(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】ジェル状皮膚化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/891 20060101AFI20240205BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20240205BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240205BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20240205BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20240205BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240205BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
A61K8/891
A61K8/02
A61K8/81
A61K8/37
A61K8/44
A61Q19/00
A61K8/86
(21)【出願番号】P 2020087163
(22)【出願日】2020-05-19
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110002239
【氏名又は名称】弁理士法人G-chemical
(72)【発明者】
【氏名】森下 彰子
【審査官】阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-182841(JP,A)
【文献】特開2019-178079(JP,A)
【文献】特開2013-193963(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111050739(CN,A)
【文献】特開2000-344620(JP,A)
【文献】特開2013-203677(JP,A)
【文献】特開2021-011463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の成分A、成分B、成分C、成分D、成分E、成分F、および成分Gを含有し、
成分Aの含有量が0.2~1.2質量%であり、
成分Bの含有量が0.03~0.4質量%であり、
成分Cの含有量が0.2~3.0質量%であり、
成分Dの含有量が0.2~3.0質量%であり、
成分Eの含有量が0.01~0.7質量%であるジェル状皮膚化粧料。
成分A:アクリロイルジメチルタウリン酸塩に由来する構成単位を含むポリマー
成分B:アルキル変性カルボキシビニルポリマー
成分C:ペンタエリスリトールエステル
成分D:N-ラウロイル-L-グルタミン酸エステル
成分E:25℃における動粘度が3万~10万mm
2/sであるジメチルポリシロキサン
成分F:ノニオン性界面活性剤
成分G:水
【請求項2】
成分Fが、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種のノニオン性界面活性剤である請求項1記載のジェル状皮膚化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェル状皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から皮膚に保湿感やハリ感(肌が適度に引っ張られており、たるみがない感触)などを与える皮膚化粧料としては、化粧水、ジェル、乳液、クリームなどの種々の剤型が知られている。
【0003】
中でも、乳液やクリームは、高級アルコールなどの油性成分を比較的多く含むことから、塗布後の保湿感、保湿感の持続性に優れる特徴がある。一方、水性ベースのジェルや化粧水は、みずみずしい使用感が特徴である。しかし、保湿感の持続性に劣る傾向がある。
【0004】
このため、従来は、例えば、ジェルや化粧水を用いて肌に水を浸透させた後、乳液やクリームにより保湿感を持続させる方法で、肌の手入れを行うことが行われていた。しかしながら、複数の皮膚化粧料を用いて、肌の手入れを行うのは煩雑さを伴う。このため、近年、みずみずしい使用実感、保湿感の持続性を両立した皮膚化粧料が求められており、例えば、1剤で、短時間に効率的に肌の手入れができるオールインワンタイプの化粧料(オールインワン化粧料ともいう)の需要が高まっている。
【0005】
これまでに、シリコーン系皮膜形成剤、二塩基酸を含む混合脂肪酸とグリセリンのオリゴエステル、シリコーン系界面活性剤、並びに多価アルコールおよび/または糖アルコールを含有してなる油中水型(いわゆる「W/Si(Water in Silicone)」型)の皮膚用乳化化粧料によって、塗布後の油性成分特有のべたつき感を低減し、保湿感の持続性を向上させる試みが開示されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、特許文献1は、シリコーン系界面活性剤を用い比較的シリコーン油の含有量が多いW/Si型の乳化系であり、みずみずしい塗布感触は得られにくく、保湿感の持続性および滑らかな質感の持続性には改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の皮膚用乳化化粧料は、みずみずしい塗布感触を備えるものではなく、保湿感の持続性および滑らかな質感の持続性には改善の余地があり、例えば、オールオンワンタイプの皮膚化粧料として用いる場合、満足できる使用感を得ることが困難であった。
