(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】ルームキー回収ボックス及びこれを用いたチェックアウトシステム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20240205BHJP
G07C 9/00 20200101ALI20240205BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240205BHJP
G06Q 50/12 20120101ALI20240205BHJP
G06K 17/00 20060101ALI20240205BHJP
G06K 13/07 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
G06K7/10 264
G07C9/00
G07G1/12 361A
G06Q50/12
G06K17/00 022
G06K13/07 E
(21)【出願番号】P 2019050091
(22)【出願日】2019-03-18
【審査請求日】2022-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】501179120
【氏名又は名称】アパホテル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129159
【氏名又は名称】黒沼 吉行
(72)【発明者】
【氏名】元谷 芙美子
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-367027(JP,A)
【文献】特開平10-312414(JP,A)
【文献】特開平10-154178(JP,A)
【文献】特開昭51-041000(JP,A)
【文献】特開2003-067509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/10
G07C 9/00
G07G 1/12
G06Q 50/12
G06K 17/00
G06K 13/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宿泊施設におけるルームキーを回収するルームキーの回収口を設けた筐体を備えて、任意の場所に設置して移動可能なルームキー回収ボックスであって、
前記回収口から差し込まれたルームキーを案内する案内路と、
前記ルームキーが保持する部屋情報を読み取る部屋情報読取部と、
当該部屋情報を、宿泊施設のフロント業務装置に出力する部屋情報出力部と、
前記回収口又はその周囲に設けられた発光部と、
利用者の接近を感知するセンサーとを備え、
当該センサーは利用者の接近を感知し、前記発光部を点灯させ、
前記部屋情報読取部における部屋情報の読み取りが正常に行われた場合、当該読み取りが正常に行われなかった場合、又は前記案内路におけるルームキーの移動により読取音を発する音声出力装置を備え、
前記筐体は、その上面を正面側に下向きに傾斜させているルームキー回収ボックス。
【請求項2】
更に、前記部屋情報読取部が読み取った部屋情報を保持する部屋情報保持部を備えており、
前記ルームキーはIC回路を備えたカード式のルームキーであって、前記部屋情報読取部は当該IC回路に保存されている部屋情報を取得し、
前記部屋情報保持部は、前記部屋情報読取部が取得した部屋情報と共に、部屋情報読取部が部屋情報を読み取った読取時刻をテキストデータで保持し、
前記部屋情報出力部は、所定の時間ごとに、部屋情報保持部が保持する部屋情報と読取時刻を、テキストデータで宿泊施設のフロント業務装置に送信する、請求項
1に記載のルームキー回収ボックス。
【請求項3】
前記
案内路を案内するルームキーの移動速度を変化させる速度制御部を備え、当該速度制御部は、前記部屋情報読取部が設けられている領域において、案内路に差し込まれたルームキーの移動速度を減速させることにより読み取り時間を確保することで、部屋情報読取部は部屋情報を取得し、
前記筐体には、
前記回収口から差し込まれ、且つ前記部屋情報読取部で部屋情報が読み取られたルームキーを回収する回収箱と、
少なくとも前記部屋情報読取部及び部屋情報出力部に対して給電する可搬式の電源部と
を備える、請求項1又は2に記載のルームキー回収ボックス。
【請求項4】
宿泊施設におけるルームキーを回収するルームキーの回収口を設けた筐体を備えたルームキー回収ボックスと、宿泊施設におけるチェックアウト処理を行うフロント業務装置とからなるチェックアウトシステムであって、
前記ルームキー回収ボックスは任意の場所に設置して移動可能であって、
前記ルームキーが保持する部屋情報を読み取る部屋情報読取部と、
当該部屋情報を、宿泊施設のフロント業務装置に出力する部屋情報出力部と、
前記回収口又はその周囲に設けられた発光部と、
利用者の接近を感知するセンサーとを備え、
当該センサーは利用者の接近を感知し、前記発光部を点灯させ、
前記フロント業務装置は、
チェックアウト処理における部屋情報の取得経路を2つ以上備えており、
当該部屋情報の取得経路は、前記ルームキー回収ボックスから出力された部屋情報を取得する第1系統と、チェックアウト処理において清算処理を必要とするルームキーについて個別に部屋情報を取得する第2系統とを含んでいる、チェックアウトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はルームキー回収ボックス及びこれを用いたチェックアウトシステムに関し、特に簡易にチェックアウト処理を行うことのできるルームキー回収ボックス及びこれを用いたチェックアウトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホテルや旅館などの宿泊施設においては、宿泊者のチェックイン業務、及びチェックアウト業務が行われている。そして近年では、当該チェックイン業務、及びチェックアウト業務を効率的に行うために、フロント業務支援システムなどが提案されている。
