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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】検出装置及びロボット集塵機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20240205BHJP
   B25J 19/02 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
A47L9/28 E
B25J19/02
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020016619
(22)【出願日】2020-02-03
(65)【公開番号】P2021122395
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小浦 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】住吉 宏太伽
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-057846(JP,A)
【文献】国際公開第2019/097626(WO,A1)
【文献】特開2017-000252(JP,A)
【文献】登録実用新案第3211582(JP,U)
【文献】国際公開第2018/225172(WO,A1)
【文献】特開平05-039113(JP,A)
【文献】特開2019-069298(JP,A)
【文献】特開2004-223703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/28
B25J 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃対象面を自律走行するロボット集塵機に設けられ、回転軸を中心に回転する光学センサを備える検出装置であって、
前記光学センサの少なくとも一部を覆うように配置され前記光学センサに対して変位する表面を有し、前記ロボット集塵機の本体の上面よりも上方に配置されるカバー部材を備え、
前記カバー部材は、本体部材と、前記回転軸を中心に前記本体部材と相対回転することにより、前記回転軸に平行な上下方向に変位するアジャスタ部材と、を含み、
前記光学センサに対して変位する前記表面は、前記アジャスタ部材の表面を含み、
前記アジャスタ部材が上下方向に変位することにより、前記カバー部材の高さが第1高さと前記第1高さよりも高い第2高さとに変化し、
狭隘部を形成する物体の下面の高さが、前記第1高さに調整された前記カバー部材の高さと近似する場合、前記カバー部材の高さが前記第2高さに変更され、
前記物体の下面の高さが、前記第2高さに調整された前記カバー部材の高さと近似する場合、前記カバー部材の高さが前記第1高さに変更される、
検出装置。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記アジャスタ部材の回転を規制して、前記カバー部材の高さを前記第1高さに維持する第1回転規制機構と、前記カバー部材の高さを前記第2高さに維持する第2回転規制機構と、を有する、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記本体部材は、前記光学センサよりも上方に配置されるカバー部と、前記光学センサの周囲の少なくとも一部に配置され前記カバー部を支持する脚部とを有し、
前記アジャスタ部材は、前記カバー部に支持された状態で変位することを特徴とする、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記本体部材は、外周面と、外周面に設けられたガイド部とを有し、
前記アジャスタ部材は、前記外周面に対向する内周面と、前記内周面に設けられ前記ガイド部にガイドされるスライド部とを有することを特徴とする、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項5】
前記ガイド部は、前記回転軸に直交する下側水平部と、前記下側水平部よりも上方に配置される上側水平部と、前記下側水平部と前記上側水平部とを結ぶ接続部とを有することを特徴とする、
請求項4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記回転軸の周方向において、前記下側水平部と前記上側水平部とは異なる位置に配置される、
請求項5に記載の検出装置。
【請求項7】
前記接続部は、前記回転軸に対して傾斜することを特徴とする、
請求項6に記載の検出装置。
【請求項8】
前記回転軸の周方向において、前記下側水平部と前記上側水平部の少なくとも一部は同じ位置に配置されることを特徴とする、
請求項5に記載の検出装置。
【請求項9】
前記接続部は、前記回転軸に平行であることを特徴とする、
請求項8に記載の検出装置。
【請求項10】
前記ガイド部は、前記外周面に設けられたガイド溝であり、
前記スライド部は、前記内周面に設けられたスライド突起部であり、
前記本体部材は、前記下側水平部に設けられる下側突起部と、前記上側水平部に設けられる上側突起部とを有することを特徴とする、
請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項11】
前記下側突起部は、前記下側水平部の端部との間で前記スライド突起部の移動を規制し、
前記上側突起部は、前記上側水平部の端部との間で前記スライド突起部の移動を規制することを特徴とする、
請求項10に記載の検出装置。
【請求項12】
前記ガイド溝は、前記回転軸の周方向に複数設けられ、
前記下側突起部及び前記上側突起部は、一部の前記ガイド溝に設けられることを特徴とする、
請求項10又は請求項11に記載の検出装置。
【請求項13】
前記本体部材は、前記外周面の上端部に接続される上面と、前記上面の周縁部と前記ガイド溝の少なくとも一部とを結ぶように前記外周面に設けられ前記スライド突起部が移動可能な着脱溝とを有することを特徴とする、
請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項14】
前記着脱溝に設けられる着脱突起部を有することを特徴とする、
請求項13に記載の検出装置。
【請求項15】
前記着脱突起部は、前記ガイド溝に配置されている前記スライド突起部が前記着脱溝の外側に移動することを規制することを特徴とする、
請求項14に記載の検出装置。
【請求項16】
前記着脱溝は、前記回転軸の周方向に複数設けられ、
前記着脱突起部は、一部の前記着脱溝に設けられることを特徴とする、
請求項14又は請求項15に記載の検出装置。
【請求項17】
前記カバー部材は、前記アジャスタ部材の少なくとも一部を覆うように前記アジャスタ部材に接続される緩衝部材を備え、
前記光学センサに対して変位する前記表面は、前記緩衝部材の表面を含むことを特徴とする、
請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項18】
前記カバー部材の表面は、前記回転軸の径方向に変位することを特徴とする、
請求項1に記載の検出装置。
【請求項19】
汎用バッテリが装着されるバッテリ装着部と、
請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の検出装置と、を備えることを特徴とする、
ロボット集塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出装置及びロボット集塵機に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃作業において、ロボット集塵機が使用される。ロボット集塵機は、周囲の物体を検出する検出装置を備える。検出装置の少なくとも一部は、ロボット集塵機の本体の上面から上方に突出する。ロボット集塵機は、検出装置により周囲の物体を検出しながら自律走行する。検出装置の少なくとも一部が本体の上面から上方に突出することにより、検出装置は、本体の周囲の物体を検出することができる。特許文献1には、センサ組立体を有する掃除機ロボットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-223703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自律走行するロボット集塵機が、清掃現場の狭隘部に進入する可能性がある。狭隘部として棚の下の空間が例示される。ロボット集塵機が狭隘部に進入すると、検出装置が狭隘部の内面に引っ掛かる可能性がある。検出装置が狭隘部の内面に引っ掛かると、ロボット集塵機は、狭隘部から脱出することが困難となる。
【0005】
本開示は、検出装置が清掃現場の狭隘部の内面に引っ掛かることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、回転軸を中心に回転する光学センサを備える検出装置であって、前記光学センサの少なくとも一部を覆うように配置され前記光学センサに対して変位する表面を有するカバー部材を備えることを特徴とする、検出装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、検出装置が清掃現場の狭隘部の内面に引っ掛かることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す上面図である。
