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特許7430432情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20240205BHJP
   H04W 4/10 20090101ALI20240205BHJP
   H04W 12/06 20210101ALI20240205BHJP
   H04W 12/63 20210101ALI20240205BHJP
   H04W 12/69 20210101ALI20240205BHJP
   H04M 1/66 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
G06F21/44
H04W4/10
H04W12/06
H04W12/63
H04W12/69
H04M1/66
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023105200
(22)【出願日】2023-06-27
【審査請求日】2023-06-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504376647
【氏名又は名称】株式会社サイエンスアーツ
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】平岡 秀一
(72)【発明者】
【氏名】沖本 和昭
(72)【発明者】
【氏名】樋口 大輝
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-072529(JP,A)
【文献】特開2016-110607(JP,A)
【文献】特開2018-151912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/44
H04W 4/10
H04W 12/06
H04W 12/63
H04W 12/69
H04M 1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プッシュトゥトーク通信を実現するWebアプリケーションを利用する情報処理装置であって、
端末から、前記WebアプリケーションにアクセスするためのURL、前記端末の位置情報、および前記端末がアクセスするアクセスポイントのIPアドレスを含む認証情報を取得する取得部と、
前記認証情報に対する認証処理により、前記認証情報が正当である場合、前記端末に対して前記Webアプリケーションを介した前記プッシュトゥトーク通信を実行可能に設定する設定部と
前記プッシュトゥトーク通信を実行可能に設定した前記端末に対して、前記認証情報に対する認証処理に基づき前記プッシュトゥトーク通信を許容できるか否かを判定する通信制御部と、
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記位置情報が所定の範囲内である場合に前記Webアプリケーションを介した前記プッシュトゥトーク通信を実行可能に設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定部は、前記IPアドレスが所定のアドレスである場合に前記Webアプリケーションを介した前記プッシュトゥトーク通信を実行可能に設定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記認証情報は、1次元コード又は2次元コードに埋め込まれる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
プッシュトゥトーク通信を実現するWebアプリケーションを利用する情報処理方法であって、
端末から、前記WebアプリケーションにアクセスするためのURL、前記端末の位置情報、および前記端末がアクセスするアクセスポイントのIPアドレスを含む認証情報を取得し、
前記認証情報に対する認証処理により、前記認証情報が正当である場合、前記端末に対して前記Webアプリケーションを介した前記プッシュトゥトーク通信を実行可能に設定
前記プッシュトゥトーク通信を実行可能に設定した前記端末に対して、前記認証情報に対する認証処理に基づき前記プッシュトゥトーク通信を許容できるか否かを判定する、
情報処理方法。
【請求項6】
プッシュトゥトーク通信を実現するWebアプリケーションを利用する情報処理プログラムであって、
コンピュータを、
端末から、前記WebアプリケーションにアクセスするためのURL、前記端末の位置情報、および前記端末がアクセスするアクセスポイントのIPアドレスを含む認証情報を取得する取得手段と、
