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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】抵抗特徴部を備える骨アンカー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20240205BHJP
   A61B 17/86 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
A61B17/70
A61B17/86
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019561721
(86)(22)【出願日】2018-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 US2018031296
(87)【国際公開番号】W WO2018208635
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】15/591,608
(32)【優先日】2017-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514046806
【氏名又は名称】メドス・インターナショナル・エスエイアールエル
【氏名又は名称原語表記】Medos International SARL
【住所又は居所原語表記】Chemin-Blanc 38, CH-2400 Le Locle, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ラムゼイ・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ホーキンス・ジェイ・ライリー
(72)【発明者】
【氏名】モンテッロ・アルバート
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン・ジョセフ
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0296256(US,A1)
【文献】特開2016-064290(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0015579(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0015597(US,A1)
【文献】特表2009-544414(JP,A)
【文献】特表2005-516721(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0112543(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/86
A61B 17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨アンカーであって、
空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、前記受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、
前記空洞内に配設されたブッシングであって、前記ブッシングが、前記受け部材の前記空洞内で多軸運動するように構成されている、ブッシングと、
前記ブッシング内に保持されたヘッド部分と、前記受け部材から遠位に突出する骨係合部分と、を有する、シャンクと、
前記ブッシングに前記ブッシングと前記受け部材との間の多軸運動に抵抗するための摩擦力を加える抵抗リングであって、前記抵抗リングは、前記受け部材内に形成された溝内に配設されている、抵抗リングと、
を備え、前記ブッシングは、前記ブッシングの近位端に形成されたリップを備え、前記リップは、前記抵抗リングに接触して、前記受け部材に対する前記ブッシングの回転を制限するように構成されている、骨アンカー。
【請求項2】
前記シャンクの前記ヘッド部分は、前記ブッシングに対して回転可能であり、前記ブッシングは、前記ブッシングの半径方向の拡張と圧縮とを可能にするように構成された割れ目を含み、前記ブッシングは、前記シャンクの前記ヘッド部分に摩擦力を及ぼす、請求項1に記載の骨アンカー。
【請求項3】
前記受け部材に適用され、前記受け部材の前記ロッド受け凹部に受け入れられたロッドを前記受け部材に対して遠位に付勢し、前記ロッドを前記受け部材に対して固定し、これにより前記受け部材を前記シャンクに対して固定するように構成された締着具を更に備える、請求項1に記載の骨アンカー。
【請求項4】
骨アンカーであって、
空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、前記受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、
前記空洞内に配設されたブッシングと、
前記ブッシング内に保持されたヘッド部分と、前記受け部材から遠位に突出する骨係合部分と、を有する、シャンクと、
前記ブッシングに摩擦力を加える抵抗リングであって、前記抵抗リングは、前記受け部材内に形成された溝内に配設されている、抵抗リングと、
を備え、
前記ブッシングは、前記ブッシングの近位端に形成されたリップを備え、前記リップは、前記受け部材の前記溝に接触して、前記受け部材に対する前記ブッシングの回転を制限するように構成されている、骨アンカー。
【請求項5】
前記抵抗リングは、前記受け部材の前記長手方向中心軸に対して斜角で配向された傾斜した遠位向き表面を有する、請求項1に記載の骨アンカー。
【請求項6】
前記抵抗リングは、前記受け部材の前記長手方向中心軸に垂直に配向された平面状の近位向き表面を有する、請求項5に記載の骨アンカー。
【請求項7】
骨アンカーであって、
空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、前記受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、
前記空洞内に配設されたブッシングであって、前記ブッシングが、前記受け部材の前記空洞内で多軸運動するように構成されている、ブッシングと、
前記ブッシング内に保持されたヘッド部分と、前記受け部材から遠位に突出する骨係合部分と、を有する、シャンクと、
前記ブッシングに前記ブッシングと前記受け部材との間の多軸運動に抵抗するための摩擦力を加える抵抗リングであって、前記抵抗リングは、前記受け部材内に形成された溝内に配設されている、抵抗リングと、
を備え、前記ブッシングは、前記ブッシングの近位端に形成されたリップを備え、前記リップは、前記受け部材の遠位座に接触して、前記受け部材に対する前記ブッシングの回転を制限するように構成されている、骨アンカー。
【請求項8】
骨アンカーであって、
空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、前記受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、
前記空洞内に配設されたブッシングであって、前記ブッシングが、前記受け部材の前記空洞内で多軸運動するように構成されている、ブッシングと、
前記ブッシング内に保持されたヘッド部分と、前記受け部材から遠位に突出する骨係合部分と、を有する、シャンクと、
前記ブッシングに前記ブッシングと前記受け部材との間の多軸運動に抵抗するための摩擦力を加える抵抗リングであって、前記抵抗リングは、前記受け部材内に形成された溝内に配設されている、抵抗リングと、
前記空洞内で前記ブッシングの近位に配設されたサドルと、
を備え、前記サドルは、遠位向き表面を含み、抵抗ピンが前記遠位向き表面から遠位に突出しており、前記ブッシングの多軸運動に対して前記ブッシングに抵抗力を加えるように構成されている、骨アンカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、抵抗特徴部を備える骨アンカー及び関連する方法が開示されている。
【背景技術】
【0002】
骨アンカーは、治癒、癒合、又は他の手順中に骨を固定するために、整形外科又は脳神経外科で使用することができる。例えば、脊椎手術において、骨アンカーは、脊椎を硬直的に又は動的に安定させるために、ロッド又はプレートなどの脊椎固定要素を1つ以上の脊椎骨に固定するために使用することができる。
【0003】
典型的な骨アンカーは、骨に固定されるように構成されたねじ付きシャンク部分と、シャンク部分に取り付けられ、ロッド又は他の要素をその中に受け取るように構成されたヘッド又は受け部材と、を含むことができる。受け部材は、少なくとも最初はシャンク部分に移動可能に連結されている多数の骨アンカーが開発されてきた。この運動の自由度は、固定アセンブリの複数の構成要素を整列させる際に有用であり得るが、これはまた、ユーザにとって課題をもたらす可能性がある。例えば、構造体をロックする前に、受け部材とシャンクとの間の所望の角度配向を維持することは困難であり得る。このため、埋め込まれた構造体を暫定的に位置決めする間、受け部材は「フロップ」オーバーする傾向を有することがあり、所望の位置合わせを達成するためにユーザによるその後の再位置決めを必要とし、又はロッド導入中に受け部材を所望の位置に保持するためにユーザ又は助手を必要とする。これは、ユーザにとって厄介であり得、潜在的に疲労をもたらし、手術に不必要な長さを加え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これら及びその他の課題を検討すると、改善された骨アンカー及び関連する方法の継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
骨アンカー及び関連する方法が、本明細書において開示されている。いくつかの実施形態では、骨アンカーは、抵抗インターフェースを含むことができる。例示的な抵抗インターフェースとしては、(i)シャンクとブッシングとの間の摩擦、(ii)ブッシングと抵抗リングとの間の摩擦、(iii)偏倚サドルによって生成される摩擦、及び(iv)上記の組み合わせが挙げられる。抵抗インターフェースは、骨アンカーをロックする前に、受け部材と骨アンカーのシャンクとの間の相対位置を維持することを助けることができ、ユーザが意図したときに自由な動きを許可しながら、意図しない動きを防止する。いくつかの実施形態では、骨アンカーは、骨アンカーのブッシング上に形成された溝、リップ、又は突出部などの、過剰回転阻止特徴部を含むことができる。高アスペクト比の抵抗リング及び圧縮可能な抵抗ポストを含む、様々な他の骨アンカー特徴部も開示されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、骨アンカーは、空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、空洞内に配設されたブッシングと、ブッシング内に保持されたヘッド部分と、受け部材から遠位方向に突出する骨係合部分と、を有するシャンクと、ブッシングに摩擦力を加える抵抗リングであって、抵抗リングは、受け部材内に形成された溝内に配設されている、抵抗リングと、を含むことができる。
【0007】
シャンクのヘッド部分は、ブッシングに対して回転可能であり得る。ブッシングは、シャンクのヘッドに摩擦力を及ぼすことができる。骨アンカーは、(i)ブッシングに対するシャンクのヘッド部分の回転を防止し、(ii)受け部材に対するブッシングの回転を防止するために、受け部材に適用されるように構成された締着具を含み得る。ブッシングは、過剰回転阻止特徴部を含むことができる。阻止特徴部は、ブッシングの近位端に形成されたリップを含むことができ、リップは、抵抗リングに接触して、受け部材に対するブッシングの回転を制限するように構成されている。抵抗リングは、受け部材の長手方向中心軸に対して斜角で配向された傾斜した遠位向き表面を有することができる。抵抗リングは、受け部材の長手方向中心軸に垂直に配向された平面状の近位向き表面を有することができる。阻止特徴部は、ブッシングの近位端に形成されたリップを含むことができ、リップは、受け部材の溝に接触して、受け部材に対するブッシングの回転を制限するように構成されている。阻止特徴部は、ブッシングの近位端に形成されたリップを含むことができ、リップは、受け部材の遠位座に接触して、受け部材に対するブッシングの回転を制限するように構成されている。骨アンカーは、ブッシングに近位に空洞内に配設されたサドルを含むことができ、サドルは、遠位向き表面を含み、抵抗ピンがそこから遠位に延在する。
【0008】
いくつかの実施形態では、骨アンカーは、空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、空洞内に配設されたサドルと、サドルに遠位に空洞内に配設されたヘッド部分と、受け部材から遠位に突出する骨係合部分と、を有するシャンクと、を含むことができる。サドルは、シャンクに抵抗力を及ぼすように遠位に偏倚され得る。
【0009】