【0008】
保湿感の持続性および滑らかな質感の持続性としては、例えば、就寝前に使用した場合、翌朝まで効果が持続する持続性が、また、朝に使用した場合、夕方まで効果が持続する持続性が求められている。
【0009】
一方、ジェル状皮膚化粧料は、みずみずしい塗布感触を備えることから、マッサージ化粧料や、クレンジング化粧料、美容液成分をジェル状とした美容液ジェルなどに用いられており、厚みのある塗布感触を備えたジェル状皮膚化粧料が求められている。
【0010】
したがって、本発明の目的は、みずみずしく厚みのある塗布感触を備え、保湿感の持続性および滑らかな質感の持続性に優れたジェル状皮膚化粧料を提供することにある。なお、本明細書において、「厚みのある塗布感触」とは、化粧料を肌に塗布した際に、手指がある程度厚みのある塗布層を感じられる感触を意味し、「滑らかな質感」とは、肌表面のざらざらとした凹凸を感じない、つるつるしたような感触を意味する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、成分A:アクリロイルジメチルタウリン酸塩に由来する構成単位を含むポリマー、成分B:アルキル変性カルボキシビニルポリマー、成分C:ペンタエリスリトールエステル、成分D:N-ラウロイル-L-グルタミン酸エステル、および成分E:25℃における動粘度が3万~10万mm2/sであるジメチルポリシロキサンを所定量含有し、さらに成分F:ノニオン性界面活性剤および成分G:水を含有するジェル状皮膚化粧料は、みずみずしく厚みのある塗布感触を備え、保湿感の持続性および滑らかな質感の持続性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち本発明は、
〔1〕下記の成分A、成分B、成分C、成分D、成分E、成分F、および成分Gを含有し、
成分Aの含有量が0.2~1.2質量%であり、
成分Bの含有量が0.03~0.4質量%であり、
成分Cの含有量が0.2~3.0質量%であり、
成分Dの含有量が0.2~3.0質量%であり、
成分Eの含有量が0.01~0.7あるジェル状皮膚化粧料、
成分A:アクリロイルジメチルタウリン酸塩に由来する構成単位を含むポリマー
成分B:アルキル変性カルボキシビニルポリマー
成分C:ペンタエリスリトールエステル
成分D:N-ラウロイル-L-グルタミン酸エステル
成分E:25℃における動粘度が3万~10万mm2/sであるジメチルポリシロキサン
成分F:ノニオン性界面活性剤
成分G:水
〔2〕成分Fが、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種のノニオン性界面活性剤である〔1〕記載のジェル状皮膚化粧料、に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明のジェル状皮膚化粧料はみずみずしく厚みのある塗布感触を備え、保湿感の持続性および滑らかな質感の持続性に優れるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「X~Y」は、「X以上Y以下」を意図する。また、本明細書において特記しない限り、成分の含有量を表す質量%は、ジェル状皮膚化粧料全体の質量を100質量%とした値である。
【0015】
本発明のジェル状皮膚化粧料は、アクリロイルジメチルタウリン酸塩に由来する構成単位を含むポリマー(成分A)、アルキル変性カルボキシビニルポリマー(成分B)、ペンタエリスリトールエステル(成分C)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸エステル(成分D)、25℃における動粘度が3万~10万mm2/sであるジメチルポリシロキサン(成分E)、ノニオン性界面活性剤(成分F)、および水(成分G)を含有する。
【0016】
なお、本発明のジェル状皮膚化粧料は、用途に応じて、さらに、必須成分である成分A~成分G以外の成分を含んでいてもよい。本発明のジェル状皮膚化粧料に含まれる成分A~成分Gおよび他の成分などの各成分は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0017】
<成分A>
成分Aは、アクリロイルジメチルタウリン酸塩に由来する構成単位を含むポリマーである。成分Aは、乳化力を有する水溶性高分子であり、系を増粘させてジェル剤型とする効果、およびみずみずしく厚みのある塗布感触を付与する効果を発揮する。
【0018】
