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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】フェンス
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20240205BHJP
【FI】
E04H17/16 105A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020154905
(22)【出願日】2020-09-15
(65)【公開番号】P2022048860
(43)【公開日】2022-03-28
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】赤木 竜也
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-040147(JP,A)
【文献】特開2008-014102(JP,A)
【文献】実開昭50-052176(JP,U)
【文献】実開平05-096525(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0371788(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/00-17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の縦線材と複数の横線材とからなる格子状のパネルの前記横線材が固定部材を介してパイプ状の支柱に固定されるフェンスであって、
前記固定部材は、基板部と挿入部とを備え、
前記基板部と前記支柱との間に前記横線材が配置され、
前記基板部の前記横線材が面する側に前記挿入部が上下一対で突設され、
前記挿入部は、前記支柱に開口する孔部を通じて該支柱内部の中空に挿入可能であって、
該挿入部の突設方向に沿って折り返された係合片を有し、
前記挿入部を前記孔部内に挿入する際、
該挿入部は、前記孔部の開口壁に規制されて、他方の挿入部側に向けて弾性的に変形するとともに、
前記係合片が前記孔部を通過すると、前記挿入部の弾性変形が解除されて、前記係合片が該孔部に係止される
ことを特徴とするフェンス。
【請求項2】
前記基板部は、前記横線材を前記支柱側に付勢する押さえ板部を有していることを特徴とする請求項1に記載のフェンス。
【請求項3】
前記係合片は、前記挿入部の先端方向に向けて先細り形状となされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェンス。
【請求項4】
前記係合片は、各挿入部の幅方向の両端部にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のフェンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅や工場等の敷地境界部や隣地境界部等に設置されるフェンスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、住宅や工場等の敷地境界部や隣地境界部等に設置される格子状のパネルを有するフェンスには様々なものが提案されている。例えば、パネル同士を横方向に連結し、パネルの後面(または前面)側に支柱に固定する、いわゆる、自由柱タイプや、間隔をあけて配置した支柱の間にパネルを固定する、いわゆる、固定柱タイプなどが提案されている。前者の場合は、パネルを構成する線材を支柱に仮固定し、その後、専用の部材を用いてパネルを支柱に固定する形態が多く提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、格子状のフェンス本体をフェンス支柱に沿わせ、フェンス支柱の上部に装着した取付金具の引っ掛け部にフェンス本体の上部の横線を引っ掛けると共にフェンス本体の適所をボルトのような締結具にて締結してフェンス本体をフェンス支柱に取り付けたフェンスが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、格子状のフェンス体の横線材が支柱に取付けられた引掛部材に引掛けられてなるフェンスであって、前記引掛部材は、横線材を引掛ける引掛部と、支柱に設けられた縦長孔に取付けられる取付部とを備え、前記取付部は首部の先端より羽根部が左右に突出され、前記羽根部が縦長孔に挿入されると共に、該羽根部の左右両端が縦長孔の左右側縁に係止されたフェンスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-207693号公報