図3図3は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す底面図である。
図4図4は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示す側面図である。
図5図5は、第1実施形態に係るロボット集塵機を示すブロック図である。
図6図6は、第1実施形態に係る検出装置を示す斜視図である。
図7図7は、第1実施形態に係る検出装置の一部を示す斜視図である。
図8図8は、第1実施形態に係る光学センサを示す斜視図である。
図9図9は、第1実施形態に係る光学センサを示す断面図である。
図10図10は、第1実施形態に係るカバー部材を示す前方からの斜視図である。
図11図11は、第1実施形態に係るカバー部材を示す前方からの分解斜視図である。
図12図12は、第1実施形態に係るカバー部材を示す後方からの分解斜視図である。
図13図13は、第1実施形態に係るアジャスタ部材を示す斜視図である。
図14図14は、第1実施形態に係るアジャスタ部材を示す断面図である。
図15図15は、第1実施形態に係る本体部材を示す側面図である。
図16図16は、第1実施形態に係るカバー部材の動作を示す図である。
図17図17は、第1実施形態に係る検出装置の効果を説明するための図である。
図18図18は、第1実施形態に係る検出装置の効果を説明するための図である。
図19図19は、第2実施形態に係るカバー部材を示す前方からの分解斜視図である。
図20図20は、第2実施形態に係るカバー部材を示す後方からの分解斜視図である。
図21図21は、第2実施形態に係るアジャスタ部材を示す斜視図である。
図22図22は、第2実施形態に係るアジャスタ部材を示す断面図である。
図23図23は、第2実施形態に係る本体部材を示す側面図である。
図24図24は、第2実施形態に係るカバー部材の動作を示す図である。
図25図25は、第3実施形態に係るカバー部材を示す側面図である。
図26図26は、第3実施形態に係る検出装置の効果を説明するための図である。
図27図27は、第4実施形態に係るカバー部材を示す模式図である。
図28図28は、第4実施形態に係るカバー部材を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、ロボット集塵機1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0011】
[第1実施形態]
<ロボット集塵機>
図1は、実施形態に係るロボット集塵機1を示す斜視図である。図2は、実施形態に係るロボット集塵機1を示す上面図である。図3は、実施形態に係るロボット集塵機1を示す底面図である。図4は、実施形態に係るロボット集塵機1を示す側面図である。図5は、実施形態に係るロボット集塵機1を示すブロック図である。
【0012】
ロボット集塵機1は、清掃対象面FLを自律走行しながら集塵する。図1図2図3図4、及び図5に示すように、ロボット集塵機1は、本体2と、バンパ3と、バッテリ装着部4と、吸引ファン5と、吸引モータ6と、キャスタ7と、ローラ8と、走行装置12と、メインブラシ13と、メインブラシモータ14と、サイドブラシ15と、サイドブラシモータ16と、ハンドル17と、障害物センサ19と、インタフェース装置20と、検出装置30と、制御装置100とを備える。
【0013】
本体2は、上面2Aと、清掃対象面FLに対向する底面2Bと、上面2Aの周縁部と底面2Bの周縁部とを結ぶ側面2Cとを有する。上面2Aに平行な面内において、本体2の外形は、実質的に円形状である。
【0014】
本体2は、内部空間を有するハウジング11を含む。ハウジング11は、上ハウジング11Aと、上ハウジング11Aよりも下方に配置され、上ハウジング11Aに接続される下ハウジング11Bと、上ハウジング11Aに開閉可能に装着されるカバープレート11Cと、下ハウジング11Bに装着されるボトムプレート11Dとを含む。上面2Aは、上ハウジング11A及びカバープレート11Cに配置される。底面2Bは、下ハウジング11B及びボトムプレート11Dに配置される。
【0015】
ハウジング11は、底面2Bに吸込口18を有する。吸込口18は、ボトムプレート11Dに設けられる。吸込口18は、底面2Bの前部に設けられる。吸込口18は、清掃対象面FLに対向する。吸込口18は、清掃対象面FLの塵埃を吸い込む。
【0016】
バンパ3は、側面2Cの少なくとも一部に対向した状態で移動可能である。バンパ3は、本体2に移動可能に支持される。バンパ3は、側面2Cの前部に対向する。バンパ3は、ロボット集塵機1の周囲に存在する物体に衝突したとき、本体2に対して移動することにより、本体2に作用する衝撃を緩和する。
【0017】
バッテリ装着部4は、バッテリBTを支持する。バッテリBTは、バッテリ装着部4に装着される。バッテリ装着部4は、本体2の外面の少なくとも一部に設けられる。上ハウジング11Aの後部に凹部が設けられる。バッテリ装着部4は、上ハウジング11Aの凹部の内側に設けられる。バッテリ装着部4は、2つ設けられる。
【0018】
バッテリBTは、バッテリ装着部4に装着された状態で、ロボット集塵機1に搭載されている電気機器又は電子機器に電力を供給する。バッテリBTは、種々の電気機器の電源として使用可能な汎用バッテリである。バッテリBTは、電動工具の電源として使用可能である。バッテリBTは、電動工具以外の電気機器の電源として使用可能である。バッテリBTは、実施形態に係るロボット集塵機1とは別の集塵機の電源として使用可能である。バッテリBTは、リチウムイオンバッテリを含む。バッテリBTは、充電可能な充電式バッテリである。バッテリ装着部4は、電動工具のバッテリ装着部と同等の構造を有する。
【0019】
ロボット集塵機1の使用者は、ハウジング11の外部空間において、バッテリ装着部4にバッテリBTを装着する作業及びバッテリ装着部4からバッテリBTを外す作業を実施することができる。バッテリ装着部4は、装着されるバッテリBTをガイドするガイド部材と、バッテリBTに設けられているバッテリ端子に接続される本体端子とを有する。ロボット集塵機1の使用者は、バッテリBTを上方からバッテリ装着部4に挿入することにより、バッテリBTをバッテリ装着部4に装着することができる。バッテリBTは、ガイド部材にガイドされながらバッテリ装着部4に挿入される。バッテリBTがバッテリ装着部4に装着されることにより、バッテリBTのバッテリ端子とバッテリ装着部4の本体端子とが電気的に接続される。ロボット集塵機1の使用者は、バッテリBTを上方に移動することにより、バッテリ装着部4からバッテリBTを外すことができる。
【0020】
吸引ファン5は、回転することにより、塵埃を吸引するための吸引力を吸込口18に発生させる。吸引ファン5は、ハウジング11の内部空間に配置される。
【0021】
吸引モータ6は、吸引ファン5を回転させる動力を発生する。吸引モータ6は、ハウジング11の内部空間に配置される。
【0022】
キャスタ7及びローラ8のそれぞれは、本体2を移動可能に支持する。キャスタ7及びローラ8のそれぞれは、本体2に回転可能に支持される。キャスタ7は、底面2Bの後部に2つ設けられる。一方のキャスタ7は、本体2の左部に設けられる。他方のキャスタ7は、本体2の右部に設けられる。ローラ8は、底面2Bの前部に1つ設けられる。
【0023】
走行装置12は、本体2を前方及び後方の少なくとも一方に移動させる。走行装置12は、車輪9及び車輪モータ10を含む。
【0024】
車輪9は、本体2を移動可能に支持する。車輪9は、回転軸AXを中心に回転する。回転軸AXは、左右方向に延伸する。車輪9の少なくとも一部は、底面2Bから下方に突出する。車輪9が清掃対象面FLに設置された状態において、本体2の底面2Bと清掃対象面FLとは、間隙を介して対向する。車輪9は、2つ設けられる。一方の車輪9は、本体2の左部に設けられる。他方の車輪9は、本体2の右部に設けられる。
【0025】
車輪モータ10は、車輪9を回転させる動力を発生する。車輪モータ10は、バッテリBTから供給される電力により駆動する。車輪モータ10は、ハウジング11の内部空間に配置される。車輪モータ10は、2つ設けられる。一方の車輪モータ10は、本体2の左部に設けられている車輪9を回転させる動力を発生する。他方の車輪モータ10は、本体2の右部に設けられている車輪9を回転させる動力を発生する。車輪9が回転することにより、ロボット集塵機1は自律走行する。
【0026】
車輪モータ10は、車輪9の回転方向を変更可能である。車輪9が一方向に回転することにより、ロボット集塵機1は前進する。車輪9が他方向に回転することにより、ロボット集塵機1は後進する。2つの車輪モータ10は、異なる駆動量で駆動可能である。2つの車輪モータ10が異なる駆動量で駆動することにより、ロボット集塵機1は旋回する。
【0027】
メインブラシ13は、吸込口18に配置される。メインブラシ13は、清掃対象面FLに対向する。メインブラシ13は、左右方向に延伸する回転軸を中心に回転する。メインブラシ13は、本体2に回転可能に支持される。メインブラシ13は、メインブラシ13の少なくとも一部が底面2Bから下方に突出するように、本体2に支持される。車輪9が清掃対象面FLに設置された状態において、メインブラシ13の少なくとも一部は、清掃対象面FLに接触する。
