(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】カップリングを選択的に結合又は分離する方法、及びそのためのカップリング
(51)【国際特許分類】
F15B 20/00 20060101AFI20240205BHJP
【FI】
F15B20/00 Z
F15B20/00 B
(21)【出願番号】P 2022512468
(86)(22)【出願日】2020-08-12
(86)【国際出願番号】 NL2020050508
(87)【国際公開番号】W WO2021040515
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-06-02
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(32)【優先日】2020-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521045450
【氏名又は名称】ホルマトロ・ベー・フェー
【氏名又は名称原語表記】HOLMATRO B.V.
【住所又は居所原語表記】Lissenveld 30,4941 VL RAAMSDONKSVEER,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンデル・シモン・ヨハネス・ファン・ダム
(72)【発明者】
【氏名】マリナス・ペトルス・ヘラルドゥス・スヒッペルス
(72)【発明者】
【氏名】レネ・ヴィルヘルムス・ヨハネス・ファン・エイントホーフェン
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0113027(US,A1)
【文献】実開昭52-044991(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102013207298(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00-11/22;21/14
F15B 20/00-21/12
F03D 1/00-80/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給導管内の圧力に基づいて、前記供給導管とシリンダとの間に配置されたリリースを備えたカップリングを選択的に結合又は分離するための方法であって、
-前記供給導管内の圧力に基づいて前記シリンダに圧媒液を供給するために、前記供給導管内に広がる動作圧力を提供するステップと、
-前記供給導管及び前記シリンダの遮断弁を作動させる目的、及び前記カップリングを分離する前記リリースを作動させる目的で、前記供給導管内に広がる分離圧力を提供するステップと
を備える、方法。
【請求項2】
前記カップリング及び前記シリンダの前記分離の後に、前記カップリングに接続された前記供給導管を前記カップリングとともに除去するステップをさらに備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シリンダを基礎構造上に残すステップをさらに備える、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記供給導管内に排出圧力が広がるときに、前記カップリングの前記分離の前に、前記圧媒液を前記シリンダから排出するステップを備える、
請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記動作圧力の圧力レベルよりも低い圧力レベルの前記排出圧力を前記供給導管内に提供するステップを備える、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記排出圧力を設定する前に、排出位置設定圧力を提供するステップを備える、
請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記排出位置設定圧力を提供することは、前記供給導管内に広がる圧力を、前記動作圧力のレベルから、前記排出位置設定圧力の圧力レベルよりも高い圧力に、上昇させることを備える、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記供給導管内に広がる前記分離圧力を提供することは、前記排出圧力の圧力レベルよりも高い圧力の分離圧力を提供することを備える、
請求項4から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記供給導管内に広がる前記分離圧力を提供することは、前記動作圧力の圧力レベルよりも高い圧力の分離圧力を提供することを備える、
請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記供給導管内に広がる前記分離圧力を提供することは、前記排出位置設定圧力の圧力レベルよりも高い圧力の分離圧力を提供することを備える、
請求項6
又は請求項6を引用する請求項7から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つの制御弁が、前記供給導管内に排出圧力が広がるときに、前記シリンダから離れる圧媒液の流れを受け入れるとともに、前記シリンダへの圧媒液の流れを遮断する逆止弁として選択的に機能する、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記排出圧力を提供することは、前記供給導管内に広がる圧力を、前記動作圧力のレベルから、前記排出圧力のより低い圧力レベルに、低下させることを備える、
請求項4又は5に記載の方法。
【請求項13】
前記供給導管内に広がる前記分離圧力を提供することは、前記排出圧力の圧力レベルよりも低い圧力の前記分離圧力を提供することを備える、
請求項4、5又は11に記載の方法。
【請求項14】
カップリングに接続された供給導管をシリンダに/シリンダからそれぞれ結合及び分離するためのカップリングであって、
-液圧制御可能なリリースと、
-少なくとも前記リリースに接続された液圧制御装置であって、
-前記供給導管内に動作圧力が広がったときに、前記シリンダに圧媒液を提供し、
-前記供給導管内に分離圧力が広がったときに、前記リリースを作動させて前記カップリングを分離する
ように構成された液圧制御装置と
を備える、カップリング。
【請求項15】
前記カップリングは、前記シリンダから分離された後に前記供給導管に接続されたままであるように構成されている、
請求項14に記載のカップリング。
【請求項16】
前記液圧制御装置は、前記供給導管内に排出圧力が広がるときに、前記圧媒液を前記シリンダから排出するように構成されている、
請求項14又は15に記載のカップリング。
【請求項17】
前記シリンダ及び前記供給導管に遮断弁をさらに備え、前記リリースを作動させることによって前記遮断弁が作動され得る、
請求項14から16までのいずれか1項に記載のカップリング。
【請求項18】
前記供給導管内に動作圧力が広がるときに、少なくとも前記シリンダへの圧媒液の流れを受け入れるように構成されている少なくとも1つの制御弁をさらに備える、
請求項14から17までのいずれか1項に記載のカップリング。
【請求項19】
前記少なくとも1つの制御弁は、前記供給導管内に動作圧力が広がるときに、前記シリンダから離れる圧媒液の流れを遮断するように構成されている、
請求項18に記載のカップリング。
【請求項20】
前記少なくとも1つの制御弁のうちの1つは、前記供給導管内に動作圧力が広がるときに、前記シリンダから離れる圧媒液の流れを遮断する逆止弁として機能するように構成されている、
請求項19に記載のカップリング。
【請求項21】
前記少なくとも1つの制御弁のそれぞれは、前記供給導管内が排出位置設定圧力に達した後、及び前記供給導管内に排出圧力が広がるときに、前記シリンダから離れる圧媒液の流れを受け入れるようにさらに構成されている、
請求項18から20までのいずれか1項に記載のカップリング。
【請求項22】
前記少なくとも1つの制御弁のうちの少なくとも1つは、前記供給導管内に排出圧力が広がるときに、前記シリンダから離れる圧媒液の流れを受け入れるとともに、前記シリンダへの圧媒液の流れを遮断するように構成された逆止弁として選択的に機能するように構成されている、
