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特許7430712自動車用の診断回路を備える電圧制御型マトリックス光源
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】自動車用の診断回路を備える電圧制御型マトリックス光源
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/52 20200101AFI20240205BHJP
   B60Q 1/04 20060101ALI20240205BHJP
   B60Q 11/00 20060101ALI20240205BHJP
   H05B 45/54 20200101ALI20240205BHJP
   H05B 47/21 20200101ALI20240205BHJP
   H05B 47/23 20200101ALI20240205BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240205BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240205BHJP
【FI】
H05B45/52
B60Q1/04 D
B60Q11/00 610A
B60Q11/00 625
H05B45/54
H05B47/21
H05B47/23
H05B45/10
H05B47/105
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021517271
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019075839
(87)【国際公開番号】W WO2020064824
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】1859023
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル、ダルーサン
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ、バロルジュ
(72)【発明者】
【氏名】マージャネ、カゼミ
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09918367(US,B1)
【文献】国際公開第2011/073096(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/52
B60Q 1/04
B60Q 11/00
H05B 45/54
H05B 47/21
H05B 47/23
H05B 45/10
H05B 47/105
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧が供給されることが意図され、集積回路(120、220、420、520)と、エレクトロルミネセント半導体素子をベースとした素子光源(110、210、310、410、510)のマトリックスアレイとを含むマトリックス光源(100、200、300、400、500)であって、
前記集積回路は、前記マトリックスアレイに接触しており、第1の制御信号(12)に基づいて、素子光源ごとに前記素子光源を電圧源(10)に選択的に接続するためのスイッチングデバイス(132、232、332、432、532)を含み、
前記集積回路は、前記素子光源のうちの少なくとも1つに対して、前記素子光源によるオープン不良を検出するためのオープン不良検出回路(130、230、330、430、530)を含み、
前記オープン不良検出回路が、前記スイッチングデバイス(232、332、432、532)と並列に接続された負荷(234、334、434、534)を含み、前記素子光源(210、310、410、510)がオープン不良でないならば、前記マトリックス光源(200、300、400、500)に電気が供給される場合に無視できない強度の電流が前記負荷を通って流れるようになっている、
ことを特徴とする、マトリックス光源(100、200、300、400、500)。
【請求項2】
前記オープン不良検出回路が、前記素子光源によるオープン不良を検出すると、バイナリ情報を生成するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の光源。
【請求項3】
前記オープン不良検出回路が、記憶素子(236、336、436、536)を含み、前記記憶素子に前記バイナリ情報を格納するように構成されることを特徴とする、請求項2に記載の光源。
【請求項4】
前記オープン不良検出回路が、前記負荷の端子の両端の電圧降下を所定の閾値と比較するように構成される比較ユニット(338、438、538)を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の光源。
【請求項5】
前記負荷が、前記スイッチングデバイスと並列に接続された抵抗器(334、534)を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の光源。
【請求項6】
