(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】構成要素変位制御のための環状部材、方法、およびアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H02K 1/18 20060101AFI20240205BHJP
H02K 5/24 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
H02K1/18 A
H02K5/24 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022077649
(22)【出願日】2022-05-10
(62)【分割の表示】P 2020532924の分割
【原出願日】2018-12-14
【審査請求日】2022-05-27
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】310004529
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス レンコール リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャイルズ、トーマス
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/110391(WO,A1)
【文献】米国特許第06411472(US,B1)
【文献】特開平10-070863(JP,A)
【文献】特開2012-253885(JP,A)
【文献】国際公開第2017/191406(WO,A1)
【文献】特表2011-526669(JP,A)
【文献】特開2013-090405(JP,A)
【文献】特開昭49-030803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/18
H02K 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータまたは発電機アセンブリであって、
ステータと、
ハウジングと、
前記ステータと前記ハウジングとの間に嵌合した環状部材とを備え、前記環状部材は半径方向に圧縮されて、半径方向の力を外側に向けて前記ハウジングに加え、半径方向の力を内側に向けて前記ステータに加えて、それらの間の位置関係を維持し、前記環状部材は、環状バンドと、該環状バンドの周囲の周りの複数の突起とを備える基材層を備え、前記環状部材は、ねじり剛性k
torおよび半径方向剛性k
radを有し、k
tor≦3k
radであ
り、前記環状部材が、基材層と、前記基材層を覆う減衰層とを備え、前記減衰層が前記ステータまたは前記ハウジングと接触している、
電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項2】
前記基材層が剛性材料を含む、請求項
1に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項3】
前記基材層が金属を含む、請求項
1に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項4】
前記減衰層が発泡材料を含む、請求項
1に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項5】
前記減衰層がエラストマー材料を含む、請求項
1に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項6】
前記環状部材が、前記エラストマー材料を覆う第2の基材層を含む、請求項
5に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項7】
前記減衰層が、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリベンズイミダゾール、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせを含むポリマーを含む、請求項
5に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項8】
前記減衰層が、環状バンドと、該環状バンドの周囲の周りの複数の突起とを備える、請求項
1に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項9】
前記突起は、前記ハウジングに向かって半径方向外側に向いている、請求項
8に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項10】
前記突起は、前記ステータに向かって半径方向内側に向いている、請求項
8に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項11】
前記環状部材は、前記ステータまたは前記ハウジングのいずれにも固定されていない、請求項1に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項12】
前記環状部材は、前記ステータまたは前記ハウジングのうちの少なくとも1つに固定されている、請求項1に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【請求項13】
前記電気モータまたは発電機アセンブリが、オルタネータアセンブリ、駆動モータアセンブリ、油/水/冷却剤ポンプアセンブリ、ステアリングモータアセンブリ、ハイブリッドモータアセンブリ、またはコンプレッサを含む、請求項1に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、可動部品を含むアセンブリ間に配置される環状部材に関し、特に、
ステータおよびハウジングを使用する改良された方法およびアセンブリに関する。
【0002】
一般に、ステータやハウジングなどの固定部品を含むアセンブリ間の動きを抑制または
制限するために介在部材が使用され得る。1つの種類の介在部材は、ステータの外面とハ
ウジングのボアの内面との間の間隙に配置され得る。そのようなアセンブリはさらに、ス
テータおよびハウジング内のアセンブリ内で回転するように適合された回転シャフトまた
はロータを含む回転構成要素、などの回転構成要素を含み得る。介在部材はまた、発電機
アセンブリ、オルタネータアセンブリ、モータアセンブリ(電気モータアセンブリを含む
)、エンジンアセンブリ、クラッチアセンブリ、または保持機構などのアセンブリで使用
され得る。このようなアセンブリは、自動車用途で使用され得る。
【0003】
力が加えられたときに構成要素の位置制御を可能にするアセンブリ用の介在部材が望ま
れている。ただし、位置制御は、厳しい公差、複雑な部品や組み立て手順、不要な構成要
素の振動やノイズ、剛性の変動など、様々な問題を含み得る。介在部材とそれらを組み込
んだアセンブリの改善は引き続き重要である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
特徴および利点が達成され、より詳細に理解できるように、添付の図面に示されている
実施形態を参照することにより、より完全な説明を得ることができる。しかしながら、図
面は、いくつかの実施形態のみを示しているため、範囲を限定するものと見なされるべき
ではない。
【
図1】本発明に従って構成された環状部材の一実施形態の斜視端面図である。
【
図2】本発明に従って構成された環状部材の一実施形態の斜視側面図である。
【
図3】本発明に従って構成された環状部材の一実施形態の斜視端面図である。
【
図4】複数の層を有し、本発明に従って構成された環状部材の他の実施形態の概略断面側面図である。
【
図5A】本発明に従って構成されたアセンブリの斜視端面図である。
【
図5B】本発明に従って構成されたアセンブリの斜視側面図である。
【
図6】いくつかの従来技術の環状部材対本発明に従って構成されたいくつかの環状部材の剛性値のグラフである。
【
図7】本発明に従って構成された環状部材用の突起の一実施形態の平面図である。 異なる図面における同じ参照符号の使用は、同様のまたは同一の物品を示している。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図面と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示を理解するのを助けるた
めに提供される。以下の説明は、本教示の具体的な実装および実施形態に焦点を合わせる
であろう。この焦点は、本教示を説明するのを助けるために提供されており、本教示の範
囲または適用性に対する限定として解釈されるべきではない。しかしながら、本出願で開
示される教示に基づいて他の実施形態を使用することができる。
【0006】
用語「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含
む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、
「有する(having)」、またはその任意の他の変形は、非排他的包含を含むことを
意図している。例えば、特徴の列挙を含む方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの
特徴のみに限定されず、そのような方法、物品、または装置に明示的に列挙されていない
かまたは固有ではない他の特徴を含み得る。さらに、そうではないと明示的に述べられて
