(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】発信装置と通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 8/00 20090101AFI20240205BHJP
H04W 4/029 20180101ALI20240205BHJP
【FI】
H04W8/00 110
H04W4/029
(21)【出願番号】P 2020184560
(22)【出願日】2020-11-04
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中橋 佳昭
【審査官】中村 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-129619(JP,A)
【文献】特開2017-017626(JP,A)
【文献】特開2016-046656(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0249310(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0274127(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アドバタイズパケットを送信可能に構成され、前記アドバタイズパケットの応答として送信されるスキャンリクエストパケットを受信可能に構成された通信装置と、
前記通信装置が、前記アドバタイズパケットのブロードキャスト送信後、前記スキャンリクエストパケットを受信した場合に、前記スキャンリクエストパケットを受信した時から第1の時間が経過するまで、前記通信装置に次のアドバタイズパケットの送信を停止させる通信制御部と、
を備え
、
前記通信制御部は、前記通信装置が、前記アドバタイズパケットの送信後、前記スキャンリクエストパケットを受信しない場合に、前記第1の時間よりも短い第2の時間後に、前記通信装置に前記送信したアドバタイズパケットを再度ブロードキャスト送信させる、発信装置。
【請求項2】
アドバタイズパケットを送信可能に構成され、前記アドバタイズパケットの応答として送信されるスキャンリクエストパケット、および前記アドバタイズパケットの送信指令を表わす送信指令パケットを受信可能に構成された通信装置と、
前記通信装置が、前記アドバタイズパケットのブロードキャスト送信後、前記スキャンリクエストパケットを受信した場合に、前記通信装置が前記送信指令パケットを受信するまで、前記通信装置に次のアドバタイズパケットの送信を停止させる通信制御部と、
を備え
、
前記送信指令パケットは、受信装置が最後のアドバタイズパケットを受信した時から一定時間経過しても、新たにアドバタイズパケットを受信しない場合に、前記受信装置から送信される、発信装置。
【請求項3】
前記通信装置は、前記発信装置を宛先とする前記送信指令パケットを受信し、
前記通信制御部は、前記通信装置が前記送信指令パケットを受信した直後に、前記通信装置に前記次のアドバタイズパケットを送信させる、請求項
2記載の発信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、発信順序に関する情報を含むブロードキャスト送信された、前記送信指令パケットを受信し、
前記通信制御部は、前記通信装置が前記送信指令パケットを受信した後、第4の時間に前記発信順序の情報に基づいた値を乗じた時間後に、前記通信装置に前記次のアドバタイズパケットを送信させる、請求項
2記載の発信装置。
【請求項5】
複数の請求項1記載の発信装置、複数の受信装置とを備えた通信システムであって、
前記受信装置は、
前記アドバタイズパケットを受信可能に構成され、前記スキャンリクエストパケットを送信可能に構成された第1通信装置と、
前記第1通信装置が前記アドバタイズパケットを受信した場合に、前記第1通信装置に前記スキャンリクエストパケットを送信させる通信制御部と、を備える通信システム。
【請求項6】
前記通信システムは、さらに監視制御装置を備え、
前記受信装置は、さらに、
前記監視制御装置と接続され、前記アドバタイズパケットの送信元の発信装置を特定する情報を送信可能に構成され第2通信装置を備え、
前記受信装置の通信制御部は、前記第2通信装置に、受信した前記アドバタイズパケットの送信元の発信装置を特定する情報を送信させ、
前記監視制御装置は、
前記複数の受信装置と接続され、前記アドバタイズパケットの送信元の発信装置を特定する情報を受信可能に構成された通信装置と、
ディスプレイと、
前記発信装置を特定する情報に基づいて、前記第1の時間よりも長い第3の時間ごとに、前記第3の時間内に所在を検出した発信装置を表わす情報を前記ディスプレイに表示する管理部と、を備える請求項
5記載の通信システム。
【請求項7】
複数の請求項
2記載の発信装置と、複数の受信装置とを備えた通信システムであって、
前記受信装置は、
前記アドバタイズパケットを受信可能に構成され、前記スキャンリクエストパケット、および前記送信指令パケットを送信可能に構成された第1通信装置と、
前記第1通信装置が前記アドバタイズパケットを受信した場合に、前記第1通信装置に前記スキャンリクエストパケットを送信させ、前記第1通信装置が最後のアドバタイズパケットを受信した時から一定時間経過しても、新たにアドバタイズパケットを受信しない場合は、前記第1通信装置に前記送信指令パケットを送信させる通信制御部と、を備える通信システム。
【請求項8】
複数の請求項
2記載の発信装置と、複数の受信装置と、監視制御装置とを備えた通信システムであって、
前記受信装置は、
前記アドバタイズパケットを受信可能に構成され、前記スキャンリクエストパケット、および前記送信指令パケットを送信可能に構成された第1通信装置と、
前記監視制御装置と接続され、前記アドバタイズパケットの送信元の発信装置を特定する情報を送信可能に構成され、検出された発信装置の総数が規定値に達した旨の検出完了通知を受信可能に構成された第2通信装置と、
前記第1通信装置が前記アドバタイズパケットを受信した場合に、前記第1通信装置に前記スキャンリクエストパケットを送信させる通信制御部とを備え、
前記通信制御部は、前記第2通信装置に、受信した前記アドバタイズパケットの送信元の発信装置を特定する情報を送信させ、
前記通信制御部は、前記第2通信装置が、前記検出完了通知を受信した場合には、前記第1通信装置に前記送信指令パケットを送信させ、
前記監視制御装置は、
前記受信装置と接続され、前記アドバタイズパケットの送信元の発信装置を特定する情報を受信可能に構成され、前記検出完了通知を送信可能に構成された通信装置と、
前記発信装置を特定する情報に基づいて、検出された発信装置の総数が規定値に達したか否かを判断する管理部とを、備える通信システム。
【請求項9】
前記受信装置の通信制御部は、前記受信装置の
前記第1通信装置に各発信装置に前記送信指令パケットを順次送信させる、請求項
7または
8記載の通信システム。
【請求項10】
前記受信装置の前記第1通信装置は、前記送信指令パケットを送信可能に構成され、
前記受信装置の通信制御部は、前記受信装置の
前記第1通信装置に前記送信指令パケットをブロードキャスト送信させる、請求項
7または
8記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発信装置および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からアドバタイズパケットを用いた通信システムが知られている。たとえば、特許文献1記載の通信システムでは、近距離無線通信部が、電力の供給が開始されると初期化処理を行い、アドバタイジング状態となる。発信装置が、アドバタイジング状態となると、アドバタイズ間隔に対応する周期で、定期的にアドバタイズ情報を周辺にブロードキャストする。受信装置が、アドバタイズ情報を受信することで、発信装置の存在を認識することができる。受信装置が、発信装置に通信接続要求を送信することによって、発信装置と受信装置との間で通信接続が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の発信装置からのアドバタイズパケットが干渉して、受信装置がアドバタイズパケットを受信することができないことがある。
【0005】
あるいは、複数の発信装置からのアドバタイズパケットが同時または短い時間間隔で受信装置に届いた場合には、受信装置は、電波干渉、バッファの容量、および処理性能などが原因で、複数のアドバタイズパケットを受信することができないことがある。
【0006】