シャンクは、ヘッド部分が配設されるブッシングを含むことができる。サドルは、ブッシングに抵抗力を及ぼすことができる。骨アンカーは、サドル内に形成された第1の溝内に、かつ、受け部材内に形成された第2の溝内に、部分的に配設されたリングを含むことができ、リングは、サドルを受け部材に対して遠位に付勢するように、第1及び第2の溝のうちの1つの傾斜面に対して偏倚される。サドルは、間にロッド受け凹部を画定する第1及び第2のアームを含むことができる。第1及び第2のアームは、受け部材の長手方向中心軸を中心とした受け部材に対するサドルの回転を制限するために、受け部材の対応する凹部内に受け取られる突出部を含むことができる。第1及び第2のアームは、受け部材に対して遠位にサドルを付勢するように、受け部材の傾斜面に対して偏倚される耳部を含むことができる。耳部は、アームの弾性材料特性によって偏倚され得る。耳部は、サドルの半径方向の拡張によって偏倚され得る。サドルは、当該半径方向の拡張を容易にするために割れ目を含むことができる。サドルは、受け部材に対して遠位にサドルを付勢するように長手方向に拡張可能であり得る。サドルは、近位部分及び遠位部分と、近位部分及び遠位部分を互いに離れるように付勢して、サドルを長手方向に拡張するように構成された偏倚要素と、を含むことができる。偏倚要素は、波形ばねを含むことができる。受け部材は、サドルの近位部分と接触する近位肩部を含むことができ、それにより、偏倚要素は、サドルの遠位部分を受け部材に対して遠位に付勢する。サドルは、遠位向き表面を含むことができ、抵抗ピンがそこから遠位方向に延在する。
【0010】
いくつかの実施形態では、骨アンカーは、空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、空洞内に配設されたブッシングであって、ブッシングは、空洞内で多軸回転可能であり、ブッシングは、当該多軸回転を制限するために骨アンカーの構成要素に接触するように構成された外部リップを有する、ブッシングと、ブッシング内に保持されたヘッド部分と、受け部材から遠位に突出する骨係合部分と、を有するシャンクであって、シャンクのヘッド部分は、ブッシングに対して多軸回転可能である、シャンクと、を含むことができる。
【0011】
骨アンカーの構成要素は、受け部材内に形成された溝内に受け取られたリングを含むことができる。リングは、受け部材の長手方向中心軸に対して斜角で配向された傾斜した遠位向き表面を有することができる。リングは、受け部材の長手方向中心軸に垂直に配向された平面状の近位向き表面を有することができる。骨アンカーの構成要素は、受け部材内に形成された溝の床を含むことができる。骨アンカーの構成要素は、受け部材の遠位座を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、骨アンカーは、空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、空洞内に配設されたヘッド部分と、受け部材から遠位に突出する骨係合部分と、を有するシャンクと、シャンクに摩擦力を加えて、受け部材に対するシャンクの回転に抵抗する抵抗リングと、を含むことができる。抵抗リングは、受け部材の長手方向中心軸に平行な高さ寸法を有することができ、高さ寸法は、抵抗リングの近位面から抵抗リングの遠位面まで延在する。抵抗リングは、高さ寸法に垂直な幅寸法を有することができ、幅寸法は、抵抗リングの内面から抵抗リングの外面まで延在する。高さ寸法と幅寸法との比は、少なくとも2:1であり得る。高さ寸法と幅寸法との比は、少なくとも4:1であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、外科的方法は、骨アンカーのシャンク部分を患者の骨に打ち込むことと、骨アンカーの受け部材を、シャンク部分に対して所望の位置に位置決めすることと、受け部材とシャンクとの間の動きをロックするために、骨アンカーの締着具を締め付けることと、締着具を締め付ける前に、シャンク部分のヘッドが配設されるブッシングに対して抵抗リングによって及ぼされる抵抗力によって、受け部材を所望の位置に保持することと、を含むことができる。
【0014】
受け部材を保持することは、シャンク部分のヘッドに対してブッシングによって及ぼされる抵抗力によって受け部材を保持することを含むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、外科的方法は、骨アンカーのシャンク部分を患者の骨に打ち込むことと、骨アンカーの受け部材を、シャンク部分に対して所望の位置に位置決めすることと、受け部材とシャンクとの間の動きをロックするために、骨アンカーの締着具を締め付けることと、締着具を締め付ける前に、骨アンカーの偏倚サドルによって及ぼされる抵抗力によって、受け部材を所望の位置に保持することと、を含むことができる。
【0016】
受け部材を保持することは、シャンク部分のヘッドに対して、骨アンカーのブッシングによって及ぼされる抵抗力によって受け部材を保持することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】先行技術の骨アンカー及び脊椎ロッドの分解斜視図である。
図1B図1Aの骨アンカーの断面斜視図である。
図1C】縮小タブと共に示される、図1Aの骨アンカーの受け部材の斜視図である。
図2A】骨アンカー及び脊椎ロッドの側断面図である。
図2B図2Aの骨アンカーのブッシングの斜視図である。
図2C図2Aの骨アンカーのサドルの斜視図である。
図2D図2Cのサドルの側断面図である。
図2E図2Aの骨アンカーの抵抗リングの斜視図である。
図2F図2Aの骨アンカーのシャンクの側面図である。
図2G図2Aの骨アンカーの受け部材の側断面図である。
図3A】骨アンカー及び脊椎ロッドの側断面図である。
図3B図3Aの骨アンカーのブッシングの側断面図である。
図3C図3Aの骨アンカーの抵抗リングの上面図である。
図4A】骨アンカー及び脊椎ロッドの側断面図である。
図4B図4Aの骨アンカー及び脊椎ロッドの別の側断面図である。
図5A】骨アンカー及び脊椎ロッドの側断面図である。
図5B図5Aの骨アンカーの分解斜視図である。
図5C図5Aの骨アンカーの拡大側断面図である。
図5D図5Aの骨アンカーの断面斜視図である。
図5E図5Aの骨アンカーの側断面図である。
図5F】回転止め特徴部を有するサドルと共に示される、図5Aの骨アンカーの側断面図である。
図5G図5Fの骨アンカーの分解斜視図である。
図5H図5Fの骨アンカーの上面断面図である。
図6A】骨アンカーの分解斜視図である。
図6B図6Aの骨アンカーの断面斜視図である。
図6C】代替的な耳部を有するサドルと共に示される、図6Aの骨アンカー及び脊椎ロッドの側断面図である。
図6D図6Aの骨アンカーの受け部材の側断面図である。
図6E図6Cの骨アンカー及び脊椎ロッドの側断面図である。
図6F図6Cの骨アンカーの上面断面図である。
図6G図6Cの骨アンカーの側断面図である。
図6H図6Cの骨アンカーの分解斜視図である。
図7】骨アンカー及び脊椎ロッドの部分分解、部分断面斜視図である。
図8A】骨アンカー及び脊椎ロッドの側断面図である。
図8B図8Aの骨アンカーの部分分解側断面図である。
図8C図8Aの骨アンカーの受け部材の斜視図である。
図8D図8Cの受け部材の側断面図である。
図8E図8Cの受け部材の別の側断面図である。
図8F図8Aの骨アンカーのサドルの側断面図である。
図8G図8Aの骨アンカーの偏倚要素の斜視図である。
図8H図8Aの骨アンカーのブッシングの斜視図である。
図9A】骨アンカーの分解斜視図である。
図9B図9Aの骨アンカーの断面斜視図である。
図10】サドルの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
骨アンカー及び関連する方法が、本明細書において開示されている。いくつかの実施形態では、骨アンカーは、抵抗インターフェースを含むことができる。例示的な抵抗インターフェースとしては、(i)シャンクとブッシングとの間の摩擦、(ii)ブッシングと抵抗リングとの間の摩擦、(iii)偏倚サドルによって生成される摩擦、及び(iv)上記の組み合わせが挙げられる。抵抗インターフェースは、骨アンカーをロックする前に、受け部材と骨アンカーのシャンクとの間の相対位置を維持することを助けることができ、ユーザが意図したときに自由な動きを許可しながら、意図しない動きを防止する。いくつかの実施形態では、骨アンカーは、骨アンカーのブッシング上に形成された溝、リップ、又は突出部などの、過剰回転阻止特徴部を含むことができる。高アスペクト比の抵抗リング及び圧縮可能な抵抗ポストを含む、様々な他の骨アンカー特徴部も開示されている。
【0019】
以下に、本明細書で開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態のうちの1つ以上の例が、添付の図面に例示されている。当業者であれば、本明細書で詳細に説明され、添付の図面に例示される装置及び方法は、非限定的で例示的な実施形態である点を理解するであろう。1つの典型的な実施形態に関連して例示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。
【0020】
先行技術の骨アンカー
図1A~1Cは、下に記載の骨アンカー200、300、400、500、600、700、800、900に含めることができる様々な特徴部を有する先行技術の骨アンカー100を示している。図示する骨アンカー100は、例示的であり、下に記載の骨アンカー200、300、400、500、600、700、800、900は、追加的な又は代替的な特徴部を含むことができることが理解されよう。
【0021】
図示された骨アンカー100は、アンカー部分又はシャンク102と、脊椎ロッド106などの、シャンク102に連結される脊椎固定要素を受け取るためのヘッド又は受け部材104と、受け部材内に脊椎固定要素を捕獲し、受け部材に対して脊固定要素を固定するための締着具あるいは閉止機構108と、を含む。シャンク102は、近位ヘッド110と、骨を係合させるように構成された遠位シャフト112と、を含む。受け部材104は、離間して配置された一対のアーム114A、114Bを有する近位端であって、アームの間に凹部又はチャネル116を画定する、近位端と、開口部を画定する遠位端面を有する遠位端であって、シャンク102の少なくとも一部分がその開口部を貫通して延在する、遠位端と、を有する。閉止機構108は、アーム114A、114Bとの間に位置決め可能で、アーム114A、114Bと係合することができ、受け部材104内で、脊椎固定要素(例えば、脊椎ロッド106)を捕獲し、受け部材に対して脊椎固定要素を固定する。
【0022】
シャンク102の近位ヘッド110は、概して、平面状の近位面とほぼ球形状の遠位面を有する切頭球体の形状である。図示された骨アンカー100は、脊椎骨の椎弓根又は外側塊内に後方埋め込みするために設計された多軸の骨ねじである。シャンク102の近位ヘッド110は、近位ヘッド及び遠位シャフト112が受け部材に対して枢動することができる、ボール及びソケットのような仕組みで、受け部材104の遠位端と係合する。シャンク102の近位ヘッド110の遠位面及び受け部材104の遠位端内の合わせ面は、この仕組みを容易にする任意の形状を有することができ、例えば、球状(図示されるように)、トロイダル、円錐形、円錐台形、及びこれらの形状の任意の組み合わせを含む。
【0023】
シャンク102の遠位シャフト112は、骨と係合するように構成され得、図示した実施形態では、骨と係合する雄ねじを含む。ねじ山の数、ピッチ、外径及び内径、並びにねじ山の形状を含む遠位シャフト112のねじ山形態は、骨との接続を促進するように選択することができる。例示的なねじ山形態は、2011年5月18日付け出願の米国特許出願公開第2011/0288599号、及び2012年8月22日付け出願の米国特許出願公開第2013/0053901号に開示され、双方の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。遠位シャフト112は、フックを含む、骨と係合するための他の構造体も含むことができる。例えば、最小侵襲性の処置におけるガイドワイヤ上でのシャンクの送達を容易にするために、シャンク102の遠位シャフト112は、シャンクの長さを延在させる中央通路又はカニューレを有して、カニューレ処置され得る。例えば、閉止機構108、受け部材104、及び圧縮キャップ又はサドル118(以下で論ずる)を含む、骨アンカー100の他の構成要素は、カニューレ処置され得、あるいはガイドワイヤ上での送達を可能にするための開口部を有し得る。骨の内殖を可能にするため、又は、シャンク102を通って骨セメント若しくは他の材料を分配することを可能にするために、遠位シャフト112はまた、カニューレと連通する1つ以上の側壁開口部又は開窓を含むことができる。側壁開口部は、カニューレから遠位シャフト112の側壁を通って半径方向に延在することができる。骨セメントを骨アンカー100に送達するための例示的なシステム、及びセメント送達を容易にするための骨アンカーの代替形態は、2009年10月29日出願の米国特許出願公開第2010/0114174号に説明されており、その開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。シャンク102の遠位シャフト112はまた、例えば、ハイドロキシアパタイトなどの骨の成長を可能にする材料で被覆されることができ、骨アンカー100は、例えば、トリクロサンなどの抗感染材料で、部分的に又は完全に被覆されることができる。