請求項21に記載のカップリング。
【請求項23】
前記少なくとも1つの制御弁のうちの少なくとも1つは、前記供給導管内に分離圧力が広がるときに、前記シリンダへの圧媒液の流れを遮断するように構成された逆止弁として選択的に機能するように構成されている、
請求項18から22までのいずれか1項に記載のカップリング。
【請求項24】
前記供給導管内に前記排出位置設定圧力又は前記分離圧力が広がるときに、前記少なくとも1つの制御弁への流れを受け入れるように構成されたシーケンス弁をさらに備え、この少なくとも1つの制御弁は、この受け入れられた流れに基づいて、
-前記シリンダへの圧媒液の流れを受け入れるとともに、前記シリンダから離れる圧媒液の流れを遮断するように構成された逆止弁としての設定から解放され、
-前記シリンダから離れる圧媒液の流れを受け入れるとともに、前記シリンダへの圧媒液の流れを遮断するように構成された逆止弁として設定される、
ように構成されている、
請求項21
又は請求項21を引用する請求項22若しくは2
3に記載のカップリング。
【請求項25】
前記少なくとも1つの制御弁は、第1制御弁及び第2制御弁を備え、
-前記第1制御弁は、この受け入れられた流れに基づいて、逆止弁としての設定から解放されるように構成されており、
-前記第2制御弁は、この受け入れられた流れに基づいて、前記シリンダから離れる圧媒液の流れを受け入れるとともに、前記シリンダへの圧媒液の流れを遮断するように構成された逆止弁として設定されるように構成されている、
請求項24に記載のカップリング。
【請求項26】
前記供給導管内に分離圧力が広がるときに、前記リリースへの流れを受け入れるように構成されたさらなるシーケンス弁を備え、前記リリースは、この受け入れられた流れに基づいて、前記カップリングを解放及び分離するように構成されている、
請求項24又は25に記載のカップリング。
【請求項27】
前記排出位置設定圧力に対応する位置に前記制御弁をロックするように構成された機械的ロックをさらに備える、
請求項24又は26に記載のカップリング。
【請求項28】
ポンプ、シリンダ、前記ポンプと前記シリンダとの間の供給導管、及び請求項14から27までのいずれか1項に記載のカップリングを備える、アセンブリ。
【請求項29】
前記ポンプを制御するとともに、少なくとも動作圧力又は分離圧力を備える群から前記供給導管内に圧力を選択的に生成するために前記ポンプを制御するように構成された制御装置をさらに備える、
請求項28に記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記ポンプを制御する前記制御装置は、前記供給導管内に排出圧力を選択的に生成するために前記ポンプを制御するようにさらに構成されている、
請求項29に記載のアセンブリ。
【請求項31】
請求項28から30までのいずれか1項に記載のアセンブリのための又は前記アセンブリの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップリングを選択的に結合又は分離する方法に関し、より具体的には、供給導管内の圧力に基づいて、供給導管とシリンダとの間に配置されたリリースを備えたカップリングを選択的に結合又は分離する方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、カップリングに接続された供給導管をシリンダに/シリンダからそれぞれ結合及び分離するためのカップリング、並びにそのようなカップリングを備えるアセンブリ、及びそのようなアセンブリのための制御装置に関する。
【背景技術】
【0003】
沖合に配置される多くの建造物は、基礎及び上部で構成されている。時折、それらの間にトランジションピースが存在することもある。それらが設置されるときに、建造物のパーツの間に一時的な接続を形成することがしばしば必要である。この用途での液圧シリンダの使用が一般的に受け入れられている。最終的な接続が行われた後、シリンダが再び解放されて、最終的な接続が建造物のパーツ間で力を伝達する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のカップリングが分離されるとき、カップリングが液圧シリンダから分離された後に、限られた量の圧媒液がシリンダから海に流れるのが一般的である。シリンダは一般的にあとに残り、カップリング及び供給導管だけが海から持ち上げられる。分離の操作は、一般に、この目的のために構成された液圧導管を介して行われ、それによって、従来のシステムでは、圧力下のシリンダに液圧媒体を供給するための液圧供給導管に加えて、結合を操作する目的で第2液圧導管も設けられる。
【0005】
本発明の目的は、記載された欠点が発生しないか又は少なくともより少ない程度で発生する方法及びカップリングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
述べられた目的は、供給導管内の圧力に基づいて、供給導管とシリンダとの間に配置されたリリースを備えたカップリングを選択的に結合又は分離するための方法を用いる本発明に従って達成され、その方法は、
-前記供給導管内の圧力に基づいてシリンダに圧媒液を提供するために、供給導管内に広がる動作圧力を提供するステップと、
-供給導管及びシリンダの遮断弁を作動させる目的、及びカップリングを分離するリリースを作動させる目的で、供給導管内に広がる分離圧力を提供するステップと
を備える。
【0007】
本発明によれば、カップリングを異なる位置間で切り替えることを可能にするために供給導管内に広がる圧力が使用され得るので、単一の液圧導管であっても分離を引き起こすことが可能であり、圧媒液が周辺エリアに漏れることがさらに防止される。これにより、供給ホース及びシリンダの分離前に、あとに残っているシリンダからの圧媒液をシリンダから供給ホースに排出するオプションも作成される。
【0008】
本発明はさらに、カップリングに接続された供給導管をシリンダに/シリンダからそれぞれ結合及び分離するためのカップリングであって、
-液圧制御可能なリリースと、
-少なくともリリースに接続された液圧制御装置であって、
-供給導管内に動作圧力が広がったときに、シリンダに圧媒液を提供し、
-供給導管内に分離圧力が広がったときに、リリースを作動させてカップリングを分離する
ように構成されている液圧制御装置と
を備える、カップリングに関する。
【0009】
特に有利な好ましい実施形態は、従属請求項の主題を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の好ましい実施形態は、以下の図面を参照して、以下の説明においてさらに説明される。
【0011】
【
図1A】
図1Aは、本発明による、水平方向/垂直方向へのトランジションピース(TP)の液圧調整の概略図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明によるモノパイルに対するトランジションピースの液圧固定の概略図である。
【
図3】
図3は、様々な状況における本発明の第1の好ましい実施形態によるカップリングの断面図である。
【
図4】
図4は、様々な状況における本発明の第1の好ましい実施形態によるカップリングの断面図である。
【
図5】
図5は、様々な状況における本発明の第1の好ましい実施形態によるカップリングの断面図である。
【
図6】
図6は、供給導管への第2の好ましい実施形態によるカップリングと結合されたシリンダの概略断面図である。
【
図7】
図7は、第2の好ましい実施形態によるカップリングの半透明の斜視図である。
【
図9】
図9は、
図6及び
図7に示されるカップリングの第1及び第2シーケンス弁の断面図である。
【
図13】
図13は、第2の好ましい実施形態によるカップリングの液圧図である。
【
図19】
図19は、供給導管への第3の好ましい実施形態によるカップリングと結合されたシリンダの側面図である。
【
図20】
図20は、第3の好ましい実施形態によるカップリングの概略断面図である。
【
図21A】
図21Aは、遮断ピンが遮断位置にある第3の好ましい実施形態によるカップリングの断面図である。
【
図21B】
