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特許7430707モジュール式エネルギーシステムのための統合されたユーザインターフェース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】モジュール式エネルギーシステムのための統合されたユーザインターフェース
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/35 20160101AFI20240205BHJP
   A61B 17/00 20060101ALN20240205BHJP
   A61B 17/32 20060101ALN20240205BHJP
   A61B 18/12 20060101ALN20240205BHJP
【FI】
A61B34/35
A61B17/00 700
A61B17/32
A61B18/12
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021512723
(86)(22)【出願日】2019-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2019049933
(87)【国際公開番号】W WO2020051440
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】62/826,584
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/826,587
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/562,157
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/826,588
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/728,480
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ペトル・モリー・エムエフ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー・マシュー・シー
(72)【発明者】
【氏名】オーベルキルヒャー・ブレンダン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】キンボール・コリー・ジー
(72)【発明者】
【氏名】アッシャー・ライアン・エム
【審査官】山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0257814(US,A1)
【文献】特開2002-336194(JP,A)
【文献】特開2009-028157(JP,A)
【文献】特開2017-213414(JP,A)
【文献】特開2018-038853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/35
A61B 17/00
A61B 17/32
A61B 18/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式エネルギーシステムのためのヘッダモジュールであって、前記ヘッダモジュールは、複数のエネルギーモジュールに取り外し可能に接続するように構成されており、前記エネルギーモジュールは、1つ以上のエネルギーモダリティを、前記エネルギーモジュールに接続された外科用器具に送達するように構成されているポートを備え、前記ヘッダモジュールは、
ユーザインターフェース(UI)を表示するように構成されているディスプレイスクリーンと、
前記ディスプレイスクリーンに連結された制御回路であって、
前記複数のエネルギーモジュールのうち第1のエネルギーモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第1のエネルギーモジュールに対応する第1のUI部分を前記UI上に表示することであって、前記第1のUI部分が、前記第1のエネルギーモジュールの第1のポートに対応する第1のUI要素を含む、ことと、
前記複数のエネルギーモジュールのうち第2のエネルギーモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、表示されている前記第1のUI部分を再構成し、更に前記第2のエネルギーモジュールに対応する第2のUI部分を前記UI上に表示して、前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分の両方が前記ディスプレイスクリーン上に表示されるようにすることであって、前記第2のUI部分が、前記第2のエネルギーモジュールの第2のポートに対応する第2のUI要素を含む、ことと、
を行うように構成されている、制御回路と、を備える、ヘッダモジュール。
【請求項2】
前記第1のエネルギーモジュールが、前記第1のポートに関連付けられたライトアセンブリを更に含み、
前記制御回路が、前記第1のUI要素の色を、前記ライトアセンブリの色と一致させるように更に構成されている、請求項1に記載のヘッダモジュール。
【請求項3】
前記制御回路が、前記第1のエネルギーモジュールのモードに従って前記色を変更するように更に構成されている、請求項2に記載のヘッダモジュール。
【請求項4】
前記第1のUI要素がウィジェットを含み、前記ウィジェットが、前記ポートに接続された外科用器具の電力レベル又はモードのうちの少なくとも1つを制御するように構成されている、請求項1に記載のヘッダモジュール。
【請求項5】
前記第1のエネルギーモジュールが複数の第1のポートを含み、前記複数の第1のポートが前記第1のポートを含み、
前記第1のUI部分が複数の第1のUI要素を含み、前記複数の第1のUI要素が前記第1のUI要素を含み、
前記複数の第1のUI要素のうちの1つが前記複数の第1のポートのうちの1つに対応する、請求項1に記載のヘッダモジュール。
【請求項6】
前記複数の第1のUI要素が、前記第1のエネルギーモジュール上の前記複数の第1のポートの相対位置に従って、前記UI内に位置付けられる、請求項5に記載のヘッダモジュール。
【請求項7】
前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分が、前記モジュール式エネルギーシステム内の前記第1のエネルギーモジュール及び前記第2のエネルギーモジュールの相対位置に従って、前記UI内に位置付けられる、請求項1に記載のヘッダモジュール。
【請求項8】
モジュール式エネルギーシステムのヘッダモジュール用の制御回路であって、前記ヘッダモジュールは、ユーザインターフェース(UI)を表示し、前記制御回路に連結されるように構成されているディスプレイスクリーンを備え、前記ヘッダモジュールは、複数のエネルギーモジュールに取り外し可能に接続するように構成されており、前記エネルギーモジュールは、1つ以上のエネルギーモダリティを、前記エネルギーモジュールに接続された外科用器具に送達するように構成されているポートを備え、前記制御回路は、
前記複数のエネルギーモジュールのうち第1のエネルギーモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第1のエネルギーモジュールに対応する第1のUI部分を前記UI上に表示することであって、前記第1のUI部分が、前記第1のエネルギーモジュールの第1のポートに対応する第1のUI要素を含む、ことと、
前記複数のエネルギーモジュールのうち第2のエネルギーモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第1のUI部分を再構成し、更に前記第2のエネルギーモジュールに対応する第2のUI部分を前記UI上に表示して前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分の両方が前記ディスプレイスクリーン上に表示されるようにすることであって、前記第2のUI部分が、前記第2のエネルギーモジュールの第2のポートに対応する第2のUI要素を含む、ことと、
行うように構成されている、制御回路。
【請求項9】
前記第1のエネルギーモジュールが、前記第1のポートに関連付けられたライトアセンブリを更に含み、
前記制御回路が、前記第1のUI要素の色を、前記ライトアセンブリの色と一致させるように更に構成されている、請求項8に記載の制御回路。
【請求項10】
前記制御回路が、前記第1のエネルギーモジュールのモードに従って前記色を変更するように更に構成されている、請求項9に記載の制御回路。
【請求項11】
前記第1のUI要素がウィジェットを含み、前記ウィジェットが、前記ポートに接続された外科用器具の電力レベル又はモードのうちの少なくとも1つを制御するように構成されている、請求項8に記載の制御回路。
【請求項12】
前記第1のエネルギーモジュールが複数の第1のポートを含み、前記複数の第1のポートが前記第1のポートを含み、
前記第1のUI部分が複数の第1のUI要素を含み、前記複数の第1のUI要素が前記第1のUI要素を含み、
前記複数の第1のUI要素のうちの1つが前記複数の第1のポートのうちの1つに対応する、請求項8に記載の制御回路。
【請求項13】
前記複数の第1のUI要素が、前記第1のエネルギーモジュール上の前記複数の第1のポートの相対位置に従って、前記UI内に位置付けられる、請求項12に記載の制御回路。
【請求項14】
前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分が、前記モジュール式エネルギーシステム内の前記第1のエネルギーモジュール及び前記第2のエネルギーモジュールの相対位置に従って、前記UI内に位置付けられる、請求項8に記載の制御回路。
【請求項15】
モジュール式エネルギーシステムのためのヘッダモジュールであって、前記ヘッダモジュールは、前記モジュール式エネルギーシステムを形成するために、複数のモジュールに取り外し可能に接続するように構成されており、前記ヘッダモジュールは、
ユーザインターフェース(UI)を表示するように構成されているディスプレイスクリーンと、
前記ディスプレイスクリーンに連結された制御回路であって、
前記複数のモジュールのうち第1のモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第1のモジュールに対応する第1のUI部分を前記UI上に表示することであって、前記第1のUI部分が、前記第1のモジュールの第1の機能に対応する第1のUI要素を含む、ことと、
前記複数のモジュールのうち第2のモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、表示されている前記第1のUI部分を再構成し、更に前記第2のモジュールに対応する第2のUI部分を前記UI上に表示して前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分の両方が前記ディスプレイスクリーン上に表示されるようにすることであって、前記第2のUI部分が、前記第2のモジュールの第2の機能に対応する第2のUI要素を含む、ことと、
を行うように構成されている、制御回路と、を備える、ヘッダモジュール。
【請求項16】
前記第1のモジュールが、ライトアセンブリを更に含み、
前記制御回路が、前記第1のUI要素の色を、前記ライトアセンブリの色と一致させるように更に構成されている、請求項15に記載のヘッダモジュール。
【請求項17】
前記制御回路が、前記第1のモジュールのモードに従って前記色を変更するように更に構成されている、請求項16に記載のヘッダモジュール。
【請求項18】
前記第1のUI要素がウィジェットを含み、前記ウィジェットが、前記第1のモジュールの前記第1の機能を制御するように構成されている、請求項15に記載のヘッダモジュール。
【請求項19】
前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分が、前記モジュール式エネルギーシステム内の前記第1のモジュール及び前記第2のモジュールの相対位置に従って、前記UI内に位置付けられる、請求項15に記載のヘッダモジュール。
【請求項20】
前記第1のエネルギーモジュールは、第1の複数のポートを含み、前記第1の複数のポートは、前記第1のポートを含み、前記第2のエネルギーモジュールは、第2の複数のポートを含み、
前記第1のエネルギーモジュールは、前記第2のエネルギーモジュール上にスタック可能であり、前記第1のエネルギーモジュール、及び前記第2のエネルギーモジュールは、前記第2のエネルギーモジュール上に前記第1のエネルギーモジュールをスタックすることにより、第1の電気的インターフェースを形成するように構成され、
前記ヘッダモジュールは、前記第1のエネルギーモジュール上にスタック可能であり、前記第1のエネルギーモジュール、及び前記ヘッダモジュールは、前記第1のエネルギーモジュール上に前記ヘッダモジュールをスタックすることにより第2の電気的インターフェースを形成するように構成されている、請求項1に記載のヘッダモジュール。
【請求項21】
前記制御回路は、
前記モジュール式エネルギーシステム内の前記第1のエネルギーモジュールの位置を検出することと、
前記モジュール式エネルギーシステム内の前記第2のエネルギーモジュールの位置を検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第1のUI部分、及び前記第2のUI部分を、前記モジュール式エネルギーシステム内の前記第1のエネルギーモジュール、及び前記第2のエネルギーモジュールの前記位置に対応するように再構成することと、
前記ヘッダモジュールから信号を前記第1の電気的インターフェース、前記第2の電気的インターフェース、及び前記第1のエネルギーモジュールを介して前記第2のエネルギーモジュールに送信することと、
を更に行うように構成されている、請求項20に記載のヘッダモジュール。
【請求項22】
前記第1のUI部分を再構成することは、表示されている前記第1のUI部分のサイズを変更することを含む、請求項21に記載のヘッダモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「CONSOLIDATED USER INTERFACE FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」と題する2019年9月5日出願の米国特許非仮出願第16/562,157号の利益を主張する。
【0002】
本出願はまた、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「MODULAR SURGICAL PLATFORM ELECTRICAL ARCHITECTURE」と題する2019年3月29日出願の米国特許仮出願第62/826,584号の利益を主張する。
【0003】
本出願はまた、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「MODULAR ENERGY SYSTEM CONNECTIVITY」と題する2019年3月29日出願の米国特許仮出願第62/826,587号の利益を主張する。
【0004】
本出願はまた、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「MODULAR ENERGY SYSTEM INSTRUMENT COMMUNICATION TECHNIQUES」と題する2019年3月29日出願の米国特許仮出願第62/826,588号の利益を主張する。
【0005】
本出願はまた、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「MODULAR ENERGY SYSTEM AND USER INTERFACE」と題する2018年9月7日出願の米国特許仮出願第62/728,480号の利益を主張する。
【背景技術】
【0006】
本開示は、モジュール式電気外科及び/又は超音波外科システムを含む、様々な外科システムに関する。手術室(OR)では、各外科手術を完了するために必要とされる様々な装置の数に起因して、コード、装置、及び人が複雑に絡み合っているため、ORには合理化された資本ソリューションを必要としている。これは、世界中のあらゆる市場の全てのORの現実である。大抵の資本設備が1つの目的又は操作を実行し、各タイプの資本設備は、使用するための固有の技術又は方法を必要とし、かつ固有のユーザインターフェースを有するため、資本設備は、OR内を乱雑にする主な元凶である。したがって、OR内で設備の設置面積を減少させ、機器のインターフェースを合理化し、かつ手術スタッフが関わる必要がある装置の数を削減することによって手術中の手術スタッフの効率を高めるため、資本設備と他の外科用技術を統合させる、消費者にとって満たされていないニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般的な一態様は、モジュール式エネルギーシステムのためのヘッダモジュールである。ヘッダモジュールは、エネルギーモジュールに取り外し可能に接続するように構成することができ、エネルギーモジュールは、1つ以上のエネルギーモダリティを、それに接続された外科用器具に送達するように構成されているポートを備える。ヘッダモジュールは、ユーザインターフェース(UI)を表示するように構成されているディスプレイスクリーンと、ディスプレイスクリーンに連結された制御回路であって、第1のエネルギーモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のエネルギーモジュールに対応する第1のUI部分をUI上に表示することであって、第1のUI部分が、第1のエネルギーモジュールの第1のポートに対応する第1のUI要素を含む、ことと、第2のエネルギーモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第2のエネルギーモジュールに対応する第2のUI部分をUI上に表示することであって、第2のUI部分が、第2のエネルギーモジュールの第2のポートに対応する第2のUI要素を含む、ことと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のUI部分及び第2のUI部分の両方がディスプレイスクリーン上に表示されるように、第1のUI部分を再構成することと、を行うように構成されている制御回路と、を備えることができる。
【0008】
別の一般的な態様は、モジュール式エネルギーシステムのヘッダモジュールのための制御回路である。ヘッダモジュールは、ユーザインターフェース(UI)を表示し、制御回路に連結されるように構成されているディスプレイスクリーンを備えることができ、ヘッダモジュールは、エネルギーモジュールに取り外し可能に接続するように構成され、エネルギーモジュールは、1つ以上のエネルギーモダリティを、それに接続された外科用器具に送達するように構成されているポートを備える。制御回路は、第1のエネルギーモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のエネルギーモジュールに対応する第1のUI部分をUI上に表示することであって、第1のUI部分が、第1のエネルギーモジュールの第1のポートに対応する第1のUI要素を含む、ことと、第2のエネルギーモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第2のエネルギーモジュールに対応する第2のUI部分をUI上に表示することであって、第2のUI部分が、第2のエネルギーモジュールの第2のポートに対応する第2のUI要素を含む、ことと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のUI部分及び第2のUI部分の両方がディスプレイスクリーン上に表示されるように、第1のUI部分を再構成することと、を行うように構成され得る。
【0009】
別の一般的な態様は、モジュール式エネルギーシステムのためのヘッダモジュールである。ヘッダモジュールは、モジュール式エネルギーシステムを形成するために、複数のモジュールに取り外し可能に接続するように構成され得る。ヘッダモジュールは、ユーザインターフェース(UI)を表示するように構成されているディスプレイスクリーンと、ディスプレイスクリーンに連結された制御回路であって、第1のモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のモジュールに対応する第1のUI部分をUI上に表示することであって、第1のUI部分が、第1のモジュールの第1の機能に対応する第1のUI要素を含む、ことと、第2のモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第2のモジュールに対応する第2のUI部分をUI上に表示することであって、第2のUI部分が、第2のモジュールの第2の機能に対応する第2のUI要素を含む、ことと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のUI部分及び第2のUI部分の両方がディスプレイスクリーン上に表示されるように、第1のUI部分を再構成することと、を行うように構成されている制御回路と、を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
構成及び操作方法の両方に関して本明細書で説明する様々な態様は、それらの他の目的及び利点と共に、以下の説明を以下の添付図面と併せて参照することで最もよく理解することができる。
図1】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムのブロック図である。
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、手術室内で外科処置を実施するために使用される外科システムである。
図3】本開示の少なくとも1つの態様による、可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた外科用ハブである。
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用ハブ筐体、及び外科用ハブ筐体のドロアー内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールの部分斜視図である。
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、双極接点、超音波接点、及び単極接点、並びに排煙構成要素を備える組み合わせ発生器モジュールの斜視図である。
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジングの複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、複数のモジュールを受容するように構成された垂直モジュール式ハウジングを示す。
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ以上の手術室、又は外科手術のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドに接続するように構成されているモジュール式通信ハブを備える外科用データネットワークを示す。
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムを示す。
図10】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを備える外科用ハブを示す。
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)ネットワークハブ装置の一態様を示す。
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの制御システムの論理図を示す。
図13】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成されている制御回路を示す。
図14】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成されている組み合わせ論理回路を示す。
図15】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成されている順序論理回路を示す。
図16】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を実施するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。
図17】本開示の少なくとも1つの態様による、本明細書で記載される外科用ツールを操作するように構成されたロボット外科用器具の概略図である。
図18】本開示の少なくとも1つの態様による、変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた外科用器具のブロック図を示す。
図19】本開示の少なくとも1つの態様による、様々な機能を制御するように構成されている外科用器具の概略図である。
図20】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式通信ハブを備える外科用データネットワーク内で適応型超音波ブレード制御アルゴリズムを実行するように構成されているシステムである。
図21】本開示の少なくとも1つの態様による、発生器の例を示す。
図22】本開示の少なくとも1つの態様による、発生器及び発生器と共に使用可能な様々な外科用器具を備える外科システムである。
図23】本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科システムの図である。
図24】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムをカスタマイズするために組み合わせが可能な様々なモジュール及び他の構成要素の図である。
図25A】本開示の少なくとも1つの態様による、ヘッダモジュールと、ヘッダモジュールに接続されたモジュールに関する情報を中継するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)をレンダリングするディスプレイスクリーンとを含む、第1の例示的なモジュール式エネルギーシステム構成である。
図25B】本開示の少なくとも1つの態様による、カートに装着された図25Aに示されるモジュール式エネルギーシステムである。
図26A】本開示の少なくとも1つの態様による、共に接続されてカートに装着されているヘッダモジュールと、ディスプレイスクリーンと、エネルギーモジュールと、拡張エネルギーモジュールとを含む、第2の例示的なモジュール式エネルギーシステム構成である。
図26B】本開示の少なくとも1つの態様による、ヘッダモジュールがディスプレイスクリーンを欠いていることを除いて、図25Aに示される第2の構成と同様の第3の例示的なモジュール式エネルギーシステム構成である。
図27】本開示の少なくとも1つの態様による、共に接続されてカートに装着されているヘッダモジュールと、ディスプレイスクリーンと、エネルギーモジュールと、拡張エネルギーモジュールと、技術モジュールとを含む、第4の例示的なモジュール式エネルギーシステム構成である。
図28】本開示の少なくとも1つの態様による、共に接続されてカートに装着されているヘッダモジュールと、ディスプレイスクリーンと、エネルギーモジュールと、拡張エネルギーモジュールと、技術モジュールと、可視化モジュールとを含む、第5の例示的なモジュール式エネルギーシステム構成である。
図29】本開示の少なくとも1つの態様による、通信可能に接続可能な外科用プラットフォームを含むモジュール式エネルギーシステムの図である。
図30】本開示の少なくとも1つの態様による、ユーザインターフェースを含むモジュール式エネルギーシステムのヘッダモジュールの斜視図である。
図31】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムのスタンドアロンハブ構成のブロック図である。
図32】本開示の少なくとも1つの態様による、外科用制御システムと統合されたモジュール式エネルギーシステムのハブ構成のブロック図である。
図33】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムの通信モジュールに連結されたユーザインターフェースモジュールのブロック図である。
図34】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムのエネルギーモジュールのブロック図である。
図35A】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムのヘッダモジュールに連結されたエネルギーモジュールのブロック図を示す。
図35B】本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステムのヘッダモジュールに連結されたエネルギーモジュールのブロック図を示す。
図36A】本開示の少なくとも1つの態様による、図33に示されるヘッダモジュールなどの、ハブ用のモジュール式エネルギーシステムのヘッダ/ユーザインターフェース(UI)モジュールのブロック図を示す。
図36B】本開示の少なくとも1つの態様による、図33に示されるヘッダモジュールなどの、ハブ用のモジュール式エネルギーシステムのヘッダ/ユーザインターフェース(UI)モジュールのブロック図を示す。
図37】本開示の少なくとも1つの態様による、図31~36Bに示されるエネルギーモジュールなどの、ハブ用のエネルギーモジュールのブロック図である。
図38】本開示の少なくとも1つの態様による、統合されたユーザインターフェース(UI)を含む例示のモジュール式エネルギーシステムの正面図である。
図39】本開示の少なくとも1つの態様による、例示のモジュール式エネルギーシステム構成のグラフィカルUIの図である。
図40】本開示の少なくとも1つの態様による、接続されたモジュールのUI構成要素を表示するプロセスの論理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本出願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、本出願と同時に出願された以下の米国特許出願を所有する。
・米国特許出願整理番号END9067USNP1/180679-1M、発明の名称「METHOD FOR CONSTRUCTING AND USING A MODULAR SURGICAL ENERGY SYSTEM WITH MULTIPLE DEVICES」、
・米国特許出願整理番号END9069USNP1/180681-1M、発明の名称「METHOD FOR ENERGY DISTRIBUTION IN A SURGICAL MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9069USNP2/180681-2、発明の名称「SURGICAL MODULAR ENERGY SYSTEM WITH A SEGMENTED BACKPLANE」、
・米国特許出願整理番号END9069USNP3/180681-3、発明の名称「SURGICAL MODULAR ENERGY SYSTEM WITH FOOTER MODULE」、
・米国特許出願整理番号END9069USNP4/180681-4、発明の名称「POWER AND COMMUNICATION MITIGATION ARRANGEMENT FOR MODULAR SURGICAL ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9069USNP5/180681-5、発明の名称「MODULAR SURGICAL ENERGY SYSTEM WITH MODULE POSITIONAL AWARENESS SENSING WITH VOLTAGE DETECTION」、
・米国特許出願整理番号END9069USNP6/180681-6、発明の名称「MODULAR SURGICAL ENERGY SYSTEM WITH MODULE POSITIONAL AWARENESS SENSING WITH TIME COUNTER」、
・米国特許出願整理番号END9069USNP7/180681-7、発明の名称「MODULAR SURGICAL ENERGY SYSTEM WITH MODULE POSITIONAL AWARENESS WITH DIGITAL LOGIC」、
・米国特許出願整理番号END9068USNP1/180680-1M、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING AN ENERGY MODULE OUTPUT」、
・米国特許出願整理番号END9068USNP2/180680-2、発明の名称「ENERGY MODULE FOR DRIVING MULTIPLE ENERGY MODALITIES」、
・米国特許出願整理番号END9068USNP3/180680-3、発明の名称「GROUNDING ARRANGEMENT OF ENERGY MODULES」、
・米国特許出願整理番号END9068USNP4/180680-4、発明の名称「BACKPLANE CONNECTOR DESIGN TO CONNECT STACKED ENERGY MODULES」、
・米国特許出願整理番号END9068USNP5/180680-5、発明の名称「ENERGY MODULE FOR DRIVING MULTIPLE ENERGY MODALITIES THROUGH A PORT」、
・米国特許出願整理番号END9068USNP6/180680-6、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT UTILIZING DRIVE SIGNAL TO POWER SECONDARY FUNCTION」、
・米国特許出願整理番号END9038USNP1/180529-1M、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING A MODULAR ENERGY SYSTEM USER INTERFACE」、
・米国特許出願整理番号END9038USNP2/180529-2、発明の名称「PASSIVE HEADER MODULE FOR A MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9038USNP3/180529-3、発明の名称「CONSOLIDATED USER INTERFACE FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9038USNP4/180529-4、発明の名称「AUDIO TONE CONSTRUCTION FOR AN ENERGY MODULE OF A MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9038USNP5/180529-5、発明の名称「ADAPTABLY CONNECTABLE AND REASSIGNABLE SYSTEM ACCESSORIES FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9070USNP1/180682-1M、発明の名称「METHOD FOR COMMUNICATING BETWEEN MODULES AND DEVICES IN A MODULAR SURGICAL SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9070USNP2/180682-2、発明の名称「FLEXIBLE HAND-SWITCH CIRCUIT」、
・米国特許出願整理番号END9070USNP3/180682-3、発明の名称「FIRST AND SECOND COMMUNICATION PROTOCOL ARRANGEMENT FOR DRIVING PRIMARY AND SECONDARY DEVICES THROUGH A SINGLE PORT」、
・米国特許出願整理番号END9070USNP4/180682-4、発明の名称「FLEXIBLE NEUTRAL ELECTRODE」、
・米国特許出願整理番号END9070USNP5/180682-5、発明の名称「SMART RETURN PAD SENSING THROUGH MODULATION OF NEAR FIELD COMMUNICATION AND CONTACT QUALITY MONITORING SIGNALS」、
・米国特許出願整理番号END9070USNP6/180682-6、発明の名称「AUTOMATIC ULTRASONIC ENERGY ACTIVATION CIRCUIT DESIGN FOR MODULAR SURGICAL SYSTEMS」、
・米国特許出願整理番号END9070USNP7/180682-7、発明の名称「COORDINATED ENERGY OUTPUTS OF SEPARATE BUT CONNECTED MODULES」、
・米国特許出願整理番号END9070USNP8/180682-8、発明の名称「MANAGING SIMULTANEOUS MONOPOLAR OUTPUTS USING DUTY CYCLE AND SYNCHRONIZATION」、
・米国特許出願整理番号END9070USNP9/180682-9、発明の名称「PORT PRESENCE DETECTION SYSTEM FOR MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国特許出願整理番号END9070USNP10/180682-10、発明の名称「INSTRUMENT TRACKING ARRANGEMENT BASED ON REAL TIME CLOCK INFORMATION」、
・米国特許出願整理番号END9070USNP11/180682-11、発明の名称「REGIONAL LOCATION TRACKING OF COMPONENTS OF A MODULAR ENERGY SYSTEM」、
・米国意匠特許出願整理番号END9212USDP1/190370D、発明の名称「ENERGY MODULE」、
・米国意匠特許出願整理番号END9213USDP1/190371D、発明の名称「ENERGY MODULE MONOPOLAR PORT WITH FOURTH SOCKET AMONG THREE OTHER SOCKETS」、
・米国意匠特許出願整理番号END9214USDP1/190372D、発明の名称「BACKPLANE CONNECTOR FOR ENERGY MODULE」、及び
・米国意匠特許出願整理番号END9215USDP1/190373D、発明の名称「ALERT SCREEN FOR ENERGY MODULE」。
【0012】
外科用装置及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例示の実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに注意を喚起しておく。例示の実施例は、他の態様、変形形態、及び修正形態で実装されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示の実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち1つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0013】
様々な態様が、改善された超音波外科用装置、電気外科用装置、及びこれと共に使用するための発生器を対象とする。超音波外科用装置の態様は、例えば、外科処置中に組織を横切開及び/又は凝固するように構成され得る。電気外科用装置の態様は、例えば、外科処置中に、組織を横切開、凝固、スケーリング、溶接及び/又は乾燥させるように構成され得る。
【0014】
外科システムのハードウェア
図1を参照すると、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100は、1つ以上の外科システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、ストレージ装置105に連結されたリモートサーバ113を含むことができるクラウド104)と、を含む。各外科システム102は、リモートサーバ113を含み得るクラウド104と通信する、少なくとも1つの外科用ハブ106を含む。一実施例では、図1に示すように、外科システム102は、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成された、可視化システム108と、ロボットシステム110と、ハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含む。いくつかの態様では、外科システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個のハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含んでもよく、ここでM、N、O及びPは1以上の整数である。
【0015】