【0024】
受け部材104の近位端部は、離間して配置された一対のアーム114A、114Bであって、アームの間に脊椎固定要素(例えば、脊椎ロッド106)を受け取るためにその間にU字形の凹部116が画定される、アーム114A、114Bを含む。アーム114A、114Bはそれぞれ、受け部材104の遠位端から自由端まで延在することができる。アーム114A、114Bのそれぞれの外面は、受け部材104の器具への接続を容易にするために、例えば、凹部、くぼみ、ノッチ、凸部などの特徴を含むことができる。例えば、各アーム114A、114Bの外面は、アームのそれぞれの自由端でアーチ形の溝を含むことができる。そのような溝は、2007年2月20日付けで発行の米国特許第7,179,261号により詳細に説明され、その開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0025】
受け部材104の遠位端は、シャンク102の少なくとも一部分が延在して通る円形の開口部を画定する概して環状の形状である遠位端面を含む。例えば、シャンク102の遠位シャフト112は、開口部を通って延在することができる。
【0026】
シャンク102は、受け部材104に対して選択的に固定されることができる。固定前に、シャンク102は、受け部材の遠位端とシャンク102の近位ヘッド110との幾何学的形状によって一般に画定される角形成の円錐内で、受け部材104に対して可動である。骨アンカー100は、例えば、2005年12月13日付けで発行の米国特許第6,974,460号、及び2004年5月18日付けで発行の米国特許第6,736,820号に開示されるような、好みの角度のねじであることができ、双方の開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。あるいは、骨アンカー100は、シャンク102がすべての方向に同じ量だけ枢動する、従来の(偏倚されていない)多軸ねじであることができる。
【0027】
脊椎固定要素(例えば、脊椎ロッド106)は、シャンク102の近位ヘッド110と直接接触することができるか、又は中間要素、例えば、圧縮部材又はサドル118と接触することができる。サドル118は、受け部材104内で、かつ脊椎ロッド106とシャンク102の近位ヘッド110との間に介在して位置決めされ得、近位ヘッドの遠位外面を、受け部材104の遠位内面と直接固定した係合に圧縮することができる。サドル118は、脊椎ロッド106を受け取るためにU字形の座面122を画定する、離間して配置された一対のアーム120A、120B、及びシャンク102の近位ヘッド110と係合するための遠位面を含むことができる。
【0028】
受け部材104の近位端部は、受け部材のアーム114Aと114Bとの間に位置決め可能であり、かつアーム114A、114Bと係合する、閉止機構108を受け取るように構成され得る。閉止機構108は、受け部材104内で脊椎固定要素、例えば、脊椎ロッド106、を捕獲し、受け部材に対して脊椎ロッドを固定し、かつ受け部材に対してシャンク102を固定するように構成され得る。閉止機構108は、受け部材104のアーム114A、114Bに設けられた内ねじ山と係合するように外ねじ山を有する、単一の止めねじであり得る。しかしながら、図示した実施形態では、閉止機構108は、サドル118に作用するように動作可能な外側止めねじ124、及びロッド106に作用するように動作可能な内側止めねじ126を含む。代わりに、又は加えて、受け部材104の外周の周りに延在するナット、側部から受け部材上に摺動するキャップ若しくは締着具、又は4分の1回転によって受け部材にロックするキャップ若しくは締着具など、様々な他の閉止機構108を使用することができる。受け部材104は、受け部材104から近位方向に延在してアーム114A、114Bの長さを機能的に延長する1つ以上の延長タブ128(図1Cに示す)を含むことができ、それと一体に形成されるか、又はそれに連結されることができる。延長タブ128は、固定構造体又は安定化構造体の設置及び組み立てを容易にすることができ、外科的手順を完了する前に取り除かれることができる。
【0029】
骨アンカー100は、剛性脊椎ロッド106のような脊椎固定要素と共に使用することができる。あるいは、脊椎固定要素は、器具が植え込まれた脊椎骨の間の制御された運動性を可能にする動的安定化部材であり得る。
【0030】
使用時に、骨アンカー100は、遠位シャフト112が受け部材104の遠位端の開口部を通って延在し、シャンク102の近位ヘッド110が受け部材104の遠位端に受け取られるように、組み立てられ得る。ドライバー器具は、シャンクを骨に打ち込むために、シャンク102に備え付けられることができる。サドルのアーム120A、120Bが受け部材104のアーム114A、114Bと整列し、サドル118の下面がシャンク102の近位ヘッド110と接触するように、サドル118は、受け部材104内に位置決めされ得る。脊椎固定要素(例えば、脊椎ロッド106)は、受け部材104の凹部116に位置することができる。閉止機構108は、受け部材104のアーム114A、114Bに設けられた内ねじ山と係合され得る。ねじり力は、外側止めねじ124に加えられ得、サドル118をシャンク102の近位ヘッド110へ押し付けるように、外側止めねじを凹部116内で動かし、それにより、受け部材104に対してシャンク102の角度位置をロックする。ねじり力は、内側止めねじ126に加えられ得、脊椎ロッド106をサドル118との係合へと押し込め、それにより、受け部材104に対して脊椎ロッド106を固定する。
【0031】
以下に記載される骨アンカー200、300、400、500、600、700、800、900は、上記の骨アンカー、又は当該技術分野において既知の他のタイプの特徴のうちのいずれかを含むことができる。例示的な骨アンカーは、単軸ねじ、多軸ねじ、ユニプレーナ型ねじ、好みの角度のねじ、及び/又は、当該技術分野で既知の様々な他の骨アンカータイプのいずれかを含む。
【0032】
抵抗特徴部を備える骨アンカー及び関連する方法
図2A図2Gは、1つ以上の抵抗特徴部を備える骨アンカー200の例示的な実施形態を示す。骨アンカー200は、アンカー部分又はシャンク202と、ヘッド又は受け部材204と、締着具又は閉止機構208と、を含むことができる。骨アンカー200はまた、圧縮キャップ又はサドル218を含むことができる。シャンク202、受け部材204、閉止機構208、及びサドル218は、上記の骨アンカー100の対応する構成要素の特徴のうちのいずれかを含むことができる。例えば、図示のように、受け部材204は、シャンク202のヘッド210に多軸に連結され得、間に凹部216を画定する一対の離間したアーム214A、214Bを含むことができる。閉止機構208は、アーム214Aとアーム214Bとの間に位置決め可能で、アーム214A、214Bと係合することができ、受け部材204内で、脊椎固定要素(例えば、脊椎ロッド206)を捕獲し、受け部材に対して脊椎固定要素を固定し、シャンク202に対して受け部材を固定する。受け部材204は、長手方向中心軸A1を含むことができ、シャンク202は、長手方向中心軸A2を含むことができる。シャンク202は、軸A2を中心として受け部材204に対して回転可能であり得る。シャンク202はまた、複数の他の軸、例えば、図示の軸A3などの軸A1に垂直な1つ以上の軸、のうちのいずれかを中心として受け部材204に対して回転可能であり得る。
【0033】
ブッシング230は、第1の抵抗力を供給するために、シャンク202のヘッド210と受け部材204の遠位座との間に配設され得る。ブッシング230は、ブッシングの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための割れ目を含むことができる。割れ目ブッシングが示されているが、ブッシング230は、スリット、切り欠きなどの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための他の特徴部を含むことができる。ブッシング230の外表面は、例えば、ブッシングが、受け部材に対して軸A3を中心として、又は様々な他の軸を中心として回転することができるように、受け部材204の座部内で多軸運動するように構成され得る。例えば、ブッシング230は、受け部材204の対応する球状の内表面に係合する球状の外表面を含むことができる。ブッシング230の内表面は、シャンク202のヘッド210に抵抗力を及ぼすように構成された幾何学的形状を有することができる。例えば、ブッシング230の内表面の少なくとも一部は、シャンク202のヘッド210の直径よりも小さい静止直径を有する球面を画定することができる。したがって、シャンク202に組み立てられると、ブッシング230は、シャンクのヘッド210に対して摩擦抵抗力を及ぼすことができ、シャンクのヘッドとブッシングとの間の、例えば軸A3を中心とした多軸運動に抵抗する。
【0034】
抵抗リング232は、第2の抵抗力を供給するために、ブッシング230と受け部材204との間に配設され得る。抵抗リング232は、割れ目を含むことができ、又は抵抗リングの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするようにC字形であり得る。抵抗リング232は、受け部材204内表面に形成された溝又は凹部234内に少なくとも部分的に着座することができる。抵抗リング232の内面は、ブッシング230の外表面に接触して当接することができる。抵抗リング232の内表面は、ブッシング230に抵抗力を及ぼすように構成された幾何学的形状を有することができる。例えば、抵抗リング232の内表面の少なくとも一部は、ブッシング230の外径よりも小さい静止直径を有することができる。したがって、抵抗リング232は、ブッシング230に対して摩擦抵抗力を及ぼすことができ、ブッシングと受け部材204204との間の多軸運動(例えば、軸A3を中心とする回転)に抵抗する。いくつかの実施形態では、抵抗リング232は、ブッシング230とサドル218との間に配設され得る。いくつかの実施形態では、抵抗リング232は、ブッシング230内に形成された溝内に配設することができ、受け部材204及び/又はサドル218に対して対抗することができる。
【0035】
骨アンカー200の構成要素の相対寸法は、所望の抵抗力を達成するように、及び/又は第1の抵抗力及び第2の抵抗力によって加えられる所望の相対的抵抗を達成するように選択され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抵抗力は、例えば、シャンク202がブッシング230に対して最初に移動し、シャンクがブッシングに対して最大角形成に達した後にのみ、ブッシングが受け部材204に対して移動するように、異なって選択され得る。そのような構成は、例えば、軸A3を中心とした、構造体を不必要に弱め得る、受け部材204に対するブッシング230の過剰回転のリスクを有利に低減することができる。骨アンカー200は、本明細書に記載されるものを含めて、追加的又は代替的な過剰回転阻止特徴部を含むことができる。
【0036】
使用中、骨アンカー200のシャンク202は、公知の技術を使用して骨に打ち込まれ得る。次いで、受け部材204は、例えば、脊椎ロッド206を受け取るように受け部材を暫定的に位置決めするために、シャンク202に対してユーザによって所望される初期位置まで回転され得る。第1及び/又は第2の抵抗力は、構造体をロックする前に、この初期位置に受け部材204を維持することができ、受け部材が「フロッピング」するのを防止することができる。こうして、第1及び第2の抵抗力は、ユーザが意図したときに自由な動きを可能にしながらも、骨アンカー200をロックする前の意図しない動きを防止することができる。最終的に、閉止機構208は、アセンブリをロックし、及び/又は受け部材204内に脊椎ロッド206を固定するために、骨アンカー200に適用され得る。
【0037】
図3A図3Cは、1つ以上の抵抗特徴部を備える骨アンカー300の例示的な実施形態を示す。骨アンカー300は、アンカー部分又はシャンク302と、ヘッド又は受け部材304と、締着具又は閉止機構308と、を含むことができる。骨アンカー300はまた、圧縮キャップ又はサドル318を含むことができる。シャンク302、受け部材304、閉止機構308、及びサドル318は、上記の骨アンカー100の対応する構成要素の特徴のうちのいずれかを含むことができる。例えば、図示のように、受け部材304は、シャンク302のヘッド310に多軸に連結され得、間に凹部316を画定する一対の離間したアーム314A、314Bを含むことができる。閉止機構308は、アーム314Aとアーム314Bとの間に位置決め可能で、アーム314A、314Bと係合することができ、受け部材304内で、脊椎固定要素(例えば、脊椎ロッド306)を捕獲し、受け部材に対して脊椎固定要素を固定し、シャンク302に対して受け部材を固定する。受け部材304は、長手方向中心軸A1を含むことができ、シャンク302は、長手方向中心軸A2を含むことができる。シャンク302は、軸A2を中心として受け部材304に対して回転可能であり得る。シャンク302はまた、複数の他の軸、例えば、図示の軸A3などの軸A1に垂直な1つ以上の軸、のうちのいずれかを中心として受け部材304に対して回転可能であり得る。
