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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】巻芯回転装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/12 20060101AFI20240205BHJP
【FI】
B65H19/12 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020025580
(22)【出願日】2020-02-18
(65)【公開番号】P2021130528
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000240341
【氏名又は名称】株式会社ヒラノテクシード
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花房 将
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-196761(JP,A)
【文献】特開2000-309454(JP,A)
【文献】特開平10-279141(JP,A)
【文献】特開2006-289696(JP,A)
【文献】特開2014-034464(JP,A)
【文献】実開昭57-178038(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 16/00-16/10
B65H 18/00-18/28
B65H 19/00-19/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心に等角度毎に突出した複数組の左右一対の腕部と、
複数組の左右一対の前記腕部にそれぞれ設けられ、筒状の巻芯を左右両側から挟持する左右一対のチャックと、
それぞれの前記チャックを前記巻芯から着脱し、前記巻芯を回転させるチャック駆動手段と、
左右一対の前記腕部を、前記巻芯でウエブを巻き取る又は巻き出す芯回転位置と、前記巻芯を取り付ける取り付け位置に、前記回転軸を中心にそれぞれ回転させる主回転手段と、
左右一対の前記腕部にそれぞれ設けられた左右一対の台腕部と、
左右一対の前記台腕部にそれぞれ設けられ、前記取り付け位置において、前記巻芯の左右両端部を載置するための左右一対の台座と、
前記台座に載置された前記巻芯に、前記チャックが挿入されたときに径外方向に拡大して、前記巻芯の内周面に当接し、前記チャックを前記巻芯に固定する膨出部と、
を有し、
前記台座に前記巻芯が載置されたときは、前記巻芯の中心が前記チャックの中心より下方に位置し、
前記膨出部で前記チャックを前記巻芯に固定したときは、前記巻芯の中心と前記チャックの中心が一致し、前記巻芯と前記台座との間に隙間が生じ、前記巻芯と前記台座とが接触しない、
巻芯回転装置。
【請求項2】
左右一対の前記台座の上面は前記巻芯を載置するために、側面から見て三角形に切り欠かれて載置部が形成され、前記チャックの中心から降ろした垂線が、三角形の前記載置部の最深部を通り、
三角形に凹んだ前記載置部の外側に防止部材がそれぞれ設けられ、
前記膨出部で前記チャックを前記巻芯に固定して前記巻芯と前記台座との間に隙間が生じても、前記防止部材が前記巻芯の横ずれを防止する、
請求項1に記載の巻芯回転装置。
【請求項3】
前記膨出部は、コンプレッサから空気を吸入して膨らむゴム製の膨出部材をチャックの先端の外周に設けたものである、
請求項1に記載の巻芯回転装置。
【請求項4】
前記巻芯が前記台座に載置されたことを検出するセンサを有する、
請求項に記載の巻芯回転装置。
【請求項5】
制御部を有し、前記制御部は、
前記センサが前記巻芯を検出すると、
前記チャック駆動手段によって前記チャックを前記巻芯に挿入し、
前記膨出部を径外方向に拡大させて、前記チャックに前記巻芯を固定する、
請求項4に記載の巻芯回転装置。
【請求項6】
前記巻芯回転装置は、
前記芯回転位置において前記チャック駆動手段によって左右一対の前記チャックを回転させ、前記ウエブを前記巻芯から巻き出す巻出し装置である、
請求項1に記載の巻芯回転装置。
【請求項7】
前記巻芯回転装置は、
前記芯回転位置において前記チャック駆動手段によって左右一対の前記チャックを回転させ、前記ウエブを前記巻芯に巻き取る巻取り装置である、
