(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】粉末分散組成物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/04 20060101AFI20240205BHJP
A61K 8/29 20060101ALI20240205BHJP
A61K 8/27 20060101ALI20240205BHJP
A61K 8/892 20060101ALI20240205BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240205BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20240205BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20240205BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240205BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
A61K8/04
A61K8/29
A61K8/27
A61K8/892
A61K8/34
A61Q17/04
A61Q1/00
A61Q19/00
A61Q5/00
(21)【出願番号】P 2020555674
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(86)【国際出願番号】 JP2019044101
(87)【国際公開番号】W WO2020100801
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】P 2018212413
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(72)【発明者】
【氏名】那須 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】香取 崇広
(72)【発明者】
【氏名】佐藤根 大士
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-002017(JP,A)
【文献】特開2000-191490(JP,A)
【文献】特開2006-218472(JP,A)
【文献】国際公開第2007/069430(WO,A1)
【文献】特開2000-191489(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0046103(KR,A)
【文献】特開2010-047538(JP,A)
【文献】特開2016-088935(JP,A)
【文献】特開2017-179317(JP,A)
【文献】特開2012-207078(JP,A)
【文献】特開2007-161648(JP,A)
【文献】特開2007-161650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00- 90/00
C08K 3/00- 13/08
C08L 1/00-101/14
C08G 77/00- 77/62
CAplus/REGISTRY(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末、分散剤、及び分散媒を混合する第1の工程と、
前記第1の工程で得られた混合物に50~200MPaの流速を付与してなる流体を、絞り流路を通過させて前記流体にキャビテーションによる微細気泡を発生させ、前記微細気泡の衝撃力によって粉末分散組成物を得る第2の工程と、
を含む粉末分散組成物の製造方法であって、
前記粉末が二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含み、
前記分散剤が両末端シリコーン変性グリセリンであり、
前記分散組成物中の前記粉末の平均粒径が前記粉末の一次粒子径の10倍以下であって、前記分散組成物中の前記粉末の平均粒径の多分散指数(PDI値)が0.4以下であって、前記粉末の1%あたりの
波長310nmでの吸光度が150以上であることを特徴とする粉末分散組成物の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の粉末分散組成物の製造方法であって、前記粉末の配合量が0.1質量%以上75質量%以下であることを特徴とする粉末分散組成物の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の粉末分散組成物の製造方法であって、
前記粉末が二酸化チタン及び酸化亜鉛を含むことを特徴とする粉末分散組成物の製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の粉末分散組成物の製造方法であって、
前記粉末分散組成物がさらに低級アルコールを含み、前記低級アルコールの含有量が0.5質量%以上1.2質量%以下であることを特徴とする粉末分散組成物の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の粉末分散組成物の製造方法であって、前記低級アルコールが、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、及びt-ブチルアルコールから選択される少なくとも1種であることを特徴とする粉末分散組成物の製造方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の粉末分散組成物の製造方法であって、前記低級アルコールがエタノールであることを特徴とする粉末分散組成物の製造方法。
【請求項7】
粉末と、分散剤と、分散媒と、低級アルコールとを分散させた粉末分散組成物であって、
前記粉末が二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛を含み、
前記分散剤が両末端シリコーン変性グリセリンであり、