図2は、外科手術室116内の手術台114上に横たわる患者に対して外科処置を実施するために使用される外科システム102の一例を示す。ロボットシステム110は、外科処置において外科システム102の一部として使用される。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ122と、を含む。外科医が外科医のコンソール118を介して手術部位を見る間、患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開部を介して、少なくとも1つの取り外し可能に連結された外科用ツール117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像装置124によって得ることができ、医療用撮像装置124は、患者側カート120によって操作され、撮像装置124を向けさせ得る。ロボットハブ122は、手術部位の画像を処理し、その後処理した画像を外科医のコンソール118を介して外科医に対して表示させるために使用することができる。
【0016】
他のタイプのロボットシステムを、外科システム102と共に使用するために容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,339号に記載されている。
【0017】
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析法の様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国仮特許出願第62/611,340号に記載されている。
【0018】
様々な態様では、撮像装置124は、少なくとも1つの画像センサと、1つ以上の光学構成要素と、を含む。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
撮像装置124の光学構成要素は、1つ以上の照明光源及び/又は1つ以上のレンズを含んでもよい。1つ以上の照明光源は、手術野の一部を照明するように方向付けられてもよい。1つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、手術野から反射又は屈折された光を受光することができる。
【0020】
1つ以上の照明光源は、可視スペクトル及び不可視スペクトル内の電磁エネルギーを放射するように構成され得る。光学スペクトル又は発光スペクトルと呼ばれることもある可視スペクトルは、人間の目に可視の(すなわち、人間の目で検出可能な)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と呼ばれることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に反応する。
【0021】
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長の)電磁スペクトルの一部分である。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(IR)、マイクロ波及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線及びガンマ線電磁放射線になる。
【0022】
様々な態様では、撮像装置124は、低侵襲性手術で使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに好適な撮像装置の例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、膀胱鏡、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
一態様では、撮像装置は、トポグラフィーと下層構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを用いる。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトル全体から特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR及び紫外光を含む特定の波長の光を感知できる器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像法は、人間の目がその赤色、緑色及び青色の受容体で捕捉することのできない追加情報の抽出を可能にすることができる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、治療される組織上で上述の試験の1つ以上を実施するため、1つの外科的タスクが完了した後に手術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
【0024】
いかなる外科手術においても手術室及び外科用器具の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「外科施術の行われる現場(surgical theater)」、すなわち手術室(operating room)又は処置室(treatment room)に必要とされる厳格な衛生及び滅菌条件は、全ての医療装置及び機器の最大級の滅菌性を必要とする。上記の滅菌プロセスの一部としては、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるもの(撮像装置124並びにその付属品及び構成要素を含む)を滅菌する必要が挙げられる。滅菌野は、トレイ内若しくは滅菌タオル上などの微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、又は滅菌野は、外科処置のために準備された患者のすぐ周囲の領域と見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0025】
様々な態様では、可視化システム108は、図2に示されるように、滅菌野に対して戦略的に配置される1つ以上の撮像センサと、1つ以上の画像処理ユニットと、1つ以上のストレージアレイと、1つ以上のディスプレイと、を含む。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS及びEMRのインターフェースを含む。可視化システム108の様々な構成要素については、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
【0026】
図2に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114に位置するオペレータに可視であるように滅菌野内に位置決めされる。加えて、可視化タワー111が、滅菌野の外に位置決めされる。可視化タワー111は、互いに離れる方に面する第1の非滅菌ディスプレイ107及び第2の非滅菌ディスプレイ109を含む。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109及び119を使用して、滅菌野の内側及び外側のオペレータに対する情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に一次ディスプレイ119上の手術部位のライブ映像を維持させながら、撮像装置124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットは、例えば、非滅菌オペレータにより、外科処置に関連する診断工程を実施可能とすることができる。
【0027】
一態様では、ハブ106は、滅菌野内で、可視化タワー111にある非滅菌オペレータによって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌領域内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台に位置する滅菌オペレータが見ることができるようにも構成されている。一実施例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることのできる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットに対する修正の形態であってもよい。
【0028】
図2を参照すると、外科用器具112は、外科処置において外科システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されている。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号における。可視化タワー111にある非滅菌オペレータによって入力される診断入力又はフィードバックは、ハブ106によって滅菌野内の外科用器具ディスプレイ115に送られ得、ここで診断入力又はフィードバックを、外科用器具112のオペレータが見ることができる。外科システム102と共に用いるのに好適な例示的外科用器具については、例えば、「外科用器具のハードウェア(SURGICAL INSTRUMENT HARDWARE)」の項で、及びその開示全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国特許仮出願第62/611,341号で説明されている。
【0029】
ここで図3を参照すると、可視化システム108、ロボットシステム110及びハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と通信するハブ106が示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、及びストレージアレイ134を含む。特定の態様では、図3に示すように、ハブ106は、排煙モジュール126及び/又は吸引/灌注モジュール128を更に含む。
【0030】
外科処置中、封止及び/又は切断のために、組織へのエネルギー印加することには、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注と関連付けられる。異なる供給源からの流体ライン、電力ライン及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式筐体136は、電力ライン、データライン、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
【0031】
本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科処置において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブ筐体と、ハブ筐体のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ接点及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールは、更に、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延びる流体ラインと、を含む。
【0032】
一態様では、上記の流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブ筐体内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延びている。一態様では、ハブ筐体は、流体インターフェースを備える。
【0033】
特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式筐体136が様々な発生器を収容して、これらの間のインタラクティブ通信を促進するように構成されているという解決法を提示する。ハブのモジュール式筐体136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
【0034】
本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用筐体を提示する。モジュール式外科用筐体は、組織に印加するための第1のエネルギーを生成させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0035】
上記に加えて、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ及び電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を更に含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
【0036】
更に、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成された、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを更に含む。
【0037】
図3図7を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128との、モジュール式統合を可能にするハブのモジュール式筐体136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140とモジュール126とモジュール128と間のインタラクティブ通信を更に促進する。図5に示すように、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット139内に支持される、一体化された単極構成要素、双極構成要素及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。図5に示すように、発生器モジュール140は、単極装置146、双極装置147、及び超音波装置148に接続するように構成することができる。あるいは、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136を介して相互作用する一連の単極、双極発生器モジュール及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式筐体136は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式筐体136にドッキングされた発生器間のインタラクティブ通信と、を促進するように構成されてもよい。
【0038】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128の取り外し可能な取り付け及びそれらの間のインタラクティブ通信を可能にするために、外部及び無線通信ヘッダを備えるモジュール式電力及び通信バックプレーン149を備える。
【0039】
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128を摺動可能に受容するように構成された、本明細書ではドロアーとも称されるドッキングステーション又はドロアー151を含む。図4は、外科用ハブ筐体136、及び外科用ハブ筐体136のドッキングステーション151に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュール145の部分斜視図を示す。組み合わせ発生器モジュール145の後側には、電力及びデータ接点を有するドッキングポート152があり、そのドッキングポート152は、組み合わせ発生器モジュール145がハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151内の所定の位置へと摺動されると、ハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の、電力及びデータ接点を有する対応するドッキングポート150と係合するように構成されている。一態様では、組み合わせ発生器モジュール145は、図5に示すように、単一のハウジングユニット139内に一緒に組み込まれた、双極、超音波及び単極モジュールと、排煙モジュールと、を含む。
【0040】
様々な態様では、排煙モジュール126は、捕捉/回収された煙及び/又は流体を手術部位から遠ざけ、例えば、排煙モジュール126へと搬送する、流体ライン154を含む。排煙モジュール126から発生する真空吸引は、煙を手術部位のユーティリティ導管の開口部に引き込むことができる。流体ラインに連結されたユーティリティ導管は、排煙モジュール126で終端する可撓管の形態であってもよい。ユーティリティ導管及び流体ラインは、ハブ筐体136内に受容される排煙モジュール126に向かって延びる流体経路を画定する。
【0041】
様々な態様では、吸引/灌注モジュール128は、吸い込み流体ライン及び吸引流体ラインを含む外科用ツールに連結されている。一実施例では、吸い込み及び吸引流体ラインは、手術部位から吸引/灌注モジュール128に向かって延びる可撓管の形態である。1つ以上の駆動システムは、手術部位への、及び手術部位に対する流体の灌注及び吸い込みを引き起こすように構成され得る。
【0042】
一態様では、外科用ツールは、その遠位端にエンドエフェクタを有しかつエンドエフェクタに関連付けられた少なくとも1つのエネルギー処置部を有するシャフトと、吸い込み管と、灌注管と、を含む。吸い込み管は、その遠位端に入口ポートを有することができ、吸い込み管はシャフトを通って延びる。同様に、灌注管はシャフトを通って延びることができ、かつエネルギー送達器具に近接した入口ポートを有することができる。エネルギー送達器具は、超音波エネルギー及び/又はRFエネルギーを手術部位に送達するように構成されており、最初にシャフトを通って延びるケーブルによって発生器モジュール140に連結されている。
【0043】
灌注管は流体源と流体連通することができ、吸い込み管は真空源と流体連通することができる。流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128内に収容され得る。一実施例では、流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128とは別に、ハブ筐体136内に収容され得る。このような例では、流体インターフェースが、吸引/灌注モジュール128を流体源及び/又は真空源に接続するように構成され得る。
【0044】
一態様では、モジュール140、126、128、及び/又はハブのモジュール式筐体136上のそれらの対応するドッキングステーションは、モジュールのドッキングポートを位置合わせして、ハブのモジュール式筐体136のドッキングステーション内のこれらの対応部品と係合させるように構成された位置合わせ機構を含み得る。例えば、図4に示すように、組み合わせ発生器モジュール145は、側部ブラケット155を含み、その側部ブラケット155は、ハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の対応するブラケット156と摺動可能に係合するように構成されている。上記の複数のブラケットは協働して、組み合わせ発生器モジュール145のドッキングポート接点をハブのモジュール式筐体136のドッキングポート接点と電気的に係合させるように誘導する。
【0045】
いくつかの態様では、ハブのモジュール式筐体136のドロアー151どうしは、サイズが同じ又は実質的に同じであり、モジュールはドロアー151内に受容されるサイズに調整される。例えば、側部ブラケット155及び/又は156は、モジュールのサイズに応じてより大きくなっても小さくなってもよい。他の態様では、ドロアー151どうしは互いにサイズが異なり、それぞれ特定のモジュールを収容するように設計される。
【0046】
更に、適合しない接点を備えるドロアーにモジュールを挿入することを避けるため、特定のモジュールの接点を特定のドロアーの接点と係合するように、キー構造を設けてもよい。
【0047】
図4に示すように、1つのドロアー151のドッキングポート150は、通信リンク157を介して別のドロアー151のドッキングポート150に連結されて、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間のインタラクティブ通信を容易にすることができる。あるいは又は更に、ハブのモジュール式筐体136のドッキングポート150は、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の無線インタラクティブ通信を容易にしてもよい。例えば、Air Titan-Bluetoothなどの任意の好適な無線通信を用いてもよい。
【0048】
図6は、外科用ハブ206の複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジング160の複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。横方向モジュール式ハウジング160は、モジュール161を横方向に受容して相互接続するように構成されている。モジュール161は、モジュール161を相互接続するためのバックプレーンを含む横方向モジュール式ハウジング160のドッキングステーション162内に摺動可能に挿入されている。図6に示すように、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング160内で横方向に配置されている。あるいは、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング内で垂直方向に配置されてもよい。
【0049】
図7は、外科用ハブ106の複数のモジュール165を受容するように構成された垂直モジュール式ハウジング164を示す。モジュール165は、モジュール165を相互接続するためのバックプレーンを含む垂直モジュール式ハウジング164のドッキングステーション又はドロアー167内に摺動可能に挿入されている。垂直モジュール式ハウジング164のドロアー167は垂直方向に配置されているが、特定の場合では、垂直モジュール式ハウジング164は、横方向に配置されたドロアーを含んでもよい。更に、モジュール165は、垂直モジュール式ハウジング164のドッキングポートを介して互いに相互作用し得る。図7の実施例では、モジュール165の動作に関連するデータを表示するためのディスプレイ177が提供される。加えて、垂直モジュール式ハウジング164は、マスタモジュール178を含み、マスタモジュール178は、マスタモジュール178内に摺動可能に受容される複数のサブモジュールを収容する。
【0050】
様々な態様では、撮像モジュール138は、内蔵型のビデオプロセッサ及びモジュール式光源を備え、様々な撮像装置と共に使用するように適合されている。一態様では、撮像装置は、光源モジュール及びカメラモジュールと共に組み立てることが可能なモジュール式ハウジングで構成されている。ハウジングは、使い捨て式ハウジングであってもよい。少なくとも1つの例では、使い捨て式ハウジングは、再利用可能なコントローラ、光源モジュール、及びカメラモジュールと取り外し可能に連結されている。光源モジュール及び/又はカメラモジュールは、外科処置のタイプに応じて選択的に選択することができる。一態様では、カメラモジュールはCCDセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはCMOSセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはビーム走査式撮像用に構成されている。同様に、光源モジュールは、外科処置に応じて白色光又は異なる光を送達するように構成することができる。
【0051】
外科処置中に、手術野から外科用装置を除去して異なるカメラ又は異なる光源を含む別の外科用装置と交換することは非効率的であり得る。手術野の視野を一時的に喪失することは、望ましくない結果をもたらし得る。本開示のモジュール式撮像装置は、手術野から撮像装置を除去する必要なく、外科処置中に光源モジュール又はカメラモジュール中間体(midstream)の交換を可能にするように構成されている。
【0052】
一態様では、撮像装置は、複数のチャネルを含む管状ハウジングを備える。第1のチャネルは、第1のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得るカメラモジュールを摺動可能に受容するように構成されている。第2のチャネルは、第2のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得る光源モジュールを摺動可能に受容するように構成されている。別の例では、カメラモジュール及び/又は光源モジュールは、これらの対応するチャネル内の最終位置へと回転させることができる。スナップ嵌め係合の代わりにねじ係合が採用されてもよい。
【0053】
様々な実施例では、複数の撮像装置が、複数の視野を提供するために手術野内の様々な位置に配置される。撮像モジュール138は、最適な視野を提供するために撮像装置間を切り替えるように構成することができる。様々な態様では、撮像モジュール138は、異なる撮像装置からの画像を統合するように構成することができる。
【0054】
本開示と共に使用するのに好適な様々な画像プロセッサ及び撮像装置は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「COMBINED SBI AND CONVENTIONAL IMAGE PROCESSOR」と題する2011年8月9日発行の米国特許第7,995,045号に記載されている。更に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SBI MOTION ARTIFACT REMOVAL APPARATUS AND METHOD」と題する2011年7月19日発行の米国特許第7,982,776号は、画像データからモーションアーチファクトを除去するための様々なシステムについて記載している。こうしたシステムは、撮像モジュール138と一体化され得る。更に、「CONTROLLABLE MAGNETIC SOURCE TO FIXTURE INTRACORPOREAL APPARATUS」と題する2011年12月15日公開の米国特許出願公開第2011/0306840号、及び「SYSTEM FOR PERFORMING A MINIMALLY INVASIVE SURGICAL PROCEDURE」と題する2014年8月28日公開の米国特許出願公開第2014/0243597号は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
図8は、医療施設の1つ以上の手術室、又は外科手術のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドベースのシステム(例えばストレージ装置205に連結されたリモートサーバ213を含み得るクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える外科用データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203は更に、ローカルコンピュータシステム210に連結することができ、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供することができる。外科用データネットワーク201は、受動的、インテリジェント又は切り替え式として構成されてもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つの装置(又はセグメント)から別の装置(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェント外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェント外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0056】
手術室に配置されるモジュール式装置1a~1nは、モジュール式通信ハブ203に連結されてもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に連結されて、装置1a~1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続することができる。装置1a~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。装置1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。同じ手術室に位置するモジュール式装置2a~2mもまた、ネットワークスイッチ209に連結されてもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に連結されて、装置2a~2mをクラウド204に接続することができる。装置2a~2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送されてもよい。装置2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。
【0057】
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、外科用データネットワーク201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数の装置1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科処置中に、装置1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、装置1a~1n/2a~2mとしては、外科用データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式装置の中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール138、エネルギーベースの外科用装置に連結された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、ディスプレイに連結された外科用装置及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
【0058】
一態様では、外科用データネットワーク201は、装置1a~1n/2a~2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ(単数又は複数)、ネットワークスイッチ(単数又は複数)及びネットワークルータ(単数又は複数)との組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結された装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナル装置を有するのではなく、コンピューティングリソースを共有することに依存することは理解されるであろう。用語「クラウド」は「インターネット」の隠喩として用いられ得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、用語「クラウドコンピューティング」は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために用いることができ、この場合、サーバ、ストレージ及びアプリケーションなどの様々なサービスは、インターネットを介して、手術室(例えば、固定式、移動式、一時的又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続された装置に送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ以上の手術室内に位置する装置1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整する事業体であり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置によって収集されたデータに基づいて多数の計算を実施することができる。ハブハードウェアは、複数の装置又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0059】
装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的結果の改善、コスト低減及び患者満足度の改善を提供する。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織の試料の画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病理を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。そのようなデータには、組織の位置特定及びマージン確認並びに表現型が含まれる。撮像装置と一体化された様々なセンサを使用し、かつ複数の撮像装置によってキャプチャされた画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析されてもよい。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に採用してもよく、標準化された手法を使用することは、外科的治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科的治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
【0060】
一実装形態では、手術室装置1a~1nは、ネットワークハブに対する装置1a~1nの構成に応じて有線チャネル又は無線チャネルを介して、モジュール式通信ハブ203に接続されてもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャスト装置として実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置する装置1a~1nに接続性を提供する。ネットワークハブ207は、パケット形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ207は、いかなる装置データを転送するための媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control、MAC/Internet Protocol、IP)も記憶しない。装置1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関するルーティングテーブル又はインテリジェンスを有さず、全てのネットワークデータを各コネクション全体及びクラウド204上のリモートサーバ213(図9)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0061】
別の実装形態では、手術室装置2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術室内に位置する装置2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャスト装置である。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置2a~2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ209は、データを転送するために装置2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
【0062】
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に連結されている。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ211は、パケット形態のデータをクラウド204に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置が同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
【0063】
一実施例では、ネットワークハブ207は、複数のUSB装置をホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、装置をホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線機能又は無線機能を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置する装置1a~1nと装置2a~2mとの間の通信のために使用されてもよい。
【0064】
他の実施例では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、固定及びモバイル装置から短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。他の態様では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信することができ、そのような規格又はプロトコルとしては、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT及びこれらのイーサネット派生物のみならず3G、4G、5G及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどのより短距離の無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどのより長距離の無線通信専用であってもよい。
【0065】
モジュール式通信ハブ203は、手術室装置1a~1n/2a~2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱う。フレームは、装置1a~1n/2a~2mによって生成されたデータを搬送する。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載されるように、数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによって、このデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
【0066】
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンの装置として使用されてもよく、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ203は手術室装置1a~1n/2a~2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
【0067】
図9は、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で外科システム102と類似する1つ以上の外科システム202を含む。各外科システム202は、リモートサーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置などの複数の手術室装置に接続されたモジュール式制御タワー236を備える。図10に示されるように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に連結されたモジュール式通信ハブ203を備える。図9の実施例に例示するように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に連結された撮像モジュール238、エネルギー装置241に連結された発生器モジュール240、排煙器モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、任意でディスプレイ237に連結されたスマート装置/器具235及び非接触センサモジュール242に連結されている。手術室装置は、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに連結されている。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。とりわけ、装置/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載されるように、有線又は無線通信規格又はプロトコルを介して、モジュール式制御タワー236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、装置/器具ディスプレイ及び/又は他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイはまた、モジュール式制御タワーに接続された装置から受信したデータを、画像及びオーバーレイ画像と共に表示してもよい。
【0068】
図10は、モジュール式制御タワー236に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続装置などのモジュール式通信ハブ203と、例えばローカルでの処理、可視化及び撮像を行うためのコンピュータシステム210と、を備える。図10に示すように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続できるモジュール(例えば、装置)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送することができる。図10に示すように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチのそれぞれは、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含む。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続されている。クラウド204への通信は、有線通信チャネル又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
