(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】パッケージデバイス及びその製造方法、並びに電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 25/04 20230101AFI20240205BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20240205BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
H01L23/12 K
(21)【出願番号】P 2022506069
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2020105303
(87)【国際公開番号】W WO2021018156
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】201910696888.X
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】パン,ウエイジエン
(72)【発明者】
【氏名】ホゥ,ジーシアーン
(72)【発明者】
【氏名】イエ,ガーン
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/168709(WO,A1)
【文献】特開2000-353766(JP,A)
【文献】特開2013-080858(JP,A)
【文献】特開2011-035269(JP,A)
【文献】国際公開第2011/058977(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0241053(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107546217(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104332457(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0145123(US,A1)
【文献】中国実用新案第2904298(CN,Y)
【文献】中国特許出願公開第106601630(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/04
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面を有する回路基板と;
前記第1の表面を覆う第1のプラスチックパッケージ層であって、前記第1のプラスチックパッケージ層は、少なくとも1つの第1のチャネルを有し、前記第1のチャネルは、前記第1のプラスチックパッケージ層を第1の方向に貫通し、前記第1の方向は、前記第1の表面に垂直な方向である、第1のプラスチックパッケージ層と;
少なくとも1つの第1のピンであって、前記第1のピンは、
前記第1の方向に前記第1のチャネルと同じ長さ延びる1つの導電性材料から形成されて前記回路基板に電気的に接続され、前記第1のピンは、前記第1のチャネル内に位置し、前記第1のピンの側面は、前記第1のチャネルの内壁に
前記第1のピンの側面全体が前記第1のチャネルの内壁によって囲まれるように接続され、前記第1のピンのものであり且つ前記回路基板から離れている第1の導電性表面が、前記第1のチャネルから露出され、前記第1のピンは、前記第1の導電性表面を使用することによって、外部デバイスに電気的に接続可能であり、前記第1のピンの前記側面は前記第1の導電性表面と交差する、少なくとも1つの第1のピンと;を有する、
パッケージデバイス。
【請求項2】
前記第1のチャネルは、接続される第1のサブチャネル及び第2のサブチャネルを含み、前記第2のサブチャネルは、前記第1のサブチャネルより前記回路基板の近くに配置され、
前記第1のサブチャネルの内壁に面する前記第1のピンの表面と前記第1のサブチャネルの前記内壁との間にギャップがあり;
前記第2のサブチャネルの内壁に面する前記第1のピンの表面が、前記第2のサブチャネルの前記内壁に接続される、
請求項1に記載のパッケージデバイス。
【請求項3】
前記第1のチャネルはスルーホールであり、前記第1のチャネルは、前記第1のプラスチックパッケージ層の側面によって囲まれた領域に位置し、前記第1のプラスチックパッケージ層の前記側面は、前記第1の表面と交差する、
請求項1又は2に記載のパッケージデバイス。
【請求項4】
前記パッケージデバイスは、第1の電子部品をさらに有し;
前記第1の電子部品は、前記第1の表面上に配置され、前記回路基板に電気的に接続され;
前記第1の電子部品のものであり且つ前記回路基板から離れている上面が、前記第1のプラスチックパッケージ層のものであり且つ前記回路基板から離れている上面と同一平面である、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパッケージデバイス。
【請求項5】
前記第1のプラスチックパッケージ層は、少なくとも1つの第2のチャネルをさらに有し、前記第2のチャネルは、前記第1のプラスチックパッケージ層の側壁に沿った開放部分を有し且つ前記第1のプラスチックパッケージ層を前記第1の方向に貫通し、
前記パッケージデバイスは、少なくとも1つの第2のピンをさらに有し、前記第2のピンは、前記回路基板に電気的に接続され、前記第2のピンは、前記第2のチャネル内に位置し、前記第2のピンの側面は、前記第2のチャネルの内壁に
前記第2のピンの側面全体が前記第2のチャネルの内壁によって囲まれるように接続され、前記第2のピンのものであり且つ前記回路基板から離れている第2の導電性表面が、前記第2のチャネルから露出され、前記第2のピンのものであり且つ前記第2のチャネルの前記開放部分に位置する第3の導電性表面が前記第2のチャネルから露出され、前記第3の導電性表面は前記第1のプラスチックパッケージ層の前記側壁と同一平面にあり、前記第2のピンは、前記第2の導電性表面を使用することによって、前記外部デバイスに電気的に接続可能であり、前記第2のピンの前記側面は前記第2の導電性表面と交差する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のパッケージデバイス。
【請求項6】
パッケージデバイスの製造方法であって:
マザーボードの第1の表面上の各デバイス領域に少なくとも1つの第1のピンをはんだ付けするステップであって、前記第1のピンは前記マザーボードに電気的に接続され、水平方向及び垂直方向に交差する複数の切断経路が前記マザーボード上に配置され、前記複数の切断経路は複数のデバイス領域を画定するように交差する、ステップと;
前記第1の表面上に第1のプラスチックパッケージ層を形成するステップであって、第1のチャネルが、前記第1のピンに対応する位置で前記第1のプラスチックパッケージ層内に形成され、前記第1のチャネルは、前記第1のプラスチックパッケージ層を第1の方向に貫通し、前記第1の方向は、前記第1の表面に垂直な方向であり、前記第1のピンのものであり且つ前記マザーボードから離れている第1の導電性表面が、前記第1のチャネルから露出され、前記第1のピンは、
前記第1の方向に前記第1のチャネルと同じ長さ延びる1つの導電性材料から形成されて前記第1の導電性表面を使用することによって外部デバイスに電気的に接続可能であり、前記第1のピンの側面は、前記第1のチャネルの内壁に
前記第1のピンの側面全体が前記第1のチャネルの内壁によって囲まれるように接続され、前記第1のピンの前記側面は前記第1の導電性表面と交差する、ステップと;
前記パッケージデバイスを形成するように前記マザーボードを前記切断経路に沿って切断するステップと;を含む、
パッケージデバイスの製造方法。
【請求項7】
前記第1の表面上に第1のプラスチックパッケージ層を形成する前記ステップは:
前記マザーボードの前記第1の表面上にプラスチックパッケージフィルムを形成するステップであって、前記プラスチックパッケージフィルムは各第1のピンを包む、ステップと;
前記第1のプラスチックパッケージ層を形成するために前記第1の導電性表面を露出させるよう前記プラスチックパッケージフィルムを研磨するステップと;を含む、
請求項6に記載のパッケージデバイスの製造方法。
【請求項8】
前記第1の表面上に第1のプラスチックパッケージ層を形成する前記ステップは:
バリアフィルムを前記第1のピンの前記第1の導電性表面に取り付けるステップであって、前記バリアフィルムは各第1のピンの第1の導電性表面に取り付けられる、ステップと;
前記マザーボードと前記バリアフィルムとの間にプラスチックパッケージ材料を充填するステップであって、前記プラスチックパッケージ材料は、プラスチックパッケージフィルムを形成するように、前記各第1のピンのものであり且つ前記第1の導電性表面と交差する表面を包む、ステップと;
前記第1のプラスチックパッケージ層を形成するために前記第1の導電性表面を露出させるように前記バリアフィルムを除去するステップと;を含む、
請求項6に記載のパッケージデバイスの製造方法。
【請求項9】
前記第1の導電性表面を露出させた後に前記第1の表面上に第1のプラスチックパッケージ層を形成する前記ステップは、さらに:
