(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】構造物のジャッキダウン装置
(51)【国際特許分類】
E04G 21/16 20060101AFI20240205BHJP
E04B 1/35 20060101ALI20240205BHJP
E01D 21/00 20060101ALI20240205BHJP
B66F 7/20 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
E04G21/16
E04B1/35 H
E01D21/00 Z
B66F7/20 Z
(21)【出願番号】P 2021014101
(22)【出願日】2021-02-01
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000153616
【氏名又は名称】株式会社巴コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】川添 俊之
(72)【発明者】
【氏名】田口 猛也
【審査官】吉村 庄太郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-040643(JP,U)
【文献】特開昭51-016730(JP,A)
【文献】特開2017-137697(JP,A)
【文献】実公昭48-038927(JP,Y1)
【文献】実開昭50-022625(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/14-21/22
E04B 1/35
B66F 7/20
E01D 1/00-24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物のジャッキダウンに用いられるジャッキダウン装置であって、その構造物の仮設支持点1箇所当り、少なくとも1台のジャッキと、前記ジャッキの支持力が解除されている時に、前記ジャッキに代わって前記構造物を支持する摺動式支持部とから成り、前記摺動式支持部は、
1)前記構造物の仮設支持点に取り付けられた上支持材と、その上支持材に一定範囲が重なるように下方から立設された下支持材とから成る。
2)前記上支持材および下支持材には、鉛直のゲージラインに合わせて等間隔の鉛直方向孔ピッチPで開けられたボルト挿通孔の鉛直列が少なくとも2列以上設けられ、前記上支持材および下支持材の前記鉛直
のゲージラインは相互に重なるようになっており、前記上支持材および下支持材が重なった範囲の前記鉛直列のボルト挿通孔の内、少なくとも1列の鉛直列のボルト挿通孔同士が重なって、前記上下支持材を貫通してボルトを挿通できるようになっている。
3)前記上支持材または下支持材のどちらか一方に開けられた前記ボルト挿通孔の鉛直方向配置は、隣接する前記鉛直列の前記ボルト挿通孔と同じ高さである。
4)もう一方の前記上支持材または下支持材に開けられたボルト挿通孔の鉛直方向配置は、相隣接する前記鉛直列のボルト挿通孔に対して、等間隔配置の前記ボルト挿通孔の鉛直方向孔ピッチPを、鉛直方向孔ピッチPだけ前記構造物を降下するのに要する降下回数mで除した値P/mの寸法分だけ、上もしくは下方向に1段ずつ順次ずらして開けられている。
5)前記上支持材および下支持材開けられたボルト挿通孔の鉛直列の列数は、前記降下回数mと同数以上である。
6)以上のような前記上支持材と下支持材を対として、1対もしくは2対以上が、前記構造物の仮設支持点全てに設置されている。
以上のような構成から成ることを特徴とするジャッキダウン装置。
【請求項2】
構造物のジャッキダウンに用いられるジャッキダウン装置であって、その構造物の仮設支持点1箇所当り、少なくとも1台のジャッキと、前記ジャッキの支持力が解除されている時に、前記ジャッキに代わって前記構造物を支持する摺動式支持部とから成り、前記摺動式支持部は、
1)前記構造物の仮設支持点に取り付けられた上支持材と、その上支持材に一定範囲が重なるように下方から立設された下支持材とから成る。
2)前記上支持材および下支持材には、それぞれ鉛直のゲージラインに合わせて等間隔に開けられた上部および下部ボルト挿通孔の鉛直列が、1列もしくは2列以上設けられており、前記上支持材および下支持材の前記鉛直
のゲージラインは、相互に重なるようになっている。
3)前記上部および下部ボルト挿通孔の前記鉛直列の鉛直方向孔ピッチは相互に異なり、前記上支持材および下支持材が重なった範囲において、少なくとも1列の前記鉛直列の前記上部および下部ボルト挿通孔同士は、それぞれの前記鉛直方向孔ピッチの最小公倍数に対応する位置毎に重なって、前記上下両支持材を貫通してボルトが挿通できるようになっている。
4)前記上支持材および下支持材に開けられたボルト挿通孔の鉛直列が重なり合う範囲において、前記構造物を1回だけ降下させる降下単位寸法をpとする時、前記上部および下部ボルト挿通孔同士が少なくとも1つ以上重なった状態で、前記上部ボルト挿通孔とその下方に位置する最寄の下部ボルト挿通孔との最小距離がn×p(n:1以上の自然数)であり、かつ前記上部および下部ボルト挿通孔の鉛直列の列数NがN≧nである。
5)以上のような前記上支持材と下支持材とを対として、1対もしくは2対以上が、前記構造物の仮設支持点に設置されている。
以上のような構成から成ることを特徴とするジャッキダウン装置
。
【請求項3】
請求項2において、前記上支持材および下支持材に、それぞれ鉛直のゲージラインに合わせて等間隔に開けられた前記上部および下部ボルト挿通孔の鉛直列が2列以上設けられている場合であって
、
1)前記上部または下部ボルト挿通孔のどちらか一方の鉛直方向配置は、隣接する前記鉛直列の前記上部および下部ボルト挿通孔と同じ高さである。
2)もう一方の前記上部または下部ボルト挿通孔の鉛直方向配置は、どれか1列の鉛直列のボルト挿通孔に対して、その1列の鉛直列に隣接する鉛直列のボルト挿通孔の鉛直方向位置が、前記降下単位寸法pの寸法分ずつ上または下に順次ずれている
。
3)以上のような前記上支持材と下支持材を対として、1対もしくは2対以上が、前記構造物の仮設支持点に設置されている。
以上のような構成から成ることを特徴とするジャッキダウン装置。
【請求項4】
構造物のジャッキダウンに用いられるジャッキダウン装置であって、その構造物の仮設支持点1箇所当り、少なくとも1台のジャッキと、前記ジャッキの支持力が解除されている時に、前記ジャッキに代わって前記構造物を支持する摺動式支持部とから成り、前記摺動式支持部は、
1)前記構造物の仮設支持点に取り付けられた上支持材と、その上支持材に一定範囲が重なるように下方から立設された下支持材とから成る。
2)前記上支持材および下支持材には、鉛直のゲージラインに合わせて等間隔に開けられた上部および下部ボルト挿通孔の鉛直列が、それぞれ2列設けられており、前記上支持材および下支持材のボルト挿通孔の鉛直のゲージラインは、相互に重なるようになっている。
