(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】衛星通信に基づく信号伝送方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20240205BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20240205BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240205BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20240205BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20240205BHJP
【FI】
H04L27/26 112
H04W28/06 110
H04W72/0453 110
H04W76/10
H04W84/06
(21)【出願番号】P 2022519452
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(86)【国際出願番号】 CN2020113827
(87)【国際公開番号】W WO2021057458
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】201910936092.7
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】周 建▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 晨蕾
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 禾佳
(72)【発明者】
【氏名】王 俊
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/097922(WO,A1)
【文献】特表2008-510419(JP,A)
【文献】特開2010-093799(JP,A)
【文献】国際公開第2016/068072(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/223088(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0352527(US,A1)
【文献】Thales, Fraunhofer IIS,NR-NTN: Analysis of the applicability of NR numerology to satellite communication[online],3GPP TSG RAN #78 RP-172277,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_78/Docs/RP-172277.zip>,2017年12月11日,pp. 1-26
【文献】Fraunhofer IIS, Fraunhofer HHI, Thales,Timing Advance Adjustments for Satellite Communications (NTN)[online],3GPP TSG RAN WG1 #96 R1-1903051,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96/Docs/R1-1903051.zip>,2019年02月15日,pp. 1-4
【文献】Thales, IDC,NR-NTN: solution principles for NR to support non-terrestrial networks[online],3GPP TSG RAN WG1 #93 R1-1807864,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_93/Docs/R1-1807864.zip>,2018年05月29日,pp. 1-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 28/06
H04W 72/0453
H04W 76/10
H04W 84/06
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
IEEE 802.11
15
16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星通信に基づく信号伝送方法であって、
通信デバイスによって、直交周波数分割多重OFDMシンボルを伝送するために使用されるターゲットキャリアに対応するキャリア属性情報を取得することであって、前記ターゲットキャリアの前記キャリア属性情報がサブキャリア間隔を含む、ことと、
前記通信デバイスによって、前記ターゲットキャリアの前記キャリア属性情報、及びキャリア属性情報と巡回プレフィックスCP長との間の予め設定された対応に基づいて、前記OFDMシンボルのCP長を決定することであって、CPは、第1のデータを搬送するために使用され、前記第1のデータは、前記OFDMシンボル内のデータであ
り、
前記CP長は、最大遅延スプレッド以上である、ことと、
を含
み、
前記通信デバイスによって、OFDMシンボルを伝送するために使用されるターゲットキャリアに対応するキャリア属性情報を取得することの後に、前記方法は、
前記通信デバイスによって、前記ターゲットキャリアの前記キャリア属性情報、及びキャリア属性情報と巡回サフィックスCS長との間の予め設定された対応に基づいて、前記OFDMシンボルのCS長を決定することであって、前記CS長が、前記CP長の一部、及び/または前記OFDMシンボル内の前記データの一部の長さであり、前記CS長は、最大タイミングオフセットより大きい、ことをさらに含む方法。
【請求項2】
前記キャリア属性情報が、前記ターゲットキャリアが位置するビームのビーム識別子及びビーム仰角のうちの1つ以上をさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
キャリア属性情報とCP長との間の前記予め設定された対応が、サブキャリア間隔とCP長との間の対応を含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応は、サブキャリア間隔と、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔及びビーム識別子のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔及びビーム仰角のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔、ビーム識別子、及びビーム仰角のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、をさらに含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項5】
前記CPが、第2のデータを搬送するためにさらに使用され、前記第2のデータが、前記OFDMシンボルとは異なるデータである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
通信デバイスであって、
OFDMシンボルを伝送するために使用されるターゲットキャリアに対応するキャリア属性情報を取得するように構成された取得ユニットであって、前記ターゲットキャリアの前記キャリア属性情報がサブキャリア間隔を含む、取得ユニットと、
前記ターゲットキャリアの前記キャリア属性情報、及びキャリア属性情報とCP長との間の予め設定された対応に基づいて、前記OFDMシンボルのCP長を決定するように構成された決定ユニットであって、CPは、第1のデータを搬送するために使用され、前記第1のデータは、前記OFDMシンボル内のデータであ
り、
前記CP長は、最大遅延スプレッド以上である、決定ユニットと、
を備え
、
前記決定ユニットは、
前記ターゲットキャリアの前記キャリア属性情報、及びキャリア属性情報とCS長との間の予め設定された対応に基づいて、前記OFDMシンボルのCS長を決定するようにさらに構成され、前記CS長が、前記CP長の一部、及び/または前記OFDMシンボル内の前記データの一部の長さであり、前記CS長は、最大タイミングオフセットより大きい、通信デバイス。
【請求項7】
前記キャリア属性情報が、前記ターゲットキャリアが位置するビームのビーム識別子及びビーム仰角のうちの1つ以上をさらに含む、請求項
6に記載の通信デバイス。
【請求項8】
キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応は、サブキャリア間隔とCP長との間の対応を含む、請求項
7に記載の通信デバイス。
【請求項9】
キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応は、サブキャリア間隔と、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔及びビーム識別子のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔及びビーム仰角のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔、ビーム識別子、及びビーム仰角のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、をさらに含む、請求項
7に記載の通信デバイス。
【請求項10】
前記CPが、第2のデータを搬送するためにさらに使用され、前記第2のデータが、前記OFDMシンボルとは異なるデータである、請求項
6に記載の通信デバイス。
【請求項11】
コンピュータプログラム命令を備えたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令がコンピュータ上で実行されると、前記コンピュータが、請求項1から
5のいずれか1項に記載の衛星通信に基づいた前記信号伝送方法を実行することが可能である、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
プロセッサおよびメモリを備える通信デバイスであって、
前記メモリは、コンピュータ可読命令またはコンピュータプログラムを記憶するように構成され、前記プロセッサは、請求項1から
5のいずれか一項に記載の衛星通信に基づいた前記信号伝送方法を実装するために前記コンピュータ可読命令を読み取るように構成される、通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信技術の分野に関し、特に、衛星通信に基づく信号伝送方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年9月29日に中国国家知的財産管理局に出願され、「衛星通信に基づく信号伝送方法及びデバイス」と題された中国特許出願第201910936092.7号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
5Gネットワーク及び将来の5G進化ネットワークは、複数のサービス要件を満たすだけでなく、より広範なサービスカバレッジを提供する必要がある。衛星は、長い通信距離、広いカバレッジ、柔軟なネットワーク、及び地理的環境条件や地上デバイスの条件が制限されないなどの特徴から、無線通信分野で重要な役割を果たす。
【0004】
