(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H10K 59/18 20230101AFI20240205BHJP
H10K 59/90 20230101ALI20240205BHJP
【FI】
H10K59/18
H10K59/90
(21)【出願番号】P 2022173237
(22)【出願日】2022-10-28
(62)【分割の表示】P 2021035139の分割
【原出願日】2015-02-03
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】P 2014023930
(32)【優先日】2014-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2014045128
(32)【優先日】2014-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 博之
(72)【発明者】
【氏名】池田 寿雄
【審査官】内村 駿介
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-251981(JP,A)
【文献】特表2013-518437(JP,A)
【文献】特開2009-139463(JP,A)
【文献】特開2001-100662(JP,A)
【文献】国際公開第13/128740(WO,A1)
【文献】特開2006-010811(JP,A)
【文献】特開2013-156452(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0157893(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0105265(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 59/18
H10K 59/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示パネル、第2の表示パネル、第3の表示パネル、及び第4の表示パネルを有し、
前記第1の表示パネル乃至前記第4の表示パネルのそれぞれは、可視光を透過することができる第1の領域と、可視光を遮断することができる第2の領域と、表示を行うことができる第3の領域と、を有し、
前記第3の領域の隣接する2辺に沿うように、前記第1の領域が配置され、
前記第1の表示パネルの前記第3の領域と前記第2の表示パネルの前記第3の領域とが継ぎ目なく配置されるように、前記第1の表示パネルの前記第3の領域と前記第2の表示パネルの前記第1の領域とが重なり、
前記第3の表示パネルの前記第3の領域と前記第4の表示パネルの前記第3の領域とが継ぎ目なく配置されるように、前記第3の表示パネルの前記第3の領域と前記第4の表示パネルの前記第1の領域とが重なり、
前記第1の表示パネルの前記第3の領域と前記第3の表示パネルの前記第3の領域とが継ぎ目なく配置されるように、前記第1の表示パネルの前記第3の領域と前記第3の表示パネルの前記第1の領域とが重なり、
前記第2の表示パネルの前記第3の領域と前記第4の表示パネルの前記第3の領域とが継ぎ目なく配置されるように、前記第2の表示パネルの前記第3の領域と前記第4の表示パネルの前記第1の領域とが重なり、
前記第1の表示パネルの前記第3の領域と前記第3の表示パネルの前記第1の領域と前記第3の表示パネルの前記第1の領域とが重なる領域は、前記第4の表示パネルとは重ならないように配置されている、発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置に関する。また本発明の一態様は、表示装置を備える電子
機器に関する。
【0002】
なお本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の
一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明
の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・
オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明
の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、
記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることがで
きる。
【背景技術】
【0003】
近年、表示装置の大型化が求められている。例えば、家庭用のテレビジョン装置(テレ
ビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、デジタルサイネージ(Digital Si
gnage:電子看板)や、PID(Public Information Disp
lay)などが挙げられる。また、デジタルサイネージや、PIDなどは、大型であるほ
ど提供できる情報量を増やすことができ、また広告等に用いる場合には大型であるほど人
の目につきやすく、広告の宣伝効果を高めることが期待される。
【0004】
また、携帯機器用途においても、表示装置の大型化が求められている。表示装置の表示
領域を大型化することで表示する情報量を増やし、表示の一覧性の向上を図ることが検討
されている。
【0005】
表示装置としては、代表的には有機EL(Electro Luminescence
)素子や発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発
光素子を備える発光装置、液晶表示装置、電気泳動方式などにより表示を行う電子ペーパ
などが挙げられる。
【0006】
例えば、有機EL素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の有機化合物を含む層
を挟持したものである。この素子に電圧を印加することにより、発光性の有機化合物から
発光を得ることができる。このような有機EL素子が適用された表示装置は、液晶表示装
置等で必要であったバックライトが不要なため、薄型、軽量、高コントラストで且つ低消
費電力な表示装置を実現できる。例えば、有機EL素子を用いた表示装置の一例が、特許
文献1に開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、フィルム基板上に、スイッチング素子であるトランジスタや有
機EL素子を備えたフレキシブルなアクティブマトリクス型の発光装置が開示されている
。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2002-324673号公報
【文献】特開2003-174153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の一態様は、大型化に適した表示装置を提供することを課題の一とする。または
、本発明の一態様は、表示ムラの抑制された表示装置を提供することを課題の一とする。
または、本発明の一態様は、曲面に沿って表示することの可能な表示装置を提供すること
を課題の一とする。
【0010】
または、一覧性に優れた電子機器を提供することを課題の一とする。または、可搬性に
優れた電子機器を提供することを課題の一とする。
【0011】
または、新規な表示装置を提供することを課題の一とする。または、新規な電子機器を
提供することを課題の一とする。
【0012】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様
は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。また、上記以外の課題は、明
細書等の記載から自ずと明らかになるものであり、明細書等の記載から上記以外の課題を
抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、第1の表示パネルおよび第2の表示パネルを有する表示装置であっ
て、第1の表示パネルおよび第2の表示パネルのそれぞれは、一対の基板を有し、第1の
表示パネルおよび第2の表示パネルのそれぞれは、第1の領域と、第2の領域と、第3の
領域と、を有し、第1の領域は、可視光を透過することができる領域を有し、第2の領域
は、可視光を遮断することができる領域を有し、第3の領域は、表示を行うことができる
領域を有し、第1の表示パネルの第3の領域と、第2の表示パネルの第1の領域とは、互
いに重なるように設けられている領域を有し、第1の表示パネルの第3の領域と、第2の
表示パネルの第2の領域とは、互いに重ならないように設けられている領域を有する。
【0014】
また、上記において、第1の表示パネルおよび第2の表示パネルのそれぞれは、第3の
領域において、発光素子を有し、第1の表示パネルおよび第2の表示パネルのそれぞれは
、第2の領域において、第3の領域の外周の一部に沿って設けられた配線を有し、第1の
表示パネルおよび第2の表示パネルのそれぞれは、第1の領域において、第3の領域の外
周の他の一部に沿って設けられた封止材を有し、第1の領域は、1mm以上100mm以
下の幅である領域を有することが好ましい。
【0015】
また、本発明の他の一態様は、第1の表示パネル、第2の表示パネルおよび第3の表示
パネルを有する表示装置であって、第1の表示パネル、第2の表示パネルおよび第3の表
示パネルのそれぞれは、一対の基板を備え、第1の表示パネル、第2の表示パネルおよび
第3の表示パネルのそれぞれは、第1の領域と、第2の領域と、第3の領域と、を有し、
第1の領域は、可視光を透過することができる領域を有し、第2の領域は、可視光を遮断
することができる領域を有し、第3の領域は、表示を行うことができる領域を有し、第1
の表示パネル、第2の表示パネルおよび第3の表示パネルのそれぞれは、第3の領域にお
いて、発光素子を有し、第1の表示パネル、第2の表示パネルおよび第3の表示パネルの
それぞれは、第2の領域において、第3の領域の外周の一部に沿って設けられた配線を有
し、第1の表示パネル、第2の表示パネルおよび第3の表示パネルのそれぞれは、第1の
領域において、第3の領域の外周の他の一部に沿って設けられた封止材を有し、第1の領
域は、1mm以上100mm以下の幅である領域を有し、第1の表示パネルの第3の領域
と、第2の表示パネルの第1の領域とは、互いに重なるように設けられている領域を有し
、第1の表示パネルの第3の領域と、第2の表示パネルの第2の領域とは、互いに重なら
ないように設けられている領域を有し、第1の表示パネルの第3の領域と、第3の表示パ
ネルの第1の領域とは、互いに重なるように設けられている領域を有し、第1の表示パネ
ルの第3の領域と、第3の表示パネルの第2の領域とは、互いに重ならないように設けら
れている領域を有し、第2の表示パネルの第3の領域と、第3の表示パネルの第2の領域
とは、互いに重ならないように設けられている領域を有する。
【0016】
また、上記一対の基板のそれぞれは可撓性を有することが好ましい。
【0017】
また、上記第1の表示パネルは、FPCを有し、FPCと、第1の表示パネルの第2の
領域とは、互いに重なる領域を有し、FPCと、第2の表示パネルの第3の領域とは、互
いに重なる領域を有し、FPCは、第2の表示パネルの表示面側とは反対側に設けられて
いることが好ましい。
【0018】
また、さらに層を有し、層は、樹脂材料を有し、層と、第1の表示パネルの第3の領域
とは、互いに重なる領域を有し、層と、第2の表示パネルの第3の領域とは、互いに重な
る領域を有し、層は、第1の屈折率である部分を有し、一対の基板のうち表示面側の基板
は、第2の屈折率である部分を有し、第1の屈折率と第2の屈折率との差は、10%以下
であることが好ましい。
【0019】
また、本発明の他の一態様は、上記いずれかの表示装置に加えてタッチセンサを有する
表示モジュールである。
【0020】
また、本発明の他の一態様は、上記いずれかの表示装置を有する表示モジュールであっ
て、第1の無線モジュールと、第2の無線モジュールと、を有し、第1の無線モジュール
は、受信した無線信号から第1の信号を抽出することができる機能と、第1の信号を第1
の表示パネルに供給することができる機能と、を有し、第2の無線モジュールは、受信し
た無線信号から第2の信号を抽出することができる機能と、第2の信号を第2の表示パネ
ルに供給することができる機能を有する。
【0021】
また、本発明の他の一態様は、上記いずれかの表示装置、または、いずれかの表示モジ
ュールを有する建築物であって、柱、または、壁を有し、表示装置または表示モジュール
は、柱、または、壁に設けられている。
【0022】
また、本発明の他の一態様は、第1の表示パネルと、第2の表示パネルと、第3の表示
パネルと、第1の支持体と、第2の支持体と、を有する電子機器であって、第2の表示パ
ネルは、可撓性を有し、第1の表示パネル、第2の表示パネル、及び第3の表示パネルの
それぞれは、第1の領域と、第2の領域と、第3の領域と、を有し、第1の領域は、可視
光を透過する機能を有し、第2の領域は、可視光を遮断する機能を有し、第3の領域は、
表示を行う機能を有し、第1の表示パネルの第3の領域と、第2の表示パネルの第1の領
域とは、互いに重なる第1の部分を有し、第2の表示パネルの第3の領域と、第3の表示
パネルの第1の領域とは、互いに重なる第2の部分を有し、第1の表示パネルは、第1の
支持体に支持される領域を有し、第3の表示パネルは、第2の支持体に支持される領域を
有し、第1の支持体と第2の支持体は、第1の表示パネル、第2の表示パネル、及び第3
の表示パネルが略同一平面に位置する展開状態と、第1の表示パネル及び第3の表示パネ
ルが互いに重なる領域を有するように位置する折り畳み状態とに変形可能であり、折り畳
み状態において、第2の表示パネルの第3の領域が曲がる領域を有し、且つ第1の部分及
び第2の部分は曲がらない領域を有することを特徴とする。
【0023】
また上記において、第1の表示パネルは、第1のFPCを有し、第1のFPCと、第1
の表示パネルの第2の領域とは、互いに重なる領域を有し、第1のFPCと、第2の表示
パネルの第3の領域とは、互いに重なる領域を有し、第1のFPCは、第2の表示パネル
の表示面側とは反対側に位置することが好ましい。
【0024】
また上記において、第2の表示パネルは、第2のFPCを有し、第2のFPCと、第2
の表示パネルの第2の領域とは、互いに重なる領域を有し、第2のFPCと、第3の表示
パネルの第3の領域とは、互いに重なる領域を有し、第2のFPCは、第3の表示パネル
の表示面側とは反対側に位置することが好ましい。
【0025】
また上記において、第1の表示パネル、第2の表示パネル、及び第3の表示パネルは、
それぞれタッチセンサを有することが好ましい。このとき、タッチセンサは、トランジス
タと、容量と、を有することが好ましい。また、このときトランジスタは、チャネルが形
成される半導体に酸化物半導体を含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一態様によれば、大型化に適した表示装置を提供できる。または、本発明の一
態様は、表示ムラの抑制された表示装置を提供できる。または、本発明の一態様は、曲面
に沿って表示することの可能な表示装置を提供できる。または、一覧性に優れた電子機器
を提供できる。または、可搬性に優れた電子機器を提供できる。
【0027】
または、新規な表示装置(表示パネル)、または電子機器を提供できる。なお、これら
の効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ず
しも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図
面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項など
の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図6】実施の形態に係る、表示パネルを説明する図。
【
図7】実施の形態に係る、表示パネルを説明する図。
【
図8】実施の形態に係る、表示パネルの位置関係を説明する図。
【
図9】実施の形態に係る、表示装置の応用例を説明する図。
【
図10】実施の形態に係る、表示装置を備える電子機器の構成例を説明する図。
【
図11】実施の形態に係る、表示装置を備える電子機器の構成例を説明する図。
【
図12】実施の形態に係る、表示装置を備える電子機器の構成例を説明する図。
【
図13】実施の形態に係る、表示装置を備える電子機器の構成例を説明する図。
【
図14】実施の形態に係る、タッチパネルを説明する図。
【
図15】実施の形態に係る、タッチパネルを説明する図。
【
図16】実施の形態に係る、タッチパネルを説明する図。
【
図17】実施の形態に係る、入出力装置の構成を説明する投影図。
【
図18】実施の形態に係る、入出力装置の構成を説明する断面図。
【
図19】実施の形態に係る、検知回路及び変換器の構成および駆動方法を説明する図。
【
図20】電子機器および照明装置の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定
されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更
し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態
の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0030】
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には
同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様