3)前記上部および下部ボルト挿通孔の鉛直列の鉛直方向孔ピッチは相互に異なり、前記上支持材および下支持材が重なった範囲の前記鉛直列2列のどちらか一方に属する上部および下部ボルト挿通孔同士が、それぞれの前記鉛直方向孔ピッチの最小公倍数に対応する位置毎に重なるようになっており、前記上下両支持材を貫通してボルトを挿通することが可能である。
4)前記上部または下部ボルト挿通孔のどちらか一方の鉛直方向配置は、隣接する前記鉛直列の前記ボルト挿通孔と同じ高さである。
5)もう一方の前記上部または下部ボルト挿通孔の鉛直方向配置は、前記鉛直列2列のどちらか一方のボルト挿通孔の鉛直方向位置が、他方の鉛直列のボルト挿通孔に対して、前記構造物を1回降下させる際の降下単位寸法p分だけ上または下にずれており、どちらか一方の鉛直列の上部および下部ボルト挿通孔に重なりがある時に、他方の鉛直列の上部ボルト挿通孔の内、少なくとも1つ以上は、その下方に位置する最寄の下部ボルト挿通孔との最小距離がpである。
6)以上のような前記上支持材と下支持材を対として、1対もしくは2対以上が、前記構造物の仮設支持点に設置されている。
以上のような構成から成ることを特徴とするジャッキダウン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作物や建築物の上屋架構等の構造物の構築において、組み上がった上屋架構等を支える仮設支持点に設置するジャッキダウン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、
図1に図示するように、スライド工法により、ワイヤーロープ巻取り装置7、7、…によりスライドレール6、6上をスライド移動して、所定位置にて仮受け状態で一体的に組み上がった上屋架構1全体を一斉にジャッキダウンして、基礎柱4、4、…に柱5、5、…を載置する場合、支保工2、2、…の頂部に設置された仮設支持点3、3、…で支持された上屋架構1が長大であれば、その仮設支持点3、3、…の数は非常に多くなるので、その全てに油圧ジャッキ等の装置ユニットを設置することは多くのコストがかかる。
【0003】
そこで、一体化された長大な上屋架構1を、
図2に図示のように、いくつかのブロック1a~1fに分け、これらのブロックを順番にジャッキダウンすれば、油圧ジャッキ等の装置ユニットを繰り返し使用することが可能になり、経済的である。
【0004】
しかし、その方法では、ジャッキダウンしたブロックに隣接するジャッキダウン前のブロックとの高さにギャップが生じるため、1回分のジャッキダウン量が大き過ぎれば、屋根架構1が弾性範囲(損傷しない変形限界)を超える可能性がある。
【0005】
そのような大きな変形を回避するためには、1回分のジャッキダウン量を少なくし、何回かに分けて全ブロックを順番に少しずつ下げていく必要がある。
【0006】
その場合、1つのブロックのジャッキダウンが1回完了する毎に、油圧ジャッキ等の装置ユニットを撤去し移設することになるが、その時に、屋根架構1を所定高さに保持するための仮受け手段が必要であり、その仮受け時の所定高さを確実に保持し、隣接ブロックとの高さギャップを一定寸法に管理することが求められる。
【0007】
ジャッキダウン方法に関する先行技術としては、例えば、特許文献1記載の発明がある。
【0008】
特許文献1記載の発明は、既存の鉄道橋や道路橋を拡張や高架化する場合に、それらの橋桁を扛上または扛下させ更には横移動させる工法と、それに使用する扛上機およびベント部材に関する技術であり、橋桁と地上との間に配設される複数段の単位ベント部材と、地上に設置される一対の扛上機とを使用し、一対の前記扛上機により前記複数段のベント部材を下から支持した状態で、更にその下に単位ベント部材を継ぎ足しあるいは取り外しできるようになっており、前記継ぎ足しと上昇あるいは前記取り外しと下降を順次繰り返して、橋桁をベント部材と共に扛上させ、あるいはベント部材と共に扛下させるものである。
【0009】
また、特許文献1記載の発明は、前記のように、一対の前記扛上機により前記複数段のベント部材を下から支持した状態で、前記一対の前記扛上機の下に橋桁幅方向と平行に配設された水平ガイドレール上を横移動できるように、横移動装置を設けることも開示されている。
【0010】
前記扛上機にはスクリュージャッキが組み込まれており、そのスクリュージャッキを昇降用モータによりスクリューロッドを回転させることで、前記複数段のベント部材と共に橋桁の上げ下げが可能になり、地上で橋桁の扛上もしくは扛下作業を行うことができ、高所の狭い場所での作業が不要となり、作業の効率がよいとしている。
【0011】
この工法は、鉄道橋や道路橋の橋桁のような大型の重量構造物に適用することを想定しており、構造物を上げ下げする装置が大掛かりとなるため、本発明の対象とする仮設支持点が多数必要となる長大な工作物や建築物の上屋架構等の架設工法としては適用困難である。また、一体化して組み上がった上屋架構等を、複数のブロックに分けて順番にジャッキダウンする場合に問題となる上屋架構等への損傷回避の方法に関して、示唆する記述も皆無である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、一体化して組み上がった工作物や建築物の上屋架構等(以下、上屋架構等と略称する。)を、複数のブロックに分けて順番にジャッキダウンする場合において、1つのブロックのジャッキダウン(以下、単に降下と称す。)が1回完了する毎に、そのブロックを支持するために設置されていた油圧ジャッキ等の装置ユニットを撤去し移設する際に、隣接ブロックとの高さギャップが一定寸法になるように、前記上屋根架構等を確実に仮受けして所定高さに保持できる、簡易なジャッキダウン装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するための本発明の第1手段は、構造物のジャッキダウンに用いられるジャッキダウン装置であって、その構造物の仮設支持点1箇所当り、少なくとも1台のジャッキと、前記ジャッキの支持力が解除されている時に、前記ジャッキに代わって前記構造物を支持する摺動式支持部とから成り、前記摺動式支持部は、
1)前記構造物の仮設支持点に取り付けられた上支持材と、その上支持材に一定範囲が重なるように下方から立設された下支持材とから成る。
2)前記上支持材および下支持材には、鉛直のゲージラインに合わせて等間隔の鉛直方向
孔ピッチPで開けられたボルト挿通孔の鉛直列が少なくとも2列以上設けられ、前記上支
持材および下支持材の前記鉛直のゲージラインは相互に重なるようになっており、前記上支
持材および下支持材が重なった範囲の前記鉛直列のボルト挿通孔の内、少なくとも1列の
鉛直列のボルト挿通孔同士が重なって、前記上下支持材を貫通してボルトを挿通できるよ
うになっている。
3)前記上支持材または下支持材のどちらか一方に開けられた前記ボルト挿通孔の鉛直方
