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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13357 20060101AFI20240205BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20240205BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240205BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02F1/1333
F21S2/00 431
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020555915
(86)(22)【出願日】2019-04-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2019059234
(87)【国際公開番号】W WO2019197525
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】102018108853.1
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508066083
【氏名又は名称】ベーア-ヘラー サーモコントロール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】フスト,ヴィンフリート
(72)【発明者】
【氏名】シエッキネン,ツォーマス
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァープ,トビアス
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,リュディガー
(72)【発明者】
【氏名】サンヒェツ カスティロ,アルバート
【審査官】植田 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0229422(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0338048(US,A1)
【文献】特開2010-015969(JP,A)
【文献】特開2013-178055(JP,A)
【文献】特開2009-265512(JP,A)
【文献】特開2004-348210(JP,A)
【文献】特表2016-510481(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0283763(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02F 1/1333
G02F 1/1335
F21S 2/00
F21V 8/00
G09F 9/00
G09F 9/30-9/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ(412)と、
前記ディスプレイ(412)を背後から照らすためのバックライトユニット(418)と、
前記ディスプレイ(412)の前の領域にある人の手等の対象物を感知するための近接センサシステムとを有し、
前記バックライトユニット(418)が、バックライト光(430)用の複数の光源と、前記ディスプレイ(412)に対向する光射出面(428)、その反対側の背面(426)及び前記光射出面(428)と前記背面(426)との間に配置された周縁側端面(432)を有する導光板(422)とを有し、
前記導光板(422)の前記側端面(432)の少なくとも部分領域を介して前記導光板(422)に光を供給するために、前記光源(420)同士が前記導光板(422)の光射出面(428)の面方向に沿って間隔をあけて前記導光板(422)の隣に配置されており、前記導光板(422)の光射出面(428)の面方向に平行に前記導光板(422)に供給されたバックライト光(430)が、前記導光板(422)の前記光射出面(428)から射出され、
前記近接センサシステムが、不可視センサ光線を発するための少なくとも1つの近接センサシステム送信素子(436)と、前記ディスプレイ(412)の前の領域において対象物により反射されたセンサ光線を受け取るための少なくとも1つの近接センサシステム受信素子(438)とを有し、
