(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20240205BHJP
【FI】
E02F9/00 D
(21)【出願番号】P 2020044941
(22)【出願日】2020-03-16
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000140719
【氏名又は名称】株式会社加藤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】柳下 和也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信隆
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-129687(JP,A)
【文献】国際公開第2015/147343(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/184860(WO,A1)
【文献】特開2018-044474(JP,A)
【文献】特開2012-215022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
F01N 3/00- 3/38
F01N 9/00-11/00
B60K 11/00-15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体に対して旋回可能に前記下部走行体の鉛直上側に連結される上部旋回体と、
前記上部旋回体にて搭載されるエンジンと、
前記上部旋回体に搭載され、前記エンジンからの排気ガスを後処理して、大気に排気する後処理装置と、
を具備し、
前記上部旋回体は、
旋回テーブルと、
前記旋回テーブルに取付けられ、前記エンジンが前記鉛直上側に設置されるエンジンフレームと、
前記エンジンフレームとは別の位置で前記旋回テーブルに取付けられる第1の装置フレームと、
前記第1の装置フレームに前記鉛直上側から取付けられ、前記エンジンが位置する側へ、前記第1の装置フレームに対して突出する突出板と、
前記突出板を間に介して前記鉛直上側から前記第1の装置フレームに取外し可能に取付けられ、前記後処理装置が前記鉛直上側に設置される台座であって、前記第1の装置フレームを超えて前記エンジンが位置する側へ延設される台座と、
を備
え、
前記台座は、底板部を備え、
前記底板部には、鉛直方向に前記底板部を貫通する接続孔が形成され、
前記底板部は、前記接続孔において前記突出板に接続され、
前記底板部には、前記接続孔より開口面積の大きい孔は、形成されない、
建設機械。
【請求項2】
前記台座は、
前記底板部の縁に沿って前記底板部の全周に渡って形成され、前記底板部から前記鉛直上側へ突出する突出板部
を備える、請求項1の建設機械。
【請求項3】
前記上部旋回体は、前記エンジンフレーム及び前記第1の装置フレームとは別の位置で前記旋回テーブルに取付けられ、前記第1の装置フレームに比べて前記エンジンから離れた位置に配置される第2の装置フレームを備え、
前記台座は、前記鉛直上側から前記第2の装置フレームに取外し可能に取付けられ、前記第2の装置フレームから前記第1の装置フレームを超えて前記エンジンが位置する側へ延設される、
請求項1又は2の建設機械。
【請求項4】
前記台座は、前記エンジンフレームに対して前記鉛直上側に位置し、
前記後処理装置は、前記エンジンに対して前記鉛直上側にずれて配置される、
請求項1乃至3のいずれか1項の建設機械。
【請求項5】
前記台座の前記底板部の厚さは、前記第1の装置フレームを形成する板部材の厚さより厚い、請求項1乃至4のいずれか1項の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、建設機械として油圧ショベルが開示されている。この油圧ショベルでは、上部旋回体のエンジンルームに、エンジン及び後処理装置が搭載される。そして、後処理装置によって、エンジンからの排気ガスの無害化処理等の後処理が行われ、後処理された排気ガスが大気に排気される。上部旋回体では、旋回テーブル(車体フレーム)に、エンジンフレーム(エンジン支持機構)が取付けられ、エンジンフレームの鉛直上側にエンジンが設置される。また、エンジンフレームには、装置フレーム(マウント機構)が取付けられ、装置フレームの鉛直上側に後処理装置が設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1のようにエンジン及び後処理装置が設けられる建設機械では、後処理装置の強度を高くする観点から、エンジンフレームとは別の位置で装置フレームを旋回テーブルに取付け、後処理装置をエンジンとは異なる振動系にしたものがある。このような建設機械では、エンジンフレームに装置フレームが直接的に取付けられる場合とは異なり、エンジンフレームに対して装置フレームが離れて配置される。前述のようにエンジンフレームに対して装置フレームが離れて配置される場合においても、エンジンと後処理装置との間の距離が小さくなることが、求められている。