衛星通信システムは、多くの地上伝送デバイスによって保有されない利点を有する。例えば、地上無線通信システムと比較して、衛星通信システムは広いカバレッジを有する。また、地上基地局の展開が容易でない地域、例えば、海、砂漠、山では、通信は、衛星を使用して実施してもよい。しかしながら、地上のユーザ端末については、比較的速い移動速度、衛星から地上へのリンクの伝送損失、及び深刻なチャネルフェーディングなどの特徴を有する。その結果、衛星通信システムの信号伝送品質に深刻な影響を及ぼす。加えて、衛星通信システムは、マルチパスチャネルの周波数選択フェーディング機能により、複雑で変わりやすいチャネル環境にある。したがって、衛星通信システムは、周波数選択フェーディングに比較的よく耐えるマルチキャリア伝送方式を使用する必要がある。
【0005】
OFDM(orthogonal frequency division multiplexing、直交周波数分割多重)技術は、周波数帯域が重複するマルチキャリア通信解決法であり、周波数選択フェーディング耐性および高周波数帯域利用率の利点を有する。OFDM技術が衛星システムに適用されると、衛星通信システムの周波数帯域利用率を向上させることができる。さらに、複雑で変わりやすい環境からの信号伝送への悪影響は、OFDMのマルチパスフェーディング耐性機能によりさらに弱めることができる。
【0006】
しかしながら、現在、OFDM技術は主に地上通信シナリオにも適用され、地上通信デバイス用にもOFDMシンボルが設計されている。実際には、衛星は、地上通信デバイスと比較して相対的に早い移動速度を有し、マルチパス伝播、遅延スプレッド、フェーディング機能、及びドップラー効果などの要因によっても伝送が影響を受ける。OFDM技術が衛星通信シナリオに適用される場合、シンボル間干渉及びキャリア間干渉が容易に生じ、衛星通信システムの伝送要件を満たすことができない。したがって、OFDM技術の適用は比較的貧弱である。
【発明の概要】
【0007】
本出願は、衛星通信システムにおいてOFDM技術をより良く適用して信号伝送を実現するための、衛星通信に基づく信号伝送方法及びデバイスを提供する。
【0008】
以下では、本出願を複数の態様から説明する。複数の態様の実装が相互に参照され得ることを理解するのは容易である。
【0009】
第1の態様によれば、本出願は、衛星通信に基づく信号伝送方法を提供する。方法は、衛星デバイスまたは端末デバイスなどの通信デバイスに適用される。方法は、以下を含む。
【0010】
通信デバイスが、OFDMシンボルを伝送するために使用されるターゲットキャリアに対応するキャリア属性情報を取得する。ターゲットキャリアのキャリア属性情報は、サブキャリア間隔を含む。
【0011】
通信デバイスは、ターゲットキャリアのキャリア属性情報、及びキャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応に基づいて、OFDMシンボルのCP(cyclic prefix、巡回プレフィックス)長を決定する。CP長は、OFDMシンボル内のデータを搬送するために使用される長さである。
【0012】
OFDMシンボルを端末に伝送するために使用されるターゲットキャリアに対応するキャリア属性情報を取得した後、通信デバイスは、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応に基づいて、ターゲットキャリアのキャリア属性情報に対応するOFDMシンボルのCP長を決定することを学ぶことができる。本出願のこの実施形態では、各キャリアに対応するOFDMシンボルのCP長はもはや固定されない。したがって、OFDMシンボルを伝送するとき、衛星通信システムは、キャリア属性情報に基づいてCP長を低減してリソース利用率を向上させるか、またはキャリア属性情報に基づいてCP長を増加させて、シンボル間干渉の導入を回避し、ビットエラーレートを低減し、システムパフォーマンスを向上させる。
【0013】
いくつかの実装では、通信デバイスがOFDMシンボルを伝送するために使用されるターゲットキャリアに対応するキャリア属性情報を取得したバックワード法はさらに、通信デバイスが、ターゲットキャリアのキャリア属性情報及びキャリア属性情報とCS(cyclic suffix、巡回サフィックス)長との間の予め設定された対応に基づいて、OFDMシンボルのCS長を決定することを含む。ここで、CS長は、CP長の一部及び/またはOFDMシンボル内のデータの一部の長さである。
【0014】
いくつかの実装では、キャリア属性情報は、ターゲットキャリアが位置するビームのビーム識別子及びビーム仰角のうちの1つ以上をさらに含む。
【0015】
いくつかの実装では、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応は、サブキャリア間隔とOFDMシンボルのCP長との間の対応を含む。
【0016】
いくつかの実装では、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応は、サブキャリア間隔と、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔及びビーム識別子のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔及びビーム仰角のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔、ビーム識別子、及びビーム仰角のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、をさらに含む。
【0017】
いくつかの実装では、CPは、第2のデータを搬送するためにさらに使用される。第2のデータは、OFDMシンボルとは異なるデータである。
【0018】
第2の態様によれば、本出願は、通信デバイス、例えば、衛星デバイスまたは端末デバイスを提供する。通信デバイスは、OFDMシンボルを伝送するために使用されるターゲットキャリアに対応するキャリア属性情報を取得するように構成された取得ユニットであって、ターゲットキャリアのキャリア属性情報はサブキャリア間隔を含む、取得ユニットと、ターゲットキャリアのキャリア属性情報及びキャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応に基づいてOFDMシンボルのCP長を決定するように構成された決定ユニットであって、CP長は、OFDMシンボル内のデータを搬送するために使用される長さである、決定ユニットとを含む。
【0019】
いくつかの実装では、決定ユニットは、ターゲットキャリアのキャリア属性情報、及びキャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応に基づいて、OFDMシンボルのCS長を決定するようにさらに構成され、CS長は、CP長の一部、及び/またはOFDMシンボル内のデータの一部の長さである。
【0020】
いくつかの実装では、キャリア属性情報は、ターゲットキャリアが位置するビームのビーム識別子及びビーム仰角のうちの1つ以上をさらに含む。
【0021】
いくつかの実装では、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応は、サブキャリア間隔とOFDMシンボルのCP長との間の対応を含む。
【0022】
いくつかの実装では、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応は、サブキャリア間隔とOFDMシンボルのCS長との間の対応を含む。
【0023】
いくつかの実装では、CPは、OFDMシンボル内のデータとは異なるデータを搬送するためにさらに使用される。
【0024】
第3の態様によれば、本出願は、コンピュータ記憶媒体を提供する。コンピュータ記憶媒体は、不揮発性であり得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令を記憶する。コンピュータ可読命令がプロセッサによって実行されると、前述の実装のいずれか1つにおいて提供される方法が実装される。
【0025】
第4の態様によれば、本出願は、コンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読命令を含む。コンピュータ可読命令がプロセッサによって実行されると、前述の実装のいずれか1つにおいて提供される方法が実装される。
【0026】
第5の態様によれば、本出願は、通信デバイス、例えば、衛星デバイスまたは端末デバイスを提供する。通信デバイスは、プロセッサおよびメモリを含む。メモリは、コンピュータ可読命令(またはコンピュータプログラムと称される)を記憶するように構成され、プロセッサは、通信デバイス及びその実装に関連する前述の態様のいずれか1つで提供される方法を実装するために、コンピュータ可読命令を読み取るように構成される。
【0027】
いくつかの実装では、通信デバイスは、データを受信及び送信するように構成されたトランシーバをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本出願の一実施形態による、各OFDMシンボルに挿入されたCPと最大遅延スプレッドの長さとの間の長さ関係の概略図である。
【
図2】本出願の一実施形態による、OFDMが伝送されるときにタイミングオフセットが生成されないシナリオの概略図である。
【
図3】本出願の一実施形態による、OFDMが伝送されるときにタイミングフォワードバイアスが生成されるシナリオの概略図である。
【
図4】本出願の一実施形態による、OFDMが伝送されるときにタイミングフォワードバイアスが生成される別のシナリオの概略図である。
【
図5】本出願の一実施形態による、OFDMが伝送されるときにタイミングバックワードバイアスが生成されるシナリオの概略図である。
【
図6】本出願の一実施形態による、モバイル衛星通信システムのアーキテクチャの概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態による、衛星通信システムに適用可能なOFDMシンボルの構造の概略図である。
【
図8】本出願の一実施形態による、OFDMシンボルのものであり、ビームパラメータに対応するCP長及びCS長を決定するための方法の概略フローチャートである。
【
図9】本出願の一実施形態による、衛星のビームのビーム仰角の関係の概略図である。
【
図10】本出願の一実施形態による、OFDMが伝送されるときに生成されるタイミングフォワードバイアスに対応する累積タイミングオフセットの概略図である。
【
図11】本出願の一実施形態による、OFDMが伝送されるときに生成されるタイミングバックワードバイアスに対応する累積タイミングオフセットの概略図である。
【
図12】本出願の一実施形態による、衛星のビームのビーム仰角と速度成分と間の関係の概略図である。
【
図13(a)】本出願の実施形態1による、非注視衛星システムの概略図である。
【
図13(b)】本出願の実施形態1による、非注視衛星システムの概略図である。
【
図14(a)】本出願の実施形態2による、注視衛星システムの概略図である。
【
図14(b)】本出願の実施形態2による、注視衛星システムの概略図である。
【
図15】本出願の一実施形態による、NR OFDMシンボルの構造に基づいてCP長を調整する関係の概略図である。
【
図16】本出願の一実施形態による、NR OFDMシンボルの構造に基づいてCP長及びCS長を調整する関係の概略図である。
【
図17】本出願の一実施形態による、NR OFDMシンボルの構造に基づいてCP長及びCS長を調整する関係の概略図である。
【
図18】本出願の一実施形態による、衛星通信に基づく信号通信方法の概略フローチャートである。
【
図19】本出願の一実施形態による、通信デバイス1900の構造の概略図である。
【
