剤第一剤のpHが前記範囲内にあると、皮膚への刺激が少なく、施術中の不快感を和らげることができるため好ましい。
【0051】
酸化染料の暖色系の色は、第一剤のpHが高いと毛髪に染着させやすいが、第一剤の安定性が悪く、保存中の変色が問題となった。また、pHが高いと毛髪ダメージや皮膚への刺激の原因となることも問題であった。
【0052】
さらに、本発明者は、暖色系の色を鮮やかに染着させるためには、第一剤と第二剤とを混合した混合液のpHが第一剤のpHより低くなりにくく、その差が小さいことも重要であることを見出した。
【0053】
本発明の酸化染毛剤第一剤は、酸化染毛剤第一剤1gと過酸化水素を2質量%含む酸化染毛剤第二剤1gとを混合する試験である試験(I)を行った際に、ジェル状となることが好ましく、透明なジェル状となることがより好ましい。
【0054】
<製造方法>
本発明の酸化染毛剤第一剤は、上述した各成分を上述の量で使用する以外は、例えば公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって製造することができ、製造方法は特に限定されない。製造方法としては各成分を均一に混合するために、加熱条件下で行ってもよい。加熱条件下で製造する場合の温度としては、例えば75~85℃が挙げられる。
【0055】
<剤形>
本発明の酸化染毛剤第一剤は、透明な液状であることが好ましい。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、透明であると、みずみずしさとさわやかさを想起させることから好ましい。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、とろみが無く、水様の液状であることが、酸化染毛剤第二剤を均一に混合しやすい観点から、より好ましい。
【0056】
<使用方法等>
本発明の酸化染毛剤第一剤は、二剤式の酸化染毛剤の第一剤である。
本発明の酸化染毛剤第一剤を使用するときは、通常、本発明の酸化染毛剤第一剤と、過酸化水素を含む酸化染毛剤第二剤とを使用する直前に混合してから、毛髪に塗布することが好ましい。
【0057】
第一剤と、過酸化水素を含む第二剤とを混合する場合、その混合割合は、毛髪に所望の色を染着させるために適宜調整されるが、第一剤と、第二剤との重量比が、1:1~1:5であることが好ましい。
【0058】
本発明においては、第一剤と第二剤とを混合した混合液が、ジェル状になることが好ましい。本発明では、混合液は好ましくは透明なジェル状になり、非常に粘度の高い透明なジェル状になることがより好ましい。ジェル状であると、毛髪に塗布する際に毛髪やハケから垂れ落ちず操作性に優れるため、好ましい。
【0059】
本発明において、酸化染毛剤は、本発明の酸化染毛剤第一剤と、過酸化水素を含む酸化染毛剤第二剤とからなり、前記酸化染毛剤第一剤と、前記過酸化水素を含む酸化染毛剤第二剤とを重量比(酸化染毛剤第一剤:酸化染毛剤第二剤)1:1~1:5で混合した混合液が、透明なジェル状であることが好ましい。
【0060】
本発明者は、本発明の酸化染毛剤第一剤であることによって、第一剤と第二剤とを混合した混合液が、白濁、沈殿、析出等を生じず、透明で、非常に高い粘度となることを見出した。
【0061】
さらに、本発明者は、本発明の第一剤のpHと、第一剤と第二剤とをほぼ等量ずつ混合した混合液のpHの差(第一剤のpH-混合液のpH)が小さいと、より毛髪を鮮やかに染着できることを見出した。具体的には、本発明の第一剤のpHと、前記混合液のpHとの差(第一剤のpH-混合液のpH)が、好ましくは1.0~1.5、より好ましくは0.6~0.9、最も好ましくは0~0.5であると、より鮮やかに染着させることができる。
【0062】
本発明の酸化染毛剤第一剤を使用して、毛髪に所望の色を染着するには、例えば、以下の手順で行うことができる。
まず、本発明の酸化染毛剤第一剤と、過酸化水素を含む酸化染毛剤第二剤とを混合し、混合液を作成する。次に、毛髪を流水で濡らし、軽くタオルドライした後、前記混合液を、毛髪全体を覆うようにハケで塗布し、20℃~28℃で10~45分放置する。その後、35~42℃のお湯で水洗し、適宜シャンプー剤およびトリートメント剤を用いて洗浄することで、本発明の酸化染毛剤第一剤を使用して、毛髪に所望の色、好ましくは鮮やかな暖色系の色を染着することができる。