前記低級アルコールの含有量が0.5質量%以上1.2質量%以下であり、
前記分散組成物中の粉末の平均粒径が粉末の一次粒子径の10倍以下であって、前記分散組成物中の平均粒径の多分散指数(PDI値)が、0.4以下あって、前記粉末の1%あたりの
波長310nmでの吸光度が150以上であることを特徴とする粉末分散組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の粉末分散組成物であって、前記低級アルコールがエタノールであることを特徴とする粉末分散組成物。
【請求項9】
請求項7または8に記載の粉末分散組成物であって、O/W化粧料またはW/O化粧料に用いられることを特徴とする粉末分散組成物。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2018年11月12日付け出願の日本国特許出願2018-212413号の優先権を主張しており、ここに折り込まれるものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は粉末分散組成物、特にその微粒子分散技術の改良に関する。
【背景技術】
【0003】
日焼け止め化粧料は、太陽光線中の紫外線をカットし、紫外線による悪影響から肌を守ることを目的としており、その基剤としては、乳化タイプ、ローションタイプ、オイルタイプ等が挙げられ、乳化タイプとしては、水性成分を外相(連続相)とする水中油型乳化化粧料と油性成分を外相(連続相)とする油中水型乳化化粧料に大別される。従来より日焼け止め化粧料にはみずみずしい使用感が求められており、水中油型乳化化粧料の中でも、疎水化処理した紫外線散乱剤を乳化させた水中油型乳化化粧料は、べたつきを抑制することができるためみずみずしい使用感を実現することが可能である(例えば特許文献1)。
【0004】
一方で、皮膚への紫外線照射を遮断して高いSPF(Sun Protection Factor)値を得るために、日焼け止め化粧料には紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を高配合する必要がある。
しかし、紫外線散乱剤のような粉体を高配合すると、化粧料として皮膚に塗布した際には、きしきしといった感触を与えてしまう。このような肌への負担感を軽減することが非常に困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記従来技術に鑑みなされたものであり、その解決すべき課題は、化粧料に求められるみずみずしさや伸びの良さの使用感を保持しながら、肌への負担感を軽減しつつ、高いSPF値を達成することが可能な粉末分散組成物を提供することを目的とするものである。
【0007】
前記課題を解決するために本発明者らが検討を行った結果、新規な粉末分散組成物を用いると、化粧料中に、紫外線散乱剤のような粉体の配合を抑制することができ、肌への負担感を軽減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
さらに、上記粉末分散組成物を提供するための、新規な分散プロセスを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る粉末分散組成物を用いると、化粧料中に、紫外線散乱剤のような粉体の配合を抑制することができ、肌への負担感を軽減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる粉末分散組成物は、
粉末を分散させた粉末分散組成物であって、前記分散組成物中の粉末の平均粒径が粉末の一次粒子径の10倍以下であって、前記分散組成物中の平均粒径の多分散指数(PDI値)が、0.4以下あって、前記粉末の1%あたりの吸光度 が150以上であることを特徴とする。
また、本発明において、粉末分散組成物は、分散剤 のHLBが、2以下のシリコーン油であることが好適である。
また、本発明において、粉末分散組成物は、分散剤が、両末端シリコーン変性グリセリンであることが好適である。
また、本発明において、粉末分散組成物は、粉末が、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムであることが好適である。
また、本発明において、粉末分散組成物は、粉末が75% 以下であることが好適である。
また、本発明において、粉末分散組成物は、第一工程として、油相と、 粉末とを撹拌しながら混合し、第1工程で得られた混合物を第2工程でキャビテーションの原理に基づいて均質化させて得ることが好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる粉末分散組成物によれば、化粧料中に、紫外線散乱剤のような粉体の配合を抑制することができ、肌への負担感を軽減できることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ホモミキサーを用いて得た粉末分散組成物と、本発明におけるキャビテーションを用いて得た粉末分散組成物の分散後5日経過後の粘度を表す図
【
図2】本発明によるキャビテーションを用いて得た粉末分散組成物に低級アルコール(エタノール)を加えた直後の吸光度を表す図
【
図3】本発明におけるキャビテーションを用いて得た粉末組成物に低級アルコール(エタノール)を加えた直後の粘度を表す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
【0013】
[粉末分散組成物]
本発明において好適に用いられる粉末分散組成物としては、粉末と、それを分散する分散剤および分散媒からなる。
【0014】
[粉末]