図20】本出願の一実施形態による、別の通信デバイス2000の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本出願の目的、技術的解決策、及び利点をより明確かつ理解可能にするために、以下は、添付の図面及び実施形態を参照して本出願をさらに詳細に説明する。本明細書に記載される特定の実施形態は、本出願を説明するために使用されるに過ぎず、本出願を限定することを意図するものではないことを理解されたい。明らかに、記載された実施形態は、本出願の実施形態の一部に過ぎず、全てではない。創造的な努力なしに本出願の実施形態に基づいて当業者によって得られた他のすべての実施形態は、本出願の保護範囲内にあるものとする。
【0030】
以下では、本明細書に登場するいくつかの単語について説明する。
【0031】
(1)OFDM技術は、特定のチャネルを周波数領域内の多くの直交サブチャネルに分割し、各サブチャネル内の1つのサブキャリアを使用して変調を行う。本明細書では、サブキャリア上での伝送は並行して行われる。
【0032】
(2)チャネルは、OFDMシステムの異なる周波数において互いに直交する多くのキャリアである。
【0033】
(3)OFDMシンボルは、互いに直交するサブキャリアの変調を介してシンボル期間に形成される波形を示す。
【0034】
(4)ISI(inter-symbol interference、シンボル間干渉)は、OFDMシンボルについて、マルチパス伝送により生じるエイリアシングであって、異なる経路上で伝送され、受信デバイスによって受信されるOFDMシンボルのエイリアシングを示す。
【0035】
(5)ICI(inter-carrier interference、キャリア間干渉)は、サブキャリアが互いに直交していないことを示す。
【0036】
(6)マルチパス効果は、マルチパスフェーディングとも呼ばれ、地形や地上のオブジェクトによって生じる反射、回折、散乱等により、電波伝送処理において信号減衰が発生する現象を示す。いくつかの波は、マルチパス伝播のために受信端に到達することができないため、受信端によって受信される信号は、複数の経路上で送信される異なる位相、周波数、及び到着時間を有する信号の組み合わせた信号でもある。したがって、信号の頻繁なフェーディング及び遅延の拡散などの現象が起こる。これは、マルチパスフェーディングまたはマルチパス効果と呼ばれる。
【0037】
(7)タイミングバイアス(タイミングオフセットとも呼ばれる)は、OFDMシンボルが受信デバイスに到達する瞬間と、受信デバイスがOFDMシンボルを受信するために予め設定されたタイミング瞬間との間の時間差を示す。
【0038】
(8)ビームは、衛星アンテナによって放射される電磁波の形状であって、地球の表面上に形成される形状を示す。これは、フラッシュライトの特定の範囲の光ビームのようなものである。あるいは、衛星は360°で信号を送信せず、主に特定の方向に信号波を伝送する。
【0039】
本出願の説明において、「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などの用語は、区別及び説明のために使用されるに過ぎず、相対的重要性の指標または暗示、若しくは順序の指標もしくは暗示として理解されることができないことを理解されたい。
【0040】
現在、従来のFDMと比較して、OFDMは比較的高いスペクトル利用率を有する。従来のFDMでは、異なるユーザが使用する周波数帯域に基づいてチャネルが分割される。異なる周波数帯域間のキャリア干渉を避けるために、隣接するキャリア間にガードバンドを予約する必要がある。したがって、FDMシステムではスペクトル利用率が低下する。OFDM技術では、サブキャリアは重複する方式で配置され、サブキャリア間の直交性が維持される。したがって、従来のFDMと比較して、OFDMは、多くのスペクトルリソースを節約するために、高いスペクトル効率を有する。
【0041】
OFDM通信システムでは、OFDMシンボル内のサブキャリアは互いに直交しており、各キャリアは、1つのシンボル時間内のキャリア期間の積分量を有することが要求される。しかしながら、シンボル間干渉は、キャリアのマルチパス効果により生じ得、それによってサブキャリアの直接的な直交性を損なう。
【0042】
シンボル間干渉を最大限に排除するには、OFDMシンボルを送信する前に、送信デバイスは隣接する2つのOFDMシンボルの間にガードインターバルを挿入する必要がある。ここで、ガードインターバルの長さは、チャネルの最大遅延スプレッドより大きい必要がある。このようにして、1つのOFDMシンボルは、次のOFDMシンボルへの干渉を引き起こさず、シンボル間干渉を排除する。チャネルの最大遅延スプレッドは、最大チャネル遅延またはチャネルインパルス応答長とも称され得る。
図1は、NR OFDMシンボルの構造の概略図である。ここでは、τ
maxは、最大遅延スプレッドを示す。
【0043】
現在、地上ネットワーク無線通信システムのチャネルモデルに基づいて決定された各サブキャリア間隔に対応する最大遅延スプレッドに基づいて、異なるサブキャリア間隔を有するOFDMシンボルの構造はNRシステムで定義され、次の表1に示すように、OFDMシンボルの持続時間およびCP持続時間(すなわち、CP長)を含む。本明細書では、ヌメロロジーは、キャリア識別子またはインデックスとして理解され得る。
【0044】
【0045】
結論として、OFDM技術は、地上通信システムで広く使用されている。近年、衛星デバイスの発達に伴い、衛星通信の利点が顕在化しつつある。これらの利点は、例えば、長い通信距離、広いカバレッジ、地理的環境条件による制限がないことを含む。したがって、衛星通信は、無線通信分野においてますます重要な役割を果たしている。しかしながら、静止地球軌道衛星システムに加えて、別のタイプの衛星システムの衛星は、地面に対して特定の移動速度を有する。低い軌道高さは、より大きい相対速度を示す。衛星デバイスがUEに対して相対的に大きな移動速度を有する場合、OFDMシンボルが伝送されると、深刻なタイミングドリフトが発生する。また、ISIとICIが導入されている。OFDMシステムは直交マルチキャリア伝送システムであるため、OFDMシステムの性能はタイミングオフセットによって容易に影響を受ける。したがって、上述したNR OFDMシンボルの伝送機構を衛星通信システムに単純に適用すると、深刻なタイミングドリフトが発生し、低いシステムの安定性、及び高いビットエラー率などの問題が発生する。また、衛星通信システムは、地上通信システムのOFDMシンボル送信機構をコピーすることができない。言い換えれば、NR OFDMシンボルの既存の伝送機構は、衛星通信システムの伝送要件を満たすことができない。したがって、適用は比較的貧弱である。
【0046】
前述のNR OFDMシンボルは、主に以下の2つの態様において、衛星通信システムには適用できない。例えば、
【0047】
第1の態様では、以下は、衛星通信システムがOFDMシンボルを伝送するときに生成され得るタイミングドリフトを説明する。
【0048】
タイミングオフセットは、OFDMシンボルが端末デバイスに到着する瞬間と、端末デバイスがOFDMシンボルを受信するために予め設定されたタイミング瞬間との間の時間差である。
【0049】
図2に示すように、端末デバイスがOFDMシンボルを受信するために予め設定されたタイミング瞬間(以下、サンプリングタイミング瞬間と呼ぶ)は、端末デバイスにシンボルが到着する瞬間(すなわち、OFDMシンボルの実際の到着瞬間)と完全に一致する。言い換えれば、タイミングオフセットは生成されない。このケースが高速移動シナリオで発生する確率は極めて低い。
【0050】
図3に示すように、サンプリングタイミング瞬間は、OFDMシンボルの実際の到着瞬間よりも早い、すなわち、タイミングフォワードバイアスが発生する。タイミングオフセットが生成される。しかしながら、サンプリングタイミング瞬間がCP内にあり、τ
max(最大遅延スプレッド)でないため、シンボル間干渉は生じない。タイミングパイロットCSI-RS(channel state information-reference signal、チャネル状態情報基準信号)を使用して、タイミングオフセットを較正する。タイミングパイロットCSI-RSは、周期的または非周期的な信号である。
【0051】
図4は、別のタイミングフォワードバイアスの概略図である。
図4は、
図3と類似している。
図3及び
図4はいずれも、サンプリングタイミング瞬間がOFDMシンボルの実際の位置より早い場合を示す。それらの違いは、
図4のサンプリングタイミング瞬間がτ
max内にあり、したがって、シンボル間干渉及びキャリア間干渉が生じることである。現在受信されているOFDMシンボルのテールの波形と、マルチパス遅延により伝送された以前のOFDMシンボルのテールの波形との間のCPにおいて波形エイリアシングが起こるため、シンボル間干渉が引き起こされ、キャリア間の直交性が損なわれ、キャリア間干渉が導入されることが理解され得る。
図5に示すように、サンプリングタイミング瞬間は、OFDMシンボルの実際の位置より遅い、すなわち、タイミングバックワードバイアスが発生する。タイミングオフセットも生成される。OFDMシンボルにおいて受信された信号は、完全なキャリア波形を有さず、したがって、シンボル間干渉およびキャリア間干渉を引き起す。
【0052】
タイミングフォワードバイアスを生成する理由は、次のように要約し得る。送信デバイスと受信デバイスとの間の距離が時間とともに徐々に増加し、すなわち、送信デバイス及受信デバイスの移動傾向が互いに離れていっている。例えば、送信デバイスは静止しており、受信デバイスは送信デバイスから離れてしまう。この場合、送信デバイスによって送信されたデータが受信デバイスに到達する時間は、予め設定された時間より遅い。言い換えれば、サンプリングタイミング瞬間は、OFDMシンボルの実際の位置より早い。反対に、タイミングバックワードバイアスを生成する理由は、次のように要約し得る。送信デバイスと受信デバイスとの間の距離が時間とともに徐々に短くなり、すなわち、送信デバイス及び受信デバイスの移動傾向が互いに近づいてきている。送信デバイスによって送信されたデータが受信デバイスに到達する時間は、予め設定された時間より早い。言い換えれば、サンプリングタイミング瞬間は、OFDMシンボルの実際の位置より遅い。
【0053】
既存のNR規格から、地上通信システムでは、モバイル端末の最大移動速度は約0.2777km/sであることを学ぶことができる。速度は、電磁波の伝送速度に対して無視可能であり得る。したがって、地上通信システムでは、OFDMシンボルが送信されたときに生じ得るシンボルタイミングオフセットは、主に電磁波のマルチパス効果によって引き起こされる。したがって、OFDMシンボルが端末デバイスに実際に到着する瞬間は、端末デバイスがOFDMシンボルを受信するために予め設定されるタイミング瞬間より早いというよりむしろ、遅い可能性がある。言い換えれば、
図3及び
図4に示すケースは、地上通信システムでは比較的一般的な現象であり、
図5に示すケースは、地上通信システムではほとんど現れない。
【0054】
したがって、既存のNR OFDMシンボルの伝送機構は、主に
図3及び
図4のケースのために設計される。しかしながら、衛星通信システムでは、衛星デバイスが高速で移動するため、
図3から
図5に示す前述のケースすべてが発生しやすい。既存のNR OFDMシンボルに基づいて、タイミングフォワードバイアス問題を緩和することはできるが、タイミングバックワードバイアス問題を解決することはできない。
【0055】
別の態様では、衛星通信システムにおいて、衛星通信システムのものであり、衛星通信システムのチャネルモデルに基づいて取得される最大遅延スプレッドは、約154.89nsである。しかしながら、表1に示される内容を参照すると、既存のNR OFDMシンボルにおいて、CP長の最小値は依然として、衛星通信システムの最大遅延スプレッドよりもはるかに大きい290ns(表1のサブキャリア間隔が240kHzのNR OFDMシンボルを参照)であることを学び得る。言い換えれば、衛星通信システムにとってNR OFDMシンボルのCP長は過度に大きい。同じ変調方式で、より大きなCP長が、OFDMシンボルで搬送され得るビット(bits)のより小さい量を示し、それによって衛星通信におけるリソースの浪費を引き起こすことを当業者は理解し得る。