【0003】
例えば特許文献1(特開平10-105808号公報)では、ルームキーを用いるチェックアウトシステムとして、非接触でデータ通信を行う非接触ICコンポーネントを埋め込んだタグを付属するル─ムキーと、前記非接触ICコンポーネントが記憶するデータを非接触で読み取る非接触通信手段と、前記読み取ったデータに基づいて利用金額の精算を行う精算処理手段と、を有するチェックアウトシステムを提案している。
【0004】
また、特許文献2(特開平09-106482号公報)では、施設或いはサービスの利用料金の支払いの際に利用者を自動的に特定し、精算に関する処理を合理化する為に、施設の利用額を提示する精算システムであって、施設の利用者が使用する、識別子を有する識別手段と、前記識別手段の回収に際して、前記識別子に基づいて施設の利用者を特定する利用者特定手段と、特定した施設の利用者に対する請求額を出力する請求額出力手段と、を備えることを特徴とする精算システムが提案されている。
【0005】
そして上記ホテルや旅館などの宿泊施設においては、宿泊者がチェックアウトした後においては客室の清掃が行われるところ、当該客室の清掃を効率的に行うことが望まれている。
【0006】
そこで特許文献3(特開2003-067509号公報)では、宿泊施設全体の清掃効率を向上すると共に、空き部屋の回転効率を向上するための清掃計画作成装置を提案している。即ち、宿泊施設の複数の部屋を清掃する清掃計画を作成する清掃計画作成装置において、前記複数の部屋を清掃する清掃員の勤務状況、各部屋に宿泊する宿泊者のチェックアウト時刻、各部屋毎の清掃状態、各部屋毎の清掃作業時間を管理するデータテーブルと、前記宿泊施設の清掃計画作成指示を行う手段と、清掃計画作成指示が行われた場合、前記データテーブルを参照し勤務中の個々の清掃員が担当する範囲内で始めに清掃する部屋と清掃開始時刻を決定すると共に、宿泊者が滞在せず、かつ未清掃の全部屋について、清掃順序を決定するためのポイント値を算出する手段と、算出されたポイント値に基づいて清掃員毎の各部屋の清掃計画を作成する手段とを具備する清掃計画作成装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平10-105808号公報
【文献】特開平09-106482号公報
【文献】特開2003-067509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述の通り、従前においても宿泊施設のフロント業務を支援する為のシステムが提供されており、更にルームキーに付属されている非接触ICコンポーネントの情報を読み取って、これを利用金額の清算などの業務に利用するシステムは提案されている。
【0009】
しかしながら、近年では宿泊施設の利用に際して、施設の利用料金を部屋付けにしない場合も多く、このような場合にまで全て利用料金の精算処理を行ったのでは、却ってチェックアウト処理が煩雑化してしまう。特にチェックアウトが集中する時間帯においては、チェックアウト処理待ちの行列ができてしまい、利用者(即ち「宿泊者」。以下同じ)においても大きな負担となってしまう。
【0010】
そこで本発明では、施設利用料金の部屋付けなど、チェックアウト時における清算を必要としない場合には、利用料金の精算処理を行うことなくルームキーを回収できるルームキー回収ボックスを提供することを第1の課題とする。
【0011】
また、利用者がチェックアウトを行った後は、宿泊施設側においては利用者が宿泊した部屋の清掃が必要となる。そしてこの清掃業務は、その次の宿泊者の為に迅速に行うことが望ましい。
【0012】
そこで本発明では、単にルームキーを回収するだけでなく、更に回収したルームキーに基づいて部屋情報を取得し、迅速に当該部屋の清掃を開始できるようにしたチェックアウトシステムを提供することを第2の課題とする。
【0013】
更に、回収したルームキーに基づいた部屋情報を取得の精度を高め、より高い精度で部屋情報を取得できるようにしたルームキー回収ボックス及びこれを用いたチェックアウトシステムを提供することを第3の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題の少なくとも何れかを解決する為に、本発明者は鋭意研究を行い、チェックアウト時においてルームキーを回収するボックスにおいて部屋情報を取得することを創作し本発明を完成させるに至ったものである。
即ち本発明では、宿泊施設におけるルームキーを回収するルームキー回収ボックスであって、前記ルームキーが保持する部屋情報を読み取る部屋情報読取部と、当該部屋情報を、宿泊施設のフロント業務装置に出力する部屋情報出力部とを備える、ルームキー回収ボックスを提供する。
【0015】
前記ルームキーは現在使用されている各種のルームキーであって良く、特にカード形式のルームキーが望ましい。そして当該カード式のルームキーは、部屋番号や部屋を識別可能なコードや記号などからなる部屋情報を印刷するか、磁気記録部やIC回路に記録したカード式のルームキーが望ましい。
【0016】
前記部屋情報読取部は、ルームキーから、部屋番号や部屋を識別可能なコードや記号などの利用者が使用した部屋を識別できる部屋情報を取得する。かかる部屋情報読取部は、磁気記録部やIC回路に保存されている情報を読み取って部屋情報を取得する他、ルームキーに表示されている部屋情報をスキャンして部屋情報を取得することができる。