図21Bは、遮断ピンが非遮断位置にある第3の好ましい実施形態によるカップリングの断面図である。
【
図22A】
図22Aは、引込ピンが結合位置にある第3の好ましい実施形態によるカップリングの断面図である。
【
図22B】
図22Bは、引込ピンが分離位置にある第3の好ましい実施形態によるカップリングの断面図である。
【
図23】
図23は、供給導管への第4の好ましい実施形態によるカップリングと結合されたシリンダの概略断面図である。
【
図24】
図24は、第4の好ましい実施形態によるカップリングの半透明の斜視図である。
【
図35】
図35は、トランジションピースとシリンダとの間に配置されたリリースの概略図である。
【
図36】
図36は、回収可能な固定シリンダを備えたさらに好ましい実施形態の概略図である。
【
図37】
図37は、第2及び第3の好ましい実施形態によるカップリングの適用における典型的な圧力変動の概略図である。
【
図38】
図38は、第1の好ましい実施形態によるカップリングの適用における典型的な圧力変動の概略図である。
【
図39】
図39は、回収可能な固定シリンダを備えたさらに好ましい実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
風力タービンの基礎の配置では、基礎はモノパイル又はMPと呼ばれる。基礎とマストとの間のトランジション部分は、トランジションピース又はTPと呼ばれる。トランジションピースをモノパイル上に配置したとき、構造内の2つの場所に液圧シリンダの機能がある(
図1A及び
図1B)。
【0013】
図1Aは、シリンダ77を使用したトランジションピースTPの水平/垂直方向への液圧調整を示している。これらのシリンダ77は、通常TPに取り付けられ、そこから、液圧ポンプを使用してオペレーターによって操作もされる。TPの向きが設定されたとき、TPはMPに対して一時的に固定される。モノパイルMPは海底78にあり、トランジションピースTPはタービン79を搭載している。
【0014】
図1Bは、液圧シリンダ77を使用した、MPに対するTPの液圧固定を示している。これにより、最終的な接続の配置中に部品が相互に移動しないことが確実にされる。この場合、これはセメントの一種であるグラウト71である。グラウト71が硬化した後、構造の2つの部分の間で伝達されなければならない力が純粋にグラウト接続を介して伝達されることを確実にするために、シリンダ77を解放する必要がある。
【0015】
上記において、挑戦は、固定シリンダ77が水面76の下に取り付けられているという事実にある。このため、シリンダ77は遠隔制御されなければならない。追加の問題は、固定シリンダ77へのすべての液圧導管が設置プロセスの後に除去されなければならず、そこに放出される圧媒液を無くすか又は少なくともそこに放出される圧媒液を可能な限り少量にすべきということである。
【0016】
本先行技術において、説明された問題を解決するための大まかに2つの方法が存在する。
【0017】
第1の解決策は、
図2A及び
図2Bに示されている。シリンダ77への供給導管に逆止弁80が配置されている。これにより、油がシリンダ77に入ることができるが、シリンダ77から出ることができないことが確実にされる。これにより、シリンダ77が耐荷重性であることが確実にされる。シリンダ77と逆止弁との間の短い長さのホースにホースカッター81が取り付けられている。このカッターは、独自の供給導管82を有している。基礎のグラウト71が十分に硬化したとき、ホースカッター81が作動される。これにより、シリンダ77と逆止弁80との間のホースが切断される。シリンダ77は、シリンダ77に取り付けられたバネによって戻る。シリンダ77に存在する媒体は海に流れ込む。これは望ましくないが、限られた量の媒体しかないため、状況によっては許容できるかもしれない。次に、シリンダ77につながるホースとホースカッター81を備えたホースとの両方を、水面76の上に上向きに引っ張ることができる。シリンダ77は、構造の後ろに残っているが、もはや荷重に耐えることができない。
【0018】
さらなる先行技術の開発(図示せず)は、シリンダに取り付けられた弁である。弁には2つの供給導管が設けられている。1つはシリンダを操作するために使用される。シリンダに圧力がかかり、グラウトが硬化した後、再び圧力が解放される。シリンダは、シリンダに取り付けられたスプリングによって戻る。シリンダ内に存在する媒体は、TPの上(タンク内)に収集される。次に、第2のホースを使用して分離機構に制御圧力を伝達する。これにより、グラウトプロセス後にシリンダから弁が分離される。次に、2本のホースによって弁が水面より上の位置まで引き上げられる。
【0019】
本発明は、供給導管内の圧力に基づいて、供給導管とシリンダとの間に配置されたリリースを備えたカップリングを選択的に結合又は分離するための方法であって、
-供給導管内の圧力に基づいてシリンダに圧媒液を供給するために、供給導管内に広がる動作圧力を提供するステップと、
-供給導管及びシリンダの遮断弁を作動させる目的、及びカップリングを分離するリリースを作動させる目的で、供給導管内に広がる分離圧力を提供するステップと
を備える、方法に関する。
【0020】
この方法を実行できるようにするために、カップリングは、カップリングに接続された供給導管をシリンダに/シリンダからそれぞれ結合及び分離する目的でさらに提供される本発明によるものであり、
-液圧制御可能なリリースと、
-少なくともリリースに接続された液圧制御装置であって、
-供給導管内に動作圧力が広がったときに、シリンダに圧媒液を供給し、
-供給導管内に分離圧力が広がったときに、リリースを作動させてカップリングを分離する
ように構成された液圧制御装置と
を備える。
【0021】
以下に説明する実施形態は、少なくとも1つのばね戻り圧力シリンダ1、雌カップリング半体6及び雄カップリング半体7からなる少なくとも1つの液圧カップリング2、リリース機構5、並びにポンプ4によって遠隔から液体が供給されて圧力がかけられることができる1つのみの液体供給導管3を備える。
【0022】
本発明によれば、以下の3つの機能のうちの少なくとも2つが、少なくとも3つの圧力ステップで順次作動され、例えば以下を含む:
-第1機能(以下「動作機能」とも呼ばれる);第1機能では、シリンダは、シリンダが意図されている機能を果たすために、伸長されるとともに、必要とされる動作圧力(500バール)がかけられる;
-第2機能(以下「排出機能」とも呼ばれる);第2機能では、シリンダは、解放され、少なくとも部分的に引っ込められる;及び
-第3機能(以下「分離機能」とも呼ばれる);第3機能では、リリース機構が作動されて、カップリング半体が分離される。
【0023】
リリース機構は、制御可能なカップリングの実施形態である。第1の好ましい実施形態(
図3~
図5)では、シリンダアセンブリ1aは、シーソー部材9に枢動可能に接続された引込ピン8a(
図4及び
図5に示される)を内部的に備える。プランジャ12aは、牽引スプリング13aによって引込位置に付勢されている。設置前に、枢軸点11を中心に枢動するスペースがシーソー部材9に与えられ、引込ピン8aが伸長位置を取ることができるように(
図4)、プランジャ12aが部分的に伸長される必要がある。この伸長位置では、すでに接続されているカップリング半体6a,7aが引込ピン8aによって固定されている。引込ピン8aが伸長位置を取ることができるようにプランジャ12aを伸長するために必要な力は、
図3に示されているポンプ4aによって供給導管3aに5バールの動作圧力を加えることによって実現される。カップリング半体6a,7aは、これら2つのカップリング半体6a,7aが結合されたときに互いに押して開く逆止弁32a,33aをそれぞれ有している。しかしながら、カップリング半体6a,7aが分離されたとき、逆止弁が閉じ、従って油漏れを防ぐ。
【0024】
設置後、上記の動作機能を実行でき、ここでは、ポンプ4aによって、500バールの動作圧力が、供給導管3a内に、従ってシリンダチャンバ15a内に加えられる。従って、シリンダアセンブリ1aは、通常の動作で意図されている機能、すなわちクランプ力を加えることを果たす。
【0025】
上記の排出機能は、ポンプ4aの位置に配置されている弁16a(