【0005】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、エンジンフレームに対して装置フレームが離れて配置される構成において、エンジンと後処理装置との間の距離が小さくなる建設機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明のある態様の建設機械は、下部走行体と、前記下部走行体に対して旋回可能に前記下部走行体の鉛直上側に連結される上部旋回体と、前記上部旋回体にて搭載されるエンジンと、前記上部旋回体に搭載され、前記エンジンからの排気ガスを後処理して、大気に排気する後処理装置と、を備え、前記上部旋回体は、旋回テーブルと、前記旋回テーブルに取付けられ、前記エンジンが前記鉛直上側に設置されるエンジンフレームと、前記エンジンフレームとは別の位置で前記旋回テーブルに取付けられる第1の装置フレームと、前記第1の装置フレームに前記鉛直上側から取付けられ、前記エンジンが位置する側へ、前記第1の装置フレームに対して突出する突出板と、前記突出板を間に介して前記鉛直上側から前記第1の装置フレームに取外し可能に取付けられ、前記後処理装置が前記鉛直上側に設置される台座であって、前記第1の装置フレームを超えて前記エンジンが位置する側へ延設される台座と、を備え、前記台座は、底板部を備え、前記底板部には、鉛直方向に前記底板部を貫通する接続孔が形成され、前記底板部は、前記接続孔において前記突出板に接続され、前記底板部には、前記接続孔より開口面積の大きい孔は、形成されない。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エンジンフレームに対して装置フレームが離れて配置され構成において、エンジンと後処理装置との間の距離が小さくなる建設機械を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る油圧ショベルを示す概略図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る油圧ショベルの上部旋回体において、エンジンルーム及びその近傍の構成を示す概略図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る油圧ショベルのエンジンルームにおいて、エンジン及び後処理装置、及び、これらの近傍の構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る油圧ショベルにおいて、後処理装置及びその近傍の構成を、第1の水平方向の一方側から視た状態で示す概略図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る油圧ショベルにおいて、一対の装置フレーム及びこれらに関連する部分を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る油圧ショベルの台座を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る油圧ショベルの台座を、鉛直上側から視た状態で示す概略図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る油圧ショベルにおいて、一対の装置フレームに台座が取付けられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、建設機械の一例として、第1の実施形態に係る油圧ショベル1を示す。
図1に示すように、油圧ショベル1は、下部走行体2及び上部旋回体3を備える。上部旋回体3は、下部走行体2の鉛直上側に連結される。上部旋回体3は、鉛直方向(矢印Z1及び矢印Z2に示す方向)に平行又は略平行な旋回軸を中心として、下部走行体2に対して旋回可能である。
【0011】
上部旋回体3では、鉛直方向に交差する(垂直又は略垂直な)前後方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)、及び、鉛直方向及び前後方向の両方に交差する(垂直又は略垂直な)幅方向が規定される。
図1では、紙面に対して垂直又は略垂直な方向が、上部旋回体3の幅方向(左右方向)と一致又は略一致する。また、下部走行体2でも、鉛直方向に対して交差する(垂直又は略垂直な)前後方向、及び、鉛直方向及び前後方向の両方に対して交差する(垂直又は略垂直な)幅方向が規定される。
図1では、下部走行体2の前後方向が上部旋回体3の前後方向と一致又は略一致する状態、すなわち、下部走行体2の前方側が上部旋回体3の前方側(矢印X1側)と一致又は略一致する状態で、油圧ショベル1を示す。また、