【0017】
また前記部屋情報出力部は、前記部屋情報読取部が読み取った部屋情報を、当該宿泊施設で使用しているフロント業務装置に出力する為に機能することができる。かかる部屋情報出力部は、有線又は無線通信により、前記部屋情報読取部が取得した部屋情報を宿泊施設のフロント業務装置に送信する他、前記部屋情報読取部が取得した部屋情報をUSBメモリやSDカードなどの可搬式の記憶装置に保持し、所定のタイミングで当該可搬式の記憶装置により宿泊施設のフロント業務装置に移動またはコピーすることもできる。
【0018】
前記フロント業務装置は、少なくともチェックアウト処理を実行する事のできる既存のプログラムを導入するか、ネットワークを経由してプログラムが提供されているコンピュータによって構成することができる。
【0019】
また前記ルームキー回収ボックスは、更に前記部屋情報読取部が読み取った部屋情報を保持する部屋情報保持部を備えているのが望ましい。当該部屋情報保持部が保持する部屋情報を、所定の時間ごと又は所定の情報量ごとに、宿泊施設のフロント業務装置に出力することが望ましい。そして当該部屋情報保持部は、前記部屋情報読取部が取得した部屋情報と共に、部屋情報読取部が部屋情報を読み取った読取時刻や、部屋情報保持部が部屋情報を取得した取得時刻などの時間情報を保持することができる。かかる部屋情報や時間情報(読取時刻や取得時刻)は、テキストデータで保持することができる。そして前記部屋情報出力部は、所定の時間ごと又は所定の情報量ごとに、部屋情報保持部が保持する部屋情報と、時間情報(読取時刻や取得時刻)を、テキストデータで宿泊施設のフロント業務装置に送信することができる。
【0020】
また本発明のルームキー回収ボックスは、更に、宿泊施設から提供されたルームキーの回収口を備えた筐体を備えることができる。かかる回収口は、ルームキーの形状に応じて形成することができ、当該ルームキーがカードキーである場合には、当該カードキーを挿入可能なスリット状の開口として形成することができる。また当該回収口は単純なスリット状に形成する他、挿入したカードキーを送る駆動ローラーを伴って構成することもできる。そして当該回収口から差し込まれたルームキーの移動方向の下流側には、前記部屋情報読取部を設け、当該部屋情報読取部は、前記ルームキーの回収口に差し込まれた回収後のルームキーから部屋情報を読み取るものとして形成することができる。
【0021】
また本発明のルームキー回収ボックスは、更に回収口から差し込まれたルームキーを案内する案内路を備えることができる。そして当該案内路には前記部屋情報読取部を設けると共に、当該案内路が案内するルームキーの移動速度を変化させる速度制御部を設けることもできる。かかる速度制御部は、案内路における任意の領域を加速させたり、或いは減速させたりするものとして形成することができる。特に、当該速度制御部は、前記部屋情報読取部が設けられている領域において、案内路に差し込まれたルームキーの移動速度を減速させるように形成することが望ましい。かかる速度制御部は、モーターなどの動力駆動によるコンベアーを用いる他、ルームキーとの摩擦抵抗を調整したり、或いは傾斜角度を調整することによって実現することができる。
【0022】
また、当該案内路には、案内されるルームキーを任意の位置で所定の時間だけ保持するルームキー保持部(又はストッパー)を設けることもできる。例えば、案内路における部屋情報読取部の設置位置において、当該部屋情報読取部における部屋情報の読み取り時間だけ、当該ルームキーを保持するように構成することもできる。
【0023】
そして前記筐体には、前記回収口又はその周囲に設けられた発光部を設けることができる。かかる発光部は、利用者が近付いた時に発光するように構成する他、常に発光するように形成することができる。かかる発光部は、利用者に対して回収口を認識させるために機能することができ、よって点灯のみでなく点滅によって利用者に対して回収口を知らせることができる。
【0024】
また前記筐体は、前記回収口から差し込まれ、且つ前記部屋情報読取部で部屋情報が読み取られたルームキーを回収する回収箱を備えることができ、更に前記部屋情報読取部、部屋情報出力部又は部屋情報保持部に対して給電する可搬式の電源部を備えることができる。かかる電源部は蓄電池などの電池である他、太陽光発電パネルや発電機などを使用する事もできる。
【0025】
そして本発明では、前記課題の少なくとも何れかを解決する為に、本発明では前記ルームキー回収ボックスを用いて構成したチェックアウトシステムを提供する。
即ち本発明では、前記本発明にかかるルームキー回収ボックスと、宿泊施設におけるチェックアウト処理を行うフロント業務装置とからなるチェックアウトシステムであって、当該フロント業務装置は、前記ルームキー回収ボックスから出力された部屋情報を取得して、少なくともルームクリーニング作業の開始の可否を識別可能なルームクリーニング情報を出力するチェックアウトシステムを提供する。
【0026】
上記フロント業務装置は、少なくともチェックアウト処理を実行する事のできる既存のプログラムを導入するか、又はネットワークを経由してプログラムが提供されているコンピュータによって構成することができる。当然のことながら、当該フロント業務装置は、更にチェックイン処理や客室管理処理などのプログラムを実行するものであっても良い。
【0027】
また、当該フロント業務装置は、前記ルームキー回収ボックスから出力された部屋情報を取得し、これに基づいてルームクリーニング作業の開始の可否を識別可能なルームクリーニング情報を出力すれば良く、その際に、チェックアウト処理は行っても行わなくても良い。即ち、当該フロント業務装置は、ルームクリーニング情報だけを出力し、料金清算などのチェックアウト処理は後で行うこともでき、また部屋情報の取得によってルームクリーニング情報の出力とチェックアウト処理を同時に行うこともできる。その際、当該ルームクリーニング情報はチェックアウト情報として出力することもできる。
