(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】セグメント膜、バッテリ組合せ、および電気デバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/529 20210101AFI20240205BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20240205BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240205BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240205BHJP
H01M 50/534 20210101ALI20240205BHJP
H01M 50/186 20210101ALI20240205BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20240205BHJP
【FI】
H01M50/529
H01M50/569
H01M10/48 P
H01M50/533
H01M50/534
H01M50/186
H01M50/184 C
(21)【出願番号】P 2022531501
(86)(22)【出願日】2020-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2020098616
(87)【国際公開番号】W WO2021103518
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】201911208846.3
(32)【優先日】2019-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】周 慧慧
(72)【発明者】
【氏名】▲ドン▼ 耀明
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲陽▼▲興▼
【審査官】佐溝 茂良
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-172943(JP,A)
【文献】国際公開第2019/160232(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/529
H01M 50/569
H01M 10/48
H01M 50/533
H01M 50/534
H01M 50/186
H01M 50/184
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ組合せ中の電極アセンブリ間での電気接続および分離のために使用されるセグメント膜であって、前記セグメント膜は、積層方式で配設された導電層と第1の絶縁層と第2の絶縁層とを備え、前記導電層は、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間に位置しており、
前記導電層は、積層方式で配設され電気的に接続された第1の導電部分と第2の導電部分とを備え、
前記第1の絶縁層は、フレーム構造であり、前記第1の絶縁層は、前記第1の導電部分の
表面上に、かつ、前記第2の導電部分から離れている
前記表面上に配設され、
前記第2の絶縁層は、フレーム構造であり、前記第2の絶縁層は、前記第2の導電部分の
表面上に、かつ、前記第1の導電部分から離れている
前記表面上に配設される、セグメント膜。
【請求項2】
前記第1の絶縁層の外枠端部は、前記第1の導電部分の端部に沿って配設され、
前記第2の絶縁層の外枠端部は、前記第2の導電部分の端部に沿って配設される請求項1に記載のセグメント膜。
【請求項3】
前記第1の絶縁層の内枠端部は、長方形、円形、楕円形、または
雲形状であり、
前記第2の絶縁層の内枠端部は、長方形、円形、楕円形、または
雲形状である請求項1または2に記載のセグメント膜。
【請求項4】
前記第1の導電部分は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、および炭素のうちの1つまたは複数の材料を備え、
前記第2の導電部分は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、および炭素のうちの1つまたは複数の材料を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセグメント膜。
【請求項5】
前記導電層は、接続層をさらに備え、前記第1の導電部分と前記第2の導電部分とは、前記接続層を使用することによって電気的に接続される請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセグメント膜。
【請求項6】
第3の絶縁層であって、前記第3の絶縁層は、前記導電層の側壁を少なくとも部分的にラッピングする、第3の絶縁層をさらに備える請求項1乃至5のいずれか一項に記載のセグメント膜。
【請求項7】
前記第3の絶縁層と、前記第1の絶縁層と、前記第2の絶縁層とは、一体構造である請求項6に記載のセグメント膜。
【請求項8】
第3の導電部分であって、前記第3の導電部分は、前記第1の導電部分と前記第2の導電部分とに別々に電気的に接続される、第3の導電部分をさらに備える請求項1乃至7のいずれか一項に記載のセグメント膜。
【請求項9】
前記第3の導電部分は、外部回路に接続するかまたは前記バッテリ組合せの検出ポイントとして働くために使用される請求項8に記載のセグメント膜。
【請求項10】
前記第3の導電部分は、前記バッテリ組合せの電位測定または容量均等化調整のために使用される請求項9に記載のセグメント膜。
【請求項11】
前記セグメント膜が第3の絶縁層を備えるとき、前記第3の導電部分は、前記第3の絶縁層の外に露出される請求項8乃至10のいずれか一項に記載のセグメント膜。
【請求項12】
パッケージ層と、N個の電極アセンブリと、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のN-1個のセグメント膜とを備えるバッテリ組合せであって、Nは、2以上の正の整数であり、
前記N-1個のセグメント膜は、前記パッケージ層をN個の密閉室に分離し、前記N個の電極アセンブリは、前記N個の密閉室中に1つずつ配設され、各電極アセンブリは、隣接するセグメント膜に電気的に接続され、
各密閉室は、電解質で充填され、前記セグメント膜は、隣接する密閉室中の電解質を隔離するために使用される、バッテリ組合せ。
【請求項13】
前記セグメント膜は、導電層を使用することによって、前記隣接する密閉室中の前記電解質を隔離する請求項12に記載のバッテリ組合せ。
【請求項14】
前記セグメント膜は、第1の絶縁層と第2の絶縁層とを使用することによって、前記パッケージ層に密封して接続される請求項13に記載のバッテリ組合せ。
【請求項15】
前記セグメント膜は、導電層と第3の絶縁層と使用することによって、前記隣接する密閉室中の前記電解質を隔離する請求項12に記載のバッテリ組合せ。
【請求項16】
前記セグメント膜は、第1の絶縁層と、第2の絶縁層と、前記第3の絶縁層とを使用することによって、前記パッケージ層に密封して接続される請求項15に記載のバッテリ組合せ。
【請求項17】
前記N個の電極アセンブリは、前記N-1個のセグメント膜を使用することによって直列にまたは並列に接続される請求項12乃至16のいずれか一項に記載のバッテリ組合せ。
【請求項18】
前記N個の電極アセンブリは、前記N-1個のセグメント膜を使用することによって直列におよび並列に接続される請求項12乃至16のいずれか一項に記載のバッテリ組合せ。
【請求項19】
ハウジングと、前記ハウジング中に配設される請求項12乃至18のいずれか一項に記載のバッテリ組合せとを備える電気デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、バッテリ技術の分野に関し、特に、セグメント膜、バッテリ組合せ、および電気デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「SEGMENT MEMBRANE, BATTERY COMBINATION, AND ELECTRICAL DEVICE」と題する、2019年11月30日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第201911208846.3号の優先権を主張する。
【0003】
