(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】サイロ用投入装置
(51)【国際特許分類】
B65G 65/32 20060101AFI20240205BHJP
B65G 53/40 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
B65G65/32 Z
B65G53/40
(21)【出願番号】P 2019139549
(22)【出願日】2019-07-30
【審査請求日】2022-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】則武 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】加藤 政登
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/032116(WO,A1)
【文献】特開平06-009062(JP,A)
【文献】特開平07-172586(JP,A)
【文献】実開平03-125730(JP,U)
【文献】特開昭53-000559(JP,A)
【文献】実公昭57-057071(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 51/00-53/66
B65G 65/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯留物を内部に落下投入可能な投入口が上端部に形成されたサイロに対して、前記サイロの上端部側に載置された状態で着脱可能に取り付けられる取付体と、
前記投入口を介して前記サイロの内外を連通するように前記取付体に設けられ、前記サイロ外に配置される開口端部に、エア搬送により貯留物を搬送する搬送管が接続される投入路部と、
前記上端部側に載置された前記取付体の水平方向及び上下方向のうち少なくとも一方向への移動を規制する規制手段と、を備え、
前記取付体は、前記上端部側に載置された状態で前記投入口の全体を塞ぐように構成され、
前記規制手段は、前記取付体が前記上端部側に載置された状態で、前記サイロ外に配置される、サイロ用投入装置。
【請求項2】
貯留物を内部に落下投入可能な投入口が上端部に形成されたサイロに対して、前記サイロの上端部側に載置された状態で着脱可能に取り付けられる取付体と、
前記投入口を介して前記サイロの内外を連通するように前記取付体に設けられ、前記サイロ外に配置される開口端部に、エア搬送により貯留物を搬送する搬送管が接続される投入路部と、
前記投入口を介して前記サイロの内外を連通するように前記取付体に設けられ、貯留物と共に前記サイロ内に投入された搬送エアを前記サイロ外に強制的に排出するブロワが設けられた排出路部と、を備え、
前記取付体は、前記上端部側に載置された状態で前記投入口の全体を塞ぐように構成されている、サイロ用投入装置。
【請求項3】
前記取付体は、前記上端部側に直接載置される、請求項1
又は2に記載のサイロ用投入装置。
【請求項4】
前記取付体は、前記上端部側に固定されることなく載置される、請求項1
~3のいずれか1項に記載のサイロ用投入装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイロ用投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、寒冷地等では、暖房装置の熱源として使用される木質のペレットを貯蔵するサイロが屋外に設置されている。一般的に、このようなサイロは、上端部に形成された投入口と、下端部に形成された開閉可能な取出口とを備えている。これにより、ペレットは、前記投入口から投入されることによってサイロ内に貯蔵され、前記取出口を開放することで、外部へ取り出されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記サイロにペレットを投入する際には、所定量のペレットが収容されたフレキシブルコンテナバックを、クレーンによりサイロの投入口の真上まで吊り上げ、その状態でフレキシブルコンテナバック内のペレットを投入口からサイロ内へ落下投入する落下投入方法が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サイロにペレットを投入する方法としては、上記の落下投入方法以外に、エア搬送方法がある。エア搬送方法は、例えば、地上側に設置されたエア搬送装置の送風管とサイロの投入口とをホースで接続し、エア搬送装置に投入されたペレットを、エア搬送により前記ホースを介してサイロ内に投入する方法である。しかし、この場合には、サイロの上端部に、前記ホースを接続する投入管を設ける必要があるため、上記従来の落下投入方法を採用したサイロでは、エア搬送方法によりペレットをサイロ内に投入することができない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、落下投入方法により貯留物を投入するサイロであっても、一時的にエア搬送方法により貯留物をサイロ内に投入することができるサイロ用投入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は、貯留物を内部に落下投入可能な投入口が上端部側に形成されたサイロに対して、前記サイロの前記上端部側に載置された状態で着脱可能に取り付けられる取付体と、前記投入口を介して前記サイロの内外を連通するように前記取付体に設けられ、前記サイロ外に配置される開口端部に、エア搬送により貯留物を搬送する搬送管が接続される投入路部と、を備えるサイロ用投入装置である。
【0008】