図1では、下部走行体2及び上部旋回体3のそれぞれを、幅方向の一方側、すなわち、左方側から視た状態で示す。
【0012】
上部旋回体3には、作業装置5が連結される。作業装置5は、下部走行体2に対して、上部旋回体3と一緒に旋回する。作業装置5は、ブーム6、アーム7及びバケット8を備える。ブーム6の基端部は、上部旋回体3に回動可能に取付けられる。ブーム6が上部旋回体3に対して回動することにより、ブーム6は、上部旋回体3に対して起状動作又は伏状動作する。アーム7の基端部は、ブーム6の先端部に回動可能に取付けられる。アーム7がブーム6に対して回動することにより、アーム7は、ブーム6に対して起状動作又は伏状動作する。バケット8は、アタッチメントの1種であり、アーム7の先端部に取外し可能に取付けられる。ブーム6、アーム7及びバケット8を作動することにより、油圧ショベル1では、バケット8によって土砂等が掘削される。
【0013】
上部旋回体3は、旋回テーブル11及び運転室12を備える。運転室12は、旋回テーブル11上に設置される。運転室12は、上部旋回体3の幅方向について、作業装置5に対して並んで配置される。運転室12では、作業者によって油圧ショベル1の操作等が行われる。また、上部旋回体3では、運転室12に対して後方側に、エンジンルーム13が形成される。
【0014】
図2は、上部旋回体3においてエンジンルーム13及びその近傍の構成を示す。
図2は、鉛直上側から視た状態を示し、
図2では、矢印Y1及び矢印Y2で示す方向が、上部旋回体3の幅方向となる。
図2に示すように、エンジンルーム13には、エンジン15及び後処理装置16が配置される。すなわち、エンジン15及び後処理装置16は、上部旋回体3において運転室12より後方側の領域に、搭載される。エンジン15及び後処理装置16は、旋回テーブル11上に配置される。また、
図2の一例では、後処理装置16は、エンジン15に対して、上部旋回体3の幅方向の一方側(左方側)に並んで配置される。
【0015】
後処理装置16は、エンジン15からの排気ガスの無害化処理等の後処理を行う。例えば、後処理装置16は、排気ガスに含まれる窒素酸化物及び粒子状物質等に対して処理を行う。そして、排気ガスは、後処理装置16によって後処理が行われた後に、大気に排気される。また、エンジンルーム13では、エンジン15と後処理装置16との間は、排気管17を介して接続される。したがって、エンジン15からの排気ガスは、排気管17の内部を通して、後処理装置16へ排出される。
【0016】
図3は、エンジンルーム13において、エンジン15及び後処理装置16、及び、これらの近傍の構成を示す。
図3に示すように、エンジンルーム13では、旋回テーブル11にエンジンフレーム21が取付けられる。そして、エンジンフレーム21上に、エンジン15が、エンジンマウント22を間に介して、設置される。このため、エンジン15は、エンジンフレーム21の鉛直上側に設置される。また、エンジンルーム13では、エンジンフレーム21とは別の位置で、旋回テーブル11に一対の装置フレーム23A,23Bが取付けられる。ここで、装置フレーム23A,23Bのそれぞれとエンジンフレーム21との間には、旋回テーブル11が介在し、装置フレーム23A,23Bのそれぞれは、エンジンフレーム21に直接的には連結されない。また、一対の装置フレーム23A,23Bは、互いに対して離れた位置(別の位置)で、旋回テーブル11に取付けられる。
【0017】
また、装置フレーム23A,23Bのそれぞれは、旋回テーブル11から鉛直上側へ延設される。一対の装置フレーム23A,23Bには、台座25が取外し可能に取付けられる。台座25は、鉛直上側から装置フレーム23A,23Bに取付けられる。このため、台座25は、一対の装置フレーム23A,23B等によって、鉛直下側から支持される。そして、台座25上に、後処理装置16が設置される。このため、後処理装置16は、台座25の鉛直上側に設置される。また、
図3等の一例では、台座25は、エンジンフレーム21に対して、鉛直上側に位置する。このため、後処理装置16は、エンジン15に対して、鉛直上側にずれて配置される。
【0018】
また、エンジンルーム13には、ポンプ26が配置される。ポンプ26は、上部旋回体3の幅方向について、エンジン15に対して後処理装置16が位置する側(左方側)に並んで配置される。また、ポンプ26は、後処理装置16に対して、鉛直下側に配置される。鉛直方向についてポンプ26と後処理装置16との間には、台座25が、配置される。排気管17は、ベローズ管部27、及び、折返し部分28を備える。排気管17では、ベローズ管部27は、折返し部分28に対して、エンジン15に近い側、すなわち、後処理装置16から遠い側に配置される。
【0019】