前記アクリロイルジメチルタウリン酸塩としては、アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムなどが挙げられる。成分Aは、アクリロイルジメチルタウリン酸塩以外のモノマー成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。アクリロイルジメチルタウリン酸塩以外のモノマー成分としては、例えば、アクリル酸等の(メタ)アクリル酸;アクリル酸ナトリウム等の(メタ)アクリル酸塩;アクリル酸ヒドロキシエチル等の水酸基含有アクリルモノマー;アクリル酸アミド等のアミド基含有アクリルモノマーなどが挙げられる。成分Aとしては、例えば、アクリル酸とアクリロイルジメチルタウリン酸塩とのコポリマー、アクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリン酸塩とのコポリマー、アクリル酸とアクリル酸塩とアクリルアミドとアクリロイルジメチルタウリン酸塩とのコポリマーなどが挙げられる。
【0019】
成分Aとしては、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(INCI名:Sodium Acrylate/Sodium Acryloyldimethyl Taurate Copolymer)、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(INCI名:Hydroxyethyl Acrylate/Sodium Acryloyldimethyl Taurate Copolymer)などが挙げられ、みずみずしく厚みのある塗布感触の観点から(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーが好ましい。
【0020】
成分Aは市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名「SIMULGEL NS」、商品名「SIMULGEL EG」(以上、SEPPIC SA社製)などが挙げられる。
【0021】
成分Aの含有量は、ジェル状皮膚化粧料中、0.2~1.2質量%であり、好ましくは0.3~0.8質量%である。前記含有量が0.2質量%未満では、増粘効果が低く、ジェルがやわらかくなりすぎて、塗布時の厚みが失われる。前記含有量が1.2質量%を越える場合には、ジェルが硬くなりすぎて、弾力性が失われ、みずみずしい塗布感触が得られなくなる。前記成分Aの含有量は、本発明のジェル状皮膚化粧料中の全ての成分Aの含有量の合計である。
【0022】
<成分B>
成分Bは、アルキル変性カルボキシビニルポリマーである。成分Bは、乳化力を有する水溶性高分子であり、系を増粘させてジェル剤型とする効果、および厚みのある塗布感触を付与する効果を発揮する。
【0023】
さらに、成分Aに加え、成分Bを配合することにより、ジェルの弾力性と硬さを制御しているため、崩れにくく、弾力性を有する厚みのある塗布感触を備えたジェル状皮膚化粧料を実現している。
【0024】
成分Bとしては、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー(INCI名:Acrylates/C10-30 Alkyl Acrylate Crosspolymer)、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー(INCI名:Acrylates/Steareth-20 Methacrylate Copolymer)などが挙げられる。
【0025】
成分Bは市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名「PEMULEN TR-1」、商品名「PEMULEN TR-2」、商品名「カーボポールETD 2020」、商品名「カーボポールULTREZ 20」、商品名「カーボポールULTREZ 21」(以上、日本ルーブリゾール株式会社製)などが挙げられる。
【0026】
成分Bの含有量は、ジェル状皮膚化粧料中、0.03~0.4質量%であり、好ましくは0.05~0.3質量%である。前記含有量が0.03質量%未満では、増粘効果が低く、ジェルがやわらかくなりすぎて、塗布時の厚みが失われる。前記含有量が0.4質量%を越える場合には、ジェルが硬くなりすぎて、弾力性が失われ、塗布感触が悪化する。前記成分Bの含有量は、本発明のジェル状皮膚化粧料中の全ての成分Bの含有量の合計である。
【0027】
<成分C>
成分Cは、ペンタエリスリトールエステルである。成分Cは、抱水性を有する高極性油であり、本発明のジェル状皮膚化粧料を皮膚に塗布する際に、厚みのある塗布感触を付与する効果を発揮する。また、塗布された皮膚に皮膜を形成することで保湿感および保湿感の持続性、並びに滑らかな質感および滑らかな質感の持続性を発揮する。
【0028】