いない限り、「または(or)」は、包含的な「または」を指し、排他的な「または」を
指さない。例えば、条件AまたはBは、以下の、Aが真(または存在する)かつBが偽(
または存在しない)、Aが偽(または存在しない)かつBが真(または存在する)、およ
びAとBの両方が真(または存在する)、のいずれか1つによって満たされる。
【0007】
また、「a」または「an」の使用は、本明細書に記載の要素および構成要素を説明す
るために使用される。これは、単に便宜上および本発明の範囲の一般的な意味を与えるた
めに行われている。この説明は、他を意味することが明確でない限り、1つ、少なくとも
1つ、または複数も含む単数形、またはその逆を含むように読む必要がある。例えば、本
明細書で単一の物品が説明される場合、単一の物品の代わりに複数の物品が使用され得る
。同様に、本明細書で複数の物品が説明される場合、それら複数の物品に代えて単一の物
品が使用され得る。また、「約(about)」または「略(substantiall
y)」の使用は、本発明の範囲から逸脱しない任意の値または関係を記述する空間的関係
または数値的関係を伝えるために使用される。
【0008】
他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的用語および科学的用
語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
材料、方法、および例は、例示的なものにすぎず、限定的であることを意図しない。本明
細書に記載されていない範囲で、特定の材料および処理行為に関する多くの詳細は、従来
のものであり、モータ技術/オルタネータ技術/エンジンアセンブリ技術および構成要素
技術内の教科書および他のソースにおいてみることができる。
【0009】
図1~
図3は、いくつかの実施形態にかかる環状部材100を示している。環状部材1
00は、中心軸線600の周りに環状部材のような形状(略環状)に湾曲し得る材料のバ
ンド102を備えている。環状部材100は、第1の軸線方向端部115および第2の軸
線方向端部117を有し得る。バンド102は、側壁103を含み得る。一実施形態では
、バンド102は、内側側壁103aおよび外側側壁103bを含み得る。側壁103は
、軸線方向縁105を有し得る。いくつかの実施形態では、側壁103は、第1の軸線方
向縁105aおよび第2の軸線方向縁105bを有し得る。いくつかの実施形態では、環
状部材100またはバンド102は、側壁103の少なくとも1つの軸線方向端部115
、117に沿って、円周方向に延在する弾性材料の平坦な未形成部分220を有し得る。
いくつかの実施形態では、環状部材100の側壁103の各軸線方向端部105、107
に、材料の上部未形成バンド220および下部未形成バンド222が存在し得る。未形成
部分224は、未形成バンド220、222の間で、および未形成バンド220、222
から延びる側壁103の長さに沿って軸線方向に延在し得る。一実施形態では、環状部材
100および/またはバンド102は、第1の周端611および第2の周端613を含み
得る。
図1~
図2に示すように、いくつかの実施形態では、バンド102の第1の円周端
611および第2の円周端613は合わず(例えば、それは分けられた環状部材設計とし
て形成されてもよい)、それにより、バンド102の円周に隣接する軸線方向間隙106
を残す。いくつかの実施形態では、環状部材100は、環状部材100の軸線方向長さに
沿って延在する少なくとも1つの軸線方向間隙160を含み得る。いくつかの実施形態で
は、環状部材100またはバンド102は、その周囲付近に複数の軸線方向間隙106を
有し得る。いくつかの実施形態では、それにより、複数の軸線方向間隙は、環状部材10
0を複数の環状部材セグメントに分けることができる。他の実施形態では、バンドは、端
部が互いに重なるように湾曲してもよい。さらに別の実施形態では、
図2に示すように、
バンドは、連続した途切れのない環状部材であり得る。一実施形態では、内側側壁103
aは、内面を含み得る。一実施形態では、外側側壁103bは、外面を含み得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、環状部材100は、軸線方向および長手方向の力に耐えるの
に十分な剛性を有する材料を含み得る。他の実施形態では、環状部材100は、機械加工
プロセスによって形成される金属または合金(これらに限定されるものではないが、アル
ミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、チタン、タングステン、鉄、青銅、鋼
、環状部材鋼、ステンレス鋼)を含み得る。環状部材100は、溶接、接着剤、締結具、
ねじ切り、または任意の他の適切な締結手段によって互いに接合された単一部品、2部品
、またはいくつかの部品から形成され得る。
【0011】
一実施形態では、
図5に示すように、環状部材100は、複合材料を含むことができる
。環状部材100は、少なくとも1つの基材層119と少なくとも1つの減衰層104と
を含み得る。本明細書における「減衰」という用語は、減衰および/または振動分離の両
方の機構を含むと理解され得る。一実施形態では、減衰層104は、基材層119の上に
および/または下にあってもよい。一実施形態では、基材層119は、減衰層104の上
におよび/または下にあってもよい。一実施形態では、内側側壁103aの内面は、バン
ド102の形状に適合する減衰層104aを有していてもよい。一実施形態では、外側側
壁103bの外面は、バンド102の形状に適合する減衰層104bを有していてもよい
。減衰層104は、基材層119の少なくとも一部、最も顕著には突起120に沿った基
材層の一部に結合され得る。さらなる実施形態では、減衰層104は、例えば側壁103
の半径方向内面103aまたは半径方向外面103bなど、側壁103の主表面全体に結
合され得る。特定の実施形態では、減衰層104は、基材層119の半径方向内面に結合
され、他の構成要素の他の表面と低摩擦界面を形成することができる。いくつかの実施形
態では、第2の基材層119’が減衰層104の上に重なることがある。いくつかの実施
形態では、複数の基材層119および複数の減衰層104は、任意の構成で互いに重なり
合うかまたは下になり得る。いくつかの実施形態では、環状バンド102およびまたは複
数の突起120は、複数の基材層119を含んでいてもよく、複数の減衰層104は、任
意の構成で互いの上または下に置くことができる。いくつかの実施形態では、複数の基材
層119および複数の減衰層104は、環状バンド102およびまたは複数の突起120
を含み得る。
【0012】
一実施形態では、基材層119は、少なくとも部分的に金属を含むことができる。金属
は、アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、チタン、タングステン、鉄、
青銅、それらの合金を含んでもよく、または他の種類であってもよい。より具体的には、
基材層は、ステンレス鋼などの鋼を少なくとも部分的に含むことができる。例えば、基材
層は、少なくとも部分的に301ステンレス鋼を含むことができる。301ステンレス鋼
は、焼鈍、1/4硬質、1/2硬質、3/4硬質、または完全硬質にされてもよい。基材
層119は、織メッシュまたはエキスパンド・メタル・グリッドを含み得る。あるいは、
織メッシュは、織ポリマーメッシュとすることができる。他の実施形態では、基材層11
9は、メッシュまたはグリッドを含まなくてもよい。(ハード/リジッドポリマー材料を
基材層の実施形態として追加拡大縮小なし)必要に応じて、環状部材100は、これらに
限定されるものではないが、フルオロポリマー、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエ
ーテル/ポリアミドコポリマー、エチレン酢酸ビニル、エチレンテトラフルオロエチレン
(ETFE)、ETFEコポリマー、パーフルオロアルコキシ(PFA)、またはそれら
の任意の組み合わせを含む環状部材技術に一般的な任意の既知の接着材料を含み得る少な
くとも1つの接着層121を含み得る。他の代替実施形態では、固体構成要素、織メッシ
ュまたはエキスパンド・メタル・グリッドとしての基材層119は、摩擦材料104と基
材層119との間に含まれる少なくとも1つの接着層121の間に埋め込まれてもよい。
【0013】
必要に応じて、基材層119は、処理前の環状部材基材層の腐食を防ぐために腐食保護
層704および705によってコーティングされてもよい。さらに、化成処理層708は
、層704の上に塗布され得る。層704、705、および708のそれぞれは、約7~
15ミクロンなど、約1~50ミクロンの厚さを有し得る。層704および705は、亜
鉛、鉄、マンガン、またはそれらの任意の組み合わせのリン酸塩、またはナノセラミック
層を含み得る。さらに、層704および705は、官能性シラン、ナノスケールシランベ
ースのプライマ、加水分解シラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水ベースのシラン
プライマ、塩素化ポリオレフィン、不動態化表面、アルミニウム、市販の亜鉛(機械的/
ガルバニック)または亜鉛ニッケルコーティング、またはそれらの任意の組み合わせを含
み得る。層708は、官能性シラン、ナノスケールシランベースのプライマ、加水分解シ
ラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水ベースのシランプライマを含み得る。腐食保
護層704、705、および708は、処理中に除去または保持され得る。
【0014】
必要に応じて、環状部材100は、耐食性コーティング125をさらに含んでいてもよ
い。耐食性コーティング125は、約5~20ミクロン、および約7~15ミクロンなど
、約1~50ミクロンの厚さを有し得る。耐食性コーティングは、接着促進剤層127お
よびエポキシ層129を含むことができる。接着促進剤層127は、亜鉛、鉄、マンガン
、スズ、もしくはそれらの任意の組み合わせのリン酸塩、またはナノセラミック層を含む
ことができる。接着促進剤層127は、官能性シラン、ナノスケールシランベースの層、
加水分解シラン、オルガノシラン接着促進剤、溶媒/水ベースのシランプライマ、塩素化
ポリオレフィン、不動態化表面、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
エポキシ層129は、熱硬化エポキシ、UV硬化エポキシ、IR硬化エポキシ、電子ビー
ム硬化エポキシ、放射線硬化エポキシ、または空気硬化エポキシとすることができる。さ
らに、エポキシ樹脂は、ポリグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、オキシラン、オキサシクロプロパン、エチレンオキシド、1,
2-エポキシプロパン、2-メチルオキシラン、9,10-エポキシ-9,10-ジヒド
ロアントラセン、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。エポキシ樹脂層
129は、硬化剤をさらに含むことができる。硬化剤は、アミン、酸無水物、フェノール
ノボラックポリ[N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミド](PHPMI)などのフ
ェノールノボラック硬化剤、レゾールフェノールホルムアルデヒド、脂肪アミン化合物、
ポリカルボン酸無水物、ポリアクリレート、イソシアネート、カプセル化ポリイソシアネ
ート、三フッ化ホウ素アミン錯体、クロムベースの硬化剤、ポリアミド、またはそれらの
任意の組み合わせを含むことができる。概して、酸無水物は、式R-C=O-O-C=O
-R’に適合することができ、Rは、上述したようにCXHYXZAUとすることができ
る。アミンは、モノエチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミンな
どの脂肪族アミン、脂環式アミン、環状脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、アミドアミン
、ポリアミド、ジシアンジアミド、イミダゾール誘導体などの芳香族アミン、またはそれ
らの任意の組み合わせを含むことができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、減衰層104は、減衰および/または振動絶縁に使用される
材料を含み得る。いくつかの実施形態では、減衰層104は、例えば、ポリケトン、ポリ
アラミド、ポリイミド、ポリサーミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホ
ン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレ
ン、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、発泡材料またはそれらの
任意の組み合わせなどのポリマーを含む材料を含むことができる。一例では、減衰層10
4は、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド
、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、フルオロポリマー、ポリベンズ
イミダゾール、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせを含む。特定の例では、減衰
層は、ポリケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、それらの誘導体、または
それらの組み合わせなどのポリマーを含む。さらなる例では、減衰層10は、ポリエーテ
ルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリ
エーテルケトンエーテルケトン、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせなどのポリ
ケトンを含む。追加の例では、減衰層は、超高分子量ポリエチレンであってもよい。フル
オロポリマーの例には、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、PTFE、ポリフッ化
ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、テトラフルオロエチレン
、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン(THV)のターポリマー、ポリクロロ
トリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(E
TFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、天然ポリイ
ソプレン、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、クロロプレンゴム、ブチルゴム、スチ
レンブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレン、ゴム、エピクロロヒドリンゴ
ム、ポリアクリルゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フルオロエラストマ
ー、パーフルオロエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、クロロスルホン化ポリエ
チレン、酢酸エチル(EVA)、EVA発泡体、低密度ポリエチレン発泡体、ニトリルゴ
ム発泡体、ポリクロロプレン発泡体、ポリイミド発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリウ
レタン発泡体、ポリスチレン発泡体、ポリ塩化ビニル発泡体、シリコーン発泡体、気泡ゴ
ム、ポリウレタン発泡体、XPS発泡体、エポキシ発泡体、フェノール発泡体、またはそ
の全ての組み合わせが含まれる。減衰層104は、上記の材料のいずれかを含む発泡材料
を含み得る。減衰層104は、上記の材料のいずれかを含むエラストマー材料を含み得る
。減衰層104は、上記に列挙された材料のいずれかを含むゴムを含み得る。減衰層10
4は、リチウム石けん、グラファイト、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングス
テン、ポリテトラフルオロエチレン、窒化炭素、炭化タングステン、またはダイヤモンド
状炭素、金属(アルミニウム、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、チタン、タングス
テン、鉄、青銅、鋼、バネ鋼、ステンレス鋼など)、金属合金(リストにある金属を含む
)、陽極酸化金属(リストにある金属を含む)、またはそれらの任意の組み合わせを含み
得る。特定の実施形態によれば、フルオロポリマーが使用され得る。減衰層104は、ガ
ラス繊維、炭素繊維、シリコン、グラファイト、PEEK、二硫化モリブデン、芳香族ポ
リエステル、炭素粒子、青銅、フルオロポリマー、熱可塑性フィラー、炭化ケイ素、酸化
アルミニウム、ポリアミドイミド(PAI)、PPS、ポリフェニレンスルホン(PPS
O2)、液晶ポリマー(LCP)、芳香族ポリエステル(エコノール)、および珪灰石や
硫酸バリウムなどの鉱物粒子、またはそれらの任意の組み合わせを含むフィラーをさらに
含み得る。フィラーは、ビーズ、繊維、粉末、メッシュ、またはそれらの任意の組み合わ
せの形態とすることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、環状部材100は、(バンド102を形成する)弾性材料の
平坦なストリップから形成されてもよい。ストリップがその湾曲した形状に曲げられる前
に、減衰層104がその片面に積層されてもよい。他の実施形態では、減衰層104は、
平坦なストリップ102の両面に積層されてもよい。減衰層104が平坦なストリップに
取り付けられた後、得られた層構造は、スタンピングされて(例えば、適切な形状の型、
回転波形成などを使用してプレスされて)、突起120を形成することができる。したが
って、突起120のうちの少なくとも1つは、弾性材料のストリップおよび減衰層104
の両方から形成され得る。減衰層104の材料は、このスタンピング工程を容易にするた
めに柔軟であるように選択されてもよい。摩擦層104は、内側側壁103aまたは外側
側壁103bにおけるバンドの半径方向外側または半径方向内側にあってもよい。突起1
20が形成された後、層状構造は、
図1および
図3に示される環状部材状構成に湾曲され
得る。環状部材100は、
図1に示されるように、拘束層または突起の設計であってもよ
い。環状部材100は、
図2に示されるように、発泡体またはゴムスリーブの設計であっ