本発明に用いる粉末としては、紫外線散乱剤を好適に配合することができる。紫外線散乱剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機粉末、或いはこの無機粉末の表面をメチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等によるフッ素処理;N-アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理;レシチン処理;ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸処理;パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ロジン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸処理;アルキルリン酸エステル処理、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン処理、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン処理、デキストリン脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステルなどの脂肪酸エステル処理、シリカ処理等により被覆した表面被覆無機粉末が挙げられる。
【0015】
上記の紫外線散乱剤の1種又は2種以上を選択して配合してもよい。紫外線散乱剤の配合量は、粉末分散組成物中0.1~75.0質量%、さらには1.0~60.0質量%であることが好適である。紫外線散乱剤の配合量が少なすぎると、十分な紫外線防御効果が見られない場合があり、多すぎると粉末分散組成物を配合した化粧料の使用感を損なう場合がある。
【0016】
これらの粉末の市販品としては、TTO-S4、TTO-V4(石原産業製)、ST485SA(チタン工業製)、MZX-508OTS、MZY-505S、MT-100TV(テイカ株式会製)、FINEX-50W-LP2、STR-100C-LP(堺化学工業社製)等が挙げられる。
【0017】
[分散媒]
本発明に用いる粉末が分散する分散媒としてはシリコーン油、炭化水素油、エステル油などの油分が挙げられる。
分散媒の配合量は、粉末分散組成物中25~80質量% 、さらには30~70質量%であることが好適である。80質量%を超えると、十分な量の紫外線散乱剤が配合できない場合があるため好ましくない。25質量%未満であると、分散媒が少なすぎて分散ができない場合があるため好ましくない。
【0018】
これらの分散媒の市販品としては、KF-96L-1.5cs(信越化学工業社製)、KF-995(信越化学工業社製)、FZ-3196(東レダウコーニング社製)等が挙げられる。
【0019】
[シリコーン系分散剤]
本発明で用いるシリコーン系分散剤は、下記一般式(a)で表される両末端シリコーン変性グリセリンであることを特徴とする。
【0020】
(a)
【0021】
【0022】
上記式中、R 1 は炭素数1 ~ 1 2 の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基であり、
R 2 は炭素数2 ~ 1 1 のアルキレン基であり、m は1 0 ~ 1 2 0 、n は1 ~ 1 1 である。
【0023】
本発明に用いる両末端シリコーン変性グリセリンの基本構造はBAB型トリブロック共重合体であり、Bは、例えば下記構造(c)で示される片末端水素残基シリコーンなどを用いることができる。一般式(a)において、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。また、それぞれのR2も同一であっても異なっていてもよい。
Aはグリセリン残基である。
下記構造(c)の片末端水素シリコーンは公知の化合物である。そして、任意の重合度のBAB型トリブロック共重合体が公知の方法により製造出来る。
【0024】
(c)
【0025】
【0026】
式中、R1はそれぞれ、炭素数1~12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基、mは10~120の数である。R1はそれぞれが同一であっても、異なっていても良い。
【0027】
AとBとの間の結合は本発明にとって本質的な構造ではないが、本発明に例示される両末端シリコーン変性グリセリンは、化合物(c)と下記構造式(d)で示す化合物を、白金触媒を用い、エーテル結合により結合させたものである。
【0028】
(d)
【0029】
【0030】
式中、nは1~11の数である。
【0031】
BAB型トリブロック共重合体は公知の方法により合成することが出来る。下記構造式(a){好ましくは構造式(b)}で表される両末端シリコーン変性グリセリンが得られる
【0032】
(a)
【0033】
【0034】
式中、R1は炭素数1~12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基であり、R2は炭素数2~11のアルキル基であり、mは10~120、nは1~11である。
【0035】
(b)
【0036】
【0037】
式中、R1は炭素数1~12の直鎖又は分岐アルキル基、もしくはフェニル基、mは10~120、nは1~11である。
【0038】
シリコーン鎖の重合度のmは10~120が好ましい。側鎖置換基はメチル基が好ましいが、フェニルや他のアルキルに置換されていても構わない。
グリセリン鎖の重合度のnは1~11が好ましい。
【0039】
粉体同士の凝集を防止するAブロック鎖の広がりは、高分子の分子量に依存し、Aブロック鎖は高分子量であるほど凝集防止効果は高い。一方、粉体への吸着はBブロック鎖のファンデルワールス力、水素結合等の弱い力によると考えられる。しかし、Bブロック鎖としてポリグリセリンを用いることにより、ポリエチレングリコール等に比較し強い吸着力が得られるため、比較的低い分子量で十分な吸着力が得られる。また、AB両ブロックの分子量が高くなりすぎると、化粧料の塗り伸ばしが難くなる場合があり、また伸びの重さを感じる場合がある。以上のことから、分子量についても適切な範囲があり、分子量は2000~20000が好ましい。
【0040】
本発明に用いる粉末分散組成物は、以下の方法で得ることが好適である。
第1工程では、分散媒に、粉末と分散剤を撹拌しながら混合する。そして、第2工程では、第1工程で得られた混合物をキャビテーションの原理に基づいて均質化させることを特徴とする。