【0069】
外科用ハブ206は、非接触センサモジュール242を使用して、手術室の寸法を測定し、また超音波非接触測定装置又はレーザ型非接触測定装置のいずれかを使用して手術室のマップを生成する。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号では、センサモジュールが、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成されているが、同文献中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項で説明されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室をスキャンする。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信することによって手術室を走査し、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して手術室のサイズを判定し、Bluetoothペアリング距離限界を調整する。
【0070】
コンピュータシステム210は、プロセッサ244と、ネットワークインターフェース245と、を備える。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、ストレージ248、メモリ249、不揮発性メモリ250及び入力/出力インターフェース251に連結されている。システムバスは、任意の様々なバスアーキテクチャを用いる、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造(単数又は複数)のうちのいずれかであってもよく、それらのアーキテクチャの例としては、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、周辺装置相互接続(PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(PCMCIA)、小型計算機システムインターフェース(SCSI)又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。このプロセッサコアは、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)及び/又は、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む。なお、その詳細は、製品データシートで入手可能である。
【0072】
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0073】
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)及びダイレクトランバスRAM(DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
【0074】
コンピュータシステム210はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性のコンピュータストレージ媒体、例えばディスクストレージなどを含む。ディスクストレージとしては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード又はメモリスティックのようなデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ディスクストレージは、上記のストレージ媒体を、独立して、又は他のストレージ媒体との組み合わせで含むことができる。他のストレージ媒体としては、コンパクトディスクROM装置(CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない。ディスクストレージ装置のシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
【0075】
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含むことを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられる。ディスクストレージ上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能する。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスクストレージ上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用する。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0076】
ユーザは、I/Oインターフェース251に連結された入力装置(単数又は複数)を介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力する。入力装置としては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の入力装置は、インターフェースポート(単数又は複数)を介し、システムバスを通じてプロセッサに接続する。インターフェースポート(単数又は複数)としては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート及びUSBが挙げられる。出力装置(単数又は複数)は、入力装置(単数又は複数)と同じタイプのポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、コンピュータシステムからの情報を出力装置に出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力装置の中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ及びプリンタなどのいくつかの出力装置が存在することを示すために提供される。出力アダプタとしては、出力装置とシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられるが、これは例示としてのものであり、限定するものではない。リモートコンピュータ(単数又は複数)などの他の装置及び/又は装置のシステムは、入力及び出力機能の両方を提供することに留意されたい。
【0077】
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータ(単数又は複数)などの1つ以上のリモートコンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータ(単数又は複数)は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置又は他の一般的なネットワークノードなどであり得るが、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、リモートコンピュータ(単数又は複数)と共に、メモリストレージ装置1台のみが示される。リモートコンピュータ(単数又は複数)は、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続部を介して物理的に接続される。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワークを包含する。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク並びにデジタル加入者回線(DSL)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
様々な態様では、図10のコンピュータシステム210、図9図10の撮像モジュール238及び/又は可視化システム208及び/又はプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(SIMD)、又は複数命令複数データ(MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを使用して速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実施することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0079】
通信接続部(単数又は複数)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのため通信接続部はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続部はコンピュータシステム210の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が挙げられる。
【0080】
図11は、本開示の少なくとも1つの態様による、USBネットワークハブ300装置の一態様の機能ブロック図を示す。例示の態様では、USBネットワークハブ装置300は、Texas Instruments製のTUSB2036集積回路ハブを採用する。USBネットワークハブ300は、USB2.0規格に準拠する、上流USB送受信ポート302と、最大3つの下流USB送受信ポート304、306、308と、を提供するCMOS装置である。上流USB送受信ポート302は、差動データプラス(DP0)入力とペアリングされた差動データマイナス(DM0)入力を含む差動ルートデータポートである。3つの下流USB送受信ポート304、306、308は、各ポートが差動データマイナス(DM1~DM3)出力とペアリングした差動データプラス(DP1~DP3)出力を含む差動データポートである。
【0081】
USBネットワークハブ300装置は、マイクロコントローラの代わりにデジタル状態マシンを備えて実装され、ファームウェアのプログラミングを必要としない。完全準拠したUSB送受信機が、上流USB送受信ポート302及び全ての下流USB送受信ポート304、306、308の回路に組み込まれている。下流USB送受信ポート304、306、308は、ポートに取り付けられた装置の速度に応じて立ち上がり速度を自動的に設定することによって、最高速度及び低速の装置の両方をサポートする。USBネットワークハブ300装置は、バスパワーモード又はセルフパワーモードのいずれかで構成されてもよく、電力を管理するためのハブパワー論理312を含む。
【0082】
USBネットワークハブ300装置は、シリアルインターフェースエンジン310(SIE)を含む。SIE310は、USBネットワークハブ300ハードウェアのフロントエンドであり、USB仕様書の第8章に記載されているプロトコルの大部分を取り扱う。SIE310は、典型的には、トランザクションレベルまでのシグナリングを理解する。これが取り扱う機能としては、パケット認識、トランザクションの並べ替え、SOP、EOP、RESET及びRESUME信号の検出/生成、クロック/データ分離、非ゼロ復帰逆転(NRZI)データ符号化/復号及びビットスタッフィング、CRC生成及びチェック(トークン及びデータ)、パケットID(PID)の生成及びチェック/復号、並びに/又はシリアル-パラレル/パラレル-シリアル変換が挙げられ得る。310はクロック入力314を受信し、ポート論理回路320、322、324を介して上流USB送受信ポート302と下流USB送受信ポート304、306、308との間の通信を制御するため、サスペンド/レジューム論理並びにフレームタイマー316回路及びハブリピータ回路318に連結されている。SIE310は、シリアルEEPROMインターフェース330を介してシリアルEEPROMからコマンドを制御するように、インターフェース論理を介してコマンドデコーダ326に連結される。
【0083】
様々な態様では、USBネットワークハブ300は、最大6つの論理層(階層)内に構成された127個の機能を単一のコンピュータに接続することができる。更に、USBネットワークハブ300は、通信及び電力分配の両方を提供する標準化された4本のワイヤケーブルを使用して全ての周辺機器に接続することができる。電力構成は、バスパワーモード及びセルフパワーモードである。USBネットワークハブ300は、個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるバスパワーハブ及び個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるセルフパワーハブの、電力管理の4つのモードをサポートするように構成されてもよい。一態様では、USBケーブル、USBネットワークハブ300を使用して、上流USB送受信ポート302はUSBホストコントローラにプラグ接続され、下流USB送受信ポート304、306、308はUSBに互換性のある装置を接続するために露出される、といった具合である。
【0084】
外科用器具のハードウェア
図12は、本開示の1つ以上の態様による、外科用器具又はツールの制御システム470の論理図を示す。システム470は、制御回路を備える。制御回路は、プロセッサ462及びメモリ468を備えるマイクロコントローラ461を含む。例えば、センサ472、474、476のうちの1つ以上が、プロセッサ462にリアルタイムなフィードバックを提供する。モータ駆動器492によって駆動されるモータ482は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に連結して、クランプアーム閉鎖部材を駆動する。追跡システム480は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を判定するように構成されている。位置情報は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置及び閉鎖部材の位置を決定するようにプログラム又は構成可能なプロセッサ462に提供される。閉鎖管の移動、シャフトの回転、関節運動、若しくはクランプアームの閉鎖、又は上記の組み合わせを制御するために、ツールドライバインターフェースに追加のモータが提供されてもよい。ディスプレイ473は、器具の様々な動作条件を表示し、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含んでもよい。ディスプレイ473上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイさせることができる。
【0085】
一態様では、マイクロコントローラ461は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ若しくは2つ以上のPWMモジュール、1つ若しくは2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0086】
一態様では、マイクロコントローラ461は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0087】
マイクロコントローラ461は、ナイフ、関節運動システム、クランプアーム、又は上記の組み合わせの速度及び位置の正確な制御などの様々な機能を実行するようにプログラムされてもよい。一態様では、マイクロコントローラ461は、プロセッサ462及びメモリ468を含む。電気モータ482は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的連結部を備えたブラシ付き直流(DC)モータであってもよい。一態様では、モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータドライバを、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480で使用するために容易に代用することができる。絶対位置決めシステムの詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
【0088】
マイクロコントローラ461は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされてもよい。マイクロコントローラ461は、マイクロコントローラ461のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られ、これが実際のフィードバックの判定に用いられる。観測された応答は、シミュレートされた応答の滑らかで連続的な性質と、測定された応答とのバランスを取る好適な調整された値であり、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
【0089】
一態様では、モータ482は、モータドライバ492によって制御されてもよく、外科用器具又はツールの発射システムによって使用され得る。様々な形態において、モータ482は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。他の構成では、モータ482としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータが挙げられ得る。モータドライバ492は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ482は、外科用器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドル組立体又はツールハウジングに解除可能に装着された電源組立体によって給電され得る。電源組立体は、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源アセンブリの電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能な電池セルであってよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源組立体に連結可能かつ電源組立体から分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
【0090】
モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941 492は、特にブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用するためのフルブリッジコントローラである。ドライバ492は、固有の電荷ポンプレギュレータを備え、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を与えるために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を用いて高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードでは、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を指示するものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータドライバを、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム480で使用するために容易に代用することができる。
【0091】
追跡システム480は、本開示の一態様による位置センサ472を備える制御されたモータ駆動回路配置を備える。絶対位置決めシステム用の位置センサ472は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を提供する。一態様では、変位部材は、ギア減速機組立体の対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。他の態様では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る発射部材を表す。更に別の態様では、変位部材は、クランプアームを開閉するための長手方向変位部材を表し、これは駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る。他の態様では、変位部材は、ステープラ、超音波、若しくは電気外科用装置のクランプアーム、又は上記の組み合わせを開閉するように構成されたクランプアーム閉鎖部材を表す。したがって、本明細書で使用するとき、変位部材という用語は、一般的に、駆動部材、クランプアーム、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具又はツールの任意の可動部材を指すために使用される。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、クランプアームの変位を追跡することができる。他の態様では、絶対位置決めシステムは、開閉プロセスにおけるクランプアームの位置を追跡するように構成され得る。様々な他の態様では、変位部材は、直線変位を測定するのに好適な任意の位置センサ472に連結されてもよい。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材、若しくはクランプアーム、又はこれらの組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに連結されてもよい。直線変位センサは、接触式変位センサ又は非接触式変位センサを含んでもよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0092】
電気モータ482は、変位部材上の駆動歯の組又はラックと噛合係合で装着されるギア組立体と動作可能にインターフェースする回転式シャフトを含んでもよい。センサ素子は、位置センサ472素子の1回転が、変位部材のいくらかの直線長手方向並進に対応するように、ギア組立体に動作可能に連結されてもよい。ギアリング及びセンサの構成は、ラックピニオン構成によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示することができる。変位部材は、ギア減速機組立体の対応する駆動ギアと噛合係合するための、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。変位部材は、クランプアームを開閉する長手方向に移動可能な発射部材を表す。
【0093】
位置センサ472に付随するセンサ素子の1回転は、変位部材の長手方向直線変位dに相当し、dは、変位部材に連結したセンサ素子の1回転した後で、変位部材が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離である。センサ機構は、位置センサ472が変位部材のフルストロークに対して1回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して連結されてもよい。位置センサ472は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了することができる。
【0094】
位置センサ472の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1よりも大きい整数である)が、単独で用いられても、ギアの減速との組み合わせで用いられてもよい。スイッチの状態はマイクロコントローラ461にフィードバックされ、マイクロコントローラ461は論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d+d+...dに対応する固有の位置信号を判定する。位置センサ472の出力はマイクロコントローラ461に提供される。センサ機構の位置センサ472は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果素子のアレイを備えてもよい。
【0095】
位置センサ472は、例えば、全磁界又は磁界のベクトル成分を測定するかどうかに基づいて分類される磁気センサなどの、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために用いられる技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含んでいる。磁界の感知に使用される技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサが挙げられる。
【0096】
一態様では、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480の位置センサ472は、磁気回転絶対位置決めシステムを備える。位置センサ472は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ472は、マイクロコントローラ461とインターフェースされて絶対位置決めシステムを提供する。位置センサ472は、低電圧低電力の構成要素であり、磁石の上方に位置する位置センサ472のエリアに、4つのホール効果素子を含む。更に、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラがチップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(CORDIC)プロセッサが設けられる。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ461に伝送される。位置センサ472は、12ビット又は14ビットの解像度を提供する。位置センサ472は、小型のQFN16ピン4x4x0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
【0097】
絶対位置決めシステムを備える追跡システム480は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源は、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ472によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサ(単数又は複数)が設けられてもよい。いくつかの態様では、他のセンサ(単数又は複数)としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているものなどのセンサ配置を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムはデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置決めシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを使用して、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れる。
【0098】
絶対位置決めシステムは、単にモータ482が取った前方又は後方へのステップの数を計数して装置アクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供する。
【0099】
例えば歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ474は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができる、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅などのエンドエフェクタの1つ以上のパラメータを測定するように構成される。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。センサ474の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ476が、閉鎖駆動システムが超音波又は電気外科用器具内のステープラ又はクランプアーム内のアンビルに加える閉鎖力を測定することができる。例えば、負荷センサなどのセンサ476は、外科用器具若しくはツールのクランプアームに連結された閉鎖部材に加えられる発射力、又はクランプアームによって超音波若しくは電気外科用器具のジョー内に位置する組織に加えられる力を測定することができる。代替的に、モータ482により引き込まれる電流を測定するために、電流センサ478を用いることができる。変位部材はまた、クランプアームに係合してクランプアームを開閉するように構成されてもよい。力センサは、組織上のクランプ力を測定するように構成されてもよい。変位部材を前進させるのに必要な力は、例えば、モータ482によって引き込まれる電流に相当し得る。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。
【0100】
一形態では、歪みゲージセンサ474を使用して、エンドエフェクタによって組織に加えられる力を測定することができる。治療されている組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに連結することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に加えられる力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ以上のパラメータを測定するように構成された微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ474を備える。一態様では、歪みゲージセンサ474は、組織圧縮を示し得る、クランプ動作中にエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされる歪みの振幅又は規模を測定することができる。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ461のプロセッサ462に提供される。負荷センサ476は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を動作させるために使用される力を測定することができる。負荷センサ476は、例えば、クランプアームと超音波ブレードとの間に組織を捕捉するために、又はクランプアームと電気外科用器具のジョーとの間に組織を捕捉するために、クランプアーム要素を操作するのに使用される力を測定することができる。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために用いることができる。磁界センサの測定値もデジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供され得る。
【0101】
センサ474、476によってそれぞれ測定される、組織圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するのに必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ461によって使用することができる。一例では、メモリ468は、評価の際にマイクロコントローラ461によって用いることができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶することができる。
【0102】
外科用器具又はツールの制御システム470はまた、図8図11に示されるようにモジュール式通信ハブと通信するための有線通信回路又は無線通信回路を備えてもよい。
【0103】
図13は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成されている制御回路500を示す。制御回路500は、本明細書に説明される様々なプロセスを実施するように構成することができる。制御回路500は、少なくとも1つのメモリ回路504に連結された1つ以上のプロセッサ502(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えるマイクロコントローラを備えることができる。メモリ回路504は、プロセッサ502によって実行されると、本明細書に記載される様々なプロセスを実施するための機械命令をプロセッサ502に実行させる、機械実行可能命令を記憶する。プロセッサ502は、当該技術分野で既知の多数のシングルコア又はマルチコアプロセッサのうちの任意の1つであってもよい。メモリ回路504は、揮発性及び不揮発性の記憶媒体を含むことができる。プロセッサ502は、命令処理ユニット506及び演算ユニット508を含んでもよい。命令処理ユニットは、本開示のメモリ回路504から命令を受信するように構成されてもよい。
【0104】
図14は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成されている組み合わせ論理回路510を示す。組み合わせ論理回路510は、本明細書に説明される様々なプロセスを実施するように構成することができる。組み合わせ論理回路510は、入力514で外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理512によってデータを処理し、出力516を提供するように構成されている組み合わせ論理512を含む有限状態マシンを含んでもよい。
【0105】
図15は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成されている順序論理回路520を示す。順序論理回路520又は組み合わせ論理522は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。順序論理回路520は有限状態マシンを含んでもよい。順序論理回路520は、例えば、組み合わせ論理522、少なくとも1つのメモリ回路524、及びクロック529を含んでもよい。少なくとも1つのメモリ回路524は、有限状態マシンの現在の状態を記憶することができる。特定の例では、順序論理回路520は、同期式又は非同期式であってもよい。組み合わせ論理522は、入力526から外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理522によってデータを処理し、出力528を提供するように構成される。他の態様では、回路は、プロセッサ(例えば、図13のプロセッサ502)と、本明細書の様々なプロセスを実装する有限状態マシンと、の組み合わせを含んでもよい。他の態様では、有限状態マシンは、組み合わせ論理回路(例えば図14の組み合わせ論理回路510)と順序論理回路520との組み合わせを含むことができる。
【0106】
図16は、様々な機能を実施するために起動され得る複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。特定の例では、第1のモータを起動させて第1の機能を実施することができ、第2のモータを起動させて第2の機能を実施することができ、第3のモータを起動させて第3の機能を実施することができ、第4のモータを起動させて第4の機能を実施することができる、といった具合である。特定の例では、ロボット外科用器具600の複数のモータは個々に起動されて、エンドエフェクタにおいて発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動を生じさせることができる。発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動は、例えばシャフト組立体を介してエンドエフェクタに伝達することができる。
【0107】
特定の例では、外科用器具システム又はツールは発射モータ602を含んでもよい。発射モータ602は、具体的にはクランプアーム閉鎖部材を変位させるために、モータ602によって生成された発射運動をエンドエフェクタに伝達するように構成することができる、発射モータ駆動アセンブリ604に動作可能に連結されてもよい。閉鎖部材は、モータ602の方向を逆転させることによって後退させられて、それによって更にクランプアームを開放させてもよい。
【0108】
特定の例では、外科用器具又はツールは閉鎖モータ603を含んでもよい。閉鎖モータ603は、具体的には閉鎖管を変位させてアンビルを閉鎖し、アンビルとステープルカートリッジとの間で組織を圧縮するためにモータ603によって生成された閉鎖運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、閉鎖モータ駆動組立体605と動作可能に連結されてもよい。閉鎖モータ603は、具体的には閉鎖管を変位させてクランプアームを閉鎖し、クランプアームと、電気外科用装置の超音波ブレード又はジョー部材のいずれかと、の間で組織を圧縮するためにモータ603によって生成された閉鎖運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、閉鎖モータ駆動アセンブリ605と動作可能に連結されてもよい。閉鎖運動によって、例えば、エンドエフェクタが開放構成から近似構成へと移行して組織を捕捉することができる。エンドエフェクタは、モータ603の方向を逆転させることによって開放位置に移行され得る。
【0109】
特定の例では、外科用器具又はツールは、例えば、1つ以上の関節運動モータ606a、606bを含んでもよい。モータ606a、606bは、モータ606a、606bによって生成された関節運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、対応する関節運動モータ駆動組立体608a、608bに動作可能に連結され得る。特定の例では、関節運動によって、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節運動することができる。
【0110】
上述したように、外科用器具又はツールは、様々な独立した機能を実施するように構成され得る複数のモータを含んでもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、他のモータが停止した状態を維持している間に、個別に又は別個に起動させて、1つ以上の機能を実施することができる。例えば、関節運動モータ606a、606bを起動させて、発射モータ602が停止した状態を維持している間に、エンドエフェクタを関節運動させることができる。代替的に、発射モータ602を起動させて、関節運動モータ606が停止した状態を維持している間に、複数のステープルを発射させ、及び/又は切刃を前進させることができる。更に、閉鎖モータ603は、本明細書の以下でより詳細に説明されるとおり、閉鎖管又は閉鎖部材を遠位に前進させるために、発射モータ602と同時に起動させてもよい。
【0111】
特定の例では、外科用器具又はツールは、外科用器具又はツールの複数のモータと共に用いることができる、共通の制御モジュール610を含んでもよい。特定の例では、共通の制御モジュール610は、一度に複数のモータのうちの1つに対応することができる。例えば、共通の制御モジュール610は、ロボット外科用器具の複数のモータ対して個々に連結可能かつ分離可能であってもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610などの1つ以上の共通の制御モジュールを共有してもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610に独立してかつ選択的に係合することができる。特定の例では、共通の制御モジュール610は、外科用器具又はツールの複数のモータのうちの一方とのインターフェース接続から、外科用器具又はツールの複数のモータのうちのもう一方とのインターフェース接続へと選択的に切り替えることができる。
【0112】
少なくとも1つの例では、共通の制御モジュール610は、関節運動モータ606a、606bとの動作可能な係合と、発射モータ602又は閉鎖モータ603のいずれかとの動作可能な係合と、の間で選択的に切り替えることができる。少なくとも1つの実施例では、図16に示すように、スイッチ614は、複数の位置及び/又は状態間を移動又は移行させることができる。例えば、第1の位置616では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を発射モータ602と電気的に連結してもよく、第2の位置617では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を閉鎖モータ603と電気的に連結してもよく、第3の位置618aでは、例えば、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第1の関節運動モータ606aと電気的に連結してもよく、第4の位置618bでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第2の関節運動モータ606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、同時に、別個の共通の制御モジュール610を、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、スイッチ614は、機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、固体スイッチ、又は任意の好適な切り替え機構であってもよい。
【0113】