向配置は、隣接する前記鉛直列の前記ボルト挿通孔と同じ高さである。
4)もう一方の前記上支持材または下支持材に開けられたボルト挿通孔の鉛直方向配置は
、相隣接する前記鉛直列のボルト挿通孔に対して、等間隔配置の前記ボルト挿通孔の鉛直
方向孔ピッチPを、鉛直方向孔ピッチPだけ前記構造物を降下するのに要する降下回数m
で除した値P/mの寸法分だけ、上もしくは下方向に1段ずつ順次ずらして開けられてい
る。
5)前記上支持材および下支持材に開けられたボルト挿通孔の鉛直列の列数は、前記降下
回数mと同数以上である。
6)以上のような前記上支持材と下支持材を対として、1対もしくは2対以上が、前記構
造物の仮設支持点全てに設置されている。
以上のような構成から成ることを特徴とするジャッキダウン装置である。
【0015】
本発明の第1手段は以上のような構成なので、前記ジャッキにて前記構造物が支持されている時に、前記上支持材および下支持材が重なった範囲で、前記上下両支持材を貫通できるボルト挿通孔に必要本数のボルトを挿通して前記上支持材と下支持材とを接続し、その後、前記ジャッキの支持力を解除して前記構造物の重量を前記ボルトに移すことにより、前記構造物が所定高さに保持される。
【0016】
なお第1手段では、前記上下両支持材のボルト挿通孔が重なる鉛直列は、1回の降下毎に隣接の鉛直列に移動し、かつその鉛直列の前記上支持材および下支持材が重なった範囲のボルト孔全てが重なる特徴がある。
【0017】
次に前記構造物を降下させる時は、前記ジャッキにて前記構造物を再度支持して前記構造物の重量を負担し、前記上支持材および下支持材が重なった範囲の前記ボルト挿通孔に挿通された前記ボルトを全て抜き取って、その後、前記ジャッキで前記構造物を支持しながら、前記上下両支持材のボルト挿通孔が重なる次の所定高さまで降下させる。
【0018】
以上のように、「ジャッキによる支持、ボルト挿入、ジャッキ支持解除」と「ジャッキによる支持、ボルト抜き取り、ジャッキ支持による降下」を、前記構造物の全てのブロックについて、必要回数だけ順次繰り返す。
【0019】
前記構造物の全ブロックにおいて、最終回の「ジャッキによる支持、ボルト抜き取り、ジャッキ支持による降下」により、前記構造物の本設の全支持部(柱脚)が基礎柱等に載置されれば、前記構造物のジャッキダウンは全て完了となる。
【0020】
また、本発明の第2手段は、構造物のジャッキダウンに用いられるジャッキダウン装置であって、その構造物の仮設支持点1箇所当り、少なくとも1台のジャッキと、前記ジャッキの支持力が解除されている時に、前記ジャッキに代わって前記構造物を支持する摺動式支持部とから成り、前記摺動式支持部は、
1)前記構造物の仮設支持点に取り付けられた上支持材と、その上支持材に一定範囲が重なるように下方から立設された下支持材とから成る。
2)前記上支持材および下支持材には、それぞれ鉛直のゲージラインに合わせて等間隔に開けられた上部および下部ボルト挿通孔の鉛直列が、1列もしくは2列以上設けられており、前記上支持材および下支持材の前記鉛直のゲージラインは、相互に重なるようになっている。
3)前記上部および下部ボルト挿通孔の前記鉛直列の鉛直方向孔ピッチは相互に異なり、前記上支持材および下支持材が重なった範囲において、少なくとも1列の前記鉛直列の前記上部および下部ボルト挿通孔同士は、それぞれの前記鉛直方向孔ピッチの最小公倍数に対応する位置毎に重なって、前記上下両支持材を貫通してボルトが挿通できるようになっている。
4)前記上支持材および下支持材に開けられたボルト挿通孔の鉛直列が重なり合う範囲において、前記構造物を1回だけ降下させる降下単位寸法をpとする時、前記上部および下部ボルト挿通孔同士が少なくとも1つ以上重なった状態で、前記上部ボルト挿通孔とその下方に位置する最寄の下部ボルト挿通孔との最小距離がn×p(n:1以上の自然数)であり、かつ前記上部および下部ボルト挿通孔の鉛直列の列数NがN≧nである。
5)以上のような前記上支持材と下支持材とを対として、1対もしくは2対以上が、前記構造物の仮設支持点に設置されている。
以上のような構成から成ることを特徴とするジャッキダウン装置である。
【0021】
また、前記第2手段において、前記上支持材および下支持材に、それぞれ鉛直のゲージラインに合わせて等間隔に開けられた前記上部および下部ボルト挿通孔の鉛直列が2列以上設けられている場合であって、
1)前記上部または下部ボルト挿通孔のどちらか一方の鉛直方向配置は、隣接する前記鉛直列の前記上部および下部ボルト挿通孔と同じ高さである。
2)もう一方の前記上部または下部ボルト挿通孔の鉛直方向配置は、どれか1列の鉛直列のボルト挿通孔に対して、その1列の鉛直列に隣接する鉛直列のボルト挿通孔の鉛直方向位置が、前記降下単位寸法pの寸法分ずつ上または下に順次ずれている。
3)以上のような前記上支持材と下支持材を対として、1対もしくは2対以上が、前記構造物の仮設支持点に設置されている。
以上のような構成から成ることを特徴とするジャッキダウン装置である。
【0022】
本発明の第2手段は以上のような構成なので、前記上部および下部ボルト挿通孔の鉛直のゲージラインが重なる鉛直列が1 列の場合は、その鉛直列の上部および下部ボルト挿通孔は少なくとも1つ以上は必ず重なる。
【0023】
前記上部および下部ボルト挿通孔の鉛直のゲージラインが重なる鉛直列が2以上のN列である場合は、重なるボルト挿通孔が、1回の降下毎に何れかの鉛直列に必ず生じ、かつ前記上部および下部ボルト挿通孔のどちらか大きい方の鉛直方向ピッチ分に対応する降下回数毎に、全鉛直列におけるボルト挿通孔の重なり配置状態が一巡する特徴がある。
【0024】
よって、前記ジャッキにて前記構造物が支持されている時に、前記上支持材および下支持材が重なった範囲で、前記上下両支持材を貫通できるボルト挿通孔に必要本数のボルトを挿通して、前記上支持材と下支持材とを接続し、その後、前記ジャッキの支持力を解除して前記構造物の重量を前記ボルトに移すことにより、前記構造物が所定高さに保持される。
【0025】
次に前記構造物を降下させる時は、前記ジャッキにて再度前記構造物を支持して前記構造物の重量を負担し、前記上支持材および下支持材が重なった範囲の前記ボルト挿通孔に挿通された前記ボルトを全て抜き取って、その後、前記ジャッキで前記構造物を支持しながら、前記上部および下部ボルト挿通孔が重なる次の所定高さまで降下させる。
【0026】
以上のように、「ジャッキによる支持、ボルト挿入、ジャッキ支持解除」と「ジャッキによる支持、ボルト抜き取り、ジャッキ支持による降下」を、前記構造物の全てのブロックについて、必要回数だけ順次繰り返す。
【0027】
前記構造物の全ブロックにおいて、最終回の「ジャッキによる支持、ボルト抜き取り、ジャッキ支持による降下」により、前記構造物の本設の全支持部(柱脚)が基礎柱等に載置されれば、前記構造物のジャッキダウンは全て完了となる。
【0028】