前記第1のピンとのギャップを有する第1のサブチャネル及び前記第1のピンに接続された第2のサブチャネルを形成するように前記プラスチックパッケージフィルムと前記第1のピンとの間に溝を作るステップであって、前記第2のサブチャネルは、前記第1のサブチャネルと連通し、前記第1のサブチャネルより前記マザーボードの近くに配置される、ステップを含む、
請求項7又は8に記載のパッケージデバイスの製造方法。
【請求項10】
上に前記第1のプラスチックパッケージ層が形成された前記マザーボードを切断した後、前記パッケージデバイスの製造方法は、さらに:
前記第1のピンのものであり、前記第1の導電性表面と交差し、且つ切断面に最も近い表面を露出させるように前記切断面を研磨するステップを含む、
請求項6乃至9のいずれか1項に記載のパッケージデバイスの製造方法。
【請求項11】
前記マザーボードの前記第1の表面上の各デバイス領域に少なくとも1つの第2のピンをはんだ付けするステップをさらに含み、前記第2のピンは前記マザーボードに電気的に接続され、
前記第1の表面上に前記第1のプラスチックパッケージ層を形成する前記ステップはさらに、第2のチャネルを前記第2のピンに対応する位置で前記第1のプラスチックパッケージ層に形成するステップを含み、前記第2のチャネルは、前記第1のプラスチックパッケージ層の側壁に沿った開放部分を有し且つ前記第1のプラスチックパッケージ層を前記第1の方向に貫通し、前記第2のピンは、前記第2のチャネル内に位置し、前記第2のピンの側面は、前記第2のチャネルの内壁に
前記第2のピンの側面全体が前記第2のチャネルの内壁によって囲まれるように接続され、前記第2のピンのものであり且つ前記マザーボードから離れている第2の導電性表面が、前記第2のチャネルから露出され、前記第2のピンのものであり且つ前記第2のチャネルの前記開放部分に位置する第3の導電性表面が前記第2のチャネルから露出され、前記第3の導電性表面は前記第1のプラスチックパッケージ層の前記側壁と同一平面にあり、前記第2のピンは、前記第2の導電性表面を使用することによって、前記外部デバイスに電気的に接続可能であり、前記第2のピンの前記側面は前記第2の導電性表面と交差する、
請求項6乃至10のいずれか1項に記載のパッケージデバイスの製造方法。
【請求項12】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のパッケージデバイスを有する、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電子技術の分野に関し、特に、パッケージデバイス及びその製造方法、並びに電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の急速な発展に伴い、携帯電話、コンピュータ、タブレットコンピュータ、基地局などの通信デバイスが普及している。製品の性能及び競争力を向上させるために、様々な通信デバイスメーカーは、通信デバイスのパッケージ(packaging)デバイスなどの電子部品の設計、製造、及び性能により高い要件を提示している。
【0003】
図1に示すように、パッケージデバイスは、一般に、回路基板1と、回路基板1の上面と下面を覆うプラスチックパッケージ層2と、回路基板1の側面に配置されたピン(pin)3とを含む。
【0004】
図1に示すパッケージデバイスの製造プロセスは次の通りである:最初に、回路基板1がパッケージ化される;次に、回路基板1の側面が露出させるために切断される;最後に、ピン3が回路基板1にはんだ付けされてパッケージデバイスを得る。
【0005】
このようにして、
図1に示すように、ピン3は、パッケージデバイスの側面に位置し、ピン3は、プラスチックパッケージ層2と重ならず、ピン3は、別個の空間を占める必要がある。その結果、パッケージデバイスの長さ又は幅が増大し、パッケージデバイスの面積が増大し、これは電子デバイスの軽量な特徴につながらない。
【発明の概要】
【0006】
本出願の実施形態は、パッケージデバイスのピンが側面に位置し、電子デバイスの軽量な特徴につながらない、パッケージデバイスの面積が結果として増大するという問題を解決するために、パッケージデバイス及びその製造方法、並びに電子デバイスを提供する。
【0007】
前述の目的を達成するために、実施形態では以下の技術的解決策が使用される。
【0008】
第1の態様によれば、パッケージデバイスが提供され:第1の表面を有する回路基板と;第1の表面を覆う第1のプラスチックパッケージ層であって、第1のプラスチックパッケージ層は少なくとも1つの第1のチャネルを含み、第1のチャネルは第1のプラスチックパッケージ層を第1の方向に貫通し、第1の方向は第1の表面に垂直な方向である、第1のプラスチックパッケージ層と;少なくとも1つの第1のピンであって、第1のピンは回路基板に電気的に接続され、1つの第1のピンは1つの第1のチャネル内に位置し、第1のピンの少なくとも一部は第1のチャネルの内壁に接続され、第1のピンのものであり且つ回路基板から離れている第1の導電性表面が第1のチャネルから露出され、第1のピンは第1の導電性表面を使用することによって外部デバイスに電気的に接続される、第1のピンと;を含む。本明細書におけるパッケージデバイスでは、一つには、第1のピンは回路基板の第1の表面に配置され、第1の表面は第1のプラスチックパッケージ層で覆われた表面であり、第1のピンは、別個の空間を占有することなく、第1のプラスチックパッケージ層によって囲まれた領域に位置する。第1の表面と交差する側面上に第1のピンを配置することと比較して、第1の表面に平行な方向におけるパッケージデバイスの寸法(長さ又は幅)を小さくすることができ、それによって、パッケージデバイスの面積を小さくすることができる。加えて、第1のピンは、回路基板の第1の表面に配置され、その結果、パッケージデバイス及び外部デバイスの表面実装アセンブリを実装することができ、異なる構造要件を満たすことができる。別のことでは、第1のピンの側面の少なくとも一部が第1のプラスチックパッケージ層に接続され、第1のプラスチックパッケージ層は第1のピンを支持し、その結果、第1のピンと回路基板との間の接続の安定性を改善することができ、第1のピンは緩むこと及び外れることが防止され、第1のピンの基板レベルの信頼性が改善される。さらに別のことでは、回路基板の第1の表面の表面積は、第1の表面と交差する回路基板の側面の表面積より大きいので、第1の表面と交差する回路基板の側面に第1のピンを配置することと比較して、回路基板の第1の表面に第1のピンを配置することのプロセスの精度及びプロセスの困難性は、より低く、製造コストを低減することができる。
【0009】
オプションで、第1のチャネルは、接続される第1のサブチャネル及び第2のサブチャネルを含み、第2のサブチャネルは、第1のサブチャネルより回路基板の近くに配置され;第1のサブチャネルの内壁に面する第1のピンの表面と第1のサブチャネルの内壁との間にギャップ(gap)があり;第2のサブチャネルの内壁に面する第1のピンの表面が、第2のサブチャネルの内壁に接続される。ギャップは、第1のサブチャネルの内壁に面する第1のピンの表面と第1のサブチャネルの内壁との間に形成され、その結果、内壁に面する第1のピンの表面は、はんだで覆われるように構成され、それによって、第1のピン上のはんだ量を増加させ、第1のピンと外部デバイスとの間の電気的接続の安定性を改善する。
【0010】
オプションで、第1のチャネルはスルーホールであり、第1のチャネルは、第1のプラスチックパッケージ層の側面によって囲まれた領域に位置し、第1のプラスチックパッケージ層の側面は、第1の表面と交差する。構造はシンプルであり、これは製造に便利である。
【0011】
オプションで、第1のチャネルは、第1のプラスチックパッケージ層の側面に配置された貫通溝(through groove)であり、第1のプラスチックパッケージ層の側面は、第1の表面と交差する。この例のパッケージデバイスが外部デバイスに電気的に接続されるとき、はんだは、第1のチャネルから露出される第1のピンの第2の導電性表面を覆ってもよく、それによって、第1のピン上のはんだの量を増加させ、第1のピンと外部デバイスとの間の電気的接続の安定性を改善する。
【0012】
オプションで、第1のピンは、第1の表面と交差する回路基板の側面と同一平面にある第2の導電性表面を有し、第2の導電性表面は、第1の導電性サブ表面及び第2の導電性サブ表面を有し、第2の導電性サブ表面は、第1の導電性サブ表面より回路基板の近くに配置され;パッケージデバイスは、第2の導電性サブ表面を覆うはんだマスクをさらに含む。はんだマスクは、第1のピンの第2の導電性サブ表面上に配置され、その結果、第2の導電性表面へのはんだの過剰な流れを防止することができ、それによって、第1のピンの第1の導電性表面上のはんだの量を確保することができる。このようにして、第1のピンと外部デバイスとを接続するのに十分な量のはんだが確保され、第1のピンと外部デバイスとの間の接続の安定性が確保される。
【0013】
オプションで、パッケージデバイスは、第1の導電性サブ表面を覆う第1の導電性保護層をさらに含む。ここで、第1の導電性保護層は、第1の導電性サブ表面の酸化を防止するように構成される。したがって、第1の導電性保護層は、第1の導電性サブ表面の導電特性を保護することができる。