成分Cとしては、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル(INCI名:Pentaerythrityl Tetrabehenate/Benzoate/Ethylhexanoate)、テトラ(エチルヘキサン酸/安息香酸)ペンタエリスリチル(INCI名:Pentaerythrityl Tetraethylhexanoate/Benzoate)、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル(INCI名:Dipentaerythrityl Tri-Polyhydroxystearate)、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル(INCI名:Dipentaerythrityl Hexahydroxystearate/Hexastearate/Hexarosinate)、ペンタ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル(INCI名:Dipentaerythrityl Pentahydroxystearate/Pentaisostearate)、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル(INCI名:Dipentaerythrityl Hexahydroxystearate)、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(INCI名:Pentaerythrityl Tetraethylhexanoate)、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル(INCI名:Pentaerythrityl Tetraisostearate)、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル(INCI名:Dipentaerythrityl Tetrahydroxystearate/Tetraisostearate)などが挙げられ、厚みのある塗布感触および保湿感の持続性の観点から、好ましくはテトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチルである。
【0029】
成分Cは、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、商品名「サラコスWO-6」、商品名「コスモール168ARV」、商品名「コスモール168EV」、商品名「コスモール168M」、商品名「サラコス5408」(以上、日清オイリオグループ株式会社製)、商品名「クロダモールPTIS」(クローダ社製)、商品名「ハイルーセント138DP」、商品名「KAK PTI」(以上、高級アルコール工業株式会社製)などが挙げられる。
【0030】
成分Cの含有量は、ジェル状皮膚化粧料中、0.2~3.0質量%であり、好ましくは0.5~2.0質量%である。前記含有量が0.2質量%以上であると、厚みのある塗布感触、保湿感、保湿感の持続性、滑らかな質感および滑らかな質感の持続性に優れる。前記含有量が3.0質量%を越える場合には、塗布後の皮膚にべたつきおよびツッパリ感が生じ、滑らかな質感が損なわれる。前記成分Cの含有量は、本発明のジェル状皮膚化粧料中の全ての成分Cの含有量の合計である。
【0031】
<成分D>
成分Dは、N-ラウロイル-L-グルタミン酸エステルである。成分Dは、抱水性を有する高極性油であり、本発明のジェル状皮膚化粧料を皮膚に塗布する際に、みずみずしく厚みのある塗布感触を付与する効果を発揮する。また、塗布された皮膚に皮膜を形成することで保湿感および保湿感の持続性、並びに滑らかな質感および滑らかな質感の持続性を発揮する。さらに、角質水分とのなじみがよいことから、皮膚に塗布する際に、肌なじみの良さを発揮する。
【0032】
成分Dとしては、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)(INCI名:Phytosteryl/Octyldodecyl Lauroyl Glutamate)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)(INCI名:Phytosteryl/Behenyl/Octyldodecyl Lauroyl Glutamate)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)(INCI名:Cholesteryl/Octyldodecyl Lauroyl Glutamate)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(オクチルドデシル/コレステリル/ベヘニル)(INCI名:Cholesteryl/Behenyl/Octyldodecyl Lauroyl Glutamate)などが挙げられ、保湿感の持続性および肌なじみの観点から、好ましくはN-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)である。
【0033】
成分Dは、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、商品名「エルデュウPS-203」、商品名「エルデュウPS-304」、商品名「エルデュウCL-202」、商品名「エルデュウPS-306」、商品名「エルデュウPS-306R」、商品名「エルデュウCL-301」(以上、味の素ヘルシーサプライ株式会社製)などが挙げられる。
【0034】
成分Dの含有量は、ジェル状皮膚化粧料中、0.2~3.0質量%であり、好ましくは0.5~2.0質量%である。前記含有量が0.2質量%以上であると、みずみずしく厚みのある塗布感触、保湿感、保湿感の持続性、滑らかな質感および滑らかな質感の持続性に優れる。前記含有量が3.0質量%を越える場合には、塗布後の皮膚にべたつきが生じ、みずみずしい塗布感触が損なわれる。前記成分Dの含有量は、本発明のジェル状皮膚化粧料中の全ての成分Dの含有量の合計である。