キャビテーションは、液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象である。
本発明において、粉末分散組成物を得るために、第1工程で得られた混合物に流速を付与した液体を、絞り流路を通過させることによって、液体にキャビテーションによる微細気泡を発生させて、その衝撃力で、粉末分散組成物を得る。
付与する流速は、50~200MPaの超高圧流で与える。50未満であると、分散効果がない場合があるため好ましくない。
【0041】
本発明における分散組成物中の粉末の平均粒径が、粉末の一次粒子径の10倍以下である必要がある。10倍より大きいと、紫外線防御効果を発揮しない場合があるため好ましくない。
【0042】
分散組成物中の粉末1%あたりの吸光度が、150以上であることが好ましい。150未満である場合紫外線防御効果が小さい場合があるため好ましくない。
【0043】
DLSによる粒子サイズ測定における結果として多分散指数(PDI値)があり、粒子サイズの均一性を示す指標として知られている。これは、0から1の範囲で表され、0は粒子サイズに分布がない理想的な単一サイズの粒子を意味する。
PDIが0.1以下の場合は単分散性の粒子で、また、0.1を超えて0.4の間の値を有する分散体は、狭い粒子サイズ分布を有すると考えられる。PDIが0.4を超えて0.5以下の場合は、比較的広い粒子サイズ分布と考えられ、さらに、PDIが0.5より大きくなると、その分散体は多分散性であると考えられる
【0044】
本発明における粉末分散組成物の平均粒径の多分散指数(PDI値)が、0.4以下である必要がある。0.4を超えると、粉末分散組成物が十分な吸光度を得られない場合があるため好ましくない。
【0045】
本発明における分散組成物のSPFは、15以上であることが好ましい。
【0046】
上記分散組成物に用いた粉末の一次粒子径は、窒素吸着法を用いて測定した。
【0047】
上記分散組成物中の粉末の平均粒径及び多分散指数については、動的光散乱法(Dynamic light scattering)を用いて,液体中に分散したサブミクロン粒子の平均粒子径及び粒子径分布を測定している。
【0048】
溶液や懸濁液中でブラウン運動をしている粒子にレーザー光を照射すると、粒子からの散乱光には拡散係数に応じたゆらぎが生じる。大きな粒子は動きが遅いので散乱光強度のゆらぎは緩やかであり、一方、小さな粒子は動きが速いので散乱光強度のゆらぎは急激に変化する。
【0049】
動的光散乱法ではこの拡散係数を反映した散乱光のゆらぎを検出し、ストークス・アインシュタイン式を利用して粒子径を測定する。
【0050】
d =(kT/3πηD)×1012
上記式中、d:粒子径(nm)、k:ボルツマン定数(1.38×10-23 J・K-1)、T:絶対温度(K)、η:粘度(mPa・s)、D:拡散係数(m2・s-1)を表す。
【0051】
光子相関法では、この散乱光の時間的な変化(ゆらぎ)すなわちその散乱光強度の信号を相関計に送る。相関計で処理したデータに基づいて算出された散乱光強度の自己相関関数から、平均粒子径及び多分散指数が得られる。周波数解析法では、この散乱光強度の信号に含まれている周波数成分をフーリエ変換することにより周波数の強度分布を算出し、平均粒子径及び多分散指数が得られる。
【0052】
[その他]
本発明の粉末分散組成物には、上記必須成分の外、通常化粧品や医薬部外品の組成物に用いられる成分を配合することができ、常法に応じて製造される。以下に具体的な配合可能成分を列挙するが、前記必須成分に加え、下記成分の一種又は二種以上とを配合して本発明の組成物を調製できる。配合できる成分は下記成分に限定されず、下記以外の任意の成分も配合可能である。
【0053】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0054】
紫外線の防御効果がない粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、チタン酸鉄等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等が挙げられる。
ただし、高屈折率(屈折率2以上など)の無機粉体を配合する場合には、組成物中5質量%以下、好ましくは1質量%以下とすることが好ましい。
【0055】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0056】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0057】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0058】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、デカン、ドデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、ジネオペンタン酸トリプロピレングリコール、イソノナン酸イソノニル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、エチルヘキサン酸セチル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリエチルヘキサノイン(トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン)、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
シリコーン油としてはポリジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどの鎖状シリコーン油、およびオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シリコーン油等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0059】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0060】