モータ602、603、606a、606bの各々は、モータのシャフト上の出力トルクを測定するためのトルクセンサを備えてもよい。エンドエフェクタ上の力は、ジョーの外側の力センサによって、又はジョーを作動させるモータのトルクセンサなどによって、任意の従来の様式で感知されてもよい。
【0114】
様々な例では、図16に示されるように、共通の制御モジュール610は、1つ以上のHブリッジFETを備え得るモータドライバ626を備えてもよい。モータドライバ626は、例えば、マイクロコントローラ620(「コントローラ」)からの入力に基づいて、電源628から共通の制御モジュール610に連結されたモータへと伝達された電力を変調してもよい。特定の例では、上述したように、例えば、モータが共通の制御モジュール610に連結されている間にマイクロコントローラ620を用いて、モータによって引き込まれる電流を判定することができる。
【0115】
特定の例では、マイクロコントローラ620は、マイクロプロセッサ622(「プロセッサ」)と、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体又はメモリユニット624(「メモリ」)と、を含んでもよい。特定の例では、メモリ624は、様々なプログラム命令を記憶することができ、それが実行されると、プロセッサ622に、本明細書に記載される複数の機能及び/又は計算を実施させることができる。特定の例では、メモリユニット624の1つ以上が、例えば、プロセッサ622に連結されてもよい。様々な態様では、マイクロコントローラ620は、有線若しくは無線チャネル、又はこれらの組み合わせを介して通信してもよい。
【0116】
特定の例では、電源628を用いて、例えばマイクロコントローラ620に電力を供給してもよい。特定の例では、電源628は、例えばリチウムイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「電源パック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、外科用器具600に電力を供給するため、ハンドルに解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルを、電源628として使用してもよい。特定の例では、電源628は、例えば、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0117】
様々な例では、プロセッサ622は、モータドライバ626を制御して、共通の制御モジュール610に連結されたモータの位置、回転方向、及び/又は速度を制御することができる。特定の例では、プロセッサ622は、モータドライバ626に信号伝達して、共通の制御モジュール610に連結されるモータを停止及び/又は無効化することができる。「プロセッサ」という用語は、本明細書で使用されるとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(central processing unit、CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上で統合した他の基本コンピューティング装置を含むと理解されるべきである。プロセッサ622は、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラム可能装置である。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
【0118】
一例では、プロセッサ622は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。特定の例では、マイクロコントローラ620は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも1つの実施例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートで容易に利用可能な機能の中でもとりわけ、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ以上のPWMモジュール、1つ以上のQEIアナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットADCを含むARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、モジュール4410と共に使用するのに容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
【0119】
特定の例では、メモリ624は、共通の制御モジュール610に連結可能な外科用器具600のモータの各々を制御するためのプログラム命令を含んでもよい。例えば、メモリ624は、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bを制御するためのプログラム命令を含んでもよい。このようなプログラム命令は、プロセッサ622に、外科用器具又はツールのアルゴリズム又は制御プログラムからの入力に従って、発射機能、閉鎖機能、及び関節運動機能を制御させることができる。
【0120】
特定の例では、例えば、センサ630などの1つ以上の機構及び/又はセンサを用いて、特定の設定で使用すべきプログラム命令をプロセッサ622に警報することができる。例えば、センサ630は、エンドエフェクタの発射、閉鎖、及び関節運動に関連するプログラム命令を使用するようにプロセッサ622に警報することができる。特定の例では、センサ630は、例えば、スイッチ614の位置を感知するために用いることができる位置センサを備えてもよい。したがって、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第1の位置616にあることを検出すると、エンドエフェクタのクランプアームに連結された閉鎖部材の発射と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第2の位置617にあることを検出すると、アンビルの閉鎖と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第3の位置618a又は第4の位置618bにあることを検出すると、エンドエフェクタの関節運動と関連付けられたプログラム命令を使用することができる。
【0121】
図17は、本開示の一態様による、本明細書に記載される外科用ツールを操作するように構成されているロボット外科用器具700の概略図である。ロボット外科用器具700は、単一又は複数の関節運動駆動連結部のいずれかを用いて、変位部材の遠位/近位並進、閉鎖管の遠位/近位変位、シャフトの回転及び関節運動を制御するようにプログラム又は構成されてもよい。一態様では、外科用器具700は、発射部材、閉鎖部材、シャフト部材若しくは1つ以上の関節運動部材、又はこれらの組み合わせを個別に制御するようにプログラム又は構成されてもよい。外科用器具700は、モータ駆動式の発射部材、閉鎖部材、シャフト部材若しくは1つ以上の関節運動部材、又はこれらの組み合わせを制御するように構成された制御回路710を備える。
【0122】
一態様では、ロボット外科用器具700は、複数のモータ704a~704eを介して、エンドエフェクタ702のクランプアーム716及び閉鎖部材714部分と、超音波発生器721によって励起される超音波変換器719に連結された超音波ブレード718と、シャフト740と、1つ以上の関節運動部材742a、742bと、を制御するように構成された制御回路710を備える。位置センサ734は、閉鎖部材714の位置フィードバックを制御回路710に提供するように構成されてもよい。他のセンサ738は、制御回路710にフィードバックを提供するように構成されてもよい。タイマー/カウンタ731は、制御回路710にタイミング及びカウント情報を提供する。モータ704a~704eを動作させるためにエネルギー源712が設けられてもよく、電流センサ736はモータ電流フィードバックを制御回路710に提供する。モータ704a~704eは、開ループ又は閉ループフィードバック制御において制御回路710によって個別に操作することができる。
【0123】
一態様では、制御回路710は、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は1つ若しくは複数のプロセッサに、1つ以上のタスクを実施させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ731は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路710に提供して位置センサ734によって判定された閉鎖部材714の位置をタイマー/カウンタ731の出力と相関させる。その結果、制御回路710は、閉鎖部材714が開始位置に対して特定の位置にあるときの、開始位置又は時間(t)に対する特定の時間(t)における閉鎖部材714の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ731は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
【0124】
一態様では、制御回路710は、1つ以上の組織状態に基づいてエンドエフェクタ702の機能を制御するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、本明細書に記載されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、組織状態に基づいて発射制御プログラム又は閉鎖制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に治療するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより高速で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。閉鎖制御プログラムは、クランプアーム716によって組織に加えられる閉鎖力を制御し得る。他の制御プログラムは、シャフト740及び関節運動部材742a、742bの回転を制御する。
【0125】
一態様では、制御回路710は、モータ設定点信号を生成することができる。モータ設定点信号は、様々なモータコントローラ708a~708eに提供されてもよい。モータコントローラ708a~708eは、本明細書で説明するように、モータ704a~704eにモータ駆動信号を提供してモータ704a~704eを駆動するように構成された1つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの例では、モータ704a~704eはブラシ付きDC電気モータであってもよい。例えば、モータ704a~704eの速度は、それぞれのモータ駆動信号に比例してもよい。いくつかの例では、モータ704a~704eはブラシレスDC電気モータであってもよく、それぞれのモータ駆動信号は、モータ704a~704eの1つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの例では、モータコントローラ708a~708eは省略されてもよく、制御回路710がモータ駆動信号を直接生成してもよい。
【0126】
一態様では、制御回路710は、最初に、モータ704a~704eのそれぞれを、変位部材のストロークの第1の開ループ部分では開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間のロボット外科用器具700の応答に基づいて、制御回路710は、閉ループ構成の発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ704a~704eのうちの1つに提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後で、制御回路710は、変位部材ストロークの第2の部分に対して選択された発射制御プログラムを実装してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路710は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ704a~704eのうちの1つを閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。
【0127】
一態様では、モータ704a~704eは、エネルギー源712から電力を受け取ることができる。エネルギー源712は、主交流電源、電池、スーパーキャパシタ又は任意の他の好適なエネルギー源によって駆動されるDC電源であってもよい。モータ704a~704eは、それぞれの伝達機構706a~706eを介して、閉鎖部材714、クランプアーム716、シャフト740、関節742a及び関節742bなどの個々の可動機械的要素に機械的に連結されてもよい。伝達機構706a~706eは、モータ704a~704eを可動機械的要素に連結するための1つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ734は、閉鎖部材714の位置を感知し得る。位置センサ734は、閉鎖部材714の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ734は、閉鎖部材714が遠位方向及び近位方向に並進すると、一連のパルスを制御回路710に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路710は、パルスを追跡して閉鎖部材714の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、閉鎖部材714の動きを示す他の信号を提供することができる。また、いくつかの例では、位置センサ734は省略されてもよい。モータ704a~704eのいずれかがステップモータである場合、制御回路710は、モータ704が実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、閉鎖部材714の位置を追跡することができる。位置センサ734は、エンドエフェクタ702内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。モータ704a~704eのそれぞれの出力は、力を感知するためのトルクセンサ744a~744eを含み、駆動シャフトの回転を感知するエンコーダを有する。
【0128】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702の閉鎖部材714部分などの発射部材を駆動するように構成されている。制御回路710はモータ制御部708aにモータ設定点を提供し、モータ制御部708aはモータ704aに駆動信号を提供する。モータ704aの出力シャフトは、トルクセンサ744aに連結されている。トルクセンサ744aは、閉鎖部材714に連結された伝達機構706aに連結されている。伝達機構706aは、エンドエフェクタ702の長手方向軸線に沿って遠位方向及び近位方向への閉鎖部材714の移動を制御するための回転要素及び発射部材などの可動機械的要素を備える。一態様では、モータ704aは、第1のナイフ駆動ギア及び第2のナイフ駆動ギアを含むナイフギア減速セットを含むナイフギア組立体に連結されていてもよい。トルクセンサ744aは、制御回路710に発射力フィードバック信号を提供する。発射力信号は、閉鎖部材714を発射又は変位させるのに必要な力を表す。位置センサ734は、発射ストロークに沿った閉鎖部材714の位置又は発射部材の位置を、フィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されていてもよい。エンドエフェクタ702は、制御回路710にフィードバック信号を提供するように構成された追加のセンサ738を含んでもよい。使用準備が整うと、制御回路710は、モータ制御部708aに発射信号を提供することができる。発射信号に応答して、モータ704aは、発射部材をエンドエフェクタ702の長手方向軸に沿って近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位側にあるストローク終了位置まで、遠位方向に駆動することができる。閉鎖部材714が遠位方向に並進すると、クランプアーム716は超音波ブレード718に向かって閉鎖する。
【0129】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のクランプアーム716部分などの閉鎖部材を駆動するように構成されている。制御回路710は、モータ704bに駆動信号を提供するモータ制御部708bにモータ設定値を提供する。モータ704bの出力シャフトは、トルクセンサ744bに連結される。トルクセンサ744bは、クランプアーム716に連結された伝達機構706bに連結されている。伝達機構706bは、開放位置及び閉鎖位置からのクランプアーム716の移動を制御するための回転要素及び閉鎖部材などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704bは、閉鎖スパーギアと噛合係合して支持される閉鎖減速ギアセットを含む閉鎖ギア組立体に連結されている。トルクセンサ744bは、制御回路710に閉鎖力フィードバック信号を提供する。閉鎖力フィードバック信号は、クランプアーム716に加えられる閉鎖力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。エンドエフェクタ702内の追加のセンサ738は、閉鎖力フィードバック信号を制御回路710に提供することができる。枢動可能なクランプアーム716は、超音波ブレード718の反対側に位置決めされている。使用準備が整うと、制御回路710は、モータ制御部708bに閉鎖信号を提供することができる。閉鎖信号に応答して、モータ704bは閉鎖部材を前進させて、クランプアーム716と超音波ブレード718との間に組織を把持する。
【0130】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を回転させるために、シャフト740などのシャフト部材を回転させるように構成されている。制御回路710は、モータ704cに駆動信号を提供するモータ制御部708cにモータ設定値を提供する。モータ704cの出力シャフトは、トルクセンサ744cに連結される。トルクセンサ744cは、シャフト740に連結された伝達機構706cに連結されている。伝達機構706cは、シャフト740の時計回り又は反時計回りの回転を、360度まで及びそれを超えて制御するための回転要素などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704cは、ツール装着プレート上に動作可能に支持された回転ギア組立体によって動作可能に係合されるように、近位閉鎖管の近位端上に形成された(又はこれに取り付けられた)管状ギアセグメントを含む回転伝達機構組立体に連結されている。トルクセンサ744cは、制御回路710に回転力フィードバック信号を提供する。回転力フィードバック信号は、シャフト740に加えられる回転力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。シャフトエンコーダなどの追加のセンサ738が、シャフト740の回転位置を制御回路710に提供してもよい。
【0131】
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を関節運動させるように構成されている。制御回路710は、モータ制御部708dにモータ設定点を提供し、モータ制御部708dは、モータ704dに駆動信号を提供する。モータ704dの出力シャフトは、トルクセンサ744dに連結される。トルクセンサ744dは、関節運動部材742aに連結された伝達機構706dに連結されている。伝達機構706dは、エンドエフェクタ702の±65°の関節運動を制御するための関節運動要素などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704dは、関節運動ナットに連結され、関節運動ナットは、遠位スパイン部分の近位端部分上で回転可能に軸支され、遠位スパイン部分の近位端部分上で関節運動ギア組立体によって回転可能に駆動される。トルクセンサ744dは、制御回路710に関節運動力フィードバック信号を提供する。関節運動力フィードバック信号は、エンドエフェクタ702に加えられる関節運動力を表す。関節運動エンコーダなどのセンサ738は、エンドエフェクタ702の関節運動位置を制御回路710に提供してもよい。
【0132】
別の態様では、ロボット外科システム700の関節運動機能は、2つの関節運動部材又は連結部742a、742bを含んでもよい。これらの関節運動部材742a、742bは、2つのモータ708d、708eによって駆動されるロボットインターフェース(ラック)上の個別のディスクによって駆動される。個別の発射モータ704aが提供されると、ヘッドが運動していないときにヘッドに抵抗保持運動及び負荷を提供するために、かつヘッドが関節運動しているときに関節運動を提供するために、関節運動連結部742a、742bのそれぞれは、他の連結部に対して拮抗的に駆動され得る。関節運動部材742a、742bは、ヘッドが回転するときに規定の半径でヘッドに取り付けられる。したがって、ヘッドが回転するとプッシュプル連結部の機械的利益は変化する。この機械的利点の変化は、他の関節運動連結部の駆動システムでより顕著であり得る。
【0133】
一態様では、1つ以上のモータ704a~704eは、ギアボックスと、発射部材、閉鎖部材又は関節運動部材への機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータと、を備えてもよい。別の例としては、変位部材、関節運動連結部、閉鎖管及びシャフトなどの可動機械的要素を動作させる電気モータ704a~704eが挙げられる。外部影響とは、組織、周囲体及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電気モータ704a~704eの1つに反して作用する障害(drag)と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
【0134】
一態様では、位置センサ734は、絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。一態様では、位置センサ734は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備えてもよい。位置センサ734は、制御回路710とインターフェース接続して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられ、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
【0135】
一態様では、制御回路710は、1つ以上のセンサ738と通信してもよい。センサ738は、エンドエフェクタ702上に位置決めされ、ロボット外科用器具700と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ738は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、ロードセル、圧力センサ、力センサ、トルクセンサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ及び/又はエンドエフェクタ702の1つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ738は、1つ以上のセンサを含むことができる。センサ738は、分割された電極を使用して組織の位置を判定するために、クランプアーム716上に配置されてもよい。トルクセンサ744a~744eは、とりわけ、発射力、閉鎖力及び/又は関節運動力などの力を感知するように構成されてもよい。したがって、制御回路710は、(1)遠位閉鎖管によって経験される閉鎖負荷及びその位置、(2)ラックにある発射部材及びその位置、(3)超音波ブレード718のどの部分がその上に組織を有しているか、及び(4)両方の関節運動ロッド上の負荷及び位置を感知することができる。
【0136】
一態様では、1つ以上のセンサ738は、クランプ状態の間のクランプアーム716における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの規模に伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ738は、クランプアーム716と超音波ブレード718との間に圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ738は、クランプアーム716と超音波ブレード718との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0137】
一態様では、センサ738は、とりわけ、1つ以上のリミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、磁気抵抗(MR)装置、巨大磁気抵抗(GMR)装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチとして実装されてもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計及び慣性センサを含んでもよい。
【0138】
一態様では、センサ738は、閉鎖駆動システムによってクランプアーム716に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ以上のセンサ738は、閉鎖管によってクランプアーム716に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とクランプアーム716との間の相互作用点に位置してもよい。クランプアーム716に対して及ぼされる力は、クランプアーム716と超音波ブレード718との間に捕捉された組織切片によって経験される組織圧縮を表すものであり得る。1つ以上のセンサ738は、閉鎖駆動システムに沿った様々な相互作用点に配置されて、閉鎖駆動システムによってクランプアーム716に加えられる閉鎖力を検出することができる。1つ以上のセンサ738は、クランプ動作中にリアルタイムで、制御回路710のプロセッサによってサンプリングされてもよい。制御回路710は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、クランプアーム716に加えられる閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0139】
一態様では、電流センサ736を用いて、モータ704a~704eのそれぞれによって引き込まれる電流を測定することができる。閉鎖部材714などの可動機械的要素のいずれかを前進させるのに必要な力は、モータ704a~704eのうちの1つによって引き込まれる電流に対応する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路710に提供される。制御回路710は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成することができる。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ702内の閉鎖部材714を目標速度又はその付近で移動させることができる。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、線形二次(LQR)及び/又は適応型コントローラが挙げられるがこれらに限定されない、任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月29日出願の「CLOSED LOOP VELOCITY CONTROL TECHNIQUES FOR ROBOTIC SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/636,829号に開示されている。
【0140】
図18は、本開示の一態様による、変位部材の遠位並進を制御するように構成されている外科用器具750の概略図を示す。一態様では、外科用器具750は、閉鎖部材764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具750は、クランプアーム766と、閉鎖部材764と、超音波発生器771によって駆動される超音波変換器769に連結された超音波ブレード768と、を備え得るエンドエフェクタ752を備える。
【0141】
閉鎖部材764などの直線変位部材の位置、移動、変位及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ機構及び位置センサ784によって測定することができる。閉鎖部材764が長手方向に移動可能な駆動部材に連結されているため、閉鎖部材764の位置は、位置センサ784を使用して、長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、閉鎖部材764の位置、変位及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ784によって達成され得る。制御回路760は、閉鎖部材764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされてもよい。いくつかの例では、制御回路760は、プロセッサ若しくは複数のプロセッサに、記載される方法で変位部材、例えば閉鎖部材764を制御させる命令を実行するため、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ又は他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定された閉鎖部材764の位置をタイマー/カウンタ781の出力と相関させる。その結果、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)における閉鎖部材764の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
【0142】
制御回路760は、モータ設定点信号772を生成してもよい。モータ設定点信号772は、モータコントローラ758に提供されてもよい。モータコントローラ758は、本明細書で説明するように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの例では、モータ754は、ブラシ付きDC電気モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例してもよい。いくつかの例では、モータ754はブラシレスDC電気モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
【0143】
モータ754は、エネルギー源762から電力を受け取ることができる。エネルギー源762は、電池、スーパーキャパシタ又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達機構756を介して閉鎖部材764に機械的に連結され得る。伝達機構756は、モータ754を閉鎖部材764に連結するための1つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ784は、閉鎖部材764の位置を感知し得る。位置センサ784は、閉鎖部材764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの例では、位置センサ784は、閉鎖部材764が遠位方向及び近位方向に並進すると、一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されているエンコーダを含んでもよい。制御回路760は、パルスを追跡して閉鎖部材764の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、閉鎖部材764の動きを示す他の信号を提供することができる。また、いくつかの例では、位置センサ784は省略されてもよい。モータ754がステップモータである場合、制御回路760は、モータ754が実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、閉鎖部材764の位置を追跡することができる。位置センサ784は、エンドエフェクタ752内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。
【0144】
制御回路760は、1つ以上のセンサ788と通信することができる。センサ788は、エンドエフェクタ752上に位置決めされ、外科用器具750と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ及び/又はエンドエフェクタ752の1つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ788は、1つ以上のセンサを含むことができる。
【0145】
1つ以上のセンサ788は、クランプ状態の間のクランプアーム766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの規模に伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、クランプアーム766と超音波ブレード768との間に圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成されている圧力センサを備えてもよい。センサ788は、クランプアーム766と超音波ブレード768との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
【0146】
センサ788は、閉鎖駆動システムによってクランプアーム766に及ぼされる力を測定するように構成され得る。例えば、1つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってクランプアーム766に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とクランプアーム766との間の相互作用点に位置してもよい。クランプアーム766に対して及ぼされる力は、クランプアーム766と超音波ブレード768との間に捕捉された組織切片によって経験される組織圧縮を表すものであり得る。1つ以上のセンサ788は、閉鎖駆動システムに沿った様々な相互作用点に配置されて、閉鎖駆動システムによってクランプアーム766に加えられる閉鎖力を検出することができる。1つ以上のセンサ788は、クランプ動作中にリアルタイムで、制御回路760のプロセッサによってサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して時間ベースの情報を提供及び分析し、クランプアーム766に加えられる閉鎖力をリアルタイムで評価する。
【0147】
モータ754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ786を用いることができる。閉鎖部材764を前進させるのに必要な力は、モータ754によって引き込まれる電流に相当する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
【0148】
制御回路760は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成することができる。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ752内の閉鎖部材764を目標速度又はその付近で移動させることができる。外科用器具750は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、LQR及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない、任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。外科用器具750は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。
【0149】
外科用器具750の実際の駆動システムは、ギアボックス、並びに関節運動及び/又はナイフシステムへの機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータによって、変位部材、切断部材又は閉鎖部材764を駆動するように構成されている。別の例は、交換式シャフト組立体の、例えば変位部材及び関節運動ドライバを動作させる電気モータ754である。外部影響とは、組織、周囲体及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電気モータ754に反して作用する障害と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
【0150】
様々な例示的態様は、モータ駆動の外科用封止及び切断器具を有するエンドエフェクタ752を備える外科用器具750に関する。例えば、モータ754は、エンドエフェクタ752の長手方向軸に沿って遠位方向及び近位方向に変位部材を駆動してもよい。エンドエフェクタ752は、枢動可能なクランプアーム766と、使用のために構成されるときは、クランプアーム766の反対側に位置付けられた超音波ブレード768と、を備えてもよい。臨床医は、本明細書に記載されるように、クランプアーム766と超音波ブレード768との間に組織を把持してもよい。器具750を使用する準備が整うと、臨床医は、例えば器具750のトリガを押すことによって発射信号を提供することができる。発射信号に応答して、モータ754は、変位部材をエンドエフェクタ752の長手方向軸に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位方向に駆動することができる。変位部材が遠位方向に並進すると、遠位端に位置付けられた切断要素を備える閉鎖部材764は、超音波ブレード768とクランプアーム766との間の組織を切断することができる。
【0151】
様々な例で、外科用器具750は、1つ以上の組織状態に基づいて、例えば閉鎖部材764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた制御回路760を備えてもよい。制御回路760は、本明細書に記載されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路760は、組織状態に基づいて制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより高速で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。
【0152】
いくつかの例では、制御回路760は、最初に、モータ754を、変位部材のストロークの第1の開ループ部分に対する開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間の器具750の応答に基づいて、制御回路760は、発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ754に提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などを挙げることができる。開ループ部分の後、制御回路760は、変位部材ストロークの第2の部分に対して、選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路760は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ754を閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月29日出願の「SYSTEM AND METHODS FOR CONTROLLING A DISPLAY OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/720,852号に開示されている。
【0153】
図19は、本開示の一態様による、様々な機能を制御するように構成されている外科用器具790の概略図である。一態様では、外科用器具790は、閉鎖部材764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具790は、クランプアーム766と、閉鎖部材764と、1つ以上のRF電極796(破線で示される)と交換されるか、又はそれと連動して動作し得る超音波ブレード768とを備え得るエンドエフェクタ792を備える。超音波ブレード768は、超音波発生器771によって駆動される超音波変換器769に連結されている。
【0154】
一態様では、センサ788は、とりわけ、リミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、MR装置、GMR装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ638は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ788は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計及び慣性センサを含んでもよい。
【0155】