それゆえに、本発明の目的は、受信装置が、複数の発信装置からのアドバタイズパケットを受信することができる発信装置および通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発信装置は、アドバタイズパケットを送信可能に構成され、アドバタイズパケットの応答として送信されるスキャンリクエストパケットを受信可能に構成された通信装置と、通信装置が、アドバタイズパケットのブロードキャスト送信後、スキャンリクエストパケットを受信した場合に、スキャンリクエストパケットを受信した時から第1の時間が経過するまで、通信装置に次のアドバタイズパケットの送信を停止させる通信制御部とを備える。
【0008】
本発明の発信装置は、アドバタイズパケットを送信可能に構成され、アドバタイズパケットの応答として送信されるスキャンリクエストパケット、およびアドバタイズパケットの送信指令を表わす送信指令パケットを受信可能に構成された通信装置と、通信装置が、アドバタイズパケットのブロードキャスト送信後、スキャンリクエストパケットを受信した場合に、通信装置が送信指令パケットを受信するまで、通信装置に次のアドバタイズパケットの送信を停止させる通信制御部とを備える。
【0009】
本発明の通信システムは、複数の上述の発信装置、複数の受信装置とを備えた通信システムであって、受信装置は、アドバタイズパケットを受信可能に構成され、スキャンリクエストパケットを送信可能に構成された第1通信装置と、第1通信装置がアドバタイズパケットを受信した場合に、第1通信装置にスキャンリクエストパケットを送信させる通信制御部とを備える。
【0010】
本発明の通信システムは、複数の上述の発信装置と、複数の受信装置とを備えた通信システムであって、受信装置は、アドバタイズパケットを受信可能に構成され、スキャンリクエストパケット、および送信指令パケットを送信可能に構成された第1通信装置と、第1通信装置がアドバタイズパケットを受信した場合に、第1通信装置にスキャンリクエストパケットを送信させ、第1通信装置が最後のアドバタイズパケットを受信した時から一定時間経過しても、新たにアドバタイズパケットを受信しない場合は、第1通信装置に送信指令パケットを送信させる通信制御部とを備える。
【0011】
本発明の通信システムは、複数の上述の発信装置と、複数の受信装置と、監視制御装置とを備えた通信システムであって、受信装置は、アドバタイズパケットを受信可能に構成され、スキャンリクエストパケット、および送信指令パケットを送信可能に構成された第1通信装置と、監視制御装置と接続され、アドバタイズパケットの送信元の発信装置を特定する情報を送信可能に構成され、検出された発信装置の総数が規定値に達した旨の検出完了通知を受信可能に構成された第2通信装置と、第1通信装置がアドバタイズパケットを受信した場合に、第1通信装置にスキャンリクエストパケットを送信させる通信制御部とを備える。通信制御部は、第2通信装置に、受信したアドバタイズパケットの送信元の発信装置を特定する情報を送信させる。通信制御部は、第2通信装置が、検出完了通知を受信した場合には、第1通信装置に送信指令パケットを送信させる。監視制御装置は、受信装置と接続され、アドバタイズパケットの送信元の発信装置を特定する情報を受信可能に構成され、検出完了通知を送信可能に構成された通信装置と、発信装置を特定する情報に基づいて、検出された発信装置の総数が規定値に達したか否かを判断する管理部とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、受信装置が、複数の発信装置からのアドバタイズパケットを受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1に係る通信システムの全体構成を模式的に示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る発信装置10の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る受信装置20の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1に係る監視制御装置30の構成を示すブロック図である。
【
図5】従来の通信シーケンスの概要を表わす図である。
【
図6】実施の形態1の通信シーケンスの概要を表わす図である。
【
図7】実施の形態1の発信装置10の処理手順を表わすフローチャートである。
【
図8】実施の形態1の受信装置20の処理手順を表わすフローチャートである。
【
図9】実施の形態1の監視制御装置30の処理手順を表わすフローチャートである。
【
図11】実施の形態2の通信シーケンスの概要を表わす図である。
【
図12】実施の形態2の発信装置10の処理手順を表わすフローチャートである。
【
図13】実施の形態2の受信装置20の処理手順を表わすフローチャートである。
【
図14】実施の形態3の通信シーケンスの概要を表わす図である。
【
図15】実施の形態3の発信装置10の処理手順を表わすフローチャートである。
【
図16】実施の形態3の受信装置20の処理手順を表わすフローチャートである。
【
図17】実施の形態4の通信シーケンスの概要を表わす図である。
【
図18】実施の形態4の受信装置20の処理手順を表わすフローチャートである。
【
図19】実施の形態4の監視制御装置30の処理手順を表わすフローチャートである。
【
図20】実施の形態5の通信シーケンスの概要を表わす図である。
【
図21】実施の形態5の受信装置20の処理手順を表わすフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的には繰り返さないものとする。
【0015】
[実施の形態1]
(通信システムの全体構成)
図1は、実施の形態1に係る通信システム1の全体構成を模式的に示す図である。以下では、一例として、実施の形態1に係る通信システム1が船舶に適用される場合を例にして説明する。
【0016】
通信システム1は、船舶内における乗員の位置および乗員の状態を管理するためのシステムである。通信システム1は、複数の発信装置10(発信装置10-1,10-2,…)と、複数の受信装置20(受信装置20-1,20-2,…)と、監視制御装置30と、通信ケーブル40とを備える。
【0017】
発信装置10-1,10-2,…は、乗員(船員)2-1,2-2,…にそれぞれ携帯される。発信装置10-1,10-2,…には、個々を識別するための発信装置IDがそれぞれ割り振られている。以下では、発信装置10-1,10-2,…を特に区別しない場合、発信装置10-1,10-2,…の各々を「発信装置10」とも称する。乗員2-1,2-2,…を特に区別しない場合、乗員2-1,2-2,…の各々を「乗員2」とも称する。
【0018】
発信装置10は、乗員2に関する情報を電波によってブロードキャスト送信する。発信装置10は、充電可能なバッテリを動力源とする携帯型の発信装置である。
【0019】
発信装置10は、Bluetooth(登録商標)Low Energy(BLE)規格におけるアドバタイズパケットをブロードキャスト送信する。発信装置10は、アドバタイズパケットを送信後、受信装置20からスキャンリクエストパケットを受け、スキャンレスポンスパケットを返信する。
【0020】
受信装置20-1,20-2,…は、たとえば、船舶内の壁等によって区切られた区域毎に設置されている。受信装置20-1,20-2,…には、個々を識別するための受信装置IDがそれぞれ割り振られている。以下では、受信装置20-1,20-2,…を特に区別しない場合、受信装置20-1,20-2,…の各々を「受信装置20」とも称する。受信装置20-1,20-2,…の各々は、単なる中継器であってもよい。
【0021】
受信装置20-1,20-2,…の各々は、監視制御装置30と通信ケーブル40を介して通信可能に接続されている。受信装置20は、発信装置10からブロードキャスト送信されるアドバタイズパケットを受信可能に構成される。
【0022】
発信装置10は、乗員2の生体情報を検知する生体センサを含む。発信装置10は、生体情報、および発信装置10を識別する発信装置IDの情報をアドバタイズパケットに格納する。
【0023】
アドバタイズパケットのフォーマットとしては、たとえば、Bluetooth SIG(Special Interest Group)が管理しているBluetooth(登録商標)仕様に基づくフォーマットを利用することができる。あるいは、Apple(登録商標)社が公開している「iBeacon(登録商標)」、またはGoogle(登録商標)社が公開している「Eddystone(登録商標)」等の汎用性の高いフォーマットを利用してもよい。
【0024】
受信装置20は、アドバタイズパケットに含まれる生体情報および発信装置IDに加えて、アドバタイズパケットの受信強度を示す受信強度情報と、受信時刻を示す受信時刻情報と、受信装置IDとを含む乗員情報を監視制御装置30に送信する。
【0025】
