(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】光モジュール
(51)【国際特許分類】
H01S 5/0239 20210101AFI20240205BHJP
H01S 5/042 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
H01S5/0239
H01S5/042 630
(21)【出願番号】P 2020077640
(22)【出願日】2020-04-24
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】519283819
【氏名又は名称】CIG Photonics Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山本 寛
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-219716(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103780218(CN,A)
【文献】特開2017-199905(JP,A)
【文献】特開2011-238858(JP,A)
【文献】特開2006-030227(JP,A)
【文献】特開2000-252779(JP,A)
【文献】特開2020-021911(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0103709(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
G02F 1/00-1/125
G02F 1/21-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光を変調可能な光変調器と、
上電極及び下電極を有するコンデンサと、
前記コンデンサの前記上電極に面接合で直列接続された抵抗器と、
を有し、
前記抵抗器及び前記コンデンサは、前記光変調器に並列接続され、
前記抵抗器は、前記コンデンサの前記上電極に面接合された第1導体と、第2導体と、前記第1導体及び前記第2導体の間に電気的に接続された抵抗体とを含み、
前記抵抗器は、絶縁体をさらに含み、
前記第1導体は、前記絶縁体の下面から上面に至るようになっており、
前記第2導体及び前記抵抗体は、前記絶縁体の前記上面にあることを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載された光モジュールであって、
前記光源及び前記光変調器は、一体化した光半導体素子であることを特徴とする光モジュール。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載された光モジュールであって、
前記第1導体は、前記絶縁体の側面を通るようになっていることを特徴とする光モジュール。
【請求項4】
請求項
1又は2に記載された光モジュールであって、
前記第1導体は、前記絶縁体を貫通するようになっていることを特徴とする光モジュール。
【請求項5】
請求項
1から
4のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記絶縁体の端部及び前記第2導体の端部は、前記光変調器に近づく方向に、前記コンデンサからオーバーハングした位置にあることを特徴とする光モジュール。
【請求項6】
請求項
1から
5のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記抵抗器の前記第2導体
の端部に一端がボンディングされ、他端が前記光変調器にボンディングされたワイヤをさらに有することを特徴とする光モジュール。
【請求項7】
請求項
1から
5のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記コンデンサとは反対側で前記光変調器の隣にあるボンディングパッドと、
前記光変調器に一端がボンディングされ、他端が前記ボンディングパッドにボンディングされた第1ワイヤと、
前記抵抗器の前記第2導体
の端部に一端がボンディングされ、前記光変調器の上方を超えて、他端が前記ボンディングパッドにボンディングされた第2ワイヤと、
をさらに有することを特徴とする光モジュール。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
第1面及び第2面を有し、前記第1面及び前記第2面の間で貫通する複数の貫通孔を有し、前記第1面に台座部を有する導電性ブロックと、
前記複数の貫通孔の内側に前記導電性ブロックとは絶縁されてそれぞれ固定されている複数のリードと、
をさらに有し、
前記コンデンサは、前記台座部に搭載されていることを特徴とする光モジュール。
【請求項9】
請求項
8に記載された光モジュールであって、
前記光源及び前記光変調器が搭載された搭載基板をさらに有し、
前記搭載基板は、前記台座部に搭載されていることを特徴とする光モジュール。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか1項に記載された光モジュールであって、
前記光源は、複数の光源を含み、