本発明によれば、貯留物を内部に落下投入可能な投入口が上端部に形成されたサイロに対して、取付体を前記上端部側に載置した状態で取り付け、その取付体に設けられた投入路部のサイロ外に配置される開口端部に、エア搬送により貯留物を搬送する搬送管を接続することで、エア搬送により搬送された貯留物を投入路部からサイロ内に投入することができる。また、取付体をサイロから取り外すことで、貯留物を前記投入口からサイロ内に落下投入可能な状態に戻すことができる。これにより、落下投入方法により貯留物を投入するサイロであっても、一時的にエア搬送方法により貯留物をサイロ内に投入することができる。
【0009】
(2)前記取付体は、前記上端部側に直接載置されるのが好ましい。
この場合、取付体をサイロの上端部側に間接載置する場合に比べて、取付体のサイロへの取り付け作業を簡単に行うことができる。
【0010】
(3)前記取付体は、前記上端部側に固定されることなく載置されるのが好ましい。
この場合、取付体のサイロへの取り付け作業をさらに簡単に行うことができる。
【0011】
(4)前記取付体は、前記上端部側に載置された状態で前記投入口を塞ぐように構成されており、前記サイロ用投入装置は、前記投入口を介して前記サイロの内外を連通するように前記取付体に設けられ、貯留物と共に前記サイロ内に投入された搬送エアを前記サイロ外に強制的に排出するブロワが設けられた排出路部をさらに備えるのが好ましい。
この場合、ブロワによりサイロ内の搬送エアがサイロ外に排出されることでサイロ内が負圧になるため、その負圧によって取付体はサイロの上端部側に吸着される。これにより、取付体がサイロの上端部側から脱落するのを抑制することができる。
【0012】
(5)前記サイロ用投入装置は、前記上端部側に載置された前記取付体の水平方向及び上下方向のうち少なくとも一方向への移動を規制する規制手段をさらに備えるのが好ましい。
この場合、サイロの上端部側に載置された取付体は、規制手段により水平方向及び上下方向のうち少なくとも一方向への移動が規制されるので、取付体がサイロの上端部側から脱落するのをさらに抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、落下投入方法により貯留物を投入するサイロであっても、一時的にエア搬送方法により貯留物をサイロ内に投入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るサイロ用投入システムを示す側面図であり、落下投入方法によりペレットをサイロ内に投入している状態を示している。
【
図2】サイロ用投入システムを示す側面図であり、エア搬送方法によりペレットをサイロ内に投入している状態を示している。
【
図3】サイロ用投入装置を上方から見た平面図である。
【
図6】サイロ用投入装置を下方から見た平面図である。
【
図10】規制手段の第4変形例を示しており、(a)は側面図、(b)は下方から見た平面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係るサイロ用投入装置を示す側面図である。
【
図13】
図11のサイロ用投入装置を下方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に記載する実施形態(変形例も含む)の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[第1実施形態]
<サイロ用投入システム>
図1は、本発明の第1実施形態に係るサイロ用投入装置1およびエア搬送装置2を備えたサイロ用投入システムを示す側面図である。
図1において、本実施形態のサイロ用投入システムは、寒冷地において屋外に設置されたサイロ3内に、図示しない暖房装置の熱源として使用される木質のペレット(貯蔵物)を投入して貯蔵する際に用いられる。
【0016】
サイロ3は、縦長円筒状に形成されており、地上に設置された格子状の架台4によって、地上から所定の高さ位置で支持されている。サイロ3は、その上端部に筒部3aを有している。筒部3aの上端には、ペレットを落下投入するための投入口3bが形成されている。すなわち、サイロ3は、落下投入方法によりペレットが投入されるものである。
【0017】
サイロ3の下部は円錐円筒状に形成されており、サイロ3の下端には開閉可能な取出口3cが形成されている。これにより、サイロ3は、投入口3bから内部に投入されたペレットを貯蔵し、取出口3cを開放することで、内部に貯蔵されているペレットを外部へ取り出すことができるようになっている。
【0018】
サイロ3に投入されるペレットは、複数のフレキシブルコンテナバック5に所定量ずつ収容されている。フレキシブルコンテナバック5は、ペレットが収容されるコンテナバック本体5aと、コンテナバック本体5aに固定された引掛部5bとを有する。コンテナバック本体5aは略直方体状に形成され、コンテナバック本体5aの底面には、内部に収容されたペレットを排出可能な排出口5cが開閉可能に設けられている。
【0019】
前記複数のフレキシブルコンテナバック5は、トラック6の荷台6a上に積み込まれてサイロ3の設置場所まで輸送される。トラック6には、多段式のブーム7aと、ブーム7aの先端部に設けられた吊下フック7bとを備えたクレーン7が搭載されている。クレーン7は、吊下フック7bにフレキシブルコンテナバック5の引掛部5bを引っ掛けることで、フレキシブルコンテナバック5を吊り上げることができるようになっている。
【0020】
これにより、
図1に示すように、フレキシブルコンテナバック5をトラック6のクレーン7によりサイロ3の投入口3bの真上まで吊り上げ、その状態でフレキシブルコンテナバック5の排出口5cを開放することで、フレキシブルコンテナバック5内のペレットは、投入口3bを介してサイロ3内へ落下投入される。
【0021】