監視制御装置30は、受信装置20から受けた乗員情報に基づいて、発信装置IDに基づいて乗員2を特定することができる。
【0026】
監視制御装置30は、乗員情報に含まれる受信強度情報、受信時刻情報および受信装置IDに基づいて、乗員2の位置を推定することができる。監視制御装置30は、乗員2の生体情報から乗員2の状態を推定することができる。
【0027】
監視制御装置30は、受信装置20から受けた乗員情報に基づいて、乗員所在情報を更新する。乗員所在情報は、区域ごとに所在する乗員のIDおよび人数からなる。
【0028】
以下、通信システム1に含まれる、発信装置10、受信装置20および監視制御装置30の各構成の詳細について順に説明する。
【0029】
(発信装置10の構成)
図2は、実施の形態1に係る発信装置10の構成を示すブロック図である。発信装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、記憶装置12と、RAM(Random Access Memory)13と、通信装置14と、生体センサ15と、バッテリ16とを含む。
【0030】
記憶装置12は、たとえばROM(Read Only Memory)等の書き換え可能な不揮発性メモリを含む。記憶装置12は、ハードディスクドライブおよびSSD(Solid State Drive)の少なくとも一方を含んでもよい。記憶装置12は、CPU11で実行される各種プログラムを記憶する。CPU11により読み出された各種プログラムは、RAM13に展開される。RAM13は、CPU11によって処理されるデータを一時的に記憶する作業用メモリとして機能する。また、記憶装置12は、監視制御装置30から受信した共通鍵を記憶する。
【0031】
通信装置14は、CPU11からの指令に従って、アドバタイズパケットをブロードキャスト送信可能に構成される。通信装置14は、アドバタイズパケットの送信後、受信装置20からアドバタイズパケットの応答として送られるスキャンリクエストパケットを受信可能に構成される。通信装置14は、CPU11からの指令に従って、スキャンリクエストパケットの返答として、スキャンレスポンスパケットを送信可能に構成される。通信装置14は、スキャンリクエストパケットを受信しても、その応答としてスキャンレスポンスパケットを送信しないような構成としてもよい。
【0032】
生体センサ15は、発信装置10が装着された乗員2の生体情報(たとえば脈拍、心拍、体温など)を出力する。生体センサ15は、たとえば脈拍、心拍、体温などの値を計測し、計測した値を生体情報として出力してもよいし、計測した値に基づいて乗員2の状態を評価し、評価結果を生体情報として出力してもよい。
【0033】
バッテリ16は、動力源として発信装置10に搭載される。バッテリ16は、たとえば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池である。たとえば、専用の充電器(図示せず)に発信装置10を接続することにより、バッテリ16を充電することができる。バッテリ16の充電時には、たとえば、CPU11がバッテリ16の充電状態を監視し、バッテリ16のSOC(State Of Charge)が所定SOCに達すると、充電器に指令を送信して、給電を停止させる。
【0034】
CPU11は、記憶装置12に格納された各種プログラムを実行することで発信装置10の各種の処理を制御する。具体的な一例としては、各種プログラムを実行することによりCPU11は、通信制御部111、生成部113として機能する。
【0035】
生成部113は、アドバタイズパケットを生成する。
【0036】
通信制御部111は、通信装置14がアドバタイズパケットの送信後、スキャンリクエストパケットを受信した場合に、スキャンリクエストパケットを受信した時から第1の時間が経過するまで、通信装置14に次のアドバタイズパケットの送信を停止させる。第1の時間は、たとえば、1[sec]とすることができる。
【0037】
通信制御部111は、通信装置14がアドバタイズパケットの送信後、スキャンリクエストパケットを受信しない場合に、第1の時間よりも短い第2の時間後に、通信装置14に送信したアドバタイズパケットを再度送信させる。第2の時間として、たとえば、100±α[msec]とすることができる。
【0038】
(受信装置20の構成)
図3は、実施の形態1に係る受信装置20の構成を示すブロック図である。受信装置20は、CPU21と、記憶装置22と、RAM23と、第1通信装置24と、第2通信装置25とを含む。
【0039】
記憶装置22は、たとえばROM等の書き換え可能な不揮発性メモリを含む。記憶装置22は、ハードディスクドライブおよびSSDの少なくとも一方を含んでもよい。記憶装置22は、CPU21で実行される各種プログラムを記憶する。CPU21により読み出された各種プログラムは、RAM23に展開される。RAM23は、CPU21によって処理されるデータを一時的に記憶する作業用メモリとして機能する。
【0040】
第1通信装置24は、発信装置10がブロードキャスト送信するアドバタイズパケットおよび発信装置10が送信するスキャンレスポンスパケットを受信可能に構成される。第1通信装置24は、発信装置10へスキャンリクエストパケットを送信可能に構成される。
【0041】
第2通信装置25は、通信ケーブル40(
図1参照)を通じて、監視制御装置30と接続される。第2通信装置25は、監視制御装置30へ乗員情報を送信可能に構成される。
【0042】
CPU21は、記憶装置22に格納された各種プログラムを実行することで受信装置20の各種の処理を制御する。具体的な一例として、各種プログラムを実行することによりCPU21は、通信制御部215、および乗員情報生成部216として機能する。
【0043】
通信制御部215は、第1通信装置24がアドバタイズパケットを受信した場合に、第1通信装置24にスキャンリクエストパケットを送信させる。通信制御部215は、第2通信装置25に、乗員情報を送信させる。
【0044】
乗員情報生成部216は、受信したアドバタイズパケットの送信元の発信装置のIDなどを含む乗員情報を生成する。
【0045】
(監視制御装置30の構成)
図4は、実施の形態1に係る監視制御装置30の構成を示すブロック図である。監視制御装置30は、CPU31と、記憶装置32と、RAM33と、通信装置34と、通信インターフェース35と、ディスプレイ36とを含む。
【0046】
記憶装置32は、たとえばROM等の書き換え可能な不揮発性メモリを含む。記憶装置32は、ハードディスクドライブおよびSSDの少なくとも一方を含んでもよい。記憶装置32は、CPU31で実行される各種プログラムを記憶する。CPU31により読み出された各種プログラムは、RAM33に展開される。RAM33は、CPU31によって処理されるデータを一時的に記憶する作業用メモリとして機能する。
【0047】
通信装置34には、通信ケーブル40を通じて複数の受信装置20と接続される。通信装置34は、アドバタイズパケットの送信元の発信装置のIDなどを含む乗員情報を受信可能に構成される。
【0048】
ディスプレイ36は、たとえば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ36は、種々の情報を表示する。
【0049】
CPU31は、記憶装置32に格納された各種プログラムを実行することで監視制御装置30の各種の処理を制御する。具体的な一例として、CPU31は、各種プログラムを実行することによって、乗員管理部311、および通信制御部313として機能する。
【0050】
通信制御部313は、乗員情報を受信すると、受信した乗員情報を乗員管理部311に送る。
【0051】
乗員管理部311は、受信した乗員情報に基づいて、第3の時間内に所在を検出した発信装置を表わす乗員所在情報を更新する。乗員管理部311は、第3の時間ごとに、乗員所在情報をディスプレイ36に表示する。第3の時間は、第1の時間の2倍とすることができる。第1の時間が、1[sec]のときには、第3の時間は、2[sec]である。つまり、乗員所在情報の表示が更新される時間間隔(第3の時間)よりも、短い時間間隔(第1の時間)でアドバタイズパケットが送信される。アドバタイズパケットの送信間隔(第1の時間)を短いと、受信装置がアドバタイズパケットを取りこぼす場合がある。一方、アドバタイズパケットの送信間隔(第1の時間)が長いと、最新の乗員の所在を知らせることができなくなる。アドバタイズパケットの送信間隔(第1の時間)を乗員所在情報の表示の更新タイミング(第3の時間)の1/2としたのは、受信装置によるアドバタイズパケットの取りこぼしを少なくし、かつできるだけ最新の乗員の所在を知らせることができるようにするためである。
【0052】
(従来の通信シーケンスの概要)
図5は、従来の通信シーケンスの概要を表わす図である。