前記負荷が、第2の制御信号(14)によって制御されるトランジスタ(434、534)を含み、前記トランジスタは、閉状態の場合に無視できない抵抗を示すことを特徴とし、前記オープン不良検出回路が前記第2の制御信号を生成するための制御ユニットを含むことを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載の光源。
【請求項7】
前記第2の制御信号(14)が、前記第1の制御信号(12)に依存することを特徴とする、請求項に記載の光源。
【請求項8】
前記集積回路が、前記素子光源ごとに専用のオープン不良検出回路を含むことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の光源。
【請求項9】
前記素子光源が、並列の源の少なくとも2つの分岐に配置されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の光源。
【請求項10】
マトリックス光源と、前記マトリックス光源に電力供給を駆動するための回路とを含み、前記マトリックス光源が、請求項1~のいずれか一項に記載の光源であることを特徴とする、自動車用照明モジュール。
【請求項11】
電圧が供給されるマトリックス光源のエレクトロルミネセント半導体素子をベースとした素子光源によるオープン不良を検出するための方法であって、そのような素子光源を複数有しているとともに、第1の制御信号に基づいて素子光源ごとに前記素子光源を電圧源に選択的に接続するためのスイッチングデバイスを含む集積回路と接触している共通の基板を有している方法であって、
- 前記マトリックス光源に電圧を供給することと、
- 前記マトリックス光源の少なくとも1つの素子光源を前記電圧源に選択的に接続するように、前記マトリックス光源用の制御デバイスによって、前記スイッチングデバイスの状態を制御するための少なくとも第1の信号を生成することと、
- 前記素子光源が、そのスイッチングデバイスによって前記電圧源に接続されていない場合に、前記スイッチングデバイスと並列に接続された負荷の端子の両端の電圧降下を所定の閾値電圧と比較することと、
- この比較結果に基づいて、前記素子光源によるオープン不良の存在を検出することと、
を含むことを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、自動車用のエレクトロルミネセント半導体素子をベースとしたマトリックス光源に関する。本発明は、特に、診断回路を備える電圧駆動型マトリックス光源に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、電流がそこを流れると発光することのできる半導体電子部品である。自動車の分野では、多くの照明信号のソリューションにLED技術が使用されることが増えてきている。LEDは、日中走行用ライト、信号灯等などの照明機能を提供するために使用される。LEDによって放射される明るさは、一般的に、そこを流れる電流の強度に依存する。とりわけ、LEDは電流の強度の閾値によって特徴付けられる。電流に対するこの最大値は、一般的に、温度が上昇すると減少する。同様に、LEDが発光するときに、その端子の両端において順方向電圧または公称電圧に相当する電圧降下が観察される。
【0003】
多数の素子エレクトロルミネセント光源を含む、LEDのマトリックスアレイを使用することは、多数の用途の分野において、特に自動車用ライトおよび信号の分野においても有益である。LEDのマトリックスアレイは、例えば、ヘッドライトまたは日中走行用ライトなどの照明機能に有益な光ビームの形態を作り出すために使用することができる。加えて、単一のマトリックスを使用して複数の異なる照明機能を生じさせることが可能であり、これにより、自動車用ヘッドライトの制限されたスペースにおける物理的な体積を減少させることができる。
【0004】
周知の通り、マトリックス光源、言い換えるとピクセル化された光源は、光源から物理的に離れており、光源に電気的に接続された制御ユニットによって制御される。このユニットは、これを形成するマトリックス源および/または素子光源の動作に関する診断機能を実行することもできる。電圧駆動型マトリックス光源の場合では、素子光源によるオープン不良を診断することが難しい。特に、このような源には、素子光源を選択的に電圧源に接続/電圧源から切断するために、ドレイン端子およびソース端子間における低電圧降下を伴うMOSFETトランジスタが含まれている。そのため、不良でない源と、例えば、不良アノードおよび/またはカソード端子を有するオープン不良のある源とを区別することが難しくなる。いずれにせよ、マトリックス光源の正確な動作を確実なものとするためには、その素子光源によるオープン不良を診断できることが重要である。これは、自動車の信号の分野においては一層重要なことである。自動車の様々な照明機能によって生じる輝度は、オープン不良の光源を有するマトリックス光源がもはや適合することができそうにない調整を受ける。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、先行技術によって提起された問題のうちの少なくとも1つを克服することである。より正確には、本発明の目的は、構成要素のエレクトロルミネセント光源のうちの1つによるオープン不良を診断することが可能な、電圧駆動型マトリックス光源、またはピクセル化された光源を提案することである。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、電圧が供給されることが意図され、集積回路とエレクトロルミネセント半導体素子をベースとした素子光源のマトリックスアレイとを含むマトリックス光源が提案される。このマトリックス源は、集積回路がマトリックスアレイと接触しており、第1の制御信号に基づいて素子光源ごとにそれを電圧源に選択的に接続するためのスイッチングデバイスを含むという点で、注目に値する。更に、集積回路は、素子光源のうちの少なくとも1つに対して、素子光源によるオープン不良を検出するためのオープン不良検出回路を含む。