【0035】
<成分E>
成分Eは、25℃における動粘度が3万~10万mm2/sであるジメチルポリシロキサンである。成分Eは、本発明のジェル状皮膚化粧料を皮膚に塗布した後に、高極性油(成分Cおよび成分D)のべたつきを被覆するように皮膜を形成することで、滑らかな質感を持続的に付与する効果を発揮する。なお、前記ジメチルポリシロキサンの25℃での動粘度は、JIS K 2283に準じて測定したときの値である。
【0036】
成分Eの25℃における動粘度は、滑らかな質感の持続性の観点から、好ましくは4万~9万mm2/sである。
【0037】
成分Eは、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、商品名「KF-96H-3万cs」(25℃の動粘度:3万mm2/s)、商品名「KF-96H-5万cs」(25℃の動粘度:5万mm2/s)、商品名「KF-96H-6万cs」(25℃の動粘度:6万mm2/s)、商品名「KF-96H-10万cs」(25℃の動粘度:10万mm2/s)(以上、信越化学工業株式会社製);商品名「SH200 FLUID 30,000CS」(25℃の動粘度:3万mm2/s)、「SH200 FLUID 60,000CS」(25℃の動粘度:6万mm2/s)、「SH200 FLUID 100,000CS」(25℃の動粘度:10万mm2/s)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)などが挙げられる。
【0038】
成分Eの含有量は、ジェル状皮膚化粧料中、0.01~0.7質量%であり、好ましくは0.03~0.5質量%である。前記含有量が0.01質量%以上であると、べたつきを低減し、滑らかな質感を付与する効果の持続性に優れる。前記含有量が0.7質量%を越えると、塗布後の肌がつっぱるため好ましくない。また、塗布感触が重くなり、浸透感が得られにくくなる。前記成分Eの含有量は、本発明のジェル状皮膚化粧料中の全ての成分Eの含有量の合計である。
【0039】
<成分F>
成分Fは、ノニオン性界面活性剤である。成分Fは、水中油型の乳化系を形成するための乳化剤としての効果を発揮し、乳化安定性が向上する。成分Fは、脂肪酸エステル型のノニオン性界面活性剤であることが好ましい。
【0040】
脂肪酸エステル型のノニオン性界面活性剤としては、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられ、厚みのある塗布感触が一層得られることから、好ましくはモノグリセリン脂肪酸エステルである。
【0041】
前記モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリルなどが挙げられる。
【0042】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノミリスチン酸ヘキサグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸モノエステル;ジオレイン酸ジグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸ジエステル;トリステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸トリエステル;ペンタステアリン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリルなどのポリグリセリン脂肪酸ペンタエステルなどが挙げられる。
【0043】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルにおけるポリグリセリンの平均重合度は、乳化安定性を高める観点から、好ましくは2~10である。
【0044】
前記ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、乳化安定性を高める観点から、炭素数が8~24の脂肪酸が好ましく、より好ましくは炭素数が10~20の脂肪酸、さらに好ましくは炭素数が12~18の脂肪酸である。
【0045】
前記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、モノカプリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタンなどが挙げられる。
【0046】
前記ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
【0047】
前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどが挙げられる。酸化エチレンの付加モル数は、特に限定されないが、乳化安定性を高める観点から、2~100であることが好ましく、より好ましくは、4~90である。
【0048】
前記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが挙げられる。酸化エチレンの付加モル数は、特に限定されないが、乳化安定性を高める観点から、5~50であることが好ましく、より好ましくは、10~30である。