の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
【0031】
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、
明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されな
い。
【0032】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避ける
ために付すものであり、数的に限定するものではない。
【0033】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の構成例、及び応用例について、図面を
参照して説明する。
【0034】
[構成例1]
図1(A)は、本発明の一態様の表示装置に含まれる表示パネル100の上面概略図で
ある。
【0035】
表示パネル100は表示領域101と、表示領域101に隣接して、可視光を透過する
領域110と、可視光を遮光する領域120と、を備える。また、
図1(A)では、表示
パネル100にFPC(Flexible Printed Circuit)112が
設けられている例を示す。
【0036】
表示領域101は、マトリクス状に配置された複数の画素を含み、画像を表示すること
が可能である。各画素には一つ以上の表示素子が設けられている。表示素子としては、代
表的には有機EL素子などの発光素子、または液晶素子等を用いることができる。
【0037】
領域110には、例えば表示パネル100を構成する一対の基板、及び当該一対の基板
に挟持された表示素子を封止するための封止材などが設けられていてもよい。このとき、
領域110に設けられる部材には、可視光に対して透光性を有する材料を用いる。
【0038】
領域120には、例えば表示領域101に含まれる画素に電気的に接続する配線が設け
られている。また、このような配線に加え、画素を駆動するための駆動回路(走査線駆動
回路、信号線駆動回路等)が設けられていてもよい。また、領域120にはFPC112
と電気的に接続する端子(接続端子ともいう)や、当該端子と電気的に接続する配線等が
設けられていてもよい。
【0039】
本発明の一態様の表示装置10は、上述した表示パネル100を複数備える。
図1(B
)では、3つの表示パネルを備える表示装置10の上面概略図を示す。
【0040】
なお、以降では各々の表示パネル同士、各々の表示パネルに含まれる構成要素同士、ま
たは各々の表示パネルに関連する構成要素同士を区別するために、符号の後にアルファベ
ットを付記して説明する。また特に説明のない場合には、最も下側(表示面側とは反対側
)に配置される表示パネルまたは構成要素に対して「a」を付記し、その上側に順に配置
される一以上の表示パネルおよびその構成要素に対しては、符号の後に「b」以降のアル
ファベットをアルファベット順に付記することとする。また特に説明のない限り、複数の
表示パネルを備える構成を説明する場合であっても、各々の表示パネルまたは構成要素に
共通する事項を説明する場合には、アルファベットを省略して説明する。
【0041】
図1(B)に示す表示装置10は、表示パネル100a、表示パネル100b、及び表
示パネル100cを備える。
【0042】
表示パネル100bは、その一部が表示パネル100aの上側(表示面側)に重ねて配
置されている。具体的には、表示パネル100aの表示領域101aの一部と表示パネル
100bの可視光を透過する領域110bとが重畳し、且つ、表示パネル100aの表示
領域101aと表示パネル100bの可視光を遮光する領域120bとが重畳しないよう
に配置されている。
【0043】
また、表示パネル100cは、その一部が表示パネル100bの上側(表示面側)に重
ねて配置されている。具体的には、表示パネル100bの表示領域101bの一部と表示
パネル100cの可視光を透過する領域110cとが重畳し、且つ、表示パネル100b
の表示領域101bと表示パネル100cの可視光を遮光する領域120cとが重畳しな
いように配置されている。
【0044】
表示領域101a上には可視光を透過する領域110bが重畳するため、表示領域10
1aの全体を表示面側から視認することが可能となる。同様に、表示領域101bも領域
110cが重畳することでその全体を表示面側から視認することができる。したがって、
表示領域101a、表示領域101bおよび表示領域101cが継ぎ目なく配置された領
域(
図1(B)中の破線で囲った領域)を表示装置10の表示領域11とすることが可能
となる。
【0045】
ここで、
図1(A)に示す領域110の幅Wは、0.5mm以上150mm以下、好ま
しくは1mm以上100mm以下、より好ましくは2mm以上50mm以下とすることが
好ましい。領域110は封止領域としての機能を有するため、領域110の幅Wが大きい
ほど表示パネル100の端面と表示領域101との距離を長くすることができ、外部から
水などの不純物が表示領域101にまで侵入することを効果的に抑制することが可能とな
る。特に本構成例では表示領域101に隣接して領域110が設けられるため、領域11
0の幅Wを適切な値に設定することが重要である。例えば、表示素子として有機EL素子
を用いた場合には領域110の幅Wを1mm以上とすることで、有機EL素子の劣化を効
果的に抑制することができる。なお、領域110ではない他の部分においても、表示領域
101の端部と表示パネル100の端面との距離が上述の範囲になるように設定すること
が好ましい。
【0046】
[構成例2]
図1(B)では一方向に複数の表示パネル100を重ねて配置する構成を示したが、縦
方向および横方向の二方向に複数の表示パネル100を重ねて配置してもよい。
【0047】
図2(A)は、
図1(A)とは領域110の形状が異なる表示パネル100の例を示し
ている。
図2(A)に示す表示パネル100は、表示領域101の隣接する2辺に沿って
領域110が配置されている。
【0048】
図2(B)には、
図2(A)に示した表示パネル100を縦2つ、横2つ配置した表示
装置10の斜視概略図を示している。また
図2(C)は、表示装置10の表示面側とは反
対側から見たときの斜視概略図である。
【0049】
図2(B)、(C)において、表示パネル100aの表示領域101aの短辺に沿った
領域と、表示パネル100bの領域110bの一部が重畳して設けられている。また表示
パネル100aの表示領域101aの長辺に沿った領域と、表示パネル100cの領域1
10cの一部が重畳して設けられている。また表示パネル100dの領域110dは、表
示パネル100bの表示領域101bの長辺に沿った領域、及び表示パネル100cの表
示領域101cの短辺に沿った領域に重畳して設けられている。
【0050】
したがって、
図2(B)に示すように、表示領域101a、表示領域101b、表示領
域101cおよび表示領域101dが継ぎ目なく配置された領域を表示装置10の表示領
域11とすることが可能となる。
【0051】
ここで、表示パネル100に用いる一対の基板に可撓性を有する材料を用い、表示パネ
ル100が可撓性を有していることが好ましい。こうすることで、例えば
図2(B)、(
C)中の表示パネル100aに示すように、FPC112a等が表示面側に設けられる場
合にFPC112aが設けられる側の表示パネル100aの一部を湾曲させ、FPC11
2aを隣接する表示パネル100bの表示領域101bの下側にまで重畳するように配置
することができる。その結果、FPC112aを表示パネル100bの裏面と物理的に干
渉することなく配置することができる。また、表示パネル100aと表示パネル100b
とを重ねて接着する際に、FPC112aの厚さを考慮する必要がないため、表示パネル
100bの領域110bの上面と、表示パネル100aの表示領域101aの上面との高
さの差を低減できる。その結果、表示領域101a上に位置する表示パネル100bの端
部が視認されてしまうことを抑制できる。
【0052】
さらに、各表示パネル100に可撓性を持たせることで、表示パネル100bの表示領
域101bにおける上面の高さを、表示パネル100aの表示領域101aにおける上面
の高さと一致するように、表示パネル100bを緩やかに湾曲させることができる。その
ため、表示パネル100aと表示パネル100bとが重畳する領域近傍を除き、各表示領
域の高さを揃えることが可能で、表示装置10の表示領域11に表示する画像の表示品位
を高めることができる。
【0053】
上記では、表示パネル100aと表示パネル100bの関係を例に説明したが、隣接す
る2つの表示パネル間でも同様である。
【0054】
また、隣接する2つの表示パネル100間の段差を軽減するため、表示パネル100の
厚さは薄いほうが好ましい。例えば表示パネル100の厚さを1mm以下、好ましくは3
00μm以下、より好ましくは100μm以下とすることが好ましい。
【0055】
図3(A)は、
図2(B)、(C)に示す表示装置10を表示面側から見た上面概略図
である。
【0056】
ここで、一つの表示パネル100の領域110の可視光(例えば400nm以上700
nm以下の波長の光を含む光)に対する透過率を十分に高められない場合には、表示領域
101と重なる表示パネル100の枚数に応じて、表示する画像の輝度が低下してしまう
恐れがある。たとえば、
図3(A)中の領域Aでは、表示パネル100aの表示領域10
1a上に1枚の表示パネル100cが重畳している。また、領域Bでは、表示パネル10
0bの表示領域101b上に、表示パネル100c、100dの計2枚の表示パネル10
0が重なっている。そして領域Cでは、表示パネル100aの表示領域101a上に表示
パネル100b、表示パネル100cおよび表示パネル100dの計3枚の表示パネル1
00が重畳している。
【0057】
このような場合に、表示領域101上に重ねられる表示パネル100の枚数に応じて、
画素の階調を局所的に高めるような補正を、表示させる画像データに対して施すことが好
ましい。こうすることで、表示装置10の表示領域11に表示される画像の表示品位の低
下を抑制することが可能となる。
【0058】
また、上部に配置する表示パネル100の位置をずらすことで、下部の表示パネル10
0の表示領域101上に重なる表示パネル100の枚数を低減することもできる。
【0059】
図3(B)では、表示パネル100aおよび表示パネル100b上に配置する表示パネ
ル100cおよび表示パネル100dを一方向(X方向)に領域110の幅Wの距離だけ
相対的にずらして配置した場合を示している。このとき、一つの表示パネル100の表示
領域101上に1つの表示パネル100が重ねられた領域Dと、2つの表示パネル100
が重ねられた領域Eの2種類が存在する。
【0060】
なお、表示パネル100をX方向に対して直交する方向(Y方向)に相対的にずらして
配置してもよい。
【0061】
なお、上部に位置する表示パネル100を相対的にずらして配置する場合には、各表示
パネル100の表示領域101を組み合わせた領域の輪郭が矩形形状とは異なる形状とな
る。そのため、
図3(B)で示すように表示装置10の表示領域11を矩形にする場合に
は、これよりも外側に位置する表示パネル100の表示領域101に画像を表示しないよ
うに表示装置10を駆動すればよい。このとき、画像を表示しない領域における画素の数
を考慮し、矩形の表示領域11の全画素数を表示パネル100の枚数で割った数よりも多
くの画素を、表示パネル100の表示領域101に設ければよい。
【0062】
なお、上記では、各々の表示パネル100を相対的にずらす場合の距離を、領域110
の幅Wの整数倍としたがこれに限られず、表示パネル100の形状やこれを組み合わせた
表示装置10の表示領域11の形状などを考慮して適宜設定すればよい。
【0063】
本発明の一態様の表示装置10は、表示パネル100を際限なくつなぎ合わせることが
可能で、表示領域11の大きさを上限なく拡大することが可能である。例えば、家庭用に
用いる場合には、表示領域11の大きさを対角20インチ以上100インチ以下、好まし
くは対角40インチ以上90インチ以下などとすればよい。またタブレット端末等の携帯
型の電子機器に適用する場合には、表示領域11の大きさを対角5インチ以上30インチ
以下、好ましくは10インチ以上20インチ以下などとすればよい。また大型の商用看板
等に用いる場合には、表示領域11の大きさを対角80インチ以上、100インチ以上、
200インチ以上とすることもできる。
【0064】
また、本発明の一態様の表示装置10は、表示領域11の解像度(画素数)を上限なく
増大させることが可能である。例えば表示領域11の解像度をHD(画素数1280×7
20)、FHD(画素数1920×1080)、WQHD(画素数2560×1440)
、WQXGA(画素数2560×1600)、4K(画素数3840×2160)、8K
(画素数7680×4320)などのように、規格化された解像度に調整することが好ま
しい。特に、4K、より好ましくは8Kまたはそれ以上の高解像度の表示装置とすること
が好ましい。携帯型や家庭用途などのパーソナルユースにおいては、解像度が高いほどよ
り精細度が高まるため、臨場感や奥行き感などを高めることが可能となる。また、商用看
板等に用いる場合には、解像度が高いほど表示可能な情報を増やすことが可能となる。
【0065】
[断面構成例]
図4(A)は、2つの表示パネル100を貼り合せた際の断面概略図である。
図4(A
)では、FPC112aが表示パネル100aの表示面側に、またFPC112bが表示
パネル100bの表示面側に、それぞれ接続されている構成を示している。
【0066】
また、
図4(B)に示すように、FPC112aおよびFPC112bが表示パネル1
00aまたは表示パネル100bの表示面側とは反対側に接続される構成としてもよい。
このような構成とすることで、下側に配置される表示パネル100aの端部を表示パネル
100bの裏面に貼り付けることが可能なため、これらの接着面積を大きくでき、貼り合
せ部分の機械的強度を高めることができる。
【0067】
また、
図4(C)および
図4(D)に示すように、表示パネル100aおよび表示パネ
ル100bの上面を覆って、透光性を有する樹脂層131を設ける構成としてもよい。具
体的には、表示パネル100aおよび表示パネル100bの各々の表示領域と、表示パネ
ル100aと表示パネル100bとが重畳する領域とを覆って、樹脂層131を設けるこ
とが好ましい。
【0068】
樹脂層131を複数の表示パネル100に亘って設けることで、表示装置10の機械的
強度を高めることができる。また、樹脂層131の表面が平坦になるように形成すると、
表示領域11に表示される画像の表示品位を高めることができる。例えば、スリットコー
タ、カーテンコータ、グラビアコータ、ロールコータ、スピンコータなどのコーティング
装置を用いると、平坦性の高い樹脂層131を形成することができる。
【0069】
また樹脂層131は、表示パネル100の表示面側に用いる基板との屈折率の差が20
%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下であることが好ましい。このよ
うな屈折率を有する樹脂層131を用いることで、表示パネル100と樹脂との屈折率段
差を低減し、光を効率よく外部に取り出すことができる。また、このような屈折率を有す
る樹脂層131を表示パネル100aと表示パネル100bとの段差部を覆うように設け
ることで、当該段差部が視認しにくくなるため、表示装置10の表示領域11に表示され
る画像の表示品位を高めることができる。
【0070】
樹脂層131に用いる材料としては、例えば、エポキシ樹脂、アラミド樹脂、アクリル
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の有機樹脂膜を用いる
ことができる。
【0071】
また、
図5(A)、(B)に示すように、樹脂層131を介して表示装置10上に保護
基板132を設けることが好ましい。このとき、樹脂層131は表示装置10と保護基板
132とを接着する接着層としての機能を有していてもよい。保護基板132により、表
示装置10の表面を保護するだけでなく、表示装置10の機械的強度を高めることができ
る。保護基板132としては、少なくとも表示領域11と重なる領域に透光性を有する材
料を用いる。また、保護基板132は表示領域11と重なる領域以外の領域が視認されな
いように、遮光性を備えていてもよい。
【0072】
保護基板132は、タッチパネルとしての機能を有していてもよい。また表示パネル1
00が可撓性を有し、湾曲可能な場合には、保護基板132も同様に可撓性を有している
ことが好ましい。
【0073】
また、保護基板132は、表示パネル100の表示面側に用いる基板、または樹脂層1
31との屈折率の差が20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下であ
ることが好ましい。
【0074】
保護基板132としては、フィルム状のプラスチック基板、例えば、ポリイミド(PI
)、アラミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルスルホン(PES
)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリ
エーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(
PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、シリコ
ーン樹脂などのプラスチック基板、またはガラス基板を用いることができる。また、保護
基板132は、可撓性を有することが好ましい。また、保護基板132は、繊維なども含
み、例えばプリプレグなども含むものとする。また、保護基板132は、樹脂フィルムに