【0014】
オプションで、パッケージデバイスは、第1の導電性表面を覆う第2の導電性保護層をさらに含む。ここで、第2の導電性保護層は、第1の導電性表面の酸化を防止するように構成される。したがって、第2の導電性保護層は、第1の導電性表面の導電特性を保護することができる。
【0015】
オプションで、第1の導電性表面は、第1のプラスチックパッケージ層のものであり且つ回路基板から離れている上面と同一平面である。それは製造に便利である。
【0016】
オプションで、パッケージデバイスは、第1の電子部品をさらに含み、第1の電子部品は、第1の表面上に配置され、回路基板に電気的に接続される。
【0017】
オプションで、第1の電子部品のものであり且つ回路基板から離れている上面が、第1のプラスチックパッケージ層によって覆われる。それは、第1のプラスチックパッケージ層が第1の電子部品を安定させることを確実にする。
【0018】
オプションで、第1の電子部品のものであり且つ回路基板から離れている上面が、第1のプラスチックパッケージ層のものであり且つ回路基板から離れている上面と同一平面である。第1のプラスチックパッケージ層は、第1の電子部品を安定させるが、第1のプラスチックパッケージ層の厚さは、パッケージデバイスの軽量の特徴を可能にするために、可能な限り減らされる。
【0019】
オプションで、回路基板は、第1の表面と反対側に配置された第2の表面をさらに有し;
パッケージデバイスは、第2の表面を覆う第2のプラスチックパッケージ層をさらに含み;
第1のプラスチックパッケージ層の厚さは、第2のプラスチックパッケージ層の厚さに等しい。
【0020】
第2の態様によれば、パッケージデバイスの製造方法が提供され:マザーボードの第1の表面上の各デバイス領域に少なくとも1つの第1のピンをはんだ付けするステップであって、第1のピンはマザーボードに電気的に接続され、水平方向及び垂直方向に交差する複数の切断経路(cutting paths)がマザーボード上に配置され、複数の切断経路は複数のデバイス領域を画定するように交差する、ステップと;第1の表面上に第1のプラスチックパッケージ層を形成するステップであって、第1のチャネルが、第1のピンに対応する位置で第1のプラスチックパッケージ層内に形成され、第1のチャネルは、第1のプラスチックパッケージ層を第1の方向に貫通し、第1の方向は、第1の表面に垂直な方向であり、第1のピンのものであり且つマザーボードから離れている第1の導電性表面が、第1のチャネルから露出され、第1のピンは、第1の導電性表面を使用することによって外部デバイスに電気的に接続され、第1のピンの少なくとも一部は、第1のチャネルの内壁に接続される、ステップと;パッケージデバイスを形成するようにその上に第1のプラスチックパッケージ層が形成されるマザーボードを切断経路に沿って切断するステップと;を含む。従来の技術では、第1のピンは、回路基板が実装された後に第1のピンをはんだ付けされ、プラスチックパッケージ層への熱衝撃が、はんだ付けプロセスで発生する比較的高い熱によって引き起こされる。これは、プラスチックパッケージ層と回路基板との分離をもたらす、又は電子部品と回路基板との間のはんだ接合部の再溶融後の短絡をもたらし、パッケージデバイスの性能に影響を及ぼす。しかし、本出願De提供されるパッケージデバイスの製造方法によれば、第1のプラスチックパッケージ層が形成される前に、第1のピン及び第1の電子部品が回路基板上にはんだ付けされるため、第1のプラスチックパッケージ層に熱衝撃が生じず、第1の電子部品と回路基板との間のはんだ接合部の再溶融がなく、パッケージデバイスの品質を確保することができる。加えて、本出願では、第1の電子部品と第1のピンは、同じステージで回路基板上にはんだ付けされ、第1の電子部品をはんだ付けした後に別のプロセスに入った後、第1のピンをはんだ付けする必要がなく、これにより、パッケージデバイスの製造プロセスを短縮する。
【0021】
オプションで、第1の表面上に第1のプラスチックパッケージ層を形成するステップは:マザーボードの第1の表面上にプラスチックパッケージフィルムを形成するステップであって、プラスチックパッケージフィルムは各第1のピンを包む、ステップと;第1のプラスチックパッケージ層を形成するために第1の導電性表面を露出させるようプラスチックパッケージフィルムを研磨する(grinding)ステップとを含む。
【0022】
オプションで、第1の表面上に第1のプラスチックパッケージ層を形成するステップは:バリアフィルムを第1のピンの第1の導電性表面に取り付けるステップであって、バリアフィルムは各第1のピンの第1の導電性表面に取り付けられる、ステップと;マザーボードとバリアフィルムとの間にプラスチックパッケージ材料を充填するステップであって、プラスチックパッケージ材料は、プラスチックパッケージフィルムを形成するように、各第1のピンのものであり且つ第1の導電性表面と交差する表面を包む、ステップと;第1のプラスチックパッケージ層を形成するために第1の導電性表面を露出させるようにバリアフィルムを除去するステップと;を含む。
【0023】
オプションで、第1の導電性表面を露出させた後に第1の表面上に第1のプラスチックパッケージ層を形成するステップは、さらに:第1のピンとのギャップを有する第1のサブチャネル及び第1のピンに接続された第2のサブチャネルを形成するようにプラスチックパッケージフィルムと第1のピンとの間に溝を作るステップであって、第2のサブチャネルは、第1のサブチャネルと連通し、第1のサブチャネルよりマザーボードの近くに配置される、ステップを含む。
【0024】
オプションで、第1のプラスチックパッケージ層が形成されたマザーボードを切断した後、パッケージデバイスの製造方法は、さらに:第1のピンのものであり、第1の導電性表面と交差し、且つ切断面に最も近い表面を露出させるように切断面を研磨するステップを含む。
【0025】
第3の態様によれば、電子装置が提供され、第1の態様の任意の実装によるパッケージデバイスを含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】従来技術によるパッケージデバイスの構造の概略図である。
【0027】
【
図2】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの構造の概略図である。
【0028】
【
図3】
図2の方向B-B’に沿って取られた断面図である。
【0029】
【
図4】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスと外部デバイスとの間の電気的接続の構造の概略図である。
【0030】
【
図5】本出願の一実施形態による第1のプラスチックパッケージ層の構造の概略図である。
【0031】
【
図6】
図5の方向O-O’に沿って取られた断面図である。
【0032】
【
図7a】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスと外部デバイスとの間の別のタイプの電気的接続の構造の概略図である。
【0033】
【
図7b】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスと外部デバイスとの間のさらに別のタイプの電気的接続の構造の概略図である。
【0034】
【
図8a】本出願の一実施形態による第1のプラスチックパッケージ層の概略平面図である。
【0035】
【
図8b】
図8aの方向D-D’に沿って取られた断面図である。
【0036】
【
図9a】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの概略上面図である。
【0037】
【
図9b】
図9aの方向E-E’に沿って取られた断面図である。
【0038】
【
図9c】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスと外部デバイスとの間のさらに別のタイプの電気的接続の構造の概略図である。
【0039】
【
図10】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスと外部デバイスとの間のさらに別のタイプの電気的接続の構造の概略図である。
【0040】
【
図11a】本出願の一実施形態による別の第1のプラスチックパッケージ層の構造の概略図である。
【0041】
【
図11b】本出願の一実施形態による第1のプラスチックパッケージ層の概略側面図である。
【0042】
【
図12a】本出願の一実施形態によるさらに別の第1のプラスチックパッケージ層の構造の概略図である。
【0043】
【
図12b】本出願の一実施形態による第1のプラスチックパッケージ層の概略側面図である。
【0044】
【
図13a】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの構造の概略図である。
【0045】
【
図13b】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスと外部デバイスとの間のさらに別のタイプの電気的接続の構造の概略図である。