図3に示されている)を開き、動作圧力を500バールから5バールに下げることによって作動される。プランジャ12aは、牽引スプリング13aを使用して引っ込み、シリンダチャンバ15aからの圧媒液は、カップリング半体6a,7a、供給導管3a及び弁16aを介して流れてリザーバー17aに戻る。これにより、シリンダ1aは少なくとも部分的に引っ込まれる。
【0026】
次に、上記の分離機能が作動される。動作圧力が5バールより低くなるとき、牽引スプリング13aはプランジャ12aをさらに引っ込める。これにより、プランジャ12aは、枢軸点10の位置でシーソー要素9と接触し、プランジャ12aがさらに引っ込められたとき、シーソー要素9が、枢軸点11の周りを枢動し、次に引込ピン8aを引込位置に付勢する(
図5)。これにより、カップリング半体6a,7aはもはや機械的に固定されなくなる。次に、圧縮ばね14aは、2つのカップリング半体6a,7aを離すように付勢する。2つのカップリング半体6a,7aの逆止弁が閉じ、それにより、シリンダチャンバ15a又は供給導管3aからの残りの液体が漏れることができない。これにより、設置後に手動で取り外す必要がある一時的な機械的ロックにより、一方では圧力無しでTPにシリンダを取り付けている間、又は他方では、圧力が5バール(及びそれ以上)(動作圧力まで)に上昇した場合に、リリースがこの状態(これに伴うすべての結果を含む)になるのを防ぐ。
【0027】
第2の好ましい実施形態(
図6~
図18)では、シリンダアセンブリ1bが雌カップリング半体6bに接続され、弁アセンブリ18が雄カップリング半体7b及び供給導管3bに接続されている。2つのカップリング半体6b,7bの間に配置されているのは、圧縮ばね14bである。弁アセンブリ18に対するシリンダアセンブリ1bの設置中に、圧縮ばね14bが圧縮され、圧縮ばね31によってスリーブ29の溝30に押し込まれる少なくとも1つの引込ピン8bによって、2つのカップリング半体6b,7bが機械的に固定される。カップリング半体6b,7bは、2つのカップリング半体6b,7bが結合されたときに互いに押して開く逆止弁32,33をそれぞれ備える。しかしながら、カップリング半体6b,7bが分離されているとき、逆止弁32,33が閉じ、従って油漏れを防ぐ。
【0028】
シーケンス弁20,21(
図9)は両方とも、調整ねじ28、圧縮ばね24、コーン27、弁座22、ラジアルシール23、供給開口部25及び排出開口部26を備え、弁座22の直径はラジアルシール23の直径よりも実質的に小さい。調整ねじ28を締めることによる圧縮ばね24の調整によって決定された力で、コーン27が弁座22に押し付けられる。加圧液体が供給開口部25に加えられたとき、圧縮ばね24の方向にコーン27上で力が生じる。所定の又は事前に設定された閾値(シーケンス弁20,21毎に異なる)に圧力が上昇したとき、コーンは弁座22から押し出される。この目的のために必要な圧力値は、調整ねじ28を締めることによる多少の力で圧縮ばね24をコーン27に対して押し付けることによって、調整可能である。コーン27が弁座22から押し出されたとき、ラジアルシール23に対して加圧液体が押し付けられる。弁座22とラジアルシール23との間の直径の違いにより、次にコーン27は、実質的により低い圧力で再び弁座22に戻る。これにより、供給開口部25と排出開口部26との間の圧力降下が最小化される。
【0029】
第1シーケンス弁20の圧縮ばね24は、第1シーケンス弁20のコーン27が600バールの動作圧力で開くとともに90バールの動作圧力で閉じるように、設定されている。
【0030】
第2シーケンス弁21の圧縮ばね24は、第2シーケンス弁21のコーン27が700バールの動作圧力で開くとともに100バールの動作圧力で閉じるように、設定されている。
【0031】
第1制御弁19(
図10)は、ボール35、弁座36、制御プランジャ39、第1圧縮ばね40、第2圧縮ばね43、ラジアルシール41、第1供給開口部38、第2供給開口部42及び排出開口部37を備え、弁座36の直径はラジアルシール41の直径よりも小さく、圧縮ばね40は制御プランジャ39を遮断位置に付勢するように構成されている。制御プランジャ39が遮断位置にあるとき、圧縮ばね43によってボール35が弁座36に押し付けられる。これにより、排出開口部37から来る油が遮断される。供給開口部38から来る油は、圧縮ばね43を圧縮し、ボール35を弁座36から持ち上げる。従って、油の流れは、供給開口部38から来るときにのみ受け入れられる。しかしながら、第1シーケンス弁20の排出開口部26から来る制御圧力が供給開口部42を介して制御プランジャ39を押すとき、これは通過を可能にする位置に付勢される。この通過を可能にする位置で、制御プランジャ39はまた弁座36から外れるようにボール35を付勢し、それにより、供給開口部38と排出開口部37との間の油の流れが両方向に受け入れられる。制御プランジャ39の制御圧力が決定された値を下回ったとき、制御プランジャ39は圧縮ばね40によって遮断位置にもう一度付勢される。
【0032】
第2制御弁34(
図11)は、ボール44、圧縮ばね47、弁座46、制御プランジャ52、第1ラジアルシール51、第2ラジアルシール50、第1供給開口部45、第2供給開口部53、第3供給開口部49及び排出開口部48を備える。弁座46は第1ラジアルシール51よりも小さい直径を有し、第1ラジアルシール51は第2ラジアルシール50よりも小さい直径を有する。制御プランジャ52が遮断位置にあるとき、圧縮ばね47によってボール44が弁座46に押し付けられる。供給開口部45から来る油は、これにより遮断される。排出開口部48から来る油は、圧縮ばね47が圧縮されるとともにボール44が弁座46から持ち上げられることを確実にする。従って、油の流れは、排出開口部48から来るときにのみ受け入れられる。供給開口部53は、供給導管3bと接触している。供給開口部53を介して制御圧力が制御プランジャ52を押すとき、これは通過を可能にする位置に付勢される。この通過を可能にする位置で、制御プランジャ52はまた弁座46から外れるようにボール44を付勢し、それにより、供給開口部45と排出開口部48との間の油の流れが両方向に受け入れられる。ラジアルシール50がラジアルシール51よりも大きな直径を有するので、また第1シーケンス弁20の供給開口部25と排出開口部26との間の圧力降下の最小化により2つのシールの圧力差が90バールを超えないようにすることが可能であるので、第1シーケンス弁20の排出開口部26から来る制御圧力が供給開口部49を介して制御プランジャ52を押すとき、制御プランジャ52はその遮断位置に戻るように付勢される。
【0033】
引込ピン8b(
図12)は、第1ラジアルシール54と、より大きな直径を有する第2ラジアルシール55とを備える。圧縮ばね31は、引込ピン8aを結合位置に押し込む。弁21の排出チャネル26から来る制御圧力が供給チャネル56を介して引込ピン8bを押すとき、これは分離位置を定義する引込位置を取る。ここで、引込ピン8bの突出部分がスリーブ29の溝30から引っ張られ、カップリング半体6b,7b間の機械的接続が切断される。
【0034】
図13は、第2の好ましい実施形態によるカップリングの液圧図の概略図を示している。ここで、カップリングの動作が
図14~
図17を参照してさらに説明される。
図14~
図17は、
図13に対応するが、それぞれの弁(すなわち第1制御弁19、第1シーケンス弁20、第2シーケンス弁21及び第2制御弁34)並びに引込ピン8bを物理的構成要素としてその中に示すことによってさらに説明される。
【0035】
設置後、上記の動作機能(
図14)を実行できる。ポンプ4bによって、500バールの動作圧力が、供給導管3b内、従ってシリンダチャンバ15b内に加えられる。従って、シリンダ1bは、通常の動作で意図されている機能を果たす。弁34の制御プランジャ52は、供給導管3b内の圧力によりその第2位置に付勢される。これにより、弁34を通る油の流れは、両方向に受け入れられる。弁19の制御プランジャ39は、圧縮ばね40によってその第1位置に付勢され、それにより、弁19はシリンダ1bの方向への油の流れのみを受け入れる。必要に応じて、これにより、シリンダチャンバ15bが解放されることなく、弁16bによって供給導管3bから圧力が解放され得る。これにより、導管が破損するリスクが軽減される。