限定されず、パルプを連続シート加工した透明な不織布や、フィブロインと呼ばれるたん
ぱく質を含む人工くも糸繊維を含むシートや、これらと樹脂とを混合させた複合体、繊維
幅が4nm以上100nm以下のセルロース繊維からなる不織布と樹脂膜の積層体、人工
くも糸繊維を含むシートと樹脂膜の積層体を用いてもよい。
【0075】
また、
図5(C)、(D)に示すように、表示パネル100aおよび表示パネル100
bの表示面とは反対側の面に樹脂層133と、樹脂層133を介して保護基板134を設
ける構成としてもよい。このように、表示パネル100aおよび表示パネル100bを2
枚の保護基板によって挟む構成とすることで、表示装置10の機械的強度をさらに高める
ことができる。また樹脂層131および樹脂層133を同等の厚さとし、保護基板132
および保護基板134に同一の厚さの材料を用いることで、複数の表示パネル100をこ
れら積層体の中央部に配置することができる。例えば表示パネル100を含む積層体を湾
曲させる際には、表示パネル100が厚さ方向における中央部に位置することで、湾曲に
伴って表示パネル100にかかる横方向の応力が緩和され、破損を防止することができる
。
【0076】
また、
図5(C)、(D)に示すように、表示パネル100aおよび表示パネル100
bの裏面側に配置される樹脂層133および保護基板134には、FPC112aを取り
出すための開口部を設けることが好ましい。またこのとき、樹脂層133をFPC112
aの一部を覆って設けると、表示パネル100aとFPC112aとの接続部における機
械的強度を高めることができ、FPC112aが剥がれてしまうなどの不具合を抑制でき
る。同様に、FPC112bの一部を覆って樹脂層133を設けることが好ましい。
【0077】
なお、表示面とは反対側に設けられる樹脂層133および保護基板134は、必ずしも
透光性を有している必要はなく、可視光を吸収または反射する材料を用いてもよい。樹脂
層133と樹脂層131、または保護基板134と保護基板132に同一の材料を共通し
て用いると、作製コストを低減することができる。
【0078】
[表示領域の構成例]
続いて、表示パネル100の表示領域101の構成例について説明する。
図6(A)は
図2(A)における領域Pを拡大した上面概略図であり、
図6(B)は領域Qを拡大した
上面概略図である。
【0079】
図6(A)に示すように、表示領域101には複数の画素141がマトリクス状に配置
されている。赤、青、緑の3色を用いてフルカラー表示が可能な表示パネル100とする
場合では、画素141は上記3色のうちいずれかを表示することのできる画素とする。ま
たは上記3色に加えて白や黄色を表示することのできる画素を設けてもよい。画素141
を含む領域が表示領域101に相当する。
【0080】
一つの画素141には配線142aおよび配線142bが電気的に接続されている。複
数の配線142aのそれぞれは配線142bと交差し、回路143aと電気的に接続され
ている。また複数の配線142bは回路143bと電気的に接続されている。回路143
aおよび回路143bのうち一方が走査線駆動回路として機能する回路であり、他方が信
号線駆動回路として機能する回路とすることができる。なお、回路143aおよび回路1
43bのいずれか一方、または両方を設けない構成としてもよい。
【0081】
図6(A)では、回路143aまたは回路143bに電気的に接続する複数の配線14
5が設けられている。配線145は、図示しない領域でFPC123と電気的に接続され
、外部からの信号を回路143aおよび回路143bに供給する機能を有する。
【0082】
図6(A)において、回路143a、回路143b、複数の配線145を含む領域が、
可視光を遮光する領域120に相当する。
【0083】
図6(B)において、最も端に設けられる画素141よりも外側の領域が可視光を透過
する領域110に相当する。領域110は、画素141、配線142aおよび配線142
b等の可視光を遮光する部材を有していない。なお、画素141の一部、配線142aま
たは配線142bが可視光に対して透光性を有する場合には、領域110にまで延在して
設けられていてもよい。
【0084】
ここで、領域110の幅Wは、表示パネル100に設けられる領域110のうち、最も
狭い幅を指す場合もある。表示パネル100の幅Wが場所によって異なる場合には、最も
短い長さを幅Wとすることができる。なお、
図6(B)では画素141から基板の端面ま
での距離(すなわち領域110の幅W)が、図面縦方向と横方向とで同一である場合を示
している。
【0085】
図6(C)は
図6(B)中の切断線A1-A2における断面概略図である。表示パネル
100は、それぞれ透光性を有する一対の基板(基板151、基板152)を有する。ま
た基板151と基板152は接着層153によって接着されている。ここで、画素141
や配線142b等が形成されている側の基板を基板151とする。
【0086】
図6(B)、(C)に示すように、画素141が表示領域101の最も端に位置する場
合には、可視光を透過する領域110の幅Wは、基板151または基板152の端部から
画素141の端部までの長さとなる。
【0087】
なお、画素141の端部とは、画素141に含まれる可視光を遮光する部材のうち、最
も端に位置する部材の端部を指す。または、画素141として一対の電極間に発光性の有
機化合物を含む層を備える発光素子(有機EL素子ともいう)を用いた場合には、画素1
41の端部は下部電極の端部、発光性の有機化合物を含む層の端部、上部電極の端部のい
ずれかであってもよい。
【0088】
図7(A)には、
図6(B)に対して、配線142aの位置が異なる場合について示し
ている。また
図7(B)は
図7(A)中の切断線B1-B2における断面概略図であり、
図7(C)は
図7(A)中の切断線C1-C2における断面概略図である。
【0089】
図7(A)、(B)、(C)に示すように、表示領域101の最も端に配線142aが
位置する場合には、可視光を透過する領域110の幅Wは、基板151または基板152
の端部から配線142aの端部までの長さとなる。なお、配線142aが可視光に対して
透光性を有する場合には、配線142aが設けられる領域は領域110に含まれていても
よい。
【0090】
ここで、表示パネル100の表示領域101に設けられる画素の密度が高い場合、2つ
の表示パネル100を貼り合せた際に、位置ずれが生じてしまう場合がある。
【0091】
図8(A)は、下部に設けられる表示パネル100aの表示領域101aと、上部に設
けられる表示パネル100bの表示領域101bとの、表示面側から見たときの位置関係
を示す図である。
図8(A)には表示領域101aおよび表示領域101bのそれぞれの
角部近傍を示している。表示領域101aの一部が、領域110bによって覆われている
。
【0092】
図8(A)に示す例では、隣接する画素141aと画素141bとが相対的に一方向(
Y方向)にずれた場合を示している。図中に示す矢印は、表示パネル100aが表示パネ
ル100bに対してずれた方向を示している。また、
図8(B)に示す例では、隣接する
画素141aと画素141bとが相対的に縦方向および横方向(X方向およびY方向)の
両方にずれた場合を示している。
【0093】
図8(A)および
図8(B)に示す例では、横方向にずれた距離と縦方向にずれた距離
がそれぞれ1画素分よりも小さい。このような場合は、表示領域101aまたは表示領域
101bのいずれか一方に表示する画像の画像データに対し、当該ずれの距離に応じた補
正を掛けることで表示品位を保つことが可能となる。具体的には、画素間の距離が小さく
なるずれの場合には画素の階調(輝度)を低くするように補正し、画素間の距離が大きく
なるずれの場合には、画素の階調(輝度)を高めるように補正すればよい。また、2つの
画素が重なる場合には、下部に位置する画素を駆動しないように画像データを一列分シフ
トさせるように補正すればよい。
【0094】
図8(C)では、本来隣接するはずであった画素141aと画素141bとが、相対的
に一方向(Y方向)に1画素分以上の距離でずれた例を示している。このように、1画素
分の距離以上のずれが生じた場合には、突出した画素(ハッチングを付加した画素)を表
示しないように駆動すればよい。なお、ずれの方向がX方向の場合でも同様である。
【0095】
なお、複数の表示パネル100を貼り合せる際には、位置ずれを抑制するように各々の
表示パネル100に位置合わせのためのマーカー等を設けることが好ましい。または、表
示パネル100の表面に凸部および凹部を形成し、2つの表示パネル100が重なる領域
で当該凸部と凹部とをはめ合わせる(嵌合させる)構成としてもよい。
【0096】
また、位置ずれの精度を考慮して、表示パネル100の表示領域101にはあらかじめ
使用する画素よりも多くの画素を配置しておくことが好ましい。例えば走査線に沿った画
素列、または信号線に沿った画素列のうち、少なくとも一方を、1列以上、好ましくは3
列以上、より好ましくは5列以上、表示に用いる画素列よりも余分に設けておくことが好
ましい。
【0097】
[応用例1]
本発明の一態様の表示装置10は、表示パネル100の数を増やすことにより、表示領
域11の面積を上限なく大きくすることが可能である。したがって、表示装置10はデジ
タルサイネージやPIDなど、大きな画像を表示する用途に好適に用いることができる。
【0098】
図9(A)では、柱15や壁16に、本発明の一態様の表示装置10を適用した例を示
している。表示装置10に用いる表示パネル100として、可撓性を有する表示パネルを
用いることで、曲面に沿って表示装置10を設置することが可能となる。
【0099】
ここで、表示装置10に用いる表示パネル100の数が増えるほど、各々を駆動する信
号を供給するための配線基板の規模が大きくなってしまう。さらに、表示装置10の面積
が大きいほど長い配線が必要となるため信号の遅延が生じやすく、表示品位に悪影響を及
ぼしてしまう場合がある。
【0100】
そこで、表示装置10が備える複数の表示パネル100の各々に、表示パネル100を
駆動する信号を供給する無線モジュールを設ける構成とすることが好ましい。
【0101】
図9(B)には、円柱状の柱15の表面に表示装置10を設置した場合の断面の例を示
している。複数の表示パネル100を備える表示装置10は、内装部材21と外装部材2
2との間に配置され、柱15の表面に沿って湾曲している。
【0102】
一つの表示パネル100はFPC112を介して無線モジュール150と電気的に接続
されている。表示パネル100は、内装部材21と外装部材22との間に設けられた支持
部材23の上面側に支持され、無線モジュール150は支持部材23の下面側に配置され
ている。表示パネル100と無線モジュール150とは、支持部材23に設けられた開口
部を介してFPC112によって電気的に接続されている。
【0103】
また、
図9(B)では外装部材22の一部に遮光部26を備える構成を示している。遮
光部26を、表示装置10の表示領域以外の領域を覆うように設けることで、当該領域が
観察者に視認されない構成とすることができる。
【0104】
無線モジュール150は、柱15の内部または外部に設けられたアンテナ25から送信
された無線信号27を受信する。また当該無線信号27から表示パネル100を駆動する
ための信号を抽出し、この信号を表示パネル100に供給する機能を有する。表示パネル
100を駆動するための信号としては、電源電位、同期信号(クロック信号)、画像信号
等がある。
【0105】
例えば、各無線モジュール150にはそれぞれ固有番号が割り当てられている。またア
ンテナ25から送信される無線信号27には、固有番号を指定する信号と表示パネル10
0を駆動するための信号を含む。各無線モジュール150は無線信号27に含まれる固有
番号が自己の固有番号に一致するときに、表示パネル100を駆動するための信号を受信
し、これを表示パネル100にFPC112を介して供給することで、各表示パネル10
0に異なる画像を表示させることができる。
【0106】
無線モジュール150は、無線信号27から電力を供給されるアクティブ型の無線モジ
ュールであってもよいし、バッテリ等を内蔵したパッシブ型の無線モジュールであっても
よい。パッシブ型の無線モジュールの場合、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電波方式等を
用いた電力の授受(非接触電力伝送、無接点電力伝送あるいはワイヤレス給電などともい
う)により、内蔵したバッテリを充電可能な構成としてもよい。
【0107】
このような構成とすることで、大型の表示装置10であっても各表示パネル100を駆
動するための信号に遅延が生じず、表示品位を高めることができる。また、無線信号27
によって駆動するため、表示装置10を壁や柱に設置する際に、壁や柱に配線を通すため
の工事などが不要であり、あらゆる場所に容易に表示装置10を設置することが可能とな
る。同様に、表示装置10の設置箇所を変更することも容易である。
【0108】
なお、上記では1つの表示パネル100につき1つの無線モジュール150を接続する
構成としたが、2以上の表示パネル100につき1つの無線モジュール150を接続して
もよい。
【0109】
例えば、本発明の一態様の表示装置は少なくとも2つの表示パネルを有していればよく
、さらに、受信した無線信号から第1の信号を抽出し、これを第1の表示パネルに供給す
る第1の無線モジュールと、当該無線信号から第2の信号を抽出し、これを第2の表示パ
ネルに供給する第2の無線モジュールと、を少なくとも備えていればよい。
【0110】
[応用例2]
以下では、本発明の一態様の表示装置10を適用した電子機器の例について説明する。
【0111】
図10(A)、(B)に、電子機器50の斜視図を示す。電子機器50は、支持体51
a、支持体51b、表示パネル100a、表示パネル100b、及び表示パネル100c
を有する。
【0112】
支持体51aと支持体51bは、ヒンジ52によって回転可能に連結されている。また
表示パネル100aは、支持体51aに支持されている。また表示パネル100cは、支
持体51bに支持されている。また3つの表示パネルのうち、少なくとも表示パネル10
0aと表示パネル100cの間に位置する表示パネル100bは可撓性を有している。表
示パネル100aと表示パネル100cは、可撓性を有していなくてもよいが、これらを
同じ構成とすることで量産性を向上させることができる。
【0113】
図10(A)は、表示パネル100a、表示パネル100b及び表示パネル100cが
それぞれ略同一平面に位置する状態(展開状態という)を示している。また
図10(B)
は、表示パネル100aと表示パネル100cとが互いに重なるように位置する状態(折
り畳み状態という)を示している。電子機器50の支持体51aと支持体51bは、展開
状態と折り畳み状態とに可逆的に変形可能である。
【0114】
電子機器50が備える各表示パネルは、タッチセンサを備えることが好ましい。タッチ
センサの方式としては、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学
方式など様々な方式を用いることができる。特に、静電容量方式を用いることが好ましい
。また、タッチセンサとして、容量とトランジスタとを備えるアクティブマトリクス型の
タッチセンサとすることが好ましい。タッチセンサ及びタッチセンサを備えるタッチパネ
ルの具体的な構成例については、後の実施の形態で説明する。
【0115】
また、電子機器50が備える表示装置は、スライドするように各支持体に支持されてい
ることが好ましい。その際、表示装置は厚さ方向に動かないように、各支持体に支持され
ていることが好ましい。このとき、表示装置は表示面に平行な方向のうち曲がる方向には
スライドし、これとは垂直な方向に動かないように各支持体に支持されていることが好ま
しい。このような支持方法を用いることで、例えば表示装置を平坦にした状態から曲げた
状態に変形する際に、中立面から表示パネルまでの距離に応じて表示装置に生じる位置の
ずれをスライド動作により補うことが可能となる。その結果、表示装置に応力がかかるこ
とにより破損してしまうことを抑制できる。また、複数の支持体のうちの1つと表示装置
とは、スライドしないように固定されていてもよい。また、表示装置はその一部に伸縮性
を有していてもよい。表示装置の一部が伸縮することで、上記ずれを補うことができる。
また表示装置の曲がる部分が、表示装置を平坦にした状態でたわむように、表示装置を各
支持体に固定していてもよい。表示装置にたわみを持たせることで上記ずれを補うことが
できる。
【0116】
電子機器50が備える表示装置と各支持体の支持方法は特に限定されない。例えば表示
装置が収まる溝部が形成されるように加工された2つの部材で表示装置を挟持する方法な
どを用いると、表示装置がスライドするように支持することができる。また表示装置と各
支持体とを固定する場合には、例えば接着する方法、ねじ等で固定する方法、部材により
表示装置を挟んで機械的に固定する方法等が挙げられる。
【0117】
図10(B)に示す折り畳み状態において、表示パネル100bは表示領域が曲面を有
するように、曲がる領域を有する。ここで、表示パネル100aと表示パネル100bと
が重なる領域、及び表示パネル100bと表示パネル100cとが重なる領域が、曲がる
領域に位置しないようにすることが好ましい。特に、各表示パネルの可視光を透過する領
域110a、領域110b、及び領域110cのうち、表示装置が曲がる方向とは垂直な
方向に帯状に設けられる部分が、曲がる領域に位置しないようにすることが好ましい。2
つの表示パネルが重なる領域はその厚さが厚く、他の領域に比べて可撓性が劣ってしまう
場合があるため、曲がる部分を避けるように配置することで、表示面を滑らかな曲面形状