【0053】
従来では、発信装置10-1は、アドバタイズパケットを設定された所定周期でブロードキャスト送信する。所定周期は、BLE規格で定められている。ここでは、所定周期が、100[msec]とする。
【0054】
発信装置10-1は、発信装置10-1の発信装置IDおよび乗員2-1の生体情報を含むアドバタイズパケット700をブロードキャストする。
【0055】
受信装置20-1は、以下のような内部処理1000を実行する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット700を受信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット700に含まれる生体情報および発信装置IDに加えて、アドバタイズパケット700の受信強度を示す受信強度情報と、受信時刻を示す受信時刻情報と、受信装置IDとを含む乗員2-1の乗員情報500をRAM23に記憶する。
【0056】
受信装置20-1は、発信装置10-1へ向けて、受信装置20-1のIDを含むスキャンリクエストパケット800を送信する。
【0057】
発信装置10-1は、スキャンリクエストパケット800を受信する。発信装置10-1は、受信したスキャンリクエストパケットから受信装置20-1のIDを取り出す。発信装置10-1は、受信装置20-1へ向けて、発信装置10-1のIDを含むスキャンレスポンスパケット900を送信する。
【0058】
受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット900を受信する。受信装置20-1は、RAM23に記憶されている乗員2-1の乗員情報500を監視制御装置30へ送信する。
【0059】
監視制御装置30は、乗員2-1の乗員情報500を受信する。監視制御装置30は、受信した乗員2-1の乗員情報500によって、乗員所在情報を更新する。
【0060】
発信装置10-2からも、アドバタイズパケット710がブロードキャスト送信される。
【0061】
発信装置10-1は、アドバタイズパケット700を送信した時刻taから100[msec]の時間が経過後に、アドバタイズパケット701を送信するが、発信装置10-2から送信されたアドバタイズパケット710と干渉するため、アドバタイズパケット701は、受信装置20-1に届かない。
【0062】
(実施の形態1の通信シーケンスの概要)
図6は、実施の形態1の通信シーケンスの概要を表わす図である。
【0063】
発信装置10-1は、発信装置10-1のIDおよび乗員2-1の生体情報を含むアドバタイズパケット700をブロードキャスト送信する。
【0064】
受信装置20-1は、以下のような内部処理1000を実行する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット700を受信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット700に含まれる生体情報および発信装置IDに加えて、アドバタイズパケット700の受信強度を示す受信強度情報と、受信時刻を示す受信時刻情報と、受信装置IDとを含む乗員2-1の乗員情報500をRAM23に記憶する。
【0065】
受信装置20-1は、発信装置10-1へ向けて、受信装置20-1のIDを含むスキャンリクエストパケット800を送信する。
【0066】
発信装置10-1は、スキャンリクエストパケット800を受信する。発信装置10-1は、受信したスキャンリクエストパケット800から受信装置20-1のIDを取り出す。発信装置10-1は、受信装置20-1へ向けて、発信装置10-1のIDを含むスキャンレスポンスパケット900を送信する。
【0067】
受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット900を受信する。受信装置20-1は、RAM23に記憶されている乗員2-1の乗員情報500を監視制御装置30へ送信する。
【0068】
監視制御装置30は、乗員2-1の乗員情報500を受信する。監視制御装置30は、受信した乗員2-1の乗員情報500によって、乗員所在情報を更新する。
【0069】
発信装置10-2、10-3においても、以下のようにして同様の処理が実行される。
【0070】
発信装置10-2は、アドバタイズパケット710をブロードキャスト送信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット710を受信し、乗員2-2の乗員情報510をRAM23に記憶し、スキャンリクエストパケット810を発信装置10-2へ送信する。発信装置10-2は、スキャンリクエストパケット810を受信し、スキャンレスポンスパケット910を受信装置20-1へ送信する。受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット910を受信し、乗員2-2の乗員情報510を監視制御装置30へ送信する。監視制御装置30は、乗員2-2の乗員情報510を受信し、受信した乗員2-2の乗員情報510によって、乗員所在情報を更新する。
【0071】
発信装置10-3は、アドバタイズパケット720をブロードキャスト送信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット720を受信し、乗員2-3の乗員情報520をRAM23に記憶し、スキャンリクエストパケット820を発信装置10-3へ送信する。発信装置10-3は、スキャンリクエストパケット820を受信し、スキャンレスポンスパケット920を受信装置20-1へ送信する。受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット920を受信し、乗員2-3の乗員情報520を監視制御装置30へ送信する。監視制御装置30は、乗員2-3の乗員情報520を受信し、受信した乗員2-3の乗員情報520によって、乗員所在情報を更新する。
【0072】
発信装置10-1は、スキャンリクエストパケット900を受信した時刻t1において、アドバタイズパケットの送信を停止する。
【0073】
発信装置10-1は、スキャンリクエストパケット900を受信した時刻t1から第1の時間ΔT1の時間が経過後に、アドバタイズパケットの送信の停止を解除する。発信装置10-1は、新たに作成したアドバタイズパケット701をブロードキャスト送信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット701を受信し、乗員2-1の乗員情報501をRAM23に記憶し、スキャンリクエストパケット801を発信装置10-1へ送信する。発信装置10-1は、スキャンリクエストパケット801を受信し、スキャンレスポンスパケット901を受信装置20-1へ送信する。受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット901を受信し、乗員2-1の乗員情報501を監視制御装置30へ送信する。監視制御装置30は、乗員2-1の乗員情報501を受信し、受信した乗員2-1の乗員情報501によって、乗員所在情報を更新する。
【0074】
(発信装置10の処理手順)
図7は、実施の形態1の発信装置10の処理手順を表わすフローチャートである。
【0075】
ステップS101において、発信装置10の生成部113は、発信装置10の発信装置IDと、生体センサ15から出力される生体情報とを含むアドバタイズパケットを生成する。発信装置10の通信制御部111は、通信装置14にアドバタイズパケットをブロードキャスト送信させる。
【0076】
ステップS102において、発信装置10の通信制御部111は、アドバタイズパケットが送信された時から一定時間内に通信装置14がスキャンリクエストパケットを受信したか否かを判定する。スキャンリクエストパケットが受信された場合には、処理がステップS103に進む。スキャンリクエストパケットが受信されなかった場合には、処理がステップS106に進む。
【0077】
ステップS103において、発信装置10の通信制御部111は、受信したスキャンリクエストパケットに含まれる受信装置IDに基づいて、スキャンリクエストパケットを送信した受信装置20を特定する。
【0078】
ステップS104において、発信装置10の通信制御部111は、通信装置14に特定した受信装置20に向けて、発信装置IDを含むスキャンレスポンスパケットを送信させる。
【0079】
ステップS105において、発信装置10の通信制御部111は、スキャンリクエストパケットを受信した時から第1の時間ΔT1だけ時間が経過するのを待つ。第1の時間ΔT1として、たとえば、1[sec]とすることができる。その後、処理がステップS101に戻り、次のアドバタイズパケットが生成されて、送信される。