【0063】
なお、本発明の酸化染毛剤第一剤と、過酸化水素を含む酸化染毛剤第二剤とを、アプリケーター等の容器内で混合し、混合液を作成することもできる。前記混合液を毛髪に乗せた後、手袋をした手で揉みこむように塗布することもできる。
【実施例
【0064】
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0065】
<実施例1~50、比較例1~21>
実施例、および比較例では、表1に記載の市販品を使用した。
表2の処方の数値は、酸化染毛剤第二剤を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表しており、純分換算した値を示す。
表3~表10の処方の数値は、酸化染毛剤第一剤を100質量%とした場合の、各成分の質量%を表しており、純分換算した値を示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
<評価方法>
製造した各実施例および比較例の酸化染毛剤第一剤について、(1)および(2)に記載した評価項目と評価基準に従って、評価を行った。
【0069】
次に、製造した各実施例および比較例の酸化染毛剤第一剤1gと、表2に記載の通りに調製した酸化染毛剤第二剤1gとの混合液を調製した。混合液は、透明なジェル状であった。この混合液のpHを測定し、(4)に記載した評価項目と評価基準に従って、評価を行った。
【0070】
専門パネラー(美容師)10人が1人ずつ、毛束(10cm、1g)(17Lv毛束;BR-3-A;ビューラックス社製)を流水で濡らし、軽くタオルドライした後、前記混合液の全量を毛束にハケで塗布した。25℃で15分間放置後、10%アルスコープ DA-330S(東邦化学工業株式会社製)水溶液で洗浄し、すすいだ後、毛束を乾燥させた。
【0071】
最後に、毛束の色の鮮やかさを観察した。実施例の毛束は、マンセル表色系の色相5R~5YR、明度4以上、彩度10以上の色相であった。
一連の施術について、上記の専門パネラー(美容師)が(3)、および(5)~(7)に記載した評価項目と評価基準に従って、評価を行った。評価点の平均を算出し、以下のとおり評価した。
【0072】
《評価基準A》 評価項目(1)~(5)
◎:評価点の平均が3.5点以上である。
○:評価点の平均が2.5点以上3.5点未満である。
△:評価点の平均が1.5点以上2.5点未満である。
【0073】
《評価基準B》 評価項目(6)および(7)
◎◎:評価点の平均が4.5点以上である。
◎:評価点の平均が3.5点以上4.5点未満である。
○:評価点の平均が2.5点以上3.5点未満である。
△:評価点の平均が1.5点以上2.5点未満である。
【0074】
《評価項目および評価基準》
(1)酸化染毛剤第一剤の粘度
100mLのガラス容器に、酸化染毛剤第一剤を80g充填し、容器を傾けて粘度を評価した。
4点:完全な液状である
3点:ややとろみのある液状である
2点:非常にとろみのある液状である
1点:ジェリー状の半固体である
【0075】
(2)酸化染毛剤第一剤の透明性
第一剤の透明性を目視で評価した。
4点:完全に透明で濁りがない
3点:ほぼ透明で濁りが少ない
2点:濁っている
1点:とても濁っている
【0076】
(3)混合液の粘度および塗布のしやすさ
第一剤と第二剤とを混合した混合液を毛髪上にハケで塗布した際の、混合液の粘度、および塗布のしやすさを評価した。
4点:非常に高い粘度で塗布しやすく、垂れない
3点:高い粘度で塗布しやすく、やや垂れる
2点:低い粘度で塗布しにくく、垂れる
1点:非常に低い粘度で塗布が難しく、垂れて毛髪上にとどまらない
【0077】
(4)混合液のpH低下
第一剤のpHと、第一剤と第二剤とを混合した混合液のpHとの差(第一剤のpH-混合液のpH)を算出して評価した。
4点:pHの差が0~0.5
3点:pHの差が0.6~0.9
2点:pHの差が1.0~1.5
1点:pHの差が1.6以上
【0078】
(5)発色
暖色系の色で染着させた後、洗浄し、乾燥させた毛束について、色の鮮やかさを目視で評価した。
4点:非常に鮮やかな発色である
3点:やや鮮やかな発色である
2点:やや暗い発色である
1点:ほとんど発色していない
【0079】
(6)すすぎ時の指通りの良さ
染毛した毛束をすすいでいるときの指通りについて、触感で評価した。