【0028】
そして上記本発明のチェックアウトシステムにおいて、前記フロント業務装置は、チェックアウト処理における部屋情報の取得経路を2つ以上備えており、少なくともその1つ(即ち、部屋情報の取得経路)は、前記本発明にかかるルームキー回収ボックスから出力された部屋情報を取得する第1系統と、チェックアウト処理において清算処理を必要とするルームキーについて個別に部屋情報を取得する第2系統とを含んで構成することができる。
【0029】
また本発明では、宿泊施設以外の施設やロッカー等の利用キーを回収する為の利用キー回収ボックスも提供する、
即ち、施設又はロッカーなどを利用する為の利用キーを回収する利用キー回収ボックスであって、前記利用キーが保持する識別情報を読み取る識別情報読取部と、当該識別情報を、施設又はロッカーなど管理業務装置に出力する識別情報出力部とを備える利用キー回収ボックスである。
かかる利用キー回収ボックスにおいては、更に、前記識別情報読取部が読み取った識別情報を保持する識別情報保持部を備えており、前記識別情報出力部は、当該識別情報保持部が保持する識別情報を、所定の時間ごと又は所定の情報量ごとに、施設又はロッカーなど管理業務装置に出力することができる。
【0030】
そして本発明では、IC回路を備えたカードを回収する為のICカード回収ボックスも提供する。
即ち、IC回路を備えたカードを回収するICカード回収ボックスであって、前記ICカードが保持するICカード情報を読み取るICカード情報読取部と、当該ICカード情報を、ネットワーク上に設けられたサーバ装置に出力するICカード情報出力部とを備える、ICカード回収ボックスを提供する。
かかるICカード回収ボックスにおいては、更に、前記ICカード情報読取部が読み取ったICカード情報を保持するICカード情報保持部を備えており、前記ICカード情報出力部は、当該ICカード情報保持部が保持するICカード情報を、所定の時間ごと又は所定の情報量ごとに、前記サーバ装置に出力することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明のルームキー回収ボックス及びこれを用いたチェックアウトシステムによれば、施設利用料金の部屋付けなど、チェックアウト時における清算を必要としない場合には、利用料金の精算処理を行うことなくルームキーを回収できるルームキー回収ボックスを提供することができる。
【0032】
また本発明にかかるルームキー回収ボックスは、宿泊施設におけるルームキーが保持する部屋情報を読み取る部屋情報読取部と、当該部屋情報を、宿泊施設のフロント業務装置に出力する部屋情報出力部とを備えることから、単にルームキーを回収するだけでなく、更に回収したルームキーに基づいて部屋情報を取得し、迅速に当該部屋の清掃を開始できるようにしたチェックアウトシステムを提供することができる。
【0033】
そして本発明にかかるルームキー回収ボックスによれば、案内路等により一定の速度でルームキーを移送できることから、回収したルームキーに基づいた部屋情報を取得の精度を高め、より高い精度で部屋情報を取得できるようにしたルームキー回収ボックス及びこれを用いたチェックアウトシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本実施の形態に係るルームキー回収ボックスを示す(A)正面図、(B)右側面図、(C)背面図、(D)内部透視図
【
図2】第1の実施の形態に係る部屋情報読取部及び案内路の実施形態を示す内部構成図
【
図3】第2の実施の形態に係る部屋情報読取部及び案内路の実施形態を示す内部構成図
【
図4】第3の実施の形態に係る部屋情報読取部及び案内路の実施形態を示す内部構成図
【
図5】ルームキー保持部を設けた実施形態を示す内部構成図
【
図6】ルームキー回収ボックスを用いたチェックアウトシステムを示す全体略図
【
図7】チェックアウトシステムにおけるシーケンス図
【
図9】ルームキー回収ボックスを構成するコンピュータのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら、本実施の形態にかかるルームキー回収ボックス1及びこれを用いたチェックアウトシステムを具体的に説明する。特に本実施の形態はルームキー2としてIC回路を内蔵したICカードを使用した例を示しているが、部屋情報読取部32を変更する事で、当該IC回路に変えて磁気記録部を備えた磁気カードを使用する事もできる。また更にルームキー2に表示された部屋番号やカギ形状をスキャニングして判読する部屋情報読取部32を使用すれば、磁気記録部やIC回路を使用しないルームキー2であっても良い。
【0036】
図1は本実施の形態に係るルームキー回収ボックス1を示す(A)正面図、(B)右側面図、(C)背面図、(D)内部透視図であり、
図2~5はルームキー回収口30の周りの幾つかの実施形態を示す内部構成側面図であり、
図6は当該ルームキー回収ボックス1を用いたチェックアウトシステムを示す全体略図であり、
図7は当該チェックアウトシステムにおけるシーケンス図であり、
図8は当該チェックアウトシステムのブロック図であり、
図9は当該ルームキー回収ボックス1を構成するコンピュータ500のブロック図である。
【0037】