てもよい。環状部材100は、
図3に示されるようなスロット付き突起設計であってもよ
い。示されている実施形態では、バンド102は、外側材料であってもよい。他の実施形
態では、バンド102は、内側材料であってもよい。
【0017】
一実施形態では、側壁103は、0.2mm~1mmの範囲、0.25mm~1mmの
範囲、または0.3mm~1mmの範囲など、0.2mm~25mmの範囲の厚さTSW
を有することができる。
【0018】
一実施形態では、減衰層は、0.15mm~0.35mmの範囲、さらには0.2mm
~0.3mmの範囲など、0.1mm~0.4mmの範囲の厚さTFLを有することがで
きる。この実施形態では、基材層119は、側壁103の残りの厚さの全て、またはほぼ
全てを形成することができる。一実施形態では、側壁103の厚さは、均一であってもよ
く、すなわち、側壁103の第1の位置の厚さは、それに沿った第2の位置の厚さと等し
くすることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、環状部材100は、ばね鋼(例えば、冷間圧延ステンレス鋼
)から形成されてもよく、それに積層された減衰層104を有していてもよい。例えば、
ステンレス鋼は、厚さ0.1~0.7mmとすることができ、低摩擦は、厚さ約0.05
~0.50mmの範囲(例えば、0.25mm)とすることができ、環状部材100がそ
の円形に形成され得る前に鋼に結合されてもよい。
【0020】
一実施形態では、
図1~
図4を参照すると、環状部材100は、少なくとも5mm、少
なくとも10mm、または少なくとも20mmの内側半径R
R1を有し得る。内側半径R
R1は、500mm以下、350mm以下、250mm以下、または200mm以下であ
ってよい。環状部材100は、少なくとも5mm、少なくとも10mm、または少なくと
も20mmの外側半径R
R2を有し得る。外側半径R
R2は、500mm以下、350m
m以下、250mm以下、または200mm以下であってよい。
【0021】
一実施形態では、環状部材100は、軸線方向端部115、117の間で測定される、
500mm以下、250mm以下、150mm以下、または100mm以下の軸線方向長
さ、LRを有することができる。環状部材100は、軸線方向端部115、117の間で
測定される、少なくとも5mm、少なくとも10mm、または少なくとも25mmの軸線
方向長さ、LRを有することができる。内側半径RR1は、軸線方向長さLRに沿って変
化してもよい。外側半径RR2は、軸線方向長さLRに沿って変化してもよい。
【0022】
図1および
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの突起120
は、環状部材100に少なくとも部分的に結合され得る。一実施形態では、突起120は
、環状部材100に形成されてもよい。突起120は、側壁103とモノリシックとする
ことができ、すなわち、突起120は、側壁103と一体構造を有していてもよい。他の
特定の実施形態では、突起120の少なくとも1つは、側壁103に取り付けられた別個
の構成要素を備えていてもよい。例えば、別個の構成要素は、接着剤、溶接、圧着、また
は当該技術分野において認識可能な任意の他の適切なプロセスによって側壁103に取り
付けられてもよい。一実施形態では、突起120は、環状部材103の側壁103の軸線
方向縁115、117の軸線方向内側に配置され得る。一実施形態では、少なくとも1つ
の突起120が、側壁103から半径方向外側に延在し得る。一実施形態では、少なくと
も1つの突起120が、側壁103から半径方向内側に延在し得る。一実施形態では、図
1~
図3に示されるように、少なくとも1つの突起120が、環状部材の側壁103の下
に円周方向に向けられ得る。代替の実施形態では、少なくとも1つの突起120が、環状
部材の側壁103の軸線方向下方に向けられ得る。突起120は、半径方向に延在してい
てもよい。一実施形態では、突起120は、中心軸線600から離れて半径方向に延在し
ていてもよい。一実施形態では、突起120は、内蔵型の別個の構造であってもよく、組
み立て前に塗布されたグリースを保持し、その後の漏れを低減または最小化してもよい。
【0023】
図示のように、環状部材100は、1列または1バンドの突起120を含むことができ
る。他の態様では、環状部材100は、2列または2バンドの突起120、3列、または
3バンドの突起120などを含むことができる。いくつかの実施形態では、環状部材は、
1つ~5つのバンドの突起120を含むことができる。さらに、各列における突起120
の総数、NWSは、3以上、例えば4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、または9
以上にすることができる。さらに、NWSは、30以下、25以下、20以下、または1
5以下である。いくつかの実施形態では、突起120の総数は、20~200の突起12
0など、3~360の間の突起120であってもよい。NWSは、上記のNWS値の範囲
内であり且つそれらのいずれかを含むことができる。
【0024】
一実施形態では、複数の突起120は、少なくとも2つの円周方向に延びる列に配置さ
れることができる。特定の実施形態では、複数の突起120は、少なくとも4つの円周方
向に延びる列、少なくとも5つの円周方向に延びる列、さらには少なくとも6つの円周方
向に延びる列など、少なくとも3つの円周方向に延びる列に配置されることができる。他
の実施形態では、複数の突起120は、15列以下の円周方向に延びる列、10列以下の
円周方向に延びる列、さらには7列以下の円周方向に延びる列など、25列以下の円周方
向に延びる列に配置されることができる。
【0025】
一実施形態では、突起120は、それぞれ、軸線方向二等分線を画定することができる
。一実施形態では、少なくとも2つの突起120の軸線方向二等分線は、平行に向けられ
ることができる、すなわち、少なくとも2つの突起120は、互いに平行に向けられるこ
とができる。より特定の実施形態では、突起120の全ては、互いに対して平行に向けら
れることができる。
【0026】
一実施形態では、少なくとも2つの突起120が、側壁103から異なる方向に延在す
ることができる。より特定の実施形態では、少なくとも2つの突起120が、内側側壁1
03aおよび外側側壁103bから反対の半径方向に延在することができる。より特定の
実施形態では、少なくとも2つの突起120が、反対の軸線方向に延在することができる
。一実施形態では、少なくとも2つの突起120が、互いに離れるように延在していても
よく、すなわち、少なくとも2つの突起120の接続された側面707は、突起120の
任意の他の部分よりも互いに近くてもよい。
【0027】
各突起120は、幅と比較した長さにより測定したアスペクト比を画定することができ
る。突起120の長さは、軸線方向または円周方向における突起120の長さと幅との間
のより大きな寸法として定義され得る。突起の幅は、軸線方向または円周方向における突
起120の長さおよび幅のより小さな寸法として定義され得る。一実施形態では、突起1
20の少なくとも1つは、少なくとも1.5:1、少なくとも2:1、少なくとも3:1
、少なくとも4:1、少なくとも5:1、さらには少なくとも10:1など、少なくとも
1.1:1のアスペクト比を有することができる。一実施形態では、アスペクト比は、5
0:1以下、さらには25:1以下など、100:1以下とすることができる。
【0028】
突起120は、例えば、スタンピング、プレス、穿孔または切断などのプロセスによっ
て形成され得る。一実施形態では、突起120の少なくとも1つは、側壁103の形成前
、例えば、平坦なシートを圧延して側壁103を形成する前に形成され得る。一実施形態
では、突起120の少なくとも1つは、側壁103の形成後、例えば、側壁103を形成
するために平坦なシートを圧延した後に形成され得る。
【0029】
一実施形態では、突起120のうちの少なくとも2つが、互いに比較して同じ幾何学的
形状またはサイズを有する。さらなる実施形態では、突起120の全てが、互いに比較し
て同じ幾何学的形状またはサイズを有していてもよい。他の実施形態では、突起120の
うちの少なくとも2つが、互いに比較して異なる幾何学的形状またはサイズを有していて
もよい。さらなる実施形態では、突起120の全てが、互いに比較して異なる幾何学的形
状またはサイズを有していてもよい。
【0030】
突起120は、力伝達特性またはばね特性のために慎重に選択および設計されてもよい
。突起120の幾何学的形状は、所望の弾性変形特性/塑性変形特性を提供するように選
択されてもよい。例えば、突起120の少なくとも1つは、突起120の回転または軸線
方向の動きを変更するために、別の突起120から形状が変更されてもよい。変形特性は
、内側構成要素302および外側構成要素306の製造部品公差を考慮するだけでなく、
動作中の異なる構成要素間で発生することがある熱膨張と摩耗の差を補償するためにも選
択されることができ、したがって、所望の性能が全体で達成されることができるのを保証
する。これらの設計は、組み立てられた構成要素302、306が高温で緩まないことを
保証するために、ゼロ間隙環状部材100に適用可能であってもよい。
【0031】
図1に示されるように、突起120は、断面が多角形であってもよい。いくつかの実施
形態では、突起120は、多角形、円形、または半円形の断面を有していてもよい。いく