<サイロ用投入装置>
図2は、サイロ用投入システムを示す側面図であり、サイロ用投入装置1を使用している状態を示している。
図2において、サイロ用投入装置1は、サイロ3の筒部3aに着脱可能に設置され、エア搬送方法によりペレットをサイロ3内に投入できるようにするものである。
【0022】
サイロ用投入装置1を用いたエア搬送方法では、例えば、トラック6の荷台6a上に搭載されたエア搬送装置2の送風管(図示省略)から延びる接続ホース(搬送管)8を、サイロ用投入装置1の投入管12(後述)に接続した状態で、クレーン7によりサイロ用投入装置1を吊り上げてサイロ3の筒部3aに設置する。
【0023】
サイロ用投入装置1は、接続ホース8が暴れて投入口3bから外れることによってペレットをサイロ3内に投入できなくなるのを抑制するために、エア搬送路の投入端を投入口3bに位置させた状態で保持する機能を有している。エア搬送路は、接続ホース8と投入路部(後述)とによって構成されている。エア搬送路の投入端は、投入路部における接続ホース8が接続される一端とは反対側の他端である。エア搬送路の投入端が「投入口に位置」するとは、エア搬送路の投入端が、サイロ3の投入口3bの上方の領域又は下方の領域に位置する場合も意味している。また、エア搬送路の投入端を投入口3bに位置させた状態で「保持する」とは、エア搬送路の固定箇所を問わず、エア搬送路の投入端をサイロ3の投入口3bに位置させた状態で保ち続けることを意味している。
【0024】
次に、クレーン7によりフレキシブルコンテナバック5を吊り上げてエア搬送装置2のホッパ(図示省略)の真上まで移動させ、フレキシブルコンテナバック5の排出口5cを開放する。これにより、エア搬送装置2を駆動することで、フレキシブルコンテナバック5内のペレットは、エア搬送装置2に投入され、エア搬送により接続ホース8およびサイロ用投入装置1を介してサイロ3内に投入される。
【0025】
図3は、サイロ用投入装置1を上方から見た平面図である。
図4は、
図3のI-I矢視断面図である。
図3及び
図4において、サイロ用投入装置1は、取付体11と、投入管(投入路部)12と、排出管(排出路部)13と、ブロワ14と、規制手段15とを備えている。なお、
図4では、排出管13及びブロワ14の図示を省略している。
【0026】
<取付体>
取付体11は、投入路部(本実施形態では投入管12)をサイロ3の上端部側に位置させた状態で保持するものである。取付体11は、円板状に形成された取付本体111と、取付本体111の上面に固定された矩形状の支持台112とを有している。取付本体111の外径は、サイロ3の筒部3aの外径よりも大きく形成されている。これにより、取付本体111は、筒部3aの上端面(投入口3bの縁部)に載置されることで、投入口3bを塞ぐようになっている。以上より、取付体11はサイロ3の上端部側に載置される。
【0027】
ここで、サイロ3の「上端部側」とは、サイロ3の上端部(サイロの上下方向の真ん中よりも上側の部分)だけでなく、サイロ3の上端部の周りに配置される架台4等のサイロ3側の別部材も含む意味である。また、サイロ3の上端部側に「載置」とは、取付体11の少なくとも一部の荷重がサイロ3の上端部側に載ることであり、直接載置と間接載置とを含む。
【0028】
直接載置の「直接」とは、取付体11が他部材を全く介さずにサイロ3の上端部側(サイロ3の上端部又はサイロ3側の別部材)と接することを意味する。間接載置の「間接」とは、取付体11の少なくとも一部が他部材を介してサイロ3の上端部側と接することを意味し、取付体11の一部分がサイロ3の上端部側と接するとともに取付体11の他部分が他部材を介してサイロ3の上端部側と接する場合も含む意味である。
本実施形態では、取付本体111を、筒部3aに固定することなく筒部3aの上端面に直接載置することで、筒部3aに対して着脱可能に取り付けられる。これにより、取付体11は、その全荷重をサイロ3の上端部に載せた状態で当該上端部に直接載置される。
【0029】
取付本体111には、複数の吸気孔115が上下方向に貫通して形成されている。これらの吸気孔115は、後述するようにペレットと共にサイロ3内に投入された搬送エアをブロワ14によりサイロ3外に強制的に排出する際に、大気中のエアをサイロ3内に引き込む機能を有している。これにより、サイロ3内が過度に負圧になるのを抑制することができる。
【0030】
<投入管>
投入管12は、接続ホース8を接続し、接続ホース8によりエア搬送されるペレットをサイロ3内に案内するものである。投入管12は、上下方向に延びる縦管部12aと、縦管部12aの上端に一端が接続されて屈曲しているエルボ管12bと、エルボ管12bの他端に接続されて水平方向に延びる横管部12cとを備えている。本実施形態では、縦管部12a、エルボ管12b、及び横管部12cは、いずれも円管部材により形成されている。
【0031】
縦管部12aの上端部は、取付本体111に形成された第1取付孔113を貫通して当該取付本体111に固定されている。これにより、取付本体111が筒部3aの上端面に載置されると、縦管部12aの取付本体111よりも下方に突出している部分はサイロ3内において上下方向に延びて配置され、取付本体111よりも上方に位置するエルボ管12b及び横管部12cは、サイロ3外に配置される。したがって、投入管12は、投入口3bを介してサイロ3の内外を連通するように取付本体111に設けられている。
【0032】
横管部12cの開口端部12c1は、上記接続ホース8が接続される接続口とされている。これにより、接続ホース8によりエア搬送されたペレットは、横管部12c、エルボ管12b及び縦管部12aを通過してサイロ3内に投入される。その際、ペレットは、搬送エアから慣性力(重力)により分離される。したがって、サイロ用投入装置1は、ペレットと搬送エアとを分離する分離装置としての機能を兼ね備えている。