また本発明にかかる粉末分散組成物には、各種の界面活性剤を配合してもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE-アルキルエーテルカルボン酸;POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0061】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE-アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0062】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0063】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0064】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0065】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、ローカストビーンガム、グアガム、タマリンドガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0066】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0067】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0068】
前記水溶性高分子以外の増粘剤としては、例えば、デキストリン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0069】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン等が挙げられる。
【0070】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0071】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、エリトリトール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0072】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース等);五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等);六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等);アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
【0073】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0074】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0075】
アルキレンオキシド誘導体としては、例えば、POE(9)POP(2)ジメチルエーテル、POE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(15)POP(5)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジメチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル等が挙げられる。
【0076】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0077】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0078】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);血行促進剤(ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸β-ブトキシエステル、ミノキシジル又はその類縁体、ビタミンE類、γ-オリザノール、アルコキシカルボニルピリジンN-オキシド、塩化カルプロニウム、及びアセチルコリン又はその誘導体等);各種抽出物(例えば、ショウガ、ウバク、オウレン、シコン、バーチ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、ボタン、海藻等)、賦活剤(例えば、パンテニールエチルエーテル、ニコチン酸アミド、ビオチン、パントテン酸、ローヤルゼリー、コレステロール誘導体等);抗脂漏剤(例えば、ピリドキシン類、チアントール等)等が挙げられる。
【0079】
本発明の粉末分散組成物の使用用途は特に限定されるものではない。例えば、ローション、乳液、クリーム、ファンデーション、口紅、クレンジングフォーム、シャンプー、ヘアリンス、リップクリーム、ヘアスプレー、ヘアフォーム、日焼け止めクリーム、日焼け用クリーム、アイライナー、マスカラ、ネールクリーム、ボディーメーキャップ化粧料など、種々の製品に応用することが可能である。
【0080】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、試験方法について説明する。
【0081】
(分散状態)
作製したサンプルの分散状態を顕微鏡により確認をおこなった。100倍で見たときの視野中に凝集物が1つもない状態をA、10個以下をB、50個以下をC、それ以上をDとし、AとBを分散状態が良いと判断した。
【0082】
(SPF)
Sun Protection Factor(SPF)は、SPF測定装置「SPF MASTER」(登録商標)(資生堂)を用いて測定した。
【0083】
(粉末分散組成物の粉末の多分散指数(PDI値))
多分散指数は、動的光散乱法(DLS)により粒子サイズ測定により測定した。
【0084】
(粉末分散組成物中の粉末の平均粒径)