【0080】
ステップS106において、発信装置10の通信制御部111は、ステップS101においてアドバタイズパケットが送信された時から、第2の時間(100-α[msec]または100+α[msec])だけ時間が経過するのを待つ。
【0081】
ステップS107において、発信装置10の通信制御部111は、通信装置14にステップS101において送信したアドバタイズパケットを再度送信し、ステップ101に戻る。なお、必要によりステップS106を実行後、ステップS107を省略し、ステップS101に戻る様にしてもよい。
【0082】
(受信装置20の処理手順)
図8は、実施の形態1の受信装置20の処理手順を表わすフローチャートである。
【0083】
ステップS201において、受信装置20の通信制御部215は、第1通信装置24がアドバタイズパケットを受信したか否かを判定する。アドバタイズパケットが受信された場合には、処理がステップS202に進む。アドバタイズパケットを受信しない場合は、ステップS201を繰り返す。
【0084】
ステップS202において、受信装置20の通信制御部215は、受信したアドバタイズパケットに含まれる発信装置IDに基づいて、アドバタイズパケットを送信した発信装置10を特定する。受信装置20の乗員情報生成部216は、アドバタイズパケットに含まれる生体情報および発信装置IDに加えて、アドバタイズパケットの受信強度を示す受信強度情報と、受信時刻を示す受信時刻情報と、受信装置IDとを含む乗員情報を生成する。
【0085】
ステップS203において、受信装置20の通信制御部215は、第1通信装置24に特定した発信装置10に向けて、受信装置IDを含むスキャンリクエストパケットを送信させる。
【0086】
ステップS204において、受信装置20の通信制御部215は、スキャンリクエストパケットが送信された時から一定時間内に第1通信装置24がスキャンレスポンスパケットを受信したか否かを判定する。スキャンリクストパケットが受信された場合には、処理がステップS205に進む。スキャンリクストパケットが受信されなかった場合には、処理がステップS203に戻る。これにより、発信装置10のスキャンリクエストパケットの受信、及び、受信装置20のスキャンレスポンスパケットの受信を確実にすることができる。また、当該発信装置10が受信装置20の通信範囲から離脱した場合に、ステップS203とステップS204とによって構成するループから抜け出せなることを防止するために、ステップS203とステップS204とによって構成するループの連続的実行回数が所定回数を超えた場合、または所定時間を超えた場合には、スキャンリスポンスパケットを受信しなくとも、処理がステップS204からステップS205に移行するようにしてもよい。また、ステップ203とステップ204の間に所定時間Tcの遅延を入れて、輻輳を防止してもよい。
【0087】
ステップS205において、受信装置20の通信制御部215は、第2通信装置25に、ステップS202で生成した乗員情報を監視制御装置30へ送信させる。
【0088】
(監視制御装置30の処理手順)
図9は、実施の形態1の監視制御装置30の処理手順を表わすフローチャートである。
【0089】
ステップS301において、監視制御装置30の通信制御部313は、通信装置34がいずれかの受信装置20から乗員情報を受信したか否かを判定する。乗員情報が受信された場合には、処理がステップS302に進む。
【0090】
ステップS302において、監視制御装置30の乗員管理部311は、受信した乗員情報に基づいて、乗員所在情報を更新する。
【0091】
ステップS303において、監視制御装置30の通信制御部313は、前回の乗員所在情報の表示した時刻から第3の時間だけ時間が経過したか否かを判定する。第3の時間だけ時間が経過した場合には、処理がステップS304に進む。第3の時間として、たとえば、2[sec]とすることができる。
【0092】
ステップS304において、監視制御装置30の乗員管理部311は、乗員所在情報をディスプレイ36に表示する。
【0093】
ステップS305において、監視制御装置30の乗員管理部311は、乗員所在情報をリセットする。これによって、乗員所在情報には何も含まれなくなる。
【0094】
以上のような処理によって、監視制御装置30のディスプレイ36には、2[sec]ごとに乗員所在情報が最新のものに更新される。
図10は、乗員所在情報の例を表わす図である。乗員所在情報によって、区域ごとに、乗員IDと、乗員数とを知ることができる。ステップS305において、乗員所在情報をリセットする代わりに、乗員に何らかの異常があると思われるので、点滅または赤色表示させるなどして注意喚起するようにしてもよい。
【0095】
図10では、区域単位に乗員が表示されることを想定しているが、乗員ID単位に、最新所在情報更新時刻、その時刻における所在区域情報、生体情報などを表示させるようにしてもよい。
【0096】
受信装置20が、アドバタイズパケットを受信してから当該アドバタイズパケットに基づく乗員情報を監視制御装置30に送信するまでに必要な処理時間を処理時間Texとしたとき、第2の時間は、処理時間Texより長いことが望ましい。また、第1の時間ΔT1は、通信システム1を構成する1台の受信装置20が、第3の時間内に受信が想定される発信装置20の最大数に、処理時間Texを乗じた時間より長いことが望ましい。
【0097】
本実施の形態によれば、発信装置は、アドバタイズパケットの送信後、スキャンリクエストパケットを受信した場合に、スキャンリクエストパケットを受信した時から第1の時間が経過するまで次のアドバタイズパケットの送信を停止する。これによって、受信装置が、複数の発信装置からのアドバタイズパケットを取りこぼしなく受信することができる。
【0098】
[実施の形態2]
(発信装置10の構成)
実施の形態2の通信装置14および通信制御部111が、実施の形態1の通信装置14および通信制御部111と相違する点を説明する。
【0099】
通信装置14は、アドバタイズパケットの送信指令を表わす送信指令パケットを受信可能に構成される。
【0100】
通信制御部111は、通信装置14がアドバタイズパケットの送信後、スキャンリクエストパケットを受信した場合に、通信装置14が送信指令パケットを受信するまで、通信装置14に次のアドバタイズパケットの送信を停止させる。通信制御部111は、通信装置14が送信指令パケットを受信した直後に、通信装置14に次のアドバタイズパケットを送信させる。
【0101】
(受信装置20の構成)
実施の形態2の第1通信装置24および通信制御部215が、実施の形態1の第1通信装置24および通信制御部215と相違する点を説明する。
【0102】
第1通信装置24は、アドバタイズパケットの送信指令を表わす送信指令パケットを送信可能に構成される。
【0103】
通信制御部215は、第1通信装置24が最後のアドバタイズパケットを受信した時から一定時間経過しても、新たにアドバタイズパケットを受信しない場合は、第1通信装置24に送信指令パケットを送信させる。より具体的には、通信制御部215は、第1通信装置24に各発信装置20に送信指令パケットを順次、ΔTaの時間間隔で送信させる。
【0104】
(監視制御装置30の構成)
実施の形態2の監視制御装置30の構成は、実施の形態1の監視制御装置30の構成と同様である。
【0105】
(実施の形態2の通信シーケンスの概要)
図11は、実施の形態2の通信シーケンスの概要を表わす図である。
【0106】
発信装置10-1は、発信装置10-1のIDおよび乗員2-1の生体情報を含むアドバタイズパケット700をブロードキャスト送信する。
【0107】
受信装置20-1は、以下のような内部処理1000を実行する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット700を受信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット700に含まれる生体情報および発信装置IDに加えて、アドバタイズパケット700の受信強度を示す受信強度情報と、受信時刻を示す受信時刻情報と、受信装置IDとを含む乗員2-1の乗員情報500をRAM23に記憶する。
【0108】
受信装置20-1は、発信装置10-1へ向けて、受信装置20-1のIDを含むスキャンリクエストパケット800を送信する。
【0109】
発信装置10-1は、スキャンリクエストパケット800を受信する。発信装置10-1は、受信したスキャンリクエストパケット800から受信装置20-1のIDを取り出す。発信装置10-1は、受信装置20-1へ向けて、発信装置10-1のIDを含むスキャンレスポンスパケット900を送信する。
【0110】