図1に示す通り、本実施の形態に係るルームキー回収ボックス1は、キャスターを備えた台座10と、この台座10から立ち上がって存在する筐体20とを備え、当該筐体20の上面21にはルームキー2の回収口30が設けられている。そして当該筐体20の内部には、ルームキー2の回収箱40と、ルームキー2が保持する部屋情報を読み取る部屋情報読取部32としてのICカードリーダと、当該ICカードリーダが読み取った部屋情報を取得するコンピュータ500と、このコンピュータ500に対して電源を供給する電池70とが設けられている。特に当該コンピュータ500は、前記部屋情報読取部32が読み取った部屋情報を、宿泊施設のフロント業務装置3に出力する部屋情報出力部51、及び前記部屋情報読取部32が読み取った部屋情報を保持する部屋情報保持部52として機能することができる。
【0038】
前記台座10はキャスターを備えていることから移動が容易となり、その結果、当該ルームキー回収ボックス1を任意の場所に設置することができる。即ち、宿泊施設におけるフロント周りに設置したり、エレベーターホールや出口近傍に設置することができる。特に本実施の形態に係るルームキー回収ボックス1は、フロント業務で使用するカウンターから独立した単独の装置として形成していることから、任意の場所に設置することができ、フロント周りにおける混雑の問題を解消することができる。ただし、当該台座10は、このルームキー回収ボックス1を机上に設置する場合にはキャスターなどを不要とすることもできる。
【0039】
また前記筐体20は、内部に必要な機器を収容する為に必要であり、またその上面21に設けられている回収口30を、利用者の使用しやすい高さに存在させるために必要となる。かかる筐体20は本実施の形態では四角筒形状に形成しているが、その角部を面取り加工しても良く、また五角筒形状、六角筒形状等の各種角筒形状や円筒形状に形成することができる。即ち、当該筐体20の形状は、意匠を考慮した上で任意の形状に形成することができる。そして本実施の形態における筐体20は、その上面21を正面側に下向きに傾斜させて形成しており、これにより利用者において当該回収口30を認識しやすいようにしている。また、当該上面21に設けられた回収口30の周りには、発光部22を設けている。かかる発光部22は正面側に設けたセンサーによって、利用者が近付いた時に点灯するように構成することができ、これにより当該回収口30の存在を利用者に知らせることができる。
【0040】
また本実施の形態において、前記ルームキー2としては、「FeliCa Standard」又は「FeliCa Lite-S」等のFeliCa(登録商標)、及びMifere(登録商標)等のICカードを使用していることから、前記回収口30は、当該ICカードを挿入できる程度のスリット状に形成することができる。ここで当該回収口30には、その手前側にカード案内板などの突起は設けないことが望ましい。カード案内板など、カードを載せる為の突起を設けた場合には、当該突起に乗せたカードを弾いて回収口30に投入する等、勢いよくカードを差し込むケースも発生してしまい、その結果、部屋情報読取部32(ICカードリーダ)における部屋情報の読み取りが困難になってしまうことが危惧されるためである。そしてこのICカードなどからなるルームキー2は部屋情報を保持しており、当該部屋情報は部屋番号の他、一意の識別記号やコードであって良い。
【0041】
また前記筐体20の背面側には、上下2つの開閉扉23,24が設けられている。上方の開閉扉23はルームキー2を回収した回収箱40を取り出す際に利用することができ、下方の開閉扉24はコンピュータ500などの機器の設定を行う際に開閉することができる。
【0042】
上記筐体20の内部空間には、コンピュータ500やICカードリーダ等に電源を供給する為の電池、特に蓄電池70を設けている。またかかる蓄電池70に対する充電を行うための充電器も備えている。従って、チェックアウト時間帯以外では、コンセントを経由して蓄電池70に充電を行い、チェックアウト時間帯には、当該ルームキー回収ボックス1を任意の場所に移動させ、当該蓄電池70からの電源供給によりルームキー2の読み取り動作などを行うことができる。従って、当該ルームキー回収ボックス1は、コンセントなどの電源を必要とすることなく、任意の場所に設置することができる。
【0043】
この筐体20の内部には、前記回収口30から差し込まれたルームキー2を案内する案内路31が設けられており、当該案内路31には部屋情報読取部32としてのICカードリーダを設けている。かかるICカードリーダは、筐体20に収容されたコンピュータ500に接続されており、コンピュータ500はICカードリーダが取得した部屋情報を取得する。このコンピュータ500の電源は、A/Cコンバータ60などを介して前記蓄電池70から供給することができる。
【0044】
そしてこのコンピュータ500は、部屋番号又は一意の識別記号やコード等からなる部屋情報を部屋情報読取部32(ICカードリーダ)から取得すると、これをコンピュータ500の記録装置に設けられた部屋情報保持部52に記録・蓄積して、部屋情報のデータファイルを作成する。なお、かかる部屋情報の記録に際しては、当該部屋情報と共に、部屋情報の読取時刻や、当該部屋情報の取得時刻などの時刻情報を保持することもできる。また当該データファイルはテキスト形式で作成することが望ましい。フロント業務装置3に出力した後におけるデータ利用の利便性を考慮し、様々なフロント業務装置3で使用できるようにするためである。
【0045】
そして当該コンピュータ500には、取得した部屋情報を記録したデータファイルを、宿泊施設のフロント業務装置3に出力する為の部屋情報出力部51が接続されている。この実施の形態では、当該部屋情報を記録したデータファイルは、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信などの無線方式で送信する為に、当該コンピュータ500には送信機を接続している。ただし、当該部屋情報を記録したデータファイルは、LANケーブルなどの有線によってフロント業務装置3に出力することもでき、更にコンピュータ500に接続したUSBメモリやSDカードなどの可搬式記憶機器によってフロント業務装置3に移動することもできる。