請求項1に記載の巻芯回転装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエブを巻芯から巻き出す巻芯回転装置、又は、ウエブを巻芯に巻き付ける巻芯回転装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ウエブを加工するために巻芯に巻き付けられたウエブを巻き出す巻出し装置、又は、加工が終了したウエブを巻芯に巻き取る巻取り装置がある。これら装置には、左右一対の腕部の先端にチャックがそれぞれ設けられ、この左右一対のチャックで巻芯を回転自在に挟持する。この固定のときに巻芯をチャックの位置まで自動的に運搬する台車が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-163487号公報
【文献】特許第4528250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように自動的に台車によって、巻芯を左右一対のチャックの位置まで運搬して取り付ける作業は、複雑で、かつ、正確性が必要であるという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、巻芯を左右一対のチャックに取り付ける作業が簡単に行える巻芯回転装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、回転軸を中心に等角度毎に突出した複数組の左右一対の腕部と、複数組の左右一対の前記腕部にそれぞれ設けられ、筒状の巻芯を左右両側から挟持する左右一対のチャックと、それぞれの前記チャックを前記巻芯から着脱し、前記巻芯を回転させるチャック駆動手段と、左右一対の前記腕部を、前記巻芯でウエブを巻き取る又は巻き出す芯回転位置と、前記巻芯を取り付ける取り付け位置に、前記回転軸を中心にそれぞれ回転させる主回転手段と、左右一対の前記腕部にそれぞれ設けられた左右一対の台腕部と、左右一対の前記台腕部にそれぞれ設けられ、前記取り付け位置において、前記巻芯の左右両端部を載置するための左右一対の台座と、前記台座に載置された前記巻芯に、前記チャックが挿入されたときに径外方向に拡大して、前記巻芯の内周面に当接し、前記チャックを前記巻芯に固定する膨出部と、を有し、前記台座に前記巻芯が載置されたときは、前記巻芯の中心が前記チャックの中心より下方に位置し、前記膨出部で前記チャックを前記巻芯に固定したときは、前記巻芯の中心と前記チャックの中心が一致し、前記巻芯と前記台座との間に隙間が生じ、前記巻芯と前記台座とが接触しない、を有する巻芯回転装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、巻芯の取り付け位置において左右一対のチャックの下方にある左右一対の台座に巻芯を載置すれば、チャックに巻芯を装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態を示す巻出し装置の側面図である。
図2】巻出し装置の一部欠裁平面図である。
図3】巻芯と台座の縦断面図である。
図4】台座に巻芯を載置し、チャックを差し込んだ状態の縦断面図である。
図5】チャックの膨出部を動作させ、台座から巻芯が浮上した状態の縦断面図である。
図6】左右一対のチャックの一部欠裁斜視図である。
図7】巻出し装置のブロック図である。
図8】巻出し装置の第6工程の説明図である。
図9】巻出し装置の第7工程の説明図である。
図10】巻出し装置の第8工程の説明図である。
図11】巻出し装置の第9工程の説明図である。
図12】巻出し装置の第10工程の説明図である。
図13】巻出し装置の第11工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態の巻芯支持装置について説明する。本実施形態では、巻芯回転装置としてウエブWを筒状の巻芯から巻き出す巻出し装置1について、図1図13を参照して説明する。ウエブWとしては、例えば布帛、フィルム、紙、金属箔などである。
【0010】
(1)巻出し装置1
巻出し装置1の全体の構造について図1図2を参照して説明する。水平な床に設置された基台22には、左右一対の脚部20,20と立設され、その横にフレーム3が立設されている。