【0056】
上記の問題を解決するために、本出願の一実施形態は、衛星通信に基づく信号伝送方法を提供する。本出願のこの実施形態で開示される衛星通信に基づく信号伝送方法をよりよく理解するために、本出願のこの実施形態の適用シナリオをまず説明する。
図6を参照すると、衛星通信システムの典型的なネットワークアーキテクチャは、説明のための例としてまず使用され、実際の衛星通信のためのネットワークアーキテクチャは、これに類似している。
【0057】
図6は、本出願が適用されるモバイル衛星通信システムの可能なアーキテクチャの概略図である。システムは、衛星デバイスおよび端末デバイスを含む。衛星通信システムを地上通信システムと比較する場合、衛星デバイスは、地上の基地局等の1つ以上のネットワークデバイスとみなされ得る。衛星デバイスは、端末デバイスのための通信サービスを提供する。衛星デバイスは、コアネットワークデバイス(例えば、アクセス及びモビリティ管理機能(access and
mobility management functions、AMF)ネットワーク要素)にさらに接続されてもよい。
【0058】
衛星基地局は、端末デバイスの無線アクセスサービスを主に提供し、衛星基地局にアクセスする端末デバイスの無線リソースをスケジュールし、信頼できる無線伝送プロトコル、データ暗号化プロトコルなどを提供する。衛星基地局は、無線通信基地局、例えば、進化型基地局(eNB)または5G基地局(gNB)として使用される人工地球衛星、高高度航空機などである。衛星基地局は、静止地球軌道(geostationary earth orbit、GEO)衛星であってもよく、中地球軌道(medium earth orbit、MEO)衛星や低地球軌道(low earth orbit、LEO)衛星などの非静止地球軌道(non-geostationary earth orbit、NGEO)衛星であってもよく、高高度プラットフォーム局(High Altitude Platform Station、HAPS)などであってもよい。衛星デバイスの走行姿勢は、地上非注視姿勢及び地上注視姿勢を含む。地上非注視姿勢の衛星デバイスによって放射された衛星ビームは、衛星と共に移動する。衛星によって放射される各ビームの角度は、衛星の視点から見れば時間とともに変化しない。比較的頻繁なビーム切り替えは、固定された地上点の上を衛星が飛行したときに、固定された地上点において発生する。例えば、フラッシュライトは、衛星の軌道をシミュレートし、地球を周回するために使用される。フラッシュライトによって放射されるビームの角度は変わらない。衛星デバイスの速度は、地球の自転速度より大きい。したがって、同期衛星に加えて、静止軌道を持つ衛星と地球との間の関係は、次の通りである。地球は静止しており、衛星デバイスは地球の周りの周期的な円運動を行う。この場合、フラッシュライトによって放射されるビームが地球を掃引することができる。注視衛星システムでは、衛星によって放射される各ビームの角度を特定の方法で調整し、固定された地上点の連続観測を実現する。例えば、フラッシュライトは、衛星の軌道をシミュレートし、地球を周回するために使用される。フラッシュライトの走行処理では、フラッシュライトによって放射される各ビームの角度を調整することを介して、同一領域の連続観察を行う(フラッシュライトによって照射される領域は変わらない)。フラッシュライトによって放射される各ビームの角度は、調整可能であることが理解され得る。
【0059】
端末デバイス(usere quipment、UE)は、ネットワークデバイスのスケジューリング及び指示情報を受信することができる無線端末デバイスであってもよい。無線端末デバイスは、ユーザに音声及び/またはデータ接続性を提供するデバイス、無線接続機能を有するハンドヘルドデバイス、または無線モデムに接続される別の処理デバイスであってもよい。無線端末デバイスは、無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)を介して1つ以上のコアネットワークまたはインターネットと通信し得る。無線端末デバイスは、携帯電話(または「セルラー」及びモバイルフォン(mobile phone)と称される)、コンピュータ、またはデータカードなどのモバイル端末デバイスであってもよく、例えば、無線アクセスネットワークと言語及び/またはデータを交換する携帯型、ポケットサイズ、ハンドヘルド、コンピュータ内蔵、または車載モバイル装置であってもよい。例えば、無線端末デバイスは、パーソナル通信サービス(personal communication service、PCS)電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、無線ローカルループ(wireless local loop、WLL)ステーション、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant、PDA)、タブレットコンピュータ(Pad)、及び無線トランシーバ機能を有するコンピュータを含んでもよい。無線端末デバイスは、システム、加入者ユニット(subscriber unit)、加入者ステーション(subscriber station)、移動局(mobile station)、移動局(mobile station、MS)、遠隔ステーション(remote station)、アクセスポイント(access point、AP)、遠隔端末(remote terminal)、アクセス端末(access terminal)、ユーザ端末(user terminal)、ユーザエージェント(user agent)、加入者ステーション(subscriber station、SS)、顧客宅内装置(customer premises equipment、CPE)、端末(terminal)、ユーザ装置(user equipment、UE)、移動端末(mobile terminal、MT)等とも呼ばれ得る。あるいは、無線端末デバイスは、ウェアラブルデバイス及び次世代通信システム、例えば、5Gネットワーク内の端末デバイス、将来の進化した公衆陸上移動体ネットワーク(public land mobile network、PLMN)内の端末デバイス、またはNR通信システム内の端末デバイスであってもよい。
【0060】
図6は、理解しやすさのための例として使用される簡略化された概略図にすぎないことを理解されたい。通信システムは、
図6に示されていない別のネットワークデバイスまたは別の端末デバイスをさらに含み得る。
【0061】
以下では、端末デバイスと衛星デバイスとの間の相互作用のプロセスを例として使用して、本出願の実施形態を詳細に説明する。端末デバイスは、無線通信システム内にあり、衛星デバイスと無線接続関係を有する端末デバイスであってもよい。衛星デバイス及び無線通信システム内にあり、衛星デバイスと無線接続関係を有する複数の端末デバイスは、同じ技術的解決策に従ってOFDMシンボルを伝送し得ることが理解され得る。これは、本出願では限定されない。
【0062】
本出願のこの実施形態では、異なる軌道高さにおける衛星デバイスによって送信される任意のキャリアについて、キャリアに適用可能なOFDMシンボルは、各キャリアのキャリア属性情報を参照して計算され、キャリア属性情報は、決定されたOFDMシンボルに結び付けられ、衛星デバイスによって送信される各キャリアのキャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の対応を形成する。対応は、衛星デバイスまたは端末デバイス、すなわち本出願における通信デバイスに事前設定される。キャリア属性情報は、サブキャリア間隔を含む。
【0063】
通信デバイスは、OFDMシンボルをピアデバイスに伝送するために使用されるターゲットキャリアのキャリア属性情報を取得し、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応を照会し、ターゲットキャリアに対応するOFDMシンボルのCP長を決定する。
【0064】
本出願のこの実施形態では、OFDMシンボルのCP長は、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された関係に基づいて調整されることを学び得る。各キャリアに対応するOFDMシンボルのCP長は、固定されなくなった。したがって、OFDMシンボルを伝送するとき、衛星通信システムは、キャリア属性情報に基づいてCP長を低減してリソース利用率を向上させてもよいし、キャリア属性情報に基づいてCP長を増加させて、シンボル間干渉の導入を回避し、ビットエラーレートを低減し、システムパフォーマンスを向上させてもよい。
【0065】
それに応じて、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応は、サブキャリア間隔とOFDMシンボルのCP長との間の対応である。
【0066】
別の実装方法では、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応はさらに、サブキャリア間隔と、OFDMシンボルのCP長及びCS長のそれぞれとの間の対応であってもよい。通信デバイスはさらに、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応を照会し、ターゲットキャリアのキャリア属性情報に対応するOFDMシンボルのCS長を決定し得る。このようにして、
図5に示されるタイミングバックワードバイアスが発生した場合、衛星通信システムは、シンボル間干渉の導入を避けるために、CSセグメントをOFDMシンボルに追加する。
図7は、本出願の一実施形態による衛星通信システムに基づいて定義されたOFDMシンボルを示す。OFDMシンボルは、CP及びCSを含む。
図1に基づいて、
図7は、
図1に示されるNR OFDMシンボルの改善である。
【0067】
前述の予め設定された対応は、衛星デバイスによって決定されてもよく、端末デバイスまたは第三者デバイスが衛星デバイスのすべてのキャリアのキャリア属性情報を取得した後に決定されてもよく、または任意のデバイスによって決定された前述の対応に基づいて人によって設定されてもよいことに留意されたい。任意選択で、前述の対応は、衛星デバイス内に予め設定されてもよく、衛星デバイスの実行プロセスにおいてリアルタイムで計算を通じて決定されてもよい。これは、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0068】
上記の対応は、衛星デバイスの軌道高さに基づいて区別される。実際には、衛星デバイスは、複数のビームを同時に放射することができる。したがって、前述の対応は、ターゲットキャリアが位置するビームについてさらに細分化され得る。キャリアとOFDMシンボルとの間の対応が、キャリアに対応するビーム情報をさらに含む場合、ターゲットキャリアのキャリア属性情報は、ビーム識別子及び/またはビーム仰角をさらに含み得る。
【0069】
以下は、衛星デバイスがキャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の対応を決定する方法を提供する。この方法は、
図6に示されるアーキテクチャの衛星デバイスによって行われるものとする。
図8に示すように、本出願は、衛星デバイスがキャリア属性情報に対応するCP長及びCS長を決定する方法を提供する。方法は、以下のステップを含み得る。
【0070】
ステップS801:衛星デバイスによって放射される任意のビームについて、衛星デバイスは、ビーム識別子及びビームのビーム仰角を取得する。
【0071】
例として、衛星デバイスによって放射される1つのビームを用いる。衛星デバイスは、ビームのビーム識別子(各ビーム識別子は、衛星デバイスの固有ビームに対応する)及びビームのビーム仰角を取得する。