【0028】
メインブラシモータ14は、メインブラシ13を回転させる動力を発生する。メインブラシモータ14は、バッテリBTから供給される電力により駆動する。メインブラシモータ14は、ハウジング11の内部空間に配置される。メインブラシモータ14の駆動により、メインブラシ13が回転する。メインブラシ13が回転することにより、清掃対象面FLに存在する塵埃が掻き上げられ、吸込口18から吸い込まれる。
【0029】
サイドブラシ15は、底面2Bの前部に配置される。サイドブラシ15は、清掃対象面FLに対向する。サイドブラシ15の少なくとも一部は、本体2よりも前方に配置される。サイドブラシ15は、2つ設けられる。一方のサイドブラシ15は、吸込口18よりも左方に設けられる。他方のサイドブラシ15は、吸込口18よりも右方に設けられる。サイドブラシ15は、円板部材15Dと、円板部材15Dに放射状に接続された複数のブラシ15Bとを有する。円板部材15Dは、本体2に回転可能に支持される。円板部材15Dは、ブラシ15Bの少なくとも一部が側面2Cよりも外側に突出するように、本体2に支持される。車輪9が清掃対象面FLに設置された状態において、サイドブラシ15の少なくとも一部は、清掃対象面FLに接触する。
【0030】
サイドブラシモータ16は、サイドブラシ15を回転させる動力を発生する。サイドブラシモータ16は、バッテリBTから供給される電力により駆動する。サイドブラシモータ16は、ハウジング11の内部空間に配置される。サイドブラシモータ16の駆動により、サイドブラシ15が回転する。サイドブラシ15が回転することによって、本体2の周囲の清掃対象面FLに存在する塵埃が吸込口18に移動する。
【0031】
ハンドル17は、上ハウジング11Aの前部に設けられる。ハンドル17の一端部及び他端部のそれぞれは、上ハウジング11Aに回動可能に連結される。ロボット集塵機1の使用者は、ハンドル17を保持してロボット集塵機1を持ち上げることができる。ロボット集塵機1の使用者は、ロボット集塵機1を持ち運びすることができる。
【0032】
インタフェース装置20は、カバープレート11Cの後部に配置される。インタフェース装置20は、ロボット集塵機1の使用者に操作される複数の操作部及び複数の表示部を有する。インタフェース装置20の操作部として、電源ボタン20Aが例示される。インタフェース装置20の表示部として、バッテリBTの残量表示部20Bが例示される。
【0033】
障害物センサ19は、ロボット集塵機1の周囲の少なくとも一部に存在する物体を非接触で検出する。障害物センサ19は、超音波を射出して物体を検出する超音波センサ(Ultrasonic Sensor)を含む。障害物センサ19は、本体2の側面2Cに間隔をあけて複数設けられる。制御装置100は、障害物センサ19の検出データに基づいて、本体2又はバンパ3と物体とが接触しないように、車輪モータ10を制御して、走行装置12の進行方向を変更したり走行を停止したりする。なお、制御装置100は、本体2又はバンパ3と物体とが接触した後、走行装置12の進行方向を変更したり走行を停止したりしてもよい。
【0034】
<検出装置>
図6は、実施形態に係る検出装置30を示す斜視図である。図1図2図4、及び図6に示すように、検出装置30は、上ハウジング11Aに支持される。検出装置30は、上ハウジング11Aの後部に配置される。
【0035】
検出装置30の少なくとも一部は、ハウジング11の内部空間に配置される。上ハウジング11Aの一部に開口11Mが形成される。検出装置30の少なくとも一部は、開口11Mの内側に配置される。
【0036】
検出装置30は、回転軸BXを中心に回転する光学センサ40と、光学センサ40の少なくとも一部を覆うように配置され光学センサ40に対して変位する表面60を有するカバー部材50Aとを備える。
【0037】
光学センサ40は、検出光を射出して本体2の周囲の物体を非接触で検出する。実施形態において、光学センサ40は、レーザ光を射出することにより物体を検出するレーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)を含む。なお、光学センサ40は、赤外光を射出することにより物体を検出する赤外線センサ又は電波を射出することにより物体を検出するレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)を含んでもよい。
【0038】
図7は、実施形態に係る検出装置30の一部を示す斜視図である。図7は、図6からカバー部材50Aを外した図に相当する。図8は、実施形態に係る光学センサ40を示す斜視図である。図9は、実施形態に係る光学センサ40を示す断面図である。
【0039】
図7図8、及び図9に示すように、光学センサ40は、回転軸BXを中心に回転する回転体41と、回転体41に設けられる発光器42と、回転体41に設けられる受光器43と、回転体41を回転可能に支持する支持部材46とを有する。
【0040】
回転体41は、天板部41Aと、側板部41Bと、保持板部41Cとを有する。天板部41Aと側板部41Bと保持板部41Cとにより、回転体41の内部空間が規定される。発光器42及び受光器43のそれぞれは、回転体41の内部空間に配置される。天板部41Aは、発光器42及び受光器43の上方に配置される。側板部41Bは、発光器42及び受光器43の周囲に配置される。側板部41Bは、発光器42から射出される検出光が通過する第1開口41Dと、受光器43に入射する検出光が通過する第2開口41Eとを有する。保持板部41Cは、天板部41A及び側板部41Bの下方に配置される。発光器42及び受光器43のそれぞれは、保持板部41Cに保持される。
【0041】
回転体41は、発光器42及び受光器43を保持した状態で回転する。回転体41の回転軸BXは、本体2の上面2Aに直交する。回転軸BXは、上下方向に延伸する。回転軸BXに直交する断面において、回転体41の外形は、円形状である。実施形態において、回転体41は、図9の矢印RTで示す規定の回転方向に回転する。
【0042】
発光器42は、回転体41に保持される。発光器42は、検出光を射出する。発光器42は、検出光としてレーザ光を射出する。発光器42は、検出光が射出される発光面44を有する。発光面44から射出された検出光は、カバー部材50Aに設けられている開口を通過して、本体2の周囲の物体に照射される。後述するように、カバー部材50Aは、複数の脚部72を有する。カバー部材50Aに設けられている開口は、隣り合う脚部72の間に規定される。
【0043】
受光器43は、回転体41に保持される。受光器43は、発光器42から射出された検出光の少なくとも一部を受光する。受光器43は、検出光が入射する受光面45を有する。発光器42から射出され、物体に照射された検出光の少なくとも一部は、物体で反射する。物体で反射した検出光は、カバー部材50Aに設けられている開口を通過して、受光面45に入射する。受光器43の受光データは、信号線47を介して、制御装置100に送信される。制御装置100は、受光器43により受光された検出光に基づいて、本体2の周囲に物体が存在するか否かを検出する。制御装置100は、受光器43により受光された検出光に基づいて、物体との距離を検出する。
【0044】
発光面44及び受光面45のそれぞれは、本体2(ハウジング11)の上面2Aよりも上方に配置される。発光面44から前方に射出された検出光は、本体2の上面2Aよりも上方の空間を通過して、本体2の前方の物体に照射される。本体2の前方の物体に検出光が照射された場合、物体で反射した検出光は、本体2の上面2Aよりも上方の空間を通過して、受光面45に入射する。光学センサ40は、本体2に妨げられることなく、本体2の前方の物体を検出することができる。
【0045】
発光器42及び受光器43のそれぞれは、回転体41に固定される。回転体41は、発光器42及び受光器43を保持した状態で、回転軸BXを中心に回転する。発光器42は、回転体41が回転している状態で、検出光を射出する。受光器43は、回転体41が回転している状態で、検出光を受光する。回転体41が回転している状態で、発光器42が検出光を射出することにより、検出光は、本体2の周囲の物体に照射される。制御装置100は、受光器43により受光された検出光に基づいて、本体2の周囲の物体を検出することができる。
【0046】
支持部材46は、回転体41を回転可能に支持する。回転体41は、支持部材46に支持された状態で、回転軸BXを中心に回転する。支持部材46は、ハウジング11の内部空間に配置される。支持部材46は、上ハウジング11Aの少なくとも一部に固定される。支持部材46がハウジング11に固定されているので、左右方向、前後方向、及び上下方向のそれぞれにおいて、発光器42及び受光器43を保持する回転体41とハウジング11との相対位置は変化しない。すなわち、左右方向、前後方向、及び上下方向のそれぞれにおいて、光学センサ40は、ハウジング11に対して変位しない。
【0047】
<カバー部材>
図10は、実施形態に係るカバー部材50Aを示す前方からの斜視図である。図11は、実施形態に係るカバー部材50Aを示す前方からの分解斜視図である。図12は、実施形態に係るカバー部材50Aを示す後方からの分解斜視図である。
【0048】