前記少なくとも1つの近接センサシステム送信素子(436)が、前記導光板(422)の前記背面(426)に対向して配置されており、前記背面(426)を介してセンサ光線を前記導光板(422)に供給し、
前記導光板(422)の前記背面(426)上の前記バックライト光(430)を反射し前記センサ光線を透過する反射体(424)、又は前記導光板(422)の前記背面上の前記バックライト光(430)を反射し前記センサ光線を透過するコーティングをさらに有し、
前記少なくとも1つの近接センサシステム受信素子(438)が、前記ディスプレイ(412)と前記導光板(422)との間及び/又は前記導光板(422)の後ろに配置されている表示装置。
【請求項2】
前記導光板(522)が、周縁上部側端面を有する上部導光材料層と、周縁下部側端面を有する下部導光材料層とを備え、前記光源(520)が、前記上部側端面の少なくとも部分領域にバックライト光(530)を供給し、前記少なくとも1つの近接センサシステム送信素子(536)が、前記上部導光材料層とは逆側を向く前記下部導光材料層の背面の少なくとも部分領域にセンサ光線を供給し、前記2つの導光材料層の間に、前記バックライト光(530)を反射し前記センサ光線を透過する反射体が配置されている、又は、前記2つの導光材料層の互いに対向する面の一方に、前記バックライト光(530)を反射し前記センサ光線を透過するコーティングが配置されていることを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記導光板(422;522)が、少なくとも前記バックライト光(430;530)を光学的に拡散するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記バックライト光(430;530)をより均質化するための、前記導光板(422;522)の前記光射出面と前記ディスプレイ(412;512)との間の光拡散体を特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記ディスプレイが、タッチセンサシステムを備えることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に車載用の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に車両の内部において、操作命令入力の付加機能を有するディスプレイ等の表示装置の人気が高まっている。このような表示/操作システムには、例えば、操作命令入力用の表示装置を起動するため、又は人の手や指等の対象物の接近に応じて様々なユーザー・インターフェースを変更するため、対象物の接近を検知する機能が付加されることが増えている。ここで、このような近接センサシステムは、不可視波長領域の光学的放射、特に赤外光で動作する。表示装置自体は、ディスプレイを可視光で背後から照らすためのバックライトユニットを備える。
【0003】
このような表示装置の奥行寸法を減らすため、ディスプレイの後ろに設けられている導光板に、バックライト光を横方向に供給することが知られている。光学式近接センサシステム用の送受信素子が、多くの場合、ディスプレイに隣接する、もしくは所謂ディスプレイのアクティブ領域に隣接するエッジ領域に設けられている。しかし、この領域は常に利用できるわけではないため、表示装置の設計における設計自由度が制約される。
【0004】
背景技術において、LEDバックライトを有するディスプレイ及び近接センサシステムを備える電気表示装置が、例えば、米国特許出願公開第2018/0069609号明細書から公知である。米国特許出願公開第2015/0084928号明細書には、エッジライト概念を利用するバックライトユニットが開示されている。米国特許出願公開第2015/0084928号明細書には、ディスプレイ及び近接センサシステムを搭載した電気表示装置が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2018/0069609号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0084928号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、省スペースで配置されている光学式近接センサシステムを備える特に車両用の表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様により提案されるのは、
ディスプレイと、
ディスプレイを背後から照らすためのバックライトユニットと、
ディスプレイの前の領域にある人の手等の対象物を感知するための近接センサシステムとを有し、