バッテリは、バッテリが出現してから人々の生活に多大な変化をもたらした。小型のポータブル電子デバイス(たとえば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレットコンピュータ、およびノートブックコンピュータ)から大型のモバイルデバイス(たとえば、電気自動車、電気トラック、および電気船舶)まで、すべてはバッテリによって与えられるエネルギーに依拠する。しかしながら、異なる適用例シナリオは、バッテリ容量電圧に対する異なる要件を有し、単一のセルは、通常、直列および/または並列方式で動作する。
【0004】
たとえば、電気自動車、電気トラック、および電気船舶では、これらのシナリオにおいて必要とされる電気は、数十から数百KWhに到達することがあり、これらのシナリオにおいて必要とされる電圧は、しばしば、数百から千ボルトに到達するので、いくつかの単一のセルが、最初に、特定の容量に到達するために並列に接続され、次いで、バッテリグループの合計電圧を増加させるために直列に接続される。
【0005】
タブレットコンピュータおよびノートブックコンピュータでは、これらのデバイスの動作電圧が数十ボルトであるので、単一のセルが、高電圧に到達するために直列に接続される。スマートフォンの分野では、耐久時間および高速充電の要件により、並列バッテリ(Apple8は、電力供給のために2つの並列バッテリを使用する)と直列のバッテリ(OPPO高速充電技術)もまた、出現した。
【0006】
しかしながら、現在、単一のセルは、単一のセルのカソードおよびアノードを接続するために外部電気コネクタを使用することによって直列および/または並列で接続される。たとえば、電力バッテリ中では、単一のセルは、ボルトと導電シートとを使用することによって接続される。デジタルバッテリ中では、単一のセルは、外部ワイヤを通して接続される。この直列の方式および/または並列方式では、バッテリグループ全体またはバッテリシステム中のパッケージ材料およびコネクタによって占有される体積および質量は大きく、それによって、バッテリグループ全体またはバッテリシステムの体積エネルギー密度および質量エネルギー密度を低減し、電気機器の耐久時間に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0007】
本出願は、バッテリ組合せ中でのバッテリ接続を容易にし、バッテリ組合せの体積を低減するためにセグメント膜、バッテリ組合せ、および電気デバイスを提供する。
【0008】
第1の態様によれば、セグメント膜が提供される。セグメント膜は、バッテリ組合せ中の電極アセンブリ間での電気接続および分離のために使用され、ここで、セグメント膜は、多層構造を含み、積層方式で配設された導電層と第1の絶縁層と第2の絶縁層とを特に含み、導電層は、第1の絶縁層と第2の絶縁層との間に位置する。導電層は、積層方式で配設され電気的に接続された第1の導電部分と第2の導電部分とを含む。第1の絶縁層は、フレーム構造であり、第1の絶縁層は、第1の導電部分のものであり第2の導電部分から離れている表面上に配設される。第2の絶縁層は、フレーム構造であり、第2の絶縁層は、第2の導電部分のものであり第1の導電部分から離れている表面上に配設される。上記の技術的解決策では、セグメント膜の第1の導電部分は、バッテリの1つの電極(カソードまたはアノード)に接続され、第2の導電部分は、電極アセンブリの1つの電極(カソードまたはアノード)に接続され、バッテリ組合せ中の電極アセンブリの並列接続および直列接続は、セグメント膜を使用することによって実装される。したがって、バッテリ組合せ中での電極アセンブリ接続が簡略化されることができ、バッテリ組合せの量が低減されることができ、バッテリ組合せのエネルギー密度が改善されることができる。
【0009】
特定の実装では、第1の絶縁層の外枠端部は、第1の導電部分の端部に沿って配設される。
【0010】
第2の絶縁層の外枠端部は、第2の導電部分の端部に沿って配設される。外枠端部は、導電部分に対応する端部に沿って配設され、したがって、絶縁層は、電極アセンブリの端部との密封処理を実施することができる。
【0011】
特定の実装では、第1の絶縁層の内枠端部は、長方形、円形、楕円形、または特殊形状である。
【0012】
第2の絶縁層の内枠端部は、異なる形状の電極アセンブリの電極を接続するために長方形、円形、楕円形、または特殊形状である。
【0013】
特定の実装では、第1の導電部分は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、および炭素のうちの1つまたは複数の材料を含む。
【0014】
第2の導電部分は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、および炭素のうちの1つまたは複数の材料を含む。
【0015】
特定の実装では、導電層は、接続層をさらに含み、第1の導電部分と第2の導電部分とは、接続層を使用することによって電気的に接続される。
【0016】
特定の実装では、第1の導電部分と第2の導電部分とは、一体構造である。セグメント膜に接続される電極が同じであるとき、第1の導電部分と第2の導電部分とは同じ材料を使用することによって製造され得る。
【0017】
特定の実装では、第3の絶縁層がさらに含まれ、ここで、第3の絶縁層は、導電層の側壁を少なくとも部分的にラッピングする。第3の絶縁層は、電流漏れを低減するために導電層の側壁を少なくとも部分的にラッピングする。
【0018】
特定の実装では、第3の絶縁層がさらに含まれ、ここで、第3の絶縁層は、フレーム構造であり、第3の絶縁層は、導電層上にスリーブを付けられ、導電層の側壁をラッピングする。導電層の側壁は、電極アセンブリが接続されるときに電流漏れのリスクを低減するために第3の絶縁層を使用することによって電気的に絶縁される。
【0019】
特定の実装では、第3の絶縁層と、第1の絶縁層と、第2の絶縁層とは、電極アセンブリが接続されるときに電流漏れのリスクを低減するために一体構造である。
【0020】
特定の実装では、第3の導電部分がさらに含まれ、ここで、第3の導電部分は、第1の導電部分と第2の導電部分とに別々に電気的に接続される。第3の導電部分は、バッテリ組合せと外部部分との間の接続点として使用され得る。
【0021】
特定の実装では、第3の導電部分は、外部回路に接続するかまたはバッテリ組合せの検出ポイントとして働くために使用される。異なる接続方式が第3の導電部分を使用することによって実装される。
【0022】
特定の実装では、第3の導電部分は、バッテリ組合せの電位測定または容量均等化調整のために使用される。
【0023】
特定の実装では、少なくとも2つの第3の導電部分があるとき、第3の導電部分は、導電層の異なる側壁または同じ側壁上に配設される。たとえば、3つの第3の導電部分は、導電層の同じ側壁上に配設されるか、または導電層の隣接する側壁上に分散されるか、または導電層の任意の他の側壁上に分散され得る。第3の導電部分は、外部回路への接続を容易にするためにバッテリ組合せの外に延長される。
【0024】
特定の実施形態では、第3の導電部分および導電層は、セグメント膜の導電性効果を改善するために一体構造である。
【0025】
特定の実施形態では、セグメント膜が第3の絶縁層を含むとき、第3の導電部分は、外部回路への接続を容易にするために第3の絶縁層の外に露出される。
【0026】
第2の態様によれば、バッテリ組合せが提供される。バッテリ組合せは、パッケージ層と、N個の電極アセンブリと、上記の実装のうちのいずれか1つによるN-1個のセグメント膜とを含み、ここで、Nは、2以上の正の整数である。N-1個のセグメント膜は、パッケージ層をN個の密閉室に分離し、N個の電極アセンブリは、N個の密閉室中に1つずつ配設され、各電極アセンブリは、隣接するセグメント膜に電気的に接続される。各密閉室は、電解質で充填され、セグメント膜は、隣接する密閉室中の電解質を隔離するために使用される。上記の技術的解決策では、セグメント膜の第1の導電部分は、バッテリの1つの電極(カソードまたはアノード)に接続され、第2の導電部分は、電極アセンブリの1つの電極(カソードまたはアノード)に接続され、バッテリ組合せ中の電極アセンブリの並列接続および直列接続は、セグメント膜を使用することによって実装される。したがって、バッテリ組合せ中での電極アセンブリ接続が簡略化されることができ、バッテリ組合せの量が低減されることができ、バッテリ組合せのエネルギー密度が改善されることができる。
【0027】
特定の実装では、セグメント膜は、導電層を使用することによって、隣接する密閉室中の電解質を隔離する。
【0028】
