(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240205BHJP
【FI】
A63F5/04 601A
A63F5/04 602A
(21)【出願番号】P 2023038662
(22)【出願日】2023-03-13
(62)【分割の表示】P 2020207983の分割
【原出願日】2020-12-15
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 友浩
【審査官】奈良田 新一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-195553(JP,A)
【文献】特開2003-102903(JP,A)
【文献】特許第7131850(JP,B2)
【文献】特許第7072195(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に開口を有する筐体と、
前記筐体に
対し左方側を軸に開閉可能に支持された前扉と、を備え、
前記開口は、上部よりも下部が前方となる傾斜面に沿って形成されており、
前記前扉は、
前記傾斜面に対向する合わせ面と、
円筒状のシリンダ錠と
、シリンダ錠用貫通孔と、
スタートレバーと
、スタートレバー用貫通孔と、
ストップボタンと
、ストップボタン用貫通孔と
、を有し、
前記シリンダ錠用貫通孔は、前記合わせ面と直交するように形成されており、
前記スタートレバー用貫通孔は、前記合わせ面と直交するように形成されており、
前記ストップボタン用貫通孔は、前記合わせ面と直交するように形成され
ている
遊技機であって、
前記前扉の状態には、第1状態と第2状態と第3状態とが含まれ、
前記第1状態は、前記前扉が閉鎖され、前記前扉の被支持部が前記筐体の支持部に支持されている状態であり、
前記第2状態は、前記前扉が開放され、前記被支持部が前記支持部に当接していない状態であり、
前記第3状態は、前記前扉が開放され、前記被支持部が前記支持部に当接している状態であり、
前記第1状態における、前記前扉の下端部と、前記筐体の底面との間の上下方向の寸法を第1寸法とし、
前記第2状態における、前記前扉の下端部と、前記筐体の底面との間の上下方向の寸法を第2寸法とし、
前記第3状態における、前記前扉の下端部と、前記筐体の底面との間の上下方向の寸法を第3寸法とすると、
前記第2寸法は、前記第1寸法よりも小さく、遊技メダルの厚さよりも大きい寸法であり、
前記第3寸法は、前記第1寸法よりも小さく、遊技メダルの厚さよりも大きい寸法であり、
前記第1寸法、前記第2寸法及び前記第3寸法は、遊技球の直径よりも小さい寸法である、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、遊技メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者によるスタートレバーに対する回転開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者によるストップボタンに対する停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
この種の遊技機においては、上部よりも下部が前方となる傾斜面に沿って前面側に形成された開口を有する筐体(キャビネット)と、筐体の開口を開閉可能に支持された前扉(前面扉)と、を備えている構成が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の遊技機は、前扉に施錠装置、スタートレバー、ベットボタン、停止ボタン等が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、この種の遊技機の前扉は、防犯性を確保するため、できるだけ継ぎ目が少なくなるように大型の金型を用いて生産される。このため、前扉は生産コストが大きくなりやすく、生産コストの低減が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、前扉の生産コストの低減を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、前面側に開口を有する筐体と、前記筐体に対し左方側を軸に開閉可能に支持された前扉と、を備え、前記開口は、上部よりも下部が前方となる傾斜面に沿って形成されており、前記前扉は、前記傾斜面に対向する合わせ面と、円筒状のシリンダ錠と、シリンダ錠用貫通孔と、スタートレバーと、スタートレバー用貫通孔と、ストップボタンと、ストップボタン用貫通孔と、を有し、前記シリンダ錠用貫通孔は、前記合わせ面と直交するように形成されており、前記スタートレバー用貫通孔は、前記合わせ面と直交するように形成されており、前記ストップボタン用貫通孔は、前記合わせ面と直交するように形成されている遊技機であって、前記前扉の状態には、第1状態と第2状態と第3状態とが含まれ、前記第1状態は、前記前扉が閉鎖され、前記前扉の被支持部が前記筐体の支持部に支持されている状態であり、前記第2状態は、前記前扉が開放され、前記被支持部が前記支持部に当接していない状態であり、前記第3状態は、前記前扉が開放され、前記被支持部が前記支持部に当接している状態であり、前記第1状態における、前記前扉の下端部と、前記筐体の底面との間の上下方向の寸法を第1寸法とし、前記第2状態における、前記前扉の下端部と、前記筐体の底面との間の上下方向の寸法を第2寸法とし、前記第3状態における、前記前扉の下端部と、前記筐体の底面との間の上下方向の寸法を第3寸法とすると、前記第2寸法は、前記第1寸法よりも小さく、遊技メダルの厚さよりも大きい寸法であり、前記第3寸法は、前記第1寸法よりも小さく、遊技メダルの厚さよりも大きい寸法であり、前記第1寸法、前記第2寸法及び前記第3寸法は、遊技球の直径よりも小さい寸法である、ことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、前扉の生産コストの低減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す正面図である。
【
図2】本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す側面図である。
【
図3】本実施形態に係る遊技機の前面扉の構成を示す背面図である。
【
図4】本実施形態に係る遊技機の筐体の内部の構成を示す正面図である。
【
図5】本実施形態に係る遊技機のシリンダ錠を示す
図3のE-E断面図である。
【
図6】本実施形態に係る遊技機のストップボタンユニットを示す
図1のC-C断面図である。
【
図7】本実施形態に係る遊技機のストップボタンユニットを示す
図2のD-D断面図である。
【
図8】本実施形態に係る遊技機のストップボタンユニットを示す分解図である。
【
図9】本実施形態に係る遊技機のスタートレバーユニットを示す
図1のA-A断面図である。
【
図10】本実施形態に係る遊技機のスタートレバーユニットの取付構造を示す
図1のB-B断面図である。
【
図11】本実施形態に係る操作部の構成を示す図である。
【
図12】本実施形態に係る第1特定図側を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る第1状態の前扉を示す図である。
【
図14】本実施形態に係る第2状態の前扉を示す図である。
【
図15】本実施形態に係る第3状態の前扉を示す図である。
【
図16】本実施形態に係る遊技メダル及び遊技球を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。また、以下の記載において、「平行」及び「直交」との説明があるが、これらを寸法誤差(設計誤差、製造誤差)等により厳密に「平行」及び「直交」とすることは現実的には困難であり、「平行」及び「直交」には、それぞれ「略平行」及び「略直交」であるものを含むものとする。
【0011】
[遊技機の構成の概要]
図1は、本実施形態のスロットマシン1の外観構成を示す正面図、
図2は、スロットマシン1の外観構成を示す側面図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、遊技メダル(以下、単にメダルとも言う)を遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。なお、以下において、遊技者の方(手前)を「前方」、反対を「後方」と記載する。また、
図1の正面図を基準に遊技機の上下左右を規定する。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、遊技者に対向する側である前面側(前方側)に開口BXa(
図4参照)が形成された箱形の筐体BX、開閉可能に左方側が筐体BXに軸支された前面扉としての前扉FDを備えており、筐体BX内に左右方向に並べて配置された複数のリールとしての第1リールR1~第3リールR3を有するリールユニット310が収められている。筐体BXの開口BXaは、上部よりも下部が前方となる傾斜面S1に沿って形成されている。筐体BXは、スロットマシン1が遊技場に設置される際、相手部材(島設備等)と当接する底面(底板BXLの下面)BXbを有している。なお、底面BXbは平面状に形成されているものに限定されない。底面BXbは、相手部材と当接することによってスロットマシン1が安定して載置されるように形成されていればよく、例えば、複数の凹凸を有していてもよい。筐体BXの開口BXaは、傾斜面S1に沿って形成されているため、前扉FDの開放時に前方側に倒れようとする力を緩和している。また、筐体BX内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(
図4参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体BX内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板10(
図4参照)も収められている。
【0013】
最も左方側に配置された第1リールR1、第1リールR1の右方側に配置された第2リールR2及び第2リールR2の右方側に配置された第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で20の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータM(
図4参照)に軸支されており、それぞれステッピングモータMの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータMの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。
【0014】