前記光変調器は、前記複数の光源にそれぞれ対応する複数の光変調器を含み、
前記コンデンサは、複数のコンデンサを含み、
前記抵抗器は、前記複数のコンデンサにそれぞれ対応する複数の抵抗器を含み、
前記複数の光変調器と前記複数のコンデンサは、交互に配置されていることを特徴とする光モジュール。
【請求項11】
請求項
9に記載された光モジュールであって、
前記台座部は、上面に、第1領域と、前記第1領域よりも低い第2領域と、を含み、
前記搭載基板は、前記第1領域に搭載され、
前記コンデンサは、前記第2領域に搭載されていることを特徴とする光モジュール。
【請求項12】
請求項
9に記載された光モジュールであって、
前記台座部は、上面に、第1領域と、前記第1領域よりも低い第2領域と、を含み、
前記搭載基板は、前記第1領域に搭載され、
前記光源は、複数の光源を含み、
前記光変調器は、前記複数の光源にそれぞれ対応する複数の光変調器を含み、
前記コンデンサは、前記第1領域に搭載された少なくとも1つの第1コンデンサ及び前記第2領域に搭載された少なくとも1つの第2コンデンサからなる複数のコンデンサを含み、
前記抵抗器は、前記複数のコンデンサにそれぞれ対応する複数の抵抗器を含むことを特徴とする光モジュール。
【請求項13】
光源と、
前記光源からの光を変調可能な光変調器と、
上電極及び下電極を有するコンデンサと、
前記コンデンサの前記上電極に面接合で直列接続された抵抗器と、
第1面及び第2面を有し、前記第1面及び前記第2面の間で貫通する複数の貫通孔を有し、前記第1面に台座部を有する導電性ブロックと、
前記複数の貫通孔の内側に前記導電性ブロックとは絶縁されてそれぞれ固定されている複数のリードと、
前記光源及び前記光変調器が搭載された搭載基板と、
を有し、
前記抵抗器及び前記コンデンサは、前記光変調器に並列接続され、
前記コンデンサは、前記台座部に搭載され、
前記搭載基板は、前記台座部に搭載され、
前記台座部は、上面に、第1領域と、前記第1領域よりも低い第2領域と、を含み、
前記搭載基板は、前記第1領域に搭載され、
前記コンデンサは、前記第2領域に搭載されていることを特徴とする光モジュール。
【請求項14】
光源と、
前記光源からの光を変調可能な光変調器と、
上電極及び下電極を有するコンデンサと、
前記コンデンサの前記上電極に面接合で直列接続された抵抗器と、
第1面及び第2面を有し、前記第1面及び前記第2面の間で貫通する複数の貫通孔を有し、前記第1面に台座部を有する導電性ブロックと、
前記複数の貫通孔の内側に前記導電性ブロックとは絶縁されてそれぞれ固定されている複数のリードと、
前記光源及び前記光変調器が搭載された搭載基板と、
を有し、
前記抵抗器及び前記コンデンサは、前記光変調器に並列接続され、
前記コンデンサは、前記台座部に搭載され、
前記搭載基板は、前記台座部に搭載され、
前記台座部は、上面に、第1領域と、前記第1領域よりも低い第2領域と、を含み、
前記搭載基板は、前記第1領域に搭載され、
前記光源は、複数の光源を含み、
前記光変調器は、前記複数の光源にそれぞれ対応する複数の光変調器を含み、
前記コンデンサは、前記第1領域に搭載された少なくとも1つの第1コンデンサ及び前記第2領域に搭載された少なくとも1つの第2コンデンサからなる複数のコンデンサを含み、
前記抵抗器は、前記複数のコンデンサにそれぞれ対応する複数の抵抗器を含むことを特徴とする光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気信号に従って光変調器が光を変調する光モジュールが知られている(特許文献1及び2)。光変調器には終端抵抗が並列接続されて、インピーダンスの整合がとられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-152472号公報
【文献】特開2009-238965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
終端抵抗にコンデンサを直列接続して直流成分を流さないようにすれば、低消費電力化が可能になる。しかし、コンデンサを搭載する領域が必要となり、パッケージが大型化する。また、終端抵抗とコンデンサをワイヤで接続すると、ワイヤのボンディング領域が必要となるだけでなく、インピーダンスが増加して高周波特性を損なう。なお、特許文献1には、終端抵抗に直列接続されたコンデンサの開示がない。特許文献2の構造では、終端抵抗とコンデンサが同一平面上にあるため、パッケージの大型化が避けられない。
【0005】
本発明は、大型化やインピーダンス増加を避けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る光モジュールは、光源と、前記光源からの光を変調可能な光変調器と、上電極及び下電極を有するコンデンサと、前記コンデンサの前記上電極に面接合で直列接続された抵抗器と、を有し、前記抵抗器及び前記コンデンサは、前記光変調器に並列接続されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、コンデンサと抵抗器が面接合されるのでワイヤを使用したときに生じるインピーダンス増加を避けることができ、コンデンサの上に抵抗器があるので大型化を避けることができる。