前記認証情報に対する認証処理により、前記認証情報が正当である場合、前記端末に対して前記Webアプリケーションを介した前記プッシュトゥトーク通信を実行可能に設定する設定手段と
前記プッシュトゥトーク通信を実行可能に設定した前記端末に対して、前記認証情報に対する認証処理に基づき前記プッシュトゥトーク通信を許容できるか否かを判定する通信制御手段として機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半二重の音声通信方式であるPTT(Push To Talk)通信が、1対多のグループ一斉音声通信を実現する技術として知られている。そして近年、スマートフォンなどの複数の用途に対応可能な端末の普及に伴い、音声データを含むパケットを同報的に複数の装置へ送信するPoC(Push-to-Talk over Cellular)が注目を集めている。PoCでは、音声データを送信する送信権を、トークグループを構成する複数台の端末のうちの1台の端末が取得する。そして、送信権を取得した端末が他の端末へ同報的に音声データを送信する。
【0003】
PTT通信を実施するには、はじめにスマートフォンなどの端末にPTTを実施するアプリケーションをインストールする。その後、インストールしたアプリケーションを起動させ、アプリケーションに対してユーザID/パスワードを入力して認証を行うことで、ユーザは、割り当てられたユーザIDを用いてPTT通信を実施できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-219297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ユーザが上述のアプリケーションを用いてPTT通信を実施しようとする場合、スマートフォンにアプリケーションをインストールしたり、割り当てられた所定のユーザIDを入力して認証することがユーザにとって煩わしい場面がある。例えば、1回だけPTT通信を実施すればその後は不要になる状況、又は、すぐにPTT通信を実施したい状況では、アプリケーションのインストール作業及び割り当てられたユーザIDを用いないとアクセスできない状況が、ユーザにとって不便となりうる。よって、不特定多数のユーザがPTT通信を容易に利用することへの障壁となりうる。
【0006】
本発明の目的は、ユーザの利便性を向上させる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報処理装置は、プッシュトゥトーク通信を実現するWebアプリケーションを利用する。情報処理装置は、取得部と、設定部とを含む。取得部は、端末から、前記Webアプリケーションの利用に関する認証情報を取得する。設定部は、前記認証情報を送信してきた前記端末を、前記Webアプリケーションを介した前記プッシュトゥトーク通信を実行可能に設定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る通信システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態に係る処理サーバの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係る端末の機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、本実施形態に係る通信システムの動作を説明するフローチャートである。
図5図5は、本実施形態に係る利用者管理テーブルの一例を表す図である。
図6図6は、本実施形態に係る通信システムの利用例を示す図である。
図7図7は、図6に示すPTT通信に関するテキストデータの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムについて説明する。なお、以降、説明済みの要素と同一又は類似の要素には同一又は類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一又は類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0011】
図1は、本実施形態に係る通信システム1の機能構成の例を示すブロック図である。図1に示される通信システム1は、例えば、PoC(Push-to-Talk over Cellular)通信を利用し、グループ単位での1対多の音声通信を実現する。図1に示される通信システム1は、例えば、処理サーバ10、端末20-1~20-m、及び基地局30-1~30-nを具備している。n,mは2以上の自然数である。なお、以下では、特に区別しない場合は、単に端末20、基地局30と記載することとする。
【0012】