バックライトユニットが、バックライト光用の複数の光源と、ディスプレイに対向する光射出面、その反対側の背面及び光射出面と背面との間に配置された周縁側端面を有する導光板とを有し、
導光板の側端面の少なくとも部分領域を介して導光板に光を供給するために、光源同士が横方向に間隔をあけて導光板の隣に配置されており、横方向に導光板に供給されたバックライト光が、導光板の光射出面から射出され、
近接センサシステムが、不可視センサ光線、特に赤外センサ光線を発するための少なくとも1つの近接センサシステム送信素子と、ディスプレイの前の領域において対象物により反射されたセンサ光線を受け取るための少なくとも1つの近接センサシステム受信素子とを有し、
少なくとも1つの近接センサシステム送信素子が、導光板の側端面の領域に対して、横方向に間隔をあけて配置されており、当該領域におけるセンサ光線が、導光板の側端面に供給され、導光板の光射出面から射出され、
少なくとも1つの近接センサシステム受信素子が、ディスプレイ内及び/又はディスプレイと導光板との間及び/又は導光板の後ろに配置されている特に車両用の表示装置である。
【0008】
本発明に係る表示装置は、ディスプレイと、ディスプレイを背後から照らすためディスプレイの後ろに配置されたバックライトユニットとを備える。このバックライトユニットは、導光板に横方向にバックライト光が供給される所謂エッジライト概念に従って動作する。導光板は、ディスプレイの後ろに設けられており、光射出面、この光射出面の反対側の背面及び周縁側端面を有する。バックライトユニットの光源は、バックライト光が側端面を介して導光板に供給されるように、側端面に対向して設けられており、対応する手法により、バックライト光が光射出面に対し内部反射され、光射出面からディスプレイを通って射出される。
【0009】
ここで、本発明によれば、第1の態様において、少なくとも1つの近接センサシステム送信素子のセンサ光線も、導光板の側端面の部分領域に供給される。導光板において、このセンサ光線は、バックライト光と同様に、光射出面に向かって偏向されてから、ディスプレイを貫通し、ディスプレイの前方の空間もしくは領域に到達して、この領域にある対象物(手、指)で反射された後、1つ又は複数の近接センサシステム受信素子により受け取られる。受信信号は、一般に複数の近接センサシステム送信素子もしくは少なくとも1つの近接センサシステム送信素子の制御も行う評価ユニットにおいて処理される。例えば、複数の近接センサシステム送信素子は、ディスプレイの前のどの領域に対象物があるかを検出できるように、ディスプレイ中に分布して配置された近接センサシステム受信素子を介して受信信号を受信するため、順次もしくは周期的に制御することができる。したがって、近接センサシステムの送受信素子の密度により決定される特定の解像度で、対象物を検知することができる。
【0010】
一般的に、導光板の背面に、バックライト光及びセンサ光線を反射する反射体が配置されている、又は、導光板の背面が、バックライト光又はセンサ光線を反射する反射コーティングを有すると好適である。
【0011】
通例、特にディスプレイをバックライト光で集中的に照らすことが望まれる。これは、導光板の側端面に沿って、バックライト光源が密集して配置されていることを意味する。つまり、このため、これらのバックライト光源の間にスペースがない場合、近接センサシステム送信素子をバックライト光源の下方又は上方に配置することは有効である。これは、2列の線源、すなわち、バックライト光源の列と近接センサシステム送信素子の列とを積層できるように、導光板がより厚く構成されていなければならないことを意味する。しかし、この場合、先に挙げた本発明の第1の態様に係る概念の第1のアプローチと比べて、導光板をより厚くする必要があることに起因して、導光板を射出成型により作製することは問題を生じる恐れがある。
【0012】
ここで、導光板が、周縁上部側端面を有する上部導光材料層と、周縁下部側端面を有する下部導光材料層とを備え、光源が、上部側端面の少なくとも部分領域にバックライト光を供給し、少なくとも1つの近接センサシステム送信素子が、下部側端面の少なくとも部分領域にセンサ光線を供給すると好適である。つまり、本アプローチにおいて、導光板が、一体又は別体の2つの導光材料層を有する。つまり、別言すると、2つの導光板素子が用いられる。ここで、各導光板素子は、異なる光線を偏向する役割を有する。ディスプレイに対向する導光板の光射出面からバックライト光を射出させるため、上部導光板素子がバックライト光を偏向する。下部導光板素子は、センサ光線を受け取り、ディスプレイの方向に偏向する。よって、センサ光線は上部導光材料層も通過した後、そこから射出される。ここで、2つの導光板素子を使用することの利点は、材料に関しても、横方向に光線を均質に射出するのに必要な光線及び内部構成に関しても、導光材料層に供給され偏向される光線用の各導光材料層を最適化できることである。