前扉FDは、それぞれ個別に開閉可能で、開口BXaの上半部を閉じることが可能な前面上扉UDと、開口BXaの下半部を閉じることが可能な前面下扉DDと、に分割部DVにおいて上下に分割して構成されている。前面上扉UDには、第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインLが有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0017】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1~ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0018】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが傾動操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後第1リールR1~第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0019】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、図示しない有利期間制御手段によって有利期間が開始されている場合に点灯し、有利期間が開始されていない、つまり非有利期間が開始されている場合に消灯することで有利期間が開始されているか否かを報知する有利期間報知部500Aが設けられている。
【0020】
また、スロットマシン1には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりする、遊技に関する演出を実行可能な演出装置300が設けられている。演出装置300には、前面上扉UDに設けられている、表示装置330、可動役物装置350、及び複数の電飾装置360、前面下扉に設けられている複数の電飾装置370が含まれる。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技の進行に応じて各種の映像や画像を表示する演出を実行する。可動役物装置350は、例えば、表示装置330の前方に配置されており、遊技の進行に応じてモータやソレノイド等の駆動手段により移動し、表示装置330の画面を遮蔽させたり露出させたりする演出を実行する。電飾装置360,370は、遊技の進行に応じて発光する演出を実行する。また、演出装置300には、前面上扉UD及び前面下扉DDに設けられている、複数の音響装置380,390を含む。音響装置380,390は、遊技の進行に応じて各種の音声を出力する演出を実行する。
【0021】
前面下扉DDは、正面視において前面下扉DDと略同サイズで、電飾装置370、音響装置390、受皿MP等が取付けられる合成樹脂製の下扉ベースDBを有している。下扉ベースDBには、各種の操作手段が取付けられている操作部CPが一体的に形成されている。操作部CPは、上方を向いた操作部上面CPaと、前方を向いた操作部前面CPbと、を有している。操作部上面CPaには、遊技者が1枚ずつメダルを投入するためのメダル投入口MI、及びメダルがクレジット(貯留)されている状態で、クレジットされたメダルのうちから一度の操作によって規定投入数のメダルを投入する投入操作を受付ける投入操作手段としてのマックスベットボタンMB(ベットボタン)が取付けられている。
【0022】
操作部前面CPbには、投入操作手段としてのシングルベットボタンBT、開始操作手段としてのスタートレバーSLを有するスタートレバーユニットLU、停止操作手段としての複数のストップボタンであるストップボタンB1~ストップボタンB3を有するストップボタンユニットBU、ストップボタンユニットBUの前面側を覆うボタンカバーBC、クレジットされたメダルを清算するための清算ボタンBS及びメダル通路内で発生したメダル詰まりを解消するために押圧操作されるリジェクトボタンBRが取付けられている。シングルベットボタンBTは、メダルがクレジットされている状態で、クレジットされたメダルのうちから1枚のメダルを投入する投入操作を受付ける。スタートレバーSLは、第1リールR1~第3リールR3を回転させる契機となる開始操作を受付ける。ストップボタンB1~ストップボタンB3は、ステッピングモータM(
図4参照)により回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を受付ける。クレジットされているメダルは、貯留手段としての制御基板10に記憶(貯留)されている。リジェクトボタンBRは、押圧操作されると、リジェクト機構(不図示)が動作してメダル投入口MIの下方のメダル通路の間隔が拡大し、メダル詰まりが解消される。
【0023】
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを後方に向けて押下するシングルベット操作(投入操作)又はマックスベットボタンMBを下方に向けて押下するマックスベット操作(投入操作)を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対してスタートレバーSLを初期位置から傾動させる開始操作(傾動操作)を実行すると、制御基板10において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータMの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1~ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
【0024】
なお、本実施形態のスロットマシン1は、第1リールR1~第3リールR3を回転開始させた場合に、ウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、スロットマシン1は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内に再び開始操作が行われた場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1~第3リールR3を回転開始させるように構成されている。
【0025】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3を後方に向けて押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ35(
図8参照)がON動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。
【0026】
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1~ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板10は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
【0027】
また、前面下扉DDの下部の下皿前面51には、メダル払出口MOとメダル受皿(以下、単に受皿という)MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOから受皿MPへ払い出されるようになっている。また、制御基板10にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、清算ボタンBSが後方に向けて押下された場合、清算ボタンBSの押下に伴って清算ボタンBSに内蔵されているメダル清算スイッチ(不図示)がON動作を行い、制御基板10へ出力するメダル清算信号をOFF状態からON状態へ変化させる。制御基板10は、メダル清算信号のOFF状態からON状態への変化に伴って、第1リールR1~第3リールR3が回転しておらずかつメダルがベットされていない状態に限り、ホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す清算処理を実行し、メダル払出口MOから受皿MPへメダルを払い出す。
【0028】
下皿前面51のメダル払出口MOの左右には、証紙類(公的機関による試験の適合を証する証紙、特許権等の実施許諾を証する証紙、各遊技機の個別情報(機種情報や製造情報)を符号や数字等で記録した識別ラベル、銘板など)を配置するための証紙類配置部52L、52Rがそれぞれ配置されている。証紙類配置部52L、52Rは、例えば、証紙類を収容する凹部とそれを覆う透明カバーなどから構成することができる。あるいは、証紙類配置部52L、52Rは単に証紙類(証紙や銘板など)を貼付や接着するための平面部であってもよい。下皿前面51の後方かつ証紙類配置部52L、52Rの左右外側には、上記の音響装置390,390が配置されており、音響装置390,390の前方の下皿前面51には、音響装置390,390からの音を前方に出力するための多数の開口からなる開口部53,53が配置されている。
【0029】
下皿前面51は、後述する前面下扉DDの傾斜面S1に対向する合わせ面DDaと平行となるように形成されており、メダル払出口MOの開口の前端縁MOaも、合わせ面DDaと平行となるように形成されている。また、開口部53,53は、合わせ面DDaと直交するように形成されている。これにより、前面下扉DDの形状の簡略化を図り、生産コストの低減を図ることを可能としている。なお、開口部の開口は、射出成型において合わせ面DDaと直交する方向に型抜き可能な形状であればよく、例えば内面に0~10°程度の抜き勾配が形成されていてもよいし、各孔の抜き勾配は1つの孔において一定でなくてもよい。また、証紙類配置部52L,52Rの証紙類を貼付ける平面部は、合わせ面DDaと平行となるように形成されている。即ち、証紙類配置部52L,52Rに配置された証紙類は、上部よりも下部が前方となるように傾斜する。これにより、作業者や遊技者等が証紙類の情報を目視により確認する際、証紙類配置部52L,52Rよりも上方から証紙類を視認しやすくなり、証紙類の確認作業における作業性の向上を図っている。
【0030】
[前面上扉及び前面下扉の開閉に係る構成]
次に、前扉FDの開閉に係る構成について説明をする。
図2及び
図3に示すように、前扉FDは、前面上扉UD及び前面下扉DDのそれぞれの左方側に設けられたヒンジHN(
図4参照)を介して筐体BXに支持されており、筐体BXに対して右方側が開閉可能となっている。前面上扉UDは、上施錠ユニット(不図示)を有し、前面下扉DDは、下施錠ユニットDLを有する。
【0031】
上施錠ユニットは、前面上扉UDの右方側に設けられている。上施錠ユニットULは、上扉ベースUBに取付けられる上施錠ベースULa、上施錠ベースULaに対して傾動可能に支持され、筐体BXに設けられた上被係合部BXc(
図4参照)に係合する位置と係合しない位置とに移動可能な上係合部ULb、上係合部の移動を操作する係合操作部ULc、及び上係合部と係合操作部ULcとを接続する上接続部(不図示)を有する。前面上扉UDは、上施錠ユニットの上係合部ULbが上被係合部BXcに係合することにより、閉じている状態に施錠される。下施錠ユニットDLは、前面下扉DDの右方側に設けられている。下施錠ユニットDLは、下扉ベースDBに取付けられる下施錠ベースDLa、下施錠ベースDLaに対して傾動可能に支持され、筐体BXに設けられた下被係合部BXd(