回転軸BXに平行な面内において、回転軸BXは、カバー部材50Aの中心を通過するように規定される。回転軸BXは、上下方向に延伸する。以下の説明において、回転軸BXに平行な方向を適宜、上下方向、と称し、回転軸BXの放射方向を適宜、径方向、と称し、回転軸BXの周囲を周回する方向を適宜、周方向、と称する。また、径方向において、回転軸BXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、回転軸BXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。また、周方向の一方側を適宜、周方向一方側、と称し、周方向の他方側を適宜、周方向後方側、と称する。
【0049】
図6図10図11、及び図12に示すように、カバー部材50Aは、光学センサ40の少なくとも一部を覆うように配置される。カバー部材50Aは、光学センサ40に対して変位する表面60を有する。カバー部材50Aの表面60は、光学センサ40よりも上方に配置される。カバー部材50Aの表面60は、光学センサ40に対して上下方向に変位する。
【0050】
カバー部材50Aは、本体部材70Aと、本体部材70Aとの相対移動により変位するアジャスタ部材80Aと、アジャスタ部材80Aの少なくとも一部を覆うようにアジャスタ部材80Aに接続される緩衝部材90とを有する。
【0051】
実施形態において、光学センサ40に対して変位するカバー部材50Aの表面60は、アジャスタ部材80Aの表面61及び緩衝部材90の表面62を含む。
【0052】
本体部材70Aは、上ハウジング11Aに固定される。本体部材70Aは、合成樹脂製である。なお、本体部材70Aは、アルミニウムのような金属製でもよい。本体部材70Aは、光学センサ40よりも上方に配置されるカバー部71と、光学センサ40の周囲の少なくとも一部に配置されカバー部71を支持する脚部72と、脚部72を支持する支持部73と、支持部73を支持する連結部74とを有する。
【0053】
カバー部71は、回転体41を保護する。カバー部71は、上板部71Aと、周壁部71Bとを有する。上板部71Aは、上面71Cを有する。周壁部71Bは、外周面71Dを有する。上面71Cの周縁部と外周面71Dの上端部とが接続される。上面71Cは、回転軸BXに直交する平面である。回転軸BXに直交する面内において、カバー部71の外形は、実質的に円形状である。回転軸BXに直交する面内において、カバー部71の外形は、回転体41の外形よりも大きい。周壁部71Bは、回転軸BXを囲むように配置される。
【0054】
脚部72は、カバー部71よりも下方に配置される。脚部72の上端部は、カバー部71の周縁部に接続される。脚部72は、回転体41の周囲に間隔をあけて複数設けられる。実施形態において、脚部72は、回転体41の周囲に4つ設けられる。光学センサ40の検出光は、隣り合う脚部72の間に規定された開口を通過することができる。
【0055】
支持部73は、脚部72よりも下方に配置される。脚部72の下端部は、支持部73の周縁部に接続される。支持部73の少なくとも一部は、回転体41の周囲に配置される。回転軸BXに直交する面内において、支持部73の外形は、円形状である。回転軸BXに直交する面内において、支持部73の外形は、回転体41の外形よりも大きい。
【0056】
連結部74は、支持部73よりも下方に配置される。径方向において、連結部74の少なくとも一部は、支持部73の外面から外側に突出する。連結部74は、上ハウジング11Aの少なくとも一部に固定される。連結部74は、ボルトが配置される開口74Aを有する。ボルトにより、連結部74と上ハウジング11Aの少なくとも一部とが固定される。
【0057】
実施形態において、カバー部71と脚部72と支持部73と連結部74とは一体である。なお、カバー部71と脚部72とは別々の部材でもよい。脚部72と支持部73とは別々の部材でもよい。支持部73と連結部74とは別々の部材でもよい。また、カバー部71の材質と脚部72の材質とが異なってもよい。例えば、カバー部71が合成樹脂製であり、脚部72が金属製でもよい。
【0058】
カバー部71及び脚部72のそれぞれは、本体2(ハウジング11)の上面2Aよりも上方に配置される。支持部73及び連結部74のそれぞれは、ハウジング11の内部空間に配置される。
【0059】
連結部74がハウジング11に固定されているので、左右方向、前後方向、及び上下方向のそれぞれにおいて、本体部材70Aとハウジング11との相対位置は変化しない。すなわち、左右方向、前後方向、及び上下方向のそれぞれにおいて、本体部材70Aは、ハウジング11に対して変位しない。
【0060】
図13は、実施形態に係るアジャスタ部材80Aを示す斜視図である。図14は、実施形態に係るアジャスタ部材80Aを示す断面図である。図10図11図12図13、及び図14に示すように、アジャスタ部材80Aは、本体部材70Aに支持される。アジャスタ部材80Aは、合成樹脂製である。アジャスタ部材80Aは、本体部材70Aと相対移動することができる。アジャスタ部材80Aは、本体部材70Aとの相対移動により上下方向に変位する。実施形態において、アジャスタ部材80Aは、本体部材70Aのカバー部71に支持される。アジャスタ部材80Aは、カバー部71に着脱可能である。アジャスタ部材80Aは、カバー部71に支持された状態で上下方向に変位する。アジャスタ部材80Aが上下方向に変位することにより、カバー部材50Aの高さが調整される。アジャスタ部材80Aは、カバー部材50Aの高さを調整する。
【0061】
光学センサ40に対して変位するカバー部材50Aの表面60は、アジャスタ部材80Aの表面61を含む。アジャスタ部材80Aが上下方向に変位することにより、表面61が上下方向に変位する。
【0062】
アジャスタ部材80Aは、天板部81と、周壁部82とを有する。天板部81は、上面81Aと下面81Bとを有する。周壁部82は、外周面82Aと内周面82Bとを有する。上面81Aの周縁部と外周面82Aの上端部とが接続される。上面81Aは、回転軸BXに直交する平面である。回転軸BXに直交する面内において、アジャスタ部材80Aの外形は、実質的に円形状である。回転軸BXに直交する面内において、アジャスタ部材80Aの外形は、カバー部71の外形よりも大きい。天板部81の下面81Bは、カバー部71の上面71Cに対向する。周壁部82は、回転軸BXを囲むように配置される。周壁部82の内周面82Bは、カバー部71の外周面71Dに対向する。
【0063】
実施形態において、光学センサ40に対して変位するアジャスタ部材80Aの表面61は、上面81A及び外周面82Aを含む。
【0064】
緩衝部材90は、カバー部材50Aがロボット集塵機1の周囲に存在する物体に衝突したときに、カバー部材50Aに作用する衝撃を緩和する。また、緩衝部材90は、カバー部材50Aがロボット集塵機1の周囲に存在する物体に衝突したときに、物体の損傷を抑制する。緩衝部材90は、アジャスタ部材80Aの表面61の少なくとも一部を覆うようにアジャスタ部材80Aに接続される。緩衝部材90は、アジャスタ部材80Aに着脱可能である。緩衝部材90は、ゴムのような弾性材料により形成される。
【0065】
光学センサ40に対して変位するカバー部材50Aの表面60は、緩衝部材90の表面62を含む。アジャスタ部材80Aが上下方向に変位することにより、アジャスタ部材80Aと一緒に緩衝部材90が上下方向に変位する。緩衝部材90が上下方向に変位することにより、表面62が上下方向に変位する。
【0066】
緩衝部材90は、リング部91と、周壁部92とを有する。リング部91は、上面90Aと下面90Bとを有する。周壁部92は、外周面90Cと内周面90Dとを有する。上面90Aの周縁部と外周面90Cの上端部とが接続される。上面90Aの少なくとも一部は、回転軸BXに直交する平面である。回転軸BXに直交する面内において、緩衝部材90の外形は、実質的に円形状である。回転軸BXに直交する面内において、緩衝部材90の外形は、アジャスタ部材80Aの外形よりも大きい。リング部91の下面90Bは、天板部81の上面81Aに対向する。周壁部92は、回転軸BXを囲むように配置される。周壁部92の内周面90Dは、周壁部82の外周面82Aに対向する。
【0067】
実施形態において、光学センサ40に対して変位する緩衝部材90の表面62は、上面90A及び外周面90Cを含む。
【0068】
アジャスタ部材80Aは、回転軸BXを中心に本体部材70Aと相対回転することにより上下方向に変位する。
【0069】
本体部材70Aは、カバー部71の外周面71Dに設けられたガイド部75を有する。アジャスタ部材80Aは、周壁部82の内周面82Bに設けられガイド部75にガイドされるスライド部83を有する。スライド部83がガイド部75にガイドされながら、アジャスタ部材80Aが回転軸BXを中心にカバー部71に対して回転することにより、アジャスタ部材80Aが上下方向に変位する。
【0070】
実施形態において、ガイド部75は、カバー部71の外周面71Dに設けられた溝である。スライド部83は、周壁部82の内周面82Bに設けられた突起部である。以下の説明において、ガイド部75を適宜、ガイド溝75、と称し、スライド部83を適宜、スライド突起部83、と称する。
【0071】
スライド突起部83は、周壁部82の内周面82Bから径方向内側に突出する。スライド突起部83は、ガイド溝75に配置される。
【0072】