処理サーバ10、及び基地局30-1~30-nは、インターネット、及び通信事業者が提供する通信網等のネットワークを介して接続している。端末20-1~20-mは、基地局30-1~30-nのうち、現在存在している位置を含んで無線エリアを形成している基地局と無線接続する。
【0013】
処理サーバ10は、例えば、端末20-1~20-mのうち、送信権を有する端末から送信された音声データ又は映像データを、送信元の利用者と同一のトークグループに参加する複数の利用者が所持する端末20へ同報的に送信するための制御、すなわち、プッシュトゥトーク通信(以下、PTT通信)を実施する情報処理装置である。本実施形態において、送信権とは、PoCにおいて、音声データ又は映像データを送信できる権利を意味する。また、本実施形態においては、処理サーバ10は、PTT通信を、各端末20にアプリケーションをインストールさせずに、処理サーバ10がアプリケーション(Webアプリケーションと呼ぶ)を提供し、各端末20からWebアプリケーションにアクセスさせてWebアプリケーションを利用させることで、PTT通信を実現することを想定する。
【0014】
端末20-1~20-mは、利用者が所持する端末であり、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、及び所定の専用端末等である。端末20-1~20-mは、処理サーバ10を介し、PoCを利用した1対多の音声通信を実施する。例えば、端末20-1~20-mは、利用者からの操作に従い、トークグループに参加する。端末20-1~20-mのいずれかは、利用者からの操作に従って送信権を取得する。送信権を取得した端末20は、利用者から入力される音声を受け付け、受け付けた音声に基づく音声データを、処理サーバ10を介して同一のトークグループに参加する他の端末20へ送信する。また、端末20-1~20-mは、処理サーバ10で音声に基づいて作成されるテキストデータを受信し、テキストデータに基づく文字を自装置のディスプレイに表示する。
【0015】
基地局30-1~30-nは、所定サイズのエリア毎に設けられ、所定の無線エリアを形成する。基地局30-1~30-nは、自装置が形成する無線エリア内に存在する端末20-1~20-mと無線接続する。
【0016】
次に、処理サーバ10の機能構成の例を図2のブロック図を参照して説明する。
図2に示される処理サーバ10は、例えば、処理部11、記憶部12、及び通信インタフェース13を備える。処理部11、記憶部12、及び通信インタフェース13は、例えば、バスを介して互いに通信可能に接続されている。処理部11は、情報処理装置とも呼ぶ。
【0017】
処理部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。CPUは、例えば、記憶部12に記憶されているアプリケーションプログラムを読み込み、アプリケーションプログラムを実行する。これにより、処理部11は、アプリケーションプログラムに対応する種々の機能を実現する。
【0018】
記憶部12は、種々の情報を記憶するHDD(hard disk drive)、及びSSD(solid state drive)等の不揮発性の記憶回路を備える、いわゆる補助記憶装置である。なお、記憶部12は、CD-ROM、DVD、及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。記憶部12は、本実施形態に係るアプリケーションプログラムを記憶している。
【0019】
また、記憶部12は、処理部11からの制御に従い、トークグループに参加する利用者に関する利用者情報を記憶する。また、記憶部12は、処理部11からの制御に従い、送信権を有する端末20から送信される音声データに基づいて作成される通話データ、通話データをテキスト化して得られるテキストデータ、及び端末20で撮影された映像データを記憶する。また、記憶部12は、処理部11からの制御に従い、テキストデータを翻訳して得られる翻訳テキストデータを記憶する。また、記憶部12は、1以上のトークグループと1以上のトークグループを規定するそれぞれのグループ位置情報との対応関係をグループ管理テーブルに記憶する。また、記憶部12は、トークグループに参加する利用者と、参加するトークグループとの対応関係を利用者管理テーブルに記憶する。
【0020】
通信インタフェース13は、ネットワークと接続する回路である。通信インタフェース13は、ネットワークを介し、基地局30-1~30-nと無線接続している端末20-1~20-mのうち少なくともいずれかへデータを送信する。また、通信インタフェース13は、ネットワークを介し、基地局30-1~30-nと無線接続している端末20-1~20-mのうち少なくともいずれかから送信されるデータを受信する。