【0046】
【
図14】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの概略側面図である。
【0047】
【
図15】本出願の一実施形態による別のパッケージデバイスの概略側面図である。
【0048】
【
図16】本出願の一実施形態によるさらに別のパッケージデバイスの概略側面図である。
【0049】
【
図17】本出願の一実施形態によるさらに別のパッケージデバイスの概略側面図である。
【0050】
【
図18】本出願の一実施形態によるさらに別のパッケージデバイスの概略側面図である。
【0051】
【
図19】本出願の一実施形態によるさらに別のパッケージデバイスの概略側面図である。
【0052】
【
図20】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの製造方法のフローチャートである。
【0053】
【
図21】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの製造プロセスの概略図である。
【0054】
【
図22】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの製造プロセスの概略図である。
【0055】
【
図23】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの製造プロセスの概略図である。
【0056】
【
図24】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの製造プロセスの概略図である。
【0057】
【
図25】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの製造プロセスの概略図である。
【0058】
【
図26】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの製造プロセスの概略図である。
【0059】
【
図27】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの製造プロセスの概略図である。
【0060】
【
図28】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの製造プロセスの概略図である。
【0061】
【
図29】本出願の一実施形態によるパッケージデバイスの別の製造方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
410:外部デバイス;420:パッケージデバイス;430:はんだ;1:回路基板;2:プラスチックパッケージ層;3:ピン;4:第1のピン;5:第1のプラスチックパッケージ層;51:第1のチャネル;511:第1のサブチャネル;512:第2のサブチャネル;52:プラスチックパッケージフィルム;53:バリアフィルム;6:はんだマスク;7:第1の導電性保護層;71:ニッケルフィルム層;72:金フィルム層;8:第2の導電性保護層;9:第1の電子部品;10:第2のプラスチックパッケージ層;101:第2のチャネル;11:第2のピン;12:第2の電子部品;13:マザーボード131:デバイス領域;132:切断経路。
【発明を実施するための形態】
【0063】
別段の定義がない限り、本出願において使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解する通常の意味を有するものとする。本出願の明細書及び特許請求の範囲において使用される用語「第1」、「第2」、「第3」及び類似の表現は、順番、数量、又は重要性を示すことを意図するものではなく、単に異なる構成要素を区別するために使用されるに過ぎない。したがって、「第1」、「第2」、又は「第3」によって定義される特徴は、明示的に又は暗示的に、特徴の1つ又は複数を含み得る。本出願の実施形態の説明において、別段の記載がない限り、「複数の」は、2つ以上を意味する。
【0064】
「左」、「右」、「上」、及び「下」のような向きの用語は、装置が図面に概略的に配置される向きに関して定義される。これらの方向用語は、相対的概念であり、相対的な説明及び明確化のために使用され、これらは、液晶ディスプレイ装置が配置される向きの変化に基づいて、それに応じて変更することができることを理解されたい。
【0065】
本出願の一実施形態は、パッケージデバイス420を提供する。
図2に示すように、パッケージデバイス420は:回路基板1と、少なくとも1つの第1のピン4と、第1の電子部品(electronic component)9と、第1のプラスチックパッケージ層5とを含む。
【0066】
回路基板1は、プリント回路基板(printed circuit board、PCB)であり得る。
【0067】
これに基づいて、回路基板1は、片面基板又は両面基板のうちの1つであり得る。片面基板は、他のデバイスとの電気的な接続のための1つの表面のみを有し、両面基板は、他のデバイスとの電気的な接続のための反対側の表面のセットを有する。回路基板1は、1つの再分配層を有する単層回路基板であってもよく、又は複数の再分配層を有する多層回路基板であってもよい。再分配層は、積層される導電層及び絶縁層を含む。
【0068】
図3(
図2の方向B-B’に沿って取られた断面図)に示すように、回路基板1は、第1の表面a1を有する。第1のプラスチックパッケージ層5、少なくとも1つの第1のピン4、及び第1の電子部品9は、全て第1の表面a1上に配置される。
【0069】
第1のピン4及び第1の電子部品9の両方は回路基板1に電気的に接続され、第1のプラスチックパッケージ層5は第1の表面a1を覆う。回路基板1が片面基板であるとき、回路基板1の一方の表面のみが他のデバイスに電気的に接続され得るので、その上で回路基板1が他のデバイスに電気的に接続され得る表面は、第1の表面a1であることが理解されよう。
【0070】
第1の電子部品9は、能動電子部品(能動部品)、例えば、トランジスタ、シリコン制御整流器、ダイオード、又はバルブであり得る。第1の電子部品9は、代替的には、受動電子部品(受動部品)、例えば、抵抗器、コンデンサ、又はインダクタであり得る。
【0071】
図4に示すように、第1のピン4のものであり且つ回路基板1に近い導電性表面は、回路基板1に電気的に接続され、第1のピン4のものであり且つ回路基板1から離れた第1の導電性表面b1は、第1のプラスチックパッケージ層5の外側に露出し、パッケージデバイス420と外部デバイス410との間の電気的接続を達成するために、外部デバイス410との電気的接続に使用される。例えば、第1の導電性表面b1は、はんだ430を使用することによって外部デバイス410に電気的に接続され得る。
【0072】
本明細書における外部デバイス410は、例えば、電子部品、チップ、又はパッケージデバイス420以外の回路構造であり得る。
【0073】
第1のピン4は、任意の形状であり得る。第1のピン4は、例えば、円筒形又は四角形であり得る。第1のピン4の材料は、導電性材料であり、例えば、金属であり得る。一例では、第1のピン4の材料は銅である。
【0074】
これに基づいて、
図5に示すように、第1のプラスチックパッケージ層5は、少なくとも1つの第1のチャネル51を含む。
図5では、第1のプラスチックパッケージ層5が複数の第1のチャネル51を含む例を説明のために使用する。
【0075】
図6(
図5のO-O’方向に沿って取られた断面図)に示すように、第1のチャネル51は、第1のプラスチックパッケージ層5を第1の方向Xに貫通し、第1の方向Xは、第1の表面a1に垂直な方向である。この場合、第1の方向Xにおける各第1のチャネル51の寸法h1は、第1の方向Xにおける第1のプラスチックパッケージ層5の寸法に等しい。
【0076】
本出願に記載される「垂直」は、代替的には、絶対的な垂直でなくてもよいことが理解されるべきである。第1の方向Xが第1の表面a1に垂直であるということは、第1の方向Xと第1の表面a1との間に含まれる角度範囲が[90-θ、90+θ]°であることであり得、これは、特定の工学的エラーを含み得、必ずしも厳密には90°ではない。
【0077】
第1のプラスチックパッケージ層5の材料は、絶縁材料、例えば、緑色油、ポリベンゾオキサゾール(polybenzoxazole、PBO)、又はポリイミド(polyimide、PI)である。
【0078】
図3に示すように、1つの第1のピン4は、1つの第1のチャネル51に配置され、第1のピン4のものであり回路基板1から離れたの第1の導電性表面b1は、第1のチャネル51から露出する。
【0079】
言い換えれば、第1のチャネル51は、第1のピン4を収容するように構成されているが、第1のチャネル51は、第1の導電性表面b1を使用することによる第1のピン4の外部デバイス410への電気的接続、又は第1の導電性表面b1の反対側の別の導電性表面を使用することによる第1のピン4の回路基板1への電気的接続に影響を及ぼさない。
【0080】
第1のプラスチックパッケージ層5が第1のピン4を安定化することを可能にするために、いくつかの実施形態では、