【0011】
左右一対の脚部20,20の上部には、左右一対の軸受け24が設けられ、左右一対の軸受け24には、水平に配された回転軸2が設けられている。この回転軸2の一端であって、脚部20の上部には、サーボモータよりなる主回転装置26が設けられている。また、この腕部4から180°離れた位置においても、回転軸2から左右一対の腕部6,6が突出している。腕部4,6の先端には、巻芯M1、M2を取り付けるためのチャック32が設けられているが、この構造については後から説明する。
【0012】
2組の腕部4,6の間であって90°離れた位置には、それぞれ左右一対の補助腕部8,8が突出し、左右一対の補助腕部8,8から180°離れた位置に左右一対の補助腕部10,10が突出している。左右一対の補助腕部8,8の間と左右一対の補助腕部10,10との間には、ウエブWを案内するための補助ロール12が水平方向にそれぞれ配されている。
【0013】
フレーム3の上部には、切断腕部28が設けられている。この切断腕部28は、長方形状であって、その下端部には支点30が設けられ、この支点30を中心に、エアーシリンダよりなる切断駆動部48によって切断腕部28の先端が上下動する。切断腕部28の先端には、切断時においてウエブWを押圧する押圧ロール16が設けられ、さらにその押圧ロール16から支点30側にはウエブWを切断するカッタ18が設けられ、このカッタ18からさらに支点30側には切断時にウエブWを案内するタッチロール14が設けられている。カッタ18は、切断腕部28に設けられたモータよりなるカッタ装置52によって作動する。
【0014】
フレーム3には、巻芯M1から巻き出されたウエブWを外部に案内する案内ロール54が複数設けられている。
【0015】
(2)腕部4,6のチャック32
次に、左右一対の腕部4,4と左右一対の腕部6,6の先端に設けられている左右一対のチャック32,32について説明する。
【0016】
図2図6に示すように、それぞれの腕部4の先端内側にはチャック32が設けられ、腕部4の先端外側には、チャック駆動部34が設けられ、チャック駆動部34の回転軸に、筒状の巻芯M1に挿入されるチャック32が設けられている。チャック駆動部34はエアーシリンダとモータを有し、エアーシリンダによってチャック32を軸方向に移動させ、モータによってチャック32を所定の回転速度で回転させる。なお、本実施形態においては、チャック32を回転させるモータと、チャック32を軸方向に移動させるエアーシリンダとは一体にして記載しているが、それぞれ別体の構造であってもよい。
【0017】
図2図6に示すように、腕部4の内側から連結部37が突出している。この連結部37の内端部には板状の台腕部38が固定され、腕部4の先端に向かって延びている。その台腕部38の先端は、チャック32の周囲に位置し、そのチャック32の位置には台座40が設けられている。台座40は、巻芯M1を左右一対の腕部4,4に取り付ける取り付け位置において、チャック32の下方に位置する。図3に示すように、台座40の上面は三角形状に切り欠かれ、載置部42が形成されている。この三角形状の載置部42の最も深い位置が、チャック32の中心Oの真下、すなわち図3の垂線gの位置が同じである。また、この台座40の幅方向の位置は、巻芯M1にウエブWを巻回した場合に、巻回されたウエブWから突出した巻芯M1が載置される位置に設けられている。
【0018】
次に、チャック32の先端の構造について説明する。図4図5に示すように、チャック駆動部34の近傍にはエアーシリンダよりなる膨出駆動部36が設けられている。この膨出駆動部36から突出したシャフト60は、チャック32内部を移動自在に貫通し、その先端がチャック32の先端のやや内側まで延びている。このシャフト60の先端には円錐台形の楔部56が設けられている。円錐台形の楔部56の外周には複数枚の押圧片58が等角度上に配置されている。この押圧片58の内辺は、楔部56の斜面と当接するように傾斜して形成され、押圧片58の外辺はチャック32の軸方向と平行に形成されている。図4に示すように、膨出駆動部36が待機状態においてはシャフト60の先端にある楔部56は、最もチャック駆動部34側に位置している。これにより、押圧片58の斜面と楔部56の傾斜面とが当接していても、押圧片58はチャック32の外周面とほぼ同じ位置にある。そして、図5に示すように、膨出駆動部36が作動しシャフト60が延びると、楔部56がチャック32の先端側に移動しそれと共に押圧片58が、斜面の当接によりチャック32の外周面より外方に突出する。これにより、巻芯M1の外周面に複数枚の押圧片58が突出し、チャック32と巻芯M1が固定される。この押圧片58は360°同じ寸法で突出するため、チャック32の中心Oと、巻芯M1O’とが一致する。なお、この膨出駆動部36、楔部56、複数の押圧片58が膨出部を構成している。