【0021】
図2に示される処理部11は、記憶部12に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することで、当該アプリケーションプログラムに対応するWebアプリケーションの機能を実現する。例えば、処理部11は、アプリケーションプログラムを実行することで、登録処理部111、送信権付与部112、取得部113、設定部114、通信制御部115、テキスト化処理部116、及び翻訳処理部117の機能を実現する。
【0022】
図2に示される処理部11は、複数のCPUが組み合わされて形成されていても構わない。すなわち、図2に示される登録処理部111、送信権付与部112、取得部113、設定部114、通信制御部115、テキスト化処理部116、及び翻訳処理部117は、例えば、各CPUがアプリケーションプログラムを実行することで実現されても構わない。
【0023】
また、処理部11は、登録処理部111、送信権付与部112、取得部113、設定部114、通信制御部115、テキスト化処理部116、及び翻訳処理部117の機能をそれぞれ有する専用のハードウェア構成により形成されていても構わない。また、処理部11は、登録処理部111、送信権付与部112、取得部113、設定部114、通信制御部115、テキスト化処理部116、及び翻訳処理部117の機能をそれぞれ有する専用のハードウェア回路を組み込んだ特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、又は単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)により形成されていても構わない。
【0024】
登録処理部111は、1対多の音声通信を実施するトークグループに参加する利用者を登録する。具体的には、例えば、登録処理部111は、端末20-1~20-mからの要求に基づき、所定のトークグループへ参加する利用者についての利用者情報を取得する。登録処理部111は、取得した利用者情報を、参加するトークグループと関連付けて記憶部12に記憶する。
利用者情報には、例えば、トークグループのID、トークグループに参加する利用者のID、利用者が所持する端末のIPアドレス、利用者が設定した言語についての言語コード、利用者のログイン状態、及び端末位置情報等が含まれる。登録処理部111は、どのトークグループにどのユーザが参加するかの定義情報、すなわち、例えば、トークグループのID、及びトークグループに参加する利用者のIDを、記憶部12に記憶する。また、登録処理部111は、端末20の状態によって動的に変化する情報、すなわち、例えば、IPアドレス、言語コード、ログイン状態、及び位置情報等を、記憶部12へ記憶する。
【0025】
送信権付与部112は、所定のトークグループに参加している利用者が所持する端末のうちいずれかへ送信権を与える。
【0026】
取得部113は、端末20からWebアプリケーションの利用に関する認証情報を取得する。
設定部114は、認証情報を送信してきた端末20を、Webアプリケーションを介したPTT通信を実行可能に設定する。
【0027】
通信制御部115は、トークグループに参加する利用者が所持する端末20間で、1対多の音声通信が実現されるように通信を制御する。具体的には、例えば、通信制御部115は、送信権が与えられた端末20から送信される音声データ又は映像データを、同一のトークグループに参加している利用者が所持する端末20へ送信する。
【0028】
また、通信制御部115は、トークグループに参加する利用者が所持する端末20へ、音声データから変換されたテキストデータを送信するように通信を制御する。具体的には、例えば通信制御部115は、音声データがテキストデータへ変換されると、テキスト化が完了した旨を、トークグループに参加している利用者が所持する端末20へ送信する。通信制御部115は、端末20からテキストデータの送信が要求されると、テキストデータを要求元の端末20へ送信する。
【0029】
さらに、通信制御部115は、翻訳を要する端末へ、テキストデータを所定の言語へ翻訳した翻訳テキストデータを送信するように通信を制御する。具体的には、例えば通信制御部115は、テキストデータの翻訳が完了すると、翻訳が完了した旨を、トークグループに参加している利用者が所持する端末20へ送信する。通信制御部115は、端末20から翻訳テキストデータの送信が要求されると、翻訳テキストデータを要求元の端末20へ送信する。
【0030】