粉末分散組成物中の粉末の粒径は、動的光散乱法により測定した。
【0085】
(粉末分散組成物に用いた粉末の平均一次粒径)
粉末分散組成物に用いた粉末の平均一次粒径は、窒素吸着法で測定した。
【0086】
(粉末分散組成物の吸光度)
粉末分散組成物の吸光度は、粉末分散組成物を分散媒で希釈して、10mm四方の液体セルに入れて測定した。
【0087】
(粉末分散組成物の粘度)
粉末分散組成物の粘度は、コーンプレート型粘度計により測定した。
【0088】
まず、粉末分散組成物を得るための分散方法として、キャビテーションを用いた分散方法と、従来技術であるホモミキサーを用いた分散方法について検討した。
【0089】
次に、本発明者らは、まず、試験例1及び2の組成で粉末分散組成物の分散媒に粉末を分散する分散剤と、上記2つの製造方法について検討した。
【0090】
【0091】
1)ステアリン酸/酸化アルミニウム処理微粒子酸化チタン
【0092】
図1の試験例1に示す通り、分散剤として、従来の分散剤では、ホモミキサーを用いて得た粉末分散組成物に比べて、本発明におけるキャビテーションを用いて得た粉末分散組成物は、経時で増粘してしまうということが分かった。一方、
図1の試験例2に示すように、分散剤として、両末端シリコーン変性グリセリンを用いると、本発明におけるキャビテーションを用いて得た粉末分散組成物は、経時での粘度安定性に優れることが分かった。
【0093】
次に、本発明者らは、従来のホモミキサーを用いて得た粉末分散組成物と、本発明におけるキャビテーションを用いて得た粉末分散組成物について検討した。
【0094】
【0095】
*窒素吸着法
**動的散乱法
1)含水シリカ/ジメチコン処理微粒子酸化亜鉛
2)ステアリン酸/酸化アルミニウム処理微粒子酸化チタン
【0096】
前記表2に示されるように、ホモミキサーを用いて得た粉末分散組成物と、本発明におけるキャビテーションを用いて得た粉末分散組成物では、分散組成物中で粉末の平均粒径が、分散前の粉末の一次粒子径に比べて、前記分散組成物中の粉末の平均粒径が粉末の一次粒子径の10倍以下となることが分かった。
また、ホモミキサーに比べて、キャビテーションにより得た粉末分散組成物の多分散指数が、0.4以下であるため、理想的な単一サイズであると考えられ、狭い粒子サイズ分布を有すると分かった。
さらに、キャビテーションにより得た粉末分散組成物に用いる粉末は、酸化チタン以外のその他の粉末でも微粒子化することができ、経時で粘度が安定することが分かった。
【0097】
次に、本発明者らは、従来のホモミキサーを用いて得た粉末分散組成物と、本発明におけるキャビテーションを用いて得た粉末分散組成物をOW化粧料に用いた場合に、粉末の配合量を減らしても、高い紫外線防御効果を維持できるかどうか検討した。
【0098】
【表3】
比較処方例;ホモミキサーにて分散。
処方例1及び2:キャビテーション分散
【0099】
さらに、本発明者らは、従来のホモミキサーを用いて得た粉末分散組成物と、本発明におけるキャビテーションを用いて得た粉末分散組成物をOW化粧料に用いた場合に、粉末の配合量を減らしても、高い紫外線防御効果を維持できるかどうか検討した。
【0100】
【0101】
これらの検討結果により、粉末の配合量を半分にしても、キャビテーションを用いて得た粉末分散組成物を用いたOW化粧料は、高い紫外線防御効果を維持できることが分かった。また、使用感においても、キャビテーションを用いて得た粉末分散組成物を用いたOW化粧料は、使用感にも優れていることが分かった。
【0102】
次に、本発明者らは、従来のホモミキサーを用いて得た粉末分散組成物と、本発明におけるキャビテーションを用いて得た粉末分散組成物をWO化粧料に用いた場合に、粉末の配合量を減らしても、高い紫外線防御効果を維持できるかどうか検討した。
【0103】
【0104】
比較処方例2;ホモミキサーにて分散。
処方例3及び4;キャビテーション分散
【0105】
【0106】
これらの検討結果により、粉末の配合量を3分の1にしても、キャビテーションを用いて得た粉末分散組成物を用いたWO化粧料は、高い紫外線防御効果を維持できることが分かった。また、使用感においても、キャビテーションを用いて得た粉末分散組成物を用いたWO化粧料は、使用感にも優れていることが分かった。
【0107】
さらに、本発明者らは、表1の試験例2の組成に本発明のキャビテーションを用いて得た粉末分散組成物に低級アルコール(エタノール)を加えて組成物の吸光度を測定した。
【0108】
結果は
図2に示した通り、2重量%のエタノールを加えてもエタノールを入れない時と比較して吸光度に変化はなく、エタノールを加えても紫外線を防ぐ効果は阻害されないことが分かった。
【0109】
さらに、エタノールを加えた粉末分散組成物の粘度も測定した。
【0110】
図3に示すように、エタノールを1.5%添加した粉末分散組成物は急激な粘度の上昇が見られた。従って、元のサスペンションの粘度をある程度維持しつつ、経時安定性を向上させるためには、低級アルコールの添加量は1.2重量%以下が望ましい。
【0111】
次に、上記のエタノールを加えた粉末分散組成物の外観安定性の評価を行った。
試料調製直後、1週間後、2週間後、1ヶ月後の外観を目視によって観察し、下記基準に従って評価した。
A:均一に分散している
B:やや沈降、凝集が認められる
C:ケーキング又は強い凝集が残存している
D:ケーキング又は強い凝集が認められる
なお、凝集が認められたものについては手で数回振盪後、外観の観察を行った。
【0112】
【0113】
表7に示されるように、エタノールを0.5%または1.2%添加した粉末分散組成物は調製1か月後の懸濁液の外観も安定していた。このことから、エタノールを添加した方が粉末分散組成物の安定性が保てることが分かった。しかし、エタノールを1.5%添加すると2週間後に凝集が見られたので添加量は1.2%以下が好ましい。
【0114】
これらの検討結果より、本発明のキャビテーションを用いて得た粉末分散組成物に低級アルコールを加えると長期安定性が向上することが分かった。低級アルコールの添加量としては1.2%以下が好ましい。