【0033】
本実施形態の縦管部12aは、金属製の鋼管であり、その長手方向の中間部を取付本体111に固定している。これにより、縦管部12aの取付体11よりも下方に突出する部分における取付体11に対する相対位置は動かない。したがって、エア搬送路の投入端(縦管部12aの下端)は、サイロ3内に位置した状態で保持されている。なお、縦管部12aを可撓性の管としても、取付体11によってサイロ3の投入口3bが覆われているため、縦管部12aの下端が撓んで動いても、エア搬送路の投入端はサイロ3内に位置した状態で保持される。
【0034】
<排出管>
図5は、
図3のII-II矢視断面図である。
図3及び
図5において、排出管13は、上下方向に延びる縦管部13aと、縦管部13aの上端部から水平方向に突出する横管部13bとを備えている。本実施形態の縦管部13aは、ボックス状に形成されており、取付本体111の上面に載置された状態で固定されている。
【0035】
縦管部13aの一側面(取付本体111の中心側に向いている側面)の上端部には、横管部13bと連通する連通口13a1が形成されている。縦管部13aの下端には、開口端部13a2が形成されており、その開口端部13a2の真下における取付本体111には、第2取付孔114が形成されている。
【0036】
これにより、取付本体111が筒部3aの上端面に載置されると、縦管部13aの開口端部13a2は、取付本体111の第2取付孔114を介して筒部3aの投入口3bと連通し、横管部13bの開口端部13b1は、サイロ3外に配置される。したがって、排出管13は、投入口3bを介してサイロ3の内外を連通するように取付本体111に設けられている。
【0037】
<ブロワ>
ブロワ14は、ペレットと共に投入管12からサイロ3内に投入されて上記のように分離された搬送エアを、排出管13を介してサイロ3外に強制的に排出するものである。本実施形態のブロワ14は、取付体11の支持台112の上面に載置された状態で固定されており、取付本体111を筒部3aの上端面に載置した状態でサイロ3外に配置される。
【0038】
ブロワ14は、搬送エアを吸い込む吸気口14aと、搬送エアを外部に排出する排気口14bとを有している。ブロワ14の吸気口14aは、例えば管継手17を介して排出管13における横管部13bの開口端部(一端部)13b1に接続されている。なお、
図3では管継手17の図示を省略している。
【0039】
ブロワ14の排気口14bには、当該排気口14bから排気される搬送エアに含まれる粉塵等を除去するバグフィルタ(図示省略)が接続されている。これにより、投入管12からペレットと共にサイロ3内に投入されて分離された搬送エアは、排出管13及び管継手17を介してブロワ14により吸引され、バグフィルタを介してサイロ3外へ強制的に排出される。
【0040】
以上の構成により、ペレットを内部に落下投入可能な投入口3bが上端部(筒部3a)に形成されたサイロ3において、取付体11(取付本体111)を筒部3aの上端面に載置した状態で、取付体11に設けられた投入管12のサイロ3外に配置される開口端部12c1に、エア搬送によりペレットを搬送する接続ホース8を接続することで、エア搬送により搬送されたペレットを投入管12からサイロ3内に投入することができる。また、取付体11をサイロ3から取り外すことで、ペレットを投入口3bからサイロ3内に落下投入可能な状態に戻すことができる。これにより、落下投入方法によりペレットを投入するサイロ3であっても、一時的にエア搬送方法によりペレットをサイロ3内に投入することができる。
【0041】
また、取付体11は、筒部3aの上端面に直接載置されるので、取付体11を筒部3aの上端面に間接載置する場合に比べて、取付体11のサイロ3への取り付け作業を簡単に行うことができる。
また、取付体11は、筒部3aの上端面に固定されることなく載置されるので、取付体11のサイロ3への取り付け作業をさらに簡単に行うことができる。
【0042】
また、例えば作業者1人で複数のフレキシブルコンテナバック5内のペレットをサイロ3内に投入する場合において落下投入方法を用いると、作業者は、地上でクレーン7を操作して各フレキシブルコンテナバック5をサイロ3の投入口3bの真上まで吊り上げた状態で、サイロ3の上端部まで登ってフレキシブルコンテナバック5の排出口5cを開放する(
図1参照)。その後、作業者は、サイロ3から地上に降りてクレーン7を再び操作し、ペレットが排出されたフレキシブルコンテナバック5を地上まで降ろす作業を行う。このため、落下投入方法において作業者がサイロ3を昇り降りする回数は、フレキシブルコンテナバック5の個数と同一回数となる。
【0043】
これに対して、本実施形態のサイロ用投入装置1によるエア搬送方法を用いると、サイロ3を登り降りする回数は、最初にサイロ用投入装置1をサイロ3の上端部に設置するときと、全てのフレキシブルコンテナバック5内のペレットをサイロ3にエア搬送した後にサイロ3の上端部からサイロ用投入装置1を取り外すときの2回だけで済む。したがって、作業者1人で3個以上のフレキシブルコンテナバック5内のペレットをサイロ3内に投入する場合には、サイロ用投入装置1によるエア搬送方法を用いることで、落下投入方法を用いる場合よりもサイロ3を登り降りする回数を減らすことができるので、作業者の負担を軽減することができる。
【0044】