テキスト化処理部116は、送信権を有する端末から送信されてきた音声データを、テキストデータへ変換する。具体的には、例えば、テキスト化処理部116は、音声データを、文法に関する情報、言語構造に関する情報、音声データの組成に関する情報、及び記憶している単語情報等に基づいてテキストデータへ変換する。なお、テキスト化処理部116により採用される音声からテキストデータへの変換処理は、既存の技術を利用しても構わない。
【0031】
翻訳処理部117は、テキスト化処理部116により変換されたテキストデータに対して翻訳処理を実施することで、翻訳テキストデータを作成する。具体的には、例えば、翻訳処理部117は、テキスト化処理部116により変換されたテキストデータを、トークグループに参加している利用者と関連付けられている言語コードに対応する言語のテキストデータへ翻訳する。なお、テキスト化処理部116により採用される翻訳処理は、統計的機械翻訳、及びニューラル機械翻訳等、既存の技術を利用しても構わない。
【0032】
なお、図示しないが、処理サーバ10は、入力インタフェースを有していてもよい。入力インタフェースは、例えば、マウス、キーボード、及び、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパネル等により実現される。入力インタフェースは、操作者からの入力指示を電気信号へ変換し、電気信号を処理部11へ出力する。なお、入力インタフェースは、マウス、及びキーボード等の物理的な操作デバイスに限定されない。入力インタフェースには、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0033】
さらに、図示しないが、処理サーバ10は、出力インタフェースを有していてもよい。出力インタフェースは、例えば、表示機器、及び印刷機器等により実現される。表示機器としては、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイ、及びプラズマディスプレイ等、任意のディスプレイが利用可能である。表示機器は、表示対象についての画像データを表示する。印刷機器は、例えば、プリンタである。印刷機器は、印刷対象についての画像データを所定用紙に印刷する。なお、出力インタフェースは、表示機器、及び印刷機器等の物理的な出力装置に限定されない。出力インタフェースには、例えば、外部の出力装置へ画像データを送信する送信ポートが含まれてもよい。
【0034】
図3は、端末20の機能構成の例を示すブロック図である。
図3に示される端末20は、例えば、処理部21、記憶部22、入力インタフェース23、出力インタフェース24、通信インタフェース25、GPS受信器26、及びスキャン部27を備える。
【0035】
処理部21は、例えば、CPUである。CPUは、例えば、記憶部22に記憶されているアプリケーションプログラムをRAMに読み込む。CPUは、RAMに読み込まれたアプリケーションプログラムを実行する。これにより、処理部21は、アプリケーションプログラムに対応する種々の機能を実現する。
【0036】
記憶部22は、NAND型、又はNOR型フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶回路を備える、いわゆる補助記憶装置である。なお、記憶部22は、SDカード、及びマイクロSDカード等の可搬性記憶媒体との間で種々の情報を読み書きする駆動装置等であってもよい。記憶部22は、本実施形態に係るアプリケーションプログラムを記憶している。また、記憶部22は、自端末が参加可能なトークグループについての情報が記憶されている。
【0037】
入力インタフェース23は、例えば、ボタン、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチパネル、及び音声を入力するマイク等により実現される。入力インタフェース23は、操作者からの入力指示を電気信号へ変換し、電気信号を処理部21へ出力する。
【0038】
出力インタフェース24は、例えば、表示機器、及びスピーカにより実現される。表示機器としては、例えば、液晶ディスプレイ、及び有機ELディスプレイ等である。表示機器は、表示対象についての画像データ及び映像データを表示する。スピーカは、音声通信に伴う音声データを再生する。
【0039】
通信インタフェース25は、基地局30-1~30-nと無線接続する回路である。通信インタフェース25は、例えば、アンテナ、及び無線部により実現される。アンテナは、到来してきた無線信号を受信する。また、無線部から出力される無線信号を送信する。無線部は、アンテナにより受信された無線信号を、予め設定される復調方式に則って変換し、変換したデータを処理部21へ出力する。また、無線部は、処理部21で作成されたデータを、予め設定される変調方式に則って無線信号へ変換し、変換した無線信号をアンテナへ出力する。
【0040】