【0007】
本発明の別の態様によれば、マトリックス光源用の集積回路が提案される。集積回路は、マトリックス光源の素子光源のマトリックスアレイに、機械的かつ電気的に接触することが意図される。集積回路は、第1の制御信号に基づいて素子光源ごとにそれを電圧源に選択的に接続するためのスイッチングデバイスを含むという点で、注目に値する。更に、集積回路は、素子光源のうちの少なくとも1つに対して、素子光源によるオープン不良を検出するためのオープン不良検出回路を含む。
【0008】
素子光源のマトリックスアレイは、好ましくは素子光源を支持する共通の基板を含み得る。マトリックスの共通の基板は、好ましくはSiCを含んでもよい。
【0009】
集積回路は、好ましくはSi基板を含んでもよい。集積回路は、素子光源のマトリックスアレイに、例えば、素子光源を支持する共通の基板にはんだ付けされるか、接着接合されているのが好ましい。集積回路は、共通の基板の下面、素子光源を含む面の反対側にはんだ付けされるか、接着接合されているのが好ましい。集積回路は、例えば、その下面に電気的接続領域を有する共通の基板と固定手段によって機械的に接触しており、かつ電気的に接触しているのが好ましい。
【0010】
検出回路は、好ましくは、この素子光源によるオープン不良を検出すると、バイナリ情報を生成するように構成されてもよい。
【0011】
検出回路は、好ましくは記憶素子を含み、この記憶素子に検出情報を格納するように構成されてもよい。
【0012】
検出回路は、好ましくはスイッチングデバイスと並列に接続された負荷を含み、素子光源がオープン不良でないならば、マトリックス源に電気が供給される場合に無視できない強度の電流が負荷を通って流れるようになっていてもよい。
【0013】
検出回路は、好ましくはこの負荷の端子の両端の電圧降下を所定の閾値と比較するように構成される、比較ユニットを含んでもよい。
【0014】
この負荷は、好ましくはスイッチングデバイスと並列に接続された抵抗器を含んでもよい。
【0015】
負荷は、好ましくは第2の制御信号によって制御され、閉状態の場合に無視できない抵抗を示すトランジスタを含んでもよく、この第2の制御信号を生成するための制御ユニットを検出回路が含むことを特徴とする。
【0016】
第2の制御信号は、好ましくは第1の制御信号に依存してもよい。
【0017】
集積回路は、好ましくは素子光源ごとに専用のオープン不良検出回路を含んでもよい。
【0018】
素子光源は、好ましくは並列の源の少なくとも2つの分岐に配置されてもよい。
【0019】
本発明の別の態様によれば、マトリックス光源と、その源に電力供給を駆動するための回路とを含む、自動車用照明モジュールが提案される。照明モジュールは、マトリックス光源が本発明の一態様によるものであるという点で、注目に値する。
【0020】
本発明の更に別の態様によれば、電圧が供給され、複数の素子光源ならびに共通の基板を有する、マトリックス光源のエレクトロルミネセント半導体素子をベースとした素子光源によるオープン不良を検出するための方法が提案される。基板は、素子光源ごとにスイッチングデバイスを含んだ集積回路と接触しており、このスイッチングデバイスは、第1の制御信号に基づいて素子光源を電圧源に選択的に接続する。方法は、以下の工程:
- マトリックス光源に電圧を供給することと、
- マトリックス光源の少なくとも1つの素子光源を電圧源に選択的に接続するように、マトリックス光源用の制御デバイスによって、スイッチングデバイスの状態を制御するための少なくとも第1の信号を生成することと、
- この素子光源が、そのスイッチングデバイスによって電圧源に接続されていない場合に、スイッチングデバイスと並列に接続された負荷の端子の両端の電圧降下を所定の閾値電圧と比較することと、
- この比較結果に基づいて、この素子光源によるオープン不良の存在を検出することと、を含むという点で、注目に値する。
【0021】
ピクセル化された光源、言い換えるとマトリックス光源は、好ましくはエレクトロルミネセント素子の少なくとも1つのマトリックスアレイ、つまり、モノリシックアレイとも呼ばれる少なくとも2列×少なくとも2行で配列された素子光源を含み得る。エレクトロルミネセント源は、モノリシックマトリックスアレイとも呼ばれるエレクトロルミネセント素子の少なくとも1つのモノリシックマトリックスアレイを含むことが好ましい。
【0022】
モノリシックマトリックスアレイでは、エレクトロルミネセント素子が共通の基板から成長し、選択的に、個々に、またはエレクトロルミネセント素子のサブセットで作動することができるように、電気的に接続されている。従って、それぞれのエレクトロルミネセント素子またはエレクトロルミネセント素子群は、その材料またはそれらの材料に電気が供給されたときに発光することが可能な、このピクセル化された光源の素子エミッタのうちの1つを形成することができる。