特定の実装では、セグメント膜は、第1の絶縁層と第2の絶縁層とを使用することによって、パッケージ層に密封して接続される。第1の絶縁層と第2の絶縁層とは、セグメント膜とパッケージ層との間の接続を実装するためにパッケージ層に密封して接続される。
【0029】
特定の実装では、セグメント膜は、導電層と第3の絶縁層と使用することによって、隣接する密閉室中の電解質を分離する。導電層と第3の絶縁層とは、導電層の使用エリアを低減し、費用をさらに低減するために密閉室を形成するための分離のために使用される。
【0030】
特定の実装では、セグメント膜は、第1の絶縁層と、第2の絶縁層と、第3の絶縁層とを使用することによって、パッケージ層に密封して接続される。第1の絶縁層と、第2の絶縁層と、第3の絶縁層とは、セグメント膜がパッケージ層に密封して接続されることを実装するためにパッケージ層に密封して接続される。
【0031】
特定の実装では、N個の電極アセンブリは、N-1個のセグメント膜を使用することによって直列にまたは並列に接続される。
【0032】
特定の実装では、N個の電極アセンブリは、N-1個のセグメント膜を使用することによって直列におよび並列に接続される。
【0033】
第3の態様によれば、電気デバイスが提供され、ここで、電気デバイスは、ハウジングとハウジング中に配設される上記の実装のうちのいずれか1つによるバッテリ組合せとを含む。上記の技術的解決策では、セグメント膜の第1の導電部分は、バッテリの1つの電極(カソードまたはアノード)に接続され、第2の導電部分は、電極アセンブリの1つの電極(カソードまたはアノード)に接続され、バッテリ組合せ中の電極アセンブリの並列接続および直列接続は、セグメント膜を使用することによって実装される。したがって、バッテリ組合せ中での電極アセンブリ接続が簡略化されることができ、バッテリ組合せの量が低減されることができ、バッテリ組合せのエネルギー密度が改善されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本出願の一実施形態による、バッテリ組合せの構造の概略図である。
【
図3】本出願の一実施形態による、セグメント膜の層構造の概略図である。
【
図4】本出願の一実施形態による、セグメント膜の第1の表面の構造の概略図である。
【
図6】本出願の一実施形態による、セグメント膜の第2の表面の構造の概略図である。
【
図7】本出願の一実施形態による、第2のセグメント膜の第1の表面の構造の概略図である。
【
図8】本出願の一実施形態による、第3のセグメント膜の第1の表面の構造の概略図である。
【
図9】本出願の一実施形態による、第4のセグメント膜の第1の表面の構造の概略図である。
【
図10】本出願の一実施形態による、第5のセグメント膜の構造の概略図である。
【
図13】本出願の一実施形態による、第6のセグメント膜の構造の概略図である。
【
図14】本出願の一実施形態による、第7のセグメント膜の構造の概略図である。
【
図15】本出願の一実施形態による、第8のセグメント膜の構造の概略図である。
【
図16】本出願の一実施形態による、バッテリによって直列に形成されるバッテリ組合せの分解の概略図である。
【
図17】
図16に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。
【
図18】本出願の一実施形態による、バッテリによって並列に形成されるバッテリ組合せの分解の概略図である。
【
図19】
図18に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。
【
図20】本出願の一実施形態による、N-1個のセグメント膜を使用することによってN個のバッテリによって直列に形成されるバッテリ組合せの概略図である。
【
図21】
図20に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。
【
図22】本出願の一実施形態による、N-1個のセグメント膜を使用することによってN個のバッテリによって並列に形成されるバッテリ組合せの概略図である。
【
図23】
図22に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。
【
図24】本出願の一実施形態による、3つのセグメント膜を使用することによって4つのバッテリによって直列におよび並列に形成されるバッテリ組合せの概略図である。
【
図25】本出願の一実施形態による、第9のセグメント膜の構造の概略図である。
【
図26】本出願の一実施形態による、第10のセグメント膜の構造の概略図である。
【
図27】本出願の一実施形態による、第11のセグメント膜の構造の概略図である。
【
図28】本出願の一実施形態による、第9のセグメント膜によって形成される並列バッテリ組合せである。
【
図29】
図28に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。
【
図30】本出願の一実施形態による、第10のセグメント膜によって形成される並列バッテリ組合せである。
【
図31】
図30に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。
【
図32】本出願の一実施形態による、第9のセグメント膜と第10のセグメント膜とによって形成される並列バッテリ組合せである。
【
図33】
図32に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。
【
図34】本出願の一実施形態による、第11のセグメント膜によって形成される並列バッテリ組合せである。
【
図35】
図34に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。
【
図36】本出願の一実施形態による、第9のセグメント膜と、第10のセグメント膜と、第11のセグメント膜とによって形成される直列および並列バッテリ組合せを示す。
【
図37】
図36に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本出願の実施形態において提供されるセグメント膜の理解を容易にするために、セグメント膜の適用例シナリオについて最初に説明する。本出願の実施形態において提供されるセグメント膜の特定のシナリオは、電気自動車のために使用される電力バッテリおよび家庭用電子製品(たとえば、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートバンド、およびBluetoothヘッドセット)のために使用されるデジタルバッテリ、およびエネルギーインターネット分野におけるエネルギー貯蔵バッテリシステムである。たとえば、電気自動車のために使用される電力バッテリシステムの場合、電力バッテリシステムは、最初に並列に接続され、次いで直列に接続された何ダースもの個々のバッテリから構成される。従来の技術では、バッテリ組合せが直列にまたは並列に接続されるとき、バッテリ組合せ全体またはバッテリシステムのエネルギー密度は、他のコネクタおよび構造構成要素の導入またはバッテリの内部構造の変化により低減される。したがって、本出願の実施形態は、バッテリがバッテリ組合せに組み立てられた後のバッテリ組合せの体積を改善し、バッテリ組合せのエネルギー密度を改善するためにセグメント膜を提供する。
【0036】
理解しやすいように、以下の概念について最初に説明する。
【0037】
カソード(Cathode):一次電池中で、電流が流れる元の電極は、より高い電位を有し、これがカソードであり、電子は、還元を実施するために取得される。電解槽中では、カソードは、電源の正極に接続される電極であり、電子は、酸化を実施するために喪失される。
【0038】
アノード(Anode):一次セル中で、電流が流れる先の電極は、より低い電位を有し、これがアノードであり、電子は酸化を実施するために喪失される。電解槽中では、アノードは、電源の負極に接続される電極であり、電子は、還元を実施するために取得される。
【0039】
セパレータ(separator):セパレータの主要な機能は、2つの電極が接触し、短絡するのを防げるためにバッテリのカソードとアノードとを分離することである。さらに、セパレータはまた、電解質イオンが通過することを可能にする機能を有する。
【0040】
アクティブ層(active layer):カソード上のカソード材料層とアノード上のアノード材料層。
【0041】