【0013】
上述の概念は、光源が、下部側端面の少なくとも部分領域にバックライト光を供給し、少なくとも1つの近接センサシステム送信素子が、上部側端面の少なくとも部分領域にセンサ光線を供給するように、逆にして用いることもできる。
【0014】
上記のいずれの場合においても、2つの導光材料層が、別々に作製され、平板素子として互いに隣接して配置することができる。
【0015】
本発明の別の有用な形態において、上部導光材料層とは逆側を向く下部導光材料層の背面上のバックライト光及びセンサ光線を反射する反射体、及び/又は上部導光材料層とは逆側を向く下部導光材料層の背面上のバックライト光及びセンサ光線を反射する反射コーティングを、表示装置が備えていてもよい。
【0016】
本発明の上述の態様において、2つの光線(センサ光線及びバックライト光)に共通の反射体が、下部導光材料層(すなわち、下部導光板素子)の背面に設けられている。しかし、2つの導光板素子の間の領域、すなわち上部導光材料層と下部導光材料層との間の領域に、反射層が追加で配置されていてもよい。しかし、この反射層は、選択的に反射性であり、上部導光板素子に供給された光線を反射し、下部導光板素子から射出される光線は透過する。つまり、2つの平板素子の間の反射体は、半透過性である。波長によって反射性又は透過性となるこのような光学フィルタは、一般的に知られている。
【0017】
ここで、上記概念は、例えば、上部導光材料層とは逆側を向く下部導光材料層の背面上のセンサ光線を反射する反射体、又は上部導光材料層とは逆側を向く下部導光材料層の背面上のセンサ光線を反射する反射コーティングを表示装置が備え、2つの導光材料層の間に、バックライト光を反射しセンサ光線を透過する反射体が配置されている、又は、2つの導光材料層の互いに対向する面の一方に、バックライト光を反射しセンサ光線を透過するコーティングが配置されていることにより実現できる。
【0018】
上記に代わって、上部導光材料層とは逆側を向く下部導光材料層の背面上のバックライト光を反射する反射体、又は上部導光材料層とは逆側を向く下部導光材料層の背面上のバックライト光を反射する反射コーティングを表示装置が備え、2つの導光材料層の間に、センサ光線を反射しバックライト光を透過する反射体が配置されている、又は、2つの導光材料層の互いに対向する面の一方に、センサ光線を反射しバックライト光を透過するコーティングが配置されていてもよい。
【0019】
上記において、反射体とは、例えば、対応するコーティングを有する基板を有し、導光板もしくは導光板素子に追加して設けられた素子を指し、導光板もしくは複数の導光板素子の1つの対応する面上に塗布されているコーティングも指す。
【0020】
また、上記課題を解決するため、本発明の別の態様により提案されるのは、
ディスプレイと、
ディスプレイを背後から照らすためのバックライトユニットと、
ディスプレイの前の領域にある人の手等の対象物を感知するための近接センサシステムとを有し、
バックライトユニットが、バックライト光用の複数の光源と、ディスプレイに対向する光射出面、その反対側の背面及び光射出面と背面との間に配置された周縁側端面を有する導光板とを有し、
導光板の側端面の少なくとも部分領域を介して導光板に光を供給するために、光源同士が横方向に間隔をあけて導光板の隣に配置されており、横方向に導光板に供給されたバックライト光が、導光板の光射出面から射出され、
近接センサシステムが、不可視センサ光線、特に赤外センサ光線を発するための少なくとも1つの近接センサシステム送信素子と、ディスプレイの前の領域において対象物により反射されたセンサ光線を受け取るための少なくとも1つの近接センサシステム受信素子とを有し、
少なくとも1つの近接センサシステム送信素子が、導光板の背面に対向して配置されており、当該背面を介してセンサ光線を導光板に供給し、
導光板の背面上のバックライト光を反射しセンサ光線を透過する反射体、又は導光板の背面上のバックライト光を反射しセンサ光線を透過するコーティングをさらに有し、
少なくとも1つの近接センサシステム受信素子が、ディスプレイ内及び/又はディスプレイと導光板との間及び/又は導光板の後ろに配置されている特に車両用の表示装置である。
【0021】