【文献】特開2008-208523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記フェンスにおいては、格子状のフェンス本体を支柱に引っ掛ける際、作業者は、フェンス本体を引っ掛ける側からの作業が容易であるが、これだけでは、フェンス本体を支柱に固定できないため、別途、支柱を固定するための部材が必要であった。例えば、特許文献1、特許文献2には、いずれにも、支柱を前後方向(奥行き方向)に貫通する、いわゆる、フックボルトとナットとを用いて支柱の線材を固定するものであり、支柱に対して、フェンス本体を配置する側のみではなく、その反対側からの作業も必要となるものであった。
【0007】
本発明は、前記の如き問題点を解消し、フェンスを組み立てる際、パネルの取付け面側のみからの作業でパネルを支柱に固定することができるフェンスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわち本発明に係るフェンスは、複数の縦線材と複数の横線材とからなる格子状のパネルの前記横線材が固定部材を介してパイプ状の支柱に固定されるフェンスであって、前記固定部材は、基板部と挿入部とを備え、前記基板部と前記支柱との間に前記横線材が配置され、前記基板部の前記横線材が面する側に前記挿入部が上下一対で突設され、前記挿入部は、前記支柱に開口する孔部を通じて該支柱内部の中空に挿入可能であって、該挿入部の突設方向に沿って折り返された係合片を有し、前記挿入部を前記孔部内に挿入する際、該挿入部は、前記孔部の開口壁に規制されて、他方の挿入部側に向けて弾性的に変形するとともに、前記係合片が孔部を通過すると、前記挿入部の弾性変形が解除されて、前記係合片が孔部に係止されることを特徴とするものである。
【0009】
本発明において、前記基板部は、前記横線材を前記支柱側に付勢する押さえ板部を有するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明において、前記係合片は、前記挿入部の先端方向に向けて先細り形状となされるように構成してもよい。
【0011】
更に、前記係合片は、各挿入部の幅方向の両端部にそれぞれ形成されるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、パネルの横線材を支柱に固定する際に、固定部材の挿入片を支柱の孔部に挿入する作業であるので、従前のような、ボルト・ナットで締結する作業が不要となり、パネルの固定作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るフェンスの実施の一形態を示す正面図である。
図2図2の側面図である。
図3】固定部材の正面図である。
図4】固定部材の側面図である。
図5】固定部材の平面図である。
図6】固定部材の背面図である。
図7図5のA矢視図である。
図8図5のB矢視図である。
図9図1の支柱付近の分解説明図である
図10】固定部材と支柱との関係を示す説明図である。
図11】固定部材と支柱との関係を示す他の説明図である。
図12】固定部材と支柱との関係を示す更に他の説明図である。
図13】固定部材と支柱との関係を示す更に他の説明図である。
図14図1のF-F線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
【0015】
図面において、10はパネル、20はパネル10を固定する支柱、30はパネル10を支柱20に固定するための固定部材であり、本発明に係るフェンス100は、主に、パネル10、支柱20及び固定部材30から構成されている。
【0016】
図1図2は、本発明に係るフェンス100の実施の一形態を示す説明図であって、図1は正面図、図2は側面図である。ここで、特に説明しない限り、フェンス100の前側とは図1の手前側、フェンス100の後側とは図1の奥側であって、これに基づき説明する。
【0017】
パネル10は、複数の横線材11と複数の縦線材12とにより格子状に形成されたものである。一般には、横線材11、縦線材12は鋼線や鉄線をそれぞれ縦横に配置し、交差箇所を溶接して格子状に形成されるものである。各線材は、他の金属線材を用いてもよく、更に亜鉛や亜鉛合金によるめっきを施し耐食性を高めたものでもよく、更に表面に合成樹脂による塗装や被覆を施し、意匠性や耐食性を高めたものでもよい。
【0018】