にできる。また、2つの表示パネルが接着されている部分に対して変形を繰り返すと、こ
れらが剥離してしまう恐れもあるため、この部分を曲がる部分を避けるように配置するこ
とで、電子機器の信頼性を向上させることができる。
【0118】
本発明の一態様の電子機器50は、複数の表示パネルを備える表示装置が、2つの支持
体によって支持された構成を有する。表示装置は曲げるなどの変形を加えることが可能で
ある。例えば表示パネル100bを表示面が内側になるように曲げる(内曲げ)ことや、
外側になるように曲げる(外曲げ)ことが可能である。本発明の一態様の電子機器50は
、表示装置を折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では継ぎ目が視認されない
広い表示領域により、表示の一覧性に優れる。すなわち、電子機器50は表示の一覧性の
向上と高い可搬性が両立された電子機器といえる。
【0119】
図11(A)は、
図10(A)に示す電子機器50の展開状態における、切断線D1-
D2に沿って切断した時の断面概略図である。また、
図11(B)は、
図10(B)に示
す電子機器50の折り畳み状態における、切断線E1-E2に沿って切断した時の断面概
略図である。
【0120】
図11(A)(B)に示すように、支持体51aの内部には端子54aを備える基板5
3aを有する。同様に支持体51bの内部に端子54b及び端子54cを備える基板53
bを備える。表示パネル100aはFPC112aを介して端子54aと電気的に接続す
る。表示パネル100bはFPC112bを介して端子54bと電気的に接続する。表示
パネル100cはFPC112cを介して端子54cと電気的に接続する。
【0121】
また、
図11(A)(B)に示すように、各々の支持体の内部にバッテリ(バッテリ5
5a、バッテリ55b)を有する構成とすることが好ましい。電子機器50が複数のバッ
テリを備える構成とすることで、充電する頻度を少なくすることができる。または、各々
のバッテリの容量を少なくすることができるため、各々のバッテリの体積を低減すること
で支持体51a及び支持体51bの厚さを小さくし、可搬性を向上させることができる。
【0122】
また、
図11(B)に示すように、折り畳み状態において支持体51a及び支持体51
bが有する曲面に沿って、表示パネル100bが湾曲することが好ましい。このように支
持体51a及び支持体51bの表面のうち、表示パネル100bと接しうる表面に角部が
位置しないように、その表面を適切な曲率半径の曲面形状とすることで、表示パネル10
0bが許容されるよりも小さい曲率半径で曲がることで破損してしまう不具合が生じるこ
とを防ぐことができる。
【0123】
図12(A)(B)に、電子機器50とは異なる構成を有する電子機器70を示す。電
子機器70は、電子機器50と比較して、支持体51aと支持体51bの間に支持体51
cを有する点、ならびに縦方向及び横方向に並べて配置された複数の表示パネル(表示パ
ネル100a乃至100j)を有する点で主に相違している。
【0124】
図12(A)は、電子機器70の展開状態における斜視概略図であり、
図12(B)折
り畳み状態における斜視概略図である。
【0125】
支持体51aと支持体51cは、ヒンジ52aによって回転可能に連結されている。ま
た支持体51cと支持体51bは、ヒンジ52bによって回転可能に連結されている。表
示パネル100aと表示パネル100fは、支持体51aに支持されている。また表示パ
ネル100cと表示パネル100hは、支持体51cに支持されている。また表示パネル
100eと表示パネル100jは、支持体51bに支持されている。少なくとも各支持体
をまたぐように設けられる表示パネル100b、表示パネル100d、表示パネル100
g、及び表示パネル100iは、それぞれ可撓性を有している。
【0126】
本発明の一態様の電子機器70は、可撓性を有する表示装置の一部が、3つの支持体に
よって支持された構成を有する。表示装置は曲げるなどの変形を加えることが可能である
。例えば表示パネル100b及び表示パネル100gを表示面が内側になるように曲げる
(内曲げ)ことや、外側になるように曲げる(外曲げ)ことが可能である。本発明の一態
様の電子機器70は、表示装置を折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では継
ぎ目が視認されない広い表示領域により、表示の一覧性に優れる。すなわち、電子機器7
0は表示の一覧性の向上と高い可搬性が両立された電子機器といえる。
【0127】
図12(A)(B)に示すように、各表示パネルが重なる領域が、曲がる領域に位置し
ないようにすることが好ましい。特に、各表示パネルの可視光を透過する領域110(領
域110a乃至110j)のうち、表示装置が曲がる方向とは垂直な方向に帯状に設けら
れる部分が、曲がる領域に位置しないようにすることが好ましい。また可視光を透過する
領域110のうち、曲がる方向に対して平行な方向に帯状に設けられる部分については、
曲げに対する機械的強度が比較的高いため、曲がる領域に位置していてもよい。
【0128】
図13は、
図12(B)に示す電子機器70の折り畳み状態における、切断線F1-F
2に沿って切断したときの断面概略図である。支持体51cの内部には支持体51a及び
支持体51bと同様に基板53cを有する。また支持体51cの内部にもバッテリ55c
を有していることが好ましい。
【0129】
以上では、支持体を2つまたは3つ有する電子機器の構成について説明したが、4以上
の支持体を設ける構成としてもよい。本発明の一態様の表示装置は大面積化が容易である
ため、支持体の数を増やすことで、展開状態における表示面積を大きくすることが可能と
なる。また、一つの支持体の面積も大きくすることもできる。
【0130】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0131】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に適用可能な表示パネルについて図面を
参照して説明する。ここでは、表示パネルの例として、タッチセンサとしての機能を備え
るタッチパネルについて説明する。
【0132】
図14(A)は本発明の一態様の表示装置に適用可能なタッチパネルの構造を説明する
上面図である。
図14(B)は
図14(A)の切断線A-Bおよび切断線C-Dにおける
断面図である。
図14(C)は
図14(A)の切断線E-Fにおける断面図である。
【0133】
[上面図の説明]
本実施の形態で例示するタッチパネル300は表示部301を有する(
図14(A)参
照)。
【0134】
表示部301は、複数の画素302と複数の撮像画素308を備える。撮像画素308
は表示部301に触れる指等を検知することができる。これにより、撮像画素308を用
いてタッチセンサを構成することができる。
【0135】
画素302は、複数の副画素(例えば副画素302R)を備え、副画素は発光素子およ
び発光素子を駆動する電力を供給することができる画素回路を備える。
【0136】
画素回路は、選択信号を供給することができる配線および画像信号を供給することがで
きる配線と、電気的に接続される。
【0137】
また、タッチパネル300は選択信号を画素302に供給することができる走査線駆動
回路303g(1)と、画像信号を画素302に供給することができる画像信号線駆動回
路303s(1)を備える。
【0138】
撮像画素308は、光電変換素子および光電変換素子を駆動する撮像画素回路を備える
。
【0139】
撮像画素回路は、制御信号を供給することができる配線および電源電位を供給すること
ができる配線と電気的に接続される。
【0140】
制御信号としては、例えば記録された撮像信号を読み出す撮像画素回路を選択すること
ができる信号、撮像画素回路を初期化することができる信号、および撮像画素回路が光を
検知する時間を決定することができる信号などを挙げることができる。
【0141】
タッチパネル300は制御信号を撮像画素308に供給することができる撮像画素駆動
回路303g(2)と、撮像信号を読み出す撮像信号線駆動回路303s(2)を備える
。
【0142】
タッチパネル300は、表示部301の2辺に沿って可視光を透過する領域110を備
える。
【0143】
[断面図の説明]
タッチパネル300は、基板310および基板310に対向する対向基板370を有す
る(
図14(B)参照)。
【0144】
基板310は、可撓性を有する基板310b、不純物の発光素子への拡散を防ぐバリア
膜310aおよび基板310bとバリア膜310aを貼り合わせる接着層310cが積層
された積層体である。
【0145】
対向基板370は、可撓性を有する基板370b、不純物の発光素子への拡散を防ぐバ
リア膜370aおよび基板370bとバリア膜370aを貼り合わせる接着層370cの
積層体である(
図14(B)参照)。
【0146】
封止材360は対向基板370と基板310を貼り合わせている。また、封止材360
は空気より大きい屈折率を備え、封止材360を挟む2つの部材(ここでは対向基板37
0と基板310)を光学的に接合する層(以下、光学接合層ともいう)としても機能する
。画素回路および発光素子(例えば第1の発光素子350R)は基板310と対向基板3
70の間にある。
【0147】
〔画素の構成〕
画素302は、副画素302R、副画素302Gおよび副画素302Bを有する(
図1
4(C)参照)。また、副画素302Rは発光モジュール380Rを備え、副画素302
Gは発光モジュール380Gを備え、副画素302Bは発光モジュール380Bを備える
。
【0148】
例えば副画素302Rは、第1の発光素子350Rおよび第1の発光素子350Rに電
力を供給することができるトランジスタ302tを含む画素回路を備える(
図14(B)
参照)。また、発光モジュール380Rは第1の発光素子350Rおよび光学素子(例え
ば第1の着色層367R)を備える。
【0149】
第1の発光素子350Rは、下部電極351R、上部電極352、下部電極351Rと
上部電極352の間に発光性の有機化合物を含む層353を有する(
図14(C)参照)
。
【0150】
発光性の有機化合物を含む層353は、発光ユニット353a、発光ユニット353b
および発光ユニット353aと発光ユニット353bの間に中間層354を備える。
【0151】
発光モジュール380Rは、第1の着色層367Rを対向基板370に有する。着色層
は特定の波長を有する光を透過するものであればよく、例えば赤色、緑色または青色等を
呈する光を選択的に透過するものを用いることができる。または、発光素子の発する光を
そのまま透過する領域を設けてもよい。
【0152】
例えば、発光モジュール380Rは、第1の発光素子350Rと第1の着色層367R
に接する封止材360を有する。
【0153】
第1の着色層367Rは第1の発光素子350Rと重なる位置にある。これにより、第
1の発光素子350Rが発する光の一部は、光学接合層を兼ねる封止材360および第1
の着色層367Rを透過して、図中の矢印に示すように発光モジュール380Rの外部に
射出される。
【0154】
なお、ここでは、表示素子として、発光素子を用いた場合の例を示したが、本発明の一
態様は、これに限定されない。
【0155】
例えば、本明細書等において、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置または
表示パネル、発光素子、及び発光素子を有する装置である発光装置は、様々な形態を用い
ること、又は様々な素子を有することができる。表示素子、表示装置、表示パネル、発光
素子又は発光装置は例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)素子(有機物及び無機物
を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑
色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電
子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GL
V)、プラズマディスプレイ(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル
・システム)を用いた表示素子、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(
デジタル・マイクロ・シャッター)、MIRASOL(登録商標)、IMOD(インター
フェアレンス・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方
式のMEMS表示素子、エレクトロウェッティング素子、圧電セラミックディスプレイ、
カーボンナノチューブを用いた表示素子などの少なくとも一つを有している。これらの他
にも、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化
する表示媒体を有していてもよい。EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディ
スプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッ
ションディスプレイ(FED)又はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surfa
ce-conduction Electron-emitter Display)な
どがある。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶デ
ィスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプ
レイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク、電子粉流体(登録商標)、又
は電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパなどがある。なお、半透過
型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、ま
たは、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一
部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その
場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより
、さらに、消費電力を低減することができる。
【0156】
〔タッチパネルの構成〕
タッチパネル300は、遮光層367BMを対向基板370に有する。遮光層367B
Mは、着色層(例えば第1の着色層367R)を囲むように設けられている。
【0157】
タッチパネル300は、反射防止層367pを表示部301に重なる位置に備える。反
射防止層367pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
【0158】
タッチパネル300は、絶縁膜321を備える。絶縁膜321はトランジスタ302t
を覆っている。なお、絶縁膜321は画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層とし
て用いることができる。また、不純物のトランジスタ302t等への拡散を抑制すること
ができる層が積層された絶縁膜を、絶縁膜321に適用することができる。
【0159】
タッチパネル300は、発光素子(例えば第1の発光素子350R)を絶縁膜321上
に有する。
【0160】
タッチパネル300は、下部電極351Rの端部に重なる隔壁328を絶縁膜321上
に有する(
図14(C)参照)。また、基板310と対向基板370の間隔を制御するス
ペーサ329を、隔壁328上に有する。
【0161】
〔画像信号線駆動回路の構成〕
画像信号線駆動回路303s(1)は、トランジスタ303tおよび容量303cを含
む。なお、駆動回路は画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。
図1
4(B)に示すようにトランジスタ303tは絶縁膜321上に第2のゲートを有してい
てもよい。第2のゲートはトランジスタ303tのゲートと電気的に接続されていてもよ
いし、これらに異なる電位が与えられていてもよい。また、必要であれば、第2のゲート
をトランジスタ308t、トランジスタ302t等に設けてもよい。
【0162】
〔撮像画素の構成〕
撮像画素308は、光電変換素子308pおよび光電変換素子308pに照射された光
を検知するための撮像画素回路を備える。また、撮像画素回路は、トランジスタ308t
を含む。
【0163】
例えばpin型のフォトダイオードを光電変換素子308pに用いることができる。
【0164】
〔他の構成〕
タッチパネル300は、信号を供給することができる配線311を備え、端子319が
配線311に設けられている。なお、画像信号および同期信号等の信号を供給することが
できるFPC309(1)が端子319に電気的に接続されている。
【0165】
なお、FPC309(1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていてもよ
い。
【0166】
同一の工程で形成されたトランジスタを、トランジスタ302t、トランジスタ303
t、トランジスタ308t等のトランジスタに適用できる。
【0167】
トランジスタの構成としては、ボトムゲート型、トップゲート型等の構造を有するトラ
ンジスタを適用できる。
【0168】
トランジスタのゲート、ソースおよびドレインのほか、タッチパネルを構成する各種配