ガイド溝75は、周方向に複数設けられる。スライド突起部83は、1つのガイド溝75に1つ配置されるように、周壁部82の内周面82Bに複数設けられる。実施形態において、ガイド溝75は、周方向に4つ設けられる。スライド突起部83は、周方向に4つ設けられる。
【0073】
図15は、実施形態に係る本体部材70Aを示す側面図である。図11図12、及び図15に示すように、ガイド溝75は、径方向外側を向く基準ガイド面751と、基準ガイド面751の下端部の少なくとも一部に接続される下ガイド面752と、基準ガイド面751の上端部に接続される上ガイド面753と、基準ガイド面751の周方向一方側の端部に接続される第1ストップ面754と、基準ガイド面751の周方向他方側の端部に接続される第2ストップ面755とにより規定される。下ガイド面752は、上方を向く。上ガイド面753は、下方を向く。第1ストップ面754は、周方向他方側を向く。第2ストップ面755は、周方向一方側を向く。
【0074】
ガイド溝75は、回転軸BXに直交する下側水平部75Aと、下側水平部75Aよりも上方に配置される上側水平部75Bと、下側水平部75Aと上側水平部75Bとを結ぶ接続部75Cとを有する。
【0075】
周方向において、下側水平部75Aと上側水平部75Bとは異なる位置に配置される。接続部75Cは、回転軸BXに対して傾斜する。
【0076】
下側水平部75Aは、周方向に延伸する。下側水平部75Aの基準ガイド面751は、周方向に延伸する。下側水平部75Aの上ガイド面753は、回転軸BXに直交する。第1ストップ面754は、下側水平部75Aの周方向一方側の端部75Eaを規定する。
【0077】
上側水平部75Bは、周方向に延伸する。上側水平部75Bの基準ガイド面751は、周方向に延伸する。上側水平部75Bの下ガイド面752及び上ガイド面753のそれぞれは、回転軸BXに直交する。第2ストップ面755は、上側水平部75Bの周方向他方側の端部75Ebを規定する。
【0078】
接続部75Cは、下側水平部75Aの周方向他方側の端部と上側水平部75Bの周方向一方側の端部とを結ぶように形成される。接続部75Cの基準ガイド面751は、回転軸BXの周方向一方側に向かって下方に傾斜する。接続部75Cの下ガイド面752及び上ガイド面753のそれぞれは、回転軸BXに対して傾斜する。
【0079】
図14に示すように、スライド突起部83は、基準ガイド面751に対向する基準スライド面831と、下ガイド面752に対向する下スライド面832と、上ガイド面753に対向する上スライド面833とを有する。下スライド面832の少なくとも一部は、接続部75Cの下ガイド面752に合わせて、回転軸BXに対して傾斜する。上スライド面833の少なくとも一部は、接続部75Cの上ガイド面753に合わせて、回転軸BXに対して傾斜する。回転軸BXに対する接続部75Cの下ガイド面752の傾斜角度と、回転軸BXに対する下スライド面832の少なくとも一部の傾斜角度とは、一致する。回転軸BXに対する接続部75Cの上ガイド面753の傾斜角度と、回転軸BXに対する上スライド面833の少なくとも一部の傾斜角度とは、一致する。
【0080】
図11図12、及び図15に示すように、本体部材70Aは、下側水平部75Aに設けられる下側突起部77Aと、上側水平部75Bに設けられる上側突起部77Bとを有する。
【0081】
下側突起部77Aは、下側水平部75Aの基準ガイド面751から径方向外側に突出する。径方向において、回転軸BXと下側突起部77Aの径方向外側の端部との距離は、回転軸BXと外周面71Dとの距離よりも短い。すなわち、下側突起部77Aは、外周面71Dよりも径方向外側に突出しない。図15において仮想線で示すように、周方向において、下側突起部77Aと端部75Eaとの距離は、スライド突起部83の寸法よりも大きい。スライド突起部83は、下側突起部77Aと端部75Eaとの間に入り込むことができる。下側突起部77Aは、下側水平部75Aの端部75Eaとの間でスライド突起部83の移動を規制する。スライド突起部83は、下側突起部77Aと端部75Eaとの間に配置されることにより、ガイド溝75における移動を規制される。
【0082】
上側突起部77Bは、上側水平部75Bの基準ガイド面751から径方向外側に突出する。径方向において、回転軸BXと上側突起部77Bの径方向外側の端部との距離は、回転軸BXと外周面71Dとの距離よりも短い。すなわち、上側突起部77Bは、外周面71Dよりも径方向外側に突出しない。図15において仮想線で示すように、周方向において、上側突起部77Bと端部75Ebとの距離は、スライド突起部83の寸法よりも大きい。スライド突起部83は、上側突起部77Bと端部75Ebとの間に入り込むことができる。上側突起部77Bは、上側水平部75Bの端部75Ebとの間でスライド突起部83の移動を規制する。スライド突起部83は、上側突起部77Bと端部75Ebとの間に配置されることにより、ガイド溝75における移動を規制される。
【0083】
上面71Cの周縁部は、外周面71Dの上端部に接続される。本体部材70Aは、上面71Cの周縁部とガイド溝75の少なくとも一部とを結ぶように外周面71Dに設けられスライド突起部83が移動可能な着脱溝76を有する。実施形態において、着脱溝76は、上面71Cの周縁部と接続部75Cの一部とを結ぶように設けられる。着脱溝76は、回転軸BXに平行である。
【0084】
着脱溝76は、径方向外側を向く基準ガイド面761と、基準ガイド面761の周方向一方側の端部に接続される左ガイド面762と、基準ガイド面761の周方向他方側の端部に接続される右ガイド面763とにより規定される。基準ガイド面761は、上下方向に延伸する。左ガイド面762は、周方向他方側を向く。右ガイド面763は、周方向一方側を向く。
【0085】
本体部材70Aは、着脱溝76に設けられる着脱突起部78を有する。着脱突起部78は、着脱溝76の基準ガイド面761から径方向外側に突出する。径方向において、回転軸BXと着脱突起部78の径方向外側の端部との距離は、回転軸BXと外周面71Dとの距離よりも短い。すなわち、着脱突起部78は、外周面71Dよりも径方向外側に突出しない。図15において仮想線で示すように、着脱突起部78は、接続部75Cに配置されているスライド突起部83が着脱溝76の外側に移動することを規制する。すなわち、着脱突起部78は、接続部75Cを移動するスライド突起部83が着脱溝76を介して本体部材70Aから外れてしまうことを抑制する。
【0086】
上述のように、ガイド溝75は、周方向に複数設けられる。着脱溝76は、複数のガイド溝75のそれぞれに接続されるように、周方向に複数設けられる。図11及び図12に示すように、下側突起部77A及び上側突起部77Bは、一部のガイド溝75に設けられ、一部のガイド溝75には設けられない。着脱突起部78は、一部の着脱溝76に設けられ、一部の着脱溝76には設けられない。実施形態において、ガイド溝75は、周方向に4つ設けられる。着脱溝76は、4つのガイド溝75のそれぞれに接続されるように、周方向に4つ設けられる。下側突起部77A及び上側突起部77Bは、2つのガイド溝75に設けられ、2つのガイド溝75には設けられない。着脱突起部78は、2つの着脱溝76に設けられ、2つの着脱溝76には設けられない。下側突起部77A及び上側突起部77Bが設けられるガイド溝75と、下側突起部77A及び上側突起部77Bが設けられないガイド溝75とは、周方向に交互に配置される。着脱突起部78が設けられる着脱溝76と、着脱突起部78が設けられない着脱溝76とは、周方向に交互に配置される。実施形態において、下側突起部77A及び上側突起部77Bが設けられるガイド溝75と、着脱突起部78が設けられる着脱溝76とが接続される。下側突起部77A及び上側突起部77Bが設けられないガイド溝75と、着脱突起部78が設けられない着脱溝76とが接続される。
【0087】
<アジャスタ部材の着脱方法>
次に、実施形態に係る本体部材70Aに対するアジャスタ部材80Aの着脱方法について説明する。アジャスタ部材80Aを本体部材70Aに装着する場合、ロボット集塵機1の使用者は、スライド突起部83と着脱溝76の上端部とを位置合わせした後、スライド突起部83がガイド溝75に配置されるように、アジャスタ部材80Aを本体部材70Aに押し込む。これにより、スライド突起部83は、着脱溝76を介してガイド溝75に移動する。スライド突起部83は、着脱突起部78を乗り越えて、ガイド溝75に移動する。スライド突起部83がガイド溝75に配置されることにより、アジャスタ部材80Aが本体部材70Aに装着される。
【0088】
アジャスタ部材80Aを本体部材70Aから外す場合、ロボット集塵機1の使用者は、スライド突起部83と着脱溝76の下端部とを位置合わせした後、スライド突起部83がガイド溝75から外れるように、アジャスタ部材80Aを本体部材70Aから引き上げる。これにより、スライド突起部83は、着脱溝76を介して本体部材70Aの外側に移動する。スライド突起部83は、着脱突起部78を乗り越えて、本体部材70Aの外側に移動する。スライド突起部83が本体部材70Aの外側に移動することにより、アジャスタ部材80Aが本体部材70Aから外される。
【0089】
実施形態においては、着脱突起部78が一部の着脱溝76に設けられ、一部の着脱溝76には設けられない。そのため、ロボット集塵機1の使用者が過度に力を込めなくても、スライド突起部83は着脱突起部78を乗り越えることができる。したがって、ロボット集塵機1の使用者は、アジャスタ部材80Aの着脱を円滑に実施することができる。