【0046】
更に本実施の形態では、部屋情報読取部32(ICカードリーダ)の読み取り情報を、当該ルームキー回収ボックス1を構成するコンピュータ500に取り込んでいるが、当該部屋情報読取部32(ICカードリーダ)の読み取り情報を有線又は無線方式で直接フロント業務装置3に送信するように構成することもできる。ただし、この場合にはフロント業務装置3におけるプログラムの変更も必要となる事から、既存のフロント業務装置3と連携させる上では、当該部屋情報読取部32(ICカードリーダ)の読み取り情報は、一旦、ルームキー回収ボックス1を構成するコンピュータ500に記録することが望ましい。
【0047】
次に
図2~5を参照しながら、ルームキー2の回収口30の周り(即ち部屋情報読取部32及び案内路31)の幾つかの実施形態を具体的に説明する。特にこれらの実施の形態では、カード状のルームキー2から部屋情報を取得するように構成しているが、この基本的な思想は棒状のルームキー2など他の形状のルームキー2であっても適用することができる。
【0048】
図2に示す実施形態は、スリット状の回収口30から挿入されたカード状のルームキー2は、回収口30における筐体20の内側に設けられた案内路31に差し込まれる。この案内路31は、本実施の形態では筐体内の回収箱40に向かって傾斜状に延出しており、カード状のルームキー2は、この案内路31を滑りながら落下することになる。この案内路31の「傾斜角度」は、回収口30に差し込んだルームキー2が迅速に落下する角度であって、当該「迅速に落下する」とは、使用者が回収口30に差し込んだルームキー2を、更に押し込むための動作を行う前に回収口30内に落下させる程度をいう。その結果、当該回収口30に差し込んだルームキー2は自然落下によって案内路31を滑り降りることができる。そしてこの案内路31には、案内路31を滑り降りるルームキー2から部屋情報を読み取るための部屋情報読取部32(ICカードリーダ)を設けている。本実施の形態では、ルームキー2の移動最中において当該部屋情報を取得することができるように、前記ICカードは非接触型ICカードであることが望ましい。ただし、後述の
図3や5に示す実施形態の様に、回収口30に差し込まれたルームキー2を所定の位置に保持できるように構成すれば、当該ルームキー2は接触型ICカードであっても良い。
【0049】
また、この
図2に示す実施形態では、案内路31を滑り降りるルームキー2の移動速度を調整する為の速度制御部33を設けている。具体的には、当該案内路31における前記部屋情報読取部32(ICカードリーダ)の近傍、望ましくは当該部屋情報読取部32(ICカードリーダ)の下流側に、ルームキー2との摩擦抵抗が大きくなるシリコン樹脂やゴムなどの速度制御部材を設けている。その結果、案内路31を滑り降りるルームキー2は、部屋情報読取部32(ICカードリーダ)において、前記速度制御部33によって減速され、当該部屋情報読取部32(ICカードリーダ)における読み取り時間を十分に確保することができる。その結果、より正確に部屋情報を取得できるルームキー回収ボックス1が実現する。
【0050】
図3に示す実施形態では、回収口30に差し込んだカード状のルームキー2を、回転駆動する送りローラー35で搬送するように構成している。かかる送りローラー35は、ルームキー2が差し込まれたことを検知して駆動するように構成することもできる。そして送りローラー35で搬送されるルームキー2の案内路31には、当該ルームキー2から部屋情報を取得する為の部屋情報読取部32(ICカードリーダ)を設けている。このように回収口30から差し込まれたルームキー2を送りローラー35で搬送して案内する場合には、当該ルームキー2の移動速度は、送りローラー35の回転速度によって制御することができることから、当該送りローラー35自体を速度制御部33として機能させることができる。そして当該送りローラー35は任意の位置又はタイミングで停止させれば、ルームキー2を所定の位置に保持できるのであるから、当該ルームキー2として接触型ICカードを使用することもできる。
【0051】
図4に示す実施形態では、案内路31の傾斜角度を変えることによってルームキー2の移動速度を変化させるようにしている。即ちこの実施の形態では、回収口30の近傍においては案内路31の傾斜角度を大きくした第1案内路31aとして、ルームキー2が迅速に案内路31を滑り降りるようにしている。これにより、利用者がルームキー2を強制的に投入(または勢いをつけて投入)する怖れを無くしている。そして当該案内路31の下流側は、その傾斜角度を小さくした第2案内路31bとして形成し、勢いよく滑り降りるルームキー2を減速させている。従って、この実施の形態では傾斜角度を変化させた案内路が速度制御部33として機能している。そして当該傾斜角度が緩やかになった領域に部屋情報読取部32(ICカードリーダ)を設置すれば、部屋情報の読み取り時間を十分に確保することができ、これによりルームキー2(ICカード)の読み取り精度を高めたルームキー回収ボックス1を実現できる。
【0052】
そして
図5は、当該案内路31を移動するルームキー2を保持乃至は停止させるルームキー保持部34を案内路31に設けた実施形態を示している。即ち、この実施の形態では、案内路31にソレノイドまたはモーターなどの動力で駆動するルームキー保持部34を設けており、これはルームキー2が部屋情報読取部32(ICカードリーダ)に存在するときにルームキー2を保持し、当該部屋情報読取部32(ICカードリーダ)が部屋情報を読み取った後に、当該ルームキー2を開放するように構成している。かかる保持部34は、