図4参照)に係合する位置と係合しない位置とに移動可能な下係合部DLb、キー操作によって下係合部の移動を操作するシリンダ錠CY、及び下係合部DLbとシリンダ錠CYとを接続する下接続部DLdを有する。前面下扉DDは、下施錠ユニットDLの下係合部DLbが下被係合部BXdに係合することにより、閉じている状態に施錠される。前扉FDは、前面上扉UD及び前面下扉DDが施錠されることにより、開口BXaを閉じている状態となる。
【0032】
前面上扉UDは、前扉FDが開口BXaを閉じている状態で傾斜面S1に対向する合わせ面UDaを有し、前面下扉DDは、前扉FDが開口BXaを閉じている状態で傾斜面S1に対向する合わせ面DDaを有している。また、前面上扉UDは、前面上扉UDの下端部に配置されて前方を向くように形成された下端前面UDb(
図5参照)を有している。前面下扉DDは、前面下扉DDの上端部に配置されて後方を向くように形成され、下端前面UDbに対向すると共に下端前面UDbに当接可能な上端後面DDb(
図5参照)を有している。
【0033】
前面上扉UDは、上端後面DDbが下端前面UDbに当接することにより、前面下扉DDに対して開く方向への移動が規制される。このため、前面上扉UDは、前面下扉DDの下施錠ユニットDLの下係合部が下被係合部BXdに係合していない状態(前面下扉DDが施錠されておらず、開いている状態)で、開閉可能となっている。また、前面下扉DDは、前面上扉UDの上施錠ユニットの上係合部が上被係合部BXcに係合している状態(前面上扉UDが閉じて、施錠されている状態)で、前面下扉DDとは独立して開閉可能となっている。
【0034】
上施錠ユニットULの係合操作部ULcは、前面下扉DDが開いている状態で操作可能に露出するように配置されており、操作されることによって、上接続部を介して上施錠ユニットULの上係合部ULbを上被係合部BXcに係合しない位置に移動させる。下施錠ユニットDLのシリンダ錠CYは、前面下扉DDに形成されたシリンダ用貫通孔DBc(
図1参照、シリンダ錠用貫通孔)から前端部CYa(
図1参照)が前方に露出しており、挿入されたキーを回動させるキー操作が行われることによって、下接続部DLdを介して下施錠ユニットDLの下係合部DLbを下被係合部BXdに係合しない位置に移動させる。
【0035】
また、前面上扉UDは、前面上扉UDの下端部に配置されて下方を向くように形成された、分割部DVにおける分割面である上扉下端面UDcを有している。前面下扉DDは、前面下扉DDの上端部に配置されて上方を向くように形成され、前扉FDが開口BXaを閉じている状態で上扉下端面UDcに対向する、分割部DVにおける分割面である下扉上端面DDcを有している。上扉下端面UDc及び下扉上端面DDcは、合わせ面UDa,DDaと直交する仮想平面S2に対して、前方に向けて上向きとなるように傾斜している。
【0036】
これにより、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面下扉DDが開いている状態で前面上扉UDを開く際、前面上扉UDの右端側が自重により下がった状態で前面上扉UDが移動する場合であっても、上扉下端面UDcが下扉上端面DDcに沿って案内されるように構成される。また、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面上扉UDが閉じている状態で前面下扉DDを閉じる際、作業者が前面下扉DDを持ち上げながら閉じる場合であっても、上扉下端面UDcが下扉上端面DDcに沿って案内されるように構成される。
【0037】
このように構成されていることで、本実施形態のスロットマシン1は、作業者が前面上扉UD及び前面下扉DDを互いに独立して開閉する際、前面下扉DDの上端部の後方の角と、前面上扉UDの下端部の前方の角とが衝突しにくくなり、前面上扉UD及び前面下扉DDの開閉操作における操作性の向上を図っている。また、前面下扉DDの上端部の後方の角と前面上扉UDの下端部の前方の角とが衝突して破損することの防止を図っている。更に、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとが摺動する際の、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとが接触する圧力を低下させ、上扉下端面UDcと下扉上端面DDcとの摺動による傷付きの抑制を図っている。
【0038】
[リールユニットの詳細]
次に、リールユニット310の詳細について説明をする。
図4に示すように、筐体BXは、側方に配置された左右の側板BXe,BXfを有している。側板BXe,BXf間には、上フレーム11及び中フレーム12が上下方向に離間して架け渡されている。
【0039】
リールユニット310は、上フレーム11及び中フレーム12にねじ留めされるリールベース21と、リールベース21に保持され、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれに設けられて各リールを回転駆動するステッピングモータMと、各ステッピングモータMの駆動軸に支持された第1リールR1~第3リールR3と、を有する。また、リールユニット310は、リールベース21に保持され、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれに設けられて各リールの内側から前方に向けて光を照射する複数のLEDを有するリールバックライト基板23と、リールバックライト基板23からの光を前方に案内するリフレクタ25と、を有する。これらリールバックライト基板23及びリフレクタ25によって各リールR1~R3のバックライトが形成されている。
【0040】
上記リールバックライト基板23は、その表面に、発光源としてのLEDライト23aが複数、設置されていると共に、各LEDライト23aの近傍には、個々のLEDライト23Lを識別可能にする互いに異なる識別表示23bが設けられている(
図4の第3リール上部の基板参照。他の基板についても、同様の構成であるため、その記載を省略)。また、リフレクタ25は、上記LEDライト23Lに対応する位置に開口25aが形成されており、この開口25aは、リフレクタ25によってLEDライト23a及び識別表示23bを被覆しないように形成されている。即ち、開口25aを垂直に覗いた際に、開口25aからLEDライト23a及び識別表示23bのすべてが露出するようになっている。
【0041】
このため、リフレクタ25を取り外すこと無く、各複数あるLEDライト23aを識別表示23bにより識別するこが可能となる。従って、組み立て後の検査工程や、修理時において、リフレクタ25を取り外すこと無く、異常の生じたLEDライト23aを特定することが可能となり、作業性が向上する。また、本実施形態では、複数のLEDライト23a及び識別表示23bが一つの開口25aから露出し、このような開口25aが複数設けられている。しかしながら、一つの開口25aからは、一つのLEDライト23a及び識別表示23bのみが露出するようにしてもよい。
【0042】
第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ、ステッピングモータMに軸支されているリールフレーム22と、それぞれ複数の図柄を有する薄い帯状のリールテープRTと、を有する。リールフレーム22は、ステッピングモータの回転軸と同心で、左右方向に離間して配置された円環状の一対のリム部(一対の円環部ともいう)22a1,22a2と、一対のリム部22a1,22a2の間に架け渡されて、一対のリム部22aを複数箇所で互いに接続する接続部22bと、ステッピングモータMの回転軸に取付けられるハブ部22cと、一方のリム部22a1とハブ部22cとを接続してステッピングモータの回転力をハブ部22cからリム部22a1へ伝達するスポーク部(不図示)と、を有し、合成樹脂によって一体的に形成されている。一対のリム部22a1,22a2は、それぞれ、短手方向の両側でリールテープRTの内面に当接し、その外周には、左右方向に所定の幅を有して形成され、リールテープRTに当接してリールテープRTの左右端部を径方向に支持するための端部支持面22d1,22d2が形成されている。
【0043】
接続部22bは、一対のリム部22a1,22a2の端部支持面22d1,2d2と連続し、一対のリム部22a1,22a2の間でリールテープRTを径方向に支持するための接続支持面22eが形成されている。端部支持面22d及び接続支持面22eによって、リールテープRTを径方向に支持するための支持面22fが形成されている。
【0044】
リールテープRTは、合成樹脂製の基材に複数の図柄が印刷されており、円筒状になるようにリールフレーム22の支持面22fに巻き掛けられて、例えば、端部支持面22dに粘着材で貼り付けられて、リールフレーム22に対して相対回転しないように保持されている。
【0045】
[前面下扉及び下施錠ユニットの詳細]
図3及び
図5に示すように、下扉ベースDBは、下施錠ユニットDLの下施錠ベースDLaが取付けられる下施錠ユニット取付面DBa、下施錠ユニットDLを下扉ベースDBに取付けるためのねじが挿入される複数の施錠ユニット取付穴DBb、シリンダ錠CYの前端部CYaが挿入されたシリンダ用貫通孔DBc、及びシリンダ用貫通孔DBcの前端側の開口の周囲に形成されたシリンダ周囲面DBdを有している。
【0046】
下施錠ユニット取付面DBaは、後方を向いて合わせ面DDaに平行となるように形成されており、下施錠ベースDLaに当接している。複数の施錠ユニット取付穴DBbは、下施錠ユニット取付面DBaから前方に向かって延びており、合わせ面DDaに直交する方向に沿って形成されている。即ち、施錠ユニット取付穴DBbの中心線DBbLは、合わせ面DDaと直交する方向に延びている。シリンダ用貫通孔DBcは、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。即ち、シリンダ用貫通孔DBcの中心線DBcLは、合わせ面DDaと直交する方向に延びている。また、別の言い方をすれば、シリンダ用貫通孔DBcは、シリンダ錠CYの挿入方向が、合わせ面DDaと直交する方向となるように形成されているとも言える。シリンダ周囲面DBdは、前方を向いて合わせ面DDaに平行となるように形成されており、前後方向におけるシリンダ錠CYの前端部CYaの近傍に配置されている。なお、シリンダ周囲面DBdは、操作部前面CPb(
図1参照)と同一の面として下扉ベースDBに形成されていてもよい。
【0047】