電流コレクタ(current collector):電流コレクタの機能は、カソード極プレートとアノード極プレートとによって生成された電流を収集することである。バッテリ中に2つのタイプの電流コレクタ、すなわち、カソード電流コレクタおよびアノード電流コレクタしかない。電流コレクタは、アノード活性材料またはカソード活性材料でコーティングされる。活性材料によって生成された電流は、電流コレクタによって収集され、次いで、バッテリタブに移動される。
【0042】
電極群(electrode group):電極群は、電極アセンブリとバッテリの外部パッケージ層とを含む。電極アセンブリは、バッテリ内のカソードと、アノードと、セパレータとの組立を指す。セパレータは、カソードとアノードとを分離するために使用され、カソードとアノードとの間のイオン伝導は、セパレータを使用することによって実装される。バッテリのカソードと、アノードと、セパレータとは、巻回を通して電極アセンブリを形成し得るか、積層を通して、電極アセンブリを形成し得るか、または巻回と積層とを通して電極アセンブリを形成し得、それの特定の組合せ方式は、本明細書では限定されない。バッテリの外部パッケージ層:バッテリの外部パッケージ層の機能は、外部環境中のガスまたは水がバッテリに入るのを防げるために外部環境から電極アセンブリを隔離するために電極アセンブリと電解質とをパッケージングすることである。
【0043】
セグメント膜(segment membrane):バッテリ組合せ中では、セグメント膜は、異なる電極アセンブリを分離し、したがって、異なる電極アセンブリの電解質は、互いに隔離され、互いに混合され得ない。しかしながら、異なる電極アセンブリは、セグメント膜を使用することによって電気的に接続されることができる。言い換えれば、セグメント膜は、異なる電極アセンブリ間でのイオン絶縁を可能にするが、電子は、導電性であることができる。
【0044】
合流部分(confluence part):電極アセンブリは、正の合流部分と負の合流部分とを有し、ここで、正の合流部分は、すべてのカソードの電流を収集するために使用され、負の合流部分は、すべてのアノードの電流を収集するために使用される。正の合流部分と負の合流部分とは、電極アセンブリのカソードタブおよびアノードタブであるか、または巻回電極アセンブリの最外の電流コレクタであるか、または積層電極アセンブリ上のすべてのカソードの溶接部分およびすべてのアノードの溶接部分であり得る。
【0045】
図1は、本出願の一実施形態による、バッテリ組合せの構造の概略図であり、
図2は、
図1のH-Hにおける部分的な拡大図である。本出願のこの実施形態において提供されるバッテリ組合せ100は、パッケージ層30と、複数の電極アセンブリ10と、複数のセグメント膜20とを含む。セグメント膜20は、パッケージ層30に密封して接続され、パッケージ層30は、複数の密閉室に分割される。複数の電極アセンブリ10は、複数の密閉室中に1つずつ配設され、各密閉室は、電解質で充填され、隣接する密閉室中の電解質は、セグメント膜20によって分離される。
図2に示されているように、複数の電極アセンブリ10と複数のセグメント膜20とは、交互に配置される。各電極アセンブリ10は、隣接するセグメント膜20に電気的に接続される。
【0046】
図3は、本出願のこの実施形態による、セグメント膜20の構造の概略図である。本出願のこの実施形態において提供されるセグメント膜20が、導電層22を含み、導電層22が、隣接する電極アセンブリに電気的に接続するように構成され得、外部回路に接続するように構成され得ることが
図3から学ばれることができる。導電層22は、積層方式で配設された第1の導電部分221と第2の導電部分222とを含み、第1の導電部分221は、第2の導電部分222に電気的に接続される。電極アセンブリに接続するときに、第1の導電部分221は、1つの隣接する電極アセンブリの電極(正の合流部分または負の合流部分)に接続され、第2の導電部分222は、1つの隣接する電極アセンブリの電極(正の合流部分または負の合流部分)に接続される。第1の導電部分221と第2の導電部分222とに接続された電極が同じであるとき、第1の導電部分221と第2の導電部分222とは一体構造であり得、すなわち、第1の導電部分221と第2の導電部分222とは、同じ材料を使用することによって製造される。第1の導電部分221と第2の導電部分222とに接続された電極が対向しているとき、第1の導電部分221と第2の導電部分222とは異なる材料を使用することによって製造される。たとえば、第1の導電部分221と第2の導電部分222との材料は、炭素、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、アルミニウム合金、ステンレス鋼、炭素材料、導電性ポリマー材料、銅アルミニウム複合箔、ニッケル-銅複合箔、ニッケル-アルミニウム複合箔、鉄-アルミニウム複合箔、鉄-銅複合箔、炭素/アルミニウム複合箔、および銅/炭素複合箔のうちの2つ以上を含む1つまたは組合せを含むか、または他の導電材料が使用され得る。これらのタイプの導電材料も多層膜組合せによって導電層22を形成し得る。たとえば、銅層/アルミニウム層、銅層/アルミニウム層/銅層、アルミニウム層/銅層/アルミニウム層、および銅層/鉄層/アルミニウム層などの異なる組合せが導電層22を形成することができる。3層構造が使用されるとき、外側の層に位置する2つの金属層は、それぞれ、第1の導電部分221と第2の導電部分222とであり、中間に位置する層は、接続層であり、第1の導電部分221と第2の導電部分222とは、接続層を使用することによって接続される(図に図示せず)。導電層22が2層構造を使用するとき、2層構造は、それぞれ、第1の導電部分221と第2の導電部分222とである。もちろん、導電層22は、代替として、単一の層、たとえば、銅層またはアルミニウム層を使用することによって製造され得る。この場合、第1の導電部分221と第2の導電部分222とは、一体構造である。しかしながら、層構造にかかわらず、導電層22の厚さは、1μmから150μmの間、たとえば、1ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン、または150ミクロンである。
【0047】
導電層22が異なる材料を使用することによって製造されるとき、導電層22は、材料特性の差のために、電極アセンブリの正の合流部分もしくは負の合流部分に別々に接続されるか、または正の合流部分と負の合流部分との両方に接続され得る。たとえば、導電層22の材料が、アルミニウム、アルミニウム合金、炭素などであるとき、2つの隣接する電極アセンブリの正の合流部分は、隣接する電極アセンブリの並列接続を実装するためにセグメント膜の第1の導電部分221と第2の導電部分222とに接続され得る。たとえば、導電層22の材料が、銅、鉄などであるとき、2つの隣接する電極アセンブリの負の合流部分は、隣接する電極アセンブリの並列接続を実装するためにセグメント膜の第1の導電部分221と第2の導電部分222とに接続され得る。たとえば、導電層22の材料が、アルミニウム-銅複合箔、炭素材料、鉄-アルミニウム複合箔などであるとき、隣接する電極アセンブリの直列接続を実装するために、2つの隣接する電極アセンブリの正の合流部分は、セグメント膜の第1の導電部分221に接続され、2つの隣接する電極アセンブリの負の合流部分は、セグメント膜の第2の導電部分222に接続され得る。
【0048】
さらに
図3を参照すると、本出願のこの実施形態において提供されるセグメント膜20は、第1の絶縁層21と第2の絶縁層23とをさらに含み、第1の絶縁層21と第2の絶縁層23とは、導電層22の2つの反対側上に配置される。第1の絶縁層21と、第2の絶縁層23と、導電層22との接続方式は、テープ成形方式、直接成形膜方式、溶媒蒸発方式、エピタキシャル成長方式、ボンディング方式、および当業者によく知られている他の複合方式を含む。また
図4を参照すると、
図4は、セグメント膜の第1の表面の構造の概略図である。
図2に示されているように、セグメント膜の導電層は、第1の導電部分221を含み、第1の絶縁層21の形状は、閉じられたフレーム構造であり、第1の絶縁層21は、第1の導電部分221のものであり第2の導電部分222から離れている表面上に配設される。さらに
図4を参照すると、第1の絶縁層21の外枠端部は、第1の導電部分221の端部に沿って配設される。セグメント膜20が電極アセンブリに接続されるとき、第1の絶縁層21は、第1の導電部分221の端部が露出されるのを防げるためにパッケージ層に密封して接続される。
【0049】
図5は、