図5に示す様に揺動自在な杆部材として形成する他、当該案内路31に進退自在な杆部材として形成することもできる。即ち、当該ルームキー保持部34は、如何なる方法であれ、案内路31を滑り降りるルームキー2を一旦停止できるように形成すればよい。
【0053】
かかるルームキー保持部34を設ける事で、回収口30に差し込まれたルームキー2を所定の位置に保持することができ、よって当該ルームキー2は接触型ICカードであっても良い。
【0054】
以上の様に構成したルームキー回収ボックス1は、宿泊施設において導入されているフロント業務装置3と連携させることで、少なくともルームクリーニング情報を出力可能なチェックアウトシステムを実現することができる。
【0055】
図6は当該ルームキー回収ボックス1と宿泊施設のフロント業務装置3とからなるチェックアウトシステムを示す全体略図である。この図に示す実施形態では、宿泊施設におけるフロントに設置されているフロント業務装置3と、当該フロントから離れた場所に設置したルームキー回収ボックス1とで構成しており、ルームキー回収ボックス1はフロント業務装置3に対して無線方式によって部屋情報、特に部屋情報を記載したデータファイルを送信するように構成している。この時、当該フロント業務装置3は、少なくともチェックアウト処理を行うことが望ましく、前記部屋情報からなるデータファイルを所定の場所に保存できるものであれば、既に宿泊施設に導入されている既存のフロント業務装置3を使用することができる。なお、当然のことながら、当該ルームキー回収ボックス1は、フロントの近傍に設置しても良い。また両者は無線方式に限ることなく、LANケーブルなどを用いて有線方式でネットワークを構成しても良い。
【0056】
図7は上記チェックアウトシステムにおけるシーケンス図である。特にこの
図7のシーケンス図ではルームキー2の回収と部屋情報の出力処理について記載している。これ等処理に開始に際して、宿泊施設の利用者が当該施設の退出に際してルームキー2を返却することが必要となる。当該利用者がルームキー回収ボックス1に近づくことにより、ルームキー回収ボックス1に設けたセンサーは利用者の接近を感知し(S1)、回収口30の周りに設けた発光部22を点灯させる(S2)。これにより利用者は回収口30を明確に認識することができ、当該回収口30にルームキー2を挿入する(S3)。回収口30から挿入されたルームキー2は案内路31で搬送され(S4)、当該案内路31に設けられた部屋情報読取部32(ICカードリーダ)に到達する(S5)。この時、当該部屋情報読取部32(ICカードリーダ)は、搬送されたルームキー2から部屋情報を読み取る(S6)。部屋情報を正確に読み取ることができた場合には、これをコンピュータ500の記録装置に設けられた部屋情報保持部52に部屋情報を記録する(S7)。そして当該部屋情報の記録または前記案内路31におけるルームキー2の移動により読取音を発し(S8)、案内路31を案内されたルームキー2は最終的に回収箱40に回収される(S9)。一方、前記部屋情報読取部32(ICカードリーダ)において部屋情報が正確に読み取られなかった場合には、読取失敗情報、更に望ましくは読取失敗の原因情報(エラーコードなど)をログファイルに記録する(S10)。そして当該読取失敗情報の記録または前記案内路31におけるルームキー2の移動により読取音を発し(S11)、案内路31を案内されたルームキー2は最終的に回収箱40に回収される(S9)。
【0057】
なお、本実施の形態では、前記読取音は、部屋情報読取部32(ICカードリーダ)における部屋情報の読み取りが正常に行われた場合(S8)と正常に行われなかった場合(S11)に出力されることになるが、両者において異なる音(音色、音量など)を発する他、両者において同じ音を発するように構成することができる。
【0058】
以上の様に、本実施の形態に係るルームキー回収ボックス1によれば、宿泊施設の利用者が当該施設を退出する際にルームキー回収ボックス1における筐体20の上面21に設けられた回収口30にルームキー2を差し入れるだけで、単に当該ルームキー2を回収するだけでなく、更に回収したルームキー2の部屋情報も取得することができる。
【0059】
そして当該ルームキー回収ボックス1を構成するコンピュータ500は、部屋情報保持部52に前記部屋情報を記録しているデータファイルを一定の期間で監視し(S20)、当該部屋情報保持部52にデータファイルが存在する場合(S21)には、これを部屋情報出力部51から宿泊施設のフロント業務装置3に出力する(S22)。この時、宿泊施設のフロント業務装置3に出力したデータファイルは部屋情報保持部52から削除することにより、新たに取得した部屋情報のデータファイルを監視することができる。一方で、前記部屋情報保持部52内のデータファイルの監視(S20)の結果、当該データファイルが存在しない場合(S21)には、再び部屋情報保持部52内のデータファイルを監視する(S23)。
【0060】
そしてフロント業務装置3は、ルームキー回収ボックス1から部屋情報のデータファイルを取得すると(S24)、当該フロント業務装置3で実行されているプログラムにより部屋情報を読み取り(S25)、利用者が退出した事実、即ちルームクリーニングを開始しても良いことを示すルームクリーニング情報を出力することができる(S26)。
【0061】