線および電極に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッ
ケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステ
ンなどの金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造として用いる。
例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層
する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅-マグネシウ
ム-アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層
構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、そ
のチタン膜または窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにそ
の上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブ
デン膜と、そのモリブデン膜または窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅
膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造等
がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよ
い。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好
ましい。
【0169】
トランジスタ302t、トランジスタ303t、トランジスタ308t等のトランジス
タのチャネルが形成される半導体に、酸化物半導体を適用することが好ましい。特にシリ
コンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を適用することが好ましい。シリコンよ
りもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジ
スタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
【0170】
例えば、上記酸化物半導体として、少なくともインジウム(In)もしくは亜鉛(Zn
)を含むことが好ましい。より好ましくは、In-M-Zn系酸化物(MはAl、Ti、
Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)で表記される酸化物を含
む。
【0171】
特に、半導体層として、複数の結晶部を有し、当該結晶部はc軸が半導体層の被形成面
、または半導体層の上面に対し垂直に配向し、且つ隣接する結晶部間には粒界を有さない
酸化物半導体膜を用いることが好ましい。
【0172】
このような酸化物半導体は、結晶粒界を有さないために表示パネルを湾曲させたときの
応力によって酸化物半導体膜にクラックが生じてしまうことが抑制される。したがって、
可撓性を有し、湾曲させて用いる表示パネルなどに、このような酸化物半導体を好適に用
いることができる。
【0173】
半導体層としてこのような材料を用いることで、電気特性の変動が抑制され、信頼性の
高いトランジスタを実現できる。
【0174】
また、その低いオフ電流により、トランジスタを介して容量に蓄積した電荷を長期間に
亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、各
表示領域に表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。そ
の結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
【0175】
または、トランジスタ302t、トランジスタ303t、トランジスタ308t等のト
ランジスタのチャネルが形成される半導体に、シリコンを用いることが好ましい。シリコ
ンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いる
ことが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用い
ることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、
且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。このよう
な多結晶半導体を画素に適用することで画素の開口率を向上させることができる。また極
めて高精細に画素を有する場合であっても、ゲート駆動回路とソース駆動回路を画素と同
一基板上に形成することが可能となり、電子機器を構成する部品数を低減することができ
る。
【0176】
ここで、可撓性を有する発光パネルを形成する方法について説明する。
【0177】
ここでは便宜上、画素や駆動回路を含む構成、またはカラーフィルタ等の光学部材を含
む構成を素子層と呼ぶこととする。素子層は例えば表示素子を含み、表示素子の他に表示
素子と電気的に接続する配線、画素や回路に用いるトランジスタなどの素子を備えていて
もよい。
【0178】
またここでは、素子層が形成される絶縁表面を備える支持体のことを、基材と呼ぶこと
とする。
【0179】
可撓性を有する絶縁表面を備える基材上に素子層を形成する方法としては、基材上に直
接素子層を形成する方法と、剛性を有する支持基材上に素子層を形成した後、素子層と支
持基材とを剥離して素子層を基材に転置する方法と、がある。
【0180】
基材を構成する材料が、素子層の形成工程にかかる熱に対して耐熱性を有する場合には
、基材上に直接素子層を形成すると、工程が簡略化されるため好ましい。このとき、基材
を支持基材に固定した状態で素子層を形成すると、装置内、及び装置間における搬送が容
易になるため好ましい。
【0181】
また、素子層を支持基材上に形成した後に、基材に転置する方法を用いる場合、まず支
持基材上に剥離層と絶縁層を積層し、当該絶縁層上に素子層を形成する。続いて、支持基
材と素子層を剥離し、基材に転置する。このとき、支持基材と剥離層の界面、剥離層と絶
縁層の界面、または剥離層中で剥離が生じるような材料を選択すればよい。
【0182】
例えば剥離層としてタングステンなどの高融点金属材料を含む層と当該金属材料の酸化
物を含む層を積層して用い、剥離層上に窒化シリコンや酸窒化シリコンを複数積層した層
を用いることが好ましい。高融点金属材料を用いると、素子層の形成工程の自由度が高ま
るためこのましい。
【0183】
剥離は、機械的な力を加えることや、剥離層をエッチングすること、または剥離界面の
一部に液体を滴下して剥離界面全体に浸透させることなどにより剥離を行ってもよい。ま
たは、熱膨張の違いを利用して剥離界面に熱を加えることにより剥離を行ってもよい。
【0184】
また、支持基材と絶縁層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。
例えば、支持基材としてガラスを用い、絶縁層としてポリイミドなどの有機樹脂を用いて
、有機樹脂の一部をレーザ光等を用いて局所的に加熱することにより剥離の起点を形成し
、ガラスと絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。または、支持基材と有機樹脂からなる絶
縁層の間に金属層を設け、当該金属層に電流を流して当該金属層を加熱することにより、
当該金属層と絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。このとき、有機樹脂からなる絶縁層は
基材として用いることができる。
【0185】
可撓性を有する基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
エチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエ
ーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。特に、熱膨張係数の
低い材料を用いることが好ましく、例えば、熱膨張係数が30×10-6/K以下である
ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、
繊維体に樹脂を含浸した基板(プリプレグとも記す)や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜ
て熱膨張係数を下げた基板を使用することもできる。
【0186】
上記材料中に繊維体が含まれている場合、繊維体は有機化合物または無機化合物の高強
度繊維を用いる。高強度繊維とは、具体的には引張弾性率またはヤング率の高い繊維のこ
とを言い、代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリア
ミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキ
サゾール繊維、ガラス繊維、または炭素繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、Eガラ
ス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維が挙げられる。これらは、織布
または不織布の状態で用い、この繊維体に樹脂を含浸させ樹脂を硬化させた構造物を可撓
性を有する基板として用いてもよい。可撓性を有する基板として、繊維体と樹脂からなる
構造物を用いると、曲げや局所的押圧による破損に対する信頼性が向上するため、好まし
い。
【0187】
なお、本発明の一態様の表示装置は、画素に能動素子を有するアクティブマトリクス方
式、または、画素に能動素子を有しないパッシブマトリクス方式を用いることができる。
【0188】
アクティブマトリクス方式では、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)として、ト
ランジスタだけでなく、さまざまな能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いるこ
とができる。例えば、MIM(Metal Insulator Metal)、又はT
FD(Thin Film Diode)などを用いることも可能である。これらの素子
は、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留まりの向上を図ることができる
。または、これらの素子は、素子のサイズが小さいため、開口率を向上させることができ
、低消費電力化や高輝度化をはかることができる。
【0189】
アクティブマトリクス方式以外のものとして、能動素子(アクティブ素子、非線形素子
)を用いないパッシブマトリクス型を用いることも可能である。能動素子(アクティブ素
子、非線形素子)を用いないため、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留
まりの向上を図ることができる。または、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用
いないため、開口率を向上させることができ、低消費電力化、又は高輝度化などを図るこ
とができる。
【0190】
なお、ここでは、表示装置を用いて、様々な表示を行う場合の例を示したが、本発明の
一態様は、これに限定されない。例えば、情報を表示しないようにしてもよい。一例とし
ては、表示装置のかわりに、照明装置として用いてもよい。照明装置に適用することによ
り、デザイン性に優れたインテリアとして、活用することができる。または、様々な方向
を照らすことができる照明として活用することが出来る。または、表示装置のかわりに、
バックライトやフロントライトなどの光源として用いてもよい。つまり、表示パネルのた
めの照明装置として活用してもよい。
【0191】
ここで特に、家庭用テレビジョン装置や、デジタルサイネージ、またはPIDに本発明
の一態様の表示装置を用いる場合には、このように表示パネルにタッチパネルを適用する
ことで、表示領域に画像や動画を表示するだけでなく観察者が直感的に操作することが可
能となるため好ましい。また例えば広告用途に用いる場合では、より宣伝効果を高める効
果を奏する。また、路線情報や交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合に
は、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
【0192】
なお、ビルや公共施設などの壁面に設置する大型の広告に用いるなど、タッチセンサと
しての機能を必要としない場合には、上記で示したタッチパネルの構成例におけるタッチ
センサの構成を省いて、表示パネルを構成すればよい。
【0193】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に適用可能な表示パネルについて図面を
参照して説明する。
【0194】
ここでは、表示パネルの例として、タッチセンサとしての機能を備えるタッチパネルに
ついて説明する。
【0195】
【0196】
タッチパネル500は、表示部501とタッチセンサ595を備える。また、タッチパ
ネル500は、基板510、基板570および基板590を有する。なお、基板510、
基板570および基板590はいずれも可撓性を有する。
【0197】
表示部501は、基板510、基板510上に複数の画素および当該画素に信号を供給
することができる複数の配線511を備える。複数の配線511は、基板510の外周部
にまで引き回され、その一部が端子519を構成している。端子519はFPC509(
1)と電気的に接続する。
【0198】
[タッチセンサ]
基板590には、タッチセンサ595と、タッチセンサ595と電気的に接続する複数
の配線598を備える。複数の配線598は基板590の外周部に引き回され、その一部
は端子を構成する。そして、当該端子はFPC509(2)と電気的に接続される。
【0199】
タッチセンサ595として、例えば静電容量方式のタッチセンサを適用できる。静電容
量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。
【0200】
投影型静電容量方式としては、主に駆動方式の違いから自己容量方式、相互容量方式な
どがある。相互容量方式を用いると同時多点検出が可能となるため好ましい。
【0201】
以下では、投影型静電容量方式のタッチセンサを適用する場合について説明する。
【0202】
なお、タッチセンサの構成は上記に限られず、指等の検知対象の近接または接触を検知
することができるさまざまなセンサを適用することができる。
【0203】
投影型静電容量方式のタッチセンサ595は、電極591と電極592を有する。電極
591は複数の配線598のいずれかと電気的に接続し、電極592は複数の配線598
の他のいずれかと電気的に接続する。
【0204】
配線594は、電極592を挟む二つの電極591を電気的に接続する。このとき、電
極592と配線594の交差部の面積ができるだけ小さくなる形状が好ましい。これによ
り、電極が設けられていない領域の面積を低減でき、透過率のムラを低減できる。その結
果、タッチセンサ595を透過する光の輝度ムラを低減することができる。
【0205】
なお、電極591、電極592の形状は様々な形状を取りうる。例えば、複数の電極5
91をできるだけ隙間が生じないように配置し、絶縁層を介して電極592を、電極59
1と重ならない領域ができるように離間して複数設ける構成としてもよい。このとき、隣
接する2つの電極592の間に、これらとは電気的に絶縁されたダミー電極を設けると、
透過率の異なる領域の面積を低減できるため好ましい。
【0206】
タッチセンサ595は、基板590、基板590上に千鳥状に配置された電極591及
び電極592、電極591及び電極592を覆う絶縁層593並びに隣り合う電極591
を電気的に接続する配線594を備える。
【0207】
接着層597は、タッチセンサ595が表示部501に重なるように、基板590を基
板570に貼り合わせている。
【0208】
電極591及び電極592は、透光性を有する導電材料を用いて形成する。透光性を有
する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物
、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いる
ことができる。
【0209】
透光性を有する導電性材料を基板590上にスパッタリング法により成膜した後、フォ
トリソグラフィ法等の様々なパターニング技術により、不要な部分を除去して、電極59
1及び電極592を形成することができる。グラフェンはCVD法のほか、酸化グラフェ
ンを分散した溶液を塗布した後にこれを還元して形成してもよい。
【0210】
また、絶縁層593に用いる材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、
シロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム
などの無機絶縁材料を用いることもできる。
【0211】
また、電極591に達する開口が絶縁層593に設けられ、配線594が隣接する電極
591を電気的に接続する。透光性の導電性材料は、タッチパネルの開口率を高めること
ができるため、配線594に好適に用いることができる。また、電極591及び電極59
2より導電性の高い材料は、電気抵抗を低減できるため配線594に好適に用いることが
できる。
【0212】
一の電極592は一方向に延在し、複数の電極592がストライプ状に設けられている