また、本発明の第3手段は、構造物のジャッキダウンに用いられるジャッキダウン装置であって、その構造物の仮設支持点1箇所当り、少なくとも1台のジャッキと、前記ジャッキの支持力が解除されている時に、前記ジャッキに代わって前記構造物を支持する摺動式支持部とから成り、前記摺動式支持部は、
1)前記構造物の仮設支持点に取り付けられた上支持材と、その上支持材に一定範囲が重なるように下方から立設された下支持材とから成る。
2)前記上支持材および下支持材には、鉛直のゲージラインに合わせて等間隔に開けられた上部および下部ボルト挿通孔の鉛直列が、それぞれ2列設けられており、前記上支持材および下支持材のボルト挿通孔の鉛直のゲージラインは、相互に重なるようになっている。
3)前記上部および下部ボルト挿通孔の鉛直列の鉛直方向孔ピッチは相互に異なり、前記上支持材および下支持材が重なった範囲の前記鉛直列2列のどちらか一方に属する上部および下部ボルト挿通孔同士が、それぞれの前記鉛直方向孔ピッチの最小公倍数に対応する位置毎に重なるようになっており、前記上下両支持材を貫通してボルトを挿通することが可能である。
4)前記上部または下部ボルト挿通孔のどちらか一方の鉛直方向配置は、隣接する前記鉛直列の前記ボルト挿通孔と同じ高さである。
5)もう一方の前記上部または下部ボルト挿通孔の鉛直方向配置は、前記鉛直列2列のどちらか一方のボルト挿通孔の鉛直方向位置が、他方の鉛直列のボルト挿通孔に対して、前記構造物を1回降下させる際の降下単位寸法p分だけ上または下にずれており、どちらか一方の鉛直列の上部および下部ボルト挿通孔に重なりがある時に、他方の鉛直列の上部ボルト挿通孔の内、少なくとも1つ以上は、その下方に位置する最寄の下部ボルト挿通孔との最小距離がpである。
6)以上のような前記上支持材と下支持材を対として、1対もしくは2対以上が、前記構造物の仮設支持点に設置されている。
以上のような構成から成ることを特徴とするジャッキダウン装置である。
【0029】
本発明の第3手段は以上のような構成なので、前記上下両支持材のボルト挿通孔の2列の鉛直列において、どちらか一方の鉛直列の上部および下部ボルト挿通孔に重なりがある時は、他方の鉛直列の上部および下部ボルト挿通孔は重なることはなく、その次の降下時には、ボルト挿通孔の重なりが発生する鉛直列が入れ替わる。即ち、ボルト挿通孔の重なりの発生が、1回の降下毎に交互に入れ替わって、かつ前記上部および下部ボルト挿通孔のどちらか大きい方の鉛直方向ピッチ分に対応する降下回数毎に、ボルト挿通孔の重なり配置状態が一巡する特徴がある。
【0030】
よって、前記ジャッキにて前記構造物が支持されている時に、前記上支持材および下支持材が重なった範囲で、前記鉛直列2列の内どちらかにおいて、前記上下両支持材を貫通できるボルト挿通孔に必要本数のボルトを挿通して、前記上支持材と下支持材とを接続し、その後、前記ジャッキの支持力を解除して前記構造物の重量を前記ボルトに移すことにより、前記構造物が所定高さに保持される。
【0031】
次に前記構造物を降下させる時は、前記ジャッキにて再度前記構造物を支持して前記構造物の重量を負担し、前記上支持材および下支持材が重なった範囲の前記ボルト挿通孔に挿通された前記ボルトを全て抜き取って、その後、前記ジャッキで前記構造物を支持しながら、前記鉛直列2列のもう一方において、前記上部および下部ボルト挿通孔が重なる次の所定高さまで降下させる。
【0032】
以上のように、「ジャッキによる支持、ボルト挿入、ジャッキ支持解除」と「ジャッキによる支持、ボルト抜き取り、ジャッキ支持による降下」を、前記構造物の全てのブロックについて、必要回数だけ順次繰り返す。
【0033】
前記構造物の全ブロックにおいて、最終回の「ジャッキによる支持、ボルト抜き取り、ジャッキ支持による降下」により、前記構造物の本設の全支持部(柱脚)が基礎柱等に載置されれば、前記構造物のジャッキダウンは全て完了となる。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、以上のような手段によるジャッキダウン装置であるので、仮設支持点数が非常に多い長大な屋根架構や鉄道駅の長いプラットホーム上屋等の工事において、一体的に組み上がった構造物をジャッキダウンする場合、次のような効果が得られる。
(1)一体的に組み上がった構造物を、ブロック毎に順次ジャッキダウンする工法を実施する際に、組み上がった構造物の損傷を確実に回避できる。
(2)架構全体の同時ジャッキダウン工法の場合では、全ての仮設支持点に、例えば油圧式のジャッキ等の装置ユニットを設置するため、多額のコストが必要だが、本発明では、1つのブロックの降下1回毎に一定高さを保持して仮支持出来るので、前記ジャッキ等を撤去して次のブロックへの移設が可能になり、全体コストを抑制できる。
(3)ジャッキが外れている間、構造物を仮支持するための上下支持材から成る摺動式支持部は簡易なものであり、製作費用も少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】ジャッキダウン直前の上屋架構全体図であり、(a)は架構伏図、(b)は(a)または(d)のイ-イ断面視、(c)は(a)または(d)のロ-ロ断面視、(d)は(a)のハ-ハ断面視である。
【
図2】ジャッキダウン途中の上屋架構全体図であり、(a)は(c)のニ-ニ断面視、(b)は(c)のホ-ホ断面視である。
【
図3】本発明に係るジャッキダウン装置の実施形態の1例を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のヘ-ヘ断面視、(c)はト-ト断面視である。
【
図4】本発明第1手段の第1実施例において、ジャッキダウン装置の上下支持材に開けられた鉛直列のボルト挿通孔ピッチPを上下共4cmとした場合の降下ステップ図である。
【
図5】本発明第1手段の第2実施例において、ジャッキダウン装置の上下支持材に開けられた鉛直列のボルト挿通孔ピッチPを上下共2cmとした場合の降下ステップ図である。
【
図6】本発明第2手段の第1~3実施例の説明図であり、下支持材に開けられた鉛直列のボルト挿通孔Lピッチを3cmとし、上部ボルト挿通孔Uピッチを変化させた場合における、上下ボルト挿通孔(L、U)の重なり方およびその鉛直列の必要列数Nとの関係を説明する図であり、上部ボルト挿通孔Uピッチは、第1実施例の(a)が4cm、第2実施例の(b)が5cm、第3実施例の(c)が6cmの場合を示す。
【
図7】本発明第2手段の第1実施例の降下ステップ図である。
【
図8】本発明第2手段の第4~6実施例の説明図であり、下支持材に開けられた鉛直列のボルト挿通孔Lピッチを4cmとし、上部ボルト挿通孔Uピッチを変化させた場合における、上下ボルト挿通孔(L、U)の重なり方およびその鉛直列の必要列数Nとの関係を説明する図であり、上部ボルト挿通孔Uピッチは、第4実施例の(a)が5cm、第5実施例の(b)が6cm、第6実施例の(c)が8cmの場合を示す。
【
図9】本発明第2手段の第5実施例の降下ステップ図である。