【0072】
当業者は、より小さいビーム仰角は、衛星デバイスと領域との間のより大きな相対速度を示すことを理解し得る。反対に、より大きなビーム仰角は、衛星デバイスと領域との間のより小さい相対速度を示す。より小さい相対速度は、より小さいタイミングドリフトを示す。言い換えると、異なるビーム仰角は、ビームの異なる最大タイミングバイアス量を示す。したがって、本出願のこの実施形態では、ビームのビーム仰角を取得するとき、衛星デバイスは、ビームとビームのカバレッジ領域との間の最小ビーム仰角、すなわち、地球の表面におけるカバレッジ領域の縁におけるビームのビーム仰角を選択し得る。
図9は、本出願の一実施形態によるビーム仰角の概略図である。
【0073】
ステップS802:衛星デバイスは、ビーム内の異なるキャリアに対応する最大遅延スプレッド、最大タイミングオフセットの値、および最大タイミングオフセットの方向を決定する。
【0074】
本出願における異なるキャリアは、異なるサブキャリア間隔に基づいて異なると決定されることに留意されたい。例えば、同じビームで搬送される複数のキャリアが同じサブキャリア間隔を有する場合、複数のキャリアは同じであると考えられる。
【0075】
(1)衛星デバイスは、次の方法により、キャリアに対応する最大遅延スプレッドを決定する。
【0076】
衛星デバイスは、異なる軌道高さの衛星通信システムのチャネルモデルに基づいて、異なるサブキャリア間隔に対応する最大マルチパススプレッドを決定する。
【0077】
(2)衛星デバイスは、次の方法で最大タイミングオフセットを決定する。
【0078】
タイミングバイアスは、伝送されたOFDMシンボルに反映され、タイミングパイロット期間における衛星デバイスと端末デバイスとの間の累積タイミングオフセット量である。
図10は、タイミングフォワードバイアスの累積タイミングオフセットの概略図である。
図11は、タイミングバックワードバイアスの累積タイミングオフセットの概略図である。最大タイミングオフセット量は、タイミングパイロット期間の最終シンボルの累積タイミングオフセットである。例えば、最大タイミングオフセット量の算出方法は、次の通りである。
【0079】
例えば、
図12を例として用いる。衛星デバイスの移動速度は約v(7.5622km/s)、ビームのカバレッジ領域の縁のP点における仰角は10°であり、UEと衛星との間の最大相対位置変化は、1msの時間間隔でおよそ距離L(6.80598m)であると仮定する。この場合、1msにおけるダウンリンクタイミングオフセットは、約t=L/v
xである。衛星の移動速度の方向は、衛星と地球の核との間の接続線の方向に垂直である。P点における衛星の移動速度の速度成分は、v
x=v*cosαである。上記の値に基づき、1msにおけるダウンリンクタイミングオフセットtの値は、約22.6866ns(変換後のサンプリングポイントの場合、約45Tc)である。タイミングパイロットCSI-RSの送信周期は10msとする。この場合、タイミングパイロット期間の最大タイミングオフセットは、t*10=226.866nsである。
【0080】
本出願のこの実施形態では、最大タイミングオフセットが前述の方法で決定され、タイミングパイロットオーバーヘッドを増加させることなくシンボル間干渉を排除するために、OFDMシンボルのCP長及びCS長が最大タイミングオフセットに基づいて調整されることを学び得る。
【0081】
ステップS803:衛星デバイスは、衛星デバイスとビームの地上カバレッジ領域における端末との間の相対的な移動傾向に基づいて、最大タイミングバイアスの方向を決定する。
【0082】
衛星デバイスは、衛星デバイスの位置と地球の表面におけるビームのカバレッジ領域との間の相対的な移動傾向に基づいて、最大タイミングオフセットの方向を決定する。
【0083】
上記に示すように、衛星デバイスと地球の表面におけるビームのカバレッジ領域との間の相対的な移動傾向が互いに近くなっている場合、衛星デバイスは、最大タイミングオフセットの方向がタイミングフォワードバイアスであると決定する。衛星デバイスと地球の表面におけるビームのカバレッジ領域との間の相対的な移動傾向が互いに離れていっている場合、衛星デバイスは、最大タイミングオフセットの方向がタイミングバックワードバイアスであると決定する。
【0084】
衛星デバイスと地球の表面におけるビームのカバレッジ領域との間の相対的な移動傾向を決定するとき、衛星デバイスは、衛星デバイスの移動速度の方向とビームを放射する方向との間の夾角、及びビーム仰角に基づいて相対的な移動傾向を決定し得る。以下では、例を用いて説明を提供する。
【0085】
例1:
図13(a)及び
図13(b)は、本出願の一実施形態による非注視衛星通信システムのシナリオの概略図である。ここで、
図13(a)は、衛星のビームが地球の表面を照射する概略三次元図であり、
図13(b)は、衛星デバイスと照射領域との間の上方視点の平面関係の概略図である。
図13(b)において、最も大きい円は、衛星デバイスによって放射された全ての衛星ビームの照射下にある地球の表面の全領域である。
図13(b)を参照して、以下では、衛星デバイスが衛星デバイスと異なる領域との間の相対的な移動傾向を決定する場合について説明する。
【0086】
図13(b)において、破線Aは、衛星デバイスの移動方向に垂直である。衛星デバイスの移動方向が分かっている。
図13(b)から、衛星デバイスは、破線Aの左側の領域に比較的近く、衛星デバイスは、破線Aの右側の領域から比較的遠いことが学び得る。例えば、前述の位置関係から、放射されたビームと衛星の移動方向との間の夾角が90°を超えない場合、相対的な移動傾向が互いに近くなっている、または、放射されたビームと衛星の移動方向との間の夾角が90°を超える場合、相対的な移動傾向が互いに遠くなっていと要約することができる。
【0087】
特殊な場合では、放射されたビームと衛星の移動方向との間の夾角が90°に等しいビームのカバレッジ領域(破線Aが位置する領域)については、衛星デバイスがビームのカバレッジ領域に近づいていると考えてもよいし、衛星デバイスがビームのカバレッジ領域から遠ざかっていると考えてもよい。あるいは、より大きいビーム仰角は、衛星デバイスと端末デバイスとの間のより小さい相対速度、及びより小さいタイミングオフセットを示す。より小さいビーム仰角は、衛星デバイスと端末デバイスとの間のより小さい相対速度、及びより大きいタイミングオフセットを示す。したがって、衛星デバイスと破線Aが位置する領域との間の移動傾向を決定するとき、衛星デバイスは、ビームと領域との間の最小仰角を参照して、移動傾向をさらに決定し得る。例えば、ビーム仰角が0°から30°である場合、衛星デバイスはビームのカバレッジ領域から遠くなっている、または、仰角が31°から90°である場合、衛星デバイスはビームのカバレッジ領域に近づいている。
【0088】
例2:
図14(a)及び
図14(b)は、本出願の一実施形態による地上注視姿勢のシナリオの概略図である。図において、楕円は、地球の表面において衛星デバイスによって照射された領域であり、破線Aはカバレッジ領域の左側の境界であり、破線Bはカバレッジ領域の右側の境界であり、図中の左向き矢印は衛星デバイスの移動方向である。
図14(a)及び
図14(b)を参照して、以下では、衛星デバイスが衛星デバイスと異なる領域との間の相対的な移動傾向を決定する場合について説明する。
【0089】
図14(a)及び
図14(b)から、衛星デバイスが破線Bの右側に位置するとき、衛星デバイスがすべてのカバレッジ領域に近づいていること、または衛星デバイスが破線Aの左側に位置するとき、衛星デバイスがすべてのカバレッジ領域から遠ざかっていることを学ぶことができる。衛星デバイスが破線Aと破線Bとの間に位置するとき、衛星デバイスは異なるビームのいくつかのカバレッジ領域に近づいていて、異なるビームのいくつかのカバレッジ領域から遠ざかっている。前述のルールは、次の通りに要約し得る。
【0090】
衛星デバイスの移動方向と放射されたビームとの間の夾角が90°以下である場合、衛星はビームのカバレッジ領域に近づいている。衛星デバイスの移動方向と放射されたビームとの間の夾角が90°より大きい場合、衛星デバイスはビームのカバレッジ領域から遠ざかっている。
【0091】
ステップS804:衛星デバイスは、ビームで搬送されたキャリアに対応する、決定された最大遅延スプレッド、最大タイミングオフセットの決定された値、及び最大タイミングオフセットの決定された方向に基づいて、キャリアのキャリア属性情報に対応するOFDMシンボルのCP長及びCS長を決定する。
【0092】
以下は、衛星デバイスがOFDMシンボルを決定するためのさまざまな実装方法を提供する。
【0093】
以下の方法では、キャリアのキャリア属性情報は、サブキャリア間隔、ビーム識別子、及び/またはビーム仰角を含む。
【0094】
実施方法1:衛星デバイスは、まず、最大遅延スプレッド、最大タイミングオフセットの値、及び最大タイミングオフセットの方向に基づいてCP長を決定し、決定したCP長に基づいてCS長を調整する。
【0095】
本出願のこの実施形態におけるOFDMシンボルの全長は、NR標準を使用して定義され得る。言い換えれば、衛星デバイスは、現在のNR OFDMシンボルの構造、決定された最大遅延スプレッド、最大タイミングオフセットの値、および最大タイミングオフセットの方向に基づいて、同じサブキャリア間隔でNR OFDMシンボルのCP長を調整する。一例は、次の通りである。
【0096】
(1)タイミングフォワードバイアスを調整する。
【0097】
最大タイミングオフセットの方向がタイミングフォワードバイアスである場合、衛星デバイスは、最大遅延スプレッドと最大タイミングオフセットの値の合計が現在のNR OFDMシンボルのCP長より大きいかどうか判定する。合計が現在のNR OFDMシンボルのCP長より大きくない場合、以下のいくつかの調整方法がある。説明は、例を使用して以下に提供される。
【0098】
調整方法1:現在のNR OFDMシンボルのCP長がまだ使用されている。
【0099】
衛星デバイスは、NR OFDMシンボルのCP長を使用する。例えば、CPセグメントは、CP長と同じ長さを有し、OFDMシンボルのデータテールからコピーされるコンテンツ(第1のデータ)を搬送するために使用される。別の例では、CPセグメントは、CP長未満の長さを有し、OFDMシンボルのデータテールからコピーされるコンテンツ、及びOFDMシンボル内のデータとは異なる他のデータ(第2のデータ)を搬送するために代替的に使用されてもよい。
【0100】
調整方法2:OFDMシンボルのCP長を短くし、OFDMシンボル内のデータの長さを延長する。
【0101】
衛星デバイスは、OFDMシンボルのCP長を短くし、短くされたCP長が最大遅延スプレッドと最大タイミングオフセットの値の合計以上になるようにする。これに対応して、短くされたCP長部分は、OFDMシンボルのデータを搬送するために使用される。OFMDシンボルがより多くのデータを搬送することができるように、OFDMシンボル内のデータの長さを延長することも理解され得る。
【0102】
前述の説明を参照して、衛星通信システムにおけるOFDMシンボルの全長は、NR基準に基づいて定義されることが理解され得る。言い換えれば、CP長及びOFMDシンボル内のデータ部分の長さが調整された後のOFDMシンボルの全長は、本出願では変化しない。言い換えれば、短くされたCP長、及びOFDMシンボル内のデータ部分の延長された長さの合計は、調整前のNR OFDMシンボルの全長と同じである。例えば、サブキャリア間隔が15kHzの場合、OFDMシンボルの全長は71.35ns、CP長は4.69ns、及びOFDMシンボル内のデータの長さは66.67nsである。OFDMシンボルの調整されたCP長は2.69nsであると仮定する。この場合、OFDMシンボル内のデータの長さは68.67nsである。