【0049】
成分Fの含有量は、特に限定されないが、ジェル状皮膚化粧料中、0.5~4.0質量%が好ましく、より好ましくは0.7~3.5質量%である。前記含有量が0.5質量%以上であると、乳化安定性に一層優れる。前記含有量が4.0質量%以下であると、塗布後のべたつき、ぬるつきを一層抑えることができる。前記成分Fの含有量は、本発明のジェル状皮膚化粧料中の全ての成分Fの含有量の合計である。
【0050】
<成分G>
成分Gは、水である。成分Gは水中油型の乳化系を形成するための媒体としての役割を発揮する。前記水としては、特に限定されないが、精製水が好ましい。
【0051】
成分Gの含有量は、特に限定されないが、ジェル状皮膚化粧料中、40.0~90.0質量%が好ましく、より好ましくは50.0~80.0質量%である。
【0052】
<その他の成分>
本発明のジェル状皮膚化粧料は、本発明の効果を阻害しない範囲で、成分A~成分G以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。その他の成分としては、特に限定されないが、多価アルコール、高級アルコール、成分Aおよび成分B以外の水溶性高分子、成分F以外の界面活性剤、低級アルコール、炭化水素油、成分E以外の鎖状シリコーン、環状シリコーン、ビタミン類、酸化防止剤、防腐成分、紫外線吸収剤、無機顔料、パール化剤、植物抽出エキス、香料、pH調整剤などを目的に応じて適宜配合することができる。
【0053】
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオールなどのグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどのグリセリン類;キシリトール、トレハロース、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、ガラクチトール、グルシトール、エリトリトールなどの糖アルコールなどが挙げられる。多価アルコールを含有することで、保湿感を一層向上させることができる。
【0054】
多価アルコールを含有する場合の含有量は、特に限定されないが、ジェル状皮膚化粧料中、0.1~35.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0~25.0質量%である。前記含有量が0.1質量%以上であると、保湿効果を一層向上させる。前記含有量が35.0質量%以下であると、塗布後のべたつきを一層抑えることができる。
【0055】
前記高級アルコールとしては、厚みのある塗布感触が一層得られる観点から、炭素数12~24の脂肪族アルコールが好ましく、より好ましくは炭素数14~22の脂肪族アルコールである。
【0056】
このような高級アルコールとしては、特に限定されないが、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコールなどが挙げられる。
【0057】
高級アルコールを含有する場合の含有量は、特に限定されないが、ジェル状皮膚化粧料中、0.1~1.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1~0.6質量%である。前記含有量が0.1質量%以上であると、厚みのある塗布感触を一層備えることができる。前記含有量が1.0質量%以下であると、塗布後のべたつきを一層抑えることができる。
【0058】
<ジェル状皮膚化粧料の製造方法および用途>
本発明のジェル状皮膚化粧料の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造することができる。前記ジェル状皮膚化粧料の製造方法としては、例えば、前記した成分を加えて、ディスパーミキサー、パドルミキサーなどの公知の混合装置を用いて混合する方法などを例示することができる。但し、本発明は上述した製造方法にのみ限定されない。また、本発明のジェル状皮膚化粧料は、ディスペンサー容器、チューブ容器、広口ジャー容器などの容易に取り出すことが可能な容器に充填されることが好ましい。
【0059】
本発明のジェル状皮膚化粧料は、皮膚に用いられる皮膚用化粧料である。中でも、ジェル、化粧水、美容液、乳液、クリームなどの機能を兼ね備えた化粧料として、単独で使用される、いわゆるオールインワンタイプの化粧料に好ましく用いられる。
【0060】
本発明のジェル状皮膚化粧料を適用する部位としては、特に限定されず、例えば、顔(額、目元、目じり、頬、口元など)、身体(腕、肘、手の甲、指先、足、膝、かかと、首、脇、背中など)などが挙げられる。中でも、特に好ましくは顔である。本発明のジェル状皮膚化粧料は、顔用のジェル状皮膚化粧料であることが好ましい。
【0061】
本発明のジェル状皮膚化粧料は、水(成分G)、水溶性高分子(成分Aおよび成分B)およびノニオン性界面活性剤(成分F)を必須成分とする水中油(o/w)型のジェル状皮膚化粧料である。このため、みずみずしく厚みのある塗布感触を備え、さらに浸透感、水分の補給力に優れる。