一態様では、位置センサ784は、Austria Microsystems(AG)から入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備える絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。位置センサ784は、制御回路760とインターフェース接続して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられ、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
【0156】
一部の例では、位置センサ784は省略されてもよい。モータ754がステップモータである場合、制御回路760は、モータが実行するように指示されたステップの数及び方向を合計することによって、閉鎖部材764の位置を追跡することができる。位置センサ784は、エンドエフェクタ792内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。
【0157】
制御回路760は、1つ以上のセンサ788と通信することができる。センサ788は、エンドエフェクタ792上に位置決めされ、外科用器具790と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光センサ及び/又はエンドエフェクタ792の1つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ788は、1つ以上のセンサを含むことができる。
【0158】
RFエネルギー源794は、エンドエフェクタ792に連結され、RF電極796が超音波ブレード768の代わりにエンドエフェクタ792内に提供されるとき、又は超音波ブレード768と連動して動作するように提供されるとき、RF電極796に印加される。例えば、超音波ブレードは、導電性金属で作製され、電気外科用RF電流のリターンパスとして使用されてもよい。制御回路760は、RF電極796へのRFエネルギーの送達を制御する。
【0159】
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月28日出願の「SURGICAL SYSTEM COUPLABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」と題する米国特許出願第15/636,096号に開示されている。
【0160】
発生器ハードウェア
様々な態様では、スマート超音波エネルギー装置は、超音波ブレードの動作を制御するための適応アルゴリズムを含んでもよい。一態様では、超音波ブレード適応制御アルゴリズムは、組織の種類を特定し、装置パラメータを調整するように構成される。一態様では、超音波ブレード制御アルゴリズムは、組織の種類をパラメータ化するように構成される。超音波ブレードの遠位先端の振幅を調整するために組織のコラーゲン/弾性比を検出するためのアルゴリズムが、本開示の以下の項で説明される。スマート超音波エネルギー装置の様々な態様が、例えば図12~19に関連して本明細書で説明される。したがって、適応型超音波ブレード制御アルゴリズムの以下の説明は、図12~19及びこれらに関連する説明と併せて読まれるべきである。
【0161】
特定の外科処置では、適応型超音波ブレード制御アルゴリズムを用いることが望ましい。一態様では、超音波ブレードと接触する組織の種類に基づいて、超音波装置のパラメータを調節するために、適応型超音波ブレード制御アルゴリズムを用いてもよい。一態様では、超音波装置のパラメータは、超音波エンドエフェクタのジョー内の組織の位置、例えば、クランプアームと超音波ブレードとの間の組織の位置に基づいて調節されてもよい。超音波トランスデューサのインピーダンスは、組織のどの程度の割合がエンドエフェクタの遠位端又は近位端に位置するかを識別するために用いられてもよい。超音波装置の反応は、組織の種類又は組織の圧縮率に基づき得る。別の態様では、超音波装置のパラメータは、特定された組織の種類又はパラメータ化に基づいて調節されてもよい。例えば、超音波ブレードの遠位先端の機械的変位振幅は、組織識別手順中に検出されたエラスチン組織に対するコラーゲンの割当量(ration)に基づいて調整されてもよい。コラーゲンとエラスチン組織との比は、赤外線(IR)表面反射率及び放射率を含む様々な技術を使用して検出され得る。クランプアーム及び/又はクランプアームのストロークによって組織に加えられて間隙及び圧縮を生じさせる力。電極を備えたジョー全体の電気的導通を用いて、ジョーのどの程度の割合が組織で覆われているかを判定することができる。
【0162】
図20は、本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式通信ハブを備える外科用データネットワーク内で適応型超音波ブレード制御アルゴリズムを実行するように構成されたシステム800である。一態様では、発生器モジュール240は、適応型超音波ブレード制御アルゴリズム802を実行するように構成されている。別の態様では、装置/器具235は、適応型超音波ブレード制御アルゴリズム804を実行するように構成されている。別の態様では、発生器モジュール240及び装置/器具235の両方が、本明細書に記載される適応型超音波ブレード制御アルゴリズム802、804を実行するように構成されている。
【0163】
発生器モジュール240は、電力変圧器を介して非絶縁段階と通信する患者絶縁段階を備えてもよい。電力変圧器の二次巻線は、絶縁段階内に収容され、例えば、超音波外科用器具、RF電気外科用器具、並びに単独又は同時に送達可能な超音波及びRFエネルギーモードを含む多機能型外科用器具などの様々な外科用器具に駆動信号を送達するために駆動信号出力部を画定するためのタップ構成(例えば、センタタップ又は非センタタップ構成)を備え得る。具体的には、駆動信号出力部は、超音波駆動信号(例えば、420Vの二乗平均平方根(root-mean-square、RMS)駆動信号)を超音波外科用器具241に出力することができ、駆動信号出力部は、RF電気外科駆動信号(例えば、100VのRMS駆動信号)をRF電気外科用器具241に出力することができる。発生器モジュール240の態様は、図21~22を参照して本明細書で説明される。
【0164】
発生器モジュール240、若しくは装置/器具235、又はその両方は、例えば、図8図11を参照して説明されている、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置などの複数の手術室装置に接続されたモジュール式制御タワー236に連結されている。
【0165】
図21は、超音波器具と連結するように構成され、かつ、図20に示すモジュール式通信ハブを備える外科用データネットワーク内で適応型超音波ブレード制御アルゴリズムを実行するように更に構成されている発生器の一形態である、発生器900の例を示す。発生器900は、複数のエネルギーモダリティを外科用器具に送達するように構成されている。発生器900は、エネルギーを外科用器具に送達するためのRF信号及び超音波信号を単独で又は同時にのいずれかで提供する。RF信号及び超音波信号は、単独で又は組み合わせて提供されてもよく、また同時に提供されてもよい。上述したように、少なくとも1つの発生器出力部は、単一のポートを通して複数のエネルギーモダリティ(例えば、とりわけ超音波、双極若しくは単極RF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法並びに/又はマイクロ波エネルギー)を送達することができ、これらの信号は、組織を治療するために個別に又は同時にエンドエフェクタに送達することができる。発生器900は、波形発生器904に連結されたプロセッサ902を備える。プロセッサ902及び波形発生器904は、プロセッサ902に連結されたメモリに記憶された情報(開示を明瞭にするために示されず)に基づいて、様々な信号波形を発生するように構成されている。波形に関連するデジタル情報は、デジタル入力をアナログ出力に変換するために1つ以上のDAC回路を含む波形発生器904に提供される。アナログ出力は、信号調節及び増幅のために、増幅器1106に供給される。増幅器906の、調節され増幅された出力は、電力変圧器908に連結されている。信号は、電力変圧器908を横断して患者絶縁側にある二次側に連結されている。第1のエネルギーモダリティの第1の信号は、外科用器具のENERGY及びRETURNとラベルされた端子間に提供される。第2のエネルギーモダリティの第2の信号は、コンデンサ910を横断して連結され、外科用器具のENERGY及びRETURNとラベルされた端子間に提供される。2つを超えるエネルギーモダリティが出力されてもよく、したがって添え字「n」は、最大n個のENERGY端子が提供され得ることを示すために使用することができ、ここでnは、1超の正の整数であることが理解されよう。最大「n」個のリターンパス(RETURN)が、本開示の範囲から逸脱することなく提供されてもよいことも理解されよう。
【0166】
第1の電圧感知回路912は、ENERGY及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。第2の電圧感知回路924は、ENERGY及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。電流感知回路914は、いずれかのエネルギーモダリティの出力電流を測定するために、図示される電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配設される。異なるリターンパスが各エネルギーモダリティに対して提供される場合、別個の電流感知回路は各リターン区間で提供されねばならない。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力が対応の絶縁変圧器916、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器918に提供される。電力変圧器908の一次側(非患者絶縁側)における絶縁変圧器916、928、922の出力は、1つ以上のADC回路926に提供される。ADC回路926のデジタル化された出力は、更なる処理及び計算のためにプロセッサ902に提供される。出力電圧及び出力電流のフィードバック情報は、外科用器具に提供される出力電圧及び電流を調整するために、出力インピーダンスなどのパラメータを計算するために使用することができる。プロセッサ902と患者絶縁回路との間の入力/出力通信は、インターフェース回路920を介して提供される。センサもまた、インターフェース回路920を介してプロセッサ902と電気通信してもよい。
【0167】
一態様では、インピーダンスは、ENERGY/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第1の電圧感知回路912又はENERGY/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第2の電圧感知回路924のいずれかの出力を、電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配置された電流感知回路914の出力で割ることによって、プロセッサ902により判定され得る。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力は、個別の絶縁変圧器916、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器916に提供される。ADC回路926からのデジタル化された電圧及び電流感知測定値は、インピーダンスを計算するためにプロセッサ902に提供される。一例として、第1のエネルギーモダリティENERGYは超音波エネルギーであってもよく、第2のエネルギーモダリティENERGYはRFエネルギーであってもよい。それでも、超音波エネルギーモダリティ及び双極又は単極RFエネルギーモダリティに加えて、他のエネルギーモダリティには、数ある中でも不可逆並びに/又は可逆電気穿孔法及び/若しくはマイクロ波エネルギーが挙げられる。また、図21に例示された例は、単一のリターンパス(RETURN)が2つ以上のエネルギーモダリティに提供され得ることを示しているが、他の態様では、複数のリターンパスRETURNが、各エネルギーモダリティENERGYに提供されてもよい。したがって、本明細書に記載されるように、超音波トランスデューサのインピーダンスは、第1の電圧感知回路912の出力を電流感知回路914で割ることによって測定されてもよく、組織のインピーダンスは、第2の電圧感知回路924の出力を電流感知回路914で割ることによって測定されてもよい。
【0168】
図21に示すように、少なくとも1つの出力ポートを含む発生器900は、実行される組織の処置の種類に応じて、電力を、例えば、とりわけ超音波、双極若しくは単極RF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波エネルギーなどの1つ以上のエネルギーモダリティの形態でエンドエフェクタに提供するために、単一の出力部を有し、かつ複数のタップを有する電力変圧器908を含むことができる。例えば、発生器900は、超音波トランスデューサを駆動するために高電圧かつ低電流のエネルギーを送達し、RF電極を駆動して組織を封止するために低電圧かつ高電流のエネルギーを送達し、又は単極又は双極RF電気外科用電極のいずれかを用いたスポット凝固のために凝固波形を有するエネルギーを送達することができる。発生器900からの出力波形は、周波数を外科用器具のエンドエフェクタに提供するために、誘導、切り替え又はフィルタリングされ得る。超音波トランスデューサの、発生器900の出力部への接続部は、好ましくは、図21に示すようにENERGYとラベルされた出力部とRETURNとの間に位置するであろう。一例では、RF双極電極の、発生器900の出力部への接続部は、好ましくは、ENERGYとラベルされた出力部とRETURNとの間に位置するであろう。単極出力の場合、ENERGY出力部へ活性電極(例えば、ペンシル型又は他のプローブ)を接続し、RETURN出力部に好適なリターンパッドを接続することが好ましいであろう。
【0169】
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR OPERATING GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS AND SURGICAL INSTRUMENTS」と題する2017年3月30日公開の米国特許出願公開第2017/0086914号に開示されている。
【0170】
本説明全体で使用される用語「無線」及びその派生語は、非固体媒体を介して変調電磁放射線の使用を通じてデータを通信し得る回路、装置、システム、方法、技術、通信チャネルなどを説明するために使用されてもよい。この用語は、関連する装置がいかなる有線も含まないことを意味するものではないが、いくつかの態様では、それらは存在しない可能性がある。通信モジュールは、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、これらのイーサネット派生物のみならず、3G、4G、5G及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない、多数の無線又は有線通信規格又はプロトコルのうちのいずれかを実装してもよい。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
【0171】
本明細書で使用するとき、プロセッサ又は処理ユニットは、いくつかの外部データソース(通常はメモリ)又は何らかの他のデータストリーム上で動作を実行する電子回路である。この用語は、本明細書では、多くの専用「プロセッサ」を組み合わせたシステム又はコンピュータシステム(特にシステムオンチップ(systems on a chip、SoC))内の中央プロセッサ(中央処理ユニット)を指すために使用される。
【0172】
本明細書で使用するとき、システムオンチップ(SoC又はSOC)は、コンピュータ又は他の電子システムの全ての構成要素を統合する集積回路(「IC」又は「チップ」としても知られる)である。これは、デジタル、アナログ、混合信号及び多くの場合は高周波数機能を、全て単一の基材上に含むことができる。SoCは、マイクロコントローラ(又はマイクロプロセッサ)を、グラフィックス処理ユニット(GPU)、Wi-Fiモジュール又はコプロセッサなどの最新の周辺装置と統合する。SoCは、内蔵メモリを含んでもよく、含まなくてもよい。
【0173】
本明細書で使用するとき、マイクロコントローラ又はコントローラは、マイクロプロセッサを周辺回路及びメモリと統合するシステムである。マイクロコントローラ(又はマイクロコントローラユニットのMCU)は、単一の集積回路上の小型コンピュータとして実装されてもよい。これはSoCと同様であってもよく、SoCは、その構成要素の1つとしてマイクロコントローラを含み得る。マイクロコントローラは、1つ以上のコア処理ユニット(CPU)と共にメモリ及びプログラム可能な入力/出力周辺機器を収容することができる。強誘電性のRAM、NORフラッシュ又はOTP ROMの形態のプログラムメモリ及び少量のRAMもまた、チップ上にしばしば含まれる。マイクロコントローラは、パーソナルコンピュータ又は様々な個別のチップで構成された他の汎用用途で使用されるマイクロプロセッサとは対照的に、組み込み型用途用に採用され得る。
【0174】
本明細書で使用するとき、コントローラ又はマイクロコントローラという用語は、周辺装置とインターフェース接続するスタンドアロンIC又はチップ装置であってもよい。これは、その装置の動作(及び当該装置との接続)を管理する外部装置上のコンピュータ又はコントローラの2つの部分間の連結部であってもよい。
【0175】
本明細書で説明されるプロセッサ又はマイクロコントローラはいずれも、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。このプロセッサコアは、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)、1つ以上のパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(quadrature encoder input、QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む。なお、その詳細は、製品データシートで入手可能である。
【0176】
一態様では、プロセッサは、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0177】
モジュール式装置は、外科用ハブ内に受容可能な(例えば図3及び図9に関連して説明される)モジュールと、対応する外科用ハブと接続又はペアリングするために様々なモジュールに接続することができる外科用装置又は器具と、を含む。モジュール式装置としては、例えば、インテリジェント外科用器具、医療用撮像装置、吸引/灌注装置、排煙器、エネルギー発生器、ベンチレータ、吸入器及びディスプレイが挙げられる。本明細書に記載されるモジュール式装置は、制御アルゴリズムによって制御することができる。制御アルゴリズムは、モジュール式装置自体上で、特定のモジュール式装置がペアリングされる外科用ハブ上で、又はモジュール式装置及び外科用ハブの両方の上で(例えば、分散コンピューティングアーキテクチャを介して)、実行され得る。いくつかの例示では、モジュール式装置の制御アルゴリズムは、モジュール式装置自体によって(すなわち、モジュール式装置内の、モジュール式装置上の、又はモジュール式装置に接続されたセンサによって)感知されたデータに基づいて装置を制御する。このデータは、手術中の患者に関連するもの(例えば、組織特性又は送気圧)であってもよく、又はモジュール式装置自体(例えば、前進するナイフの速度、モータ電流、又はエネルギーレベル)に関連するものであってもよい。例えば、外科用ステープル留め及び切断器具の制御アルゴリズムは、ナイフが前進する際にナイフにより生じた抵抗に基づき、器具のモータが組織を貫いてそのナイフを駆動させる速度を制御することができる。
【0178】
図22は、発生器1100と、これと共に使用可能な様々な外科用器具1104、1106、1108と、を備える外科システム1000の一形態を示し、外科用器具1104は超音波外科用器具であり、外科用器具1106はRF電気外科用器具であり、多機能型外科用器具1108は組み合わせ超音波/RF電気外科用器具である。発生器1100は、様々な外科用器具と共に使用するように構成可能である。様々な形態によれば、発生器1100は、例えば、超音波外科用器具1104、RF電気外科用器具1106、並びに発生器1100から同時に送達されるRFエネルギー及び超音波エネルギーを統合する多機能型外科用器具1108を含む様々な種類の様々な外科用装置と共に使用するように構成可能であり得る。図22の形態では、発生器1100は、外科用器具1104、1106、1108とは別個に示されているが、一形態では、発生器1100は、外科用器具1104、1106、1108のうちのいずれかと一体的に形成されて、一体型外科システムを形成してもよい。発生器1100は、発生器1100のコンソールの前側パネル上に位置する入力装置1110を含む。入力装置1110は、発生器1100の動作をプログラムするのに適した信号を生成する任意の適切な装置を含むことができる。発生器1100は、有線又は無線通信用に構成されてもよい。
【0179】
発生器1100は、複数の外科用器具1104、1106、1108を駆動するように構成される。第1の外科用器具は超音波外科用器具1104であり、ハンドピース1105(handpiece、HP)、超音波トランスデューサ1120、シャフト1126、及びエンドエフェクタ1122を備える。エンドエフェクタ1122は、超音波トランスデューサ1120と音響的に連結された超音波ブレード1128及びクランプアーム1140を備える。ハンドピース1105は、クランプアーム1140を動作させるトリガ1143と、超音波ブレード1128又は他の機能にエネルギーを供給し、駆動するためのトグルボタン1134a、1134b、1134cの組み合わせと、を備える。トグルボタン1134a、1134b、1134cは、発生器1100を用いて超音波トランスデューサ1120にエネルギーを供給するように構成することができる。
【0180】
発生器1100はまた、第2の外科用器具1106を駆動するようにも構成される。第2の外科用器具1106は、RF電気外科用器具であり、ハンドピース1107(HP)、シャフト1127、及びエンドエフェクタ1124を備える。エンドエフェクタ1124は、クランプアーム1142a、1142b内に電極を備え、シャフト1127の導電体部分を通って戻る。電極は、発生器1100内の双極エネルギー源に連結され、双極エネルギー源によってエネルギーを供給される。ハンドピース1107は、クランプアーム1142a、1142bを動作させるためのトリガ1145と、エンドエフェクタ1124内の電極にエネルギーを供給するためのエネルギースイッチを作動するためのエネルギーボタン1135と、を備える。
【0181】
発生器1100はまた、多機能型外科用器具1108を駆動するようにも構成される。多機能型外科用器具1108は、ハンドピース1109(HP)、シャフト1129、及びエンドエフェクタ1125を備える。エンドエフェクタ1125は、超音波ブレード1149及びクランプアーム1146を備える。超音波ブレード1149は、超音波トランスデューサ1120と音響的に連結される。ハンドピース1109は、クランプアーム1146を動作させるトリガ1147と、超音波ブレード1149又は他の機能にエネルギーを供給し、駆動するためのトグルボタン1137a、1137b、1137cの組み合わせと、を備える。トグルボタン1137a、1137b、1137cは、発生器1100を用いて超音波トランスデューサ1120にエネルギーを供給し、かつ同様に発生器1100内に収容された双極エネルギー源を用いて超音波ブレード1149にエネルギーを供給するように構成することができる。
【0182】
発生器1100は、様々な外科用器具と共に使用するように構成可能である。様々な形態によれば、発生器1100は、例えば、超音波外科用器具1104、RF電気外科用器具1106、並びに発生器1100から同時に送達されるRFエネルギー及び超音波エネルギーを統合する多機能型外科用器具1108を含む様々な種類の様々な外科用装置と共に使用するように構成可能であり得る。図22の形態では、発生器1100は、外科用器具1104、1106、1108とは別個に示されているが、別の形態では、発生器1100は、外科用器具1104、1106、1108のうちのいずれか1つと一体的に形成されて、一体型外科システムを形成してもよい。上述したように、発生器1100は、発生器1100のコンソールの前側パネル上に位置する入力装置1110を含む。入力装置1110は、発生器1100の動作をプログラムするのに適した信号を生成する任意の適切な装置を含むことができる。発生器1100はまた、1つ以上の出力装置1112を含んでもよい。電気信号波形をデジタル的に生成するための発生器、及び外科用器具の更なる態様は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2017-0086914-(A1)号に記載されている。
【0183】
状況認識
感知されたデータに応答する制御アルゴリズムを含む「インテリジェント」装置は、感知されたデータを考慮することなく動作する「データ処理能力のない(dumb)」装置に改善を加えたものであり得るが、いくつかの感知されたデータは、単独で考慮される場合、すなわち、実行される外科処置のタイプ又は手術されている組織のタイプのコンテキストなしには、不完全又は決定的ではない可能性がある。処置コンテキストを知る(例えば、手術される組織のタイプ又は行われている処置のタイプを知る)ことがなければ、制御アルゴリズムは、特定のコンテキストを含まない感知データが与えられると、モジュール式装置を不正確に又は準最適に制御することがある。例えば、特定の感知されたパラメータに応答して外科用器具を制御するための制御アルゴリズムの最適な方法は、手術されている特定の組織のタイプによって変化する可能性がある。これは、異なる組織のタイプが異なる特性(例えば、引き裂きに対する抵抗)を有し、そのため、外科用器具によってとられた動作に対して異なって応答するという事実に起因する。したがって、特定のパラメータについて同じ測定値が感知された場合であっても、外科用器具が異なる動作をとることが望ましいことがある。1つの具体的な例として、外科用ステープル留め及び切断器具がそのエンドエフェクタを閉鎖するために予想外に高い力を感知することに応答してその器具を制御する最適な方法は、組織のタイプが引き裂きの影響を受けやすいか、又はこれに耐性があるかによって異なる。肺組織など、引き裂きの影響を受けやすい組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、組織の引き裂きを回避するために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適にランプダウンさせる。胃組織など、引き裂きに耐性がある組織の場合、器具の制御アルゴリズムは、エンドエフェクタが組織に適切にクランプされることを確実にするために、閉鎖するための予想外に高い力に応答してモータを最適にランプアップさせる。肺組織がクランプされているのか、胃組織がクランプされているのかを知らなければ、制御アルゴリズムは、準最適な決定を行う可能性がある。
【0184】
1つの解決策は、様々なデータソースから受信したデータに基づいて行われている外科処置に関する情報を導出し、次いで、ペアリングされたモジュール式装置を適宜制御するように構成されたシステムを含む、外科用ハブを利用する。換言すれば、外科用ハブは、受信したデータから外科処置に関する情報を推測し、次いで、外科処置の推定されたコンテキストに基づいて、外科用ハブとペアリングされたモジュール式装置を制御するように構成されている。図23は、本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科システム5100の図を示す。いくつかの例示では、データソース5126は、例えば、モジュール式装置5102(患者及び/又はモジュール式装置自体に関連付けられたパラメータを検出するように構成されたセンサを含み得る)、データベース5122(例えば、患者記録を含むEMRデータベース)、及び患者監視装置5124(例えば、血圧(BP)モニタ及び心電図(EKG)モニタ)を含む。外科用ハブ5104は、例えば、受信したデータの特定の組み合わせ又はデータソース5126からデータが受信される特定の順序に基づいて、データから外科処置に関するコンテキスト情報を導出するように構成され得る。受信したデータから推定されるコンテキスト情報は、例えば、行われる外科処置のタイプ、外科医が行っている外科処置の特定の工程、手術されている組織のタイプ、又は処置の対象である体腔を含み得る。受信したデータから外科処置に関連する情報を導出又は推定するための外科用ハブ5104のいくつかの態様によるこの能力は、「状況認識」と称され得る。1つの例示では、外科用ハブ5104は、受信したデータから外科処置に関連するコンテキスト情報を導出する外科用ハブ5104に関連付けられたハードウェア及び/又はプログラミングである状況認識システムを組み込むことができる。
【0185】
外科用ハブ5104の状況認識システムは、様々な異なる方法でデータソース5126から受信したデータからコンテキスト情報を導出するように構成され得る。1つの例示では、状況認識システムは、様々な入力(例えば、データベース5122、患者監視装置5124、及び/又はモジュール式装置5102からのデータ)を、外科処置に関する対応するコンテキスト情報と相関させるために、訓練データで訓練されたパターン認識システム、又は機械学習システム(例えば、人工ニューラルネットワーク)を含む。換言すれば、機械学習システムは、提供された入力から外科処置に関するコンテキスト情報を正確に導出するように訓練され得る。別の例示では、状況認識システムは、外科処置に関する事前に特徴付けされたコンテキスト情報を、コンテキスト情報に対応する1つ以上の入力(又は入力の範囲)と対応させて記憶する、ルックアップテーブルを含み得る。1つ以上の入力による問い合わせに応答して、ルックアップテーブルは、モジュール式装置5102を制御するために状況認識システムの対応するコンテキスト情報を返すことができる。1つの例示では、外科用ハブ5104の状況認識システムによって受信されたコンテキスト情報は、1つ以上のモジュール式装置5102の特定の制御調整又は一連の制御調整に関連付けられる。別の例示では、状況認識システムは、コンテキスト情報を入力として提供されたときに1つ以上のモジュール式装置5102の1つ以上の制御調整を生成又は検索する、更なる機械学習システム、ルックアップテーブル、又はその他のそのようなシステムを含む。
【0186】
状況認識システムを組み込む外科用ハブ5104は、外科用システム5100に多くの利益を提供する。1つの利益は、感知及び収集されたデータの解釈を改善することを含み、これは、外科処置の過程中の処理精度及び/又はデータの使用を改善する。以前の例に戻るために、状況認識した外科用ハブ5104は、どのタイプの組織が手術されているかを判定することができ、したがって、外科用器具のエンドエフェクタを閉じるために予想外に高い力が検出されると、状況認識した外科用ハブ5104は、組織のタイプに合わせて外科用器具のモータを正しくランプアップ又はランプダウンさせることができる。
【0187】
別の実施例として、手術されている組織のタイプは、特定の組織間隙測定のための外科用ステープル留め及び切断器具の圧縮速度及び負荷閾値になされる調整に影響を及ぼし得る。状況認識した外科用ハブ5104は、行われている外科処置が胸部処置であるのか又は腹部処置であるのかを推定することができ、これにより外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具のエンドエフェクタによってクランプされている組織が肺であるのか(胸部手術の場合)又は胃であるのか(腹部手術の場合)を判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具の圧縮速度及び負荷閾値を、組織のタイプに合わせて適切に調整することができる。
【0188】
更に別の実施例として、送気処置中に手術されている体腔のタイプは、煙排出器の機能に影響を及ぼし得る。状況認識した手術ハブ5104は、手術部位が(外科処置が送気を利用していると判定することによって)圧力下にあるかどうかを判定し、処置タイプを判定することができる。処置タイプは概して特定の体腔内で実行されるため、外科用ハブ5104は、手術されている体腔に合わせて適切に煙排出器のモータ速度を制御することができる。したがって、状況認識した手術ハブ5104は、胸部手術及び腹部手術の両方のために一定量の煙排出を提供することができる。
【0189】
更に別の実施例として、行われている処置のタイプは、超音波外科用器具又は高周波(RF)電気外科器具が作動するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。例えば、関節鏡処置は、超音波外科用器具又はRF電気外科器具のエンドエフェクタが流体中に浸漬されるため、より高いエネルギーレベルを必要とする。状況認識した外科用ハブ5104は、外科処置が関節鏡処置であるかどうかを判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、流体充填環境を補償するために、発生器のRF電力レベル又は超音波振幅(すなわち、「エネルギーレベル」)を調整することができる。関連して、手術されている組織のタイプは、超音波外科用器具又はRF電気外科器具が作動するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。状況認識した外科用ハブ5104は、どのタイプの外科処置が行われているかを判定し、次いで、外科処置に関する予想される組織プロファイルに従って超音波外科用器具又はRF電気外科器具のエネルギーレベルをそれぞれカスタマイズすることができる。更に、状況認識した外科用ハブ5104は、処置別のみではなく、外科処置の過程にわたって、超音波外科用器具又はRF電気外科器具のエネルギーレベルを調整するように構成され得る。状況認識した外科用ハブ5104は、外科処置のどの工程が行われているか、又はその後に行われるかを判定し、次いで発生器及び/又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科器具の制御アルゴリズムを更新して、外科処置の工程に従って予想される組織タイプに適切な値にエネルギーレベルを設定することができる。
【0190】
更に別の例として、外科用ハブ5104が1つのデータソース5126から引き出す結論を改善するために、追加のデータソース5126からデータを引き出してもよい。状況認識した外科用ハブ5104は、モジュール式装置5102から受信したデータを、他のデータソース5126から外科処置に関して構築したコンテキスト情報で増強することができる。例えば、状況認識した外科用ハブ5104は、医療用撮像装置から受信したビデオ又は画像データに従って、止血が発生したかどうか(すなわち、手術部位での出血が止まったかどうか)を判定するように構成され得る。しかしながら、場合によっては、ビデオ又は画像データは、決定的ではない可能性がある。したがって、1つの例示では、外科用ハブ5104は、生理学的測定(例えば、外科用ハブ5104に通信可能に接続されたBPモニタによって感知された血圧)を、(例えば、外科用ハブ5104に通信可能に連結された医療用撮像装置124(図2)からの)止血の視覚データ又は画像データと比較して、ステープルライン又は組織溶着の完全性についての判定を行うように更に構成され得る。換言すれば、外科用ハブ5104の状況認識システムは、生理学的測定データを考慮して、可視化データを分析する際に追加のコンテキストを提供することができる。追加のコンテキストは、可視化データがそれ自体では決定的ではないか、又は不完全であり得る場合に有用であり得る。
【0191】
別の利益としては、外科処置の過程中に医療従事者が外科用システム5100と相互作用するか又はこれを制御するために必要とされる回数を低減するために、行われている外科処置の特定の工程に従って、ペアリングされたモジュール式装置5102を積極的かつ自動的に制御することが挙げられる。例えば、状況認識した外科用ハブ5104は、処置の後続の工程が器具の使用を必要とすると判定した場合に、RF電気外科器具が接続されている発生器を積極的に起動させることができる。エネルギー源を積極的に起動することにより、処置の先行する工程が完了するとすぐに器具を使用準備完了にすることができる。
【0192】
別の実施例として、状況認識した外科用ハブ5104は、外科処置の現在又は後続の工程が、ディスプレイ上の異なる視界又は拡大の度合いを必要とするかどうかを、外科医が見る必要があると予想される手術部位における特徴(複数可)に従って判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、(例えば、可視化システム108のために医療用撮像装置によって供給される)表示された視界を適切に積極的に変更することができ、その結果、ディスプレイは外科処置にわたって自動的に調整するようになる。
【0193】
更に別の例として、状況認識した手術ハブ5104は、外科処置のどの工程が行われているか、又はその後に実行されるか、及び特定のデータ又はデータ間の比較が外科処置のその工程に必要とされるかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、外科医が特定の情報を尋ねるのを待つことなく、行われている外科処置の工程に基づいて、自動的にデータスクリーンを呼び出すように構成され得る。
【0194】
別の利益としては、外科処置のセットアップ中又は外科処置の過程中にエラーをチェックすることが挙げられる。例えば、状況認識した外科用ハブ5104は、手術現場が、行われる外科処置のために適切に又は最適にセットアップされているかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、行われている外科処置のタイプを判定し、(例えば、メモリから)対応するチェックリスト、製品位置、又はセットアップニーズを読み出し、次いで、現在の手術現場のレイアウトを、外科用ハブ5104が行われていると判定した外科処置のタイプの標準レイアウトと比較するように構成され得る。1つの例示では、外科用ハブ5104は、処置(例えばスキャナによるスキャン)のための項目リスト、及び/又は外科用ハブ5104とペアリングされた装置のリストを、所与の外科処置のための項目及び/又は装置の推奨される又は予想されるマニフェストと比較するように構成され得る。リスト間に不連続性が存在する場合、外科用ハブ5104は、特定のモジュール式装置5102、患者監視装置5124、及び/又はその他の外科用アイテムが欠落していることを示す警告を提供するように構成され得る。1つの例示では、外科用ハブ5104は、例えば、近接センサによってモジュール式装置5102及び患者監視装置5124の相対距離又は位置を判定するように構成され得る。外科用ハブ5104は、装置の相対位置を、特定の外科処置のための推奨される又は予想されるレイアウトと比較することができる。レイアウト間に不連続性が存在する場合、外科用ハブ5104は、外科処置の現在のレイアウトが推奨されるレイアウトから逸脱していることを示す警告を提供するように構成され得る。
【0195】
別の例として、状況認識した外科用ハブ5104は、外科医(又は他の医療従事者)が誤りを犯しているか、又は別の方法で外科処置の過程中に求められる一連の行動から逸脱しているかどうかを判定することができる。例えば、外科用ハブ5104は、実施される外科処置のタイプを判定し、(例えば、メモリから)機器使用の工程又は順序の対応するリストを読み出し、次いで、外科処置の過程中に行われている工程、又は使用されている機器を、外科用ハブ5104が行われていると判定した外科処置のタイプの予想された工程又は機器と比較するように構成され得る。1つの例示では、外科用ハブ5104は、外科処理における特定の工程で、予期せぬ行為が行われているか、又は予期せぬ装置が利用されていることを示す警告を提供するように構成され得る。
【0196】
全体的に、外科用ハブ5104のための状況認識システムは、各外科処置の特定のコンテキストのために外科用器具(及び他のモジュール式装置5102)を調整し(例えば、異なる組織タイプに調整する)、手術処置中の行動を検証することによって、外科処置の結果を改善する。状況認識システムはまた、処置の特定のコンテキストに従って、次の工程を自動的に示唆すること、データを提供すること、及び手術現場内のディスプレイ及び他のモジュール式装置5102を調整することによって、外科処置を実行する際の外科医の効率を改善する。
【0197】
モジュール式エネルギーシステム