ここで、エンジンルーム13において、鉛直方向に交差する(垂直又は略垂直な)第1の水平方向(矢印X3及び矢印X4で示す方向)、及び、鉛直方向及び第1の水平方向の両方に交差する(垂直又は略垂直な)第2の水平方向(矢印Y3及び矢印Y4)で示す方向を、規定する。本実施形態では、第1の水平方向が上部旋回体3の前後方向と一致又は略一致し、第2の水平方向が上部旋回体3の幅方向と一致又は略一致する。
【0020】
図4は、後処理装置16及びその近傍の構成を示す。
図4は、第1の水平方向の一方側(矢印X4側)から視た状態、すなわち、上部旋回体3の後方側から視た状態を示す。
図3及び
図4に示すように、装置フレーム(第1の装置フレーム)23Aは、第2の水平方向について、エンジン15と装置フレーム(第2の装置フレーム)23Bとの間に配置される。このため、装置フレーム23Bは、装置フレーム23Aに比べて、エンジン15から離れた位置に配置される。また、ポンプ26は、第2の水平方向、すなわち、上部旋回体3の幅方向について、装置フレーム23A,23Bの間に配置される。
【0021】
台座25は、装置フレーム(第2の装置フレーム)23Bから、第2の水平方向についてエンジン15が位置する側(矢印Y4側)へ向かって、延設される。そして、台座25は、装置フレーム(第1の装置フレーム)23Aを超えて、エンジン15が位置する側へ延設される。したがって、台座25は、第2の水平方向(上部旋回体3の幅方向)について、装置フレーム23Aを跨って形成され、装置フレーム23Aからエンジン15が位置する側へ突出する。台座25上に設置される後処理装置16は、第2の水平方向について、装置フレーム23Aを跨って配置される。
【0022】
図5は、一対の装置フレーム23A,23B及びこれらに関連する部分を示す。
図5等に示すように、装置フレーム23Aは、一対の脚部31A,32A、及び、ビーム部(頂上ビーム部)33Aを備える。脚部31A,32Aは、第1の水平方向、すなわち、上部旋回体3の前後方向について、互いに対して離れて配置される。
図5の一例等では、脚部31Aは、脚部32Aに対して、上部旋回体3の前方側に配置される。装置フレーム23Aでは、脚部31A,32Aのそれぞれが、旋回テーブル11に接続される。そして、脚部31A,32Aのそれぞれは、旋回テーブル11から鉛直上側へ延設される。
【0023】
ビーム部33Aは、脚部31A,32Aの間に、第1の水平方向(上部旋回体3の前後方向)に沿って延設される。ビーム部33Aは、装置フレーム23Aの鉛直上側の端を形成し、旋回テーブル11から鉛直上側に離れて配置される。ビーム部33Aの一端は、脚部31Aの鉛直上側の端に接続され。ビーム部33Aの他端は、脚部32Aの鉛直上側の端に接続される。
【0024】
装置フレーム23Bは、一対の脚部31B,32B、ビーム部(頂上ビーム部)33B、及び、底フレーム部35Bを備える。底フレーム部35Bは、装置フレーム23Bの鉛直下側の端を形成する。装置フレーム23Bでは、底フレーム部35Bが、旋回テーブル11に鉛直上側から当接する。脚部31B,32Bは、第1の水平方向、すなわち、上部旋回体3の前後方向について、互いに対して離れて配置される。
図5の一例等では、脚部31Bは、脚部32Bに対して、上部旋回体3の前方側に配置される。脚部31B,32Bのそれぞれは、底フレーム部35Bから鉛直上側へ延設される。
【0025】
ビーム部33Bは、脚部31B,32Bの間に、第1の水平方向(上部旋回体3の前後方向)に沿って延設される。ビーム部33Bは、装置フレーム23Bの鉛直上側の端を形成し、旋回テーブル11から鉛直上側に離れて配置される。ビーム部33Bの一端は、脚部31Bの鉛直上側の端に接続され。ビーム部33Bの他端は、脚部32Bの鉛直上側の端に接続される。また、底フレーム部35Bも、脚部31B,32Bの間に、第1の水平方向に沿って延設される。底フレーム部35Bの一端は、脚部31Bの鉛直下側の端に接続され、底フレーム部35Bの他端は、脚部32Bの鉛直下側の端に接続される。
【0026】
また、装置フレーム23A,23Bの間には、中継フレーム36及び中継板37のそれぞれが、第2の水平方向、すなわち、上部旋回体3の幅方向に沿って、延設される。中継フレーム36は、装置フレーム23Aのビーム部33Aと装置フレーム23Bのビーム部33Bとの間を、中継する。中継フレーム36の一端は、ビーム部33Aにおいて脚部32Aが位置する側の端に接続される。そして、中継フレーム36の他端は、ビーム部33Bにおいて脚部32Bが位置する側の端に接続される。中継板37は、装置フレーム23Aの脚部31Aと装置フレーム23Bの脚部31Bとの間を、中継する。中継板37の一端は、鉛直方向について脚部31Aの中央部に接続される。そして、中継板37の他端は、鉛直方向について脚部31Bの中央部に接続される。
【0027】
