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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】溶融炉電極操作装置
(51)【国際特許分類】
   F27B 3/20 20060101AFI20240205BHJP
   F27D 11/10 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
F27B3/20
F27D11/10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021512939
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 US2019048296
(87)【国際公開番号】W WO2020051023
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】62/727,789
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】クック,マーク アラン
(72)【発明者】
【氏名】フレイリー,レイモンド ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】パーマー,ブライアン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リーゲル,ケヴィン スコット
(72)【発明者】
【氏名】ジマーマン,タイタス リー
【審査官】國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-250906(JP,A)
【文献】国際公開第2014/050826(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 1/00- 3/28
C03B 1/00- 5/44
F27D 7/00-15/02
H05B 3/02- 3/18
H05B 3/40- 3/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッチ材料を溶融するためのシステムであって、該システムが、
少なくとも1つの側壁を有しかつ溶融チャンバを画定する容器と、
前記側壁内に配置され、前記溶融チャンバに面した正面と、該正面とは反対側の背面とを有する電極と、
押圧アセンブリであって、
前記容器に対して固定された位置固定フレームと、
前記背面に接続されたボディと、
前記位置固定フレームおよび前記ボディに接続された第1の軌道と
前記位置固定フレームおよび前記ボディに接続された第2の軌道と
を有していて、
前記ボディが、前記電極の前記背面に押圧力を加えるために、前記位置固定フレームに対して相対的に前記第1の軌道の長さに沿って運動可能である、押圧アセンブリと
を有し
前記電極が、左右の側面のうちの第1の側および反対側の第2の側を有していて、前記第1の側と前記第2の側との間で幅を有しており、
前記第1の軌道が、前記第1の側に隣接して、該第1の側から離間して配置されており、
前記第2の軌道が、前記第2の側に隣接して、該第2の側から離間して配置されており、
前記第1の軌道と前記第2の軌道との間の距離が、前記幅よりも大きい、システム。
【請求項2】
前記位置固定フレームが、前記容器に近位の前方アームおよび該前方アームとは反対側の後方アームを有する側方フレーム枠を有しており、さらに、前記第1の軌道が、前記前方アームと前記後方アームとの間に延びていて、前記前方アームおよび前記後方アームに接続されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記電極が、電極列を有する電極のアレイ内に配置されており、さらに、前記押圧アセンブリが、前記側壁に対して相対的に前記電極列を運動させるように操作可能である、請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
バッチ材料を溶融するためのシステムであって、該システムが、
少なくとも1つの側壁を有しかつ溶融チャンバを画定する容器と、
前記側壁内に配置され、前記溶融チャンバに面した正面と、該正面とは反対側の背面とを有する電極と、
支持アセンブリであって、
上部支持ブロックと下部プレートとを有する第1の支持ユニットであって、前記上部支持ブロックにより前記電極が支持されている、第1の支持ユニットと、
上側ボディおよび下側ボディを有する第2の支持ユニットであって、前記上側ボディにより前記第1の支持ユニットが支持されている、第2の支持ユニットと
を有していて、
前記第1の支持ユニットが、第1の平面において前記下部プレートに対して相対的な前記上部支持ブロックの選択的な運動を可能にするように構成されており、
さらに、前記第2の支持ユニットが、前記第1の平面とは異なる第2の平面において前記下側ボディに対して相対的な前記上側ボディの選択的な運動を可能にするように構成されている、支持アセンブリと
を有し、
前記第1の平面が実質的に水平であり、前記第2の平面が実質的に鉛直である、システム。
【請求項5】
前記支持アセンブリが、前記第1の支持ユニットの操作を介して前記側壁に対して相対的に前記電極の横方向の位置を変更し、かつ前記第2の支持ユニットの操作を介して前記側壁に対して相対的に前記電極の鉛直方向の位置を変更するように操作可能である、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の支持ユニットが、前記上部支持ブロックと前記下部プレートとの間に挿入された複数のホイールを有している、請求項4または5記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の支持ユニットが、前記下部プレートに対して相対的に前記上部支持ブロックを選択的にロックするロック装置を有している、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記第2の支持ユニットが、前記上側ボディと前記下側ボディとの間に配置された楔体を有している、請求項4から7までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
前記第2の支持ユニットが、前記上側ボディおよび前記下側ボディに対して相対的に前記楔体の位置を変更するためのアクチュエータ機構を有している、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記第2の支持ユニットが、基部と、該基部に回転可能に接続された複数のホイールとを有しており、前記基部が、前記下側ボディを支持している、請求項4から9までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
前記支持アセンブリが、前記電極に整合され、前記基部にスライド式に接続された軌道を有している、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記電極が、電極列を有する電極のアレイに配置されており、さらに、前記支持アセンブリが、前記側壁に対して相対的に前記電極列を運動させるように操作可能である、請求項4から11までのいずれか1項記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2018年9月6日に出願された米国仮出願第62/727789号に基づく優先権の利益を主張し、その内容に依拠し、その内容全体を参照することにより本明細書に援用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、バッチ材料を溶融するためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、本開示は、ガラスバッチ材料の溶融に使用される電極列のような、バッチ材料を溶融するためのシステムの一部として設けられた電極と機械的に相互作用するか、この電極を支持するための器具および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
溶融炉は、幾つか例を挙げるとガラスバッチ材料および金属バッチ材料のような、多種多様なバッチ材料を溶融するために使用することができる。バッチ材料を、2つ以上の電極を有する容器内に配置することができ、バッチを通して電流を流すために電極に電圧を印加することによって溶融することができる。これによって(または別のソース(たとえば燃料の燃焼火炎)により生成される加熱エネルギを供給することにより)、バッチが加熱され、溶融される。溶融炉のライフサイクルは、電極損耗に依存してしまう。一般的に、電極の「ホット面」または「正面」は、溶融炉内でバッチ材料に最も近いか、またはバッチ材料に接触する電極端面である。「コールド面」または「背面」は、ホット面とは反対側であり、溶融されたバッチ材料から最も遠い電極端面である。電極の長さは、ホット面とコールド面との間の距離である。溶融プロセス中に、電極のホット面は、溶融されたバッチ材料との接触により徐々に損耗されてしまい、これにより電極の長さが減じられる。幾つかの点において、電極のホット面は過度に短くなり、炉の安全かつ/または効率的な運転を損なってしまう。
【0004】
幾つかの溶融炉構造では、電極は、容器壁、バッチ材料の体積、別の電極等に対して相対的に、所望の箇所に損耗したホット面を再配置するために、定期的に容器内へ前進させられる。たとえば、コールド面が容器壁の外側に配置されたままで、電極の所定の長さが、容器の側壁に設けられた通路または貫通穴を通じて挿入される。所望の場合、容器チャンバに対して相対的に電極を前進させる押圧力が、コールド面に加えられる。
【0005】
電極が、比較的小さなサイズおよび/または質量を有している場合、溶融容器壁の外側で電極を支持することは不要であり、オペレータが所望の押圧力を加えるための装置または機構は、極めて単純にすることができる。しかし、幾つかの溶融炉構造では、電極のアレイを構成する電極列(electrode bank)が使用される。電極列は、比較的大きなサイズおよび質量を有していることがある。さらに、溶融炉の寿命またはキャンペーンを延長するために、製造者は、増大した長さを有する電極または電極列を採用する努力をしてきた。これらのまたは別の条件では、溶融容器壁の外側で電極または電極列を支持し、かつ/または電極または電極列に押圧力を加えることを容易にするための既存の装置は、不十分である。
【0006】