GPS受信器26は、GPS衛星から送信される信号を受信し、受信した信号に基づいて、自端末の位置に関する端末位置情報を作成する。
スキャン部27は、例えば端末20に搭載されるカメラ、赤外線カメラであり、Webアプリケーションに関するURL(Uniform Resource Locator)などの情報が埋め込まれた1次元コード又は2次元コードを読み取って、当該コードに埋め込まれた情報を抽出する。1次元コードの例としては、例えばバーコードが挙げられる。2次元コードの例としては、例えばQRコード(登録商標)が挙げられる。
【0041】
図3に示される処理部21は、通信制御部211、表示制御部212、及び再生制御部213の機能を実現する。
通信制御部211は、処理サーバ10との通信を制御する。具体的には、例えば、Webアプリケーションにアクセスし、PTT通信が実行可能となった後に送信権を得た場合、通信制御部211は、マイクから入力された音声を、TCP/IPベースの独自プロトコルに則って変換する。通信制御部211は、変換後の音声データを、ネットワークNW及び基地局30を通じ、Webアプリケーションを実行する処理サーバ10へ送信する。これにより、処理サーバ10側では、Webアプリケーションで端末20からの音声データを取得でき、音声データの配信及び音声データに対応するテキストデータを生成できる。よって、端末20は、処理サーバ10が提供するWebアプリケーションにアクセスすることで、音声データ及び対応するテキストデータを自端末のディスプレイなどに表示できる。
【0042】
また、例えば、送信権を有していない端末20の通信制御部211は、処理サーバ10が提供するWebアプリケーションにアクセスし、送信権を有する端末20が送信した音声データを再生制御部213を介して出力できる。また、通信制御部211は、Webアプリケーションにアクセスし、音声データがテキスト化されたテキストデータを、表示制御部212を介してディスプレイなどに表示できる。また、送信権を有していない端末20に設定されている言語が、送信権を有する端末20に設定されている言語と異なる場合、通信制御部211は、Webアプリケーションにアクセスし、処理サーバ10の翻訳処理部117がテキストデータを所望の言語に翻訳した翻訳テキストデータを、表示制御部212を介してディスプレイなどに表示できる。
通信制御部211は、GPS受信器26で作成された端末位置情報を、ユーザ指示があったタイミングで、又は、所定間隔で定期的に処理サーバ10に送信する。
【0043】
表示制御部212は、出力インタフェース24であるディスプレイへの表示処理を制御する。具体的には、例えば、表示制御部212は、受信した種々の通知、並びに、Webアプリケーションの画面、及び受信した映像データを表示するように、ディスプレイを制御する。
【0044】
再生制御部213は、ディスプレイに表示されている、テキストデータに基づく文字に対応する音声の再生を制御する。具体的には、例えば、再生制御部213は、ディスプレイに表示されている、テキストデータに基づく文字に対応する通話データを再生するように、出力インタフェース24であるスピーカを制御する。また、再生制御部213は、映像データを取得して、映像データをディスプレイなどに表示する。
【0045】
また、再生制御部213は、翻訳テキストデータに基づく文字の読み上げを制御する。具体的には、例えば、再生制御部213は、ディスプレイに表示されている、翻訳テキストデータに基づく文字に対する読み上げ要求がある場合、翻訳テキストデータに対応する音声データを再生するように、出力インタフェース24であるスピーカを制御する。なお、再生制御部213は、例えば、OS(Operating System)により提供されているAPI(Application Program Interface)により実現されても構わない。
【0046】
次に、本実施形態に係る情報処理装置の動作例について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0047】
ステップSA1では、利用者は、端末20を操作し、スキャン部27を介して2次元コードを読み取る。具体的には、例えば端末20のスキャン部27であるカメラを用いて、QRコードを読み取る。これにより、2次元コードに埋め込まれたWebアプリケーションにアクセスするためのURLなどを取得できる。
【0048】
ステップSA2では、読み取った2次元コードに基づいて端末20がWebアプリケーションへアクセスすることにより、処理サーバ10の取得部113が、端末20から認証情報を取得する。取得した認証情報は、例えば記憶部12に記憶される。認証情報は、ここでは、2次元コードに埋め込まれたWebアプリケーションにアクセスするためのURLと、端末20の位置を示す端末位置情報及び端末20がアクセスするアクセスポイントなどで振られる送信元を示すIPアドレスの少なくとも一方と、の要素を含む。なお、認証情報はこれに限らず、アクセスした時間に関する時間情報、端末20の機種、OSの種別を含む機種情報などの他の要素を含んでもよい。