また、装置フレーム23Aのビーム部33Aには、突出板38が鉛直上側から取付けられる。突出板38は、第2の方向についてエンジン15が位置する側(矢印Y4側)へ、装置フレーム23A(ビーム部33A)に対して突出する。また、突出板38には、(
図5等の一例では)4つの孔39Aが形成される。そして、装置フレーム23Bのビーム部33Bには、(
図5等の一例では)4つの孔39Bが形成される。孔39A,39Bのそれぞれは、鉛直方向に沿って、延設される。
【0028】
図6及び
図7は、台座25を示す。
図7は、鉛直上側から視た状態で、台座25が示される。
図6及び
図7に示すように、台座25は、底板部41と、底板部41から鉛直上側に突出する突出板部42と、を備える。突出板部42は、底板部41の縁に沿って形成され、底板部41の周方向について全周に渡って形成される。底板部41の厚さは、装置フレーム23A,23Bのそれぞれを形成する板部材の厚さと、同一又は略同一となる。なお、ある一例では、底板部41の厚さは、装置フレーム23A,23Bのそれぞれを形成する板部材の厚さより、厚くてもよい。
【0029】
突出板部42は、延設板部42A~42Dを備える。底板部41では、第1の水平方向について排気管17が位置する側(上部旋回体3の後方側)の縁から、延設板部42Aが鉛直上側に突出し、第1の水平方向について排気管17が位置する側とは反対側(上部旋回体3の前方側)の縁から、延設板部42Bが鉛直上側に突出する。底板部41では、第2の水平方向についてエンジン15が位置する側の縁から、延設板部42Cが鉛直上側に突出し、第2の水平方向についてエンジン15が位置する側とは反対側の縁から、延設板部42Dが鉛直上側に突出する。延設板部42A,42Bのそれぞれは、延設板部42C,42Dの間に、第2の水平方向(上部旋回体3の幅方向)に沿って延設される。延設板部42C,42Dのそれぞれは、延設板部42A,42Bの間に、第1の水平方向(上部旋回体3の前後方向)に沿って延設される。
【0030】
底板部41において鉛直上側を向く面には、ブラケット43が取付けられる。ブラケット43は、第2の水平方向について延設板部42Dが位置する側の端部で、底板部41に取付けられる。そして、ブラケット43は、底板部41から鉛直上側へ向かって延設される。また、底板部41には、第2の水平方向について延設板部42Cが位置する側(エンジン15が位置する側)の端部に、(
図6及び
図7等の一例では)4つの孔45Aが形成される。そして、底板部41では、第2の水平方向についてブラケット43と延設板部42Dとの間に、(
図6及び
図7等の一例では)4つの孔45Bが形成される。孔45A,45Bのそれぞれは、鉛直方向に底板部41を貫通する。なお、底板部41には孔45A,45B及びこれらと同程度の大きさの小さい孔は形成されるが、開口面積が大きい孔は形成されない。
【0031】
図8は、一対の装置フレーム23A,23Bに台座25が取付けられた状態を示す。
図8に示すように、装置フレーム23A,23Bに台座25が取付けられることにより、台座25は、装置フレーム23Aのビーム部33A、装置フレーム23Bのビーム部33B及び突出板38によって、鉛直下側から支持される。一対の装置フレーム23A,23Bに台座25が取付けられた状態では、突出板38の孔39Aのそれぞれは、台座25の底板部41の孔45Aの対応する1つに対して、第1の水平方向及び第2の水平方向にずれていない。そして、ビーム部33Bの孔39Bのそれぞれは、台座25の底板部41の孔45Bの対応する1つに対して、第1の水平方向及び第2の水平方向にずれていない。このため、装置フレーム23A,23Bに台座25が取付けられた状態において鉛直上側から装置フレーム23A,23B及び台座25を視た場合、孔39Aのそれぞれは孔45Aの対応する1つと重なり、孔39Bのそれぞれは孔45Bの対応する1つと重なる。
【0032】
装置フレーム23Aのビーム部33Aに取付けられる突出板38は、孔39A(孔45A)のそれぞれで、ネジ等を介して、台座25の底板部41に接続される。これにより、台座25は、突出板38を間に介して、装置フレーム23Aに取外し可能に取付けられる。また、装置フレーム23Bのビーム部33Bは、孔39B(孔45B)のそれぞれで、ネジ等を介して、台座25の底板部41に接続される。これにより、台座25は、装置フレーム23Bに取外し可能に取付けられる。
【0033】
本実施形態では、エンジンフレーム21とは別の位置で、装置フレーム23A,23Bが、旋回テーブル11に取付けられる。そして、台座25が、装置フレーム23A,23Bに取付けられ、台座25上に後処理装置16が設置される。したがって、後処理装置16を支持する装置フレーム23A,23B及び台座25は、エンジン15を支持するエンジンフレーム21に直接的に連結されない。すなわち、後処理装置16を支持する装置フレーム23A,23B及び台座25のそれぞれとエンジンフレーム21との間には、旋回テーブル11が介在する。これにより、後処理装置16は、エンジン15とは異なる振動系になり、後処理装置16の強度が高くなる。