受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット900を受信する。受信装置20-1は、RAM23に記憶されている乗員2-1の乗員情報500を監視制御装置30へ送信する。
【0111】
監視制御装置30は、乗員2-1の乗員情報500を受信する。監視制御装置30は、受信した乗員2-1の乗員情報500によって、乗員所在情報を更新する。
【0112】
発信装置10-2、10-3においても、以下のようにして同様の処理が実行される。
【0113】
発信装置10-2は、アドバタイズパケット710をブロードキャスト送信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット710を受信し、乗員2-2の乗員情報510をRAM23に記憶し、スキャンリクエストパケット810を発信装置10-2へ送信する。発信装置10-2は、スキャンリクエストパケット810を受信し、スキャンレスポンスパケット910を受信装置20-1へ送信する。受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット910を受信し、乗員2-2の乗員情報510を監視制御装置30へ送信する。監視制御装置30は、乗員2-2の乗員情報510を受信し、乗員2-2の乗員情報510によって、乗員所在情報を更新する。
【0114】
発信装置10-3は、アドバタイズパケット720をブロードキャスト送信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット720を受信し、乗員2-3の乗員情報520をRAM23に記憶し、スキャンリクエストパケット820を発信装置10-3へ送信する。発信装置10-3は、スキャンリクエストパケット820を受信し、スキャンレスポンスパケット920を受信装置20-1へ送信する。受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット920を受信し、乗員2-3の乗員情報520を監視制御装置30へ送信する。監視制御装置30は、乗員2-3の乗員情報520を受信し、受信した乗員2-3の乗員情報520によって、乗員所在情報を更新する。
【0115】
発信装置10-1は、スキャンリクエストパケット900を受信した時刻t1において、アドバタイズパケットの送信を停止する。
【0116】
受信装置20-1は、最後のアドバタイズパケット720を受信した時刻txからΔTxの時間が経過しても、新たにアドバタイズパケットを受信しないという条件が満たされたときに、送信指令パケット601を発信装置10-1へ送信する。
【0117】
発信装置10-1は、送信指令パケット601を受信した直後に、アドバタイズパケットの送信の停止を解除する。発信装置10-1は、アドバタイズパケット701をブロードキャスト送信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット701を受信し、乗員2-1の乗員情報501をRAM23に記憶し、スキャンリクエストパケット801を発信装置10-1へ送信する。発信装置10-1は、スキャンリクエストパケット801を受信し、スキャンレスポンスパケット901を受信装置20-1へ送信する。受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット901を受信し、乗員2-1の乗員情報501を監視制御装置30へ送信する。監視制御装置30は、乗員2-1の乗員情報501を受信し、受信した乗員2-1の乗員情報501によって、乗員所在情報を更新する。
【0118】
受信装置20-1は、送信指令パケット601を送信した時刻tyからΔTaの時間が経過後に、送信指令パケット611を発信装置10-2へ送信する。
【0119】
発信装置10-2は、送信指令パケット611を受信した直後に、アドバタイズパケットの送信の停止を解除する。発信装置10-2は、アドバタイズパケット711をブロードキャスト送信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット711を受信し、乗員2-2の乗員情報511をRAM23に記憶し、スキャンリクエストパケット811を発信装置10-2へ送信する。発信装置10-2は、スキャンリクエストパケット811を受信し、スキャンレスポンスパケット911を受信装置20-1へ送信する。受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット911を受信し、乗員2-2の乗員情報511を監視制御装置30へ送信する。監視制御装置30は、乗員2-2の乗員情報511を受信し、受信した乗員2-2の乗員情報511によって、乗員所在情報を更新する。
【0120】
受信装置20-1は、送信指令パケット611を送信した時刻tzからΔTaの時間が経過後に、送信指令パケット621を発信装置10-3へ送信する。
【0121】
発信装置10-3は、送信指令パケット621を受信した直後に、アドバタイズパケットの送信の停止を解除する。発信装置10-3は、アドバタイズパケット721をブロードキャスト送信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット721を受信し、乗員2-3の乗員情報521をRAM23に記憶し、スキャンリクエストパケット821を発信装置10-3へ送信する。発信装置10-3は、スキャンリクエストパケット821を受信し、スキャンレスポンスパケット921を受信装置20-1へ送信する。受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット921を受信し、乗員2-3の乗員情報521を監視制御装置30へ送信する。監視制御装置30は、乗員2-3の乗員情報521を受信し、受信した乗員2-3の乗員情報521によって、乗員所在情報を更新する。
【0122】
(発信装置10の処理手順)
図12は、実施の形態2の発信装置10の処理手順を表わすフローチャートである。
図12のフローチャートが、実施の形態1の
図7のフローチャートと相違する点は、
図12のフローチャートは、ステップS104の後、ステップS105の代わりに、ステップS401とステップS402を備える点である。
【0123】
ステップS401において、発信装置10の通信制御部111は、通信装置14が送信指令パケットを受信したか否かを判定する。送信指令パケットが受信された場合には、処理がステップS101に戻り、次のアドバタイズパケットが生成されて、送信される。送信指令パケットが受信されていない場合は、処理がステップS402に進む。
【0124】
ステップS402において、ステップS104の処理後、所定時間TS104以上経過した否かを判定する。所定時間TS104以上経過していない場合は、処理がステップS401に戻る。所定時間TS104以上経過している場合は、処理がステップS101に戻る。これは、ステップS104の実施後、乗員が他区域に移動し、送信指令パケットを受信できなくなった場合のタイムアウト処理に相当する。
【0125】
(受信装置20の処理手順)
図13は、実施の形態2の受信装置20の処理手順を表わすフローチャートである。
図13のフローチャートが、実施の形態1の
図8のフローチャートと相違する点は、
図13のフローチャートは、ステップS201において、「NO」の場合は、処理がステップS501へ移行し、さらに、ステップS501およびS502を備える点である。
【0126】
ステップS501において、受信装置20の通信制御部215は、最後のアドバタイズパケットが送信されてからΔTxだけ時間が経過しても、新たなアドバタイズパケットを受信していないか否かを判定する。時間がΔTx経過していない場合はステップS201に戻る。最後のアドバタイズパケットが送信されてからΔTxだけ時間が経過しても、新たなアドバタイズパケットを受信していない場合には、処理がステップS502に進む。
【0127】
ステップS502において、受信装置20の通信制御部215は、第1通信装置24にアドバタイズパケットを受信した、各発信装置10に向けて、順次ΔTaの時間間隔で送信指令パケットを送信させる。
【0128】
好ましくは、時間ΔTx及び時間ΔTaは処理時間Texより長く、第3の時間を全受信装置20の台数で除した値より短い。望ましくは、ある受信装置20が第3の時間内に受信する発信装置10の想定される最大数と時間ΔTaの積と、時間ΔTxとの和は、第3の時間よりも短い。よって、時間ΔTaおよび時間ΔTxは、受信装置20毎に設定を変えてもよい。
【0129】
本実施の形態によれば、発信装置は、アドバタイズパケットの送信後、スキャンリクエストパケットを受信した場合に、送信指令パケットを受信するまで次のアドバタイズパケットの送信を停止する。これによって、受信装置が、複数の発信装置からのアドバタイズパケットを取りこぼしなく受信することができる。