【0038】
ブッシング330は、第1の抵抗力を供給するために、シャンク302のヘッド310と受け部材304の遠位座との間に配設され得る。ブッシング330は、ブッシングの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための割れ目を含むことができる。割れ目ブッシングが示されているが、ブッシング330は、スリット、切り欠きなどの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための他の特徴部を含むことができる。ブッシング330の外表面は、例えば、ブッシングが、受け部材に対して軸A3を中心として、又は様々な他の軸を中心として回転することができるように、受け部材304の座部内で多軸運動するように構成され得る。例えば、ブッシング330は、受け部材304の対応する球状の内表面に係合する球状の外表面を含むことができる。ブッシング330の内表面は、シャンク302のヘッド310に抵抗力を及ぼすように構成された幾何学的形状を有することができる。例えば、ブッシング330の内表面の少なくとも一部は、シャンク302のヘッド310の直径よりも小さい静止直径を有する球面を画定することができる。したがって、シャンク302に組み立てられると、ブッシング330は、シャンクのヘッド310に対して摩擦抵抗力を及ぼすことができ、シャンクのヘッドとブッシングとの間の、例えば軸A3を中心とした多軸運動に抵抗する。ブッシング330は、過剰回転阻止特徴部を含むことができる。例えば、ブッシング330は、ブッシングの外表面、例えばブッシングの近位端に隣接して形成された溝336を含むことができる。溝336は、骨アンカー300の停止特徴部に接触してブッシングの過剰回転を防止するように構成された近位リップ又は近位肩部338を画定することができる。いくつかの実施形態では、溝336を省略することができ、肩部338は、ブッシングの外表面から外側に延在する突出部として形成され得る。
【0039】
抵抗リング332は、第2の抵抗力を供給するために、ブッシング330と受け部材304との間に配設され得る。抵抗リング332は、割れ目を含むことができ、又は抵抗リングの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするようにC字形であり得る。抵抗リング332、受け部材304の内表面に形成された溝又は凹部334内に少なくとも部分的に着座することができる。抵抗リング332の内面は、ブッシング330の外表面に接触して当接することができる。抵抗リング332の内表面は、ブッシング330に抵抗力を及ぼすように構成された幾何学的形状を有することができる。例えば、抵抗リング332の内表面の少なくとも一部は、ブッシング330の外径よりも小さい静止直径を有することができる。したがって、抵抗リング332は、ブッシング330に対して摩擦抵抗力を及ぼすことができ、ブッシングと受け部材304との間の多軸運動(例えば、軸A3を中心とする回転)に抵抗する。抵抗リング332は、ブッシング330の近位リップ338によって接触される停止特徴部として作用して、ブッシングの過剰回転を防止することができる。具体的には、ブッシング330が、受け部材304に対して、例えば軸A3を中心として、回転限界まで回転すると、抵抗リング332の少なくとも一部は、ブッシングの溝336に入り、リップ338と接触して、受け部材に対するブッシングの更なる回転するのを防止することができる。抵抗リング332は、過剰回転阻止のロック及びロック解除を容易にするように形作ることができる。例えば、抵抗リング332は、軸A1に垂直に延在する平面状の近位向き表面332pを含むことができる。近位向き表面332pは、リップ338に接触すると、ブッシング330の過剰回転を防止するために、ポジティブな停止を提供することができる。抵抗リング332は、軸A1に対して斜角で延在する、湾曲した、傾斜した、あるいは別の方法でテーパ状の遠位向き表面332dを含むことができる。抵抗リング332の遠位向き表面332dは、溝336の対となる片方の湾曲した、傾斜した、あるいは別の方法でテーパ状の近位向き表面に沿って乗ることができる。これにより、ブッシング330が回転限界から離れて反対方向に回転するときに、過剰回転阻止の解除を許可することができる。具体的には、抵抗リング332のテーパ面と溝336との間の係合は、抵抗リングを溝から半径方向に拡張させて、受け部材304に対してブッシング330を再可動化することができる。抵抗リング332のテーパ面は、抵抗リングの円形本体から半径方向内側に延在する1つ以上の歯の上、例えば、本体の内周の周りに離間した複数の歯の上に形成することができる。いくつかの実施形態では、抵抗リング332は、ブッシング330とサドル318との間に配設され得る。いくつかの実施形態では、抵抗リング332は、ブッシング330内に形成された溝内に配設することができ、ブッシングと一緒に移動でき、受け部材304及び/又はサドル318に対して抵抗することができる。
【0040】
骨アンカー300の構成要素の相対寸法は、所望の抵抗力を達成するように、及び/又は第1の抵抗力及び第2の抵抗力によって加えられる所望の相対的抵抗を達成するように選択され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抵抗力は、例えば、シャンク302がブッシング330に対して最初に移動し、シャンクがブッシングに対して最大角形成に達した後にのみ、ブッシングが受け部材304に対して移動するように、異なって選択され得る。そのような構成は、例えば、軸A3を中心とした、構造体を不必要に弱め得る、受け部材304に対するブッシング330の過剰回転のリスクを有利に低減することができる。骨アンカー300は、本明細書に記載されるものを含めて、追加的又は代替的な過剰回転阻止特徴部を含むことができる。
【0041】
使用中、骨アンカー300のシャンク302は、公知の技術を使用して骨に打ち込まれ得る。次いで、受け部材304は、例えば、脊椎ロッド306を受け取るように受け部材を暫定的に位置決めするために、シャンク302に対してユーザによって所望される初期位置まで回転され得る。第1及び/又は第2の抵抗力は、構造体をロックする前に、この初期位置に受け部材304を維持することができ、受け部材が「フロッピング」するのを防止することができる。こうして、第1及び第2の抵抗力は、ユーザが意図したときに自由な動きを可能にしながらも、骨アンカー300をロックする前の意図しない動きを防止することができる。最終的に、閉止機構308は、アセンブリをロックし、及び/又は受け部材304内に脊椎ロッド306を固定するために、骨アンカー300に適用され得る。
【0042】
図4A図4Bは、1つ以上の抵抗特徴部を備える骨アンカー400の例示的な実施形態を示す。骨アンカー400は、アンカー部分又はシャンク402と、ヘッド又は受け部材404と、締着具又は閉止機構408と、を含むことができる。骨アンカー400はまた、圧縮キャップ又はサドル418含むことができる。シャンク402、受け部材404、閉止機構408、及びサドル418は、上記の骨アンカー100の対応する構成要素の特徴のうちのいずれかを含むことができる。例えば、図示のように、受け部材404は、シャンク402のヘッド410に多軸に連結され得、間に凹部416を画定する一対の離間したアーム414A、414Bを含むことができる。閉止機構408は、アーム414Aとアーム414Bとの間に位置決め可能で、アーム414A、414Bと係合することができ、受け部材404内で、脊椎固定要素(例えば、脊椎ロッド406)を捕獲し、受け部材に対して脊椎固定要素を固定し、シャンク402に対して受け部材を固定する。受け部材404は、長手方向中心軸A1を含むことができ、シャンク402は、長手方向中心軸A2を含むことができる。シャンク402は、軸A2を中心として受け部材404に対して回転可能であり得る。シャンク402はまた、複数の他の軸、例えば、図示の軸A3などの軸A1に垂直な1つ以上の軸、のうちのいずれかを中心として受け部材404に対して回転可能であり得る。
【0043】
ブッシング430は、第1の抵抗力を供給するために、シャンク402のヘッド410と受け部材404の遠位座との間に配設され得る。ブッシング430は、ブッシングの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための割れ目を含むことができる。割れ目ブッシングが示されているが、ブッシング430は、スリット、切り欠きなどの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための他の特徴部を含むことができる。ブッシング430の外表面は、例えば、ブッシングが、受け部材に対して軸A3を中心として、又は様々な他の軸を中心として回転することができるように、受け部材404の座部内で多軸運動するように構成され得る。例えば、ブッシング430は、受け部材404の対応する球状の内表面に係合する球状の外表面を含むことができる。ブッシング430の内表面は、シャンク402のヘッド410に抵抗力を及ぼすように構成された幾何学的形状を有することができる。例えば、ブッシング430の内表面の少なくとも一部は、シャンク402のヘッド410の直径よりも小さい静止直径を有する球面を画定することができる。したがって、シャンク402に組み立てられると、ブッシング430は、シャンクのヘッド410に対して摩擦抵抗力を及ぼすことができ、シャンクのヘッドとブッシングとの間の、例えば軸A3を中心とした多軸運動に抵抗する。ブッシング430は、過剰回転阻止特徴部を含むことができる。例えば、ブッシング430は、ブッシングの外表面、例えばブッシングの近位端に隣接して形成された溝436を含むことができる。溝436は、骨アンカー400の停止特徴部に接触してブッシングの過剰回転を防止するように構成された近位リップ又は近位肩部438を画定することができる。リップ438は、溝436に遠位の、ブッシングの部分の外径よりも大きい外径を有することができる。いくつかの実施形態では、溝436を省略することができ、リップ438は、ブッシングの外表面から外側に延在する突出部として形成され得る。
【0044】
抵抗リング432は、第2の抵抗力を供給するために、ブッシング430と受け部材404との間に配設され得る。抵抗リング432は、割れ目を含むことができ、又は抵抗リングの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするようにC字形であり得る。抵抗リング432は、受け部材404の内表面に形成された溝又は凹部434内に少なくとも部分的に着座することができる。抵抗リング432の内面は、ブッシング430の外表面に接触して当接することができる。抵抗リング432の内表面は、ブッシング430に抵抗力を及ぼすように構成された幾何学的形状を有することができる。例えば、抵抗リング432の内表面の少なくとも一部分は、ブッシング430の外径よりも小さい静止直径を有することができる。したがって、抵抗リング432は、ブッシング430に対して摩擦抵抗力を及ぼすことができ、ブッシングと受け部材404との間の多軸運動(例えば、軸A3を中心とする回転)に抵抗する。いくつかの実施形態では、抵抗リング432は、ブッシング430とサドル418との間に配設され得る。いくつかの実施形態では、抵抗リング432は、ブッシング430内に形成された溝内に配設することができ、ブッシングと一緒に移動でき、受け部材404及び/又はサドル418に対して抵抗することができる。
【0045】
受け部材404内に形成された凹部434は、ブッシング430の近位リップ438によって接触される停止特徴部として作用して、ブッシングの過剰回転を防止することができる。具体的には、ブッシング430が、受け部材404に対して、例えば軸A3を中心として、回転限界まで回転すると、リップ438は、凹部434の遠位床に接触して、受け部材に対するブッシングの更なる回転を防止することができる。
【0046】
骨アンカー400の構成要素の相対寸法は、所望の抵抗力を達成するように、及び/又は第1の抵抗力及び第2の抵抗力によって加えられる所望の相対的抵抗を達成するように選択され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抵抗力は、例えば、シャンク402がブッシング430に対して最初に移動し、シャンクがブッシングに対して最大角形成に達した後にのみ、ブッシングが受け部材404に対して移動するように、異なって選択され得る。そのような構成は、構造体を不必要に弱めることができる、例えば、軸A3を中心とした、受け部材404に対するブッシング430の過剰回転のリスクを有利に低減することができる。骨アンカー400は、本明細書に記載されるものを含めて、追加的又は代替的な過剰回転阻止特徴部を含むことができる。