。
【0213】
配線594は電極592と交差して設けられている。
【0214】
一対の電極591が一の電極592を挟んで設けられ、配線594は一対の電極591
を電気的に接続している。
【0215】
なお、複数の電極591は、一の電極592と必ずしも直交する方向に配置される必要
はなく、90度未満の角度をなすように配置されてもよい。
【0216】
一の配線598は、電極591又は電極592と電気的に接続される。配線598の一
部は、端子として機能する。配線598としては、例えば、アルミニウム、金、白金、銀
、ニッケル、チタン、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、又はパラ
ジウム等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。
【0217】
なお、絶縁層593及び配線594を覆う絶縁層を設けて、タッチセンサ595を保護
することができる。
【0218】
また、接続層599は、配線598とFPC509(2)を電気的に接続する。
【0219】
接続層599としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Co
nductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropi
c Conductive Paste)などを用いることができる。
【0220】
接着層597は、透光性を有する。例えば、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂を用いるこ
とができ、具体的には、アクリル、ウレタン、エポキシ、またはシロキサン結合を有する
樹脂などの樹脂を用いることができる。
【0221】
なお、FPC509(2)やこれと電気的に接続する遮光性を有する配線等は、上述の
可視光を透過する領域110と重ならない位置に配置すればよい。
【0222】
[表示部]
表示部501は、マトリクス状に配置された複数の画素を備える。画素は表示素子と表
示素子を駆動する画素回路を備える。
【0223】
本実施の形態では、白色の有機エレクトロルミネッセンス素子を表示素子に適用する場
合について説明するが、表示素子はこれに限られない。
【0224】
例えば、表示素子として、有機エレクトロルミネッセンス素子の他、電気泳動方式や電
子粉流体(登録商標)方式などにより表示を行う表示素子(電子インクともいう)、シャ
ッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子など、様々な表示素子を
用いることができる。なお、適用する表示素子に好適な構成を、様々な画素回路から選択
して用いることができる。
【0225】
基板510は、可撓性を有する基板510b、不純物の発光素子への拡散を防ぐバリア
膜510aおよび基板510bとバリア膜510aを貼り合わせる接着層510cが積層
された積層体である。
【0226】
基板570は、可撓性を有する基板570b、不純物の発光素子への拡散を防ぐバリア
膜570aおよび基板570bとバリア膜570aを貼り合わせる接着層570cの積層
体である。
【0227】
封止材560は基板570と基板510を貼り合わせている。封止材560は空気より
大きい屈折率を備える。また、封止材560側に光を取り出す場合は、封止材560は光
学接合層を兼ねる。画素回路および発光素子(例えば第1の発光素子550R)は基板5
10と基板570の間にある。
【0228】
〔画素の構成〕
画素は、副画素502Rを含み、副画素502Rは発光モジュール580Rを備える。
【0229】
副画素502Rは、第1の発光素子550Rおよび第1の発光素子550Rに電力を供
給することができるトランジスタ502tを含む画素回路を備える。また、発光モジュー
ル580Rは第1の発光素子550Rおよび光学素子(例えば第1の着色層567R)を
備える。
【0230】
第1の発光素子550Rは、下部電極、上部電極、下部電極と上部電極の間に発光性の
有機化合物を含む層を有する。
【0231】
発光モジュール580Rは、光を取り出す方向に第1の着色層567Rを有する。着色
層は特定の波長を有する光を透過するものであればよく、例えば赤色、緑色または青色等
を呈する光を選択的に透過するものを用いることができる。なお、他の副画素において、
発光素子の発する光をそのまま透過する領域を設けてもよい。
【0232】
また、封止材560が光を取り出す側に設けられている場合、封止材560は、第1の
発光素子550Rと第1の着色層567Rに接する。
【0233】
第1の着色層567Rは第1の発光素子550Rと重なる位置にある。これにより、第
1の発光素子550Rが発する光の一部は第1の着色層567Rを透過して、図中に示す
矢印の方向の発光モジュール580Rの外部に射出される。
【0234】
〔表示部の構成〕
表示部501は、光を射出する方向に遮光層567BMを有する。遮光層567BMは
、着色層(例えば第1の着色層567R)を囲むように設けられている。
【0235】
表示部501は、反射防止層567pを画素に重なる位置に備える。反射防止層567
pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
【0236】
表示部501は、絶縁膜521を備える。絶縁膜521はトランジスタ502tを覆っ
ている。なお、絶縁膜521は画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層として用い
ることができる。また、不純物の拡散を抑制できる層を含む積層膜を、絶縁膜521に適
用することができる。これにより、不純物の拡散によるトランジスタ502t等の信頼性
の低下を抑制できる。
【0237】
表示部501は、発光素子(例えば第1の発光素子550R)を絶縁膜521上に有す
る。
【0238】
表示部501は、下部電極の端部に重なる隔壁528を絶縁膜521上に有する。また
、基板510と基板570の間隔を制御するスペーサを、隔壁528上に有する。
【0239】
〔走査線駆動回路の構成〕
走査線駆動回路503g(1)は、トランジスタ503tおよび容量503cを含む。
なお、駆動回路を画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができる。
【0240】
〔他の構成〕
表示部501は、信号を供給することができる配線511を備え、端子519が配線5
11に設けられている。なお、画像信号および同期信号等の信号を供給することができる
FPC509(1)が端子519に電気的に接続されている。
【0241】
なお、FPC509(1)にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていてもよ
い。
【0242】
[表示部の変形例]
様々なトランジスタを表示部501に適用できる。
【0243】
ボトムゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、
図15(A)
および
図15(B)に図示する。
【0244】
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を、
図15(A)に図
示するトランジスタ502tおよびトランジスタ503tに適用することができる。
【0245】
例えば、多結晶シリコン等を含む半導体層を、
図15(B)に図示するトランジスタ5
02tおよびトランジスタ503tに適用することができる。
【0246】
トップゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、
図15(C)
に図示する。
【0247】
例えば、酸化物半導体、多結晶シリコンまたは転写された単結晶シリコン膜等を含む半
導体層を、
図15(C)に図示するトランジスタ502tおよびトランジスタ503tに
適用することができる。
【0248】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0249】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に適用可能な表示パネルについて図面を
参照して説明する。ここでは、表示パネルの例として、タッチセンサとしての機能を備え
るタッチパネルについて説明する。
【0250】
【0251】
本実施の形態で説明するタッチパネル500Bは、供給された画像情報をトランジスタ
が設けられている側に表示する表示部501を備える点およびタッチセンサが表示部の基
板510側に設けられている点が、実施の形態3で説明するタッチパネル500とは異な
る。ここでは異なる構成について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分は
、上記の説明を援用する。
【0252】
[表示部]
表示部501は、マトリクス状に配置された複数の画素を備える。画素は表示素子と表
示素子を駆動する画素回路を備える。
【0253】
〔画素の構成〕
画素は、副画素502Rを含み、副画素502Rは発光モジュール580Rを備える。
【0254】
副画素502Rは、第1の発光素子550Rおよび第1の発光素子550Rに電力を供
給することができるトランジスタ502tを含む画素回路を備える。
【0255】
発光モジュール580Rは第1の発光素子550Rおよび光学素子(例えば第1の着色
層567R)を備える。
【0256】
第1の発光素子550Rは、下部電極、上部電極、下部電極と上部電極の間に発光性の
有機化合物を含む層を有する。
【0257】
発光モジュール580Rは、光を取り出す方向に第1の着色層567Rを有する。着色
層は特定の波長を有する光を透過するものであればよく、例えば赤色、緑色または青色等
を呈する光を選択的に透過するものを用いることができる。なお、他の副画素において、
発光素子の発する光をそのまま透過する領域を設けてもよい。
【0258】
第1の着色層567Rは第1の発光素子550Rと重なる位置にある。また、
図16(
A)に示す第1の発光素子550Rは、トランジスタ502tが設けられている側に光を
射出する。これにより、第1の発光素子550Rが発する光の一部は第1の着色層567
Rを透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール580Rの外部に射出される。
【0259】
〔表示部の構成〕
表示部501は、光を射出する方向に遮光層567BMを有する。遮光層567BMは
、着色層(例えば第1の着色層567R)を囲むように設けられている。
【0260】
表示部501は、絶縁膜521を備える。絶縁膜521はトランジスタ502tを覆っ
ている。なお、絶縁膜521は画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層として用い
ることができる。また、不純物の拡散を抑制できる層を含む積層膜を、絶縁膜521に適
用することができる。これにより、例えば着色層567Rから拡散する不純物によるトラ
ンジスタ502t等の信頼性の低下を抑制できる。
【0261】
[タッチセンサ]
タッチセンサ595は、表示部501の基板510側に設けられている(
図16(A)
参照)。
【0262】
接着層597は、基板510と基板590の間にあり、表示部501とタッチセンサ5
95を貼り合わせる。
【0263】
なお、FPC509(2)やこれと電気的に接続する遮光性を有する配線等は、上述の
可視光を透過する領域110と重ならない位置に配置すればよい。
【0264】
[表示部の変形例]
様々なトランジスタを表示部501に適用できる。
【0265】
ボトムゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、
図16(A)
および
図16(B)に図示する。
【0266】
例えば、酸化物半導体、アモルファスシリコン等を含む半導体層を、
図16(A)に図
示するトランジスタ502tおよびトランジスタ503tに適用することができる。
【0267】
例えば、多結晶シリコン等を含む半導体層を、
図16(B)に図示するトランジスタ5
02tおよびトランジスタ503tに適用することができる。
【0268】
トップゲート型のトランジスタを表示部501に適用する場合の構成を、
図16(C)
に図示する。
【0269】
例えば、酸化物半導体、多結晶シリコンまたは転写された単結晶シリコン膜等を含む半
導体層を、
図16(C)に図示するトランジスタ502tおよびトランジスタ503tに
適用することができる。
【0270】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0271】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の入出力装置の構成について、
図17および
図18
を参照しながら説明する。
【0272】
図17は本発明の一態様の入出力装置の構成を説明する投影図である。
【0273】
図17(A)は本発明の一態様の入出力装置600の投影図であり、
図17(B)は入
出力装置600が備える検知ユニット60Uの構成を説明する投影図である。
【0274】
図18は本発明の一態様の入出力装置600の構成を説明する断面図である。
【0275】
図18は
図17に示す本発明の一態様の入出力装置600のZ1-Z2における断面図
である。
【0276】
なお、入出力装置600はタッチパネルということもできる。
【0277】
[入出力装置の構成例]
本実施の形態で説明する入出力装置600は、可視光を透過する窓部64を具備し且つ
マトリクス状に配設される複数の検知ユニット60U、行方向(図中に矢印Rで示す)に
配置される複数の検知ユニット60Uと電気的に接続する走査線G1、列方向(図中に矢
印Cで示す)に配置される複数の検知ユニット60Uと電気的に接続する信号線DLなら
びに、検知ユニット60U、走査線G1および信号線DLを支持する可撓性の第1の基材
66を備える可撓性の入力装置620と、窓部64に重なり且つマトリクス状に配設され
る複数の画素602および画素602を支持する可撓性の第2の基材610を備える表示
部601と、を有する(
図17(A)乃至
図17(C)参照)。
【0278】
検知ユニット60Uは、窓部64に重なる検知素子Cおよび検知素子Cと電気的に接続
される検知回路69を備える(
図17(B)参照)。
【0279】
検知素子Cは、絶縁層63、絶縁層63を挟持する第1の電極61および第2の電極6
2を備える(
図18参照)。
【0280】
検知回路69は、選択信号を供給され且つ検知素子Cの容量の変化に基づいて検知信号
DATAを供給する。
【0281】
走査線G1は、選択信号を供給することができ、信号線DLは、検知信号DATAを供
給することができ、検知回路69は、複数の窓部64の間隙に重なるように配置される。
【0282】
また、本実施の形態で説明する入出力装置600は、検知ユニット60Uおよび検知ユ
ニット60Uの窓部64と重なる画素602の間に、着色層を備える。
【0283】
本実施の形態で説明する入出力装置600は、可視光を透過する窓部64を具備する検
知ユニット60Uを複数備える可撓性の入力装置620と、窓部64に重なる画素602
を複数備える可撓性の表示部601と、を有し、窓部64と画素602の間に着色層を含
んで構成される。
【0284】
これにより、入出力装置は容量の変化に基づく検知信号と、およびそれを供給する検知
ユニットの位置情報を供給すること、検知ユニットの位置情報と関連付けられた画像情報
を表示すること、ならびに曲げることができる。その結果、利便性または信頼性に優れた
新規な入出力装置を提供することができる。
【0285】
また、入出力装置600は、入力装置620が供給する信号を供給されるフレキシブル
基板FPC1または/および画像情報を含む信号を表示部601に供給するフレキシブル
基板FPC2を備えていてもよい。
【0286】
また、傷の発生を防いで入出力装置600を保護する保護層67pまたは/および入出
力装置600が反射する外光の強度を弱める反射防止層667pを備えていてもよい。
【0287】
また、入出力装置600は、表示部601の走査線に選択信号を供給する走査線駆動回
路603g、信号を供給する配線611およびフレキシブル基板FPC2と電気的に接続
される端子619を有する。
【0288】
以下に、入出力装置600を構成する個々の要素について説明する。なお、これらの構
成は明確に分離できず、一つの構成が他の構成を兼ねる場合や他の構成の一部を含む場合
がある。
【0289】
例えば、複数の窓部64に重なる位置に着色層を備える入力装置620は、入力装置6
20であるとともにカラーフィルタでもある。
【0290】
また、例えば入力装置620が表示部601に重ねられた入出力装置600は、入力装
置620であるとともに表示部601でもある。
【0291】
《全体の構成》
入出力装置600は、入力装置620と、表示部601と、を備える(
図17(A)参
照)。
【0292】
《入力装置620》
入力装置620は複数の検知ユニット60Uおよび検知ユニットを支持する可撓性の基
材66を備える。例えば、40行15列のマトリクス状に複数の検知ユニット60Uを可
撓性の基材66に配設する。
【0293】
《窓部64、着色層および遮光性の層BM》
窓部64は可視光を透過する。
【0294】
窓部64に重なる位置に所定の色の光を透過する着色層を備える。例えば、青色の光を
透過する着色層CFB、緑色の光を透過する着色層CFGまたは赤色の光を透過する着色
層CFRを備える(
図17(B)参照)。
【0295】
なお、青色、緑色または/および赤色に加えて、白色の光を透過する着色層または黄色
の光を透過する着色層などさまざまな色の光を透過する着色層を備えることができる。