本発明の本態様において、近接センサシステム送信素子は、導光板の後ろに設けられているため、その背面に対向しており、背面を介してセンサ光線を導光板に供給する。
【0022】
本態様においても、適宜、導光板が、周縁上部側端面を有する上部導光材料層と、周縁下部側端面を有する下部導光材料層とを備え、光源が、例えば、上部側端面の少なくとも部分領域にバックライト光を供給し、少なくとも1つの近接センサシステム送信素子が、上部導光材料層とは逆側を向く下部導光材料層の背面の少なくとも部分領域にセンサ光線を供給し、2つの導光材料層の間に、バックライト光を反射しセンサ光線を透過する反射体が配置されている、又は、2つの導光材料層の互いに対向する面の一方に、バックライト光を反射しセンサ光線を透過するコーティングが配置されていてもよい。
【0023】
既に上で説明したように、導光板は、供給された光線をできるだけ均質に光射出面から射出させるため、当該光線を反射しかつ散乱させる特性を有する。ここで反射と散乱に必要な方法は、一般的に知られており、導光板の2つの主表面のうち少なくとも一方に形成された表面構造及び/又は光散乱粒子又は導光板内の構造を備える。
【0024】
また、導光板の光射出面とディスプレイとの間に、バックライト光及び場合によってはセンサ光線をより均質化するため、さらに光拡散体が配置されていてもよい。
【0025】
以下、複数の実施の形態を用い、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1の実施の形態に係る表示装置の構成について、本発明の主要な特徴を模式的に示す図。
図2】第2の実施の形態に係る表示装置の構成について、本発明の主要な特徴を模式的に示す図。
図3】第3の実施の形態に係る表示装置の構成について、本発明の主要な特徴を模式的に示す図。
図4】第4の実施の形態に係る表示装置の構成について、本発明の主要な特徴を模式的に示す図。
図5】第5の実施の形態に係る表示装置の構成について、本発明の主要な特徴を模式的に示す図。
図6】第6の実施の形態に係る表示装置の構成について、本発明の主要な特徴を模式的に示す図。
図7】第7の実施の形態に係る表示装置の構成について、本発明の主要な特徴を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に、表示装置10の第1の実施の形態を、本発明の主要な構成要素について模式的に示す。表示装置10は、例えば、LCD技術により構成されているディスプレイ12を有する。文字又は図形等を視覚的に表現するための他の構成とすることも可能である。
【0028】
ディスプレイ12は、表示面14と、それと逆側を向く背面16とを有する。ディスプレイ12の下方に、バックライトユニット18が設けられている。バックライトユニット18は、例えば、支持片21(リジッド又はフレキシブル回路基板等)上に配置されているLEDの形で、エッジライト概念として構成された光源20と、導光板22と、導光板22の下方にある反射体24とを有する。反射体24の代わりに、ディスプレイ12とは逆側を向く導光板22の背面26が、反射コーティングを備えていてもよい。
【0029】
ディスプレイ12に対向する導光板22の光射出面28から、光源20から導光板22の側端面32に供給されるバックライト光(矢印30により示す)が射出される。
【0030】
表示装置10はさらに、1つ又は複数の近接センサシステム送信素子36並びに1つ又は複数の近接センサシステム受信素子38を有する光学式近接センサシステム34を備える。この近接センサシステム受信素子は、ディスプレイ12に組み込まれているか、ディスプレイ12の後ろに配置されている。近接センサシステム送信素子36は、不可視波長領域のセンサ光線(例えば、赤外線の形で)を発する。センサ光線は、バックライト光と同様に、側端面32を介して導光板22に供給され、そこでバックライト光30と同様に、反射及び偏向されて光射出面28から射出され、センサ光(矢印40参照)として、ディスプレイ12の光射出面28の前の領域もしくは空間に到達する。センサ光線40が反射され、1つ又は複数の近接センサシステム受信素子38により受け取られることで、この領域もしくは空間に置かれた人の手や手指等の対象物が検知される。近接センサシステム受信素子38から送られた信号は、近接センサシステム送信素子36の制御も行う評価ユニット42において評価される。近接センサシステム送信素子36を適宜、順次評価し、順次発せられたセンサ光線を受け取る近接センサシステム受信素子38の場所、すなわち位置を知ることによって、ディスプレイ12の上方もしくはディスプレイ12の前の対象物の場所を特定もしくはおおよその位置を検出できる。これにより、例えば、ジェスチャ認識が実現できる。