したがって、溶融容器壁の外側の1箇所において電極または電極列と相互作用するか、または電極または電極列を操作するための、たとえば電極または電極列を支持し、かつ/または電極または電極列に押圧力を加えることを容易にする機器と、このような機器を含んでいる溶融炉システムとが、本明細書において開示される。
【発明の概要】
【0007】
本開示の幾つかの実施形態は、バッチ材料を溶融するためのシステムに設けられた押圧アセンブリに関する。システムはさらに、容器および電極を含んでいる。容器は、少なくとも1つの側壁を含んでいて、溶融チャンバを画定している。電極は、側壁内に配置されていて、溶融チャンバに面した正面(または「ホット」面)と、正面とは反対側の背面とを規定している。押圧アセンブリは、位置固定フレーム、ボディおよび少なくとも1つの軌道を含んでいる。位置固定フレームは、容器に取り付けられている。ボディは、電極の背面に接続されている。軌道は、位置固定フレームおよびボディに接続されている。これに関して、ボディは、位置固定フレームに対して相対的にボディを運動させ、電極の背面に押圧力を加えるために、軌道の長さに沿って運動可能である。幾つかの実施形態では、位置固定フレームは、容器に近位の前方アームと、前方アームとは反対側の後方アームとを含んでいる。これらの実施形態および関連する実施形態では、軌道は、前方アームと後方アームとの間に延びていて、前方アームと後方アームとに接続されている。軌道は、ねじ山付きねじであってよく、ボディは、軌道とのねじ山を介した相互作用箇所を設けるために適合させられており、これにより、ボディは、ねじ山付きねじの回転によって、このねじ山付きねじに沿って、位置固定フレームに対して相対的に並進する。幾つかの実施形態では、1つ以上の接触機構(たとえば押圧ピン)が、ボディにより支持され、電極の背面にボディを接続する。
【0008】
本開示のさらに別の実施形態は、バッチ材料を溶融するためのシステムに設けられた支持アセンブリに関する。システムはさらに、容器および電極を含んでいる。容器は、少なくとも1つの側壁を含んでいて、溶融チャンバを画定している。電極は、側壁内に配置されていて、溶融チャンバに面した正面と、正面とは反対側の背面とを規定している。支持アセンブリは、任意にカートを形成するために、第1の支持ユニットと、たとえば、第1の支持ユニットの上に配置された第2の支持ユニットとを含んでいる。第1の支持ユニットは、上部支持ブロックと、下部プレートとを含んでいる。電極は、上部支持ブロックにより支持されている。第2の支持ユニットは、上側ボディと下側ボディとを含んでいる。第1の支持ユニットは、上側ボディにより支持されている。第1の支持ユニットは、第1の平面内における下部プレートに対して相対的な上部支持ブロックの選択的な運動(たとえば横方向の運動)を可能にするように構成されている。第2の支持ユニットは、第1の平面とは異なる第2の平面における下側ボディに対して相対的な上側ボディの選択的な運動を可能にするように構成されている。たとえば、第1の支持ユニットは、電極の横方向の調整または運動を容易にすることができる一方で、第2の支持ユニットは、電極の鉛直方向の調整または運動を容易にすることができる。幾つかの実施形態では、第1の支持ユニットが、下部プレートに対して相対的な上部支持ブロックの横方向の運動を可能にする複数のホイールと、下部プレートに対して相対的な上部支持ブロックのロックのためのロック装置とを含んでいる。幾つかの実施形態では、第2の支持ユニットが、上側ボディおよび下側ボディの間にスライド式に配置された楔体を含んでいる。
【0009】
付加的な特徴および利点は、以下の詳細な説明に記載され、部分的には、その説明から当業者にとって容易に明らかになるか、または、以下の詳細な説明、特許請求の範囲および添付の図面を含む本明細書に記載された実施形態を実施することによって認識される。
【0010】
上述の一般的な説明および以下の詳細な説明は両方とも、種々異なる実施形態を説明するものであり、特許請求の範囲に記載された事項の性質および特徴を理解するための概要または枠組みを提供することを意図しているものであると理解されたい。添付の図面は、種々異なる実施形態のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本明細書に記載された種々異なる実施形態を示しており、本明細書と合わせて、特許請求の範囲に記載された事項の原理および動作を説明するために役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の原理に関連した電極相互作用ユニットを含む溶融炉システムの横断面を示す概略図である。
図2A図1に示した電極相互作用ユニットの支持アセンブリと共に使用されるカートを示す正面斜視図である。
図2B図2Aに示したカートを示す背面斜視図である。
図3A】電極列を支持する図2Aに示したカートを含む、図1に示した溶融炉システムの一部を簡略化して示す側方横断面図である。
図3B図3Aに示した配置を簡略化して示す端面図である。
図4A図1に示した電極相互作用ユニットと共に使用される押圧アセンブリを簡略化して示す側面図である。
図4B図4Aに示した押圧アセンブリの一部の、4B-4B線に沿った横断面図である。
図4C図4Bに示した押圧アセンブリの一部の、4C-4C線に沿った横断面図である。
図5A】電極列と相互作用するために組み付けられた、図4Aに示した押圧アセンブリを含む、図1に示す溶融炉システムの一部を簡略化して示す横断面図である。
図5B図5Aに示した配置を上から簡略化して示す横断面図である。
図6A】電極列の損耗を伴う図5Aに示した配置を簡略化して示す側方横断面図である。
図6B図6Aに示した配置を上から簡略化して示す横断面図である。
図7A】電極列を前進させるための押圧アセンブリの操作を伴う、図6Aに示した配置を簡略化して示す側方横断面図である。
図7B図7Aに示した配置を上から簡略化して示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
バッチ材料を溶融するためのシステムおよび方法の種々異なる実施形態、特に溶融炉の動作を監視するための、たとえば溶融炉の容器内の電極の実際の長さを推定するための機器および方法の種々異なる実施形態について詳細に言及する。可能な限り、同一の参照符号が図面全体を通じて同一の部材または類似の部品を参照するために使用される。しかし、本開示は、種々異なる多数の形態で実施することができ、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0013】
本開示の実施形態を図1に関連して説明する。図1は、バッチ材料32を溶融するための例示的な溶融炉システム30を図示している。溶融炉30は、容器34と、少なくとも1つの電極36と、少なくとも1つの電極相互作用ユニット38(全体として参照)とを含んでいてよい。種々異なる構成要素に関する詳細を以下に説明する。概して、容器34は、種々異なる形状をとることができ、概して、側壁40と、床部または下部42とを含んでいるか、または規定しており、これらの側壁40および下部42は、チャンバ44を画定するために組み合わせられる。バッチ材料32は、入口46を介してチャンバ44内に導入することができる。次いで、適切な方法または方法の組み合わせ、たとえば、容器34内の燃焼バーナ(図示せず)により加熱することができる側壁40および/または床部42に接触することにより、かつ/または電極36(または2つの電極36の間に流れる電流)との接触により、従来の溶融技術によって、バッチ材料32を容器34内で加熱し、溶融することができる。溶融されたバッチ材料32は、続く処理のために、出口48を介して容器チャンバ44から流出することができる。電極相互作用ユニット38は、複数の電極36のうちの少なくとも1つの電極のために設けられていて、支持アセンブリ50と、押圧アセンブリ52(ブロック形で示されている)とを含んでいてよい。支持アセンブリ50は、容器34の外側で電極36の一部を支持する。押圧アセンブリ52は、容器34に対して相対的な電極36の選択的な前進を容易にする。本開示の幾つかの態様は、支持アセンブリ50および押圧アセンブリ52のうちの1つまたは2つを対象としている。
【0014】
「バッチ材料」という用語およびこの用語のバリエーションは、本明細書では、溶融時に、所望される最終的な材料組成物を形成するために反応し、かつ/または結合する、前駆成分の混合物を示すために使用されている。バッチ材料は、たとえば、幾つかを挙げると、ガラス前駆材料、または金属合金前駆材料を有していてよい。バッチ材料は、前駆材料を組み合わせるための任意の既知の方法によって調製かつ/または混合することができる。たとえば、特定の非限定的な実施形態では、バッチ材料は、たとえば、溶媒または液体を含まず、前駆粒子の乾燥した混合物または実質的に乾燥した混合物を含んでいてよい。別の実施形態では、バッチ材料は、スラリーの形態であってもよく、たとえば、液体または溶媒が存在している状態での前駆粒子の混合物であってよい。
【0015】
種々異なる実施形態によれば、バッチ材料は、シリカ、アルミナのようなガラス前駆材料と、ホウ素、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、ストロンチウム、スズまたはチタン酸化物のような種々異なる添加酸化物とを含んでいてよい。たとえば、ガラスバッチ材料は、シリカおよび/またはアルミナと、1種以上の添加酸化物との混合物であってよい。種々異なる実施形態において、ガラスバッチ材料は、合わせて約45~約95重量%(wt%)のアルミナおよび/またはシリカと、合わせて約5~約55重量%のホウ素、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、ストロンチウム、スズおよび/またはチタンの少なくとも1種の酸化物とを含んでいる。
【0016】
バッチ材料32は、任意の適切な方法、たとえば、従来のガラスおよび/または金属の溶融技術により、溶融することができる。たとえば、バッチ材料32は、チャンバ44に加えられてよく、以下の間のすべての範囲および部分範囲を含む、摂氏約1100度(℃)~約1700℃の範囲の温度、たとえば約1200℃~約1650℃の範囲、約1250℃~約1600℃の範囲、約1300℃~約1550℃の範囲、約1350℃~約1500℃の範囲、または約1400℃~約1450℃の範囲の温度に加熱することができる。バッチ材料は、特定の実施形態では、運転温度およびバッチ量のような種々異なる変数に応じて、かつバッチ材料32の組成物の粒径に応じて、容器32内で数分から数時間、数日またはそれ以上の範囲の滞留時間を有していてよい。たとえば、滞留時間は、以下の間のすべての範囲および部分範囲を含む、約30分~約3日、約1時間~約2日、約2時間~約1日、約3時間~約12時間、約4時間~約10時間、または約6時間~約8時間の範囲であってよい。