つかの実施形態では、突起120は、少なくとも1つの肩付きまたは肩なしの波構造23
0を含み得る。いくつかの実施形態では、各波構造230は、波本体240、波本体24
0の第1の側の第1の波面242、および第1の波面242と反対の波本体の第2の側の
第2の波面244を含むことができる。各波本体240は、上部の未形成バンド220と
下部の未形成バンド222との間に延在するプラトー部分250を形成する概してアーチ
形の構造を含むことができる。各波本体240は、上部の未形成バンド220と下部の未
形成バンド102との間に延在する概してアーチ形の構造を含むことができる。波構造2
30は、第1の肩246および第2の肩248を有し得る。波構造は、
図1に示されるよ
うに配向されてもよい。
図1では、第1の肩部246および第2の肩部248が軸線方向
に延在するか、または第1の肩部246および第2の肩部248が半径方向に延在する方
向に向けられ得る。
図3に示されるように、少なくとも1つの波構造230は、波本体2
40および少なくとも1つの開口251または複数の開口251を含むことができる。い
くつかの実施形態では、複数の開口251。環状部材100は、
図3に示されるように、
スロット付きのサイドレス設計であり得る。
図3には、開口251間のブリッジとして機
能する複数の突起120が示されている。いくつかの実施形態では、突起120(または
ブリッジ)が環状部材100の幅全体を保持する一方で、開口251は幅がゼロであって
もよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、波本体240は、波本体240の第1の側に第1の波切り抜
き252と、波本体の第1の波切り抜き252の反対側の第2の側に第2の波切り抜き2
54とを含み得る。いくつかの実施形態では、波構造230、230’は、切り抜き25
4を共有してもよい。いくつかの実施形態では、切り抜き252、254は、第1の波面
242および/または第2の波面244の少なくとも一部に切り込むか、またはそれらを
置き換えることができる。
【0033】
図7に最もよく描かれるように、各波本体240は、実施形態に応じて波面242、2
44または波切り抜き252、254を形成する前の波本体240の外周または形状を表
す概して長方形のフットプリント252を含むことができる。フットプリント252は、
未形成バンド220、222および隣接する未形成部分224によって囲まれ得る。プラ
トー部分250は、フットプリント252の半径方向の縁を規定し得る。フットプリント
252は、フットプリント長、L
WBF、およびフットプリント幅、W
WBFを有するこ
とができる。突起120またはプラトー部分250は、側壁103から突起120または
プラトー部分250の頂点まで測定された高さH
Pを有し得る。各波面242、244ま
たは波切り抜き252、254は、長さ、L
WS/COを含み得る。LL
WS/COは、
L
WBF以上、例えばL
WBFの101%以上、L
WBFの102%以上、L
WBFの1
03%以上、L
WBFの104%以上、またはL
WBFの105%以上の場合がある。L
L
WS/COは、L
WBFの125%以下、例えばL
WBFの120%以下、L
WBFの
115%以下、L
WBFの110%などにすることもできる。さらに、LL
WS/COは
、L
WBF値のいずれかの間の%範囲内にあり且つそれらを含むことができる。
【0034】
波面242、244または波切り抜き252、254は、第1の波面242または波切
り抜き252の最も外側の垂直縁260と、第2の波面244または波切り抜き254の
最も外側の垂直縁262との間で測定される全幅WWS/COを含むことができる。WW
S/COは、WWBFの101%以上、WWBFの102%以上、WWBFの103%以
上、WWBFの104%以上、またはWWBFの105%以上など、WWBF以上にする
ことができる。さらに、WWS/COは、WWBFの150%以下、例えばWWBFの1
45%以下、WWBFの140%以下、WWBFの135%以下、WWBFの130%以
下、またはWWBFの125%以下である。さらに、WWS/COは、上記のWWBF値
のいずれかの%範囲内であり且つそれらを含むことができる。
【0035】
特定の態様では、
図7に示すように、各波本体240は、各波本体240と上部の未形
成バンド220または下部の未形成バンド222との界面で測定されたベース幅W
WBB
と、各波体240の頂点で測定されたピーク幅W
WBPとを含む。W
WBPは、W
WBB
以下、例えば、W
WBBの75%以下、W
WBBの70%以下、W
WBBの65%以下、
W
WBBの60%以下、W
WBBの55%以下、またはW
WBBの50%以下などにする
ことができる。別の態様では、W
WBPは、W
WBBの25%以上、例えば、W
WBBの
30%以上、W
WBBの35%以上、またはW
WBBの40%以上であり得る。さらに、
W
WBPは、上記のW
WBB値のいずれかの5%範囲内であり且つそれらを含むことがで
きる。
【0036】
波本体240のフットプリント250は、HWBF×WWBFに等しい面積、AFPを
含むことができる。波面242、244または波切り抜き252、254は共に、各波構
造230において未形成部分224および波本体240から高さが除去または変更された
材料の表面積に等しい総切り抜き領域AWS/COを含むことができる。AWS/COは
、AFP以下、例えばAFPの80%以下、AFPの75%以下、AFPの70%以下、
AFPの65%以下、またはAFPの60%以下などであり得る。別の側面では、AWS
/COは、AFPの25%以上、AFPの30%以上、AFPの35%以上、AFPの4
0%以上、AFPの45%以上、またはAFPの50%以上であり得る。さらに、AWS
/COは、上記のAFP値のいずれかの%範囲内であり且つそれらを含むことができる。
【0037】
別の態様では、AWS/COは、波体フットプリント、AOFPと重複するエリア、お
よび1つまたは複数の未形成部分、上部の未形成バンド、下部の未形成バンド、またはそ
れらの組み合わせAOUと重複するエリアを含む。AOUは、AOFPの45%以下、A
OFPの40%以下、AOFPの35%以下、AOFPの30%以下、またはAOFPの
25%以下など、AOFP以下にすることができる。さらに、AOUは、AOFPの2%
以上、AOFPの3%以上、AOFPの4%以上、またはAOFPの5%以上など、AO
FPの1%以上にすることができる。AOUは、上記のAOFP値のいずれかの%範囲内
であり且つそれらを含むことができる。
【0038】
さらに別の態様では、AOUは、AWS/COの30%以下、AWS/COの25%以
下、AWS/COの20%以下、またはAWS/COの15%以下など、AWS/CO以
下とすることができる。また、AOUはAWS/COの1%以上、例えばAWS/COの
2%以上、AWS/COの3%以上、AWS/COの4%以上、またはAWS/COの5
%以上の場合がある。AOUは、上記のAWS/CO値のいずれかの%範囲内であり且つ
それらを含むことができる。
【0039】
別の態様では、AOFPは、AWS/COの70%以上、例えば、AWS/COの75
%以上、AWS/COの80%以上、またはAWS/COの85%以上であり得る。さら
に、AOFPは、AWS/CO以下、例えば、AWS/COの99%以下、AWS/CO
の98%以下、AWS/COの97%以下、AWS/COの96%以下、またはAWS/
COの95%以下などである。AOFPは、上記のAWS/CO値のいずれかの範囲内で
あり且つそれらを含むことができる。
【0040】
図7は、各波面242、244または波切り抜き252、254が、波本体240に隣
接し、波本体240の第1の側縁および第2の側縁を形成する内側弧状縁270、272
を含み得ることを示す。各弧状縁270、272には、弧長L
AEを含めることができ、
L
AEはH
WBF以上、例えばH
WBFの101%以上、H
WBFの102%以上、H
W
BFの103%以上、H
WBFの104%以上、またはH
WBF105%以上にすること
ができる。別の態様では、L
AEは、H
WBFの200%以下、例えばH
WBFの175
%以下、H
WBFの150%以下、H
WBFの145%以下、H
WBFの140%以下、
H
WBFの135%以下、H
WBFの130%以下、またはH
WBFの125%以下であ
り得る。L
AEは、任意のH
WBF値のいずれかの%範囲内であり且つそれらを含むこと
もできる。
【0041】
別の態様では、各未形成部分224は、WWBBと実質的に同じである幅WUSを含む
ことができる。この態様では、WUSは、WWBBの60%以上、例えばWWBBの65
%以上、WWBBの70%以上、WWBBの75%以上、WWBBの80%以上、WWB
Bの85%以上、WWBBの90%以上、WWBBの95%以上、WWBBの96%以上
、WWBBの97%以上、WWBBの98%以上、WWBBの99%以上、またはWWB
Bの100%以上などであり得る。さらに、WUSは、WWBBの125%以下、例えば
WWBBの120%以下、WWBBの115%以下、WWBBの110%以下、WWBB
の105%以下、WWBBの104%以下、WWBBの103%以下、WWBBの102
%以下、またはWWBBの101%以下などであり得る。WUSは、WWBB値の任意の
間の%範囲内にすることもできる。
【0042】
特定の態様では、外側半径RR2は、突起120またはプラトー部分250の高さHP
に基づくことができる。HPは、RR2の5%以下、例えばRR2の4%以下、RR2の