下施錠ベースDLaは、例えば鋼板等により形成されており、下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面DDaに平行となるように形成されたシリンダ取付面DLcを有する。シリンダ錠CYは、下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面と直交する方向に延びる円筒状に形成されている。即ち、円筒状に形成されたシリンダ錠CYの中心線CYLは、合わせ面DDaと直交する方向に延びている。また、シリンダ錠CYは、合わせ面DDaに平行となるように形成されてシリンダ取付面DLcに取付けられるフランジ部CYbを有している。
【0048】
[前面下扉及びストップボタンユニットの詳細]
図1、
図6及び
図7に示すように、下扉ベースDBは、ストップボタンユニットBUが取付けられるストップボタンユニット取付面DBe、ストップボタンユニットBUを下扉ベースDBに取付けるためのねじが挿入される複数のストップボタンユニット取付穴DBf、ボタンカバーBCを支持するボタンカバー支持面DBg及びボタンカバー取付面DBhを有している。なお、
図6は、ストップボタンB2の中心で切断した
図1におけるC-C断面図であるが、ストップボタンB1及びストップボタンB3の中心で切断した断面図も同様であるため、ストップボタンB1及びストップボタンB3については、図示を省略する。
【0049】
ストップボタンユニット取付面DBeは、前方を向いて合わせ面DDaに平行となるように形成されており、ストップボタンユニットBUに当接している。ボタンカバー支持面DBgは、前方を向いて合わせ面DDaに平行となるように形成されており、ボタンカバーBCに当接してボタンカバーBCが後方へ向けて移動することを規制する。ボタンカバー取付面DBhは、後方を向いて合わせ面DDaに平行となるように形成されており、ボタンカバーBCが前方へ向けて移動することを規制する。複数のストップボタンユニット取付穴DBfは、ストップボタンユニット取付面DBeから後方に向かって延びており、合わせ面DDaに直交する方向に沿って形成されている。即ち、複数のストップボタンユニット取付穴DBfの中心線DBfLは、合わせ面DDaに直交する方向に延びている。
【0050】
図6乃至
図8に示すように、ストップボタンユニットBUは、下扉ベースDBに取付けられるボタンベース31、ストップボタンB1~ストップボタンB3、ボタンガイド32を有し、また、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれに対して、ボタンばね33、及びストップボタンB1~ストップボタンB3の移動に基づいて停止操作を検知する透過型の光学センサであるストップスイッチ35を有している。
【0051】
ボタンベース31は、下扉ベースDBのストップボタンユニット取付面DBeに当接する当接面31a、下扉ベースDBに取付けるためのねじが貫通する複数のねじ貫通孔31b、ボタンガイド32を保持する複数のボタンガイド保持部31c、及びストップスイッチ35が取付けられるスイッチ取付部31dを有し、合成樹脂によって形成されている。当接面31aは、ストップボタンユニットBUが下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面DDaに平行となるように形成されている。複数のねじ貫通孔31bは、ストップボタンユニットBUが下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。即ち、ねじ貫通孔31bの中心線31bLは、合わせ面DDaに直交する方向に延びている。なお、ボタンベースのねじ貫通孔は、一部が孔の軸方向と直交する方向に開放し、孔の軸方向視でC字状に形成されていてもよい。ボタンベース31は、ボタンガイド32との間にストップスイッチ35を収納した状態で、複数のボタンガイド保持部31cによってボタンガイド32を保持する。
【0052】
ボタンガイド32は、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれに対応して形成され、ストップボタンB1~ストップボタンB3の移動を案内するボタンガイド穴としてのガイド穴32aを有し、合成樹脂によって形成されている。また、ボタンガイド32は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の前方への移動を規制する前方規制面32b、ストップボタンB1~ストップボタンB3の後方への移動を規制する後方規制面32c、及びボタン周囲面32dを有している。
【0053】
ガイド穴32aは、ストップボタンユニットBUが下扉ベースDBに取付けられた状態で、前端側が開口すると共に合わせ面DDaに直交する方向に延びており、合わせ面DDaに直交する方向にストップボタンB1~ストップボタンB3の移動を案内する。即ち、ガイド穴32aの中心線32aLは、合わせ面DDaに直交する方向に延びている。前方規制面32b及び後方規制面32cは、ストップボタンユニットBUが下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面DDaに平行となるように形成されている。ボタン周囲面32dは、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれのガイド穴32aの前端側の開口の周囲に、合わせ面DDaと平行に形成されている。
【0054】
ストップボタンB1~ストップボタンB3は、それぞれ、遊技者が押圧可能な押圧部Ba、前方規制面32bに当接可能な前方当接面Bb、後方規制面32cに当接可能な後方当接面Bd、及びストップスイッチ35の光軸を遮光するインデックスBeを有する。ストップボタンB1~ストップボタンB3は、前方当接面Bbが前方規制面32bに当接する位置から、後方当接面Bdが後方規制面32cに当接する位置までの間で、ガイド穴32aに案内されて合わせ面DDaに直交する方向に移動可能となっている。即ち、ストップボタンB1~ストップボタンB3のストローク方向は、合わせ面DDaに対して直交する方向となっている。ボタンばね33は、ストップボタンB1~ストップボタンB3とボタンガイド32との間に配置され、ストップボタンB1~ストップボタンB3を前方に向けて付勢する。
【0055】
ストップボタンB1~ストップボタンB3は、遊技者によって、ボタンばね33の付勢力に抗して押圧部Baが後方に向けて押圧され、インデックスBeがストップスイッチ35の光軸を遮光する位置まで移動することにより、ストップスイッチ35が制御基板10に出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。また、ストップボタンB1~ストップボタンB3は、遊技者が押圧部Baから手を離すと、ボタンばね33の付勢力によって前方に移動し、インデックスBeがストップスイッチ35の光軸を遮光しない位置まで移動することにより、ストップスイッチ35が制御基板10に出力するリール停止信号をON状態からOFF状態へ変化させる。
【0056】
図7に示すように、ボタンカバーBCは、下扉ベースDBに取付けられており、ストップボタンB1~ストップボタンB3が挿入されたボタン用貫通孔(ストップボタン用貫通孔)BCa、及びストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれのボタン用貫通孔BCaの前端側の開口の周囲に、合わせ面DDaと平行に形成された貫通孔周囲面BCbを有し、合成樹脂によって形成されている。下扉ベースDBに取付けられた状態で、ボタン用貫通孔BCaは、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。即ち、ボタン用貫通孔BCaの中心線BCaLは、合わせ面DDaに直交する方向に延びている。また、貫通孔周囲面BCbは、合わせ面DDaに平行となるように形成されている。ボタンカバーBCは、下扉ベースDBに取付けられている状態で、ストップボタンB1~ストップボタンB3の周囲の前方側を被覆している。
【0057】
[前面下扉及びスタートレバーユニットの詳細]
図9及び
図10に示すように、下扉ベースDBは、スタートレバーユニットLUが取付けられるレバー取付面DBj、スタートレバーユニットLUを下扉ベースDBに取付けるためのねじが挿入される複数のレバー取付穴DBk、スタートレバーユニットLUの後部が挿入されたレバー用貫通孔(スタートレバー用貫通孔)DBm、及びレバー周囲面DBnを有している。
【0058】
レバー取付面DBjは、後方を向いて合わせ面DDaに平行となるように形成されており、スタートレバーユニットLUに当接している。複数のレバー取付穴DBkは、レバー取付面DBjから前方に向かって延びており、合わせ面DDaに直交する方向に沿って形成されている。レバー用貫通孔DBmは、レバー取付面DBjから前方に向かって延びており、合わせ面DDaに直交する方向に沿って形成されている。即ち、複数のレバー取付穴DBkの中心線DBKL及びレバー用貫通孔DBmの中心線DBmLは、合わせ面DDaに直交する方向に延びている。
【0059】
また、レバー周囲面DBnは、レバー用貫通孔DBmの前端側の開口の周囲に、合わせ面DDaに平行となるように形成されている。なお、レバー周囲面DBnは、操作部前面CPbと同一の面として下扉ベースDBに形成されていてもよい。スタートレバーユニットLUは、後方から下扉ベースDBの操作部CPに取付けられており、前端側がレバー用貫通孔DBmを貫通して操作部CPから前方に露出している。
【0060】
スタートレバーユニットLUは、下扉ベースDBに取付けられる保持部41、スタートレバーSL、付勢手段としての復帰ばね43、及び軸部42の初期位置からの上下左右方向への傾動に基づいて開始操作を検知する傾動センサ45を有している。スタートレバーSLは、揺動(傾動)可能に保持部41に保持された軸部42、及び軸部42の前端部に取付けられた球状のグリップ44を有している。
【0061】
保持部41は、レバー用貫通孔DBmに挿入される円筒状の円筒部41a、及び下扉ベースDBに取付けるためのねじが貫通する複数のねじ貫通孔41bを有し、合成樹脂によって形成されている。円筒部41a及び複数のねじ貫通孔41bは、下扉ベースDBに取付けられた状態で、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。即ち、円筒部41aの中心線41aL及び複数のねじ貫通孔41bの中心線41bLは、合わせ面DDaに直交する方向に延びている。なお、保持部のねじ貫通孔は、一部が孔の軸方向と直交する方向に開放し、孔の軸方向視でC字状に形成されていてもよい。
【0062】
軸部42は、初期位置に位置している状態、即ち遊技者による操作が行われていない状態で、操作部前面CPbから前方に向けて、合わせ面DDaに直交する方向に延びている。復帰ばね43は、軸部42と保持部41との間に配置されており、軸部42を初期位置に向けて付勢する。軸部42が初期位置から上下左右方向へ傾動すると、傾動センサ45が制御基板10(