【0017】
ガラス処理の場合、溶融ガラス材料は、続いて、幾つかを挙げると、気泡を除去するための清澄およびガラス溶融物を均質にするための攪拌のような、種々異なる付加的な処理ステップを受けることができる。次いで、溶融されたガラスは、たとえば、フュージョンドロー、スロットドロー、およびフロート技術のような任意の既知の方法を用いて、ガラスリボンを製造するために処理することができる。続いて、非限定的な実施形態では、ガラスリボンを、ガラスシートへと成形し、切断し、研磨し、かつ/または別の方法で処理することができる。
【0018】
容器34は、たとえば、ジルコン、ジルコニア、アルミナ、酸化マグネシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素および酸窒化ケイ素のような耐火性材料、白金および白金合金のような貴金属およびこれらの組み合わせのような、所望される溶融プロセスにおいて使用するために適している任意の絶縁性または耐熱性材料から形成することができる。種々異なる実施形態によれば、一部(たとえば側壁40、床部42等)は、耐火性材料または貴金属のような耐熱性材料の内張りを備えた外側層を含んでいてよい。容器34は、所望の用途のために適した任意の形状またはサイズを有していてよく、特定の実施形態では、たとえば、円形、楕円形、正方形または多角形の横断面を有していてよい。幾つかを挙げると、長さ、高さ、幅および深さを含む容器34の寸法は、所望の用途に応じて変更することができる。寸法は、特定のプロセスまたはシステムのために適切であるように選択することができる。図1は、容器34を、連続的な処理のために適しているように入口46および出口48を有するものとして図示しているが、入口および/または出口を含んでいても含んでいなくてもよく、かつバッチ処理またはセミバッチ処理のために使用することができる別の容器構成を使用することができると理解することができる。
【0019】
電極36は、所望の溶融用途に適した任意の材料を有していてよい。たとえば、電極材料は、運転中の電極36の通常の損耗または浸食が、バッチ組成物および/または最終製品に有害な影響をほとんどまたは全く与えないように選択することができる。ガラス溶融運転のような、種々異なる非限定的な実施形態では、複数の電極36のうちの1つ以上の電極が、最終的なガラス組成物中に存在していてよい1つ以上の酸化物または別の材料を含んでいてよい。たとえば、電極36は、バッチ材料32中に既に存在する(たとえば、最終的な製品中の酸化物の量をわずかに増加させる)酸化物またはバッチ材料32中に存在していない(たとえば、最終的な組成物中に少量または微量の酸化物を導入する)酸化物を含んでいてよい。非限定的な例として、複数の電極36のうちの1つ以上の電極は、二酸化スズ、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、タングステン、酸化モリブデン・ジルコニウム、白金および別の貴金属、グラファイト、炭化ケイ素ならびに別の適切な材料およびそれらの合金を含んでいてよい。
【0020】
本開示の支持アセンブリおよび押圧アセンブリは、多種多様な異なる電極構成と共に使用することができる。たとえば、図1に示した非限定的な実施形態は、アレイ状の形態で互いに組み付けられたか、または配置された複数の電極36を含むモノリシックな電極列または電極ブロック60と相互作用する(interface)ものとして支持アセンブリ50および押圧アセンブリ52を示している。別の実施形態では、本開示の支持アセンブリおよび/または押圧アセンブリは、複数の電極36のうちの単一の電極と相互作用することができる。これを念頭に置いて、別に記載しない限り、「電極」および「電極ブロック」は、本開示を通して互換的に使用することができる。
【0021】
複数の電極36のうちの1つ以上の電極36は、複数の側壁40のうちの対応する1つの側壁内に組み付けられ、この側壁を通って延びている。たとえば、図1は、複数の側壁のうちの第1の側壁40aに組み付けられた電極列60を示している。特に、電極列60は、第1の側壁40aの厚さを貫通する開口70に配置され、チャンバ44内に含まれるバッチ材料32に対して露出しているか、またはこのバッチ材料32に接触するように配置されている。幾つかの実施形態では、ガラス接触ブロック72が、側壁40aの一部として、または側壁の内部に設けられていて、電極列60を支持している。
【0022】
電極列60は、開口70を通って延び、第1の側壁40aの内面74にほぼ面一に整合している(したがって、チャンバ44および含まれるバッチ材料32に対して露出している)ものとして図示されている。別の実施形態では、複数の電極36のうちの1つ以上の電極が(個別にまたは電極列の一部として)、対応する側壁内面を超えて突出しているように配置されていてもよい。別の実施形態では、複数の電極36のうちの1つ以上の電極は(個別にまたは電極列の一部として)、電極36が内面74おいて開口70を介してチャンバ44内に含まれるバッチ材料32と直接に相互作用することを可能にするように、対応する側壁40aの厚さ内で終端するように配置することができる。いずれにせよ、容器34への最終的な組付け時に、電極列60と同様に各電極36を、背面(または「コールド面」)82とは反対側の正面(または「ホット面」)80を規定するものとして見なすことができるか、または考慮することができる。正面80は、バッチ材料32に最も近いか、またはバッチ材料32に接触する電極端面であり、チャンバ44に向いている(たとえば、正面80は、チャンバ44内に配置されているか、または側壁40aの厚さ内にあり、開口70を介してチャンバ44内のバッチ材料32に対して露出している)。背面82は、バッチ材料32から最も離れた電極端面であり、チャンバ44内にはなく、またはチャンバ44に向いていない。側壁40aの外側の電極列60の領域は、以下に説明するように、支持アセンブリ50によって支持されている。
【0023】
幾つかの実施形態において、容器34への(たとえば、側壁40のうちの対応する1つの側壁への)各電極36(単独または電極列60の一部として)の組付けでは、電極36を対応する側壁40に対して相対的に(したがって、チャンバ44に対して相対的に)前進させることができる。たとえば、第1の側壁40aへの電極列60の組付けでは、電極列60を第1の側壁40aに対して相対的にスライドまたは押圧することができ、チャンバ44に対して相対的に正面80を再位置決めすることができる。運転中に、電極列60は、主に正面80において経時的に損耗する。換言すると、正面80は、背面82に向かって物理的に浸食される。したがって、電極列60が第1の側壁40aに対して静止しているか、または固定されている場合、第1の側壁40aに対して相対的な正面80の物理的な位置は、電極列60が損耗するにつれて変化する。このような状況で、かつ電極列60が第1の側壁40aに対してスライド式に組み付けられている実施形態では、電極列60を、押圧アセンブリ52を介して、チャンバ44に向かって定期的に前進させることができ(つまり、図1に示す配向に関して右方向に運動させる)、現在損耗している正面80を内面74に対して相対的な所望の位置において再位置決めすることができる。
【0024】
図1は、6つの電極36(これらの電極のうちの5つの電極は電極列60に設けられている)を図示しているが、特定の用途のために要求または所望されるように、任意の個数の電極を使用することができる。幾つかの実施形態では、電極の対を、容器34の寸法にわたって互いに整列させることができる。たとえば、図1に示した非限定的な例では、相補的な電極36aが、電極列60と整列しており、電気伝導を、電極列60と、相補的な電極36aとにわたって、したがって、バッチ材料32を通して行うことができる。幾つかの実施形態では、対を成す電極列が容器34の互いに反対側に配置されることで、相補的な電極36aが、電極列の一部として設けられていてよい。別の電極配置も可能である。さらに、図1は、支持アセンブリ50および押圧アセンブリ52を、別の形式で複数の電極36から成る電極列60と相互作用するものとして示しているが、別の実施形態では、本開示の支持アセンブリ50および/または押圧アセンブリ52は、複数の電極36のうちの単独の電極と相互作用することができる。
【0025】
電極36は、溶融炉内で運転するために適した任意の寸法および/または形状を有していてよい。たとえば、幾つかの実施形態では、電極36は、ロッドまたはブロックとして形成されていてよい。電極36は、正方形、円形または任意の別の規則的な形状または不規則的な形状のような、任意の適切な横断面形状を有していてよい。さらに、電極36の初期長さは、用途および/または容器34のサイズに応じて変化させることができる。幾つかの非限定的な実施形態では、電極36は、以下の間のすべての範囲および部分範囲を含む、約10センチメートル(cm)~約200cmの範囲の初期長さを有していてよく、約20cm~約175cm、約30cm~約150cm、約40cm~約125cm、約50cm~約100cmまたは約60cm~約75cmの初期長さを有していてよい。電極列60は、多様な形状およびサイズを有していてもよい。幾つかの非限定的な例では、電極列60は、36インチ(91.44センチメートル)のオーダの初期長さと、少なくとも3000ポンド(1360.777キログラム)のオーダの重量(または質量)とを有していてよい。本開示の支持アセンブリ50および押圧アセンブリ52は、長さが少なくとも36インチ(91.44センチメートル)であり、重量が少なくとも3000ポンド(1360.777キログラム)である電極列と頑健に相互作用するように構成されており、より小さなかつ/またはより軽い電極構成との相互作用のためにも同様に適している。
【0026】
一般的に、側壁40内の電極36は、電源(図示せず)、たとえば、バッチ材料32を通る制御された電流を提供する、交流電圧を有する電源に接続されている(たとえば、対向する側壁40における2つの電極列の対を成す配置では、一方の列の電極36が電源の一方の極に接続されるのに対して、第2の列の電極36が、同じ電源の他方の極に接続されている)。したがって、図1には示されていないが、電気接続装置またはユニットが電極36または電極列60の背面82に設けられていてよい。さらに、従来採用されている別の装置または構成要素が背面82に設けられているか、または背面82により支持されており、たとえば背面82は、中間のフレキシブルな金属メッシュを介して水冷ジャケットに接続されていてよい。