図8は、上記の様に構成したチェックアウトシステムのブロック図である。この図に示す様に、本実施の形態に係るルームキー回収ボックス1は、部屋情報読取部32(ICカードリーダ)と、コンピュータ500で実行される部屋情報読取プログラムと、コンピュータ500における記録装置に設けられた部屋情報保持部52(部屋情報データファイル)とを備えている。部屋情報読取プログラムの処理は、部屋情報読取部32(ICカードリーダ)から部屋情報を取得し、少なくとも当該部屋情報を部屋情報保持部52(部屋情報データファイル)に保存すると共に、一定の間隔で監視し、これをコンピュータ500からなるフロント業務装置3を構成する部屋情報保持部52(部屋情報データファイル)に送信乃至は移動する。フロント業務装置3で実行されているフロント業務プログラムは、取得した部屋情報データファイルを、フロント業務装置の記憶装置301に記録すると共に、これを参照し(第1系統)、これに基づいてルームクリーニング情報やチェックアウト情報を生成することができる。更に当該フロント業務プログラムは、前記部屋情報データファイルとは別に部屋情報を取得する為に、当該フロント業務装置3は、部屋情報読取部302(ICカードリーダ)を備えることができる。かかるフロント業務装置3に接続されている部屋情報読取部302(ICカードリーダ)は、例えばチェックアウト時に清算が必要なルームキー2についての部屋情報を習得するものとして使用することができる。即ち、本実施の形態に係るチェックアウトシステムは、部屋情報の取得系統を2つ以上設けることができる。
【0062】
そして
図9は当該ルームキー回収ボックス1を構成するコンピュータ500のブロック図である。本実施の形態にかかるルームキー回収ボックス1を構成するコンピュータ500は、CPU501、メモリ502、音声出力装置503、ネットワークインタフェース504、ディスプレイコントローラー505、ディスプレイ506、入力機器インタフェース507、キーボード508、マウス509、外部記憶装置510、外部記録媒体駆動装置511、およびこれらの構成要素を互いに接続するバス512を含んで構成することができる。
【0063】
CPU501は、コンピュータ500の各構成要素の動作を制御し、OSの制御下で、前記した各処理の実行をコントロールし、その動作を制御する。メモリ502は通常、不揮発性メモリであるROM、および揮発性メモリであるRAMから構成される。ROMには、コンピュータ500の起動時に実行されるプログラム等が格納される。RAMには、CPU501で実行され、各装置の処理を実行する為のアプリケーションプログラムや、データベースプログラム、それらのプログラムが実行中に使用するデータ(たとえば、データベースやファイルシステムから読み出されたデータやスクリプト)が一時的に格納される。
【0064】
音声出力装置503は、スピーカ等の、音声を出力する機器であり、ネットワークインタフェース504は、各種の機器と情報交換する為のネットワーク520に接続するためのインタフェースである。前記部屋情報出力部51などは、このネットワークインタフェース504を介してフロント業務装置3と接続可能となる。またCPU501が発する描画命令を処理するためのディスプレイコントローラー505を備える。入力機器インタフェース507は、キーボード508やマウス509、或いはタッチパッドなどの入出力デバイスから入力された信号を受信して、その信号パターンに応じて所定の指令をCPU501に提供する。また、前記部屋情報読取部32(ICカードリーダ)からの部屋情報は、当該入力機器インタフェース507を介して取得することができる。外部記憶装置510も本明細書における記憶手段の範疇に含まれる。かかる外部記憶装置510は、たとえばソリッドステートドライブやハードディスクドライブのような記憶装置で構成することができる。この装置内には上述したプログラムやデータが記録され、実行時に、必要に応じてそこからメモリ502のRAMにロードされる。
【0065】
外部記録媒体駆動装置511は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型の外部記録媒体530の記録面にアクセスして、そこに記録されているデータを読み取る装置である。
【0066】
なお、本実施の形態に係るルームキー回収ボックス1において、部屋情報の取得、保持、出力はコンピュータ500で行われることになるが、当該コンピュータ500はタブレット型コンピュータ500やスマートフォンを含むことができる。また、当該ルームキー回収ボックス1は、コンピュータ500を用いることなく、部屋情報読取部32が取得した部屋情報を、優先又は無線形式で直接フロント業務装置3に送信するように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のルームキー回収ボックス及びこれを用いたチェックアウトシステムは、宿泊施設において業務の効率化の為に利用することができる。更に、当該ルームキー回収ボックス及びこれを用いたチェックアウトシステムは宿泊施設に限定することなく、各種レジャー施設やロッカー設備などにおける利用キーを回収する為、更には利用施設を問うことなくICカードを回収する為に利用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 ルームキー回収ボックス
2 ルームキー(ICカード)
3 フロント業務装置
10 台座
20 筐体
22 発光部
30 ルームキー回収口
31 案内路
32 部屋情報読取部(ICカードリーダー)
33 速度制御部
34 ルームキー保持部
35 送りローラー
40 回収箱
51 部屋情報出力部
52 部屋情報保持部
70 蓄電池
500 コンピュータ
501 CPU
502 メモリ
504 ネットワークインタフェース
506 ディスプレイ
507 入力機器インタフェース
510 外部記憶装置
512 バス
520 ネットワーク
530 外部記録媒体