【0103】
最大遅延スプレッド及び最大タイミングオフセットの値の合計が現在のNR OFDMシンボルのCP長より大きい場合、NR OFDMシンボル内のCP長が延長され、OFDMシンボル内のデータ部分の長さが縮小され、調整されたCP長が最大遅延スプレッド及び最大タイミングオフセットの合計以上になる。
図15は、調整されたOFDMシンボルにおけるCP長、最大遅延スプレッド、及び最大タイミングオフセットの間の関係の概略図である。
【0104】
任意選択で、NR OFDMシンボル内のCP長を調整した後、衛星デバイスは、決定されたOFDMシンボルに基づいてCS長を決定する。最大タイミングオフセットの方向がタイミングフォワードバイアスである場合、衛星デバイスは、CS部分が追加された、すなわち、OFDMシンボル内のCS長が0であると決定する。
【0105】
(2)タイミングバックワードバイアスを調整する。
【0106】
最大タイミングオフセットの方向がタイミングバックワードバイアスである場合、衛星デバイスは、最大遅延スプレッドと最大タイミングオフセットの合計が同じサブキャリア間隔を有するNR OFDMシンボルのCP長より大きいかどうかを判定し、衛星
デバイスはCP長を最大遅延スプレッド以上に短縮し、CSとしてCPの短縮部分を使用し、すなわち現在のNR OFDMシンボル内のCPの一部をCSとして使用する。
図16に示すように、CP長の一部は、NR OFDMシンボルに基づいてカットされ、CPのカットされた部分がCSとして使用される。CSは、CS長と同じ長さを有し、OFDMシンボルのヘッドからコピーされるコンテンツを搬送するために使用される。
【0107】
最大タイミングオフセットの方向がタイミングバックワードバイアスであり、衛星デバイスが、最大遅延スプレッドと最大タイミングオフセットの値の合計が同じサブキャリア間隔を有するNR OFDMシンボルのCP長より大きいと判定した場合、衛星デバイスはCP長を最大遅延スプレッド以上に短縮し、CP長の短縮部分をCSの一部として使用してもよい。なお、CS長が最大タイミングオフセットより大きいため、短縮されたCP長が最大遅延スプレッドより大きいことに留意されたい。したがって、CPのカットされた部分をCSとして使用し、CS長をさらに長くする、すなわち、CS長は、CPの一部の長さと、OFDMシンボル内のデータの一部の長さとを含む。
図17に示すように、NR OFDMシンボルに基づいて、CP長の一部をカットし、CP長の一部とOFDMシンボル内のデータの一部の長さとを組み合わせて、CSを形成する。CSは、CS長と同じ長さを有し、OFDMシンボルのヘッドからコピーされるコンテンツを搬送するために使用される。
【0108】
なお、CP長を調整する場合には、現在のNR OFDMシンボルのCP長を使用してもよい。調整方法1に記載されているように、CPセグメントは、CP長未満であり、OFDMシンボル内のデータのテール及びOFDMシンボル内のデータとは異なる他のデータからコピーされるコンテンツを搬送するために使用されてもよい。言い換えれば、OFDMシンボル内のCP長は変化せず、CSとして使用するにはOFDMシンボルのセグメントのデータ長を占有する必要がある。
【0109】
実施方法2:衛星デバイスは、まず、最大遅延スプレッド、最大タイミングオフセットの値、及び最大タイミングオフセットの方向に基づいてCS長を決定し、決定したCS長に基づいてCS長を調整する。
【0110】
衛星デバイスは、現在のNR OFDMシンボルの構造、決定された最大遅延スプレッド、最大タイミングオフセットの値、および最大タイミングオフセットの決定された方向に基づいて、同じサブキャリア間隔でNR OFDMシンボルのCS長を調整し得る。例えば、
【0111】
(1)タイミングフォワードバイアスを調整する。
【0112】
最大タイミングオフセットの方向がタイミングフォワードバイアスである場合、衛星デバイスはCS長が0であると決定する。言い換えれば、CSをOFDMシンボルに追加する必要はない。
【0113】
CS長が0であると決定した後、衛星デバイスはCP長を決定する。CP長を決定するステップについては、実施方法1のタイミングフォワードバイアスの調整におけるCPを決定するステップを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0114】
(2)タイミングバックワードバイアスを調整する。
【0115】
最大タイミングオフセットの方向がタイミングバックワードオフセットである場合、衛星デバイスは、CS長が最大タイミングオフセットの値以上であると決定する。CS長が決定された後、CP長がさらに決定される。CS長を決定する方法については、実施方法1のCP長を決定するプロセスを参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0116】
CSを形成する方法は、各OFDMシンボルのヘッド内のCS長のコンテンツを、各OFDMシンボルの対応するテール位置にコピーして、巡回サフィックスを形成することであってもよい。
【0117】
衛星デバイスの走行姿勢は、地上非注視姿勢であると仮定する。非注視衛星通信システムでは、衛星デバイスによって放射されるビームの角度が変化しないため、各ビームの衛星仰角は変化しない。したがって、各ビームの同じサブキャリア間隔に対応するCP長及びCS長は変化しない。ビームの異なるサブキャリア間隔に対応するCP長及びCS長を決定した後、地上注視姿勢の衛星デバイスは、ビーム識別子及びサブキャリア間隔を、対応するCP長及び対応するCS長に結合して、第1の対応を形成し得る。以下の表2は、本出願のこの実施形態で提供されるサブキャリア間隔と、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応を示す。
【0118】
【0119】
注視衛星通信システムでは、衛星デバイスが各ビームの放射角を調整するので、各ビームのビーム仰角は規則的に変化する値であり、各ビームのビーム仰角は同じ変化範囲を有する。したがって、同じサブキャリア間隔を有する各ビームに対応するCP長およびCS長は、ビーム仰角とともに変化する。したがって、地上注視姿勢の衛星デバイスは、前述の方法を使用して、異なるビーム仰角で異なるサブキャリア間隔を有するビームに対応するCP長及びCS長を別々に決定し、ビーム識別子、ビーム仰角、及びサブキャリア間隔のそれぞれを、対応するCP長及び対応するCS長のそれぞれに結合して、第2の対応を形成する。以下の表3は、本出願のこの実施形態においてサブキャリア間隔及びビーム仰角のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの対応を示す。
【0120】
【0121】
前述の表は、理解しやすいように単なる簡略化された例示的な表であることを理解されたい。前述のテーブルは、別の項目をさらに含んでもよく、または不要な項目を除外してもよい。これは、前述の表には示されていない。例えば、OFDMシンボルの長さまたはOFDMシンボルの全長が含まれるか、もしくはキャリアパラメータ項目またはCS長項目が除外される。あるいは、異なるセル内の様々なビームに対応するCP長及びCS長が、ビームによってカバーされるセルに基づいて分割される場合、セル識別子などの情報がさらに対応に追加されてもよい。
【0122】
前述の方法では、地上注視姿勢における衛星デバイスの地上カバー領域は変化せず、衛星デバイスの速度も比較的速いため、衛星デバイスは、上記第2の対応に基づいて、OFDMシンボルのCP長及びCS長をリアルタイムで調整する必要がある。したがって、各サブキャリア間隔を有する各ビームのさまざまな仰角におけるCP長の最大値及びCS長の最大値はさらに、ビームに対応するCP長及びCS長として使用されてもよい。それに対応して、衛星デバイスは、サブキャリア間隔及びビーム識別子のそれぞれを、CP長及びCS長のそれぞれに結合し、第2の対応の別の形態を形成する。あるいは、衛星デバイスは、各サブキャリア間隔を有する各ビーム仰角における異なるビームのCP長の最大値及びCS長の最大値を、ビーム仰角に対応するCP長及びCS長として決定する。それに対応して、衛星デバイスは、サブキャリア間隔及びビーム仰角のそれぞれを、CP長及びCS長のそれぞれに結合して、第2の対応の第3の形態を形成する。
【0123】
任意選択で、同じ衛星デバイスによって放射される異なるビームは、同じOFDMシンボルをさらに使用してもよい。衛星デバイスはさらに、以下の方法で、各軌道高さの衛星デバイスに対応する固定されたOFDMシンボルを決定してもよい。
【0124】
NTN(non-terrestrial network、非地上ネットワーク)プロトコルにおける固定衛星高さに基づき、LEO衛星デバイスの軌道高さは600km、衛星デバイスの移動速度は7.5622km/s、上記の方法を使用して決定された、1msにおける、ダウンリンクタイミングオフセットは約22.6866nsである。MEO衛星デバイスの軌道高さは1500km、衛星デバイスの移動速度は7.1172km/s、1msにおけるダウンリンクタイミングオフセットは約21.3516nsである。HEO衛星デバイスの軌道高さは10000km、衛星デバイスの移動速度は4.9301km/s、1msにおけるダウンリンクタイミングオフセットは約14.7903nsである。
【0125】
さらに、衛星通信システムにおいて、衛星通信システムのものであり、衛星通信システムのチャネルモデルに基づいて取得される最大遅延スプレッドは、約154.89nsである。しかしながら、既存のNR OFDMシンボルにおいて、CP長の最小値は依然として290nsであることが、表1に示される内容から学び得る。したがって、表1を参照すると、他のサブキャリア間隔に対応するNR OFDMシンボルのCP長が、最大遅延スプレッド及び最大タイミングオフセットの合計よりも大きいことを学び得る。したがって、タイミングオフセットの方向がタイミングバックワードバイアスである場合にISIを導入するケースを避けるために、現在のNR OFDMシンボルのCP長の一部をカットしてCSとして使用してもよい。以下の表4は、本出願におけるLEO衛星デバイスの異なるサブキャリア間隔に対応するOFDMシンボルの決定されたCP長及びCS長を示す。
【0126】
【0127】
以下の表5は、本出願におけるMEO衛星デバイスの異なるサブキャリア間隔に対応するOFDMシンボルの決定されたCP長及び決定されたCS長を示す。
【0128】
【0129】
以下の表6は、本出願におけるMEO衛星デバイスの異なるサブキャリア間隔に対応するOFDMシンボルの決定されたCP長及び決定されたCS長を示す。
【0130】
【0131】
なお、サブキャリア間隔240kHzに対応するNR OFDMシンボルのCP長は、最大遅延スプレッド及び最大タイミングオフセットの合計より290ns小さいため、CP長をカットしてもよい。さらに、OFDMシンボルの長さも比較的小さいため、CSを追加すると、OFDMシンボルで搬送されるデータが少なく、それによってリソースの無駄が生じる。したがって、CSは追加されなくてもよく、すなわち、CS長は0である。
【0132】
衛星デバイスは、各サブキャリア間隔を、対応するCP長及び対応するCS長に結合して、第3の結合関係を形成する。表3及び表4は単なる例に過ぎないことに留意されたい。表中のCS長及びCP長の値は、単なる例であり、他の値であってもよい。本出願のこの実施形態では、CS長及びCP長の値は限定されない。例えば、表4を例として使用される。240kHzのサブキャリア間隔に対応するOFDMシンボルの長さを4.022に調整し、CS長を0.148に調整する。
【0133】