【0027】
支持アセンブリ50
上述の一般的な説明を念頭に置いて、支持アセンブリ50は、容器34の外側に位置決めされており、電極列60を支持するために適した種々異なる構成要素を含んでいる。幾つかの実施形態では、支持アセンブリ50は、固定具100とカート102とを含んでいてよい。固定具100は、容器34を別の形式で支持する接地構造物(たとえば、容器34を収容している建物の床)に組み付けられていて、上面104を提供している。この上面104上にカート102が保持されている。固定具100は、電極列60の重量を支持するために適した種々異なる多様な構造(たとえば、材料、形状等)を有していてよい。カート102は、上面104と電極列60との間に配置されている。本開示の幾つかの態様は、カート102の実施形態を対象としている。
【0028】
カート102の1つの例が、図2Aおよび図2Bにおいて詳細に示されている。カート102は、第1の支持ユニット110(全体として参照)および第2の支持ユニット112(全体として参照)を含んでいる。以下でより詳細に説明するように、第1の支持ユニット110は、電極列60(図1)に接触しており、第1の平面または方向における、カート102の別の構成要素に対して相対的な電極列60の運動を容易にするように構成されている。第2の支持ユニット112は、第1の支持ユニット110を固定具100(図1)に対して支持し、第2の平面または方向における電極列60の運動を容易にするように構成されている。たとえば、図面において特定されるX、Y、Z座標系に関して、第1の支持ユニット110は、X軸の方向での横方向の運動を容易にし、第2の支持ユニット112は、Z軸の方向での鉛直方向の運動を容易にする。
【0029】
第1の支持ユニット110は、上部支持ブロック120と、下部プレート122と、横方向拡張機構124(全体として参照)とを含んでいる。上部支持ブロック120は、以下に説明するように、上部支持ブロック120の選択的な運動(たとえば、選択的な横方向の運動)を可能にするように、拡張機構124によって下部プレート122に対して保持されている(すなわち、上部支持ブロック120は、幾つかの状況では入力された力に応じて下部プレート122に対して相対的に運動することができるか、または運動させられ、別の状況では下部プレート122に対して相対的に選択された位置に留まるか、または保持される)。
【0030】
上部支持ブロック120は、概して、電極または電極列(上述した電極列60(図1)など)に直接接触し、かつ(たとえば、重力の下で)支持するように構成されており、多様な形態をとることができる。上部支持ブロック120は、電極または電極列を受ける支承面130を規定する。幾つかの実施形態では、上部支持ブロック120は、支承面130が実質的に平坦または平面状であり(すなわち、真に平坦または平面状の面の10%以内)、少なくとも3000ポンド(1360.777キログラム)のオーダの荷重を受けた場合に実質的に平坦または平面状の形状を維持するように構成されている。上部支持ブロック120は、電気的に絶縁性で高温安定性である材料のような適切な絶縁材料、たとえば、ZIRCAR Refractory Composites, Inc.社からRS-100という商品名で入手可能である繊維強化された構造アルミナ複合材から形成することができる。幾つかの任意の実施形態では、第1の支持ユニット110は、上部支持ブロック120を緩く保持するポケットを画定するフレームを含んでいてよい。第1の支持ユニット110は、複数の上部支持ブロック120のうちの単一の上部支持ブロックを含むものとして図示されているが、別の実施形態では、2つ以上の上部支持ブロック(または別の絶縁体もしくはアセンブリ)が設けられていてよく、これらの上部支持ブロックは集合して支承面130を形成することができる。幾つかの例では、上部支持ブロック120は、電気的な絶縁のために少なくとも0.5インチ(1.27センチメートル)の厚さを有していてよいが、別の寸法も可能である。
【0031】
下部プレート122は、予想される力が加えられた場合に(たとえば、少なくとも3000ポンド(1360.777キログラム)のオーダの荷重を受けた場合に)、その構造的な完全性を維持するように構成された材料で形成された実質的に平面状のボディ(すなわち、真に平面状のボディの10%以内)であってよい。たとえば、下部プレート122は、ステンレス鋼であってよいが、別の材料も想定される。下部プレート122は、種々異なる形状およびサイズを有していてよく、幾つかの実施形態では、以下でより詳細に説明するように、カート102の別の特徴に応じたサイズにされている。より一般的に言えば、下部プレート122の形状は、対向する第1の側方エッジ132および第2の側方エッジ134、対向する第1の端部エッジ136および第2の端部エッジ138ならびにガイド面140を規定する。
【0032】
横方向拡張機構124は、下部プレート122に対して相対的な上部支持ブロック120の選択的な横方向の調整または運動のための種々異なる形状をとることができ、幾つかの実施形態では、ホイール150a,150b,150c,150dのような複数のホイールと、ロック装置152(全体として参照)とを含んでいてよい。ホイール150a,150b,150c,150dは、ガイド面140に沿って転がり、スライドし、または別の形式で運動するように配置されている。上部支持ブロック120は、ガイド面140に沿ったホイール150a,150b,150c,150dの回転(または別の運動)に伴って、下部プレート122に対して相対的に上部支持ブロック120が運動するように、ホイール150a,150b,150c,150dに接続されている。たとえば、ホイール150a,150b,150c,150dは、上部支持ブロック120を支持する剛性フレーム154に回転可能に取り付けられていてよい。ホイール150a,150b,150c,150dを上部支持ブロック120に間接的に接続する別の形式も可能である。別の実施形態では、ホイール150a,150b,150c,150dは、上部支持ブロック120に直接に、回転可能に組み付けられていてよい。いずれにせよ、ホイール150a,150b,150c,150dおよび下部プレート122は、幾つかの実施形態では、Y軸の方向でのあからさまな横方向の変位または運動を制限または阻止するように集合的に構成されている。たとえば、各ホイール150a,150b,150c,150dは、転動面156およびフランジ158(図2Aの第1のホイール150aに対して認められる)を含んでいてよい。フランジ158は、転動面156に対して相対的に半径方向に突出し、転動面156の直径よりも大きい外径を規定する。ホイール150a,150b,150c,150dは、対応する転動面156がガイド面140に接触し、フランジ158が複数の側方エッジ132,134の対応する1つの側方エッジを超えて突出するように(たとえば、第1のホイール150aのフランジ158は、第1の側方エッジ132を超えて突出する)、下部プレート122に対して相対的に配置されている。この構造により、ホイール150a,150b,150c,150dはそれぞれ、対応する転動面156を介してガイド面140に沿ってまたはガイド面140に対して相対的に転動することができ、これにより、X軸の方向での上部支持ブロック120の横方向の運動を引き起こすことができる。さらに、ホイール150a,150b,150c,150dは、フランジ158と、対応する側方エッジ132との間の相互作用箇所を介して、Y軸の方向で側方エッジ132,134に対して有効に横方向で捕捉されている。たとえば、第1のホイール150aおよび第2のホイール150bのフランジ158と第1の側方エッジ132との間の相互作用箇所は、上部支持ブロック120が第2の側方エッジ134の方向にあからさまに運動することを阻止する。同様に、第3のホイール150cおよび第4のホイール150dのフランジ158と第2の側方エッジ134との間の相互作用箇所は、上部支持ブロック120が第1の側方エッジ132の方向にあからさまに運動することを阻止する。横方向拡張機構124は、4つのホイール150a,150b,150c,150dを含むものとして示されているが、それ以上またはそれ以下の別の個数も可能である。さらに、横方向拡張機構124は、ホイールを含んでいても、含んでいなくてもよい、下部プレート122に対して相対的な上部支持ブロック120の横方向の運動を容易にする別の形態をとることもできる。
【0033】
ロック装置152は、概して、下部プレート122に対して相対的な上部支持ブロック120の(X軸の方向での)横方向の運動の程度を制限し、所望の横方向の位置において上部支持ブロック120を選択的にロックするように構成されている。幾つかの非限定的な実施形態では、ロック装置152は、対向するストップ部材160,162およびロック部材164を含んでいてよい。ストップ部材160,162は、複数の端部エッジ136,138のうちのそれぞれ1つの端部エッジに隣接するガイド面140に組み付けられていて、このガイド面140から上方に突出する剛体(たとえば、ステンレス鋼ブロック)であってよい。ストップ部材160,162は、上部支持ブロック120が、対応する端部エッジ136,138の方向に運動するときに、フレーム154に接触するサイズおよび形状を有している。たとえば、フレーム154(ひいては上部支持ブロック120)が、第1の端部エッジ136の方向で横方向に運動した場合に、第1のストップ部材160は、フレーム154(ひいては上部支持ブロック120)が、第1の端部エッジ136を越えて運動することを阻止する。下部プレート122に対して相対的な上部支持ブロック120の明らかな横方向の運動を制限するための別の構成要素または構造も可能である。
【0034】
ロック部材164は、所望の横方向の位置または場所において下部プレート122に対して相対的に上部支持ブロック120をロックするために適した種々異なる形態をとることができる。幾つかの実施形態では、ロック部材164は、ストップ部材160,162のうちのそれぞれの1つにねじ締結されたボルトであってよい。上部支持ブロック120が所望の横方向の位置に来るや否や、ボルト164は回転させられるか、またはフレーム154(の対向する側面)に接触するように前進させられ、これにより、さらなる横方向の運動が阻止される。ボルト164を緩めると、X軸の方向での下部プレート122に対して相対的なフレーム154、ひいては上部支持ブロック120の横方向の運動が可能になる。ねじ山付きボルトを含んでいても含んでいなくてもよい別のロック装置の構造も可能である。