【0090】
<動作>
次に、実施形態に係るカバー部材50Aの動作について説明する。図16は、実施形態に係るカバー部材50Aの動作を示す図である。ロボット集塵機1の使用者は、本体部材70Aに装着されているアジャスタ部材80Aを、回転軸BXを中心に回転させることにより、カバー部材50Aの高さを調整することができる。実施形態において、アジャスタ部材80Aに緩衝部材90が装着される。ロボット集塵機1の使用者は、緩衝部材90を介してアジャスタ部材80Aを掴んで回転させる。
【0091】
図16に示すように、アジャスタ部材80Aは、回転軸BXを中心に本体部材70Aに対して回転されることにより、規定の可動範囲において上下方向に変位する。アジャスタ部材80Aが上下方向に変位することにより、カバー部材50Aの高さが第1高さH1と第2高さH2とに変化する。第2高さH2は、第1高さH1よりも高い。実施形態において、カバー部材50Aの高さとは、上下方向における本体部材70Aの下端部(連結部74の下端部)とアジャスタ部材80Aの上面81Aとの距離をいう。なお、カバー部材50Aの高さは、上下方向における本体部材70Aの下端部(連結部74の下端部)と緩衝部材90の上面90Aとの距離でもよい。
【0092】
スライド突起部83がガイド溝75の下側水平部75Aに配置されている場合、アジャスタ部材80Aは、可動範囲の下端部に配置される。アジャスタ部材80Aが可動範囲の下端部に配置されている場合、カバー部材50Aの高さは第1高さH1に調整される。
【0093】
スライド突起部83が下側突起部77Aと下側水平部75Aの端部75Eaとの間に配置されることにより、スライド突起部83の移動が規制される。スライド突起部83の移動が規制されることにより、アジャスタ部材80Aの回転が抑制され、カバー部材50Aの高さが第1高さH1に維持される。
【0094】
ロボット集塵機1の使用者は、カバー部材50Aの高さを第1高さH1から第2高さH2に変化させる場合、スライド突起部83が下側水平部75Aから接続部75Cを介して上側水平部75Bに移動するように、アジャスタ部材80Aを周方向他方側に回転させる。アジャスタ部材80Aが周方向他方側に回転すると、スライド突起部83は、下側突起部77Aを乗り越えて、下側水平部75Aから接続部75Cに移動する。スライド突起部83が接続部75Cに移動した後、アジャスタ部材80Aが周方向他方側に更に回転されることにより、スライド突起部83は、上側水平部75Bに向かって接続部75Cを移動して、上側水平部75Bに配置される。スライド突起部83が上側水平部75Bに移動した後、アジャスタ部材80Aが周方向他方側に更に回転されることにより、スライド突起部83は、上側突起部77Bを乗り越えて、上側突起部77Bと上側水平部75Bの端部75Ebとの間に配置される。
【0095】
スライド突起部83がガイド溝75の上側水平部75Bに配置されている場合、アジャスタ部材80Aは、可動範囲の上端部に配置される。アジャスタ部材80Aが可動範囲の上端部に配置されている場合、カバー部材50Aの高さは第2高さH2に調整される。
【0096】
スライド突起部83が上側突起部77Bと上側水平部75Bの端部75Ebとの間に配置されることにより、スライド突起部83の移動が規制される。スライド突起部83の移動が規制されることにより、アジャスタ部材80Aの回転が抑制され、カバー部材50Aの高さが第2高さH2に維持される。
【0097】
ロボット集塵機1の使用者は、カバー部材50Aの高さを第2高さH2から第1高さH1に変化させる場合、スライド突起部83が上側水平部75Bから接続部75Cを介して下側水平部75Aに移動するように、アジャスタ部材80Aを周方向一方側に回転させる。スライド突起部83は、上側突起部77Bを乗り越えて、上側水平部75Bから接続部75Cに移動した後、下側水平部75Aに移動する。スライド突起部83は、下側突起部77Aを乗り越えて、下側突起部77Aと下側水平部75Aの端部75Eaとの間に配置される。
【0098】
図16に示すように、カバー部材50Aの高さが変化しても、ハウジング11(本体部材70A)に対する光学センサ40の上下方向の位置は変化しない。
【0099】
実施形態においては、下側突起部77A及び上側突起部77Bが一部のガイド溝75に設けられ、一部のガイド溝75には設けられない。そのため、ロボット集塵機1の使用者が過度に力を込めなくても、スライド突起部83は下側突起部77A及び上側突起部77Bを乗り越えることができる。したがって、ロボット集塵機1の使用者は、アジャスタ部材80Aの回転を円滑に実施することができる。
【0100】
<効果>
以上説明したように、実施形態によれば、光学センサ40に対してカバー部材50Aの表面60が上下方向に変位することにより、検出装置30が清掃現場の狭隘部の内面に引っ掛かることが抑制される。
【0101】
図17及び図18のそれぞれは、実施形態に係る検出装置30の効果を説明するための図である。ロボット集塵機1は、清掃現場の清掃対象面FLを自律走行する。清掃現場に棚又は机のような物体SHが存在する場合がある。自律走行するロボット集塵機1が、物体SHの下面BSと清掃対象面FLとの間の狭隘部NPに進入する可能性がある。
【0102】
図17に示すように、カバー部材50Aの高さが第1高さH1に調整された状態で、ロボット集塵機1が狭隘部NPに進入すると、検出装置30が狭隘部NPの内面に引っ掛かる可能性がある。例えば図17に示すように、カバー部材50Aの高さが第1高さH1に調整された状態で、清掃対象面FLに対するカバー部材50Aの表面60の高さと下面BSの高さとが近似する場合、ロボット集塵機1が狭隘部NPに進入すると、検出装置30の表面60が狭隘部NPの下面BSに引っ掛かる可能性がある。検出装置30の表面60が狭隘部NPの下面BSに引っ掛かると、ロボット集塵機1は、狭隘部NPから脱出することが困難となる。
【0103】
カバー部材50Aの高さが第1高さH1に調整された状態で、カバー部材50Aの表面60の高さと下面BSの高さとが近似する場合、ロボット集塵機1の使用者は、カバー部材50Aの表面60を上方に変位させる。ロボット集塵機1の使用者は、アジャスタ部材80Aを周方向他方側に回転させることにより、アジャスタ部材80Aを上方に変位させることができる。アジャスタ部材80Aが上方に変位されることにより、カバー部材50Aの高さが第2高さH2に調整される。カバー部材50Aの高さが第2高さH2に調整されることにより、ロボット集塵機1が狭隘部NPに進入する前に、カバー部材50Aの表面60と物体SHとが接触する。これにより、ロボット集塵機1が狭隘部NPに進入することが抑制される。したがって、検出装置30の表面60が狭隘部NPの下面BSに引っ掛かることが抑制される。
【0104】
図18に示すように、カバー部材50Aの高さが第2高さH2に調整された状態で、清掃対象面FLに対するカバー部材50Aの表面60の高さと下面BSの高さとが近似する場合、ロボット集塵機1が狭隘部NPに進入すると、検出装置30の表面60が狭隘部NPの下面BSに引っ掛かる可能性がある。ロボット集塵機1の使用者は、カバー部材50Aの表面60を下方に変位させる。ロボット集塵機1の使用者は、アジャスタ部材80Aを周方向一方側に回転させることにより、アジャスタ部材80Aを下方に変位させることができる。アジャスタ部材80Aが下方に変位されることにより、カバー部材50Aの高さが第1高さH1に調整される。カバー部材50Aの高さが第1高さH1に調整されることにより、検出装置30と下面BSとが接触することなく、ロボット集塵機1は狭隘部NPに進入することができる。したがって、検出装置30の表面60が狭隘部NPの下面BSに引っ掛かることが抑制される。
【0105】
本実施形態においては、ロボット集塵機1の使用者は、アジャスタ部材80Aを回転させるだけで、カバー部材50Aの高さを簡単に調整することができる。
【0106】
なお、実施形態においては、ガイド部75がガイド溝であり、スライド部83がスライド突起部であることとした。ガイド部75が外周面71Dから突出するガイドレールであり、スライド部83が内周面82Bに設けられガイドレールが配置される凹部でもよい。
【0107】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0108】
<カバー部材>
図19は、実施形態に係るカバー部材50Bを示す前方からの分解斜視図である。図20は、実施形態に係るカバー部材50Bを示す後方からの分解斜視図である。図21は、実施形態に係るアジャスタ部材80Bを示す斜視図である。図22は、実施形態に係るアジャスタ部材80Bを示す断面図である。
【0109】
カバー部材50Bは、上ハウジング11Aに固定される本体部材70Bと、本体部材70Bとの相対移動により変位するアジャスタ部材80Bと、アジャスタ部材80Bの少なくとも一部を覆うようにアジャスタ部材80Bに接続される緩衝部材90とを有する。
【0110】
本体部材70Bは、カバー部71の外周面71Dに設けられたガイド部79を有する。アジャスタ部材80Bは、周壁部82の内周面82Bに設けられガイド部79にガイドされるスライド部84を有する。スライド部84がガイド部79にガイドされながら、アジャスタ部材80Bが回転軸BXを中心にカバー部71に対して回転することにより、アジャスタ部材80Bが上下方向に変位する。
【0111】