図4のB-Bにおける断面図である。第1の絶縁層21の厚さは、100nmから100μmの間、たとえば、100ナノメートル、1ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、または100ミクロンである。第1の絶縁層21の材料は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタル酸塩層、ポリアミド、ポリイソフタロイルメタフェニレンジアミン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルホルマール、ポリスチレン、およびエポキシ樹脂のうちの2つ以上を含む1つまたは組合せを含む。これらのタイプのポリマーも多層膜組合せによって第1の絶縁層21を形成し得る。たとえば、底層はポリオレフィンとエポキシ樹脂との混合層であり、上層はポリプロピレン層である。
【0050】
さらに
図5を参照すると、第2の絶縁層23と第2の導電部分222とは、導電層22の同じ表面上に位置する。
図6は、導電層22の第2の表面の構造の概略図である。
図6では、導電層22は、第2の導電部分222を含み、第2の絶縁層23の形状は、閉じられたフレーム構造であり、第2の絶縁層23は、第2の導電部分222のものであり、第1の導電部分221から離れている表面上に配設される。さらに
図6を参照すると、第2の絶縁層23の外枠端部は、第2の導電部分222の端部に沿って配設される。セグメント膜が電極アセンブリに接続されるとき、第2の絶縁層23は、第2の導電部分222の端部が露出されるのを防げるためにて電極アセンブリの本体に密封して接続される。第2の絶縁層23の材料については、第1の絶縁層の材料を参照されたく、本明細書では、詳細を再び説明しない。
【0051】
本出願のこの実施形態において提供される第1の導電部分221と第2の導電部分222とのサイズおよび形状は同じであるが、本出願のこの実施形態において提供される第1の導電部分221と第2の導電部分222との形状およびサイズは特に限定されない。言い換えれば、
図3および
図7に示されている第1の導電部分221と第2の導電部分222とは、形状とサイズとが同じであり得るか、または形状が異なり得るか、またはサイズが異なり得る。上記のサイズは、第1の導電部分221または第2の導電部分222の面積を指す。本出願のこの実施形態において提供される第1の導電部分221と第2の導電部分222との特定の形状については、添付の図面を参照しながら以下で説明する。第1の導電部分は、一例として使用される。
【0052】
図7は、第2のセグメント膜の構造の概略図である。本出願のこの実施形態では、第1の絶縁層21の内枠端部は、雲形であり、第1の導電部分221のものであり、第1の絶縁層21の外に露出される部分も雲形である。同様に、第2の絶縁層も対応する形状を使用する。
【0053】
図8は、第3のセグメント膜の構造の概略図である。本出願のこの実施形態では、第1の絶縁層21の内枠端部は、円形であり、第1の導電部分221のものであり、第1の絶縁層21の外に露出される部分も
図8に示されている円形である。同様に、第2の絶縁層も対応する形状を使用する。
【0054】
図9は、第4のセグメント膜の構造の概略図である。本出願のこの実施形態では、第1の絶縁層21の内枠端部は、十字形であり、第1の導電部分221のものであり、第1の絶縁層21の外に露出される部分も
図9に示されている十字形である。同様に、第2の絶縁層も対応する形状を使用する。
【0055】
図7、
図8、および
図9はそれぞれ、本出願のこの実施形態において提供される第1の絶縁層21の内枠端部の特定の形状を示すにすぎず、第1の導電部分221の露出した形状は、閉じられたフレーム形状が形成されるという条件で、長方形、円形、楕円形、または特殊形状などの異なる形状であり得ることを理解されたい。閉じられたフレーム形状の形状は、本出願のこの実施形態では限定されない。同様に、第2の絶縁層23の内枠端部の形状も、長方形、円形、楕円形、または特殊形状などの上記の異なる形状であり得る。閉じられたフレーム形状の形状は、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0056】
図10は、本出願の一例による、第5のセグメント膜の構造の概略図であり、
図11は、
図10のC-Cにおける断面図であり、
図12は、
図10のD-Dにおける断面図である。
図10、
図11、および
図12中の同じ参照符号については、
図3中の参照符号を参照されたい。
図10に示されているセグメント膜は、第3の絶縁層25をさらに含み、第3の絶縁層25は、フレーム構造であり、第3の絶縁層25は、導電層22上にスリーブを付けられ、導電層22の側壁をラッピングする。第3の絶縁層25は、導電層22の端部からの電流漏れを防げるために導電層22の(第3の導電部分を除く)端部を絶縁する機能を有する。さらに、セグメント膜が電極アセンブリに接続されるとき、第3の絶縁層25はまた、隣接する密閉室中にイオン絶縁を実装するために隣接する密閉室中の電解質を分離し得る。第3の絶縁層25の材料は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタル酸塩層、ポリアミド、ポリイソフタロイルメタフェニレンジアミン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルホルマール、およびポリスチレンのうちの2つ以上を含む1つまたは組合せを含む。代替として、これらのタイプのポリマーも多層膜組合せによって第3の絶縁層25を形成し得る。第3の絶縁層25の厚さは、100nmから200μmの間、たとえば、100ナノメートル、1ミクロン、10ミクロン、50ミクロン、100ミクロン、または200ミクロンである。
【0057】
さらに
図10、
図11、および
図12を参照すると、第3の絶縁層25が配設されるとき、第3の絶縁層25は、第1の絶縁層21と第2の絶縁層23とに密封して接続される。第3の絶縁層25は、導電層22上での絶縁層の絶縁効果を改善するために第1の絶縁層21および第2の絶縁層23と一体構造に配設され得る。代替として、第3の絶縁層25と、第1の絶縁層21と、第2の絶縁層23とは、分割方式で配設され得る。分割方式が使用されるとき、密封処理は、第3の絶縁層25と第1の絶縁層21と第2の絶縁層23との接続部分に対して実施される。たとえば、シーラントが使用され、これは本明細書では特に限定されない。
【0058】
図10は、第3の絶縁層25が導電層22の側壁をラッピングする方式を示すが、上記のラッピング方式は、本出願のこの実施形態では特に限定されない。本出願のこの実施形態では、第3の絶縁層25は、導電層22の側壁の少なくとも一部分をラッピングし得る。
図10に示されているように、第3の絶縁層25は、導電層22のすべての側壁をラッピングする。代替として、第3の絶縁層25は、導電層22の側壁の部分のみをラッピングし、たとえば、導電層22の3つの側壁もしくは2つの側壁をラッピングするか、または3つの側壁と残りの側壁の一部分とをラッピングし得る。
【0059】
図4から
図10を参照すると、本出願のこの実施形態において提供される導電層は、第3の導電部分24にさらに接続される。第3の導電部分24が導電層22に接続されるとき、第3の導電部分24は、第1の導電部分221と第2の導電部分222とに別々に電気的に接続される。たとえば、第3の導電部分24は、導電層22に統合され得るか、または溶接によって導電層22に電気的に接続され得る。さらに
図4および
図10を参照すると、本出願のこの実施形態において提供される第3の導電部分24が、導電層22の側壁上に配設され、セグメント膜が第3の絶縁層25を含むとき、第3の導電部分24が第3の絶縁層25の外に露出されることが
図4および
図10から学ばれることができる。
【0060】
第3の導電部分24は、セグメント膜と外部回路との間の電気接続を実装するか、またはバッテリ組合せの検出ポイントとして働き得る。第3の導電部分24が外部回路に接続されるとき、第3の導電部分24は、バッテリ組合せ中で電位測定または容量均等化のために使用され得る。検出ポイントとして働くとき、第3の導電部分24は、電圧センサなどのセンサに直接接続され得る。
【0061】
図10に示されているように、1つの第3の導電部分24が、導電層22の側壁上に配設され、第3の導電部分24は、第3の絶縁層を通過した後に第3の絶縁層の外に露出される。第3の導電部分24は、外部回路に接続するように構成され、したがって、バッテリ組合せは、電気エネルギーを与えることができる。電気エネルギーを与えるとき、バッテリ組合せは、第3の導電部分24を使用することによって外部回路に直列にまたは並列に接続され得る。