またパネル10は、その上下端部が折り返されて胴縁13が形成されている。胴縁13の形態は特に限定されるものではなく、本形態のように、側面視三角形状のものでもよく、半円状や円形のものでもよい。
【0019】
支柱20は、角パイプ状であって、一般には、鋼管の下部を設置面に埋設し、上端部にキャップが取付けられて、内部の中空20aを塞いである。本形態では、支柱20の横断面形状は略矩形状であって、フェンス100の前側に略矩形状をなす一辺を含む一面が面したものである。また支柱20は、亜鉛や亜鉛合金等によるめっき処理を有するものでもよく、表面に合成樹脂による塗装や被覆を有するものでもよい。
【0020】
図3図8は固定部材30の説明図であって、図3は正面図、図4は側面図、図5は平面図、図6は背面図、図7図5のA矢視図、図8図5のB矢視図である。固定部材30は、パネル10の横線材11を支柱20に固定するものであって、基板部31と挿入部32とを備えている。
【0021】
基板部31は、本形態では、薄板状に形成されており、支柱20との間に横線材11を固定するものである。
【0022】
挿入部32は、基板部31において横線材11が面する面部31a側から上下に間隔をあけて一対で突設されたものである。本形態では、基板部31の上下端部を、上下方向の中央部側に折り返して形成された折り返し部33から基板部31とは反対側に挿入部32が突設されている。
【0023】
固定部材30は、本形態では、金属製、本形態では、鋼板を折り曲げ加工して形成されたものである。これにより、フェンス100の施工に際して、部品点数を可及的に少なくすることができる。
【0024】
次に、図9図14を用いて、支柱20に対するフェンス100の固定構造について詳しく説明する。図9図1の支柱20付近の分解説明図である。図9に示すように、支柱20の前側にパネル10を配置する。支柱20は、前側の所定の高さに開口する孔部21を有している。孔部21付近にパネル10の横線材11が位置するようにパネル10を配置する。孔部21の開口径は、横線材11の外径よりも大きいので、孔部21を横切るように横線材11を配置しても、孔部21の上下端部付近は横線材11では塞がれず、前方側に通じている。続いて、矢印で示すように、固定部材30をパネル10の前側から孔部21に取り付ける。
【0025】
図10は、固定部材30と支柱20との関係を示す説明図である。具体的には、(a)は孔部21付近の縦断面図、(b)は(a)のC-C線端面図である。横線材11を固定部材30の上下一対の挿入部32の間に配置して、上下一対の挿入部32を孔部21内に挿入する。すなわち、上方の挿入部32は横線材11より上側を通して孔部21の上部に挿入し、下方の挿入部32は、横線材11より下側を通して孔部21の下部に挿入する。基板部31の上下方向の寸法は、横線材11の外径よりも十分大きなものであって、本形態では、約3倍程度となっている。また、本形態では、上下の挿入部32間の隙間も横線材11の外径よりも十分大きなものとなっている。
【0026】
上下の挿入部32の先端部は、(b)に示すように孔部21を通過可能な大きさとなっている。そのため、挿入部32を孔部21内に向けて挿入すると、挿入部32の先端部が孔部21の開口縁22を通過して、支柱20の内部の中空20a内に達する。
【0027】
図11は固定部材30と支柱20との関係を示す他の縦断面図である。具体的には、(a)は孔部21付近の縦断面図、(b)は(a)のD-D線端面図である。挿入部32を孔部21の奥側に向けて挿入すると、(b)に示すように、挿入部32の幅方向の側端部32aが孔部21の開口縁22に当接される。一の挿入部32は、他の挿入部32側である上又は下方向に向けて弾性的変形が可能であるので、引き続き挿入部32を挿入すると、挿入部32は開口縁22に規制されて上又は下方向に弾性変形しながら、更に奥に進む。なお、本形態では、挿入部32の中央部には突設方向に沿って切り欠き部が設けられおり、これにより、前述の挿入部32の弾性変形がより生じやすくなる。
【0028】
ここで、図7図8に示すように、挿入部32は、基板部31側の幅方向の両側端側において、挿入部32の突設方向に沿って折り曲げられて形成された係合片34を有している。本形態では、係合片34は、先端側に向けて先細り形状となる三角形状となされており、上方の挿入部32は斜め上方に向けて折り曲げられており、下方の挿入部32は斜め下方に向けて折り曲げられている。更に具体的には、図8に示すように、係合片34は挿入部32の先端側から基板部31側に向けて、折り曲げ部34aとともに先細り形状を形成する斜辺部34bと、折り曲げ部34aの基板部31から立上る立上り部34cとを有している。