【0023】
エレクトロルミネセント素子が共通の基板に対して実質的に直角のそれらの主伸長寸法の1つを有し、かつ、電気的にグループ化された1または複数のエレクトロルミネセント素子によって形成された素子エミッタ間の間隔がプリント回路基板にはんだ付けされる公知の平坦な正方形チップの配置に強いられる間隔と比較して小さいのであれば、エレクトロルミネセント素子の様々な構成はこのモノリシックマトリックスアレイの定義を満たすことができる。
【0024】
基板は主に、半導体材料からできていてもよい。基板は、1または複数の更なる材料、例えば非半導体材料を含んでもよい。1ミリ以下の寸法のこれらのエレクトロルミネセント素子は、例えば六角形断面のロッドを形成するように、基板から突出するように配置される。このエレクトロルミネセントロッドは基板の第1の面に生じる。この場合では窒化ガリウム(GaN)を使用して形成されたそれぞれのエレクトロルミネセントロッドは、この場合ではシリコンから作製された基板から突出して直角または実質的に直角に延在するが、炭化ケイ素などの他の材料を本発明の文脈から逸脱することなく使用することができる。一例として、エレクトロルミネセントロッドは、窒化アルミニウムおよび窒化ガリウムの合金(AlGaN)、またはアルミニウム、インジウム、およびリン化ガリウムの合金(AlInGaP)から製造されていてもよい。それぞれのエレクトロルミネセントロッドは、その長さを規定する長手方向軸に沿って延在し、それぞれのロッドの基部は、基板上面の平面上に配置されている。
【0025】
有利には、全く同一のモノリシックマトリックスアレイのエレクトロルミネセントロッドは同一形状かつ同一寸法を有する。それらは、端面およびロッドの伸長部分の軸に沿って延在する周壁によってそれぞれ境界が定められている。エレクトロルミネセントロッドがドープされて分極を受ける場合、半導体源の出力で結果として生じた光は主に周壁から放射されるが、光線が端面からも放出され得るということが理解される。この結果、それぞれのエレクトロルミネセントロッドが単一の発光ダイオードとして動作し、この源の光出力は、第1に存在するエレクトロルミネセントロッドの密度によって向上し、第2に周壁によって画定され、従って周辺部全体およびロッドの全高にわたって延在する発光面のサイズによって向上する。ロッドの高さは2~10μm、好ましくは8μmであってよく、ロッドの端面の最大寸法は2μm未満、好ましくは1μm以下である。
【0026】
エレクトロルミネセントロッドを形成する際に、形成するロッドの平均的な高さが大きくなる場合、対応する領域の輝度が増大するというような方法で、ピクセル化された光源の領域ごとに高さを変更してもよいことが理解される。従って、エレクトロルミネセントロッド群は、エレクトロルミネセントロッドの別の群とは異なる高さを有し、これらの2つの群が1ミリ以下の寸法のエレクトロルミネセントロッドを含む同一の半導体光源を形成してもよい。エレクトロルミネセントロッドの形状はまた、特にロッドの断面、および端面の形状に対して、モノリシックマトリックスアレイごとに変更してもよい。ロッドは、一般的に円筒形状であり、特に多角形断面、より詳細には六角形断面を有してもよい。光が周壁を通って放射されるには、周壁が多角形または円形であることが重要であると理解される。
【0027】
その上、端面は、基板上面に対して実質的に平行に延在するように、実質的に平坦で周壁に対して直角となる形状を有してもよく、あるいは、この端面から出る光の放射される方向が向上するように、その中心が湾曲した、または尖った形状を有してもよい。
【0028】
エレクトロルミネセントロッドは、好ましくは2次元マトリックスアレイに配置されてもよい。この構成により、ロッドが五点形に配置されるようにすることができる。一般的に言えば、ロッドは、一定の間隔で基板に配置されており、2つの直接隣接したエレクトロルミネセントロッドの離れている距離は、マトリックスアレイの寸法のそれぞれにおいて、それぞれのロッドの周壁を通って放射された光がエレクトロルミネセントロッドのマトリックスアレイから放出することができるように、少なくとも2μmと等しくなければならず、好ましくは3μm~10μmでなければならない。更に、これらの離れた距離は、隣接したロッドの伸長部分の2つの軸の間を測定して100μmを上回らないように規定される。
【0029】
代替として、モノリシックマトリックスアレイは、エピタキシャルエレクトロルミネセント素子の層、特に、例えば、(研削および/またはアブレーションによって)薄片化され、全く同一の基板からそれぞれ生じた複数の素子エミッタを形成する炭化ケイ素でできている単一の基板上に、nドープされたGaNの第1の層と、pドープされたGaNの第2の層とにより形成されたエレクトロルミネセント素子を含んでもよい。このような設計の結果、全く同一の基板から生じた複数のエレクトロルミネセントブロックのすべてが互いに選択的に動作することができるように電気的に接続される。
【0030】