【0062】
図13は、第6のセグメント膜の構造の概略図である。
図13に示されているセグメント膜は、2つの第3の導電部分24を含み、2つの第3の導電部分24は、導電層の同じ側壁上に配設される。1つの第3の導電部分24は、バッテリ組合せの電流伝導のために使用され、すなわち、電極アセンブリは、電源または充電のために第3の導電部分24を使用することによって外部回路に接続され、他の第3の導電部分24は、バッテリ組合せの電位測定のために使用され、すなわち、電極アセンブリの電圧は、第3の導電部分24によって測定されることができる。
【0063】
図14は、第7のセグメント膜の構造の概略図である。
図14に示されているセグメント膜は、2つの第3の導電部分24を含み、2つの第3の導電部分24は、導電層22の2つの異なる側壁上に配設される。1つの第3の導電部分24は、電流伝導のために使用され、他の第3の導電部分24は、電位測定のために使用される。
【0064】
図15は、第8のセグメント膜の構造の概略図である。
図15に示されているセグメント膜は、3つの第3の導電部分24を含む。3つの第3の導電部分24中の2つの第3の導電部分24は、導電層22の同じ側壁上に配設され、残りの第3の導電部分24は、別の側壁上に配設される。第1の第3の導電部分24は、電流伝導のために使用され、第2の第3の導電部分24は、電位測定のために使用され、第3の導電部分24は、互いに組み合わされた電極アセンブリ間での容量均等化のために使用される。実際の実装では、外部回路は、第3の導電部分を使用することによって電極アセンブリを充電または放電することができる。したがって、異なる電極アセンブリの容量は、異なる電極アセンブリの間での容量均等化を実装するために調整されることができる。
【0065】
図10から
図15に示されているセグメント膜からわかるように、電位測定、電流伝導、および容量均等化などのバッテリ組合せのための異なる制御機能は、異なる量の第3の導電部分24を追加することによって実装されることができる。本出願のこの実施形態における第3の導電部分24の量、たとえば、上記の例における1つ、2つ、または3つは、本出願では、特に限定されない。他の導電機能が必要とされるとき、第3の導電部分24の量は、
図13に示されている4つまたは5つなど、さらに増加され得る。バッテリ組合せの外の回路は、追加された少なくとも1つの第3の導電部分24をセグメント膜として使用することによって接続される。
【0066】
本出願の一実施形態は、バッテリ組合せをさらに提供する。
図1および
図2に示されているように、本出願のこの実施形態において提供されるバッテリ組合せは、パッケージ層30と、N個の電極アセンブリ10と、N-1個の上記のセグメント膜20とを含み、ここで、Nは、2以上の正の整数である。N-1個のセグメント膜20は、N個の密閉室にパッケージ層30を分離する。N個の電極アセンブリ10は、N個の密閉室中に1つずつ配設され、各電極アセンブリ10は、隣接するセグメント膜20に電気的に接続される。各密閉室は、電解質で充填され、セグメント膜20は、バッテリ組合せを形成するために複数の電極アセンブリ10がセグメント膜20によって接続されることを実装するために隣接する密閉室中に電解質を隔離するために使用される。
【0067】
最初に、本出願における電極アセンブリについて説明する。本出願のこの実施形態において提供される電極アセンブリは、バッテリの外側のパッケージ層が除去された後に取得される構造である。バッテリは、化学エネルギーを電気エネルギーに変換することができる装置であり、リチウムイオンバッテリ、リチウム金属バッテリなどであり得る。リチウムイオンバッテリは、黒鉛、シリコン、酸化ケイ素、チタン酸リチウム、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、酸化リチウムマンガン、ニッケルコバルトマンガン三元材料、およびニッケルマンガンスピネル材料、またはニッケル酸リチウムなど、電極材料としてリチウムイオンにちりばめられることが可能であるかまたはそれから除去されることが可能である材料を使用するバッテリを含む。リチウム金属バッテリは、電極材料としてリチウム金属、リチウム合金、またはリチウム金属と他の材料との混合を有するバッテリを含む。バッテリは、正の合流部分と負の合流部分とを含む。正の合流部分は、すべてのカソードの電流を収集するために使用され、負の合流部分は、すべてのアノードの電流を収集するために使用される。正の合流部分と負の合流部分とは、電極アセンブリのカソードタブおよびアノードタブであるか、または巻回電極アセンブリの最外の電流コレクタであるか、または積層電極アセンブリ上のすべてのカソードとすべてのアノードとの溶接部分であり得る。正の合流部分と負の合流部分との構造およびロケーションは、本出願のこの実施形態では限定されない。セグメント膜が電極アセンブリに接続されるとき、隣接する電極アセンブリの正の合流部分または負の合流部分は、それぞれ、セグメント膜の第1の導電部分および第2の導電部分に電気的に接続される。さらに、セグメント膜上の導電層と第3の絶縁層とは、隣接する電極アセンブリの電子伝導およびイオン絶縁を実装するために隣接する電極アセンブリの電解質を分離することができる。第3の導電部分が含まれるとき、第3の導電部分は、バッテリの独立した動作と独立した制御とを実装するために配設され得る。
【0068】
本発明のバッテリは、巻回、積層、または巻回および積層、または当業者によく知られている他の製造方法によって製造され得る。
【0069】
たとえば、バッテリは、巻回方式で実装され、これは、特に、以下の通りである。
【0070】
以下の表は、バッテリの主要なパラメータをリストする。
【0071】
【0072】
バッテリ製造は、典型的な巻回処理フローを採用する。アノード材料とカソード材料とは、撹拌パルプ化処理によってそれぞれアノードスラリーとカソードスラリーとにされ、次いで、電極板は、コーティング処理と乾燥処理とによって製造され、次いで、特定の圧縮密度をもつ電極板が、圧延処理によって製造され、次いで、電極板は、ストリップに分割される。電極板がストリップに分割された後、バッテリを製造するために、アノードプレートとカソードプレートとは、乾燥され、セパレータが取得され、アノードセパレータとカソードセパレータとが巻回される。巻回の後に、バッテリは、ホットプレスされ、成形される。次いで、バッテリの合流部分は、セグメント膜に接続される。溶接、リベット締め、(導電性接着剤または導電性粘着テープを使用するなどの)ボンディングが、接続のために採用され得る。パッケージ材料が取り出され、バッテリは、パッケージ材料を使用することによって1回パッケージングされ、次いで、乾燥、液体注入、および形成後に2次パッケージングが実施される。このようにして、バッテリ製造が完了される。主要な処理ステップは、次のように説明される。
【0073】
撹拌は、特殊な溶剤と結合剤とがそれぞれ粉末状のカソード活性物質とアノード活性物質と混合されることを意味し、高速での均一な撹拌の後にスラリー様のカソード材料とアノード材料とが製造される。コーティングは、製造されたスラリーを金属箔の表面上に一様にコーティングすることを意味する。
【0074】
乾燥は、コーティングされた電極板中の溶剤と水との蒸発の処理である。
【0075】
圧延は、ローラープレスを使用することによって特定の圧縮密度を有するようにコーティングされた電極板が圧延されることを意味する。
【0076】
ストリップ分割は、特定の幅をもつ電極板に圧延された電極板を切断することを意味する。
【0077】
巻回は、巻回機械によってバッテリにカソードプレートと、アノードプレートと、セパレータとを巻回することを指し、セパレータは、巻回処理と、その後のホットプレスおよび成形などの処理とでカソードプレートとアノードプレートとを分離する。
【0078】
パッケージングは、電極アセンブリがパッケージ層でラッピングされることを意味し、バッテリのタブ接着剤は、パッケージ層とホットプレスされ、融合される。
【0079】
液体注入は、バッテリに電解質を注入することを意味する。
【0080】
形成は、充電電流、電圧、および時間を調整することによるバッテリ内の活性成分の変換を指す。形成中に、ガスがバッテリ内で生成される。
【0081】
空気抽出は、真空デバイスを使用することによってバッテリハウジングからバッテリ内に生成されたガスと過剰電解質とを抽出することを意味する。
【0082】
バッテリは、セグメント膜を使用することによってバッテリ組合せに組み合わされる。