また、ペレットと共にサイロ3内に投入された搬送エアをサイロ3外に強制的に排出するブロワ14は、取付体11に固定されており、かつ取付体11に設けられた排出管13の一端部(開口端部13b1)に接続されている。これにより、ブロワ14と排出管13が設けられた取付体11をサイロ3の上端部に取り付けるだけで、サイロ用投入装置1をサイロ3に設置することができるので、ブロワと排出管とをホースで接続する作業が不要になる。したがって、サイロ用投入装置1をサイロ3に設置するときの作業工数を削減することができる。また、サイロ用投入装置1をサイロ3に設置するときは、接続ホース8のみがサイロ用投入装置1(投入管12)に接続され、排出管13にはホースが接続されないので、クレーン7によりサイロ用投入装置1を吊り上げた状態でバランスを取り易い。
【0045】
また、ブロワ14によりサイロ3内の搬送エアが排出管13を介してサイロ3外に排出されることでサイロ3内が負圧になるため、その負圧によって取付体11はサイロ3の上端部(筒部3aの上端面)に吸着される。これにより、取付体11がサイロ3の上端部から脱落するのを抑制することができる。
【0046】
すなわち、ブロワ14によりサイロ3内を負圧にしなければ、筒部3aの上端面に固定されずに載置された取付体11は、サイロ3内のエアの噴き上げ力(正圧)によって傾いて筒部3aの上端面から転げ落ちることがあるが、サイロ3内を負圧にすることで取付体11の転落を抑制することができる。また、取付体11をサイロ3の上端部に固定手段により固定した場合、前記噴き上げ力により固定手段の構成部材が引っ張られて外れたり壊れたりすることで取付体11が転げ落ちることがあるので、このような場合にも、サイロ3内を負圧にすることで取付体11の転落を抑制することができる。
【0047】
また、取付体11がサイロ3の上端部に取り付けられた状態で、ブロワ14はサイロ3外に配置されるので、サイロ3内に投入されたペレットがブロワ14内に侵入するのを抑制することができる。また、ペレットと共にサイロ3内に投入された搬送エアは、排出管13を介してサイロ3外に配置されたブロワ14の吸気口14aに吸い込まれ、ブロワ14の排気口14bからサイロ3外に排出されるので、ブロワ14による搬送エアの排出機能が損なわれることもない。
【0048】
<規制手段>
図6は、サイロ用投入装置1を下方から見た平面図である。
図4及び
図6において、規制手段15は、筒部3aの上端面に載置された取付本体111が水平方向に移動するのを規制する機能を有している。本実施形態の規制手段15は、取付本体111の下面から下方に突出する3個の突出体151,152,153によって構成されており、そのうち、1個の突出体153を、投入管12の縦管部12aにおける取付本体111の下面よりも下側の部分が兼ねている。残りの2個の突出体151,152は、縦管部12aよりも小径の円筒部材からなり、各突出体151,152の上端は、取付本体111の下面に固定されている。
【0049】
3個の突出体151~153は、いずれも上下方向に真っすぐ延びて形成されており、各突出体151~153の上下方向の長さは、いずれも同一の長さL1とされている。各突出体151~153は、筒部3aの上端面に取付本体111を載置した状態で、筒部3a内において投入口3bの内面に近接して配置されるように、取付本体111の下面の外周部にそれぞれ配置されている。また、3個の突出体151~153は、平面視において各突出体151,152,153を頂点として三角形状に配置されている。
【0050】
突出体151,152の下端部同士は、水平方向に延びる補強部材154Aにより連結されて補強されている。同様に、 突出体152,153の下端部同士、および突出体153,151の下端部同士は、それぞれ水平方向に延びる補強部材154B,154Cにより連結されて補強されている。
【0051】
以上の構成により、筒部3aの上端面に載置された取付本体111が水平方向に移動しようとすると、規制手段15の突出体151~153のいずれかが投入口3bの内面に当接することで、取付本体111の水平方向への移動が規制される。また、投入管12に接続された接続ホース8の重みによって取付本体111が筒部3aの上端面に対して傾こうとしても、突出体151~153のいずれかが投入口3bの内面に当接することで取付本体111が傾くのを規制することができる。これにより、取付体11がサイロ3の上端部から脱落するのを抑制することができる。
【0052】
また、投入管12の縦管部12aが突出体153を兼ねるので、部品点数が少なくなりコスト安価なサイロ用投入装置1を構成することができる。
また、サイロ用投入装置1を使用しないときには、上記のように平面視で三角形状に配置された3個の突出体151~153の下端を接地させて取付体11を地面等に置くことで、サイロ用投入装置1を安定した状態で保管することができる。
【0053】
<規制手段の変形例>
図7は、規制手段15の第1変形例を示す側面図である。
図7において、本変形例の規制手段15は、上下方向に延びる複数の突出体155によって構成されている。各突出体155は、上記実施形態の突出体151,152と同じ部材であるが、筒部3aの投入口3bに挿入されやすい形態で取付本体111に設けられている。
【0054】
ここで、本発明において、突出体の「挿入されやすい形態」とは、突出体を投入口から挿入するときに、突出体において投入口の内周縁に対して最も近くで対向する側面部が、その下端よりも上側の任意位置から下端に向かうにつれて、連続的または段階的に前記内周縁から投入口の中心側へ離れるように形成された形態を意味する。
【0055】
本変形例では、各突出体155は、その側面が上端から下端に向かうにつれて、投入口3bの内周縁から投入口3bの中心線C側へ連続的に離れるように傾斜した状態で取付本体111に固定されている。これにより、筒部3aの上端面に取付本体111を載置するときに、複数の突出体155を容易に投入口3bに挿入することができる。
【0056】
図8は、規制手段15の第2変形例を示す側面図である。