世界各地のORでは、外科手術を実施するために必要とされる装置の量に起因して、コード、装置、及び人が複雑に絡み合っている。大抵の手術用資本設備が単一の専門化した目的を実行するため、外科用資本設備がこの問題に対して主に寄与する傾向がある。それらの専門的な性質と、1つの外科手術過程において外科医が複数の異なるタイプの装置を利用する必要があることにより、ORは、2つ又は更にはより多くの外科用資本設備、例えばエネルギー発生器を備えざるを得ない。これらの外科用資本設備はそれぞれ、個別に電源に接続しなければならず、OR内の人員間で行き来する1つ以上の他の装置に接続される場合もあり、操縦が必要なコードの絡みにつながる。現代のORに直面する別の問題は、これらの専門的な外科用資本設備のそれぞれがそれぞれのユーザインターフェースを有することや、OR内の他の装置から独立して制御されなければならないことである。これにより、互いに接続した複数の異なる装置を適切に制御することが複雑になり、ユーザに対して、異なる種類のユーザインターフェース(各資本装置間の変化に加えて、実施される目的又は外科処置に基づいて更に変更され得る)に対する訓練と、記憶を強いることになる。この煩雑で複雑なプロセスにより、必然的にOR内により多くの人員が必要とされる場合があり、複数の装置が互いに連動して適切に制御されていない場合に危険性を招く可能性がある。したがって、外科用資本設備技術を、外科医のニーズに柔軟に対処し、OR内の手術資本設備の設置面積を減少することが可能な単一のシステムに統合することで、ユーザ体験が単純化され、OR内の乱雑さが軽減され、複数の資本設備を同時に制御することに関連する苦労や危険性が防止される。更に、そのようなシステムを拡張可能又はカスタマイズ可能にすることにより、新しい技術を既存の外科システムに便利に組み込むことを可能にし、外科システム全体を交換する必要性や、ORの人員が新しい技術それぞれについて新しいユーザインターフェース又は装置の制御を学習する必要性がなくなる。
【0198】
図1図11に記載されるように、外科用ハブ106は、様々なモジュールを互換的に受容するように構成することができ、このモジュールは次に、外科用装置(例えば、外科用器具又は排煙器)とインターフェースするか、又は様々な他の機能(例えば、通信)を提供することができる。一態様では、外科用ハブ106は、図24図30に関連して例示されるモジュール式エネルギーシステム2000として具現化することができる。モジュール式エネルギーシステム2000は、積み重ねられた構成で互いに接続可能な様々な異なるモジュール2001を含むことができる。一態様では、モジュール2001は、積み重ねられたとき、ないしは別の方法で単一アセンブリに接続されたときに、物理的かつ通信可能に共に連結され得る。更に、モジュール2001は、異なる組み合わせ又は構成で互いに互換的に接続可能であり得る。一態様では、モジュール2001のそれぞれは、それらの上面及び下面に沿って配設された一貫した、つまり汎用のコネクタアレイを備えることができ、それにより、任意のモジュール2001の任意の配置での別のモジュール2001への接続を可能にする(ただし、いくつかの態様では、ヘッダモジュール2002などの特定のモジュールタイプは、例えば、スタック内の最も上のモジュールとして機能するように構成することができる)。別の態様では、モジュール式エネルギーシステム2000は、図3及び図4に示されるように、モジュール2001を受容し保持するように構成されているハウジングを含むことができる。モジュール式エネルギーシステム2000はまた、これもモジュール2001に接続可能であるか、ないしは別の方法で関連可能である、様々な異なる構成要素又は付属品を含むことができる。別の態様では、モジュール式エネルギーシステム2000は、外科用ハブ106の発生器モジュール140、240(図3及び図10)として具現化することができる。更に別の態様では、モジュール式エネルギーシステム2000は、外科用ハブ106とは別個のシステムであり得る。そのような態様では、モジュール式エネルギーシステム2000は、それらの間でデータを送信及び/又は受信するために、外科用ハブ206に通信可能に結合可能であり得る。
【0199】
モジュール式エネルギーシステム2000は、様々な異なるモジュール2001から組み立てることができ、そのいくつかの例を図24に示す。異なる種類のモジュール2001のそれぞれは、異なる機能を提供することができ、それによってモジュール式エネルギーシステム2000を異なる構成に組み立てて、各モジュール式エネルギーシステム2000に含まれるモジュール2001をカスタマイズすることによって、モジュール式エネルギーシステム2000の機能及び性能をカスタマイズすることを可能にする。モジュール式エネルギーシステム2000のモジュール2001は、例えば、ヘッダモジュール2002(ディスプレイスクリーン2006を含み得る)、エネルギーモジュール2004、技術モジュール2040、及び可視化モジュール2042を含むことができる。図示される態様では、ヘッダモジュール2002は、モジュール式エネルギーシステムスタック内の頂部、つまり最上部モジュールとして機能するように構成され、したがって、その頂面に沿ったコネクタを欠いてもよい。別の態様では、ヘッダモジュール2002は、モジュール式エネルギーシステムスタック内の底部、つまり最下部モジュールに位置付けられるように構成されてもよく、したがって、その底面に沿ったコネクタを欠いてもよい。更に別の態様では、ヘッダモジュール2002は、モジュール式エネルギーシステムスタック内の中央位置に位置付けられるように構成されてもよく、したがって、その底面及び頂面に沿ったコネクタを含んでもよい。ヘッダモジュール2002は、上面の物理的制御部2011、及び/又はディスプレイスクリーン2006上にレンダリングされたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)2008を介して、各モジュール2001及びそこに接続された構成要素のシステム全体の設定を制御するように構成することができる。そのような設定は、モジュール式エネルギーシステム2000の起動、警告の音量、フットスイッチ設定、設定アイコン、ユーザインターフェースの外観若しくは構成、モジュール式エネルギーシステム2000にログインした外科医のプロファイル、及び/又は実行される外科処置のタイプを含むことができる。ヘッダモジュール2002はまた、ヘッダモジュール2002に接続されたモジュール2001の通信、処理、及び/又は電力供給を提供するように構成され得る。発生器モジュール140、240(図3及び図10)とも称され得るエネルギーモジュール2004は、図21に示される発生器900に関連して上述したように、電気外科用及び/又は超音波外科用器具を駆動するための1つ又は複数のエネルギーモダリティを発生するように構成され得る。技術モジュール2040は、追加の、又は拡張した制御アルゴリズム(例えば、エネルギーモジュール2040のエネルギー出力を制御するための電気外科又は超音波制御アルゴリズム)を提供するように構成され得る。可視化モジュール2042は、可視化デバイス(すなわち、スコープ)とインターフェースするように構成することができ、したがって、可視化能力を向上させることができる。
【0200】
モジュール式エネルギーシステム2000は、モジュール2001の機能を制御するためにモジュールに接続可能であるか、ないしは別の方法でモジュール式エネルギーシステム2000と連携して機能するように構成されている、様々な付属品2029を更に含むことができる。付属品2029は、例えば、単一ペダルフットスイッチ2032、二重ペダルフットスイッチ2034、及びモジュール式エネルギーシステム2000を支持するためのカート2030を含むことができる。フットスイッチ2032、2034は、例えば、エネルギーモジュール2004によって出力される特定のエネルギーモダリティの起動又は機能を制御するように構成することができる。
【0201】
モジュール式構成要素を利用することによって、描写されたモジュール式エネルギーシステム2000は、技術の利用と共に拡張し、施設及び/又は外科医の必要性に対してカスタマイズ可能である外科用プラットフォームを提供する。更に、モジュール式エネルギーシステム2000は、組み合わせ装置(例えば、電気外科及び超音波エネルギー発生器の二重装置)を支持し、カスタマイズされた組織効果のためのソフトウェア駆動アルゴリズムを支持する。また更に、外科システムアーキテクチャは、手術にとって重要な複数の技術を単一のシステムに組み合わせることによって、資本設置面積を低減する。
【0202】
モジュール式エネルギーシステム2000に関連して利用可能な様々なモジュール式構成要素は、単極エネルギー発生器、双極エネルギー発生器、電気外科/超音波エネルギー発生器の二重装置、ディスプレイスクリーン、及び様々な他のモジュール、並びに/又は他の構成要素を含むことができ、これらのいくつかもまた、図1~11に関連して上述されている。
【0203】
ここで図25Aを参照すると、ヘッダモジュール2002は、いくつかの態様では、ヘッダモジュール2002に接続されたモジュール2001に関する情報を中継するためのGUI2008をレンダリングする、ディスプレイスクリーン2006を含むことができる。いくつかの態様では、ディスプレイスクリーン2006のGUI2008は、モジュール式エネルギーシステム2000の特定の構成を作り出すモジュール2001の全ての統合された制御点を提供することができる。GUI2008の様々な態様は、図30に関連して以下でより詳細に論じられる。別の態様では、ヘッダモジュール2002は、ディスプレイスクリーン2006を欠く場合もあり、又はディスプレイスクリーン2006は、ヘッダモジュール2002のハウジング2010に取り外し可能に接続される場合もある。そのような態様では、ヘッダモジュール2002は、モジュール式エネルギーシステム2000のモジュール2001によって生成された情報を表示するように構成されている外部システムに通信可能に結合可能であり得る。例えば、ロボット外科用途では、モジュール式エネルギーシステム2000は、ロボットカート又はロボット制御コンソールに通信可能に結合可能であってよく、モジュール式エネルギーシステム2000によって生成された情報をロボット外科システムの操作者に表示するように構成されている。別の例として、モジュール式エネルギーシステム2000は、それを用いて見るために手術スタッフが持つ又はスタッフに固定できるモバイルディスプレイに通信可能に結合可能であり得る。更に別の例では、モジュール式エネルギーシステム2000は、図29に示されるように、外科用ハブ2100又はディスプレイ2104を含むことができる別のコンピュータシステムに通信可能に結合可能であり得る。モジュール式エネルギーシステム2000とは分かれているか、ないしは別の方法で別個であるユーザインターフェースを利用する態様では、ユーザインターフェースが接続されたモジュール2001からの情報を表示できるように、ユーザインターフェースは、全体としてのモジュール式エネルギーシステム2000、又はその1つ以上のモジュール2001と無線接続可能であり得る。
【0204】
更に図25Aを参照すると、エネルギーモジュール2004は、それに接続可能な対応する外科用器具に異なるエネルギーモダリティを送達するように構成されている多数の異なるポートを含む、ポートアセンブリ2012を含むことができる。図24図30に示される特定の態様では、ポートアセンブリ2012は、双極ポート2014と、第1の単極ポート2016aと、第2の単極ポート2018bと、中性極ポート2018(単極リターンパッドが接続可能)と、組み合わせエネルギーポート2020と、を含む。しかしながら、この特定のポートの組み合わせは、単に例示目的のために提供され、ポート及び/又はエネルギーモダリティの代替の組み合わせが、ポートアセンブリ2012において可能であり得る。
【0205】
上述したように、モジュール式エネルギーシステム2000は、異なる構成に組み立てることができる。更に、モジュール式エネルギーシステム2000の異なる構成はまた、異なる外科処置のタイプ及び/又は異なる目的に対して利用可能であり得る。例えば、図25A及び図25Bは、共に接続されたヘッダモジュール2002(ディスプレイスクリーン2006を含む)と、エネルギーモジュール2004とを含む、モジュール式エネルギーシステム2000の第1の例示的な構成を示す。このような構成は、例えば腹腔鏡手術及び開腹手術に好適であり得る。
【0206】
図26Aは、共に接続されたヘッダモジュール2002(ディスプレイスクリーン2006を含む)と、第1のエネルギーモジュール2004aと、第2のエネルギーモジュール2004bとを含む、モジュール式エネルギーシステム2000の第2の例示的な構成を示す。2つのエネルギーモジュール2004a、2004bを積み重ねることによって、モジュール式エネルギーシステム2000は、モジュール式エネルギーシステム2000によって第1の構成から送達可能なエネルギーモダリティのアレイを拡張するために、一対のポートアセンブリ2012a、2012bを提供することができる。したがって、モジュール式エネルギーシステム2000の第2の構成は、2つ以上の双極/単極電気外科用器具、3つ以上の双極/単極電気外科用器具などを収容することができる。このような構成は、特に複雑な腹腔鏡手術及び開腹手術に好適であり得る。図26Bは、ヘッダモジュール2002がディスプレイスクリーン2006を欠いていることを除いて、第2の構成と同様の第3の例示的な構成を示す。この構成は、上述のように、ロボット外科用途又はモバイルディスプレイ用途に好適であり得る。
【0207】
図27は、共に接続されたヘッダモジュール2002(ディスプレイスクリーン2006を含む)と、第1のエネルギーモジュール2004aと、第2のエネルギーモジュール2004bと、技術モジュール2040とを含む、モジュール式エネルギーシステム2000の第4の例示的な構成を示す。そのような構成は、特に複雑な、つまりコンピュータを駆使した制御アルゴリズムが必要とされる外科用途に好適であり得る。あるいは、技術モジュール2040は、以前に発売されたモジュール(エネルギーモジュール2004など)の能力を補完する又は拡張する、新たに発売されたモジュールであってもよい。
【0208】
図28は、共に接続されたヘッダモジュール2002(ディスプレイスクリーン2006を含む)と、第1のエネルギーモジュール2004aと、第2のエネルギーモジュール2004bと、技術モジュール2040と、可視化モジュール2042とを含む、モジュール式エネルギーシステム2000の第5の例示的な構成を示す。このような構成は、可視化モジュール2042に連結されたスコープからビデオフィード中継するための専用の外科用ディスプレイ2044を提供することによって、内視鏡手術に好適であり得る。図25A図29に示され、上述された構成は、モジュール式エネルギーシステム2000の様々な概念を単に例示するために提供され、モジュール式エネルギーシステム2000を特定の前述の構成に制限するように解釈されるべきではないことに留意されたい。
【0209】
上述したように、モジュール式エネルギーシステム2000は、図29に示されるように、外科用ハブ2100などの外部システムに通信可能に結合可能であり得る。そのような外部システムは、内視鏡(又は、カメラ若しくは別のそのような可視化装置)からの視覚的フィード及び/又はモジュール式エネルギーシステム2000からのデータを表示するためのディスプレイスクリーン2104を含むことができる。そのような外部システムはまた、モジュール式エネルギーシステム2000によって生成又は提供されたデータの計算を実行するか、ないしは別の方法で分析する、モジュール式エネルギーシステム2000の機能若しくはモードを制御する、及び/又はデータをクラウドコンピュータシステム若しくは別のコンピュータシステムに中継するための、コンピュータシステム2102を含むことができる。このような外部システムはまた、複数のモジュール式エネルギーシステム2000及び/又は他の外科システム(例えば、図1及び図2に関連して説明されるような、可視化システム108及び/又はロボットシステム110)間の動作を調整することもできる。
【0210】
ここで図30を参照すると、いくつかの態様では、ヘッダモジュール2002は、上述のように、GUI2008を表示するように構成されているディスプレイ2006を含むか、又は支持することができる。ディスプレイスクリーン2006は、情報を表示することに加えて、ユーザから入力を受信するためのタッチスクリーンを含むことができる。GUI2008上に表示された制御部は、ヘッダモジュール2002に接続されたモジュール2001に対応することができる。いくつかの態様では、GUI2008の異なる部分又は領域は、特定のモジュール2001に対応することができる。例えば、GUI2008の第1の部分又は領域は、第1のモジュールに対応することができ、GUI2008の第2の部分又は領域は、第2のモジュールに対応することができる。異なる及び/又は追加のモジュール2001がモジュール式エネルギーシステムスタックに接続されると、GUI2008を調整して、新たに追加されたモジュール2001ごとに異なる及び/又は追加の制御部を提供する、又は除去された各モジュール2001の制御部を除去することができる。ヘッダモジュール2002に接続された特定のモジュールに対応するディスプレイの各部分は、制御部、データ、ユーザプロンプト、及び/又はそのモジュールに対応する他の情報を表示することができる。例えば、図30では、描写されたGUI2008の第1の、つまり上部2052は、ヘッダモジュール2002に接続されたエネルギーモジュール2004に関連付けられた制御部及びデータを表示する。具体的には、エネルギーモジュール2004のGUI2008の第1の部分2052は、双極ポート2014に対応する第1のウィジェット2056a、第1の単極ポート2016aに対応する第2のウィジェット2056b、第2の単極ポート2016bに対応する第3のウィジェット2056c、及び組み合わせエネルギーポート2020に対応する第4のウィジェット2056dを提供する。これらのウィジェット2056a~dのそれぞれは、ポートアセンブリ2012の対応するポートに関連するデータ、及びポートアセンブリ2012の対応するポートを通じてエネルギーモジュール2004によって送達されるエネルギーモダリティのモード及び他の特徴を制御するための制御部を提供する。例えば、ウィジェット2056a~dは、それぞれのポートに接続された外科用器具の電力レベルを表示する、それぞれのポートに接続された外科用器具の動作モードを変更するなどを行うように構成され得る(例えば、外科用器具を第1の電力レベルから第2の電力レベルに変更する、及び/又は単極外科用器具を「噴霧」モードから「ブレンド」モードに変更する)。
【0211】
一態様では、ヘッダモジュール2002は、GUI2008に加えて又はその代わりに、様々な物理的制御部2011を含み得る。そのような物理的制御部2011は、例えば、モジュール式エネルギーシステム2000内のヘッダモジュール2002に接続される各モジュール2001の起動を制御する電源ボタンを含むことができる。あるいは、電源ボタンは、GUI2008の一部として表示され得る。したがって、ヘッダモジュール2002は、単一の接触点として機能し、モジュール式エネルギーシステム2000が構築される各個々のモジュール2001を個別に起動及び無効化する必要性をなくすことができる。
【0212】
一態様では、ヘッダモジュール2002は、モジュール式エネルギーシステム2000が構築される外科モジュール2001、又はモジュール式エネルギーシステム2000に通信可能に連結された外科用装置と関連付けられた静止画像、ビデオ、アニメーション、及び/又は情報を表示することができる。ヘッダモジュール2002によって表示される静止画像及び/又はビデオは、モジュール式エネルギーシステム2000に通信可能に連結された内視鏡又は別の可視化デバイスから受信することができる。GUI2008のアニメーション及び/又は情報は、画像又はビデオフィード上に重ね合わせるか、又はそれに隣接して表示することができる。
【0213】
一態様では、ヘッダモジュール2002以外のモジュール2001は、同様に情報をユーザに中継するように構成することができる。例えば、エネルギーモジュール2004は、ポートアセンブリ2012のポートのそれぞれの周りに配設されたライトアセンブリ2015を含み得る。ライトアセンブリ2015は、それらの色又は状態(例えば、点滅)に従って、ポートに関する情報をユーザに中継するように構成することができる。例えば、ライトアセンブリ2015は、プラグがそれぞれのポート内に完全に固定されたときに、第1の色から第2の色へと変化し得る。一態様では、ライトアセンブリ2015の色又は状態は、ヘッダモジュール2002によって制御され得る。例えば、ヘッダモジュール2002は、各ポートのライトアセンブリ2015に、GUI2008上のポートのカラー表示に対応する色を表示させることができる。
【0214】
図31は、本開示の少なくとも1つの態様による、モジュール式エネルギーシステム3000のスタンドアロンハブ構成のブロック図であり、図32は、本開示の少なくとも1つの態様による、外科用制御システム3010と統合されたモジュール式エネルギーシステム3000のハブ構成のブロック図である。図31及び図32に示されるように、モジュール式エネルギーシステム3000は、スタンドアロンユニットとして利用されるか、又は1つ以上の外科用ハブユニットからデータを制御及び/又は受信する外科用制御システム3010と統合され得る。図31及び図32に示す例では、モジュール式エネルギーシステム3000の統合されたヘッダ/UIモジュール3002は、単一モジュールとして一体に組み込まれたヘッダモジュールUIモジュールとを含む。他の態様では、ヘッダモジュール及びUIモジュールは、データバス3008を介して通信可能に結合される別個の構成要素として提供され得る。
【0215】
図31に示すように、スタンドアロンのモジュール式エネルギーシステム3000の例は、エネルギーモジュール3004に連結された統合されたヘッダモジュール/ユーザインターフェース(UI)モジュール3002を含む。電力及びデータは、統合されたヘッダ/UIモジュール3002とエネルギーモジュール3004との間で電力インターフェース3006及びデータインターフェース3008を介して送信される。例えば、統合されたヘッダ/UIモジュール3002は、データインターフェース3008を介してエネルギーモジュール3004に様々なコマンドを送信することができる。このようなコマンドは、UIからのユーザ入力に基づくことができる。更なる例として、電力は、電力インターフェース3006を介してエネルギーモジュール3004に送信されてもよい。
【0216】
図32では、外科用ハブ構成は、制御システム3010と統合されたモジュール式エネルギーシステム3000と、モジュール式エネルギーシステム3000へ及び/又はそこから、特にデータ及び電力伝送を管理するためのインターフェースシステム3022とを含む。図32に示されるモジュール式エネルギーシステムは、統合されたヘッダモジュール/UIモジュール3002と、第1のエネルギーモジュール3004と、第2のエネルギーモジュール3012とを含む。一例では、データ伝送経路は、制御システム3010のシステム制御ユニット3024と、第1のエネルギーモジュール3004を介する第2のエネルギーモジュール3012と、データインターフェース3008を介するヘッダ/UIモジュール3002との間に確立される。加えて、電力経路は、統合されたヘッダ/UIモジュール3002と第2のエネルギーモジュール3012との間に、電力インターフェース3006を介して第1のエネルギーモジュール3004を通って延在する。換言すれば、一態様では、第1のエネルギーモジュール3004は、電力インターフェース3006及びデータインターフェース3008を介して、第2のエネルギーモジュール3012と統合されたヘッダ/UIモジュール3002との間の電力及びデータインターフェースとして機能するように構成されている。この構成により、モジュール式エネルギーシステム3000が、統合されたヘッダ/UIモジュール3002内の専用電力及びエネルギーインターフェースを必要とせずに、統合されたヘッダ/UIモジュール3002に既に接続されているエネルギーモジュール3004、3012に、追加のエネルギーモジュールを継ぎ目なく接続することによって拡張することを可能にする。
【0217】
本明細書で制御回路、制御論理、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、論理、若しくはFPGA、又はこれらの様々な組み合わせと称され得るシステム制御ユニット3024は、エネルギーインターフェース3026及び器具通信インターフェース3028を介してシステムインターフェース3022に結合される。システムインターフェース3022は、第1のエネルギーインターフェース3014及び第1の器具通信インターフェース3016を介して第1のエネルギーモジュール3004に結合される。システムインターフェース3022は、第2のエネルギーインターフェース3018及び第2の器具通信インターフェース3020を介して第2のエネルギーモジュール3012に結合される。追加モジュール、例えば追加のエネルギーモジュールがモジュール式エネルギーシステム3000内で積み重ねられると、追加のエネルギー及び通信インターフェースがシステムインターフェース3022と追加モジュールとの間に提供される。
【0218】
以下でより詳細に記載されるように、エネルギーモジュール3004、3012はハブに接続可能であり、様々なエネルギー外科用器具のための電気外科エネルギー(例えば、双極又は単極)、超音波エネルギー、又はこれらの組み合わせ(本明細書では「高度エネルギー」モジュールと称される)を生成するように構成することができる。一般に、エネルギーモジュール3004、3012は、ハードウェア/ソフトウェアインターフェース、超音波コントローラ、高度エネルギーRFコントローラ、双極RFコントローラを含み、コントローラから出力を受信し、様々なエネルギーモジュール3004、3012の動作を適宜制御する、コントローラによって実行される制御アルゴリズムを制御する。本開示の様々な態様では、本明細書に記載されるコントローラは、制御回路、制御論理、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、論理、若しくはFPGA、又はこれらの様々な組み合わせとして実装されてもよい。
【0219】
図33図35は、本開示の少なくとも1つの態様による、ハブを形成するために共に接続された様々なモジュール式エネルギーシステムのブロック図である。図33図35は、ハブモジュールの様々な図(例えば、回路又は制御図)を示す。本開示の少なくとも1つの態様によると、モジュール式エネルギーシステム3000は、複数のエネルギーモジュール3004(図34)、3012(図35)、ヘッダモジュール3150(図35)、UIモジュール3030(図33)、及び通信モジュール3032(図33)を含む。UIモジュール3030は、様々な関連情報、及びモジュール式エネルギーシステム3000の1つ以上のパラメータを制御するための様々なユーザ制御部を表示するタッチスクリーン3046を含む。UIモジュール3030は、頂部ヘッダモジュール3150に取り付けられているが、ヘッダモジュール3150とは独立して操作することができるように別々に収容される。例えば、UIモジュール3030を、ユーザが取り出し、及び/又はヘッダモジュール3150に再取り付けしてもよい。加えて、又は代替的に、UIモジュール3030を、ヘッダモジュール3150に対してわずかに移動させ、その位置及び/又は向きを調整することができる。例えば、UIモジュール3030を、ヘッダモジュール3150に対して傾斜及び/又は回転させることができる。
【0220】
いくつかの態様では、様々なハブモジュールは、器具状態を通信し、また、対応する器具に画面上の要素を接続するための物理ポートの周りのライトパイプを含むことができる。ライトパイプは、物理ポートに取り付けられた/接続された外科用器具の状態をユーザに警告するために使用され得る照明技術の一例である。一態様では、物理ポートを特定の光で照明することにより、ユーザに外科用器具を物理ポートに接続するよう指示する。別の例では、物理ポートを特定の光で照明することにより、ユーザに、外科用器具との既存の接続に関連するエラーを警告する。
【0221】
図33を参照すると、本開示の少なくとも1つの態様による、パススルーハブコネクタ3034を介して通信モジュール3032に連結されたユーザインターフェース(UI)モジュール3030のブロック図が示される。UIモジュール3030は、ヘッダモジュール3150(図35に示す)とは別個の構成要素として提供され、例えば、通信モジュール3032を介してヘッダモジュール3150に通信可能に連結されてもよい。一態様では、UIモジュール3030は、他の接続されたモジュールから受信した宣言的可視化及び挙動を表し、並びにシステム構成(例えば、言語選択、モジュール関連など)などの他の集中的UI機能を実行するように構成されている、UIプロセッサ3040を含むことができる。UIプロセッサ3040は、例えば、Qt、.NET WPF、ウェブサーバ、又は類似のものなどのフレームワークを実行するプロセッサ又はシステムオンモジュール(SOM)であり得る。
【0222】
図示される例では、UIモジュール3030は、タッチスクリーン3046、液晶ディスプレイ3048(LCD)、及びオーディオ出力3052(例えば、スピーカ、ブザー)を含む。UIプロセッサ3040は、タッチスクリーン3046とUIプロセッサ3040との間に結合されたタッチコントローラ3044からのタッチスクリーン入力を受信するように構成されている。UIプロセッサ3040は、LCDディスプレイ3048に視覚情報を出力し、オーディオ増幅器3050を介してオーディオ出力3052に音声情報を出力するように構成されている。UIプロセッサ3040は、パススルーハブコネクタ3034に連結されたスイッチ3042を介して通信モジュール3032にインターフェース接続して、ソースデバイスから宛先デバイスへのデータを受信、処理、及び転送し、それらの間のデータ通信を制御するように構成されている。直流電力は、DC/DCコンバータモジュール3054を介してUIモジュール3030に供給される。直流電力は、パススルーハブコネクタ3034を通過して、電力バス3006を介して通信モジュール3032に渡される。データは、パススルーハブコネクタ3034を通過して、データバス3008を介して通信モジュール3032に渡される。スイッチ3042、3056は、ソースデバイスから宛先デバイスへのデータを受信、処理、及び転送する。
【0223】
引き続き図33を参照すると、通信モジュール3032、並びに様々な外科用ハブ及び/又は外科システムは、異なるプロトコルを実行している2つの異種ネットワーク(例えば、内部ネットワーク及び/又は病院ネットワーク)間の選択トラフィック(すなわち、データ)を往復するように構成されているゲートウェイ3058を含むことができる。通信モジュール3032は、通信モジュール3032を他のモジュールに結合するための第1のパススルーハブコネクタ3036を含む。図示される例では、通信モジュール3032は、UIモジュール3030に結合される。通信モジュール3032は、第2のパススルーハブコネクタ3038を介して他のモジュール(例えば、エネルギーモジュール)に連結して、通信モジュール3032を第1のパススルーハブコネクタ3036と第2のパススルーハブコネクタ3038との間に配設されたスイッチ3056を介して他のモジュールに結合するように構成されており、ソースデバイスから宛先デバイスへのデータを受信、処理、及び転送し、それらの間のデータ通信を制御する。スイッチ3056はまた、外部通信ポートとUIモジュール3030と他の接続モジュールとの間で情報を通信するためにゲートウェイ3058に結合される。ゲートウェイ3058は、例えば、数ある中でも特に、病院又は他のローカルネットワークと通信するためのイーサネットモジュール3060、ユニバーサルシリアルバス(USB)モジュール3062、WiFiモジュール3064、及びBluetoothモジュール3066などの様々な通信モジュールに結合されてもよい。通信モジュールは、通信モジュール3032内に配置された物理的基板であってもよく、又は遠隔通信ボードに連結するポートであってもよい。
【0224】
いくつかの態様では、モジュール(すなわち、取り外し可能なハードウェア)の全ては、ヘッダモジュール上に、又はヘッダモジュールと一体に配置される単一のUIモジュール3030によって制御される。図35は、UIモジュール3030が取り付けられ得るスタンドアロンヘッダモジュール3150を示す。図31図32、及び図36は、統合されたヘッダ/UIモジュール3002を示す。ここで図33に戻ると、様々な態様では、モジュールの全てを単一の応答性UIモジュール3002に統合することによって、システムは、一度に複数の機器を制御及び監視するためのより単純な方法を提供する。このアプローチは、手術室(OR)における設置面積及び複雑性を大幅に低減する。
【0225】
図34に戻ると、本開示の少なくとも1つの態様による、エネルギーモジュール3004のブロック図が示される。通信モジュール3032(図33)は、通信モジュール3032の第2のパススルーハブコネクタ3038、及びエネルギーモジュール3004の第1のパススルーハブコネクタ3074を介して、エネルギーモジュール3004に連結される。エネルギーモジュール3004は、第2のパススルーハブコネクタ3078を介して図35に示される第2のエネルギーモジュール3012などの他のモジュールに連結されてもよい。図34に戻ると、第1のパススルーハブコネクタ3074と第2のパススルーハブコネクタ3078との間に配設されたスイッチ3076は、ソースデバイスから宛先デバイスへデータを受信、処理、及び転送し、それらの間のデータ通信を制御する。データは、データバス3008を介して受信され、送信される。エネルギーモジュール3032は、エネルギーモジュール3004の様々な通信及び処理機能を制御するためのコントローラ3082を含む。
【0226】
直流電力は、電力バス3006を介してエネルギーモジュール3004によって受信され、送信される。電力バス3006は、DC/DCコンバータモジュール3138に連結されて、調節可能なレギュレータ3084、3107及び絶縁DC/DCコンバータポート3096、3112、3132に電力を供給する。
【0227】
一態様では、エネルギーモジュール3004は超音波広帯域増幅器3086を含むことができ、超音波広帯域増幅器は、一態様では、低全高調波歪(THD)レベルで任意の波形を生成し、高調波変換器を駆動することができる線形H級増幅器であってもよい。超音波広帯域増幅器3086は、効率を最大化するために調節可能なバックレギュレータ3084によって供給され、例えば、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)を介してデジタル信号プロセッサ(DSP)として実装され得るコントローラ3082によって制御される。DDSは、DSPに埋め込むか、又は、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)に実装することができる。コントローラ3082は、デジタル・アナログ変換器3106(DAC)を介して超音波広帯域増幅器3086を制御する。超音波広帯域増幅器3086の出力は、超音波電力変圧器3088に供給され、超音波電力変圧器は、高度エネルギーレセプタクル3100の超音波エネルギー出力部分に連結される。超音波インピーダンスを計算するために使用され得る超音波電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、超音波VI FB変圧器3092を介して、高度エネルギーレセプタクル3100の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。超音波電圧及び電流フィードバック信号は、アナログ・デジタル変換器3102(A/D)を介してコントローラ3082にルーティングされる。また、高度エネルギーレセプタクル3100を介してコントローラ3082に結合されているのは、電力バス3006から直流電力を受信する絶縁DC/DCコンバータポート3096、及び中帯域幅データポート3098である。
【0228】
一態様では、エネルギーモジュール3004はRF電力増幅器3108を含むことができ、RF電力増幅器は、一態様では、出力周波数の範囲で任意の波形を生成し、RF負荷を駆動することができる線形H級増幅器であってもよい。広帯域RF電力増幅器3108は、効率を最大化するために調節可能なバックレギュレータ3107によって供給され、DDSを介してDSPとして実装され得るコントローラ3082によって制御される。DDSは、DSPに埋め込まれるか、又は、例えばFPGAに実装することができる。コントローラ3082は、DAC3122を介して広帯域RF増幅器3086を制御する。広帯域RF電力増幅器3108の出力は、RF選択リレー3124を介して供給され得る。RF選択リレー3124は、広帯域RF電力増幅器3108の出力信号を受信し、エネルギーモジュール3004の様々な他の構成要素に選択的に送信するように構成されている。一態様では、広帯域RF電力増幅器3108の出力信号は、RF選択リレー3124を通じて、双極RFエネルギーレセプタクル3118のRF出力部分に結合されたRF電力変圧器3110に供給され得る。RFインピーダンスを計算するために使用され得る双極RF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3114を介して、双極RFエネルギーレセプタクル3118の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、A/D3120を介してコントローラ3082にルーティングされる。また、双極RFエネルギーレセプタクル3118を介してコントローラ3082に結合されているのは、電力バス3006から直流電力を受信する絶縁DC/DCコンバータポート3112、及び低帯域幅データポート3116である。
【0229】
上述したように、一態様では、エネルギーモジュール3004は、作動のために定格コイル電流でコントローラ3082(例えば、FPGA)によって駆動されるRF選択リレー3124を含むことができ、また、定常状態電力散逸を制限するためにパルス幅変調(PWM)を介して、より低いホールド電流に設定することもできる。RF選択リレー3124の切り替えは、強制ガイド式(セーフティ)リレーによって達成され、接触状態の状況は、任意の単一故障状態の緩和としてコントローラ3082によって感知される。一態様では、RF選択リレー3124は、第1の状態にあるように構成され、ここでは、広帯域RF電力増幅器3108などのRF源から受信された出力RF信号が、双極エネルギーレセプタクル3118のRF電力変圧器3110などのエネルギーモジュール3004の第1の構成要素に送信される。第2の態様では、RF選択リレー3124は、第2の状態にあるように構成され、ここでは、広帯域RF電力増幅器3108などのRF源から受信された出力RF信号が、以下により詳細に記載される単極エネルギーレセプタクル3136のRF電力変圧器3128などの第2の構成要素に送信される。一般的な態様では、RF選択リレー3124は、コントローラ3082によって駆動されて、第1の状態及び第2の状態などの複数の状態の間で切り替えられ、エネルギーモジュール3004の異なるエネルギーレセプタクル間でRF電力増幅器3108から受信した出力RF信号を送信するように構成されている。
【0230】
上述のように、広帯域RF電力増幅器3108の出力はまた、RF選択リレー3124を介してRF単極レセプタクル3136の広帯域RF電力変圧器3128に供給することができる。RFインピーダンスを計算するために使用され得る単極RF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3130を介して、単極RFエネルギーレセプタクル3136の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、A/D3126を介してコントローラ3082にルーティングされる。また、単極RFエネルギーレセプタクル3136を介してコントローラ3082に結合されているのは、電力バス3006から直流電力を受信する絶縁DC/DCコンバータポート3132、及び低帯域幅データポート3134である。
【0231】
広帯域RF電力増幅器3108の出力はまた、RF選択リレー3124を介して高度エネルギーレセプタクル3100の広帯域RF電力変圧器3090に供給することができる。超音波インピーダンスを計算するために使用され得るRF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3094を介して、高度エネルギーレセプタクル3100の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、A/D3104を介してコントローラ3082にルーティングされる。
【0232】
図35は、本開示の少なくとも1つの態様による、ヘッダモジュール3150に結合される第2のエネルギーモジュール3012のブロック図である。図34に示される第1のエネルギーモジュール3004は、第1のエネルギーモジュール3004の第2のパススルーハブコネクタ3078を、第2のエネルギーモジュール3012の第1のパススルーハブコネクタ3074に結合することによって、図35に示される第2のエネルギーモジュール3012に連結される。一態様では、第2のエネルギーモジュール3012は、図35に示されるように、第1のエネルギーモジュール3004と同様のエネルギーモジュールであってもよい。別の態様では、第2のエネルギーモジュール2012は、より詳細に説明される図37に例示されるエネルギーモジュールなどの、第1のエネルギーモジュールとは異なるエネルギーモジュールであってもよい。第2のエネルギーモジュール3012を第1のエネルギーモジュール3004に追加すると、モジュール式エネルギーシステム3000に機能性が付加される。
【0233】