【0036】
上記の選択的な排出機能(
図15)は、導管3b、弁アセンブリ18及びシリンダアセンブリ1b内の圧力をポンプ4bが600バールに上げたときに、作動される。これにより、第1シーケンス弁20のコーン27が開き、その後、第1シーケンス弁20の排出開口部26を介して第1制御弁19の供給開口部42及び第2制御弁34の供給開口部49に加圧液体が流れる。これにより、第1制御弁19の制御プランジャ39はその第2位置に移動し、それによって第1制御弁19は両方向への油の流れを受け入れる。第2制御弁34の制御プランジャ52はその第1位置に戻り、それにより第2制御弁34はシリンダアセンブリ1bからポンプ4bへの油の流れのみを許容する。供給導管3bの圧力が弁16bによって解放されたとき、油はシリンダチャンバ15bから流れてタンク17bに戻る。これにより、シリンダアセンブリ1bは、解放され、少なくとも部分的に引っ込められる。シリンダアセンブリ1bが十分な範囲まで引っ込められたとき、上記の分離機能を作動させることができる。ポンプ4bは、供給導管3b及び弁アセンブリ18内の圧力をもう一度高める。第2制御弁34がシリンダアセンブリ1bの方向への油の流れを遮断するので、油はシリンダチャンバ15bに流れ込まない。圧力はさらに700バールまで高められ、その後、第2シーケンス弁21が開く。第2シーケンス弁21の排出開口部26を介して引込ピン8bが引き込まれ、その結果、カップリング半体6b,7bは、もはや機械的に固定されず、圧縮ばね14bによって押し離される。2つのカップリング半体6b,7bの逆止弁32,33は閉じ、それにより、シリンダチャンバ15b又は供給導管3bからの残りの油は漏れることができない。
【0037】
説明された機能が実行された後、弁アセンブリ18は、ユーザによって取り出され得る。制御弁19,34は、再度使用するためにリセットされる必要がある。押しボタン57を押すことにより、弁20及び弁21の両方の制御ピン27が同時に押し込まれる(
図18)。これにより残りのすべての残圧を無くすことができ、これによりすべての弁がそれらの元の開始位置に移動する。
【0038】
第3の好ましい実施形態を
図19~
図24に示す。
図20は、シリンダアセンブリ1cが雌カップリング半体6cに接続され、雄カップリング半体59が供給導管3bに接続されていることを示している。2つのカップリング半体6c,59の間に配置されているのは、圧縮ばね14cである。カップリング半体59に対するシリンダアセンブリ1cの取り付け中に、圧縮ばね14bが圧縮され、圧縮ばね31cによってスリーブ29cの溝30cに押し込まれる少なくとも1つの引込ピン8cによって、2つのカップリング半体6c,59が機械的に固定される。
【0039】
カップリング半体6cは、シリンダアセンブリ1cの方向への油の流れを可能にし、他の方向への油の流れを遮断する逆止弁32cを備える。カップリング半体59は、調整ねじ60、第1圧縮ばね61、第2圧縮ばね65、第3圧縮ばね67、制御プランジャ62、遮断ピン66、ボール63、第1弁座68、第2弁座69、ラジアルシール70、少なくとも1つの引込ピン8c、及び700バールで開くスイッチオーバー弁64を備える。調整ねじ60を使用して、弁座69上にある第1位置において600バールの動作圧力で制御プランジャ62が開くように、圧縮ばね61を設定することができる。ラジアルシール70が弁座69よりも大きい直径を有するので、制御プランジャ62は開いた後に第2引込位置を取る。圧縮ばね65によって制御プランジャ62の前に押される遮断ピン66によって、制御プランジャ62のこの第2位置が機械的に固定される(
図21A及び
図21B)。
【0040】
制御プランジャ62がその第1位置にあるとき、ボール63は弁座68から押し出され、制御プランジャ62がその第2位置にあるとき、ボール63は圧縮ばね67によってその弁座68に押し戻される。次に、カップリング半体6cの逆止弁32cは、制御プランジャ62によって押し開かれる。700バールに設定されたスイッチオーバー弁64が開かれたとき、その背後の油が引込ピン8cを引込位置に押し、それにより、それはスリーブ29cの溝30cにもはや突出しない。その瞬間、カップリング半体6c,59はもはや機械的に固定されなくなり、圧縮ばね14cが2つのカップリング半体を押し離す。
【0041】
設置後、上記の動作機能を実行できる。ポンプ4cによって、500バールの動作圧力が、供給導管3c、従ってシリンダチャンバ15cに加えられる。このように、シリンダ1cは、通常の動作で意図されている機能を果たす。制御プランジャ62はその第1位置にあり、それにより、逆止弁32cを通る油の流れは、シリンダアセンブリ1cの方向にのみ受け入れられる。必要に応じて、これにより、シリンダチャンバ15cが解放されることなく、弁16cによって供給導管3cからの圧力が解放され得る。これにより、導管が破損するリスクが軽減される。
【0042】
上記の選択的な排出機能は、導管3c、カップリング半体59及びシリンダアセンブリ1内の圧力をポンプ4cが600バールに上げたときに、作動される。これにより、制御プランジャ62はその第2位置に移動し、その後、逆止弁32cが開かれ、ボール63が弁座68上に落ち、これにより、シリンダアセンブリ1cからポンプ4cへの油の流れのみが可能になる。供給導管3cの圧力が弁16cによって解放されたとき、油はシリンダチャンバ15cから流れてタンク17cに戻る。これにより、シリンダアセンブリ1cは、解放され、少なくとも部分的に引っ込められる。シリンダアセンブリ1cが十分な範囲まで引っ込められたとき、上記の分離機能を作動させることができる。ポンプ4cは、供給導管3c及びカップリング半体59内の圧力をもう一度高める。ボール63がシリンダアセンブリ1cの方向への油の流れを遮断するので、油はシリンダチャンバ15cに流れ込まない。圧力はさらに700バールまで高まり、その後、スイッチオーバー弁64が開く。引込ピン8cが引き込まれ、その結果、カップリング半体6c,59は、もはや機械的に固定されず、圧縮ばね14cによって押し離される。カップリング半体6cの逆止弁32cは閉じ、ボール63はすでに閉じられており、それにより、シリンダチャンバ15c又は供給導管3cからの残りの油は漏れることができない。
【0043】
説明された機能が実行された後、カップリング半体59を手動でリセットする必要がある。これは、遮断ピン66をその引込位置に戻すように付勢することによって行われる。
【0044】
最後に、油漏れの問題に対して本開示によって提供される解決策は、本開示の範囲内で、他の方法でも実現できることに留意されたい。
【0045】
制御可能なカップリングの第4の好ましい実施形態は、
図23~
図34に示されている。この第4の好ましい実施形態は、
図7~
図18に示される第2の好ましい実施形態と多くの類似点を有するが、第4の好ましい実施形態が単一の制御弁119で第2の好ましい実施形態の制御弁19,34の機能を果たすことができるという点で異なる。第2の好ましい実施形態に関連する別の追加は、第4の好ましい実施形態が機械的遮断器を備えることであり、これは、
図19~
図22Bに示される第3の好ましい実施形態と類似している。
【0046】
第4の好ましい実施形態では、シリンダアセンブリ1dが雌カップリング半体6dに接続され、弁アセンブリ18dが雄カップリング半体7d及び供給導管3dに接続されている。2つのカップリング半体6d,7dの間に配置されているのは、圧縮ばね14dである。弁アセンブリ18dに対するシリンダアセンブリ1dの設置中に、圧縮ばね14dが圧縮され、圧縮ばね131によってスリーブ129の溝130に押し込まれる少なくとも1つの引込ピン8dによって、2つのカップリング半体6d,7dが機械的に固定される。カップリング半体6d,7dは、2つのカップリング半体6d,7dが結合されたときに互いに押して開く逆止弁132,133をそれぞれ備える。しかしながら、カップリング半体6d,7dが分離されているとき、逆止弁132,133が閉じ、従って油漏れを防ぐ。
【0047】
シーケンス弁120,121(