【
図10】本発明第2手段の第5実施例を、
図3のA部およびB部に施した場合の展開図であり、6回目までの降下ステップ図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明に係るジャッキダウン装置の実施例を以下に述べる。
図3は、ジャッキダウン装置の実施形態の1例を示し、例えば鉄道駅ホーム上屋のような長大な構造物を構成する上屋架構1において、その上屋架構1の梁部10を支持する仮設支持点3に、仮支承部11を介して取り付けられた上支持材12、12、…と、その上支持材12、12、…に一定範囲が重なるように下方(支保工2の頂部)から立設された下支持材13、13とから成り、上支持材12、12、…および下支持材13、13には、鉛直のゲージラインに合わせて等間隔に開けられたボルト挿通孔14、14、…の鉛直列が、それぞれ複数列設けられている。
【0037】
図3(c)に図示のように、平面視で長方形配置に、前記上支持材12、12、…および下支持材13、13が設けられ、4本のL形断面の上支持材12が2本のH形断面の下支持材13の内側両端入隅部に沿って一定範囲で重なり、その重なったL形断面およびH形断面の2面(A部およびB部)において、上下支持材12、13のボルト挿通孔14、14、…がいくつか重なってボルトを挿通できるように、ボルト挿通孔14、14、…の鉛直列が設けられている。前記下支持材13、13は構造物の支保工2側に固定され、梁部10側の上支持材12、12、…は上屋架構1の降下に伴い下方向に摺動可能である。
【0038】
本発明の第1手段におけるジャッキダウン装置の第1実施例は、上支持材12、12、…および下支持材13、13に等間隔に開けられたボルト挿通孔14、14、…が以下のように形成された場合である。
【0039】
図4は、上支持材12および下支持材13の1つの面(
図3のA部またはB部に対応)を示すが、その1つの面には4列の鉛直ゲージラインA1~A4に合わせてボルト挿通孔14、14、…が鉛直方向孔ピッチP(
図4では4cm)で等間隔に開けられており、上支持材12および下支持材13のボルト挿通孔14、14、…の鉛直ゲージラインA1~A4は、相互に重なるようになっている。ここで、破線の四角が上支持材12を、実線の四角が下支持材13を表している。
【0040】
図4に図示の「0回目」は、降下直前の状態であって、上下支持材(12、13)が重なっている範囲の鉛直ゲージラインA1のボルト挿通孔14、14、…は、孔番号1~4で重なっている(●表示)ので、上下支持材(12、13)を貫通して、上屋架構1の支持に必要な本数(「0回目」では最大4本)のボルトを挿通できる。
【0041】
上支持材12に開けられたボルト挿通孔14、14、…は、4列の鉛直ゲージラインA1~A4とも、隣接ゲージラインのボルト挿通孔14、14、…と同じ高さである。
【0042】
上記のような上支持材12に相対する、もう一方の下支持材13に開けられたボルト挿通孔14、14、…の鉛直方向配置は、等間隔配置のボルト挿通孔14、14、…の鉛直方向孔ピッチP(4cm)を、上屋架構1を鉛直方向孔ピッチPだけ降下するのに要する降下回数m(
図4では4)で除したP/m=1cmだけ、鉛直ゲージラインA1に対してA2~A4の順に1段ずつ下方向にずらして開けられている。以下、実施例においては、上屋架構1を1回降下させる降下単位寸法pは1cmとして説明するが、その寸法(p)は、上屋架構1が弾性範囲(損傷しない変形限界)に留まる範囲で設定すればよい。
【0043】
本発明第1手段の第1実施例は、以上のようにボルト挿通孔14、14、…が配置された上下で対を成す面(
図3のA部およびB部に対応)が、
図3に図示のように、上支持材12のL形断面2面および下支持材13のH形断面片端入隅部2面として、平面視で長方形配置の四隅に組み込まれたジャッキダウン装置である。
【0044】
上記の第1実施例では、前記ボルト挿通孔14、14、…の鉛直方向孔ピッチ(4cm)分だけ、前記上屋架構1を降下させる場合、降下単位寸法pが1cmなので、4回の降下が必要になる。重なるボルト挿通孔14、14、…の位置(●表示)は、「0回目」でA1列の孔番号1~4である時、「1回目」の降下により、
図4に図示のように、「0回目」において上支持材12のボルト挿通孔14、14、…の直下1cmにあった下支持材13のボルト挿通孔14、14、…であるA2列の孔番号1~4に移動する(破線矢印参照)。
【0045】
以下同様に、1cmずつの降下を実行すると、
図4に図示のように、孔の重なる鉛直列は隣に移動し、「4回目」には、孔の重なる鉛直列がA1列に回帰する(「0回目」に対応)。
【0046】
以上のように、本第1実施例では、毎回の降下時におけるボルト挿通孔14、14、…へのボルト挿入位置の予見性が明快である。しかし、4cm分を降下するためには、ボルト挿通孔14、14、…の鉛直列を4列確保できる上下支持材(12、13)の幅が必要であり、装置のコンパクト化の点にやや問題がある。
【0047】
本発明の第1手段におけるジャッキダウン装置の第2実施例は、前記第1実施例の課題であった装置のコンパクト化を解決するものであって、ボルト挿通孔14、14、…の鉛直列の配置を、
図5にて説明する。
【0048】
図5は、前記第1実施例と同様、
図3のA部またはB部に対応する面を示すが、その1つの面には2列の鉛直ゲージラインA1~A2に合わせてボルト挿通孔14、14、…が鉛直方向孔ピッチP(
図5では2cm)で等間隔に開けられており、上支持材12および下支持材13のボルト挿通孔14、14、…の鉛直ゲージラインA1~A2は、相互に重なるようになっている。
【0049】
図5に図示の「0回目」は、降下直前の状態であって、上下両支持材が重なっている範囲の鉛直ゲージラインA1のボルト挿通孔14、14、…は、孔番号1~4で重なっているので(●表示)、上下支持材(12、13)を貫通して、上屋架構1の支持に必要な本数(「0回目」では最大4本)のボルトを挿通できる。
【0050】
上支持材12に開けられたボルト挿通孔14、14、…は、前記2列の鉛直ゲージラインA1~A2とも、隣接ゲージラインのボルト挿通孔14、14、…と同じ高さである。
【0051】
上記のような上支持材12に相対する、もう一方の下支持材13に開けられたボルト挿通孔14、14、…の鉛直方向配置は、等間隔配置のボルト挿通孔14、14、…の鉛直方向孔ピッチP(2cm)を、上屋架構1を鉛直方向孔ピッチPだけ降下するのに要する降下回数m(
図5では2)で除したP/m=1cmだけ、鉛直ゲージラインA1に対してA2を下方向にずらして開けられている。
【0052】
本第2実施例では、ボルト挿通孔14、14、…の鉛直方向孔ピッチP(2cm)分だけ、上屋架構1を降下させる場合、降下単位寸法pが1cmなので、2回の降下が必要になる。重なるボルト挿通孔14、14、…の位置(●表示)は、「0回目」でA1列の孔番号1~4である時、「1回目」の降下により、