【0035】
第2の支持ユニット112は、少なくとも1つの上側ボディ170a,170b、少なくとも1つの下側ボディ172a,172b、少なくとも1つの楔体174a,174b、アクチュエータ機構176(全体として参照)および基部178を含んでいてよい。上側ボディ170a,170bのそれぞれは、下部プレート122に固定されている。下側ボディ172a,172bのそれぞれは、基部178に固定されていて、上側ボディ170a,170bのうちの対応する1つに鉛直方向で整合している。楔体174a,174bのうちのそれぞれ1つは、上側ボディおよび下側ボディのうちの鉛直方向で整合したものの間に配置されている(すなわち、第1の楔体174aは、第1の上側ボディ170aと下側ボディ172aとの間にあり、第2の楔体174bは、第2の上側ボディ170bと下側ボディ172bとの間にある)。アクチュエータ機構176は、上側ボディ170a,170bおよび下側ボディ172a,172bに対して相対的な楔体174a,174bの位置を選択的に変更するように構成されており、これにより下部プレート122と基部178との間で所望の鉛直方向の間隔(Z軸の方向)を形成することができる。これらの構造および同様の構造により、第2の支持ユニットは、下側ボディ172a,172bに対して相対的な上側ボディ170a,170bの選択的な運動を可能にするように構成されている(すなわち、上側ボディ170a,170bは、幾つかの状況では入力された力に応じて下側ボディ172a,172bに対して相対的に運動させられるか、または運動することができ、別の状況では下側ボディ172a,172bに対して相対的に選択された位置に留まるか、または保持される)。さらに、基部178は、以下に説明するように、カート102と固定具100(図1)との相互作用を促進するように構成されていてよい。
【0036】
上側ボディ170a,170bは、下部プレート122への最終的な組付け時に傾斜面180(図2Bにおいて第2の上側ボディ170bに対して認められる)を提供するためのサイズおよび形状を概して有する類似または同一の構造を有していてよい。たとえば、上側ボディ170a,170bはそれぞれ、三角形の形状を有していてよい。いずれにせよ、最終組付け時には、傾斜面180が下部プレート122とは反対側に配置されている。傾斜面180は、実質的に平面状であってよく(すなわち、真に平面状の面の10度以内)、第1の側方エッジ132から第2の側方エッジ134に向かう方向で下部プレート122に向かって先細りするように配置されている。上側ボディ170a,170bは、予想される力が加えられた場合に傾斜面180の形状を維持するように選択された、剛性で構造的に堅牢な材料から形成されていてよい。たとえば、幾つかの非限定的な実施形態では、上側ボディ170a,170bは、シリコンブロンズ材料から形成されるが、別の材料(たとえば、ステンレス鋼)も可能である。
【0037】
下側ボディ172a,172bは、上側ボディ170a,170bと類似しているか、または同一であってよく、それぞれが、基部178への最終的な組付け時に、傾斜面182(図2Bにおいて第2の下側ボディ172bに対して認められる)を提供するためのサイズおよび形状を有している。傾斜面182は、上述したように実質的に平面状であってよい。最終組付け時に、下側ボディ172a,172bの傾斜面182は、対応する上側ボディ170a,170bの傾斜面180の鏡像として配置されている(たとえば、第2の下側ボディ172bの傾斜面182は、第2の上側ボディ170bの傾斜面180の鏡像である)。下側ボディ172a,172bは、上側ボディ170a,170bと同一の剛性材料、たとえばシリコンブロンズ材料から形成することができる。
【0038】
楔体174a,174bは、類似または同一の構造を有していてよく、概して、対応する整合した上側ボディおよび下側ボディの対170a/172a,170b/172bの傾斜面180,182の間にスライド式の楔体の形式で嵌まり込むようなサイズおよび形状を有している。たとえば、楔体174a,174bのそれぞれは、対向する斜面184,186(第2の楔体174bに対して認められる)を規定する。斜面184,186は、上述したように実質的に平面状であってよい。最終的な組付け時に、第1の斜面184の平面は、対応する上側ボディ170a,170bの傾斜面180の平面に倣い、第2の斜面186の平面は、対応する下側ボディ172a,172bの傾斜面182の平面に倣う。この構造により、楔体174a,174bのそれぞれは、第1の斜面184が、対応する上側ボディ170a,170bの傾斜面180に沿ってスライドし、第2の斜面186が、対応する下側ボディ172a,172bの傾斜面182に沿ってスライドしながら、Y軸方向で上側ボディおよび下側ボディの対応する対170a/172a,170b/172bに対して相対的に運動することができる。
【0039】
第2の支持ユニット112を、2セットの楔型相互作用箇所(すなわち、第1の上側ボディ170a、第1の楔体174a、第1の下側ボディ172aならびに第2の上側ボディ170b、第2の楔体174b、第2の下側ボディ172b)を提供するものとして説明したが、それ以上またはそれ以下の別の数も可能である。
【0040】
アクチュエータ機構176は、上側ボディ170a,170bおよび下側ボディ172a,172bに対して相対的な楔体174a,174bの、ユーザが促進する運動のために適した種々異なる形態をとることができ、幾つかの実施形態では、サイドパネル190、キャリッジ192、シャフト194およびアクチュエータ196を含んでいる。サイドパネル190は、下部プレート122と基部178との間に固定され、鉛直方向に延びている剛体(たとえば、ステンレス鋼)である。下側ボディ172a,172bは、サイドパネル190に固定されている。上側ボディ170a,170bは、サイドパネル190にスライド式に接続されている。たとえば、サイドパネル190は、ピン200(ピンのうちの1つは図2Aに対して認められる)をスライド式に収容する鉛直方向スロット198(スロットのうちの1つは図2Aに対して認められる)を画定することができる。ピン200自体は、上側ボディ170a,170bのうちの対応する1つの上側ボディに取り付けられている。この構成により、上側ボディ170a,170bは、(取り付けられたピン200が、対応する鉛直方向スロット198内でスライドしながら)サイドパネル190に対して相対的に鉛直方向(すなわち、Z軸の方向)に運動することができるが、別の方向(すなわち、X軸の方向およびY軸の方向)でサイドパネル190に対して相対的に運動することは本質的に阻止されている。下側ボディ172a,172bは、サイドパネル190に対して相対的に空間的に固定されている。
【0041】
キャリッジ192は、上側ボディおよび下側ボディの対向するセット170a/172a,170b/172bの間に嵌め込むためのサイズを有するロッドまたは同様の構造体であってよい。楔体174a,174bは、キャリッジ192の対向する端部の一方にそれぞれ取り付けられている。この構造により、キャリッジ192は、上側ボディおよび下側ボディの対応する対170a/172a,170b/172bの間に位置し、楔体174a,174bのそれぞれを保持する(たとえば、第1の楔体174aは、第1の上側ボディ170aと第1の下側ボディ172aとの間に保持されている)。
【0042】
シャフト194は、キャリッジ192に結合され、このキャリッジ192から突出している。幾つかの実施形態では、シャフト194は、キャリッジ192に螺合されていてよい。代替的には、シャフト194とキャリッジ192との間のより固定された関係を確立することができる。いずれにせよ、シャフト194は、キャリッジ192から延びていて、サイドパネル190に設けられた穴202(図2Aにおいて部分的に見える)を通過する。アクチュエータ196は、図示されているように、サイドパネル190に隣接するシャフト194に接続されており、幾つかの実施形態では、ボルトヘッドに類似するものであってよい。アクチュエータ196のサイズまたは外側寸法は、穴202のサイズまたは寸法よりも大きい。この構造では、アクチュエータ196は、サイドパネル190の面に突き当たる。
【0043】
使用中に、シャフト194は、ユーザが引き起こしたアクチュエータ196の回転により回転し、シャフト194とキャリッジ192との螺合により、キャリッジ192はサイドパネル190に向かって、またはサイドパネル190から離れる方向に(すなわち、Y軸の方向で)運動する。代替的には、シャフト194は、キャリッジ192に固定されていて、アクチュエータ196に螺合することができる。いずれにせよ、楔体174a,174bは、キャリッジ192と協働して、対応する傾斜面180,182に沿ってスライドしながら、サイドパネル190に向かって、またはサイドパネル190から離れて運動する一方で、上側ボディ170a,170bおよび下側ボディ172a,172bは、Y軸の方向で空間的に固定されたままである。したがって、アクチュエータ196の回転に応じた、サイドパネル190に対して相対的な楔体174a,174bの運動は、第1の上側ボディ170aと第1の下側ボディ172aとの間かつ第2の上側ボディ170bと第2の下側ボディ172bとの間の鉛直方向(すなわちZ軸の方向)の間隔または隙間を変化させる。したがって、図2Aおよび2Bにおける直立方向に関して、基部178、ひいては下側ボディ172a,172bがZ軸の方向で空間的に固定されている状況(たとえば、カート102が固定具100(図1)に配置されている場合)で、サイドパネル190に向かう楔体174a,174bの運動は、基部178に対して相対的に上側ボディ170a,170bを鉛直方向で上方に向かって変位させる(すなわち、図2Aおよび図2Bの配置から移行する)。これらの同じ状況で、サイドパネル190から離れる楔体174a,174bの運動は、上側ボディ170a,170bが(たとえば、重力の力を受けて)基部178に向かって鉛直方向で下方に運動することを可能にする。基部178に対して相対的な下部プレート122の、ユーザに促進された鉛直方向の運動を容易にすることができる別のアクチュエータ機構形式も可能であり、回転可能なシャフト194を組み込んでも組み込まなくてもよい。
【0044】