【0130】
[実施の形態3]
(発信装置10の構成)
実施の形態3の通信制御部111が、実施の形態2の通信制御部111と相違する点を説明する。
【0131】
通信制御部111は、通信装置14が後述の順序に関する情報を付きの送信指令パケットを受信した後、所定時間td3に自己の発信装置IDの順序を応じた係数を乗じた時間後に、通信装置14に次のアドバタイズパケットを送信させる。所定時間td3は第4の時間である。
【0132】
(受信装置20の構成)
実施の形態3の第1通信装置24および通信制御部215が、実施の形態2の第1通信装置24および通信制御部215と相違する点を説明する。
【0133】
第1通信装置24は、送信指令パケットをブロードキャスト送信可能に構成される。
【0134】
通信制御部215は、第1通信装置24に、前回の送信指令パケットを送信後に受信した発信装置10の発信装置IDを受信順に付与した、発信順序に関する情報付き(以下順序付きと略すことがある)の送信指令パケットをブロードキャスト送信させる。
【0135】
(監視制御装置30の構成)
実施の形態3の監視制御装置30の構成は、実施の形態1および2の監視制御装置30の構成と同様である。
【0136】
(通信シーケンスの概要)
図14は、実施の形態3の通信シーケンスの概要を表わす図である。
図14の通信シーケンスが、
図11の実施の形態2の通信シーケンスと相違する点は、送信指令パケットの情報内容と送信方法である。実施の形態2では、送信指令パケット601、602、603がそれぞれ発信装置20-1、20-2、20-3へΔTaの時間間隔で送信された。実施の形態3では、受信装置20-1は、前回の送信指令パケットを送信後に受信した発信装置10の発信装置IDを受信順に付与した、順序付きの送信指令パケット651を時刻tastにブロードキャスト送信する。
図14の例では時刻t1に発信装置10-1からアドバタイズパケットを受信し、時刻t2に発信装置10-2からアドバタイズパケットを受信し、時刻t3に発信装置10-3からアドバタイズパケットを受信している。したがって、送信指令パケット651には発信装置10-1の発信装置ID、発信装置10-2の発信装置ID、発信装置10-3の発信装置IDがこの順に含まれている。
【0137】
発信装置10-1が、送信指令パケット651を受信すると、送信指令パケット651の情報から自装置の順序を判断する。
図14の例では発信装置10-1の順序は1である。発信装置10-1は、送信指令パケット651を受信した時刻tastから所定時時間td3に発信装置10-1の順序である「1」を乗じた時間後、すなわち、時時刻tast+td3にアドバタイズパケットの送信停止を解除し、アドバタイズパケット701をブロードキャスト送信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット701を受信し、乗員2-1の乗員情報501をRAM23に記憶し、スキャンリクエストパケット801を発信装置10-1へ送信する。発信装置10-1は、スキャンリクエストパケット801を受信し、スキャンレスポンスパケット901を受信装置20-1へ送信する。受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット901を受信し、乗員2-1の乗員情報501を監視制御装置30へ送信する。監視制御装置30は、乗員2-1の乗員情報501を受信し、受信した乗員2-1の乗員情報501によって、乗員所在情報を更新する。
【0138】
発信装置10-2が、送信指令パケット651を受信すると、送信指令パケット651の情報から自装置の順序を判断する。
図14の例では発信装置10-2の順序は2である。発信装置10-2は、送信指令パケット651を受信した時刻tastから所定時時間td3に発信装置10-2の順序である「2」を乗じた時間後、すなわち、時刻tast+2×td3にアドバタイズパケットの送信停止を解除し、アドバタイズパケット711をブロードキャスト送信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット711を受信し、乗員2-2の乗員情報511をRAM23に記憶し、スキャンリクエストパケット811を発信装置10-2へ送信する。発信装置10-2は、スキャンリクエストパケット811を受信し、スキャンレスポンスパケット911を受信装置20-1へ送信する。受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット911を受信し、乗員2-2の乗員情報511を監視制御装置30へ送信する。監視制御装置30は、乗員2-2の乗員情報511を受信し、受信した乗員2-2の乗員情報511によって、乗員所在情報を更新する。
【0139】
発信装置10-3が、送信指令パケット651を受信すると、送信指令パケット651の情報から自装置の順序を判断する。
図14の例では発信装置10-3の順序は3である。発信装置10-2は、送信指令パケット651を受信した時刻tastから所定時時間td3に発信装置10-2の順序である「2」を乗じた時間後、すなわち、時刻tast+3×td3にアドバタイズパケットの送信停止を解除し、アドバタイズパケット721をブロードキャスト送信する。受信装置20-1は、アドバタイズパケット721を受信し、乗員2-3の乗員情報521をRAM23に記憶し、スキャンリクエストパケット821を発信装置10-3へ送信する。発信装置10-3は、スキャンリクエストパケット821を受信し、スキャンレスポンスパケット921を受信装置20-1へ送信する。受信装置20-1は、スキャンレスポンスパケット921を受信し、乗員2-3の乗員情報521を監視制御装置30へ送信する。監視制御装置30は、乗員2-3の乗員情報521を受信し、受信した乗員2-3の乗員情報521によって、乗員所在情報を更新する。
【0140】
(発信装置10の処理手順)
図15は、実施の形態3の発信装置10の処理手順を表わすフローチャートである。
図15のフローチャートが、実施の形態2の
図12のフローチャートと相違する点は、
図15のフローチャートは、ステップS401の後、さらに、ステップS601とステップ602を備える点である。
【0141】
ステップ601において、発信装置10の通信制御部111は、送信指令パケットから自装置である発信装置IDの順序xmを判断する。次にステップ602において、時間Td3に順序xmを乗じた時間(すなわちTd3×xm)が経過するのを待つ。その後、処理がステップS101に戻り、次のアドバタイズパケットが生成されて、送信される。
【0142】
(受信装置20の処理手順)
図16は、実施の形態3の受信装置20の処理手順を表わすフローチャートである。
図16のフローチャートが、実施の形態2の
図13のフローチャートと相違する点は、
図16のフローチャートは、ステップS501のYESの後、ステップS502の代わりに、ステップS701を備える点である。
【0143】
ステップS701において、受信装置20の通信制御部215は、第1通信装置24に受信した発信装置10の発信装置IDを受信順に付与した、順序付きの送信指令パケットをブロードキャスト送信させる。
【0144】
好ましくは、時間Td3は処理時間Texより長い。また、ステップ602における待機時間を、時間Td3に順序xmを乗じた時間とする代わりに、時間Td3に、順序xmから「1」を引いた数を乗じた時間(すなわちTd3×(xm-1))としてもよい。すなわち待機時間は時間Td3に、順序xmに対応したゼロ以上の整数値を、乗じた時間であればよい。
【0145】
本実施の形態によれば、実施の形態2と同様に、発信装置は、アドバタイズパケットの送信後、スキャンリクエストパケットを受信した場合に、送信指令パケットを受信するまで次のアドバタイズパケットの送信を停止する。これによって、受信装置が、複数の発信装置からのアドバタイズパケットを取りこぼしなく受信することができる。
【0146】
[実施の形態4]
(発信装置10の構成)
実施の形態4の発信装置10の構成は、実施の形態2の発信装置10の構成と同様である。
【0147】
(受信装置20の構成)
実施の形態4の第2通信装置25および通信制御部215が、実施の形態2の第1通信装置24および通信制御部215と相違する点を説明する。
【0148】
第2通信装置25は、検出された発信装置の総数が規定値に達した旨の検出完了通知を受信可能に構成される。
【0149】
通信制御部215は、第2通信装置25が検出完了通知を受信した場合に、第1通信装置24に送信指令パケットをブロードキャスト送信させる。
【0150】
(監視制御装置30の構成)
実施の形態4の通信装置34、通信制御部313および乗員管理部311が、実施の形態2の通信装置34、通信制御部313および乗員管理部311と相違する点を説明する。