図5に図示のように、「0回目」において上支持材12のボルト挿通孔14、14、…の直下1cmにあった下支持材13のボルト挿通孔14、14、…であるA2列の孔番号1~4に移動する(破線矢印参照)。
【0053】
以下同様に、1cmずつの降下を実行すると、
図5に図示の「2回目」および「4回目」のように(実線矢印参照)、孔の重なる鉛直列は、A1列に回帰する(「0回目」に対応)。つまり、2回の降下毎に上下支持材(12、13)のボルト挿通孔14、14、…の重なる鉛直列が入れ替わることになる。
【0054】
以上のように、本第2実施例では、第1実施例と同様、毎回の降下時におけるボルト挿通孔14、14、…へのボルト挿入位置の予見性が明快であり、かつ、ボルト挿通孔14、14、…の鉛直列が最低2列確保できればよいので、第1実施例よりも上下支持材(12、13)の幅が狭くて済み、ジャッキダウン装置がコンパクトになる。
【0055】
但し、鉛直方向孔ピッチPは、挿通するボルト径に対応して、強度上の必要から最小寸法が決まるので、
図5に図示のように、2cmピッチで問題ないボルトはかなり細いものになる。よって、降下時に支持する鉛直荷重を大きくできない点が問題である。
【0056】
次に、本発明の第2手段における実施例を以下に示す。第2手段は、上下支持材(12、13)のボルト挿通孔14、14、…の鉛直方向孔ピッチPが異なる場合である。
【0057】
表1は、下支持材13の下部ボルト挿通孔Lと上支持材12の上部ボルト挿通孔Uとの孔ピッチ寸法の組合せを示し、上下両孔ピッチの最小公倍数が20cm以下の場合(6ケース)である。
【0058】
【0059】
上下両孔ピッチの最小公倍数が大き過ぎると上下支持材(12、13)の重ねるべき範囲が長くなるので、ジャッキダウン装置の高さが高くなることを避けるために、以下の実施例では仮に20cm以下に限定した。勿論、実際の工事では、状況に合わせて上下支持材(12、13)の重なる範囲の長さを設定すればよいことは言うまでもない。
【0060】
第2手段の第1~3実施例は、下部ボルト挿通孔Lの孔ピッチを3cmとした場合である。先ず、第1実施例は、
図6(a)に図示のように、上下両孔ピッチの組合せ(L、U)=(3cm、4cm)、最小公倍数=12の場合である。実際の上下支持材(12、13)のボルト挿通孔14、14、…の鉛直ゲージラインは重なるが、ここでは分かり易くするために並列で表示しており、×印が下部ボルト挿通孔L、●印が上部ボルト挿通孔Uを示す。これらの印が付いた位置番号が一致していれば、孔が重なっていることを表している。
【0061】
図6(a)に図示した第1実施例の場合、上部および下部ボルト挿通孔(L、U)の1つが孔番号0番で一致した状態の時、最小公倍数である12番でも重なる。この状態を基準として、上支持材12が降下単位寸法p=1cmずつ降下する場合、最小公倍数の範囲にある0番、4番、8番および12番、16番、20番の上部ボルト挿通孔Uが次に下部ボルト挿通孔Lと重なる迄の降下回数iは、それぞれ3回、2回、1回であることが分かる。つまり、上支持材12が降下単位寸法p=1cm降下する毎に、4つの前記上部ボルト挿通孔Uの内、どれかは必ず下部ボルト挿通孔Lと重なることになる。
【0062】
よって、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)が次に重なる迄の降下回数iの最小値である1を、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)の鉛直列の列数として最低確保すれば、上下支持材(12、13)を貫通するボルトの挿通が可能となる。そして、支持すべき上屋架構1の重量に応じて、1回の降下毎に確保すべきボルト挿通孔14の総数が不足の時は、ボルト挿通孔14、14、…の鉛直列を、例えば2列に増やして確保すればよい。
【0063】
次に、第2手段における第2実施例は、
図6(b)に図示のように、上下ボルト挿通孔ピッチの組合せ(L、U)=(3cm、5cm)、最小公倍数=15の場合である。
【0064】
この第2実施例の場合、上部および下部ボルト挿通孔(L、U)の1つが孔番号0番で一致した状態の時、最小公倍数である15番でも重なる。この状態を基準として、上支持材12が降下単位寸法p=1cmずつ降下する場合、最小公倍数の範囲にある0番、5番、10番および15番の上部ボルト挿通孔Uが次に下部ボルト挿通孔Lと重なる迄の降下回数iは、それぞれ3回、1回、2回、3回であることが分かる。つまり、上支持材12が降下単位寸法p=1cm降下する毎に、4つの前記上部ボルト挿通孔Uの内、どれかは必ず下部ボルト挿通孔Lと重なることになる。
【0065】
よって、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)が次に重なる迄の降下回数iの最小値である1を、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)の鉛直列の列数として最低確保すれば、上下支持材(12、13)を貫通するボルトの挿通が可能となる。そして、支持すべき上屋架構1の重量に応じて、1回の降下毎に確保すべきボルト挿通孔14の総数が不足の時は、ボルト挿通孔14、14、…の鉛直列を、例えば2列に増やして確保すればよい。
【0066】
次に、第2手段における第3実施例は、
図6(c)に図示のように、上下ボルト挿通孔ピッチの組合せ(L、U)=(3cm、6cm)、最小公倍数=6の場合である。
【0067】
この第3実施例の場合、上部および下部ボルト挿通孔(L、U)の1つが孔番号0番で一致した状態の時、最小公倍数6に対応する6番の他に、6の倍数の12番、18番でも重なる。この状態を基準として、上支持材12が降下単位寸法p=1cmずつ降下する場合、最小公倍数の範囲にある0番、6番および12番、18番の上部ボルト挿通孔Uが次に下部ボルト挿通孔Lと重なる迄の降下回数iは、それぞれ3回であることが分かる。つまり、上支持材12が降下単位寸法p=1cmずつ降下する場合、4つの前記上部ボルト挿通孔Uが下部ボルト挿通孔Lと次に重なる迄に3回待つ必要があることになる。
【0068】
よって、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)が次に重なる迄の降下回数iの最小値である3を、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)の鉛直列の列数として最低限確保する必要がある。
【0069】
本第3実施例では、最小公倍数が6と小さいので、前記鉛直列の長さ20cmの区間において、前記鉛直列を3列設けた場合、その内の1列で必ず上部および下部ボルト挿通孔(U、L)の重なりを3~4箇所確保できる。
【0070】
前記第2手段の第1~3実施例は、下部ボルト挿通孔Lのピッチが3cmの場合であるが、使用するボルト径と支持する上屋架構1の重量に対して、強度的に必要な最小孔ピッチを満たしているのであれば、どの上下ボルト挿通孔ピッチの組合せ(L、U)でも問題ない。