図16は、セグメント膜を使用することによって2つの電極アセンブリによって直列に形成されるバッテリ組合せの概略図である。
図17は、
図16に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。第1の電極アセンブリ10aは、正の合流部分12aと負の合流部分11aとを含み、第2の電極アセンブリ10bは、正の合流部分12bと負の合流部分11bとを含む。第1の電極アセンブリ10aの正の合流部分12aは、セグメント膜20の第1の導電部分221aに接続され、第2の電極アセンブリ10bの負の合流部分11bは、セグメント膜20の第2の導電部分222に接続される。このようにして、第1の電極アセンブリ10aと第2の電極アセンブリ10bとが直列に接続され得、次いで、パッケージ層30とセグメント膜20とがパッケージングされ得る。
図17から、セグメント膜20がパッケージ層30中の空間を2つの密閉室に分割することがわかる。接続中に、セグメント膜20の第1の絶縁層と第2の絶縁層とは、パッケージ層30に別々に密封して接続される。セグメント膜20は、第1の絶縁層と第2の絶縁層とを使用することによってパッケージ層30に密封して接続され、セグメント膜20は、導電層を使用することによって2つの密閉室中に電解質を隔離する。
【0083】
図18は、セグメント膜を使用することによって2つの電極アセンブリによって並列に形成されるバッテリ組合せの概略図である。
図19は、
図18に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。第1の電極アセンブリ10aは、正の合流部分12aと負の合流部分11aとを含み、第2の電極アセンブリ10bは、正の合流部分12bと負の合流部分11bとを含む。第1の電極アセンブリ10aの正の合流部分12aは、セグメント膜20の第1の導電部分221に接続され、第2の電極アセンブリ10bの正の合流部分12bは、セグメント膜20の第2の導電部分222に接続される。代替として、第1の電極アセンブリ10aの負の合流部分11は、セグメント膜20の第1の導電部分221に接続され、第2の電極アセンブリ10bの負の合流部分11は、セグメント膜20の第2の導電部分222に接続される。このようにして、第1の電極アセンブリ10aと第2の電極アセンブリ10bとが並列に接続され得、次いで、パッケージ層30とセグメント膜20とがパッケージングされ得る。パッケージ層30とセグメント膜20との特定の接続方式については、
図17の関連説明を参照されたい。
【0084】
図20は、N-1個のセグメント膜を使用することによってN個の電極アセンブリによって直列に形成されるバッテリ組合せの概略図であり、
図21は、
図20に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図であり、ここで、Nは、2以上の正の整数である。
図20に示されている各セグメント膜は、第3の絶縁層を含み、セグメント膜の主要な構造のみが
図20に示されており、第3の絶縁層は示されていない。第1の電極アセンブリ10aの正の合流部分12aは、第1のセグメント膜20aの第1の導電部分に接続され、第2の電極アセンブリの負の合流部分11は、第1のセグメント膜の第2の導電部分に接続され、第2の電極アセンブリの正の合流部分は、第2のセグメント膜の第1の導電部分に接続され、...、第(N-2)の電極アセンブリ10bの正の合流部分12cは、第(N-2)のセグメント膜20cの第1の導電部分に接続され、第(N-1)の電極アセンブリ10cの負の合流部分11cは、第(N-2)のセグメント膜20cの第2の導電部分に接続され、第(N-1)の電極アセンブリ10cの正の合流部分12cは、第(N-1)のセグメント膜20dの第1の導電部分に接続され、第Nの電極アセンブリ10dの負の合流部分11dは、第(N-1)のセグメント膜20dの第2の導電部分に接続される。このようにして、N個の電極アセンブリが直列に接続されることができ、次いで、パッケージ層30とセグメント膜とがパッケージングされ得る。
図21から、セグメント膜20がパッケージ層30中の空間をN個の密閉室に分割することがわかる。接続中に、セグメント膜20の第1の絶縁層と、第2の絶縁層と、第3の絶縁層とは、パッケージ層30に別々に密封して接続され、セグメント膜20は、第1の絶縁層と、第2の絶縁層と、第3の絶縁層とを使用することによってパッケージ層30に密封して接続される。セグメント膜20は、導電層と第3の絶縁層と使用することによって2つの密閉室中の電解質を分離する。
図19と
図21との間の比較により、
図21に示されている構造が採用されるとき、金属材料の使用を低減し、製造費を低減するために小さい面積をもつ導電層だけによって2つの隣接する電極アセンブリの接続が実装
されることが可能であることがわかる。
【0085】
図22は、N-1個のセグメント膜を使用することによってN個の電極アセンブリによって並列に形成されるバッテリ組合せの概略図であり、
図23は、
図22に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。第1の電極アセンブリ10aの正の合流部分12aは、第1のセグメント膜20aの第1の導電部分に接続され、第2の電極アセンブリの正の合流部分12は、第1のセグメント膜20aの第2の導電部分に接続され、第2の電極アセンブリの負の合流部分は、第2のセグメント膜の第1の導電部分に接続され、第3の電極アセンブリの負の合流部分は、第2のセグメント膜の第2の導電部分に接続され、...、第(N-2)の電極アセンブリ10bの負の合流部分11bは、第(N-2)のセグメント膜20cの第2の導電部分に接続され、第(N-1)の電極アセンブリ10cの負の合流部分11cは、第(N-2)のセグメント膜20cの第1の導電部分に接続され、第(N-1)の電極アセンブリ10cの正の合流部分12cは、第(N-1)のセグメント膜20dの第1の導電部分に接続され、第Nの電極アセンブリの正の合流部分12dは、第(N-1)のセグメント膜20dの第2の導電部分に接続される。N個の電極アセンブリが並列に接続され、次いで、パッケージ層30とセグメント膜とがパッケージングされる。パッケージ層30とセグメント膜20との特定の接続方式については、
図21の関連説明を参照されたい。
【0086】
図24は、3つのセグメント膜を使用することによって4つの電極アセンブリによって直列におよび並列に形成されるバッテリ組合せの概略図である。第1の電極アセンブリ10aのカソード12aは、第1のセグメント膜20aの第1の導電部分に接続され、第2の電極アセンブリ10bのアノード11bは、第1のセグメント膜20aの第2の導電部分に接続され、第2の電極アセンブリ10bのカソード12bは、第2のセグメント膜20bの第1の導電部分に接続され、第3の電極アセンブリ10cのカソード12cは、第2のセグメント膜20bの第2の導電部分に接続され、第3の電極アセンブリ10cのアノード11cは、第3のセグメント膜20cの第2の導電部分に接続され、第4の電極アセンブリ10dのカソード12dは、第3のセグメント膜20cの第1の導電部分に接続される。次いで、パッケージ層30は、セグメント膜を用いてパッケージングされ、したがって、第1の電極アセンブリ10aと第2の電極アセンブリ10bとは、直列バッテリ組合せ1を形成することができ、第3の電極アセンブリ10cと第4の電極アセンブリ10dとは直列バッテリ組合せ2を形成し、直列のバッテリ組合せ1と直列のバッテリ組合せ2とは並列に接続される。すなわち、4つの電極アセンブリが、直列および並列構造を形成する。電極アセンブリとセグメント膜とが並列バッテリ組合せと、直列のバッテリ組合せと、直列のバッテリおよび並列バッテリの組合せとを形成する上記の技術によれば、当業者は、直列のバッテリおよび並列バッテリの組合せを形成するためにN個(Nは2よりも大きい)の電極アセンブリとN-1個のセグメント膜とを容易に使用することができる。電極アセンブリの合流部分とセグメント膜の第1の導電部分および第2の導電部分との接続方式は、電極アセンブリの合流部分とセグメント膜の第1の導電部分および第2の導電部分とを溶接することと、導電性接着剤を用いてそれらをボンディングすることと、様々な形態でそれらをリベット締めすることとを含む。セグメント膜とパッケージ層との特定の接続方式については、
図21の関連説明を参照されたい。
【0087】
本出願のこの実施形態において提供されるバッテリ組合せと従来の技術におけるバッテリ組合せとの間の差を理解しやすいように、本出願のこの実施形態において提供されるバッテリ組合せを従来の技術におけるバッテリ組合せと比較する。
【0088】