【0047】
使用中、骨アンカー400のシャンク402は、公知の技術を使用して骨に打ち込まれ得る。次いで、受け部材404は、例えば、脊椎ロッド406を受け取るように受け部材を暫定的に位置決めするために、シャンク402に対してユーザによって所望される初期位置まで回転され得る。第1及び/又は第2の抵抗力は、構造体をロックする前に、この初期位置に受け部材404を維持することができ、受け部材が「フロッピング」するのを防止することができる。こうして、第1及び第2の抵抗力は、ユーザが意図したときに自由な動きを可能にしながらも、骨アンカー400をロックする前の意図しない動きを防止することができる。最終的に、閉止機構408は、アセンブリをロックし、及び/又は受け部材404内に脊椎ロッド406を固定するために、骨アンカー400に適用され得る。
【0048】
図5A図5Hは、1つ以上の抵抗特徴部を備える骨アンカー500の例示的な実施形態を示す。骨アンカー500は、アンカー部分又はシャンク502と、ヘッド又は受け部材504と、締着具又は閉止機構508と、を含むことができる。骨アンカー500はまた、圧縮キャップ又はサドル518を含むことができる。シャンク502、受け部材504、閉止機構508、及びサドル518は、上記の骨アンカー100の対応する構成要素の特徴のうちのいずれかを含むことができる。例えば、図示のように、受け部材504は、シャンク502のヘッド510に多軸に連結され得、間に凹部516を画定する一対の離間したアーム514A、514Bを含むことができる。閉止機構508は、アーム514Aとアーム514Bとの間に位置決め可能で、アーム514A、514Bと係合することができ、受け部材504内で、脊椎固定要素(例えば、脊椎ロッド506)を捕獲し、受け部材に対して脊椎固定要素を固定し、シャンク502に対して受け部材を固定する。受け部材504は、長手方向中心軸A1を含むことができ、シャンク502は、長手方向中心軸A2を含むことができる。シャンク502は、軸A2を中心として受け部材504に対して回転可能であり得る。シャンク502はまた、複数の他の軸、例えば、図示の軸A3などの軸A1に垂直な1つ以上の軸、のうちのいずれかを中心として受け部材504に対して回転可能であり得る。
【0049】
ブッシング530は、第1の抵抗力を供給するために、シャンク502のヘッド510と受け部材504の遠位座との間に配設され得る。ブッシング530は、ブッシングの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための割れ目を含むことができる。割れ目ブッシングが示されているが、ブッシング530は、スリット、切り欠きなどの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための他の特徴部を含むことができる。ブッシング530の外表面は、例えば、ブッシングが、受け部材に対して軸A3を中心として、又は様々な他の軸を中心として回転することができるように、受け部材504の座部内で多軸運動するように構成され得る。例えば、ブッシング530は、受け部材504の対応する球状の内表面に係合する球状の外表面を含むことができる。ブッシング530の内表面は、シャンク502のヘッド510に抵抗力を及ぼすように構成された幾何学的形状を有することができる。例えば、ブッシング530の内表面の少なくとも一部は、シャンク502のヘッド510の直径よりも小さい静止直径を有する球面を画定することができる。したがって、シャンク502に組み立てられると、ブッシング530は、シャンクのヘッド510に対して摩擦抵抗力を及ぼすことができ、シャンクのヘッドとブッシングとの間の、例えば軸A3を中心とした多軸運動に抵抗する。ブッシング530は、過剰回転阻止特徴部を含むことができる。例えば、ブッシング530は、骨アンカー500の停止特徴部と接触してブッシングの過剰回転を防止するように構成された近位リップ又は近位肩部538を含むことができる。リップ538は、ブッシングの遠位部分の外径よりも大きい外径を有することができる。いくつかの実施形態では、リップ538は、ブッシング530の外表面に形成された溝によって形成され得る。
【0050】
受け部材504内に形成された遠位座は、ブッシング530の近位リップ538によって接触される停止特徴部として作用して、ブッシングの過剰回転を防止することができる。具体的には、ブッシング530が、受け部材504に対して、例えば軸A3を中心として、回転限界まで回転すると、リップ538は、遠位座に接触して、受け部材に対するブッシングの更なる回転を防止することができる。
【0051】
リング532は、第2の抵抗力を供給するために、サドル518と受け部材504との間に配設され得る。リング532は、割れ目を含むことができ、又はリングの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするようにC字形であり得る。リング532は、受け部材504の内表面に形成された溝又は凹部534A内に少なくとも部分的に着座し得、サドル518の外表面に形成された溝又は凹部534B内に少なくとも部分的に着座し得る。リング532は、弾性材料から形成され得る。リング532は、凹部534Aの直径より大きい静止直径を有し得る。したがって、リング532は、半径方向外側に偏倚されて、凹部534Aの横方向側壁540に対してばね力を及ぼすことができる。横方向側壁540は、傾斜する、湾曲する、あるいは別の方法でテーパ状とすることができる。例えば、図示のように、横方向側壁540は、その近位端において、その遠位端における直径よりも小さい直径を有することができる。横方向側壁540は、円錐面によって画定され得る。リング532が、横方向側壁540に対して半径方向外側に拡張すると、リング532は、軸A1に沿って遠位に付勢され得る。リング532のこの遠位移動は、リング532がサドルの凹部534B内に少なくとも部分的に受け取られていることにより、軸A1に沿ったサドル518の対応する遠位移動を引き起こすことができる。したがって、横方向側壁540は、リング532の半径方向外側に加えられる偏倚力を、ブッシング530への、又はブッシングが省略される実施形態では、シャンク502のヘッド510への、サドル518によって加えられる遠位方向の力に変換するのに有効であり得る。サドル518を遠位に付勢することにより、ブッシングと受け部材504との間の多軸運動に、例えば、軸A3を中心とした回転に抵抗する第2の抵抗力を供給することができる。いくつかの実施形態では、溝534Bは、傾斜面を含むことができ、リング532は、サドル518を遠位に付勢するように、当該表面に対して半径方向内側に偏倚され得る。
【0052】
骨アンカー500の構成要素の相対寸法は、所望の抵抗力を達成するように、及び/又は第1の抵抗力及び第2の抵抗力によって加えられる所望の相対的抵抗を達成するように選択され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抵抗力は、例えば、シャンク502がブッシング530に対して最初に移動し、シャンクがブッシングに対して最大角形成に達した後にのみ、ブッシングが受け部材504に対して移動するように、異なって選択され得る。そのような構成は、構造体を不必要に弱めることができる、例えば、軸A3を中心とした、受け部材504に対するブッシング530の過剰回転のリスクを有利に低減することができる。骨アンカー500は、本明細書に記載されるものを含めて、追加的又は代替的な過剰回転阻止特徴部を含むことができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、図5F図5Hに示されるように、サドル518は、軸A1を中心とした受け部材504に対するサドル518の回転を制限又は防止するための回転止め特徴部を含むことができる。例えば、サドル518のアーム520A、520Bは、アームの近位端から半径方向外側に延在する雄凸部542を含むことができる。凸部542は、軸A1を中心とした受け部材に対するサドル518の回転が制限又は防止されるように、受け部材504に形成された対応するキーウェイ544内に受け取られ得る。凸部542とキーウェイ544との間のこの係合はまた、サドル518を受け部材504内に保持するのに有効であり得る。
【0054】
使用中、骨アンカー500のシャンク502は、公知の技術を使用して骨に打ち込まれ得る。次いで、受け部材504は、例えば、脊椎ロッド506を受け取るように受け部材を暫定的に位置決めするために、シャンク502に対してユーザによって所望される初期位置まで回転され得る。第1及び/又は第2の抵抗力は、構造体をロックする前に、この初期位置に受け部材504を維持することができ、受け部材が「フロッピング」するのを防止することができる。こうして、第1及び第2の抵抗力は、ユーザが意図したときに自由な動きを可能にしながらも、骨アンカー500をロックする前の意図しない動きを防止することができる。最終的に、閉止機構508は、アセンブリをロックし、及び/又は受け部材504内に脊椎ロッド506を固定するために、骨アンカー500に適用され得る。
【0055】
図6A図6Hは、1つ以上の抵抗特徴部を備える骨アンカー600の例示的な実施形態を示す。骨アンカー600は、アンカー部分又はシャンク602と、ヘッド又は受け部材604と、締着具又は閉止機構608と、を含むことができる。骨アンカー600はまた、圧縮キャップ又はサドル618を含むことができる。シャンク602、受け部材604、閉止機構608、及びサドル618は、上記の骨アンカー100の対応する構成要素の特徴のうちのいずれかを含むことができる。例えば、図示のように、受け部材604は、シャンク602のヘッド610に多軸に連結され得、間に凹部616を画定する一対の離間したアーム614A、614Bを含むことができる。閉止機構608は、アーム614Aとアーム614Bとの間に位置決め可能で、アーム614A、614Bと係合することができ、受け部材604内で、脊椎固定要素(例えば、脊椎ロッド606)を捕獲し、受け部材に対して脊椎固定要素を固定し、シャンク602に対して受け部材を固定する。受け部材604は、長手方向中心軸A1を含むことができ、シャンク602は、長手方向中心軸A2を含むことができる。シャンク602は、軸A2を中心として受け部材604に対して回転可能であり得る。シャンク602はまた、複数の他の軸、例えば、図示の軸A3などの軸A1に垂直な1つ以上の軸、のうちのいずれかを中心として受け部材604に対して回転可能であり得る。
【0056】
ブッシング630は、第1の抵抗力を供給するために、シャンク602のヘッド610と受け部材604の遠位座との間に配設され得る。ブッシング630は、ブッシングの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための割れ目を含むことができる。割れ目ブッシングが示されているが、ブッシング630は、スリット、切り欠きなどの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための他の特徴部を含むことができる。ブッシング630の外表面は、例えば、ブッシングが、受け部材に対して軸A3を中心として、又は様々な他の軸を中心として回転することができるように、受け部材604の座部内で多軸運動するように構成され得る。例えば、ブッシング630は、受け部材604の対応する球状の内表面に係合する球状の外表面を含むことができる。ブッシング630の内表面は、シャンク602のヘッド610に抵抗力を及ぼすように構成された幾何学的形状を有することができる。例えば、ブッシング630の内表面の少なくとも一部は、シャンク602のヘッド610の直径よりも小さい静止直径を有する球面を画定することができる。したがって、シャンク602に組み立てられると、ブッシング630は、シャンクのヘッド610に対して摩擦抵抗力を及ぼすことができ、シャンクのヘッドとブッシングとの間の、例えば軸A3を中心とした多軸運動に抵抗する。ブッシング630は、過剰回転阻止特徴部を含むことができる。例えば、ブッシング630は、骨アンカー600の停止特徴部と接触してブッシングの過剰回転を防止するように構成された近位リップ又は近位肩部638を含むことができる。リップ638は、ブッシングの遠位部分の外径よりも大きい外径を有することができる。いくつかの実施形態では、リップ638は、ブッシング630の外表面に形成された溝によって形成され得る。
【0057】
受け部材604内に形成された遠位座は、ブッシング630の近位リップ638によって接触される停止特徴部として作用して、ブッシングの過剰回転を防止することができる。具体的には、ブッシング630が、受け部材604に対して、例えば軸A3を中心として、回転限界まで回転すると、リップ638は、遠位座に接触して、受け部材に対するブッシングの更なる回転を防止することができる。
【0058】