基部178は、上述したカート102の別の構成要素を支持するためのサイズおよび形状を有しており、予想される力が加えられた場合にその構造的な完全性を維持するために選択された剛性材料(たとえば、ステンレス鋼)から形成されている。幾つかの非限定的な実施形態では、基部178は、下側ボディ172a,172bおよびサイドパネル190が組み付けられるキャビティ204(図2Bにおいて認められる)を画定することができる。キャビティ204は、カート102が降下させられた配置(すなわち、図2Aおよび2Bの配置)において、楔体174a,174bを収容するためのサイズを有していてよく、これにより、カート102の全体的なプロファイルまたは設置面積が減じられる。別の構造も可能である。幾つかの非限定的な実施形態では、2つ以上のホイール206が基部178に回転可能に結合されている。ホイール206は、種々異なる形態をとることができ、以下でより詳細に説明するように、固定具100(図1)に対して相対的にカート102を運動可能に捕捉するように構成されていてよい。別の実施形態では、ホイール206を省略することができる。
【0045】
支持アセンブリ50は、容器34に対して相対的に電極列60を支持しながら、図3Aおよび図3Bに示されている。上述したように、電極列60は、側壁40aに設けられた開口70を通過するように配置されており、支持アセンブリ50は、容器34の外側で電極列60の一部を支持している。固定具100は、開口70と整合しており、たとえばビーム220を介して容器34に対して相対的に固定されている。容器34に対して相対的に固定具100の位置を空間的に固定するために、別の組付け構造を代替的に採用することができる。カート102は、電極列60と固定具100との間に配置されている。上部支持ブロック120は、電極列60の下面222に物理的に接触しており、基部178および/またはホイール206は、固定具100に物理的に接触している。幾つかの実施形態では、カート102は、背面82において、または背面82に隣接して、電極列60の下面222に接触するように配置されていてよい。いずれにせよ、カート102および固定具100は、集合的に電極列60の重量を支持する。
【0046】
幾つかの実施形態では、カート102と固定具100との間の相互作用箇所は、カート102が固定具100に対して相対的に移動する(articulate)ことができるようになっている。たとえば、カート102は、固定具100の上面104に接触するホイール206を含んでいてよい。上面104は、固定具100に対して相対的にホイール206、ひいては基部178を横方向で(すなわち、X軸の方向で)捕捉する軌道のような構造を有していてよい。しかしながら、ホイール206と上面104との間の転がり相互作用箇所は、カート102が固定具100に対して相対的に、ひいては側壁40aに対して相対的に横方向に(すなわちY軸の方向で)移動することができるようなものである。上述したように、(たとえば、正面80の損耗を調整するために)側壁40aに対して相対的に電極列60を定期的に前進させることが有用であり得る。これらの状況および別の状況で、カート102は、電極列60の(Y軸の方向での)前進を容易にし、電極列60と一緒に上面104に沿って転がり、スライドし、または別の形式で移動する。一般的に、電極列60の質量または重量により、上部支持ブロック120は、電極列60が前進させられる場合に、下面222との強固な摩擦接触または係合を本質的に維持する。別の実施形態では、カート102は、電極列60の前進により、固定具100に対して静止したままであるように構成されていてよい(たとえば、上部支持ブロック120は、下面222と接触し、電極列60の前進時に回転するローラを含んでいるか、または支持することができる)。
【0047】
特に図3Aを参照すると、カート102は、側壁40aとの鉛直方向の整合関係(plumb relationship)において電極列60を支持しているものとして描かれている。鉛直方向の整合関係は、電極列60の下面222および反対側の上面224が、側壁開口70の対応するエッジの平面と整合するか、または同一の高さにあるものとして説明することができる。代替的または付加的には、電極列60の背面82によって規定される主要平面226は、側壁40aによって規定される主要平面228と実質的に平行(すなわち、真に平行な関係から5度以内)である。代替的または付加的には、電極列60によって規定される中心線230は、実質的に水平(すなわち、真に水平な配置の5度以内)であり、側壁開口70によって規定される中心線232と実質的に平行である。電極列60が側壁40aと鉛直方向で整合していないように見える状況では(または別の理由で)、背面82において電極列60を鉛直方向に(すなわち、Z軸の方向で)昇降させるために、カート102を操作することができる。たとえば、オペレータは、アクチュエータ196を回転させて、上述したように、楔体174a,174b(複数の楔体のうちの1つが図3Aにおいて見えている)を、対応する上側ボディおよび下側ボディ170a/172a,170b/172b(第1の上側ボディ170aおよび下側ボディ172aが図3Aにおいて見えている)に対して相対的に運動させることができる。楔体174aがサイドパネル190に向かって運動させられている、図3Aに示すようなカート102の配置に関して、下側ボディ172aは、空間的に固定されたままである(楔体174aにより下側ボディ172aに加えられた力に、固定具100を介してかつビーム220のような接地構造物を介して基部178が抵抗する)。結果として、上側ボディ170aが上方に運動させられ、上側ボディ170aと下側ボディ172aとの間の鉛直方向のギャップが拡大する。楔体174aにより上側ボディ170aに加えられた上方に向かう力は、下部プレート122(図3B)および上部支持ブロック120を介して電極列60に伝達される。カート102により加えられた上方に向かう力は、電極列60を側壁40aとの接触点を中心に効果的に回転または枢動させながら、背面82を上方に向かって運動させる。これとは反対に、楔体174aがサイドパネル190から離れるよう運動させるためにアクチュエータ196が操作されると、上側ボディ170aが、下側ボディ172aに向かって(電極列60から上部支持ブロック120へと加えられた力を介して)鉛直方向に運動することが可能にされ、背面82は下方に向かって運動する(電極列60は、側壁40aとの接触点を中心として効果的に回転または枢動する)。所望のようにカート102の鉛直方向の配置を変更することによって、電極列60は、側壁40aと鉛直方向で整合するか、または同一の高さにあってよい。
【0048】
特に図3Bを参照すると、幾つかの実施形態では、カート102は、固定具100に対して相対的な電極列60の横方向の運動(すなわちX軸の方向)を可能にするか、または容易にすることができる。一般的に、溶融運転中に、容器34の壁(側壁40aなど)は、激しい熱により膨張してしまう。このような状況および別の状況では、固定具100に対して相対的な、側壁40aに設けられた開口70の横方向の配置が、経時的に変化してしまう。電極列60が開口70において側壁40aに密着している場合、側壁40aの膨張または「ずれ」は、電極列60に(X軸方向の)横方向の力として加えられる。上部支持ブロック120は、対向するストップ部材160,162の間で下部プレート122に対して(したがって、固定具100に対して相対的に)横方向で(X軸の方向で)移動しながら、電極列60と一緒に運動することができる。所望の場合、オペレータは、上述したように、ロック機構164(図2Aおよび図2B)を介して、下部プレート122に対して相対的に上部支持ブロック120を横方向でロックすることができる。
【0049】
押圧アセンブリ52
図1に戻ると、押圧アセンブリ52が、容器側壁40aに対して相対的な電極列60の、オペレータにより促進された前進のために種々異なる形態をとることができる。本開示の幾つかの実施形態で有用である押圧アセンブリ300の一例は、図4A図4Cにさらに詳細に示されており、位置固定フレーム302、ボディ304および軌道306a,306b,306c,306dのような少なくとも1つの軌道を含んでいる。種々異なる構成要素の詳細を以下に示す。概して、軌道306a,306b,306c,306dは、位置固定フレーム302に対して相対的な、オペレータにより促進されたボディ304の運動を容易にするように、ボディ304と位置固定フレーム302とを相互に連結する。この構造により、位置固定フレーム302が容器34(図1)に取り付けられ、ボディ304が、電極列60(図1)の背面82(図1)に接続されるか、または別の形式で背面82に関連付けられている場合、押圧アセンブリ300は、軌道306a,306b,306c,306dに沿ったボディ304の強制的な運動を介して、電極列60に押圧力を加えるように操作することができる。
【0050】
位置固定フレーム302は、種々異なる形態をとることができ、幾つかの実施形態では、第1の側方フレーム枠310aおよび第2の側方フレーム枠310bのような少なくとも1つの側方フレーム枠と、1つ以上のクロスビーム312とを含んでいる。側方フレーム枠は、幾つかの実施形態では同一であってよく、第1の側方フレーム枠310aの以下の説明は、第2の側方フレーム枠310bにも同様に適用される。側方フレーム枠310aは、前方アーム320と、後方アーム322と、1つ以上の側方アーム324とを含んでいてよい。これらのアーム320,322,324は、予想される力が加えられた場合にその構造的な完全性を維持するために選択された剛性材料(たとえば、ステンレス鋼)から形成されていてよく、アーム320,322,324の間で形成される接合部または接続部(たとえば、金属溶接部)も同様に形成することができる。前方アーム320および後方アーム322は、たとえば、適切なサイズのボア(ボアのうちの1つは、図4Aにおいて、前方アーム320に対しては326で、後方アーム322に対しては328で示されている)を介して、複数の軌道のうちの対応する1つの軌道(図4Aの軌道306a、306bなど)を収容するように構成されている。側方アーム324は、前方アーム320と後方アーム322とを相互に連結し、前方アーム320と後方アーム322との間の横方向の間隔(Y軸の方向)を厳密に保持する。さらに、前方アーム320と後方アーム322とは、軌道を収容する特徴部が整合しているように配置されている(たとえば、前方アーム320のボア326が、後方アーム322のボア328に整合している)。側方フレーム枠310aは、四辺形のような周囲形状を有するものとして図示されているが、規則的な形状および不規則な形状を含む別の形状(ひいては1つの以上のアーム320,322,324の幾何学形状)も同様に可能である。たとえば、幾つかの非限定的な実施形態では、前方アーム320の長さ(すなわち、Z軸の方向の寸法)は、後方アーム322の長さよりも大きくてよく、側方アーム324は、(たとえば、側方フレーム枠310aの設置面積を減らし、スペースを節約するために、)前方アーム320と後方アーム322との間の延長部において1つ以上の屈曲部を形成し、集合的にD字形のような周囲形状を形成する。側方フレーム枠310aの別の幾何学的または寸法的な特徴(たとえば、前方アーム320と後方アーム322との間の横方向の長さ(すなわち、Y軸の方向の寸法)、鉛直方向の高さ(すなわち、Z軸の方向の寸法)など)は、電極または電極列の予想される寸法に基づいていてよい、以下に記載されるような押圧アセンブリ300の別の幾何学的特徴の関数として選択することができる。