【0031】
つまり、表示装置の第1の実施の形態では、光源20及び好ましくはLEDとして構成された近接センサシステム送信素子36が、導光板22の側方、好ましくは導光板22の複数の側縁に沿って設けられている。よって、近接センサシステム送信素子もしくは光源を、導光板22の下方に配置する必要がないため、表示装置10の奥行寸法が小さくなる。
【0032】
図2に、表示装置110の第2の実施の形態を示す。図2に示す構成要素が、図1の表示装置10の構成要素に、構造的もしくは機能的に対応する場合は、100を足した符号によりそれらを示す。
【0033】
表示装置10と異なり、図2の表示装置110において、光源120及び近接センサシステム送信素子136が、2列に積層されて、支持片21上に配置されている。2つの光線を発する素子、すなわち光源120及び近接センサシステム送信素子136が、側端面132の1つもしくは複数を介して、横方向に光線を導光板122に供給するように、導光板122がその高さに応じて拡大されている。表示装置110の他の構成は、表示装置10と概ね同じである。
【0034】
図3に、表示装置210の第3の実施の形態の基本構成を模式的に示す。図3において、図1の表示装置の構成要素と、機能的に同様もしくは同一の構成要素には、200を足した符号を付している。
【0035】
図2の表示装置110の実施の形態と同様に、図3の表示装置210においても、光線を発する素子、すなわち光源220及び近接センサシステム送信素子236が、2列に積層されて、支持片221上に配置されている。表示装置10及び110と異なり、導光板222が、積層された2つの導光板素子222a及び222bとして構成されている。これらの導光板素子222a及び222bはそれぞれ、光源220又は近接センサシステム送信素子236から光線を受け取る。図3の上部導光板素子222aの側端面232aに、光源220の光線、すなわちバックライト光が到達し、下部導光板素子222bの側端面232bに、近接センサシステム送信素子236の赤外センサ光線が到達する。2つの部分からなる導光板222の下方に、反射体224が設けられている。もしくは、下部導光板素子222bの下面が、反射性を有するコーティングを備える。導光板222を2つの導光板素子222a及び222bに分割することで、導光材料の選択及びその構成により、光学特性をそれぞれの光線(バックライト光及びセンサ光線)に合わせて調整し、最適化させることが可能となる。
【0036】
図4に、表示装置310の実施の形態を示す。図4においても、表示装置210の構成要素と同様もしくは同一の構成要素には、100を足した符号を付している。
【0037】
表示装置310と図3の表示装置との相違点は、2つの導光板素子322a及び322bの間に配置されている半透過性の反射体344もしくは半透過性のコーティングが、追加で配置されていることである。上部導光板素子322aの下面又は下部導光板素子322bの上面に配置されている半透明の反射体344もしくは半透明のコーティングは、上部導光板素子322aに供給されたバックライト光のみを反射し、下部導光板素子322bから射出されるセンサ光線を透過する。
【0038】
図5及び図6に、それぞれ表示装置410及び510の2つの実施の形態を示す。図1から図4の実施の形態と異なり、近接センサシステム送信素子が、導光板の下方に配置されている。図5においても、表示装置410の構成要素で、図1の表示装置10の構成要素と機能的もしくは構造的に同様のものについては、400を足した符号により示す。
【0039】
導光板422の下面に、半透過性の反射体444もしくは半透過性の反射コーティングが設けられており、光源420のバックライト光(矢印430参照)を導光板422の光射出面の方向に反射する一方、下から入射するセンサ光線(矢印440参照)を透過する。
【0040】
図6の表示装置510は、図5の表示装置410に加え、半透過性の反射体544の下方に、バックライト光の分散に関与する導光板素子522aとともに導光板522を構成する導光板素子522bをさらに有する。
【0041】
なお、ここで、光源及び近接センサシステム送信素子の配置を、図5及び図6の状態に対して入れ替えてもよい。つまり、バックライト光源が、導光板もしくは2つの導光板素子の並びの下方に配置され、近接センサシステム送信素子が、導光板の側方もしくは導光板素子の一方の側方に設けられていてもよい。
【0042】