図3に示すように、第1のピン4の少なくとも一部が、第1のチャネル51の内壁cに接続される。
【0081】
第1のピン4は、第1のチャネル51に配置されているので、第1のピン4が第1のチャネル51の内壁cに接続される表面は、第1のピン4のものであり且つ第1の導電性表面b1と交差する側面b3であり得ることが理解されよう。第1のピン4のものである第1の導電性表面b1及び第1の導電性表面b1と反対側の表面は、どちらも第1のチャネル51の内壁に接続されなくてよい。
【0082】
第1のピンの側面b3は、第1の導電性表面b1の輪郭の周囲に配置され得る。
【0083】
これにより、
図3に示すように、第1のピン4の側面b3の少なくとも一部は、第1のチャネル51の内壁cに接続される。
【0084】
ここでの接続は、第1のチャネル51の内壁cが第1のピン4に間接的に接続されることであってもよく、又は第1のチャネル51の内壁cが第1のピン4に直接接続されることであってもよい。
【0085】
例えば、製造プロセスにおいて、第1のプラスチックパッケージ層5が形成される前に、第1のピン4及び第1の電子部品9が回路基板1の第1の表面a1上に別々にはんだ付けされ得る。
【0086】
この場合、第1のプラスチックパッケージ層5は、接続を達成するために第1のピン4の側面b3を包み得る。加えて、
図3に示すように、第1のプラスチックパッケージ層5は、第1の電子部品9を覆ってもよく、又は第1のプラスチックパッケージ層5は、第1の電子部品9を露出させてもよい。
【0087】
本出願のこの実施形態で提供されるパッケージデバイス420では、一つには、第1のピン4は回路基板1の第1の表面a1上に配置され、第1の表面a1は第1のプラスチックパッケージ層5で覆われた表面であり、第1のピン4は、別個の空間を占めることなく、第1のプラスチックパッケージ層5によって囲まれた領域内に位置する。第1の表面a1と交差する側面に第1のピン4を配置することと比較して、第1の表面a1に平行な方向におけるパッケージデバイス420の寸法(長さ又は幅)を低減することができ、それによって、パッケージデバイス420の面積を低減することができる。
【0088】
加えて、第1のピン4は、回路基板1の第1表面a1上に配置され、その結果、パッケージデバイス420及び外部デバイスの表面実装アセンブリを実装することができ、異なる構造要件を満たすことができる。
【0089】
別のことについては、第1のピン4の側面b3の少なくとも一部は、第1のプラスチックパッケージ層5に接続され、第1のプラスチックパッケージ層5は、第1のピン4を支持し、その結果、第1のピン4と回路基板1との間の接続の安定性を向上させることができ、第1のピン4が緩むこと及び外れることを防止し、第1のピン4及び回路基板1の基板レベルの信頼性を向上させる。
【0090】
さらに別のことについては、回路基板1の第1の表面a1の表面積は、第1の表面a1と交差する回路基板1の側面に第1のピン4を配置する場合と比較して、第1の表面a1と交差する回路基板1の側面の表面積よりも大きいため、回路基板1の第1の表面a1上に第1のピン4を配置する場合のプロセス精度やプロセス困難性が低く、製造コストを低減できる。
【0091】
以下では、いくつかの例を用いて、本出願のこの実施形態で提供されるパッケージデバイス420の構造を説明する。
【0092】
例1
【0093】
図3に示すように、パッケージデバイス420は、回路基板1、第1のピン4、第1の電子部品9、及び第1のプラスチックパッケージ層5を含む。
【0094】
回路基板1は、第1の表面a1を有する。
【0095】
第1のプラスチックパッケージ層5は、第1の表面a1を覆い、第1のプラスチックパッケージ層5は、少なくとも1つの第1のチャネル51を含み、第1のチャネル51は、第1のプラスチックパッケージ層5を第1の方向Xに貫通する。
【0096】
第1のチャネル51はスルーホールであり、第1のチャネル51は、第1のプラスチックパッケージ層5の側面によって囲まれた領域に位置する。
【0097】
本明細書における第1のチャネル51は、第1のプラスチックパッケージ層5に対してスルーホールであること;言い換えれば、第1のチャネル51は、第1のプラスチックパッケージ層5を貫通することが理解されよう。しかし、パッケージデバイス全体では、第1のチャネル51はブラインドホール(blind hole)であり、第1のチャネル51は回路基板1を貫通しない。第1のプラスチックパッケージ層5の側面は、第1のプラスチックパッケージ層5のものであり且つ回路基板1及び第1の表面a1から離れている上面d1の両方と交差する。
【0098】
1つの第1のピン4は、1つの第1のチャネル51内に位置し、第1のピン4の少なくとも一部は、第1のチャネル51の内壁cに接続される。第1のピン4は、回路基板1に電気的に接続される。
【0099】
第1のピン4のものであり且つ回路基板1から離れた第1の導電性表面b1は、第1のチャネル51から露出される。第1の方向Xは、第1の表面a1に垂直な方向である。
【0100】
第1のピン4は、第1のチャネル51内に位置し、第1のピン4と第1のチャネル51との間の接続関係は、2つの場合を含み得る。
【0101】
第1の場合、
図3に示すように、第1のチャネル51は、第1のピン4の側面b3の一部のみを包み、第1のピン4の側面b3は、第1のチャネル51の内壁cに完全に接続されていない。
【0102】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、第1の方向Xにおける第1のチャネル51の寸法h1は、第1の方向Xにおける第1のピン4の寸法h2(又は第1のピン4の厚さと呼ばれる)より小さい。すなわち、第1のピン4の第1の導電性表面b1は、第1の方向Xにおいて第1のプラスチックパッケージ層5の上面d1より高い。
【0103】
この場合、
図4に示すように、第1のピン4は、第1のチャネル51の外に延びる。第1のピン4と外部デバイス410との間ではんだ付けするプロセスでは、第1のチャネル51の内壁cに接続されていない第1のピン4の側面b3の一部は、はんだ430で覆われ得、それによって、第1のピン4のものであり且つ外部デバイス410に近い側面上のはんだ430の被覆量が増加する。第1のピン4は、はんだ430を用いて外部デバイス410に電気的に接続されるため、第1のピン4と外部デバイス410との間のはんだ430を増加させることは、第1のピン4と外部デバイス410との間の電気的接続の安定性を増大させ得る。
【0104】
第2の場合、第1のチャネル51は、第1のピン4の側面b3を包み、第1のピン4の側面b3は、第1のチャネル51の内壁cに完全に接続される。
【0105】
いくつかの実施形態では、
図7aに示すように、第1の方向Xにおける第1のチャネル51の寸法h1は、第1の方向Xにおける第1のピン4の寸法h2より大きい。すなわち、第1のピン4の第1の導電性表面b1は、第1の方向Xにおいて第1のプラスチックパッケージ層5の上面d1より低い。
【0106】
この場合、第1のチャネル51は、第1のピン4によって完全には満たされない。第1のピン4が外部デバイス410に電気的に接続されるとき、はんだ430を、第1のピン4と外部デバイス410との間のはんだの量を増加させるために、第1のチャネル51に充填することができ、それによって、第1のピン4と外部デバイス410との間の電気的接続の安定性を高める。
【0107】
いくつかの実施形態では、
図7bに示すように、第1の方向Xにおける第1のチャネル51の寸法h1は、第1の方向Xにおける第1のピン4の寸法h2に等しい。すなわち、第1のプラスチックパッケージ層5の上面d1は、第1のピン4の第1の導電性表面b1と同一平面上にある。
【0108】
図7bに示すパッケージデバイス420の製造方法について、いくつかの実施形態では、第1のプラスチックパッケージ層5は、研磨プロセスを使用して処理される。
【0109】
例えば、プラスチックパッケージフィルムは、回路基板1の第1の表面a1上に形成され、プラスチックパッケージフィルムは、各第1のピン4を包む。
【0110】
ここで、プラスチックパッケージフィルムは、各ピンの第1の導電性表面b1及び側面b3を包む。
【0111】
プラスチックパッケージフィルムは、
図7bに示されるパッケージデバイス420を形成するために、第1の導電性表面b1を露出するように研磨される。
【0112】
いくつかの他の実施形態では、第1のプラスチックパッケージ層5は、テープ成形(tape molding)プロセスを用いることによって形成され得る。
【0113】
例えば、製造プロセスにおいて、バリアフィルムが、最初に、第1のピン4の第1の導電性表面b1に取り付けられ、バリアフィルムは、各第1のピン4の第1の導電性表面b1に取り付けられる。
【0114】
バリアフィルムは、各第1のピン4の第1の導電性表面b1に取り付けられ、その結果、バリアフィルムがその後の製造プロセスで除去された後、各第1のピン4の第1の導電性表面b1を、完全な電気的接続を確実にするために、露出させることができる。
【0115】
プラスチックパッケージ材料は、回路基板1とバリアフィルムとの間に充填され、プラスチックパッケージ材料は、第1のプラスチックパッケージ層5を形成するために、各第1のピン4の側面b3を包む。