3%以下、RR2の2%以下、またはRR2の1%以下であってもよい。HPは、RR2
の0.1%以上、例えばRR2の0.2%以上、RR2の0.3%以上、RR2の0.4
%以上、RR2の0.5%以上であってもよい。さらに、HPは、RR2値の任意の%範
囲内であり且つそれらのいずれかを含むことができる。
【0043】
図5A~
図5Bは、例えば、いくつかの実施形態による
図1~
図3に示される環状部材
100を組み込むアセンブリ2を示す。アセンブリ2はさらに、ハウジングなどであるが
これに限定されない外側構成要素302を含む。外側構成要素302は、中心軸線600
に沿って第1の軸線方向端部305および第2の軸線方向端部307を有していてもよい
。外側構成要素302は、その中に形成されたボア304を有していてもよく、ボア30
4は、ステータなどであるがこれに限定されない内側構成要素306を受け入れる。ボア
304は、中心軸線600に対して半径方向または軸線方向の少なくとも一方に設けるこ
とができる。内側構成要素306は、第1の軸線方向端部315および第2の軸線方向端
部317を有していてもよい。環状部材100は、外側構成要素302と内側構成要素3
06との間に嵌合を提供するように使用され得る。環状部材100がアセンブリ2におけ
る外側構成要素302または内側構成要素306に取り付けられている場合、突起120
は、他方の構成要素302、306の軸線方向の設置を支援するガイドとして機能し得る
。いくつかの実施形態では、環状部材100の突起120は、アセンブリ2内でハウジン
グまたは外側部材302に向かって半径方向外側に向くことができる。いくつかの実施形
態では、環状部材100の突起120は、アセンブリ2内でステータまたは内側部材30
6に向かって半径方向内側に向くことができる。アセンブリ2はまた、ロータ350を含
み得る。ロータ350は、中心軸線600に沿って第1の軸線方向端部355および第2
の軸線方向端部357を有していてもよい。ロータ350は、シャフト351および複数
のブレード352を含み得る。ロータ350は、アセンブリ2のボア304内で回転また
は他の方法で移動して、ロータの軸線周りにトルクを発生させ、アセンブリ内に電気を発
生させるように適合され得る。アセンブリは、発電機アセンブリ(オルタネータアセンブ
リを含むがこれらに限定されない)、モータアセンブリ(電気モータアセンブリを含むが
これらに限定されない)、エンジンアセンブリ、クラッチアセンブリ、または保持機構の
ような、ロータとステータとを含む任意のアセンブリを含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、内側構成要素306の外面308とボア304の内面310
との間に環状間隙206が存在し得る。この環状間隙206のサイズは、内側構成要素3
06およびボア304の直径が環状部材の上記寸法内で変動し得るため、可変であり得る
。いくつかの実施形態では、環状部材100は、内側構成要素306と外側構成要素30
2との間で半径方向に圧縮され、半径方向の力を外側に向けて外側構成要素302に加え
、半径方向の力を内側に向けて内側構成要素306に加えて、それらの間の位置関係を維
持するように調整された内側半径RR1および外側半径RR2を有していてもよい。いく
つかの実施形態では、環状部材100は、内側構成要素306または外側構成要素302
の少なくとも1つに固定されなくてもよい。いくつかの実施形態では、環状部材100は
、形状嵌合、圧入、または結合(接着結合を含むがこれに限定されない)により、内側構
成要素306または外側構成要素302のうちの少なくとも1つに固定され得る。使用さ
れる接着剤は、一般に知られているかまたは上記に列挙された接着剤層121において示
されている接着剤のいずれかを含み得る。ボア304内の内側構成要素306の振動を防
止するために、環状間隙206は、環状部材100により充填されて構成要素間にゼロ間
隙嵌合を形成することができる。環状部材100は、アセンブリ2における構成要素30
2、306間に間隙が存在することができないように、間隙をゼロに低減し得る。
【0045】
一実施形態では、外側構成要素302は、回転する、電気モータ、発電機、またはオル
タネータアセンブリ技術で一般的に使用される任意の材料を含むことができる。外側構成
要素302は、軸線方向および長手方向の力に耐えるのに十分な剛性を備えた任意の適切
な材料を含むことができる。特定の実施形態では、外側構成要素302は、射出成形ポリ
マーを含むことができる。他の実施形態では、外側構成要素302は、機械加工プロセス
によって形成される金属または合金(これらに限定されるものではないが、アルミニウム
、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、チタン、タングステン、鉄、青銅、鋼、ばね鋼
、ステンレス鋼)を含むことができる。さらに他の実施形態では、外側構成要素302は
、セラミックまたは任意の他の適切な材料を含むことができる。外側構成要素302は、
溶接、接着剤、締結具、ねじ切り、または任意の他の適切な締結手段によって互いに接合
された単一部品、2部品、またはいくつかの部品から形成されることができる。
【0046】
一実施形態では、外側構成要素302は、中心軸線600から少なくとも5mm、少な
くとも10mm、少なくとも15mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少な
くとも40mmの内側半径ROC1を有していてもよい。内側半径ROC1は、5mm以
下、10mm以下、15mm以下、20mm以下、30mm以下、40mm以下であって
もよい。外側構成要素302は、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも1
5mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少なくとも40mmの外側半径RO
C2を有していてもよい。外側半径ROC2は、5mm以下、10mm以下、15mm以
下、20mm以下、30mm以下、40mm以下であってもよい。
【0047】
一実施形態では、外側構成要素302は、軸線方向端部115、117の間で測定され
る5mm以下、10mm以下、15mm以下、20mm以下、30mm以下、40mm以
下の軸線方向長さLOCを有することができる。外側構成要素302は、軸線方向端部1
15、117の間で測定される少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも15
mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少なくとも40mmの軸線方向長さL
OCを有することができる。内側半径ROC1は、軸線方向長さLOCに沿って変化し得
る。外側半径ROC2は、軸線方向長さLOCに沿って変化し得る。
【0048】
一実施形態では、内側構成要素306は、回転する、電気モータ、発電機、またはオル
タネータアセンブリ技術で一般的に使用される任意の材料を含むことができる。内側構成
要素306は、軸線方向および長手方向の力に耐えるのに十分な剛性を備えた任意の適切
な材料を含むことができる。特定の実施形態では、内側構成要素306は、射出成形ポリ
マーを含むことができる。他の実施形態では、内側構成要素306は、機械加工プロセス
によって形成される金属または合金(これらに限定されるものではないが、アルミニウム
、亜鉛、銅、マグネシウム、スズ、白金、チタン、タングステン、鉄、青銅、鋼、ばね鋼
、ステンレス鋼)を含むことができる。さらに他の実施形態では、内側構成要素306は
、セラミックまたは任意の他の適切な材料を含むことができる。内側構成要素306は、
溶接、接着剤、締結具、ねじ切り、または任意の他の適切な締結手段によって互いに接合
された単一部品、2部品、またはいくつかの部品から形成されることができる。
【0049】
一実施形態では、内側構成要素306は、中心軸線600から少なくとも5mm、少な
くとも10mm、少なくとも15mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少な
くとも40mmの内側半径RIC2を有していてもよい。内側半径RIC2は、5mm以
下、10mm以下、15mm以下、20mm以下、30mm以下、40mm以下であって
もよい。内側構成要素306は、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも1
5mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少なくとも40mmの外側半径RI
C1を有していてもよい。外径RIC1は、5mm以下、10mm以下、15mm以下、
20mm以下、30mm以下、40mm以下であってもよい。
【0050】
一実施形態では、内側構成要素306は、軸線方向端部115、117の間で測定され
る5mm以下、10mm以下、15mm以下、20mm以下、30mm以下、40mm以
下の軸線方向長さLICを有することができる。内側構成要素306は、軸線方向端部1
15、117の間で測定される少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも15
mm、少なくとも20mm、少なくとも30mm、少なくとも40mmの軸線方向長さL
ICを有することができる。内側半径RIC1は、軸線方向長さLICに沿って変化し得