この他の実施形態による1つの例示的な実施形態では、モノリシックマトリックスアレイの基板は10μm~800μmの厚さを有してもよく、特に200μmと等しくてもよく、それぞれのブロックは、それぞれが50μm~500μm、好ましくは100μm~200μmの長さおよび幅を有してもよい。1つの変形例では、長さおよび幅が等しい。それぞれのブロックの高さは500μm未満、好ましくは300μm未満である。最終的に、それぞれのブロックの射出面はエピタキシーと反対側の基板を介して形成され得る。2つの素子エミッタ間の離れた距離、それぞれの近接した素子エミッタ間の距離は、1mm未満であってよく、特に500μm未満であってよく、好ましくは200μm未満である。
【0031】
代替として、上記で説明したように、全く同一の基板からそれぞれ突出して延在するエレクトロルミネセントロッドと、全く同一の基板上に積み重ねられたエレクトロルミネセント層を薄片化することによって得られたエレクトロルミネセントブロックとの両方のモノリシックマトリックスアレイは更に、エレクトロルミネセント素子が少なくとも部分的に埋め込まれた高分子材料の層を含み得る。従ってこの層は、基板の全範囲にわたって、または所与のエレクトロルミネセント素子群の周辺のみを延在していてもよい。特にシリコーン系であってよい高分子材料により、光線の拡散を損なうことなくエレクトロルミネセント素子を保護することが可能な保護層が生成される。更に、この高分子材料層に波長変換手段、例えば素子のうちの1つによって放射された光線の少なくともいくつかを吸収することが可能な発光団を組み込んで、この吸収された励起光の少なくともいくつかを励起光のものとは異なる波長を有する放射光に変換することができる。発光団は、高分子材料の大部分に埋め込まれるか、あるいはこの高分子材料の層の表面に配置されるかに区別されることなく規定され得る。
【0032】
更に、ピクセル化された光源は、光線を光源の射出面に屈折させるために、反射材料の被覆材を含んでもよい。
【0033】
1ミリ以下の寸法のエレクトロルミネセント素子により、基板に対して実質的に平行な面に所与の射出面が画定される。この射出面の形状は、それを形成するエレクトロルミネセント素子の個数および構成に応じて画定されるということが理解されるであろう。従って、実質的に長方形の放射面を画定することができ、この放射面は本発明の文脈から逸脱することなく変形させてもよく、任意の形状を採用してもよいということが理解される。
【0034】
本発明によって提案される手段を使用することによって、電圧駆動型であることが意図され、構成される素子源またはピクセルのうちの1つによるオープン不良を診断することが可能なピクセル化された光源、言い換えるとマトリックス光源を提案することが可能となる。トランジスタと並列に接続された負荷を使用することによって、マトリックス光源の素子光源を電圧源に接続/電圧源から切断することが可能となり、測定可能なリーク電流を負荷を通して発生させて、問題の素子光源によるオープン不良を診断することが可能な強度を測定する。この負荷が、制御されたトランジスタを更に含む場合、診断が進行中のときだけにリーク電流が流れる。これにより、マトリックス光源の通常動作に潜在的な影響を与える不必要な電流のリークが回避される。診断回路およびフィードバック回路がマトリックス光源に組み込まれているため、これを迅速に動作させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の他の特徴および利点は、実施例および図面の記載を用いてより良く理解されるであろう。
図1】本発明の1つの好ましい実施形態によるマトリックス光源を概略的に示す。
図2】本発明の1つの好ましい実施形態によるマトリックス光源を概略的に示す。
図3】本発明の1つの好ましい実施形態によるマトリックス光源を概略的に示す。
図4】本発明の1つの好ましい実施形態によるマトリックス光源を概略的に示す。
図5】本発明の1つの好ましい実施形態によるマトリックス光源を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
特に明記されない限り、1つの所与の実施形態に対して詳細に記載される技術的特徴は、一例として記載され、これらに限定されない他の実施形態との文脈において記載される技術的特徴と組み合わせてもよい。同様の参照番号は、本発明の様々な実施形態にわたって同様の概念を説明するために使用される。例えば、参照番号100、200、300、400および500は、本発明によるマトリックス光源の5つの実施形態を示す。
【0037】
図1の実例図は、本発明の1つの好ましい実施形態によるピクセル化された光源またはマトリックス光源100を示す。マトリックス光源100は、電圧駆動型であることが意図され、複数のエレクトロルミネセント半導体素子をベースとした素子光源110と、集積回路120に機械的かつ電気的に接触し、機能的に接続された、図示されていない共通の基板とを含む。素子光源は、典型的には発光ダイオード(LED)である。
【0038】
マトリックス光源100は、素子光源110の半導体層が、例えば共通の基板上に配置されているモノリシックマトリックスアレイ構成要素を含むことが好ましい。素子光源110のマトリックスアレイには複数の分岐の並列のアセンブリが含まれており、それぞれの分岐にはエレクトロルミネセント半導体光源110が含まれることが好ましい。
【0039】