第2のエネルギーモジュール3012は、パススルーハブコネクタ3078をヘッダモジュール3150のパススルーハブコネクタ3152に接続することによって、ヘッダモジュール3150に連結される。一態様では、ヘッダモジュール3150は、電源ボタン機能3166、アップグレードUSBモジュール3162を介したソフトウェアのアップグレード、システム時間管理、及び異なるプロトコルを実行し得るイーサネットモジュール3164を介した外部ネットワーク(すなわち、病院又はクラウド)へのゲートウェイを管理するように構成されている、ヘッダプロセッサ3158を含むことができる。データは、パススルーハブコネクタ3152を介してヘッダモジュール3150によって受信される。ヘッダプロセッサ3158はまた、スイッチ3160に連結されて、ソースデバイスから宛先デバイスへのデータを受信、処理、及び転送し、それらの間のデータ通信を制御する。ヘッダプロセッサ3158はまた、商用電源入力モジュール3154に連結されたOTS電源3156に連結される。
【0234】
図36Aは、本開示の少なくとも1つの態様による、図33に示されるヘッダモジュールなどの、ハブ用のヘッダ/ユーザインターフェース(UI)モジュール3002のブロック図である。ヘッダ/UIモジュール3002は、ヘッダ電力モジュール3172と、ヘッダ無線モジュール3174と、ヘッダUSBモジュール3176と、ヘッダオーディオ/スクリーンモジュール3178と、ヘッダネットワークモジュール3180(例えば、イーサネット)と、バックプレーンコネクタ3182と、ヘッダ待機プロセッサモジュール3184と、ヘッダフットスイッチモジュール3186とを含む。これらの機能モジュールは、ヘッダ/UI3002の機能を提供するように相互作用する。ヘッダ/UIコントローラ3170は、機能モジュールのそれぞれと、ヘッダ/UIコントローラ3170とヘッダフットスイッチモジュール3186に連結された隔離された通信モジュール3234との間に連結された安全限界制御論理モジュール3230、3232を含むそれぞれの間の通信を制御する。セキュリティコ-プロセッサ3188は、ヘッダ/UIコントローラ3170に結合される。
【0235】
ヘッダ電力モジュール3172は、OTS電源ユニット3192(PSU)に連結された商用電源入力モジュール3190を含む。低電圧直流(例えば、5V)待機電力は、OTS PSU3192から低電圧電力バス3198を介してヘッダ/UIモジュール3002及び他のモジュールに供給される。高電圧直流(例えば、60V)は、OTS PSU3192から高電圧バス3200を通じてヘッダ/UIモジュール3002に供給される。高電圧DCは、DC/DCコンバータモジュール3196、並びに絶縁DC/DCコンバータモジュール3236に供給する。ヘッダ/待機モジュール3184の待機プロセッサ3204は、PSU/イネーブル信号3202をOTS PSU3192に提供する。
【0236】
ヘッダワイヤレスモジュール3174は、WiFiモジュール3212、及びBluetoothモジュール3214を含む。WiFiモジュール3212及びBluetoothモジュール3214の両方は、ヘッダ/UIコントローラ3170に結合される。Bluetoothモジュール3214は、ケーブルを使用せずにデバイスを接続するために使用され、Wi-Fiモジュール3212は、インターネットなどのネットワークへの高速アクセスを提供し、複数のデバイス、例えば、複数のエネルギーモジュール又は他のモジュール、及び手術室内に配置される他のデバイスの中でも特に外科用器具などにリンクすることができる無線ネットワークを形成するために使用することができる。Bluetoothは、30フィート未満などの短い距離でデータを交換するために使用される無線技術規格である。
【0237】
ヘッダUSBモジュール3176は、ヘッダ/UIコントローラ3170に連結されたUSBポート3216を含む。USBモジュール3176は、近距離デジタルデータ通信を介してモジュール及び他の電子デバイス用の標準的なケーブル接続インターフェースを提供する。USBモジュール3176は、USBデバイスを備えるモジュールが、USBケーブルを介して互いに接続され、デジタルデータを転送することを可能にする。
【0238】
ヘッダオーディオ/スクリーンモジュール3178は、タッチコントローラ3218に結合されたタッチスクリーン3220を含む。タッチコントローラ3218は、ヘッダ/UIコントローラ3170に結合されて、タッチスクリーン3220からの入力を読み取る。ヘッダ/UIコントローラ3170は、ディスプレイ/ポートビデオ出力信号3222を介してLCDディスプレイ3224を駆動する。ヘッダ/UIコントローラ3170は、1つ以上のスピーカ3228を駆動するためにオーディオ増幅器3226に結合される。
【0239】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、モジュール式エネルギーシステム3000内の1つの制御部又はヘッダモジュール3002に接続されたモジュールを制御するように構成されているタッチスクリーン3220ユーザインターフェースを提供する。タッチスクリーン3220は、モジュール式エネルギーシステム3000内に接続された全てのモジュールを調節するために、ユーザに対する単一のアクセスポイントを維持するために使用することができる。追加のハードウェアモジュール(例えば、排煙モジュール)は、ヘッダ/UIモジュール3002に接続されたときに、ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224の下部に出現することができ、ヘッダ/UIモジュール3002から接続解除されたときに、ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224から消えることができる。
【0240】
更に、ユーザタッチスクリーン3220は、モジュール式エネルギーシステム3000に取り付けられたモジュールの設定へのアクセスを提供することができる。更に、ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224の構成は、ヘッダ/UIモジュール3002に接続されているモジュールの数及び種類に従って変化するように構成することができる。例えば、第1のユーザインターフェースを、1つのエネルギーモジュール及び1つの排煙モジュールがヘッダ/UIモジュール3002に接続されている第1の用途についてLCDディスプレイ3224上に表示でき、第2のユーザインターフェースを、2つのエネルギーモジュールがヘッダ/UIモジュール3002に接続されている第2の用途についてLCDディスプレイ3224上に表示できる。更に、モジュールがモジュール式エネルギーシステム3000に接続及び接続解除されると、ユーザインターフェースはLCDディスプレイ3224上のその表示を変更することができる。
【0241】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、ポート照明に対応する色をLCDディスプレイ上に表示するように構成されている、ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224を提供する。一態様では、器具パネル及びその対応するポートの周囲のLED光の色は、同じであるか、ないしは別の方法で互いに対応する。各色は、例えば、独自の意味を伝えることができる。このようにして、ユーザは、どの器具が指示を参照しているか、及び指示の性質を迅速に評価することができる。更に、器具に関する指示は、対応するポートの周囲に覆われたLED光の色、及びそのモジュールの色の変化によって表すことができる。また更に、画面上のメッセージ及びハードウェア/ソフトウェアポートの位置合わせもまた、インターフェース上ではなく、ハードウェア上でアクションをとらなければならないことを伝える役割を果たすことができる。様々な態様では、警報が他の機器上で発生している間に、全ての他の機器を使用することができる。これにより、ユーザは、どの器具が指示を参照しているか、及び指示の性質を迅速に評価することができる。
【0242】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、ユーザに処置オプションを提示するためにLCDディスプレイ3224上に表示するように構成されている、ユーザインターフェーススクリーンを提供する。一態様では、ユーザインターフェースは、ユーザに一連のオプション(例えば、広範なものから具体的なものに配置できる)を提示するように構成することができる。各選択が行われた後、モジュール式エネルギーシステム3000は、全ての選択が完了するまで次のレベルを提示する。これらの設定は、ローカルで管理され、二次手段(USBサムドライブなど)を介して転送され得る。あるいは、設定はポータルを介して管理され、病院内の全ての接続されたシステムに自動的に配布され得る。
【0243】
手技オプションとしては、例えば、診療科、処置、及び処置のタイプによって分類される製造所で事前設定されたオプションのリストを含むことができる。ユーザ選択を完了すると、ヘッダモジュールは、任意の接続された機器を、その特定の処置のための製造所で事前設定された設定に設定するように構成することができる。手技オプションはまた、例えば、外科医のリストに続いて、診療科、処置、及びタイプを含んでもよい。ユーザが選択を完了すると、システムは、外科医の好ましい器具を提案し、外科医の好みに従ってそれらの器具の設定を設定することができる(すなわち、外科医の好みを記憶する各外科医に関連するプロファイル)。
【0244】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、LCDディスプレイ3224上に重要な器具設定を表示するように構成されているユーザインターフェーススクリーンを提供する。一態様では、ユーザインターフェースのLCDディスプレイ3224上に表示された各器具パネルは、配置及び内容において、モジュール式エネルギーシステム3000に差し込まれた器具に対応する。ユーザがパネルをタップすると、その特定の機器のための追加の設定及びオプションを示すために展開することができ、画面の残りを、例えば、暗くするか、ないしは別の方法で強調されないようにできる。
【0245】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、機器に固有の制御部を含む/表示するように構成されているユーザインターフェースの機器設定パネルを提供し、ユーザによる、その出力の強度の増減、特定の機能の切り替え、ヘッダフットスイッチモジュール3186に接続されたフットスイッチなどのシステム付属品とのペアリング、器具の詳細設定へのアクセス、及び器具に関する追加情報の確認を可能にする。一態様では、ユーザは、「詳細設定」制御部をタップ/選択して、ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224上に表示された詳細設定タブを展開することができる。一態様では、ユーザは、次いで、機器設定パネルの右上の角でアイコンをタップ/選択するか、又はパネルの外側の任意の場所をタップし、パネルを、その元の状態へと縮小することができる。これらの態様では、ユーザインターフェースは、各器具パネルの準備完了/ホーム画面上で、電力レベル及び電力モードなどの最も重要な機器設定のみをLCDディスプレイ3224に表示するように構成されている。これは、遠くから見えるシステムのサイズ及び可読性を最大化するためである。いくつかの態様では、パネル及び内部の設定は、可読性を更に改善するために、システムに接続された器具の数に比例して拡大することができる。より多くの器具が接続されると、パネルは、より多くの量の情報を収容するようにそのスケールを調整する。
【0246】
ヘッダネットワークモジュール3180は、ヘッダ/UIモジュール3002をモジュール式エネルギーシステム3000の他のモジュールにネットワークで結ぶための複数のネットワークインターフェース3264、3266、3268(例えば、イーサネット)を含む。図示される例では、1つのネットワークインターフェース3264はサードパーティのネットワークインターフェースであってもよく、別のネットワークインターフェース3266は病院のネットワークインターフェースであってもよく、更に別のネットワークインターフェース3268は、バックプレーンネットワークインターフェースコネクタ3182上に配置されてもよい。
【0247】
ヘッダ待機プロセッサモジュール3184は、オン/オフスイッチ3210に連結された待機プロセッサ3204を含む。待機プロセッサ3204は、電流が導通ループ3206内を流れるかどうかを確認することによって、電気的導通試験を行う。導通試験は、導通ループ3206にわたって小さい電圧をかけることによって実行される。シリアルバス3208は、待機プロセッサ3204をバックプレーンコネクタ3182に結合する。
【0248】
ヘッダフットスイッチモジュール3186は、複数の対応する存在/ID及びスイッチ状態モジュール3242、3244、3246を介して、複数のアナログフットスイッチポート3254、3256、3258に結合されたコントローラ3240を含む。コントローラ3240はまた、存在/ID及びスイッチ状態モジュール3248並びに送受信機モジュール3250を介してアクセサリポート3260に結合される。アクセサリポート3260は、アクセサリ電力モジュール3252によって電力供給される。コントローラ3240は、隔離された通信モジュール3234、並びに第1及び第2の安全限界制御モジュール3230、3232を介してヘッダ/UIコントローラ3170に連結される。ヘッダフットスイッチモジュール3186はまた、DC/DCコンバータモジュール3238を含む。
【0249】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、アナログフットスイッチポート3254、3256、3258のうちのいずれか1つに接続されたフットスイッチを制御するためにLCDディスプレイ3224上に表示するように構成されている、ユーザインターフェーススクリーンを提供する。いくつかの態様では、ユーザが、非手動式器具をアナログフットスイッチポート3254、3256、3258のうちのいずれか1つに差し込むと、器具パネルは、フットスイッチアイコンの隣の警告アイコンを表示する。器具の設定は、例えば、器具がフットスイッチなしで起動できないため、グレーアウトされ得る。
【0250】
ユーザがフットスイッチをアナログフットスイッチポート3254、3256、3258のうちのいずれか1つに差し込むと、フットスイッチがその器具に割り当てられていることを示すポップアップが現れる。フットスイッチアイコンは、フットスイッチが、器具に差し込まれ、割り当てられていることを示す。次いで、ユーザは、そのアイコンをタップ/選択して、そのフットスイッチに関連付けられた設定を割り当て、再割り当て、割り当て解除、又は変更することができる。これらの態様では、システムは、論理を使用して、フットスイッチを非手動式器具に自動的に割り当てるように構成されており、これは、単一又は二重ペダルフットスイッチを適切な器具に更に割り当てることができる。ユーザが、手動でフットスイッチを割り当て/再割り当てすることを望む場合、使用できる2つのフローがある。
【0251】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、グローバルフットスイッチボタンを提供する。ユーザがグローバルフットスイッチアイコン(ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224の右上に位置する)をタップすると、フットスイッチ割り当てのオーバーレイが現れ、器具モジュール内のコンテンツが暗くなる。各取り付けられたフットスイッチ(二重又は単一ペダル)の(例えば、写実的)表示が、器具に割り当てられていない場合は下部に、又は対応する器具パネル上に現れる。したがって、ユーザは、これらのイラストを、フットスイッチ割り当てのオーバーレイ内の囲まれたアイコン内に、又はそこから外へドラッグアンドドロップして、フットスイッチをそれぞれの器具に割り当て、割り当て解除、及び再割り当てすることができる。
【0252】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、本開示の少なくとも1つの態様による、フットスイッチ自動割り当てを示す、LCDディスプレイ3224上に表示されるユーザインターフェーススクリーンを提供する。上述のように、モジュール式エネルギーシステム3000は、手動式ではない器具にフットスイッチを自動割り当てするように構成することができる。いくつかの態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、ユーザインターフェース要素を用いる物理ポートを追跡する手段として、ユーザインターフェースLCDディスプレイ3224上に表示された色をモジュール自体の光に相関させるように構成することができる。
【0253】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、モジュール式エネルギーシステム3000に接続された異なる数のモジュールを有するユーザインターフェースの様々な用途を描写するように構成されてもよい。様々な態様では、LCDディスプレイ3224上に表示されるユーザインターフェース要素の全体的なレイアウト又は割合は、ヘッダ/UIモジュール3002に差し込まれた機器の数及び種類に基づくことができる。これらの拡張性のあるグラフィックは、より良好な可視化のために、スクリーンのより多くを利用する手段を提供することができる。
【0254】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、モジュール式エネルギーシステム3000に接続されたモジュールのどのポートがアクティブであるかを示すために、LCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを描写するように構成されてもよい。いくつかの態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、アクティブポートをハイライトし、非アクティブポートを暗くすることによって、アクティブポートと非アクティブポートを示すように構成することができる。一態様では、アクティブな場合にポートを色で表すことができる(例えば、単極組織切断を黄色、単極組織凝固を青色、双極組織切断を青色、高度エネルギー組織切断を暖白色など)。更に、表示された色は、ポートの周りのライトパイプの色と一致する。色によって、器具がアクティブである間に、ユーザが他の器具の設定を変更できないことを更に示すことができる。別の例として、ヘッダ/UIモジュール3002は、第1のエネルギーモジュールの双極ポート、単極ポート、及び超音波ポートをアクティブとして、並びに、第2のエネルギーモジュールの単極ポートを同様にアクティブとして描写するように構成され得る。
【0255】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、LCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを示して、グローバル設定メニューを表示するように構成することができる。一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、LCDディスプレイ3224上にメニューを表示して、モジュール式エネルギーシステム3000に接続された任意のモジュールにわたってグローバル設定を制御するように構成することができる。グローバル設定メニューは、例えば、常に一貫した場所に表示されてもよい(例えば、メイン画面の右上の角で常に見えている)。
【0256】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、外科用器具が使用されている間に設定の変更を防止するように構成されているLCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを描写するように構成することができる。一例では、ヘッダ/UIモジュール3002は、接続された機器がアクティブであるときに、表示されたメニューを介して設定が変更されることを防止するように構成することができる。ユーザインターフェーススクリーンは、例えば、設定メニューが開いている間に器具の起動を示すために使われる領域(例えば、左上の角)を含むことができる。一態様では、ユーザは、単極凝固がアクティブである間に双極設定を開いている。一態様では、起動が完了すると、その後設定メニューを使用することができる。一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、重要な情報の表示を維持するために、重要な器具情報を示す専用の領域上に任意のメニュー又は他の情報を重ね合わせないように構成され得る。
【0257】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、器具エラーを表示するように構成されているLCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを描写するように構成することができる。一態様では、器具のエラー警告は、器具パネル自体に表示されてもよく、看護師がエラーの解決を行っている間に、ユーザが他の器具を使用し続けることを可能にする。これにより、ユーザは、手術を停止して器具の不具合を取り除く必要なく、手術を継続することができる。
【0258】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、LCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを示して、様々な機器で利用可能な異なるモード又は設定を表示するように構成することができる。様々な態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、スタック/ハブに接続された外科用器具の種類又は用途に適切な設定メニューを表示するように構成することができる。各設定メニューは、特定の器具の種類に適切な異なる電力レベル、エネルギー送達プロファイルなどのオプションを提供することができる。一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、双極、単極切断、及び単極凝固用途で利用可能な異なるモードを表示するように構成することができる。
【0259】
一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、LCDディスプレイ3224上のユーザインターフェーススクリーンを示して、予め選択された設定を表示するように構成することができる。一態様では、ヘッダ/UIモジュール3002は、患者が手術室に入る前にモジュール式エネルギーシステム3000が準備が整うように、器具を差し込む前に器具/デバイス設定の選択を受信するように構成することができる。一態様では、ユーザは、単にポートをクリックし、その後、そのポートの設定を変更することができる。図示される態様では、設定が完了していることを示すために選択されたポートが薄くなって見えるが、器具はそのポートに差し込まれていない。
【0260】
図37は、本開示の少なくとも1つの態様による、図31図32図34、及び図35に示されるエネルギーモジュールなどの、ハブ用のエネルギーモジュール3270のブロック図である。エネルギーモジュール3270は、第1及び第2のパススルーハブコネクタ3272、3276を介してヘッダモジュール、ヘッダ/UIモジュール、及び他のエネルギーモジュールに連結するように構成されている。第1のパススルーハブコネクタ3272と第2のパススルーハブコネクタ3276との間に配設されたスイッチ3076は、ソースデバイスから宛先デバイスへデータを受信、処理、及び転送し、それらの間のデータ通信を制御する。データは、データバス3008を介して受信され、送信される。エネルギーモジュール3270は、エネルギーモジュール3270の様々な通信及び処理機能を制御するためのコントローラ3082を含む。
【0261】
直流電力は、電力バス3006を介してエネルギーモジュール3270によって受信され、送信される。電力バス3006は、DC/DCコンバータモジュール3138に連結されて、調節可能なレギュレータ3084、3107及び絶縁DC/DCコンバータポート3096、3112、3132に電力を供給する。
【0262】
一態様では、エネルギーモジュール3270は超音波広帯域増幅器3086を含むことができ、超音波広帯域増幅器は、一態様では、低全高調波歪(THD)レベルで任意の波形を生成し、高調波変換器を駆動することができる線形H級増幅器であってもよい。超音波広帯域増幅器3086は、効率を最大化するために調節可能なバックレギュレータ3084によって供給され、例えば、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)を介してデジタル信号プロセッサ(DSP)として実装され得るコントローラ3082によって制御される。DDSは、DSPに埋め込むか、又は、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)に実装することができる。コントローラ3082は、デジタル・アナログ変換器3106(DAC)を介して超音波広帯域増幅器3086を制御する。超音波広帯域増幅器3086の出力は、超音波電力変圧器3088に供給され、超音波電力変圧器は、高度エネルギーレセプタクル3100の超音波エネルギー出力部分に連結される。超音波インピーダンスを計算するために使用され得る超音波電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、超音波VI FB変圧器3092を介して、高度エネルギーレセプタクル3100の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。超音波電圧及び電流フィードバック信号は、アナログマルチプレクサ3280及び二重アナログ・デジタル変換器3278(A/D)を介してコントローラ3082にルーティングされる。一態様では、二重A/D3278は、80MSPSのサンプリング速度を有する。また、高度エネルギーレセプタクル3100を介してコントローラ3082に結合されているのは、電力バス3006から直流電力を受信する絶縁DC/DCコンバータポート3096、及び中帯域幅データポート3098である。
【0263】
一態様では、エネルギーモジュール3270は、とりわけ、複数の広帯域RF電力増幅器3108、3286、3288を含むことができ、1つの態様では、広帯域RF電力増幅器3108、3286、3288のそれぞれは、出力周波数の範囲で任意の波形を生成し、RF負荷を駆動することができる線形H級増幅器であってもよい。広帯域RF電力増幅器3108、3286、3288のそれぞれは、効率を最大化するために調節可能なバックレギュレータ3107によって供給され、DDSを介してDSPとして実装され得るコントローラ3082によって制御される。DDSは、DSPに埋め込まれるか、又は、例えばFPGAに実装することができる。コントローラ3082は、DAC3122を介して第1の広帯域RF電力増幅器3108を制御する。
【0264】
図34及び図35に示され、説明されたエネルギーモジュール3004、3012とは異なり、エネルギーモジュール3270は、調節可能なバックレギュレータ3107からRF出力信号を受信するように構成されているRF選択リレーを含まない。加えて、図34及び図35に示され、説明されたエネルギーモジュール3004、3012とは異なり、エネルギーモジュール3270は、単一のRF電力増幅器の代わりに複数の広帯域RF電力増幅器3108、3286、3288を含む。一態様では、調節可能なバックレギュレータ3107は、複数の状態間で切り替わることができ、調節可能なバックレギュレータ3107は、接続された複数の広帯域RF電力増幅器3108、3286、3288のうちの1つに出力RF信号を出力する。コントローラ3082は、複数の状態間で調節可能なバックレギュレータ3107を切り替えるように構成されている。第1の状態では、コントローラは調節可能なバックレギュレータ3107を駆動して、RFエネルギー信号を第1の広帯域RF電力増幅器3108に出力する。第2の状態では、コントローラは調節可能なバックレギュレータ3107を駆動して、RFエネルギー信号を第2の広帯域RF電力増幅器3286に出力する。第3の状態では、コントローラは調節可能なバックレギュレータ3107を駆動して、RFエネルギー信号を第3の広帯域RF電力増幅器3288に出力する。
【0265】
第1の広帯域RF電力増幅器3108の出力は、RF電力変圧器3090に供給でき、RF電力変圧器は、高度エネルギーレセプタクル3100のRF出力部分に連結される。超音波インピーダンスを計算するために使用され得るRF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3094を介して、高度エネルギーレセプタクル3100の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、アナログマルチプレクサ3284及びコントローラ3082に結合された二重A/D3282に連結されたRF VI FB変圧器3094を介してコントローラ3082にルーティングされる。一態様では、二重A/D3282は、80MSPSのサンプリング速度を有する。
【0266】
第2のRF広帯域電力増幅器3286の出力は、RF単極レセプタクル3136のRF電力変圧器3128を通って供給される。RFインピーダンスを計算するために使用され得る単極RF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3130を介して、単極RFエネルギーレセプタクル3136の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、アナログマルチプレクサ3284及び二重A/D3282を介してコントローラ3082にルーティングされる。また、単極RFエネルギーレセプタクル3136を介してコントローラ3082に結合されているのは、電力バス3006から直流電力を受信する絶縁DC/DCコンバータポート3132、及び低帯域幅データポート3134である。
【0267】
第3のRF広帯域電力増幅器3288の出力は、双極RFレセプタクル3118のRF電力変圧器3110を通って供給される。RFインピーダンスを計算するために使用され得る双極RF電圧(V)及び電流(I)フィードバック(FB)信号は、RF VI FB変圧器3114を介して、双極RFエネルギーレセプタクル3118の入力部分を通じてコントローラ3082にフィードバックされる。RF電圧及び電流フィードバック信号は、アナログマルチプレクサ3280及び二重A/D3278を介してコントローラ3082にルーティングされる。また、双極RFエネルギーレセプタクル3118を介してコントローラ3082に結合されているのは、電力バス3006から直流電力を受信する絶縁DC/DCコンバータポート3112、及び低帯域幅データポート3116である。
【0268】
接触モニタ3290は、NEレセプタクル3292に結合される。電力は、単極レセプタクル3136からNEレセプタクル3292に供給される。
【0269】
一態様では、図31図37を参照すると、モジュール式エネルギーシステム3000は、レセプタクル3100、3118、3136内の器具の存在を、レセプタクル3100、3118、3136に組み込まれたフォトインタラプタ、磁気センサ、又は他の非接触センサを介して検出するように構成することができる。この手法は、MTDコネクタ上の専用の存在ピンを単一の目的に割り当てる必要性を排除し、代わりに、器具の存在を継続的に監視しながらMTD信号ピン6~9の多目的機能を可能にする。
【0270】
一態様では、図31図37を参照すると、モジュール式エネルギーシステム3000のモジュールは、患者の絶縁境界を横切る高速通信(10~50Mb/s)を可能にする光学リンクを含むことができる。このリンクは、デバイス通信、緩和信号(ウォッチドッグなど)、及び低帯域幅ランタイムデータを伝送する。いくつかの態様では、光学リンクは、非絶縁側で行われ得るリアルタイムサンプリングされたデータを含まない。
【0271】
一態様では、図31図37を参照すると、モジュール式エネルギーシステム3000のモジュールは、(i)A/D及び電流源を介して存在抵抗値を読み取ること、(ii)ハンドスイッチQプロトコルを介してレガシー器具と通信すること、(iii)ローカルバス1-Wireプロトコルを介して器具と通信すること、及び(iv)CAN FD対応外科用器具と通信することができる、多機能回路ブロックを含むことができる。外科用器具がエネルギー発生器モジュールによって適切に識別されると、関連するピン機能及び通信回路が有効化され、一方、他の未使用の機能は無効化され、高インピーダンス状態に設定される。
【0272】
一態様では、図31図37を参照すると、モジュール式エネルギーシステム3000のモジュールは、増幅器パルス/刺激/副DC増幅器を含むことができる。これは、フルブリッジ出力に基づいて柔軟に利用される増幅器であり、機能的絶縁を組み込む。これにより、その差動出力が、適用されたパーツ(いくつかの態様では、単極活性電極を除く)上の任意の出力接続を参照することができる。増幅器出力は、DACによって提供される波形駆動を有する小さい線形信号(パルス/刺激)か、DCモータ、照明、FET駆動などのDC用途のための中程度の出力電力における方形波駆動のいずれかであり得る。出力電圧及び電流は、機能的に絶縁された電圧及び電流フィードバックで感知され、正確なインピーダンス及び電力測定値をFPGAに提供する。CAN FD対応器具と対になって、この出力はモータ/運動制御駆動を提供することができ、その一方で、位置又は速度フィードバックは、閉ループ制御のためのCAN FDインターフェースによって提供される。
【0273】
統合されたユーザインターフェース
外科手術のための資本エネルギーシステムによる1つの課題は、それらが全て自身の制御インターフェースを含むことである。資本エネルギーシステムのそれぞれを個別に制御する必要に加えて、ユーザはまた、様々なインターフェースの全てを制御することに関連した個々の差異を学習しなければならない。外科手術が複数の異なる種類のエネルギーシステムを通常使用するため、この問題を回避できない。異なる制御インターフェースを介して、一つ一つのエネルギーシステムを個別に制御せざるを得ず、システムのそれぞれが、多くの場合、それ自体の特性を有するため、個人が触れざるを得ない一つ一つの制御インターフェースに完全に慣れていない場合、外科処置が遅くなり、エラーの可能性が生じる。上述のように、本開示は、OR用の単一の統合された資本エネルギーシステムとして機能するように構成されている、モジュール式エネルギーシステムを説明する。上述のモジュール式エネルギーシステムと併せて、モジュール式エネルギーシステムを構成する全ての異なるモジュールを制御するための単一の統合されたUIを提供することが更に有益であり得る。
【0274】
様々な態様では、本開示は、モジュール式エネルギーシステムのための視覚的インターフェースを提供し、これは、「モジュール式エネルギーシステム」の見出しで上述したように、エネルギーモジュールなどの様々な異なるモジュールに取り外し可能に接続可能であるヘッダモジュールを含むことができる。視覚的インターフェースは、接続されたモジュールの検知に基づいて、モジュール制御部の外観及びサイズを変更するように構成することができる。更に、視覚的インターフェースは、エネルギーモジュールの物理ポートによって、起動状態及び準備状態を視覚的に調整するように構成することができる。視覚的インターフェースのスクリーン領域の大部分は、主エネルギーモジュール専用であってよく、二次モジュールは、時折使用するために、メニューを小さくした状態で配置される。更に、視覚的インターフェースは、警報/通知がポップアップされるとき、制御インターフェースと重複することができる警報及び通知を提供することができる。
【0275】
一態様では、本開示はまた、(他の選択オプションの中でも)ユーザによって選択された処置の種類に基づいて、複数のモジュールにわたってデバイス設定を自動入力するために、モジュール式エネルギーシステムの視覚的インターフェースによって提供されるメニューを通じてユーザの好みを記憶し、アクセスすることができる、モジュール式エネルギーシステムを提供する。
【0276】
図38は、本開示の少なくとも1つの態様による、統合されたUIを含む例示のモジュール式エネルギーシステム12000の正面図である。モジュール式エネルギーシステム12000は、「モジュール式エネルギーシステム」の見出しで上述したように、複数のエネルギーモジュール(図38では、2つのエネルギーモジュール12004a、12004b)、ヘッダモジュール12002、及びUI12050を支持するディスプレイスクリーン12006を含むことができる。ディスプレイスクリーン12006は、ユーザ入力を受信し、かつ/又はそれによって表示されるUI12050を操作若しくは制御するためのタッチスクリーンを含むことができる。いくつかの態様では、ヘッダモジュール12002に接続されるモジュールの全ては、ヘッダモジュール12002上に、又はヘッダモジュール12002と一体に配置された単一のUI(すなわち、UI12050)によって制御することができる。個々のモジュールの制御部の全てを、モジュール式エネルギーシステム12000を全体として制御する単一の応答性UIに統合することは、複数の外科用装置を一度に制御及び監視するより単純な方法を提供する。このアプローチは、ORにおける外科システムの設置面積及び複雑性を大幅に低減する。
【0277】
図38に示されるモジュール式エネルギーシステム12000は、モジュール式エネルギーシステム2000などの本明細書に記載される他のモジュール式エネルギーシステムと同様であり得る。モジュール式エネルギーシステム12000を構成するモジュールの全ては、ヘッダモジュール12002によって支持されるか、ないしは別の方法で関連付けられる単一のUIによって制御できる。これにより、モジュール式エネルギーシステム12000内のモジュールの全ての制御部を単一の応答性UIに有利に統合し、モジュールのそれぞれをそれら自体のUIを通して個別に制御する必要性をなくすことができる。結果として、モジュール式エネルギーシステム12000は、複数の装置を同時に制御及び監視するより単純な方法を提供することができる。一態様では、UIは、グラフィカルUI(GUI)として具現化することができる。モジュール式エネルギーシステム12000は、図30に関連して説明されるディスプレイスクリーン2006などの本明細書に記載される他のディスプレイスクリーンと同様であり得る、ディスプレイスクリーン12006を備える。一態様では、ディスプレイスクリーン12006は、ヘッダモジュール12002(図24図29に関連して記載されるヘッダモジュール2002などの本明細書に記載されるヘッダモジュールと同様であり得る)に構造的に組み込まれ得る。他の態様では、ディスプレイスクリーン12006は、ヘッダモジュール12002に取り外し可能に接続可能であり、及び/又はヘッダモジュール2002に(例えば、有線又は無線接続を介して)通信可能に接続可能であり得る。ヘッダモジュール12002によって提供されるUIは、ユーザに情報を表示するため及び/又はユーザからの入力を受信するためのUI要素又は構成要素を含んでもよい。UI要素は、インタラクティブ構成要素及び/又はウィジェット、アイコン、又はメニューなどの非インタラクティブ構成要素を含むことができる。UI12050によって提供されるUI要素は、システム全体の設定(例えば、システムボリューム)、ヘッダモジュール12002に接続されたエネルギーモジュール12004a、12004bの設定、モード、又は機能、ヘッダモジュール12002に接続されたアクセサリの割り当て又は機能などを制御するために利用できる。更に、UI12050は、モジュール式エネルギーシステム12000内にサインインした外科医プロファイル、実施される外科処置のタイプなどといった、様々な異なる情報をユーザに示すように構成することができる。例えば、図38に示されるように、ディスプレイスクリーン12006上に表示されたUI12050は、外科処置のタイプ12054、図示された例では腹腔鏡下胆嚢切除術、特定の外科処置を行う臨床医の名前12052(又は、識別番号若しくはユーザ名などの別の識別子)を表示することができる。UI12050に加えて、ヘッダモジュール12002は、電源ボタン12066などのモジュール式エネルギーシステム12000の機能を制御するための物理的制御部を更に含み得る。
【0278】
モジュール式エネルギーシステムUIの概念を例示するために、モジュール式エネルギーシステム12000は、積み重ねられた構成でヘッダモジュール12002に接続された第1のエネルギーモジュール12004a及び第2のエネルギーモジュール12004b(図31図35に関連して説明されるエネルギーモジュール3004、3012などの本明細書に記載されるエネルギーモジュールと同様であり得る)を含むものとして示されるが、モジュール式エネルギーシステム12000は、このモジュール構成、又はモジュールの任意の他の特定の数、種類、又は構成に限定されない。上述のように、モジュール式エネルギーシステム12000は、多数の異なる構成で配置することができ、様々な異なるモジュールを含むことができる。更に、エネルギーモジュール12004a、12004bは、モジュール式エネルギーシステム12002の積み重ねられた構成内のヘッダモジュール12002及び/又は隣接モジュール間の電力インターフェース及びデータインターフェースとして機能するように構成することができる。エネルギーモジュール12004a、12004bのそれぞれは、ポートアセンブリ12012a、12012bを含んでもよい。ポートアセンブリ12012a、12012b(例えば、図25Aに関連して説明されるポートアセンブリ2012と同様であり得る)は、上述のように、異なるエネルギーモダリティを、それに接続可能な対応する外科用器具に送達するための複数の異なるポートタイプを含むことができる。1つの特定の実装では、ポートアセンブリ12012a、12012bは、双極ポート12014、第1の単極ポート12016a、第2の単極ポート12016b、中性極ポート12018(単極リターンパッドポートとも称される)、及び/又は組み合わせエネルギーポート12020を含んでよいが、他の態様では、ポートアセンブリ12012a、12012bは、ポートタイプの他の組み合わせを含むことができる。更に、モジュール式エネルギーシステム12000は、例えば、技術モジュール2040(図24)又は可視化モジュール2042(図24)などの追加のモジュールを含むことができる。これらの他のモジュールは同様に、モジュール式エネルギーシステム12002内のヘッダモジュール12002及び/又は隣接モジュール間の電力インターフェース及びデータインターフェースとして機能することができる。