【0019】
図4図5に示すように、左右一対の台座40の載置部42の外側には、巻芯M1が左右方向にずれるのを防止するための防止部44,44がそれぞれ突出している。巻芯M1を左右一対の防止部44,44の間に載置すれば所定の位置に載置されたこととなる。左右の防止部44には、光電センサよりなるセンサ46がそれぞれ設けられ、それぞれの台座40に巻芯M1が載置されたことを検出する。
【0020】
左右一対の腕部6,6についても同様に、左右一対のチャック32,32と台腕部38,38がそれぞれ設けられている。
【0021】
(3)巻出し装置1の電気的構成
次に、巻出し装置1の電気的構成について図7のブロック図を参照して説明する。巻出し装置1は、コンピュータよりなる制御部50を有する。この制御部50には、主回転装置26、チャック駆動部34、切断駆動部48、カッタ装置52、左右一対の台座40にそれぞれ設けられた4つのセンサ46が接続されている。
【0022】
なお、制御部50は、左右一対のセンサ46が巻芯M1を検出すると、左右一対の台座40に巻芯M1が載置されたものとして、巻芯M1を運んできた台車などの装置にその情報を出力する。巻芯M1を運んできた台車は、その情報が入力すると、搬送作業が終了したとして元の位置に復帰する。
【0023】
(4)台座40に巻芯M1を載置したときの状態
左右一対の台座40,40の上に巻芯M1を載置したときの状態について説明する。
【0024】
図3に示すように、左右一対の台座40,40の載置部42に、巻芯M1の両端部をそれぞれ載置すると、載置部42の形状が三角形状であるため、巻芯M1がその三角形の角部に滑り落ちるように載置される。このとき、図4に示すように、円柱形のチャック32の中心Oと、巻芯M1の中心O’とは高さ方向においてずれており、巻芯M1の中心O’の方が、チャック32の中心よりも下方に位置している。
【0025】
図5に示すように、チャック32がチャック駆動部34によって軸方向に移動し、チャック32の先端が巻芯M1の内部に挿入され、巻芯M1が挟持される。次に、エアーシリンダよりなる膨出駆動部36が作動し、チャック32の先端内部にある楔部56を移動させる。すると、楔部56の外周に位置する複数枚の押圧片58がチャック32の外周方向に広がり、巻芯M1の内周面に当接される。このようになると、巻芯M1が押圧片58によって上方に移動し、図5に示すように、中心Oと中心O’とが一致する。そして巻芯M1がチャック32に固定される。一方、図5に示すように、巻芯M1が上方に移動するため、載置部42と巻芯M1の外周面との間に隙間Sが生じる。この隙間Sが重要であり、チャック駆動部34によってチャック32と巻芯M1を回転させた場合に、巻芯M1の外周面が載置部42に接触せずスムーズに回転できる。この状態は、台座40が巻芯M1の下方に位置しているとき及び上方に位置しているときでも、チャック32に巻芯M1が固定されているため実現される。
【0026】
(5)巻出し装置1の作動状態
巻出し装置1の作動状態について図3図12を参照して説明する。
【0027】
第1工程において、制御部50は、主回転装置26によって左右一対の腕部4,4を、巻芯M1の取り付け位置に回転させる。
【0028】
第2工程において、台車又は作業員が、ウエブWを満巻に巻き付けた巻芯M1の両端部を左右一対の台座40,40に載置する。このとき、図3図4に示すように、載置部42が設けられているため、図3に示すように、チャック32の中心O’が、巻芯M1の中心Oよりも若干上方(約1mm)に配される。さらに、左右一対の台座40の載置部42の外側には防止部44,44があるため、巻芯M1が左右方向にずれない。
【0029】