サドル618は、受け部材604に係合して第2の抵抗力を供給するように構成された1つ以上のスプリングタブ又は耳部646を含むことができる。耳部646は、受け部材604の内表面に形成された溝又は凹部634内に少なくとも部分的に着座することができる。耳部646は、例えば、図6C図6Hに示されるように、サドル618のアーム620A、620Bから半径方向外側に突出することができる。このような構成では、図示のように、スリットが、アーム620A、620Bとロッド座との間のサドル618内に形成され得、ロッド座を変形させることなくアームを半径方向に変形又は反らせることを可能にする。他の構成では、例えば、図6A図6Bに示されるように、耳部646は、アーム620A、620Bに並んで延在し、そこから半径方向外側に配設される第2の組のアームとして形成され得る。耳部646は、弾性材料から形成され得る。耳部は、凹部634の直径よりも大きい静止直径又は外寸を有し得る。したがって、耳部646は、半径方向外側に偏倚されて、凹部634の横方向側壁640に対してばね力を及ぼすことができる。横方向側壁640は、傾斜する、湾曲する、あるいは別の方法でテーパ状とすることができる。例えば、図示のように、横方向側壁640は、その近位端において、その中央部分の直径よりも小さい直径を有することができる。横方向側壁640は、円錐面によって少なくとも部分的に画定され得る。耳部646が、横方向側壁640に対して半径方向外側に拡張すると、サドル618は軸A1に沿って遠位に付勢され得る。したがって、横方向側壁640は、耳部646の半径方向外側に加えられる偏倚力を、ブッシング630への、又はブッシングが省略される実施形態では、サドル618によってシャンク602のヘッド610に加えられる遠位方向の力に変換するのに有効であり得る。サドル618を遠位に付勢することにより、ブッシングと受け部材604との間の多軸運動に、例えば軸A3を中心とした回転に抵抗する第2の抵抗力を供給することができる。いくつかの実施形態では、耳部は、受け部材604上に形成することができ、サドル618の傾斜面に対して半径方向内側に偏倚され得る。
【0059】
骨アンカー600の構成要素の相対寸法は、所望の抵抗力を達成するように、及び/又は第1の抵抗力及び第2の抵抗力によって加えられる所望の相対的抵抗を達成するように選択され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抵抗力は、例えば、シャンク602がブッシング630に対して最初に移動し、シャンクがブッシングに対して最大角形成に達した後にのみ、ブッシングが受け部材604に対して移動するように、異なって選択され得る。そのような構成は、構造体を不必要に弱めることができる、例えば、軸A3を中心とした、受け部材604に対するブッシング630の過剰回転のリスクを有利に低減することができる。骨アンカー600は、本明細書に記載されるものを含めて、追加的又は代替的な過剰回転阻止特徴部を含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、サドル618は、軸A1を中心とした受け部材604に対するサドルの回転を制限又は防止するための回転止め特徴部を含むことができる。例えば、受け部材604の凹部634は、限られた円周幅を有する対向する第1及び第2の凹部として形成することができ、これにより、凹部内に耳部646を受け取ることは、軸A1を中心とした受け部材に対するサドル618の回転を制限又は防止するのに有効である。耳部646と凹部634との間のこの係合はまた、サドル618を受け部材604内に保持するのに有効であり得る。
【0061】
使用中、骨アンカー600のシャンク602は、公知の技術を使用して骨に打ち込まれ得る。次いで、受け部材604は、例えば、脊椎ロッド606を受け取るように受け部材を暫定的に位置決めするために、シャンク602に対してユーザによって所望される初期位置まで回転され得る。第1及び/又は第2の抵抗力は、構造体をロックする前に、この初期位置に受け部材604を維持することができ、受け部材が「フロッピング」するのを防止することができる。こうして、第1及び第2の抵抗力は、ユーザが意図したときに自由な動きを可能にしながらも、骨アンカー600をロックする前の意図しない動きを防止することができる。最終的に、閉止機構608は、アセンブリをロックし、及び/又は受け部材604内に脊椎ロッド606を固定するために、骨アンカー600に適用され得る。
【0062】
図7は、1つ以上の抵抗特徴部を備える骨アンカー700の例示的な実施形態を示す。骨アンカー700は、アンカー部分又はシャンク702と、ヘッド又は受け部材704と、締着具又は閉止機構708と、を含むことができる。骨アンカー700はまた、圧縮キャップ又はサドル718を含むことができる。シャンク702、受け部材704、閉止機構708、及びサドル718は、上記の骨アンカー100の対応する構成要素の特徴のうちのいずれかを含むことができる。例えば、図示のように、受け部材704は、シャンク702のヘッド710に多軸に連結され得、間に凹部716を画定する一対の離間したアーム714A、714Bを含むことができる。閉止機構708は、アーム714Aとアーム714Bとの間に位置決め可能で、アーム714A、714Bと係合することができ、受け部材704内で、脊椎固定要素(例えば、脊椎ロッド706)を捕獲し、受け部材に対して脊椎固定要素を固定し、シャンク702に対して受け部材を固定する。受け部材704は、長手方向中心軸A1を含むことができ、シャンク702は、長手方向中心軸A2を含むことができる。シャンク702はまた、複数の他の軸、例えば、図示の軸A3などの軸A1に垂直な1つ以上の軸、のうちのいずれかを中心として受け部材704に対して回転可能であり得る。
【0063】
ブッシング730は、第1の抵抗力を供給するために、シャンク702のヘッド710と受け部材704の遠位座との間に配設され得る。ブッシング730は、ブッシングの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための割れ目を含むことができる。割れ目ブッシングが示されているが、ブッシング730は、スリット、切り欠きなどの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための他の特徴部を含むことができる。ブッシング730の外表面は、例えば、ブッシングが、受け部材に対して軸A3を中心として、又は様々な他の軸を中心として回転することができるように、受け部材704の座部内で多軸運動するように構成され得る。例えば、ブッシング730は、受け部材704の対応する球状の内表面に係合する球状の外表面を含むことができる。ブッシング730の内表面は、シャンク702のヘッド710に抵抗力を及ぼすように構成された幾何学的形状を有することができる。例えば、ブッシング730の内表面の少なくとも一部は、シャンク702のヘッド710の直径よりも小さい静止直径を有する球面を画定することができる。したがって、シャンク702に組み立てられると、ブッシング730は、シャンクのヘッド710に対して摩擦抵抗力を及ぼすことができ、シャンクのヘッドとブッシングとの間の、例えば軸A3を中心とした多軸運動に抵抗することができる。ブッシング730は、過剰回転阻止特徴部を含むことができる。例えば、ブッシング730は、骨アンカー700の停止特徴部と接触してブッシングの過剰回転を防止するように構成された近位リップ又は近位肩部738を含むことができる。リップ738は、ブッシングの遠位部分の外径よりも大きい外径を有することができる。いくつかの実施形態では、リップ738は、ブッシング730の外表面に形成された溝によって形成され得る。
【0064】
受け部材704内に形成された遠位座は、ブッシング730の近位リップ738によって接触される停止特徴部として作用して、ブッシングの過剰回転を防止することができる。具体的には、ブッシング730が受け部材704に対して、例えば軸A3を中心として、回転限界まで回転すると、リップ738は、遠位座に接触して、受け部材に対するブッシングの更なる回転を防止することができる。
【0065】
サドル718は、第2の抵抗力を供給するために、例えば半径方向外側に拡張するように偏倚され得る。サドル718は、サドルの側壁に形成された1つ以上の割れ目又はスリットを含むことができ、サドルを圧縮して半径方向に拡張することを可能にする。例えば、図示したサドル718は、軸A1に対して斜角で延在する割れ目を含む。サドル718は、受け部材704に係合して第2の抵抗力を供給するように構成された1つ以上の突出部746を含むことができる。突出部746は、受け部材704の内表面に形成された溝又は凹部734内に少なくとも部分的に着座することができる。突出部746は、サドル718のアーム720A、720Bから半径方向外側に突出することができる。サドル718及び、具体的には、突出部746は、凹部734の直径よりも大きい静止直径又は外寸を有することができる。したがって、突出部746は、半径方向外側に偏倚されて、凹部734の横方向側壁740に対してばね力を及ぼすことができる。横方向側壁740は、傾斜する、湾曲する、あるいは別の方法でテーパ状とすることができる。例えば、図示のように、横方向側壁740は、その近位端において、その中央部分の直径よりも小さい直径を有することができる。横方向側壁740は、円錐面によって少なくとも部分的に画定することができる。突出部746が横方向側壁740に対して半径方向外側に拡張すると、サドル718は軸A1に沿って遠位に付勢され得る。したがって、横方向側壁740は、拡張サドル718の半径方向外側に加えられる偏倚力を、サドル718によってブッシング730に、又は、ブッシングが省略される実施形態では、シャンク702のヘッド710に加えられる遠位方向の力に変換するのに有効であり得る。このため、サドル718を遠位側に付勢することにより、ブッシングと受け部材704との間の多軸運動に、例えば軸A3を中心とした回転に抵抗する第2の抵抗力を供給することができる。
【0066】
あるいは、又は加えて、サドル718は、軸A1に沿って長手方向に拡張して第2の抵抗力を供給するように偏倚され得る。サドル718は、サドルの側壁に形成された1つ以上の割れ目又はスリットを含むことができ、サドルを圧縮して長手方向に拡張することを可能にする。例えば、サドル718は、軸A1に対して斜角で延在する割れ目を含み得る。受け部材704に設置されるとき、サドル718の遠位移動は、ブッシング730との、又は、ブッシングが省略される実施形態では、シャンク702のヘッド710との接触によって制限され得る。また、受け部材704に設置されるとき、サドル718の近位移動は、例えば、溝734の近位屋根によって画定される、受け部材のレッジ又は肩部748との接触によって制限され得る。肩部748とブッシング730(又はヘッド710)との間の長手方向間隔は、サドル718の静止長手方向寸法よりも小さてもよい。したがって、肩部748とブッシング730(又はヘッド710)との間に配設されるとき、サドル718はその静止状態から圧縮される。これにより、サドル718の弾性材料特性は、サドルに、軸A1に実質的に沿ってブッシング730(又はヘッド710)に対して遠位偏倚力を及ぼさせることができる。このため、サドル718は、ブッシング730と受け部材704との間の多軸運動に、例えば軸A3を中心とした回転に抵抗する第2の抵抗力を供給することができる。
【0067】
骨アンカー700の構成要素の相対寸法は、所望の抵抗力を達成するように、及び/又は第1の抵抗力及び第2の抵抗力によって加えられる所望の相対的抵抗を達成するように選択され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抵抗力は、例えば、シャンク702がブッシング730に対して最初に移動し、シャンクがブッシングに対して最大角形成に達した後にのみ、ブッシングが受け部材704に対して移動するように、異なって選択され得る。そのような構成は、構造体を不必要に弱めることができる、例えば、軸A3を中心とした、受け部材704に対するブッシング730の過剰回転のリスクを有利に低減することができる。骨アンカー700は、本明細書に記載されるものを含めて、追加的又は代替的な過剰回転阻止特徴部を含むことができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、サドル718は、軸A1を中心とした受け部材704に対するサドルの回転を制限又は防止するための回転止め特徴部を含むことができる。例えば、受け部材704の凹部734は、限られた円周幅を有する対向する第1及び第2の凹部として形成することができ、これにより、凹部内に突出部746を受け取ることは、軸A1を中心とした受け部材に対するサドル718の回転を制限又は防止するのに有効である。突出部746と凹部734との間のこの係合はまた、サドル718を受け部材704内に保持するのに有効であり得る。
【0069】