図8において、本変形例の規制手段15は、上下方向及び水平方向に延びる平板状の単一の突出体156によって構成されている。この突出体156も、筒部3aの投入口3bに挿入されやすい形態で取付本体111に設けられている。
【0057】
具体的には、突出体156の上面156aは取付本体111の下面に固定されており、突出体156の水平方向両側の側面156b(投入口3bの内周縁に対して最も近くで対向する側面部)は、上端から下端に向かうにつれて、投入口3bの内周縁から中心線C側へ連続的に離れるように傾斜して形成されている。これにより、本変形例においても、筒部3aの上端面に取付本体111を載置するときに、突出体156を容易に投入口3bに挿入することができる。
【0058】
図9は、規制手段15の第3変形例を示す側面図である。
図9において、本変形例の規制手段15は、取付本体111の下面から下方に突出する複数の規制部材157によって構成されている。各規制部材157は、上記実施形態の突出体151,152と同じ部材であるが、筒部3aの上端面に取付本体111を載置した状態で、筒部3aの外側において当該筒部3aの外周面に近接して配置されるように、取付本体111の下面の外周部にそれぞれ固定されている。これにより、筒部3aの上端面に載置された取付本体111が水平方向に移動しようとすると、複数の規制部材157のいずれかが筒部3aの外周面に当接することで、取付本体111の水平方向への移動が規制される。
【0059】
図10は、規制手段15の第4変形例を示しており、(a)は側面図、(b)は下方から見た平面図である。
図10(a)及び(b)において、本変形例の規制手段15は、筒部3aの上端面に載置された取付本体111が上下方向かつ水平方向に移動するのを規制する機能を有している。規制手段15は、取付本体111の下面の外周部に固定された複数(図例では2個)の当接部材158と、筒部3aの外周面に固定される被当接部材159とによって構成されている。
【0060】
2個の当接部材158は、取付本体111の下面において周方向に180°の間隔をあけて配置されている。各当接部材158は、側面視においてL字状に形成されており、上端が取付本体111の下面に固定された縦板部158aと、縦板部158aの下端から取付本体111の中心側に向かって水平方向に延びる横板部158bとを有している。
【0061】
被当接部材159は、筒部3aの外周面に締め付け固定される環状のバンド部159aと、バンド部159aの外周面に固定されて水平方向に突出する複数(図例では2個)の平板状の突出部159bとを有している。2個の突出部159bは、バンド部159aの周方向に180°の間隔をあけて配置されている。被当接部材159は、筒部3aの上端面に取付本体111を載置した状態で、当接部材158の横板部158bよりも上方に突出部159bが配置されるように筒部3aの外周面に固定される。
【0062】
以上の構成により、筒部3aの外周面に被当接部材159を固定した状態で、筒部3aの上端面に取付本体111を載置する。その際、当接部材158を突出部159bに対して周方向にずらした状態で、筒部3aの上端面に取付本体111を載置して水平方向に回転させることで、
図10(a)及び(b)に示す状態にすることができる。
【0063】
図10(a)及び(b)に示す状態において、取付本体111が水平方向(
図10(a)の左右方向)に移動しようとすると、当接部材158の縦板部158aが被当接部材159の突出部159bの先端に当接することで、取付本体111の水平方向への移動が規制される。また、取付本体111が上下方向に移動しようとすると、当接部材158の横板部158bが被当接部材159の突出部159bの下面に当接することで、取付本体111の上下方向への移動が規制される。
【0064】
[第2実施形態]
図11は、本発明の第2実施形態に係るサイロ用投入装置1を示す側面図である。
図12は、
図11のIII矢視図である。
図11および
図12において、本実施形態のサイロ用投入装置1は、主にブロワ14の配置が第1実施形態と相違する。
【0065】
本実施形態では、取付体11は、円板状に形成された取付本体111のみによって構成されている。排出管13は、円管部材により形成された管本体13cと、管本体13cの下端部から径方向外側に突出する環状のフランジ部13dとを有している。管本体13cは、取付本体111の第2取付孔114に下側から貫通され、フランジ部13dの上面は取付本体111の下面に当接している。この状態で、フランジ部13dは、ブロワ14の後述するフランジ部14cと共にボルト等により取付本体111に固定されている。
【0066】
これにより、取付本体111が筒部3aの上端面に載置されると、管本体13cの上側の開口端部13c1はサイロ3外に配置され、管本体13cの下側の開口端部13c2はサイロ3内に配置される。したがって、排出管13は、投入口3bを介してサイロ3の内外を連通するように取付本体111に設けられている。管本体13cの上側の開口端部13c1には、取付本体111の上方に配置されたバグフィルタ(図示省略)が接続されている。
【0067】
ブロワ14は、取付本体111の下方に配置されている。ブロワ14の排気口14bの縁部には環状のフランジ部14cが形成されており、フランジ部14cは、上記のように排出管13のフランジ部13dと共に取付本体111に固定されている。これにより、ブロワ14の排気口14bは、排出管13のサイロ3内に配置される開口端部13c2(一端部)に接続されている。
【0068】
ブロワ14の外形は、筒部3aの内径よりも小さく形成されており、かつ取付本体111の下方において投入口3bから筒部3a内に挿入可能な位置に配置されている(
図13も参照)。これにより、取付本体111を筒部3aの上端面に載置することで、ブロワ14はサイロ3内に配置される。