図4参照)に出力する検知信号がOFF状態からON状態に変化する。なお、軸部42は、初期位置に位置している状態で合わせ面DDaに厳密に直交する方向に延びているものに限定されない。軸部は、例えば、自重によって前端が下がり、合わせ面に直交する方向に対して0~3°程度傾斜していてもよい。
【0063】
[前面下扉及び清算ボタン、シングルベットボタン及びリジェクトボタンの詳細]
下扉ベースDBは、操作部前面CPbに、
図1に示す清算ボタンBSが挿入された清算ボタン用貫通孔(不図示)と、
図1に示すシングルベットボタンBTが挿入されたシングルベットボタン用貫通孔(不図示)と、
図1に示すリジェクトボタンBRが挿入されたリジェクトボタン用貫通孔(不図示)と、を有する。これら清算ボタン用貫通孔、シングルベットボタン用貫通孔及びリジェクトボタン用貫通孔は、それぞれ、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。即ち、これら清算ボタン用貫通孔の中心線、シングルベットボタン用貫通孔の中心線及びリジェクトボタン用貫通孔の中心線は、それぞれ、合わせ面DDaに直交する方向に延びている。また、
図1に示すように、下扉ベースDBは、清算ボタン用貫通孔の前端側の開口の周囲に合わせ面DDaに平行となるように形成された清算ボタン周囲面DBpと、シングルベットボタン用貫通孔の前端側の開口の周囲に合わせ面DDaに平行となるように形成されたシングルベットボタン周囲面DBqと、リジェクトボタン用貫通孔の前端側の開口の周囲に合わせ面DDaに平行となるように形成されたリジェクトボタン周囲面DBrとを有する。
【0064】
なお、上述した実施の形態では、リジェクトボタン用貫通孔は、合わせ面DDaと直交するように形成されているが、合わせ面DDaと平行となるように形成されてもよい。即ち、リジェクトボタン用貫通孔は、例えば、操作部上面CPaにて、合わせ面DDaと平行となる方向に延びるように形成されていてもよい。また、別の言い方をすれば、リジェクトボタン用貫通孔は、その中心線が合わせ面DDaに平行な方向に延びるように形成されていてもよいとも言える。この場合、リジェクトボタンBRの押圧方向(ストローク方向)は、合わせ面DDaと平行となる。また、リジェクトボタン周囲面DBrは、合わせ面と直交するようになる。
【0065】
また、清算ボタン用貫通孔及びシングルベットボタン用貫通孔についても、同様に、合わせ面DDaと平行となるように形成されてもよい。即ち、清算ボタン用貫通孔及びシングルベットボタン用貫通孔は、例えば、操作部上面CPaにて、合わせ面DDaと平行となる方向に延びるように形成されていてもよい。また、別の言い方をすれば、清算ボタン用貫通孔及びシングルベットボタン用貫通孔は、それぞれ、中心線が合わせ面DDaに平行な方向に延びるように形成されていてもよいとも言える。この場合、清算ボタンBS及びシングルベットボタンBTの押圧方向(ストローク方向)は、合わせ面DDaと平行となる。また、清算ボタン周囲面DBp及びシングルベットボタン周囲面DBqは、合わせ面と直交するようになる。
【0066】
[前面下扉の生産工程]
次に、
図1、
図3、
図5乃至
図10を参照して、前面下扉DDの生産工程について説明する。下扉ベースDB、ボタンベース31、ボタンガイド32、ボタンカバーBC、保持部41等は、組立てられた状態での合わせ面DDaに直交する方向を開き方向(抜き方向)とする金型を用いて射出成形によって形成される。本実施形態の前扉FDは、下施錠ユニット取付面DBa、シリンダ周囲面DBd、ストップボタンユニット取付面DBe、ボタンカバー支持面DBg、レバー取付面DBj、レバー周囲面DBn、清算ボタン周囲面DBp、シングルベットボタン周囲面DBq、リジェクトボタン周囲面DBr、当接面31a、前方規制面32b、後方規制面32c、ボタン周囲面32d及び貫通孔周囲面BCbが、合わせ面DDaに平行、即ち金型の開き方向に直交するように形成されている。
【0067】
これにより、下扉ベースDB、ボタンベース31及びボタンガイド32は、上記各面が合わせ面DDaと交差するように形成される場合と比較して、形状の簡略化を図ることが可能となるため、部品設計における設計コストの低減及び寸法精度の向上を図ることが可能となり、製品の歩留まりを向上して、生産コストの低減を図ることを可能としている。また、一般的に、金型を作成する際、金型の開き方向と直交する面の加工時間は、直交する面に対して傾斜する面の加工時間よりも短い。このため、下扉ベースDB、ボタンベース31及びボタンガイド32は、上記各面が金型の開き方向と直交する面に対して傾斜するように形成される場合と比較して、金型加工時間の短縮化を図ることが可能となり、金型コストの低減を図ることを可能としている。また、寸法精度の向上を図ることにより、各部品間の隙間の縮小を可能とし、防犯性の向上を図ることを可能としている。
【0068】
また、本実施形態の前扉FDは、複数の施錠ユニット取付穴DBb、シリンダ用貫通孔DBc、複数のストップボタンユニット取付穴DBf、複数のレバー取付穴DBk、レバー用貫通孔DBm、清算ボタン用貫通孔、シングルベットボタン用貫通孔、リジェクトボタン用貫通孔、複数のねじ貫通孔31b、ガイド穴32a、ボタン用貫通孔BCa、円筒部41a及び複数のねじ貫通孔41bが、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成されている。
【0069】
これにより、下扉ベースDB、ボタンベース31、ボタンガイド32及び保持部41は、上記各面が合わせ面DDaと交差するように形成される場合と比較して、形状の簡略化を図ることが可能となるため、部品設計における設計コストの低減及び寸法精度の向上を図ることが可能となり、製品の歩留まりの向上を可能としている。また、金型の開き方向と交差する方向へ移動するスライドコア等が必要となるアンダーカット形状の削減を図ることが可能となり、金型構造の簡略化を可能とし、金型コストの低減や生産サイクルの短縮化を図ることによって、生産コストの低減を図ることを可能としている。また、アンダーカット形状の削減により、部品を分割することなく広範囲の形状を一体的に形成することが可能となり、部品点数の削減を可能にすると共に、部品の継ぎ目を削減して防犯性の向上を可能としている。
【0070】
なお、上述したように、本実施形態における「直交」とは、その概念に「略直交」をも含むものであり、複数の施錠ユニット取付穴DBb、シリンダ用貫通孔DBc、複数のストップボタンユニット取付穴DBf、複数のレバー取付穴DBk、レバー用貫通孔DBm、清算ボタン用貫通孔、シングルベットボタン用貫通孔、リジェクトボタン用貫通孔、複数のねじ貫通孔31b、ガイド穴32a、ボタン用貫通孔BCa、円筒部41a及び複数のねじ貫通孔41bの各中心線は、合わせ面DDaと厳密に直交するように形成されているものに限定されない。複数の施錠ユニット取付穴、シリンダ用貫通孔、複数のストップボタンユニット取付穴、複数のレバー取付穴、レバー用貫通孔、清算ボタン用貫通孔、シングルベットボタン用貫通孔、リジェクトボタン用貫通孔、複数のねじ貫通孔、ガイド穴、ボタン用貫通孔、円筒部及び複数のねじ貫通孔は、射出成型において合わせ面と直交する方向に型抜き可能な形状であればよい。また、例えば、複数の施錠ユニット取付穴、シリンダ用貫通孔、リジェクトボタン用貫通孔、複数のストップボタンユニット取付穴、複数のレバー取付穴、レバー用貫通孔、清算ボタン用貫通孔及びシングルベットボタン用貫通孔、複数のねじ貫通孔、ガイド穴、ボタン用貫通孔、円筒部及び複数のねじ貫通孔は、合わせ面に直交する方向に対して内面に0~3°程度の抜き勾配が形成されていてもよいし、各孔の抜き勾配は1つの孔において一定でなくてもよい。
【0071】
前面下扉を構成する各部品は、金型による成形等で生産された後、組立てられる。まず、下扉ベースDBの前方側から、合わせ面DDaと直交する方向に沿って、ストップボタンユニットBUがセットされてねじ留めされ、合わせ面DDaと直交する方向に沿って、ボタンカバーBC、清算ボタンBS及びシングルベットボタンBTが取付けられる。次に、下扉ベースDBの後方側から、合わせ面DDaと直交する方向に沿って、下施錠ユニットDL、スタートレバーユニットLUがセットされてねじ留めされ、電飾装置370、音響装置390、受皿MP等がねじ留めされる。
【0072】
下扉ベースDBに取付けられる各部品は、合わせ面DDaと直交する方向に沿って組立てられるため、組立て工程の簡略化が可能となり、工程設計における設計コストの低減を可能にすると共に、誤組立の抑制、製品の歩留まりの向上、組立て時間の短縮化を可能として、生産コストの低減を可能としている。
【0073】
[操作部の詳細]
次に、
図11を参照して、操作部CPの詳細について説明をする。上述したように、操作部CPの操作部上面CPaには、マックスベットボタンMBが配置されており、操作部前面CPbには、スタートレバーSLと、ストップボタンB1~ストップボタンB3が配置されている。このため、マックスベットボタンMBと、スタートレバーSL及びストップボタンB1~ストップボタンB3と、は上下方向に離間して配置されている。スタートレバーSLと、ストップボタンB1~ストップボタンB3と、は正面視において、上下方向に略同じ位置(高さ)となるように配置されている。
【0074】
スタートレバーSLは、操作部前面CPbから前方に向けて延びてかつ揺動可能な軸部42と、軸部42の前端部に取付けられた球状のグリップ44と、軸部42を初期位置に向けて付勢する付勢手段としての復帰ばね43と、軸部42を揺動可能に保持する保持部41と、軸部42の初期位置からの上下左右方向へ傾動したことに基づいて開始操作を検知するセンサ45と、を有し、マックスベットボタンMBよりも左右方向の一方側である左方側に配置されている。
【0075】
ストップボタンB1~ストップボタンB3は、マックスベットボタンMBよりも左右方向の他方側である右方側に、第1リールR1~第3リールR3に対応して左右方向に並べられて配置されている。具体的には、第1ストップボタンとしてのストップボタンB1は、マックスベットボタンMBよりも右方側で、かつストップボタンB1~ストップボタンB3のうち最も左方側に配置されており、第1リールR1の停止操作を受付ける。第2ストップボタンとしてのストップボタンB2は、ストップボタンB1の右隣に配置されて第2リールR2の停止操作を受付ける。第3ストップボタンとしてのストップボタンB3は、ストップボタンB2の右隣に配置されて第3リールR3の停止操作を受付ける。また、ストップボタンB1~ストップボタンB3は、正面視において、上下方向に同じ位置(高さ)となるように配置されている。
【0076】
ストップボタンB1~ストップボタンB3の上下方向の中心Bf(
図6参照)の位置は、グリップ44の中心である44c(グリップ44の前端である44a、
図9参照)の上下方向の位置よりもやや上方に配置されている。これにより、遊技者が上方から下方に向けてスタートレバーSLの開始操作を行った後にストップボタンB1~ストップボタンB3の停止操作を行う際、手の上下方向の移動量を少なくすることができ、ストップボタンB1~ストップボタンB3の操作性の向上を図っている。