使用中、骨アンカー700のシャンク702は、公知の技術を使用して骨に打ち込まれ得る。次いで、受け部材704は、例えば、脊椎ロッド706を受け取るように受け部材を暫定的に位置決めするために、シャンク702に対してユーザによって所望される初期位置まで回転され得る。第1及び/又は第2の抵抗力は、構造体をロックする前に、この初期位置に受け部材704を維持することができ、受け部材が「フロッピング」するのを防止することができる。こうして、第1及び第2抵抗力は、ユーザが意図したときに自由な動きを可能にしながらも、骨アンカー700をロックする前の意図しない動きを防止することができる。最終的に、閉止機構708は、アセンブリをロックし、及び/又は受け部材704内に脊椎ロッド706を固定するために、骨アンカー700に適用され得る。
【0070】
図8A図8Hは、1つ以上の抵抗特徴部を備える骨アンカー800の例示的な実施形態を示す。骨アンカー800は、アンカー部分又はシャンク802と、ヘッド又は受け部材804と、締着具又は閉止機構808と、を含むことができる。骨アンカー800はまた、圧縮キャップ又はサドル818を含むことができる。シャンク802、受け部材804、閉止機構808、及びサドル818は、上記の骨アンカー100の対応する構成要素の特徴のうちのいずれかを含むことができる。例えば、図示のように、受け部材804は、シャンク802のヘッド810に多軸に連結され得、間に凹部816を画定する一対の離間したアーム814A、814Bを含むことができる。閉止機構808は、アーム814Aとアーム814Bとの間に位置決め可能で、アーム814A、814Bと係合することができ、受け部材804内で、脊椎固定要素(例えば、脊椎ロッド806)を捕獲し、受け部材に対して脊椎固定要素を固定し、シャンク802に対して受け部材を固定する。受け部材804は、長手方向中心軸A1を含むことができ、シャンク802は、長手方向中心軸A2を含むことができる。シャンク802は、軸A2を中心として受け部材804に対して回転可能であり得る。シャンク802はまた、複数の他の軸、例えば、図示の軸A3などの軸A1に垂直な1つ以上の軸、のうちのいずれかを中心として受け部材804に対して回転可能であり得る。
【0071】
ブッシング830は、第1の抵抗力を供給するために、シャンク802のヘッド810と受け部材804の遠位座との間に配設され得る。ブッシング830は、ブッシングの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための割れ目を含むことができる。割れ目ブッシングが示されているが、ブッシング830は、スリット、切り欠きなどの半径方向の拡張及び圧縮を可能にするための他の特徴部を含むことができる。ブッシング830の外表面は、例えば、ブッシングが、受け部材に対して軸A3を中心として、又は様々な他の軸を中心として回転することができるように、受け部材804の座部内で多軸運動するように構成され得る。例えば、ブッシング830は、受け部材804の対応する球状の内表面に係合する球状の外表面を含むことができる。ブッシング830の内表面は、シャンク802のヘッド810に抵抗力を及ぼすように構成された幾何学的形状を有することができる。例えば、ブッシング830の内表面の少なくとも一部分は、シャンク802のヘッド810の直径よりも小さい静止直径を有する球面を画定することができる。したがって、シャンク802に組み立てられると、ブッシング830は、シャンクのヘッド810に対して摩擦抵抗力を及ぼすことができ、シャンクのヘッドとブッシングとの間の、例えば軸A3を中心とした多軸運動に抵抗することができる。ブッシング830は、過剰回転阻止特徴部を含むことができる。例えば、ブッシング830は、骨アンカー800の停止特徴部と接触してブッシングの過剰回転を防止するように構成された近位リップ又は近位肩部(図示せず)を含むことができる。リップは、ブッシングの遠位部分の外径よりも大きい外径を有することができる。いくつかの実施形態では、リップは、ブッシング830の外表面に形成された溝によって形成され得る。
【0072】
受け部材804内に形成された遠位座は、ブッシング830の近位リップによって接触される停止特徴部として作用して、ブッシングの過剰回転を防止することができる。具体的には、ブッシング830が受け部材804に対して、例えば軸A3を中心として、回転限界まで回転すると、リップは、遠位座に接触して、受け部材に対するブッシングの更なる回転を防止することができる。
【0073】
サドル818は、軸A1に沿って長手方向に拡張して第2の抵抗力を供給するように偏倚され得る。サドル818は、軸A1に沿って構成要素を互いから離れるように付勢するために、近位構成要素818Pと、遠位構成要素818Dと、近位構成要素と遠位構成要素との間に配設された波形ばね又は他の偏倚要素850と、を含むことができる。近位構成要素818Pは、間に脊椎ロッド又は他の固定要素を受け取るように構成された対向するアーム820A、820Bを含むことができる。遠位構成要素818Dは、ブッシング830(又はヘッド810)に接触し、抵抗力を及ぼし、閉止機構808が締め付けられると、受け部材804とシャンク802との間の多軸運動をロックするように構成された支え面を含むことができる。
【0074】
受け部材804に設置されるとき、サドル818の遠位移動は、ブッシング830との、又は、ブッシングが省略される実施形態では、シャンク802のヘッド810との接触によって制限され得る。また、受け部材804に設置されるとき、サドル818の近位移動は、例えば、受け部材のレッジ又は肩部との接触によって、例えば、受け部材の内側側壁から半径方向内側に延在する1つ以上の突出部834によって画定される、受け部材のレッジ又は肩部との接触によって制限され得る。突出部834とブッシング830(又はヘッド810)との間の長手方向間隔は、サドル818の静止長手方向寸法よりも小さくてもよい。したがって、突出部834とブッシング830(又はヘッド810)との間に配設されるとき、波形ばね又は他の偏倚要素850は、その静止状態から圧縮される。これにより、偏倚要素850の弾性材料特性は、サドルに、軸A1に実質的に沿ってブッシング830(又はヘッド810)に対して遠位偏倚力を及ぼさせることができる。このため、サドル818は、ブッシング830と受け部材804との間の多軸運動に、例えば軸A3を中心とした回転に抵抗する第2の抵抗力を供給することができる。
【0075】
骨アンカー800の構成要素の相対寸法は、所望の抵抗力を達成するように、及び/又は第1の抵抗力及び第2の抵抗力によって加えられる所望の相対的抵抗を達成するように選択され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抵抗力は、例えば、シャンク802がブッシング830に対して最初に移動し、シャンクがブッシングに対して最大角形成に達した後にのみ、ブッシングが受け部材804に対して移動するように、異なって選択され得る。そのような構成は、構造体を不必要に弱めることができる、例えば、軸A3を中心とした、受け部材804に対するブッシング830の過剰回転のリスクを有利に低減することができる。骨アンカー800は、本明細書に記載されるものを含めて、追加的又は代替的な過剰回転阻止特徴部を含むことができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、サドル818は、軸A1を中心とした受け部材804に対するサドルの回転を制限又は防止するための回転止め特徴部を含むことができる。例えば、サドル818の各アーム820A、820Bは、軸A1を中心とした受け部材に対するサドル818の回転を制限又は防止するために受け部材804の突出部834が受け取られるキーウェイ844を含むことができる。突出部834とキーウェイ844との間のこの係合はまた、サドル818を受け部材804内に保持するのに有効であり得る。ブッシング830は、組み立て中に、ブッシングが受け部材804の突出部834を越えて遠位に挿入されることを可能にするための1つ以上のレリーフ852を含むことができる。例えば、図8Bに示すように、ブッシング830は、ブッシングの近位端に形成された第1のレリーフ852と、ブッシングの遠位端においてブッシングの反対側に形成された第2レリーフと、を含むことができる。図示されるレリーフ852は、例えば、ブッシング830を回転させることによって、ブッシングの長手方向中心軸が軸A1に対して斜めに角度付けされるように、かつ、レリーフ852が突出部834と位置合わせされるように、ブッシングが突出部834を越えて挿入されることを可能にすることができる。
【0077】
使用中、骨アンカー800のシャンク802は、公知の技術を使用して骨に打ち込まれ得る。次いで、受け部材804は、例えば、脊椎ロッド806を受け取るように受け部材を暫定的に位置決めするために、シャンク802に対してユーザによって所望される初期位置まで回転され得る。第1及び/又は第2の抵抗力は、構造体をロックする前に、この初期位置に受け部材804を維持することができ、受け部材が「フロッピング」するのを防止することができる。こうして、第1及び第2の抵抗力は、ユーザが意図したときに自由な動きを可能にしながらも、骨アンカー800をロックする前の意図しない動きを防止することができる。最終的に、閉止機構808は、アセンブリをロックし、及び/又は受け部材804内に脊椎ロッド806を固定するために、骨アンカー800に適用され得る。
【0078】
図9A図9Bは、ブッシングが骨アンカー900から省略されていることを除いて、上記の骨アンカー500と同じである骨アンカー900を図示する。ブッシングが省略される実施形態では、シャンク902のヘッド910は、別の場合にはブッシングによって占有されることになる受け部材内の空間を占有するように拡大することができる。ブッシングを省略した骨アンカー500のバージョンが図9A図9Bに示されているが、ブッシングは、本明細書に開示されている他の骨アンカーのいずれか、例えば骨アンカー200、300、400、600、700、800からも省略され得ることが理解されよう。
【0079】
本明細書に開示される骨アンカーのうちいずれかは、抵抗力を供給するための代替的又は追加的な特徴を含むことができる。例えば、図10に示すように、いくつかの実施形態では、サドル1018は、ブッシング(又はブッシングが省略される実施形態ではヘッド)に対抗するために、そこから遠位に延在する突出部1054を含むことができる。突出部1054は、サドルに穴を開け、ロッド又はピン1052を穴に挿通することによって形成することができ、それにより、ロッドは、サドル1018の遠位面の盛り上がりに着座する。ロッド1052の突出部分1054は、骨アンカーをロックする前に、ブッシング又はシャンクのヘッドに対して対抗して、それに抵抗力を加えることができる。ロッド1052は、PEEK又は他のポリマーなどの圧縮性材料から形成することができ、それにより、ロッドは、閉止機構が受け部材に締め付けられたときにロックと干渉しないように、邪魔にならないよう圧縮する。
【0080】
抵抗リング又はクリップを含む実施形態では、抵抗リングの幾何学的形状は、所望の又は最適な抵抗力を達成するように選択することができる。例えば、受け部材の長手方向又は近位~遠位軸に沿って抵抗リングの高さを増大させることは、有利なことに、より滑らかな抵抗作用を提供し、より低い高さを有する抵抗リングで生じ得るスキップ及びキャッチを低減することができる。また、抵抗リングの高さを増大させ、幅を小さくすることにより、受け部材内に形成された溝の対応する変更を可能にすることができる。より高くより浅い溝は、より短くより深い溝よりも受け部材の構造を弱める可能性が少ない。
【0081】
いくつかの実施形態では、抵抗リングは、受け部材の長手方向中心軸に平行な高さ寸法、抵抗リングの近位面から抵抗リングの遠位面まで延在する高さ寸法、及び、高さ寸法に垂直な幅寸法、抵抗リングの内面から抵抗リングの外面まで延在する幅寸法、を有する。高さ寸法と幅寸法との比は、少なくとも2:1であり得る。高さ寸法と幅寸法との比は、少なくとも3:1であり得る。高さ寸法と幅寸法との比は、少なくとも4:1であり得る。図4A図4Bを再び参照すると、リング432が、高さ対幅アスペクト比(H:W)約3.5:1を有する、実施形態が示されている。
【0082】
本明細書に開示される骨アンカーうちのいずれかは、抵抗特徴部、過剰回転阻止特徴部、又はその両方を含み得る。本明細書に開示される骨アンカーのうちのいずれかは、開示された抵抗特徴部を省略し、開示された過剰回転阻止特徴部を含むことができる。本明細書に開示される骨アンカーのうちのいずれかは、開示された抵抗特徴部を含み、開示された過剰回転阻止特徴部を省略することができる。本開示を考慮することで当業者によって容易に理解されるように、開示される特徴部の様々な他の組み合わせが含まれるか、又は省略されてもよい。
【0083】
本明細書に開示される骨アンカーを使用する例示的な方法が、以下に記載される。例示的な方法は、骨アンカー200に関して説明されているが、本明細書に開示される他の骨アンカーは、同じ又は同様の様態で使用され得ることが理解されよう。骨アンカー200は、部分的に分解された状態で手術のために提供することができ、あるいは事前に組み立てることができる。
【0084】