【0029】
図12は固定部材30と支柱20との関係を示す更に他の縦断面図である。具体的には、(a)は孔部21付近の縦断面図、(b)は(a)のE-E線端面図である。挿入作業を続けると、係合片34の斜辺部34bが孔部21の開口縁22に当接する。係合片34は、挿入部32の先端方向に向けて先細り形状となされているので、挿入部32の側端部32aから突出した形態ではあるが、開口縁22に当接される斜辺部34bに沿って、挿入部32がスムーズに弾性変形される。
【0030】
図13は固定部材30と支柱20との関係を示す更に他の説明図である。具体的には、(a)は孔部21付近の縦断面図、(b)は(a)の背面図である。更に挿入部32の挿入作業を続けると、係合片34が開口縁22を超えて支柱20の中空20a内に達するため、固定部材30(30aと表記)挿入部32の弾性変形が一部解除されて、挿入部32の一部、本形態では、挿入部32において係合片34よりも基板部31側の両側端部32aが開口縁22に当接した状態となる。挿入部32は上下一対であり、しかも挿入部32は弾性変形した状態であるので、挿入部32は孔部21の開口縁22に圧接された状態となる。これにより、固定部材30は、上下方向及び左右方向の移動が規制された状態となる。そして、(b)に示すように、係合片34が孔部21の内周壁部23に対向した状態となる。
【0031】
これにより、固定部材30を孔部21から引き抜く方向に移動させようとしても、係合片34が内周壁部23に当接された状態、すなわち、係合片34が孔部21に係止されるので、挿入部32の引き抜き方向の移動が阻止される。これにより、固定部材30は支柱20に固定された状態となる。
【0032】
ここで、一般に、部材を孔に挿入して抜け止め構造とするために、部材の挿入方向と直交する箇所を折り返し端部として折り返した板ばね部材を用いられている。部材を孔に挿入すると、主に板ばね部材が弾性的に変形しながら孔を通過し、板ばね部全体が孔部を通過すると、弾性的変形が解除されるので、抜けなくなる。しかしながら、板ばね部材の折り返し箇所が、挿入方向に対して直交する方向であるため、挿入部材を強く引き抜こうとすると、板ばね部材の折り返し箇所の角度が大きくなるように変形が生じて、挿入部材が引き抜き方向に移動してしまい、抜け止め状態に緩みが生じるおそれがある。
【0033】
一方、本形態に係る挿入部32は、係合片34の折り曲げ方向は挿入部32の挿入方向に沿って形成されているので、図13の(b)に示す固定部材30を引き抜こうとすると、孔部21の内周壁部23に係止された状態となる。更に固定部材30を引き抜こうとしても、係合片34の折り曲げ箇所の変形、すなわち、引き抜き方向とは向きが異なる変形、具体的には、折り曲げ角度が深くなったり、浅くなったりする変形は起こりにくい。加えて、固定部材30は金属製であるのでので、作業者が引き抜く程度では固定部材30の破断等は容易には起こらないので、前述の係止状態が維持されて、挿入部32の引き抜きは阻止される。これにより、固定部材30の固定状態が保持される。
【0034】
更に、本形態では、図13の(b)に示すように、固定部材30が固定された状態において、係合片34の折り曲げ方向は、孔部21の接線方向に向いている。これにより、固定部材30を強く引き抜こうとしても、係合片34の折り曲げ箇所の変形が更に起こりにくくなり、固定部材30の固定状態が保持される。
【0035】
なお、図13においては、挿入部32は、弾性変形が一部解除された後、挿入部32の両側端部32aが開口縁22に圧接した状態となっており、固定部材30を支柱20に固定するためには好ましい形態である。ただし、挿入部32の弾性変形が解除された後、挿入部32が孔部21から容易に抜け出さなければよいので、挿入部32が開口縁22に圧接又は当接していなくても、少なくとも二個の係合片34間の距離L1が孔部21の外径L2によりも大きければよい。
【0036】
図14は、図1のF-F線拡大断面図であって、固定部材30が孔部21に固定された状態における、縦線材12と固定部材30との関係を示す説明図である。固定部材30の基板部31は、その幅方向両端部に、横線材11側に折り曲げられた押さえ板部35を有している。押さえ板部35の先端部は、横線材11を支柱20側に付勢しているので、横線材11が前方向に移動しないように固定された状態となる。要は、固定部材30が固定された状態、すなわち、係合片34が孔部21に係止された際、横線材11の後側が支柱20の前面、又は固定部材30の折り返し部33の内壁面に当接され、横線材11の前側が押さえ板部35に当接されていれば、横線材11の前後方向の移動が規制されて、パネル10を支柱20に固定することができる。