【0296】
着色層に金属材料、顔料または染料等を用いることができる。
【0297】
窓部64を囲むように遮光性の層BMを備える。遮光性の層BMは窓部64より光を透
過しにくい。
【0298】
カーボンブラック、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等を遮光
性の層BMに用いることができる。
【0299】
遮光性の層BMと重なる位置に走査線G1、信号線DL、配線VPI、配線RESおよ
び配線VRESならびに検知回路69を備える。
【0300】
なお、着色層および遮光性の層BMを覆う透光性のオーバーコート層を備えることがで
きる。
【0301】
《検知素子C》
検知素子Cは、第1の電極61、第2の電極62および第1の電極61と第2の電極6
2の間に絶縁層63を有する(
図18参照)。
【0302】
第1の電極61は他の領域から分離されるように、例えば島状に形成される。特に、入
出力装置600の使用者に第1の電極61が識別されないように、第1の電極61と同一
の工程で作製することができる層を第1の電極61に近接して配置する構成が好ましい。
より好ましくは、第1の電極61および第1の電極61に近接して配置する層の間隙に配
置する窓部64の数をできるだけ少なくするとよい。特に、当該間隙に窓部64を配置し
ない構成が好ましい。
【0303】
第1の電極61と重なるように第2の電極62を備え、第1の電極61と第2の電極6
2の間に絶縁層63を備える。
【0304】
例えば、大気中に置かれた検知素子Cの第1の電極61または第2の電極62に、大気
と異なる誘電率を有するものが近づくと、検知素子Cの容量が変化する。具体的には、指
などのものが検知素子Cに近づくと、検知素子Cの容量が変化する。これにより、検知素
子Cを近接検知器に用いることができる。
【0305】
例えば、変形することができる検知素子Cの容量は、変形に伴い変化する。
【0306】
具体的には、指などのものが検知素子Cに触れることにより、第1の電極61と第2の
電極62の間隔が狭くなると、検知素子Cの容量は大きくなる。これにより、検知素子C
を接触検知器に用いることができる。
【0307】
具体的には、検知素子Cを折り曲げることにより、第1の電極61と第2の電極62の
間隔が狭くなる。これにより、検知素子Cの容量は大きくなる。これにより、検知素子C
を屈曲検知器に用いることができる。
【0308】
第1の電極61および第2の電極62は、導電性の材料を含む。
【0309】
例えば、無機導電性材料、有機導電性材料、金属または導電性セラミックスなどを第1
の電極61および第2の電極62に用いることができる。
【0310】
具体的には、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステ
ン、ニッケル、銀またはマンガンから選ばれた金属元素、上述した金属元素を成分とする
合金または上述した金属元素を組み合わせた合金などを用いることができる。
【0311】
または、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガ
リウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を用いることができる。
【0312】
または、グラフェンまたはグラファイトを用いることができる。グラフェンを含む膜は
、例えば膜状に形成された酸化グラフェンを含む膜を還元して形成することができる。還
元する方法としては、熱を加える方法や還元剤を用いる方法等を挙げることができる。
【0313】
または、導電性高分子を用いることができる。
【0314】
《検知回路69》
検知回路69は例えばトランジスタM1乃至トランジスタM3を含む。また、検知回路
69は電源電位および信号を供給する配線を含む。例えば、信号線DL、配線VPI、配
線CS、走査線G1、配線RES、および配線VRESなどを含む。なお、検知回路69
の具体的な構成は実施の形態6で詳細に説明する。
【0315】
なお、検知回路69を窓部64と重ならない領域に配置してもよい。例えば、窓部64
と重ならない領域に配線を配置することにより、検知ユニット60Uの一方の側から他方
の側にあるものを視認し易くできる。
【0316】
例えば、同一の工程で形成することができるトランジスタをトランジスタM1乃至トラ
ンジスタM3に用いることができる。
【0317】
トランジスタM1は半導体層を有する。例えば、4族の元素、化合物半導体または酸化
物半導体を半導体層に用いることができる。具体的には、シリコンを含む半導体、ガリウ
ムヒ素を含む半導体またはインジウムを含む酸化物半導体などを適用できる。
【0318】
なお、酸化物半導体を半導体層に適用したトランジスタの構成を、実施の形態6におい
て詳細に説明する。
【0319】
導電性を有する材料を配線に適用できる。
【0320】
例えば、無機導電性材料、有機導電性材料、金属または導電性セラミックスなどを配線
に用いることができる。具体的には、第1の電極61および第2の電極62に用いること
ができる材料と同一の材料を適用できる。
【0321】
アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、チタン、タングステン、クロム、モリブデン
、鉄、コバルト、銅、又はパラジウム等の金属材料や、該金属材料を含む合金材料を走査
線G1、信号線DL、配線VPI、配線RESおよび配線VRESに用いることができる
。
【0322】
基材66の上に形成した膜を加工して、基材66に検知回路69を形成してもよい。
【0323】
または、他の基材上に形成された検知回路69を基材66に転置してもよい。
【0324】
なお、検知回路の作製方法を、実施の形態6において詳細に説明する。
【0325】
《基材66》
有機材料、無機材料または有機材料と無機材料の複合材料を可撓性の基材66に用いる
ことができる。
【0326】
5μm以上2500μm以下、好ましくは5μm以上680μm以下、より好ましくは
5μm以上170μm以下、より好ましくは5μm以上45μm以下、より好ましくは8
μm以上25μm以下の厚さを有する材料を、基材66に用いることができる。
【0327】
また、不純物の透過が抑制された材料を基材66に好適に用いることができる。例えば
、水蒸気の透過率が10-5g/m2・day以下、好ましくは10-6g/m2・da
y以下である材料を好適に用いることができる。
【0328】
また、それぞれ線膨張率がおよそ等しい材料を基材66を構成する各材料に好適に用い
ることができる。例えば、線膨張率が1×10-3/K以下、好ましくは5×10-5/
K以下、より好ましくは1×10-5/K以下である材料を好適に用いることができる。
【0329】
例えば、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチックフィルム等の有機材料を、基材66に
用いることができる。
【0330】
例えば、金属板または厚さ10μm以上50μm以下の薄板状のガラス板等の無機材料
を、基材66に用いることができる。
【0331】
例えば、金属板、薄板状のガラス板または無機材料の膜を、樹脂層を用いて樹脂フィル
ム等に貼り合せて形成された複合材料を、基材66に用いることができる。
【0332】
例えば、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料を樹脂または樹脂フィル
ムに分散した複合材料を、基材66に用いることができる。
【0333】
例えば、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂を樹脂層に用いることができる。
【0334】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルムまたは樹脂板を用いることができる。
【0335】
具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラス若しくはクリスタルガ
ラス等を用いることができる。
【0336】
具体的には、金属酸化物膜、金属窒化物膜若しくは金属酸窒化物膜等を用いることがで
きる。例えば、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸窒化珪素膜、アルミナ膜等を適用できる。
【0337】
具体的には、開口部が設けられたSUSまたはアルミニウム等を用いることができる。
【0338】
具体的には、アクリル、ウレタン、エポキシ、またはシロキサン結合を有する樹脂など
の樹脂を用いることができる。
【0339】
例えば、可撓性を有する基材66bと、不純物の拡散を防ぐバリア膜66aと、基材6
6bおよびバリア膜66aを貼り合わせる樹脂層66cと、が積層された積層体を基材6
6に好適に用いることができる(
図18参照)。
【0340】
具体的には、厚さ600nmの酸化窒化珪素膜および厚さ200nmの窒化珪素膜が積
層された積層材料を含む膜を、バリア膜66aに用いることができる。
【0341】
具体的には、厚さ600nmの酸化窒化珪素膜、厚さ200nmの窒化珪素膜、厚さ2
00nmの酸化窒化珪素膜、厚さ140nmの窒化酸化珪素膜および厚さ100nmの酸
化窒化珪素膜がこの順に積層された積層材料を含む膜を、バリア膜66aに用いることが
できる。
【0342】
ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート若しくは
アクリル樹脂等の樹脂フィルム、樹脂板またはこれら2以上を含む積層体等を基材66b
に用いることができる。
【0343】
例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリ
イミド、ポリカーボネートまたはアクリル、ウレタン、エポキシもしくはシロキサン結合
を有する樹脂を含む材料を樹脂層66cに用いることができる。
【0344】
《保護基材67、保護層67p》
可撓性の保護基材67または/および保護層67pを備えることができる。可撓性の保
護基材67または保護層67pは傷の発生を防いで入力装置620を保護する。
【0345】
例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート
若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルム、樹脂板または積層体等を保護基材67に用いる
ことができる。
【0346】
例えば、ハードコート層またはセラミックコート層を保護層67pに用いることができ
る。具体的には、UV硬化樹脂または酸化アルミニウムを含む層を第2の電極に重なる位
置に形成してもよい。
【0347】
《表示部601》
表示部601は、マトリクス状に配置された複数の画素602を備える(
図17(C)
参照)。
【0348】
例えば、画素602は副画素602B、副画素602Gおよび副画素602Rを含み、
それぞれの副画素は表示素子と表示素子を駆動する画素回路を備える。
【0349】
なお、画素602の副画素602Bは着色層CFBと重なる位置に配置され、副画素6
02Gは着色層CFGと重なる位置に配置され、副画素602Rは着色層CFRと重なる
位置に配置される。
【0350】
本実施の形態では、白色の光を射出する有機エレクトロルミネッセンス素子を表示素子
に適用する場合について説明するが、表示素子はこれに限られない。
【0351】
例えば、副画素毎に射出する光の色が異なるように、発光色が異なる有機エレクトロル
ミネッセンス素子を副画素毎に適用してもよい。
【0352】
《基材610》
可撓性を有する材料を基材610に用いることができる。例えば、基材66に用いるこ
とができる材料を基材610に適用することができる。
【0353】
例えば、可撓性を有する基材610bと、不純物の拡散を防ぐバリア膜610aと、基
材610bおよびバリア膜610aを貼り合わせる樹脂層610cと、が積層された積層
体を基材610に好適に用いることができる(
図18参照)。
【0354】
《封止材660》
封止材660は基材66と基材610を貼り合わせる。封止材660は空気より大きい
屈折率を備える。また、封止材660側に光を取り出す場合は、封止材660は光学接合
層を兼ねる。
【0355】
画素回路および発光素子(例えば発光素子650R)は基材610と基材66の間にあ
る。
【0356】
《画素の構成》
副画素602Rは発光モジュール680Rを備える。
【0357】
副画素602Rは、発光素子650Rおよび発光素子650Rに電力を供給することが
できるトランジスタ602tを含む画素回路を備える。また、発光モジュール680Rは
発光素子650Rおよび光学素子(例えば着色層CFR)を備える。
【0358】
発光素子650Rは、下部電極、上部電極、下部電極と上部電極の間に発光性の有機化
合物を含む層を有する。
【0359】
発光モジュール680Rは、光を取り出す方向に着色層CFRを有する。着色層は特定
の波長を有する光を透過するものであればよく、例えば赤色、緑色または青色等を呈する
光を選択的に透過するものを用いることができる。なお、他の副画素を着色層が設けられ
ていない窓部に重なるように配置して、着色層を透過しないで発光素子の発する光を射出
させてもよい。
【0360】
また、封止材660が光を取り出す側に設けられている場合、封止材660は、発光素
子650Rと着色層CFRに接する。
【0361】
着色層CFRは発光素子650Rと重なる位置にある。これにより、発光素子650R
が発する光の一部は着色層CFRを透過して、図中に示す矢印の方向の発光モジュール6
80Rの外部に射出される。
【0362】
着色層(例えば着色層CFR)を囲むように遮光性の層BMがある。
【0363】
《画素回路の構成》
画素回路に含まれるトランジスタ602tを覆う絶縁膜621を備える。絶縁膜621
は画素回路に起因する凹凸を平坦化するための層として用いることができる。また、不純
物の拡散を抑制できる層を含む積層膜を、絶縁膜621に適用することができる。これに
より、不純物の拡散によるトランジスタ602t等の信頼性の低下を抑制できる。
【0364】
絶縁膜621の上に下部電極が配置され、下部電極の端部に重なるように隔壁628が
絶縁膜621の上に配設される。
【0365】
下部電極は、上部電極との間に発光性の有機化合物を含む層を挟持して発光素子(例え
ば発光素子650R)を構成する。画素回路は発光素子に電力を供給する。
【0366】
また、隔壁628上に、基材66と基材610の間隔を制御するスペーサを有する。
【0367】
《走査線駆動回路の構成》
走査線駆動回路603g(1)は、トランジスタ603tおよび容量603cを含む。
なお、画素回路と同一の工程で同一基板上に形成することができるトランジスタを駆動回
路に用いることができる。
【0368】
《変換器CONV》
検知ユニット60Uが供給する検知信号DATAを変換してFPC1に供給することが
できるさまざまな回路を、変換器CONVに用いることができる(
図17(A)および図
18参照)。
【0369】
例えば、トランジスタM4を変換器CONVに用いることができる。
【0370】
《他の構成》
表示部601は、反射防止層667pを画素に重なる位置に備える。反射防止層667
pとして、例えば円偏光板を用いることができる。
【0371】
表示部601は、信号を供給することができる配線611を備え、端子619が配線6
11に設けられている。なお、画像信号および同期信号等の信号を供給することができる
フレキシブル基板FPC2が端子619に電気的に接続されている。
【0372】
なお、フレキシブル基板FPC2にはプリント配線基板(PWB)が取り付けられてい
ても良い。
【0373】
表示部601は、走査線、信号線および電源線等の配線を有する。様々な導電膜を配線
に用いることができる。
【0374】
具体的には、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステ
ン、ニッケル、イットリウム、ジルコニウム、銀またはマンガンから選ばれた金属元素、
上述した金属元素を成分とする合金または上述した金属元素を組み合わせた合金等を用い
ることができる。とくに、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、
タングステンの中から選択される一以上の元素を含むと好ましい。特に、銅とマンガンの
合金がウエットエッチング法を用いた微細加工に好適である。
【0375】
具体的には、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタ
ン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タ
ンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と
、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構
造等を用いることができる。
【0376】
具体的には、アルミニウム膜上にチタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロ
ム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた金属の膜、またはこれらから選ばれた複数の金
属を含む合金膜、もしくはこれらから選ばれた金属の窒化物を含む膜を積層する積層構造
を用いることができる。
【0377】
また、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛を含む透光性を有する導電材料を用いて
もよい。
【0378】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0379】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の入出力装置の検知ユニットに用いることができる