本出願のこの実施形態は、3つのタイプのセグメント膜を与える。
図25に示されているように、第9のセグメント膜20aは、導電層22として銅層を使用し、第1の絶縁層と第2の絶縁層とは、ポリプロピレン層であり、セグメント膜20aは、1つの第3の導電部分24を有する。
図26に示されているように、第10のセグメント膜20bは、導電層22としてアルミニウム層を使用し、第1の絶縁層と第2の絶縁層とは、ポリエチレン層であり、セグメント膜20bは、2つの第3の導電部分24を有する。
図27に示されているように、第11のセグメント膜20cは、導電層22として銅/アルミニウム層複合箔を使用し、第1の絶縁層と第2の絶縁層とは、ポリプロピレン層であり、第3の絶縁層25は、ポリプロピレンとポリエチレンとのコポリマー層であり、セグメント膜20cは、2つの第3の導電部分24を有する。
【0089】
図28は、セグメント膜20aによって形成される並列バッテリ組合せを示し、
図29は、
図28に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。第1の電極アセンブリ10aの正の合流部分12aは、セグメント膜20aの第1の導電部分221に接続され、第2の電極アセンブリ10bの正の合流部分12bは、セグメント膜20aの第2の導電部分222に接続される。次いで、電極アセンブリとセグメント膜20aとは、セグメント膜20aを使用することによって並列に接続される2つのバッテリ組合せを取得するためにパッケージ層30を使用することによってパッケージングされる。セグメント膜20aとパッケージ層30との特定の接続方式については、
図17の関連説明を参照されたい。
【0090】
図30は、セグメント膜20bによって形成される並列バッテリ組合せを示し、
図31は、バッテリ組合せの内部構造の概略図である。第1の電極アセンブリ10aの負の合流部分11aは、セグメント膜20bの第1の導電部分221に接続され、第2の電極アセンブリ10bの負の合流部分11bは、セグメント膜20bの第2の導電部分222に接続される。次いで、電極アセンブリとセグメント膜20bとは、セグメント膜20bを使用することによって並列に接続される2つのバッテリ組合せを取得するためにパッケージ層30を使用することによってパッケージングされる。セグメント膜20bとパッケージ層30との特定の接続方式については、
図17の関連説明を参照されたい。
【0091】
図32は、セグメント膜20aとセグメント膜20bとによって形成される並列バッテリ組合せを示し、
図33は、
図32に示されているバッテリ組合せの内部構造の概略図である。第1の電極アセンブリ10aの負の合流部分11aは、セグメント膜20bの第1の導電部分に接続され、第2の電極アセンブリ10bの負の合流部分11bは、セグメント膜20bの第2の導電部分に接続され、第2の電極アセンブリ10bの正の合流部分12bは、セグメント膜20aの第1の導電部分に接続され、第3の電極アセンブリ10cの正の合流部分12cは、セグメント膜20aの第2の導電部分に接続される。次いで、電極アセンブリとセグメント膜とは、パッケージ層30を使用することによってパッケージングされ、3つの電極アセンブリは、セグメント膜20aとセグメント膜20bとを使用することによって並列に接続される。セグメント膜20aと、セグメント膜20bと、パッケージ層30との特定の接続方式については、
図17の関連説明を参照されたい。
【0092】
図34は、セグメント膜20cによって形成される直列バッテリ組合せを示し、
図35は、バッテリ組合せの内部構造の概略図である。第1の電極アセンブリ10aの正の合流部分12aは、セグメント膜20cの第1の導電部分に接続され、第2の電極アセンブリ10bの負の合流部分11bは、セグメント膜20cの第2の導電部分に接続される。次いで、電極アセンブリとセグメント膜とは、セグメント膜20c使用することによって直列に接続される2つのバッテリ組合せを取得するためにパッケージ層30を使用することによってパッケージングされる。パッケージ層30とセグメント膜20cとの接続方式については、
図21の関連説明を参照されたい。
【0093】
図36は、セグメント膜20aと、セグメント膜20bと、セグメント膜20cとによって形成される直列および並列バッテリ組合せを示し、
図37は、バッテリ組合せの内部構造の概略図である。第1の電極アセンブリ10aの正の合流部分12aは、セグメント膜20aの第1の導電部分に接続され、第2の電極アセンブリ10bの正の合流部分12bは、セグメント膜20aの第2の導電部分に接続され、第2の電極アセンブリ10bの負の合流部分11bは、セグメント膜20cの第1の導電部分に接続され、第3の電極アセンブリ10cの正の合流部分12cは、セグメント膜20cの第2の導電部分に接続され、第3の電極アセンブリ10cの負の合流部分11cは、セグメント膜20bの第1の導電部分に接続され、第4の電極アセンブリ10dの負の合流部分11dは、セグメント膜20bの第2の導電部分に接続される。次いで、電極アセンブリとセグメント膜とは、パッケージ層30を使用することによってパッケージングされ、3つの電極アセンブリは、セグメント膜20aとセグメント膜20bとを使用することによって直列におよび並列に接続される。セグメント膜20aと、セグメント膜20bと、パッケージ層30との接続方式については、
図17の関連説明を参照されたい。パッケージ層30とセグメント膜20cとの接続方式については、
図21の関連説明を参照されたい。
【0094】
比較実施形態において電極アセンブリを製造するための方法および材料は、実施形態における方法および材料と同じである。銅板は、外部電気コネクタとして使用され、比較実施形態における単一の電極アセンブリは、並列バッテリ組合せ1と、並列バッテリ組合せ2と、並列バッテリ組合せ3と、直列バッテリ組合せ4と、直列および並列バッテリ組合せ5とを形成するために実施形態の場合のような方式で直列におよび/または並列に接続される。
【0095】
25℃の周囲温度において、比較実施形態における電極アセンブリは、1Cのレートで充電および放電され、放電エネルギーは、充電データおよび放電データから抽出され、電極アセンブリのエネルギー密度は、電極アセンブリまたはバッテリ組合せの体積に基づいて計算される。
【0096】
【0097】
上記の説明から、本出願の実施形態において提供されるバッテリ組合せにおいて、電極アセンブリが、セグメント膜を使用することによって接続され、セグメント膜が、セグメント膜を使用することによって2つの隣接する電極アセンブリの間にイオン絶縁と電子伝導とを実装するためにバッテリ組合せ内に配設されることが学ばれることができる。電極アセンブリの直列接続および/または並列接続を実装することに基づいて、電気コネクタおよび構造構成要素は、最大限に低減され、バッテリ組合せの構造が簡略化され、バッテリ組合せの体積が低減され、バッテリ組合せのエネルギー密度が改善される。さらに、第3の導電部分は、接続された電極アセンブリの独立した動作および独立した制御を実装するために使用される。
【0098】
本出願の一実施形態は、電気デバイスをさらに提供する。電気デバイスは、電気自動車、電気トラック、もしくは電気船舶などの電気駆動型輸送装置であり得るか、またはタブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、またはモバイルフォンなどの端末であり得る。電気デバイスは、ハウジングと上記のうちのいずれか1つによるバッテリ組合せとを含む。バッテリ組合せは、セグメント膜を使用することによって電極アセンブリに接続され、セグメント膜は、バッテリ組合せ内に配設され、2つの隣接する電極アセンブリの間のイオン絶縁と電子伝導とは、セグメント膜を使用することによって実装される。電極アセンブリの直列接続および/または並列接続を実装することに基づいて、電気コネクタおよび構造構成要素は、最大限に低減され、バッテリ組合せの構造が簡略化され、バッテリ組合せの体積が低減され、バッテリ組合せのエネルギー密度が改善される。さらに、第3の導電部分は、接続された電極アセンブリの独立した動作および独立した制御を実装するために使用される。
【0099】
上記の説明は、本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではない。本出願で開示する技術的範囲内で当業者によって容易に考え出されるいかなる変更または置換も、本出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の保護範囲の対象であるものとする。