一例として、これらに限定されるものではないが、素子光源のマトリックスアレイは、基板の厚みに沿って素子源110の位置と対向する端部で始まる、電気絶縁性基板に堆積された第1の導電層を含む。この後に、厚さが0.1~2μmのnドープされた半導体層が続く。この厚さは、対応する層が1~2μmのオーダーの厚さの公知の発光ダイオードの厚さよりもはるかに小さい。次の層は、およそ30nmの厚さを有する活性化した量子井戸層であり、続いて電子ブロッキング層が続き、最終的におよそ300nmの厚さを有するpドープされた半導体層が続く。第1の層が(Al)GaN:Si層であり、第2の層がn-GaN:Si層であり、活性層は、GaNでできている障壁と交互に並んだ、InGaNでできている量子井戸を含むことが好ましい。ブロッキング層は、AlGaN:Mgでできていることが好ましく、pドープ層は、p-GaN:Mgでできていることが好ましい。nドープされた窒化ガリウムが0.0005オーム/cmの抵抗率を有する一方で、pドープされた窒化ガリウムは1オーム/cmの抵抗率を有する。nドープ層は、公知のLEDと比較するとそれほど厚さがなく、要求される堆積時間がより短くなるため、提案した層の厚さによってその製造時間を著しく低減させながら、同時に、特に素子源の内部直列抵抗を増大させることが可能となる。一例として、2μのn層を有する標準的な構造のLEDのためのMOCVD堆積には、通常は5時間が必要となり、n層の厚さが0.2μまで低減される場合は、この時間を50%低減することが可能である。
【0040】
均質な厚さの半導体層を有する素子光源110を得るためには、基板表面を覆うように、層を基板表面の少なくとも一部の上に均一かつ一様に堆積させることによってモノリシック構成要素100を製造することが好ましい。層は、例えば金属酸化物化学蒸着(MOCVD)法を使用して堆積される。それらを実現するためのこのような方法および反応器は、例えば、特許文献である国際公開第2010/072380(A1)号または国際公開第01/46498(A1)号より、半導体層を基板上に堆積させることで公知である。従って、それらの実装形態に関する詳細は、本発明の文脈においては記載しない。このように形成された層は、次いでピクセル化される。一例として、これらに限定されるものではないが、公知のリソグラフィ法を用いて、基板上で互いの素子光源110を分割する空間に相当する部位においてエッチングすることにより、続いて層が除去される。このように、それぞれの個々のピクセルが1平方ミリメートルよりも小さい表面積を有し、2平方ミリメートルよりも大きい総表面積を有し、均一な厚さの半導体層を有し、従って均一かつ高い内部直列抵抗を有する、複数の数十または数百または数千ものピクセル110をマトリックス光源100の基板上に製造することができる。一般的に言えば、それぞれのLEDピクセルのサイズを小さくすればするほどその直列抵抗が増大し、このピクセルを電圧源によって駆動することが更に可能になる。代替として、基板表面の少なくとも一部を覆うエピタキシャル層を含む基板が、素子光源のそれぞれがそれらの内部直列抵抗に関して類似の特性を有する素子光源へと切断または分割される。
【0041】
本発明はまた、半導体層の他の構成を伴う、半導体素子をベースとした素子光源の種類に関する。特に、基板、層の半導体材料、層のレイアウト、それらの厚さ、および層間の任意のビアは、そこから結果として生じる素子光源の内部直列抵抗が、少なくとも1オーム、好ましくは少なくとも5または10オーム、もしくは1~100オームとなるような半導体層の構造である限りにおいて、先ほど記載した実施例と異なってもよい。
【0042】
集積回路120は、好ましくはモノリシック源の基板にはんだ付けされ、素子光源110のうちの少なくとも1つ、しかしながら、好ましくはすべてに対して、オープン不良検出回路130を更に含む。マトリックス光源100は、電力供給駆動回路10によって電圧駆動されることが意図される。このような回路は、それ自体が当該技術分野において公知であり、それらの動作は本発明の文脈においては詳細に説明しない。それらは、例えば、バッテリなどの自動車内部の電圧源によって供給される入力電圧をマトリックス光源に電力を供給するのに好適な強度を有する出力電圧に変換することができる、少なくとも1つの変換回路を含んでいる。マトリックス光源が電圧駆動型の場合、図1で概略的に示すように、それぞれの素子光源、言い換えるとそれぞれのピクセルの駆動は、単にスイッチングデバイス132を制御するだけで済む。デバイス132の状態を制御することにより、素子光源110を電圧源10に選択的に接続することができる。スイッチングデバイスは、例えば、MOSFET電界効果トランジスタによって形成され、好ましくはそのドレイン端子とソース端子間の低電圧降下を特徴とするものであり、マトリックス光源の外部の制御ユニットからの制御信号によって制御される。
【0043】
好ましくは、モノリシック構成要素100が製造されるときに、基板120には、スイッチ素子132だけでなく電源回路も組み込まれていてもよい。
【0044】
図2の実例図は、本発明の別の好ましい実施形態によるピクセル化された光源またはマトリックス光源200を示す。マトリックス光源200は、電圧駆動型であることが意図され、複数のエレクトロルミネセント半導体素子をベースとした素子光源210と、集積回路220と接触した、図示されていない共通の基板とを含み、この集積回路220には基板が機能的に接続されている。素子光源は、典型的には発光ダイオード(LED)である。
【0045】