5点:非常に指通りが良く、柔らかさを感じる
4点:非常に指通りが良い
3点:指通りが良い
2点:指通りが悪い
1点:指通りが非常に悪い
【0080】
(7)ドライ後の柔らかさ
染毛した毛束をすすぎ、ドライヤーで乾燥させた後、毛束に触れたり、指を通したりしたときの柔らかさについて、触感で評価した。
5点:非常に柔らかく、さらさらしている
4点:非常に柔らかい
3点:柔らかい
2点:硬い
1点:非常に硬い
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【表5】
【0084】
【表6】
【0085】
【表7】
【0086】
【表8】
【0087】
【表9】
【0088】
【表10】
【0089】
実施例1~50で製造した酸化染毛剤第一剤は、(1)~(7)の評価において良好な結果となった。実施例44、45、48、および49は、特に良好な結果となった。
本発明の酸化染毛剤第一剤は、酸化染料を用いて毛髪に鮮やかな暖色系の色を染着させることができ、すすぎ時の指通りおよび手触りの柔らかさに優れることがわかる。
【0090】
さらに、本発明の酸化染毛剤第一剤と第二剤とを混合した混合液は、透明なジェル状となり、塗布する際に毛髪から垂れ落ちず、操作性に優れることがわかる。
比較例1で製造した酸化染毛剤第一剤は、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)とモノエタノールアミン(MEA)との質量比(AMP/MEA)が、規定値より小さいため、第一剤がやや濁ってしまい、透明にならなかった。また、第一剤のpHと、第一剤と第二剤とを混合した混合液のpHとの差(第一剤のpH-混合液のpH)が大きく、やや暗い発色であった。
【0091】
比較例2で製造した酸化染毛剤第一剤は、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)とモノエタノールアミン(MEA)との質量比(AMP/MEA)が、規定値より大きいため、第一剤のpHと、第一剤と第二剤とを混合した混合液のpHとの差(第一剤のpH-混合液のpH)が大きく、やや暗い発色であった。
【0092】
比較例3で製造した酸化染毛剤第一剤は、成分(A)の質量が、規定値より少ないため、やや暗い発色であった。
比較例4で製造した酸化染毛剤第一剤は、成分(A)の質量が、規定値より多いため、すすぎ時の指通りが悪く、ドライ後に硬さがあった。
【0093】
比較例5~9で製造した酸化染毛剤第一剤は、本発明に規定する成分(A)を使用していないため、やや暗い発色であったり、第一剤が濁ってしまい、透明にならなかった。
比較例10で製造した酸化染毛剤第一剤は、アニオン性界面活性剤(B)の質量が、規定値より少ないため、粘度が低すぎて塗布しにくく、垂れるものであった。
【0094】
比較例11で製造した酸化染毛剤第一剤は、アニオン性界面活性剤(B)の質量が、規定値より多いため、すすぎ時の指通りが悪く、ドライ後に硬さがあった。
比較例12および13で製造した酸化染毛剤第一剤は、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、HLB3~15のノニオン性界面活性剤との質量比(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド/HLB3~15のノニオン性界面活性剤)が、規定値を満たしていないため、粘度が低すぎて塗布しにくく、垂れるものであった。
【0095】
比較例14で製造した酸化染毛剤第一剤は、成分(C)の質量が、規定値より小さいため、粘度が低すぎて塗布しにくく、垂れるものであった。
比較例15で製造した酸化染毛剤第一剤は、成分(C)の質量が、規定値より大きいため、すすぎ時の指通りが悪く、ドライ後に硬さがあった。
【0096】
比較例16~21で製造した酸化染毛剤第一剤は、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドと、HLB3~15のノニオン性界面活性剤との質量比(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド/HLB3~15のノニオン性界面活性剤)が規定値を満たしていないため、粘度が低すぎて塗布しにくく、垂れるものであった。