既に上で述べたように、ここで説明した表示装置10、110、210、310、410及び510の実施の形態のすべてについて、導光板もしくは導光板素子は、これらから射出される光線を均質化する役割を担う。これは、導光板内での内部反射による散乱及び/又は反射のための背景技術において一般的に知られた手法により行われる。射出される光線をさらに均質化するため、例えば、図7に表示装置610を用いて示すように、導光板とディスプレイとの間に拡散体が配置されていてもよい(拡散体646参照)。
【0043】
また、各ディスプレイもしくは表示装置の各実施の形態において、さらにタッチセンサシステムが適宜組み込まれているが、見やすさのため図示しない。
【符号の説明】
【0044】
10 表示装置
12 ディスプレイ
14 ディスプレイの表示面
16 ディスプレイの背面
18 バックライトユニット
20 光源
21 支持片
22 導光板
24 反射体
26 導光板の背面
28 導光板の光射出面
30 バックライト光
32 導光板の側端面
34 近接センサシステム
36 近接センサシステム送信素子
38 近接センサシステム受信素子
40 センサ光線
42 評価ユニット
110 表示装置
112 ディスプレイ
114 ディスプレイの表示面
116 ディスプレイの背面
118 バックライトユニット
120 光源
121 支持片
122 導光板
124 反射体
126 導光板の背面
128 導光板の光射出面
130 バックライト光
132 導光板の側端面
134 近接センサシステム
136 近接センサシステム送信素子
138 近接センサシステム受信素子
140 センサ光線
142 評価ユニット
210 表示装置
212 ディスプレイ
214 ディスプレイの表示面
216 ディスプレイの背面
218 バックライトユニット
220 光源
221 支持片
222a 上部導光板素子
222b 下部導光板素子
224 反射体
226 導光板の背面
228 導光板の光射出面
230 バックライト光
232a 上部導光板素子の側端面
232b 下部導光板素子の側端面
234 近接センサシステム
236 近接センサシステム送信素子
238 近接センサシステム受信素子
240 センサ光線
242 評価ユニット
310 表示装置
312 ディスプレイ
314 ディスプレイの表示面
316 ディスプレイの背面
318 バックライトユニット
320 光源
321 支持片
322a 上部導光板素子
322b 下部導光板素子
324 反射体
326 導光板の背面
328 導光板の光射出面
330 バックライト光
332a 上部導光板素子の側端面
332b 下部導光板素子の側端面
334 近接センサシステム
336 近接センサシステム送信素子
338 近接センサシステム受信素子
340 センサ光線
342 評価ユニット
344 反射体
410 表示装置
412 ディスプレイ
414 ディスプレイの表示面
416 ディスプレイの背面
418 バックライトユニット
420 光源
421 支持片
422 導光板
424 反射体
426 導光板の背面
428 導光板の光射出面
430 バックライト光
432 導光板の側端面
434 近接センサシステム
436 近接センサシステム送信素子
438 近接センサシステム受信素子
440 センサ光線
442 評価ユニット
444 反射体
510 表示装置
512 ディスプレイ
514 ディスプレイの表示面
516 ディスプレイの背面
518 バックライトユニット
520 光源
521 支持片
522a 上部導光板
522b 下部導光板
524 反射体
526 導光板の背面
528 導光板の光射出面
530 バックライト光
532 導光板の側端面
534 近接センサシステム
536 近接センサシステム送信素子
538 近接センサシステム受信素子
540 センサ光線
542 評価ユニット
544 反射体
610 表示装置
612 ディスプレイ
614 ディスプレイの表示面
616 ディスプレイの背面
618 バックライトユニット
620 光源
621 支持片
622a 上部導光板
622b 下部導光板
624 反射体
626 導光板の背面
628 導光板の光射出面
630 バックライト光
632a 上部導光板素子の側端面
632b 下部導光板素子の側端面
634 近接センサシステム
636 近接センサシステム送信素子
638 近接センサシステム受信素子
640 センサ光線
642 評価ユニット
644 反射体
646 拡散体

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7