集積回路220は、少なくとも1つの素子光源210のためのオープン不良検出回路230を更に含む。マトリックス光源が電圧駆動型の場合、それぞれの素子源、言い換えるとそれぞれのピクセルの駆動は、単にスイッチングデバイス232を制御するだけで済む。デバイス232の状態を制御することにより、素子光源210を電圧源10に選択的に接続することができる。スイッチングデバイス232は、例えば、MOSFET電界効果トランジスタによって形成され、好ましくはそのドレイン端子とソース端子間の低電圧降下を特徴とするものであり、マトリックス光源の外部の制御ユニットからの制御信号12によって制御される。図2では、複数の素子光源210を対象とする制御信号12が示されている。しかしながら、本発明は、それぞれの素子光源210が、それに特有の制御信号12によって制御される場合に及ぶものであるということは言うまでもない。
【0046】
オープン不良検出回路230は、スイッチングデバイス232と並列に接続された負荷234を更に含む。マトリックス光源に電力が供給され、素子光源210が電圧源に接続されておらず(スイッチ232がオープンである)、電気的なリーク電流が負荷を通って流れている場合、光源210はオープン不良がないと結論付けることができる。他方で、負荷234を通って流れる電流がゼロまたは無視できる強度である場合は、光源210がオープン不良であると結論付けるべきである。後者の場合、この目的のために設けられる記憶素子236に不良検出指示が記録される。これによって情報が生成されるが、この情報は、記憶素子236の中身を読み込むように設計された外部実体にアクセス可能なバイナリ情報であることが好ましい。
【0047】
図3の実例図は、本発明の別の好ましい実施形態によるピクセル化された光源またはマトリックス光源300を示す。マトリックス光源300は、電圧駆動型であることが意図され、複数のエレクトロルミネセント半導体素子をベースとした素子光源310と、集積回路320と接触した、図示されていない共通の基板とを含む。
【0048】
集積回路320は、少なくとも1つの素子光源310のためのオープン不良検出回路330を更に含む。マトリックス光源が電圧駆動型の場合、それぞれの素子源、言い換えるとそれぞれのピクセルの駆動は、単にMOSFET電界効果トランジスタデバイス332を制御するだけで済む。トランジスタ332の状態を制御することにより、素子光源310を電圧源10に選択的に接続することができる。トランジスタは、好ましくはそのドレイン端子とソース端子間の低電圧降下を特徴とする。トランジスタは、マトリックス光源の外部の制御ユニットからの制御信号12によって制御される。トランジスタ332がオン状態である場合、不良でなければ素子光源310に電力が供給されて、光が発せられる。他方では、トランジスタがオフ状態である場合には、素子光源310が電圧源に接続されることはない。
【0049】
オープン不良検出回路330は、スイッチングデバイス332と並列に接続された、例えば700オームの抵抗器を含んだ負荷334を更に含む。マトリックス光源に電力が供給され、素子光源310が電圧源に接続されておらず(トランジスタ332がオフ状態である)、無視できない強度の電気的なリーク電流が負荷を通って流れている場合、光源310はオープン不良がないと結論付けることができる。他方で、負荷334を通って流れる電流がゼロまたは無視できる強度である場合は、光源310がオープン不良であると結論付けるべきである。比較回路338は、抵抗器334の端子の両端の電圧降下を所定の閾値と比較する。閾値は、例えば、0.7Vであってよい。抵抗器334の端子の両端の電圧降下が0.7V未満である場合、この目的のために設けられる記憶素子336に不良検出指示が記録される。これによって検出情報が生成されるが、この検出情報とは、記憶素子336の中身を読み込むように設計された外部実体にアクセス可能なバイナリ情報であることが好ましい。本実施形態により、オープン不良を診断する問題点が解決される。しかしながら、一定の電流のリークが発生してしまう。
【0050】
図4の実例図は、本発明の別の好ましい実施形態によるピクセル化された光源またはマトリックス光源400を示す。マトリックス光源400は、電圧駆動型であることが意図され、複数のエレクトロルミネセント半導体素子をベースとした素子光源410と、共通の基板420とを含む。
【0051】
集積回路420は、少なくとも1つの素子光源410のためのオープン不良検出回路430を更に含む。マトリックス光源が電圧駆動型の場合、それぞれの素子源、言い換えるとそれぞれのピクセルの駆動は、単にMOSFET電界効果トランジスタデバイス432を制御するだけで済む。トランジスタ432の状態を制御することにより、素子光源410を電圧源10に選択的に接続することができる。トランジスタ432は、好ましくはそのドレイン端子とソース端子間の低電圧降下を特徴とする。トランジスタ432は、マトリックス光源の外部の制御ユニットからの制御信号12によって制御される。
【0052】
オープン不良検出回路430は、好ましくは第1のトランジスタ432と並列に接続された、例えば0.7Vオーダーの、ドレイン端子およびソース端子間の大きな電圧降下を特徴とする第2のトランジスタを含んだ負荷434を更に含む。トランジスタ434の状態は、図4に図示されている場合では、マトリックス光源の外部の制御ユニットからの制御信号14によって制御される。この構成により、オープン不良診断が行われるときに、トランジスタ434のみをオン状態にすることが可能となる。