【0051】
クロスビーム312は、側方フレーム枠310a,310bの間に延びていて、これらの側方フレーム枠310a,310bを相互に連結し、選択された横方向の間隔(すなわち、X軸の方向の寸法)で側方フレーム枠310a,310bを維持している。側方フレーム枠310a,310b間の横方向の間隔は、たとえば、押圧アセンブリ300を採用する電極列60(図1)の予想される幅よりも大きいように、以下に説明する最終使用用途の予想されるパラメータの関数として選択することができる。図4A図4Cは、位置固定フレーム302を、3つのクロスビーム312を含むものとして図示しているが、より多いか、またはより少ない別の数も可能である。
【0052】
ボディ304は、多様な形状およびサイズをとることができ、概して、軌道306a,306b,306c,306dのそれぞれと同時に相互作用するために適した設置面積を確立するように構成されている。したがって、図4Bに最良に反映されているようなボディ304の設置面積または形状は、1つの非限定的な例にすぎない。ボディ304は、(上述したように電極列60(図1)へ押圧力を加えた場合のように)予想される力が加えられた場合に構造的な完全性を維持するために選択された剛性材料から形成されていて、たとえば、ステンレス鋼であってよい。正確な形状および構造にかかわらず、ボディ304は、たとえば、適切なサイズの通路(これらの通路のうちの1つの通路が、図4Aおよび図4Cにおいて330で示されている)を介して運動可能に各軌道306a,306b,306c,306dを収容するように構成されている。幾つかの実施形態では、ボディ304は、ボディ304が軌道306a,306b,306c,306dに沿って選択的に運動することができるように、ボディ304と軌道306a,306b,306c,306dとの間の並進的な接続を促進する1つ以上の構成要素を各通路330において、または各通路330内に、含むか、または支持することができる。たとえば、対応する軌道306a,306b,306c,306dと螺合するねじ山付きブシュを、それぞれの通路330内に提供するか、またはそれぞれの通路330によって形成することができる。別の連結形態も可能である。
【0053】
ボディ304は、電極の背面(たとえば、電極列60(図1)の背面82(図1))との接続を確立するために適合された1つ以上の構成要素を支持することができる。たとえば、1つ以上の接触機構332をボディ304によって支持することができ、接触機構332はそれぞれ接触面334(図では接触機構332のうちの1つに対して認められる)で終端している。接触機構332は、電極または電極列と物理的に相互作用するために適した種々異なる形態をとることができ、幾つかの実施形態では、プレッシャボルト装置であるか、またはプレッシャボルト装置を含んでいてよい。概して、プレッシャボルト装置は、ボディ304から延び、接触面334を提供する頭部を固く保持する軸部を含んでいて、幾つかの実施形態では、プレッシャボルト装置はさらに、接触面334とボディ304との間の間隔を選択的に変更する(したがって、以下に説明するように、加える力を調整するか、または「微調整する」)能力をユーザに与える。別の接触機構の構造も可能であり、プレッシャボルトを含んでいても、含んでいなくてもよい。さらに別の実施形態では、接触機構332を省略して、ボディ304を電極または電極列に直接接触するように適合させることができる。
【0054】
幾つかの実施形態では、軌道306a,306b,306c,306dは、同一であってよく、第1の軌道306aに関する以下の説明は、残りの軌道306b,306c,306dにも同様に適用される。軌道306aは、ボディ304と接続の明確な相互作用をアシストする種々異なる形態をとることができ、幾つかの実施形態では、雄ねじ山を有する面を備えた親ねじまたは類似の装置であってよい。これらの実施形態および同様の実施形態では、軌道306aとボディ304との間に(たとえば、上述のようにボディ304に設けられた任意のねじ山付きブシュを介して)ねじ山による相互作用箇所(threaded interface)を確立することができる。軌道306aは、位置固定フレーム302の前方アーム320と後方アーム322との間に延びるサイズを有している。軌道306aが、雄ねじ山を有する面を有する親ねじまたは類似の装置である任意の実施形態では、軌道306aは、軸方向の運動なしに前方アーム320および後方アーム322に対して相対的な軌道306aの回転を可能にするように、前方アーム320および後方アーム322に連結されていてよい(すなわち、軌道306aは、前方アーム320と後方アーム322とに対して相対的に回転することができるが、少なくともY軸の方向で空間的に運動しない)。たとえば、前方アーム320は、上述したように軌道306aが貫通して延びるボア326(図4Aにおいて示されている)を画定することができる。ファスナユニット338は、前方アーム320を超えて軌道306aに連結されていて、前方アーム320に対して相対的に軌道306aを捕捉し、軌道306aの回転を可能にするように構成されている。たとえば、ファスナユニット338は、ねじ山付きナットを含んでいてよく、このねじ山付きナットは、前方アーム320の内側でナットの緩みを阻止するために、ナットおよびねじを貫通するコッタピンを備えている。別のファスナユニットの構造も可能である。後方アーム322も、軌道306aを収容するサイズを有するボア328(図4Aにおいて示されている)を画定することができる。軌道306aは、ボア328を通って延びていて、ヘッド340において終端する。ヘッド340のサイズは、軌道306aが後方アーム322に対して相対的に軸方向に捕捉されているように、ボア328の直径(または別の外側寸法)よりも大きい。さらに、ヘッド340は、ユーザが回転力を加えるための表面を提供することができる(たとえば、ヘッド340は、軌道306aの外部に溶接された六角ナットまたは類似の構造であってよい)。後方アーム322に対して相対的に軌道306aを機械的に固定するための別の結合形態も可能である。
【0055】
ボディ304および軌道306aは、軌道306aに沿ったボディ304の軸方向(すなわちY軸の方向)の並進または移動を容易にするねじ山による相互作用箇所を含むものとして記載されているが、別の形態も可能である。たとえば、軌道306aは、一連の歯を形成するか、または規定することができ、ボディ304は、隣接し合う歯の間の選択された増分位置まで軌道306aに沿って軸方向に前進または後退するように構成されている。
【0056】
最終組付け時に、ボディ304は、軌道306a,306b,306c,306dに連結され、前方アーム320と後方アーム322との間で(すなわち、Y軸の方向で)横方向に配置される。押圧アセンブリ300は、ボディ304を種々異なる横方向の位置に並進させることができる(すなわち、ボディ304をY軸の方向に運動させることができる)ように構成されている。たとえば、幾つかの実施形態では、位置固定フレーム302が静止したままの状態で、ボディ304を軌道306a,306b,306c,306dに沿って並進させるように、軌道306a,306b,306c,306dのそれぞれを回転させることができる。
【0057】
図5Aおよび図5Bは、容器34および電極列60に対して相対的な押圧アセンブリ300を図示している。上述したように、電極列60は、側壁40aに設けられた開口70を通過するように配置されている。図5Aには図示されていないが、容器34の外側で電極列60を支持する支持アセンブリ(たとえば、上述の支持アセンブリ50)が設けられていてよい。いずれにせよ、押圧アセンブリ300は、容器34に組み付けられ、以下に説明するように、電極列60の背面82と相互作用するように配置されている。
【0058】
容器34に対する押圧アセンブリ300の組付けは、種々異なる形式で達成することができる。幾つかの非限定的な実施形態では、位置固定フレーム302が、1つ以上のブラケット400によって側壁40aに組み付けられている。別の固定形態も可能であり、押圧アセンブリ300は、代替的に、容器34とは別の構造体に固定することができる。いずれにせよ、最終的な組付け時に、側方フレーム枠310a,310bのそれぞれの前方アーム320を、側壁40aに近接して(しかし、側壁40aから間隔を空けて)配置し、後方アーム322を、側壁40aとは反対側に配置しながら、位置固定フレーム302は、側壁40aに対して相対的に空間的に固定される。ボディ304は、上述したように、軌道306a,306b,306c(図5Aおよび図5Bの図では、第4の軌道306d(図4B)は見えないことを理解されたい)のそれぞれに接続されており、電極列60の背面82と、側方フレーム枠310a,310bのそれぞれの後方アーム322との間に配置されている。より詳細には、ボディ304は、各接触機構332の接触面334が、背面82に近接するか、または接触するように(Y軸の方向で)横方向に配置されている。幾つかの実施形態では、軌道306a,306b,306c,306dの最小限の長さが、後方アーム322を超えて延びているか、または突出している。したがって、押圧アセンブリ300は、容器34が設置されている施設において、(Y軸の方向で)比較的小さなスペースを占める。
【0059】
図5Aおよび図5Bに反映されているように、押圧アセンブリ300の種々異なる特徴部の幾何学形状または寸法は、電極列60の予想される寸法に応じて選択することができる。図5Bで最良に確認できるように、位置固定フレーム302は、電極列60の幅402を収容し、特に側方フレーム枠310a,310b、ひいては側方フレーム枠310a,310bにより支持される軌道306a,306b,306c,306dを、電極列60の対応する側面を越えて横方向(すなわちX軸の方向)に配置するように構成されていてよい。たとえば、位置固定フレーム302は、電極列60の第1の側404に隣接しているが、横方向で間隔が空いているように第1の軌道306aを配置し、電極列60の第2の側406に隣接しているが、横方向で間隔が空いているように第3の軌道306cを配置するためのサイズおよび形状を有している。ボディ304は、この同じ横方向の間隔に応じたサイズおよび形状を有していてよく、上述したように、このように配置された軌道306a,306b,306c,306dを収容する。さらに、ボディ304は、背面82に係合するように、ボディの幅に沿って接触機構332を空間的に配置する。図5Aに最良に示されているように、押圧アセンブリ300はさらに、背面82の距離にわたって接触機構332のうちのそれぞれ1つを配置するように、電極列60の高さ408に応じて構成されていてよく、これによって、背面82にわたってより均一に力が加えられる。別の幾何学形状または寸法特性も可能である。