【0151】
乗員管理部311は、受信した乗員情報によって更新される乗員管理情報に基づいて、所定時間内内に検出された発信装置の総数が規定値に達したか否かを判断する。ここで、所定時間は、乗員所在情報の表示の更新間隔と同じである2[sec]とすることができる。あるいは、乗員管理部311は、通信システムの起動後から検出された発信装置の総数が規定値に達するか否かを判断するものとしてもよい。
【0152】
通信装置34は、所定時間内に検出された発信装置の総数が規定値に達した旨の検出完了通知を送信可能に構成される。
【0153】
通信制御部313は、所定定時間内に検出された発信装置の総数が規定値に達した場合に、通信装置24に検出完了通知を送信させる。
【0154】
(通信シーケンスの概要)
図17は、実施の形態4の通信シーケンスの概要を表わす図である。
図17の通信シーケンスが、
図11の実施の形態2の通信シーケンスと相違する点は、送信指令パケットを送信するために必要な条件である。
【0155】
実施の形態2では、受信装置20-1は、最後のアドバタイズパケット720を受信した時刻txからΔTxの時間が経過しても、新たにアドバタイズパケットを受信しないという条件が満たされたときに、送信指令パケット601を送信した。
【0156】
実施の形態4では、以下のようにして送信指令パケット601が送信される。
【0157】
監視制御装置30は、受信装置20-1からだけでなく、他の受信装置からも乗員情報401~405を受信し、乗員所在情報を更新している。監視制御装置30は、乗員情報401~405に基づいて、すべての区域内において検出された発信装置の合計を算出する。監視制御装置30は、すべての区域内において検出された発信装置の総数が規定値に達したときに、検出完了通知301を送信する。
【0158】
受信装置20-1は、監視制御装置30から検出完了通知301を受信したという条件が満たされたときに、送信指令パケット601を送信する。その後の動作は、実施の形態2と同様なので、説明を繰り返さない。
【0159】
(発信装置10の処理手順)
実施の形態4の発信装置10の処理手順は、実施の形態2の
図12のフローチャートと同様なので、説明を繰り返さない。
【0160】
(受信装置20の処理手順)
図18は、実施の形態4の受信装置20の処理手順を表わすフローチャートである。
図18のフローチャートが、実施の形態2の
図13のフローチャートと相違する点は、
図18のフローチャートは、ステップ501がなく、ステップS201で「NO」の場合は、処理がステップS201に戻り、ステップS205の後、処理がステップS201に戻る代わりに、ステップS801に移行し、ステップS801で「YES」の場合に、処理がステップS502に移行する点である。
【0161】
ステップS801において、受信装置20の通信制御部215は、第2通信装置25が監視制御装置30から検出完了通知301を受信したか否かを判定する。検出完了通知301を受信したときには、処理がステップS502に進む。検出完了通知301を受信していない場合はステップS201に戻る。
【0162】
(監視制御装置30の処理手順)
図19は、実施の形態4の監視制御装置30の処理手順を表わすフローチャートである。
図19のフローチャートが、実施の形態1の
図9のフローチャートと相違する点は、
図19のフローチャートは、ステップS901およびS902をさらに備える点である。
【0163】
ステップS901において、監視制御装置30の乗員管理部311は、乗員所在情報に基づいて、すべての区域内において、前回乗員所在情報の表示の更新をしてから、次の乗員所在情報の表示の更新までに検出された発信装置の総数が規定値に達したか否かを判定する。すべての区域内において検出された発信装置の総数が規定値に達した場合に、処理がステップS902に進む。
【0164】
ステップS902において、監視制御装置30の乗員管理部311は、第2通信装置25にすべての受信装置20に向けて検出完了通知を送信させる。
【0165】
本実施の形態によれば、実施の形態2と同様に、発信装置は、アドバタイズパケットの送信後、スキャンリクエストパケットを受信した場合に、送信指令パケットを受信するまで次のアドバタイズパケットの送信を停止する。これによって、受信装置が、複数の発信装置からのアドバタイズパケットを取りこぼしなく受信することができる。
【0166】
[実施の形態5]
(発信装置10の構成)
実施の形態5の発信装置10の構成は、実施の形態3の発信装置10の構成と同様である。
【0167】
(受信装置20の構成)
実施の形態5の第2通信装置25および通信制御部215が、実施の形態3の第1通信装置24および通信制御部215と相違する点を説明する。
【0168】
第2通信装置25は、検出された発信装置の総数が規定値に達した旨の検出完了通知を受信可能に構成される。
【0169】
通信制御部215は、第2通信装置25が検出完了通知を受信した場合に、第1通信装置24に送信指令パケットをブロードキャスト送信させる。
【0170】
(監視制御装置30の構成)
実施の形態5の監視制御装置30の構成は、実施の形態4の監視制御装置30の構成と同様である。
【0171】
(通信シーケンスの概要)
図20は、実施の形態5の通信シーケンスの概要を表わす図である。
図20の通信シーケンスが、
図14の実施の形態3の通信シーケンスと相違する点は、送信指令パケットを送信するために必要な条件である。
【0172】
実施の形態3では、受信装置20-1は、最後のアドバタイズパケット720を受信した時刻txからΔTxの時間が経過しても、新たにアドバタイズパケットを受信しないという条件が満たされたときに、送信指令パケット651をブロードキャスト送信した。
【0173】
実施の形態5では、以下のようにして送信指令パケット651がブロードキャスト送信される。
【0174】
監視制御装置30は、受信装置20-1からだけでなく、他の受信装置からも乗員情報401~405を受信し、乗員所在情報を更新する。監視制御装置30は、乗員情報401~405に基づいて、すべての区域内において検出された発信装置の総数を算出する。監視制御装置30は、すべての区域内において検出された発信装置の総数が規定値に達したときに、検出完了通知301を送信する。
【0175】
受信装置20-1は、監視制御装置30から検出完了通知301を受信したという条件が満たされたときに、送信指令パケット651をブロードキャスト送信する。その後の動作は、実施の形態3と同様なので、説明を繰り返さない。
【0176】
(発信装置10の処理手順)
実施の形態5の発信装置10の処理手順は、実施の形態3の
図15のフローチャートと同様なので、説明を繰り返さない。
【0177】
(受信装置20の処理手順)
図21は、実施の形態5の受信装置20の処理手順を表わすフローチャートである。
図21のフローチャートが、実施の形態3の
図16のフローチャートと相違する点は、
図121のフローチャートは、ステップS501がなく、ステップS201において「NO」の場合は、処理がステップS201に戻り、ステップS205の後にステップS801に移行する点である。ステップS801は判定処理が「NO」の場合は、処理がステップS201に戻り、「YES」の場合は、ステップS701に進む点である。
【0178】
ステップS801において、受信装置20の通信制御部215は、第2通信装置25が監視制御装置30から検出完了通知301を受信したか否かを判定する。検出完了通知301を受信したときには、処理がステップS701に進む。
【0179】
本実施の形態によれば、実施の形態2と同様に、発信装置は、アドバタイズパケットの送信後、スキャンリクエストパケットを受信した場合に、送信指令パケットを受信するまで次のアドバタイズパケットの送信を停止する。これによって、受信装置が、複数の発信装置からのアドバタイズパケットを取りこぼしなく受信することができる。
【0180】
上述した通信システムにおいて、発信装置10と受信装置20との間の通信には、BLE規格に従う通信プロトコルが用いられる例について説明したが、BLE規格に従う通信プロトコルに代えて、他の通信プロトコルが用いられてもよい。
【0181】
今回開示された実施の形態がすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0182】
1 通信システム、2 乗員、10 発信装置、11,21,31 CPU、12,22,32 記憶装置、13,23,33 RAM、14,34 通信装置、15 生体センサ、16 バッテリ、20 受信装置、24 第1通信装置、25 第2通信装置、30 監視制御装置、35 通信インターフェース、36 ディスプレイ、111,215,313 通信制御部、113 生成部、216 乗員情報生成部、311 乗員管理部。