【0034】
また、装置フレーム23A,23Bがエンジンフレーム21に直接的に連結されないため、エンジンルーム13において、後処理装置16の配置位置の自由度が高くなる。また、装置フレーム23A,23Bがエンジンフレーム21に対して離れて配置されるため、装置フレーム23A,23Bに台座25を取付ける作業等において、作業スペースが広く確保される。
【0035】
また、本実施形態では、台座25は、装置フレーム(第2の装置フレーム)23Bから装置フレーム(第1の装置フレーム)23Aを超えて、エンジン15が位置する側へ延設される。すなわち、台座25は、第2の水平方向について、装置フレーム23Aを跨って形成される。これにより、台座25に設置される後処理装置16は、第2の水平方向について装置フレーム23Aを跨って配置され、エンジン15が位置する側へ装置フレーム23Aに対して突出する。このため、エンジンフレーム21に対して装置フレーム23A,23Bが離れて配置される構成において、エンジン15と後処理装置16との間の距離が小さくなる。
【0036】
エンジン15と後処理装置16との間の距離が小さくなることにより、排気管17の延設長を短くすることが可能になる。排気管17の延設長が短くなることにより、排気管17での排気ガスのエネルギー損失が低減される。これにより、排気管17での排気ガスの流速の低下が有効に防止され、エンジン15から後処理装置16へ排気ガスが適切に排気される。また、排気管17での排気ガスの流速の低下が防止されることにより、排気ガスが排気管17の通過に要する時間が短くなり、排気管17での排気ガスの温度の低下が有効に防止される。
【0037】
また、エンジン15と後処理装置16との間の距離が小さくなることにより、排気管17をコンパクト化(小型化)することが可能になり、排気管17及び後処理装置16から形成される排気系をコンパクト化(小型化)することが可能になる。また、排気系がコンパクト化することにより、排気系の製造に掛かるコスト等が、低減される。
【0038】
また、本実施形態の台座25では、底板部41から突出板部42が鉛直上側に突出し、突出板部42は、底板部41の縁に沿って底板部41の全周に渡って形成される。突出板部42が底板部41の全周に渡って形成されるため、台座25の強度が向上する。台座25の強度が向上することにより、後処理装置16からの負荷が、装置フレーム23A,23B及び台座25で適切に分散され、装置フレーム23A,23Bのそれぞれに掛かる負荷が低減される。
【0039】
また、本実施形態では、突出板部42の延設板部42Cが、エンジン15からの放射熱を遮蔽する。このため、後処理装置16の近傍に配置されるセンサ等へのエンジン15からの熱の影響が、低減される。また、突出板部42が設けられることにより、突出板部42に、センサ及び配線等を取付け可能になる。これにより、台座25において、センサ等を支持するブラケットの数が削減される。
【0040】
また、本実施形態では、台座25は、エンジンフレーム21に対して、鉛直上側に位置し、後処理装置16は、エンジン15に対して、鉛直上側にずれて配置される。後処理装置16の近傍に配置されるセンサ等へのエンジン15からの熱の影響が、さらに低減される。
【0041】
また、底板部41の厚さは、装置フレーム23A,23Bのそれぞれを形成する板部材の厚さ以上となることが、好ましい。これにより、台座25の断熱性及び防音性が向上する。また、本実施形態の台座25では、底板部41に、孔45A,45B及びこれらと同程度の大きさの小さい孔は形成されるが、開口面積が大きい孔は形成されない。これにより、台座25の底板部41の断熱性及び防音性が向上する。また、台座25によって、後処理装置16等の台座25よりも鉛直上側に位置する部材からの熱の、台座25よりも鉛直下側に位置するポンプ26等への影響が、低減される。
【0042】
なお、前述の実施形態等では、油圧ショベル1を例に挙げて説明したが、前述したエンジン15、後処理装置16、エンジンフレーム21、装置フレーム23A,23B及び台座25等の構成は、下部走行体2及び上部旋回体3を備える建設機械であれば、適用可能である。前述の実施形態等の構成が適用される油圧ショベル1以外の建設機械としては、例えば、クレーンが挙げられる。
【0043】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0044】
1…油圧ショベル、2…下部走行体、3…上部旋回体、11…旋回テーブル、13…エンジンルーム、15…エンジン、16…後処理装置、21…エンジンフレーム、23A…装置フレーム(第1の装置フレーム)、23B…装置フレーム(第2の装置フレーム)、25…台座、41…底板部、42…突出板部。