【0116】
バリアフィルムは、第1の導電性表面b1を露出させるために除去される。
【0117】
第1のプラスチックパッケージ層5と第1の電子部品9との間の寸法関係について、第1のプラスチックパッケージ層5が第1の電子部品9を保護及び安定化することを可能にするために、いくつかの実施形態では、
図3に示すように、第1の電子部品9のものであり且つ回路基板1から離れた上面eが、第1のプラスチックパッケージ層5によって覆われる。
【0118】
言い換えれば、第1の方向Xにおける第1の電子部品9の寸法h3(又は第1の電子部品9の厚さと呼ぶ)は、第1の方向Xにおける第1のプラスチックパッケージ層5の寸法h4(又は第1のプラスチックパッケージ層5の厚さと呼ぶ)より小さい。第1の方向Xにおける第1のプラスチックパッケージ層5の寸法h4は、第1の方向Xにおける第1のチャネル51の寸法h1に等しい。
【0119】
これは、溝が第1のプラスチックパッケージ層5のものであり且つ回路基板1に近い表面に配置されることと等価であり、溝は、第1の電子部品9を収容するように構成される。
【0120】
第1の方向Xにおける第1の電子部品9の寸法h3が過大であるとき、第1の方向Xにおける第1のプラスチックパッケージ層5の寸法h4もまた大きく、これは、第1の方向Xにおけるパッケージデバイス420の大きい寸法をもたらし、パッケージデバイス420の軽量な特徴につながらない。
【0121】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、第1の電子部品9のものであり且つ回路基板1から離れた上面eは、第1のプラスチックパッケージ層5のものであり且つ回路基板1から離れた上面d1と同一平面上にある。
【0122】
言い換えれば、第1の方向Xにおける第1の電子部品9の寸法h3は、第1の方向Xにおける第1のプラスチックパッケージ層5の寸法h4と等しい。
【0123】
図3に示すように、第1の電子部品9の上面eは、第1のプラスチックパッケージ層5の上面d1と同一平面であるため、第1のプラスチックパッケージ層5は、第1の電子部品9の上面eを露出させ得ることが理解されるであろう。これに基づいて、第1のピン4と同様に、第1の電子部品9は、第1のプラスチックパッケージ層5上の第1のチャネル51と同様のチャネルに独立して配置される。
【0124】
第1のチャネル51における第1の電子部品9の安定性を改善するために、いくつかの実施形態では、
図3に示すように、第1の電子部品9は、第1のチャネル51の内壁に接続される。
【0125】
第1の電子部品9はパッケージ層を備えるので、第1のプラスチックパッケージ層5が第1の電子部品9の上面eを露出させても、第1の電子部品9の性能は影響を受けない。
【0126】
図3に示すように、パッケージデバイス420が、第1の方向Xに等しくない寸法を有する複数の第1の電子部品9を含むとき、第1のプラスチックパッケージ層5は、複数の第1の電子部品9のうち第1の方向Xにおいて最大の寸法を有する第1の電子部品9の上面eを露出させ得、残りの第1の電子部品9のすべての上面eは、第1のプラスチックパッケージ層5によって覆われることが留意されるべきである。
【0127】
この例では、第1のピン4の側面b3は、第1のチャネル51の内壁cに完全に接続されており、第1のプラスチックパッケージ層5は、第1のピン4のためのサポートを提供し、それによって、第1のピン4の振動を回避し、第1のピン4と回路基板1との間の接続の安定性を改善する。
【0128】
例2
【0129】
図8a及び
図8b(
図8aの方向D-D’に沿った断面図)に示すように、例2は、第1のピン4を配置するように構成された第1のチャネル51が、接続された第1のサブチャネル511及び第2のサブチャネル512を含み、第2のサブチャネル512が、第1のサブチャネル511より回路基板1の近くに配置されている点で例1と異なる。
【0130】
図9aに示すように、第1のピン4及び第1の電子部品9は、1つの第1のチャネル51内に別々に配置される。
【0131】
図9bに示されるように(
図9aの方向E-E’に沿った断面図)、第1のサブチャネル511の内壁c1に面する第1のピン4の表面と第1のサブチャネル511の内壁c1との間にはギャップzが存在する。
【0132】
いくつかの実施形態では、ギャップzは、例1の第1のプラスチックパッケージ層5に基づいて、レーザ溝形成(laser grooving)によって形成され得る。
【0133】
第1の方向Xにおけるギャップzの寸法は、第1の方向Xにおける第1のチャネル51の寸法h1より小さくてもよい。
【0134】
図9bに示すように、第2のサブチャネル512の内壁c2に面する第1のピン4の表面は、第2のサブチャネル512の内壁c2に接続される。
【0135】
具体的には、第1のサブチャネル511はスルーホールであり、第2のサブチャネル512もスルーホールであり、第2のサブチャネル512の開口は、第1のサブチャネル511の開口より小さい。
【0136】
このようにして、
図9cに示すように、第2のサブチャネル512の内壁c2は、第1のピン4と回路基板1との間の接続を安定化させることができる。第1のサブチャネル511の内壁c1と第1のピン4との間のギャップzは、内壁c1に面する第1のピン4の表面がはんだ430で覆われることを可能にし、それによって、第1のピン4上のはんだ430の量を増加させ、第1のピン4と外部デバイス410との間の電気的接続の安定性を改善する。
【0137】
いくつかの実施形態では、
図10に示すように、ギャップzは、第1のピン4の周囲に円形に配置されないが、第1のピン4の外周の周りの部分的な位置に配置される。
【0138】
この例では、ギャップzは、第1のサブチャネル511の内壁c1に面する第1のピン4の表面と、第1のサブチャネル511の内壁c1との間に形成され、その結果、内壁c1に面する第1のピン4の表面は、はんだ430で覆われるように構成され、それによって、第1のピン4上のはんだ430の量を増加させ、第1のピン4と外部デバイス410との間の電気的接続の安定性を改善する。
【0139】
例3
【0140】
図11aに示すように、例3は、第1のチャネル51が貫通溝であり、第1のチャネル51が第1のプラスチックパッケージ層5の側面d2上に位置するという点で例1及び例2と異なる。
【0141】
この場合、貫通溝の溝壁cは、第1のプラスチックパッケージ層5の側面d2の一部として作用する。
【0142】
第1のプラスチックパッケージ層5の側面d2は、第1のプラスチックパッケージ層5のものであり且つ回路基板1から離れている第1の表面a1及び上面d1の両方と交差する。
【0143】
いくつかの実施形態では、
図11aに示すように、貫通溝の断面積は、第1の方向Xで変化しない。
図11bに示されるように(
図11aにおいてY方向に沿って取られた図)、第1の方向Xにおける貫通溝の溝壁の投影は、2つの平行な線である。
【0144】
いくつかの実施形態では、
図12aに示すように、第1のピン4を配置するように構成された第1のチャネル51は、接続された第1のサブチャネル511及び第2のサブチャネル512を含み、第2のサブチャネル512は、第1のサブチャネル511より回路基板1の近くに配置される。第1のサブチャネル511の断面積は、第2のサブチャネル512の断面積より大きい。
【0145】
図12b(
図12aのY方向に沿って取られた図)に示すように、第1方向Xにおける貫通溝の溝壁の投影は、段付き形状である。第1のサブチャネル511は貫通溝であり、第2のサブチャネル512も貫通溝であり、貫通溝構造を有する第1のチャネル51は段付き溝である。
【0146】
第1のチャネル51と第1のピン4との間の位置関係については、例1及び例2の関連する説明を参照されたい。
【0147】
貫通溝構造を有する第1のチャネル51の形成のために、例えば、
図8aに示す構造が形成された後に、第1のプラスチックパッケージ層5の側面d2が、貫通溝を形成するように、研磨され得る。
【0148】
この例で提供される第1のチャネル51の構造に基づいて、
図13aに示すように、第1のチャネル51は、開口を有する貫通溝であるため、第1のピン4が第1のチャネル51に配置された後、貫通溝の開口は第1のピン4の側面b3の一部を露出させる。この側面は、第2の導電性表面b2と称され、第2の導電性表面b2は、第1の表面a1と交差する回路基板1の側面a2と同一平面である。
【0149】
図13b(
図13aのY方向に沿って取られた図)に示すように、この例のパッケージデバイス420が外部デバイス410に電気的に接続されるとき、はんだ430は、第1のピン4の第2の導電性表面b2を覆い得、それによって、第1のピン4上のはんだ430の量を増加させ、第1のピン4と外部デバイス410との間の電気的接続の安定性を改善する。
【0150】
例4
【0151】
図14に示すように(
図13aのY方向から見た図)、例4は、第2の導電性表面b2が、第1の導電性サブ表面b2-1及び第2の導電性サブ表面b2-2を含み、第2の導電性サブ表面b2-2は、第1の導電性サブ表面b2-1より回路基板1の近くに配置されているという点で例3とは異なる。
【0152】