【0060】
溶融運転中に経時的に、電極列60の正面80は、図6Aおよび図6Bに反映されるように(そうでない場合、溶融運転の過程にわたって後の時点における図5Aおよび5Bの構造に反映される)、浸食または損耗されてしまう。これらの状況および別の状況で、押圧アセンブリ300は手動で操作することができ、現在損耗している正面80を所望の位置に再配置するために、側壁40aに対して相対的に(すなわちY軸の方向に)電極列60を前進させることができる。幾つかの実施形態では、たとえば、ユーザは、たとえば、対応するヘッド340において手動で加えられた回転力またはモーメント力を介して、軌道306a,306b,306c,306d(軌道306d(図4B)は、図6Aおよび図6Bでは見えないことを理解されたい)のそれぞれを所望の方向に回転させる。軌道306a,306b,306c,306dの回転によって、ボディ304が横方向(すなわち、Y軸の方向)で移動され、たとえば、接触機構332を介して、背面82に押圧力を加える。幾つかの実施形態では、複数のヘッド340を、同じ回転方向に同時に回転させることができ、したがって、ボディ304を、前方アーム320(および側壁40a)に向かって一様に引き込むことができる。背面82との接触点(たとえば、各接触機構332の接触面334)は、ボディ304を通じて共通して接続されているので、比較的均一な力が背面82に加えられる。さらに、軌道306a,306b,306c,306dは、押圧力が加えられると、実質的に(圧縮ではなく)緊張させられ、その互いに反対側の端部において(それぞれの前方アーム320と後方アーム322とを介して)支持されている。したがって、軌道306a,306b,306c,306dは、押圧力が加えられても曲がったり故障したりしにくい(同一の押圧力で圧縮されても、曲がったり故障したりしにくい)。
【0061】
図7Aおよび図7Bは、電極列60に押圧力を加えた後の図6Aおよび図6Bの配置をそれぞれ反映している。図面の比較により明らかなように、ボディ304は、背面82に押圧力を加え、これにより、側壁40aに対して相対的に電極列60を前進させながら、位置固定フレーム302に対して相対的に横方向に(すなわちY軸方向に)前進させられている。正面80は、側壁40aに対して相対的に所望の位置に再配置されている。幾つかの実施形態では、オペレータは、対応する接触面334の位置、ひいては接触面334の位置において背面82に加えられる力をわずかに調整または「微調整」するために、個々の基部上で1つ以上の接触機構332(たとえば、接触機構332は、プレッシャボルト装置または類似の構造であるか、またはプレッシャボルト装置または類似の構造を含んでいる)を任意に作動させることができる。
【0062】
本開示の溶融炉、電極相互作用ユニットおよび方法は、以前の設計を越える顕著な改善を提供する。電極相互作用ユニットは、本明細書に記載された支持アセンブリおよび押圧アセンブリのうちの一方または両方を含んでいてよい。任意の支持アセンブリは、たとえば、対応する容器の壁の拡張を伴う電極列の横方向の運動に対応するように、溶融容器の外側で大型の(寸法および/または質量)電極列を支持することができる。さらに、本開示の任意の支持アセンブリは、電極列の鉛直方向の位置または配向を変更するために容易に操作され、電極列の横方向の運動を容易にすることができる(たとえば、電極列が対応する側壁に対して相対的に前進させられる)。本開示の任意の押圧アセンブリは、大型の(寸法および/または質量)電極列に比較的均一な押圧力を手動で加えるために適している。
【0063】
特許請求された主題の範囲から逸脱することなしに、本明細書に記載された実施形態に種々異なる修正および変化を加えることができる。したがって、本明細書は、本明細書に記載された種々異なる実施形態の修正および変形を網羅することが意図されているが、このような修正および変形は、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内にある。
【0064】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0065】
実施形態1
バッチ材料を溶融するためのシステムであって、該システムが、
少なくとも1つの側壁を有しかつ溶融チャンバを画定する容器と、
前記側壁内に配置され、前記溶融チャンバに面した正面と、該正面とは反対側の背面とを有する電極と、
押圧アセンブリであって、
前記容器に対して固定された位置固定フレームと、
前記背面に接続されたボディと、
前記位置固定フレームおよび前記ボディに接続された第1の軌道と
を有していて、
前記ボディが、前記電極の前記背面に押圧力を加えるために、前記位置固定フレームに対して相対的に前記第1の軌道の長さに沿って運動可能である、押圧アセンブリと
を有している、システム。
【0066】
実施形態2
前記位置固定フレームが、前記容器に近位の前方アームおよび該前方アームとは反対側の後方アームを有する側方フレーム枠を有しており、さらに、前記第1の軌道が、前記前方アームと前記後方アームとの間に延びていて、前記前方アームおよび前記後方アームに接続されている、実施形態1記載のシステム。
【0067】
実施形態3
前記ボディが、前記前方アームと前記後方アームとの間の配置されている、実施形態2記載のシステム。
【0068】
実施形態4
前記位置固定フレームおよび前記ボディに接続された第2の軌道をさらに有しており、
前記電極が、第1の側および反対側の第2の側を有していて、前記第1の側と前記第2の側との間で幅を有しており、
前記第1の軌道が、前記第1の側に隣接して、該第1の側から離間して配置されており、
前記第2の軌道が、前記第2の側に隣接して、該第2の側から離間して配置されており、
前記第1の軌道と前記第2の軌道との間の距離が、前記幅よりも大きい、実施形態1記載のシステム。
【0069】
実施形態5
前記第1の軌道が、ねじ山付きねじを有している、実施形態1記載のシステム。
【0070】
実施形態6
前記ボディが、前記ねじ山付きねじの回転によって前記位置固定フレームに対して相対的に前記ねじ山付きねじに沿って並進するように、前記ボディが、前記ねじ山付きねじに螺合されている、実施形態5記載のシステム。
【0071】
実施形態7
前記背面に前記ボディを接続する接触機構をさらに有している、実施形態1記載のシステム。
【0072】
実施形態8
前記接触機構が、プレッシャボルトを有している、実施形態7記載のシステム。
【0073】
実施形態9
前記電極が、電極列を有する電極のアレイ内に配置されており、さらに、前記押圧アセンブリが、前記側壁に対して相対的に前記電極列を運動させるように操作可能である、実施形態1記載のシステム。
【0074】
実施形態10
バッチ材料を溶融するためのシステムであって、該システムが、
少なくとも1つの側壁を有しかつ溶融チャンバを画定する容器と、
前記側壁内に配置され、前記溶融チャンバに面した正面と、該正面とは反対側の背面とを有する電極と、
支持アセンブリであって、
上部支持ブロックと下部プレートとを有する第1の支持ユニットであって、前記上部支持ブロックにより前記電極が支持されている、第1の支持ユニットと、
上側ボディおよび下側ボディを有する第2の支持ユニットであって、前記上側ボディにより前記第1の支持ユニットが支持されている、第2の支持ユニットと
を有していて、
前記第1の支持ユニットが、第1の平面において前記下部プレートに対して相対的な前記上部支持ブロックの選択的な運動を可能にするように構成されており、
さらに、前記第2の支持ユニットが、前記第1の平面とは異なる第2の平面において前記下側ボディに対して相対的な前記上側ボディの選択的な運動を可能にするように構成されている、支持アセンブリと
を有している、システム。
【0075】
実施形態11
前記第1の平面が、前記第2の平面に対して実質的に垂直である、実施形態10記載のシステム。
【0076】
実施形態12
前記第1の平面が実質的に水平であり、前記第2の平面が実質的に鉛直である、実施形態10記載のシステム。
【0077】
実施形態13
前記支持アセンブリが、前記第1の支持ユニットの操作を介して前記側壁に対して相対的に前記電極の横方向の位置を変更し、かつ前記第2の支持ユニットの操作を介して前記側壁に対して相対的に前記電極の鉛直方向の位置を変更するように操作可能である、実施形態10記載のシステム。
【0078】
実施形態14
前記第1の支持ユニットが、前記上部支持ブロックと前記下部プレートとの間に挿入された複数のホイールを有している、実施形態10記載のシステム。
【0079】
実施形態15
前記第1の支持ユニットが、前記下部プレートに対して相対的に前記上部支持ブロックを選択的にロックするロック装置を有している、実施形態14記載のシステム。
【0080】
実施形態16
前記第2の支持ユニットが、前記上側ボディと前記下側ボディとの間に配置された楔体を有している、実施形態10記載のシステム。
【0081】
実施形態17
前記第2の支持ユニットが、前記上側ボディおよび前記下側ボディに対して相対的に前記楔体の位置を変更するためのアクチュエータ機構を有している、実施形態16記載のシステム。
【0082】
実施形態18
前記第2の支持ユニットが、基部と、該基部に回転可能に接続された複数のホイールとを有しており、前記基部が、前記下側ボディを支持している、実施形態10記載のシステム。
【0083】
実施形態19
前記支持アセンブリが、前記電極に整合され、前記基部にスライド式に接続された軌道を有している、実施形態18記載のシステム。
【0084】
実施形態20
前記電極が、電極列を有する電極のアレイに配置されており、さらに、前記支持アセンブリが、前記側壁に対して相対的に前記電極列を運動させるように操作可能である、実施形態10記載のシステム。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B