本発明においては、前記水中油型のジェル状皮膚化粧料において、いずれも高極性油である成分Cおよび成分Dを特定量併用することで、みずみずしく厚みのある塗布感触を保ちながら、保湿感および保湿感の持続性、並びに滑らかな質感および滑らかな質感の持続性を発揮している。
さらに、25℃における動粘度が3万~10万mm2/sであるジメチルポリシロキサン(成分E)を特定量配合することで、高極性油(成分Cおよび成分D)のべたつきを被覆するように皮膜を形成し、滑らかな質感を持続的に付与する効果を発揮する。
本発明のジェル状皮膚化粧料は、ジェルの持つみずみずしく厚みのある塗布感触を備えながら、保湿感の持続性および滑らかな質感の持続性に優れる点に特徴がある。
【実施例】
【0062】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、各原料中の有効成分の配合量)であり、特記しない限り「質量%」で表す。また、表中の配合量における「-」は、その成分を配合していないことを示す。
【0063】
<実施例、比較例>
各試料の調製
各表に記した組成に従い、実施例および比較例のジェル状皮膚化粧料を常法により調製し、下記評価試験に供した。評価結果は、表に併記する。
【0064】
表に記載の主な成分の詳細は次のとおりである。
<成分A>
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー:商品名「SIMULGEL NS」、SEPPIC SA社製
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー:商品名「SIMULGEL EG」、SEPPIC SA社製
<成分B>
(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー:商品名「アキュリン22」、ダウケミカル社製
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー:商品名「PEMULEN TR-1」、日本ルーブリゾール株式会社製
<成分C>
テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル:商品名「コスモール168M」、日清オイリオグループ株式会社製
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル:商品名「コスモール168EV」、日清オイリオグループ株式会社製
<成分D>
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)コポリマー:商品名「エルデュウPS-306R」、味の素ヘルシーサプライ株式会社製
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル):商品名「エルデュウPS-203」、味の素ヘルシーサプライ株式会社製
<成分E>
ジメチルポリシロキサン1:商品名「SH200 FLUID 60,000CS」(25℃の動粘度:6万mm2/s)、東レ・ダウコーニング株式会社製
<成分F>
ステアリン酸グリセリル:商品名「CUTINA GMS-V」、親油型脂肪酸モノグリセリル、BASF社製
ステアリン酸ポリグリセリル-10:商品名「NIKKOL Decaglyn 1-SV」、日光ケミカルズ株式会社製
<その他成分>
ジメチルポリシロキサン2:商品名「KF-96H-1.25万cs」(25℃の動粘度:1.25万mm2/s)、信越化学工業株式会社製
ジメチルポリシロキサン3:商品名「KF-96H-30万cs」、(25℃の動粘度:30万mm2/s)、信越化学工業株式会社製
ジメチルポリシロキサン4:商品名「SH200 FLUID 10CS」、(25℃の動粘度:10mm2/s)、東レ・ダウコーニング株式会社製
ベヘニルアルコール:商品名「ベヘニルアルコール2265」、新日本理化株式会社製
グリセリン:商品名「化粧用濃グリセリン」、阪本薬品工業株式会社製
ジプロピレングリコール:商品名「ジプロピレングリコールS」、シェルケミカルズジャパン株式会社製
ポリエチレングリコール:商品名「ブラウノン PEG-20000S」、青木油脂工業株式会社製
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル:商品名「エキセパールTGO」、花王式会社製
トリメチルグリシン:商品名「アミノコート」、旭化成ケミカルズ株式会社製
スクワラン:商品名「NIKKOL シュガースクワラン」、日本サーファクタント工業株式会社製
【0065】
<評価方法>
専門評価員3人が評価を行った。結果は各評価員の評価を総合して決定した。
各実施例および比較例のジェル状皮膚化粧料を前腕内側部に塗布し、塗布部上を往復するように手でなでることによりなじませた。塗布開始直後の塗布感触より、「厚みのある塗布感触」を以下の評価基準で官能評価した。塗布終了直後に塗布部位の「保湿感」および「滑らかな質感」を以下の評価基準で官能評価した。また、塗布終了から8時間経過後に塗布部の「保湿感の持続性」および「滑らかな質感の持続性」を以下の評価基準で官能評価した。
【0066】
厚みのある塗布感触
◎(優れる):せん断をかけた後でも手と肌の間に充分な厚みのある化粧料の層が感じられ、化粧料の層の表面を触れるような感触である。