【0037】
また、図6に示すように、押さえ板部35の先端部は、本形態では、前後方向に沿って波形の凹凸が形成されているので、横線材11の上下方向及び左右方向の移動が更に規制されて、パネル10を支柱20により強固に固定することができる。
【0038】
本形態では、固定部材30において、基板部31の上下方向の寸法は、横線材11の外径よりも十分大きなものとなされている。また、基板部31と折り返し部33との間の前後方向の寸法が横線材11の外径よりも大きく形成されている。これにより、上記の様な横線材11の高さ位置の僅かなずれが生じた場合でも、挿入部32の間に配置した横線材11を基板部31側に移動し、更に折り返し部33側に横線材11を移動することによって、孔部21の高さ位置に対する挿入部32の高さ位置を変更することなく、横線材11の高さ位置を調整することができる。
【0039】
本形態では、支柱20に対して、固定部材30を3個用いてパネル10を固定している。具体的には、支柱20は、上中下にそれぞれ孔部21を有しており、それぞれの孔部21に対応する位置で、固定部材30を用いてパネル10の横線材11を固定している。なお、パネル10の高さ寸法に応じて、固定部材30の個数を変更してもよい。
【0040】
以上、本発明のフェンス100について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
【0041】
本発明に係るフェンス100は、複数の縦線材12と複数の横線材11とからなる格子状のパネル10の横線材11が固定部材30を介してパイプ状の支柱20に固定されるフェンス100であって、固定部材30は、基板部31と挿入部32とを備え、基板部31と支柱20との間に横線材11が配置され、基板部31の横線材11が面する側に挿入部32が上下一対で突設され、挿入部32は、支柱20に開口する孔部21を通じて該支柱20内部の中空20aに挿入可能であって、挿入部32の突設方向に沿って折り返された係合片34を有し、挿入部32を孔部21内に挿入する際、該挿入部32は、孔部21の開口縁22に規制されて、他方の挿入部32側に向けて弾性的に変形するとともに、係合片34が孔部21を通過すると、挿入部32の弾性変形が解除されて、係合片34が孔部21に係止されることを特徴とするものである。
【0042】
これにより、固定部材30の挿入部32を支柱20の孔部21に挿入する作業によって、固定部材30が孔部21から外れにくくなるので、パネル10の取付け面側のみからの作業でパネル10の固定作業が容易となる。
【0043】
本発明において、基板部31は、横線材11を支柱20側に付勢する押さえ板部35を有するものとしてもよい。
【0044】
これにより、固定部材30により、支柱20に対して横線材11をより強固に固定することができる。
【0045】
また、本発明において、係合片34は、挿入部32の先端方向に向けて先細り形状となされていてもよい。
【0046】
これにより、固定部材30の挿入作業において、係合片34が孔部21の開口縁22に当接されても、挿入部32の挿入作業がスムーズになされる。
【0047】
更に、本発明において、係合片34は、各挿入部32の幅方向の両端部にそれぞれ形成されていてもよい。
【0048】
これにより、固定部材30が孔部21から更に外れにくくなる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、パネル10の横線材11を支柱20に固定する際に、固定部材30の挿入部32を支柱20の孔部21に挿入する作業により固定部材30が孔部21から外れにくくなるので、従前のような、ボルト・ナットで締結する作業が不要となり、パネル10の固定作業が容易となるので、フェンス用パネルとして、格子状のパネルのみならず、パネルの一部に格子状のパネル形態を含むものに、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
10 パネル
11 横線材
12 縦線材
13 胴縁
20 支柱
20a 中空
21 孔部
22 開口縁
23 内周壁部
30 固定部材
31 基板部
31a 面部
32 挿入部
32a 側端部
33 折り返し部
34 係合片
34a 折り曲げ部
34b 斜辺部
34c 立上り部
34d 頂部
35 押さえ板部
100 フェンス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14