任意選択で、衛星デバイスは、表2に示される第1の対応に基づいて、各サブキャリア間隔に対応するCP長の最大値及びCS長の最大値をさらに選択し、CP長の最大値をサブキャリア間隔に対応するOFDMシンボルのCP長として使用し、CS長の最大値をサブキャリア間隔に対応するOFDMシンボルのCS長として使用し、サブキャリア間隔をOFDMシンボルに結合して、地上非注視姿勢における軌道高さの衛星デバイスのサブキャリア間隔と、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応を形成し得る。同様に、衛星デバイスは、前述の方法に基づいて、地上注視姿勢における衛星デバイスのサブキャリア間隔と、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応を決定し得る。
【0134】
さらに、キャリア属性情報と、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応を決定した後、衛星デバイスは、端末デバイスに対応を通知してもよい。
図6に示されるアーキテクチャに基づいて、
図18は、衛星通信システムに基づいてOFDMシンボルを伝送する提供された方法を示す。方法は、以下のステップを含み得る。
【0135】
ステップ1800:衛星デバイスは、OFDMシンボルを端末iに伝送するために使用されるターゲットキャリアに対応するキャリア属性情報を取得する。
【0136】
ステップ1801:衛星デバイスは、ターゲットキャリアのキャリア属性情報を端末iに送信する。
【0137】
ステップ1802:端末iは、衛星デバイスによって送信されるターゲットキャリアのキャリア属性情報を取得し、ターゲットキャリアのキャリア属性情報、及びキャリア属性情報とCP長及びCS長のそれぞれとの間のあらかじめ設定された対応に基づいて、ターゲットキャリアに対応するCP長及びCS長を決定する。
【0138】
ステップ1803:衛星デバイスは、OFDMシンボルを端末jに伝送するために使用されるターゲットキャリアのキャリア属性情報を取得する。
【0139】
ステップ1804:衛星デバイスは、端末jのターゲットキャリアのキャリア属性情報、及びキャリア属性情報とCP長及びCS長のそれぞれとの間のあらかじめ設定された対応に基づいて、端末jのターゲットキャリアに対応するCP長及びCS長を決定する。ここで、CS長は0であってもよい。
【0140】
ステップ1805:衛星デバイスは、ターゲットキャリアに対応するCP長およびCS長に関する情報を端末jに送信する。
【0141】
なお、ステップ1800からステップ1802及びステップ1803からステップ1805は、本出願において、衛星通信システム内の衛星デバイスと端末デバイスとの間の2つの相互作用方法であり、2つの方法のシーケンスを示さない。例えば、衛星デバイスは、ステップ1800からステップ1802及びステップ1803からステップ1805を同時に実行してもよい。これは、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0142】
ターゲットキャリアは、衛星デバイスによって送信され、端末デバイスにOFDMシンボルを伝送するために使用されるキャリアを示す。具体的な送信方法は、以下の方法を含むが、これらには限定されない。
【0143】
送信方法1:衛星デバイスは、各ビームを使用して端末デバイスにブロードキャスト方法で通知する。
【0144】
衛星デバイスは、各ビームを使用することにより、キャリア属性情報と、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、ターゲットキャリアのキャリア属性情報、または決定されたCP長及び決定されたCS長をブロードキャストする。上述の情報の複数のタイプのキャリアが存在する。例えば、上述の情報は、ブロードキャスト用のMIB(master information block,マスタ情報ブロック)、またはSIB(system information block,システム情報ブロック)に追加される。以下は例を用いて説明する。
【0145】
例えば、衛星デバイスは、決定された対応をMIBに追加する。初期アクセスビームを有する端末デバイスは、ブロードキャストMIBに基づいて対応を取得する。加えて、衛星デバイスは、配信のためにMIBまたはSIBに、OFDMシンボルを端末デバイスに伝送するために使用されるターゲットキャリアのキャリア属性情報をさらに追加し得る。したがって、端末デバイスは、ターゲットキャリアの取得したキャリア属性情報及び取得した対応に基づいて、CP長及びCS長を決定してもよい。ここで、CS長は0であってもよい。
【0146】
送信方法2:衛星デバイスは、代替的に、ユニキャスト(ポイントツーポイント)方式で端末デバイスに通知してもよい。
【0147】
衛星デバイスは、キャリア属性情報とCP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、ターゲットキャリアのキャリア属性情報、または決定されたCP長及び決定されたCS長などの情報を伝送するために、各端末デバイスと専用のデータリンクを確立する。
【0148】
送信方法3:衛星デバイスは、ネットワークデバイスを使用して転送を行う。
【0149】
例えば、衛星デバイスは、各ビームに対応する基地局に上述の情報を配信し、基地局が位置するセル内の端末デバイスに通知する。
【0150】
ネットワークデバイスは、ネットワーク側、例えば生成ノードB(generation NodeB,gNodeB)上の信号を伝送または受信するために使用されるエンティティである。ネットワークデバイスは、モバイルデバイスと通信するように構成されたデバイスであり得る。ネットワークデバイスは、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)内のAP、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(global system for mobile communications、GSM)またはコード分割多重アクセス(code division multiple access、CDMA)内の基地トランシーバ局(base transceiver station、BTS)、ワイドバンドコード分割多重アクセス(wideband code division multiple access、WCDMA)内のノードB(NodeB、NB)、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)内の進化型ノードB(evolutional NodeB、eNBまたはeNodeB)、中継局、アクセスポイント、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、将来の5Gネットワーク内のネットワークデバイス、将来の進化型公衆陸上モバイルネットワーク(public land mobile network、PLMN)内のネットワークデバイス、NRシステム内のgNodeBなどであってもよい。加えて、本出願の実施形態では、ネットワークデバイスはセルにサービスを提供し、端末デバイスは、セルによって使用される伝送リソース(例えば、周波数ドメインリソース、すなわち、スペクトルリソース)を使用することによってネットワークデバイスと通信する。セルは、ネットワークデバイス(例えば、基地局)に対応するセルであってもよい。セルは、マクロ基地局に属してもよいし、スモールセル(small cell)に対応する基地局に属してもよい。本明細書におけるスモールセルは、メトロセル(Metro cell)、マイクロセル(Micro cell)、ピコセル(Pico cell)、フェムトセル(Femto cell)等を含んでよい。これらのスモールセルは、小さなカバレッジと低い伝送電力という特徴を有し、高レートデータ伝送サービスの提供に適用可能である。加えて、別の可能なケースでは、ネットワークデバイスは、端末デバイスに無線通信機能を提供する別の装置であってもよい。ネットワークデバイスによって使用される特定の技術及び特定のデバイス形態は、本出願の実施形態では限定されない。説明を容易にするために、本出願の実施形態では、端末デバイスに無線通信機能を提供する装置をネットワークデバイスと呼ぶ。
【0151】
最後に、低周波数帯域の最適化を実装するために、PT-RSパイロットを低周波数帯域に導入して、端末デバイスがPT-RSパイロットに基づいて位相ノイズを計算して補償し、リンク性能を向上させ得る。
【0152】
当業者は、FR2周波数帯域では、衛星デバイスがPT-RSパイロットを受信デバイスに送信し、受信デバイスがPT-RSに基づいて位相ノイズ補償を行い、同じスロット内の異なるシンボルの位相変化を修正し得ることを知っている。しかしながら、この技術はまだFR1周波数帯域では実装されていない。本出願のこの実施形態では、FR1周波数帯域に導入されたPT-RSパイロットの時間密度は、FR2周波数帯域におけるPT-RSパイロットの時間密度を使用してもよい。あるいは、PT-RSパイロットの時間密度は、以下の方法で決定されてもよい。
【0153】
衛星デバイスと端末デバイスとの間の比較的高速な移動は、同じスロット内の異なるシンボルの位相変化を引き起こすため、PT-RSパイロットの時間密度は、衛星デバイスと端末デバイスとの間の最大相対速度に基づいて分割され得る。以下は例を用いて説明する。
【0154】
以下の表7は、本出願の一実施形態による、低周波数帯のPT-RSパイロットのものであり、端末デバイスの速度についてLEOによって設定される時間密度の分割を示す。
【0155】
【0156】
表7は、次の通りに説明される。端末デバイスの速度が7.44km/sより大きい場合、衛星デバイスによってFR1周波数帯域でPT-RSパイロットを送信する時間密度は、シンボルごとに1回である。端末デバイスの速度が5.58km/sより大きいが、7.74km/sより大きく場合、衛星デバイスによってFR1周波数帯域でPT-RSパイロットを送信する時間密度は、4つのシンボルごとに1回などである。
【0157】
表7は単なる一例であることに留意されたい。本出願のこの実施形態は、特定の値に限定されない。値は、特定の範囲内で変動する場合がある。異なる軌道高さを有する衛星デバイスの場合、FR1周波数帯域上のPT-RSパイロットの時間密度は、前述の方法で分割され得る。詳細は、ここでは再度説明しない。
【0158】
衛星デバイスは、PT-RSパイロットの時間領域密度に関する情報を受信デバイスに通知する。例えば、衛星デバイスは、PT-RSパイロットの時間密度に関する情報をSIBまたはRRC(radio resource control、無線リソース制御)メッセージに追加し、SIBまたはRRCメッセージを受信デバイスに送信する。受信デバイスは、端末デバイスまたはネットワークデバイスであってもよい。
【0159】
図19は、本出願の一実施形態による通信デバイス1900、例えば、端末デバイスまたは衛星デバイスの構造の概略図である。
図19に示すように、通信デバイス1900は、取得ユニット1901及び決定ユニット1902を含む。
【0160】
取得ユニット1901は、OFDMシンボルの伝送に使用されるターゲットキャリアに対応するキャリア属性情報を取得するように構成される。ターゲットキャリアのキャリア属性情報は、サブキャリア間隔を含む。
【0161】
決定ユニット1902は、ターゲットキャリアのキャリア属性情報、及びキャリア属性情報とCP長との間の予め設定された対応に基づいて、OFDMシンボルのCP長を決定するように構成される。CPは、第1のデータを搬送するために使用される。第1のデータは、OFDMシンボル内のデータである。
【0162】
決定ユニット1902は、ターゲットキャリアのキャリア属性情報、及びキャリア属性情報とCS長との間の予め設定された対応に基づいて、OFDMシンボルのCS長を決定するようにさらに構成される。CS長は、CP長の一部及び/またはOFDMシンボル内のデータの一部の長さである。
【0163】