ガイド部79は、カバー部71の外周面71Dに設けられた溝である。スライド部84は、周壁部82の内周面82Bに設けられた突起部である。以下の説明において、ガイド部79を適宜、ガイド溝79、と称し、スライド部84を適宜、スライド突起部84、と称する。
【0112】
図23は、実施形態に係る本体部材70Bを示す側面図である。図19図20、及び図23に示すように、ガイド溝79は、回転軸BXに直交する下側水平部79Aと、下側水平部79Aよりも上方に配置される上側水平部79Bと、下側水平部79Aと上側水平部79Bとを結ぶ接続部79Cとを有する。
【0113】
周方向において、下側水平部79Aと上側水平部79Bの少なくとも一部とは同じ位置に配置される。接続部79Cは、回転軸BXに平行である。
【0114】
ガイド溝79は、基準ガイド面791と、下ガイド面792と、上ガイド面793と、第1ストップ面794と、第2ストップ面795と、左ガイド面796と、右ガイド面797とにより規定される。
【0115】
下側水平部79Aは、基準ガイド面791と上ガイド面793と第1ストップ面794とにより規定される。第1ストップ面794は、下側水平部79Aの周方向一方側の端部79Eaを規定する。
【0116】
上側水平部79Bは、基準ガイド面791と下ガイド面792と上ガイド面793と第2ストップ面795とにより規定される。第2ストップ面795は、上側水平部79Bの周方向一方側の端部79Ebを規定する。
【0117】
接続部79Cは、下側水平部79Aの周方向他方側の端部と上側水平部79Bの周方向他方側の端部とを結ぶように形成される。接続部79Cは、基準ガイド面791と左ガイド面796と右ガイド面797とにより規定される。左ガイド面796は、周方向他方側を向く。右ガイド面797は、周方向一方側を向く。
【0118】
図22に示すように、スライド突起部84は、基準ガイド面791に対向する基準スライド面841と、下ガイド面792に対向する下スライド面842と、上ガイド面793に対向する上スライド面843とを有する。
【0119】
本体部材70Bは、下側水平部79Aに設けられ下側水平部79Aの端部79Eaとの間でスライド突起部84の移動を規制する下側突起部77Cと、上側水平部79Bに設けられ上側水平部79Bの端部79Ebとの間でスライド突起部84の移動を規制する上側突起部77Dとを有する。
【0120】
本体部材70Bは、上面71Cの周縁部とガイド溝79の少なくとも一部とを結ぶように外周面71Dに設けられスライド突起部84が移動可能な着脱溝760を有する。実施形態において、着脱溝760は、上面71Cの周縁部と接続部79Cの一部とを結ぶように設けられる。
【0121】
本体部材70Bは、着脱溝760に設けられスライド突起部84の移動を規制する着脱突起部780を有する。着脱突起部780は、着脱溝760の基準ガイド面765から径方向外側に突出する。
【0122】
ガイド溝79は、周方向に複数設けられる。着脱溝760は、複数のガイド溝79のそれぞれに接続されるように、周方向に複数設けられる。下側突起部77C及び上側突起部77Dは、一部のガイド溝79に設けられ、一部のガイド溝79には設けられない。着脱突起部780は、一部の着脱溝760に設けられ、一部の着脱溝760には設けられない。
【0123】
<アジャスタ部材の着脱方法>
次に、実施形態に係る本体部材70Bに対するアジャスタ部材80Bの着脱方法について説明する。アジャスタ部材80Bを本体部材70Bに装着する場合、ロボット集塵機1の使用者は、スライド突起部84と着脱溝760の上端部とを位置合わせした後、スライド突起部84がガイド溝79に配置されるように、アジャスタ部材80Bを本体部材70Bに押し込む。スライド突起部84は、着脱溝760を介してガイド溝79に移動する。スライド突起部84は、着脱突起部780を乗り越えて、ガイド溝79に移動する。スライド突起部84がガイド溝79に配置されることにより、アジャスタ部材80Bが本体部材70Bに装着される。
【0124】
アジャスタ部材80Bを本体部材70Bから外す場合、ロボット集塵機1の使用者は、スライド突起部84と着脱溝760とを位置合わせした後、スライド突起部84がガイド溝79から外れるように、アジャスタ部材80Bを本体部材70Bから引き上げる。スライド突起部84は、着脱溝760を介して本体部材70Bの外側に移動する。スライド突起部84は、着脱突起部780を乗り越えて、本体部材70Bの外側に移動する。スライド突起部84が本体部材70Bの外側に配置されることにより、アジャスタ部材80Bが本体部材70Bから外される。
【0125】
<動作>
次に、実施形態に係るカバー部材50Bの動作について説明する。図24は、実施形態に係るカバー部材50Bの動作を示す図である。ロボット集塵機1の使用者は、本体部材70Bに装着されているアジャスタ部材80Bを、回転軸BXを中心に回転させることにより、カバー部材50Bの高さを調整することができる。
【0126】
図24に示すように、アジャスタ部材80Bは、回転軸BXを中心に本体部材70Bに対して回転されることにより、規定の可動範囲において上下方向に変位する。アジャスタ部材80Bが上下方向に変位することにより、カバー部材50Bの高さが第1高さH1と第2高さH2とに変化する。
【0127】
スライド突起部84が下側水平部79Aに配置されている場合、アジャスタ部材80Bは、可動範囲の下端部に配置される。アジャスタ部材80Bが可動範囲の下端部に配置されている場合、カバー部材50Bの高さは第1高さH1に調整される。
【0128】
スライド突起部84が下側突起部77Cと下側水平部79Aの端部79Eaとの間に配置されることにより、スライド突起部84の移動が規制される。スライド突起部84の移動が規制されることにより、アジャスタ部材80Bの回転が抑制され、カバー部材50Bの高さが第1高さH1に維持される。
【0129】
ロボット集塵機1の使用者は、カバー部材50Bの高さを第1高さH1から第2高さH2に変化させる場合、スライド突起部84が下側水平部79Aから接続部79Cを介して上側水平部79Bに移動するように、アジャスタ部材80Bを回転させる。アジャスタ部材80Bが周方向他方側に回転すると、スライド突起部84は、下側突起部77Cを乗り越えて、下側水平部79Aから接続部79Cに移動する。スライド突起部84が接続部79Cに移動した後、アジャスタ部材80Aが上方に移動されることにより、スライド突起部84は、上側水平部79Bの周方向他方側の端部に配置される。スライド突起部84が上側水平部79Bの周方向他方側の端部に配置された後、アジャスタ部材80Bが周方向一方側に回転されることにより、スライド突起部84は、上側突起部77Dを乗り越えて、上側突起部77Dと上側水平部79Bの端部79Ebとの間に配置される。
【0130】
スライド突起部84が上側水平部79Bに配置されている場合、アジャスタ部材80Bは、可動範囲の上端部に配置される。アジャスタ部材80Bが可動範囲の上端部に配置されている場合、カバー部材50Bの高さは第2高さH2に調整される。
【0131】
スライド突起部84が上側突起部77Dと上側水平部79Bの端部79Ebとの間に配置されることにより、スライド突起部84の移動が規制される。スライド突起部84の移動が規制されることにより、アジャスタ部材80Bの回転が抑制され、カバー部材50Bの高さが第2高さH2に維持される。
【0132】
ロボット集塵機1の使用者は、カバー部材50Bの高さを第2高さH2から第1高さH1に変化させる場合、スライド突起部84が上側水平部79Bから接続部79Cに移動するように、アジャスタ部材80Aを周方向他方側に回転させた後、スライド突起部84を下側水平部79Aの周方向他方側の端部に配置する。スライド突起部84が下側水平部79Aの周方向他方側の端部に配置された後、アジャスタ部材80Aが周方向一方側に回転されることにより、スライド突起部84は、下側突起部77Cを乗り越えて、下側突起部77Cと下側水平部79Aの端部79Eaとの間に配置される。
【0133】
なお、実施形態においては、ガイド部79がガイド溝であり、スライド部84がスライド突起部であることとした。ガイド部79が外周面71Dから突出するガイドレールであり、スライド部84が内周面82Bに設けられガイドレールが配置される凹部でもよい。
【0134】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0135】
上述の実施形態においては、カバー部材(50A,50B)の表面60が上下方向に変位することとした。カバー部材の表面60が回転軸BXの径方向に変位してもよい。
【0136】
図25は、実施形態に係るカバー部材50Cを示す側面図である。カバー部材50Cは、ハウジング11に支持される本体部材70Cと、本体部材70Cに支持されるアジャスタ部材80Cとを有する。
【0137】
アジャスタ部材80Cは、ボディ801と、ボディ801の周囲に配置される複数の可動部材802と、可動部材802を径方向に移動させる拡径機構803と、拡径機構803を作動させる操作部材804とを有する。
【0138】
可動部材802は、ボディ801の周囲に複数配置される。可動部材802は、拡径機構803を介して、ボディ801に支持される。光学センサ40に対して変位するカバー部材50Cの表面60は、可動部材802の表面を含む。
【0139】
拡径機構803は、ボディ801に支持される。拡径機構803は、リンク機構を含む。拡径機構803の作動により、可動部材802は、径方向に移動される。