【0008】
(2)(1)に記載された光モジュールであって、前記光源及び前記光変調器は、一体化した光半導体素子であることを特徴としてもよい。
【0009】
(3)(1)又は(2)に記載された光モジュールであって、前記抵抗器は、前記コンデンサの前記上電極に面接合された第1導体と、第2導体と、前記第1導体及び前記第2導体の間に電気的に接続された抵抗体とを含むことを特徴としてもよい。
【0010】
(4)(3)に記載された光モジュールであって、前記抵抗器は、絶縁体をさらに含み、前記第1導体は、前記絶縁体の下面から上面に至るようになっており、前記第2導体及び前記抵抗体は、前記絶縁体の前記上面にあることを特徴としてもよい。
【0011】
(5)(4)に記載された光モジュールであって、前記第1導体は、前記絶縁体の側面を通るようになっていることを特徴としてもよい。
【0012】
(6)(4)に記載された光モジュールであって、前記第1導体は、前記絶縁体を貫通するようになっていることを特徴としてもよい。
【0013】
(7)(4)から(6)のいずれか1項に記載された光モジュールであって、前記絶縁体の端部及び前記第2導体の端部は、前記光変調器に近づく方向に、前記コンデンサからオーバーハングした位置にあることを特徴としてもよい。
【0014】
(8)(4)から(7)のいずれか1項に記載された光モジュールであって、前記抵抗器の前記第2導体の前記端部に一端がボンディングされ、他端が前記光変調器にボンディングされたワイヤをさらに有することを特徴としてもよい。
【0015】
(9)(4)から(7)のいずれか1項に記載された光モジュールであって、前記コンデンサとは反対側で前記光変調器の隣にあるボンディングパッドと、前記光変調器に一端がボンディングされ、他端が前記ボンディングパッドにボンディングされた第1ワイヤと、前記抵抗器の前記第2導体の前記端部に一端がボンディングされ、前記光変調器の上方を超えて、他端が前記ボンディングパッドにボンディングされた第2ワイヤと、をさらに有することを特徴としてもよい。
【0016】
(10)(1)から(9)のいずれか1項に記載された光モジュールであって、第1面及び第2面を有し、前記第1面及び前記第2面の間で貫通する複数の貫通孔を有し、前記第1面に台座部を有する導電性ブロックと、前記複数の貫通孔の内側に前記導電性ブロックとは絶縁されてそれぞれ固定されている複数のリードと、をさらに有し、前記コンデンサは、前記台座部に搭載されていることを特徴としてもよい。
【0017】
(11)(10)に記載された光モジュールであって、前記光源及び前記光変調器が搭載された搭載基板をさらに有し、前記搭載基板は、前記台座部に搭載されていることを特徴としてもよい。
【0018】
(12)(1)から(11)のいずれか1項に記載された光モジュールであって、前記光源は、複数の光源を含み、前記光変調器は、前記複数の光源にそれぞれ対応する複数の光変調器を含み、前記コンデンサは、複数のコンデンサを含み、前記抵抗器は、前記複数のコンデンサにそれぞれ対応する複数の抵抗器を含み、前記複数の光変調器と前記複数のコンデンサは、交互に配置されていることを特徴としてもよい。
【0019】
(13)(11)に記載された光モジュールであって、前記台座部は、上面に、第1領域と、前記第1領域よりも低い第2領域と、を含み、前記搭載基板は、前記第1領域に搭載され、前記コンデンサは、前記第2領域に搭載されていることを特徴としてもよい。
【0020】
(14)(11)に記載された光モジュールであって、前記台座部は、上面に、第1領域と、前記第1領域よりも低い第2領域と、を含み、前記搭載基板は、前記第1領域に搭載され、前記光源は、複数の光源を含み、前記光変調器は、前記複数の光源にそれぞれ対応する複数の光変調器を含み、前記コンデンサは、前記第1領域に搭載された少なくとも1つの第1コンデンサ及び前記第2領域に搭載された少なくとも1つの第2コンデンサからなる複数のコンデンサを含み、前記抵抗器は、前記複数のコンデンサにそれぞれ対応する複数の抵抗器を含むことを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施形態に係る光モジュールの側面図である。
【
図2】導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の正面図である。
【
図3】
図2に示す導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の平面図である。
【
図4】三次元電界解析ツールを用いたシミュレーションによって得られた、従来例と第1の実施形態の周波数特性を示す図である。
【
図5】第2の実施形態において導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の正面図である。
【
図6】
図5に示す導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の平面図である。
【
図7】第3の実施形態において導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の正面図である。
【
図8】