【0279】
ディスプレイスクリーン12006を介して表示されるUI12050は、モジュール式エネルギーシステム12000に接続された各モジュールに関する表現を表示することができる。一態様では、UI12050は、ヘッダモジュール12002に接続されたモジュールのそれぞれに対応するUI構成要素又は要素を含み得る。モジュールがヘッダモジュール12002から接続及び接続解除されると、新たに接続されたモジュール用の新しいUI要素をUI12050に追加することができ、接続解除されたモジュール用の現在表示されている現在表示されているUI要素をUI12050から消去することができる。したがって、UI12050上に表示される他のUI要素は、新たに接続されたモジュールのためのUI要素を収容するように、又は、接続解除されたモジュール用のUI要素によって空いたUI12050上のスペースを占有するように、サイズ変更、再配置、ないしは別の方法で再構成することができる。換言すれば、モジュールがモジュール式エネルギーシステム12000から接続及び接続解除されると、UI12050上の図示された図形的特徴は変化し得る。例えば、UI12050は、モジュール式エネルギーシステム12000から既に接続解除されたモジュールの表示領域を消去するように変更することができる。逆に、より多くのモジュールがヘッダモジュール12002に接続されると、表示領域を、接続されたモジュールの増加と対応するように、数を調整する、つまり増加させることができる。概して、UI12050は、ヘッダモジュール12002に接続された各モジュールに対して指定される特定のゾーンを提供することができる。更に、一態様では、UI12050内のモジュールのUI構成要素の配置又は位置は、モジュール式エネルギーシステム12000の積み重ねられた構成内のモジュールの物理的配置、及び/又はUI構成要素が対応するモジュールの様々な構成要素の物理的位置に対応することができ、UI12050がモジュール式エネルギーシステム12000の物理的配置と視覚的に一致させ、モジュールのUI要素によって提供される情報及び/又は制御部を容易に位置付けることができる。モジュールがモジュール式エネルギーシステム12000から接続/接続解除された時、及びモジュール式エネルギーシステム12000のスタック内のモジュールの相対位置を検出するための様々な技術が、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、本出願と同時に出願された、米国特許出願代理人整理番号END9069USNP1/180681-1M、発明の名称「METHOD FOR ENERGY DISTRIBUTION IN A SURGICAL MODULAR ENERGY SYSTEM」に開示されている。
【0280】
上述のように、一態様では、UI12050は、UIに接続されたモジュールに対応する、多くのUI部分を含み得る。例えば、図38に示されるUI12050は、ヘッダモジュール12002に接続された第1のモジュール(この特定の例では、第1のエネルギーモジュール12004a)に対応する第1のUI部分12056と、ヘッダモジュール12002に接続された第2のモジュール(この特定の例では、第2のエネルギーモジュール12004b)に対応する第2のUI部分12058と、を含む。更に、この特定の例では、第1のエネルギーモジュール12004aに対応する第1のUI部分12056は、モジュール式エネルギーシステム12000内の第1のエネルギーモジュール12004aの相対位置と一致するように、UI12050の上部に沿って配置することができる。同様に、第2のエネルギーモジュール12004bに対応する第2のUI部分12058は、モジュール式エネルギーシステム12000内の第2のエネルギーモジュール12004bの相対位置と一致するように、UI12050の底部に沿って配置することができる。更に、各UI部分内に表示される様々なUI要素は、そのUI部分を専用としているモジュールのタイプに対応することができる。例えば、第1のエネルギーモジュール12004aに対応する第1のUI部分12056は、それぞれ双極ポート12014、第1の単極ポート12016a、第2の単極ポート12016b、及び組み合わせエネルギーポート12020に対応する、4つのUI要素12021a~12021dを含むことができる。一態様では、接続されたエネルギーモジュール用のUI部分は、外科用器具がそこに接続されているときにのみ、第1のエネルギーモジュール12014aのポート12014、12016a、12016b、12020のそれぞれに対応するUI要素12021a~dを表示するように構成することができる。図38に示される例では、外科用器具がポート12014、12016a、12016b、12020のそれぞれに接続されており、したがって、対応するUI要素12021a~dのそれぞれは、UI部分12056上に表示される。反対に、第1の単極ポート12016aが、外科用器具が接続される第2のエネルギーモジュール12014bの唯一のポートであるため、第2のUI部分12058は、第2のエネルギーモジュール12014bの第1の単極ポート12016aに対応する単一のUI要素12021eを表示するのみである。外科用器具が特定のポートに接続されていない場合、対応するUI部分12056、12058は、使用者がどの特定のポートタイプが使用されていないかを容易に確認できるように、例えば、使用されていないポートの形状に対応する形状などの静止画像を表示するように構成することができる。図38に示される例からも理解されるように、UI12050内のUI要素12021a~dの位置を、ポート12014、12016a、12016b、12020の相対的物理位置と更に一致させることができる。
【0281】
エネルギーモジュール用のUI要素は、特定のUI要素に関連付けられたポート12014、12016a、12016b、12020に接続された外科用器具に関連する情報(例えば、動作パラメータ)を表示するように構成することができる。例えば、第1のUI要素12021aは、第1のエネルギーモジュール12014aが、そこに接続された双極電気外科用器具に通電して、マクロモードにおいて30ワットでエネルギーを送達するように設定されていることを示し、第2のUI要素12021bは、第1のエネルギーモジュール12014aが、そこに接続された第1の単極電気外科用器具に通電して、単純な治療的切断モードにおいて100ワットで、第1の凝固モードにおいて120ワットでエネルギーを送達するように設定されていることを示し、第3のUI要素12021cは、第1のエネルギーモジュール12014aが、そこに接続された第2の単極電気外科用器具に通電して、単純な治療的切断モードにおいて100ワットで、第1の凝固モードにおいて120ワットでエネルギーを送達するように設定されていることを示し、第4のUI要素12021dは、第1のエネルギーモジュール12014aが、そこに接続された超音波外科用器具に通電して、最大電力レベル5及び最小電力レベル3でエネルギーを送達するように設定されていることを示し、第5のUI要素12021eは、第2のエネルギーモジュール12014bが、そこに接続された第3の電気外科用単極器具に通電して、単純な治療的切断モードにおいて100ワットで、第1の凝固モードにおいて120ワットでエネルギーを送達するように設定されていることを示す。超音波器具の電力レベルは、器具内に収容された圧電性結晶に送達される電流のアンペアによって測定され得る。UI部分12056、12058内の様々なUI要素12021a~eのそれぞれは、その器具がモジュール式エネルギーシステム12000に差し込まれている限り、それぞれのエネルギーモジュール12004a~b及び/又はそれに接続された外科用器具と関連付けられた情報を表示することができる。更に、UI要素12021a~eはまた、ユーザによって操作可能であるか、ないしは別の方法で制御可能であるウィジェットとして機能し、UI要素12021a~eが対応する、エネルギーモジュール12004a~b及び/又は外科用器具に関連付けられた設定を変更することができる。例えば、UI要素12021a~eは、エネルギーモジュール12004a~bによって送達されるエネルギーの量を変更し、外科用器具が操作されているモードを変更することを可能にできる。
【0282】
図39は、本開示の少なくとも1つの態様による、例示のモジュール式エネルギーシステム構成のUI12050の図である。一態様では、UI12050は、フットスイッチ割り当てウィジェット12102を含む。UI12050は、モジュール式エネルギーシステム12000のユーザが、単一又は二重ペダルフットスイッチ2032、2034(図24)などのフットスイッチへの接続を必要とする外科用器具又はツールを接続しているときに、フットスイッチ割り当てウィジェット12102を表示するように構成することができる。制御ユニット3024(図32)又はコントローラ3240(図36B)などのモジュール式エネルギーシステム12000の制御回路は、接続された外科用器具がフットスイッチを必要とする場合を判定し、次いで、UI12050を制御してフットスイッチ割り当てウィジェット12102を表示するように構成することができる。一態様では、モジュール式エネルギーシステム12000の制御回路は、接続されたフットスイッチを新たに接続された外科用器具に自動的に割り当てるように構成され得る。上述したように、フットスイッチ又は別のアクセサリは、アナログフットスイッチポート3254、3256、3258(図36B)を介してヘッダモジュール12002に接続することができる。この時点で、フットスイッチ割り当てウィジェット12102をUI12050上にレンダリングして、フットスイッチが接続された外科用器具(図39に示される例では、双極外科用器具)に割り当てられたことをユーザに通知してもよい。フットスイッチ割り当てウィジェット12102は、外科用器具をフットスイッチ2032、2034のうちの1つなどのシステムアクセサリとペアリングするために利用され得る、外科用器具の器具設定パネル上に表示される制御アイコン又はウィジェットと同じ又は類似であってもよい。
【0283】
UI12050は、UI部分12056、12058が対応するモジュール式エネルギーシステム12000の積み重ねられた構成内のモジュールの位置を示す、場所アイコン12103a~b(又は他のUI要素)を更に含むことができる。上述のように、UI12050の異なるUI部分12056、12058はそれぞれ、ヘッダモジュール12002に接続された特定のモジュールに対応することができ、各部分は、特定のモジュールに対応する制御部、データ、ユーザプロンプト、及び他の情報を表示することができる。一態様では、ロケーションアイコン12103a~bは、UI部分12056、12058が対応する特定のモジュールを示す、多数のダッシュ記号又は他のしるしを含むことができる。例えば、1つのダッシュ記号は、モジュール式エネルギーシステム12000の積み重ねられた構成内の第1又は最上モジュールに対応することができ、2つのダッシュ記号は、モジュール式エネルギーシステム12000の積み重ねられた構成内の第2のエネルギーモジュールに対応することができる。位置アイコン12103の各ダッシュ記号はまた、異なる場所アイコン12103を互いに区別するために、特定の色又は他のしるしを有してもよい。ロケーションアイコン12103a~bの色は、関連付けられているUI部分又はモジュールに対応することができる。例えば、第1のUI部分12056及び対応する第1の場所アイコン12103aは、両方とも第1の色(例えば、赤色)を含むことができ、一方で、第2のUI部分12056及び対応する第2の場所アイコン12103bは、両方とも第2の色(例えば、緑色)を含むことができる。
【0284】
一態様では、UI12050は、そのUI構成要素の少なくとも一部の色を、ヘッダモジュール12002に接続されたモジュールの構成要素の色と合わせるように構成することができる。例えば、図38に戻って参照すると、UI部分12056、12058及び/又は関連付けられたUI要素12021a~eのそれぞれは、対応するエネルギーモジュール12004a~bのライトアセンブリ12015によって放射される色を含むように、ないしは別の方法で合わせるように構成することができる。すなわち、UI12050によって表示される色を、エネルギーモジュール12004a~bのポート照明に対応させることができる。モジュールの物理的構成要素(例えば、エネルギーモジュール12004a~bのポート12014、12016a、12016b、12020)とUI構成要素(例えば、UI要素12121a~e)との間の色を合わせることによって、UI12050により、どのUI構成要素がどのモジュール構成要素に関連付けられているかをユーザが迅速かつ容易に確認することができる。ライトアセンブリ12015は、図30に関して上述したライトアセンブリ2015と同様であってもよい。また、上述したように、ライトアセンブリ12015のそれぞれは、外科用器具又はツールのプラグがポートアセンブリのそれぞれのポートに完全に挿入されたときに、外科用器具のモード若しくは機能、外科用器具及び/若しくはモジュールに関連するエラーが存在するか否かなどに応じて、色が変化するように構成することができる。したがって、UI12050は、関連付けられたUI構成要素の色を、それと一致するように変更するよう構成することができる。
【0285】
ディスプレイスクリーン12006上にレンダリングされたUI部分12056、12058及び/又はUI要素12021a~eはまた、ヘッダモジュール12002へのモジュールの接続を感知したことに基づいて、外観及びサイズを変更することもできる。例えば、UI12050は、第1のエネルギーモジュール12004aがヘッダモジュール12002に接続されていることに応答して、第1のエネルギーモジュール12004aに対応するディスプレイスクリーン12006上の第1のUI部分12056を表示するように変更することができる。また、各モジュール及び/又はUI部分12056、12058用のライティングアセンブリ12015は、それらが関連付けられている物理ポートのアクティブ化及び準備状態を視覚的に合わせるために使用することができる。更に、UI12050は、第2のエネルギーモジュール12004bがヘッダモジュール12002に接続されていることに応答して、ディスプレイスクリーン12006の第2のUI部分12058を表示するように更に変更することができる。
【0286】
一態様では、図40は、本開示の少なくとも1つの態様による、接続されたモジュールのUI構成要素を表示するプロセス12200の論理フロー図である。プロセス12200は、制御回路によって実行されるとき、制御回路にプロセス12200の列挙されたステップを実行させる、制御回路(例えば、制御ユニット3024(図32)又はUIプロセッサ3040(図33))に結合されたメモリに記憶された、例えば命令として具現化することができる。プロセス12200の以下の説明では、図38、及び図39もまた参照されたい。
【0287】
したがって、制御回路は、エネルギーモジュールなどのモジュールのヘッダモジュール12002への取り付けを検出する(12202)。次いで、制御回路は、接続されたモジュールがヘッダモジュール12002に接続されている第1のモジュールであるか、すなわち、組み立てられているモジュール式エネルギーシステム12000内のヘッダモジュール12002以外の第1のモジュールであるかを判定する(21204)。第1の接続されたモジュールである場合、プロセス12200は、「はい」の分岐に沿って進み、ディスプレイスクリーン12006に結合された制御回路は、ディスプレイスクリーン12006を制御して、UI12050を介して接続されたモジュールタイプに対応するUI構成要素を表示する(12206)。例えば、制御回路は、第1のエネルギーモジュール12004aがヘッダモジュール12002に接続されていることに応答して、関連するUI要素12021a~dを含む第1のUI部分12056をディスプレイスクリーン12006に表示させることができる。第1の接続モジュールではない(すなわち、既に1つ以上のモジュール式エネルギーシステム12000内のヘッダモジュール12002に接続されたモジュールが存在する)場合、プロセス12200は、「いいえ」の分岐に沿って進み、制御回路は、ディスプレイスクリーン12006を制御して、UI12050の現在表示されているUI構成要素のサイズを変更するか、再配置するか、又はないしは別の方法で再構成し(12208)、UI12050を介して新たに接続されたモジュールタイプに対応するUI構成要素を表示する(12210)。例えば、制御回路は、第2のエネルギーモジュール12004bがモジュール式エネルギーシステム12000のモジュールスタックに追加されたことに応答して、ディスプレイスクリーン12006に、第1のUI部分12056及びその関連付けられたUI要素12021a~dのサイズ変更/再配置を生じさせ、それに応じて、関連するUI要素120213を含む、第2のUI部分12058を表示させることができる。このようにして、UI12050は、モジュール式エネルギーシステム12000を形成するために共に接続されたモジュールの数及び種類に応じて動的に変化するように構成することができ、それによって、接続されたモジュールの全てを集合的に制御するための単一の統合されたUIを提供する。
【0288】
図38及び図39に戻って参照すると、一態様では、特定のモジュールタイプを主又は二次モジュールとして、UI12050内で分類することができる。二次モジュールは、ディスプレイスクリーン12006上のより小さい表示領域によって表され得る。具体的には、二次モジュールは、ディスプレイスクリーン12006上で過度にスペースを占有しないように、縮小されたメニュー状態に配置することができる一方で、ユーザが時折使用するために利用可能なままである。更に、UI12050は、発生する際に警報及び通知を表示するための特定の領域を含み得る。例えば、警報及び通知は、ディスプレイスクリーン12006の上部ヘッダ部分に沿って表示され得る。
【0289】
一態様では、ヘッダモジュール12002は、モジュール式エネルギーシステム12000内の複数のモジュールにわたって自動入力されたデバイス設定を含む、ユーザ選択を記憶するように更に構成することができる。次いで、UI12050を用いて、UIメニューを介してこれらの自動入力されたデバイス設定にアクセスすることができる。加えて、特定の自動入力された設定は、ユーザによって選択された外科処置に基づいて、モジュール式エネルギーシステム12000によって決定され得る。
【実施例
【0290】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
【0291】
実施例1.モジュール式エネルギーシステムのためのヘッダモジュールであって、ヘッダモジュールは、エネルギーモジュールに取り外し可能に接続するように構成されており、エネルギーモジュールは、1つ以上のエネルギーモダリティを、エネルギーモジュールに接続された外科用器具に送達するように構成されているポートを備え、ヘッダモジュールは、ユーザインターフェース(UI)を表示するように構成されているディスプレイスクリーンと、ディスプレイスクリーンに連結された制御回路であって、第1のエネルギーモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のエネルギーモジュールに対応する第1のUI部分をUI上に表示することであって、第1のUI部分が、第1のエネルギーモジュールの第1のポートに対応する第1のUI要素を含む、ことと、第2のエネルギーモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第2のエネルギーモジュールに対応する第2のUI部分をUI上に表示することであって、第2のUI部分が、第2のエネルギーモジュールの第2のポートに対応する第2のUI要素を含む、ことと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のUI部分及び第2のUI部分の両方がディスプレイスクリーン上に表示されるように、第1のUI部分を再構成することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える、ヘッダモジュール。
【0292】
実施例2.第1のエネルギーモジュールが、第1のポートに関連付けられたライトアセンブリを更に含み、制御回路が、第1のUI要素の色を、ライトアセンブリの色と一致させるように更に構成されている、実施例1に記載のヘッダモジュール。
【0293】
実施例3.制御回路が、第1のエネルギーモジュールのモードに従って色を変更するように更に構成されている、実施例2に記載のヘッダモジュール。
【0294】
実施例4.第1のUI要素がウィジェットを含み、ウィジェットが、ポートに接続された外科用器具の電力レベル又はモードのうちの少なくとも1つを制御するように構成されている、実施例1~3のいずれか1つに記載のヘッダモジュール。
【0295】
実施例5.第1のエネルギーモジュールが複数の第1のポートを含み、複数の第1のポートが第1のポートを含み、第1のUI部分が複数の第1のUI要素を含み、複数の第1のUI要素が第1のUI要素を含み、複数の第1のUI要素のうちの1つが複数の第1のポートのうちの1つに対応する、実施例1~4のいずれか1つに記載のヘッダモジュール。
【0296】
実施例6.複数の第1のUI要素が、第1のエネルギーモジュール上の複数の第1のポートの相対位置に従って、UI内に位置付けられる、実施例5に記載のヘッダモジュール。
【0297】
実施例7.第1のUI部分及び第2のUI部分が、モジュール式エネルギーシステム内の第1のエネルギーモジュール及び第2のエネルギーモジュールの相対位置に従って、UI内に位置付けられる、実施例1~6のいずれか1つに記載のヘッダモジュール。
【0298】
実施例8.モジュール式エネルギーシステムのヘッダモジュール用の制御回路であって、ヘッダモジュールは、ユーザインターフェース(UI)を表示し、制御回路に連結されるように構成されているディスプレイスクリーンを備え、ヘッダモジュールは、エネルギーモジュールに取り外し可能に接続するように構成され、エネルギーモジュールは、1つ以上のエネルギーモダリティを、それに接続された外科用器具に送達するように構成されているポートを備え、制御回路は、第1のエネルギーモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のエネルギーモジュールに対応する第1のUI部分をUI上に表示することであって、第1のUI部分が、第1のエネルギーモジュールの第1のポートに対応する第1のUI要素を含む、ことと、第2のエネルギーモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第2のエネルギーモジュールに対応する第2のUI部分をUI上に表示することであって、第2のUI部分が、第2のエネルギーモジュールの第2のポートに対応する第2のUI要素を含む、ことと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のUI部分及び第2のUI部分の両方がディスプレイスクリーン上に表示されるように、第1のUI部分を再構成することと、を行うように構成されている、制御回路。
【0299】
実施例9.第1のエネルギーモジュールが、第1のポートに関連付けられたライトアセンブリを更に含み、制御回路が、第1のUI要素の色を、ライトアセンブリの色と一致させるように更に構成されている、実施例8に記載の制御回路。
【0300】
実施例10.制御回路が、第1のエネルギーモジュールのモードに従って色を変更するように更に構成されている、実施例9に記載の制御回路。
【0301】
実施例11.第1のUI要素がウィジェットを含み、ウィジェットが、ポートに接続された外科用器具の電力レベル又はモードのうちの少なくとも1つを制御するように構成されている、実施例8~10のいずれか1つに記載の制御回路。
【0302】
実施例12.第1のエネルギーモジュールが複数の第1のポートを含み、複数の第1のポートが第1のポートを含み、第1のUI部分が複数の第1のUI要素を含み、複数の第1のUI要素が第1のUI要素を含み、複数の第1のUI要素のうちの1つが複数の第1のポートのうちの1つに対応する、実施例8~11のいずれか1つに記載の制御回路。
【0303】
実施例13.複数の第1のUI要素が、第1のエネルギーモジュール上の複数の第1のポートの相対位置に従って、UI内に位置付けられる、実施例12に記載の制御回路。
【0304】
実施例14.第1のUI部分及び第2のUI部分が、モジュール式エネルギーシステム内の第1のエネルギーモジュール及び第2のエネルギーモジュールの相対位置に従って、UI内に位置付けられる、実施例8~13のいずれか1つに記載の制御回路。
【0305】
実施例15.モジュール式エネルギーシステムのためのヘッダモジュールであって、ヘッダモジュールは、モジュール式エネルギーシステムを形成するために、複数のモジュールに取り外し可能に接続するように構成されており、ヘッダモジュールは、ユーザインターフェース(UI)を表示するように構成されているディスプレイスクリーンと、ディスプレイスクリーンに連結された制御回路であって、第1のモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のモジュールに対応する第1のUI部分をUI上に表示することであって、第1のUI部分が、第1のモジュールの第1の機能に対応する第1のUI要素を含む、ことと、第2のモジュールのモジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、ディスプレイスクリーンを制御して、第2のモジュールに対応する第2のUI部分をUI上に表示することであって、第2のUI部分が、第2のモジュールの第2の機能に対応する第2のUI要素を含む、ことと、ディスプレイスクリーンを制御して、第1のUI部分及び第2のUI部分の両方がディスプレイスクリーン上に表示されるように、第1のUI部分を再構成することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える、ヘッダモジュール。
【0306】
実施例16.第1のモジュールが、ライトアセンブリを更に含み、制御回路が、第1のUI要素の色を、ライトアセンブリの色と一致させるように更に構成されている、実施例15に記載のヘッダモジュール。
【0307】
実施例17.制御回路が、第1のモジュールのモードに従って色を変更するように更に構成されている、実施例16に記載のヘッダモジュール。
【0308】
実施例18.第1のUI要素がウィジェットを含み、ウィジェットが、第1のモジュールの第1の機能を制御するように構成されている、実施例15~17のいずれか1つに記載のヘッダモジュール。
【0309】
実施例19.第1のUI部分及び第2のUI部分が、モジュール式エネルギーシステム内の第1のモジュール及び第2のモジュールの相対位置に従って、UI内に位置付けられる、実施例15~18のいずれか1つに記載のヘッダモジュール。
【0310】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多くの修正、変形、変更、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって行われる機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変更、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0311】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート及び/又は実施例を用いて、装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実装することができ、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。更に、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式で1つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず用いられる。
【0312】
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって配布され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体が挙げられる。
【0313】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、用語「制御回路」は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理機構(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用するとき、「制御回路」は、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ形式若しくはデジタル形式、又はこれらのいくつかの組み合わせで実装されてもよいことを認識するであろう。
【0314】
本明細書の任意の態様で使用される場合、用語「論理」は、前述の動作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0315】
本明細書の任意の態様で使用するとき、用語「構成要素」、「システム」、「モジュール」などは、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのどちらかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0316】
本明細書の任意の態様で使用するとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、結合、比較及び別様に操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利なラベルである。
【0317】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0318】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理すること(processing)」、「計算すること(computing)」、「算出すること(calculating)」、「判定すること(determining)」、「表示すること(displaying)」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置のアクション及び処理を指していることが理解されよう。
【0319】
1つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0320】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0321】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0322】
更に、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0323】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンス(単数又は複数)で示されているが、様々な動作は、例示されたもの以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0324】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0325】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0326】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0327】
〔実施の態様〕
(1) モジュール式エネルギーシステムのためのヘッダモジュールであって、前記ヘッダモジュールは、エネルギーモジュールに取り外し可能に接続するように構成されており、前記エネルギーモジュールは、1つ以上のエネルギーモダリティを、前記エネルギーモジュールに接続された外科用器具に送達するように構成されているポートを備え、前記ヘッダモジュールは、
ユーザインターフェース(UI)を表示するように構成されているディスプレイスクリーンと、
前記ディスプレイスクリーンに連結された制御回路であって、
第1のエネルギーモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第1のエネルギーモジュールに対応する第1のUI部分を前記UI上に表示することであって、前記第1のUI部分が、前記第1のエネルギーモジュールの第1のポートに対応する第1のUI要素を含む、ことと、
第2のエネルギーモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第2のエネルギーモジュールに対応する第2のUI部分を前記UI上に表示することであって、前記第2のUI部分が、前記第2のエネルギーモジュールの第2のポートに対応する第2のUI要素を含む、ことと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分の両方が前記ディスプレイスクリーン上に表示されるように、前記第1のUI部分を再構成することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える、ヘッダモジュール。
(2) 前記第1のエネルギーモジュールが、前記第1のポートに関連付けられたライトアセンブリを更に含み、
前記制御回路が、前記第1のUI要素の色を、前記ライトアセンブリの色と一致させるように更に構成されている、実施態様1に記載のヘッダモジュール。
(3) 前記制御回路が、前記第1のエネルギーモジュールのモードに従って前記色を変更するように更に構成されている、実施態様2に記載のヘッダモジュール。
(4) 前記第1のUI要素がウィジェットを含み、前記ウィジェットが、前記ポートに接続された外科用器具の電力レベル又はモードのうちの少なくとも1つを制御するように構成されている、実施態様1に記載のヘッダモジュール。
(5) 前記第1のエネルギーモジュールが複数の第1のポートを含み、前記複数の第1のポートが前記第1のポートを含み、
前記第1のUI部分が複数の第1のUI要素を含み、前記複数の第1のUI要素が前記第1のUI要素を含み、
前記複数の第1のUI要素のうちの1つが前記複数の第1のポートのうちの1つに対応する、実施態様1に記載のヘッダモジュール。
【0328】
(6) 前記複数の第1のUI要素が、前記第1のエネルギーモジュール上の前記複数の第1のポートの相対位置に従って、前記UI内に位置付けられる、実施態様5に記載のヘッダモジュール。
(7) 前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分が、前記モジュール式エネルギーシステム内の前記第1のエネルギーモジュール及び前記第2のエネルギーモジュールの相対位置に従って、前記UI内に位置付けられる、実施態様1に記載のヘッダモジュール。
(8) モジュール式エネルギーシステムのヘッダモジュール用の制御回路であって、前記ヘッダモジュールは、ユーザインターフェース(UI)を表示し、前記制御回路に連結されるように構成されているディスプレイスクリーンを備え、前記ヘッダモジュールは、エネルギーモジュールに取り外し可能に接続するように構成されており、前記エネルギーモジュールは、1つ以上のエネルギーモダリティを、前記エネルギーモジュールに接続された外科用器具に送達するように構成されているポートを備え、前記制御回路は、
第1のエネルギーモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第1のエネルギーモジュールに対応する第1のUI部分を前記UI上に表示することであって、前記第1のUI部分が、前記第1のエネルギーモジュールの第1のポートに対応する第1のUI要素を含む、ことと、
第2のエネルギーモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第2のエネルギーモジュールに対応する第2のUI部分を前記UI上に表示することであって、前記第2のUI部分が、前記第2のエネルギーモジュールの第2のポートに対応する第2のUI要素を含む、ことと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分の両方が前記ディスプレイスクリーン上に表示されるように、前記第1のUI部分を再構成することと、を行うように構成されている、制御回路。
(9) 前記第1のエネルギーモジュールが、前記第1のポートに関連付けられたライトアセンブリを更に含み、
前記制御回路が、前記第1のUI要素の色を、前記ライトアセンブリの色と一致させるように更に構成されている、実施態様8に記載の制御回路。
(10) 前記制御回路が、前記第1のエネルギーモジュールのモードに従って前記色を変更するように更に構成されている、実施態様9に記載の制御回路。
【0329】
(11) 前記第1のUI要素がウィジェットを含み、前記ウィジェットが、前記ポートに接続された外科用器具の電力レベル又はモードのうちの少なくとも1つを制御するように構成されている、実施態様8に記載の制御回路。
(12) 前記第1のエネルギーモジュールが複数の第1のポートを含み、前記複数の第1のポートが前記第1のポートを含み、
前記第1のUI部分が複数の第1のUI要素を含み、前記複数の第1のUI要素が前記第1のUI要素を含み、
前記複数の第1のUI要素のうちの1つが前記複数の第1のポートのうちの1つに対応する、実施態様8に記載の制御回路。
(13) 前記複数の第1のUI要素が、前記第1のエネルギーモジュール上の前記複数の第1のポートの相対位置に従って、前記UI内に位置付けられる、実施態様12に記載の制御回路。
(14) 前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分が、前記モジュール式エネルギーシステム内の前記第1のエネルギーモジュール及び前記第2のエネルギーモジュールの相対位置に従って、前記UI内に位置付けられる、実施態様8に記載の制御回路。
(15) モジュール式エネルギーシステムのためのヘッダモジュールであって、前記ヘッダモジュールは、前記モジュール式エネルギーシステムを形成するために、複数のモジュールに取り外し可能に接続するように構成されており、前記ヘッダモジュールは、
ユーザインターフェース(UI)を表示するように構成されているディスプレイスクリーンと、
前記ディスプレイスクリーンに連結された制御回路であって、
第1のモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第1のモジュールに対応する第1のUI部分を前記UI上に表示することであって、前記第1のUI部分が、前記第1のモジュールの第1の機能に対応する第1のUI要素を含む、ことと、
第2のモジュールの前記モジュール式エネルギーシステムへの取り付けを検出することと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第2のモジュールに対応する第2のUI部分を前記UI上に表示することであって、前記第2のUI部分が、前記第2のモジュールの第2の機能に対応する第2のUI要素を含む、ことと、
前記ディスプレイスクリーンを制御して、前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分の両方が前記ディスプレイスクリーン上に表示されるように、前記第1のUI部分を再構成することと、を行うように構成されている、制御回路と、を備える、ヘッダモジュール。
【0330】
(16) 前記第1のモジュールが、ライトアセンブリを更に含み、
前記制御回路が、前記第1のUI要素の色を、前記ライトアセンブリの色と一致させるように更に構成されている、実施態様15に記載のヘッダモジュール。
(17) 前記制御回路が、前記第1のモジュールのモードに従って前記色を変更するように更に構成されている、実施態様16に記載のヘッダモジュール。
(18) 前記第1のUI要素がウィジェットを含み、前記ウィジェットが、前記第1のモジュールの前記第1の機能を制御するように構成されている、実施態様15に記載のヘッダモジュール。
(19) 前記第1のUI部分及び前記第2のUI部分が、前記モジュール式エネルギーシステム内の前記第1のモジュール及び前記第2のモジュールの相対位置に従って、前記UI内に位置付けられる、実施態様15に記載のヘッダモジュール。
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