【0140】
操作部材804は、ボディ801に回転可能に支持される。操作部材804は、回転軸BXを中心に回転可能である。ロボット集塵機1の使用者により操作部材804が回転されると、拡径機構803が作動する。操作部材804が周方向一方側に回転されると、可動部材802が径方向外側に移動する。可動部材802が径方向外側に移動することにより、光学センサ40に対して表面60が径方向外側に移動する。操作部材804が周方向他方側に回転されると、可動部材802が径方向内側に移動する。可動部材802が径方向内側に移動することにより、光学センサ40に対して表面60が径方向内側に移動する。可動部材802は、カバー部材50Cの外径が第1外径W1と第2外径W2とに変化するように、径方向に移動する。第2外径W2は、第1外径W1よりも大きい。
【0141】
図26は、実施形態に係る検出装置30の効果を説明するための図である。ロボット集塵機1は、清掃現場の清掃対象面FLを自律走行する。図26に示すように、ロボット集塵機1の本体2よりも上方に、物体SH1と物体SH2とが存在する可能性がある。物体SH1と物体SH2とは隣り合う。物体SH1の側面SK1と物体SH2の側面SK2とは対向する。物体SH1と物体SH2との間に狭隘部NQが形成される。ロボット集塵機1が物体SH1及び物体SH2の下方を自律走行すると、検出装置30が物体SH1と物体SH2との間の狭隘部NQに進入する可能性がある。
【0142】
カバー部材50Cの外径が第1外径W1に調整された状態で、検出装置30が狭隘部NPに進入すると、検出装置30が狭隘部NPの内面に引っ掛かる可能性がある。例えば図26に示すように、カバー部材50Cの外径が第1外径W1に調整された状態で、側面SK1と側面SK2との距離と第1外径W1とが近似する場合、検出装置30が狭隘部NQに進入すると、検出装置30の表面60が狭隘部NQの側面SK1及び側面SK2に引っ掛かる可能性がある。検出装置30の表面60が狭隘部NQの側面SK1及び側面SK2に引っ掛かると、ロボット集塵機1は、狭隘部NQから脱出することが困難となる。
【0143】
カバー部材50Cの外径が第1外径W1に調整された状態で、カバー部材50Cの外径と狭隘部NQの側面SK1と側面SK2との距離とが近似する場合、ロボット集塵機1の使用者は、カバー部材50Cの表面60を径方向外側に変位させる。ロボット集塵機1の使用者は、操作部材804を回転させて、可動部材802を径方向外側に変位させる。可動部材802が径方向外側に変位され、カバー部材50Cの外径が第2外径W2に調整されることにより、検出装置30が狭隘部NQに進入する前に、カバー部材50Cの表面60と物体SH1及び物体SH2とが接触する。これにより、検出装置30が狭隘部NQに進入することが抑制される。したがって、検出装置30の表面60が狭隘部NQの内面(側面SK1及び側面SK2)に引っ掛かることが抑制される。
【0144】
カバー部材50Cの外径が第2外径W2に調整された状態で、カバー部材50Cの外径と狭隘部NQの側面SK1と側面SK2との距離とが近似する場合、ロボット集塵機1の使用者は、カバー部材50Cの表面60を径方向内側に変位させる。ロボット集塵機1の使用者は、操作部材804を回転させて、可動部材802を径方向内側に変位させる。可動部材802が径方向内側に変位され、カバー部材50Cの外径が第1外径W1に調整されることにより、検出装置30は、側面SK1及び側面SK2に引っ掛かることなく、狭隘部NQに進入することができる。
【0145】
なお、検出装置30の上方から光学センサ40に外乱光が入射する可能性がある場合、ロボット集塵機1の使用者は、カバー部材50Cの外径を大きくしてもよい。カバー部材50Cの外径が大きくなることにより、カバー部材50Cは、光学センサ40の庇部材として機能することができる。これにより、カバー部材50Cの外径を大きくすることにより、光学センサ40に外乱光が入射することが抑制される。
【0146】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0147】
図27及び図28のそれぞれは、実施形態に係るカバー部材を示す模式図である。図27及び図28に示すように、検出装置30の表面60が狭隘部の内面に引っ掛かることを抑制するために、アジャスタ部材が交換されてもよい。
【0148】
図27に示す例において、カバー部材50Dは、本体部材70Dと、本体部材70Dに着脱可能な複数のアジャスタ部材80Dとを含む。複数のアジャスタ部材80Dの上下方向の寸法は異なる。上下方向において第1の寸法Ha1を有するアジャスタ部材80Dが本体部材70Dに装着されることにより、カバー部材50Dの高さは、第1高さH1に調整される。上下方向において第1の寸法Ha1よりも大きい第2の寸法Ha2を有するアジャスタ部材80Dが本体部材70Dに装着されることにより、カバー部材50Dの高さは、第2高さH2に調整される。このように、アジャスタ部材80Dの交換により、表面60が上下方向に変位されてもよい。なお、上下方向の寸法が異なる複数の緩衝部材90が交換されることにより、表面60が上下方向に変位されてもよい。
【0149】
図28に示す例において、カバー部材50Eは、本体部材70Eと、本体部材70Eに着脱可能な複数のアジャスタ部材80Eとを含む。複数のアジャスタ部材80Eの径方向の寸法は異なる。径方向において第1の寸法Wa1を有するアジャスタ部材80Eが本体部材70Eに装着されることにより、カバー部材50Eの外径は、第1外径W1に調整される。径方向において第1の寸法Wa1よりも大きい第2の寸法Wa2を有するアジャスタ部材80Eが本体部材70Eに装着されることにより、カバー部材50Eの外径は、第2外径W2に調整される。このように、アジャスタ部材80Eの交換により、表面60が径方向に変位されてもよい。なお、径方向の寸法が異なる複数の緩衝部材90が交換されることにより、表面60が径方向に変位されてもよい。
【符号の説明】
【0150】
1…ロボット集塵機、2…本体、2A…上面、2B…底面、2C…側面、3…バンパ、4…バッテリ装着部、5…吸引ファン、6…吸引モータ、7…キャスタ、8…ローラ、9…車輪、10…車輪モータ、11…ハウジング、11A…上ハウジング、11B…下ハウジング、11C…カバープレート、11D…ボトムプレート、11M…開口、12…走行装置、13…メインブラシ、14…メインブラシモータ、15…サイドブラシ、15B…ブラシ、15D…円板部材、16…サイドブラシモータ、17…ハンドル、18…吸込口、19…障害物センサ、20…インタフェース装置、20A…電源ボタン、20B…残量表示部、30…検出装置、40…光学センサ、41…回転体、41A…天板部、41B…側板部、41C…保持板部、41D…第1開口、41E…第2開口、42…発光器、43…受光器、44…発光面、45…受光面、46…支持部材、47…信号線、50A…カバー部材、50B…カバー部材、50C…カバー部材、50D…カバー部材、50E…カバー部材、60…表面、61…表面、62…表面、70A…本体部材、70B…本体部材、70C…本体部材、70D…本体部材、70E…本体部材、71…カバー部、71A…上板部、71B…周壁部、71C…上面、71D…外周面、72…脚部、73…支持部、74…連結部、74A…開口、75…ガイド部(ガイド溝)、75A…下側水平部、75B…上側水平部、75C…接続部、75Ea…端部、75Eb…端部、76…着脱溝、77A…下側突起部、77B…上側突起部、77C…下側突起部、77D…上側突起部、78…着脱突起部、79…ガイド部(ガイド溝)、79A…下側水平部、79B…上側水平部、79C…接続部、79Ea…端部、79Eb…端部、80A…アジャスタ部材、80B…アジャスタ部材、80C…アジャスタ部材、80D…アジャスタ部材、80E…アジャスタ部材、81…天板部、81A…上面、81B…下面、82…周壁部、82A…外周面、82B…内周面、83…スライド部(スライド突起部)、84…スライド部(スライド突起部)、90…緩衝部材、91…リング部、92…周壁部、90A…上面、90B…下面、90C…外周面、90D…内周面、100…制御装置、751…基準ガイド面、752…下ガイド面、753…上ガイド面、754…第1ストップ面、755…第2ストップ面、760…着脱溝、761…基準ガイド面、762…左ガイド面、763…右ガイド面、765…基準ガイド面、780…着脱突起部、791…基準ガイド面、792…下ガイド面、793…上ガイド面、794…第1ストップ面、795…第2ストップ面、796…左ガイド面、797…右ガイド面、801…ボディ、802…可動部材、803…拡径機構、804…操作部材、831…基準スライド面、832…下スライド面、833…上スライド面、841…基準スライド面、842…下スライド面、843…上スライド面、AX…回転軸、BS…下面、BT…バッテリ、BX…回転軸、FL…清掃対象面、NP…狭隘部、NQ…狭隘部、SH…物体、SH1…物体、SH2…物体、SK1…側面、SK2…側面、RT…矢印。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
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図21
図22
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図28