【0069】
ブロワ14の吸気口14aは、取付本体111が筒部3aの上端面に載置された状態で、投入口3bの内面に対向する位置に形成されている。ブロワ14の吸気口14aには、サイロ3内のペレットがブロワ14内に吸引されないようにメッシュ状のスクリーン(図示省略)が設けられている。
【0070】
以上の構成により、取付体11がサイロ3の上端部に取り付けられた状態で、ブロワ14はサイロ3内に配置されるので、サイロ用投入装置1の重心を低くすることができる。これにより、サイロ用投入装置1を安定した状態でサイロ3に設置することができる。また、投入管12からペレットと共にサイロ3内に投入された搬送エアは、サイロ3内に配置されたブロワ14の吸気口14aに吸い込まれ、ブロワ14の排気口14bから排出管13及びバグフィルタを通過してサイロ3外に排出されるので、ブロワ14による搬送エアの排出機能が損なわれることもない。
【0071】
規制手段15は、取付本体111の下面から下方に突出する3個の突出体161,162,163によって構成されており、そのうち、1個の突出体163を、投入管12の縦管部12aにおける取付本体111の下面よりも下側の部分が兼ねている。残りの2個の突出体161,162は、縦管部12aよりも小径の円筒部材を側面視においてU字状に折り曲げて形成されている。
【0072】
すなわち、突出体161は、上下方向に延びる一対の当接部161aと、これらの当接部161aの間において水平方向に延びる載置部161bとを有している。同様に、突出体162は、上下方向に延びる一対の当接部162aと、これらの当接部162aの間において水平方向に延びる載置部162bとを有している。突出体161の各当接部161aの上端、及び突出体162の各当接部162aの上端は、取付本体111の下面に固定されている。
【0073】
各突出体161,162の上下方向の長さL2は、突出体163の上下方向の長さL3、及び取付本体111の下面からブロワ14の最下端までの長さL4よりも長く形成されている。
図12の側面視において、突出体161の当接部161aは直線状に形成されており、突出体162の当接部162aはL字状に折り曲げて形成されている。
【0074】
図13は、
図11のサイロ用投入装置1を下方から見た平面図である。
図13に示すように、突出体161の載置部161bは、ブロワ14の一端部側(図中の上端部側)に配置され、平面視において直線状に形成されている。突出体162の載置部162bは、ブロワ14の他端部側(図中の下端部側)に配置されており、平面視において弓型に折り曲げられて形成されることで、長手方向の2箇所に折曲部162b1を有している。
【0075】
取付本体111を筒部3aの上端面に載置した状態で、突出体161の一方(図中の左側)の当接部161a、突出体162における一対の当接部161aと載置部162aの各折曲部162b1、及び突出体163は、筒部3a内において投入口3bの内面に近接して配置されている。本実施形態の他の構成については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0076】
以上の構成により、筒部3aの上端面に載置された取付本体111が水平方向に移動しようとすると、突出体161,162の当接部161a,162a及び突出体163のいずれかが投入口3bの内面に当接することで、取付本体111の水平方向への移動が規制される。また、投入管12に接続された接続ホース8の重みによって取付本体111が筒部3aの上端面に対して傾こうとしても、突出体161,162の当接部161a,162a及び突出体163のいずれかが投入口3bの内面に当接することで取付本体111が傾くのを規制することができる。これにより、取付体11がサイロ3の上端部から脱落するのを抑制することができる。
【0077】
また、投入管12の縦管部12aが突出体163を兼ねるので、部品点数が少なくなりコスト安価なサイロ用投入装置1を構成することができる。
また、サイロ用投入装置1を使用しないときには、2個の突出体161,162の載置部161b,162bを接地させて取付体11を地面等に置くことで、サイロ用投入装置1を安定した状態で保管することができる。また、載置部161b,162bは、投入管12及びブロワ14の各下端よりも下方に突出しているため、取付体11を地面等に置いたときに、投入管12及びブロワ14が地面等に接触して損傷するのを抑制することができる。
【0078】
[その他]
上記実施形態では、木質のペレットをサイロ3の貯留物として説明したが、木質以外のペレットや家畜飼料等をサイロ3の貯留物としてもよい。また、上記実施形態のサイロ用投入装置1は、慣性力によりペレットと搬送エアとを分離しているが、サイクロンによってペレットと搬送エアとを分離してもよい。
【0079】
上記実施形態の取付体11では、取付本体111の下面をサイロ3の上端部に直接載置しているが、取付体11を構成する他の部材をサイロ3の上端部に直接載置してもよい。例えば、取付体11が、サイロ3の投入口3bとの間をシールするシール部材を備えている場合、そのシール部材を取付本体111の下面に固定し、当該シール部材をサイロ3の上端部に直接載置してもよい。また、取付体11が、取付本体111の下面に固定された円筒部材を備えている場合、その円筒部材の内径をサイロ3の筒部3aの外径よりも大きく形成し、円筒部材により筒部3aの外周を覆った状態で、円筒部材の下端を、筒部3aの下端から径方向外側に延びるサイロ3の肩部分に直接載置してもよい。
【0080】
取付体11は、複数の部材で構成されていてもよい。例えば、取付体11は、サイロ3の前記肩部分に載置される第1部材と、サイロ3の投入口3bの縁部に載置される第2部材とにより構成し、第1部材に固定した投入管12と、第2部材に固定された可撓性のホースとを接続して投入路部を構成してもよい。