【0053】
第1のトランジスタ(スイッチ)432がオフ状態である一方で、第2のトランジスタ(負荷)434がオン状態である場合に、素子光源410によるオープン不良を検出することができる。実際には、第2のトランジスタ434は、例えば第1のトランジスタがオン状態に変化した後、短時間でオン状態にしてもよい。代替として、第1のトランジスタ432がオン状態からオフ状態に切り替わった後、短時間で第2のトランジスタ434をオン状態にし、その後、第2のトランジスタ434は所定の期間にオン状態を維持してもよい。本発明の範囲を逸脱しない限り、かつ、マトリックス光源によって放射される光束中に光学的に知覚可能な効果を生じさせない限りにおいて、他の組み合わせが想定され得る。
【0054】
オープン不良を診断する場合、比較回路438が、負荷434の端子の両端の電圧降下を所定の閾値と比較する。閾値は、例えば、0.7Vであってよい。抵抗器434の端子の両端の電圧降下が0.7V未満である場合、この目的のために設けられる記憶素子436に不良検出指示が記録される。これによって検出情報が生成されるが、この検出情報とは、記憶素子436の中身を読み込むように設計された外部実体にアクセス可能なバイナリ情報であることが好ましい。本実施形態により、オープン不良を診断する問題点が解決される。しかしながら、一定の電流のリークが発生してしまう。
【0055】
図5は、図4の実例図を参照しながら、先ほど説明した実施形態の変形例である、本発明の別の好ましい実施形態を概略的に示す。
【0056】
マトリックス光源500は、電圧駆動型であることが意図され、複数のエレクトロルミネセント半導体素子をベースとした素子光源510と、集積回路520と機能的に接続された、図示されていない共通の基板を含む。
【0057】
集積回路520は、少なくとも1つの素子光源510のためのオープン不良検出回路530を更に含む。マトリックス光源が電圧駆動型の場合、それぞれの素子源、言い換えるとそれぞれのピクセルの駆動は、単にMOSFET電界効果トランジスタデバイス532を制御するだけで済む。トランジスタ532の状態を制御することにより、素子光源510を電圧源10に選択的に接続することができる。トランジスタ532は、好ましくはそのドレイン端子とソース端子間の低電圧降下を特徴とする。トランジスタ532は、マトリックス光源の外部の制御ユニットからの制御信号12によって制御される。
【0058】
オープン不良検出回路540は、スイッチングトランジスタ532と並列に接続された負荷534を更に含む。負荷534は、第2のトランジスタと、この第2のトランジスタと直列に接続された抵抗器とを含む。この分岐を流れることが可能なリーク電流の強度は、主に抵抗器の値によって規定される。実際には、負荷分岐534の一部を形成する第2のトランジスタは、そのドレイン端子とソース端子間に低電圧降下を有し得る。トランジスタ534の状態は、図5に図示されている場合では、スイッチングトランジスタ532の状態を制御することを目的とした制御信号12から制御信号14を生成する、制御ユニットからの制御信号14によって制御される。制御信号12は、本実施例ではマトリックス光源の外部の制御ユニットによって生成される。この構成により、オープン不良診断が行われるときに、第2の、従って負荷534全体だけを接続して、オン状態にすることが可能となる。
【0059】
第1のトランジスタ(スイッチ)532がオフ状態である一方で、第2のトランジスタ(負荷)534がオン状態である場合に、素子光源510によるオープン不良を検出することができる。実際には、入力として第1のスイッチングトランジスタ532にリレーされる制御信号12を有し、負荷534の第2のトランジスタ用の制御信号14を生成する制御ユニットが、第1のトランジスタ532がオフ状態へ切り替わるときに、第2のトランジスタがオン状態に変化するような制御信号14を生成するように構成されているのが好ましい。従って、バイナリ信号12の立ち下がりエッジは、バイナリ信号14の立ち上がりエッジと同時に発生する。制御ユニットに関して記載される機能を実装するための電子回路は、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の力量の範囲内のものである。この制御回路は、マトリックス光源の集積回路520に組み込まれていることが好ましい。
【0060】
オープン不良を診断する場合、比較回路538が、負荷534の端子の両端の電圧降下を所定の閾値と比較する。閾値は、例えば、0.7Vであってよい。負荷534の端子の両端の電圧降下が0.7V未満である場合、この目的のために設けられる記憶素子536に不良検出指示が記録される。これによって検出情報が生成されるが、この検出情報とは、記憶素子536の中身を読み込むように設計された外部実体にアクセス可能なバイナリ情報であることが好ましい。本実施形態により、オープン不良診断が行われるときのみに、負荷532を通るリーク電流が生じる。この場合に当てはまらない場合では、負荷によって電気エネルギーが損失されることはない。
【0061】
集積回路は、マトリックス光源および/または素子光源に関連する他の機能に使用される他の電子回路および/または記憶素子を含み得るということは言うまでもない。
【0062】
特許請求の範囲によって保護範囲が定義される。
図1
図2
図3
図4
図5