【0077】
[各操作手段の左右方向の位置]
次に、
図11を参照して、各操作手段を好適な位置関係とすることで、操作性の向上を図ることが可能な構成について説明をする。ストップボタンB1~ストップボタンB3は、ストップボタンB1とストップボタンB2との左右方向のオフセット量(ずれ量)a1、即ち、ストップボタンB1の左右方向の中心線LB1とストップボタンB2の左右方向の中心線LB2との距離(ストップボタンB1の中心とストップボタンB2の中心との左右方向の距離)が、ストップボタンB2とストップボタンB3との左右方向のオフセット量a2、即ち、中心線LB2とストップボタンB3の左右方向の中心線LB3との距離と、同じ距離となるように配置されている(a1=a2)。
【0078】
一般に、スロットマシン1のような回動式遊技機において、ボタンやレバー等の複数の操作手段を片手で続けて操作する場合、各操作手段同士の距離は小さい方が手の移動量が少なく済むため、遊技者の操作負担が少ない。しかしながら、各操作手段同士の距離が小さすぎると、1つの動作で意図せず複数の操作手段を操作してしまう等、操作ミスが起こりやすくなる場合がある。そこで、本実施形態においては、オフセット量a1,a2は、操作ミスの発生を抑制可能で、かつできるだけ小さい値(例えば、50mm程度)となるように設定されている。
【0079】
マックスベットボタンMB及びスタートレバーSLは、マックスベットボタンMBの左右方向の中央部MBaが、スタートレバーSLから中央位置CHまでの間の領域と、正面視で左右方向において上下方向に重なるように配置されている。なお、中央位置CHとは、スタートレバーSLとストップボタンB1との左右方向の中央位置である。
【0080】
より具体的には、マックスベットボタンMBは、スタートレバーSLと、正面視において、左右方向の位置が上下方向に部分的に重なるように配置されており、スタートレバーSLとマックスベットボタンMBとの左右方向のオフセット量cは、マックスベットボタンMBとストップボタンB1との左右方向のオフセット量bより小さくなっている(c<b)。なお、上記オフセット量cは、中心線LMBとスタートレバーSLの左右方向の中心線LSLとの距離、もしくは、マックスベットボタンMBの中心とスタートレバーSLの中心との左右方向の距離とも言え、オフセット量bは、マックスベットボタンMBの左右方向の中心線LMBと中心線LB1との距離、もしくは、マックスベットボタンMBの中心とストップボタンB1の中心との左右方向の距離とも言える。
【0081】
また、マックスベットボタンMB及びスタートレバーSLは、オフセット量b,cが、オフセット量a1,a2未満となるように配置されている(b,c<a1,a2)。更に、ストップボタンB1及びスタートレバーSLは、ストップボタンB1とスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量e、即ち、中心線LB1と中心線LSLとの距離が、ストップボタンB1とストップボタンB2との左右方向のオフセット量a1を超えるように配置されている。即ち、オフセット量a1は、オフセット量eより小さくなっている(a1<e)。
【0082】
つまり、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL及びストップボタンの左右方向のオフセット量の関係は、上述したスタートレバーSLとベットボタンMBとの左右方向のオフセット量c1を第1オフセット量、ベットボタンMBと第1ストップボタンB1との左右方向のオフセット量bを第2オフセット量、第1ストップボタンB1と第2ストップボタンB2との左右方向のオフセット量a1を第3オフセット量、スタートレバーSLと第1ストップボタンB1との左右方向のオフセット量を第4オフセット量とした場合、
第1オフセット量cは、第2オフセット量bより小さく(c<b)、
第2オフセット量bは、第3オフセット量a1より小さく(b<a1)、
第3オフセット量a1は、第4オフセット量eより小さく(a1<e)、
なっている。
【0083】
このようにマックスベットボタンMB及びスタートレバーSLが配置されると、遊技者がマックスベットボタンMBによる投入操作を行った後、手を左右方向に大きく移動させることなく、スタートレバーSLによる開始操作を行うことができる。これにより、遊技者がマックスベットボタンMBによる投入操作に続けてスタートレバーSLによる開始操作を行う際、手の動きを簡略化することで、遊技者の操作負担の軽減を図ることができる。
【0084】
また、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1及びスタートレバーSLが、ストップボタンB1とスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量eがストップボタンB1とストップボタンB2との左右方向のオフセット量a1を超えるように配置されている。スロットマシン1は、遊技の待機時間(約4.1秒)が設定されているため、ストップボタンB1とスタートレバーSLとを適度に離間させることで、手の動きを停止させることなく一連の動きで操作することを可能とし、遊技者の操作負担の軽減を図っている。また、ストップボタンB1とスタートレバーSLとを適度に離間させることで、ストップボタンB1やスタートレバーSLを操作する際に遊技者が操作しづらさを感じにくくして、遊技者の操作負担の軽減を図っている。ストップボタンB1とスタートレバーSLとを適度に離間させることで、操作部CPにストップボタンB1、マックスベットボタンMB、スタートレバーSLを取付ける際の作業スペースを確保可能とし、組立作業性の向上を図っている。
【0085】
なお、本実施の形態では、マックスベットボタンMBとスタートレバーSLとの左右方向のオフセット量cがマックスベットボタンMBとストップボタンB1との左右方向のオフセット量bよりも小さくなるように構成したが、これらオフセット量cとオフセット量bを同一に構成しても良い。この場合、同一には、略同一も含まれ、オフセット量bとオフセット量cとが遊技者の操作性に影響を与えない程度、例えば、2mm以内程度の差を有するように配置されていてもよい。
【0086】
[リールテープの詳細]
ついで、
図4及び
図12に基づいて、リールテープRTの詳細構成について説明をする。なお、リールテープRTは、第1~第3リールR1~R3のそれぞれに図柄構成の異なるものが巻回されているが、以下の説明では、第1リールR1に巻回されたリールテープを例にとって、説明をする。
【0087】
リールテープRTは、それぞれ図柄の配置(図柄が並ぶ順番)が異なるように、透明な合成樹脂製の基材の裏面に、例えば、複数層のスクリーン印刷等によって図柄等が印刷されており、円筒状(無端状)になるように上述したリールフレーム22の支持面22fに巻き回されている。
【0088】
リールテープRTに形成される複数の図柄は、リールフレーム22に取り付けられた状態で表面(外面)から視認可能となるように、リールテープRTの長手方向に沿って一列状に並んで配置されており、これら複数の図柄には、第1図柄P1(図柄「7」)、第2図柄(図柄「チェリー」)、第3図柄(図柄「スイカ」)、第4図柄(図柄「リプレイ」)、第5図柄(図柄「ベル」)及び第6図柄P2(図柄「BAR」)などを含んでいる。
【0089】
上記第1図柄P1(図柄「7」)は、少なくともリールテープRTの短手方向において他の図柄よりも大きく形成されており、リールの回転中における視認性が高い図柄となっている。また、第1図柄P1は、第1の塗料によって形成されてリールバックライト基板23からの光を透過しやすい透光部P1bと、第1の塗料とは異なる第2の塗料によって透光部P1bの周囲に形成された縁部P1aと、を有している。第1の塗料は、例えば、リールバックライト基板23からの光が透過可能な塗料である。第2の塗料は、例えば、第1の塗料よりも光が透過しにくい明度の低い塗料(黒色、暗灰色、濃紺等の塗料)や、金属光沢を有する塗料(金、銀等の塗料)等である。
【0090】
第6図柄P6(図柄「BAR」)は、短手方向において第1図柄P1と略同サイズとなるように形成されており、第1図柄P1とは異なる色の第1の塗料によって形成されてリールバックライト基板BLからの光を透過しやすい透光部P6bと、第1図柄P1の縁部P1aと同一色である第2の塗料によって透光部P6bの周囲に形成された縁部P6aと、を備えている。なお、第1図柄P!において、透光部P1bと縁部P1aとは接する関係になっているが、第6図柄P6においては、透光部P6bと縁部P6aとは離間した関係となっている。また、第1図柄P1及び第6図柄P6のいずれにおいても、透光部P1b,P6bの面積は、縁部P1a,P6aの面積よりも大きくなっている。更に、第1図柄P1の縁部P1aと第6図柄P6の縁部P6aは、同系色の色としてもよいし、異系色の色としてもよい。
【0091】
上述した第1図柄P1の透光部P1b及び第6図柄P6の透光部P6bは、リールテープRTの厚さ方向に重なる範囲に背景部Hを形成する背景印刷及び遮光印刷が行われていないことによって、リールテープRTの一端部に形成される透明部63(
図13参照)よりもリールバックライト基板23からの光が透過しにくく、かつ、リールテープRTの厚さ方向に重なる範囲に背景印刷又は遮光印刷が行われている部分(例えば、背景部H、第1図柄P1の縁部P1a、第6図柄P6の縁部P6a)よりもリールバックライト基板23からの光が透過しやすくなっている。これにより、リールの回転中における透光部P1b及び透光部P2bの視認性の向上を図っている。
【0092】
また、第1図柄P1の縁部P1a及び第6図柄P6の縁部P6aは、背景印刷及び遮光印刷が重なっている背景部Hよりも図柄の印刷が多い分、リールバックライト基板23からの光が透過しにくくなっている。これにより、リールの回転中における、縁部P1aと透光部P1b、縁部P6aと透光部P6bとの明るさの差を大きくし、透光部P1b及び透光部P6bの視認性の向上を図っている。
【0093】
このように、本実施形態におけるリールテープRTは、透明部63>(透光部P1b、透光部P6b)>背景部H>(縁部P1a、縁部P6a)の順に、リールバックライト基板23からの光が透過しやすくなっている。
【0094】
これら第1図柄P1及び第6図柄P6は、複数の図柄のうち、他の図柄と比較してリールの回転中における識別力が高い特定図柄といえ、以下の説明では、第1図柄P1を第1特定図柄、第6図柄P2を第2特定図柄ともいう。
【0095】
[特定図柄]
ついで、上述した特定図柄としての第1図柄P1(第1特定図柄)及び第6図柄P6(第2特定図柄)の構成について、第1図柄P1を例に取って説明をする。リールの径方向内側から外側に視て、リールテープRTとリールフレーム22(支持面22f)とが重なっている部分は、重なっていない部分よりもリールバックライト基板23からの光を透過しにくく、重なっていない部分よりも暗く見える。このため、リールテープRTとリールフレーム22とが重なっている部分と図柄との位置関係によっては、光の透過しやすさの違いにより図柄の視認性が低下する虞や、重なっている部分と重なっていない部分との外観(明るさ)の違いが図柄のデザインの一部であるかのように遊技者が誤認する虞がある。