パッケージデバイス420は、第2の導電性サブ表面b2-2を覆うはんだマスク6をさらに含む。
【0153】
はんだマスク6は、はんだ付け可能ではなく、はんだマスク6上をはんだ流体が流れにくいことを特徴とする。このようにして、はんだ付け中、はんだマスク6は、はんだ付け流体が、回路基板1が位置する側に向かって、第1のピン4の第2の導電性表面b2に沿って流れるのを防止することができる。
【0154】
はんだマスク6の材料は、絶縁材料であってもよいし、表面処理が第1のピン4実行された後に生成される酸化材料であってもよい。この場合、酸化膜が、本明細書中のはんだマスク6として使用される。
【0155】
はんだは、はんだ付けプロセスにおいて、第1のピン4の第2の導電性表面b2に沿って回路基板1が位置する側に向かって流れるため、第1のピン4の第1の導電性表面b1上のはんだの減少又は欠落にさえつながる可能性があり、さらに、第1のピン4と外部デバイスとの接続の安定性に影響を及ぼす。
【0156】
従って、はんだマスク6は、第1のピン4の第2の導電性サブ表面b2-2上に配置され、その結果、第2の導電性表面b2へのはんだ430の過剰な流れを防止することができ、それによって、第1のピン4の第1の導電性表面b1上のはんだ量を確保することができる。このようにして、第1のピン4と外部デバイス410とを接続するためのはんだの十分な量が確保され、第1のピン4と外部デバイス410との接続の安定性が確保される。
【0157】
これに基づいて、第1の導電性サブ表面b2-1の酸化を回避するために、いくつかの実施形態では、
図15に示すように、パッケージデバイス420は、第1の導電性サブ表面b2-1を覆う第1の導電性保護層7をさらに含む。第1の導電性保護層7は、ここでは、第1の導電性サブ表面b2-1の導電特性を確保するために、第1の導電性サブ表面b2-1の酸化を防止するように構成される。
【0158】
いくつかの実施形態では、第1の導電性保護層7は、例えば、スズ液を浸漬することによって形成され得る。
【0159】
この場合、
図15に示すように、第1の導電性保護層7はスズ金属層である。
【0160】
第1の導電性保護層7の精度を改善し、他の部品上の導電性材料を回避するために、いくつかの実施形態では、第1の導電性保護層7は、化学めっきプロセスを使用することによって代替的に形成され得る。
【0161】
例えば、ニッケルフィルム層が最初にめっきされ得、次に金フィルム層がめっきされ得る。
【0162】
この場合、
図16に示すように、第1の導電性保護層7は、積層されたニッケルフィルム層71及び金フィルム層72を含み、ニッケルフィルム層71は、金フィルム層72より第1のピン4の第2の導電性表面b2の近くに配置される。
【0163】
第1の導電性保護層7は、第1の導電性サブ表面b2-1上に配置され、その結果、第1の導電性サブ表面b2-1が絶縁材料に酸化されることにより、第1のピン4の導電性が影響を受けるという問題を回避することができる。
【0164】
例5
【0165】
例5は、
図17に示すように、例1~例4の構造に基づいて、パッケージデバイス420が、第1の導電性表面b1を覆う第2の導電性保護層8をさらに含むという点で、例1~例4と異なる。本明細書の第2の導電性保護層8は、第1の導電性表面b1の導電特性を確保するために、第1の導電性表面b1の酸化を防止するように構成される。
【0166】
第2の導電性保護層8の材料及び製造方法は、第1の導電性保護層7の材料及び製造方法と同じであり得る。
【0167】
第2の導電性保護層8は、第1の導電性表面b1上に配置されているので、第1の導電性表面b1が絶縁材料に酸化されるので第1のピン4の導電特性が影響を受けるという事実に起因するパッケージデバイス420と外部デバイス410との間の電気的接続が影響を受けるという問題を回避することができる。
【0168】
例6
【0169】
例6は、以下の点で例1~例5と異なる:
【0170】
図18に示すように、回路基板1は、第1の表面a1と反対側に配置された第2の表面a3をさらに含む。
【0171】
パッケージデバイス420は、第2の表面a3を覆う第2のプラスチックパッケージ層10をさらに含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、第1のプラスチックパッケージ層5の厚さh4(又は第1の方向Xにおける第1のプラスチックパッケージ層5の寸法と呼ばれる)は、第2のプラスチックパッケージ層10の厚さh5(又は第1の方向Xにおける第2のプラスチックパッケージ層10の寸法と呼ばれる)と等しい。
【0173】
第2のプラスチックパッケージ層10の材料は、第1のプラスチックパッケージ層5の材料と同じであり得る。
【0174】
高温環境では、第1のプラスチックパッケージ層5及び第2のプラスチックパッケージ層10の両方が熱によって変形され、回路基板1に牽引力(traction force)を加える。したがって、第1のプラスチックパッケージ層5の寸法h4を第1の方向Xにおいて第2のプラスチックパッケージ層10の寸法h5と同じに設定することにより、第1のプラスチックパッケージ層5及び第2のプラスチックパッケージ層10によって回路基板1に加えられる牽引力の差を減らすことができ、回路基板1と第1のピン4及び第1の電子部品9との間の電気的接続の安定性、及びパッケージデバイス420の信頼性を確保するために、回路基板1の変形が回避される。
【0175】
いくつかの実施形態では、
図19に示すように、第2のプラスチックパッケージ層10は、第2のチャネル101をさらに含み、第2のチャネル101は、第1の方向Xに第2のプラスチックパッケージ層10を貫通する。
【0176】
第2のチャネル101の構造、配置位置、及び機能については、第1のチャネル51の前述の説明を参照されたい。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0177】
パッケージデバイス420は、少なくとも1つの第2のピン11をさらに含み、第2のピン11は、回路基板1に電気的に接続される。
【0178】
1つの第2のピン11は、1つの第2のチャネル101内に位置し、第2のピン11のものであり且つ回路基板1から離れた第3の導電性表面f1が、第2のチャネル101から露出され、第2のピン11の少なくとも一部は、第2のチャネル101の内壁に接続される。
【0179】
第2のピン11の構造及び第2のピン11と第2のチャネル101との間の構造的関係については、例1~例3の第1のピン4と第1のチャネル51との間の構造的関係の説明を参照されたい。
【0180】
いくつかの実施形態では、
図19に示すように、パッケージデバイス420は、第2の電子部品12をさらに含み、第2の電子部品12は、回路基板1の第2の表面
a3上に配置され、回路基板1に電気的に接続される。
【0181】
例えば、第2のピン11が回路基板1にはんだ付けされるとき、第2の電子部品12と回路基板1とが一緒にはんだ付けされ得る。
【0182】
第2の電子部品12と第2のプラスチックパッケージ層10との間の構造的関係については、第1の電子部品9と第1のプラスチックパッケージ層5との間の構造的関係の前述の説明を参照されたい。
【0183】
言い換えれば、ピン及び電子部品は、回路基板1の第1の表面a1及び第2の表面a3の両方に配置され得、第1の表面a1及び第2の表面a3へのピン及び電子部品の配置方法は同じであり得る。
【0184】
複数の第1のチャネル51及び複数の第2のチャネル101の構造は、完全に同一ではない場合がある。
【0185】
前述の説明によれば、1つのパッケージデバイス420は、前述のいくつかの例に示された解決策を同時に含み得、前述の例に示された特徴の任意の組み合わせは、依然として、本出願の実施形態の保護範囲内にあることが理解されよう。
【0186】
本出願の一実施形態は、パッケージデバイスの製造方法をさらに提供する。
図20に示すように、パッケージデバイスの製造方法は、以下のステップを含む。
【0187】
S10:
図21に示すように、マザーボード13の第1の表面上の各デバイス領域131に少なくとも1つの第1のピン4をはんだ付けし、第1のピン4はマザーボード13に電気的に接続されている。
【0188】
水平方向及び垂直方向に交差する複数の切断経路132が、マザーボード13上に配置され、複数の切断経路132は、少なくとも1つのデバイス領域131を画定するために交差し、1つのデバイス領域131は、1つのパッケージデバイス420に対応する。各デバイス領域131に位置するマザーボード13の一部は、1つのパッケージデバイス420内の回路基板1として働き、デバイス領域131に位置する第1のピン4は、1つのパッケージデバイス420の第1のピン4として働く。
【0189】
いくつかの実施形態では、パッケージデバイスは、第1の電子部品9をさらに含み、少なくとも1つの第1の電子部品9は、マザーボード13の第1の表面上の各デバイス領域131にはんだ付けされる。
【0190】
いくつかの実施形態では、第2のピン11及び第2の電子部品12が、マザーボード13のものであり且つ第1の表面とは反対側の第2の表面に配置される。
【0191】
第1の表面のはんだ付けが完了した後、少なくとも1つの第2のピン11及び少なくとも1つの第2の電子部品12が、マザーボード13の第2の表面上の各デバイス領域131にはんだ付けされる。