【0049】
ステップSA3では、設定部114が、端末20から送信された認証情報が正当か否かを判定する。例えば、認証情報が端末位置情報を含む場合、端末20から送信されるGPS情報を参照し、店舗内、学校内など、地図座標上の特定のエリア内からのアクセスである場合、認証情報が正当であると判定する。
又は、認証情報がIPアドレスを含む場合、端末20から送信されたIPアドレスを参照し、当該IPアドレスが所定のアドレスである場合、認証情報が正当であると判定する。同様に、例えば認証情報の一要素として時間情報が含まれる場合、時間情報を参照し、端末20によるWebアプリケーションの利用時刻が、所定の時間帯であれば、認証情報が正当であると判定する。なお、端末位置情報、IPアドレス及び時間情報のうちの複数の要素が正当であるかどうかを判定してもよく、組み合わせられた複数の要素全てで条件を満たす場合に、認証情報が正当であると判定してもよい。すなわち、認証情報のうちの少なくとも1つの要素を用いて、認証情報が正当であるか否かを判定すればよい。
認証情報が正当である場合、ステップSA4に進み、認証情報が正当ではない場合、今回の端末20からのアクセスは拒否され、新たな認証情報による端末20からのアクセスを取得すべく、ステップSA2に戻り同様の処理を繰り返す。
【0050】
ステップSA4では、設定部114が、端末20を、Webアプリケーションを介したPTT通信を実行可能に設定する。具体的には、Webアプリケーションを介したPTT通信を実行可能とするための利用権限を当該端末20に設定する。利用権限を設定された端末20は、認証済みの端末20とも呼ぶ。例えば、個別に割り当てたユーザID及びパスワードによりPTT通信を実施する個別設定の代わりに、ユーザID及びパスワードを個別に設定せずにPTT通信を利用できる利用権限を有するデフォルトユーザとして、当該端末20を登録すればよい。これにより、PTT通信を実施するためのアプリケーションをインストールする必要なく、不特定多数のユーザが簡単にPTT通信を実施できる。
【0051】
ステップSA5では、通信制御部115が、ステップSA4により認証済みの端末20のPTT通信を許容できるか否かを判定する。例えば、端末20が、ステップSA3で判定した特定のエリア外からWebアプリケーションにアクセスしている場合、当該端末20のPTT通信を許容できないと判定すればよい。又は、端末20のIPアドレスが、PTT通信を許容する特定のエリアのアクセスポイントを経由したアクセスではなく、IPアドレスが所定のアドレスではない場合、当該端末20のPTT通信を許容できないと判定すればよい。又は、端末20がアクセスした時刻が所定の時間帯以外であれば、受付又は対応時間外であるとして、当該端末20のPTT通信を許容できないと判定すればよい。当該端末20のPTT通信を許容できない場合、ステップSA6に進み、端末20のPTT通信を許容できる場合、ステップSA5の判定処理を繰り返す。なお、ステップSA5では、ステップSA3により認証情報が正当であるか否かを判定した要素により判定処理が行われればよい。
【0052】
ステップSA6では、通信制御部115が、認証済みの端末20のPTT通信を停止する。なお、ステップSA5の判定後、PTT通信が許容できない状態となった場合に即座にPTT通信を停止することに限らず、通信制御部115は、まずは、特定のエリア及び特定のアクセスポイントからアクセスすることを促す旨のメッセージを端末20に送信してもよい。通信制御部115は、当該メッセージを送信してから所定期間経過した場合でも、特定のエリアからPTT通信を実施していない及び特定のアクセスポイントからPTT通信を実施していない場合に、PTT通信を停止してもよい。
【0053】
次に、本実施形態に係る利用者管理テーブルの一例について図5を参照して説明する。
図5に示される利用者管理テーブル50は、認証情報として、ユーザID、端末位置情報、及びIPアドレスがそれぞれ対応付けられる。ユーザID「User01」には、端末位置情報である「端末位置情報01_12:00:00」が関連付けられている。端末位置情報は、所定間隔ごとに端末20から送信されるGPS情報(端末位置情報01に相当)が、時間情報ともに関連付けられて時系列データとして記憶される。なお、記憶領域の節約のため、端末位置情報の時系列データは、一定期間を経過した端末位置情報は削除されてもよい。さらに、端末20がWebアプリケーションにアクセスした際の送信元のIPアドレスである「IPアドレス01」が対応付けられる。もちろん、利用管理者テーブルには、端末20から送信される情報データに含まれる他の項目が対応付けられてもよい。