【0096】
本実施形態のリールテープRTでは、
図12に示すように、第1図柄P1の透光部P1bは、リールの径方向内側から外側に視て(リールフレーム22の回転中心CLからの径方向視において)、リールフレーム22(支持面22f)と重ならないように配置されている。即ち、上記透光部P1bは、左右のリム部22a1,22a2(一対の円環部)及び接続部22bのいずれとも重ならないように配置されている。このように図柄が配置されることにより、透光部P1bを透過する光がリールフレーム22によって遮られることを防止し、図柄の視認性の向上を図っている。
【0097】
また、第1図柄P1の縁部P1aは、第1図柄P1の透光部P1bよりもリールバックライト基板23からの光を透過しにくい。このため、リールの径方向内側から外側に視て、第1図柄P1の縁部P1aと、リールフレーム22(支持面22f)と、の重なり部分の有無は、第1図柄P1の縁部P1aの外観への影響が小さい。本実施形態のリールテープRTでは、第1図柄P1の縁部P1aは、リールの径方向内側から外側に視て、一対のリム部22a1,22a2(端部支持面22d1,22d2)及び接続部22b(接続支持面22e)とそれぞれ一部が重なるように配置されている。
【0098】
更に、リールテープRTの短手方向の両端部の裏面には、上記リム部22a1,22a2の端部支持面22d1,22d2に接着するために接着剤が塗布された第1及び第2接着領域651,652が設けられている。本実施形態において、上記第1図柄P1の縁部P1aは、リールの径方向内側から外側に視て、これら第1及び第2接着領域651,652ともそれぞれ一部が重なるように配置されている。なお、第1及び第2接着領域651,652は、それぞれ、リールテープRTの端部から、4mmから6mmの範囲の距離に設定されており、端部支持面22d1,22d2よりも1mm程度(例えば0.5mm~1.5mm)左右方向に大きく形成されていることが望ましい。
【0099】
このように、第1図柄P1は、縁部P1aがリム部22a1,22a2及び接続部22bと重なるように配置されているため、図柄の大きさをリールテープRTの短手方向及び長手方向に大きく形成することが可能となっている。また、縁部P1aと透光部P1bとが接するように形成されているため、透光部P1bの大きさも大きくすることができ、図柄の視認性を向上させることができる。加えて、透光部P1bがリールフレーム22との重なりを避けて形成されているため、遊技者に誤認を与える虞もない。
【0100】
なお、同様に、本実施形態のリールテープRTでは、第6図柄P6の縁部P6a(
図4参照)は、リールの径方向内側から外側に視て、左右のリム部22a1,22a2(第1及び第2接着領域651,652)の両方と一部が重なるように配置されている(第1図柄P1と同様であるため、図示を省略)。また、第6図柄P6の透光部P6bは、フレーム22(支持面22f)と重ならないように形成されている。
【0101】
更に、第1図柄P1の縁部P1a及び第6図柄P6の縁部P6aは、第1リム部22a1(第1端部支持面21d1)及び第2リム部22a2(第2端部支持面22d2)の両方と一部が重なるように配置されているものに限定されない。第1図柄の縁部P1a及び第6図柄の縁部P6aは、第1リム部22a1及び第2リム部22a2の少なくとも一方と一部が重なるように配置されていればよい。また、第1図柄の縁部P1a及び第6図柄の縁部P6aは、接続部22bと重ならないように形成されていてもよく、また、第1リム部22a1及び第2リム部22a2とは重ならず、接続部22bのみと重なるように形成してもよい。
【0102】
なお、短手方向における第1リム部22a1側(一方の円環部側)のリールテープRTの端である一端T1cと第1図柄P1とは、短手方向に所定距離離間しており、第2リム部22a2側の端である他端T1dと第1図柄P1とは、短手方向に所定距離離間している。これにより、リールテープRTに第1図柄P1を印刷する際、一端T1c側に距離g1或いは他端T1d側に距離g2ずれてしまった場合であっても、第1図柄P1がリールテープRTからはみ出してしまうことの防止を図っている。
【0103】
さらに、一端T1cから第1図柄P1までの短手方向Cにおける距離g1は、端部支持面22d1の幅j1(
図13参照)以下となっており、他端T1dから第1図柄P1までの短手方向Cにおける距離g2は、端部支持面221d2の幅j2(
図13参照)以下となっている。これにより、リールテープT1に第1図柄P1を印刷する際の第1図柄P1の短手方向Cへのずれを許容しつつ、第1図柄P1を短手方向Cに大きくすることが可能となり、図柄の視認性の向上及びデザイン性の向上を図っている。なお、距離g1及び距離g2は、共に1mm以上かつ3mm以下であることが好ましい。
【0104】
なお、一端T1c及び他端T1dから第6図柄P6までの短手方向における距離については、一端T1c及び他端T1dから第1図柄P1までの短手方向における距離g1,g2と同様であるため、説明を省略する。また、第1図柄及び第6図柄は、長手方向及び短手方向における縁部の外側に、縁部以外の印刷がされていてもよい。
【0105】
更に、第1図柄P1の縁部P1aは、透光部P1bと隣接するように形成されているものに限定されない。例えば、第6図柄P6のように第1図柄P1の縁部P1aと透光部P1bとは離間して形成されていてもよく、この場合、第1図柄P1の縁部P1aと透光部P1bの間の領域は、透光部P1bよりも光を通しにくくなっていればよい。例えば、透光部P1bよりも光を通しにくく、縁部P1aよりも光を通しやすく形成することができる。
【0106】
[前扉の下部隙間]
ついで、前扉FD(前面下扉DD)の下部隙間について
図13~
図16に基づいて説明をする。
図13~
図15は、
図1に示すS-S線における断面図である。S-S線の位置は、遊技機1の右端(筐体BXの右辺)から、所定の寸法(メダルの直径程度に相当する寸法)だけ左側に移動(オフセット)した位置となっている。詳細は後述するが、
図13は前扉FDが「第1状態」である場合を示しており、
図14は前扉FDが「第2状態」である場合を示し、
図15は前扉FDが「第3状態」である場合を示している。
【0107】
図13に示すように、前扉FDにおける右側の背面(前扉FDの背面を正面から見た場合における左側)には、後方側に向かって突出するように形成された被支持部81(凸部)が設けられている。なお、本実施形態では、被支持部81の先端にローラー部が設けられている。また、筐体BXの内部における右側であって、被支持部81(前扉FDを閉じた状態)に対応する位置には、被支持部81を支持する支持部82が形成されている。本実施形態では、支持部82は板状に形成されており、支持部82は下方から被支持部81を支持するようになっている。前扉FDを開いた状態から閉じた状態にする場合、まず、被支持部81のローラー部が支持部82の手前側に接触(当接)し、次に、被支持部81のローラー部が支持部82の上に載り(乗り上げ)、ローラー部が支持部82の上を後方側へ進む。そして、ローラー部は所定の位置で停止する。前扉FDを閉じた状態では、被支持部81が下方から支持され、前扉FDを開いた状態では、被支持部81の下方からの支持が解除(開放)されるようになっている。下方からの支持を失った前扉FDは、自重によって下に下がった状態となる。
【0108】
前扉FDの状態(位置)には、第1状態と、第2状態と、第3状態とが含まれる。
(第1状態)
図13に示すように、第1状態は、前扉FDが閉まっており(閉じており)、前扉FDの被支持部81が筐体BXの支持部82に支持された状態(閉まった状態、閉鎖された状態)である。本実施形態では、被支持部81が支持部82に荷重を加えている(載荷している)状態である。支持部82が被支持部81を上方に持ち上げているとも言える。
(第2状態)
図14に示すように、第2状態は、前扉FDが開いており、前扉FDの被支持部81が筐体BXの支持部82に当接(接触)していない状態(開放された状態)である。
(第3状態)
図15に示すように、第3状態は、前扉FDが開いており、前扉FDの被支持部81が筐体BXの支持部82に当接(接触)している状態である。被支持部81が支持部82に当接し、前扉FDが完全に閉まらずに開いている状態とも言える。
【0109】
遊技機(筐体BX)の底面(下面)BXbは、相手部材(島設備等)と接触する面となる。以下、筐体BXと相手部材とが接触する面を含む面(平面)を筐体BXの載置面Zという。この筐体BXの載置面Zには、相手部材(台)の上面が含まれる。台は後方側から手前側に向かって伸びており、受皿MPの下方にも位置(存在)している。なお、受皿MPの例えば左側の台の上のスペースに、遊技者は飲料等を置くことができる。
【0110】
図13に示すように、第1状態では、前扉FDの下端部(下辺)Y1から筐体BXの載置面Zまでの隙間の寸法(上下方向寸法)が第1寸法L1となっている(第1寸法L1となるように設計されている)。第1寸法L1は、約3~5mm程度となっている。
【0111】
図14に示すように、第2状態では、前扉FDの下端部(下辺)Y2から筐体BXの載置面Zまでの隙間の寸法(上下方向寸法)が、第1寸法L1よりも小さい第2寸法L2となっている(第2寸法L2となるように設計されている)。第2寸法L2は、約2~3mm程度となっている。
【0112】
図15に示すように、第3状態では、前扉FDの下端部(下辺)Y3から筐体BXの載置面Zまでの隙間の寸法(上下方向寸法)が第1寸法L1よりも小さい第3寸法L3となっている(第3寸法L3となるように設計されている)。第3寸法L3は約2~3mm程度となっている。
【0113】
下端Y2及び下端Y3は、下端Y1よりも下方に位置している。なお、本実施形態において、受皿MPの下面は遊技機1の前面側から背面側に向かって下り傾斜しており、上記前扉FDの下端部は、この受皿MPの下面の下端部となっている。また、筐体BXの底板BXLの厚さは、約15mm程度となっている。
【0114】
図16に示すように、遊技メダルMの直径を寸法L4とする。また、遊技メダルMの厚さを寸法L5とする。本実施形態に係る遊技機で遊技に使用される遊技メダルMは、寸法L4がΦ25(直径約25mm)となっており、寸法L5が約1.6mmとなっている。ただし、遊技メダルMは、寸法L4がΦ30(直径約30mm)となっており、寸法L5が約1.7mmとなっているものであってもよい。また、遊技球Bの直径を寸法L6とする。寸法L6は約11mmである。
【0115】
図13で示した第1寸法L1は、遊技球Bの直径L6よりは小さく、遊技メダルMの厚さL5よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)。