る。外側半径ROC2は、軸線方向長さLICに沿って変化し得る。
【0051】
使用中、環状部材100のバンド102は、アセンブリ2における構成要素302、3
06のうちの間に配置されたときに弾性的に変形し得る。構成要素302、306の他方
は、アセンブリ2に取り付けられてもよく、それにより、構成要素302、306の間の
間隙206内の環状部材を圧縮することができ、好ましくは突起120のみが変形する。
この変形は、突起120の形状および/またはプロファイル、ならびに間隙206のサイ
ズに応じて、弾性的または塑性的であってもよい。
【0052】
減衰層104は、外側構成要素302または内側構成要素306に面するバンド102
の表面に取り付けられてもよい。減衰層104は、バンド102にコーティングまたは結
合されてもよい。一実施形態では、減衰層104は、バンド102の表面に積層されても
よい。減衰層104を積層することは、バンド102の周りに均一な厚さを与え、バンド
102を液体形態の第2の材料に浸漬して余剰分を回転または振り落とすことにより層が
コーティングされる場合に生じることがある薄いパッチを回避する。
【0053】
一実施形態では、アセンブリ2は、内側構成要素306、外側構成要素302、または
環状部材100を含む、その構成要素のいずれかに潤滑剤399を含み得る。潤滑剤39
9は、リチウム石けん、二硫化リチウム、グラファイト、鉱油または植物油、シリコーン
グリース、フルオロエーテルベースのグリース、アピエゾン、食品グレードのグリース、
石油化学グリースのうちの少なくとも1つを含むグリースを含むことができ、または異な
る種類とすることができる。潤滑剤399は、グループI-グループIII+油、パラフ
ィン油、ナフテン油、芳香油、バイオ潤滑油、ヒマシ油、キャノーラ油、パーム油、ヒマ
ワリ種子油、菜種油、トール油、ラノリン、合成油、ポリアルファオレフィン、合成エス
テル、ポリアルキレングリコール、リン酸エステル、アルキル化ナフタレン、ケイ酸エス
テル、イオン液体、多重アルキル化シクロペンタン、石油化学ベースのうちの少なくとも
1つを含む油を含むことができ、または異なる種類とすることができる。潤滑剤399は
、リチウム石けん、グラファイト、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン
、ポリテトラフルオロエチレン、金属、金属合金のうちの少なくとも1つを含む固体ベー
スの潤滑剤を含むことができ、または異なる種類とすることができる。
【0054】
少なくとも1つの実施形態では、潤滑剤399または減衰層104は、アセンブリ2内
の環状部材100、内側構成要素306、外側構成要素302または別の構成要素に耐摩
耗性挙動を提供し得る。「耐摩耗性挙動」は、アセンブリ2の構成要素(環状部材100
、内側構成要素306、外側構成要素302、またはアセンブリ2内の別の構成要素)の
少なくとも1つの表面と、アセンブリの別の構成要素(環状部材100、内側構成要素3
06、外側構成要素302、またはアセンブリ2内の別の構成要素)の別の表面との間の
摩擦係数μが約0.03μから0.2μの間であると定義され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、環状部材100は、内側構成要素306または外側構成要素
302の1つに固定されてもよい。例えば、環状部材100は、内側構成要素306上の
バンド102の弾性把持により固定または保持され得る。この例では、減衰層104は、
バンド102の内面のみに設けられてもよく、突起120は、バンド102から半径方向
外側に、例えば外側構成要素302に向かって延在し得る。いくつかの実施形態では、外
面は、減衰層104を有していなくてもよく、したがって、相対運動に対してより大きな
抵抗をもたらしてもよい。環状部材100は、ボア304内での望ましくない動きを防ぐ
ことができる。外側構成要素302または内側構成要素306はまた、ボア304内で望
ましくないことが防止され得る。いくつかの実施形態では、外側構成要素302とバンド
102の外面との間の接触面では、外側構成要素302に対して所定の位置に環状部材1
00を保持するのに十分な摩擦力が存在し得る。環状部材100は、当該環状部材100
の嵌合により、外側構成要素302と内側構成要素306との間で半径方向、軸線方向、
または円周方向の動きがほとんどまたは実質的に生じないように、半径方向の圧縮を提供
するべく、バンド102とそれらの表面との間の接触領域における摩擦係合によって外側
構成要素302または内側構成要素306に対して固定されてもよい。
【0056】
図6は、いくつかの既知の環状部材100と比較した、いくつかの実施形態による環状
部材100の軸線方向剛性k
ax、ねじり剛性k
tor、および半径方向剛性k
radの
比較を示す。環状部材100の半径方向剛性k
radは、本明細書では、変位が、外側構
成要素302と内側構成要素306との間におけるボア304内の環状部材100のクリ
アランスの半径方向の増加である、単位変位当たりの力の変化(N/mm)として定義さ
れ得る。環状部材100のねじり剛性k
torは、本明細書では、変位が、その外側半径
R
IC1で直線的に測定された内側構成要素306の円周方向変位である、単位変位当た
りの力の変化(N/mm)として定義され得る。例えば、内側構成要素306は、アセン
ブリ2の動作中に円周方向に最小限に回転することができ、環状部材100のねじり剛性
k
torは、単位変位を発生させるために必要な力の変化である。サンプル1は、Ren
COl(商標)ベースの環状部材である。サンプル2は、小さな開口を含む穴のあいたス
トリップを備えた環状部材である。サンプル3は、複数の突起120および開口251を
含む、
図3に示されるようなスロット付きのサイドレス環状部材100である。サンプル
4は、中央にスロットがある、RenCOl(商標)ベースのサイドレス環状部材である
。サンプル5は、環状部材の従来技術の設計である。サンプル6は、複数の突起を含む、
図1に示されるような拘束層設計の環状部材100である。サンプル7は、スリーブ付き
ゴム環状部材である。サンプル8は、複数の開口を備えたスリーブ付きゴム環状部材であ
る。サンプル9は、
図2に示されるような発泡体またはゴムのスリーブである。サンプル
10は、環状部材の従来技術の設計である。
【0057】
図6に示すように、環状部材100の使用には、ねじり剛性k
torおよび半径方向剛
性k
radが含まれ得る。
図6に示すように、いくつかの実施形態では、k
torが3k
rad以下である。
図6に示すように、いくつかの実施形態では、k
torがk
rad以
下である。既存の環状部材と比較すると、本明細書のいくつかの実施形態による正常に機
能するサンプルは、k
torおよびk
radに関して、所望の剛性プロファイルを示す。
本明細書のいくつかの実施形態によれば、磁気ノイズが低減され得、アセンブリのより効
率的な動作が提供される。さらに、いくつかの実施形態によれば、部品間の相対的な振動
を低減するために、内側構成要素と外側構成要素との間の密接な適合が達成される。さら
に、いくつかの実施形態によれば、環状部材は、組み立て力、コスト、およびアセンブリ
重量を低減することができる。
【0058】
上述したように、突起120は、リム109から離れて突出するように配置されてもよ
く、内側構成要素306および外側構成要素302の他方との複数の別個の接触面を提供
し得る。突起120は、変形または圧縮するように構成され得る。このことは、内側構成
要素306と外側構成要素302との間の環状部材100を介して半径方向に負荷力を伝
達するために、別個の接触面での弾性変形を含み得る。各突起120の形状およびサイズ
は、特定の用途に基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、突起120は、比較
的高い半径方向の力(例えば、200N以上)を伝達し、安定して配置し、内側構成要素
306および外側構成要素302の間に半径方向剛性を与えることができる。
【0059】
本明細書の実施形態による剛性値は、式k=c・m・f2によって計算することができ
、ここで、kは、ねじり剛性ktorまたは半径方向剛性kradであり、mは、ステー
タの質量であり、cは、定数(4π2)であり、fは、ステータの固有周波数である。ス
テータの固有周波数fは、ステータのモード形状とモータのサイズとに基づいて変動する
。例えば、ステータの固有周波数fは、周波数が約2792Hzのラジアル5ノード(五
角形ステータ)にすることができる。別の例では、ステータの固有周波数fは、周波数が
約368Hzのラジアル2ノード(円形ステータ)にすることができる。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、環状部材100の半径方向剛性kradは、2,000
~2,000,000の範囲内、例えば、80,000~350,000N/mmの範囲
内にあってもよい。いくつかの実施形態によれば、環状部材100のねじり剛性ktor
は、1000~1000000の範囲内、例えば、50000~200000N/mmの
範囲内にあってもよい。
【0061】
環状部材100の半径方向剛性kradおよびねじり剛性ktorを試験するための方
法は、以下の、1)中央のプレートに対して背中合わせにクランプされた2つの同一の部
分的なカールしていない環状部材を配置する(アセンブリ2の内側構成要素306を模倣