任意選択で、キャリア属性情報は、ターゲットキャリアが位置するビームのビーム識別子及びビーム仰角のうちの1つ以上をさらに含む。
【0164】
任意選択で、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応は、サブキャリア間隔とCP長との間の対応を含む。
【0165】
任意選択で、キャリア属性情報とOFDMシンボルとの間の予め設定された対応は、サブキャリア間隔と、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔及びビーム識別子のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔及びビーム仰角のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、または、
サブキャリア間隔、ビーム識別子、及びビーム仰角のそれぞれと、CP長及びCS長のそれぞれとの間の対応、をさらに含む。
【0166】
任意選択で、CPは、第2のデータを搬送するためにさらに使用される。第2のデータは、OFDMシンボルとは異なるデータである。
【0167】
本出願の実施形態では、通信デバイスのいくつかのユニット(または構成要素)は、ハードウェア回路を使用することによって実装されてもよく、いくつかの他のユニット(または構成要素)は、ソフトウェアを使用することによって実装され、またはすべてのユニット(または構成要素)は、ハードウェア回路を使用することによって実装されてもよく、またはすべてのユニット(または構成要素)は、ソフトウェアを使用することによって実装される。
【0168】
図20は、本出願の一実施形態による通信
デバイス2000の構造の概略図である。
図20に示すように、通信デバイス
2000は、例えば、衛星デバイスまたは端末デバイスである。通信デバイス2000は、プロセッサ2001およびメモリ2002を含む。メモリ2002は、プロセッサまたはネットワークデバイスとは独立したメモリ(メモリ#3)であってもよく、プロセッサまたはネットワークデバイス内のメモリ(メモリ#1またはメモリ#2)であってもよい。メモリ
2002は、物理的に独立したユニットであってもよいし、クラウドサーバ上の記憶空間、ネットワークハードディスクなどであってもよい。
【0169】
メモリ2002は、コンピュータ可読命令(またはコンピュータプログラムと称される)を記憶するように構成される。
【0170】
プロセッサ2001は、通信デバイス及びそれらの実装に関連する前述の態様のいずれか1つにおいて提供される方法を実装するために、コンピュータ可読命令を読み取るように構成される。
【0171】
任意選択で、メモリ2002(メモリ#1)は、装置内に位置する。
【0172】
任意選択で、メモリ2002(メモリ#2)は、プロセッサと統合される。
【0173】
任意選択で、メモリ2002(メモリ#3)は、装置の外側に位置する。
【0174】
任意選択で、第1のネットワークデバイスは、データを受信及び送信するように構成されたトランシーバ2003をさらに含む。
【0175】
加えて、プロセッサ2001は、中央処理装置、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または別のプログラマブル論理デバイス、トランジスタ論理デバイス、ハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。プロセッサ2001は、本出願において開示されるコンテンツを参照して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路を実装または実行し得る。あるいは、プロセッサは、コンピューティング機能を実装するプロセッサの組み合わせ、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせ、またはデジタル信号プロセッサとマイクロプロセッサとの組み合わせであってもよい。加えて、メモリ2002は、揮発性メモリ(volatile memory)、例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)を含んでもよい。メモリは、あるいは、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば、フラッシュメモリ(flash memory)、ハードディスクドライブ(hard disk drive、HDD)、ソリッドステートドライブ(solid-state drive、SSD)、クラウドストレージ(cloud storage)、ネットワークアタッチドストレージ(NAS:network attached Storage)、またはネットワークドライブ(network drive)を含み得る。メモリは、あるいは、前述のタイプのメモリの組み合わせ、または記憶機能を有する任意の形態の別の媒体もしくは製品を含み得る。
【0176】
プログラム製品は、1つ以上の可読媒体の任意の組み合わせであってもよい。可読媒体は、可読信号媒体または可読記憶媒体であり得る。例えば、可読記憶媒体は、電気、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体システム、装置もしくはデバイス、またはそれらの任意の組み合わせであり得るが、これらに限定されない。可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つ以上の導線、ポータブルディスク、ハードディスクドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、またはそれらの任意の適切な組み合わせを有する電気接続を含む。
【0177】
本出願の実装におけるパラメータを構成するためのプログラム製品は、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)を使用し、プログラムコードを含み得、サーバデバイス上で動作し得る。ただし、本出願におけるプログラム製品はそれに限定されない。本明細書では、可読記憶媒体は、プログラムを含むまたは記憶する任意の有形媒体であってもよく、プログラムは、情報として伝送され、装置またはコンポーネントによって使用されるか、または装置またはコンポーネントと組み合わせて使用されることができる。
【0178】
可読信号媒体は、ベースバンド内で、またはキャリアの一部として伝播されるデータ信号を含み得、データ信号は、可読プログラムコードを搬送する。伝播されたデータ信号は、電磁信号、光信号、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない複数の形態であってもよい。可読信号媒体は、あるいは、可読記憶媒体以外の任意の読み取り可能な媒体であってもよい。可読媒体は、周期的ネットワークアクションシステム、装置、またはデバイスによって、またはそれらとの組み合わせで使用されるプログラムを送信、伝播、または伝送し得る。
【0179】
可読媒体に含まれるプログラムコードは、無線媒体、有線媒体、光ケーブル、RF、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な媒体を使用することによって伝送され得る。
【0180】
本出願の動作を実行するために使用されるプログラムコードは、1つ以上のプログラム設計言語の任意の組み合わせで記述され得る。プログラム設計言語は、Java及びC++などのオブジェクト指向プログラム設計言語を含み、さらに、「C」言語または同様のプログラム設計言語などの従来の手続き型プログラム設計言語を含む。プログラムコードはすべて、ユーザのコンピューティングデバイス上で実行されてもよく、ユーザ装置上で部分的に実行されてもよく、独立したソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、ユーザのコンピューティングデバイス上で部分的に実行されてもよく、リモートコンピューティングデバイス上で部分的に実行されてもよく、またはリモートコンピューティングデバイスまたはサーバ上ですべて実行されてもよい。プログラムコードがリモートコンピューティングデバイス上で実行されるとき、リモートコンピューティングデバイスは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを使用することによってユーザのコンピューティングデバイスに接続されてもよく、外部コンピューティングデバイスに接続されてもよい。
【0181】
本出願の一実施形態は、衛星通信に基づく信号伝送方法のためのコンピュータデバイス可読記憶媒体をさらに提供し、停電後にコンテンツが失われないようにする。記憶媒体は、プログラムコードを含むソフトウェアプログラムを記憶する。プログラムコードがコンピューティングデバイス上で実行されるとき、本出願の実施形態における衛星通信に基づく前述の信号伝送解決策のいずれか1つは、ソフトウェアプログラムが1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行されるときに実装されることができる。
【0182】
上記は、本出願の実施形態における方法、装置(システム)、及び/またはコンピュータプログラム製品のブロック図及び/またはフローチャートを参照して本出願を説明する。ブロック図及び/またはフローチャートのブロック、ならびにブロック図及び/またはフローチャート内のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令を使用することによって実装されることができることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータのプロセッサ、専用コンピュータのプロセッサ、及び/または別のプログラム可能なデータ処理装置に提供され、機械を生成し得、コンピュータのプロセッサ及び/または別のプログラム可能なデータ処理装置によって実行される命令が、フローチャート及び/またはブロック図のブロック内の特定の機能/アクションを実装するための方法を作成するようにする。
【0183】
それに対応して、本出願は、ハードウェア及び/またはソフトウェア(ファームウェア、レジデントソフトウェア、マイクロコードなどを含む)を使用することによってさらに実装されてよい。さらに、本出願は、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態であってもよい。コンピュータプログラム製品は、命令実行システムによって使用されるために、または命令実行システムと組み合わせて使用されるために、媒体に実装されるコンピュータ使用可能またはコンピュータ可読プログラムコードを有する。本出願の文脈において、コンピュータ使用可能またはコンピュータ可読媒体は、任意の媒体であってもよく、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用されるために、もしくは命令実行システム、装置、またはデバイスと組み合わせて使用されるために、プログラムを含み、記憶し、通信し、伝送し、または転送してもよい。
【0184】
本出願は、特定の特徴及びその実施形態を参照して説明されるが、明らかに、本出願の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正及び組み合わせをそれらに対して行い得る。それに対応して、本明細書および添付の図面は、添付の特許請求の範囲によって定義される本出願の単なる例示的な説明であり、本出願の範囲をカバーする修正、変形、組み合わせ、または等価物のいずれかまたはすべてとみなされる。明らかに、当業者は、本出願の範囲から逸脱することなく、本出願に様々な修正及び変形を行い得る。本出願のこれらの修正及び変形が本出願の特許請求の範囲及びそれらの同等の技術の範囲内にあることを条件として、本出願は、本出願のこれらの修正及び変形をカバーすることを意図する。