図33)は両方とも、調整ねじ128、圧縮ばね124、コーン127、弁座122、ラジアルシール123、供給開口部125及び排出開口部126を備え、弁座122の直径はラジアルシール123の直径よりも実質的に小さい。調整ねじ128を締めることによる圧縮ばね124の調整によって決定された力で、コーン127が弁座122に押し付けられる。加圧液体が供給開口部125に加えられたとき、圧縮ばね124の方向にコーン127上で力が生じる。所定の又は事前設定された閾値(シーケンス弁120,121毎に異なる)に圧力が上昇したとき、コーンは弁座122から押し出される。この目的のために必要な圧力値は、調整ねじ128を締めることによる多少の力で圧縮ばね124をコーン127に対して押し付けることによって、調整可能である。コーン127が弁座122から押し出されたとき、ラジアルシール123に対して加圧液体が押し付けられる。弁座122とラジアルシール123との間の直径の違いにより、次にコーン127は、実質的に低い圧力で再び弁座122に戻る。これにより、供給開口部125と排出開口部126との間の圧力降下が最小化される。第1シーケンス弁120の圧縮ばね124は、第1シーケンス弁120のコーン127が600バールの動作圧力で開くとともに90バールの動作圧力で閉じるように、設定されている。第2シーケンス弁121の圧縮ばね124は、第2シーケンス弁121のコーン127が700バールの動作圧力で開くとともに100バールの動作圧力で閉じるように、設定されている。
【0048】
制御弁119(
図26及び
図27)は、第1ボール135、第2ボール144、第1弁座136、第2弁座146、制御プランジャ152、第1圧縮ばね140、第2圧縮ばね143、第3圧縮ばね147、第4圧縮ばね165、ロックピン166、ラジアルシール150、第1供給開口部138、第2供給開口部145、第3供給開口部149、第1排出開口部137、及び第2排出開口部148を備え、弁座136の直径はラジアルシール150の直径よりも小さく、圧縮ばね140は、制御プランジャ152を第1位置に付勢するように構成されている。制御プランジャ152が第1位置にあるとき(
図26)、圧縮ばね143によってボール135が弁座136に押し付けられる。次に、ボール144は、圧縮ばね147のばね力に反して、制御プランジャ152によって弁座146から持ち上げられる。これにより、排出開口部137から来る油は遮断され、供給開口部145から来る油は受け入れられる。供給開口部149内の油圧(これはシーケンス弁120の排出開口部126から来る)は、圧縮ばね140が圧縮され、制御プランジャ152が第2位置に付勢されることを確実にする。制御プランジャ152が第2位置にあるとき、ロックピン166は、圧縮ばね165によって伸長位置に移動し、制御プランジャ152を第2位置にロックする。制御プランジャ152が第2位置にあるとき(
図27)、ボール144は、圧縮ばね147によって弁座146に押し付けられる。次に、ボール135は、圧縮ばね143のばね力に反して、制御プランジャ152によって弁座136から持ち上げられる。これにより、排出開口部145から来る油は遮断され、供給開口部137から来る油は受け入れられる。制御プランジャ152の位置に関係なく、排出開口部148から来て供給開口部145に向かって流れ、排出開口部138から来て供給開口部137に向かって流れる油が受け入れられる。
【0049】
引込ピン8d(
図34)は、第1ラジアルシール154と、第2ラジアルシール155とを備える。第2ラジアルシール155は、第1ラジアルシール154よりも大きな直径を有する。圧縮ばね131は、引込ピン8dを結合位置に押し込む。弁121の排出チャネル126から来る制御圧力が供給チャネル156を介して引込ピン8dを押すとき、これは分離位置を定義する引込位置を取る。ここで、引込ピン8dの突出部分がスリーブ129の溝130から引っ張られ、カップリング半体6d,7d間の機械的接続が切断される。
【0050】
ここで、カップリングの動作が
図28~
図31を参照してさらに説明される。設置後、上記の動作機能(
図28)を実行できる。ポンプ4dによって、最大500バールの動作圧力が、供給導管3d内、従ってシリンダチャンバ15d内に加えられる。従って、この状態では、シリンダ1dは、通常の動作で意図されている機能を果たす。制御プランジャ152は、制御弁119の圧縮ばね140によってその第1位置に付勢される。これにより、ボール144に沿った油の流れが両方向に受け入れられ、ボール135に沿った油の流れがシリンダ1dの方向にのみ受け入れられる。必要に応じて、シリンダチャンバ15dが解放されることなく、供給導管3dからの圧力が弁16dによって解放され得る。これにより、破損した導管の影響が軽減され、フレキシブル導管の結果としての動的現象が排除される。上記の選択的な排出機能(
図29)は、導管3b、弁アセンブリ18d及びシリンダアセンブリ1d内の圧力をポンプ4dが600バールに上げられたときに、作動される。これにより、第1シーケンス弁120のコーン127が開き、その後、第1シーケンス弁120の排出開口部126を介して制御弁119の供給開口部149に加圧液体が流れる。これにより、制御弁119の制御プランジャ152は、その第2位置に移動し、ロックピン166によってそこにロックされる。この第2位置では、制御弁119はボール135に沿った両方向の油の流れを受け入れ、ボール144に沿った油の流れはシリンダ1dからのみ受け入れられる。供給導管3dの圧力が弁16dによって解放されたとき、油はシリンダチャンバ15dから流れてタンク17dに戻る。これにより、シリンダアセンブリ1dは、解放され、少なくとも部分的に引っ込められる。シリンダアセンブリ1dが十分な範囲まで引っ込められたとき、上記の分離機能を作動させることができる。ポンプ4dは、供給導管3d及び弁アセンブリ18d内の圧力をもう一度高めるが、制御弁119のボール144がシリンダアセンブリ1dの方向への油の流れを遮断するので、油はシリンダチャンバ15dに流れ込まない。圧力はさらに700バールまで高められ、その後、第2シーケンス弁121が開く。第2シーケンス弁121の排出開口部126を介して引込ピン8dが引き込まれ、その結果、カップリング半体6d,7dは、もはや機械的に固定されず、圧縮ばね14dによって押し離される。2つのカップリング半体6d,7dの逆止弁132,133は閉じ、それにより、シリンダチャンバ15d又は供給導管3dからの残りの油が漏れることができない。
【0051】
説明された機能が実行された後、弁アセンブリ18dは、ユーザによって取り出され得る。制御弁119は、再度使用するためにリセットされる必要がある。リセットねじ157のねじ込み及びねじ戻しにより、弁120及び弁121の両方の制御ピン127が同時に押し込まれる(
図32)。弁16dが戻り位置にある場合、これにより残りのすべての残圧が無くなる。制御弁119の制御プランジャ152をその第1位置に戻すために、制御弁119のロックピン166を手動で引き抜かなければならない。この後、すべての弁は元の開始位置にある。
【0052】
図35は、トランジションピース(TP)とシリンダとの間のリリースを示しており、ここで、供給導管3は、その中にリリース8を有するカップリングまで続くとともに、次にカップリングからシリンダへのさらなる導管に続く。グラウト71が硬化されたとき(ここでは、MPのあらゆる傾斜を補償するために調整シリンダ73によってもたらされる真っ直ぐな位置にMPに対してTPを固定するために、硬化中に固定シリンダ72として機能するシリンダ1がTPからモノパイル(MP)に携わっている)、カップリングを制御して解放することができ、その後に固定シリンダ1,72がTPから外されて回収可能になる。従って、油漏れを確実に防ぐことができる。ただし、回収可能な固定シリンダ1,72は、理想的には、かなりの時間(例えば2週間)の後に依然として水中で適切に機能し、かつ、コストを増加させる可能性のある後続のプロジェクトに使用可能であるために、十分な信頼性を備えている必要がある。今日まで、洋上風産業のプロジェクトマネージャーは、プロジェクトの結果について、速度及びコストの点から評価されている。これが、これらのプロジェクトマネージャーが現在も一般的に依然として彼らのプロジェクトの最も安価なソリューションを探している理由であり、当面は長期的なことにあまり焦点を当てていない。