第3工程において、左右一対のセンサ46,46が巻芯M1の載置を検出すると、制御部50は、左右一対のチャック32をチャック駆動部34によって巻芯M1に挿入する。また、制御部50は巻芯M1がチャック32に挿入されると、膨出駆動部36が作動させて、チャック32の先端内部にある楔部56を移動させ、複数枚の押圧片58をチャック32の外周方向に拡大させ、巻芯M1の内周面に当接させる。これにより、巻芯M1が押圧片58によって上方に移動し、図5に示すように、中心Oと中心O’とが一致する。そして、図6に示すように、巻芯M1がチャック32に挟持される。なお、巻芯M1が上方に移動するため、載置部42と巻芯M1の外周面との間に隙間Sが生じ、チャック32で巻芯M1を回転させた場合に、巻芯M1の外周面が載置部42に接触せずスムーズに回転できる。
【0030】
第4工程において、左右一対の腕部4,4を時計回りの方向に回転させ、ウエブWの巻き出し位置(芯回転位置)に移動させる。巻き出し位置は、左右一対の腕部4,4が水平になった位置であり、フレーム3の案内ロール54の近くに位置している。
【0031】
第5工程において、巻芯M1から巻出しを開始する。
【0032】
第6工程において、巻芯M1から巻出しが継続しているときに、左右一対の腕部6,6にある左右一対の台座40,40に、満巻の巻芯M2を載置する。この巻芯M2を載置する手順は、上記で説明した巻芯M1と同じ手順である。
【0033】
第7工程(図8参照)では、巻芯M1に巻かれているウエブWが残り少なくなってくると、回転軸2を時計回りの方向に回転させ、巻芯M1と巻芯M2の位置を180°反対の位置に回転させる。
【0034】
第8工程(図9図10参照)では、巻芯M1と巻芯M2を時計回りの方向に回転させると、巻芯M1から供給されているウエブWは補助ロール12を介して引き続き供給される。
【0035】
第9工程(図11参照)では、巻芯M1から供給されているウエブWに、タッチロール14と押圧ロール16とカッタ18を有する切断腕部28を切断駆動部48によって近づける。
【0036】
第10工程(図12参照)では、タッチロール14と押圧ロール16によって古いウエブWを巻芯M2の新しいウエブWに押圧しつつ、不図示の両面接着テープによって接続し、カッタ18で古いウエブWを切断する。
【0037】
第11工程(図13参照)では、古いウエブWを切断した後、巻芯M2から新しいウエブWを巻き出す。
【0038】
(6)効果
上記実施形態によれば、左右一対の台座40,40に巻芯M1を載置するだけで、チャック32の中心Oと巻芯M1の中心O’が一致するように簡単に固定できる。
【0039】
また、台座40に巻芯M1を載置したときに、左右一対の防止部44,44があるため、巻芯M1が軸方向に横ずれを起こさない。
【0040】
また、巻芯M1を台座40に載置したときに、三角形状の載置部42によって巻芯M1の中心O’とチャック32の中心Oとが一致する。
【0041】
また、チャック32から複数の押圧片58が、膨出駆動部36によって径外方向に拡大し、巻芯M1を内周側から押圧して固定するため、巻芯M1がチャック32から外れない。
【0042】
また、巻芯M1がチャック32に固定されるときに、巻芯M1が上方に移動するため、載置部42と巻芯M1の外周面との間に隙間Sが生じる。そのため、チャック32で巻芯M1を回転させた場合に、巻芯M1の外周面が載置部42に接触せずスムーズに回転できる。
【変更例】
【0043】
上記実施形態の変更例について説明する。
【0044】
(1)変更例1
上記実施形態では、巻芯回転装置として、巻出し装置1で説明したが、これに代えて巻芯M1にウエブWを巻き取る巻取り装置に適用してもよい。この場合には、空の巻芯M1を左右一対の台座40,40に載置し、満巻になった巻芯M1を左右一対の台座40,40から取り外す。
【0045】
(2)変更例2
チャック32の膨出部としては、コンプレッサから空気を吸入して膨らむゴム製の膨出部材をチャック32の先端の外周に設けた構造であってもよい。
【0046】
(3)その他
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1・・・巻出し装置、2・・・回転軸、4・・・腕部、6・・・腕部、8・・・補助腕部、10・・・補助腕部、18・・・カッタ、32・・・チャック、36・・・膨出駆動部、38・・・台腕部、40・・・台座、42・・・載置部、46・・・センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13