【0081】
上記実施形態の取付体11は、サイロ3の上端部に取り付けられているが、上述のようにサイロ3の上端部の周りに配置されるサイロ3側の別部材に取り付けられていてもよい。前記別部材としては、例えば、架台4、架台4以外でサイロ3を補強するフレーム、ハシゴ、フレキシブルコンテナバック5を吊り上げてペレットを落下投入させるための備え付けのクレーン装置、これらのハシゴやクレーン装置が設けられた建屋等が挙げられる。
【0082】
上記実施形態の取付体11は、サイロ3の上端部側に直接載置されるが、サイロ3の上端部側に間接載置されてもよい。例えば、サイロ3の筒部3aの外周面に環状の台座を締め付け固定し、その台座に取付体11を載置してもよい。例えば、取付体11及びサイロ3とは別体のシール部材をサイロ3の上端部に載せて、そのシール部材に取付体11を載置してもよい。
【0083】
上記実施形態の取付体11は、サイロ3の上端部側に載置された状態で投入口3bを塞いでいるが、必ずしも投入口3bを塞ぐ必要はない。その際、取付体11が投入口3bから上方に離間し、かつ可撓性の投入管12の下端が投入口3bから上方に離間する場合、投入管12は、その下端の最大撓み位置が投入口3bの上方の領域内に位置するように取付体11に取り付けられていればよい。
また、取付体11は、投入口3bを塞ぐ場合、サイロ3の上端部側に載置された状態で当該上端部側に対して固定手段により着脱可能に固定されてもよい。その際、取付体11は、投入口3bとの間をシール部材等で密閉するように塞いだ状態でサイロ3の上端部側に固定されてもよいし、投入口3bとの間を密閉せずに塞いだ状態でサイロ3の上端部側に固定されてもよい。
【0084】
取付体11、投入路部、及び排出路部の具体構成は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では投入路部として投入管12を用いているが、投入管12を用いずに、取付本体111に形成された第1取付孔113を投入路部としてもよい。この場合、第1取付孔113に接続ホース8の一端を固定することにより、第1取付孔113及び接続ホース8の一端の取付体11に対する相対位置は動かない。したがって、エア搬送路の投入端(第1取付孔113の下端又は接続ホース8の一端)は、サイロ3の投入口3bの上方の領域に位置した状態で保持されている。
【0085】
また、上記実施形態では排出路部として排出管13を用いているが、排出管13を用いずに、取付本体111に形成された第2取付孔114を排出路部としてもよい。
上記実施形態では、投入路部(投入管12)に接続される搬送管として、接続ホース8を用いているが、これに限定されるものではなく、配管等を用いてもよい。
【0086】
上記実施形態のブロワ14は、排出管13の一端部に接続されているが、排出管13内に設けられていてもよい。また、ブロワ14は、排出管13に設けられているが、地上に設置されていてもよい。その場合、排出管13とブロワ14とをホース等で接続すればよい。また、サイロ用投入装置1は、ブロワ14を必ずしも備える必要はない。また、サイロ3自体が内部に投入された搬送エアをサイロ3外に排出する機構を備えていれば、サイロ用投入装置1は、排出管13を備える必要はない。
【0087】
上記実施形態の規制手段15を構成する突出体の個数は、3個に限定されるものではなく、2個以下でもよいし、4個以上でもよい。上記実施形態では、投入管12の縦管部12aが突出体を兼ねているが、縦管部12aとは別に専用の突出体を設けてもよい。また、突出体の具体構成は、上記実施形態に限定されるものではい。例えば、突出体は、取付本体111の下面の中心部に固定されていてもよい。
【0088】
上記第1変形例(
図7参照)では、突出体155の側面は、投入口3bの内周縁から中心側へ連続的に離れるように形成されているが、段階的に離れるように形成されていてもよい。また、突出体155の側面の周方向全体を前記連続的に離れるように傾斜させているが、突出体155の側面において投入口3bの内周縁に対して最も近くで対向する側面部のみを傾斜させてもよい。
また、上記第1変形例では、突出体155の側面の上下方向全体を傾斜させているが、突出体155の側面における下端を含む上下方向の一部分だけを傾斜させてもよい。この場合、突出体155の側面における他部分は、前記一部分よりも投入口3bの内周縁から離れて形成されていてもよい。
【0089】
上記第2変形例(
図8参照)では、突出体156の側面156bは、投入口3bの内周縁から中心側へ連続的に離れるように形成されているが、段階的に離れるように形成されていてもよい。この場合、前記側面156bを、水平面と鉛直面とを交互に連続させて階段状に形成してもよいし、これら複数の水平面の一部または複数の鉛直面の一部を、投入口3bの内周縁から中心側へ連続的に離れるように傾斜させてもよい。
【0090】
上記実施形態のサイロ用投入装置1は、規制手段15を備えているが、例えば取付体11がサイロ3の上端部に安定した状態で載置される場合には、規制手段15を備える必要はない。
上記第4変形例(
図10参照)の規制手段15は、サイロ3の上端部に載置された取付体11の上下方向及び水平方向への移動を規制しているが、当該取付体11の上下方向への移動のみを規制するものであってもよい。
【0091】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0092】
1 サイロ用投入装置
3 サイロ
3b 投入口
8 接続ホース(搬送管)
11 取付体
12 投入管(投入路部)
12c1 開口端部
13 排出管(排出路部)
13b1 開口端部(一端部)
14 ブロワ
15 規制手段