【0192】
ここで、はんだ付け方法は、例えば、リフローはんだ付け又はレーザはんだ付けであり得る。
【0193】
S20:
図22に示すように、第1の表面上に第1のプラスチックパッケージ層5を形成する。
【0194】
図23に示すように、第1のプラスチックパッケージ層5は、第1のピン4に対応する位置に第1のチャネル51を形成し、第1のチャネル51は、第1のプラスチックパッケージ層5を第1の方向Xに貫通し、第1のピン4のものであり且つマザーボードから離れている第1の導電性表面b1が、第1のチャネル51から露出され、第1のピン4の少なくとも一部は、第1のチャネル51の内壁cに接続される。
【0195】
いくつかの実施形態では、第1のプラスチックパッケージ層5は、研磨プロセスを使用することにより処理される。
【0196】
例えば、S20は以下を含む。
【0197】
図24に示すように、プラスチックパッケージフィルム52が、マザーボード13の第1の表面上に形成され、プラスチックパッケージフィルム52は、各第1のピン4を包む。
【0198】
ここで、プラスチックパッケージフィルム52は、各ピンのものである第1の導電性表面b1及び第1の導電性表面b1と交差する第1の導電性表面b1を包む。
【0199】
プラスチックパッケージフィルム52は、
図23に示すように、第1の導電性表面b1を露出させるために研磨される。
【0200】
いくつかの他の実施形態では、第1のプラスチックパッケージ層5は、テープ成形((tape molding)プロセスを使用することによって形成される。
【0201】
例えば、S20は以下を含む。
【0202】
図25に示すように、バリアフィルム53は、第1のピン4の第1の導電性表面b1に取り付けられ、バリアフィルム53は、各第1のピン4の第1の導電性表面b1に取り付けられる。
【0203】
バリアフィルム53は、各第1のピン4の第1の導電性表面b1に取り付けられ、その結果、バリアフィルム53が除去された後に、完全な電気的接続が確保されるように、各第1のピン4の第1の導電性表面b1を露出させることができることを確実にすることができる。
【0204】
図26に示すように、プラスチックパッケージ材料が、マザーボード13とバリアフィルムとの間に充填され、プラスチックパッケージ材料は、プラスチックパッケージフィルム52を形成するように、各第1のピン4のものであり且つ第1の導電性表面b1と交差する表面を囲む。
【0205】
バリアフィルム53は、
図23に示すように除去されて、第1の導電性表面b1を露出させる。
【0206】
上述の説明に基づいて、いくつかの実施形態では、第1の導電性表面b1が露出された後、S20は、さらに、以下を含む。
【0207】
図27に示すように、溝が、第1のピン4とのギャップを有する第1のサブチャネル511と、第1のピン4に接続された第2のサブチャネル512とを形成するように、プラスチックパッケージフィルム52と第1のピン4との間に作られる。
【0208】
第2のサブチャネル512は、第1のサブチャネル511と連通し、第2のサブチャネル512は、第1のサブチャネル511よりマザーボード13の近くに配置される。
【0209】
例えば、ピン4の周囲のプラスチックパッケージ材料は、レーザを使用することによって除去され得、溝が第1のピン4と第1のチャネル51との間に作られる。第1のピン4との溝を有する第1のチャネル51の一部は、第1のサブチャネル511として機能し、第1のピン4に接続される第1のチャネル51の一部は、第2のサブチャネル512として機能する。
【0210】
パッケージデバイスの製造方法は、さらに:第2のプラスチックパッケージ層10を形成することを含む。
【0211】
図18に示すように、第2のピン11及び第2の電子部品12がマザーボード13の第2の表面に配置されていない場合、第2のプラスチックパッケージ層10は、完全なフィルム層であることが理解されよう。
【0212】
図19に示すように、第2のピン11及び第2の電子部品12がマザーボード13の第2の表面に配置されるとき、第2のプラスチックパッケージ層10は、第2のピン11及び第2の電子部品12の一部を配置するように構成された第2のチャネル101を含む。
【0213】
複数の切断経路132が1つのデバイス領域131を画定するために交差するとき、パッケージデバイス420の製造は完了する。複数の切断経路132が複数のデバイス領域131を画定するために交差するとき、パッケージデバイス420の製造方法は、さらに、以下のステップを含む。
【0214】
S30:
図28に示すパッケージデバイス420を形成するように、第1のプラスチックパッケージ層5が形成されているマザーボード13を切断経路132に沿って切断する。
【0215】
図29に示すように、いくつかの実施形態では、パッケージデバイスの製造方法は、以下のステップをさらに含む。
【0216】
S40:
図2に示すパッケージデバイス420を形成するために、第1のピン4のものであり、第1の導電性表面b1と交差し、且つ切断面に最も近い表面を露出させるように、切断面(
図28のW表面)を研磨する。
【0217】
研磨後に露出される表面は、第1のピン4のものであり且つ第1の導電性表面b1と交差する表面の一部であることが理解されよう。例えば、第1のピン4が四角形のプリズムであるとき、研磨後に露出する表面は、第1のピン4のものであり且つ第1の導電性表面b1と交差する表面のうち、切断面に最も近い表面である。
【0218】
研磨後に露出される表面は、第1のピン4の第2の導電性表面b2として使用され、第2の導電性表面b2は、最終的に形成されるパッケージデバイスのものであり且つ第1表面a1と交差する側面と同一平面である。
【0219】
研磨は、1つの切断面上でのみ実行され得る、又は複数の切断面上で実行され得る。ここでの切断面は、パッケージデバイスのものであり且つ第1の表面a1と交差する、切断経路132に沿って切断することによって形成された側面である。
【0220】
前述のパッケージデバイスと同じ有益な効果を有することに加えて、本出願のこの実施形態で提供されるパッケージデバイスの製造方法は、さらに以下の特徴を有する。
【0221】
従来の技術では、回路基板1がパッケージ化された後に第1のピン4がはんだ付けされ、プラスチックパッケージ層5への熱衝撃がはんだ付けプロセスで発生する比較的高い熱によってもたらされ、これは、プラスチックパッケージ層5と回路基板1の分離をもたらし、又は電子部品9と回路基板1との間のはんだ接合部の再溶融後の短絡をもたらし、パッケージ装置の性能に影響を及ぼす。しかし、本願で提供されるパッケージデバイスの製造方法によれば、第1のプラスチックパッケージ層5が形成される前に、第1のピン4及び第1の電子部品9が回路基板1にはんだ付けされるため、第1のプラスチックパッケージ層5に熱衝撃が生じず、第1の電子部品9と回路基板1との間のはんだ接合部の再溶融がなく、パッケージデバイスの品質を確保することができる。
【0222】
加えて、この出願では、第1の電子部品9及び第1のピン4は、第1の電子部品9をはんだ付けすることに続いて別のプロセスに入った後第1のピン4をはんだ付けする必要なしに、同じ製造段階で回路基板1上にはんだ付けされ得、それにより、パッケージデバイスの製造工程を短縮する。
【0223】
本出願の一実施形態は、さらに、電子デバイスを提供し、電子デバイスは、前述のパッケージデバイス420のうちのいずれか1つを含む。本出願のこの実施形態で使用される電子デバイスは、例えば、タブレットコンピュータ、携帯電話、電子リーダ、リモートコントロール、パーソナルコンピュータ(personal computer、PC)、ノートブックコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、車載デバイス、ネットワークテレビ、ウェアラブルデバイス、テレビ、基地局、リレー、又は無線ネットワーク内のネットワークデバイスなどのディスプレイデバイス又は通信デバイスであり得る。電子デバイスの具体的の形態は、本出願のこの実施形態では特に限定されない。説明を容易にするために、電子デバイスが無線通信デバイス、例えば、携帯電話又は基地局である例が以下の説明のために使用される。
【0224】
一例では、電子デバイスは携帯電話である。この場合、パッケージデバイス420は、例えば、電力モジュールであり得、外部デバイス410は、例えば、メインボードであり得、メインボードは、プリント回路基板(printed circuit board、PCB)の形態で実装され得る。
【0225】
別の例では、電子デバイスは基地局である。この場合、パッケージデバイス420は、例えば、電力モジュール又は無線周波数モジュールであり得、外部デバイス410は、PCBの形態で実装され得る。
【0226】
前述の説明は、本出願の単なる具体的な実装であるが、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本出願に開示された技術的範囲内で、当業者が容易に理解することができる変更又は置換は、本出願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。