【0053】
図36の実施形態では、固定シリンダ72としてそこに適用されたシリンダ1がMP及びTPアセンブリの内部に配置されているので、それらシリンダ1が回収可能である場合もある。これは、上記の実施形態のように、単一の供給導管内の圧力によるリリースの動作の制御とは別の、追加的な/代替的な開発であり得る。ここで、穴又は通路74がMPの壁に配置され、固定シリンダ1,72のピストンロッド75が各穴又は開口部74に挿入される。固定シリンダ1,72が加圧された圧媒液で作動する場合、TPはMPに対して固定されており、従って、調整シリンダ73が少なくともTPをMPと真っ直ぐに位置合わせすることから開始するまで、これは起こらない。固定シリンダ1,72は、MPに溶接されたサポート又は架台を介在させてMPに取り付けられることもできるし、MPに直接的に溶接されることもできる。グラウト71の硬化後に、固定シリンダ1,72を内側から取り外すことができる。ここで、喫水線76の上に固定シリンダ1,72が配置されることができるので、上記の実施形態のようにTP及びMPアセンブリの外側の固定シリンダ1,72と比較して、固定シリンダ1,72の簡略化を想定することさえでき、より簡単により低コストでそれらを再利用できることが期待される。固定シリンダ1,72を調整シリンダ73の位置に配置することにより、MPに穴を配置する必要を防ぐことができる。しかしながら、真っ直ぐな位置合わせは次に達成することがより困難な場合があり、グラウト71の硬化及び固定シリンダ1,72の除去の後にMPの穴をさらに充填することができ、穴又は開口部74とそこに突出するピストンロッド75との間の空間を充填することができ、その結果、グラウト71は、その注入又は硬化中に、組み立てられたMP及びTPの内部空間にピストンロッド75に沿って流れ込むことができない。
【0054】
本発明は、供給導管3,3a,3b,3c,3d内の圧力に基づいて、供給導管3,3a,3b,3c,3dとシリンダ1,1a,1b,1c,1dとの間に配置されたリリース8,8a,8b,8c,8dを備えたカップリングを選択的に結合又は分離するための方法であって、
-供給導管3,3a,3b,3c,3d内の圧力に基づいてシリンダ1,1a,1b,1c,1dに圧媒液を供給するために、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に広がる動作圧力を提供するステップと、
-供給導管3,3a,3b,3c,3d及びシリンダ1,1a,1b,1c,1dの遮断弁32,33,132,133を作動させる目的、及びカップリングを分離するリリース8,8a,8b,8c,8dを作動させる目的で、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に広がる分離圧力を提供するステップと
を備える、方法に関する。
【0055】
図3~
図34に示される好ましい実施形態によれば、この方法は、カップリング及びシリンダ1,1a,1b,1c,1dの分離の後に、カップリングに接続された供給導管3,3a,3b,3c,3dをカップリングとともに除去するステップをさらに備え、好ましくは、シリンダ1,1a,1b,1c,1dを基礎構造MP上に残すステップをさらに備える。
【0056】
しかしながら、
図36及び
図39に示されるように、シリンダ1が基礎構造MPから分離され、カップリング及びシリンダ1が供給導管3とともに除去可能であると想定することが可能である。
【0057】
図3~
図34に示される好ましい実施形態によれば、シリンダ1,1a,1b,1c,1dは、基礎構造MP上に残されている。カップリングが供給導管3,3a,3b,3c,3dをシリンダ1,1a,1b,1c,1dから分離するとすぐに圧媒液が周辺エリアに漏れることを防ぐために、この方法は、好ましくは、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に排出圧力が広がるときに、カップリングの分離の前に、圧媒液をシリンダから排出するステップをさらに備える。
【0058】
この方法の好ましい実施形態によれば、それは、動作圧力の圧力レベルよりも低い圧力レベルの排出圧力を供給導管3,3a,3b,3c,3d内に提供するステップを備える。シリンダチャンバ15bを空にするように押圧する圧縮ばね13bをシリンダ1,1a,1b,1c,1dに設けることができ、それにより、シリンダ1,1a,1b,1c,1dからの圧媒液の排出を行うことができる。
【0059】
さらに好ましい実施形態によれば、この方法は、排出圧力を設定する前に、排出位置設定圧力を提供することを備える。この排出位置設定圧力で、シリンダ1,1a,1b,1c,1dからの圧媒液のその後の排出のためにカップリングを設定することができる。
【0060】
さらに別の好ましい実施形態によれば、排出位置設定圧力を提供することは、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に広がる圧力を、動作圧力のレベルから、排出位置設定圧力の圧力レベルよりも高い圧力に、上昇させることを備える。
図6~
図18に示す実施形態の排出位置設定圧力は、
図37に600バールでの圧力レベルとして示されている。
【0061】
さらに別の好ましい実施形態によれば、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に広がる分離圧力を提供することは、排出圧力の圧力レベルよりも高い圧力の分離圧力を提供することを備える。
図6~
図18に示される実施形態の分離圧力は、
図37において700バールでの圧力レベルとして示されている。
【0062】
さらに別の好ましい実施形態によれば、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に広がる分離圧力を提供することは、動作圧力の圧力レベルよりも高い圧力の分離圧力を提供することを備える。
図6~
図18に示される実施形態の動作圧力は、
図37において500バールでの圧力レベルとして示されている。
【0063】
さらに別の好ましい実施形態によれば、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に広がる分離圧力を提供することは、排出位置設定圧力の圧力レベルよりも高い圧力の分離圧力を提供することを備える。
図38は、600バールでの排出設定圧力と700バールでの分離圧力とを示している。
【0064】
さらに別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの制御弁19,34,119が、供給導管3,3a,3b,3c内に排出圧力が広がるとき、シリンダ1,1a,1b,1cから離れる圧媒液の流れを受け入れるとともに、シリンダ1,1a,1b,1cへの圧媒液の流れを遮断する逆止弁として選択的に機能する。
図7~
図18に示される第2実施形態では第1制御弁19及び第2制御弁34が設けられる一方で、
図23~
図34に示される第4の実施形態では1つの制御弁119で同じ機能を提供する。
【0065】
代替的な好ましい実施形態によれば、排出圧力を提供することは、供給導管3,3a内に広がる圧力を、動作圧力のレベルから、排出圧力のより低い圧力レベルに、低下させることを備える。
図3~
図5に示される実施形態の排出圧力は、
図38において5バールでの圧力レベルとして示され、これは500バールの動作圧力よりも低い。
【0066】
さらなる代替的な好ましい実施形態によれば、供給導管3,3a内に広がる分離圧力を提供することは、排出圧力の圧力レベルよりも低い圧力の分離圧力を提供することを備える。
図3~
図5に示される実施形態の分離圧力は、
図38において5バールより低い圧力として示されている。
【0067】
示される好ましい実施形態は、カップリングに接続された供給導管3,3a,3b,3c,3dをシリンダ1,1a,1b,1c,1dに/シリンダ1,1a,1b,1c,1dからそれぞれ結合及び分離するためのカップリングであって、
-液圧制御可能なリリースと、
-少なくともリリースに接続された液圧制御装置であって、
-供給導管3,3a,3b,3c,3d内に動作圧力が広がったときに、シリンダ1,1a,1b,1c,1dに圧媒液を提供し、