○(良好):せん断をかけた後でも手と肌の間に明らかに化粧料の層が感じられ、肌に間接的に触れるような感触である。
△(使用可能):せん断をかけた後でも手と肌の間に化粧料の層がわずかに感じられるが、一部肌に直接触れるような感触がある。
×(不良):せん断により化粧料の層がすべてなくなり、直接肌に触れるような感触である。
【0067】
みずみずしい塗布感触
◎(優れる):水が肌に供給される感触がはっきりとあり、充分なみずみずしさが感じられる。
○(良好):水が肌に供給される感触があり、明らかなみずみずしさが感じられる。
△(使用可能):水が肌に供給される感触がわずかにあり、みずみずしさが感じられる。
×(不良):水が肌に供給される感触がなく、みずみずしさが感じられない。
【0068】
保湿感(塗布直後)
◎(優れる):肌が充分にしっとりしたと感じられる。
○(良好):肌が明らかにしっとりしたと感じられる。
△(使用可能):肌がややしっとりとしたと感じられる。
×(不良):肌がしっとりしたと感じられない。
【0069】
滑らかな質感(塗布直後)
◎(優れる):塗布前よりも、明らかに、肌の凹凸が少なくなり、肌が滑らかになったとやや感じられる。
○(良好):塗布前よりも、肌の凹凸が少なくなり、肌が滑らかになったとやや感じられる。
△(使用可能):塗布前よりも、肌の凹凸が少なくなり、肌が滑らかになったと辛うじて感じられる。
×(不良):塗布前よりも、肌の凹凸が少なくなり、肌が滑らかになったと感じられない。
【0070】
保湿感の持続性
◎(優れる):塗布直後と同様にしっとりしていると感じられる。
○(良好):塗布直後よりやや劣るが、しっとりしていると感じられる。
△(使用可能):塗布直後よりかなり劣るが、しっとりしていると感じられる。
×(不良):肌がしっとりしていると感じられない。
【0071】
滑らかな質感の持続性
◎(優れる):塗布直後と同様の滑らかな質感が感じられる。
○(良好):塗布直後よりやや劣るが、滑らかな質感が感じられる。
△(使用可能):塗布直後よりかなり劣るが、滑らかな質感が感じられる。
×(不良):肌の凹凸が少なくなり、肌が滑らかとなっていると感じられない。
【0072】
【0073】
さらに、以下に、本発明のジェル状皮膚化粧料の処方例を示す。
【0074】
(処方例1:ジェル状保湿剤)
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル
0.5質量%
テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル
1.2質量%
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)
0.8質量%
ジメチルポリシロキサン(25℃の動粘度6万mm2/s)0.15質量%
ジメチルポリシロキサン(25℃の動粘度10mm2/s) 2.0質量%
(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー
0.8質量%
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー
0.06質量%
ポリソルベート80 0.3質量%
ステアリン酸グリセリル 0.2質量%
ステアリン酸ポリグリセリル-10 1.1質量%
ベヘン酸グリセリル 0.2質量%
ベヘニルアルコール 0.5質量%
パルミチン酸エチルヘキシル 3.0質量%
イソヘキサデカン 2.0質量%
グリセリン 8.0質量%
ジプロピレングリコール 15.0質量%
トリメチルグリシン 3.0質量%
エタノール 4.0質量%
フェノキシエタノール 0.2質量%
香料 0.1質量%
水酸化カリウム 適 量
水 残 部
合計 100.0質量%
【0075】
(処方例2:ジェル状保湿剤)
テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル
0.8質量%
ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル 0.5質量%
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)
0.6質量%
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー
0.35質量%
(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー
0.1質量%
カルボマー 0.05質量%
ジメチルポリシロキサン(25℃の動粘度3万mm2/s) 0.2質量%
ポリソルベート60 0.2質量%
ステアリン酸ポリグリセリル-10 1.3質量%
イソステアリン酸ソルビタン 0.2質量%
ベヘン酸グリセリル 0.6質量%
ベヘニルアルコール 0.2質量%
スクワラン 5.0質量%
(C13-15)アルカン 2.0質量%
グリセリン 13.0質量%
ジプロピレングリコール 5.0質量%
ポリエチレングリコール1500 1.0質量%
イノシット 2.0質量%
エタノール 2.0質量%
フェノキシエタノール 0.1質量%
オキトキシグリセリン 0.05質量%
l-メントール 0.05質量%
香料 0.1質量%
水酸化カリウム 適 量
水 残 部
合計 100.0質量%