図14で示した第2寸法L2は、遊技球Bの直径L6よりは小さく、遊技メダルMの厚さL5よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)。
図15で示した第3寸法L3は、遊技球Bの直径L6よりは小さく、遊技メダルMの厚さL5よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)。
【0116】
例えば、スロットマシンとパチンコ機とが近くに設置されている場合等であって、前扉FD(受皿MP)の付近に遊技球Bが存在している場合を考える。前扉FDが閉じられている状態(第1状態)において、遊技球Bが前扉FD(受皿MP)の下に転がり込んだ場合であっても、第1寸法L1が遊技球Bの直径L6よりも小さくなっているため、遊技球Bは奥まで入り込まない。すなわち、上述したように受皿MPの下面は、手前側(前面側)ほど上方となるように傾斜しているが、遊技球Bは、前扉FDの下端に到達する前に、その傾斜面に当接(接触)して停止する。そして、その状態で前扉FDが開放されると、遊技球Bは手前側へと押し出されて台の上から落下する。また、このように遊技球Bは落下するため、前扉FDを閉じる際に遊技球Bが妨げとなることはない。なお、第2状態や第3状態においても同様であり、遊技球Bは前扉FDの下端に到達する前に停止し、その状態で前扉FDが開放されると、遊技球Bは手前側へと押し出されて第の上から落下する。
【0117】
第1寸法L1は、第3寸法L3よりも大きく、第3寸法L3は、第2寸法L2よりも大きく、第2寸法L2は、寸法L5よりも大きくなっている。換言すると、以下の関係となっている。
L1>L3>L2>L5
なお、第3寸法L3は、第2寸法L2以上であってもよい(L3≧L2)。また、第3寸法L3は、第2寸法L2と略同一であってもよい(L3≒L2)。略同一とは、例えば両者の差が1mm以内であることをいう。
【0118】
図15に示す状態(第3状態)において、図示は省略するが、前扉FDの右辺(右端)から筐体BXの右辺(右端)までの隙間の寸法を第4寸法L7とする。第4寸法L7は、第3状態にある前扉FDの右端部の開放寸法(
図16における左右方向の寸法)とも言える。第4寸法L7は、約33mmである。この第4寸法L7は、遊技メダルMの直径寸法L4よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)(L7>L4)。
【0119】
筐体BXの載置面Zに遊技メダルMが重なること無く載置されている状態であっても、前扉FDが第2状態から第1状態になることが、当該遊技メダルMによって阻止されない(防止されない、妨げられない)。
【0120】
遊技場(ホール)の店員が、ホッパー内のメダルがなくなることによって発生するエンプティエラーの原因等を解消するために開いていた前扉FDを閉じる場合において、筐体BXの載置面Zにメダルが載置されている場合であっても、当該メダルが前扉FDに接触することなく前扉FDを閉じることができる。これにより、前扉FDと筐体BXとの隙間にメダルが挟まってしまい前扉FDを閉じることができないという事態や、前扉FDが破損するという事態を回避することができる。
【0121】
筐体BXの載置面Zに遊技メダルMが重なること無く載置されている状態であっても、前扉FDが第1状態から第2状態になること(閉まった状態の前扉FDを開くこと)が、当該遊技メダルMによって阻止されない(防止されない、妨げられない)。
【0122】
遊技場(ホール)の店員が、ホッパー内のメダルがなくなることによって発生するエンプティエラーの原因等を解消するために閉じていた前扉FDを開ける場合において、筐体BXの載置面Zにメダルが載置されている場合であっても、当該メダルが前扉FDに接触することなく前扉FDを開けることができる。これにより、前扉FDと載置面Zとの隙間にメダルが挟まってしまい前扉FDを開けることができないという事態や、前扉FDが破損するという事態を回避することができる。
【0123】
第1寸法L1、第2寸法L2、第3寸法L3が遊技メダルMの厚さ(寸法L5)よりも大きくなっているため、仮に、前扉FD(受皿MP)の下側と、受皿MPの下方に位置する台との間に遊技メダルMが入り込んでしまった(メダルMが隠れてしまった)状態で、前扉FDを開閉した場合であっても、前扉FDの下端とメダルMとが接触しない。換言すると、受皿MPと台との隙間に隠れたメダルMが、前扉FDの開閉を妨げることが無い。このため、筐体BXの載置面ZにメダルMが置かれている場合であっても前扉FDをスムーズに開閉することができる。また、仮に前扉FDを開いた際に前扉FDの下端が当該メダルMに接触すると、メダルMが台の上から床に落ち、メダルを探す等の手間が生じるが本実施形態によれば、そのような手間が生じるのを防止できる。
【0124】
本実施形態では、第2寸法L2および第3寸法L3が遊技メダルMの厚さL5よりも大きくなるように設計されているものとしたが、ヒンジHN(
図4参照)の品質(耐久力)低下や組付け誤差等により、第2寸法L2や第3寸法L3がメダルの厚さL5以下となる場合があってもよい。その場合であっても、前扉FDが第3状態(
図16)から第1状態(
図14)に移動する過程で、前扉FDの被支持部81が筐体BXの支持部82の上に載る(乗り上げる)ようにして支持され(被支持部81が支持部82に載荷するように支持され)、前扉FDと載置面Zとの間にメダルの厚さ分の寸法が確保されるため、前扉FDを閉じることができないという事態や、前扉FDが破損するという事態を回避することができる。なお、上記被支持部81が支持部82によって支持され、前扉FDと載置面Zとの間にメダルの厚さ分の寸法が確保される際の前扉FDの開放寸法は、遊技メダルMの直径寸法L4よりも大きくなっている(大きくなるように設計されている)。
【0125】
[他の実施形態の可能性]
なお、本実施形態において、前扉としての前扉FDは、合わせ面DDaに平行となるように形成された、下施錠ユニット取付面DBa、シリンダ周囲面DBd、ストップボタンユニット取付面DBe、ボタンカバー支持面DBg、レバー取付面DBj、レバー周囲面DBn、清算ボタン周囲面DBp及びシングルベットボタン周囲面DBqと、合わせ面DDaに直交する方向に延びるように形成された、複数の施錠ユニット取付穴DBb、シリンダ用貫通孔DBc、複数のストップボタンユニット取付穴DBf、複数のレバー取付穴DBk、レバー用貫通孔DBm、清算ボタン用貫通孔及びシングルベットボタン用貫通孔を有し、一体で形成された下扉ベースDBを有しているが、これに限定されない。
【0126】
例えば、前扉は、合わせ面に平行となるように形成された、下施錠ユニット取付面、シリンダ周囲面、ストップボタンユニット取付面、ボタンカバー取付面、レバー取付面、レバー周囲面、清算ボタン周囲面及びシングルベットボタン周囲面のうち、何れか1つ又は複数を有していればよい。また、例えば、前扉は、合わせ面に直交する方向に延びるように形成された、複数の施錠ユニット取付穴、シリンダ用貫通孔、複数のストップボタンユニット取付穴、複数のレバー取付穴、レバー用貫通孔、清算ボタン用貫通孔及びシングルベットボタン用貫通孔のうち、何れか1つ又は複数を有していればよい。
【0127】
また、例えば、前扉は、下施錠ユニット取付面、シリンダ周囲面、ストップボタンユニット取付面、ボタンカバー取付面、レバー取付面、レバー周囲面、清算ボタン周囲面、シングルベットボタン周囲面、複数の施錠ユニット取付穴、シリンダ用貫通孔、複数のストップボタンユニット取付穴、複数のレバー取付穴、レバー用貫通孔、清算ボタン用貫通孔及びシングルベットボタン用貫通孔のうち、何れか1つ又は複数が形成されている部分が、下扉ベースとは別部品で構成されていてもよい。具体的には、前扉は、操作部を下扉ベースとは別部品として有していてもよく、下扉ベースに別部品である操作部が取付けられている構造であってもよい。
【0128】
なお、本実施形態において、シリンダ周囲面DBd、ボタン周囲面32d、貫通孔周囲面BCb、レバー周囲面DBn、清算ボタン周囲面DBp、シングルベットボタン周囲面DBq、シリンダ用貫通孔DBc、ボタン用貫通孔BCa、レバー用貫通孔DBm、清算ボタン用貫通孔及びシングルベットボタン用貫通孔は、前方から視認可能な位置に配置されているが、これに限定されない。シリンダ周囲面、ボタン周囲面、貫通孔周囲面、レバー周囲面、清算ボタン周囲面、シングルベットボタン周囲面、シリンダ用貫通孔、ボタン用貫通孔、レバー用貫通孔、清算ボタン用貫通孔及びシングルベットボタン用貫通孔は、外部から視認できないように遊技機の内部に配置されていてもよい。
【0129】
また、本実施形態において、前扉FDは、それぞれ個別に開閉可能な前面上扉UDと前面下扉DDとに上下に分割して構成されているが、これに限定されない。前扉は、筐体の開口を開閉可能に筐体に支持されていればよく、例えば、前扉は、正面視において筐体の開口と略同サイズで、表示装置、可動役物装置、受皿、各種の操作手段が取付けられた扉ベースを有して、一体で筐体の開口を開閉可能となるように構成されていてもよいし、上下に分割して構成されてはいるが、上下の扉が個別に開閉できないように互いに結合されていてもよい。
【0130】
また、本実施形態において、ストップボタンB1~ストップボタンB3は、それぞれのボタンばね33、ストップスイッチ35、ボタンガイド32等と共にストップボタンユニットBUを構成し、ストップボタンユニットBUとしてユニット化された状態で、前方から下扉ベースDBに取付けられているが、これに限定されない。ストップボタンは、ボタンガイド穴に前後方向への移動を案内されるように構成されていればよく、例えば、ストップボタンユニットが下扉ベースの後方から取付けられていてもよいし、1つのストップボタン、ボタンばね、ストップスイッチ及びボタンガイド穴を有するボタンガイドがユニット化されたものが、複数個(例えば3個)下扉ベース等に取付けられていてもよいし、ボタンガイド穴が下扉ベースや操作部等と一体的に形成されていてもよい。
【0131】
また、本実施形態において、シリンダ用貫通孔DBcにはシリンダ錠CYの前端部CYaが挿入され、レバー用貫通孔DBmにはスタートレバーユニットLUの後部が挿入されているが、これに限定されない。シリンダ用貫通孔にはシリンダ錠の少なくとも一部が挿入され、レバー用貫通孔にはスタートレバーユニットの少なくとも一部が挿入されていればよく、例えば、シリンダ用貫通孔にシリンダ錠の全部が挿入され、レバー用貫通孔にスタートレバーユニットの全部が挿入されていてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1 遊技機(スロットマシン)
B1 ストップボタン
B2 ストップボタン
B3 ストップボタン
Bca ストップボタン用貫通孔
BS 清算ボタン
BR リジェクトボタン
BX 筐体
BXa 開口
CY シリンダ錠
DBc シリンダ錠用貫通孔
DBm スタートレバー用貫通孔
DDa 合わせ面
FD 前扉
SL スタートレバー