図7に示す導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の平面図である。
【
図9】第4の実施形態において導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の正面図である。
【
図10】
図9に示す導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の平面図である。
【
図11】第5の実施形態において導電性ブロックに搭載される電子部品の平面図である。
【
図12】第6の実施形態において台座部及びこれに搭載される電子部品の平面図である。
【
図13】
図12に示す台座部及びこれに搭載される電子部品の部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態を具体的かつ詳細に説明する。全図において同一の符号を付した部材は同一又は同等の機能を有するものであり、その繰り返しの説明を省略する。なお、図形の大きさは倍率に必ずしも一致するものではない。
【0023】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る光モジュールの側面図である。光モジュール100は、TO-CAN(Transistor Outline-Can)型光モジュールであり、発光素子を備える光送信サブアセンブリ(TOSA: Transmitter Optical Sub-Assembly)並びに発光素子及び受光素子の両方を備える双方向モジュール(BOSA;Bidirectional Optical Sub-Assembly)のいずれであってもよい。光モジュール100は、フレキシブル基板(FPC)102を有し、プリント基板(PCB104)に接続されるようになっている。光モジュール100は、導電性ブロック10(例えばアイレット)を有する。
【0024】
図2は、導電性ブロック10及びこれに搭載される電子部品の正面図である。
図3は、
図2に示す導電性ブロック10及びこれに搭載される電子部品の平面図である。
【0025】
導電性ブロック10は、金属などの導電材料からなり、第1面12及び第2面14を有する。導電性ブロック10は、第1面12及び第2面14の間でそれぞれ貫通する複数の貫通孔16を有する。導電性ブロック10は、第1面12に一体的な台座部18を有する。台座部18は、第1面12に隆起しており、第1面12に平行な方向を向く上面を有する。台座部18も導電体からなる。導電性ブロック10は、基準電位(例えばグランド)に接続される。
【0026】
光モジュール100は、複数のリードL1,L2を有する。複数のリードL1,L2は、複数の貫通孔16の内側に、導電性ブロック10とは絶縁されてそれぞれ固定されている。例えば、貫通孔16にはガラスなどの絶縁材料20が充填されている。複数のリードL1,L2は、第1面12から突出している。複数のリードL1,L2は、第2面14からも突出して、フレキシブル基板102(
図1)に接続されている。
【0027】
光モジュール100は、光半導体素子22を有する。光半導体素子22は、光源24(例えばレーザ)及び光変調器26がモノリシックに集積された変調器集積型半導体光素子(例えば変調器集積レーザ)である。光源24及び光変調器26は、一体化されている。光源24は、駆動電流が注入されることによって連続光を出射するようになっている。光変調器26は、光源24からの光を変調するようになっている。これにより信号光が出力される。光変調器26は、シングルエンド駆動されるようになっている。
【0028】
光半導体素子22(光源24及び光変調器26)は、絶縁材料からなる搭載基板28に搭載されている。搭載基板28は、台座部18(その上面)に固定されている。搭載基板28には、台座部18とは反対側に、電極パッド30が形成されている。電極パッド30は、ビアホール28aや図示しないキャスタレーションを介して、基準電位(例えばグランド)の台座部18に電気的に接続されている。
【0029】
光半導体素子22は、光源24及び光変調器26に共通して、下面で電極パッド30に接合されており、これにより、グラウンド電位を安定させるようになっている。光半導体素子22は、光源24及び光変調器26のそれぞれのボンディング電極34を、上面に有している。
【0030】
搭載基板28には、電極パッド30と並んで、ボンディングパッド32が形成されている。ボンディングパッド32は、台座部18とは電気的に接続されない。ワイヤW1が、その一端でボンディングパッド32にボンディングされ、他端で光変調器26のボンディング電極34にボンディングされている。
【0031】
台座部18には、バイパスコンデンサ36が搭載されている。バイパスコンデンサ36は、裏面で台座部18に導通し、基準電位(例えばグランド)に接続される。ワイヤW2が、一端で直流電源用のリードL1にボンディングされ、他端でバイパスコンデンサ36の上面にボンディングされている。他のワイヤW3が、一端でバイパスコンデンサ36の上面にボンディングされ、他端で光源24のボンディング電極34にボンディングされている。バイパスコンデンサ36は、直流電源と接続される光源24と並列に接続されており、直流バイアスに重畳する高周波ノイズを基準電位(例えばグランド)へ逃がすようになっている。