【0071】
但し、上下支持材(12、13)の幅を抑えることを優先する場合は、最小鉛直列数が1列でよい第1または第2実施例のどちらかとなるが、上下支持材(12、13)の高さ抑制の点も考慮すると、最小公倍数がより小さい第1実施例(
図6(a))の(L、U)=(3cm、4cm)が有利である。
【0072】
図7は、第2手段の第1実施例(L、U)=(3cm、4cm)のボルト挿通孔14、14、…を上下支持材(12、13)の1面(
図3のA部またはB部に対応)に配置した場合の具体例を示す。
図7では、ボルト挿通孔14、14、…の鉛直列1列だけでも、重なる孔数を2~3箇所を確保できるが(●で表示)、常時4~5箇所の重なりを確保する場合を想定して、ボルト挿通孔14、14、…の鉛直列を2列としている。ここで、破線の四角が上支持材12を、実線の四角が下支持材13を表している。
【0073】
下支持材13の鉛直方向孔ピッチPを3cm、上支持材12の鉛直方向孔ピッチPを4cmとして、上下の孔ピッチpに1cmの差をつけている。上支持材12の鉛直列A1の各ボルト挿通孔14、14、…は、隣接A2列のものと同じ高さであるが、下支持材13では、
図7に図示のように、A1列に対しA2列は降下単位寸法p=1cmだけ下にずれた配置である。A2列をずらした理由は、重なる孔の高さ位置にA1列とA2列とで上下に差を付けて離すことで、孔に挿入したボルトを締め付ける際に、工具操作に必要な空間を広くするためである。
【0074】
上屋架構1の降下単位寸法pを1cmとすると、下支持材13の鉛直方向孔ピッチPの3cm分だけ降下させるためには、3回の降下が必要である。
図7にて説明すると、「0回目」のA1列に注目して、本第1実施例の孔配置では、上下支持材(12、13)の孔ピッチ4cmと3cmの最小公倍数12cmに対応する位置にある孔番号1、5、9の孔に重なり(●表示)が生じることになる。A2列では、同様に孔番号2、6の孔に重なりが生じる。孔番号10は、上下支持材(12、13)の重なり範囲から外れているので無効である。
【0075】
上支持材12を1cmだけ降下させた「1回目」で重なるボルト挿通孔14、14、…は、「0回目」において上部ボルト挿通孔Uの直下1cmに下部ボルト挿通孔Lがある場合なので、A1列の孔番号4、8、およびA2列の孔番号は1、5、9となる。
【0076】
「2回目」以降も同様のパターンで孔が重なるが、「4回目」の孔の重なりパターンは、「0回目」と同じになっている。これは、上支持材12の孔ピッチが4cmなので、1cmずつ4回の降下で一巡するためである。
【0077】
以上の第2手段の第1~3実施例は、下部ボルト挿通孔Uの孔ピッチが3cmだが、支持荷重がより重くなると、使用するボルト径をもっと太くして孔の支圧強度と、孔ピッチを更に広げて孔間の断面強度を確保する必要がある。
【0078】
そこで、以下に示す本発明第2手段の第4~6実施例は、下部ボルト挿通孔Uの孔ピッチを4cmとした場合の孔配置とした。
【0079】
第2手段における第4実施例は、
図8(a)に図示のように、上下孔ボルト挿通孔ピッチの組合せ(L、U)=(4cm、5cm)、最小公倍数=20の場合である。実際の上下支持材(12、13)のボルト挿通孔14、14、…の鉛直ゲージラインは重なるが、ここでは分かり易くするために並列で表示しており、×印が下部ボルト挿通孔L、●印が上部ボルト挿通孔Uを示す。これらの印が付いた位置番号が一致していれば、孔が重なっていることを表している。
【0080】
この第4実施例の場合、上部および下部ボルト挿通孔(L、U)の1つが孔番号0番で一致した状態の時、最小公倍数である20番でも重なる。この状態を基準として、上支持材12が降下単位寸法p=1cmずつ降下する場合、最小公倍数の範囲にある0番、5番、10番および15番の上部ボルト挿通孔Uが次に下部ボルト挿通孔Lと重なる迄の降下回数iは、それぞれ4回、3回、2回、1回であることが分かる。つまり、上支持材12が降下単位寸法p=1cm降下する毎に、4つの前記上部ボルト挿通孔Uの内、どれかは必ず下部ボルト挿通孔Lと重なることになる。
【0081】
よって、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)が次に重なる迄の降下回数iの最小値である1を、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)の鉛直列の列数として最低確保すれば、上下支持材を貫通するボルトの挿通が可能となる。そして、支持すべき上屋架構1の重量に応じて、1回の降下毎に確保すべきボルト挿通孔14の総数が不足の時は、ボルト挿通孔14、14、…の鉛直列を、例えば2列に増やして確保すればよい。
【0082】
次に、第2手段における第5実施例は、
図8(b)に図示のように、上下ボルト挿通孔ピッチの組合せ(L、U)=(4cm、6cm)、最小公倍数=12の場合である。
【0083】
この第5実施例の場合、上部および下部ボルト挿通孔(L、U)の1つが孔番号0番で一致した状態の時、最小公倍数である12番でも重なる。この状態を基準として、上支持材12が降下単位寸法p=1cmずつ降下する場合、最小公倍数に対応する位置にある0番、6番および12番、18番の上部ボルト挿通孔Uが次に下部ボルト挿通孔Lと重なる迄の降下回数iは、それぞれ4回、2回であることが分かる。つまり、上支持材12が降下単位寸法p=1cmずつ降下する場合、4つの前記上部ボルト挿通孔Uが下部ボルト挿通孔Lと次に重なる迄に2回待つ必要があることになる。
【0084】
よって、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)が次に重なる迄の降下回数iの最小値である2を、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)の鉛直列の列数として最低限確保が必要となる。
【0085】
次に、第2手段における第6実施例は、
図8(c)に図示のように、上下ボルト挿通孔ピッチの組合せ(L、U)=(4cm、8cm)、最小公倍数=8の場合である。
【0086】
この第6実施例の場合、上部および下部ボルト挿通孔(L、U)の1つが孔番号0番で一致した状態の時、最小公倍数である8番でも重なる。更に最小公倍数8の倍数の16番でも重なる。この状態を基準として、上支持材Uが降下単位寸法p=1cmずつ降下する場合、最小公倍数に対応する位置にある0番、8番、そして16番の上部ボルト挿通孔Uが次に下部ボルト挿通孔Lと重なる迄の降下回数iは、それぞれ4回であることが分かる。つまり、上支持材12が降下単位寸法p=1cmずつ降下する場合、4つの前記上部ボルト挿通孔Uが下部ボルト挿通孔Lと次に重なる迄に4回待つ必要があることになる。
【0087】