-供給導管3,3a,3b,3c,3d内に分離圧力が広がったときに、リリースを作動させてカップリングを分離する
ように構成されている液圧制御装置と
を備えるカップリングを示している。
【0068】
カップリングの好ましい実施形態によれば、このカップリングは、シリンダ1,1a,1b,1c,1dから分離された後に供給導管3,3a,3b,3cに接続されたままであるように構成されている。
【0069】
カップリングのさらに好ましい実施形態によれば、液圧制御装置は、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に排出圧力が広がるときに、圧媒液をシリンダ1,1a,1b,1c,1dから排出するように構成されている。
【0070】
カップリングのさらに別の好ましい実施形態によれば、それは、シリンダ1,1a,1b,1c及び供給導管3,3a,3b,3cに遮断弁32,33をさらに備え、リリースを作動させることによって遮断弁32,33が作動され得る。
【0071】
カップリングのさらに別の好ましい実施形態によれば、それは、供給導管3,3a,3b,3c内に動作圧力が広がるときに、少なくともシリンダ1,1a,1b,1cへの圧媒液の流れを受け入れるように構成されている少なくとも1つの制御弁19,34,119をさらに備える。実際には、少なくとも1つの制御弁19,34,119のそれぞれが、供給導管3,3a,3b,3c内に動作圧力が広がるときに、少なくともシリンダ1,1a,1b,1c,1dへの圧媒液の流れを受け入れるように構成されている。
【0072】
カップリングのさらに別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの制御弁19,34,119は、供給導管3,3a,3b,3c内に動作圧力が広がるときに、シリンダ1,1a,1b,1c,1dから離れる圧媒液の流れを遮断するように構成されている。第1制御弁19及び第2制御弁34を有する好ましい実施形態では、両方の制御弁19,34が、供給導管3,3a,3b,3c内に動作圧力が広がるときに、シリンダ1,1a,1b,1c,1dから離れる圧媒液の流れを遮断するように構成されていることが好ましい。
【0073】
カップリングのさらに別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの制御弁19,34,119のうちの1つは、供給導管3,3a,3b,3c内に動作圧力が広がるときに、シリンダ1,1a,1b,1c,1dから離れる圧媒液の流れを遮断する逆止弁として機能するように構成されている。2つの制御弁19,34を有する示された第2実施形態では、第2制御弁34がこの機能を果たす。
【0074】
カップリングのさらに別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの制御弁19,34,119のそれぞれは、排出位置設定圧力に達した後、及び供給導管3,3a,3b,3c,3d内に排出圧力が広がるときに、シリンダ1,1a,1b,1c,1dから離れる圧媒液の流れを受け入れるように構成されている。
【0075】
カップリングのさらに別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの制御弁19,34,119のうちの少なくとも1つは、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に排出圧力が広がったときに、シリンダ1,1a,1b,1c,1dから離れる圧媒液の流れを受け入れるとともに、シリンダ1,1a,1b,1c,1dへの圧媒液の流れを遮断するように構成された逆止弁として選択的に機能するように構成されている。2つの制御弁19,34を有する示された第2実施形態では、第2制御弁34がこの機能を果たす。
【0076】
カップリングのさらに別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの制御弁19,34,119のうちの少なくとも1つは、供給導管3,3a,3b,3c内に分離圧力が広がるときに、シリンダ1,1a,1b,1cへの圧媒液の流れを遮断するように構成された逆止弁として選択的に機能するように構成されている。2つの制御弁19,34を有する示された第2実施形態では、第2制御弁34がこの機能を果たす。
【0077】
カップリングのさらに別の好ましい実施形態によれば、それは、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に排出位置設定圧力又は分離圧力が広がるときに、少なくとも1つの制御弁19,34,119への流れを受け入れるように構成されたシーケンス弁20を備え、この少なくとも1つの制御弁19,34,119は、この受け入れられた流れに基づいて、
-シリンダ1,1a,1b,1c,1dへの圧媒液の流れを受け入れるとともに、シリンダ1,1a,1b,1c,1dから離れる圧媒液の流れを遮断するように構成された逆止弁としての設定から解放され、
-シリンダ1,1a,1b,1c,1dから離れる圧媒液の流れを受け入れるとともに、シリンダ1,1a,1b,1c,1dへの圧媒液の流れを遮断するように構成された逆止弁として設定される、
ように構成されている。
【0078】
カップリングのさらに別の好ましい実施形態によれば、少なくとも1つの制御弁19,34,119は、第1制御弁19及び第2制御弁34を備え、
-第1制御弁19は、この受け入れられた流れに基づいて、逆止弁としての設定から解放されるように構成されており、
-第2制御弁34は、この受け入れられた流れに基づいて、シリンダ1,1a,1b,1cから離れる圧媒液の流れを受け入れるとともに、シリンダ1,1a,1b,1cへの圧媒液の流れを遮断するように構成された逆止弁として設定されるように構成されている。
【0079】
カップリングのさらに別の好ましい実施形態によれば、それは、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に分離圧力が広がるときに、リリースへの流れを受け入れるように構成されたさらなるシーケンス弁21を備え、リリースは、この受け入れられた流れに基づいて、カップリングを解放及び分離するように構成されている。
【0080】
さらに別の好ましい実施形態によれば、カップリングは、排出位置設定圧力に対応する位置に制御弁119をロックするように構成された機械的ロックをさらに備える。機械的ロックは、液圧ロックよりも、信頼性が高く、より良く制御できる。
【0081】
【0082】
好ましい実施形態では、このアセンブリは、ポンプ4,4a,4b,4c,4dを制御するとともに、少なくとも動作圧力又は分離圧力を備える群から供給導管3,3a,3b,3c,3d内に圧力を選択的に生成するためにポンプ4,4a,4b,4c,4dを制御するように構成された制御装置(図示せず)をさらに備える。
【0083】
さらに好ましい実施形態では、ポンプを制御する制御装置(図示せず)は、供給導管3,3a,3b,3c,3d内に排出圧力を選択的に生成するためにポンプ4,4a,4b,4c,4dを制御するようにさらに構成されている。本発明はまた、そのような制御装置に関する。
【0084】
それらは本発明の好ましい実施形態を示しているが、上記の実施形態は、本発明を説明することのみを意図しており、いかなる方法においても本発明の範囲を限定することを意図していない。従って、基礎構造(より具体的にはモノパイルMP)とトランジション部分(より具体的にはトランジションピースTP)との間の接続が、本発明の可能な用途として説明されるが、本発明はそれに限定されないことに留意されたい。本発明は、典型的には水面下等のアクセスが困難な場所に特に適している。他の用途は、例えば、採鉱等の地下にある。
【0085】
特許請求の範囲の手段の後に参照番号が続くとき、そのような参照番号は、特許請求の範囲の理解に寄与することだけに役立ち、保護の範囲を制限するものではない。当業者は、異なる実施形態の技術的手段を組み合わせることができることに特に留意されたい。
【0086】
記載されている権利は、以下のクレームによって定義されており、その範囲内で多くの変更が想定される。