骨アンカー200は、公知の技術を使用して、患者内の標的骨部位に送達させ、所望の軌道に沿って所望の深さまで打ち込むことができる。閉止機構208を骨アンカー200に取り付ける及び/又は締め付ける前に、受け部材204は、シャンク202に対して所望の向きに位置決めされ得る。例えば、受け部材204は、ブッシング230を中心にして多軸方向に回転することができ、及び/又はブッシング230は、シャンク202のヘッド210を中心にして多軸方向に回転することができる。閉止機構208を骨アンカー200に取り付ける及び/又は締め付ける前に、受け部材204は、例えば、リング232とブッシング230との間の抵抗力を介して、及び/又はブッシングとヘッド210との間の抵抗力を介して、所望の向きに維持することができる。
【0085】
骨アンカー200は、インプラントを骨に固定するために使用することができる。例えば、図2Aに示すように、脊椎ロッド206は受け部材200のロッド受け凹部216に挿入することができる。ロッド206が、受け部材204内に完全に着座されロックされる前には、シャンク202は、受け部材に対して可動のままであり得、例えば、抵抗力を克服するのに十分な力を入力することによって、抵抗力は、ユーザによって具体的に意図されたときに自由な動きを可能にしながら、意図しない動きに抵抗する。止めねじ又は他の閉止機構208が、ロッド206及びサドル218を受け部材に対して遠位に付勢し、それによって骨アンカー200をロックするために、受け部材204に適用され得る。具体的には、閉止機構208を適用することは、シャンク202に対する受け部材204の動きをロックするのに有効であり得る。閉止機構208を適用することは、受け部材204に対するロッド206の動きをロックするのにも有効であり得る。上述したように、二重止めねじ又は他の構造体を使用して、受け部材204に対するシャンク202の動きと、受け部材に対するロッド206の動きとを、独立してロックすることができる。
【0086】
上記の説明若しくは添付図面において表現された又は示唆された方法工程の任意の順序は、その順序で工程を実施することに開示された方法を限定するものと解釈すべきではないことに留意すべきである。むしろ、本明細書で開示された方法のそれぞれの様々な工程は、任意の様々な順序で行うことができる。更に、説明された方法は、例示的な実施形態に過ぎず、追加の工程を含む、又はより少ない工程を含む、様々な他の方法も本開示の範囲内である。
【0087】
本明細書で図示及び説明される装置及び方法は、概して脊椎ロッドを脊椎骨に取り付けることを含むが、本明細書の装置及び方法は、任意の骨、非骨組織、又は非生物若しくは非組織対象物内で、様々な他のタイプの固定化又は安定化機器と共に使用することができることが理解されよう。本明細書に開示される骨アンカー及び他のインプラントは、完全にインプラントすることもでき、あるいは外部固定化又は安定化システムの一部として使用することができる。本明細書で開示された装置及び方法は、最小侵襲性手術及び/又は切開手術で用いることができる。
【0088】
本明細書で開示される装置及びそれらの様々な構成要素部品は、様々な既知の材料のいずれかから構築することができる。例示的な材料は、例えば、ステンレス鋼、チタン、コバルトクロム、又はそれらの合金などの金属、PEEKなどのポリマー、セラミックス、炭素繊維、等々、を含む、外科用途で使用するのに適した材料を含む。本明細書で開示された装置の様々な構成要素は、剛性又は可撓性であり得る。装置の1つ以上の構成要素又は部分は、蛍光透視法及び他の画像処理技法の下での視覚化を容易にするために、放射線不透過性材料から形成することができ、あるいは他の構造物の可視化を干渉しないように放射線透過性材料から形成することができる。例示的な放射線透過性の材料としては、炭素繊維及び高強度のポリマーが挙げられる。
【0089】
以上、特定の実施形態を記載したが、記載された概念の趣旨及び範囲内で多くの変更がなされ得る点を理解されたい。
【0090】
〔実施の態様〕
(1) 骨アンカーであって、
空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、前記受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、
前記空洞内に配設されたブッシングと、
前記ブッシング内に保持されたヘッド部分と、前記受け部材から遠位に突出する骨係合部分と、を有する、シャンクと、
前記ブッシングに摩擦力を加える抵抗リングであって、前記抵抗リングは、前記受け部材内に形成された溝内に配設されている、抵抗リングと、
を備える、骨アンカー。
(2) 前記シャンクの前記ヘッド部分は、前記ブッシングに対して回転可能であり、前記ブッシングは、前記シャンクの前記ヘッドに摩擦力を及ぼす、実施態様1に記載の骨アンカー。
(3) (i)前記ブッシングに対する前記シャンクの前記ヘッド部分の回転を防止し、(ii)前記受け部材に対する前記ブッシングの回転を防止するために、前記受け部材に適用されるように構成された締着具を更に備える、実施態様1に記載の骨アンカー。
(4) 前記ブッシングは、過剰回転阻止特徴部を含む、実施態様1に記載の骨アンカー。
(5) 前記阻止特徴部は、前記ブッシングの近位端に形成されたリップを備え、前記リップは、前記抵抗リングに接触して、前記受け部材に対する前記ブッシングの回転を制限するように構成されている、実施態様4に記載の骨アンカー。
【0091】
(6) 前記抵抗リングは、前記受け部材の前記長手方向中心軸に対して斜角で配向された傾斜した遠位向き表面を有する、実施態様5に記載の骨アンカー。
(7) 前記抵抗リングは、前記受け部材の前記長手方向中心軸に垂直に配向された平面状の近位向き表面を有する、実施態様6に記載の骨アンカー。
(8) 前記阻止特徴部は、前記ブッシングの近位端に形成されたリップを備え、前記リップは、前記受け部材の前記溝に接触して、前記受け部材に対する前記ブッシングの回転を制限するように構成されている、実施態様4に記載の骨アンカー。
(9) 前記阻止特徴部は、前記ブッシングの近位端に形成されたリップを備え、前記リップは、前記受け部材の遠位座に接触して、前記受け部材に対する前記ブッシングの回転を制限するように構成されている、実施態様4に記載の骨アンカー。
(10) 前記ブッシングに近位に前記空洞内に配設されたサドルを更に備え、前記サドルは、遠位向き表面を含み、抵抗ピンがそこから遠位に延在する、実施態様1に記載の骨アンカー。
【0092】
(11) 骨アンカーであって、
空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、前記受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、
前記空洞内に配設されたサドルと、
前記サドルに遠位に前記空洞内に配設されたヘッド部分と、前記受け部材から遠位に突出する骨係合部分と、を有する、シャンクと、
を備え、前記サドルは、前記シャンクに抵抗力を及ぼすように遠位に偏倚される、
骨アンカー。
(12) 前記シャンクは、前記ヘッド部分が配設されるブッシングを含み、前記サドルは、前記ブッシングに前記抵抗力を及ぼす、実施態様11に記載の骨アンカー。
(13) 前記骨アンカーは、前記サドル内に形成された第1の溝内に、かつ、前記受け部材内に形成された第2の溝内に、部分的に配設されたリングを含み、前記リングは、前記サドルを前記受け部材に対して遠位に付勢するように、前記第1及び第2の溝のうちの1つの傾斜面に対して偏倚される、実施態様11に記載の骨アンカー。
(14) 前記サドルは、間にロッド受け凹部を画定する第1及び第2のアームを含む、実施態様11に記載の骨アンカー。
(15) 前記第1及び第2のアームは、前記受け部材の前記長手方向中心軸を中心とした前記受け部材に対する前記サドルの回転を制限するために、前記受け部材の対応する凹部内に受け取られた突出部を含む、実施態様14に記載の骨アンカー。
【0093】
(16) 前記第1及び第2のアームは、前記受け部材に対して遠位に前記サドルを付勢するように、前記受け部材の傾斜面に対して偏倚される耳部を含む、実施態様14に記載の骨アンカー。
(17) 前記耳部は、前記アームの弾性材料特性によって偏倚される、実施態様16に記載の骨アンカー。
(18) 前記耳部は、前記サドルの半径方向の拡張によって偏倚される、実施態様16に記載の骨アンカー。
(19) 前記サドルは、前記半径方向の拡張を容易にするための割れ目を含む、実施態様18に記載の骨アンカー。
(20) 前記サドルは、前記受け部材に対して遠位に前記サドルを付勢するように長手方向に拡張可能である、実施態様11に記載の骨アンカー。
【0094】
(21) 前記サドルは、近位部分及び遠位部分と、前記近位部分及び前記遠位部分を互いに離れるように付勢して、前記サドルを長手方向に拡張するように構成された偏倚要素と、を含む、実施態様20に記載の骨アンカー。
(22) 前記偏倚要素は、波形ばねを含む、実施態様21に記載の骨アンカー。
(23) 前記受け部材は、前記サドルの前記近位部分と接触する近位肩部を含み、それにより、前記偏倚要素は、前記サドルの前記遠位部分を前記受け部材に対して遠位に付勢する、実施態様21に記載の骨アンカー。
(24) 前記サドルは、遠位向き表面を含み、抵抗ピンがそこから遠位に延在する、実施態様11に記載の骨アンカー。
(25) 骨アンカーであって、
空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、前記受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、
前記空洞内に配設されたブッシングであって、前記ブッシングは、前記空洞内で多軸回転可能であり、前記ブッシングは、前記多軸回転を制限するために前記骨アンカーの構成要素に接触するように構成された外部リップを有する、ブッシングと、
前記ブッシング内に保持されたヘッド部分と、前記受け部材から遠位に突出する骨係合部分と、を有するシャンクであって、前記シャンクの前記ヘッド部分は、前記ブッシングに対して多軸回転可能である、シャンクと、
を備える、骨アンカー。
【0095】
(26) 前記骨アンカーの前記構成要素は、前記受け部材内に形成された溝内に受け取られたリングを含む、実施態様25に記載の骨アンカー。
(27) 前記リングは、前記受け部材の前記長手方向中心軸に対して斜角で配向された傾斜した遠位向き表面を有する、実施態様26に記載の骨アンカー。
(28) 前記リングは、前記受け部材の前記長手方向中心軸に垂直に配向された平面状の近位向き表面を有する、実施態様27に記載の骨アンカー。
(29) 前記骨アンカーの前記構成要素は、前記受け部材内に形成された溝の床を含む、実施態様25に記載の骨アンカー。
(30) 前記骨アンカーの前記構成要素は、前記受け部材の遠位座を含む、実施態様25に記載の骨アンカー。
【0096】
(31) 骨アンカーであって、
空洞及びロッド受け凹部を画定する受け部材であって、前記受け部材は、近位端及び遠位端並びに長手方向中心軸を有する、受け部材と、
前記空洞内に配設されたヘッド部分と、前記受け部材から遠位に突出する骨係合部分と、を有するシャンクと、
前記シャンクに摩擦力を加えて、前記受け部材に対する前記シャンクの回転に抵抗する抵抗リングと、
を備え、前記抵抗リングは、前記受け部材の前記長手方向中心軸に平行な高さ寸法を有し、前記高さ寸法は、前記抵抗リングの近位面から前記抵抗リングの遠位面まで延在し、
前記抵抗リングは、前記高さ寸法に垂直な幅寸法を有し、前記幅寸法は、前記抵抗リングの内面から前記抵抗リングの外面まで延在し、
前記高さ寸法と前記幅寸法との比は、少なくとも2:1である、
骨アンカー。
(32) 前記高さ寸法と前記幅寸法との前記比は、少なくとも4:1である、実施態様31に記載の骨アンカー。
(33) 外科的方法であって、
骨アンカーのシャンク部分を患者の骨に打ち込むことと、
前記骨アンカーの受け部材を、前記シャンク部分に対して所望の位置に位置決めすることと、
前記受け部材と前記シャンクとの間の動きをロックするために、前記骨アンカーの締着具を締め付けることと、
前記締着具を締め付ける前に、前記シャンク部分のヘッドが配設されるブッシングに対して抵抗リングによって及ぼされる抵抗力によって、前記受け部材を前記所望の位置に保持することと、
を含む、外科的方法。
(34) 前記受け部材を保持することは、前記シャンク部分の前記ヘッドに対して前記ブッシングによって及ぼされる抵抗力によって前記受け部材を保持することを含む、実施態様33に記載の方法。
(35) 外科的方法であって、
骨アンカーのシャンク部分を患者の骨に打ち込むことと、
前記骨アンカーの受け部材を、前記シャンク部分に対して所望の位置に位置決めすることと、
前記受け部材と前記シャンクとの間の動きをロックするために、前記骨アンカーの締着具を締め付けることと、
前記締着具を締め付ける前に、前記骨アンカーの偏倚サドルによって及ぼされる抵抗力によって、前記受け部材を前記所望の位置に保持することと、
を含む、外科的方法。
【0097】
(36) 前記受け部材を保持することは、前記シャンク部分のヘッドに対して前記骨アンカーのブッシングによって及ぼされる抵抗力によって、前記受け部材を保持することを含む、実施態様35に記載の方法。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図9A
図9B
図10