検知回路の構成および駆動方法について、
図19を参照しながら説明する。
【0380】
図19は本発明の一態様の検知回路69および変換器CONVの構成および駆動方法を
説明する図である。
【0381】
図19(A)は本発明の一態様の検知回路69および変換器CONVの構成を説明する
回路図であり、
図19(B-1)および
図19(B-2)は駆動方法を説明するタイミン
グチャートである。
【0382】
本発明の一態様の検知回路69は、ゲートが検知素子Cの第1の電極61と電気的に接
続され、第1の電極が例えば接地電位を供給することができる配線VPIと電気的に接続
される第1のトランジスタM1を備える(
図19(A)参照)。
【0383】
また、ゲートが選択信号を供給することができる走査線G1と電気的に接続され、第1
の電極が第1のトランジスタM1の第2の電極と電気的に接続され、第2の電極が例えば
検知信号DATAを供給することができる信号線DLと電気的に接続される第2のトラン
ジスタM2を備える構成であってもよい。
【0384】
また、ゲートがリセット信号を供給することができる配線RESと電気的に接続され、
第1の電極が検知素子Cの第1の電極61と電気的に接続され、第2の電極が例えば接地
電位を供給することができる配線VRESと電気的に接続される第3のトランジスタM3
を備える構成であってもよい。
【0385】
検知素子Cの容量は、例えば、第1の電極61または第2の電極62にものが近接する
こと、もしくは第1の電極61および第2の電極62の間隔が変化することにより変化す
る。これにより、検知ユニット60Uは検知素子Cの容量の変化に基づく検知信号DAT
Aを供給することができる。
【0386】
また、検知ユニット60Uは、検知素子Cの第2の電極62の電位を制御することがで
きる制御信号を供給することができる配線CSを備える。
【0387】
なお、検知素子Cの第1の電極61、第1のトランジスタM1のゲートおよび第3のト
ランジスタの第1の電極が電気的に接続される結節部をノードAという。
【0388】
配線VRESおよび配線VPIは例えば接地電位を供給することができ、配線VPOお
よび配線BRは例えば高電源電位を供給することができる。
【0389】
また、配線RESはリセット信号を供給することができ、走査線G1は選択信号を供給
することができ、配線CSは検知素子Cの第2の電極62の電位を制御する制御信号を供
給することができる。
【0390】
また、信号線DLは検知信号DATAを供給することができ、端子OUTは検知信号D
ATAに基づいて変換された信号を供給することができる。
【0391】
なお、検知信号DATAを変換して端子OUTに供給することができるさまざまな回路
を、変換器CONVに用いることができる。例えば、変換器CONVを検知回路69と電
気的に接続することにより、ソースフォロワ回路またはカレントミラー回路などが構成さ
れるようにしてもよい。
【0392】
具体的には、トランジスタM4を用いた変換器CONVを用いて、ソースフォロワ回路
を構成できる(
図19(A)参照)。なお、第1のトランジスタM1乃至第3のトランジ
スタM3と同一の工程で作製することができるトランジスタをトランジスタM4に用いて
もよい。
【0393】
また、トランジスタM1乃至トランジスタM3は半導体層を有する。例えば、4族の元
素、化合物半導体または酸化物半導体を半導体層に用いることができる。具体的には、シ
リコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体またはインジウムを含む酸化物半導体な
どを適用できる。
【0394】
なお、酸化物半導体を半導体層に適用したトランジスタの構成を、実施の形態5におい
て詳細に説明する。
【0395】
<検知回路69の駆動方法>
検知回路69の駆動方法について説明する。
【0396】
《第1のステップ》
第1のステップにおいて、第3のトランジスタを導通状態にした後に非導通状態にする
リセット信号をゲートに供給し、検知素子Cの第1の電極61の電位を所定の電位にする
(
図19(B-1)期間T1参照)。
【0397】
具体的には、リセット信号を配線RESに供給させる。リセット信号が供給された第3
のトランジスタは、ノードAの電位を例えば接地電位にする(
図19(A)参照)。
【0398】
《第2のステップ》
第2のステップにおいて、第2のトランジスタM2を導通状態にする選択信号をゲート
に供給し、第1のトランジスタの第2の電極を信号線DLに電気的に接続する。
【0399】
具体的には、走査線G1に選択信号を供給させる。選択信号が供給された第2のトラン
ジスタM2は、第1のトランジスタの第2の電極を信号線DLに電気的に接続する(
図1
9(B-1)期間T2参照)。
【0400】
《第3のステップ》
第3のステップにおいて、制御信号を検知素子Cの第2の電極に供給し、制御信号およ
び検知素子Cの容量に基づいて変化する電位を第1のトランジスタM1のゲートに供給す
る。
【0401】
具体的には、配線CSに矩形の制御信号を供給させる。矩形の制御信号を第2の電極6
2に供給することで、検知素子Cの容量に基づいてノードAの電位が上昇する(
図19(
B-1)期間T2の後半を参照)。
【0402】
例えば、検知素子が大気中に置かれている場合、大気より誘電率の高いものが、検知素
子Cの第2の電極62に近接して配置された場合、検知素子Cの容量は見かけ上大きくな
る。
【0403】
これにより、矩形の制御信号がもたらすノードAの電位の変化は、大気より誘電率の高
いものが近接して配置されていない場合に比べて小さくなる(
図19(B-2)実線参照
)。
【0404】
《第4のステップ》
第4のステップにおいて、第1のトランジスタM1のゲートの電位の変化がもたらす信
号を信号線DLに供給する。
【0405】
例えば、第1のトランジスタM1のゲートの電位の変化がもたらす電流の変化を信号線
DLに供給する。
【0406】
変換器CONVは、信号線DLを流れる電流の変化を電圧の変化に変換して出力する。
【0407】
《第5のステップ》
第5のステップにおいて、第2のトランジスタM2を非導通状態にする選択信号をゲー
トに供給する。
【0408】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組
み合わせて実施することができる。
【0409】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置が適用された電子機器や照明装置の例に
ついて、図面を参照して説明する。
【0410】
フレキシブルな形状を備える表示装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョ
ン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デ
ジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話
、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機
などの大型ゲーム機などが挙げられる。
【0411】
また、照明装置や表示装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外
装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
【0412】
図20(A)は、携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体740
1に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、
スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、表
示装置を表示部7402に用いることにより作製される。
【0413】
図20(A)に示す携帯電話機7400は、表示部7402を指などで触れることで、
情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆ
る操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
【0414】
また操作ボタン7403の操作により、電源のON、OFFや、表示部7402に表示
される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニ
ュー画面に切り替えることができる。
【0415】
ここで、表示部7402には、本発明の一態様の表示装置が組み込まれている。したが
って、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯電話機とすることができる。
【0416】
図20(B)は、リストバンド型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置710
0は、筐体7101、表示部7102、操作ボタン7103、及び送受信装置7104を
備える。
【0417】
携帯表示装置7100は、送受信装置7104によって映像信号を受信可能で、受信し
た映像を表示部7102に表示することができる。また、音声信号を他の受信機器に送信
することもできる。
【0418】
また、操作ボタン7103によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替
え、または音声のボリュームの調整などを行うことができる。
【0419】
ここで、表示部7102には、本発明の一態様の表示装置が組み込まれている。したが
って、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯表示装置とすることができる。
【0420】
図20(C)~
図20(D)は、照明装置の一例を示している。照明装置7210、照
明装置7220はそれぞれ、操作スイッチ7203を備える台部7201と、台部720
1に支持される発光部を有する。
【0421】
図20(C)に示す照明装置7210の備える発光部7212は、凸状に湾曲した2つ
の発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって照明装置7210を中心に
全方位を照らすことができる。
【0422】
図20(D)に示す照明装置7220は、凹状に湾曲した発光部7222を備える。し
たがって、発光部7222からの発光を、照明装置7220の前面に集光するため、特定
の範囲を明るく照らす場合に適している。
【0423】
また、照明装置7210及び照明装置7220が備える各々の発光部はフレキシブル性
を有しているため、当該発光部を可塑性の部材や可動なフレームなどの部材で固定し、用
途に合わせて発光部の発光面を自在に湾曲可能な構成としてもよい。
【0424】
ここで、照明装置7210及び照明装置7220が備える各々の発光部には、本発明の
一態様の表示装置が組み込まれている。したがって、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性
の高い照明装置とすることができる。
【0425】
図21(A)に、携帯型の表示装置の一例を示す。表示装置7300は、筐体7301
、表示部7302、操作ボタン7303、引き出し部材7304、制御部7305を備え
る。
【0426】
表示装置7300は、筒状の筐体7301内にロール状に巻かれたフレキシブルな表示
部7302を備える。表示部7302は、遮光層などが形成された第1の基板と、トラン
ジスタなどが形成された第2の基板を有する。表示部7302は、筐体7301内におい
て常に第2の基板が外側になるように巻かれている。
【0427】
また、表示装置7300は制御部7305によって映像信号を受信可能で、受信した映
像を表示部7302に表示することができる。また、制御部7305にはバッテリを備え
る。また、制御部7305にコネクタを備え、映像信号や電力を直接供給する構成として
もよい。
【0428】
また、操作ボタン7303によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替
え等を行うことができる。
【0429】
図21(B)に、表示部7302を引き出し部材7304により引き出した状態を示す
。この状態で表示部7302に映像を表示することができる。また、筐体7301の表面
に配置された操作ボタン7303によって、片手で容易に操作することができる。
【0430】
なお、表示部7302を引き出した際に表示部7302が湾曲しないよう、表示部73
02の端部に補強のためのフレームを設けていてもよい。
【0431】
なお、この構成以外に、筐体にスピーカを設け、映像信号と共に受信した音声信号によ
って音声を出力する構成としてもよい。
【0432】
表示部7302には、本発明の一態様の表示装置が組み込まれている。したがって、表
示部7302はフレキシブルで且つ信頼性の高い表示装置であるため、表示装置7300
は軽量で且つ信頼性の高い表示装置とすることができる。
【0433】
なお、本発明の一態様の表示装置を具備していれば、上記で示した電子機器や照明装置
に特に限定されないことは言うまでもない。
【0434】
本実施の形態に示す構成及び方法などは、他の実施の形態に示す構成及び方法などと適
宜組み合わせて用いることができる。
【符号の説明】
【0435】
10 表示装置
11 表示領域
15 柱
16 壁
21 内装部材
22 外装部材
23 支持部材
25 アンテナ
26 遮光部
27 無線信号
50 電子機器
51a 支持体
51b 支持体
51c 支持体
52 ヒンジ
52a ヒンジ
52b ヒンジ
53a 基板
53b 基板
53c 基板
54a 端子
54b 端子
54c 端子
55a バッテリ
55b バッテリ
55c バッテリ
60U 検知ユニット
61 電極
62 電極
63 絶縁層
64 窓部
66 基材
66a バリア膜
66b 基材
66c 樹脂層
67 保護基材
67p 保護層
69 検知回路
70 電子機器
100 表示パネル
100a 表示パネル
100b 表示パネル
100c 表示パネル
100d 表示パネル
100e 表示パネル
100f 表示パネル
100g 表示パネル
100h 表示パネル
100i 表示パネル
100j 表示パネル
101 表示領域
101a 表示領域
101b 表示領域
101c 表示領域
101d 表示領域
110 領域
110a 領域
110b 領域
110c 領域
110d 領域
112 FPC
112a FPC
112b FPC
112c FPC
120 領域
120b 領域
120c 領域
123 FPC
131 樹脂層
132 保護基板
133 樹脂層
134 保護基板
141 画素
141a 画素
141b 画素
142a 配線
142b 配線
143a 回路
143b 回路
145 配線
150 無線モジュール
151 基板
152 基板
153 接着層
300 タッチパネル
301 表示部
302 画素
302B 副画素
302G 副画素
302R 副画素
302t トランジスタ
303c 容量
303g(1) 走査線駆動回路
303g(2) 撮像画素駆動回路
303s(1) 画像信号線駆動回路
303s(2) 撮像信号線駆動回路
303t トランジスタ
308 撮像画素
308p 光電変換素子
308t トランジスタ
309 FPC
310 基板
310a バリア膜
310b 基板
310c 接着層
311 配線
319 端子
321 絶縁膜
328 隔壁
329 スペーサ
350R 第1の発光素子
351R 下部電極
352 上部電極
353 層
353a 発光ユニット
353b 発光ユニット
354 中間層
360 封止材
367BM 遮光層
367p 反射防止層
367R 着色層
370 対向基板
370a バリア膜
370b 基板
370c 接着層
380B 発光モジュール
380G 発光モジュール
380R 発光モジュール
500 タッチパネル
500B タッチパネル
501 表示部
502R 副画素
502t トランジスタ
503c 容量
503g 走査線駆動回路
503t トランジスタ
509 FPC
510 基板
510a バリア膜
510b 基板
510c 接着層
511 配線
519 端子
521 絶縁膜
528 隔壁
550R 第1の発光素子
560 封止材
567BM 遮光層
567p 反射防止層
567R 着色層
570 基板
570a バリア膜
570b 基板
570c 接着層
580R 発光モジュール
590 基板
591 電極
592 電極
593 絶縁層
594 配線
595 タッチセンサ
597 接着層
598 配線
599 接続層
600 入出力装置
601 表示部
602 画素
602B 副画素
602G 副画素
602R 副画素
602t トランジスタ
603c 容量
603g 走査線駆動回路
603t トランジスタ
610 基材
610a バリア膜
610b 基材
610c 樹脂層
611 配線
619 端子
620 入力装置
621 絶縁膜
628 隔壁
650R 発光素子
660 封止材
667p 反射防止層
680R 発光モジュール
7100 携帯表示装置
7101 筐体
7102 表示部
7103 操作ボタン
7104 送受信装置
7201 台部
7203 操作スイッチ
7210 照明装置
7212 発光部
7220 照明装置
7222 発光部
7300 表示装置
7301 筐体
7302 表示部
7303 操作ボタン
7304 引き出し部材
7305 制御部
7400 携帯電話機
7401 筐体
7402 表示部
7403 操作ボタン
7404 外部接続ポート
7405 スピーカ
7406 マイク