する)こと、2)クランプを調整して一定量の圧縮(mm)を加え、クランプアセンブリ
を形成すること、3)クランプアセンブリを引張強度試験機内に配置すること、4)中央
のプレートに小さな変位(例:+/-25μm)を加え、(試験した環状部材の)力と変
位を記録すること、5)力の変化を位置の変化で割り、乗算して完全な360度の環状部
材を表すことにより、環状部材の半径方向剛性kradおよびねじり剛性ktorを計算
すること、を含み得る。
【0062】
さらに他の態様によれば、内側構成要素306および外側構成要素302を提供するこ
とを含む方法が提供され得る。この方法は、内側構成要素306と外側構成要素302と
の間に環状部材100を設けることをさらに含んでもよく、環状部材は半径方向に圧縮さ
れ、半径方向の力を外側に向けてハウジングに加え、半径方向の力を内側に向けてステー
タに加えて、それらの間の位置関係を維持する。
【0063】
一実施形態では、アセンブリ2は、少なくとも2kgf、少なくとも3kgf、少なく
とも4kgf、少なくとも5kgf、少なくとも10kgf、またはさらには少なくとも
15kgfなど、シャフト4またはハウジング8に対して長手方向に少なくとも1kgf
の組み立て力によって設置されるかまたは組み立てられることができる。さらなる実施形
態では、トルクアセンブリ2は、19kgf以下、18kgf以下、17kgf以下、ま
たは16kgf以下など、ハウジング8に対して長手方向に20kg以下の組み立て力に
よって設置されるかまたは組み立てられることができる。いくつかの実施形態では、環状
部材100の突起120は、組み立て力を5~10倍低減することができるスナップイン
機能を有していてもよい。
【0064】
いくつかの変形例において、本明細書の実施形態は、軽量であってスペース要件が小さ
いこと、アセンブリの衝突、衝撃、振動の適切な減衰、設置とメンテナンスの労力が少な
いこと、部品または部品の複雑さの減少、許容範囲の要件が小さいこと、組み立て手順が
それほど複雑でないこと、機構がそれほど複雑でないこと、関節剛性の低下、改善された
磁気ノイズ品質、グリースフリーの操作、または耐食性、の少なくとも1つを提供するこ
とにより、一般的に使用されるスライドまたは回転アセンブリと区別され得る。
【0065】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態のいくつ
かが以下に説明される。本明細書を読んだ後、当業者は、それらの態様および実施形態が
例示にすぎず、本発明の範囲を限定しないことを理解するであろう。実施形態は、以下に
列挙される実施形態のうちのいずれか1つまたはそれ以上に従い得る。
【0066】
[実施形態1]
ステータと、ハウジングと、ステータおよびハウジングの間に篏合された環状部材とを
備え、環状部材は半径方向に圧縮されて、半径方向の力を外側に向けてハウジングに加え
、半径方向の力を内側に向けてステータに加えて、それらの間の位置関係を維持する、電
気モータまたは発電機。
【0067】
[実施形態2]
環状部材が、ねじり剛性ktorおよび半径方向剛性kradを有し、ktor≦3k
radである、実施形態1に記載の電気モータまたは発電機。
【0068】
[実施形態3]
ktor≦kradである、実施形態2に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0069】
[実施形態4]
ktor<0.5krad、ktor<0.5krad、ktor <0.3krad
、またはktor<0.1kradなど、ktor<0.8kradである、実施形態1
に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0070】
[実施形態5]
環状部材が、基材層と、基材層を覆う減衰層とを含む、実施形態1~4のいずれか1つ
に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0071】
[実施形態6]
基材層が剛性材料を含む、実施形態5に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0072】
[実施形態7]
基材層が金属を含む、実施形態5に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0073】
[実施形態8]
減衰層が発泡材料を含む、実施形態5に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0074】
[実施形態9]
減衰層がエラストマー材料を含む、実施形態5に記載の電気モータまたは発電機アセン
ブリ。
【0075】
[実施形態10]
環状部材が、エラストマー材料を覆う第2の基材層を含む、実施形態9に記載の電気モ
ータまたは発電機アセンブリ。
【0076】
[実施形態11]
減衰層が、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド
イミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリベンズイミダゾール
、それらの誘導体、またはそれらの組み合わせを含むポリマーを含む、実施形態5に記載
の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0077】
[実施形態12]
基材層または減衰層の少なくとも1つが、環状バンドと、環状バンドの周囲付近の複数
の突起とを備える、実施形態5に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0078】
[実施形態13]
突起がハウジングに向かって半径方向半径方向外側に向いている、実施形態12に記載
の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0079】
[実施形態14]
突起がステータに向かって半径方向内側に向いている、実施形態12に記載の電気モー
タまたは発電機アセンブリ。
【0080】
[実施形態15]
環状バンドが複数の開口を含む、実施形態12に記載の電気モータまたは発電機アセン
ブリ。
【0081】
[実施形態16]
エラストマー材料がゴムを含む、実施形態9に記載の電気モータまたは発電機アセンブ
リ。
【0082】
[実施形態17]
金属がアルミニウム、鉄、銅、チタン、またはそれらの合金を含む、実施形態7に記載
の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0083】
[実施形態18]
環状部材がステータまたはハウジングのいずれにも固定されていない、実施形態1~1
7のいずれか1つに記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0084】
[実施形態19]
環状部材が、ステータまたはハウジングの少なくとも一方に固定されている、実施形態
1~18のいずれか1つに記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0085】
[実施形態20]
アセンブリが、環状部材をステータまたはハウジングの少なくとも一方に固定するよう
に適合された接着剤をさらに含む、実施形態19に記載の電気モータまたは発電機アセン
ブリ。
【0086】
[実施形態21]
内側部材と、外側部材と、内側部材および外側部材の間に配置され、ねじり剛性kto
r、および半径方向剛性kradを有し、ktor≦3kradである環状部材とを備え
る電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0087】
[実施形態22]
環状部材が、環状部材の軸線方向長さに沿って延びる少なくとも1つの軸線方向間隙を
含む、実施形態1に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0088】
[実施形態23]
環状部材が複数の軸線方向間隙を含み、それにより環状部材を複数の環状部材セグメン
トに分ける、実施形態21に記載の電気モータまたは発電機アセンブリ。
【0089】
[実施形態24]
電気モータまたは発電機アセンブリは、オルタネータアセンブリ、駆動モータアセンブ
リ、油/水/冷却剤ポンプアセンブリ、ステアリングモータアセンブリ、ハイブリッドモ
ータアセンブリ、またはコンプレッサアセンブリを含む、実施形態1~23のいずれか1
つに記載の電気モータまたは発電機アセンブリ
【0090】
この詳細な説明は、最良の形態を含み、また、当業者が本発明を構成および使用するこ
とを可能にするように例を使用する。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によ
って定義され、当業者が思いつく他の例を含み得る。そのような他の例は、特許請求の範
囲のありのままの文言とは異ならない構造的要素を有する場合、または特許請求の範囲の
ありのままの文言とは実質的な差異を有しない均等の構造的要素を含む場合、特許請求の
範囲内にあるように意図される。例えば、実施形態は、フロントガラスワイパーモータ)
などの電気モータなどの回転装置、または環状部材コラム調整機構などの軸線方向摺動用
途に関連し得る。
【0091】
いくつかの形態のみで実施形態を示しまたは説明したが、それらは、そのように限定さ
れず、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を受けやすいことは、当業者には明
らかである。