よって、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)が次に重なる迄の降下回数iの最小値である4を、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)の鉛直列の列数として最低限確保する必要がある。
【0088】
前記第2手段の第4~6実施例は、下部ボルト挿通孔Lのピッチが4cmの場合であるので、使用するボルト径と支持する上屋架構1の重量に対して、前記第2手段の第1~3実施例の場合よりも有利であり、何れの上下ボルト挿通孔ピッチの組合せ(L、U)でも問題ない。
【0089】
但し、上下支持材(12、13)の幅および高さを抑えることを考慮する場合は、第4実施例は鉛直列が1列でも可なので幅はよいが最小公倍数が20cmと大きく、第6実施例は最小公倍数が8cmと最も小さいので高さはよいが鉛直列が4列必要で幅が広くなる。従って、両者の中間である第5実施例(
図8(b))の(L、U)=(4cm、6cm)が実用的である。
【0090】
図9は、第2手段の第5実施例(L、U)=(4cm、6cm)のボルト挿通孔14、14、…を上下支持材(12、13)の1面(
図3のA部またはB部に対応)に配置した場合の具体例を示す。降下単位寸法p=1cmの時、ボルト挿通孔14、14、…の鉛直列を2列確保することで、毎回の降下時に必ずどちらかの鉛直列で重なる孔(●で表示)が2箇所は確保される。ここで、破線の四角が上支持材12を、実線の四角が下支持材13を表している。
【0091】
上屋架構1の降下単位寸法pが1cmなので、下支持材13の鉛直方向孔ピッチUの4cm分だけ降下させるためには、4回の降下が必要である。
図9にて説明すると、「0回目」ではA1列の孔番号1と4が重なっているが、本第5実施例の孔配置では、上部および下部ボルト挿通孔(U、L)の孔ピッチである6cmと4cmの最小公倍数12cmに対応する位置にある孔に重なりが生じることになる。
【0092】
1cmだけ降下させた「1回目」で重なる孔は、「0回目」において上部ボルト挿通孔Uの直下1cmに下部ボルト挿通孔Lがある場合なので、A1列より1段(1cm)低いA2列の孔番号1と4となり、A1列の孔の重なりはない。次の「2回目」では、「1回目」において上部ボルト挿通孔Uの直下1cmに下部ボルト挿通孔LがあったA1列の孔番号3と6となり、A2列の孔の重なりはない。
【0093】
「3回目」以降も同様のパターンで孔が重なるが、「6回目」の孔の重なりパターンは、「0回目」と同じになっている。これは、上部ボルト挿通孔Uの孔ピッチが6cmなので、1cmずつ6回の降下で一巡するためである。
【0094】
ジャッキダウン装置の実施形態例を示す
図3に図示のA部は、本発明第2手段の第5実施例に対応し、上下支持材(12、13)のボルト挿通孔14、14、…の鉛直列を2列配置とした場合である。この上下の2列配置を対として、上支持材12のL形断面2面および下支持材13のH形断面片端入隅部2面を対として、平面視で長方形の四隅に配置して、4本の上支持材12を内筒、2本の下支持材13、13を外筒とするボックス状の構造体を形成している。
【0095】
このジャッキダウン装置を使用するには、
図3を参照して、上屋架構1の梁部10を支持する全ての仮設支持点3において、仮支承部11を介して上支持材12を取り付け、下支持材13は支保工2の頂部に固定し、仮支承部11の直下にジャッキ15を設置し、いくつかの支承ブロック16、16、…を介して上屋架構1の荷重がジャッキ15に伝達できるように配置する。
【0096】
上屋架構1を支持するジャッキ15のラム15aを、少なくとも一回の降下で必要とする寸法に伸ばした状態にして据付け、降下の最初に、上下支持材(12、13)のボルト挿通孔14、14、…に挿通されたボルトにより支えられた上屋架構1の荷重を、ジャッキ15のラム15aを上に少し伸ばしてジャッキ15に全て支持させ、前記ボルトを全て抜き取り、ジャッキ15が前記荷重を支えながらラム15aを降下単位寸法pだけ下げ、上下支持材(12、13)のボルト挿通孔14、14、…が一致する箇所に再度ボルトを挿入した後、ジャッキ15のラム15aを下げて支持を解除して、門型架1構の重量を前記ボルトに移動させる。
【0097】
この時、ラム15aの下げ代が足りなくなった場合は、上屋架構1の荷重を前記ボルトが支持している時に、高さ調整プレート17、17、…を必要枚数抜き取るか、支承ブロック16、16、…を1個ずつ撤去して、ラム15を伸ばすことのできる上部空間を確保すればよい。
【0098】
以上の操作を、ジャッキダウンを行う上屋架構1の1つのブロックを支える全ての仮設支持点3、3、…について行い、1回分の降下が完了する。この操作を上屋架構1の全ブロックについて順番に実施し、上屋架構1の本設の全支持部(柱脚部)が、基礎柱2、2、…等に載置されるまで繰り返す。
【0099】
図10は、本発明第2手段の第5実施例である上部および下部ボルト挿通孔14、14、…の鉛直列を、
図3に図示のA部およびB部に1対ずつそれぞれ施した場合を示す。A部には、
図9に図示のボルト挿通孔14、14、…の鉛直列と同じ配列を、B部には、A部とはボルト挿通孔14、14、…の高さ方向位置を少しかえて配置したものであり、6回目までの降下ステップを表す。1回の降下毎に、孔の重なり(●印)の位置がA1(B2)列とA2(B1)列とで交互に入れ替わることが分かる。
【0100】
上屋架構1の本設の全支持部(柱脚部)が、アンカーボルト等により基礎柱2、2、…等に定着されて自立すれば、支保工2、2、…は全て解体できる。
【0101】
なお、本発明の各実施例では、上屋架構1の降下単位寸法pを1cmとしたが、ジャッキダウン対象とする架構の特性により、降下単位寸法pは1cmに限定されないことは当然である。
【0102】
また、上部および下部ボルト挿通孔(L、U)の孔ピッチの組合せは、表1に限定されるものではなく、また、孔ピッチ寸法の大小が上下入れ替わっても効果は同じことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、仮設支持点数が非常に多い長大な屋根架構や鉄道駅の長いプラットホーム上屋等の建方において、一体的に組み上がった全架構をジャッキダウンする場合に、全体を同時にジャッキダウンする工法ではなく、全架構をいくつかのブロックに分けてブロック毎に順次ジャッキダウンする工法を対象としており、一体的に組み上がった構造物の損傷を確実に回避できる簡易なジャッキダウン装置を提供すると共に、コストも抑制できる。
【符号の説明】
【0104】
1:上屋架構
1a、1b、…、1f:上屋架構のブロック
2:支保工
3:仮設支持点
4:基礎柱
5:柱
6:スライドレール
7:ワイヤーロープ巻取り装置
10:梁部
11:仮支承部
12:上支持材
13:下支持材
14:ボルト挿通孔
15:ジャッキ
15a:ラム
16:支承ブロック
17:高さ調整プレート
L:下部ボルト挿通孔
U:上部ボルト挿通孔