【0054】
次に、本実施形態に係る通信システムの利用例について図6を参照して説明する。
図6は、店員がいない衣料品を取り扱う無人店舗において、本実施形態に係る通信システムの利用例を示す図である。
【0055】
図6(a)では、端末20を保持するユーザが、衣料品を販売する無人店舗に入り、好みの衣服を探している場合を想定する。ユーザは、端末20のスキャン部27を起動し、棚に設置された2次元コード60を読み取る。
【0056】
図6(b)では、読み取った2次元コード60から取得されるWebアプリケーションへのURLにアクセスする。端末20から識別情報として、端末位置情報が処理サーバ10に送信される。
【0057】
ここで、認証情報は、端末20からWebアプリケーションへ送信される端末位置情報が含まれるとする。店舗内からのアクセスであることを認証情報が正当である条件とすると、ここでは端末20により店舗内の2次元コードを読み取ってアクセスしているため、処理サーバ10の設定部114は、当該端末20からのアクセスは店内からのアクセスであり、端末位置情報を参照して、認証情報が正当であると判定できる。よって、ここでは一例として、端末20に「PTT通信可能です 問い合わせをしますか? 店舗:A店 対応者:スタッフB」の内容の画面61が表示される。ユーザは、「はい」を選択したとする。
【0058】
図6(c)では、端末20は、Webアプリケーションを用いたPTT通信が実行可能となる。図6(c)の例では、対応者であるスタッフBからPTT通信による音声「お待たせしました。ご用件を伺います」が端末20のスピーカから出力される。
【0059】
図6(d)では、端末20のカメラにより、ユーザが問い合わせをしたい衣料品(ここでは、Tシャツ)を写し、「このTシャツのLサイズはありますか?」と発話することで、PTT通信による音声データがWebアプリケーションに送信される。その後も同様に、ユーザと対応者との間でPTT通信を継続して実行できる。
【0060】
次に、図6に示すPTT通信に関するテキストデータの表示例について図7を参照して説明する。
図7は、Webアプリケーション上でのトークグループのテキスト表示画面100である。対応者の発話が、破線で囲まれたテキスト101で示され、ユーザの発話が、実線で囲まれたテキスト102で示される。なお、破線及び実線に限らず、トークグループの参加者の発話が一意に区別可能な表示態様であればよい。又は、自身と他人との発話が区別可能な表示態様であってもよい。
【0061】
以上に示した本実施形態に係る情報処理装置によれば、端末から送信された認証情報が正当である場合に、当該端末にWebアプリケーションによるプッシュトゥトーク通信を実行可能に設定する。これにより、端末のスキャン部によりコードを読み取るだけで、PTT通信を実施するためのアプリケーションをインストールする必要なく、さらにはユーザID/パスワードの設定処理を省略し、簡単にPTT通信を実施できる。よって、不特定多数の者がその場又は一定の期間のみPTT通信を簡単に実施できるため、PTT通信を利用する者のサービスを向上させることができる。
【0062】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
【符号の説明】
【0063】
1…通信システム、10…処理サーバ、11…処理部(情報処理装置),21…処理部、12,22…記憶部、13,25…通信インタフェース、20,20-1~20-m…端末、23…入力インタフェース、24…出力インタフェース、26…GPS受信器、27…スキャン部、30,30-1~30-n…基地局、50…利用者管理テーブル、60…2次元コード、61…画面、100…テキスト表示画面、101,102…テキスト、111…登録処理部、112…送信権付与部、113…取得部、114…設定部、115,211…通信制御部、116…テキスト化処理部、117…翻訳処理部、212…表示制御部、213…再生制御部。
【要約】
【課題】 ユーザの利便性を向上させる情報処理装置を提供する。
【解決手段】 プッシュトゥトーク通信を実現するWebアプリケーションを利用する。情報処理装置は、取得部と、設定部とを含む。取得部は、端末から、前記Webアプリケーションの利用に関する認証情報を取得する。設定部は、前記認証情報を送信してきた前記端末を、前記Webアプリケーションを介した前記プッシュトゥトーク通信を実行可能に設定する。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7