【0032】
台座部18には、絶縁材料からなる中継基板38が搭載されている。中継基板38には、台座部18とは反対側に配線パターン40が形成されている。配線パターン40は、変調電気信号を伝達するためのリードL2に、金錫半田などで接合されている。中継基板38の配線パターン40は、リードやワイヤと比較してインダクタンスが低いので、高い周波数までのインピーダンス整合を可能にしている。ワイヤW4が、一端で配線パターン40にボンディングされ、他端で搭載基板28のボンディングパッド32にボンディングされている。ワイヤW4をできるだけ短くするために、配線パターン40とボンディングパッド32が接近していることが好ましい。
【0033】
光モジュール100は、抵抗器42を有する。抵抗器42は、
図2に示す絶縁体44(例えば絶縁基板)を有する。抵抗器42は、第1導体46を有する。第1導体46は、絶縁体44の下面から上面に至るようになっている。具体的には、第1導体46は、絶縁体44の側面を通るようになっている。抵抗器42は、第2導体48を有する。第2導体48は、絶縁体44の上面にある。第2導体48が第1導体46と重なる位置にあるので、抵抗器42を平面的に小型化することができる。抵抗器42は、抵抗体50を有する。抵抗体50は、第1導体46及び第2導体48の間に電気的に接続されている。抵抗体50は、絶縁体44の上面にある。
【0034】
光モジュール100は、コンデンサ52を有する。コンデンサ52は、導電性ブロック10の台座部18に搭載されている。コンデンサ52は、上電極54及び下電極56を有する。下電極56が台座部18に導通している。
【0035】
抵抗器42はコンデンサ52に面接合されている。詳しくは、第1導体46が、コンデンサ52の上電極54に面接合されている。面接合には導電性接着剤を使用してもよい。面接合によって、ワイヤを使用することで生じるインピーダンス増加を避けることができる。また、コンデンサ52の上に抵抗器42があるので、光モジュール100の平面的な大型化を避けることができる。
【0036】
抵抗器42は、高抵抗体である光変調器26に並列接続されており、線路の特性インピーダンス(例えば50Ω)に等しい抵抗での終端を可能にしている。コンデンサ52は抵抗器42に直列接続され、抵抗器42及びコンデンサ52が、光変調器26に並列接続される。コンデンサ52は高周波電流を通すため、高周波領域では抵抗器42が終端となる。一方で、コンデンサ52は直流電流を通さないため、抵抗器42での発熱が減り、図示しない温度調節器(例えばペルチェ素子)の低消費電力化が可能になる。
【0037】
絶縁体44の端部は、光変調器26に近づく方向に、コンデンサ52からオーバーハングした位置にある。第2導体48の端部は、光変調器26に近づく方向に、コンデンサ52からオーバーハングした位置にある。ワイヤW5の一端が、抵抗器42の第2導体48の端部にボンディングされている。ワイヤW5の他端は、光変調器26(ボンディング電極34)にボンディングされている。
【0038】
コンデンサ52と搭載基板28との間に十分な間隙があれば、抵抗器42と搭載基板28の干渉を避けることができる。また、第2導体48の面積を最小にすれば、台座部18とのグランド間共振の問題もなく、グランド電位を安定させることができる。
【0039】
コンデンサ52は、容量値に伴って寄生インダクタンスが低減し、高い周波数帯において理想的なコンデンサ52として振る舞うことから、0.1μF程度のコンデンサであることが好ましい。0.1μFのコンデンサ52として0.5mm角の平板コンデンサ52を使用した場合、抵抗器42の絶縁体44は、0.35mm角程度の小ささでよい。
【0040】
このように、抵抗器42をコンデンサ52の上に配置するのがスペース的には最も無駄の少ないレイアウトとなる。逆に、コンデンサ52を抵抗器42の上に接合すると、接合に使用する導電性接着剤の濡れ広がりが、抵抗体50に被ってしまうことが懸念される。そのため、濡れ広がりを制限するなどの対策が必要となり、絶縁体44も0.5mm角以上のサイズにする必要が生じ、コスト的には大きなデメリットを負ってしまう。
【0041】
図4は、三次元電界解析ツールを用いたシミュレーションによって得られた、従来例と第1の実施形態の周波数特性を示す図である。従来例は、抵抗器及びコンデンサを重ねずに配列することでグランドパターンが大きくなった例であり、グランド共振によって帯域が30GHz程度までに制限される。これに対して、第1の実施形態では、40GHzを超える周波数までの十分な透過特性(S21)が得られている。
【0042】
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態において導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の正面図である。
図6は、
図5に示す導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の平面図である。
【0043】
第1導体246は、絶縁体244を貫通するようになっている。第1導体246は、絶縁体244の下面及び上面にそれぞれ分離された部分を含み、例えば、ビアホール258によって両者が導通している。その他の構造については、第1の実施形態で説明した内容が該当する。
【0044】
[第3の実施形態]
図7は、第3の実施形態において導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の正面図である。
図8は、
図7に示す導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の平面図である。
【0045】
光モジュールは、ボンディングパッド332を有する。ボンディングパッド332は、コンデンサ352とは反対側で、光変調器326の隣にある。第1ワイヤW11が、一端で光変調器326にボンディングされ、他端でボンディングパッド332にボンディングされている。第2ワイヤW22が、一端で抵抗器342の第2導体348の端部にボンディングされ、他端でボンディングパッド332にボンディングされている。第2ワイヤW22は、光変調器326の上方を超えるように配置されている。
【0046】
本実施形態では、光変調器326と抵抗器342を直接的に接続するワイヤがなく、第1ワイヤW11及び第2ワイヤW22によって両者は電気的に接続されている。複数の第1ワイヤW11及び複数の第2ワイヤW22を使用することで、さらにインダクタンスを低減することができる。その他の構造については、第1の実施形態で説明した内容が該当する。
【0047】
[第4の実施形態]
図9は、第4の実施形態において導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の正面図である。
図10は、
図9に示す導電性ブロック及びこれに搭載される電子部品の平面図である。
【0048】
台座部418は、上面に第1領域458を含む。台座部418は、上面に、第1領域458よりも低い第2領域460を含む。搭載基板428は、第1領域458に搭載されている。コンデンサ452は、第2領域460に搭載されている。第2領域460が低くなっているので、コンデンサ452の上に搭載される抵抗器442が低く配置される。これにより、ワイヤWの一端(抵抗器442へのボンディング部分)と他端(光変調器426へのボンディング部分)の高さの差が小さくなるので、ワイヤWを短くしてインダクタンスを低減することができる。これにより、高周波領域でのインピーダンスをさらに低減することができるため、高い周波数領域までのインピーダンスマッチングが可能になる。その他の構造については、第1の実施形態で説明した内容が該当する。
【0049】
[第5の実施形態]
図11は、第5の実施形態において導電性ブロックに搭載される電子部品の平面図である。
【0050】
複数の光変調器526が、それぞれ、複数の光源524に対応する。複数の抵抗器542が、それぞれ、複数のコンデンサ552にそれぞれ対応する。複数の光変調器526と複数のコンデンサ552は、交互に配置されている。その他の構造については、第1の実施形態で説明した内容が該当する。
【0051】
[第6の実施形態]
図12は、第6の実施形態において台座部及びこれに搭載される電子部品の平面図である。
図13は、
図12に示す台座部及びこれに搭載される電子部品の部分側面図である。
【0052】
台座部618は、上面に第1領域658を含む。台座部618は、上面に、第1領域658よりも低い第2領域660を含む。搭載基板628は、第1領域658に搭載されている。複数の光変調器626が、それぞれ、複数の光源624に対応する。
【0053】
第1領域658に少なくとも1つの第1コンデンサ652Aが搭載され、第2領域660に少なくとも1つの第2コンデンサ652Bが搭載されている。複数の抵抗器642が、それぞれ、複数のコンデンサ(第1コンデンサ652A及び第2コンデンサ652B)に対応している。その他の構造については、第1の実施形態で説明した内容が該当する。
【0054】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0055】
10 導電性ブロック、12 第1面、14 第2面、16 貫通孔、18 台座部、20 絶縁材料、22 光半導体素子、24 光源、26 光変調器、28 搭載基板、28a ビアホール、30 電極パッド、32 ボンディングパッド、34 ボンディング電極、36 バイパスコンデンサ、38 中継基板、40 配線パターン、42 抵抗器、44 絶縁体、46 第1導体、48 第2導体、50 抵抗体、52 コンデンサ、54 上電極、56 下電極、100 光モジュール、102 フレキシブル基板、244 絶縁体、246 第1導体、258 ビアホール、326 光変調器、332 ボンディングパッド、342 抵抗器、348 第2導体、352 コンデンサ、418 台座部、426 光変調器、428 搭載基板、442 抵抗器、452 コンデンサ、458 第1領域、460 第2領域、524 光源、526 光変調器、542 抵抗器、552 コンデンサ、618 台座部、624 光源、626 光変調器、628 搭載基板、642 抵抗器、652A 第1コンデンサ、652B 第2コンデンサ、658 第1領域、660 第2領域、L1 リード、L2 リード、W ワイヤ、W1 ワイヤ、W11 第1ワイヤ、W2 ワイヤ、W22 第2ワイヤ、W3 ワイヤ、W4 ワイヤ、W5 ワイヤ。